JP3612017B2 - Active matrix display device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低温工程で効率良くドーピングその他の化学的、物理的処理を行う技術に関するものである。またアクティブマトリクス型の表示装置の画素に設けられる薄膜トランジスタと画素電極の接続構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ドーピングを行う技術として、熱拡散法やイオン打ち込み法が知られている。熱拡散法は1000度〜1200度という高温雰囲気中で不純物を半導体中に拡散させる方法であり、イオン打ち込み法はイオン化した不純物を電界で加速し所定の場所に打ち込む方法である。
【0003】
しかしながら、不純物の拡散係数DはD=D0exp[−Ea / kT] で示されるように絶対温度Tに対し指数関数的に依存する。ここでD0 はT=∞における拡散係数であり、Ea は活性エネルギーであり、kはボルツマン係数である。従って、不純物を半導体中へ効率良く拡散させるためには出来るだけ高温で行うのが望ましく熱拡散法では1000度以上の高温工程で行うのが一般的であった。またイオン打ち込み法では、不純物の活性化と欠陥の回復のために600度〜950度の温度での後熱処理工程が必要であった。
【0004】
近年ガラス基板上に設けられたTFT(薄膜トランジスタ)を画素のスイッチング素子として用いたアクティブマトリックス型の液晶表示装置が一部実用化されているが、これらはTFTのソース,ドレイン領域をオーミックコンタクトに一導電型の非晶質珪素で形成しているのが一般的である。また、TFTの構造として逆スタガー型の形式をとっており構造的な問題から寄生容量を発生しやすかった。そこで、ソース,ドレイン領域を自己整合的(セルフアライン)に形成するTFTを用いることが検討されているが、ソース,ドレイン領域を自己整合的に形成するためには、イオン打ち込み法やイオンシャワー法を用いなければならなかった。しかしこれらの方法は前述のように不純物の活性化と欠陥の回復のために600度〜950度の温度での後熱処理工程が必要であり、一般の安価なガラス基板の耐熱温度が、600度〜700度であることを考えると、工業的に用いることが困難であった。
【0005】
このようなガラス基板に与える熱ダメージの問題を解決する方法として、レーザー光の照射によるドーピング技術が知られている。この方法の一つとしては、ドーピングを行おうとする半導体表面に不純物の薄膜を形成し、レーザー光の照射によってこの不純物の薄膜と半導体表面を溶融させ、不純物を溶かし込む方法がある。
【0006】
上記のエキシマレーザー光の照射によってドーピングを行う方法は、ガラス基板に熱ダメージを与えないので、熱ダメージによる欠陥の発生を抑えることができるという利点を有するが、不純物の被膜を形成する工程を経る必要があった。従来、この被膜形成にはスピンコート法等の塗布法が利用されていた。しかしながら、この工程において、被膜の厚さの均一性が良くないと、不純物のドーピング濃度が異なるので、理想的な方法ではなかった。さらに、この被膜は通常、有機溶剤を溶媒として形成されたが、その場合には半導体中に炭素や酸素、窒素等の望ましくない元素が入り、特性を劣化させることがあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のレーザー光、特にエキシマレーザー光を用いたドーピング技術において、問題となった、工程の複雑化、および異元素の侵入という課題を鑑みてなされたものである。本発明は、したがって、液相あるいは固相のドーピング材を用いずに、気相の純度の高いドーピングガスを用いてドーピングを行おうとするものであり、よって、工程の簡略化と異元素の侵入の防止を目的とするものである。さらに、ドーピング効率を高めることも発明の課題とする。
さらに、本発明は、半導体材料に対するドーピング以外にも、多種多様な材料(絶縁体、導電体)およびそれらの表面に対するドーピングならびにそれに付随する材料およびその表面の改良をおこなうことを課題とする。例えば、酸化珪素被膜中へのリンのドーピング等である。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するために、一導電型を付与する不純物を含む高純度の反応性気体雰囲気中で、試料半導体表面に対してレーザー光を照射することによって、前記一導電型を付与する不純物を前記試料半導体中にドーピングする方法である。しかしながら、本発明人の知見によると、試料半導体が室温のごとき低温であれば、元素の拡散が十分でなかった。
【0009】
そこで、本発明の1つは、前記レーザー照射時に、試料を加熱し、少なくとも200℃以上の温度に保つことによって、不純物元素の拡散を促進せしめ、また、高濃度の不純物ドープをおこなおうとするものである。基板の加熱温度は半導体の種類によって異なるが、ポリシリコン(多結晶シリコン)、セミアモルファスシリコンにおいては、250〜500℃、好ましくは300〜400℃が好適である。
【0010】
このように試料を加熱してレーザーを照射すると、不純物が拡散しやすくなるだけでなく、レーザーの照射によって一時的に結晶性が低下した半導体が、熱的に十分な緩和時間を与えられるので、結晶性を回復しやすい。レーザー照射は、特にパルスレーザーの照射においては、試料が適当な温度に加熱されていない場合には、典型的な急加熱、急冷であるので、半導体はアモルファス状態を呈しやすい。すなわち、瞬間的に1000℃以上にまで加熱されるが、数100nsec後には室温にまで低下する。もし、試料がシリコンとして上述の範囲で加熱されていた場合には、シリコンの結晶化温度の下限である500℃付近にまで温度が降下するのに要する時間が、室温の場合の10倍以上と算出される。この段階でレーザーの照射時間がある一定の時間以上継続した場合にはシリコンが溶融し、不純物は融液の対流によって内部に浸透する。また、パルスが一定の時間以上継続しない場合には、シリコンは固相的に結晶化し、いわゆるセミアモルファスとなるが、そのときには不純物は固相的に内部に拡散する。
【0011】
温度が余りに高いことは望ましくない。なぜならば、高温では反応性ガス自体が分解し、試料だけでなく、そのホルダーなどにも付着し、ガスの利用効率が低下するからである。
【0012】
また、半導体の結晶化温度以上の高温に保つことも望ましくない。特にこれは多結晶半導体やアモルファス半導体、セミアモルファス半導体のような欠陥の多い半導体においては望ましくない。結晶性の半導体に対し結晶化温度以上の温度で加熱を行いながらドーピングを行なうと、準位の発生に起因する価電子制御の困難性の問題が生じるからである。アモルファスシリコンが、熱的にポリシリコンに変化するのは500〜550℃と言われているので、この温度以下、好ましくはその100℃以下(すなわち400〜450℃、あるいはそれ以下)でおこなうことが望まれる。また、アモルファスシリコンを用いたTFT(a−Si:TFTといわれる)において、本発明の構成を用いた場合、a−Si:TFTを350度以上の温度に加熱すると、素子が破壊してしまうので、この場合は350度以下の温度で加熱を行うのが適当である。これらのことは他の半導体についても同様である。
【0013】
本発明の他の1つは、上記のレーザー光、特にエキシマレーザー光を用いた気相からのドーピング技術において、異なるドーピングガスを用いて複数のドーピングを行おうとする場合、単一のレーザー光では、ドーピングガスの吸光特性が異なり、ガスの種類によって分解特性が異なることによるドーピング効率の低下を課題とし、これを解決するためのものである。そのために、一導電型を付与する不純物を含む反応性気体雰囲気中で、レーザー照射時に、前記反応性気体を分解するために電磁エネルギーが加えるという構成をとるものである。この際に、さらに、レーザー光を照射する際、同時に試料であるドーピングを行おうとする半導体を前記第1の発明と同じように、適当な温度で加熱すると一層、ドーピング効率を高めることができる。
【0014】
本発明における一導電型を付与する不純物とは、半導体として珪素半導体(シリコン)を用いた場合において、P型を付与するのであれば、3価の不純物、代表的にはであるB(ボロン)等を用いることができ、N型を付与するのであれば、5価の不純物、代表的にはP(リン)やAs(砒素)等を用いることができる。そしてこれらの不純物を含む反応性気体としてAsH3 ,PH3 ,BF3 ,BCl3 ,B(CH3 )3 等を用いることができる。
【0015】
