JP3616483B2 - レーダ受信機の自動利得制御回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば入力信号レベルが広範囲に変化するレーダ受信機に用いられ、受信信号を自動的に基準データに制御する自動利得制御回路(以下,AGC(AutomaticGain Control)回路)に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にレーダ受信機は、図7に示されるように、地表等からの送信パルス反射波を受信するアンテナ1、パルス状の受信信号を増幅する第1増幅器2、増幅された受信信号と外部から与えられた周波数信号RX−CWとを混合して中間周波に変換するミキサ3、中間周波信号を外部から与えられる所定のSTC−ATT信号でSTC(Sensitivity Time Control:感度時間制御)補正することで利得設定する可変減衰器4、中間周波信号を上記AGC−ATT信号により信号出力部8への基準レベルに制御する可変利得増幅器5、可変利得増幅器5の出力を信号出力部8とAGC回路20の2系統に分波する分波器6、可変利得増幅器5の出力レベルを希望する値に保つ利得制御信号を生成するAGC回路20、及び、入力した受信信号を画像処理装置に出力する信号出力部8を含んで構成される。可変利得増幅器5はデジタルアッテネータで実現され、利得制御信号AGC−ATTはデータ形式で与えられるのが一般的である。
【0003】
上記AGC回路20は、可変利得増幅器5の出力レベルが信号出力部8の適正入力レベルとなるように、可変利得増幅器5にゲインコントロール信号AGC−ATT(以下、利得制御信号)を生成出力するもので、具体的には、図8に示すように構成される。
【0004】
図8において,パワーモニター回路31は、受信信号を直流信号に変換する。A/D(アナログ/デジタル)変換回路32は、パワーモニタ回路31で得られた受信信号の直流成分(以下、パワーモニタ信号と称する)について1つの受信パルス中に複数のタイミングでそのレベルをサンプルしてデジタルデータに変換する。積分回路33は、1つのパルス中に得られたパワーモニタ信号の信号レベルを順次加算する。また、この積分回路33は、加算回路34及びラッチ回路35で構成され,A/D変換回路32からのデジタルデータに変換されたパワーモニタ信号とラッチ回路35にラッチされた1つ前のデータとを加算回路34で加算し、その加算結果をラッチ回路35にラッチすることで、パワーモニタ信号を順次加算していく。この積分回路33で得られたデータはPROM(プログラマブル・リード・オンリー・メモリ)回路36に送られる。
【0005】
PROM回路36は、この加算データからパワーモニタ信号の平均パワーレベルを求め、このレベルに対応する利得制御信号を発生し、PROM回路36出力によって,AGC制御を行う。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来のAGC回路20では、パワーモニタ信号、つまり、受信信号の直流成分をA/D変換回路32の入力に接続しているため、環境条件(例えば周囲温度)の変化によってDCオフセットが生じた場合、誤差成分の大きいパワーモニタ信号をデジタル信号に変換するので、PROM回路36出力である利得制御信号は、誤差を多く含んだデータとなる。
【0007】
さらに、A/D変換回路32は、可変利得増幅器5からのパワーモニタ信号を直接入力しているため、A/D変換回路32が有する入力アナログ信号のダイナミックレンジを越えた信号が、A/D変換回路32に入力された場合、A/D変換回路32の出力が2進数で得られたとすると、全出力ビットが”0”または”1”の飽和状態となり、可変利得制御器5の受信信号に対する利得制御が、固着状態に陥る。従って、この場合、非常に限られた範囲のパワーモニタ信号のレベルしか利得制御できないので、広範囲のレベルに変化する受信信号では、即応した利得制御機能が失われてしまい、観測信号のS/N劣化となる。
【0008】
