JP3612701B2 - 蛍光x線分析装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、蛍光X線分析装置に関し、特に試料の光学画像と蛍光X線によるマッピング像を求めることができる蛍光X線分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
蛍光X線分析装置は、一次X線を試料に照射し、これに応じて試料から発生する蛍光X線を絞りを通して取り出し、この蛍光X線を分光器によって各元素に対応する波長成分を持つスペクトルに分光し、分光されたX線をX線検出器で検出し、これによって定性分析や定量分析を行う。この蛍光X線分析装置において、一次X線の試料に対する照射位置を移動させながら二次元で蛍光X線を検出することによって蛍光X線の強度分布を求めることができ、さらにこの蛍光X線の強度分布をデータ処理することによって、元素の強度分布や元素の含有量分布等の分布データを求め、元素マッピング等のマッピング像を表示することができる。
【0003】
また、蛍光X線分析装置では、分析位置の抽出や実試料とマッピング像との比較を行うために、試料の画像データを求めるCCDカメラ等の撮像装置を備える場合がある。
従来、撮像装置を設ける構成として、測定部の真空室外に設ける構成、及び真空室内に設ける構成が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
撮像装置を真空室外に設ける構成では、真空室内に配置される試料を真空室に設けたガラス窓を通して撮像するため、試料に対して斜め方向から撮像することになり、鮮明な像を得ることができず、また、マッピング像と光学像との光軸がずれるという問題がある。また、通常、高い測定精度や高い出力信号を得るために、X線管と試料との間を短い距離で接近させて配置しているため、X線管によって試料面が隠れて撮像装置によって試料の全面を撮像することができないという問題がある。
【0005】
他方、撮像装置を真空室内に設ける構成においても、X線管と試料は接近して配置されているため、試料全面を撮像可能な撮像装置の設置位置が得られないという問題がある。また、撮像装置においても、制限された空間内に配置するためにレンズ等の光学系やサイズが制約され、撮像性能が制限されたりコストが上昇するといった問題がある。
【0006】
また、波長分散型蛍光X線装置に場合には、X線管から放出される一次X線の強度が強いため、CCDカメラ等の撮像装置が一次X線によって損傷を受けるという問題がある。
また、試料の測定位置と光学像を得る撮像位置とが異なる場合には、光学像とマッピング像との間に位置ずれが生じるという問題があり、光学像に基づいて分析位置を指定する場合には、指定位置に対して分析位置がずれるという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は前記した従来の問題点を解決し、良好な光学像及びマッピング像を得ることができる蛍光X線分析装置を提供することを目的とする。さらに、詳細には、真空室外で試料の鮮明な画像を撮像することができる蛍光X線分析装置を提供することを目的とし、真空室外において、試料やX線管の配置や撮像装置のサイズに制約されることなく試料全面を撮像することができる蛍光X線分析装置を提供することを目的とし、また、光学像とマッピング像の位置ずれを除去する補正することができる蛍光X線分析装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、試料の撮像する撮像手段を蛍光X線測定部の外部に設け、蛍光X線測定部の外部において試料の光学像を求める構成とすることによって、真空室外で試料の鮮明な画像を撮像し、また、試料やX線管の配置や撮像装置のサイズに制約されることなく試料全面を撮像することができ、良好な光学像及びマッピング像を得る。また、光学像及びマッピング像の測定前に試料の初期位置を定めることによって、光学像とマッピング像の位置合わせを容易なものとする。
【0009】
本発明の蛍光X線分析装置は、試料からの蛍光X線によって試料のマッピング像を得る蛍光X線分析装置において、蛍光X線測定部の外部において試料を撮像する画像測定部と、蛍光X線測定部の内部及び画像測定部において、各部に対して試料の初期位置を定める初期化手段とを備えた構成とする。
