JP3620233B2 - スペクトラム拡散変調装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は周波数ホッピング方式のスペクトラム拡散変調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
スペクトラム拡散変調の方式の一つに周波数ホッピング方式があることは周知の通りである。
この周波数ホッピング方式を使用し、複数系統のデータ通信等、即ち複数系統のスペクトラム拡散変調を行う場合、通常、複数系統分の周波数ホッピングパターンが必要となる。
また、これら複数の周波数ホッピングパターンは互いに相違し、従って、それぞれのパターンを形成する周波数構成は異なる。
このように、異なるホッピングパターンを使用することで同じ帯域内での複数系統のデータ通信が可能となり、これがスペクトラム拡散変調方式の大きな特徴である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように、従来、周波数ホッピング方式のスペクトラム拡散変調により複数系統のデータ通信を行う場合、周波数構成がそれぞれ異なるホッピングパターンを所要数使用することで行っていた。
一方、予め設定したある一つのホッピングパターンに対し、そのホッピングパターンを形成する周波数配列を所要タイムスロット数ずつずらすことで複数系統のホッピングパターンを形成できる。この場合、各系統のホッピングパターンを形成する周波数構成は共通(同じ)であり、1周期のホッピングパターンは異なるものとなる。反面、これら系統それぞれを長い周期でみた場合、同一のホッピングパターンが時間をずらして形成されたものともいえる。
このようなホッピングパターンを使用することで従来同様に複数系統の変調(即ち、通信)も可能となり、また、系統間での同一周波数の重なりもなく、伝送品質の劣化も少ない。さらに、周波数構成が共通なことから変調装置としての構成も簡素化できる。
本発明は上記ホッピングパターンを使用して複数系統のスペクトラム拡散変調を可能にしたスペクトラム拡散変調装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、周波数ホッピングパターン1周期における搬送波信号の周波数の種類をN種類で形成するとともに、該N種類の周波数の搬送波信号それぞれを同一時間帯に割り振ることでN系統のホッピングパターンを形成するホッピングパターン設定手段を備え、前記ホッピングパターン設定手段が、N系統の一次変調信号入力端及び同N系統の出力端とが備えられてなる切換部と、前記切換部の入力信号それぞれを、所要の出力端からそれぞれ出力するように切り換え制御する切換制御部と、前記N種類の周波数の搬送波信号を同時に発生する搬送波信号発生部と、前記搬送波信号発生部より前記N種類の周波数の搬送波信号が入力されるとともに、該N種類の搬送波信号それぞれと対応してなるN系統の信号入力端それぞれに前記切換部の出力端それぞれよりの一次変調信号が入力される拡散変調部とで構成され、該拡散変調部において、前記N系統の周波数ホッピング方式スペクトラム拡散変調が行われるように前記切換制御部が前記切換部を切り換え制御するようにしたスペクトラム拡散変調装置を提供するものである。
【0005】
また、前記N系統におけるそれぞれのホッピングパターンが、1つ前の系統のホッピングパターンに対し、ホッピング周波数が所要タイムスロットずつずらしたパターンとする。
【0006】
また、前記ホッピングパターン設定手段が、N系統の一次変調信号入力端及び同N系統の出力端とが備えられてなる切換部と、前記切換部の入力信号それぞれを、所要の出力端からそれぞれ出力するように切り換え制御する切換制御部と、前記N種類の周波数の搬送波信号を同時に発生する搬送波信号発生部と、前記搬送波信号発生部より前記N種類の周波数の搬送波信号が入力されるとともに、該N種類の搬送波信号それぞれと対応してなるN系統の信号入力端それぞれに前記切換部の出力端それぞれよりの一次変調信号が入力される拡散変調部とで構成され、該拡散変調部において、前記N系統の周波数ホッピング方式スペクトラム拡散変調が行われるように前記切換制御部が前記切換部を切り換え制御する。
【0007】
