JP3619333B2 - パターン認識システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パターン認識処理(例えば文字認識処理)を行なって得られる認識結果を編集する認識結果編集方法およびパターン認識システムおよび情報記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、文字認識システムでは、原稿等の文書をスキャナ等で読込み、文書画像とした後、この文書画像から文字画像を切り出して文字認識処理を行ない、認識結果を得るようになっている。このような文字認識システムでは、文字認識処理自体には差程の時間を要しないが、認識結果の確認,修正等の編集に相当の時間を要する。すなわち、認識結果の確認,修正等の編集は、元の文書(あるいは文書画像)とその認識結果とを全文(全ページ,全行)にわたって突き合わせチェックすることによってなされ、また、通常は、正確さを期すために、このような全文の突き合わせチェックを2回繰り返して行なっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来では、認識結果の確認,修正等の編集を行なう場合、通常、認識結果とその元となった文書(あるいは文書画像)との全文にわたる突き合わせチェックを2回繰り返して行なっていたので、認識結果の確認,修正等の編集に相当の時間を要し、特に大量の文書の認識結果の確認,修正等の編集を行なう場合に、作業効率が著しく低下してしまうという問題があった。
【0004】
本発明は、文書が大量のものである場合にも、認識結果の確認,修正などの編集を、効率良く行なうことの可能な認識結果編集方法およびパターン認識システムおよび情報記録媒体を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、認識用の辞書と、文書画像に対して前記辞書を用いてパターン認識処理を施す認識処理手段と、該認識処理手段による認識結果に対してユーザに確認,修正などの編集を行なわせる編集処理手段とを備え、前記編集処理手段は、認識結果に対して少なくとも2回の編集処理を施し、その際、各編集処理において、認識結果あるいは編集処理結果の抜き取り率を互いに相違させ、前記各編集処理は、所定の抜き取り率で認識結果あるいは編集処理結果のページまたは行またはブロック及びそれに対応する元の文書画像を抜き取り、表示画面上に、抜き取った認識結果あるいは編集処理結果を表示する際の基準線を表示し、この基準線の一方の側には、該基準線に沿って現在編集対象となる認識結果あるいは編集処理結果を表示し、また、該基準線の他方の側には、該基準線の一方の側に表示される現在編集対象となる認識結果あるいは編集処理結果に対応した文書画像を該基準線に沿って表示することを特徴としている。
【0010】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載のパターン認識システムにおいて、抜き取り率は、更新可能に設定されることを特徴としている。
【0011】
また、請求項3記載の発明は、請求項1記載のパターン認識システムにおいて、認識処理手段で認識結果とともに認識結果の確信度が算出されるとき、編集処理手段は、1回目の編集処理では、所定の閾値以上の確信度の認識結果をスキップさせ、低確信度の認識結果のみを修正させるようになっていることを特徴としている。
【0012】
また、請求項4記載の発明は、請求項3記載のパターン認識システムにおいて、編集処理手段は、さらに、2回目の編集処理で修正がなされた割合いを修正率として出力する機能を有しており、確信度の閾値は、編集処理手段から出力される修正率に応じて更新可能になっていることを特徴としている。
【0013】
また、請求項5記載の発明は、請求項1記載のパターン認識システムにおいて、さらに、辞書を管理する辞書管理手段が設けられており、辞書管理手段は、編集処理手段において修正頻度の高い文字についての情報が修正文字情報として出力されるとき、該修正文字情報に基づいて辞書の更新を行なう機能を有していることを特徴としている。
【0014】
また、請求項6記載の発明は、請求項5記載のパターン認識システムにおいて、辞書の更新の都度、抜き取り率を低下させることを特徴としている。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明に係るパターン認識システムの構成例を示す図である。なお、図1の例では、パターン認識システムは、文書中の文字を認識する文字認識システムとして構成されている。
【0024】
図1を参照すると、この文字認識システムは、原稿などの文書を文書画像として入力する画像入力部1と、画像入力部1で読込まれた文書画像を記憶する文書画像記憶部2と、認識対象となる各文字について例えばその標準パターンや標準的な特徴量が登録されている認識用の辞書5と、画像入力部1から入力された文書画像から認識対象となる文字画像を切り出して該文字画像の特徴を抽出して辞書5と比較する文字認識処理を行なう認識処理部4と、認識処理部4からの認識結果を記憶する認識結果記憶部6と、認識結果についての確認,修正などの編集を行なう編集処理部8と、編集処理部8からの編集処理結果を記憶する編集処理結果記憶部9と、辞書5の更新等の管理を行なう辞書管理部10と、認識結果に対する編集処理などの条件を設定するための条件設定部40とを有している。
【0025】
図2は図1の文字認識システムのハードウェア構成例を示す図である。図2を参照すると、この文字認識システムは、例えばパーソナルコンピュータ等で実現され、全体を制御するCPU11と、CPU11の制御プログラム等が記憶されているROM12と、CPU11のワークエリア等として使用されるRAM13と、原稿等の文書を文書画像として読込むスキャナ14と、スキャナ14で読込まれた文書画像(あるいは、文書画像から認識用に切り出された文字画像)が例えばページ単位で例えば圧縮されて記憶される文書画像ファイル15と、文字認識用の辞書が記憶される辞書ファイル16と、文書画像(文字画像)に対して文字認識処理を行なって得られた認識結果がテキスト(コード化された情報)として記憶されるテキストファイル17と、認識結果の編集処理結果が記憶される編集処理結果ファイル41と、編集処理時に一時的な記憶領域として用いられるテンポラリファイル42と、認識結果に対する編集処理の条件を設定したり、認識結果に対して確認,修正などの編集を行なったりするのに用いられる表示装置18および入力装置19とを有している。