上記構成において、蛍光X線測定部の内部及び画像測定部において、初期化手段によって試料の初期位置を定める。この試料位置を初期化した後、光学像及びマッピング像の画像測定を行い、初期化された位置における光学像及びマッピング像の画像データを求める。これによって、光学像及びマッピング像の画像データは共に初期化された位置で求めたデータであるため、両画像データの比較を容易なものとすることができる。
【0010】
初期化手段の一形態は、試料の一部に基準マークに設けると共に、蛍光X線測定部の内部及び画像測定部のそれぞれに基準マークを検出する検出器を設ける。試料位置の初期化は、蛍光X線測定部の内部及び画像測定部のそれぞれの配置場所において、各検出器が基準マークを検出するまで試料の配置位置を移動することによって行う。
初期化手段の他の形態は、試料の一部に基準マークに設けると共に、蛍光X線測定部の内部及び画像測定部のそれぞれに基準マークの位置を検出する位置検出器を設ける。試料位置の初期化は、画像測定部において任意に配置した試料の位置を、位置検出器で基準マークの位置を検出することによって検出しておき、次に、蛍光X線測定部の内部において、位置検出器で検出する基準マークの位置が前記検出位置となるように、試料の配置位置を移動することによって行う。
【0011】
さらに、本発明の蛍光X線分析装置は位置補正手段を備える。位置補正手段は、蛍光X線測定部と画像測定部間の両画像データ間のずれデータを予め備えておき、このずれデータを補正データとして、蛍光X線測定部のマッピング像と画像測定部の光学像間の位置ずれを補正する。これによって、光学像に基づく分析位置の位置決めを正確なものとすることができる。
位置補正手段の一形態は、光学像とマッピング像の画像データ間の補正によって行うものであり、画像測定部の光学像の画像データを予め求めたおいた補正データを用いて補正し、蛍光X線測定部のマッピング像の画像データに対する位置ずれを補正する。位置補正手段の他の形態は、画像測定部の光学像の観察で定めた分析位置を蛍光X線測定部側の試料上で特定する場合であり、光学像の分析位置の位置データに基づいて蛍光X線測定部側の試料を駆動する際に、補正データを用いて駆動量を補正し、蛍光X線測定部側の試料上の分析位置の位置ずれを補正する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の蛍光X線分析装置を説明するための概略図である。蛍光X線分析装置1は、画像測定部2、蛍光X線測定部3、及びデータ処理部4を備える。画像測定部2は大気中において試料の光学像を求め、他方、蛍光X線測定部3は真空室内において試料の蛍光X線分析によってマッピング像を求める。データ処理部4は、画像測定部2で求めた光学像の画像データ4a、及び蛍光X線測定部3で求めたマッピング像のマッピングデータ4bをデータ処理する。
【0013】
本発明の蛍光X線分析装置1は、画像測定部2及び蛍光X線測定部3に試料Sの初期位置を定める初期化手段5、及び蛍光X線測定部のマッピング像と画像測定部の光学像間の位置ずれを補正する位置補正手段6を備える。初期化手段5は、画像測定部2及び蛍光X線測定部3の各部において試料の初期位置を定める手段であり、画像測定部2において初期位置を定めた後に試料の光学像を求め、蛍光X線測定部3において初期位置を定めた後に試料のマッピング像を求める。画像測定部2及び蛍光X線測定部3における各測定を、共に初期位置を定めた後に行うことによって、両測定による測定データ間に一定の関係を与え、容易な対応関係を得ることができる。
【0014】
位置補正手段6は、蛍光X線測定部と画像測定部間の両画像データ間のずれに基づいて補正データを予め求めておく。位置補正の一形態は、画像データ4aを補正データで補正して補正画像データ4cを算出して行う。比較手段7は、マッピングデータ4bと補正画像データ4cとを比較し、表示手段8に表示することができる。また、位置補正の他の形態は、蛍光X線測定部3において、補正データによって分析位置の駆動を補正する。
【0015】
次に、図2を用いて本発明による初期化及び位置補正について説明する。試料Sの一部に予め基準マークMを設け、画像測定部側に該基準マークMを検出する検出器5bを、蛍光X線測定部側に該基準マークMを検出する検出器5Bを設けておく。
