JP3613030B2 - ワイヤハーネス組立装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車に配索するワイヤハーネ組立装置に関し、詳しくは、組立作業台上において電線の配線経路に沿って電線保護治具等が立設されたもので、特に、ワイヤハーネの幹線から分岐する支線端末を保持する電線保持治具の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ワイヤハーネの幹線から支線が分岐しており、幹線との分岐位置から支線端末までの寸法は、製造するワイヤハーネの品番により相違する。即ち、図6に示すように、ワイヤハーネ幹線W1からの分岐位置Pから支線W2の先端までの寸法Lは、A品番の支線W2−1の場合は100mm、B品番の支線W2−2の場合は150mm、C品番の支線W2−3の場合は200mmとなる。
【0003】
これらA,B,C品番のワイヤハーネを同一の作業台1で製造する場合、作業台1には3本の電線保持治具2、3、4を予め取り付けておき、図7に示すように、C品番のワイヤハーネを製造する時には、電線保持治具2のみを立設し、他の電線保持治具3と4とは倒している。
【0004】
上記作業台1への電線保持治具2、3、4の取付方法は、図8(A)(B)に示すように、まず、分岐位置Pより所定寸法(100mm、150mm、200mm)の位置に夫々穴1a、1b、1cを穿設する。ついで、各穴1a、1b、1cに電線保持治具2、3、4の支軸2a、3a、4aを上方から貫通させ、作業台1より下方へ突出した支軸下部にナット5を夫々螺着して固定する。各支軸2a、3a、4aの先端にU形状の電線保持部2b、3b、4bを締め付けて連結する。各支軸2a、3a、4aの中間部には可倒部2c、3c、4cが設けられている。図5に示すように、使用しない電線保持軸は可倒部2c、3c、4cで支軸上部および電線保持部を作業台1上に沿って水平方向に倒している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、従来は、分岐端末寸法が相違する数に応じて、電線保持治具を作業台に取り付けておく必要がある。そのため、必要とする電線保持治具の個数が多くなるためコスト高になり、かつ、各電線保持治具に可倒部を設けて構造が複雑になっているため、1つの電線保持治具のコストも高くなるため、よりコスト高になっている。さらに、これら電線保持治具を作業台に取り付ける作業も増える。
【0006】
また、不要な電線保持治具を倒しておくためのスペースを確保しなければならず、作業台上のスペースを分岐部分でかなり大きく取ってしまうこととなり、それにより他の治具位置にしわよせきて、ワイヤハーネ組立時の作業性が悪くなり、生産性が低下する問題がある。
【0007】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、幹線の分岐位置からの支線端末寸法が相違しても1つの電線保持治具で簡単に使い分けができるようにすることを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、ワイヤハーネス組立用の作業台には、電線保持治具の取付位置に取付穴を穿設していると共に近接する複数の取付穴を連通する通路穴を穿設し、該通路穴の幅を上記取付穴直径よりも小寸とする一方、
上記電線保持治具は、支軸の上部に設けた電線保持部と、支軸の中間部に設けると共に上記取付穴に内嵌する直径とした貫通部と、該貫通部の上端に設けた大径の作業台載置部と、貫通部の下端に設けると共に上記通路穴の幅より小径とした移動部と、支軸の下端部に設けたネジ部を備え、
上記電線保持治具の支軸を上記作業台の取付穴に挿通して、作業台より下方に突出する上記移動部の下部に、上記取付穴よりも大径の止め板を通すと共にコイルスプリングを通した後に下端のネジ部にナットを螺着して、上記電線保持治具を作業台に取り付けており、
上記電線保持治具を上方に引っ張って上記コイルスプリングを圧縮しながら移動部を取付穴に位置させ、該移動部を通路穴を通して他の取付穴の位置に移動させ、他の取付穴の位置で上方への引っ張りを止めて電線保持治具を取り付けることが出来る構成したワイヤハーネス組立装置を提供している。
【0009】
上記構成のワイヤハーネ組立装置を用いると、品番に応じて、1つの電線保持治具を立設する取付穴の位置を変えることにより、複数の品番に1つの電線保持治具を使い分けすることができる。
【0010】
また、電線保持治具は上方へ引っ張っると、作業台に穿設した取付穴より通路穴へと移して、通路穴を移動させることができ、所要の取付穴に達すると、上方への引っ張りを停止すると自動的に下降して所要の取付穴より立設することができ、極めて簡単に1つの電線保持治具を所要の取付穴に位置させることができる。