【0026】
ここで、スキャナ14,文書画像ファイル15,辞書16,テキストファイル17,編集処理結果ファイル41は、図1の画像入力部1,文書画像記憶部2,辞書5,認識結果記憶部6,編集処理結果記憶部9にそれぞれ対応している。また、CPU11は、図1の認識処理部4,編集処理部8の機能を有している。さらに、後述のように、CPU11は、図1の辞書管理部10の機能を有することもできる。
【0027】
また、図2の表示装置18,入力装置19,CPU11,RAM13などは、図1の条件設定部40としての機能も有している。すなわち、編集処理などの条件を、入力装置19等から入力させて、CPU11によりRAM13内に設定することができる。
【0028】
なお、CPU11におけるこのような認識処理部,編集処理部,辞書管理部,さらには条件設定部等としての機能は、例えばソフトウェアパッケージ(具体的には、CD−ROM等の情報記録媒体)の形で提供することができ、このため、図2の例では、情報記録媒体20がセットさせるとき、これを駆動する媒体駆動装置21が設けられている。
【0029】
また、入力装置19には、例えばキーボード,マウス等を用いることができ、表示装置18には、CRTやLCDなどのディスプレイを用いることができる。この場合、ディスプレイ18の画面に表示されているアイコン等をマウスによってポイントすることで、処理の選択や、所定処理の開始,終了指示などを行なったり、キーボードやマウスにより、画面上で、カーソル移動を行なったり、さらには、スクロールを行なったりすることができる。
【0030】
換言すれば、本発明のパターン認識システム(文字認識システム)は、イメージスキャナ,ディスプレイ等を備えた汎用の計算機システムにCD−ROM等の情報記録媒体に記録されたプログラムコードを読み込ませて、この汎用計算機システムのマイクロプロセッサにパターン認識処理(文字認識処理)を実行させる装置構成においても実施することが可能である。この場合、本発明のパターン認識処理プログラムや編集処理プログラムや辞書管理プログラムなどを格納する情報記憶媒体としては、CD−ROMに限られるものではなく、ROM,RAM,FD等が用いられても良い。また、文書画像の入力は、スキャナを使用しないで、画像イメージファイルとして与えられても良い。
【0031】
また、図1,図2の文字認識システムにおいて、認識処理部4は、認識結果を求めるとともに、その認識結果の確信度(確からしさ)をも求めるようになっていても良い。この確信度の算出処理については、例えば特開平4−211883号に開示の仕方で行なうことができる。
【0032】
すなわち、確信度とは、最終認識結果の文字がどの程度確からしいかを表わすもので、0%から100%の数値で表わされたり、あるいは、その数値を何段階かに量子化して表わすことができる。例えば、次のA,B,Cの3ランクで表わすことができる。
Aランク:認識結果は正しい。
Bランク:認識結果は怪しい(正しいか間違いか分からない)。
Cランク:認識結果は間違い。
【0033】
この場合、認識処理部4では、最終の認識結果を得るための複数段階の処理により得られる情報に基づき、総合的に確信度を決定する。例えば、パターンマッチング処理から第一候補の評価値あるいは第一候補と第二候補との評価値の差,パス選択処理からパス決定時の評価値,ルール処理から、どのようなルールが適用され修正されたかを表わす情報,言語処理から言語修正の結果を表わす情報を集め、これらの情報を証拠として例えばデンプスター・シェーファー(Dempster & Shafer)の確率理論を使って確信度を総合的に判断する。
【0034】
このような確信度の決定は、最終の処理段階で、それまでの処理段階で得られた情報を集めて一括して行なうか、あるいは各処理段階で得られた情報に基づき候補の確信度を求め、これによって前処理段階までに求められた確信度を更新する操作を最終処理段階まで繰り返すことにより行なう。
【0035】
このように、認識処理部4において、確信度が求められる場合には、後述のように、編集処理部8における認識結果の確認,修正等の編集処理において、かかる確信度に応じて、認識結果の表示の際に色や輝度などの視覚的条件を変化させ、あるいは認識結果に対応させて文字または記号を表示すれば、装置利用者は、認識結果の確信度を容易に認識し、修正が必要な文字を素早く的確に見つけ、その修正作業を効率よく行なうことができる。
【0036】
また、編集処理部8は、認識処理部4からの認識結果に対して、第1回目の編集処理を行ない(より具体的には、認識結果記憶部6に記憶されている認識結果に対して編集処理を行ない)、この編集処理結果を編集処理結果記憶部9の第1の結果記憶部9a(図2の第1の結果ファイル41a)に格納する第1の編集処理部31と、認識処理部4からの認識結果に対して第2回目以後の編集処理を行ない(より具体的には、第1の結果記憶部9a(図2の第1の結果ファイル41a)に格納されている第1回目の編集処理結果に対してさらに編集処理を行ない)、編集処理結果記憶部9の第2の結果記憶部9b(図2の第2の結果ファイル41b)に格納する第2の編集処理部32とを備えている。
【0037】
ここで、第1の編集処理部31および第2の編集処理部32は、認識結果に対する編集処理を行なう場合、例えば、表示装置18の画面上に、認識結果あるいは編集処理結果を表示する際の基準線を表示し、この基準線の一方の側には、該基準線に沿って現在編集対象となる認識結果あるいは編集処理結果を表示し、また、該基準線の他方の側には、該基準線の一方の側に表示される現在編集対象となる認識結果あるいは編集処理結果に対応した文書画像(文字画像)を該基準線に沿って表示することができる。
