JP3621018B2 - 位置算出方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動体通信システムにおける測位システムの位置算出方法に係り、特に3つの基地局からの位置情報に基づいて移動局の位置を特定する移動体通信システムにおける測位システムの位置算出方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、移動体通信システムにおいて、移動局自体の位置を知るための手段として、人工衛星を利用したGPS(Global Positioning System )による測位システムがある。
また、現在のPDC(Personal Digital Cellular )やPHS(Personal Handy−phone System)の移動体通信システムには、基地局から位置を取得し、他者に位置情報を提供するサービスはあるものの、移動局装置自身がその位置を測定する手段を備えているものはない。
【0003】
但し、CDMA(Code Division Multiple Access:符号分割多元接続)移動体通信システムにおいては、基地局からの位置情報を基に、移動局装置がその位置情報を取得する従来技術がある。
この従来技術は、平成7年(1995年)7月21日公開の特開平7−181242号「測位システム」(出願人:ソニー株式会社、発明者:杉田武弘)である。
【0004】
この従来技術は、CDMA方式ディジタル移動通信システムにおいて、4つの基地局の座標と送信される信号の伝搬時間とを用いて、移動機が4つの基地局のPN符号の送信時の時間差を得て、移動機の位置を算出するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のGPSによる測位システムでは、GPSを利用するためには専用の受信器と、人工衛星からの電波を受信するための専用のアンテナが必要であるため、装置が高価で大きなものになるという問題点があった。
【0006】
また、上記特開平7−181242号の「測位システム」では、その明細書中の[0034]で、「移動局の所在を特定するには最低3つの基地局からの信号を受信しなければならない。しかし、受信できる基地局が多ければそれだけ推定精度は向上する。」として、4つの基地局からの座標を得ることで移動機の位置を特定することの説明に終始し、3つの基地局だけを用いて移動機の位置を算出する手法が説明されていない。
従って、4つの基地局の座標を使用するため、移動機の位置情報を算出するにはインフラ整備が大変であり、また、位置算出の計算が複雑となって移動機の消費電力を増大させるという問題点があった。
【0007】
更に、上記「測位システム」では、移動機の位置が特定された後の処理に関して、基地局又は管理局に送信するか、他に転送するかの記述があるのみで、算出した移動機の位置情報を移動機の所持者が有効に利用できるとの配慮がなされていないものである。
【0008】
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、3つの基地局からの位置情報に基づき移動局装置の位置を特定すると共に、当該特定された位置の情報に基づいて地図情報を移動局装置に表示させて位置の情報の有効活用を図る移動体通信システムにおける測位システムの位置算出方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、基地局装置と移動局装置とを備える移動体通信システムにおける測位システムの位置算出方法であって、測定した3つの基地局装置間の位相差から移動局装置と各基地局装置間の距離の差を計算し、初期値設定として、移動局装置と第1の基地局装置との推定距離を仮定距離とし、仮定距離から他の基地局装置との距離も仮定し、仮定した各基地局装置との距離と、各基地局装置から通知された位置情報とを用いて移動局装置の仮定位置を算出し、算出された仮定位置から求めた第1の基地局装置との算出距離と、第1の基地局装置との仮定距離との差が小さくなるまで、算出距離を仮定距離にフィードバックしながら繰り返し、算出距離と仮定距離との差が十分小さくなった時の仮定位置を移動局装置の位置とする位置算出方法なので、簡単なロジックで精度良く位置が算出でき、更に、初期値設定する推定距離を実際の距離に近似しているものとすることで、位置算出の処理時間を短縮できるものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