【0011】
上記電線保持治具は、上記支軸の上部に設ける上記電線保持部を別体とし、U形状、Y形状あるいはX形状とした上記電線保持部の下部にネジ棒を突設する一方、上記支軸に上端開口のネジ穴を設けて螺着する構成としている。
【0012】
電線保持治具を支軸と電線保持部を一体型とした場合、構造が簡単であり、特に、従来必要とされた可倒部を不要とできるために、安価に設けることができる。また、電線保持部を支軸と別体として連結する場合には、U形状、Y形状、X形状等の必要な電線保持部を付け変えて用いることができ、汎用性を高めることができる。なお、支線端末用としてはU形状のものが用いられるが、支線から更に枝線が分岐する場合には、Y形状、X形状の電線保持部が好適に用いられる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
なお、実施形態は、前記従来例と同様に、幹線の分岐位置Pから100mmの第1位置P1、150mmの第2位置P2、200mmの第3位置P3の位置に電線保持治具取付穴を設けるものである。
【0014】
ワイヤハーネス組立用の作業台10には、図2(A)に示すように、幹線経路Xに沿った直線上の位置に、分岐位置Pより100mmの第1位置P1に第1取付穴11、150mmの第2位置P2に第2取付穴12、200mmの第3位置P3に第3取付穴13を夫々貫通して設けている。これら第1、第2、第3取付穴11、12、13は同一径としている。また、第1取付穴11と第2取付穴12とを連通する通路穴14と、第2取付穴12と第3取付穴13とを連通する通路穴15とを、経路Lに沿って貫通して設けている。これら通路穴14と15の幅は取付穴の径より小さくしている。
【0015】
図1に示すように、電線保持治具20は、丸棒状の支軸21の上部に設けたU形状の電線保持部22と、支軸21の中間部に段差をつけて大径とすると共に上記取付穴11(12,13)に内嵌する直径とした貫通部23と、該貫通部23の上端に設けた大径の作業台載置部24と、貫通部23の下端に設けると共に上記通路穴14(15)の幅より小径とした移動部25と、支軸21の下端部に設けたネジ部26を備えた構成としている。本実施形態では、電線保持部22は別体とし、U形状の保持部22aの下端より連結ネジ棒22bを突設し、支軸21の上端に開口して設けたネジ穴21aに螺合して連結している。
【0016】
上記電線保持治具20の支軸21は、作業台10の3つの取付穴11、12、13のうちの1つの取付穴(図示の例では第3取付穴13)に挿通し、貫通部23を取付穴13に嵌合し、作業台10より下方に移動部25およびネジ部26を突出させている。この下方突出部分に対して、作業台10の下方から、移動部25に、取付穴13よりも大径の止め板30を通した後、コイルスプリング31を通し、最後に下端のネジ部26にナット32を螺着している。
【0017】
図1(B)に示すように、ナット32により下端を位置決め保持されたコイルスプリング31は止め板30を上方へ付勢し、貫通部23を押し上げて、取付穴13に丁度嵌合させ、貫通部23の上端に位置する作業台載置部24を作業台10の上面に位置させる。このように、取付穴13の上下端縁に作業台載置部24と止め板30が位置することにより、電線保持治具20は作業台10に立設固定される。
【0018】
上記のように、C品番のワイヤハーネス製造時に、電線保持治具20は第3取付穴13の位置に立設されて、支線端末を保持するために使用される。
B品番のワイヤハーネス製造時には、電線保持治具20を第2取付穴12に配置する必要がある。また、A品番のワイヤハーネス製造時には、電線保持治具20を第1取付穴11に配置する必要がある。
【0019】
よって、B品番のワイヤハーネス製造時には、まず、図3(A)に示す第3位置の電線保持治具20の上部を上方へ引っ張る。この引っ張りにより、図3(B)に示すように、コイルスプリング31が圧縮しながら支軸21が上昇し、貫通部23が第3取付穴13から上方へ抜け出る共に小径の移動部25が第3取付穴13に位置し、通路穴15へ移動可能となる。よって、電線保持治具20を上方へ引っ張りながら通路穴15を移動させ、第2取付穴12へ移す。この第2取付孔12に達すると、上方への引っ張りを解くと、図3(D)に示すように、コイルスプリング31の伸びにより、支軸21が下降し、貫通部23が第2取付穴12に内嵌し、作業台10の上下面に作業台載置部24が引っ掛かり、支軸21が停止して、電線保持治具20は第2取付穴12に立設される。
【0020】
