JP3615923B2 - 二重壁構造体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は二重壁構造体に関し、更に詳細には可動に支持された例えば押出成形セメント板の上にパネルを張って二重壁構造とする時、パネル固定用の下地形材取付け構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、建築物の外壁として、押出成形セメント板を使用することが知られている。一般的に、この押出成形セメント板を外壁として使用する場合には、地震などによる建物の揺れに対して各階層ごとに、押出成形セメント板を個々にロッキング又は階層ごとにスライドさせて層間変位を吸収するように次のような方法で取り付けていた。
【0003】
すなわち、押出成形セメント板取付けの一例として、図5に示されるように、建物の各階高さと同じ縦方向長さの押出成形セメント板1の場合、階層ごとに横方向に並べられる。これら各押出成形セメント板1は、H鋼等からなる横梁2に溶接などで固定された上下2つのアングル材3a、3bに引っ掛けるようにして支持されている。
【0004】
押出成形セメント板1とアングル材3a、3bとの係止手段としては、各押出成形セメント板1の裏面上部に上向きのダブルクリップ(Wクリップ)4が2つ横に並んで取り付けられ、また裏面下部には下向きのゼットクリップ(Zクリップ)5が同様に2つ横に並んで取り付けられている。このZクリップ5は、クリップ本体にあけたばか穴に一本のピンを通して押出成形セメント板1に取り付けられている。そのため、比較的に強い力がZクリップ5に作用すると、押出成形セメント板1に対して回転したり又は全方向への若干のズレを起こしたりすることができる。
【0005】
押出成形セメント板1を両アングル材3a、3bに取り付けて支持する際には、例えば1枚の押出成形セメント板1を持ち上げてその上端を上アングル材3aに接近させながらWクリップ4の差込み溝に上アングル材3aのリップを相対的に且つ最大に差し込む。次いで、押出成形セメント板1の下端を下アングル材3bに接近させて下方に幾分下げると、Zクリップ5の差込み溝に下アングル材3bのリップが相対的に入り込み、これにより押出成形セメント板1はアングル材3a、3bによって支持される。
【0006】
このような押出成形セメント板1の取付け方から明らかなように、各押出成形セメント板1を最終的に下アングル材3bのリップにZクリップ5を乗せるように取り付けた時、Wクリップ4は相対的に上アングル材3aに対して僅かに下方に下がるため、上アングル材3aのリップは、Wクリップ4の差込み溝内である程度の余裕を持った状態で入り込んでいることになる。
【0007】
この結果、各押出成形セメント板1の下端が、クリップ本体のバカ穴を通る一本のピンで回転及びズレ可能に取り付けられたZクリップ5で下アングル材3bに固定されているため、地震などにより建物に揺れが生じた場合には、図6に示されるように各押出成形セメント板1がZクリップ5に対して相対的に回転したり、或いはピンが挿通するバカ穴による余裕分だけ上に上がって建物の骨組み、例えば鉄骨造では梁や柱となる鋼材に対して斜めに傾いたり、或いは押出成形セメント板そのものが建物の骨組みに対して横方向にスライドしたりして、層間変位を吸収し、外壁の破壊を防いでいる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような押出成形セメント板1は、素地のままで使用したり、表面を塗装したり、又は表面にタイルを貼ったりする等して設置個所に応じた表面処理を施していた。しかし、表面を塗装したり又は表面にタイルを貼った押出成形セメント板1をそのまま外壁とすると、将来、経年劣化した時に塗り直しや貼り付け直しをしなければならないが、その際の再塗装やタイルの貼り付けは現場での作業となり、このような現場での作業は多大な時間と労力が掛かり、しかも仕上がりの品質は工場での施工に比べてどうしても低下するという問題があった。
【0009】
そこで、近年、金属板又は複合板などからなる軽量パネルを押出成形セメント板1に取り付けてこれを実質的な外壁とする提案がなされている。一般に、この種の軽量パネルを建物の外壁面に取り付ける場合には、その外壁面に、例えばアングル材などの下地形材を縦横に配置固定し、この下地形材に軽量パネルをビスやネジで固定する、という方法がとられていることはよく知られている。
