JP3621064B2 - ナット脱落防止機能を有するボルト - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ナットの脱落防止を図り得るボルトに関する。
【0002】
【従来の技術】
高速道路、高架、鉄橋などの構造部材の締結のために、従来よりボルト・ナットが広く用いられており、ボルト・ナットの脱落による事故防止のために、例えばシャークリップなどによりボルト・ナットの脱落防止が図られている。
また、ボルト・ナット毎にシャークリップなどを敷設する対策の他にも、例えば、予めボルト軸に係止ピンを設けたボルトを用いて、ボルト・ナットを締結する毎に工具を用いて係止ピンを折曲してナットを係止し、ナットの脱落防止を図るものも開発されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、高速道路などに採用されるボルト・ナットは膨大な数量であり、各ボルト・ナット毎に、ボルト・ナットとは別体のシャークリップなどを付加したり、あるいは、工具を用いて係止ピンを折曲することは多大な手間を要し、工期短縮、コスト低減の面からも改善が望まれている。
更に、高速道路や高架の工事では、安全性を配慮して施工現場をバリアで覆うことが多く、このため、作業員の手元が薄暗く、シャークリップの取付作業や、係止ピンの折曲作業などの細かい作業を行い難い。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みて提案されるもので、施工の手間の削減、作業の簡素化を図りつつも、確実にナットの脱落防止を図り得るナット脱落防止機能を有するボルトを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、次の技術的手段を講じた。
即ち、本発明のナット脱落防止機能を有するボルトは、オネジが形成されたボルト軸と、該ボルト軸に取り付けられたナット脱落防止部とを備え、該ナット脱落防止部は、通常時はボルト軸に螺着されるナットのメネジ内径よりも径方向外方に突出してナットのボルト軸からの脱落を防止するとともに、前記突出部を径方向内方に押し込むことでナットのメネジ内径よりも小径となるように弾性変形可能であることを特徴とするものである。
【0006】
また、本発明のナット脱落防止機能を有するボルトは、オネジが形成されたボルト軸と、該ボルト軸に取り付けられてナットを係止する弾性変形可能なナット脱落防止部とを備え、該ナット脱落防止部は、ボルト軸にナットを螺合させて軸方向内方へ移動させると、ナットの移動により弾性変形してナットの軸方向内方への移動を許容し、ナット脱落防止部を越えてナットが軸方向内方へ移動した後はナットによる弾性変形が解除されて復元し、ナットを係止してナットの緩みによる軸方向外方への移動を阻止することを特徴とするものである。
【0007】
かかる本発明のボルトによれば、通常のボルト・ナットと同様に、ボルト軸にナットを螺合・締結させるだけで確実にナットの脱落防止を図ることができ、脱落防止のための特別な作業を要しない。これにより、作業の簡素化・迅速化を図ることができると共に、バリア内などの薄暗い現場においても容易に作業を行うことが可能である。
また、ボルト軸にナットを螺合・締結した後に万一ナットが緩んでも、ナットはナット脱落防止部で係止されてボルト軸から脱落することはなく、定期的なメンテナンス時に増し締めすることができる。
【0008】
上記本発明において、ナット脱落防止部は、ボルト軸の先端部の軸中央から先端側へ向けて延出する基部と、該基部に続いてC字状に折り返して湾曲した弾性変形部と、該弾性変形部に続いてボルト軸の軸方向内方へ向かうに連れてボルト軸の中心軸との間隔が広がる直線状の係止部とを一体化して形成され、該係止部はオネジの形成部位に軸方向へ設けられた収容部の内部に位置すると共に係止部の先端はオネジから突出し、該係止部は弾性変形部の弾性変形によって収容部へ退入可能とされており、係止部は、ナットの軸方向内方への移動により押圧され収容部の内部へ退入してナットの軸方向内方への移動を許容し、ナットが係止部を越えて軸方向内方へ移動してナットによる押圧が解除されると、弾性変形部の復元力によってオネジから突出してナットの軸方向外方の端面を係止する構成を採ることができる。
【0009】
この構成によれば、係止部が収容部へ退入する構成であるから、輸送途中や施工現場でナット脱落防止部に外力が作用しても、このナット脱落防止部の塑性変形を防止できる。さらに、係止部は直線状で軸方向内方へ向かうに連れてボルト軸の中心軸との間隔が広がるように傾斜している。従って、ナットをボルト軸に螺合させて軸方向内方へ移動させると、ナットに形成されたメネジにより係止部は押圧されて収容部の内部へ退入する。これにより、ナットは係止されることなく螺合の促進が許容される。