半導体としては、TFTを作製するのであれば、気相成長法やスパッタ法等によって成膜した非晶質シリコン半導体薄膜が一般的には用いられる。また、液相成長によって作製した多結晶または単結晶のシリコン半導体でも本発明が適用できる。さらに、シリコン半導体に限定されず、他の半導体であってもよいことはいうまでもない。
【0016】
レーザー光としては、パルス発振型のエキシマレーザー装置を用いることが有用である。これは、パルス発振レーザーでは、試料の加熱が瞬間的で、しかも表面だけに限定され、基板に影響を与えないからである。レーザーによる加熱は、局所的であるがゆえ、連続発振レーザー(アルゴンイオンレーザー等)においては、加熱部分と基板との熱膨張の著しい違いなどによって、加熱部分が剥離してしまうことがある。この点、パルスレーザーでは、熱緩和時間は、熱膨張のような機械的応力の反応時間に比べて圧倒的に小さく、機械的なダメージを与えない。もちろん、基板の不純物が熱拡散することもほとんどない。
【0017】
特に、エキシマーレーザー光は、紫外光であり、シリコンを初めとする多くの半導体に効率良く吸収される上、パルスの持続時間は10nsecと短い。また、エキシマーレーザーは既に、アモルファスシリコン薄膜をレーザー照射によって結晶化させて、結晶性の高い多結晶シリコン薄膜を得るという実験に使用された実績がある。具体的なレーザーの種類としては、ArFエキシマレーザー(波長193nm)、XeClエキシマレーザー(波長308nm)、XeFエキシマレーザー(波長351nm)、KrFエキシマレーザー(248nm)等を用いることが適当である。
【0018】
本発明の構成において、基板を加熱する手段としては、ホルダーにじかにニクロム線やカンタル線、その他の発熱体を組み込んだ伝導型のものを使用してもよいが、赤外線ランプその他の放射型のものを利用してもよい。しかしながら、基板温度は不純物ドーピング濃度や深さに大きな影響を与えるので、その制御は精密におこなうことが望まれる。したがって、試料には熱電対等の温度センサーが不可欠である。
【0019】
本発明の構成において、ドーピング用の反応性気体(ドーピングガスという)を分解するために加えられる電磁エネルギーとしては、13.56MHzの高周波エネルギーが一般的である。この電磁エネルギーによるドーピングガスの分解によって、ドーピングガスを直接分解できないレーザー光を用いた場合でも効率よくドーピングを行うことができる。電磁エネルギーの種類としては、13.56MHzの周波数に限定されるものではなく、例えば2.45GHzのマイクロ波を用いるとさらに高い活性化率を得ることができる。さらに2.45GHzのマイクロ波と875ガウスの磁場との相互作用で生じるECR条件を用いてもよい。また、ドーピングガスを直接分解できる光エネルギーを用いることも有効である。
【0020】
以上の記述では、半導体中のドーピング技術に関して述べたが、本発明はそれに限らず、幅広い応用が可能である。例えば、金属中に、その表面の特定の厚さの部分に、表面材質を向上させるような微量元素を数%添加する場合にも本発明を使用することが出来る。例えば、鉄の表面に、アンモニア中で本発明を実施し、窒素をドーピングし、表面の数〜数100nmを窒化鉄としてもよい。
【0021】
あるいは、酸化物においても本発明を実施し、効果を得ることができる。例えば、ビスマス系酸化物高温超伝導体薄膜に塩化鉛蒸気中で本発明を実施し、鉛を含有せしめることによって超伝導臨界温度をあげることも可能である。従来、ビスマス系酸化物高温超伝導体には、いくつかの種類が存在することが知られ、最高の臨界温度は110K程度であった。しかし、臨界温度が100Kを越える相は得ることが困難であった。鉛を添加すると100Kを越える相が容易に得られることが知られていたが、薄膜作製過程においては、基板加熱の影響で鉛は外部に蒸散してしまう傾向があった。しかしながら、本発明は非熱平衡反応であるので、鉛を有効に薄膜形成材料に取り込むことが出来る。同様に、近年、半導体集積回路、特に半導体メモリーの機能性材料として注目され、鉛を含有する強誘電体であるPZT(鉛ジルコニアチタン酸化物)に適用することもできる。
【0022】
また、酸化珪素のごとき絶縁物においても、微量不純物を添加する際に使用することが出来る。酸化珪素には、既に半導体プロセスで使用されているように、燐を数%程度含有させてリンガラスとすることがよくおこなわれる。もちろん、本発明を使用して酸化珪素に燐を含有させることも可能である。例えば、1×1020〜3×1020cm−3の濃度でりんを拡散してやればよい。
【0023】
このリンガラスは半導体内部に外部からナトリウム等の可動イオンが侵入することを防止することで知られている。従来は、リンガラス(PSG)専用のCVDチャンバーによって成膜していたが、専用の装置を用意しなければならないのでコストがかかる。本発明を利用した場合には、レーザードーピング装置を半導体の不純物ドープ用とリンガラス形成用に共用できるうえ、酸化珪素の成膜装置は、他の用途にも広く使用できるので、全体的なコストを上げることとはならず、経済的である。
【0024】
特に、本発明を実施することは各種有機シラン(テトラ・エトキシ・シラン(TEOS)等)を材料として比較的低温(600℃以下)で形成された酸化珪素膜の特性を向上せしめるうえで有効であった。すなわち、このような被膜においては、原料中の炭素が多く含まれており、絶縁特性が悪く、また、これをMOS構造等の絶縁膜として使用する場合には、トラップ準位があまりにも多く、良好な材料ではなかった。
【0025】
しかしながら、本発明によって燐のレーザードーピングをおこなうとレーザー照射の加熱によって、これら炭素が膜から除去され、トラップ準位が著しく減少し、絶縁特性も向上する。既に説明したように、レーザードーピングの際に基板温度を変えることによって不純物の深さ方向の分布を制御することが出来る。したがって、酸化珪素膜中に深く燐を分布させるには基板温度を200℃以上、好ましくは350〜450℃に保ち、また、深さ100nm以下にのみ分布させるには基板を室温あるいはそれ以下に保てばよい。
【0026】
また、レーザードーピングの際に、下地にアモルファスのシリコン等の半導体材料が存在する場合には、同時にこれらの半導体材料もアニールされて結晶性が向上する。すなわち、酸化珪素膜は、紫外線に対して吸収率が小さく、レーザー光の多くの部分がその下の半導体材料に吸収されるからである。したがって、2つの工程を同時に進めることができ、量産性の向上に有効である。
【0027】
本発明の装置の概念図を図5および図6に示す。図5は基板加熱装置を具備しただけのもの、図6は、それに加えてプラズマを発生させる為の電磁装置をも具備したものを示している。これらの図面は概念的なものであるので、当然のことながら、実際の装置においては、必要に応じてその他の部品を具備することがある。以下、その使用方法について概説する。
【0028】
図5において、試料24は試料ホルダー25上に設置される。最初に、チャンバー21は排気装置に接続した排気系27によって真空排気される。この場合には、できるだけ高真空に排気することが望まれる。すなわち、大気成分である炭素や窒素、酸素は半導体にとっては一般に好ましくないからである。このような元素は、半導体中に取り込まれるが、同時に添加された不純物の活性度を低下させることがある。また、半導体の結晶性を損ない、粒界における不対結合手の原因となる。したがって、10−6torr以下、好ましくは10−8torr以下にまでチャンバー内を真空引きすることが望まれる。
【0029】
また、排気と前後してヒーター26を作動させ、チャンバー内部に吸着した大気成分を追い出すことも望ましい。現在の真空装置において使用されているように、チャンバー以外に予備室を設け、チャンバーが直接、大気に触れないような構造とすることも望ましい。当然のことながら、ロータリーポンプや油拡散ポンプに比べて、炭素等の汚染の少ないターボ分子ポンプやクライオポンプを用いることが望ましい。
【0030】
十分に排気されたら、反応性ガスをガス系28によって、チャンバー内に導入する。反応性ガスは、単独のガスからなっていても、あるいは水素やアルゴン、ヘリウム、ネオン等で希釈されていてもよい。また、その圧力は大気圧でも、それ以下でもよい。これらは、目的とする半導体の種類と、不純物濃度、不純物領域の深さ、基板温度等を考慮して選択される。
【0031】
次に窓22を通して、レーザー光23が試料に照射される。このとき、試料はヒーターによって、一定の温度に加熱されている。レーザー光は、1か所に付き通常5〜50パルス程度照射される。レーザーパルスのエネルギーのばらつきは十分に大きく、したがって、あまりパルス数がすくない場合には不良発生の確率が大きい。一方、あまりにも多くのパルスを1か所に照射することは量産性(スループット)の面から望ましくない。本発明人の知見では、上記のパルス数が量産性からも、歩留りの点からも妥当であった。