はじめに、画像測定部側に試料Sを配置し(図2(a))、検出器5bが基準マークMを検出するまで試料Sの位置を移動させる。図2に示す例では、試料Sの中心を回転中心として回転させ、基準マークMによって回転位置を初期位置に位置決めする例を示しており、初期化によって試料Sは、画像測定部における基準位置に初期化される(図2(b))。なお、基準位置は検出器5bの設置位置で定まることになる。
【0016】
図2(b)の初期化された位置において、試料Sを撮像することによって光学像を得る。光学像を観察することによって分析位置pを選出する。この分析位置pは極座標(r、θ)で表すことができる。該極座標(r、θ)は、例えば回転中心を原点とし、該原点から検出器5b方向を角度θの基準(θ=0)として設定することができる。光学像及び分析位置pは、画像データあるいは座標データとして格納される。
画像測定部側において、初期化とその後の撮像を行った後、試料Sを蛍光X線測定部側に導入する。
【0017】
蛍光X線測定部側に試料Sを導入し(図2(c))、検出器5Bが基準マークMを検出するまで試料Sの位置を移動させる。図2に示す例では、画像測定部と同様に、試料Sの中心を回転中心として回転させ、基準マークMによって回転位置を初期位置に位置決めする例を示している。初期化によって試料Sは、蛍光X線測定部における基準位置に初期化される(図2(d))。なお、基準位置は検出器5Bの設置位置で定まることになる。
【0018】
図2(d)の初期化された位置において、試料Sに対して一次X線を照射して蛍光X線分析を行い、得られた蛍光X線の強度によって元素分布等のマッピング像を得る。光学像とマッピング像の対応は、光学像の画像データとマッピング像のデータとを対比することによって行うことができる。本発明では、光学像とマッピング像は、同一の基準マークMによって初期化を行っているため、データ間の対比は容易に行うことができる。
【0019】
画像測定部の光学像と蛍光X線測定部のマッピング像の各測定データの間に誤差が存在する場合には、そのずれ量を予め求めておき、画像測定部で測定した画像データを該ずれ量に基づいて位置補正(オフセット補正)を行い、これによって、光学像とマッピング像との対応関係を補正する。試料S上の位置を極座標表示する場合には、補正量は例えばオフセット量(Δr,Δθ)で表すことができる。光学像上の分析位置p(r,θ)をこのオフセット量(Δr,Δθ)で位置補正すると、マッピング像上の分析位置P(R(=r+Δr),Θ(=θ+Δθ))を得ることができる。
【0020】
次に、本発明の初期化及び位置補正の他の例について説明する。
図3は本発明の初期化の他の例を説明するための概略図である。この初期化例は、画像測定部で求めたる試料位置に基づいて、蛍光X線測定部において試料位置を定める例である。
本例では、試料Sの一部に前記例と同様に予め基準マークMを設ける一方、画像測定部側には該基準マークMの位置を検出する位置検出器5cを、蛍光X線測定部側には該基準マークMの位置検出する位置検出器5Cを設けておく。なお、ここでは、試料Sを回転させて位置決めするため、位置検出器5c及び位置検出器5Cは角度検出器で構成することができる。
【0021】
はじめに、画像測定部側に試料Sを配置し(図3(a))、位置検出器5cによって基準マークMの位置を検出する。図3に示す例では、試料Sの中心を回転中心として回転させ、基準マークMによって回転位置を初期位置に位置決めする例を示しており、位置検出器5cは例えば初期角度βを測定し、初期角度βによって初期化が行われる(図3(b))。なお、基準位置(基準角度)は位置検出器5cの設置位置で定まることになる。
【0022】
図3(b)の初期化された位置において、前記例と同様に、試料Sを撮像して光学像を得、該光学像を観察することによって分析位置pを選出することができ、光学像及び分析位置pは、画像データあるいは座標データとして格納される。この分析位置pは極座標(r、θ)で表すことができ、該極座標(r、θ)の基準は前記例と同様とすることもあるいは初期角度βを基準とすることもできる。なお、初期角度βは画像測定部と蛍光X線測定部と間の初期化に要する値であり、初期角度βは分析位置pの座標を定める基準とは分離して用いることができる。
