JP3618129B2 - 放電処理用電極及び放電処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、例えば放電処理により表面改質(濡れ性向上)を行うための放電処理用電極及びこの放電処理用電極を用いた放電処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
常圧放電を利用して医療用品や電気製品、ケーブル類その他の素材(以下、試料と称する)の表面処理、例えば、樹脂材、ゴム材、金属材、ガラス材等の表面改質を行う放電処理装置が知られている。表面改質は、例えばフレキシブルディスクのシャッタの印刷前処理やガラス材の接着前処理として、これら素材に放電処理を施して、その表面の分子の鎖の切開又は表面漸崩、交差結合、酸化、水素結合などを促進させることで濡れ性の向上、接着力の強化などを図るものである。ここに、「濡れ性」とは、試料の表面が水滴を弾く度合いを示す指標をいい、例えば接触角法では、試料表面を水平にして水滴を垂らしたときの、その水滴の表面と試料表面との角度で表される。この測定手法では、水滴が丸みを持つほど上記角度が大きくなり、濡れ性が悪いことを意味する。逆に、水滴が偏平になるほど濡れ性がよくなり、試料表面への種々の加工が容易になる。
【0003】
このような表面改質を行うための従来の放電処理装置は、例えば図10(a)(b)に示すように、電力が印加されるパワー電極61の中心軸と接地線に導通接続されたアース電極62の中心軸とを同一平面内で平行に8mm以下の間隔で近接させた放電処理用電極6と、電極間に高圧電力を印加する電源7とを有し、処理対象部材である試料8の処理対象面(以下、改質表面)8aが各電極61,62から3mm以下の距離になったときに、図10(c)のように当該試料8との間で放電を起こすように構成されている。なお、パワー電極61とアース電極62は、例えばステンレス棒61a,62aを石英パイプ61b,62bで覆って構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の放電処理装置は、各電極61,62の距離が近いため、図10(c)から明らかなように電極間空間において広範囲に放電が生じ、投入される電力値(パワー)も大きい。しかし、試料8の表面改質をするのに作用する放電はそのごく一部であり、他の部分は表面改質に殆ど寄与しない。従って、放電に投入されるパワーの大部分は無駄となり、処理効率が著しく悪いという問題があった。しかも放電は電極側部表面間のほぼ全域にわたって生じるので、放電処理用電極6の劣化も早まるという問題があった。
【0005】
本発明の課題は、かかる問題点を解消し、無駄なパワー消費を抑えて表面改質の処理効率を高め、且つその寿命時間を長くする構成の放電処理用電極及びこの放電処理用電極を使用した放電処理装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明が提供する第1構成の放電処理用電極は、電力が印加されるパワー電極の中心軸と接地線につながるアース電極の中心軸とを同一平面内に配し、前記パワー電極の先端部と前記アース電極の側表面とを所定角度で対向させて成り、少なくともパワー電極の放電発生部位を誘電体で覆い、且つパワー電極とアース電極との間の最小距離を、各電極と放電処理対象部材との間で放電が生じる際に電極間放電が生じない距離としたことを特徴とする。
【0007】
また、第2構成の放電処理用電極は、電力が印加されるパワー電極の中心軸と接地線につながるアース電極の中心軸とを同一平面内で平行に並べて成り、少なくともパワー電極の放電発生部位を誘電体で覆い、パワー電極とアース電極の先端部位置を反転させるとともに、電極間距離を、各電極と放電処理対象部材との間で放電が生じる際に電極間放電が生じない距離としたことを特徴とする。
【0008】
更に、第3構成の放電処理用電極は、第2構成のパワー電極とアース電極の少なくとも一方を誘電体で分離絶縁された平行棒状導体で構成したものであり、第4構成の放電処理用電極は、第3構成のパワー電極とアース電極の組を同一平面内に所定間隔で複数組並設したものである。
【0009】
また、本発明が提供する放電処理装置は、放電処理対象部材を載置する加工台と、少なくともその放電発生部位が前記加工台に載置された放電処理対象部材を指向し且つ該放電処理対象部材との間で一定間隔で配された放電処理用電極と、を有する放電処理装置において、放電処理用電極を上記第1又は第2構成の放電処理用電極で構成したことを特徴とする。