【0038】
図3には、ある1ページ分の文書の例が示されており、図4(a),(b)には、図3の文書の認識結果あるいは編集処理結果を確認,修正等するための表示装置18における表示例がそれぞれ示されている。
【0039】
図4(a)の表示例では、画面上に縦の基準線L1を表示し、この基準線L1に沿って、そのすぐ右側には、現在編集対象となる認識結果列あるいは編集処理結果列“本日は晴天なり、”を行方向(=縦)に表示し、また、そのすぐ左側には、上記編集対象となる認識結果列あるいは編集処理結果列に対応した文書画像(文字画像)列“本日は晴天なり、”を縦の基準線L1に沿って行方向(=縦)に表示している。
【0040】
また図4(b)の表示例では、画面上の横の基準線H1を表示し、この基準線H1に沿って、そのすぐ上側には、現在編集対象となる認識結果列あるいは編集処理結果列“本日は晴天なり、”を行方向(=横)に表示し、また、そのすぐ下側には、上記編集対象となる認識結果列あるいは編集処理結果列に対応した文書画像(文字画像)列“本日は晴天なり、”を横の基準線H1に沿って行方向(=横)に表示している。
【0041】
なお、表示画面上において、図4(a)のように行方向を縦にするか、あるいは、図4(b)のように行方向を横にするかは、例えば認識処理開始時などに、例えば図1の条件設定部40(図2の入力装置19)などにおいて、行方向を「縦」または「横」と指定することで設定できる。
【0042】
また、第1の編集処理部31および第2の編集処理部32は、表示装置18の表示画面上で、基準線の一方の側に表示される認識結果(テキスト)と基準線の他方の側に表示される文書画像(文字画像)とを、常に連動させて、スクロールあるいは移動させる機能を有している。具体的に、例えば図4(a)の状態で、基準線L1の右側に表示されている認識結果(テキスト)を例えば右方向に1行分移動させると、図5に示すように、これと連動させて、基準線L1の左側に表示されている文書画像(文字画像)も右方向に1行分移動させるような表示制御を行なうことができる。また、例えば図4(a)の状態で、基準線L1の右側に表示されている認識結果(テキスト)を例えば上方向に2文字分移動させると、図6に示すように、これと連動させて、基準線L1の左側に表示されている文書画像(文字画像)も上方向に2文字分移動させるような表示制御を行なうことができる。
【0043】
このように、表示装置18の表示画面上で、基準線の一方の側に表示される認識結果あるいは編集処理結果と基準線の他方の側に表示される文書画像(文字画像)とを、常に対応させて表示する機能(基準線に沿って、かつ、該基準線を挾んで互いに対向して(並列に)表示する機能)を第1の編集処理部31および第2の編集処理部32が有している場合には、認識結果あるいは編集処理結果とこれに対応した文書画像(文字画像)列との対比が容易になり、オペレータは、認識結果あるいは編集処理結果の確認,修正を容易に行なうことができる。
【0044】
また、認識結果あるいは編集処理結果の確認,修正を行なう際、表示装置18の画面上で、現在修正中の文字については、これが現在修正中であることを識別可能に表示することもできる。具体的に、図4(a)の例において、例えば図7のように、“天”が“夫”と誤認識されており、認識結果あるいは編集処理結果中で現在修正中の文字が“夫”である場合、認識結果の表示領域において“夫”の文字のところを例えば矩形で囲み、また、文書画像の表示領域において、これに対応した“天”の文字画像のところを例えば赤色の矩形で囲むこともできる。
【0045】
また、図4(a),(b)などの表示例において、文書画像(文字画像)を表示する場合、後述のように、文書画像ファイル15に例えば圧縮されて格納されている文書画像(文字画像)を拡大して、例えばスキャナ入力時の文書画像と等倍で表示することもできる。
【0046】
また、図4(a),(b)などの表示例では、画面には、認識結果(テキスト)と文書画像(文字画像)のみしか表示されていないが、この画面において、さらに、例えば編集対象ページのイメージ全体を表示し、また、編集対象ページにおいて、修正した文字,低確信度の文字数,総文字数等の情報などを表示する機能を第1の編集処理部31,第2の編集処理部32にもたせることも可能である。
【0047】
このように、第1の編集処理部31と第2の編集処理部32とは、上記のような1つの表示画面内での基本的な表示制御機能に関しては、これらを同じものにすることができる。
【0048】
しかしながら、認識結果の確認,修正等の編集を効率良く行なうため、本発明では、第1の編集処理部31と第2の編集処理部32とで、編集処理機能を互いに相違させている。
【0049】
すなわち、第1の編集処理部31の編集処理機能と第2の編集処理部32の編集処理機能とを同じものにする場合には、編集処理を同じ仕方で2回以上繰り返して行なうことと等価であり、この編集処理が、認識結果とその元になった文書との全文にわたる突き合わせチェックを行なうものである場合、前述したように、作業効率が著しく低下してしまう。
【0050】
本発明では、従来におけるこのような問題を解決するため、第1の編集処理部31の編集処理機能が、例えば、認識結果とその元になった文書との全文にわたる突き合わせチェックを行なうものである場合、第2の編集処理部32は、全文にわたる認識結果(すなわち、この場合、編集処理結果)をチェックするのではなく、全文にわたる編集処理結果の中から、所定の抜き取り率で、認識結果(編集処理結果)を抜き出し、抜き出した認識結果(編集処理結果)に対してのみ、確認,修正などの編集処理を行なうようになっている。
【0051】