【0010】
そして、螺合が促進してナットが係止部を越えて軸方向内方へ更に移動すると、ナットのメネジによる係止部の押圧が解除され、収容部に退入していた係止部は弾性変形部の復元力によってナットの螺合前と同一の状態に戻り、係止部の先端はオネジから突出する。この状態に至ると、ナットが緩んで軸方向外方へ移動しようとすると、ナットの軸方向外方の端面がオネジから突出した係止部の先端に当接し、係止部は軸方向外方へ向けて押圧力を受ける。しかし、係止部の軸方向外方へ向かう押圧力に対しては弾性変形部は弾性変形を呈さず、ナットは係止部で係止されて軸方向外方への移動が阻止され、脱落が防止される。
【0011】
このように、本発明によれば、極めて構造の簡単なナット脱落防止部をボルト軸に設けるだけで、ナットの脱落を確実に防止可能である。また、ボルト軸にナットを螺合・締結後に、オネジから係止部の先端が突出した状態を目視あるいは触感で容易に確認することができ、施工の信頼性を向上させることができる。
【0012】
本発明の構成において、ボルト軸に形成されるオネジから係止部の先端が突出する長さは、ボルトにナットを螺合・締結したときに、係止部の先端がナットの軸方向外方の端面のメネジ近傍に当接するように設定するのが良い。
係止部の先端のオネジからの突出長が少ない場合は、係止部の先端はナットに形成されたメネジのネジ山に当接する。このため、緩みによりナットが軸方向外方へ移動しようとすると、係止部の先端に加わる径方向内方の分力が増大し、係止部の先端がメネジのネジ山を滑って収容部へ退入し易く、安定した係止が確保できない。
【0013】
逆に、係止部の先端のオネジからの突出長が大きい場合は、ボルト軸の先端部の端面においても係止部がオネジから突出する。このため、ナットの螺合に際してナットで係止部を押圧しつつボルト軸に螺合させなければならず、作業効率が低下する。
係止部の先端のオネジからの突出長を前記設定とすることにより、安定した係止が確保され作業効率も向上すると共に、ナットの外側面から係止部の先端が突出しないので、ボックスレンチを用いてナットの螺合・締結や増し締めを行うことも可能である。
【0014】
また、本発明の構成において、ボルト軸の中心軸に対するナット脱落防止部の係止部の傾斜角度は略15度に設定するのが好適である。
係止部の先端のオネジからの突出長さは前記したように規制されるので、係止部の傾斜角度が減少すると、ボルト軸の先端部の端面においても係止部がオネジから突出する。このため、ナットで係止部を押圧しつつボルト軸に螺合させなければならず、作業効率が低下する。
【0015】
逆に、係止部の傾斜角度が増大すると、緩みによりナットが軸方向外方へ移動しようとすると、係止部の先端に加わる径方向外方の分力が増大する。このため、係止部の先端がナットの径方向外方の端面上を外方へ向けて滑りやすく、安定した係止が確保できない。
ボルト軸の中心軸に対する係止部の傾斜角度を前記設定とすることにより、安定した係止が確保され作業効率も向上する。
【0016】
本発明の構成において、ナットを確実に係止するように係止部の先端は適宜の形状に加工を施すことができる。
例えば、係止部の先端とナットの軸方向外方の端面との間の摩擦力を増加させるように、係止部の先端部を所定角度だけ折曲する構造を採ることができる。
【0017】
また、本発明の構成において、ボルト軸の先端部から先端側へ向けてナット脱落防止部が突出する長さは、前記したナット脱落防止部の形状規制に従いつつできる限り少ない方が良い。ナット脱落防止部の突出長を低減することにより、ボックスレンチを用いてボルト軸にナットを螺合・締結したり、あるいは、ナットを増し締めする場合に、ボックスレンチのボックス深さで規制されてレンチがナットに係合しない不具合が減少する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、図示実施例に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1〜図5は本発明の実施例に係るボルト1を示している。図1(a)はボルト1の平面図、図1(b)はその正面図、図1(c)はその側面図、図2(a)はボルト1に螺合するナットの縦断面図、図2(b)はボルト1の要部縦断面図、図2(c)はその要部側面図である。また、図3(a)〜(c)はボルト1にナットを螺合・締結する課程を示す縦断面図、図4はボルト1の施工例を示す断面図、図5(a),(b)はボルト1の製造工程を示す説明図である。
【0019】
ボルト1は、ボルト頭2と、ボルト軸3と、ナット脱落防止部5とを備えており、ボルト頭2とボルト軸3は鍛造や圧造等により一体成形され、ボルト軸3の先端部に脱落防止部材(ナット脱落防止部)5を溶接固定したものである。