尚、以下で説明する機能実現手段は、当該機能を実現できる手段であれば、どのような回路又は装置であっても構わず、また機能の一部又は全部をソフトウェアで実現することも可能である。更に、機能実現手段を複数の回路によって実現してもよく、複数の機能実現手段を単一の回路で実現してもよい。
【0011】
本発明の移動体通信システムにおける測位システムの位置算出方法は、3つの基地局装置から通知された位置情報と測定した基地局装置間の位相差とから移動局装置と各基地局装置間の距離の差を計算し、初期値設定として、移動局装置と第1の基地局装置との推定距離を仮定距離とし、仮定距離から他の基地局装置との距離も仮定し、仮定した各基地局装置との距離と、各基地局装置から通知された位置情報とを用いて移動局装置の仮定位置を算出し、算出された仮定位置から求めた第1の基地局装置との算出距離と、第1の基地局装置との仮定距離との差が小さくなるまで、算出距離を仮定距離にフィードバックしながら繰り返し、算出距離と仮定距離との差が十分小さくなった時の仮定位置を移動局装置の位置とする位置算出方法なので、簡単なロジックで精度良く位置が算出でき、更に、初期値設定する推定距離を実際の距離に近似しているものとすることで、位置算出の処理時間を短縮できるものである。
【0012】
本発明の実施の形態に係る移動体通信システムにおける測位システム(本測位システム)を図1,図2を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る移動体通信システムにおける測位システムの機能構成ブロック図であり、図2は、本発明の実施の形態に係る移動体通信システムにおける測位システムの構成ブロック図である。
【0013】
本測位システムは、図1に示すように、基本的に、交換局装置10と、基地局装置20と、移動局装置30とから構成され、交換局装置10は、地図情報記憶手段11と、地図情報通知手段とを備え、基地局装置20は、位置通知手段21と、地図情報通知手段22と、送受信用のアンテナ23とを備え、移動局装置30は、送受信用のアンテナ31と、距離の差計算手段32と、位置測定手段33と、位置通知手段34と、地図情報表示手段35とを備えている。
尚、図1には、基地局装置20を1つしか描画していないが、移動局装置30が位置を取得するには他に2つの基地局装置が必要となる。
【0014】
基地局装置20の位置通知手段21は、基地局装置自身の位置を移動局装置30に対して通知する手段であり、移動局装置30の距離の差計算手段32は、各基地局装置20との間の距離の差を計算する手段であり、位置測定手段33は、任意の3つの基地局装置から通知された位置とそれらの基地局装置間の距離の差によって移動局装置自身の位置を測定する手段であり、位置通知手段34は、移動局装置30が測定した自身の位置を基地局装置20や交換局装置10等の通信網側の装置に通知する手段である。
【0015】
交換局装置10の地図情報記憶手段11は、移動局装置30が移動する範囲内の地図情報を記憶する手段であり、地図情報通知手段12は、移動局装置30から通知された位置情報に基づいてその周辺の地図情報を地図情報記憶手段11から取得し、基地局装置20を介して移動局装置30に通知する手段である。
【0016】
基地局装置20の地図情報通知手段22は、交換局装置10から通知された地図情報を位置情報の通知があった移動局装置30に通知する手段である。
移動局装置30の地図情報表示手段35は、基地局装置20から通知された地図情報を表示する手段である。
【0017】
次に、上記手段を実現するための具体的構成を図2を用いて説明する。