より具体的に、文書画像記憶部2に会議録原稿等の文書の文書画像がページ単位に、例えばnページ分格納され、認識処理部4がnページ分の文書画像に対してページ単位に認識処理を行ない、nページ分の認識結果が認識結果記憶部6(テキストファイル17)に記憶されるとき、第1の編集処理部31は、例えば、nページ分の認識結果を全ページ(nページ)、ページ単位に編集処理(確認,修正)するよう機能する一方、第2の編集処理部32は、全ページを対象に編集処理を行なうのではなく、例えば、全ページ(nページ)分の認識結果(編集処理結果)から、所定の抜き取り率w(0<w<1)でページ単位に、n×wページ分の認識結果(編集処理結果)を抜き出し、抜き出したn×wページ分の認識結果(編集処理結果)のみをページ単位に編集処理する機能を有している。
【0052】
ここで、nページ分の認識結果(編集処理結果)から、所定の抜き取り率wでn×wページ分の認識結果(編集処理結果)を抜き出す仕方として、例えば1からnまでの範囲内で、n×w個の乱数値を発生させ、この乱数によって、nページ分からn×wページ分をランダムに抽出する(抜き出す)ことができる。
【0053】
なお、nページ分の認識結果(編集処理結果)から、上記のような仕方で、n×wページ分の認識結果(編集処理結果)を抜き出したときに、抜き出したn×wページ分の認識結果(編集処理結果)は、編集処理がなされるに先立って、テンポラリファイル42に一時格納されるようになっている。また、編集処理において、図4(a),(b)のような表示制御処理が行なわれる場合、n×wページ分の認識結果(編集処理結果)に対応した元の文書画像もテンポラリファイル42に一時格納されるようになっている。
【0054】
また、抜き取り率wは、例えばユーザによって、条件設定部40(表示装置18,入力装置19)により、任意のものに設定可能となっており、また、抜き取り率wは、これを更新(変更)可能になっている。また、抜き取り率wは、これが一旦設定されると、更新(変更)がなされるまで、例えばRAM13内に現在の抜き取り率として保持されるようになっている。
【0055】
具体的に、抜き取り率wの設定は、次のような仕方で行なうことができる。先ず、図8のような初期画面が表示されている状態で、ユーザが「抜き取り率設定」のアイコン(%)をポイントすると、図9のような抜き取り率設定画面が表示される。ここで、抜き取り率設定画面の抜き取り率設定窓には、現在の抜き取り率w(%)が表示される。なお、このシステムの初期状態(セットアップ直後)では、抜き取り率wとしてデフォルト値“100”が設定されており、従って、この段階では、抜き取り表示窓には“100”が表示される。ユーザは、これを所望の抜き取り率に設定(変更)したい場合には、例えば入力装置19から、所望の抜き取り率の数値(%),すなわち1〜100の範囲の数値を入力する。例えば、編集対象となる会議録原稿の総ページ数が100ページであり、このうちの20ページ分を抜き取りたいときには、抜き取り率wは、20/100=20(%)であるので、ユーザは“20”を入力する。
【0056】
これにより、抜き取り率設定窓の数値は、“100”から“20”に変わる。抜き取り率wが20(%)で良い場合は、ユーザは、抜き取り率設定窓の数値が“20”であることを確認して、抜き取り率設定画面のアイコン(OK)をポイントする。これにより、抜き取り率wは、20(%)に確定し、これが更新(変更)されない限り、例えばRAM13内にパラメータとして保持される。なお、この設定を取り消したいとき、例えば、この数値“20”とは異なる数値にしたいときには、ユーザは、抜き取り率設定画面のアイコン(キャンセル)をポイントする。これにより、画面は初期画面に戻り、再び上記の操作を行なって抜き取り率設定画面を表示させ、所望の抜き取り率の数値を入力する。
【0057】
このようにして、抜き取り率wの設定,更新(変更)等を行なうことができる。
【0058】
図10は第1の編集処理部31の処理動作例,操作例を説明するためのフローチャートである。図10を参照すると、第1の編集処理部31は、図4(a),(b)に示したような画面を表示して、ユーザにページ単位での確認,修正などの編集処理を行なわせることができる。すなわち、第1の編集処理部31は、先ず、終了ボタンあるいは次ページボタンあるいは確定ボタンが選択されたか否かを判断する(ステップS1,S2,S3)。
【0059】
この結果、次ページボタンが選択されたときには、認識結果記憶部6(テキストファイル17)および文書画像記憶部2(文書画像ファイル15)に格納されているnページ分の認識結果および文書画像のうち、未処理分の先頭ページを例えば図4(a),(b)に示したように画面表示する(ステップS4)。これにより、ユーザは、このページの認識結果を前述のようにして確認,修正等することができる(ステップS5)。このようにして、1ページ分の編集処理が終了すると、再びステップS1に戻り、上述したと同様の処理が繰り返される。すなわち、この繰り返し処理において、ユーザが順次に次ページボタンを選択すると(ステップS2)、認識結果記憶部6(テキストファイル17)および文書画像記憶部2(文書画像ファイル15)に格納されているnページ分の認識結果および文書画像がページ単位に順次に画面表示され、ユーザは、nページ分の認識結果をページ単位に、順次、確認,修正することができる。
【0060】
このような一連の処理において、ユーザが確定ボタンを選択すると(ステップS3)、第1の編集処理部31は、nページ分の認識結果の編集(確認,修正等)を全て行なったかをチェックする(ステップS6)。この結果、nページ分の認識結果の編集(確認,修正等)を全て行なったときには、認識結果に対する編集(nページ分の編集)を確定し、この編集処理結果を第2の結果記憶部9b(第2の結果ファイル41b)に格納する(ステップS7)。
【0061】
また、上記一連の処理において、ユーザが終了ボタンを選択すると(ステップS1)、第1の編集処理部31における編集処理(プログラム)の実行を終了する。
【0062】
なお、上述の処理例では、次ページボタンによって次ページを順次に選択する処理しか示されていないが、前ページボタンをさらに設け、前ページボタンを選択すると前ページへ戻るなどの処理を追加することも可能である。