【0020】
本実施例のボルト1は、六角ボルトであり、ボルト頭2が六角柱状に成形されているが、本発明はこの形状に限定されるものではなく、種々の形態のボルトに採用可能である。また、脱落防止部材5を溶接固定する前のボルト1は、適宜の鉄鋼材料を冷間鍛造若しくは熱間鍛造することにより、ボルト頭2とボルト軸3を一体に有する図5(a)に示す中間製造物を成形し、そのボルト軸3の軸方向所定範囲に渡って、オネジ4を転造により成形して得ることができる。
【0021】
ボルト軸3には、その軸方向先端部から所定範囲に渡ってオネジ4が設けられている。このオネジ4は、適宜のピッチ及びリードで成形加工することができ、一条ネジであっても、二条以上の多条ネジであっても良い。また、オネジ4のネジ山形は、図示実施例では三角ネジを採用しているが、四角ネジ、台形ネジ、ノコ歯ネジなどの適宜のものを採用できる。
【0022】
また、ボルト軸3の軸方向先端部中央には、軸方向内方へ向けて所定深さの固定孔31が穿孔されている。この固定孔31の穿孔は旋盤あるいはドリルなどを用いて行われる。
また、オネジ4の形成される部位で、軸方向先端部から軸方向内方へ向けて所定長さの範囲には、径方向内方へ向けて溝32が削設され、この溝32によって収容部32を形成している。この収容部32の深さは軸方向先端部が最も深く、軸方向内方へ向かうに連れて浅くなり、収容部32の軸方向内方端部は深さがゼロである。また、収容部32の幅d2は後述するナット脱落防止部5の係止部53の外径よりも僅かに大きい。
この収容部32はオネジ4を転造により成形した後に削設する。これにより、収容部32の両側のオネジ4の螺旋構造は連続しており、ナットを支障なく螺合可能である。
【0023】
脱落防止部材(ナット脱落防止部)5は、図2(b)、図5(b)に示すように、ボルト軸3の先端部の軸中央から先端側へ向けて直線状に延出する基部50と、基部50に続いてC字状に折り返して湾曲した弾性変形部52と、弾性変形部52に続いて基部50の先端へ向かうに連れて基部50との間隔が広がる直線状の係止部53とを一体化して形成された部材で、基部50の基端には、スポット溶接用のフランジ51が形成されている。また、本実施例では、基部50と係止部53との成す角度を略15度としている。
【0024】
この脱落防止部材5は、弾性変形部52の湾曲によって弾性変形を可能にしており、係止部53を基部50側へ押圧して近接させた後に押圧力を解除すると、元の形状に復元する。この脱落防止部材5は、所定の外径を有する適宜の鉄鋼材料を用いて製することができ、本実施例では、鋼材を湾曲させて成形加工している。
【0025】
本実施例のボルト1は、図5(b)に示すように、ボルト軸3に脱落防止部材5を溶接固定したものである。則ち、脱落防止部材5の係止部53がボルト軸3に設けた収容部41の内部に位置するようにして、基部50のフランジ51をボルト軸3の先端面30に当接させ、そして、フランジ51と先端面30との間を抵抗溶接して固定して製されたものである。
【0026】
この本実施例のボルト1は、図2に示すように、脱落防止部材5の係止部53がボルト軸3の収容部32の内部に位置し、係止部先端53aがオネジ4から僅かに突出し、係止部53は弾性変形部52の弾性変形によって収容部32の内部へ退入可能である。
また、脱落防止部材5の基部50は、ボルト軸3の中心軸上に軸方向へ向けて固定されるので、係止部53はボルト軸3の軸方向内方へ向かうに連れて、ボルト軸3の中心軸との間隔が広がるように傾斜する。
【0027】
脱落防止部材5の弾性変形部52の外径D1は、ナット6に形成されたメネジ60の山径D2よりも小径であり、ナット6は脱落防止部材5を支障なく挿通させることができる。
また、ボルト軸3の先端部端面30において、係止部53がオネジ4から突出しない形状として、ナット6をボルト軸3に螺合させる際に、ナット6で係止部53を押圧することなく螺合可能な構成としている。
更に、収容部32は、係止部53を収容部32の内部に押圧収容した状態で、係止部先端53aがオネジ4の谷に掛からない深さとして、ナット6の螺合による軸方向内方への移動をスムーズに行える形状としている。
【0028】
本実施例のボルト1にナット6を螺合・締結するには、図3(a)に示すように、ナット6に脱落防止部材5を挿通させてナット6のメネジ60をボルト軸3のオネジ4に螺合させる。このとき、前記したように、螺合させるまでに係止部53を押圧する必要がないので、螺合が容易である。
次いで、ボルト軸3に螺合したナット6を回転させて螺合を促進すると、図3(b)に示すように、係止部53はナット6のメネジ60に押圧されて収容部32に退入しつつ螺合が進行する。
【0029】
