JP3616688B2 - 医薬組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水不溶性薬剤を含むペースト状医薬組成物に関し、特に消炎鎮痛剤の直腸投与に好適な医薬の剤型を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
ジクロフェナク、インドメタシン、ケトプロフェン、ピロキシカム、ナプロキセン及びこれらの塩等の薬剤は、非ステロイド系の消炎鎮痛剤として、腰痛症、変形性関節症、慢性関節リュウマチ症、神経症、咽喉頭炎症などの各種炎症疾患などに使用されている。これらの薬剤の局所投与用の剤形としては、これまでに坐剤や貼付剤が市販されている。
【0003】
坐剤の投与においては、患者が自己投与する際及び患者に介護者が直腸に投与する際に例えば、介護者が衛生的に行うためにビニール製の手袋などを装着する必要があるなどの煩わしさや、肛門に坐剤を挿入した際に、肛門から排出てしまうこともあるなどの問題があった。また、患者本人が坐剤を挿入する場合には、なかなか挿入に馴れない場合が多いなどの欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
以上の背景に対し、本発明では、特に坐剤に代わる直腸投与製剤として、製剤をペースト状の組成物とし、これを直腸注入用の容器に充填し、使用(投与)の便利化を鋭意工夫した。
【0005】
その際、ペースト状の組成を設計するにあたり、ジクロフェナク等の薬剤を含む製剤として、これまでに検討されてきた界面活性剤を乳化剤として軟膏を作製した。ところが、これらの薬剤は常温で水に溶けにくく、加温すると溶解性は上昇するが、これを冷却すると粗大な結晶が析出する傾向を有するため、温度変化により、例えばクリーム状の軟膏の中で、再結晶してしまい、安定な軟膏状の組成物が得られにくかった。
【0006】
本発明は、上記観点からなされたものであり、水に溶けにくい薬剤の保存安定性に優れ、なおかつ直腸等の体腔注入用の容器から押し出し易く、更に容器の先端から垂れて漏れ出ることがない物性を有する有用性の高いペースト状の組成物を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、以上の目的に適した物性を有するペースト状の組成物の設計について、主に高分子と水よりなる系を基剤に主眼を置き、鋭意研究した。
【0008】
その結果、主薬である水不溶性又は水難溶性の薬剤(以下、単に「薬剤」ともいう)を、デンプン類及び水の混合組成に対して練合したペースト状組成物が、他の高分子を用いた組成物とは顕著に異なって、驚くべきことに安定性に優れ、注入容器から漏れ出すこと無く、また投与上の取り扱いが容易で、しかも薬剤の血中濃度が坐剤と同等であることを見いだした。本発明は以上の知見により完成されたものである。
【0009】
すなわち本発明は、水不溶性又は水難溶性の薬剤とデンプン類、糖アルコール及び水を含むペースト状医薬組成物である。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】
本発明に用いられる薬剤は、水不溶性又は水難溶性の薬剤であり、常温で水に溶けにくく、直腸注入等の経皮投与が可能なものであれば、適用され得る。具体的には、非ステロイド系の消炎鎮痛剤、例えばジクロフェナク、インドメタシン、ケトプロフェン、ピロキシカム、ナプロキセン及び生理学的に許容されるこれらの塩が挙げられる。
【0011】
本発明の医薬組成物に用いられるデンプン類は、医薬組成物の基剤として用いることができるものであれば特に制限されず、溶性デンプン、部分アルファ化デンプンなどが挙げられる。また、生デンプンであっても、加熱により一部溶性となったものであれば、本発明の医薬組成物に用いることができる。溶性デンプンとしては、例えば、デンプン類の原料として通常用いられるコメ、イモ及びトウモロコシ等を加熱して得られた溶性デンプンを用いることもできる。デンプン類は、単独でも、任意の二種以上の混合物としても用いることができる。
【0012】