【0063】
また、図11,図12は第2の編集処理部32の処理動作例,操作例を説明するためのフローチャートである。図11,図12を参照すると、例えば図8に示したような初期画面が表示されている状態で(ステップS11)、所望のページ数分のページの抜き出しがすでになされてテンポラリファイル42に格納されているか否かを判断する(ステップS12)。
【0064】
所望のページ数分のページの抜き出しが未だなされていないときには、総ページから所望のページ数分のページの抜き出しを行ないこれらをテンポラリファイル42に格納するまでの処理(ステップS13乃至S18)を行なう。
【0065】
すなわち、抜き取り率wが所望の値に設定されているか否かを判断し(ステップS13)、所望の値に設定されていないときには、ユーザは、前述のように、抜き取り率設定画面を表示して、所望の抜き取り率wを設定する(ステップS14)。このようにして、例えば、RAM13内に所望の抜き取り率wが設定されたときには、第2の編集処理部32は、総ページ数nの値の範囲内で、この抜き取り率wで、乱数値を発生させ(ステップS15)、発生させた乱数値によって、総ページ数nからランダムにn×w(%)分のページ番号を抽出する(ステップS16)。次いで、抽出したn×w(%)ページ分の上記ページ番号に対応する各ページの認識結果(編集処理結果)および文書画像を第1の結果記憶部9a(第1の結果ファイル41a)および文書画像記憶部2(文書画像ファイル15)からそれぞれ読み出し、これらを、テンポラリファイル42に格納する(ステップS17)。
【0066】
このようにして抜き出したn×w(%)ページ分の認識結果(編集処理結果)および文書画像がテンポラリファイル42に格納された後、第2の編集処理部32は、抜き出したページに関する情報(例えばn×wページ分のページ番号)の一覧表を画面に表示する(ステップS18)。
【0067】
この段階で、第2の編集処理部32は、図4(a),(b)に示したような画面を表示して、ユーザにページ単位での確認,修正などの編集処理を行なわせることができる。すなわち、第2の編集処理部32は、終了ボタンあるいは抽出ボタンあるいは確定ボタンが選択されたか否かを判断する(ステップS19,S20,S21)。
【0068】
この結果、抽出ボタンが選択されたときには、抜き出されてテンポラリファイル42に格納されているn×w(%)ページ分の認識結果(編集処理結果)および文書画像のうち、未処理分の先頭ページを例えば図4(a),(b)に示したように画面表示する(ステップS22)。これにより、ユーザは、このページの認識結果(編集処理結果)を前述のようにして確認,修正等することができる(ステップS23)。このようにして、1ページ分の編集処理が終了すると、再びステップS12に戻り、上述したと同様の処理が繰り返される。すなわち、この繰り返し処理において、ユーザが順次に抽出ボタンを選択すると(ステップS20)、抜き出されてテンポラリファイル42に格納されているn×w(%)ページ分の認識結果(編集処理結果)および文書画像がページ単位に順次に画面表示され、ユーザは、n×w(%)ページ分の認識結果をページ単位に、順次、確認,修正することができる。
【0069】
このような一連の処理において、ユーザが確定ボタンを選択すると(ステップS21)、第2の編集処理部32は、n×w(%)ページ分の認識結果(編集処理結果)の編集(確認,修正等)を全て行なったかをチェックする(ステップS24)。この結果、n×w(%)ページ分の認識結果(編集処理結果)の編集(確認,修正等)を全て行なったときには、認識結果(編集処理結果)に対する抜き取り編集(n×w(%)ページ分の編集)を確定し、この編集処理結果を第2の結果記憶部9b(第2の結果ファイル41b)に格納する(ステップS25)。
【0070】
また、上記一連の処理において、ユーザが終了ボタンを選択すると(ステップS19)、第2の編集処理部32における抜き取り編集処理(プログラム)の実行を終了する。
【0071】
また、認識処理部4において認識結果とともに確信度が求められる場合、第1の編集処理部31および第2の編集処理部32は、認識結果あるいは編集処理結果の確認,修正を行なう際、認識結果あるいは編集処理結果中の低確信度文字については、これを他の文字と識別可能に表示することもできる。例えば、認識結果あるいは編集処理結果の表示領域において、認識結果あるいは編集処理結果中の低確信度文字を反転表示し、また、文書画像(文字画像)の表示領域において、低確信度文字を反転表示することもできる。
【0072】
また、このように、認識結果とともに確信度が算出されるとき、第1の編集処理部31および第2の編集処理部32は、認識結果あるいは編集処理結果の確認,修正などの編集を行なうような場合に、表示装置18の画面上に表示される認識結果あるいは編集処理結果中および/または文書画像(文字画像)中の確信度が所定の閾値(例えば90%)以上の文字をスキップさせて、低確信度の文字のみを順番に表示することもできる。すなわち、認識結果あるいは編集処理結果中および/または文書画像(文字画像)中から、確信度が所定閾値(例えば90%)以下の文字を抽出して、この文字についてのみ、認識結果(編集処理結果)および/または文字画像を次々と表示させることもできる。
【0073】
なお、この場合、上記確信度の閾値は、例えば条件設定部40(あるいは図2の入力装置19)により更新可能に設定される。
【0074】
また、このような低確信度文字のスキップ表示は、例えば図4(a),(b)のような、基準線の一方の側には、該基準線に沿って現在編集対象となる認識結果列あるいは編集処理結果列を表示し、また、該基準線の他方の側には、該基準線の一方の側に表示される現在編集対象となる認識結果列あるいは編集処理結果列に対応した文書画像(文字画像)列を該基準線に沿って表示画面において行なうこともできるし、あるいは、認識結果あるいは編集処理結果のみの表示画面,あるいは文書画像(文字画像)のみの表示画面において行なうこともできる。