螺合が進行してナット6が脱落防止部材5の係止部53を越えると、図3(c)に示すように、それまで、ナット6のメネジ60で押圧されて収容部32に退入していた係止部32は、押圧が解除されて弾性変形部52の復元力によってオネジ4から突出する。
そして、一旦、係止部32が突出すると、ナット6が緩んで軸方向外方へ移動しようとしても、係止部先端53aがナット6の軸方向外方の端面61と当接して係止し、ナット6の緩みが阻止され脱落が防止される。
特に、本実施例によれば、係止部先端53aがナット6に当接して係止するので、係止部先端53aとナット6との間の摩擦力によりナット6の回転を阻止する効果をも奏し、確実な係止を行うことが可能である。
【0030】
本実施例のボルト1を用いて複数の被締結部材を締結する場合、図4に示すように、被締結部材7,8に形成したボルト孔70,80にボルト1のボルト軸3を挿通し、ボルト軸3の先端から脱落防止部材5を通してナット6を螺合締結する。
【0031】
このように、ナット6をボルト軸3に螺合・締結して被締結部材7,8を締結した状態では、ナット6の軸方向外方の端面61と係止部先端53aとの間に軸方向へ向けて隙間d3が形成される。この隙間d3が所定値以下となるように、被締結部材7,8の厚さに応じてボルト軸3の長さを調整することにより、ナット6が大きく緩むことが阻止され、仮にナット6に緩みが生じた場合でも、被締結部材7,8のがたつきの増大を防止することが可能である。
尚、一旦、締結したナット6をボルト1から取り外す場合は、係止部53を収容部32の内部へ押し込んだ状態でナット6を緩めることで可能である。
【0032】
尚、脱落防止部材5の形状は前記実施例に示した形状に限定されるものではなく、同一機能を有するものであれば異なる形状のものを採用しても良い。
また、前記実施例では、係止部53を退入させる収容部32をボルト軸3に設けた構成を採用したが、本発明はこのような構成に限られるものではない。
例えば、ボルト軸3に収容部32を設けずに、係止部先端53aをボルト軸3の先端部の端面30に位置させてオネジ4から突出させる構成を採用することも可能である。この構成によれば、ナット6の軸方向外方の端面61がボルト軸3の先端部の端面30を越えた時点で、ナット6の軸方向外方への移動が阻止され脱落が防止される。
また、フランジ51を基部50の軸方向中途部に設け、ボルト軸3の先端面には基部50を挿通し得る取付穴を設けることにより、より安定して脱落防止部材5をボルト軸3に取り付け固定することも可能である。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、別体のシャークリップなどを付加施工することなく、ボルト軸に通常通りナットを螺合・締結するだけでボルト軸からのナットの脱落を確実に阻止することができ、更に、係止部の突出を目視あるいは触感で確認することにより確実な施工を容易に確認することができ、より一層のナットの脱落防止の確実性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の実施例に係るボルトの平面図、(b)はその正面図、(c)はその側面図である。
【図2】(a)は図1に示すボルトに螺合するナットの縦断面図、(b)は図1に示すボルトの要部縦断面図、(c)は(b)の側面図である。
【図3】(a)〜(c)は図1に示すボルトにナットを螺合・締結する課程を示す縦断面図である。
【図4】図1に示すボルトの施工例を示す断面図である。
【図5】(a),(b)は図1に示すボルトの製造工程を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ボルト(ナット脱落防止機能を有するボルト)
3 ボルト軸
32 収容部
4 オネジ
5 ナット脱落防止部(脱落防止部材)
50 基部
52 弾性変形部
53 係止部
53a 係止部の先端
6 ナット
61 ナットの軸方向外方の端面
【発明の属する技術分野】
本発明は、ナットの脱落防止を図り得るボルトに関する。
【0002】
【従来の技術】
高速道路、高架、鉄橋などの構造部材の締結のために、従来よりボルト・ナットが広く用いられており、ボルト・ナットの脱落による事故防止のために、例えばシャークリップなどによりボルト・ナットの脱落防止が図られている。
また、ボルト・ナット毎にシャークリップなどを敷設する対策の他にも、例えば、予めボルト軸に係止ピンを設けたボルトを用いて、ボルト・ナットを締結する毎に工具を用いて係止ピンを折曲してナットを係止し、ナットの脱落防止を図るものも開発されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、高速道路などに採用されるボルト・ナットは膨大な数量であり、各ボルト・ナット毎に、ボルト・ナットとは別体のシャークリップなどを付加したり、あるいは、工具を用いて係止ピンを折曲することは多大な手間を要し、工期短縮、コスト低減の面からも改善が望まれている。