【0010】
しかしながら、このような取付け方法を、前述したように層間変位を吸収可能に取り付けられた押出成形セメント板に対して採用すると、次のような問題が生じる。すなわち、層間変位を吸収し、外壁の破壊を防ぐように取り付けられている複数の押出成形セメント板に軽量パネル及びその取付け用下地形材を縦横に配置して固定すると、隣接する相互の各押出成形セメント板がこれら軽量パネル及びその取付け用下地形材で堅固に連結されることになるため、地震などにより建物に揺れが生じた場合には各押出成形セメント板に層間変位を起こさせることができず、押出成形セメント板の破壊を招くことになる。
【0011】
本発明の目的は、かかる従来の問題点を解決するためになされたもので、押出成形セメント板の層間変位を可能としながらも、この押出成形セメント板に下地形材を取り付けてパネルを固定できるようにした二重壁構造体を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は二重壁構造体であり、前述の技術的課題を解決するために以下のような構成とされている。すなわち、本発明は、それぞれが横方向に可動に支持された少なくとも上下2枚以上の壁板に複数のパネルを取り付けてなる二重壁構造体において、壁板の表面に取り付けられた縦下地形材及びこの縦下地形材に支持された横下地形材からなるパネル取付け形材を備え、パネル取付け形材の縦下地形材が上下に配列された2つの壁板の継ぎ合わせ位置近傍を通過する部分で分離された不連続部を備え、パネルが縦下地形材及び横下地形材に直接又は間接に固定される際、縦下地形材の不連続部の近傍に配置されるパネルは、この不連続部を境に上下いずれか一方の縦下地形材及びこれに支持された横下地形材に取り付けられていることを特徴とする。
【0013】
<本発明における具体的構成>本発明の二重壁構造体は、前述した必須の構成要素からなるが、その構成要素が具体的に以下のような場合であっても成立する。その具体的構成要素とは、前記壁板が縦長で且つ横方向に複数枚並べられて一区画域を構成し、この一区画域における壁板上に横長のパネルを縦方向に複数枚並べ、縦下地形材及び横下地形材に固定することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の二重壁構造体では、一区画域が建築物の一階層の高さにほぼ一致する高さで形成されていることを特徴とする。更に、本発明の二重壁構造体では、壁板が、押出成形セメント板であることを特徴とする。
【0015】
更にまた、本発明の二重壁構造体では、前記パネルが、パネル本体と、このパネル本体の裏面に接合して固定される支持部、パネル本体の周縁を包持する包持枠部、及び支持部から立ち上がる脚部を備え、パネル本体の各周囲縁部に取り付けられてパネル本体を支持する複数の形材枠とから構成されている形材枠一体パネルであり、形材枠における脚部を縦下地形材及び横下地形材に連結して固定したことを特徴とする。
【0016】
本発明の二重壁構造体によると、例えば押出成形セメント板が横方向に複数配列されている時には横下地形材で相互に連結されているため一体となっているが、上下方向に連接する押出成形セメント板は縦下地形材の不連続部によって一体化されていない。そのため、地震などにより建物に揺れが生じた場合には建物の各階層ごとに横方向に配列された複数の押出成形セメント板が一体に横方向にスライドして層間変位を吸収し、以って押出成形セメント板の破壊を防止する。
【0017】
このためには、パネルを縦下地形材及び横下地形材に直接又は間接に固定する際、縦下地形材の不連続部の近傍に配置されるパネルを、この不連続部を境に上下いずれか一方の縦下地形材及びこれに支持された横下地形材に取り付けることが必要である。これは、階層ごとに一体化された複数の押出成形セメント板群を、縦下地形材の不連続部で階層ごとに独立させる時、不連続部の近傍に配置されるパネルによって相互に連結されることがないようにするためである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の二重壁構造体を図に示される実施形態に沿って更に詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態に係る二重壁構造体10の主要部を示す斜視図、図2は押出成形セメント板に固定されたパネル取付け形材の構成を示す部分的な正面図、図3は本発明の一実施形態に係る二重壁構造体での押出成形セメント板の層間変位の状態を概略的に示す構成説明図である。