【0023】
画像測定部側において、初期化とその後の撮像を行った後、試料Sを蛍光X線測定部側に導入する。
蛍光X線測定部側に試料Sを導入し(図3(c))、位置検出器5Cによる基準マークMの検出位置が初期角度βとなるまで試料Sの位置を移動させる。図3に示す例では、画像測定部と同様に、試料Sの中心を回転中心として回転させ、基準マークMによって回転位置を初期角度βに位置決めする例を示している。初期化によって試料Sは、蛍光X線測定部における基準位置に初期化される(図3(d))。なお、基準位置は位置検出器5Cの設置位置で定まることになる。
図3(d)の初期化された位置において、試料Sに対して一次X線を照射して蛍光X線分析を行い、得られた蛍光X線の強度によって元素分布等のマッピング像を得る(図3(e))。光学像とマッピング像の対応は、光学像の画像データとマッピング像のデータとを対比することによって行うことができる。本例においても前記例と同様に、光学像とマッピング像は同一の基準マークMによる初期角度βで初期化を行っているため、データ間の対比は容易に行うことができる。
なお、図3では、位置検出器は一部の角度範囲を検出する構成としているが、所定角度毎に複数の位置検出器を設ける構成とすることも、あるいは、全角度範囲を検出する位置検出器を設ける構成とすることもできる。
【0024】
また、全角度範囲を検出する位置検出器する場合には、画像測定部で測定した初期角度βを蛍光X線測定部で再現することによる初期化の他、画像測定部及び蛍光X線測定部においてそれぞれ独立して初期角度を測定し、該両初期角度の関係に基づいて画像データと分布データ間の関係を定めることによって、初期化を行うこともできる。
【0025】
図4は本発明の位置補正の他の例を説明するための概略図である。この位置補正例は、画像測定部の光学像の観察で定めた分析位置を蛍光X線測定部側の試料上で特定する例である。
本例では、図2に示す前記例と同様に、画像測定部側で初期化を行って画像データを求めた後(図4(b))、試料Sを蛍光X線測定部内に導入し(図4(c))、蛍光X線測定部側で初期化を行う(図4(d))。ここで、画像測定部の光学像の観察で定めた分析位置p(r,θ)を蛍光X線測定部側の試料上において分布位置P(r,θ)で特定する。この蛍光X線測定部側において分析位置を特定する際、試料Sを駆動する駆動量を予め求めておいた補正データに基づいて補正し、この補正駆動量によって試料Sを駆動する。
【0026】
次に、本発明の蛍光X線分析装置の一構成例について説明する。図5は、本発明の蛍光X線分析装置の構成例を説明するための概略図である。
本発明の蛍光X線分析装置1は、画像測定部2、蛍光X線測定部3、データ処理部4、初期化手段5を備える。画像測定部2は、例えばCCDカメラ等の撮像手段2aを備え、蛍光X線測定部3の真空室の外側の大気中に配置され、試料導入位置Tにおいて試料Sの光学像を測定する。なお、撮像手段2aはCCDカメラに限らず任意の画像データを得る手段を用いることができる。
【0027】
蛍光X線測定部3は、真空室内に配置され、図示しないX線発生装置で駆動されるX線管3aから一次X線を試料Sに照射し、これに応じて試料Sから発生する蛍光X線を図示しない絞りやソーラースリット3bを通して平行ビームとして取り出し、この蛍光X線を分光結晶3cによって各元素に対応する波長成分をもつスペクトルに分光し、分光された蛍光X線をソーラースリット3dを通して検出器3eで検出する。
検出器3eで検出したスペクトルの強度信号は、リニアアンプ、パルスハイトアナライザー、スケーラ等を含む測定部9を経てデータ処理部4に送る。データ処理部4は、定性分析や定量分析等の分析処理の他、蛍光X線のX線強度分布データや、元素の強度分布データや元素の含有量分布データを求めるデータ処理を行う。また、本発明の初期化や位置補正は、データ処理内あるいは外部に備えるいはマイクロコンピュータ等の制御手段によって行う。
【0028】
初期化手段5は、画像測定部2側に設ける初期化機構5aと蛍光X線測定部3側に設ける初期化機構5Aを備える。初期化機構5aは画像測定部2側の初期化位置Uにおいて試料Sを初期化し、初期化した後に試料導入位置Tにおいて試料の光学像を得る。また、初期化機構5Aは蛍光X線測定部3側の初期化位置Vにおいて試料Sを初期化し、初期化した後に測定位置Wにおいて試料を分析しマッピング像を得る。