本発明の医薬組成物に用いられるデンプン類の配合量は、医薬組成物の全重量に対し好ましくは0.5〜20wt%であり、より好ましくは5〜18wt%であり、10〜17wt%が特に好ましい。
【0013】
糖アルコールとしては、D−ソルビトール、D−マンニトール、ラクチトール、エリスリトールなどを用いることができ、単独でも任意の2種以上の混合物としてもよい。
【0014】
糖アルコールの配合量としては、好ましくは1〜50wt%、より好ましくは5〜40wt%であり、10〜30wt%が特に好ましい。
本発明の医薬組成物の調製法としては、特に限定されず、従来から一般に行われているペースト状医薬組成物に用いられる調製法で良く、撹拌機、真空撹拌機、練合機などを用いて調製する。この際、特別な機械や繁雑な操作も必要とはしない。
【0015】
例えば、デンプン類を撹拌機、真空撹拌機または練合機に仕込み、これに適量の水と規定量の薬剤を混合し、続いて均一になるまで、練合することにより得られる。
【0016】
また、本発明の医薬組成物は、上記必須成分に加え、通常医薬に用いられる主薬剤の安定化剤、pH調整剤、増粘剤もしくは粘稠化剤、保水剤及び防腐剤等を添加することができる。
【0017】
例えば、安定化剤としてはエデト酸ナトリウム等のキレーター、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム等の還元剤もしくは酸化防止剤などが挙げられる。本発明の医薬成物のpHは、4〜9、好ましくは5〜8.5、より好ましくは6〜8に調整することが、安性に保存する上で望ましい。この際、pH調整剤としては、医薬品の添加剤として使用できる各種の緩衝剤を用いることができる。
【0018】
増粘剤もしくは粘稠化剤としては、医薬品の添加剤として使用できる水溶性の高分子で、天然物由来、半合成高分子または合成高分子の何れを配合することもできる。具体的には、ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
【0019】
保水剤としては、医薬品の添加剤として使用できるものであれば特に制限されず、例えばD−ソルビトール等が挙げられる。
防腐剤としては、医薬品の添加剤として使用できるものなら何れでも良く、例えばパラオキシ安息香酸メチル等が挙げられる。。
【0020】
上記の各任意成分の添加量や添加方法については、本発明の効果に関する限り、特に制限されるものではない。
本発明の医薬組成物は、ガーゼ等の支持体に塗布し、これを皮膚に添付することによって投与することも可能であるが、体腔注入容器に充填し、鼻腔、膣、耳腔等の体腔注入用として用いることが好ましい。特に、直腸注入用容器に充填し、直腸注入用として用いることが好適である。
【0021】
体腔注入用容器としては、シリンダとピストンを備えた容器など、通常用いられている容器を使用することができるが、特に本発明の医薬組成物に好適な容器として、図1及び図2に示す構造を有する使い捨て式医薬組成物注入容器が挙げられる。この容器は、着脱自在の封止手段により密封されている医薬組成物送出口7を一端に有する医薬組成物収納部円筒体2と、この円筒体2の他の一端に摺動可能に嵌合される医薬組成物送出用棒状体3とを有し、前記円筒体2と棒状体3とは切離し可能な薄膜4により係合されており、前記円筒体2においてその長さ方向の中央部外壁に大径フランジ5が設けられ、また、前記円筒体2において前記棒状体3が嵌合される側の端部外壁に小径フランジ6が設けられ、また、同端部外壁に長さ方向に短く小溝11が設けられており、前記棒状体3において前記円筒体2に嵌合する側の端部外壁には、環状の溝12が設けられているとともに、この端部は前記円筒体2の内壁に沿って摺動することが可能が形状に形成されており、この端部から、前記円筒体2の内壁に設けられた小溝の軸方向の長さに至る範囲内において棒状体3の外壁上に任意の数の小突起aが設けられており、前記棒状体3の他の端部は、医薬組成物送出の際に押圧し易い形状に形成されている。
【0022】