この構成において、放電処理の効率化を図るために、前記加工台の少なくとも前記放電処理対象部材の載置部位を、前記放電処理用電極を含む平面と平行方向に移動させる搬送機構を設けても良い。
【0010】
【作用】
図1及び図2は本発明の原理説明図であり、図1(a)は電源7が接続されたパワー電極P1に誘電率εの誘電体Lを配し、更にこの誘電体Lとアース電極P2との間に誘電率εの空気層Gを設けた場合の例を示すものである。Aは誘電体Lと空気層Gとの隣接部位の偏平円柱閉曲面であり、その拡大図を図1(b)に示す。図1(b)において、A1は誘電体層、A2は空気層を表す。
ここで誘電体層A1内の電束密度をD、電界をE、空気層A2内の電束密度をD、電界をEとすると、各層A1,A2における電束密度と電界との関係は、D=ε、D=εとなるが、偏平閉曲面Aにおける各電束密度はD=Dでなければならないので、ε=εの関係式が成立する。この場合、誘電率はε>εなので、電界の強さはE<Eとなる。従って、電極を誘電体を覆った場合には、電極間の空気層における電界が強くなる。つまり、導体に関して誘電体で覆うことに制約がない。
【0011】
ところで、放電は高電界によって分子や原子が電離する現象であり、例えば電極間あるいは電極と誘電体との間の距離が電離現象が生じる程に近くなった場合に起こる。従って、電極間に高圧電力を印加したときに、放電処理対象試料と各電極との間で放電が生じても、より長い距離で配された電極間の電界の強さが電離現象を引き起こすのに足りなければ電極間放電は起きない。
例えば図3に示すように、パワー電極P1とアース電極P2の近傍に試料8をおき、電界の強さを、各電極P1,P2と改質表面8aとの距離G2では放電が生じるが、より長い距離G1で配されたパワー電極P1とアース電極P2との間では放電が生じない値にすれば、各電極P1,P2の近傍に試料8がないときは放電が起きず、あるときのみ放電を起こすことができ、電極間の常時放電が避けられてパワーの無駄を軽減することができる。この場合、パワー電極P1とアース電極P2の相対的位置関係は、それぞれ同一平面内で所定角度をもっても良く、また両者を平行に配しても良い。前者の場合が本発明の第1構成の放電処理用電極、後者の場合が本発明の第2構成の放電処理用電極である。更にパワー電極と前記アース電極の少なくとも一方を誘電体で分離絶縁された平行棒状導体で構成した場合、あるいはこれらの組を複数並べた構成では、試料との間の対向面積が拡がるので、放電処理の効率が高まる。
【0012】
また、このような放電処理用電極を備えた放電処理装置では、加工台の載置面に試料が置かれたときのみ放電処理が行われ、更に、加工台に搬送機構が設けられている場合には連続して搬送される試料が各放電処理用電極に近づいたときのみ放電処理が行われる。
【0013】
【実施例】
次に本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において、従来例を示した図10の構成要素と対応する部分には同一符号を付している。
【0014】
(第1実施例)
図3(a)は、本発明の第1実施例の放電処理装置の要部外観斜視図、(b)はその側部断面図である。この実施例は、請求項1と対応するものである。
本実施例において、符号1は放電処理用電極であり、パワー電極11の中心軸とアース電極12の中心軸とを同一平面内に配するとともに、これら電極11,12との側部同士に所定角度をもたせたものである。この角度は任意であって良い。試料8は円筒状ガラスであり、改質表面8aである上底面が放電処理用電極1と平行になるように配置される。
【0015】
パワー電極11は、2mm径のステンレス棒11aを外径4mmの石英パイプ11bで覆ったものであり、アース電極12は、同径のステンレス棒をそのまま電極として使用したものである。前述のように導体を誘電体で覆うのに制約はないので、アース電極12を石英パイプで覆っても良い。ここで注意すべきは、ステンレス棒11a(12)の結線されない先端部は、石英パイプで完全に塞がなくてはならない点である。そうしなければそこから放電が必ず起こる。これは、先端部のような場所は電界がかなり強くなるためである。
電源7は、出力最大350W(可変)、最大電圧20kv(可変)、周波数20kHz(固定)の交流電源であり、パワー電極11には16kVの高圧電力を印加する。雰囲気ガスは大気を用い、圧力は大気圧である。
【0016】
この条件におけるパワー電極11、アース電極12から試料8の改質表面8aまでの距離G12は2mmとする。この距離G12は、前述のようにあまり長いと電界が強くなる効果がなくなってしまうため、3mmが限界である。