本測位システムは、図2に示すように、具体的構成として、交換局装置10が、地図情報記憶部13と、交換制御部14と、回線制御部15とを備え、基地局装置20が、アンテナ23と、回線制御部24と、制御部25と、信号処理部26と、送受信増幅部27とを備え、移動局装置30が、アンテナ31と、送受信増幅部36と、信号処理部37と、制御部38と、表示部39とを備えている。
【0018】
図1の機能実現手段と図2の構成との対比を説明する。
地図情報記憶手段11は地図情報記憶部13にて、地図情報通知手段12は交換制御部14及び回線制御部15にて実現している。
位置通知手段21は制御部25及び信号処理部26及び送受信増幅部27にて、地図情報通知手段22は回線制御部24及び制御部25及び信号処理部26及び送受信増幅部27にて実現している。
距離の差計算手段32は送受信増幅部36及び信号処理部37にて、位置測定手段33は制御部38にて、位置通知手段34は制御部38及び信号処理部37及び送受信増幅部36にて、位置情報表示手段35は制御部38及び表示部39にて実現されている。
【0019】
次に、本測位システムの構成における処理動作を図2,図3を用いて説明する。図3は、本発明の実施の形態に係る移動体通信システムにおける測位システムの処理を説明するために概略図である。
基地局装置20a、基地局装置20b、基地局装置20cにおいて、自身の位置を表す位置情報(X1 ,Y1 ,Z1 )、(X2 ,Y2 ,Z2 )、(X3 ,Y3 ,Z3 )は制御部25から信号処理部26に送られ、信号処理部26において擬似乱数系列である拡散符号p1 またはp2 またはp3 によって変調され、送受信増幅部27からアンテナ23を経て電波により移動局装置30に対して送信されている。
【0020】
但し、位置情報は、日本測地系三次元座標等の三次元直交座標系である。
尚、位置情報は、例えば報知チャネルを用いることによって常に送信されている。
また、p1 ,p2 ,p3 の拡散符号開始時間は同一とする。但し、各基地局装置間の送信タイミングがずれているシステムの場合でも、そのオフセット値が各基地局装置より放置チャネル等により送信されているため、そのオフセット値を補正することで、本発明と同様に動作することが可能となるものである。
【0021】
移動局装置30では、アンテナ31から基地局装置20が送信した電波を受信し、その信号は送受信増幅部36から信号処理部37に送られる。
そして信号処理部37において、拡散符号p1 またはp2 またはp3 を用いて、その信号との同期処理及び信号の復調処理を行い、基地局装置20aと基地局装置20bとの位相差d1 、基地局装置20aと基地局装置20cとの位相差d2 、および基地局装置20bと基地局装置20cとの位相差d3 を測定する。
【0022】
そして、信号処理部37で測定した位相差及び復調した信号、すなわち各基地局装置20の位置情報(X1 ,Y1 ,Z1 )、(X2 ,Y2 ,Z2 )、(X3 ,Y3 ,Z3 )は制御部38に送られる。
但し、位相差とは、図4で示すように拡散符号の開始時間の差をチップ区間(chip)の数で表したものであり、同期、信号の復調及び位相差の測定方法は一般に良く知られた方法に拠る。図4は、本発明の実施の形態に係るCDMA移動体通信システムにおける位相差、拡散符号開始時間、拡散符号の周期、及び拡散符号のチップ区間を示すタイムチャート図である。
【0023】
また、移動局装置30とそれら3つの基地局装置20a,20b,20cとの距離Li(i=1、2、3)は、拡散符号の一周期の間に電波が伝播する距離の2分の1よりも短いものとする。
拡散符号の1周期をt(時間)、電波の伝播速度をVとすると、この条件は次の数式のように表される。
【0024】
【数1】
【0025】
移動局装置30の制御部38は、信号処理部37から送られた各基地局装置20間の位相差d1 ,d2 ,d3 から移動局装置30と各基地局装置20の距離の差を計算し、その距離の差と取得した各基地局装置の位置情報(X1 ,Y1 ,Z1 )、(X2 ,Y2 ,Z2 )、(X3 ,Y3 ,Z3 )によって自身の位置(x,y)を計算し、その計算した位置(x,y)を表示部39及び信号処理部37に送る。