【0032】
この場合、例えばレーザーのパルスが10mm(x方向)×30mm(y方向)の特定の長方形の形状をしていた場合に、同じ領域にレーザーパルスを10パルスを照射し、終了後は、次の部分に移動するという方法でもよいが、レーザーを1パルスにつき、x方向に1mmづつ移動させていってもよい。
【0033】
レーザー照射が終了したら、チャンバー内を真空排気し、試料を室温まで冷却して、試料を取り出す。このように、本発明では、ドーピングの工程は極めて簡単であり、かつ、高速である。すなわち、従来のイオン注入プロセスであれば、
(1)ドーピングパターンの形成(レジスト塗布、露光、現像)
(2)イオン注入(あるいはイオンドーピング)
(3)再結晶化
という3工程が必要であり、また、従来のレーザー照射による固相拡散でも、
(1)ドーピングパターンの形成(レジスト塗布、露光、現像)
(2)不純物被膜形成(スピンコーティング他)
(3)レーザー照射
という、やはり3工程が必要であった。しかしながら、本発明では、
(1)ドーピングパターンの形成(レジスト塗布、露光、現像)
(2)レーザー照射
という2工程で完了する。
【0034】
図6の装置においても、図5の場合とほぼ同じである。最初にチャンバー31内を排気系37によって真空排気し、ガス系38より反応性ガスを導入する。そして、試料ホルダー35上の試料34に対して、窓32を通して、レーザー光33を照射する。そのときには高周波もしくは交流(あるいは直流)電源40から、電極39に電力を投入し、チャンバー内部にプラズマ等を発生させて、反応性ガスを活性な状態とする。図では電極は容量結合型に示されているが、誘導(インダクタンス)結合型であってもよい。さらに、容量結合型であっても、試料ホルダーを一方の電極として用いてもよい。また、レーザー照射時には、ヒーター36によって試料を加熱してもよい。
以下に実施例を示し、より詳細に本発明を説明する。
【0035】
【実施例】
〔実施例1〕 本実施例は、ガラス基板上に設けられたNチャネル薄膜型絶縁ゲイト電界効果トランジスタ(以下NTFTと記す)の作製に本発明の構成であるドーピング法を適用した例である。本実施例においては、基板としてガラス基板また石英基板を用いた。これは、本実施例において作製するTFTがアクィブマトリックス型の液晶表示装置またはイージセンサのスイッチング素子や駆動素子として用いることを意図しているからである。もちろん、他の半導体装置、例えば、光電変換装置のP型半導体層やN型半導体層の形成、さらには単結晶半導体集積回路を作製する際のドーピング技術として本発明の構成を適用してもよい。よって基板としては、珪素または他の半導体の単結晶または多結晶のものを用いてもよいし、他の絶縁体をもちいてもよい。
【0036】
まず、図1において、基板であるガラス基板11上にSiO2 膜または窒化珪素膜を下地保護膜12として形成する。本実施例においては、酸素100%雰囲気中におけるRFスパッタリングによってSiO2 膜12を200nm成膜した。成膜条件は、以下の通り。
O2 流量 50sccm
圧力 0.5pa
RF電力 500W
基板温度 150度
【0037】
つぎに、プラズマCVD法によって真性または実質的に真性(人為的に不純物を添加していないという意味)の水素化非晶質珪素半導体層13を100nmの厚さに形成する。この水素化非晶質珪素半導体層13は、チャネル形成領域並びにソース,ドレイン領域を構成する半導体層となる。成膜条件は、以下の通り。
雰囲気 シラン(SiH4 )100%
成膜温度 160度(基板温度)
成膜圧力 0.05Torr
投入パワー 20W(13.56MHz)
【0038】
なお、本実施例においては、非晶質珪素の成膜原料ガスとしてシランを用いているが、熱結晶化によって非晶質珪素を多結晶化させる場合には、結晶化温度を下げるためにジシラン、またはトリシランを用いてもよい。
【0039】
成膜雰囲気をシラン100%で行うのは、一般に行われる水素で希釈されたシラン雰囲気中で成膜した非晶質珪素膜に比較して、シラン100%雰囲気中で成膜した非晶質珪素膜は、結晶化し易いという実験結果に基づくものである。また、成膜温度が低いのは、成膜された非晶質珪素膜中に水素を多量に含ませ、できうる限り珪素の結合手を水素で中和するためである。
【0040】
また、高周波エネルギー(13.56MHz)の投入パワーが20Wと低いのは、成膜時において珪素のクラスタすなわち結晶性を有する部分が生じることを極力防ぐためである。これも、非晶質珪素膜中において少しでも結晶性を有していると、後のレーザー照射時における結晶化に悪影響を与えるという実験事実に基づくものである。
【0041】
つぎに、デバイス分離パターニングを行い図1の形状を得た。そして、試料を真空中(10−6Torr以下)で、450度、1時間加熱し、水素出しを徹底的に行い、膜中のダングリングボンドを高密度で生成させた。
【0042】
さらに、試料を図5に示すレーザー照射装置に移し、エキシマレーザーを照射し、試料の多結晶化を行った。この工程は、KrFエキシマレーザー(波長248nm)を用いた。条件は以下の通り。
レーザー照射エネルギー密度 350 mJ/cm2
パルス数 1〜10ショット
基板温度 400度
レーザー照射後、水素減圧雰囲気中(約1Torr)において、100度まて降温させた。
【0043】
なお、本実施例においてはレーザー光の照射による非晶質珪素膜の結晶化を示したが、これを加熱による工程に置き換えてもよいことはいうまでもない。この加熱工程とは、ガラスの耐熱温度以下の温度である450度〜700度程度(一般には600度)の温度で6時間〜96時間加熱を行い、ガラス基板上に設けられた非晶質珪素半導体膜を結晶化させる工程をいう。
【0044】
図5において、21は真空チャンバー、22は真空チャンバー21の外部からレーザーを照射すための石英(特にエキシマーレーザーの場合には、無水石英が好ましい)窓、23はレーザーが照射された場合におけるレーザー光、24は試料(サンプル)、25はサンプルホルダー、26は試料加熱用のヒーター、27は排気系、28は原料ガスや不活性ガスさらにはキャリアガスの導入系であり、図には一つしか示されていないが実際には複数設けられているものである。また、排気系には、低真空用にロータリーポンプを高真空用にターボ分子ポンプを用い、チャンバー内の不純物(特に酸素)の残留濃度を極力少なくするように努めた。排気能力に関しては10−6torr以下、好ましくは10−8torr以下とする。
【0045】
図5の真空チャンバーを用いてエキシマレーザーによる結晶化を行った後、RFスパッタ法を用いてゲイト絶縁膜となるSiO2 膜14を100nm成膜し、図2の形状を得た。そしてゲイト電極15となる非晶質珪素半導体層または多結晶珪素半導体層(厚さ150nm)をN型の導電型とするためにP(リン)を添加して設けた。この後ゲイト領域をパターニングによって形成し、図3の形状を得た。ゲイト電極としては、これ以外にも、アルミニウムやクロム、タンタル等の金属材料を用いてもよい。さらに、アルミニウムやタンタルを用いる場合には、その表面を陽極酸化しておくと、後のレーザー照射の際にもゲイト電極にダメージが及ばない。ゲイト電極に陽極酸化をおこなったプレーナー型TFTについては、特願平3−237100あるいは同3−238713に記述されているので、ここでは詳述しない。
【0046】
ここで、再び図5に示す装置を用いて本発明の構成であるレーザー光による不純物のドーピングを行う。図5に示す装置において、PH3 雰囲気下で、試料(図3の形状を有している)を加熱し、レーザー光を照射してP(リン)のドーピングを行った。この時、ソース,ドレイン領域(図4に示す131,133)にはPがドーピングされるのでN型化する。これに対してチャネル形成領域(図4に示す132)にはゲイト絶縁膜14とゲイト電極15がマスクとなりレーザーが照射されず、その部分の温度が上昇しないので、ドーピングが行われない。
ドーピング条件は以下の通り。
雰囲気 PH3 5%濃度(H2 希釈)
試料温度 350度
圧力 0.02〜1.00Torr
レーザー KrFエキシマレーザー(波長248nm)
エネルギー密度 150〜350mJ/cm2
パルス数 10ショット
【0047】
上記ソース,ドレイン領域形成の後、図4に示すようにRFスパッタ法によって絶縁膜としてSiO2 膜16を100nmの厚さに成膜した。成膜条件は、ゲイト酸化膜の作製方法と同一である。
【0048】
その後、コンタクト用の穴開けパターニングを行い、さらに電極となるアルミを蒸着してソース電極17とドレイン電極18を形成し、さらに水素雰囲気中において350度の温度で水素熱アニールを行うことによって、NTFTを完成した。同様に、雰囲気をB2 H6 とすることによってPチャネル型TFT(PTFT)も形成することができた。
