JP3620091B2 - ソレノイド駆動装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、ソレノイドを駆動する装置であって、ソレノイドがショートしたときにソレノイド駆動用トランジスタの熱破壊を防止することができるものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ソレノイドがショートしたときにソレノイド駆動用トランジスタの熱破壊を防止するソレノイド駆動装置としては、図7に示すような電流リミッタ方式を採用したものがある。
図7において、ソレノイド1には、ソレノイド1に駆動電流を出力する駆動トランジスタTr4が接続され、その駆動トランジスタTr4にはトランジスタTr2、Tr5、抵抗R1 〜R4 、抵抗R9 〜R11で構成される駆動電流制限回路10が接続されている。また、ソレノイド1には、トランジスタTr3、抵抗R5 〜R8 で構成された検出回路9が接続されている。図9は、駆動トランジスタTr4のコレクタ端子からソレノイド1へ供給される駆動電流iC と、駆動トランジスタTr4のコレクタ/エミッタ間電圧VCEとに対する駆動トランジスタTr4のベース電流iB の特性と、駆動トランジスタTr4の動作負荷特性を示す特性図である。
【0003】
検出回路9および駆動電流制限回路10は、CPU11に接続されており、CPU11から駆動電流制限回路10のトランジスタTr2へ図8の▲1▼に示す指令信号が出力されると、トランジスタTr2が導通され、駆動トランジスタTr4にベース電流iB が流れるとともに、駆動電流iC が流れてソレノイド1が駆動される。
【0004】
そして、ソレノイド1がショートすると、抵抗R10の両端の電圧が大きくなってトランジスタTr5がONし、トランジスタTr5のコレクタ電流が抵抗R1 へ流れ込み、抵抗R1 の両端の電圧が上昇し、その電圧上昇により、駆動トランジスタTr4のベース電流iB が流れ難くなり、駆動電流iC が制限される(図8の▲2▼参照)。このとき検出回路9のトランジスタTr3のベース電圧が低下するためトランジスタTr3が非作動状態(OFF)になり、トランジスタTr3からCPU11へ出力される信号が“High”レベルとなる。
【0005】
続いて、CPU11によってソレノイド1のショートが検出され(検出時間t2 )、CPU11から出力される指令信号が“Low”レベルとなり、トランジスタTr2が非導通状態となる。したがって、トランジスタTr4が非作動状態となるため、トランジスタTr4の温度上昇が抑制される(図8の▲3▼参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のものは、駆動電流制限回路10の構造が複雑なため、ソレノイド駆動装置が大型化するという問題がある。
そこで、この発明の目的は、駆動電流制限回路10を電流リミッタ方式を用いない簡素な構成とし、ソレノイド駆動装置を小型化することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記目的を達成するため、
請求項1に記載の発明では、駆動電流(iC )が供給されたときに作動するソレノイド(1)と、
前記駆動電流(iC )が供給されているときに、前記ソレノイド(1)に発生する電圧に基づいて前記ソレノイド(1)のショートを検出する検出手段(3、42、ステップS6、S33、S35、S42、S43)と、
前記ソレノイド(1)に前記駆動電流(iC )の通電を指令するとともに、前記検出手段(3、42)によって前記ソレノイド(1)のショートが検出されたときに、前記駆動電流(iC )の通電禁止を指令する指令手段(41、ステップS7、S36、S44)と、
前記指令手段(41、ステップS7、S36、S44)によって前記駆動電流(iC )の通電が指令されたときに導通して前記ソレノイド(1)へ駆動電流(iC )を供給する駆動トランジスタ(Tr1)と、
前記駆動トランジスタ(Tr1)の導通時のベース電流(iB )を所定値に設定する設定手段(2)とを備え、
前記駆動トランジスタ(Tr1)は、前記ソレノイド(1)がショートして負荷が微小になった場合でも、前記設定手段(2)によってベース電流(iB )が所定値(iB0)に設定されることにより、前記駆動電流(iC )の急激な上昇が抑制される特性を有するものであるという技術的手段を採用する。
【0008】
また、請求項2に記載の発明では、請求項1に記載のソレノイド駆動装置において、前記ソレノイド(1)の駆動電流(iC )は、前記駆動トランジスタ(Tr1)を線形領域と飽和領域とが切り換わる領域の近傍にて動作させることによって発生されるものであるという技術的手段を採用する。
さらに、請求項3に記載の発明では、請求項1に記載のソレノイド駆動装置において、前記設定手段(2)は、前記指令手段(41、ステップS7、S36、S44)から出された指令を受けてスイッチング作動するトランジスタ(Tr2)と、このトランジスタ(Tr2)と前記駆動トランジスタ(Tr1)のベースとの間に接続された抵抗(R1 )とを備え、
前記抵抗(R1 )は、前記駆動トランジスタ(Tr1)のベース電流(iB )を前記所定値(iB0)に設定する抵抗値を有し、前記ベース電流(iB )の電流変化を制限して前記駆動トランジスタ(Tr1)を前記切り換わり領域の近傍にて動作させるものであるという技術的手段を採用する。
【0009】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施例に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0010】