ここで、移動局装置30自身の位置計算においては、各基地局装置の位置および地表面の曲率による高さ方向の差、すなわちz成分の差は無視できるものとし、移動局装置30の位置を二次元直交座標系における(x、y)として求める。
尚、移動局装置30と各基地局装置20の距離の差の計算手段および移動局装置30の位置の計算手段を実現するための方法については具体的に後述する。
【0026】
移動局装置30の表示部39は、制御部38から送られた移動局装置30自身の位置(x,y)を表示する。
【0027】
次に、移動局装置30の制御部38は、1つの基地局装置20及び交換局装置10に対して呼接続の手順を行う。
図3の例では、基地局装置20a及び交換局装置10に対して呼接続の手順を行う。
但し、呼接続の手順は一般に用いられる方法による。
【0028】
呼接続後、移動局装置30の制御部38は、測定した自身の位置(x,y)の情報を信号処理部37に送り、信号処理部37ではその情報を拡散符号p1 によって変調し、送受信増幅部36からアンテナ31を経て電波によって基地局装置20aに送信する。
【0029】
基地局装置20aの制御部25は、アンテナ23、送受信増幅部27及び信号処理部26での拡散符号p1 による信号の復調を経て、移動局装置30の位置(x,y)の情報を受信し、その情報を回線制御部24を経て交換局装置10に送信する。
【0030】
交換局装置10の交換制御部14は、回線制御部15より移動局装置30の位置(x,y)の情報を受信し、移動局装置30の位置(x,y)の周辺に関する地図、住所、主な施設等の地図情報を地図情報記憶部13より取得する。
【0031】
そして、交換局装置10の交換制御部14は、地図情報記憶部13より取得した移動局装置30の位置(x,y)の周辺に関する地図、住所、主な施設等の地図情報を、回線制御部15を経て基地局装置20aに送信する。
【0032】
基地局装置20aの制御部25は、回線制御部24より移動局装置30の位置(x,y)の周辺に関する地図、住所、主な施設等の地図情報を受信し、その地図情報を信号処理部26での拡散符号p1 による変調を経て、送受信増幅部27及びアンテナ23より移動局装置30に対して送信する。
【0033】
移動局装置30の制御部38は、アンテナ31、送受信増幅部36及び信号処理部37で拡散符号p1 による復調を経て、基地局装置20aが送信した移動局装置30の位置(x,y)の周辺に関する地図、住所、主な施設等の地図情報を取得し、その地図情報を表示部39に送る。
【0034】
移動局装置30の表示部39は、制御部38から送られた移動局装置30の位置(x,y)の周辺に関する地図、住所、主な施設等の地図情報を表示する。
以上のようにして、移動局装置30の利用者は、自分の位置(x,y)及び周囲の地図、住所、主な施設等の地図情報を把握することができる。
【0035】
次に、移動局装置30の制御部38において、測定した各基地局装置間の位相差d1 ,d2 ,d3 から移動局装置30と各基地局装置との距離の差を計算する手段、およびその距離の差と各基地局装置の位置情報(X1 ,Y1 ,Z1 )、(X2 ,Y2 ,Z2 )、(X3 ,Y3 ,Z3 )によって自身の位置(x,y)を測定する手段を実現するための方法を以下に示す。
尚、本方法では、各基地局装置20の位置および地表面の曲率による高さ方向の差、すなわちz成分の差を無視できるものとし、移動局装置30の位置を二次元直交座標系における(x、y)として求める。
【0036】
移動局装置30と基地局装置20a、基地局装置20b、基地局装置20cとの距離L1 ,L2 ,L3 について、電波の伝播速度をV、拡散符号の単位時間当たりのチップ区間の数をRとすると、移動局装置30と各基地局装置20との距離の差L1 −L2 ,L1 −L3 およびL2 −L3 は、位相差d1 ,d2 ,d3 から次式によって計算される。
【0037】
【数2】
【0038】
ここで、[数2]の(2)−1,(2)−2に示した(L1 −L2 )および(L1 −L3 )の関係から、L1 ,L2 ,L3は、[数3]のように推定できる。