更に、高速道路や高架の工事では、安全性を配慮して施工現場をバリアで覆うことが多く、このため、作業員の手元が薄暗く、シャークリップの取付作業や、係止ピンの折曲作業などの細かい作業を行い難い。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みて提案されるもので、施工の手間の削減、作業の簡素化を図りつつも、確実にナットの脱落防止を図り得るナット脱落防止機能を有するボルトを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、次の技術的手段を講じた。
即ち、本発明のナット脱落防止機能を有するボルトは、オネジが形成されたボルト軸と、該ボルト軸に取り付けられたナット脱落防止部とを備え、該ナット脱落防止部は、通常時はボルト軸に螺着されるナットのメネジ内径よりも径方向外方に突出してナットのボルト軸からの脱落を防止するとともに、前記突出部を径方向内方に押し込むことでナットのメネジ内径よりも小径となるように弾性変形可能であることを特徴とするものである。
【0006】
また、本発明のナット脱落防止機能を有するボルトは、オネジが形成されたボルト軸と、該ボルト軸に取り付けられてナットを係止する弾性変形可能なナット脱落防止部とを備え、該ナット脱落防止部は、ボルト軸にナットを螺合させて軸方向内方へ移動させると、ナットの移動により弾性変形してナットの軸方向内方への移動を許容し、ナット脱落防止部を越えてナットが軸方向内方へ移動した後はナットによる弾性変形が解除されて復元し、ナットを係止してナットの緩みによる軸方向外方への移動を阻止することを特徴とするものである。
【0007】
かかる本発明のボルトによれば、通常のボルト・ナットと同様に、ボルト軸にナットを螺合・締結させるだけで確実にナットの脱落防止を図ることができ、脱落防止のための特別な作業を要しない。これにより、作業の簡素化・迅速化を図ることができると共に、バリア内などの薄暗い現場においても容易に作業を行うことが可能である。
また、ボルト軸にナットを螺合・締結した後に万一ナットが緩んでも、ナットはナット脱落防止部で係止されてボルト軸から脱落することはなく、定期的なメンテナンス時に増し締めすることができる。
【0008】
上記本発明において、ナット脱落防止部は、ボルト軸の先端部の軸中央から先端側へ向けて延出する基部と、該基部に続いてC字状に折り返して湾曲した弾性変形部と、該弾性変形部に続いてボルト軸の軸方向内方へ向かうに連れてボルト軸の中心軸との間隔が広がる直線状の係止部とを一体化して形成され、該係止部はオネジの形成部位に軸方向へ設けられた収容部の内部に位置すると共に係止部の先端はオネジから突出し、該係止部は弾性変形部の弾性変形によって収容部へ退入可能とされており、係止部は、ナットの軸方向内方への移動により押圧され収容部の内部へ退入してナットの軸方向内方への移動を許容し、ナットが係止部を越えて軸方向内方へ移動してナットによる押圧が解除されると、弾性変形部の復元力によってオネジから突出してナットの軸方向外方の端面を係止する構成を採ることができる。
【0009】
この構成によれば、係止部が収容部へ退入する構成であるから、輸送途中や施工現場でナット脱落防止部に外力が作用しても、このナット脱落防止部の塑性変形を防止できる。さらに、係止部は直線状で軸方向内方へ向かうに連れてボルト軸の中心軸との間隔が広がるように傾斜している。従って、ナットをボルト軸に螺合させて軸方向内方へ移動させると、ナットに形成されたメネジにより係止部は押圧されて収容部の内部へ退入する。これにより、ナットは係止されることなく螺合の促進が許容される。
【0010】
そして、螺合が促進してナットが係止部を越えて軸方向内方へ更に移動すると、ナットのメネジによる係止部の押圧が解除され、収容部に退入していた係止部は弾性変形部の復元力によってナットの螺合前と同一の状態に戻り、係止部の先端はオネジから突出する。この状態に至ると、ナットが緩んで軸方向外方へ移動しようとすると、ナットの軸方向外方の端面がオネジから突出した係止部の先端に当接し、係止部は軸方向外方へ向けて押圧力を受ける。しかし、係止部の軸方向外方へ向かう押圧力に対しては弾性変形部は弾性変形を呈さず、ナットは係止部で係止されて軸方向外方への移動が阻止され、脱落が防止される。
【0011】
このように、本発明によれば、極めて構造の簡単なナット脱落防止部をボルト軸に設けるだけで、ナットの脱落を確実に防止可能である。また、ボルト軸にナットを螺合・締結後に、オネジから係止部の先端が突出した状態を目視あるいは触感で容易に確認することができ、施工の信頼性を向上させることができる。