また、加算回路34とラッチ回路35で構成される積分回路33に、A/D変換回路32出力であるパワーモニタ信号を入力させ積算しており、かつ積分回数も可変させられるが、この積分回数を示す信号が利得制御データを出力するPROM回路36に接続されていないため、低いレベルのパワーモニタ信号でも非常に多数回積算させた場合、演算結果として求められる受信レベルは大きな値となってしまい、正しい受信レベルを検出することができない。
PROM回路36出力である利得制御信号は、PROM回路36に入力されていないため、PROM回路36では、今、受信している受信信号の信号レベル積算値のみで演算されていることになり、実際の反射波観測においては、被観測対象物のレーダ反射係数の違いにより、正しい利得制御ができない。
【0009】
本発明の課題は、レーダ受信機において、受信レベルに大きな変動が生じた場合でも、誤差の少ない良好な画像が得られるようにしたAGC回路を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明のAGC回路は、レーダ受信機で受信したパルス状の受信信号のレベルを所定の利得制御信号によって制御するもので、前記受信信号を対数圧縮増幅して得た対数データの信号レベルの変化特徴を抽出する第1の手段と、前記抽出した変化特徴の平均値を表す平均対数データを生成する第2の手段と、前記生成した平均対数データと
所定の基準データとの誤差成分を打ち消すレベルの前記利得制御信号を生成する第3の手段とを備え、前記第2の手段が、前記対数データをサンプリングしてデジタルデータに変換するアナログ/デジタル変換回路、デジタル変換された前記対数データを真数データに変換する対数値/真値変換回路、変換された前記真数データをサンプリング回数に基づいて平均化する平均化手段、平均化された真数データを逆変換して平均対数データを生成する真値/対数値変換回路を含んで成ることを特徴とする。
【0011】
前記第1の手段は、例えば、前記自動利得制御回路の利得制御範囲と同じ入力レベル範囲のダイナミックレンジを持ち、その出力値がアナログ/デジタル変換回路の入力範囲を超えないように対数圧縮する対数圧縮増幅器を含んで構成される。
【0012】
また、前記第2の手段は、前記対数データをサンプリングしてデジタルデータに変換するアナログ/デジタル変換回路、デジタル変換された前記対数データを真数データに変換する対数値/真値変換回路、変換された前記真数データをサンプリング回数に基づいて平均化する平均化手段、平均化された真数データを逆変換して平均対数データを生成する真値/対数値変換回路を含んで構成される。
この場合、前記平均化手段は、前記受信信号の観測期間中に得られた前記真数データを順次加算するとともに、その加算結果を加算回数で除算することにより前記平均化された真数データを出力するように構成する。
【0013】
前記第3の手段は、例えば、前記観測期間中の前記平均対数データと前記基準データとの誤差分を演算し、帰還入力された前回観測期間における利得制御信号に前記誤差分を加減算することにより、利得制御信号を生成する利得制御信号生成手段を含んで構成される。この利得制御信号生成手段は、例えば、現在の受信信号の信号レベルに対する前回の利得制御信号との関係値を記録したROMをもち、このROM内から該当する関係値を出力するように構成される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態を説明する。
図1は、図7に示したレーダ受信機に適用される本発明に係るAGC回路20の構成例を示すものである。図1において、可変利得増幅器101によって信号出力部8に対する基準レベルに増幅された受信信号は、カプラ102によって分波された後、対数圧縮増幅器103に入力され、対数圧縮された信号(以下、対数データ)に変換されて出力される。この対数データは、検波器104により検波されて信号レベルの変化特徴を抽出される。検波された受信信号は、A/Dコンバータ105に入力され、デジタル変換される。変換された受信信号は、対数値/真値変換回路106に入力され、真数に変換される。真数に変換された受信信号は、加算器107において加算される。加算器107の出力である受信信号の加算結果は、除算器112において加算回数で除算され、受信信号の平均値が出力される。受信信号の平均値は、真値/対数値変換回路114において対数値に変換され(以下、平均対数データ)、誤差演算回路116に入力される。