【0039】
【数3】
【0040】
ただし、[数3]において、lはL1 の推定値であって、本測定の精度には影響を与えない。従ってlには、ある適当な固定値を用いることができる。
また、L1 ,L2 ,L3は、各基地局装置20a,20b,20cの位置情報の2次元直交座標系の値(X1 ,Y1 )、(X2 ,Y2 )、(X3 ,Y3 )と、移動局装置30の位置(x,y)から、[数4]のようにも表すことができる。
【0041】
【数4】
【0042】
そして、上記[数4]から、x,yは、[数5]のように表すことができる。
【0043】
【数5】
【0044】
よって、移動局装置30においては、電波の伝播速度V、拡散符号の単位時間当たりのチップ区間の数Rと、位相差d1 ,d2 ,d3とから、[数2]により距離の差L1 −L2 ,L1 −L3を求めておき、移動局装置30と基地局装置20aの距離L1の推定値lを用いて、[数3]により、仮定のL2 ,L3 を求め、各基地局装置20a,20b,20cから通知された位置情報の2次元直交座標系の値(X1 ,Y1 )、(X2 ,Y2 )、(X3 ,Y3 )と、推定値lを用いて求められた仮定距離L1 ,L2 ,L3から[数5]により移動局装置20の仮定位置(x,y)を求め、求められたx、yを使って[数4]により、L1を算出してこれを算出距離L1 ′とする。
【0045】
この算出距離L1 ′は、推定値lに基づいて求められた仮定位置(x、y)により算出した距離なので、推定値lと算出距離L1 ′との差の絶対値が、所要の値より大きい場合は、算出された算出距離L1 ′を仮定距離L1 として上記処理を繰り返し、仮定距離L1 と仮定距離L1 に基づいて求められた仮定位置(x、y)により算出した算出距離L1 ′との差の絶対値が、所要の値より小さくなるまで繰り返し、所要の値より小さくなったときの(x,y)が、移動局装置30の位置となる。
【0046】
上記説明した、推定値lは、適当な固定値を用いれば良いわけだが、実際の移動局装置30と基地局装置20aとの距離L1 に近ければ近い程、推定されるL1と計算結果のL1 ′との差を小さくしていく繰り返し計算の回数を減じることができる。そのため、移動局装置20における自身の位置測定のための計算時間をより減らすためには、実際の移動局装置30と基地局装置20aとの距離L1 に近い推定値lが設定できることが望まれる。
【0047】
そこで、精度の高い推定値を得る1つの方法として伝搬損失を測定し、測定された伝搬損失から移動局装置30と基地局装置20aとの距離を算出し、算出された距離を推定値として用いる方法がある。
一般的に、基地局と移動局との距離と伝搬損失との関係は、例えば下記の[数6]に示したような近似式によって求められることが知られている。尚、下記に示す[数6]は、電気通信協会出版、田中良一著「やさしいディジタル通信」2.1.3章p.11の奥村カーブを引用したものである。
【0048】
【数6】
【0049】
そこで、具体的には、例えば、各基地局装置20a,20b,20cが自身の電波の送信電力値を移動局装置30に送信する手段を備え、移動局装置30がそれら基地局装置から受信した電波の受信電力値を測定する手段、および移動局装置30が受信したそれら基地局装置の送信電力値と測定したそれら基地局装置の受信電力値との差、すなわち伝搬損失を測定する手段を備えているようなCDMA移動体通信システムにおいては、移動局装置30において、伝搬損失を測定し、測定された伝搬損失から上記[数6]を用いて距離lを算出し、算出された距離lを上記L1の推定値に用いる方法がある。
但し、これは、単に精度の高い推定値lを求めるための1例であって、この方法に限定するものではない。
【0050】
次に、移動局装置30の制御部38における自身の位置を算出する位置算出処理フローを図5を用いて説明する。図5は、移動局装置の制御部における位置算出処理を示すフローチャート図である。