なお、第3取付穴13から第1取付穴11へと移動させる時は、電線保持治具20を上方へ引っ張った状態で、通路穴15、第2取付穴12、通路穴14を経て第1取付穴11の位置に電線保持治具20を位置させて、上方への引っ張りを解除するれば良い。第1取付穴11から、第2取付穴12あるいは第3取付穴13へと移動させる時も同様の作業で簡単に電線保持軸の位置を変えることができる。
【0021】
図4は作業台10に設ける取付穴と通路穴の変形例を示す。即ち、上記実施形態では、第1、第2、第3取付穴11、12、13を幹線経路Xと同一直線上に一列に設けているが、この変形例では、直線上に一列に設けず、幹線との分岐位置Pから所定寸法の位置に第1、第2、第3取付穴11、12、13を位置させ、かつ、これら取付穴を傾斜方向の通路穴14、15で互いに連通させれている。
【0022】
図5(A)(B)(C)は電線保持治具20の電線保持部の変形例を示す。図5(A)は支軸21の上部に設けるU形状の電線保持部22を一体物としている。このように、一体物とすると安価に製造でき、かつ、電線保持部22を支軸21に連結する作業手数を省くことができる。
【0023】
図5(B)は支軸21と別体とした電線保持部22をY形状としたものであり、ワイヤハーネスの支線端末より、さらに枝線が分岐する場合に使用しえる。
図5(C)は支軸21と別体とした電線保持部22をX形状としたもので、Y形状の場合と同様に、ワイヤハーネスの支線端末より、さらに枝線が分岐する場合に使用しえる。
このように、支軸21と電線保持部22とを別体とすると、作業台に取り付けた支軸21はそのままとして、適用するワイヤハーネスに分岐形態に適した電線保持部22をつけ変えるだけでよくなる。
【0024】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、ワイヤハーネスの幹線の分岐位置から支線端末までの寸法が品番により相違した場合に、各支線端末位置に夫々取付穴を設けて電線保持治具を取り付けておく必要はなく、これら取付穴を通路穴で連通させて設けておく一方、電線保持治具を上方へ引っ張ると取付穴との固定が解かれて移動可能としているため、通路穴を通して所要の取付穴の位置へ移動させ、該当位置で電線保持治具の上方への引っ張りを解くだけで、電線保持治具の位置を簡単に変えることができる。
【0025】
よって、必要な電線保持治具の個数を低減でき、しかも、電線保持治具に可倒機構を設けておく必要はないため、大幅なコストダウンを図ることができる。さらに、従来のように使用しない電線保持治具を倒しておく必要がないため、そのスペースを作業台上に確保する必要がなくなり、作業台のスペースも有効利用でき、ワイヤハーネス組立作業性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明で用いる電線保持治具と作業台を示す分解斜視図、(B)は組立状態を示す正面図である。
【図2】作業台に設ける取付穴を示す平面図である。
【図3】(A)(B)(C)(D)は電線保持治具の位置を変える作業工程を示す斜視図である。
【図4】作業台に設ける取付穴の変形例を示す平面図である。
【図5】(A)(B)(C)は電線保持治具の電線保持部の変形例を示す図面である。
【図6】従来例を示す斜視図である。
【図7】従来例を示す斜視図である。
【図8】(A)は従来例の作業台の取付穴を示す斜視図、(B)は取付穴へ電線保持治具を取り付ける方法を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 作業台
11 第1取付穴
12 第2取付穴
13 第3取付穴
14、15 通路穴
20 電線保持治具
21 支軸
22 電線保持部
23 貫通部
24 作業台載置部
25 移動部
26 ネジ部
30 止め板
31 コイルスプリング
32 ナット
P 幹線からの分岐位置
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車に配索するワイヤハーネ組立装置に関し、詳しくは、組立作業台上において電線の配線経路に沿って電線保護治具等が立設されたもので、特に、ワイヤハーネの幹線から分岐する支線端末を保持する電線保持治具の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ワイヤハーネの幹線から支線が分岐しており、幹線との分岐位置から支線端末までの寸法は、製造するワイヤハーネの品番により相違する。即ち、図6に示すように、ワイヤハーネ幹線W1からの分岐位置Pから支線W2の先端までの寸法Lは、A品番の支線W2−1の場合は100mm、B品番の支線W2−2の場合は150mm、C品番の支線W2−3の場合は200mmとなる。
【0003】
これらA,B,C品番のワイヤハーネを同一の作業台1で製造する場合、作業台1には3本の電線保持治具2、3、4を予め取り付けておき、図7に示すように、C品番のワイヤハーネを製造する時には、電線保持治具2のみを立設し、他の電線保持治具3と4とは倒している。