【0015】
誤差演算回路116では、平均対数データと予め設定された基準データとのずれを演算し、フリップフロップ回路(以下、F/F)117にラッチされている誤差演算回路116出力、つまり前回の利得制御信号を誤差演算回路116に帰還入力し、前回の利得制御信号にこのずれ分だけ加減算して、利得制御信号を出力し、AGC−ATT信号として可変利得増幅器101に出力する。
【0016】
以下に各部の機能をより詳しく説明する。
対数圧縮増幅器103は、受信信号を対数データに変換増幅するもので、対数圧縮増幅器103のダイナミックレンジは、AGC回路20に必要な利得制御範囲値をカバーする。また、対数圧縮増幅器103の出力は、アナログ/デジタル変換回路の入力範囲を超えないようにする。この対数圧縮増幅器103の出力特性の一例を図2に示す。但し、以下の説明のため、可変利得増幅器101の出力値が40dB時の特性であるものとする。
【0017】
図3は、対数圧縮増幅器103の入力、すなわち可変利得増幅器101の出力が、+20dBから−20dBまで変化するときに、対数圧縮増幅器103の出力が0Vから4Vまで直線的に変化する様子を表している。検波器104は、対数圧縮増幅器103からの対数データを検波し、受信信号の振幅成分を抽出する。図2に示すように、検波器104の出力は、パルス状の信号である。
A/Dコンバータ105は、抽出された対数データの振幅成分をデジタル値(2進数)に変換する。これによりサンプリングされた受信信号のレベルが、対数値として検出される。
【0018】
なお、ここでA/Dコンバータ105に必要なビット数は、使用する対数圧縮増幅器103の出力電圧の変化において、AGC回路20に求められる利得制御精度に依存する。例えば、利得制御精度に±1dBが必要な場合、1dB入力変化時における対数圧縮増幅器103の出力電圧変化量がA/Dコンバータ105で検出できる値になるように決める。図3の例では、A/Dコンバータ105の基準電圧は10Vであり、必要なビット数は“8”である。
【0019】
対数値/真値変換回路106は、デジタル値に変換された対数データを真数(2進数)に変換する。これは、受信信号レベルを加算器107で加算するために、対数値として検出したデジタル値を真値に変換するものであり、例えばROM(リードオンリーメモリ)を用いて実現される。
【0020】
ROM(106R)の入力アドレスには、A/Dコンバータ105から変換されたデジタル値が入力され、入力アドレス値に対応して変換された真値が出力される。出力される真値Yは、入力アドレス値をXとすると、
Y=10Λ(C×X)
で計算される。なお記号Λは、ベキ乗を示す。また記号Cは、対数圧縮増幅器103の出力電圧の非直線性に応じて決められる値であり、ハードウエアに合わせて変更する。ROM(106R)のデータ例を図4に示す。
【0021】
図4の例では、A/Dコンバータ105のアナログ入力電圧が10Vまで対応し、出力は、8ビットであるから、ROM(106R)の入力範囲は、“0”から“255”までとなる。ROM出力値(10進数)をY、ROM入力アドレス値(10進数)をXとすると、出力される真値は、次の式により表される。
Y=10Λ(X×10VOLT/256)
【0022】
なお、入力アドレス“102”以上は、対数圧縮増幅器103出力が4Vで飽和する前提であるから、ROM出力を“9732”に固定させるものとする。また、入力アドレス“0”、“102”は、それぞれ、A/Dコンバータ105の入力“0”、“4”に対応している。ROM出力値“9732”を表すために必要なビット数は、最低14ビットとなる。
【0023】
加算器107は、一例として、2つの入力を持つ全加算器108の出力にF/F109を設け、全加算器108の一方の入力として、対数値/真値変換回路106の出力を接続し、他方の入力としてF/F109の出力を接続する。加算器107における加算回数は、図2に示すように、1つのパルス信号期間内にサンプリングする回数と、観測期間内の受信信号との積で決まり、図示しないレーダ受信機システムコントロール部から、サンプルトリガ信号111としてF/F109に入力される。なお、F/F109に入力されるサンプルトリガ信号111は、A/Dコンバータ105に入力されるサンプルトリガ信号111と同じ周波数で、(位相がずれている?)。さらに全加算器108に必要なビット数は、受信パルス信号の最大レベルを最大回数加算しても全加算器108の桁がオーバーフローしないビット数を有する必要がある。