【0012】
本発明の構成において、ボルト軸に形成されるオネジから係止部の先端が突出する長さは、ボルトにナットを螺合・締結したときに、係止部の先端がナットの軸方向外方の端面のメネジ近傍に当接するように設定するのが良い。
係止部の先端のオネジからの突出長が少ない場合は、係止部の先端はナットに形成されたメネジのネジ山に当接する。このため、緩みによりナットが軸方向外方へ移動しようとすると、係止部の先端に加わる径方向内方の分力が増大し、係止部の先端がメネジのネジ山を滑って収容部へ退入し易く、安定した係止が確保できない。
【0013】
逆に、係止部の先端のオネジからの突出長が大きい場合は、ボルト軸の先端部の端面においても係止部がオネジから突出する。このため、ナットの螺合に際してナットで係止部を押圧しつつボルト軸に螺合させなければならず、作業効率が低下する。
係止部の先端のオネジからの突出長を前記設定とすることにより、安定した係止が確保され作業効率も向上すると共に、ナットの外側面から係止部の先端が突出しないので、ボックスレンチを用いてナットの螺合・締結や増し締めを行うことも可能である。
【0014】
また、本発明の構成において、ボルト軸の中心軸に対するナット脱落防止部の係止部の傾斜角度は略15度に設定するのが好適である。
係止部の先端のオネジからの突出長さは前記したように規制されるので、係止部の傾斜角度が減少すると、ボルト軸の先端部の端面においても係止部がオネジから突出する。このため、ナットで係止部を押圧しつつボルト軸に螺合させなければならず、作業効率が低下する。
【0015】
逆に、係止部の傾斜角度が増大すると、緩みによりナットが軸方向外方へ移動しようとすると、係止部の先端に加わる径方向外方の分力が増大する。このため、係止部の先端がナットの径方向外方の端面上を外方へ向けて滑りやすく、安定した係止が確保できない。
ボルト軸の中心軸に対する係止部の傾斜角度を前記設定とすることにより、安定した係止が確保され作業効率も向上する。
【0016】
本発明の構成において、ナットを確実に係止するように係止部の先端は適宜の形状に加工を施すことができる。
例えば、係止部の先端とナットの軸方向外方の端面との間の摩擦力を増加させるように、係止部の先端部を所定角度だけ折曲する構造を採ることができる。
【0017】
また、本発明の構成において、ボルト軸の先端部から先端側へ向けてナット脱落防止部が突出する長さは、前記したナット脱落防止部の形状規制に従いつつできる限り少ない方が良い。ナット脱落防止部の突出長を低減することにより、ボックスレンチを用いてボルト軸にナットを螺合・締結したり、あるいは、ナットを増し締めする場合に、ボックスレンチのボックス深さで規制されてレンチがナットに係合しない不具合が減少する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、図示実施例に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1〜図5は本発明の実施例に係るボルト1を示している。図1(a)はボルト1の平面図、図1(b)はその正面図、図1(c)はその側面図、図2(a)はボルト1に螺合するナットの縦断面図、図2(b)はボルト1の要部縦断面図、図2(c)はその要部側面図である。また、図3(a)〜(c)はボルト1にナットを螺合・締結する課程を示す縦断面図、図4はボルト1の施工例を示す断面図、図5(a),(b)はボルト1の製造工程を示す説明図である。
【0019】
ボルト1は、ボルト頭2と、ボルト軸3と、ナット脱落防止部5とを備えており、ボルト頭2とボルト軸3は鍛造や圧造等により一体成形され、ボルト軸3の先端部に脱落防止部材(ナット脱落防止部)5を溶接固定したものである。
【0020】
本実施例のボルト1は、六角ボルトであり、ボルト頭2が六角柱状に成形されているが、本発明はこの形状に限定されるものではなく、種々の形態のボルトに採用可能である。また、脱落防止部材5を溶接固定する前のボルト1は、適宜の鉄鋼材料を冷間鍛造若しくは熱間鍛造することにより、ボルト頭2とボルト軸3を一体に有する図5(a)に示す中間製造物を成形し、そのボルト軸3の軸方向所定範囲に渡って、オネジ4を転造により成形して得ることができる。
【0021】
ボルト軸3には、その軸方向先端部から所定範囲に渡ってオネジ4が設けられている。このオネジ4は、適宜のピッチ及びリードで成形加工することができ、一条ネジであっても、二条以上の多条ネジであっても良い。また、オネジ4のネジ山形は、図示実施例では三角ネジを採用しているが、四角ネジ、台形ネジ、ノコ歯ネジなどの適宜のものを採用できる。
【0022】