【発明の作用効果】
請求項1ないし3に記載の発明によれば、駆動トランジスタは、ソレノイドがショートして負荷が微小になった場合でも、設定手段によってベース電流が所定値に設定されることにより、駆動電流の急激な上昇が抑制される特性を有するものであるため、上記駆動トランジスタのベース電流を上記設定手段によって上記所定値に設定することにより、電流リミッタ方式を用いなくても上記駆動トランジスタの熱破壊を防止することができる。
【0011】
したがって、回路を簡素化することができるため、ソレノイド駆動装置を小型化することができる。
特に、請求項2または3に記載の発明によれば、ソレノイドの駆動電流が、駆動トランジスタを線形領域と飽和領域とが切り換わる領域の近傍にて動作させることによって発生されるものであるため、駆動電流の急激な上昇を抑制することができる。
【0012】
【実施例】
以下、この発明のソレノイド駆動回路の一実施例を図面に基づいて説明する。この実施例では、車両に設けられた減衰力可変のサスペンションのアクチュエータとして用いられるステップモータ(図示しない)のステータコアとしてのソレノイドを駆動する回路を例に挙げて説明する。図1は、その主要構成を示す回路図である。
【0013】
図1に示すように、ソレノイド1(コイル抵抗RΩ)には、ソレノイド1に駆動電流を供給する駆動トランジスタTr1のコレクタ側が接続されている。駆動トランジスタTr1のベース側には、駆動トランジスタTr1の駆動電流iC を設定する設定手段としての設定回路2が接続されている。設定回路2は、トランジスタTr2、抵抗R1 〜R4 で構成されている。また、ソレノイド1には、ソレノイド1のショートまたはオープンを検出する検出手段としての検出回路3が接続されている。
【0014】
上記検出回路3および設定回路2は、指令手段としてのCPU4に接続されている。CPU4には、設定回路2のトランジスタTr2へ指令信号を出力し、また、指令信号の出力を禁止する指令部41が設けられ、その指令信号によりトランジスタTr2がスイッチングされ、駆動トランジスタTr1にベース電流iB が流れ、駆動トランジスタTr1からソレノイド1へ駆動電流iC が供給される。また、CPU4には、検出回路3によってソレノイド1のショートが検出されたときのトランジスタTr3から出力されるコレクタ電圧の変化を検出する検出部42が設けられ、その検出部42の検出結果によって指令部41からの指令信号の出力が禁止される。
【0015】
また、上記駆動トランジスタTr1の駆動電流iC およびコレクタ/エミッタ間電圧VCEに対するベース電流iB の特性と、動作負荷特性とは図3に示す特性であり、設定回路2を構成する抵抗R1 (本例では750Ω)により、ベース電流はiB0に設定されている。ベース電流iB0は、ソレノイド1を駆動させるために最低限必要な電流値であり、ソレノイド1がショートしたときに上記駆動トランジスタTr1の熱破壊が発生するベース電流iB2より小さくなるように設定されている。
【0016】
また、ベース電流iB0の特性は、図3に示すように、その飽和領域における勾配が緩やかなものとなっている。駆動電流iC は、図3の斜線で示すように、上記駆動トランジスタTr1のベース電流iB をパラメータとして、特性が線形領域から飽和領域へ切り換わる領域の近傍にて動作させることにより発生されるようになっている。
【0017】
次に、上記構成のソレノイド駆動回路の動作を図1および図2を参照しながら説明する。図2は、CPU4から出力される指令信号(▲1▼)と、駆動電流iC (▲2▼)と、駆動トランジスタTr1のジャンクション温度(▲3▼)との関係を示すタイミングチャートである。
CPU4の指令部41から図2の▲1▼に示す指令信号(パルス信号)が出力されると、抵抗R3 を通ったその指令信号によってトランジスタTr2がスイッチング作動し、駆動トランジスタTr1のベース電流iB1が流れるとともに、駆動電流(コレクタ電流)iC1が流れ、ソレノイド1が通電される。
【0018】
このとき、トランジスタTr3がONし、トランジスタTr3のコレクタ電圧が“Low”レベルとなり、CPU4の検出部42によってソレノイド1が駆動中であることが検出される。
次に、ソレノイド1がショートした場合の動作を説明する。
ソレノイド1がショートすると、負荷が軽くなり、駆動トランジスタTr1からソレノイド1へ出力される駆動電流iC が大きくなろうとする。
【0019】
しかし、上述のように駆動トランジスタTr1のベース電流iB は、抵抗R1によってiB2に達しないように設定されており、かつ、駆動トランジスタTr1のベース電流iB の特性は、図3に示すように、飽和領域において緩やかな勾配であるため、駆動電流iC は図2の▲2▼に示すようにiC1より僅かに増加するだけに止まる(iC1≦iC1a <iC2)。
【0020】
したがって、図2▲3▼に示すように駆動トランジスタTr1のジャンクション温度の急激な上昇を抑えることができ、駆動トランジスタTr1の熱破壊を防止することができる。
また、上記ショートが発生するとトランジスタTr3のベース電圧が低下するためトランジスタTr3が非作動状態(OFF)になり、トランジスタTr3のコレクタ電圧が“High”レベルとなる。そして、CPU4によってソレノイド1のショートが検出され(検出時間t1 は本例では2.5msec )、CPU4の指令部41から出力される指令信号が“Low”レベルとなる。
【0021】