制御部38は、信号処理部37から各基地局装置20の位置情報(X1 ,Y1 ,Z1 )(X2 ,Y2 ,Z2 )(X3 ,Y3 ,Z3 )を入力する(S1〜S3)と共に、各基地局装置20間の位相差d1 ,d2 ,d3 を入力する(S4)。
【0051】
次に、移動局装置30と各基地局装置20との距離の差L1 −L2 ,L1 −L3 を計算する(S5)。計算方法は、以下の通りである。
L1 −L2 =V×d1 /R
L1 −L3 =V×d2 /R
【0052】
更に、初期値設定として、推定値lを仮定距離L1 に設定し(S6)、L1 とS5で算出した距離の差を用いて[数3]に従って仮定距離L2 ,L3 を計算し(S7)、L1 ,L2 ,L3を用いて[数5]に従って仮定位置x,yを計算し(S8)、算出されたx,yを用いて[数4]に従って算出距離L1 ′を求める(S9)。
【0053】
そして、仮定距離L1 とS9で求めた算出距離L1 ′との差の絶対値を求め、その値が所要の値(図5では1)より小さいか判断し(S10)、小さくない場合(No)は、仮定距離L1 にS9で求めた算出距離L1 ′を代入して更新し(S11)、S7〜S10を繰り返す。
【0054】
一方、S10において、差の絶対値が所要の値(図5では1)より小さい場合(Yes)は、S8で求めた仮定位置x,yを移動局装置30の位置として決定し(S12)、x,yを表示部39に出力すると共に、信号処理部37に出力して(S13)、位置算出処理を終了する。
【0055】
本測位システムは、CDMA移動体通信システムに適用されるものであり、本測位システムを用いることで、移動局装置30の利用者は、専用の受信装置やアンテナが必要なGPSを利用することなしに、自分の現在地及び周囲の地図、住所及び主な施設等の地図情報を把握することが可能になる。
【0056】
本測位システムによれば、3つの基地局装置20a,20b,20cから通報される位置情報と、各基地局装置からの位相差だけで、移動局装置30の位置を特定し、特定した位置を座標として移動局装置30の表示部39に表示させると共に、その位置の情報を基に交換局装置10が記憶する関連地図情報を受信して表示部39に表示させることで、システム構成を簡易にでき、更に移動局装置の位置の情報を地図等を入手することで有効活用できる効果がある。
【0057】
また、本測位システムでは、移動局装置30と第1の基地局装置20との距離の推定値lを仮定距離L1 とし、仮定距離L1 から他の2つの基地局装置20との間の仮定距離を算出し、算出された仮定距離から移動局装置の仮定位置(x,y)を求め、求めた仮定位置(x,y)から第1の基地局までの実際の算出距離L1 ′を求め、仮定距離L1 と算出距離L1 ′との差が小さくなるまで繰り返すので、簡単なロジックで精度の高い位置測定を可能にする効果がある。
【0058】
また、上記位置算出のロジックにおいて、最初に初期値として設定する移動局装置と第1の基地局装置との距離の推定値lを、例えば、伝搬損失から求めた距離を用いれば、かなり、実際の距離に近似した値が推定値として用いられるので、仮定距離L1 と算出距離L1 ′との差が小さくなるまで繰り返すロジックの繰り返し回数を軽減することがで、位置算出処理を高速化できる効果がある。
【0059】
本実施例によれば、3つの基地局装置20a,20b,20cからの位置情報により簡易な手法で、移動局装置30の位置を算出することができ、通信網のインフラを低コストで実現できる効果がある。
【0060】
【発明の効果】
本発明によれば、測定した3つの基地局装置間の位相差から移動局装置と各基地局装置間の距離の差を計算し、初期値設定として、移動局装置と第1の基地局装置との推定距離を仮定距離とし、仮定距離から他の基地局装置との距離も仮定し、仮定した各基地局装置との距離と、各基地局装置から通知された位置情報とを用いて移動局装置の仮定位置を算出し、算出された仮定位置から求めた第1の基地局装置との算出距離と、第1の基地局装置との仮定距離との差が小さくなるまで、算出距離を仮定距離にフィードバックしながら繰り返し、算出距離と仮定距離との差が十分小さくなった時の仮定位置を移動局装置の位置とする位置算出方法なので、簡単なロジックで精度良く位置が算出でき、更に、