上記のような構造を有する容器は、医薬組成物収納部円筒体と医薬組成物送出用棒状体とが、切離し可能な薄膜によいり係合されており、使用時には、この薄膜を切離し、棒状体を円筒体内に挿入することによって、医薬組成物収納部8に収納された医薬組成物が送出される。従来の容器は、シリンダとピストンとが別体とされており、即時使用が可能な形態で製剤品とすることは不可能であったが、上記容器を用いれば、医薬組成物を充填した製剤品として提供することができる。
【0023】
また、上記容器は、使用時に、円筒体の医薬組成物送出口側の端部を肛門内に挿入する際、大径フランジがストッパーとなって、その位置で挿入が止められる。
【0024】
小径フランジは、これに人差し指と中指をかけて棒状体の他の端部における親指による押圧が円滑に行われるための役割を果たす。
円筒体の内壁に小溝が設けられていることにより、棒状体を円筒体内に挿入する際に、小溝から空気が逸脱し、棒状体の円筒体内への挿入を容易になされる。
【0025】
棒状体の、円筒体に嵌合する側の端部外壁には、環状の溝が設けられており、これにより、薄膜を切離した場合に生じるバリが、棒状体が円筒体に嵌合する時に、この溝に納まることにより、円筒体と棒状体との間の密着性を確実にすることができる。
【0026】
棒状体の外壁に設けられた小突起により、円筒体の棒状体の先端を一部嵌合した状態で維持することができるため、早まった操作により医薬組成物収納部に収納された医薬組成物の送出が行われることを防ぐことができる。
【0027】
円筒体に嵌合する側の棒状体の端部は円筒体の内壁に沿って摺動することが可能な形状に形成されており、これによって、棒状体を円筒体内に挿入して医薬組成物を押し出す際の医薬組成物の移動を確実に行うことができる。棒状体の円筒体に嵌合する部分以外の部分の形状は、円筒体の内壁に挿入されうる形状であればとくに制限されず、例えば、断面が十字形状となるような形状であってもよい。
【0028】
また、棒状体の他の端部は、医薬組成物送出の際に押圧し易い形状に形成されており、この端部に親指をかけ、前記の小径フランジに人差し指と中指をかけて、押圧することにより、医薬組成物の送出を円滑に行うことができる。
【0029】
上記容器の医薬組成物送出口は、例えば、キャップを円筒体の先端に嵌合することによって封止することができる。
また、容器の素材としては、特に制限されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、塩化ビニール及びポリエチレンテレフタレート等の医療用具に通常用いられている高分子類が挙げられる。
【0030】
本発明の医薬組成物を体腔注入用容器に充填する際の充填量としては、使用する薬剤の種類、投与方法、投与対象等によって適宜設定することができるが、例えば、ジクロフェナクナトリウムの直腸注入用としては、0.1g〜3g、好ましくは0.2〜2g、より好ましくは0.3〜1.5gが、排便感もなく好ましい。
【0031】
体腔注入用容器に充填された本発明の医薬組成物は、これを任意の二次包装にパッケージして最終製品としてもよい。その際、保存安定性をより良好にするために、容器を、窒素ガス充填又は真空化による嫌気的雰囲気下、あるいは脱酸素剤の共存下で二次包装してもよい。二次包装用素材の材質は特に制限されるものではない。
【0032】
以上のようにして調製された本発明の医薬組成物は、保存安定性に優れ、特に体腔注入用容器に収納した本発明の医薬組成物は、患者や介護者が使用するに際し、衛生的で安全にかつ確実に医薬組成物を注入できるものであり、臨床的には腰痛症、変形性関節症、慢性関節リュウマチ症、神経症、咽喉頭炎症などの各種炎症疾患に病む患者やその介護者が、簡便に、かつ確実に使用できるものである。
【0033】
【発明の実施の形態】
<製造例1>
(組成)
1)ジクロフェナクナトリウム 50 g
2)部分アルファ化デンプン 160 g
3)乾燥亜硫酸ナトリウム 4 g
4)エデト酸ナトリウム 5 g
5)ヒドロキシプロピルセルロース 1 g
6)D−ソルビトール 30 g
7)パラオキシ安息香酸メチル 0.5g
8)精製水 749.5g
【0034】