【0049】
特に、本発明の効果を比較する為に、レーザー照射時に試料を加熱しないで、全く同じ強度のレーザーを照射したが、図9(b)に示すように、試料加熱がない場合には、不純物濃度も1桁以上少なく、また、不純物の分布も表面近傍に限られていた。一方、本実施例において、試料を350℃に加熱してレーザー照射したものは、図9(a)に示すように、不純物のドーピング濃度が大きく、また、その拡散は深部にまで及んでいた。
【0050】
〔実施例2〕 本実施例は、ガラス基板上に設けられたNTFTの作製に本発明の構成であるドーピング方を適用した例である。本実施例においては、基板として実施例1同様、ガラス基板また石英基板を用いた。まず、実施例1と同様、図1の基板であるガラス基板11上にSiO2 膜または窒化珪素膜を下地保護膜12として形成する。
【0051】
つぎに、プラズマCVD法によって真性または実質的に真性の水素化非晶質珪素半導体層13を100nmの厚さに形成する。つぎに、デバイス分離パターニングを行い図1の形状を得た。そして、試料を真空中(10−6Torr以下)で、450度、1時間加熱し、水素出しを徹底的に行い、膜中のダングリングボンドを高密度で生成させた。
【0052】
さらに前記水素出しを行ったチャンバー中で、真空状態を維持したままエキシマレーザーを照射し、試料の多結晶化を実施例1と同じ条件で行った。レーザー照射後、水素減圧雰囲気中(約1Torr)において、100度まて降温させた。
【0053】
本実施例においては、図6に示すような装置を用いて上記試料の水素出しのための加熱工程とエキシマレーザー光の照射による結晶化さらには不純物のドーピング工程をも同一真空チャンバーによって行った。このような真空チャンバーを用いることによって、加熱工程からレーザー照射による結晶化工程にわたって真空状態を保つことが容易になり、膜中に不純物(特に酸素)が混入しない膜を得ることができる。この真空チャンバーには、電磁エネルギーを雰囲気に与えるための電極を備えておりPCVD装置をも兼ねるものである。しかしながら、それぞれ連続する工程をマルチチャンバー型式に構成された装置を用いて、それぞれの工程を別々の反応炉で行ってもよいことはいうまでもない。図6に示す反応炉は陽光柱方式の構成であるが、他の形式でもよく、電磁エネルギーの加え方も特に限定されるものではない。また、特に高い活性化率を得たいのであれば、ECR形式の装置を用いることが有用である。
【0054】
図6において、31は真空チャンバー、32は真空チャンバー31の外部からレーザーを照射すための石英窓、33はレーザーが照射された場合におけるレーザー光、34は試料(サンプル)、35はサンプルホルダー、36は試料加熱用のヒーター、37は排気系、38は原料ガスや不活性ガスさらにはキャリアガスの導入系であり、図には一つしか示されていないが実際には複数設けられているものである。また、排気系には、低真空用にロータリーポンプを高真空用にターボ分子ポンプを用い、チャンバー内の不純物(特に酸素)の残留濃度を極力少なくするように努めた。そして、39は平行平板電極であり、高周波発振装置40より供給される13.56MHzの電磁エネルギーをチャンバー内に供給するものである。
【0055】
図6の真空チャンバーを用いてエキシマレーザーによる結晶化を行った後、RFスパッタ法を用いてゲイト絶縁膜となるSiO2 膜14を100nm成膜し、図2の形状を得た。そしてゲイト電極15となる非晶質珪素半導体層または多結晶珪素半導体層(厚さ150nm)をN型の導電型とするためにP(リン)を添加して設けた。この後ゲイト領域をパターニングによって形成し、図3の形状を得た。
【0056】
ここで、再び図6に示す装置を用いて本発明の構成であるレーザー光による不純物のドーピングを行う。図6に示す装置において、電磁エネルギーを与えられ分解されたPH3 雰囲気下で、試料(図3の形状を有している)を加熱し、レーザー光を照射してP(リン)のドーピングを行った。この時、ソース,ドレイン領域(図4に示す131,133)にはPがドーピングされるのでN型化する。これに対してチャネル形成領域(図4に示す132)にはゲイト絶縁膜14とゲイト電極15がマスクとなりレーザーが照射されず、その部分の温度が上昇しないので、ドーピングが行われない。ドーピング条件は以下の通り。
雰囲気 PH3 5%濃度(H2 希釈)
試料温度 350度
圧力 0.02〜1.00Torr
投入パワー 50〜200W
レーザー KrFエキシマレーザー(波長248nm)
エネルギー密度 150〜350mJ/cm2
パルス数 10ショット
【0057】
上記ソース,ドレイン領域形成の後、実施例1と同じように、図4に示すようにRFスパッタ法によって絶縁膜としてSiO2 膜16を100nmの厚さに成膜し、コンタクト用の穴開けパターニングを行い、さらに電極となるアルミを蒸着してソース電極17とドレイン電極18を形成し、さらに水素雰囲気中において350度の温度で水素熱アニールを行うことによって、NTFTを完成した。
【0058】
このドーピング工程において、雰囲気をB2 H6 とすることによってPチャネル型TFT(PTFT)を形成することができた。従来であったらレーザー光の波長によってドーピングガスの分解の度合いが異なり、このことによるドーピングの不均一性が問題であったが、本発明の構成をとった場合、レーザー光によってではなく、電磁エネルギーによってドーピングガスが分解されるのでPTFTであってもNTFTであってもレーザー光の波長に制限されることなくドーピングを行うことができた。
【0059】
〔実施例3〕 図7には本発明のドーピング処置装置の様子を示す。すなわち、チャンバー71には、無水石英ガラス製のスリット状の窓72が設けられている。レーザー光は、この窓に合わせて細長い形状に成形される。レーザーのビームは、例えば10mm×300mmの長方形とした。なおレーザー光の位置は固定されている。チャンバーには、排気系77、および反応性ガスを導入するためのガス系78が接続されている。また、チャンバー内には試料ホルダー75が設けられ、その上には試料74が乗せられ、試料ホルダーの下には赤外線ランプ(ヒーターとして機能する)76が設けられている。試料ホルダーは可動であり、試料をレーザーのショットに合わせて移動することができる。
【0060】
このように、試料の移動のための機構がチャンバー内に組み込まれている際には、ヒーターによる試料ホルダーの熱膨張によって狂いが生じるので、温度制御には細心の注意が必要である。また、試料移送機構によってホコリが生じるので、チャンバー内のメンテナンスは面倒である。
【0061】
〔実施例4〕 図8(A)には本発明のドーピング処置装置の様子を示す。すなわち、チャンバー81には、無水石英ガラス製の窓82が設けられている。この窓は実施例3の場合と異なり、試料84全面を覆うだけの広いものである。チャンバーには、排気系87、および反応性ガスを導入するためのガス系88が接続されている。また、チャンバー内には試料ホルダー85が設けられ、その上には試料84が乗せられ、試料ホルダーはヒーターが内蔵されている。試料ホルダーはチャンバーに固定されている。チャンバーの下部にはチャンバーの台81aが設けられており、レーザーのパルスに合わせて、チャンバー全体を移動させることによって、逐次、レーザー照射をおこなう。レーザーのビームは、実施例3の場合と同じく、細長い形状である。例えば、5mm×100mmの長方形とした。実施例3と同様、レーザー光の位置は固定されている。本実施例では、実施例3と異なり、チャンバー全体が移動する機構を採用する。したがって、チャンバー内には機械部分が存在せず、ホコリ等が生じないのでメンテナンスが容易である。また、移送機構が、ヒーターの熱の影響を受けることは少ない。
【0062】
本実施例では、実施例3に比べて上記のような点で優れているだけでなく、以下のような点でも優れている。すなわち、実施例3の方式では、試料をチャンバーに入れてから、十分な真空度まで真空排気できるまでレーザー放射をおこなえなかった。すなわちデッドタイムが多かった。しかし、本実施例では、図8(A)のようなチャンバーを多数用意し、それぞれ、順次、試料装填、真空排気、レーザー照射、試料取り出し、というように回転させてゆけば、上記のようなデッドタイムは生じない。そのようなシステムを図8(B)に示した。
【0063】
すなわち、未処理の試料を内蔵したチャンバー97、96は、排気工程の間に連続的な搬送機構98によって、精密な移動がおこなえるステージを有する架台99に向かう。ステージ上のチャンバー95には、レーザー装置91から放射され、適当な光学装置92、93で加工されたレーザー光が窓を通して中の試料に照射される。ステージを動かすことによって、必要なレーザー照射がおこなわれたチャンバー94は、再び、連続的な搬送機構100によって次の段階に送られ、その間にチャンバー内のヒーターは消灯し、排気され、十分温度が下がってから、試料が取り出される。