【0024】
カウンタ110は、加算器107における加算回数を除算器112に与える。除算器112は、加算器107から出力される受信信号の信号レベルの総加算値を総加算回数で除算し、受信信号の平均値を求める。総加算回数はF/F109に入力されるトリガ信号をカウンタ110で計数する。なお、総加算回数を2の倍数になるよう設定した場合は、1ビットLSB側に加算器107の出力をシフトする操作で2で除算したことと等価になるので、除算器112の構造が簡略化できる。この場合、除算器112はn:1のデータセレクタを必要個数分並列に接続することで実現できる。
【0025】
真値/対数値変換回路114は、除算器112出力である受信信号の平均値を、対数値(2進数)、つまり平均対数データに変換するものであり、例えばROM(114R)を用いて実現される。ROM(114R)の入力アドレスには真値である受信信号の平均値が入力される。出力される平均対数データYは、入力アドレス値をXとすると、
Y=10log(10)X
で計算される。ROM(114R)のデータ例を図5に示す。但し、設定される数値は、図3、4の例に従うものとする。なお、ROM(114R)に入力されるデータは、図4に示される対数値/真値変換回路106に使用されるROM(106R)から出力されるものとする。データの構造は、ROM(106R)の入出力関係を逆にすればよい。例えば、図5のROM入力アドレスが、“9732”の場合は、平均対数データとして“40”を出力する。この平均対数データを表すためには、6ビットが必要である。
【0026】
誤差演算回路116は、平均対数データと、可変利得増幅器101の出力となる基準レベルを示す対数値(以下、基準データ)との誤差量(対数)をROM(116R)を用いて演算し、利得制御信号115を出力する。
ROM(116R)の入力アドレスには平均対数データが入力され、誤差を修正した新しい利得制御信号が出力される。なおこの利得制御信号は、F/F117でラッチされ、誤差演算回路116の入力アドレス側に帰還されている。誤差演算回路116の出力(対数)Yは、平均対数データをX、基準データをαとすると、下記に示す条件で変化する。但し、d=|α−X|とする。
【0027】
(1) (α−X=0)の場合、
受信レベルは期待値αであり、出力Yは設定を変更しない。
(2) (α−X>0)の場合、
受信レベルが期待値αより小であり、出力Yは、(Y−d)となる。
(3) (α−X<0)の場合、
受信レベルが期待値αより大であり、出力Yは、(Y+d)となる。
【0028】
ROM(116R)のデータ例を図6に示す。ROM(116R)に入力される平均対数データは、図5から6ビットであり、また、ROM(116R)の入力には、ROM(116R)出力が帰還接続されているため、入力されるアドレス信号のビット数は、12ビット必要となる。ここで、基準レベルを対数圧縮増幅器103の出力で4Vとすれば、図6に示されるデータが出力される。なお、紙面の都合で右側の数値は、省略されているが、右方向に1ずつ0まで数値が減少する。例を挙げると、ROM(116R)の入力アドレスの上位6ビットに平均対数データが入力され、入力アドレスの下位6ビットに帰還接続されるF/F117の出力が入力された場合のROM(116R)の出力は、平均対数データが“40”、前回設定された利得制御信号が“40”の場合は、図6から“40”となり、可変利得増幅器101に対して出力される利得制御信号は、“40”となる。
【0029】
F/F117は、誤差演算回路116の出力を保持し、可変利得増幅器101に利得制御信号を出力するとともに、誤差演算回路116へ帰還入力する。 また、F/F117に入力されるラッチ信号118は、図2に示されるように、加算器107での必要な総加算回数が経過した後に入力される。
F/F117に保持された利得制御信号が、可変利得増幅器101に対してAGC制御を行う。
【0030】
