JP3615902B2 - ベーンポンプ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車のパワーステアリングシステムの油圧源として使用されるベーンポンプに関し、とくに吐出圧の脈動を防止したベーンポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
ベーンポンプは、回転軸を中心に回転自在のロータと、ロータを内周面に収容したカムリングと、ロータの外周面に所定の間隔をおいて放射状に形成された複数のスリットと、各スリットに摺動自在に挿入されたベーンとを備えている。ロータのスリットに挿入されたベーンの先端はカムリングの内周面に摺接しており、カムリング、ロータおよび互いに隣接するベーンによって容積室が形成されている。この容積室はロータの回転により容積が変化する。そして、容積が増加する部分に吸入区間が、容積が減少する部分に吐出区間が形成されている。
【0003】
ところで、上述したようなベーンポンプにおいては、ロータの1回転あたりにベーンの数に応じた脈動が生じる。この脈動は下記の式により表される特定の周波数成分を有する。
【0004】
fn=(n×Z×N)/60
但し、n:周波数の次元
Z:ベーンの枚数
N:ロータの回転数(rpm)
例えば、10枚のベーンを使用した場合、ロータが600rpmで回転すると、その一次周波数は100Hzとなる。
【0005】
このような脈動は、ベーンポンプの吐出管路やアクチュエータを加振するため、振動や騒音の原因となる。とくに、脈動による周波数成分と、ベーンポンプに接続された管路系の共振周波数とが一致して共振現象を起こすと、振動や騒音が一層増大することとなる。
【0006】
このため、ベーンを不等ピッチに配列して、脈動を不規則に発生させ、特定周波数が連続して生じないようにすることにより、振動や騒音を防止するようにしたベーンポンプが提案されている(実開昭61−151084号公報)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記実開昭61−151084号公報に記載されたベーンポンプにおいては、ベーンの間隔が不等ピッチであり、各容積室の配置がロータの回転方向に対して一義的に定められてしまうものであるため、ロータを逆方向に回転させると、ベーンポンプが設計通りの性能を発揮できなくなってしまう。このため、ポンプのハウジング内にロータを組み込む際に、ロータの回転方向を考慮して、ロータの表裏を逆にしないようにする必要がある。しかしながら、組立時にロータの表裏を確認することは、組立作業者にとって非常に煩わしいものである。さらに、スリットの加工時には、1つの回転方向を定めてあらかじめ定められた間隔となるように、ロータ素材を回転させたり、工具を配置する必要があるため、加工の手間がかかり、加工コストひいてはベーンポンプの製造コストが増大する。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、コストを増大させることなく脈動を防止することができるベーンポンプを提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、回転軸を中心に回転自在のロータと、
該ロータを内周面に収容したカムリングと、
前記ロータの外周面に不等ピッチ間隔で放射状に形成された複数のスリットと、
この各スリットに摺動自在に挿入されたベーンとを備え、
前記ロータ、前記カムリングおよび前記ベーンにより複数の容積室を形成するベーンポンプにおいて、
前記複数のスリットの間隔が、前記ロータの回転平面上において、前記各容積室のうち一の基準となる容積室または前記各ベーンのうち一の基準となるベーンに関して略対称となるように形成されてなることを特徴とする。
【0010】
【作用】
本発明によれば、ロータの回転平面上において、不等ピッチで配列されるスリットが、一の基準となる容積室またはベーンに関して略対称となるようにスリットの間隔を形成したため、容積室もこの直線に関して略線対称に配設される。これにより、ロータをいずれの方向に回転させても、回転方向における各容積室の配置は同一となり、ロータの回転方向を考慮することなくロータの加工を行い、ポンプのハウジングにロータを組み込むことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0012】