試料8を表面改質8aもパワー電極11、アース電極12に平行で距離を同じに設置してある。パワー電極11とアース電極12の距離G11は、50mmに設定した。この距離G11は、上記条件では50mmより短いと電極11,12間で常時放電が起こり、長いと各電極11,12と改質表面8aとの間でも放電が起きなくなる。従って、長過ぎても短か過ぎても本発明の目的であるパワーの無駄の軽減、電極劣化の抑制が果たせなくなる。
よって、電極間距離G11が50mm、電極と改質表面との距離G12が2mmが本実施例では最適な値となる。
【0017】
上記構成の放電処理装置では、改質表面8aが放電処理用電極1の近傍にないときに電源7から16kVの高圧電力を電極間に印加しても放電は起きない。これは電界の強さが電極間で電離現象を引き起こす強度に達していないためである。放電が起きないので、パワーはパワー電極11とアース電極12から構成されるコンデンサの分しか投入されない。これに対し、図示のように放電処理用電極1の近傍に試料8の改質表面8aがあるときは、電極間放電は起きないが、改質表面8aと各電極11,12との間では放電が起こる。パワーも放電が発生した分増える。このように、試料8が放電処理用電極1に近づいたときだけ放電が起こるので、従来技術でのパワーの無駄が軽減される。また、放電が常時発生しないので、放電処理用電極1の劣化を従来よりも遅らせることができる。
【0018】
(第2実施例)
本発明の第2実施例に係る放電処理装置を図4に基づいて説明する。図4(a)は本実施例の要部正面図、(b)はその側面図であり、請求項2に対応する。
本実施例の放電処理装置は、パワー電極21とアース電極22の中心軸を同一平面内で互いに平行且つその先端部を反転させて放電処理用電極2を構成するとともに、この放電処理用電極2と平行且つ所定距離をおいて試料8を配置したものである。
【0019】
放電処理用電極2は、2mm径のステンレス棒21a,22aを外径4mmの石英パイプで覆ってパワー電極21,アース電極22を構成している。各ステンレス棒21a,22aの先端部を石英パイプ22a,22bで完全に塞ぐ点は第1実施例の場合と同様である。なお、アース電極22については、石英パイプ22bで覆わない構成であっても良い。
電源7は、出力最大350W、最大電圧20kV、周波数20kHzの交流電源である。本実施例では、電極間に最大の20kVの電圧を印加した。雰囲気ガスは大気を用い、圧力は大気圧である。
【0020】
このような条件では、図4(b)に示すように放電処理用電極2から試料8の改質表面8aまでの距離G22は2mmである。この距離G22も第1実施例の場合と同様、3mmが限界である。また電極間距離G21は22mmと設定した。この距離G21は22mmより短いと電極間で常時放電が起こり、22mmより長いと各電極21,22と改質表面8aとの間でも放電が起きなくなる。よって、電極間距離G21は22mm、電極と改質表面との距離G22は2mmとするのが本実施例では最適な値となる。
【0021】
上記構成の放電処理装置では、改質表面8aが放電処理用電極2の近傍にないときに電源7から20kVの高圧電力を電極間に印加しても放電は起きず、パワーは、パワー電極21とアース電極22から構成されるコンデンサの分しか投入されない。これに対し、図示のように放電処理用電極2の近傍に試料8の改質表面8aがあるときは、電極間放電は起きないが、改質表面8aと各電極21,22との間では放電が起こる。このように、試料8が放電処理用電極2に近づいたときだけ改質表面8aとの間で放電が起こるので、従来技術でのパワーの無駄が軽減され、また、電極劣化を従来よりも遅らせることもできる。
【0022】
(第3実施例)
本発明の第3実施例を図5に基づいて説明する。
この実施例は、第2実施例で説明した放電処理用電極2の構成を一部変更したものであり、請求項3に対応する。
図5(a)に示す放電処理用電極3は、石英パイプでステンレス棒を覆った2個のパワー電極311,312を同一方向に平行且つ電気的に並列に配して1つのパワー電極31を構成した例であり、図5(b)に示す放電処理用電極4は、更にアース電極42をも同一の2個のアース電極321,322を同一方向に平行且つ電気的に並列に配した例である。
このとき注意すべきは、隣り合う電極数はあまり多くてもいけない点である。第2実施例と同様の条件であれば各々3個が限界である。しかし例えば高圧電力値を上げるなど条件を変更すれば、3個より増やすことができる。要は、各放電処理用電極3,4における電極間放電を抑えつつ試料8の改質表面8aとの間の電界をなるべく強くするように条件を決めれば良い。