したがって、トランジスタTr2が非作動状態となるため、駆動トランジスタTr1も非作動状態となり、そのジャンクション温度も低下し始める。また、車両のインストルメントパネル(図示しない)に警告表示がなされる。
また、ソレノイド1が非駆動時においてオープンした場合は、トランジスタTr3は動作状態(ON)になり、トランジスタTr3から“Low”レベルの信号がCPU4へ出力される。そして、検出部42によってソレノイド1がオープン状態にあることが検出され、車両のインストルメントパネルに警告表示がなされる。
【0022】
上述のように、上記第1実施例によれば、駆動電流iC は、駆動トランジスタTr1のベース電流iB をパラメータとして、図3に示すように、飽和領域において緩やかな勾配の特性であり、かつ、抵抗R1 によって、駆動トランジスタTr1のベース電流iB は、ソレノイド1を駆動するために必要な最小値に設定されているため、駆動電流iC の急激な上昇が抑制され、駆動トランジスタTr1の熱破壊を防止することができる。
【0023】
次に、この発明の第2実施例を図4ないし図6に基づいて説明する。
従来、上記ソレノイド駆動装置を4相構造のステップモータに用いた場合、いずれかの相のソレノイドにオープンまたはショートが発生したことは、図7に示す検出回路9を各相のソレノイド毎に接続して相毎に検出している。
しかし、上記構成では各相のソレノイド毎に検出回路9が接続されているため装置が大型化するという問題がある。
【0024】
そこで、この第2実施例のソレノイド駆動装置は、いずれかの相にオープンまたはショートが発生したことを1つの検出回路で検出することができることを特徴とする。
図4は、その回路図、図5は各相へ出力される駆動信号のタイミングチャート、図6は、CPU8が各相のオープンまたはショートを検出するステップを示すフローチャートである。
【0025】
図4に示すように、ステップモータ5の各相(A+、A−、B+、B−)のソレノイドには図1の設定回路2および駆動トランジスタTr1から構成される相駆動回路61ないし64がそれぞれ接続されている。また、各相駆動回路61ないし64の出力側には1つの検出回路7が接続されており、検出回路7の出力側はCPU8に接続されている。
【0026】
A+相駆動回路61には抵抗Ra1およびダイオードD1 からなる出力回路71が、A−相駆動回路62には抵抗Ra2およびダイオードD2 からなる出力回路72が、B+相駆動回路63には抵抗Ra3およびダイオードD3 からなる出力回路73が、B−相駆動回路64には抵抗Ra4およびダイオードD4 からなる出力回路74がそれぞれ接続されている。
【0027】
また、ダイオードD1 およびD2 の出力と、ダイオードD3 およびD4 の出力は、それぞれ共通接続されており、ダイオードD1 およびD2 の共通接続側には抵抗Rb1が接続され、ダイオードD3 およびD4 の共通接続側には抵抗Rb3が接続されている。
なお、抵抗Rb2およびRb4は、それぞれ抵抗Rb1とRb3から出力される信号のノイズ成分を除去し、バッテリ電圧レベルの信号を抵抗Rb1とRb3との分圧により、信号をTTLレベルに変換するための抵抗である。また、本例では抵抗Ra1ないしRa4は、それぞれ3KΩであり、抵抗Rb1ないしRb4は、それぞれ30KΩである。
【0028】
そして、抵抗Rb1およびRb3の出力側は、NAND回路75の入力側に接続されており、NAND回路75の出力側は、CPU8に接続されている。
CPU8は、記憶された所定のプログラムにしたがってNAND回路75の出力が“High”レベルであるか“Low”レベルであるかによってA相およびB相のいずれかの相がショート、またはオープンしていることを判定する。
【0029】
次に、CPU8が、ステップモータ5の各相のショートまたはオープンを検出し、相駆動回路61ないし64への駆動指令信号の出力を禁止するまでの処理を図6に基づいて説明する。
まず、車両のイグニッションがONされると、CPU8に記憶されたプログラムの初期化が行われ(ステップS1)、演算周期(T時間)が経過したか否かが判定される(S2)。続いてステップモータ5が駆動される前にA相およびB相のソレノイドを順次通電し、いずれかの相がオープンしているか否かの各相オープン検出が終了したか否かを判定する(ステップS3)。
【0030】
ここで各相オープン検出が終了していないと判定されるとB相のオープンのチェックが終了したか否かが判定される(S31)。B相のオープンのチェックが終了していないと判定されるとA相をON(通電)し(S34)、B相がオープンしているか否かをチェックする(S35)。ここでB相がオープンしていない(OK)と判定されるとステップS2へリターンし、B相がオープンしている(NG)と判定されると、車両のインストルメントパネルに警告表示が行われ、ステップモータの駆動が禁止される(S36)。
【0031】
たとえば、A+相およびA−相が通電している場合において、B+相がオープンしているとすると、図4のダイオードD3 が導通状態となり、他のダイオードD1 、D2 およびD4 が非道通状態となるため、a点とb点には“High”レベルの信号が現れる。
したがって、NAND回路75の出力側のc点には“Low”レベルの信号が現れ(図5の波形イを参照)、その信号がCPU8へ入力されるため、B+相、またはB−相がオープンしていると判定される。そして、CPU8の指令部81から各相駆動回路61ないし64への指令信号の出力が禁止され、車両のインストルメントパネル(図示しない)に警告表示が行われるとともに、ステップモータ5の駆動が禁止される(S36)。
【0032】