【0019】
この実施形態の二重壁構造体10は、建物の骨組み即ち例えば鉄骨造では梁や柱となる鋼材に対して各階高さと同じ縦方向長さの押出成形セメント板1が、階層ごとに横方向に並べられて取り付けられている。これら各押出成形セメント板1の取り付けについては、前述した従来の取付け方法とほぼ同じであるが、図1から明らかなように下アングル材3bが外向き即ち水平リップを外側に向けて配置され、溶接などで横梁2に固定されたL型ブラケット(図示せず)によって支持されている。
【0020】
また、押出成形セメント板1の裏面上部にはWクリップ4が取り付けられている。従って、押出成形セメント板1が、前述したように上下2つのアングル材3a、3bに裏面上部のWクリップ4と裏面下部のZクリップ5を引っ掛けて支持される時、押出成形セメント板1は、その下端部が下アングル材3bの水平リップ上に乗り、これにより
更に安定的に担持されている。
【0021】
なお、従来の押出成形セメント板取付け方法では、上部の2つのWクリップ4を上アングル材3aに溶接していたが、この実施形態では、上アングル材3aの垂直リップをWクリップ4の差込み溝に差し入れているだけで、溶接などによる相互の固着はしない。
【0022】
これにより、各押出成形セメント板1は、下アングル材3bの水平リップ上を各アングル材3a、3bの垂直リップにガイドされて横方向に移動可能である。説明の便宜上、図2に示されるように建物の階高さとほぼ同じ縦長さLの押出成形セメント板1を横方向に3枚並べて1組とし、この1組で形成される面を一区画域としてこの一区画域の横幅にほぼ等しい横長さのパネル20を縦方向に並べて取り付ける場合について説明する。
【0023】
前述したように、建物の各階ごとに、横方向にスライド可能に上下2つのアングル材3a、3bによって支持された3枚の押出成形セメント板1で一区画域を形成する時、この一区画域が建物の高さ方向に連続する押出成形セメント板1表面には、図2に示されるように左右の押出成形セメント板1の外側縁部に沿って2本の縦下地形材11aが配置され、またこの2本の縦下地形材11a間に橋渡しされるように適宜の間隔(好ましくはパネル20の縦長さに合わせた間隔)で複数の横下地形材11bが配置されている。
【0024】
これらの縦下地形材11a及び横下地形材11bは、図1から明らかなようにアングル鋼材で構成することができ、これらは相互に溶接等により接合されて一体化されることによりパネル取付け形材12を構成している。このパネル取付け形材12は、横下地形材11bをその適所で、押出成形セメント板1の表面にボルトとナット等の固定具13によって堅固に取り付けられたL型ブラケット14に溶接されて支持されている。
【0025】
このパネル取付け形材12における縦下地形材11aは、上下に配列された2つの押出成形セメント板1の継ぎ合わせ位置近傍を通過する部分で分離された不連続部11cを備えている。その結果、パネル取付け形材12は、一区画域ごとに一体物として3枚の押出成形セメント板1に固定(各区画域ごとに独立して一体化されたパネル取付け形材をそれぞれ符号12a、12b、12c……で示す)される。換言すれば、一区画域における3枚の押出成形セメント板1はこの一区画域ごとに一体化されたパネル取付け形材12a、12b、12c……により相互に固定されていることになる。
【0026】
パネル20は、このように押出成形セメント板1の表面に取り付けられ且つ構成されたパネル取付け形材11を利用して取り付けられる。このパネル20は、形材枠一体パネルと称し、基本的構造は例えば特開平7−102734号公報に開示されていることから既によく知られている。この公開特許公報に開示されたような形材枠一体パネルは、その後更に改良され、その結果特に、耐候性、施工性及び美観などの観点から建築物の外壁材として各方面から高い評価が与えられている。
【0027】
ここで使用する形材枠一体パネル20も公知の当該パネルを更に改良したもので、その構成を簡単に説明すると、形材枠一体パネル20は、非金属材料からなる基板21の両面に金属シート22を積層して方形平板状に形成されたパネル本体23と、このパネル本体23の周縁に組み付けられてパネル本体23の周縁を保護し且つ木口を覆う形材枠24とから構成されている。
【0028】