【0064】
このように、本実施例では連続的な処理がおこなえることによって、排気待ちの時間を削減することができ、スループットを向上させられる。もちろん、本実施例の場合には、スループットは向上するけれども、その分、実施例3の場合よりチャンバーを多く必要とするので、量産規模や投資規模を考慮して実施すべきである。
【0065】
〔実施例5〕 本実施例は、ガラス基板上に設けられたNTFTの作製に本発明の構成であるドーピング方を適用した例である。本実施例においては、基板として実施例1同様、ガラス基板また石英基板を用いた。まず、実施例1と同様、図1の基板であるガラス基板101上にSiO2 膜を下地保護膜102として形成し、つぎに、プラズマCVD法によって実質的に真性の水素化非晶質珪素半導体層103を100nmの厚さに形成する。つぎに、デバイス分離パターニングを行った。そして、試料を真空中(10−6Torr以下)で、450度、1時間加熱し、水素出しを徹底的に行い、膜中のダングリングボンドを高密度で生成させた。その後、RFスパッタ法を用いてSiO2 膜104を100nm成膜し、図10(A)の形状を得た。そして、チャネルの部分にのみ、酸化珪素マスク105を残置せしめた。
【0066】
ここで、図6に示す装置を用いて本発明の構成であるレーザー光による不純物のドーピングを行う。図6に示す装置において、電磁エネルギーを与えられ分解されたPH3 雰囲気下で、試料(図10(B)の形状を有している)を加熱し、レーザー光を照射してP(リン)のドーピングを行った。この時、ソース,ドレイン領域(図に示す106、108)にはPがドーピングされるのでN型化する。これに対してチャネル形成領域(図に示す107)には酸化珪素マスク105がマスクとなりレーザーは照射され、結晶化するが、マスク材が存在するため、ドーピングは行われない。すなわち、本工程では、レーザーによる結晶化と、ドーピングが同時におこなわれる。このときの条件は実施例2と同じとした。
【0067】
上記ソース,ドレイン領域形成の後、ゲイト酸化膜110とゲイト電極109を形成し、さらに、層間絶縁膜としてSiO2 膜111を100nmの厚さに成膜し、コンタクト用の穴開けパターニングを行い、さらに電極となるアルミを蒸着してソース電極112とドレイン電極113を形成し、さらに水素雰囲気中において350度の温度で水素熱アニールを行うことによって、図10(C)に示すように、NTFTを完成した。
【0068】
本実施例では、セルフアライン的なソース、ドレインの形成はできないが、例えば、実施例1と同様にゲイト絶縁膜上にゲイト電極を形成しておいて、裏面からレーザー照射をおこなえば、本実施例のように、チャネル領域の結晶化とソース、ドレインのドーピングを同時におこなうことができる。
【0069】
〔実施例6〕 コーニング7059ガラス基板上にアクティブマトリクスを形成した例を図11に示す。図11(A)に示すように、基板201としてはコーニング7059ガラス基板(厚さ1.1mm、300×400mm)を使用した。コーニング7059ガラスに含まれるナトリウム等の不純物がTFT中に拡散しないようにプラズマCVD法で全面に厚さ5〜50nm、好ましくは5〜20nmの窒化珪素膜202を形成した。このように、基板を窒化珪素または酸化アルミニウムの皮膜でコーティングしてこれをブロッキング層とする技術は、本発明人等の出願である特願平3−238710、同3−238714に記述されている。
【0070】
ついで下地酸化膜203(酸化珪素)を形成した後、LPCVD法もしくはプラズマCVD法でシリコン膜204(厚さ30〜150nm、好ましくは30〜50nm)を形成し、さらにテトラ・エトキシ・シラン(TEOS)を原料として、酸素雰囲気中のプラズマCVD法によって、酸化珪素のゲイト絶縁膜(厚さ70〜120nm、典型的には100nm)205を形成した。基板温度はガラスの縮みやソリを防止するために400℃以下、好ましくは200〜350℃とした。しかしながら、この程度の基板温度では、酸化膜中には多量の再結合中心が存在し、例えば、界面準位密度は1012cm−2以上でゲイト絶縁膜としては使用できないレベルのものであった。
【0071】
そして、図11(A)に示すように、水素希釈フォスフィンPH3 (5%)中で、KrFレーザー光を照射して、このシリコン膜204の結晶性を改善せしめるとともに、ゲイト酸化膜205の再結合中心(トラップセンター)を減少させた。このときにはレーザー光のエネルギー密度は200〜300mJ/cm2 とした。また、ショット数も10回とした。このましくは、温度を200〜400℃、代表的には300℃に保つと良い。その結果、シリコン膜204は結晶性が改善され、また、ゲイト酸化膜205中には、1×1020〜3×1020cm−3の燐がドーピングされ、界面準位密度も1011cm−2以下に減少した。
【0072】
次に、図11(B)に示すようにアルミニウムのゲイト電極206を形成して、その周囲を陽極酸化物207で被覆した。
【0073】
その後、P型の不純物として、硼素をイオンドーピング法でシリコン層に自己整合的に注入し、TFTのソース/ドレイン208、209を形成し、さらに、図11(C)に示すように、これにKrFレーザー光を照射して、このイオンドーピングのために結晶性の劣化したシリコン膜の結晶性を改善せしめた。しかし、このときにはレーザー光のエネルギー密度は250〜300mJ/cm2 と高めに設定した。このため、このTFTのソース/ドレインのシート抵抗は300〜800Ω/□となった。
【0074】
その後、図11(D)に示すように、ポリイミドによって層間絶縁物210を形成し、さらに、画素電極211をITOによって形成した。そして、図11(E)に示すように、コンタクトホールを形成して、TFTのソース/ドレイン領域にクロムで電極212、213を形成し、このうち一方の電極213はITOにも接続するようにした。最後に、水素中で300℃で2時間アニールして、シリコンの水素化を完了し、液晶表示装置の画素を作製した。
【0075】
〔実施例7〕 実施例6と同じく酸化珪素膜に燐をドープし、これをゲイト絶縁膜としてTFTを形成した例を図11に示す。実施例6と同様に、図11(A)に示すような、基板201の全面にプラズマCVD法で厚さ5〜50nm、好ましくは5〜20nmの窒化珪素膜202を形成した。ついで下地酸化膜203(酸化珪素)を形成した後、LPCVD法もしくはプラズマCVD法でシリコン膜204(厚さ30〜150nm、好ましくは30〜50nm)を形成し、さらにスパッタ法によって酸化珪素膜(厚さ70〜120nm、典型的には100nm)205を形成した。この工程は実施例6のように、テトラ・エトキシ・シラン(TEOS)を原料として、酸素雰囲気中のプラズマCVD法によっておこなってもよい。基板温度はガラスの縮みやソリを防止するために400℃以下、好ましくは200〜350℃とした。
【0076】
そして、図11(A)に示すように、水素希釈フォスフィンPH3 (5%)中で、KrFレーザー光を照射して、このシリコン膜204の結晶性を改善せしめるとともに、ゲイト酸化膜205の再結合中心(トラップセンター)を減少させた。このときにはレーザー光のエネルギー密度は200〜300mJ/cm2 とした。また、ショット数も10回とした。基板温度は室温とした。このため、燐のドープは酸化珪素膜の表面から70%以下の部分に限られた。
【0077】
次に、図11(B)に示すようにアルミニウムのゲイト電極206を形成して、その周囲を陽極酸化物207で被覆した。陽極酸化工程が終了した後に、逆に負の電圧を印加した。例えば−100〜−200Vの電圧を0.1〜5時間印加した。好ましくは基板温度は100〜250℃、代表的には150℃とした。この工程によって、酸化珪素中あるいは酸化珪素とシリコン界面にあった可動イオンがゲイト電極(Al)に引き寄せられ、その途中に存在する燐の濃度の大きな領域(リンガラス化していると推定される)にトラップされた。このように、陽極酸化後、もしくは陽極酸化中にゲイト電極に負の電圧を印加する技術は、本発明人等の出願の特願平4−115503(H4年4月7日出願)に記述されている。
【0078】