精製水、パラオキシ安息香酸メチル、乾燥亜硫酸ナトリウム及びエデト酸ナトリウムを秤取し、真空乳化機にて撹拌溶解する。
この溶液にヒドロキシプロピルセルロースとD−ソルビトールを秤取混合して投入し、撹拌溶解する。この溶液にジクロフェナクナトリウムを秤取投入し、均一に懸濁後、部分アルファ化デンプンを秤取投入し、撹拌して均一なペースト状の組成物を得る。
【0035】
<製造例2>
(組成)
1)ジクロフェナクナトリウム 50 g
2)部分アルファ化デンプン 160 g
3)乾燥亜硫酸ナトリウム 4 g
4)亜硫酸水素ナトリウム 5 g
6)D−ソルビトール 30 g
7)パラオキシ安息香酸メチル 0.5g
8)精製水 750.5g
【0036】
精製水、パラオキシ安息香酸メチル、乾燥亜硫酸ナトリウム及び亜硫酸水素ナトリウムを秤取し、真空乳化機にて撹拌溶解する。
この溶液にD−ソルビトールを秤取混合して投入し、撹拌溶解する。この溶液にジクロフェナクナトリウムを秤取投入し、均一に懸濁後、部分アルファ化デンプンを秤取投入し、撹拌して均一なペースト状の組成物を得る。
【0037】
<製造例3>
(組成)
1)ジクロフェナクナトリウム 50 g
2)部分アルファ化デンプン 160 g
3)D−ソルビトール 180 g
4)乾燥亜硫酸ナトリウム 4 g
5)エデト酸ナトリウム 5 g
6)パラオキシ安息香酸メチル 0.5g
7)精製水 600.5g
【0038】
精製水、パラオキシ安息香酸メチル、乾燥亜硫酸ナトリウム及び亜硫酸水素ナトリウムを秤取し、真空乳化機にて撹拌溶解する。
この溶液にD−ソルビトールを秤取混合して投入し、撹拌溶解する。この溶液にジクロフェナクナトリウムを秤取投入し、均一に懸濁後、部分アルファ化デンプンを秤取投入し、撹拌して均一なペースト状の組成物を得る。
【0039】
<製造例4>
(組成)
1)ジクロフェナクナトリウム 50 g
2)部分アルファ化デンプン 120 g
3)D−ソルビトール 240 g
4)乾燥亜硫酸ナトリウム 4 g
5)エデト酸ナトリウム 5 g
6)パラオキシ安息香酸メチル 0.5g
7)精製水 580.5g
【0040】
精製水、パラオキシ安息香酸メチル、乾燥亜硫酸ナトリウム及び亜硫酸水素ナトリウムを秤取し、真空乳化機にて撹拌溶解する。
この溶液にD−ソルビトールを秤取混合して投入し、撹拌溶解する。この溶液にジクロフェナクナトリウムを秤取投入し、均一に懸濁後、部分アルファ化デンプンを秤取投入し、撹拌して均一なペースト状の組成物を得る。
【0041】
<製造例5>
(組成)
1)ジクロフェナクナトリウム 50 g
2)部分アルファ化デンプン 100 g
3)D−ソルビトール 300 g
4)乾燥亜硫酸ナトリウム 4 g
5)エデト酸ナトリウム 5 g
6)パラオキシ安息香酸メチル 0.5g
7)精製水 540.5g
【0042】
精製水、パラオキシ安息香酸メチル、乾燥亜硫酸ナトリウム及び亜硫酸水素ナトリウムを秤取し、真空乳化機にて撹拌溶解する。
この溶液にD−ソルビトールを秤取混合して投入し、撹拌溶解する。この溶液にジクロフェナクナトリウムを秤取投入し、均一に懸濁後、部分アルファ化デンプンを秤取投入し、撹拌して均一なペースト状の組成物を得る。
【0043】
<製造例6>
【0044】
精製水、パラオキシ安息香酸メチル、乾燥亜硫酸ナトリウム及びエデト酸ナトリウムを秤取し、真空乳化機にて撹拌溶解する。
この溶液にヒドロキシプロピルセルロースとD−ソルビトールを秤取混合して投入し、撹拌溶解する。この溶液にジクロフェナクを秤取投入し、均一に懸濁後、部分アルファ化デンプン及び溶性デンプンを秤取投入し、撹拌して均一なペースト状の組成物を得る。
【0045】
<製剤例7>
【0046】
精製水、パラオキシ安息香酸メチル、乾燥亜硫酸ナトリウム及びエデト酸ナトリウムを秤取し、真空乳化機にて撹拌溶解する。
この溶液に溶性デンプンとD−ソルビトールを秤取混合して投入し、撹拌溶解すこの溶液にジクロフェナクナトリウムを秤取投入し、均一に懸濁後、部分アルファ化デンプン及び溶性デンプンを秤取投入し、撹拌して均一なペースト状の組成物を得る。
【0047】
<製造例8>
(組成)
1)インドメタシン 50 g