一方、ステップS31でB相のチェックが終了していると判定された場合は、B相をON(通電)し(S32)、A相がオープンしているか否かをチェックする(S33)。そのチェックの結果、A+相、またはA−相がオープンしていると判定されると、上記同様に警告表示とステップモータ5の駆動禁止とが実行される(S36)。なお、この場合は、図4のc点には図5のロで示す波形が現れる。
【0033】
次に、各相のオープン検出が終了するとステップS3で肯定判定され、次のステップS4でステップモータ5の初期化駆動(車両のイグニッションをONしたときにステップモータ5を初期位置へ復帰させるための駆動)が終了したか否かが判定される。ここで初期化駆動が終了していないと判定されるとステップS5へ進み、ステップモータ5の初期化駆動が行われ、各相のショートチェックが行われる(S6)。
【0034】
具体的には、4相のステップモータでは、その駆動状態において、A+相とA−相とが同時に通電することはなく、また、B+相とB−相とが同時に通電することはないことを利用してショートチェックを行う。
つまり、A相およびB相が正常の場合は、図5の初期化駆動時のタイミングチャートに示すように、いずれかの相にショートが発生すると、図4のc点に現れる信号は“High”レベルとなることを検出してショートチェックを行う。たとえば、A−相がショートすると、図4のc点には図5のハで示す波形が現れるため、A−相がショートしたことを検出することができる。
【0035】
そして、いずれかの相のショートが検出されると上記警告が行われ、ステップモータ5の駆動が禁止される(S7)。
次に、ステップモータ5の初期化駆動が終了した後のステップモータ5のショートまたはオープンの検出について説明する。
まず、各相が駆動中か否か、つまり、車両が走行中あるいは停止中の状態において、サスペンションの制御を行うためにステップモータ5が駆動している状態であるか否かが判定され(S41)、駆動中でないと判定された場合は、4相の総てがオープンしているか否かのチェック(オープンチェック)が行われる(S43)。
【0036】
一方、ステップS41において、駆動中であると判定された場合は、いずれかの相がショートしているか否かのチェック(ショートチェック)が行われる(S42)。そして、オープンチェックまたはショートチェックの結果、4相の総てのオープン、または、いずれかの相のショートが検出された場合は、上記警告を行ってステップモータの駆動を禁止する(S44)。
【0037】
たとえば、4相の総てがオープンしている場合は、図4のc点には“Low”レベルの信号が現れ、A−相がショートしている場合は、“High”レベルの信号が現れるため(図5のc点に現れる波形ニを参照)、それらの信号が検出部82によって検出され、上記判定が行われる。
上述のように、ステップモータ5の4つの相のショートまたはオープンのチェックを1つの検出回路で行うことができる。
【0038】
したがって、各相のソレノイド毎に検出回路を設けるものに比べてソレノイド駆動装置の小型化を図ることができる。
なお、オープンチェック、または、ショートチェックは、車両が一定距離を走行する毎に行ったり、一定時間毎に行ったりしてもよい。また、上記第1実施例のトランジスタTr2は、モス型トランジスタでもよいし、抵抗R3 およびR4 を内蔵したバイポーラ型トランジスタでもよい。さらに、上記第2実施例のNAND回路75をAND回路とNOT回路とを接続したものに代えてもよいし、NAND回路75の機能をCPU8の内部に設けるようにしてもよい。
【0039】
上記各実施例において、検出回路3、検出部42、ステップS6、S33、S35、S42およびS43が検出手段に、指令部41、ステップS7、S36、S44が指令手段にそれぞれ相当する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の回路図である。
【図2】CPU4から出力される指令信号、駆動電流iC および駆動トランジスタTr1のジャンクション温度のタイミングチャートである。
【図3】駆動トランジスタTr1の動作負荷特性を示すグラフである。
【図4】本発明の第2実施例の回路図である。
【図5】ステップモータ5のA相およびB相から出力される信号と検出回路7から出力される信号のタイミングチャートである。
【図6】CPU8がA相およびB相のショートおよびオープンを検出する処理を示すフローチャートである。
【図7】従来のソレノイド駆動装置を示す構成図である。
【図8】CPU11から出力される指令信号、駆動電流iC および駆動トランジスタTr4のジャンクション温度のタイミングチャートである。
【図9】駆動トランジスタTr4の動作負荷特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1・・ソレノイド、2・・設定回路、3・・検出回路、
5・・ステップモータ、6・・駆動回路、7・・検出回路。
【産業上の利用分野】
この発明は、ソレノイドを駆動する装置であって、ソレノイドがショートしたときにソレノイド駆動用トランジスタの熱破壊を防止することができるものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ソレノイドがショートしたときにソレノイド駆動用トランジスタの熱破壊を防止するソレノイド駆動装置としては、図7に示すような電流リミッタ方式を採用したものがある。