初期値設定する推定距離を実際の距離に近似しているものとすることで、位置算出の処理時間を短縮できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る移動体通信システムにおける測位システムの機能構成ブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る移動体通信システムにおける測位システムの構成ブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る移動体通信システムにおける測位システムの処理を説明するために概略図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るCDMA移動体通信システムにおける位相差、拡散符号開始時間、拡散符号の周期、及び拡散符号のチップ区間を示すタイムチャート図である。
【図5】移動局装置の制御部における位置算出処理を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
10…交換局装置、 11…地図情報記憶手段、 12…地図情報通知手段、13…地図情報記憶部、 14…交換制御部、 15…回線制御部、 20…基地局装置、 21…位置通知手段、 22…地図情報通知手段、 23…アンテナ、 24…回線制御部、25…制御部、 26…信号処理部、 27…送受信増幅部、 30…移動局装置、 31…アンテナ、 32…距離の差計算手段、 33…位置測定手段、 34…位置通知手段、 35…地図情報表示手段、36…送受信増幅部、 37…信号処理部、 38…制御部、 39…表示部
Claims (3)
- 基地局装置と移動局装置とを備える移動体通信システムにおける測位システムの位置算出方法であって、測定した3つの基地局装置間の位相差から移動局装置と各基地局装置間の距離の差を計算し、初期値設定として、移動局装置と第1の基地局装置との推定距離を仮定距離とし、仮定距離から他の基地局装置との距離も仮定し、仮定した各基地局装置との距離と、各基地局装置から通知された位置情報とを用いて移動局装置の仮定位置を算出し、算出された仮定位置から求めた第1の基地局装置との算出距離と、第1の基地局装置との仮定距離との差が特定値より小さくなるまで、算出距離を仮定距離にフィードバックしながら繰り返し、算出距離と仮定距離との差が前記特定値より小さくなった時の仮定位置を移動局装置の位置とすることを特徴とする位置算出方法。
- 第1の基地局装置の位置情報(X1 ,Y1 ,Z1 )と第2の基地局装置の位置情報(X2 ,Y2 ,Z2 )と第3の基地局装置の位置情報(X3 ,Y3 ,Z3 )を取得し、
前記各基地局装置間の位相差d1 ,d2 ,d3 から電波の伝播速度V、拡散符号の単位時間当たりのチップ区間の数Rを用いて移動局装置と前記各基地局装置との距離の差L1 −L2 (=V×d1/R),L1 −L3 (=V×d2/R)を計算し、
初期値設定として前記移動局装置と前記第1の基地局装置との距離の推定値lを特定して仮定距離L1 とし、
前記L1 と前記移動局装置と前記各基地局装置との距離の差の式を用いて他の基地局装置との仮定距離L2 ,L3 を求め、
前記求めたL1 ,L2 ,L3及び前記各基地局装置の位置情報から、前記移動局装置の仮定位置x,yを求め、
前記求めたx,yと、前記第1の基地局の位置情報(X1 ,Y1 )からその距離L1 ′を算出距離として求め、
前記仮定距離L1 と前記算出距離L1 ′との差の絶対値が特定値より小さくなるまで、前記L1 ′をL1 に代入して上記計算を繰り返し、
前記差の絶対値が特定値より小さくなった時の仮定位置x,yを前記移動局装置の位置とすることを特徴とする位置算出方法。 - 第1の基地局装置から移動局装置への伝搬損失から求めた距離を、前記移動局装置と前記第1の基地局装置との距離の推定値lとしてL1 へ初期値設定することを特徴とする請求項2記載の位置算出方法。
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