画像測定部2側の初期化機構5aは、試料Sに設けた基準マークMを検出する検出器5b(あるいは位置検出を行う位置検出器5c)、及び試料Sを回転移動及び直線移動する駆動機構を備え、回転移動によって検出器5b(あるいは位置検出器5c)に対して試料Sを移動し、また、直線移動によって試料導入位置Tと初期化位置Uとの間において試料Sを移動する。
【0029】
他方、蛍光X線測定部3の初期化機構5Aは、試料Sに設けた基準マークMを検出する検出器5B(あるいは位置検出を行う位置検出器5C)、及び試料Sを回転移動及び直線移動する駆動機構を備え、回転移動によって検出器5B(あるいは位置検出器5C)に対して試料Sを移動し、また、直線移動によって初期化位置Vと測定位置Wとの間において試料Sを移動する。
【0030】
次に、上記構成の蛍光X線分析装置による動作例を図6のフローチャートを用いて説明する。
はじめに、試料Sを画像測定部2側の試料導入位置Tに配置し(ステップS1)、初期化機構の直線移動によって試料Sを下降した初期化位置Uに移動する(ステップS2)。初期化位置Uにおいて、初期化機構の回転移動によって試料Sを回転させ、検出器5bによって試料Sに設けた基準マークMを検出する(あるいは、位置検出器5cによって試料Sに設けた基準マークMの位置検出を行う)ことによって、試料Sの画像測定部2に対する位置を定めて初期化を行う(ステップS3)。初期化の後、初期化機構の直線移動によって試料Sを上昇させて初期化位置Uから試料導入位置Tに戻す(ステップS4)。試料導入位置Tにおいて、撮像手段2aによって試料Sを撮像して光学像を求め(ステップS5)、画像データを格納する(ステップS6)。
【0031】
次に、試料を蛍光X線測定部3の真空室内の初期化位置Vに導入する(ステップS7)。試料Sを真空室内に導入した後、真空室内を真空排気する(ステップS8)。蛍光X線測定部3側の初期化機構5Aは、初期化位置Vにおいて、初期化機構の回転移動によって試料Sを回転させ、検出器5Bによって試料Sに設けた基準マークMを検出する(あるいは、位置検出器5Cによって試料Sに設けた基準マークMの位置検出を行う)ことによって、試料Sの蛍光X線測定部3に対する位置を定めて初期化を行う(ステップS9)。初期化の後、初期化機構の直線移動によって試料Sを上昇させて初期化位置Vから測定位置Wに移動する(ステップS10)。
【0032】
次に、画像データに対するデータ補正を行うか、あるいは分析位置への駆動における位置補正を行うか判定する(ステップS11)。画像データに対するデータ補正を行う場合には、測定位置Wにおいて蛍光X線分析を行って(ステップS12)、試料のマッピング像の分布データを求めて格納する(ステップS13)。予め求めておいた補正データ(オフセット量)を読み出し、画像データを該補正データで補正し補正画像データを求める(ステップS14)。補正画像データとマッピング像の分布データを対比し比較する(ステップS15)。
【0033】
また、蛍光X線測定部3において分析位置に再現する場合には、光学像を観察して分析位置を選定して画像データから該分析位置に位置データを求め(ステップS16)。次に、予め求めておいた補正データ(オフセット量)を読み出し、位置データを該補正データで補正し補正位置データを求める(ステップS17)。補正位置データを用いて試料Sを駆動して分析位置を位置決めする(ステップS8)。分析位置において蛍光X線分析を行い(ステップS19)、試料の分析データを求めて格納する(ステップS20)。
さらに他の分析位置において分析を行う場合には(ステップS21)、ステップS16〜ステップS20を繰り返す。
【0034】
補正データは、試料の中心位置や回転方向等の位置ずれが評価しやすい標準試料を予め用意し、該標準試料を用いて実測することによって求めることができる。図7は補正データを求める手順を説明するためのフローチャートである。
上記標準試料について、前記ステップS1〜ステップS10,ステップS12,13と同様の手順によって、初期化した後、光学像及びマッピング像を求める(ステップJ1〜ステップJ12)。求めた光学像とマッピング像を比較し、中心位置の位置ずれ、及び回転方向等の位置ずれを求め、該位置ずれから補正データを求める(ステップJ13)。