図7において、ソレノイド1には、ソレノイド1に駆動電流を出力する駆動トランジスタTr4が接続され、その駆動トランジスタTr4にはトランジスタTr2、Tr5、抵抗R1 〜R4 、抵抗R9 〜R11で構成される駆動電流制限回路10が接続されている。また、ソレノイド1には、トランジスタTr3、抵抗R5 〜R8 で構成された検出回路9が接続されている。図9は、駆動トランジスタTr4のコレクタ端子からソレノイド1へ供給される駆動電流iC と、駆動トランジスタTr4のコレクタ/エミッタ間電圧VCEとに対する駆動トランジスタTr4のベース電流iB の特性と、駆動トランジスタTr4の動作負荷特性を示す特性図である。
【0003】
検出回路9および駆動電流制限回路10は、CPU11に接続されており、CPU11から駆動電流制限回路10のトランジスタTr2へ図8の▲1▼に示す指令信号が出力されると、トランジスタTr2が導通され、駆動トランジスタTr4にベース電流iB が流れるとともに、駆動電流iC が流れてソレノイド1が駆動される。
【0004】
そして、ソレノイド1がショートすると、抵抗R10の両端の電圧が大きくなってトランジスタTr5がONし、トランジスタTr5のコレクタ電流が抵抗R1 へ流れ込み、抵抗R1 の両端の電圧が上昇し、その電圧上昇により、駆動トランジスタTr4のベース電流iB が流れ難くなり、駆動電流iC が制限される(図8の▲2▼参照)。このとき検出回路9のトランジスタTr3のベース電圧が低下するためトランジスタTr3が非作動状態(OFF)になり、トランジスタTr3からCPU11へ出力される信号が“High”レベルとなる。
【0005】
続いて、CPU11によってソレノイド1のショートが検出され(検出時間t2 )、CPU11から出力される指令信号が“Low”レベルとなり、トランジスタTr2が非導通状態となる。したがって、トランジスタTr4が非作動状態となるため、トランジスタTr4の温度上昇が抑制される(図8の▲3▼参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のものは、駆動電流制限回路10の構造が複雑なため、ソレノイド駆動装置が大型化するという問題がある。
そこで、この発明の目的は、駆動電流制限回路10を電流リミッタ方式を用いない簡素な構成とし、ソレノイド駆動装置を小型化することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記目的を達成するため、
請求項1に記載の発明では、駆動電流(iC )が供給されたときに作動するソレノイド(1)と、
前記駆動電流(iC )が供給されているときに、前記ソレノイド(1)に発生する電圧に基づいて前記ソレノイド(1)のショートを検出する検出手段(3、42、ステップS6、S33、S35、S42、S43)と、
前記ソレノイド(1)に前記駆動電流(iC )の通電を指令するとともに、前記検出手段(3、42)によって前記ソレノイド(1)のショートが検出されたときに、前記駆動電流(iC )の通電禁止を指令する指令手段(41、ステップS7、S36、S44)と、
前記指令手段(41、ステップS7、S36、S44)によって前記駆動電流(iC )の通電が指令されたときに導通して前記ソレノイド(1)へ駆動電流(iC )を供給する駆動トランジスタ(Tr1)と、
前記駆動トランジスタ(Tr1)の導通時のベース電流(iB )を所定値に設定する設定手段(2)とを備え、
前記駆動トランジスタ(Tr1)は、前記ソレノイド(1)がショートして負荷が微小になった場合でも、前記設定手段(2)によってベース電流(iB )が所定値(iB0)に設定されることにより、前記駆動電流(iC )の急激な上昇が抑制される特性を有するものであるという技術的手段を採用する。
【0008】
また、請求項2に記載の発明では、請求項1に記載のソレノイド駆動装置において、前記ソレノイド(1)の駆動電流(iC )は、前記駆動トランジスタ(Tr1)を線形領域と飽和領域とが切り換わる領域の近傍にて動作させることによって発生されるものであるという技術的手段を採用する。
さらに、請求項3に記載の発明では、請求項1に記載のソレノイド駆動装置において、前記設定手段(2)は、前記指令手段(41、ステップS7、S36、S44)から出された指令を受けてスイッチング作動するトランジスタ(Tr2)と、このトランジスタ(Tr2)と前記駆動トランジスタ(Tr1)のベースとの間に接続された抵抗(R1 )とを備え、
前記抵抗(R1 )は、前記駆動トランジスタ(Tr1)のベース電流(iB )を前記所定値(iB0)に設定する抵抗値を有し、前記ベース電流(iB )の電流変化を制限して前記駆動トランジスタ(Tr1)を前記切り換わり領域の近傍にて動作させるものであるという技術的手段を採用する。
【0009】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施例に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0010】
【発明の作用効果】
請求項1ないし3に記載の発明によれば、駆動トランジスタは、ソレノイドがショートして負荷が微小になった場合でも、設定手段によってベース電流が所定値に設定されることにより、駆動電流の急激な上昇が抑制される特性を有するものであるため、上記駆動トランジスタのベース電流を上記設定手段によって上記所定値に設定することにより、電流リミッタ方式を用いなくても上記駆動トランジスタの熱破壊を防止することができる。
【0011】
したがって、回路を簡素化することができるため、ソレノイド駆動装置を小型化することができる。
特に、請求項2または3に記載の発明によれば、ソレノイドの駆動電流が、駆動トランジスタを線形領域と飽和領域とが切り換わる領域の近傍にて動作させることによって発生されるものであるため、駆動電流の急激な上昇を抑制することができる。