次に、本実施形態のAGC回路の動作を説明する。
図3に示すグラフは、可変利得増幅器101の出力値40dB時の対数圧縮増幅器103の出力特性を示すものとする。また、設定条件として、可変利得増幅器101の入力が+20dBmから−20dBmまで変化するものとし、A/Dコンバータ105の基準電圧が10V、出力が8ビットで表されるデジタル値となるものとする。可変利得増幅器101の出力を対数圧縮増幅器103の出力が4VになるようにAGC制御を行うものとし、この時、可変利得増幅器101の入力が+20dBm以上では対数圧縮増幅器103出力が4V強で飽和するとする。また可変利得増幅器101のAGC制御に用いる利得制御信号(データ)は、6ビットとする。
【0031】
ROM(106R)に必要な出力ビット数は、最低で14ビットとなり、ROM(114R)の入力アドレスも14ビット必要である。図4、5は、それぞれROM(106R)、ROM(114R)のデータ例を示す。また、図6は、ROM(116R)のデータ例である。
【0032】
以上の設定条件のときの誤差演算回路116の動作を説明する。
前回設定の利得制御信号が“40”で、かつ現在の平均対数データが“40”である場合、ROM(116R)から出力される新規の利得制御信号は、図6から、上位6ビット“40”と下位6ビット“40”との交点、すなわち“40”となる。レーダ受信機システムコントロール部から入力されるラッチ信号は、図2に示されるように、加算器107での必要な総加算回数が経過した後に入力される。このラッチ信号により、F/F117は、ROM(116R)の出力(今回は“40”)を保持し、可変利得増幅器101に利得制御信号として出力し、AGC動作を行う。(ここで、利得制御信号の値は、減衰量として与えられるものとする。)
【0033】
ここで観測対象が変化し、平均対数データが“33”へ変化したとすると、前回設定された利得制御信号は“40”であるので、図6から上位6ビット“33”と下位6ビット“40”との交点である“33”が新たに選択され、ROM(116R)出力となる。F/F117にラッチ信号が入力されると、今回選択された“33”がF/F117にラッチされ、ROM(116R)の下位6ビットに帰還入力されると同時に、このデータが利得制御信号(AGC−ATT)となり、可変利得増幅器101の利得を変化させる。このとき、可変利得増幅器101の減衰量が“40”から“33”に減少するので、受信信号のレベルがあがり、次の観測期間の平均対数データは、33+(40−33)=40となる。
【0034】
この観測期間においては、平均対数データが“40”へ変化しており、前回設定された利得制御信号は“33”であるので、図6から上位6ビット“40”と下位6ビット“33”との交点である“33”が新たに選択され、これがROM(116R)出力となる。F/F117にラッチ信号が入力されると、今回選択された“33”がF/F117にラッチされ、ROM(116R)の下位6ビットに帰還入力されると同時に、このデータが利得制御信号(AGC−ATT)となり、利得制御信号が変化しないため、受信信号のレベルが変化しないのでAGC制御が安定する。この一連の動作により、誤差演算回路116の制御範囲内では常に可変利得増幅器101の出力が一定に保たれる。
【0035】
このように、本実施形態のAGC回路では、対数圧縮増幅器103出力を検波器104で受信信号の振幅成分のみを抽出する構成とし、DCオフセットの影響を排除するようにしたので、利得制御信号の誤差を低減させることが可能となる。
【0036】
また、受信信号を対数圧縮増幅器103で対数圧縮し、受信信号のレベルが広範囲に変化しても、A/Dコンバータ105の入力信号のダイナミックレンジを越えないようにしたので、対数圧縮増幅器103が飽和しないレベルにおいては、A/Dコンバータ105出力値単位が(dB)となり、受信信号のレベルを瞬時に判定することが可能となる。また、利得制御が固着状態に陥ることがないので、観測信号のS/N比が劣化しない。
【0037】
また、受信信号の複数回サンプリングにおいて、受信信号の積分値をサンプリング回数で除算させる機能を持たせ、平均値を求めてから利得演算を行わせているので、サンプリング回数によって演算値が大幅に変動することがなくなる。