各形材枠一体パネル20は、その両側部を一区画域における2つの縦下地形材11a上に位置決めし、且つ上下端部を横下地形材11b上に位置決めし、形材枠24を構成しているL型をした取付け脚部24aをそれぞれの下地形材11a、11bの垂直面部に密着させ、この取付け脚部24aにフラットな帯状金属板25をあてがってビス又はネジ26により各下地形材11a、11bに固着することによって押出成形セメント板1の表面上に支持される。
【0029】
このようにして形材枠一体パネル20が取り付けられると、隣接する形材枠一体パネル20間には前述した形材枠24によって目地部(溝)27が形成され、この目地部27には最終的には外観性向上と取付け用のビス又はネジが直接大気に露出しないようにするため、例えば変成シリコンシール材(図4に符号28で示す)が充填配置される。
【0030】
このシール材としては、単に目地用のガスケットだけでもよいが、風雨及び直射日光等にさらされることを考慮すると耐久性の点でバックアップ材及びその上に防水シーリング材等を配置して一次防水機能を与えることが好ましい。時には、防水シーリング材の上に更に目地用ガスケットを配置することも好ましい。
【0031】
ところで、形材枠一体パネル20が縦下地形材11a及び横下地形材11bに固定される際、縦下地形材11aの不連続部11cの近傍に配置される形材枠一体パネル20は、この不連続部11cを境に上下いずれか一方の縦下地形材11a及びこれに支持された横下地形材11bに取り付けられている。
【0032】
このように縦下地形材11aの不連続部11cの近傍に配置される形材枠一体パネル20をこの不連続部11cを境に上下いずれか一方の縦下地形材11a及びこれに支持された横下地形材11bに取り付ける理由は、次の通りである。
【0033】
すなわち、一区画域での3つの押出成形セメント板1は横下地形材11bで相互に連結されているため一体となっているが、上下方向に連接する区画域における隣接した押出成形セメント板1は縦下地形材11aの不連続部11cによって一体化されていない。
【0034】
これは、この実施形態に係る二重壁構造体10では、地震などにより建物に揺れが生じた場合には建物の各階層ごと即ち一区画域ごとに横方向に配列された3枚の押出成形セメント板1を図3に示されるように一体となって横方向にスライドさせて層間変位を吸収し、以って押出成形セメント板1の破壊を防止するためである。このような層間変位吸収方法がこの実施形態における二重壁構造体10の特徴点でもある。
【0035】
そして、このように一区画域における3枚の押出成形セメント板1をそれぞれ一体的に横方向にスライド可能に支持するためには、縦下地形材11aの不連続部11cの近傍に配置される当該形材枠一体パネル20を、この不連続部11cを境に上下いずれか一方の縦下地形材11a及びこれに支持された横下地形材11bに取り付けるようにしないと、各区画域の押出成形セメント板1即ち上下方向に隣接する押出成形セメント板1がこの形材枠一体パネル20によって相互に連結されてしまい、各区画域ごとの押出成形セメント板1を横方向へスライドさせることができなくなる。
【0036】
このような理由から、縦下地形材11aの不連続部11cの近傍に配置される当該形材枠一体パネル20を、この不連続部11cを境に上下いずれか一方の縦下地形材11a及びこれに支持された横下地形材11bに取り付けるようにするのである。その結果、各区画域ごとに押出成形セメント板1を一体的に横方向へスライドさせることができ、以って地震などにより建物に揺れが生じた場合でも押出成形セメント板1の破壊を防止することができるのである。
【0037】
なお、前述した実施形態に係る二重壁構造体10では、「形材枠一体パネル20」として非金属材料からなる基板21の両面に金属シート22を積層した複合板にアルミニウム製の形材枠24を取り付けたものについて説明したが、本発明では、このような構造のパネルに限定されるものではなく、金属、繊維材料等からなるハニカム構造物の両面に金属シートを積層した複合板を用いることができる。
【0038】
また、パネル本体23の周縁部を保護する形材枠24は、アルミニウム材以外の材料から形成してもよく、一般的には押し出し成形された金属製の材料から構成されることが望ましい。
【0039】