2)部分アルファ化デンプン 140 g
3)溶性デンプン 20 g
4)D−ソルビトール 30 g
5)パラオキシ安息香酸メチル 0.5g
6)精製水 759.5g
【0048】
精製水及びパラオキシ安息香酸メチルを秤取し、真空乳化機にて撹拌溶解する。
この溶液にD−ソルビトールを秤取混合して投入し、撹拌溶解する。この溶液にインドメタシンを秤取投入し、均一に懸濁後、部分アルファ化デンプン及び溶性デンプンを秤取投入し、撹拌して均一なペースト状の組成物を得る。
【0049】
<製造例9>
(組成)
1)ケトプロフェン 40 g
2)部分アルファ化デンプン 140 g
3)溶性デンプン 20 g
4)D−ソルビトール 30 g
5パラオキシ安息香酸メチル 0.5g
6)精製水 769.5g
【0050】
精製水及びパラオキシ安息香酸メチルを秤取し、真空乳化機にて撹拌溶解する。
この溶液にD−ソルビトールを秤取混合して投入し、撹拌溶解する。この溶液にケトプロフェンを秤取投入し、均一に懸濁後、部分アルファ化デンプン及び溶性デンプンを秤取投入し、撹拌して均一なペースト状の組成物を得る。
【0051】
<製造例10>
(組成)
1)ピロキシカム 20 g
2)部分アルファ化デンプン 150 g
3)溶性デンプン 20 g
6)D−ソルビトール 30 g
7)パラオキシ安息香酸メチル 0.5g
8)精製水 779.5g
【0052】
精製水、パラオキシ安息香酸メチルを秤取し、真空乳化機にて撹拌溶解する。この溶液にとD−ソルビトールを秤取混合して投入し、撹拌溶解する。この溶液にピロキシカムを秤取投入し、均一に懸濁後、部分アルファ化デンプン及び溶性デンプンを秤取投入し、撹拌して均一なペースト状の組成物を得る。
【0053】
<製造例11>
(組成)
1)ナプロキセン 100 g
2)部分アルファ化デンプン 130 g
3)溶性デンプン 20 g
4)D−ソルビトール 30 g
5)パラオキシ安息香酸メチル 0.5g
6)精製水 719.5g
【0054】
精製水、パラオキシ安息香酸メチルを秤取し、真空乳化機にて撹拌溶解する。この溶液にD−ソルビトールを秤取混合して投入し、撹拌溶解する。この溶液にナプロキセンを秤取投入し、均一に懸濁後、部分アルファ化デンプン及び溶性デンプンを秤取投入し、撹拌して均一なペースト状の組成物を得る。
【0055】
【実施例】
以下に、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明する。
【0056】
【実施例1〜11】
上記製造例1〜11と同様にしてペースト状の医薬組成物を製造し、各々順に実施例1〜11の医薬組成物とした。尚、真空乳化機は、特殊機化社製のホモミキサーMを使用した。
【0057】
【比較例1〜4】
比較例として、デンプン類の代わりにキタンタンガム若しくはトラガントガム、又は界面活性剤を含む医薬組成物を製造した。
【0058】
<比較例1>
【0059】
精製水、パラオキシ安息香酸メチル、乾燥亜硫酸ナトリウム及びエデト酸ナトリウムを秤取し、真空乳化機(特殊機化社製:ホモミキサーM)にて撹拌溶解した。
【0060】
この溶液にD−ソルビトール及びキサンタンガムを秤取混合して投入し、撹拌溶解した。この溶液にジクロフェナクナトリウムを秤取投入し、撹拌して均一なペースト状の組成物を得た。
【0061】
<比較例2>
【0062】
精製水、パラオキシ安息香酸メチル、乾燥亜硫酸ナトリウム及びエデト酸ナトリウムを秤取し、真空乳化機(特殊機化社製:ホモミキサーM)にて撹拌溶解した。
【0063】
この溶液にD−ソルビトールとヒドロキシプロピルセルロースを秤取混合して投入し、撹拌溶解した。この溶液にジクロフェナクナトリウムを秤取投入し、撹拌して均一なペースト状の組成物を得た。
【0064】
<比較例3>
【0065】
精製水、パラオキシ安息香酸メチル、乾燥亜硫酸ナトリウム及びエデト酸ナトリウムを秤取し、真空乳化機(特殊機化社製:ホモミキサーM)にて撹拌溶解した。
【0066】