図1は本発明によるベーンポンプの構成を示す断面図である。図1に示すように、ベーンポンプ20のカムリング1の内周側に形成された略楕円形のカム面2には、回転軸3を中心にして回転する円柱状のロータ4が配設される。このロータ4の外周面には、後述するような間隔で、放射状に複数のスリット5が形成され、これらのスリット5には、それぞれ板状のベーン6が摺動自在に挿嵌されている。なお、各スリット5の基端側には所定の径の背圧孔9が形成されており、この背圧孔9には高圧の油圧(ポンプの吐出圧)が導かれ、各ベーン6をロータ4の外周方向へと押し出すようになっている。
【0013】
カムリング1の両側はサイドプレート11とポンプハウジング12とによって塞がれるようになっており、ロータ4の回転によって発生する遠心力と、前述の背圧孔9から加えられる油圧とにより、各ベーン6の先端がカムリング1のカム面2に接し、これによりカム面2内に、各ベーン6により画成される容積室10が形成される。
【0014】
また、ポンプハウジング12には、回転軸3を挟んで対抗する位置に、それぞれ一対の吸込ポート7および一対の吐出ポート8が形成されており、各容積室10は、ロータ4の回転にしたがって、順次、吸込ポート7および吐出ポート8に選択的に連通するようになっている。
【0015】
スリット5の最奥部には背圧孔9が形成され、この背圧孔9は、ロータ4の回転軸3を中心とする所定のピッチ円の円周上に配設される。
【0016】
図2および図3は容積室10の角度配置を示す図である。図2において横軸はロータ4の円周方向に沿った各容積室10の番号を示す。本実施の形態においては、10枚のベーン6を使用しているため、10個の容積室10が形成される。図2および図3に示すように、各ベーン6の配列は原則として不等ピッチに設定されるが、各容積室10は、第6室を中心として、第5室と第7室、第4室と第8室、第3室と第9室、第2室と第10室がそれぞれ同一の容積となるようにスリット5が不等ピッチで形成されてなるものである。すなわち、第6室を二等分する直線X1に関して線対称となるようにスリット5が形成され、これにより各容積室10も直線X1に関して線対称に配置される。そしてこれにより、ロータ4の回転方向に拘わらず、容積室10の配置が一定となるものである。
【0017】
次いで、本実施の形態の動作について説明する。
【0018】
ベーンポンプ20を作動させ、回転軸3を中心にロータ4を回転させると、各ベーン6はカム面2に先端を接触させながら容積室10を形成し、この容積室10内の作動油を吸込ポート7から吐出ポート8へと導く。この際、容積室10は不等ピッチで配設されているため、ベーン6によって発生する脈動は不規則となり、特定周波数が連続して生じることがなくなって、ベーンポンプ20の振動や騒音を防止することができる。
【0019】
また、各容積室10は、図2および図3に示すように、第6室を二等分する直線X1に関して線対称であるため、ロータ4の回転方向に拘わらず、ロータ4の回転方向における容積室の配置は同一となる。例えば、第6室を基準としてロータ4が図3の時計回り方向および反時計回り方向に回転した場合、容積室10は以下の順番で回転する。
【0020】
時計回り 6−7−8−9−10−1−2−3−4−5−6……
反時計回り 6−5−4−3−2−1−10−9−8−7−6……
ここで、上述したように第5室と第7室、第4室と第8室、第3室と第9室、第2室と第10室はそれぞれ同一の容積であるため、ロータ4の回転方向に拘わらず、本実施の形態のベーンポンプ20の吐出の特性は同一のものとなる。
【0021】
したがって、ロータ4の回転方向を考慮することなくロータ4にスリット5を形成することができるとともに、ロータ4の表裏を考慮することなく ロータ4をハウジング12に組み付けることができる。これにより、ベーンポンプ20の加工および組立を行う作業者の労力、およびロータ4の加工コストを低減して、ベーンポンプ20の製造コストを低減することができる。
【0022】
なお、上記実施の形態においては、偶数枚(10枚)のベーン6を使用したベーンポンプ20について説明したが、奇数枚のベーン6を使用した形態について以下に説明する。
【0023】