また、前記拡散変調部を、前記N系統の一次変調信号入力それぞれごとに備えられ、且つ、前記N種類の搬送波信号それぞれが割り振られ、該一次変調信号と該搬送波信号とをもとにそれぞれ変調処理をなすN個の変調器と、前記N個の変調器それぞれよりの変調信号を合成し、周波数ホッピング方式のスペクトラム拡散変調信号を出力する合成部とで構成する。
【0008】
また、シリアル形式の入力データを前記N系統のパラレルデータに変換するシリアル−パラレル変換部と、前記N系統のパラレルデータそれぞれごとに設けてなるディジタル変調をなす一次変調器それぞれとを前記切換部の前段に備え、該一次変調器それぞれの一次変調信号出力を該切換部の一次変調信号入力端それぞれへ送出するようにする。
【0009】
または、シリアル形式の入力データを前記N系統のパラレルデータに変換するシリアル−パラレル変換部を前記切換部の前段に備え、該N系統のパラレルデータそれぞれを前記切換部の信号入力端それぞれへ送出する一方、該切換部の後段に前記N系統の各系統ごとにディジタル変調をなす一次変調器それぞれを備え、該一次変調器それぞれの一次変調信号出力を前記拡散変調部の一次変調信号入力端それぞれへ送出するようにする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施の形態を実施例にもとづき図面を参照して説明する。
図1は本発明によるスペクトラム拡散変調装置の一実施例を示す要部ブロック図、図2は図1を説明するための周波数ホッピングパターンの一例を示す図である。
次に、本発明の動作について説明する。
シリアル形式のデータD1はシリアル−パラレル変換部1(以下、S/P変換部)に入力し、ここでN系列のパラレルデータに変換される。
ここに、上記「N」は後述する周波数ホッピングパターンの周波数構成数を意味し、周波数ホッピングスペクトラム拡散変調方式上から定まるものである。
例えば、N=7、N=11、又は、N=15等であり、この中から任意に選択する。図1に示す実施例はN=7としたものであり、この数値(7)を前提に以下の説明をする。
【0011】
上述から、S/P変換部1から出力されるパラレルデータはN=7の系列からなるデータである。この出力データライン上それぞれにディジタル変調を行う一次変調器2乃至同8(7個)を設け、それぞれでディジタル変調処理する。
一次変調器2〜8の各一次変調出力信号(S1〜S7)は切換部9へ送られる。
この切換部9は7系統の一次変調信号入力端及び同7系統の出力端とを備え、切換制御部10の制御のもとに入力信号それぞれを、所要の出力端からそれぞれ出力するように切り換えられるものである。そして、この切り換えは各系統で所要の周波数ホッピングパターンが形成されるように行われる。この切り換えの具体的説明は後述することとし、先に搬送波信号発生部11と拡散変調部12につき説明する。
【0012】
搬送波信号発生部11は前記前提に従い、N=7の数の発振器11a〜11gから構成されるものであり、各発振器が所要周波数の搬送波信号を発生する。これを図ではf1〜f7とし、f1を最低周波数とし、f2、f3……の順で周波数が高くなり、f7を最高周波数とする。これら発振信号(f1〜f7)を拡散変調部12へ送出し、これらの組み合わせで異なるホッピングパターンが形成されるようにする。
拡散変調部12は図示のようにN=7の数の変調器(二次変調器)12a〜12g、及びこれら変調器(12a〜12g)の出力を合成する合成部12hで構成される。
各変調器には切換部9よりのいずれか1系統の一次変調信号と搬送波信号発生部11よりのいずれか1つの搬送波信号とが入力される。これにより、各変調器(12a〜12g)では固有周波数の搬送波信号を使用した二次変調が行われる。但し、各変調器に入力される一次変調信号は常に同一のものではなく、変化する。以下、この点につき図2を併用して説明する。
【0013】
周波数ホッピング方式は搬送波信号の周波数を所定のパターンに従いホッピングさせるものである。図2(イ)において、縦方向のA〜Gは系統を表し、前記前提のN=7と一致するものであり、横方向のf1〜f7は搬送波信号発生部11が発生する前述の搬送波信号の周波数を表す。また、A〜Gの各系統の数字はf1〜f7のホッピング順序(1周期分)を示すものである。このうち、例えばA系統に着目した場合、そのホッピング順序(1周期)はf1→f3→f7→f6→f5→f2→f4となる。以降、f4からf1へ戻り、同様のホッピングが繰り返される。B〜Gについても同様である。