【0004】
上記作業台1への電線保持治具2、3、4の取付方法は、図8(A)(B)に示すように、まず、分岐位置Pより所定寸法(100mm、150mm、200mm)の位置に夫々穴1a、1b、1cを穿設する。ついで、各穴1a、1b、1cに電線保持治具2、3、4の支軸2a、3a、4aを上方から貫通させ、作業台1より下方へ突出した支軸下部にナット5を夫々螺着して固定する。各支軸2a、3a、4aの先端にU形状の電線保持部2b、3b、4bを締め付けて連結する。各支軸2a、3a、4aの中間部には可倒部2c、3c、4cが設けられている。図5に示すように、使用しない電線保持軸は可倒部2c、3c、4cで支軸上部および電線保持部を作業台1上に沿って水平方向に倒している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、従来は、分岐端末寸法が相違する数に応じて、電線保持治具を作業台に取り付けておく必要がある。そのため、必要とする電線保持治具の個数が多くなるためコスト高になり、かつ、各電線保持治具に可倒部を設けて構造が複雑になっているため、1つの電線保持治具のコストも高くなるため、よりコスト高になっている。さらに、これら電線保持治具を作業台に取り付ける作業も増える。
【0006】
また、不要な電線保持治具を倒しておくためのスペースを確保しなければならず、作業台上のスペースを分岐部分でかなり大きく取ってしまうこととなり、それにより他の治具位置にしわよせきて、ワイヤハーネ組立時の作業性が悪くなり、生産性が低下する問題がある。
【0007】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、幹線の分岐位置からの支線端末寸法が相違しても1つの電線保持治具で簡単に使い分けができるようにすることを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、ワイヤハーネス組立用の作業台には、電線保持治具の取付位置に取付穴を穿設していると共に近接する複数の取付穴を連通する通路穴を穿設し、該通路穴の幅を上記取付穴直径よりも小寸とする一方、
上記電線保持治具は、支軸の上部に設けた電線保持部と、支軸の中間部に設けると共に上記取付穴に内嵌する直径とした貫通部と、該貫通部の上端に設けた大径の作業台載置部と、貫通部の下端に設けると共に上記通路穴の幅より小径とした移動部と、支軸の下端部に設けたネジ部を備え、
上記電線保持治具の支軸を上記作業台の取付穴に挿通して、作業台より下方に突出する上記移動部の下部に、上記取付穴よりも大径の止め板を通すと共にコイルスプリングを通した後に下端のネジ部にナットを螺着して、上記電線保持治具を作業台に取り付けており、
上記電線保持治具を上方に引っ張って上記コイルスプリングを圧縮しながら移動部を取付穴に位置させ、該移動部を通路穴を通して他の取付穴の位置に移動させ、他の取付穴の位置で上方への引っ張りを止めて電線保持治具を取り付けることが出来る構成したワイヤハーネス組立装置を提供している。
【0009】
上記構成のワイヤハーネ組立装置を用いると、品番に応じて、1つの電線保持治具を立設する取付穴の位置を変えることにより、複数の品番に1つの電線保持治具を使い分けすることができる。
【0010】
また、電線保持治具は上方へ引っ張っると、作業台に穿設した取付穴より通路穴へと移して、通路穴を移動させることができ、所要の取付穴に達すると、上方への引っ張りを停止すると自動的に下降して所要の取付穴より立設することができ、極めて簡単に1つの電線保持治具を所要の取付穴に位置させることができる。
【0011】
上記電線保持治具は、上記支軸の上部に設ける上記電線保持部を別体とし、U形状、Y形状あるいはX形状とした上記電線保持部の下部にネジ棒を突設する一方、上記支軸に上端開口のネジ穴を設けて螺着する構成としている。
【0012】
電線保持治具を支軸と電線保持部を一体型とした場合、構造が簡単であり、特に、従来必要とされた可倒部を不要とできるために、安価に設けることができる。また、電線保持部を支軸と別体として連結する場合には、U形状、Y形状、X形状等の必要な電線保持部を付け変えて用いることができ、汎用性を高めることができる。なお、支線端末用としてはU形状のものが用いられるが、支線から更に枝線が分岐する場合には、Y形状、X形状の電線保持部が好適に用いられる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
なお、実施形態は、前記従来例と同様に、幹線の分岐位置Pから100mmの第1位置P1、150mmの第2位置P2、200mmの第3位置P3の位置に電線保持治具取付穴を設けるものである。