その後、N型の不純物として、燐を公知のイオンドーピング法でシリコン層に自己整合的に注入し、TFTのソース/ドレイン208、209を形成し、さらに、図11(C)に示すように、これにKrFレーザー光を照射して、このイオンドーピングのために結晶性の劣化したシリコン膜の結晶性を改善せしめた。その後、図11(D)に示すように、ポリイミドによって層間絶縁物210を形成し、さらに、画素電極211をITOによって形成した。そして、図11(E)に示すように、コンタクトホールを形成して、TFTのソース/ドレイン領域にクロムで電極212、213を形成し、このうち一方の電極213はITOにも接続するようにした。最後に、水素中で300℃で2時間アニールして、シリコンの水素化を完了し、TFTを作製した。
【0079】
〔実施例8〕 本実施例では、単結晶基板上に酸化珪素膜を形成し、これに燐のレーザードーピングをおこない、これをゲイト酸化膜としたMOSキャパシターを作製し、その特性(CV特性)を測定した。
【0080】
単結晶シリコン(100)面上にテトラ・エトキシ・シラン(TEOS)を原料として、酸素雰囲気中のプラズマCVD法によって、酸化珪素のゲイト絶縁膜(厚さ70〜120nm、典型的には100nm)を形成した。基板温度は400℃以下、好ましくは200〜350℃とした。しかしながら、この程度の基板温度では、酸化膜中には炭素を含んだクラスターが多数存在し、また、多量の再結合中心が存在し、例えば、界面準位密度は1012cm−2以上でゲイト絶縁膜としては使用できないレベルのものであった。
【0081】
そこで、実施例1で使用した装置を用いて、水素希釈フォスフィンPH3 (5%)中で、KrFレーザー光を照射して、この酸化珪素膜の再結合中心(トラップセンター)を減少させた。このときにはレーザー光のエネルギー密度は200〜300mJ/cm2 とした。また、ショット数も10回とした。このましくは、温度を200〜400℃、代表的には300℃に保つと良い。その結果、酸化膜中には、1×1020〜3×1020cm−3の燐がドーピングされ、界面準位密度も1011cm−2以下に減少した。次に、アルミニウムのゲイト電極を形成した。
【0082】
例えば、レーザードーピング処理を行わなければ、得られるMOSキャパシターのCV特性は図12(A)に示すようなヒステリシスの大きなものとなる。ここで、横軸は電圧、縦軸は静電容量である。しかしながら、本実施例のようなレーザードーピング処理によって、図12(B)のような良好なCV特性がられるに至った。
【0083】
このときの膜中の各元素の分布は図12(C)に示すようになった。すなわち、本実施例のレーザードーピングによって酸化珪素膜の途中まで燐がドープされた。そして、これによって、ナトリウム元素はこの燐によってゲッタリングされていることがわかる。また、炭素は酸化膜の全ての領域で非常に僅かしか存在しなかったが、これはレーザー照射によって、膜の外に放出されたためである。なお、本実施例においても、実施例7のように、ゲイト電極(Al)に負の電圧を印加して、膜中に存在するナトリウム等の可動イオンを積極的に燐の多い領域に引き寄せると一層の効果が得られる。
【0084】
【発明の効果】
本発明の構成である、試料を加熱した状態、あるいは反応性ガスに電磁エネルギーを与えることによって分解された一導電型を付与する不純物を含む雰囲気において、半導体にレーザー光を照射することによって、半導体中に前記一導電型を付与する不純物を効率よくドーピングすることができた。特に、ガラス基板に熱ダメージを与えずにしかもレーザー光の波長やドーピングガスの種類に左右されずにドーピングを行うことができるという効果を得ることができた。
【0085】
また、先に記述したように、本発明は半導体への不純物ドープという限られた目的だけでなく、金属材料やセラミックス材料の表面の改質や、金属薄膜、セラミックス薄膜、絶縁体薄膜への微量元素の添加といような幅広い目的に使用でき、工業的に有益な発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の作製工程を示す。
【図2】実施例の作製工程を示す。
【図3】実施例の作製工程を示す。
【図4】実施例の作製工程を示す。
【図5】本発明の半導体処理(不純物ドーピング)装置の概念図を示す。
【図6】本発明の半導体処理(不純物ドーピング)装置の概念図を示す。
【図7】本発明の半導体処理(不純物ドーピング)装置の例を示す。
【図8】本発明の半導体処理(不純物ドーピング)装置の例を示す。
【図9】本発明および従来の方法によって作製された半導体不純物領域の不純物濃度の深さ分布
【図10】実施例の作製工程を示す。
【図11】実施例の作製工程を示す。
【図12】実施例のCV特性および元素分布を示す。
【符号の説明】
21 真空チャンバー
22 石英窓
23 レーザー光
24 試料
25 サンプルホルダー
26 ヒーター
27 排気系
28 ガス導入系[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a technique for efficiently performing doping and other chemical and physical treatments in a low-temperature process. The present invention also relates to a connection structure between a thin film transistor and a pixel electrode provided in a pixel of an active matrix display device.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, a thermal diffusion method or an ion implantation method is known as a doping technique. The thermal diffusion method is a method in which impurities are diffused into a semiconductor in a high temperature atmosphere of 1000 to 1200 degrees, and the ion implantation method is a method in which ionized impurities are accelerated by an electric field and implanted into a predetermined place.
[0003]
However, the diffusion coefficient D of impurities is D = D0exp [-Ea/ KT] is exponentially dependent on the absolute temperature T as shown by: Where D0Is the diffusion coefficient at T = ∞ and EaIs the active energy and k is the Boltzmann coefficient. Therefore, in order to diffuse impurities into the semiconductor efficiently, it is desirable to carry out at a high temperature as much as possible. In the thermal diffusion method, it is generally carried out at a high temperature process of 1000 ° C. or more. Further, the ion implantation method requires a post heat treatment step at a temperature of 600 ° C. to 950 ° C. in order to activate impurities and recover defects.
[0004]