【0075】
このように、第1の編集処理部31および第2の編集処理部32において、所定の閾値以上の確信度の文字についてはこれをスキップさせて(飛ばして)、低確信度の文字のみを表示する機能をもたせれば、認識結果あるいは編集処理結果の確認,修正等の際に、利用者は文書全体に目を通す必要がなくなり、作業効率を高めることができる。
【0076】
上述の例では、このような確信度に基づくスキップ表示機能(スキップ修正機能)を、第1の編集処理部31と第2の編集処理部32との両方にもたせるとしたが、このようなスキップ修正機能を、全ページを編集対象にする第1の編集処理部31にのみもたせ、全ページから抜き出した所定のページだけを編集対象にする第2の編集処理部32には、スキップ修正機能をもたせないようにすることも可能である。
【0077】
すなわち、第1の編集処理部31にスキップ修正機能をもたせることで、全ページを対象にする場合にも、このスキップ修正機能により修正作業を効率良く行なうことができる。一方、このスキップ修正機能を第2の編集処理部32にもたせない場合にも、第2の編集処理部32における編集対象は、第1の編集処理部31においてスキップ修正がなされた結果の編集処理結果であり、また、第2の編集処理部32では、全ページのうちの一部のページだけを編集対象とするので、スキップ修正せずに1文字毎に逐次確認,修正を行なわせる場合にも、修正作業効率は差程低下せず、また、スキップ修正しないことにより確認精度,修正精度をより一層向上させることができる。
【0078】
なお、利用者の要望等により、上記とは逆に、このようなスキップ修正機能を、全ページから抜き出した所定のページだけを編集対象にする第2の編集処理部32にのみもたせ、全ページを編集対象にする第1の編集処理部31には、スキップ修正機能をもたせないようにすることも可能である。また、第1の編集処理部31,第2の編集処理部32のいずれにも、スキップ修正機能をもたせないようにすることも可能である。
【0079】
さらに、本発明において、第1の編集処理部31および第2の編集処理部32は、編集(確認,修正等)前後の履歴(修正履歴)を作成管理するようになっており、このような修正履歴により、修正頻度の高い文字についての情報を修正文字情報として管理し、ユーザにより図8の修正文字通知ボタンが操作されたとき、例えば図13に示すように、修正文字情報画面を表示装置18に表示し、ユーザに修正頻度の高い文字を通知する機能をも有している。
【0080】
具体的に、修正頻度の高い文字としては、第1の編集処理部31および第2の編集処理部32において、例えば20回以上修正されている文字とすることができ、このような文字が存在することによって、修正の頻度が高くなり、修正作業の効率を低下させている。
【0081】
従って、上記のように修正頻度の高い文字をユーザに通知することによって、ユーザは、辞書管理部10を起動して、辞書5内のこの文字の標準パターンや標準的な特徴量を修正し、この文字について認識処理部4で正確な認識がなされるようにすることができる。すなわち、修正文字情報(修正頻度の高い文字の情報)を通知することで、辞書管理部10により認識用の辞書5が更新(学習)され、この認識処理システムの認識精度を逐次向上させることが可能となる。
【0082】
また、上記の例では、辞書5内のこの文字の標準パターンや標準的な特徴量の修正を、ユーザにより行なわせるとしたが、辞書管理部10において、自動的に辞書5を更新(学習)するよう構成することも可能である。すなわち、第1の編集処理部31および第2の編集処理部32からの修正文字情報を辞書管理部10に与え、辞書管理部10において、第1の編集処理部31および第2の編集処理部32からの修正文字情報に基づいて、修正頻度の高い文字についての標準パターンや標準的な特徴量を修正頻度が少なくなる方向に自動更新し、辞書5を自動更新(学習)することも可能である。
【0083】
なお、このような辞書5の更新処理は、例えばページ毎に行なわれても良いし、nページ分の文書全体(例えばnページ分の会議録原稿)の編集処理が完了した時点で行なわれても良い。
【0084】
また、このような辞書5の更新(学習)がなされることによって、認識処理部4の認識精度が向上し、修正頻度が低下すると考えられるので、辞書5の更新管理がなされる毎に、抜き取り率wを低くすることができる。
【0085】
例えば、第2の編集処理部32における抜き取り率wを、システムの稼働当初は、例えば、100%に設定して処理を行なわせ、次いで、辞書5が更新されると、抜き取り率wを100%から例えば80%に設定変更し、次いで、辞書5が更新されると、抜き取り率wを80%から例えば60%に設定変更するというように、抜き取り率wを辞書5の更新の都度、下げることができる。これにより、使用する毎に、作業効率を徐々に高めることが可能となる。
【0086】
さらに、本発明において、上記第2の編集処理部32は、抜き出したページについての認識結果(編集処理結果)の確認,修正等の編集を行なったとき、どの程度の割合いで修正がなされたかの情報,すなわち修正率の情報を出力(例えばユーザに通知)する機能をも有している。このような機能をも有している場合、ユーザは、この修正率の情報を見ることで、第1回目の編集処理において確認修正もれの度合を知ることができる。すなわち、第2の編集処理部32での編集処理において、修正率が高いと、第1回目の編集処理において確認修正もれが多いことがわかる。これにより、ユーザは、第1回目の編集処理にスキップ修正が用いられる場合、この修正率情報に基づき確信度の閾値の変更を行ない、第1回目の編集処理における確認修正もれの度合いを少なくすることができる。例えば、修正率が高い場合には、確信度の閾値をより高く設定し直す一方、修正率が低い場合は、確信度の閾値をより低く設定し直すことができる。
【0087】