【0023】
このような放電処理用電極3,4を用いた放電処理装置では、試料8が放電処理用電極3,4の近傍にないときは放電は起きず、パワーはパワー電極11とアース電極12から構成されるコンデンサの分しか投入されない。これに対し、放電処理用電極3,4の近傍に試料8があるときは、電極間放電は起きないが、試料8の改質表面8aとの間では放電が起こる。パワーも放電が発生した分増える。このように、試料8が放電処理用電極3,4に近づいたときだけ放電が起こるので、従来技術のようなパワーの無駄が軽減される。また、放電が常時発生しているわけではないので、放電処理用電極3,4の劣化を従来よりも遅らせることができる。しかも、改質表面8aを指向する面積が第1及び第2実施例の放電処理電極1,2よりも大きいので、その分処理面積が増加し、それによって表面改質効率が高まる。
【0024】
(第4実施例)
本発明の第4実施例を図6に基づいて説明する。
この実施例は、第3実施例で説明した放電処理用電極3(又は4)を同一平面内に所定間隔で複数組並設して放電処理用電極5を構成したものであり、請求項4に対応する。
図示の例は、図5(a)で説明した放電処理用電極3を6個等間隔で並べた様子を示すものであるが、注意すべきは、各放電処理用電極3を並べるときに、それぞれの電極3を構成する個々のパワー電極31とアース電極32の間隔を近づけ過ぎないようにする点である。一方の放電処理用電極3のパワー電極31と他方のアース電極32の間で常時放電が起きてしまうからである。
【0025】
このような構成の放電処理用電極5を用いた放電処理装置では、図示のように試料8を複数同時に並べ、それぞれの改質表面8aを同時に処理することが可能となるので、第2実施例や第3実施例の場合よりも処理効率が格段に高まる。また、個別的に放電処理用電極を形成する場合に比べて装置構成がコンパクトになる効果もある。
更に、上述の各実施例同様、各試料8が個々の放電処理用電極3に近づいたときのみ試料8の改質表面8aとの間で放電が起こるので、パワーの無駄が軽減され、電極劣化を遅らせることもできる。
【0026】
(第5実施例)
本発明の第5実施例を図7〜図9に基づいて説明する。
この実施例は、上述の各実施例で説明した放電処理用電極1〜5と、試料8を載置する加工台と加工台の搬送機構とを組み合わて成る放電処理装置の例を示すものであり、請求項5及び請求項6に対応する。
【0027】
図7は第1実施例で説明した放電処理用電極1を用いた構成例、図8は第3実施例で説明した放電処理用電極3を用いた場合の構成例、図9は第4実施例で説明した場合の放電処理用電極5を用いた場合の構成例である。
これらの図において、各放電処理装置1,3,5は、その中心部又は側部表面(放電発生部位)が試料8を載置するための加工台9を指向し、且つ試料8が加工台9に載置されたときに改質表面8aに対して平行且つ所定距離になる位置に固定的に配置される。加工台9には搬送機構が設けられ、試料8を各放電処理用電極1,3,5を含む平面と平行方向に一定速度で移動させる。
【0028】
このような構成の放電処理装置では、加工台9に試料8を載置して自動搬送させれば、改質表面8aを自動的に効率良く放電処理することが可能となる。また、図7に示す構成のものを試料8の特定部位の表面改質、図8に示す構成のものを大面積の試料8の表面改質、図9に示す構成のものを複数回の処理を要する試料8の表面改質にそれぞれ使い分けることもできる。
いずれの場合も放電処理用電極の直下を改質表面8aが通過するときのみ放電が起こり、通過しないときは放電が起きないので、従来の放電処理装置に比べて処理効率が良く、しかも電極劣化も格段に抑制される。
【0029】
このように、本発明を複数の実施例を示して説明したが、本発明は必ずしも上記実施例の構成に限定されるものではなく、電極数やその配置は試料8の形状、改質表面8aの面積に応じて種々変更することができる。
【0030】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の放電処理用電極によれば、試料がその近傍にきたときのみ当該試料の改質表面との間で放電が起きるので、電源からの無駄な電力供給、電力消費が抑えられ、表面改質の処理効率が従来の電極に比べて格段に高まる効果がある。また、表面改質時にのみ放電が起きるので常時放電していた従来のものに比べてその寿命が長くなる効果もある。
【0031】
また、パワー電極とアース電極の少なくとも一方を誘電体で分離絶縁された平行棒状導体で構成し、更に、これらパワー電極とアース電極との組を同一平面内に所定間隔で複数組並設したので、コンパクトでありながら表面改質の処理面積が従来のものよりも格段に拡がる効果がある。