更に、前述した実施形態に係る二重壁構造体10では、形材枠24を構成している取付け脚部24aの先端部をそれぞれの下地形材11a、11bの垂直面部に密着させ、この取付け脚部24aにフラットな帯状金属板25をあてがってビス又はネジ26により各下地形材11a、11bに固着することによって押出成形セメント板1の表面上に形材枠一体パネル20を支持するようにしたが、形材枠一体パネル20の上下縁部に位置する形材枠24の下地形材11bへの取付けについては図4に示されるような構造であってもよい。
【0040】
すなわち、形材枠一体パネル20の上縁部に位置する形材枠24における取付け脚部24aの先端部を、横下地形材11bに密着させ、ビス26で直接的に固定する。この形材枠24の先端部におけるビス止め位置より更に端部側には、横下地形材11bの取付け面と所定の間隔をあけるように段付け部24bが形成されている。その結果、前述したように形材枠一体パネル20の上縁部に位置する形材枠24における取付け脚部24aの先端部が横下地形材11bに固定された時、この段付け部24bと横下地形材11bの取付け面とによって溝29が形成されることになる。
【0041】
そして、上方側に隣接する形材枠一体パネル20を取り付ける際には、その下縁部に位置する形材枠24における取付け脚部24aの先端部を、隣接する形材枠一体パネル20の上縁部に位置する形材枠24における取付け脚部24aと横下地形材11bとの間に形成した溝29に差し込んで支持するようにしてもよい。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の二重壁構造体によれば、押出成形セメント板即ち押出成形セメント板の表面に固定されるパネル取付け形材を構成する縦下地形材を、上下に隣接する押出成形セメント板間の近傍で分離して不連続としたことにより、押出成形セメント板の層間変位を可能としながらもこの押出成形セメント板に下地形材を取り付けてパネルを固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る二重壁構造体の主要部を示す斜視図である。
【図2】押出成形セメント板に固定されたパネル取付け形材の構成を示す部分的な正面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る二重壁構造体での押出成形セメント板の層間変位の状態を概略的に示す構成説明図である。
【図4】押出成形セメント板に固定されたパネル取付け形材に形材枠一体パネルを取り付ける取付け構造を示す部分的な断面図である。
【図5】押出成形セメント板を建物の壁部として支持する従来の構造を概略的に示す部分的な斜視図である。
【図6】従来の押出成形セメント板取付け構造による層間変位の状態を概略的に示す構成説明図である。
【符号の説明】
1 押出成形セメント
2 横梁
3a 上アングル材
3b 下アングル材
5 Zクリップ
10 二重壁構造体
11a 縦下地形材
11b 横下地形材
11c 不連続部
12 パネル取付け形材
13 固定具
14 L型ブラケット
20 形材枠一体パネル(パネル)
21 基板
22 金属シート
23 パネル本体
24 形材枠

Claims (4)

  1. それぞれが横方向に可動に支持された少なくとも上下2枚以上の壁板に複数のパネルを取り付けてなる二重壁構造体において、前記壁板の表面に取り付けられた縦下地形材及びこの縦下地形材に支持された横下地形材からなるパネル取付け形材を備え、前記パネル取付け形材の前記縦下地形材が上下に配列された2つの前記壁板の継ぎ合わせ位置近傍を通過する部分で分離された不連続部を備え、前記パネルが前記縦下地形材及び前記横下地形材に直接又は間接に固定される際、前記縦下地形材の前記不連続部の近傍に配置される前記パネルは、この不連続部を境に上下いずれか一方の前記縦下地形材及びこれに支持された前記横下地形材に取り付けられていることを特徴とする二重壁構造体。
  2. 前記壁板が縦長で且つ横方向に複数枚並べられて一区画域を構成し、この一区画域における前記壁板上に横長の前記パネルを縦方向に複数枚並べ、前記縦下地形材及び前記横下地形材に固定することを特徴とする請求項1に記載の二重壁構造体。
  3. 前記一区画域が建築物の一階層の高さにほぼ一致する高さで形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の二重壁構造体。
  4. 前記壁板が、押出成形セメント板であることを特徴とする請求項1、2又は3のいずれかに記載の二重壁構造体。
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