この周波数ホッピング順序を各系統ごとに時系列(T1〜T7)で表したものが図2(ロ)である。
【0014】
図2(ロ)に示すように、A〜Gの各系統の周波数ホッピングパターンは1周期でみるとその周波数構成はf1〜f7で共通であるが、ホッピングパターンはそれぞれ異なる。反面、これら系統それぞれを長い周期でみた場合、同一のホッピングパターンが時間をずらして形成されたものともいえる。
このホッピングパターンは、換言すれば、構成周波数f1〜f7を同一系統内及び各時間帯(T1〜T7)で同一周波数が重複しないように割り振ったものである。
従って、N=7の場合には7系統のホッピングパターンが形成されることになり、7系統の変調が可能となる。
図2(イ)又は(ロ)に示すホッピングパターンを形成せしめるものが切換部9のである。これを例えばA系統について説明すれば次のようになる。
なお、切換部9に入力される7系統の一次変調信号を図示のようにS1〜S7で表し、同S1をA系統に割り当て、以下、同様にS2をB系統、……S7をG系統にそれぞれ割り当てることとする。
【0015】
この場合、切換制御部10はS1を、時間T1では変調器12aへ送出するように切換部9を設定し、時間T2では変調器12cへ送出するように切り換え、以下、時間T3では変調器12g、時間T4では変調器12f、時間T5では変調器12e、時間T6では変調器12b、時間T7では変調器12dへそれぞれ送出するように切換制御する。
これら各変調器の出力を合成部12hで合成され変調出力が得られる。
この結果、A系統(信号S1)におけるホッピングパターンが図2(イ)又は(ロ)のように形成される。
切換制御部10は信号S2(B系統)以下信号S7(G系統)についても同様に切り換え制御し、それぞれ図2(イ)又は(ロ)に示すホッピングパターンを形成させる。
切換部9はこのように切換制御部10により切り換えられ、一種のマトリクススイッチの機能を有する。
【0016】
また、この切り換えの基本は、一つの系統内では構成周波数f1〜f7が重複しないように行い、且つ、各時間帯(T1〜T7)でも同一周波数が重複しないように行うが、その切り換え方の一つが図2(イ)又は(ロ)である。つまり、N系統におけるそれぞれのホッピングパターンが、1つ前の系統のホッピングパターンに対し、ホッピング周波数が1タイムスロットずらしたパターンになるようにしている。例えば、B系統において、その1周期がf3で始まり、f1で終了しているが、このパターンは1つ前のA系統のf3以降のパターンと一致しており、A系統に対し1タイムスロットずれた(シフトした)パターンである。
同様に、C系列においては、その1つ前のB系統に対し1タイムスロットずらしたパターンになっている。他の系列についても同様である。
以上説明のように、N=7とした場合、7系統での同時変調が可能となる。これは7系統での同時送信が可能であることを意味する。
従って、1系統で送信する場合に比し、伝送効率又はトータル的な伝送速度を向上できることとなる。
【0017】
また、同期の維持を前提にすれば7種類のデータを並行して送信することもできる。
なお、上記の説明では一次変調器2〜8を切換部9の前段に設けたが(図1)、これらを切換部9の後段(図示せず)に設け、同一次変調器それぞれの出力を拡散変調部12の各変調器12a〜12gへ送出するようにしてもよい。拡散変調部12へ入力される信号としては図1の構成と変わらないからである。
この場合、切換部9にはS/P変換部1から出力されるパラレルデータを入力する。
上述ではN=7としたが、この他例えば、N=11とした場合には11通りのホッピングパターンが形成され、11系統での同時変調が可能となる。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、共通(同じ)の周波数構成で、1周期におけるホッピングパターンが異なるもの複数系統を使用した複数系統の周波数ホッピング方式のスペクトラム拡散変調が可能となる。
これにより、従来、複数系統の周波数ホッピング方式のスペクトラム拡散変調を行う場合に周波数構成が異なるホッピングパターンを所要数使用していたが、周波数構成が共通になることで変調装置の構成が簡素化できる。
また、各系統の構成周波数が共通であっても各系統間で同じ周波数が重なることもないので伝送品質が劣化することもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるスペクトラム拡散変調の一実施例の要部ブロック図である。