【0014】
ワイヤハーネス組立用の作業台10には、図2(A)に示すように、幹線経路Xに沿った直線上の位置に、分岐位置Pより100mmの第1位置P1に第1取付穴11、150mmの第2位置P2に第2取付穴12、200mmの第3位置P3に第3取付穴13を夫々貫通して設けている。これら第1、第2、第3取付穴11、12、13は同一径としている。また、第1取付穴11と第2取付穴12とを連通する通路穴14と、第2取付穴12と第3取付穴13とを連通する通路穴15とを、経路Lに沿って貫通して設けている。これら通路穴14と15の幅は取付穴の径より小さくしている。
【0015】
図1に示すように、電線保持治具20は、丸棒状の支軸21の上部に設けたU形状の電線保持部22と、支軸21の中間部に段差をつけて大径とすると共に上記取付穴11(12,13)に内嵌する直径とした貫通部23と、該貫通部23の上端に設けた大径の作業台載置部24と、貫通部23の下端に設けると共に上記通路穴14(15)の幅より小径とした移動部25と、支軸21の下端部に設けたネジ部26を備えた構成としている。本実施形態では、電線保持部22は別体とし、U形状の保持部22aの下端より連結ネジ棒22bを突設し、支軸21の上端に開口して設けたネジ穴21aに螺合して連結している。
【0016】
上記電線保持治具20の支軸21は、作業台10の3つの取付穴11、12、13のうちの1つの取付穴(図示の例では第3取付穴13)に挿通し、貫通部23を取付穴13に嵌合し、作業台10より下方に移動部25およびネジ部26を突出させている。この下方突出部分に対して、作業台10の下方から、移動部25に、取付穴13よりも大径の止め板30を通した後、コイルスプリング31を通し、最後に下端のネジ部26にナット32を螺着している。
【0017】
図1(B)に示すように、ナット32により下端を位置決め保持されたコイルスプリング31は止め板30を上方へ付勢し、貫通部23を押し上げて、取付穴13に丁度嵌合させ、貫通部23の上端に位置する作業台載置部24を作業台10の上面に位置させる。このように、取付穴13の上下端縁に作業台載置部24と止め板30が位置することにより、電線保持治具20は作業台10に立設固定される。
【0018】
上記のように、C品番のワイヤハーネス製造時に、電線保持治具20は第3取付穴13の位置に立設されて、支線端末を保持するために使用される。
B品番のワイヤハーネス製造時には、電線保持治具20を第2取付穴12に配置する必要がある。また、A品番のワイヤハーネス製造時には、電線保持治具20を第1取付穴11に配置する必要がある。
【0019】
よって、B品番のワイヤハーネス製造時には、まず、図3(A)に示す第3位置の電線保持治具20の上部を上方へ引っ張る。この引っ張りにより、図3(B)に示すように、コイルスプリング31が圧縮しながら支軸21が上昇し、貫通部23が第3取付穴13から上方へ抜け出る共に小径の移動部25が第3取付穴13に位置し、通路穴15へ移動可能となる。よって、電線保持治具20を上方へ引っ張りながら通路穴15を移動させ、第2取付穴12へ移す。この第2取付孔12に達すると、上方への引っ張りを解くと、図3(D)に示すように、コイルスプリング31の伸びにより、支軸21が下降し、貫通部23が第2取付穴12に内嵌し、作業台10の上下面に作業台載置部24が引っ掛かり、支軸21が停止して、電線保持治具20は第2取付穴12に立設される。
【0020】
なお、第3取付穴13から第1取付穴11へと移動させる時は、電線保持治具20を上方へ引っ張った状態で、通路穴15、第2取付穴12、通路穴14を経て第1取付穴11の位置に電線保持治具20を位置させて、上方への引っ張りを解除するれば良い。第1取付穴11から、第2取付穴12あるいは第3取付穴13へと移動させる時も同様の作業で簡単に電線保持軸の位置を変えることができる。
【0021】
図4は作業台10に設ける取付穴と通路穴の変形例を示す。即ち、上記実施形態では、第1、第2、第3取付穴11、12、13を幹線経路Xと同一直線上に一列に設けているが、この変形例では、直線上に一列に設けず、幹線との分岐位置Pから所定寸法の位置に第1、第2、第3取付穴11、12、13を位置させ、かつ、これら取付穴を傾斜方向の通路穴14、15で互いに連通させれている。
【0022】
図5(A)(B)(C)は電線保持治具20の電線保持部の変形例を示す。図5(A)は支軸21の上部に設けるU形状の電線保持部22を一体物としている。このように、一体物とすると安価に製造でき、かつ、電線保持部22を支軸21に連結する作業手数を省くことができる。
【0023】