なお、このような確信度の閾値の変更をユーザによらずに自動的に行なうこともできる。すなわち、修正率情報の出力に応じて、確信度の閾値を自動的に更新することもできる。
【0088】
上述の説明では、第1の編集処理部31では抜き取り処理を行なわず、第2の編集処理部32で抜き取り処理を行なうとしたが、これとは逆に、第1の編集処理部31で抜き取り処理を行ない、第2の編集処理部32で抜き取り処理を行なわないようにすることもできる。また、この場合、例えば、第1の編集処理部31ではスキップ修正処理を行なわず、第2の編集処理部32でスキップ修正処理を行なうようにすることもできる。なお、ここで、抜き取り処理を行なわないことは、抜き取り率wを100%にすることを意味する。
【0089】
また、上述の説明では、説明の便宜上、編集処理部8が第1の編集処理部31と第2の編集処理部32とからなるものとしたが、第1の編集処理部31,第2の編集処理部32のそれぞれの機能を、1つの編集処理部8にもたせることも可能である。
【0090】
また、上述の説明では、抜き取り率wを、ページ単位に設定したが(全ページに対する抜き取りページ数として設定したが)、ページ単位に限らず、任意の単位(例えば行単位,あるいはブロック単位)に設定することも可能である。
【0091】
換言すれば、本発明は、認識結果に対して少なくとも2回の編集処理を施し、その際、各編集処理において、認識結果の抜き取り率を互いに相違させ、各編集処理において、所定の抜き取り率で認識結果の抜き取りがなされたとき、抜き取られた認識結果に対してのみ、編集処理を施すことを特徴としている。
【0092】
次に、このような構成の文字認識システムの処理動作の具体例について説明する。本発明の文字認識システムがソフトウェアパッケージ(情報記録媒体)20の形で提供される場合、ユーザは、この情報記録媒体20を媒体駆動装置21にセットし、文字認識システムソフトを例えばRAM13にロードする。この段階で、CPU11は、例えばRAM13にロードされた文字認識システムソフトに従って、処理を実行することができる。
【0093】
スキャナ14が例えばADFである場合、スキャナ14に例えば複数枚の原稿をセットすると、スキャナ14は、複数枚の原稿を順次に読取る。説明を簡単にするため、各原稿が片面単票原稿であるとすると、1枚の原稿が1ページに対応し、従って、例えばn(n≧1)枚の原稿を読取ると、nページ分の文書画像がページ単位に得られ、これらが、文書画像ファイル15に順次に格納される。
【0094】
CPU11では、文書画像ファイル15に格納されたnページ分の文書画像に対し、辞書ファイル16中の辞書を用いてページ単位に文字認識処理を行ない、ページ毎の認識結果をテキストとして、テキストファイル17に順次に格納する。
【0095】
ユーザは、例えばこの段階で、テキストファイル17にページ単位に格納されたnページ分の認識結果(テキスト)に対して、ページ単位に確認,修正等の編集処理(第1回目の編集処理)を行なうことができる。すなわち、ユーザはページ毎に誤認識文字等を修正することができる。この編集処理は、前述の第1の編集処理部31によって全ページnを対象に行なわれる。この場合、この編集処理は、ユーザが修正の必要な箇所にマウス等でカーソルを移動させて行なうこともできるが、前述のようなスキップ修正機能が備わっている場合、低確信度文字のところに、カーソルを自動的にスキップさせ、低確信度文字についての認識結果をユーザに確認させ、また、修正させるようにすることもできる。すなわち、例えば1ページ分の認識結果(テキスト)の先頭から低確信度文字をサーチし、低確信度文字が検出されたときには、この文字のところにカーソルを自動設定して、ユーザに確認,修正等を行なわせ、この文字について確認,修正等が終了した旨のキー操作がなされると、次の低確信度文字のところにカーソルを自動的にスキップし、ユーザにこの文字について確認,修正を行なわせるような表示制御を行なうこともできる。これにより、認識結果の確認,修正等の際に、ユーザは文書全体に目を通す必要がなくなり、作業効率を高めることができる。
【0096】
このようにして、全ページn分の認識結果に対する確認,修正等の編集が終了すると、この全ページn分の編集処理結果(認識結果)を第1の結果ファイル41aに格納する。
【0097】
この段階で、ユーザは、認識結果に対して第2回目の編集処理を行なうことができる。すなわち、第1の結果ファイル41aに格納された認識結果(編集処理結果)に対し、さらに編集処理を行なうことができる。この編集処理は、前述の第2の編集処理部32によって、第1の結果ファイル41aに格納された全ページn分の認識結果(編集処理結果)の中から所定の抜き取り率wで(予め設定された抜き取り率wで)任意のページをランダムに抜き出して行なわれる。すなわち、利用者は、抜き出したページについて、誤認識文字等を修正することができる。この場合、この編集処理は、例えばスキップ修正機能を働かせることなく、行なわれる。このようにして抜き出したページの認識結果(編集処理結果)に対する確認,修正等の編集が終了すると、この編集処理結果を第2の結果ファイル41bに格納する。このようにして、第1回目,第2回目の編集処理を行なうことができる。また、必要に応じて、第3回目の編集処理を行なうこともできる。
【0098】
上記のように第1回目,第2回目の編集処理がなされるとき、辞書管理部10では、第1回目の編集前後の修正履歴、および第2回目の編集前後の修正履歴を利用して、修正頻度の高い文字について、辞書5(例えば、ユーザパターン辞書、あるいはユーザ言語辞書など)のメンテナンス(更新など)を行なう。なお、この辞書メンテナンスは、例えば、この処理の専門家によって行なうことができる。修正頻度の高い文字がどの程度存在するかの情報は、上記修正履歴中の「修正文字情報」により、容易に確認可能であり、例えば、ある文字についての標準パターンなどを更新後、ある一定の期間様子を見て、この文字について更新した標準パターンを辞書5に登録しても大丈夫だと判断した場合には、この文字について更新した標準パターンを辞書5に登録して用いることができる。