In recent years, some active matrix type liquid crystal display devices using TFTs (thin film transistors) provided on a glass substrate as pixel switching elements have been put into practical use. Generally, it is made of conductive amorphous silicon. Also, the structure of the TFT is an inverted stagger type, and parasitic capacitance is likely to occur due to structural problems. Therefore, it has been studied to use a TFT in which the source and drain regions are formed in a self-aligned manner (self-alignment). In order to form the source and drain regions in a self-aligned manner, an ion implantation method or an ion shower method is used. Had to be used. However, these methods require a post-heat treatment step at a temperature of 600 ° C. to 950 ° C. for activation of impurities and recovery of defects as described above, and the heat resistance temperature of a general inexpensive glass substrate is 600 ° C. Considering that it is -700 degree | times, it was difficult to use industrially.
[0005]
As a method for solving such a problem of thermal damage given to a glass substrate, a doping technique by laser light irradiation is known. As one of the methods, there is a method in which a thin film of an impurity is formed on a semiconductor surface to be doped, the thin film of the impurity and the semiconductor surface are melted by laser light irradiation, and the impurity is dissolved.
[0006]
The above-described method of doping by irradiation with excimer laser light does not cause thermal damage to the glass substrate, and thus has the advantage that generation of defects due to thermal damage can be suppressed, but undergoes a step of forming an impurity film. There was a need. Conventionally, a coating method such as a spin coat method has been used for the formation of the film. However, in this process, if the film thickness is not uniform, the doping concentration of impurities is different, which is not an ideal method. Further, this film is usually formed using an organic solvent as a solvent. In that case, undesirable elements such as carbon, oxygen, and nitrogen may enter the semiconductor and deteriorate the characteristics.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made in view of the problems of complicated processes and intrusion of foreign elements, which are problems in the doping technique using the above laser light, particularly excimer laser light. Accordingly, the present invention intends to perform doping using a high-purity doping gas without using a liquid-phase or solid-phase doping material, thus simplifying the process and invading foreign elements. The purpose is to prevent this. Further, it is an object of the invention to increase the doping efficiency.
Furthermore, the present invention has an object of performing doping on a wide variety of materials (insulators, conductors) and their surfaces in addition to doping on semiconductor materials, and improving the materials accompanying the materials and their surfaces. For example, doping of phosphorus into the silicon oxide film.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-mentioned problem, the present invention is directed to irradiating a sample semiconductor surface with laser light in a high purity reactive gas atmosphere containing an impurity imparting one conductivity type, thereby providing the one conductivity type. In this method, the sample semiconductor is doped with an impurity that imparts. However, according to the knowledge of the present inventor, if the sample semiconductor is at a low temperature such as room temperature, the diffusion of elements is not sufficient.
[0009]
Accordingly, one of the present invention is to promote the diffusion of impurity elements by heating the sample at the time of laser irradiation and maintaining the temperature at least 200 ° C. or more, and try to dope a high concentration of impurities. Is. Although the heating temperature of the substrate varies depending on the type of semiconductor, in the case of polysilicon (polycrystalline silicon) and semi-amorphous silicon, 250 to 500 ° C., preferably 300 to 400 ° C. is suitable.