この溶液にD−ソルビトール及びヒドロキシエチルセルロースを秤取混合して投入し、撹拌溶解した。この溶液にジクロフェナクナトリウムを秤取投入し、撹拌して均一なペースト状の組成物を得た。
【0067】
<比較例4>
【0068】
ジクロフェナクナトリウム、ステアリン酸ポリオキシル、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、セタノール、ミリスチン酸イソプロピル及び中鎖脂肪酸トリグリセリドまでを秤取り、真空乳化機(特殊機化社製:ホモミキサーM)入れて、80°に加温溶解した。これに、パラオキシ安息香酸メチルを精製水に加温溶解した液を入れて乳化して、徐々に冷却してクリームを得た。
【0069】
【実験例1】
分散性実験
各実施例及び比較例にて作製した試料について分散性実験を行った。容器に、加温した精製水500mlを入れ、これに試料約1gずつを投入し、パドル回転数を毎分30回転で撹拌し、観察して分散した時間を測定した。結果を表1に示す。
【0070】
【表1】
【0071】
以上のように各実施例の医薬組成物は、デンプン類を含まない比較例の医薬組成物に比べてに比べ分散性が良いことが明らかとなった。
【0072】
【実験例2】
凍結融解実験
各実施例及び比較例で作製した試料を容器に詰めて、−5℃〜40℃のサイクル試験を7サイクル行い、ジクロフェナクナトリウムの大型結晶析出の有無を観察した。なお、−5℃から40℃への移行(4時間)、40℃放置(8時間)、40℃から−5℃への移行(4時間)、−5℃放置(8時間)を1サイクルとした。
【0073】
結果を表2に示す。
【0074】
【表2】
【0075】
以上のように、各実施例の組成物は、比較例の組成物に比べ、ジクロフェナクナトリウムの大型結晶の析出が認められないことが明らかとなり、分散安定性の高い組成物であることが示された。
【0076】
【実験例3】
安定性実験
各実施例及び比較例で作製した試料をポリエチレン製容器に詰めて、40℃、75%RHの条件において6カ月間保存し、外観を観察した。また、保存後の各医薬組成物中のジクロフェナクナトリウムの含量をHPLC(高速液体クロマトグラフ法)により測定した。結果を表3に示す。ジクロフェナクナトリウムの含量は、保存開始時の値を100として算出した
【0077】
【表3】
【0078】
以上のように、各実施例の組成物は、比較例の組成物に比べ、組成物自体及び薬剤のいずれも安定性の高いことが示された。
【0079】
【発明の効果】
本発明の医薬組成物は、保存安定性が良好である。また、本発明の医薬組成物は、好適な容器に充填すると、直腸等の体腔投与に適しており、衛生的な投与が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の医薬組成物の収納に適した直腸注入用容器の構造を示す一部破断断面図。
【図2】図1に示す容器の一部の拡大図。
【符号の説明】
a.小突起
1.医薬組成物注入用容器本体
2.医薬組成物収納用円筒体
3.医薬組成物送出用棒状体
4.薄膜
5.大径フランジ
6.小径フランジ
7.医薬組成物送出口
8.医薬組成物収納部
9.押圧面
10.キャップ
11.小溝
12.溝
Claims (9)
- 水不溶性又は水難溶性の薬剤とデンプン類、糖アルコール及び水を含むペースト状医薬組成物。
- 前記薬剤が、ジクロフェナク、インドメタシン、ケトプロフェン、ピロキシカム、ナプロキセン及び生理学的に許容されるこれらの塩から選ばれる請求項1記載の医薬組成物。
- 前記薬剤の含有量が1〜10wt%である請求項1記載の医薬組成物。
- デンプン類の含有量が0.5〜20wt%である請求項1記載の医薬組成物。
- 糖アルコールの含有量が1〜50wt%である請求項1記載の医薬組成物。
- 直腸投与用である請求項1記載の医薬組成物。
- 前記薬剤が直腸注入用容器に1本あたり0.1g〜3g充填された請求項6記載の直腸注入医薬組成物。
- pHが4〜9である請求項1記載の医薬組成物。
- 嫌気的雰囲気及び/又は脱酸素剤の共存下に二次包装した請求項6記載の医薬組成物。
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