【0032】
更に、本発明の放電処理装置によれば、上記放電処理用電極によって試料の形状、構造、に応じた表面改質が可能になるので、コストの低減化、全体的な処理効率の向上が図れる効果があり、更に、加工台に搬送機構を設けて自動的に試料の表面改質が可能になるので、生産性の向上が図れる効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明に係る放電処理用電極の原理を説明するための電極構成図、(b)はその部分拡大図である。
【図2】図1の構成の放電処理用電極の使用状態を示す側面図である。
【図3】(a)は、本発明の第1実施例の放電処理装置の要部外観斜視図、(b)はその側部断面図である。
【図4】(a)は本発明の第2実施例の要部正面図、(b)はその側面図である。
【図5】本発明の第3実施例の要部正面図であり、(a)2個のパワー電極を同一方向に平行且つ電気的に並列に配して1つのパワー電極を構成した放電処理用電極、(b)は更にアース電極をも同一の2個のアース電極を同一方向に平行且つ電気的に並列に配した放電処理用電極の例である。
【図6】本発明の第4実施例の要部外観斜視図であり、図5の構成の放電処理用電極を同一平面内に所定間隔で複数組並設した放電処理用電極の例である。
【図7】本発明の第5実施例の要部外観斜視図であり、図1の放電処理要電極と搬送機構付き加工台とを組み合わせた放電処理装置の例を示すものである。
【図8】本発明の第5実施例の要部外観斜視図であり、図3の放電処理要電極と搬送機構付き加工台とを組み合わせた放電処理装置の例を示すものである。
【図9】本発明の第5実施例の要部外観斜視図であり、図6の放電処理要電極と搬送機構付き加工台とを組み合わせた放電処理装置の例を示すものである。
【図10】(a)は従来の放電処理装置の要部外観斜視図、(b)はその側部断面図、(c)はその動作状態説明図である。
【符号の説明】
1,2,3,4,5,6 放電処理用電極
P1,21,31,311,312 パワー電極
P2,22,32,42,321,322 アース電極
21a,22a,31a,32a,61a,62a ステンレス棒
2ab,22b,31b,32b,61b,62b 石英パイプ
7 電源
8 試料(表面処理対象試料)
8a 改質表面
9 搬送機構付き加工台

Claims (6)

  1. 電力が印加されるパワー電極の中心軸と接地線につながるアース電極の中心軸とを同一平面内に配し、前記パワー電極と前記アース電極とを各中心軸の成す角度が所定角度になるように対向させて成る放電処理用電極であって、
    少なくともパワー電極の放電発生部位を誘電体で覆い、且つパワー電極とアース電極との間の最小距離を、パワー電極と放電処理対象部材との間で放電が生じる際に電極間放電が生じない距離としたことを特徴とする放電処理用電極。
  2. 電力が印加されるパワー電極の中心軸と接地線につながるアース電極の軸線とを同一平面内で平行に並べて成る放電処理用電極であって、
    少なくともパワー電極の放電発生部位を誘電体で覆い、パワー電極の先端部をアース電極の後端側に、アース電極の先端部をパワー電極の後端側に配置するとともに、電極間距離を、パワー電極と放電処理対象部材との間で放電が生じる際に電極間放電が生じない距離としたことを特徴とする放電処理用電極。
  3. 請求項1又は2記載の放電処理用電極において、
    前記パワー電極と前記アース電極の少なくとも一方を互いに平行な複数の棒状導体で構成したことを特徴とする放電処理用電極。
  4. 請求項3記載の放電処理用電極において、
    前記パワー電極と前記アース電極との組を同一平面内に所定間隔で複数組並設したことを特徴とする放電処理用電極。
  5. 放電処理対象部材を載置する加工台と、少なくともその放電発生部位が前記加工台に載置された放電処理対象部材を指向し且つ該放電処理対象部材との間で一定間隔で配された放電処理用電極と、を有する放電処理装置において、
    前記放電処理用電極を請求項1乃至4のいずれかの項記載の放電処理用電極で構成したことを特徴とする放電処理装置。
  6. 請求項5記載の放電処理装置において、
    前記加工台の少なくとも前記放電処理対象部材の載置部位を、前記放電処理用電極を含む平面と平行方向に移動させる搬送機構を設けたことを特徴とする放電処理装置。
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