【0012】
【実施例】
以下、この発明のソレノイド駆動回路の一実施例を図面に基づいて説明する。この実施例では、車両に設けられた減衰力可変のサスペンションのアクチュエータとして用いられるステップモータ(図示しない)のステータコアとしてのソレノイドを駆動する回路を例に挙げて説明する。図1は、その主要構成を示す回路図である。
【0013】
図1に示すように、ソレノイド1(コイル抵抗RΩ)には、ソレノイド1に駆動電流を供給する駆動トランジスタTr1のコレクタ側が接続されている。駆動トランジスタTr1のベース側には、駆動トランジスタTr1の駆動電流iC を設定する設定手段としての設定回路2が接続されている。設定回路2は、トランジスタTr2、抵抗R1 〜R4 で構成されている。また、ソレノイド1には、ソレノイド1のショートまたはオープンを検出する検出手段としての検出回路3が接続されている。
【0014】
上記検出回路3および設定回路2は、指令手段としてのCPU4に接続されている。CPU4には、設定回路2のトランジスタTr2へ指令信号を出力し、また、指令信号の出力を禁止する指令部41が設けられ、その指令信号によりトランジスタTr2がスイッチングされ、駆動トランジスタTr1にベース電流iB が流れ、駆動トランジスタTr1からソレノイド1へ駆動電流iC が供給される。また、CPU4には、検出回路3によってソレノイド1のショートが検出されたときのトランジスタTr3から出力されるコレクタ電圧の変化を検出する検出部42が設けられ、その検出部42の検出結果によって指令部41からの指令信号の出力が禁止される。
【0015】
また、上記駆動トランジスタTr1の駆動電流iC およびコレクタ/エミッタ間電圧VCEに対するベース電流iB の特性と、動作負荷特性とは図3に示す特性であり、設定回路2を構成する抵抗R1 (本例では750Ω)により、ベース電流はiB0に設定されている。ベース電流iB0は、ソレノイド1を駆動させるために最低限必要な電流値であり、ソレノイド1がショートしたときに上記駆動トランジスタTr1の熱破壊が発生するベース電流iB2より小さくなるように設定されている。
【0016】
また、ベース電流iB0の特性は、図3に示すように、その飽和領域における勾配が緩やかなものとなっている。駆動電流iC は、図3の斜線で示すように、上記駆動トランジスタTr1のベース電流iB をパラメータとして、特性が線形領域から飽和領域へ切り換わる領域の近傍にて動作させることにより発生されるようになっている。
【0017】
次に、上記構成のソレノイド駆動回路の動作を図1および図2を参照しながら説明する。図2は、CPU4から出力される指令信号(▲1▼)と、駆動電流iC (▲2▼)と、駆動トランジスタTr1のジャンクション温度(▲3▼)との関係を示すタイミングチャートである。
CPU4の指令部41から図2の▲1▼に示す指令信号(パルス信号)が出力されると、抵抗R3 を通ったその指令信号によってトランジスタTr2がスイッチング作動し、駆動トランジスタTr1のベース電流iB1が流れるとともに、駆動電流(コレクタ電流)iC1が流れ、ソレノイド1が通電される。
【0018】
このとき、トランジスタTr3がONし、トランジスタTr3のコレクタ電圧が“Low”レベルとなり、CPU4の検出部42によってソレノイド1が駆動中であることが検出される。
次に、ソレノイド1がショートした場合の動作を説明する。
ソレノイド1がショートすると、負荷が軽くなり、駆動トランジスタTr1からソレノイド1へ出力される駆動電流iC が大きくなろうとする。
【0019】
しかし、上述のように駆動トランジスタTr1のベース電流iB は、抵抗R1によってiB2に達しないように設定されており、かつ、駆動トランジスタTr1のベース電流iB の特性は、図3に示すように、飽和領域において緩やかな勾配であるため、駆動電流iC は図2の▲2▼に示すようにiC1より僅かに増加するだけに止まる(iC1≦iC1a <iC2)。
【0020】
したがって、図2▲3▼に示すように駆動トランジスタTr1のジャンクション温度の急激な上昇を抑えることができ、駆動トランジスタTr1の熱破壊を防止することができる。
また、上記ショートが発生するとトランジスタTr3のベース電圧が低下するためトランジスタTr3が非作動状態(OFF)になり、トランジスタTr3のコレクタ電圧が“High”レベルとなる。そして、CPU4によってソレノイド1のショートが検出され(検出時間t1 は本例では2.5msec )、CPU4の指令部41から出力される指令信号が“Low”レベルとなる。
【0021】
したがって、トランジスタTr2が非作動状態となるため、駆動トランジスタTr1も非作動状態となり、そのジャンクション温度も低下し始める。また、車両のインストルメントパネル(図示しない)に警告表示がなされる。
また、ソレノイド1が非駆動時においてオープンした場合は、トランジスタTr3は動作状態(ON)になり、トランジスタTr3から“Low”レベルの信号がCPU4へ出力される。そして、検出部42によってソレノイド1がオープン状態にあることが検出され、車両のインストルメントパネルに警告表示がなされる。
【0022】
上述のように、上記第1実施例によれば、駆動電流iC は、駆動トランジスタTr1のベース電流iB をパラメータとして、図3に示すように、飽和領域において緩やかな勾配の特性であり、かつ、抵抗R1 によって、駆動トランジスタTr1のベース電流iB は、ソレノイド1を駆動するために必要な最小値に設定されているため、駆動電流iC の急激な上昇が抑制され、駆動トランジスタTr1の熱破壊を防止することができる。