【0035】
なお、補正データの測定は、標準試料を用いる他に、測定対象の試料について初回の測定時に行うこともできる。
なお、試料導入位置Tと初期化位置Uとの間、及び初期化位置Vと測定位置Wとの間の移動は、直線移動に限らず回転移動あるいはこれらの組み合わせとすることもできる。
また、前記した各例では、光学像及びマッピング像上に位置を極座標で表し、該極座標に基づいて径方向及び周方向に移動させる駆動機構を備えた構成としているが、光学像及びマッピング像上に位置をX,Y座標で表し、該X,Y座標に基づいて平面上の2方向に移動させる駆動機構を備えた構成とすることもできる。また、蛍光X線分析は、例示した平行法の他に集中法によることもできる。
【0036】
本発明の実施の形態によれば、CCDカメラ等の撮像手段を大気中に設置した状態で試料の光学像を得ることができ、真空室内に配置される試料をガラス板などを通して撮像する場合と比較して鮮明な画像を得ることができる。また、撮像方向と蛍光X線の分析方向とを合わせることもできる。
また、試料と撮像手段との距離を任意に定めることができるため、試料全面を撮像することができ、撮像手段のレンズやサイズによる制約が少なく、コストや性能面で従来と比較して有利である。
また、撮像手段を大気中に設置することによって、一次X線による損傷を防ぐことができる。
また、本発明の実施の形態によれば光学像とマッピング像のずれを実測データを基に補正することができる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の蛍光X線分析装置によれば、良好な光学像及びマッピング像を得ることができる。さらに、詳細には、真空室外で試料の鮮明な画像を撮像することができ、真空室外において試料やX線管の配置や撮像装置のサイズに制約されることなく試料全面を撮像することができ、また、光学像とマッピング像の位置ずれを除去する補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蛍光X線分析装置を説明するための概略図である。
【図2】本発明による初期化及び位置補正を説明するための図である。
【図3】本発明の初期化の他の例を説明するための概略図である。
【図4】本発明の位置補正の他の例を説明するための概略図である。
【図5】本発明の蛍光X線分析装置の構成例を説明するための概略図である。
【図6】本発明の蛍光X線分析装置による動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】本発明の蛍光X線分析装置において補正データを求める手順を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1…蛍光X線分析装置、2…画像測定部、2a…撮像手段、3…蛍光X線測定部、3a…X線管、3b,3d…ソーラースリット、3c…分光結晶、3e…検出器、4…データ処理部、4a…画像データ、4b…マッピングデータ、4c…補正画像データ、5…初期化手段、5a,5A…初期化機構、5b,5B…検出器、5c,5C…位置検出器、6…位置補正手段、7…比較手段、8…表示手段、M…基準マーク、p,P…分析位置、S…試料 T…試料導入位置、U,V…初期化位置、W…分析位置、β…初期角度。
Claims (1)
- 試料からの蛍光X線によって試料のマッピング像を得る蛍光X線分析装置において、
蛍光X線測定部の外部において試料を撮像する画像測定部と、
蛍光X線測定部の内部及び画像測定部の双方において試料の初期位置を定める初期化手段を備え、
画像測定部側の初期化手段は、初期位置における試料と画像測定部側の基準位置とのずれ量を求め、
蛍光X線測定部側の初期化手段は、試料と蛍光X線測定部側の基準位置とのずれ量が画像測定部側の初期化手段で求めたずれ量と同じとなる位置に試料を移動させて初期位置に位置決めし、
前記画像測定部及び蛍光X線測定部は、各初期位置において光学像及びマッピング像の画像データを得ることを特徴とする蛍光X線分析装置。
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