また、ボルト軸3の軸方向先端部中央には、軸方向内方へ向けて所定深さの固定孔31が穿孔されている。この固定孔31の穿孔は旋盤あるいはドリルなどを用いて行われる。
また、オネジ4の形成される部位で、軸方向先端部から軸方向内方へ向けて所定長さの範囲には、径方向内方へ向けて溝32が削設され、この溝32によって収容部32を形成している。この収容部32の深さは軸方向先端部が最も深く、軸方向内方へ向かうに連れて浅くなり、収容部32の軸方向内方端部は深さがゼロである。また、収容部32の幅d2は後述するナット脱落防止部5の係止部53の外径よりも僅かに大きい。
この収容部32はオネジ4を転造により成形した後に削設する。これにより、収容部32の両側のオネジ4の螺旋構造は連続しており、ナットを支障なく螺合可能である。
【0023】
脱落防止部材(ナット脱落防止部)5は、図2(b)、図5(b)に示すように、ボルト軸3の先端部の軸中央から先端側へ向けて直線状に延出する基部50と、基部50に続いてC字状に折り返して湾曲した弾性変形部52と、弾性変形部52に続いて基部50の先端へ向かうに連れて基部50との間隔が広がる直線状の係止部53とを一体化して形成された部材で、基部50の基端には、スポット溶接用のフランジ51が形成されている。また、本実施例では、基部50と係止部53との成す角度を略15度としている。
【0024】
この脱落防止部材5は、弾性変形部52の湾曲によって弾性変形を可能にしており、係止部53を基部50側へ押圧して近接させた後に押圧力を解除すると、元の形状に復元する。この脱落防止部材5は、所定の外径を有する適宜の鉄鋼材料を用いて製することができ、本実施例では、鋼材を湾曲させて成形加工している。
【0025】
本実施例のボルト1は、図5(b)に示すように、ボルト軸3に脱落防止部材5を溶接固定したものである。則ち、脱落防止部材5の係止部53がボルト軸3に設けた収容部41の内部に位置するようにして、基部50のフランジ51をボルト軸3の先端面30に当接させ、そして、フランジ51と先端面30との間を抵抗溶接して固定して製されたものである。
【0026】
この本実施例のボルト1は、図2に示すように、脱落防止部材5の係止部53がボルト軸3の収容部32の内部に位置し、係止部先端53aがオネジ4から僅かに突出し、係止部53は弾性変形部52の弾性変形によって収容部32の内部へ退入可能である。
また、脱落防止部材5の基部50は、ボルト軸3の中心軸上に軸方向へ向けて固定されるので、係止部53はボルト軸3の軸方向内方へ向かうに連れて、ボルト軸3の中心軸との間隔が広がるように傾斜する。
【0027】
脱落防止部材5の弾性変形部52の外径D1は、ナット6に形成されたメネジ60の山径D2よりも小径であり、ナット6は脱落防止部材5を支障なく挿通させることができる。
また、ボルト軸3の先端部端面30において、係止部53がオネジ4から突出しない形状として、ナット6をボルト軸3に螺合させる際に、ナット6で係止部53を押圧することなく螺合可能な構成としている。
更に、収容部32は、係止部53を収容部32の内部に押圧収容した状態で、係止部先端53aがオネジ4の谷に掛からない深さとして、ナット6の螺合による軸方向内方への移動をスムーズに行える形状としている。
【0028】
本実施例のボルト1にナット6を螺合・締結するには、図3(a)に示すように、ナット6に脱落防止部材5を挿通させてナット6のメネジ60をボルト軸3のオネジ4に螺合させる。このとき、前記したように、螺合させるまでに係止部53を押圧する必要がないので、螺合が容易である。
次いで、ボルト軸3に螺合したナット6を回転させて螺合を促進すると、図3(b)に示すように、係止部53はナット6のメネジ60に押圧されて収容部32に退入しつつ螺合が進行する。
【0029】
螺合が進行してナット6が脱落防止部材5の係止部53を越えると、図3(c)に示すように、それまで、ナット6のメネジ60で押圧されて収容部32に退入していた係止部32は、押圧が解除されて弾性変形部52の復元力によってオネジ4から突出する。
そして、一旦、係止部32が突出すると、ナット6が緩んで軸方向外方へ移動しようとしても、係止部先端53aがナット6の軸方向外方の端面61と当接して係止し、ナット6の緩みが阻止され脱落が防止される。
特に、本実施例によれば、係止部先端53aがナット6に当接して係止するので、係止部先端53aとナット6との間の摩擦力によりナット6の回転を阻止する効果をも奏し、確実な係止を行うことが可能である。
【0030】
本実施例のボルト1を用いて複数の被締結部材を締結する場合、図4に示すように、被締結部材7,8に形成したボルト孔70,80にボルト1のボルト軸3を挿通し、ボルト軸3の先端から脱落防止部材5を通してナット6を螺合締結する。
【0031】