【0023】
次に、この発明の第2実施例を図4ないし図6に基づいて説明する。
従来、上記ソレノイド駆動装置を4相構造のステップモータに用いた場合、いずれかの相のソレノイドにオープンまたはショートが発生したことは、図7に示す検出回路9を各相のソレノイド毎に接続して相毎に検出している。
しかし、上記構成では各相のソレノイド毎に検出回路9が接続されているため装置が大型化するという問題がある。
【0024】
そこで、この第2実施例のソレノイド駆動装置は、いずれかの相にオープンまたはショートが発生したことを1つの検出回路で検出することができることを特徴とする。
図4は、その回路図、図5は各相へ出力される駆動信号のタイミングチャート、図6は、CPU8が各相のオープンまたはショートを検出するステップを示すフローチャートである。
【0025】
図4に示すように、ステップモータ5の各相(A+、A−、B+、B−)のソレノイドには図1の設定回路2および駆動トランジスタTr1から構成される相駆動回路61ないし64がそれぞれ接続されている。また、各相駆動回路61ないし64の出力側には1つの検出回路7が接続されており、検出回路7の出力側はCPU8に接続されている。
【0026】
A+相駆動回路61には抵抗Ra1およびダイオードD1 からなる出力回路71が、A−相駆動回路62には抵抗Ra2およびダイオードD2 からなる出力回路72が、B+相駆動回路63には抵抗Ra3およびダイオードD3 からなる出力回路73が、B−相駆動回路64には抵抗Ra4およびダイオードD4 からなる出力回路74がそれぞれ接続されている。
【0027】
また、ダイオードD1 およびD2 の出力と、ダイオードD3 およびD4 の出力は、それぞれ共通接続されており、ダイオードD1 およびD2 の共通接続側には抵抗Rb1が接続され、ダイオードD3 およびD4 の共通接続側には抵抗Rb3が接続されている。
なお、抵抗Rb2およびRb4は、それぞれ抵抗Rb1とRb3から出力される信号のノイズ成分を除去し、バッテリ電圧レベルの信号を抵抗Rb1とRb3との分圧により、信号をTTLレベルに変換するための抵抗である。また、本例では抵抗Ra1ないしRa4は、それぞれ3KΩであり、抵抗Rb1ないしRb4は、それぞれ30KΩである。
【0028】
そして、抵抗Rb1およびRb3の出力側は、NAND回路75の入力側に接続されており、NAND回路75の出力側は、CPU8に接続されている。
CPU8は、記憶された所定のプログラムにしたがってNAND回路75の出力が“High”レベルであるか“Low”レベルであるかによってA相およびB相のいずれかの相がショート、またはオープンしていることを判定する。
【0029】
次に、CPU8が、ステップモータ5の各相のショートまたはオープンを検出し、相駆動回路61ないし64への駆動指令信号の出力を禁止するまでの処理を図6に基づいて説明する。
まず、車両のイグニッションがONされると、CPU8に記憶されたプログラムの初期化が行われ(ステップS1)、演算周期(T時間)が経過したか否かが判定される(S2)。続いてステップモータ5が駆動される前にA相およびB相のソレノイドを順次通電し、いずれかの相がオープンしているか否かの各相オープン検出が終了したか否かを判定する(ステップS3)。
【0030】
ここで各相オープン検出が終了していないと判定されるとB相のオープンのチェックが終了したか否かが判定される(S31)。B相のオープンのチェックが終了していないと判定されるとA相をON(通電)し(S34)、B相がオープンしているか否かをチェックする(S35)。ここでB相がオープンしていない(OK)と判定されるとステップS2へリターンし、B相がオープンしている(NG)と判定されると、車両のインストルメントパネルに警告表示が行われ、ステップモータの駆動が禁止される(S36)。
【0031】
たとえば、A+相およびA−相が通電している場合において、B+相がオープンしているとすると、図4のダイオードD3 が導通状態となり、他のダイオードD1 、D2 およびD4 が非道通状態となるため、a点とb点には“High”レベルの信号が現れる。
したがって、NAND回路75の出力側のc点には“Low”レベルの信号が現れ(図5の波形イを参照)、その信号がCPU8へ入力されるため、B+相、またはB−相がオープンしていると判定される。そして、CPU8の指令部81から各相駆動回路61ないし64への指令信号の出力が禁止され、車両のインストルメントパネル(図示しない)に警告表示が行われるとともに、ステップモータ5の駆動が禁止される(S36)。
【0032】
一方、ステップS31でB相のチェックが終了していると判定された場合は、B相をON(通電)し(S32)、A相がオープンしているか否かをチェックする(S33)。そのチェックの結果、A+相、またはA−相がオープンしていると判定されると、上記同様に警告表示とステップモータ5の駆動禁止とが実行される(S36)。なお、この場合は、図4のc点には図5のロで示す波形が現れる。
【0033】
次に、各相のオープン検出が終了するとステップS3で肯定判定され、次のステップS4でステップモータ5の初期化駆動(車両のイグニッションをONしたときにステップモータ5を初期位置へ復帰させるための駆動)が終了したか否かが判定される。ここで初期化駆動が終了していないと判定されるとステップS5へ進み、ステップモータ5の初期化駆動が行われ、各相のショートチェックが行われる(S6)。
【0034】
具体的には、4相のステップモータでは、その駆動状態において、A+相とA−相とが同時に通電することはなく、また、B+相とB−相とが同時に通電することはないことを利用してショートチェックを行う。