【0038】
また、利得制御信号を演算する誤差演算回路116において、2つの信号を入力させ、一方の入力は、今受信している受信レベルを作り出した前回設定の利得制御信号とし、他の入力は、前回設定の利得制御状態における現在の受信信号の平均値(平均対数データ)としたので、いかなるレーダ反射係数の被観測対象物からの受信パルス信号においても正しい利得制御ができるようになる。
【0039】
このように、受信信号のレベル変動が激しい場合でも、観測時間の中で連続に積分、平均化されていくので観測信号にうねりが生じる問題は解決され、また、対数圧縮増幅器103の入力レベルのダイナミックレンジを可変利得増幅器101のAGC制御範囲と同じにすれば、利得制御素子の最大、または最小状態への固着は生じないので、受信レベルを適正に設定することができ、これによって、良好な画像が得られるレーダ受信機のAGC回路を提供することができる。
【0040】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、レーダ受信機において、誤差の少ない良好な画像が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態となるレーダ受信機のAGC回路のブロック構成図。
【図2】本実施形態のAGC回路の動作を説明するためのタイミング図。
【図3】本実施形態のAGC回路の可変利得増幅器の出力値が40dB時の対数増幅圧縮器の特性を示す図。
【図4】対数値/真値変換回路に用いられるROMのデータ例を示す説明図。
【図5】真値/対数値変換回路に用いられるROMのデータ例を示す説明図。
【図6】誤差演算回路に用いられるROMのデータ例を示す説明図。
【図7】本発明が適用されるレーダ受信機の構成例を示すブロック図。
【図8】従来のAGC回路のブロック構成図。
【符号の説明】
10 自動利得制御回路(AGC回路)
101 可変利得増幅器
102 カプラ
103 対数圧縮増幅器
104 検波器
105 A/Dコンバータ
106 対数値/真値変換回路
107 加算器
108 全加算器
109、117 フリップフロップ回路(F/F)
110 カウンタ
112 除算器
114 真値/対数値変換回路
116 誤差演算回路
Claims (4)
- レーダ受信機で受信したパルス状の受信信号のレベルを所定の利得制御信号によって制御する自動利得制御回路において、
前記受信信号を対数圧縮増幅して得た対数データの信号レベルの変化特徴を抽出する第1の手段と、
前記抽出した変化特徴の平均値を表す平均対数データを生成する第2の手段と、
前記生成した平均対数データと所定の基準データとの誤差成分を打ち消すレベルの前記利得制御信号を生成する第3の手段とを備え、
前記第2の手段が、前記対数データをサンプリングしてデジタルデータに変換するアナログ/デジタル変換回路、デジタル変換された前記対数データを真数データに変換する対数値/真値変換回路、変換された前記真数データをサンプリング回数に基づいて平均化する平均化手段、平均化された真数データを逆変換して平均対数データを生成する真値/対数値変換回路を含んで成ることを特徴とする自動利得制御回路。 - 前記平均化手段が、前記受信信号の観測期間中に得られた前記真数データを順次加算するとともに、その加算結果を加算回数で除算することにより前記平均化された真数データを出力するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の自動利得制御回路。
- 前記第3の手段が、前記観測期間中の前記平均対数データと前記基準データとの誤差分を演算し、帰還入力された前回観測期間における利得制御信号に前記誤差分を加減算することにより、利得制御信号を生成する利得制御信号生成手段を含んで成る請求項1記載の自動利得制御回路。
- 前記利得制御信号生成手段は、現在の受信信号の信号レベルに対する前回の利得制御信号との関係値を記録したROMをもち、このROM内から該当する関係値を出力するように構成されていることを特徴とする請求項3記載の自動利得制御回路。
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