図4および図5は9枚のベーン6を使用した際における容積室10の角度配置を示す図である。9枚のベーン6を使用した場合においては、9個の容積室10が形成される。そして、図4および図5に示すように、容積室10の第1室を中心として、第2室と第9室、第3室と第8室、第4室と第7室、第5室と第6室がそれぞれ同一の容積となるようにスリット5が不等ピッチで形成されてなるものである。すなわち、第1室を二等分する直線X2に関して線対称となるようにスリット5が形成され、これにより各容積室10も直線X1に関して線対称に配置される。したがって、ロータ4の回転方向に拘わらず、容積室10の配置が一定となるものである。
【0024】
そして、第1室を基準として、ロータ4を時計回り方向および反時計周り方向に回転させると、容積室10は以下の順番で回転する。
【0025】
時計回り 1−9−8−7−6−5−4−3−2−1……
反時計回り 1−2−3−4−5−6−7−8−9−1……
ここで、上述したように第2室と第9室、第3室と第8室、第4室と第7室、第5室と第6室はそれぞれ同一の容積であるため、ロータ4の回転方向に拘わらず、本実施の形態のベーンポンプ20の吐出の特性は同一のものとなる。
【0026】
これにより、10個の容積室10を配設した場合と同様に、ロータ4の回転方向を考慮することなくベーンポンプ20を製造することができ、製造コストを低減することができる。
【0027】
なお、上記実施の形態においては、10個および9個の容積室10を形成したベーンポンプ20について説明したが、容積室の数はこれに限定されるものではなく、一の容積室10を基準とした場合に、この基準容積室を二等分する線分に関して線対称となるようにスリット5を形成することにより、ロータ4の回転方向に拘わらず、ロータ4の回転方向における容積室10の配置を同一とすることができる。
【0028】
また、上記実施の形態においては、一の容積室10を基準とし、この容積室を二等分する線分に関して線対称となるようにスリット5を形成しているが、一のベーン6を基準とし、このベーン6に関して線対称となるようにスリット5を形成しても、ロータ4の回転方向に拘わらず、ロータ4の回転方向における容積室10の配置を同一とすることができる。
【0029】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、ロータの回転平面上にベーンを不等ピッチで配列するに当たり、一の基準となる容積室またはベーンに関して略線対称となるようにスリットを形成したため、容積室もこの直線に関して略線対称に配設される。その結果、ロータをいずれの方向に回転させても、回転方向における各容積室の配置は同一となる。したがって、ロータの回転方向を考慮することなくロータの加工を行うとともに、ポンプのハウジングにロータを組み込むことができ、これにより、作業者の負担およびロータの加工コストを低減して、ベーンポンプの製造コストを低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態によるベーンポンプの構成を示す断面図
【図2】ベーンの角度方向の配置を示す図
【図3】ロータ上におけるベーンの角度方向の配置を示す図
【図4】ベーンの角度方向の他の配置を示す図
【図5】ロータ上におけるベーンの角度方向の他の配置を示す図
【符号の説明】
1 カムリング
2 カム面
3 回転軸
4 ロータ
5 スリット
6 ベーン
7 吸込ポート
8 吐出ポート
9 背圧孔
10 容積室
11 サイドプレート
12 ポンプハウジング
20 ベーンポンプ

Claims (1)

  1. 回転軸を中心に回転自在のロータと、
    該ロータを内周面に収容したカムリングと、
    前記ロータの外周面に不等ピッチ間隔で放射状に形成された複数のスリットと、
    この各スリットに摺動自在に挿入されたベーンとを備え、
    前記ロータ、前記カムリングおよび前記ベーンにより複数の容積室を形成するベーンポンプにおいて、
    前記複数のスリットの間隔が、前記ロータの回転平面上において、前記各容積室のうち一の基準となる容積室または前記各ベーンのうち一の基準となるベーンに関して略対称となるように形成されてなることを特徴とするベーンポンプ。
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