【図2】図1を説明するための周波数ホッピング説明図である。
【符号の説明】
D1 入力データ
1 シリアル−パラレル変換部(S/P変換部)
2、3、4、5、6、7、8 一次変調器
9 切換部
10 切換制御部
11 搬送波信号発生部
11a、11b、11c、11d、11e、11f、11g 発振器
12 拡散変調部
12a、12b、12c、12d、12e、12f、12g 二次変調器
Claims (5)
- 周波数ホッピングパターン1周期における搬送波信号の周波数の種類をN種類で形成するとともに、該N種類の周波数の搬送波信号それぞれを同一時間帯に割り振ることでN系統のホッピングパターンを形成するホッピングパターン設定手段を備え、前記ホッピングパターン設定手段が、N系統の一次変調信号入力端及び同N系統の出力端とが備えられてなる切換部と、前記切換部の入力信号それぞれを、所要の出力端からそれぞれ出力するように切り換え制御する切換制御部と、前記N種類の周波数の搬送波信号を同時に発生する搬送波信号発生部と、前記搬送波信号発生部より前記N種類の周波数の搬送波信号が入力されるとともに、該N種類の搬送波信号それぞれと対応してなるN系統の信号入力端それぞれに前記切換部の出力端それぞれよりの一次変調信号が入力される拡散変調部とで構成され、該拡散変調部において、前記N系統の周波数ホッピング方式スペクトラム拡散変調が行われるように前記切換制御部が前記切換部を切り換え制御するようにしたことを特徴とするスペクトラム拡散変調装置。
- 前記N系統におけるそれぞれのホッピングパターンが、1つ前の系統のホッピングパターンに対し、ホッピング周波数が所要のタイムスロット数ずつずらしたパターンとしたことを特徴とする請求項1記載のスペクトラム拡散変調装置。
- 前記拡散変調部を、前記N系統の一次変調信号入力それぞれごとに備えられ、且つ、前記N種類の搬送波信号それぞれが割り振られ、該一次変調信号と該搬送波信号とをもとにそれぞれ変調処理をなすN個の変調器と、前記N個の変調器それぞれよりの変調信号を合成し、周波数ホッピング方式のスペクトラム拡散変調信号を出力する合成部とで構成したことを特徴とする請求項1または2に記載のスペクトラム拡散変調装置。
- シリアル形式の入力データを前記N系統のパラレルデータに変換するシリアル−パラレル変換部と、前記N系統のパラレルデータそれぞれごとに設けてなるディジタル変調をなす一次変調器それぞれとを前記切換部の前段に備え、該一次変調器それぞれの一次変調信号出力を該切換部の一次変調信号入力端それぞれへ送出するようにしたことを特徴とする請求項1乃至3に記載のスペクトラム拡散変調装置。
- シリアル形式の入力データを前記N系統のパラレルデータに変換するシリアル−パラレル変換部を前記切換部の前段に備え、該N系統のパラレルデータそれぞれを前記切換部の信号入力端それぞれへ送出する一方、該切換部の後段に前記N系統の各系統ごとにディジタル変調をなす一次変調器それぞれを備え、該一次変調器それぞれの一次変調信号出力を前記拡散変調部の一次変調信号入力端それぞれへ送出するようにしたことを特徴とする請求項1乃至3に記載のスペクトラム拡散変調装置。
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JP22370897A JP3620233B2 (ja) | 1997-08-20 | 1997-08-20 | スペクトラム拡散変調装置 |
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JPH1168701A JPH1168701A (ja) | 1999-03-09 |
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JP (1) | JP3620233B2 (ja) |
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1997
- 1997-08-20 JP JP22370897A patent/JP3620233B2/ja not_active Expired - Fee Related
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