つまり、A相およびB相が正常の場合は、図5の初期化駆動時のタイミングチャートに示すように、いずれかの相にショートが発生すると、図4のc点に現れる信号は“High”レベルとなることを検出してショートチェックを行う。たとえば、A−相がショートすると、図4のc点には図5のハで示す波形が現れるため、A−相がショートしたことを検出することができる。
【0035】
そして、いずれかの相のショートが検出されると上記警告が行われ、ステップモータ5の駆動が禁止される(S7)。
次に、ステップモータ5の初期化駆動が終了した後のステップモータ5のショートまたはオープンの検出について説明する。
まず、各相が駆動中か否か、つまり、車両が走行中あるいは停止中の状態において、サスペンションの制御を行うためにステップモータ5が駆動している状態であるか否かが判定され(S41)、駆動中でないと判定された場合は、4相の総てがオープンしているか否かのチェック(オープンチェック)が行われる(S43)。
【0036】
一方、ステップS41において、駆動中であると判定された場合は、いずれかの相がショートしているか否かのチェック(ショートチェック)が行われる(S42)。そして、オープンチェックまたはショートチェックの結果、4相の総てのオープン、または、いずれかの相のショートが検出された場合は、上記警告を行ってステップモータの駆動を禁止する(S44)。
【0037】
たとえば、4相の総てがオープンしている場合は、図4のc点には“Low”レベルの信号が現れ、A−相がショートしている場合は、“High”レベルの信号が現れるため(図5のc点に現れる波形ニを参照)、それらの信号が検出部82によって検出され、上記判定が行われる。
上述のように、ステップモータ5の4つの相のショートまたはオープンのチェックを1つの検出回路で行うことができる。
【0038】
したがって、各相のソレノイド毎に検出回路を設けるものに比べてソレノイド駆動装置の小型化を図ることができる。
なお、オープンチェック、または、ショートチェックは、車両が一定距離を走行する毎に行ったり、一定時間毎に行ったりしてもよい。また、上記第1実施例のトランジスタTr2は、モス型トランジスタでもよいし、抵抗R3 およびR4 を内蔵したバイポーラ型トランジスタでもよい。さらに、上記第2実施例のNAND回路75をAND回路とNOT回路とを接続したものに代えてもよいし、NAND回路75の機能をCPU8の内部に設けるようにしてもよい。
【0039】
上記各実施例において、検出回路3、検出部42、ステップS6、S33、S35、S42およびS43が検出手段に、指令部41、ステップS7、S36、S44が指令手段にそれぞれ相当する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の回路図である。
【図2】CPU4から出力される指令信号、駆動電流iC および駆動トランジスタTr1のジャンクション温度のタイミングチャートである。
【図3】駆動トランジスタTr1の動作負荷特性を示すグラフである。
【図4】本発明の第2実施例の回路図である。
【図5】ステップモータ5のA相およびB相から出力される信号と検出回路7から出力される信号のタイミングチャートである。
【図6】CPU8がA相およびB相のショートおよびオープンを検出する処理を示すフローチャートである。
【図7】従来のソレノイド駆動装置を示す構成図である。
【図8】CPU11から出力される指令信号、駆動電流iC および駆動トランジスタTr4のジャンクション温度のタイミングチャートである。
【図9】駆動トランジスタTr4の動作負荷特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1・・ソレノイド、2・・設定回路、3・・検出回路、
5・・ステップモータ、6・・駆動回路、7・・検出回路。
Claims (3)
- 駆動電流が供給されたときに作動するソレノイドと、
前記駆動電流が供給されているときに、前記ソレノイドに発生する電圧に基づいて前記ソレノイドのショートを検出する検出手段と、
前記ソレノイドに前記駆動電流の通電を指令するとともに、前記検出手段によって前記ソレノイドのショートが検出されたときに、前記駆動電流の通電禁止を指令する指令手段と、
前記指令手段によって前記駆動電流の通電が指令されたときに導通して前記ソレノイドへ駆動電流を供給する駆動トランジスタと、
前記駆動トランジスタの導通時のベース電流を所定値に設定する設定手段と、を備え、
前記駆動トランジスタは、前記ソレノイドがショートして負荷が微小になった場合でも、前記設定手段によってベース電流が所定値に設定されることにより、前記駆動電流の急激な上昇が抑制される特性を有するものであることを特徴とするソレノイド駆動装置。 - 前記ソレノイドの駆動電流は、前記駆動トランジスタを線形領域と飽和領域とが切り換わる領域の近傍にて動作させることによって発生されるものであることを特徴とする請求項1に記載のソレノイド駆動装置。
- 前記設定手段は、前記指令手段から出された指令を受けてスイッチング作動するトランジスタと、このトランジスタと前記駆動トランジスタのベースとの間に接続された抵抗とを備え、
前記抵抗は、前記駆動トランジスタのベース電流を前記所定値に設定する抵抗値を有し、前記ベース電流の電流変化を制限して前記駆動トランジスタを前記切り換わり領域の近傍にて動作させるものであることを特徴とする請求項2に記載のソレノイド駆動装置。
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