このように、ナット6をボルト軸3に螺合・締結して被締結部材7,8を締結した状態では、ナット6の軸方向外方の端面61と係止部先端53aとの間に軸方向へ向けて隙間d3が形成される。この隙間d3が所定値以下となるように、被締結部材7,8の厚さに応じてボルト軸3の長さを調整することにより、ナット6が大きく緩むことが阻止され、仮にナット6に緩みが生じた場合でも、被締結部材7,8のがたつきの増大を防止することが可能である。
尚、一旦、締結したナット6をボルト1から取り外す場合は、係止部53を収容部32の内部へ押し込んだ状態でナット6を緩めることで可能である。
【0032】
尚、脱落防止部材5の形状は前記実施例に示した形状に限定されるものではなく、同一機能を有するものであれば異なる形状のものを採用しても良い。
また、前記実施例では、係止部53を退入させる収容部32をボルト軸3に設けた構成を採用したが、本発明はこのような構成に限られるものではない。
例えば、ボルト軸3に収容部32を設けずに、係止部先端53aをボルト軸3の先端部の端面30に位置させてオネジ4から突出させる構成を採用することも可能である。この構成によれば、ナット6の軸方向外方の端面61がボルト軸3の先端部の端面30を越えた時点で、ナット6の軸方向外方への移動が阻止され脱落が防止される。
また、フランジ51を基部50の軸方向中途部に設け、ボルト軸3の先端面には基部50を挿通し得る取付穴を設けることにより、より安定して脱落防止部材5をボルト軸3に取り付け固定することも可能である。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、別体のシャークリップなどを付加施工することなく、ボルト軸に通常通りナットを螺合・締結するだけでボルト軸からのナットの脱落を確実に阻止することができ、更に、係止部の突出を目視あるいは触感で確認することにより確実な施工を容易に確認することができ、より一層のナットの脱落防止の確実性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の実施例に係るボルトの平面図、(b)はその正面図、(c)はその側面図である。
【図2】(a)は図1に示すボルトに螺合するナットの縦断面図、(b)は図1に示すボルトの要部縦断面図、(c)は(b)の側面図である。
【図3】(a)〜(c)は図1に示すボルトにナットを螺合・締結する課程を示す縦断面図である。
【図4】図1に示すボルトの施工例を示す断面図である。
【図5】(a),(b)は図1に示すボルトの製造工程を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ボルト(ナット脱落防止機能を有するボルト)
3 ボルト軸
32 収容部
4 オネジ
5 ナット脱落防止部(脱落防止部材)
50 基部
52 弾性変形部
53 係止部
53a 係止部の先端
6 ナット
61 ナットの軸方向外方の端面
Claims (3)
- オネジが形成されたボルト軸と、該ボルト軸に取り付けられてナットを係止する弾性変形可能なナット脱落防止部とを備え、該ナット脱落防止部は、ボルト軸にナットを螺合させて軸方向内方へ移動させると、ナットの移動により弾性変形してナットの軸方向内方への移動を許容し、ナット脱落防止部を越えてナットが軸方向内方へ移動した後はナットによる弾性変形が解除されて復元し、ナットの軸方向外方の端面に係止してナットの緩みによる軸方向外方への移動を阻止することを特徴とするナット脱落防止機能を有するボルト。
- 前記ナット脱落防止部は、ボルト軸の先端部の軸中央から先端側へ向けて延出する基部と、該基部に続いてC字状に折り返して湾曲した弾性変形部と、該弾性変形部に続いてボルト軸の軸方向内方へ向かうに連れてボルト軸の中心軸との間隔が広がる直線状の係止部とを一体化して形成され、該係止部はオネジの形成部位に軸方向へ削設された収容部の内部に位置すると共に係止部の先端はオネジから突出し、該係止部は弾性変形部の弾性変形によって収容部へ退入可能とされており、前記係止部は、ナットの軸方向内方への移動により押圧され収容部の内部へ退入してナットの軸方向内方への移動を許容し、ナットが係止部を越えて軸方向内方へ移動してナットによる押圧が解除されると、弾性変形部の復元力によってオネジから突出してナットの軸方向外方の端面を係止することを特徴とする請求項1に記載のナット脱落防止機能を有するボルト。
- ボルト軸に形成されるオネジから係止部の先端が突出する長さは、ボルトにナットを螺合・締結したときに、係止部の先端がナットの軸方向外方の端面のメネジ近傍に当接するように設定されていることを特徴とする請求項2に記載のナット脱落防止機能を有するボルト。
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