【0099】
また、ユーザは、第2回目の編集処理を行なったとき、そのときの修正率の情報を得ることができる。すなわち、ユーザは、第2回目の編集処理で得られた修正率情報により、第1回目の編集処理において確認修正漏れがどの程度発生しているかを任意のタイミングで確認することができ、これによって、確信度の閾値を適切なものに設定変更することができる。
【0100】
また、上述の例では、nページ分の認識結果(編集処理結果)から、所定の抜き取り率wでn×wページ分の認識結果(編集処理結果)を抜き出す仕方として、例えば1からnまでの範囲内で、n×w個の乱数値を発生させ、この乱数によって、nページ分からn×wページ分をランダムに抽出する(抜き出す)ようにしているが、所定の抜き取り率wでn×wページ分の認識結果(編集処理結果)を抜き出す仕方として、乱数を発生させてランダムに抽出する方法以外の任意の抜き出し法を用いることもできる。例えば、第1ページ目(表紙部分)は必ず抜き取って検査しなければならないような場合、上述のようなランダムな抜き取り法では、第1ページ目(表紙部分)が抜き取られないことがある。従って、このような場合には、必ず第1ページ目(表紙部分)が抜き取られるような任意の演算法で、nページからn×wページを抽出し、抜き取ることもできる。
【0101】
【発明の効果】
以上に説明したように、請求項1乃至請求項6記載の発明によれば、認識結果の確認,修正などの編集において、編集の作業効率を著しく向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る文字認識システムの構成例を示す図である。
【図2】図1の文字認識システムのハードウェア構成例を示す図である。
【図3】ある1ページ分の文書の例を示す図である。
【図4】図3の文書の認識結果あるいは編集処理結果を確認,修正等するための表示例を示す図である。
【図5】表示画面上で、基準線の一方の側に表示される認識結果あるいは編集処理結果と基準線の他方の側に表示される文書画像(文字画像)とを、常に連動させて、スクロールあるいは移動させる機能を説明するための図である。
【図6】表示画面上で、基準線の一方の側に表示される認識結果あるいは編集処理結果と基準線の他方の側に表示される文書画像(文字画像)とを、常に連動させて、スクロールあるいは移動させる機能を説明するための図である。
【図7】図3の文書の認識結果を確認,修正等するための表示例を示す図である。
【図8】編集処理の初期画面の一例を示す図である。
【図9】抜き取り設定画面の一例を示す図である。
【図10】第1の編集処理部の処理例を示すフローチャートである。
【図11】第2の編集処理部の処理例を示すフローチャートである。
【図12】第2の編集処理部の処理例を示すフローチャートである。
【図13】修正文字情報画面の表示例を示す図である。
【符号の説明】
1 画像入力部
2 文書画像記憶部
4 認識処理部
5 辞書
6 認識結果記憶部
8 編集処理部
9 編集処理結果記憶部
9a 第1の結果記憶部
9b 第2の結果記憶部
10 辞書管理部
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 スキャナ
15 文書画像ファイル
16 辞書ファイル
17 テキストファイル
18 表示装置
19 入力装置
20 情報記録媒体
21 媒体駆動装置
31 第1の結果記憶部
32 第2の結果記憶部
40 条件設定部
41 編集処理結果ファイル
41a 第1の結果ファイル
41b 第2の結果ファイル
42 テンポラリファイル
Claims (6)
- 認識用の辞書と、文書画像に対して前記辞書を用いてパターン認識処理を施す認識処理手段と、該認識処理手段による認識結果に対してユーザに確認,修正などの編集を行なわせる編集処理手段とを備え、前記編集処理手段は、認識結果に対して少なくとも2回の編集処理を施し、その際、各編集処理において、認識結果あるいは編集処理結果の抜き取り率を互いに相違させ、前記各編集処理は、所定の抜き取り率で認識結果あるいは編集処理結果のページまたは行またはブロック及びそれに対応する元の文書画像を抜き取り、表示画面上に、抜き取った認識結果あるいは編集処理結果を表示する際の基準線を表示し、この基準線の一方の側には、該基準線に沿って現在編集対象となる認識結果あるいは編集処理結果を表示し、また、該基準線の他方の側には、該基準線の一方の側に表示される現在編集対象となる認識結果あるいは編集処理結果に対応した文書画像を該基準線に沿って表示することを特徴とするパターン認識システム。
- 請求項1記載のパターン認識システムにおいて、前記抜き取り率は、更新可能に設定されることを特徴とするパターン認識システム。
- 請求項1記載のパターン認識システムにおいて、前記認識処理手段で認識結果とともに認識結果の確信度が算出されるとき、前記編集処理手段は、1回目の編集処理では、所定の閾値以上の確信度の認識結果をスキップさせ、低確信度の認識結果のみを修正させるようになっていることを特徴とするパターン認識システム。
- 請求項3記載のパターン認識システムにおいて、前記編集処理手段は、さらに、2回目の編集処理で修正がなされた割合いを修正率として出力する機能を有しており、前記確信度の閾値は、前記編集処理手段から出力される修正率に応じて更新可能になっていることを特徴とするパターン認識システム。
- 請求項1記載のパターン認識システムにおいて、さらに、前記辞書を管理する辞書管理手段が設けられており、前記辞書管理手段は、前記編集処理手段において修正頻度の高い文字についての情報が修正文字情報として出力されるとき、該修正文字情報に基づいて辞書の更新を行なう機能を有していることを特徴とするパターン認識システム。
- 請求項5記載のパターン認識システムにおいて、辞書の更新の都度、抜き取り率を低下させることを特徴とするパターン認識システム。
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