図5(B)は支軸21と別体とした電線保持部22をY形状としたものであり、ワイヤハーネスの支線端末より、さらに枝線が分岐する場合に使用しえる。
図5(C)は支軸21と別体とした電線保持部22をX形状としたもので、Y形状の場合と同様に、ワイヤハーネスの支線端末より、さらに枝線が分岐する場合に使用しえる。
このように、支軸21と電線保持部22とを別体とすると、作業台に取り付けた支軸21はそのままとして、適用するワイヤハーネスに分岐形態に適した電線保持部22をつけ変えるだけでよくなる。
【0024】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、ワイヤハーネスの幹線の分岐位置から支線端末までの寸法が品番により相違した場合に、各支線端末位置に夫々取付穴を設けて電線保持治具を取り付けておく必要はなく、これら取付穴を通路穴で連通させて設けておく一方、電線保持治具を上方へ引っ張ると取付穴との固定が解かれて移動可能としているため、通路穴を通して所要の取付穴の位置へ移動させ、該当位置で電線保持治具の上方への引っ張りを解くだけで、電線保持治具の位置を簡単に変えることができる。
【0025】
よって、必要な電線保持治具の個数を低減でき、しかも、電線保持治具に可倒機構を設けておく必要はないため、大幅なコストダウンを図ることができる。さらに、従来のように使用しない電線保持治具を倒しておく必要がないため、そのスペースを作業台上に確保する必要がなくなり、作業台のスペースも有効利用でき、ワイヤハーネス組立作業性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明で用いる電線保持治具と作業台を示す分解斜視図、(B)は組立状態を示す正面図である。
【図2】作業台に設ける取付穴を示す平面図である。
【図3】(A)(B)(C)(D)は電線保持治具の位置を変える作業工程を示す斜視図である。
【図4】作業台に設ける取付穴の変形例を示す平面図である。
【図5】(A)(B)(C)は電線保持治具の電線保持部の変形例を示す図面である。
【図6】従来例を示す斜視図である。
【図7】従来例を示す斜視図である。
【図8】(A)は従来例の作業台の取付穴を示す斜視図、(B)は取付穴へ電線保持治具を取り付ける方法を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 作業台
11 第1取付穴
12 第2取付穴
13 第3取付穴
14、15 通路穴
20 電線保持治具
21 支軸
22 電線保持部
23 貫通部
24 作業台載置部
25 移動部
26 ネジ部
30 止め板
31 コイルスプリング
32 ナット
P 幹線からの分岐位置
Claims (2)
- ワイヤハーネス組立用の作業台には、電線保持治具の取付位置に取付穴を穿設していると共に近接する複数の取付穴を連通する通路穴を穿設し、該通路穴の幅を上記取付穴直径よりも小寸とする一方、
上記電線保持治具は、支軸の上部に設けた電線保持部と、支軸の中間部に設けると共に上記取付穴に内嵌する直径とした貫通部と、該貫通部の上端に設けた大径の作業台載置部と、貫通部の下端に設けると共に上記通路穴の幅より小径とした移動部と、支軸の下端部に設けたネジ部を備え、
上記電線保持治具の支軸を上記作業台の取付穴に挿通して、作業台より下方に突出する上記移動部の下部に、上記取付穴よりも大径の止め板を通すと共にコイルスプリングを通した後に下端のネジ部にナットを螺着して、上記電線保持治具を作業台に取り付けており、
上記電線保持治具を上方に引っ張って上記コイルスプリングを圧縮しながら移動部を取付穴に位置させ、該移動部を通路穴を通して他の取付穴の位置に移動させ、他の取付穴の位置で上方への引っ張りを止めて電線保持治具を取り付けることが出来る構成したワイヤハーネス組立装置。 - 上記電線保持治具は、上記支軸の上部に設ける上記電線保持部を別体とし、U形状、Y形状あるいはX形状とした上記電線保持部の下部にネジ棒を突設する一方、上記支軸に上端開口のネジ穴を設けて螺着する構成としている請求項1に記載のワイヤハーネス組立装置。
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JP30127398A JP3613030B2 (ja) | 1998-10-22 | 1998-10-22 | ワイヤハーネス組立装置 |
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- 1998-10-22 JP JP30127398A patent/JP3613030B2/ja not_active Expired - Fee Related
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