[0010]
When the sample is heated and irradiated with the laser in this way, not only the impurities are easily diffused, but also the semiconductor whose crystallinity has been temporarily lowered by the laser irradiation can be given a sufficient thermal relaxation time. Easy to recover crystallinity. Laser irradiation, particularly pulse laser irradiation, is typical rapid heating and rapid cooling when the sample is not heated to an appropriate temperature, so that the semiconductor tends to exhibit an amorphous state. That is, it is instantaneously heated to 1000 ° C. or higher, but after several hundred nsec, it is lowered to room temperature. If the sample is heated as silicon within the above range, the time required for the temperature to drop to around 500 ° C., which is the lower limit of the crystallization temperature of silicon, is 10 times or more that at room temperature. Calculated. At this stage, when the laser irradiation time continues for a certain time or more, the silicon melts, and the impurities penetrate into the interior by the convection of the melt. In addition, when the pulse does not continue for a certain time or more, silicon crystallizes in a solid phase and becomes a so-called semi-amorphous. At that time, impurities diffuse in the solid phase inside.
[0011]
It is undesirable for the temperature to be too high. This is because at a high temperature, the reactive gas itself decomposes and adheres not only to the sample but also to its holder and the like, thereby reducing the efficiency of gas utilization.
[0012]
It is also undesirable to keep the temperature higher than the crystallization temperature of the semiconductor. This is particularly undesirable in semiconductors with many defects such as polycrystalline semiconductors, amorphous semiconductors, and semi-amorphous semiconductors. This is because if a crystalline semiconductor is doped while being heated at a temperature equal to or higher than the crystallization temperature, there arises a problem of difficulty in controlling valence electrons due to generation of levels. It is said that amorphous silicon is thermally changed to polysilicon at 500 to 550 ° C., and therefore, this temperature is preferably lower than this temperature, preferably 100 ° C. or lower (that is, 400 to 450 ° C. or lower). desired. In addition, in a TFT using amorphous silicon (referred to as a-Si: TFT), when the configuration of the present invention is used, the element is destroyed when the a-Si: TFT is heated to a temperature of 350 ° C. or more. In this case, it is appropriate to perform heating at a temperature of 350 ° C. or less. The same applies to other semiconductors.
[0013]
According to another aspect of the present invention, in the doping technique from the gas phase using the above laser light, particularly excimer laser light, when a plurality of dopings are performed using different doping gases, a single laser light is used. An object of the present invention is to solve the problem of reduction in doping efficiency due to the fact that the light absorption characteristics of the doping gas are different and the decomposition characteristics are different depending on the type of gas. Therefore, a configuration is adopted in which electromagnetic energy is applied to decompose the reactive gas in a reactive gas atmosphere containing an impurity imparting one conductivity type at the time of laser irradiation. At this time, when the laser beam is further irradiated, the doping efficiency can be further improved by heating the semiconductor to be doped, which is a sample, at an appropriate temperature as in the first invention.
[0014]
The impurity imparting one conductivity type in the present invention is a trivalent impurity, typically B (boron), if a silicon semiconductor (silicon) is used as a semiconductor and a p-type is imparted. If N-type is imparted, a pentavalent impurity, typically P (phosphorus), As (arsenic), or the like can be used. AsH is a reactive gas containing these impurities.3, PH3, BF3, BCl3, B (CH3)3Etc. can be used.
[0015]
As a semiconductor, if a TFT is manufactured, an amorphous silicon semiconductor thin film formed by vapor deposition or sputtering is generally used. The present invention can also be applied to a polycrystalline or single crystal silicon semiconductor manufactured by liquid phase growth. Furthermore, it is needless to say that the semiconductor is not limited to a silicon semiconductor and may be other semiconductors.
[0016]
As the laser light, it is useful to use a pulse oscillation type excimer laser device. This is because in a pulsed laser, the sample is heated instantaneously and is limited to the surface only, and does not affect the substrate. Since heating by a laser is local, in a continuous wave laser (such as an argon ion laser), the heated portion may be peeled off due to a significant difference in thermal expansion between the heated portion and the substrate. In this respect, in the pulse laser, the thermal relaxation time is overwhelmingly smaller than the reaction time of mechanical stress such as thermal expansion, and no mechanical damage is caused. Of course, the impurities on the substrate are hardly thermally diffused.
[0017]
In particular, excimer laser light is ultraviolet light that is efficiently absorbed by many semiconductors including silicon and has a short pulse duration of 10 nsec. In addition, the excimer laser has already been used in experiments in which an amorphous silicon thin film is crystallized by laser irradiation to obtain a highly crystalline polycrystalline silicon thin film. As a specific type of laser, it is appropriate to use an ArF excimer laser (wavelength 193 nm), a XeCl excimer laser (wavelength 308 nm), a XeF excimer laser (wavelength 351 nm), a KrF excimer laser (248 nm), or the like.
[0018]
In the configuration of the present invention, as a means for heating the substrate, a conductive type in which a nichrome wire, a Kanthal wire or other heating element is directly incorporated in the holder may be used, but an infrared lamp or other radiation type May be used. However, since the substrate temperature has a great influence on the impurity doping concentration and depth, it is desired to precisely control the substrate temperature. Therefore, a temperature sensor such as a thermocouple is indispensable for the sample.
[0019]
In the configuration of the present invention, high frequency energy of 13.56 MHz is generally used as electromagnetic energy applied to decompose a reactive gas for doping (referred to as doping gas). Due to the decomposition of the doping gas by this electromagnetic energy, doping can be performed efficiently even when laser light that cannot directly decompose the doping gas is used. The type of electromagnetic energy is not limited to a frequency of 13.56 MHz. For example, when a microwave of 2.45 GHz is used, a higher activation rate can be obtained. Furthermore, an ECR condition generated by the interaction between a 2.45 GHz microwave and an 875 Gauss magnetic field may be used. It is also effective to use light energy that can directly decompose the doping gas.
[0020]
In the above description, the doping technique in the semiconductor has been described. However, the present invention is not limited to this, and can be widely applied. For example, the present invention can also be used when a trace element that improves the surface material is added to a portion of a specific thickness on the surface of a metal by several percent. For example, the present invention may be carried out in ammonia on the iron surface, nitrogen may be doped, and the surface may have several to several hundred nm as iron nitride.
[0021]
Alternatively, the present invention can be carried out on oxides and the effect can be obtained. For example, it is possible to raise the superconducting critical temperature by carrying out the present invention in a lead chloride vapor in a bismuth-based oxide high-temperature superconductor thin film and incorporating lead. Conventionally, it is known that there are several kinds of bismuth-based oxide high-temperature superconductors, and the maximum critical temperature is about 110K. However, it has been difficult to obtain a phase having a critical temperature exceeding 100K. It has been known that when lead is added, a phase exceeding 100 K can be easily obtained. However, in the thin film manufacturing process, lead tends to evaporate to the outside due to the influence of substrate heating. However, since the present invention is a non-thermal equilibrium reaction, lead can be effectively incorporated into the thin film forming material. Similarly, in recent years, it has been attracting attention as a functional material for semiconductor integrated circuits, particularly semiconductor memories, and can be applied to PZT (lead zirconia titanium oxide) which is a ferroelectric containing lead.
[0022]
Also, an insulator such as silicon oxide can be used when adding a small amount of impurities. As already used in semiconductor processes, silicon oxide is often made into phosphorus glass by containing about several percent of phosphorus. Of course, it is also possible to include phosphorus in silicon oxide using the present invention. For example, 1 × 1020~ 3x1020cm-3Phosphorus can be diffused at a concentration of
[0023]
This phosphorous glass is known to prevent mobile ions such as sodium from entering the semiconductor from the outside. Conventionally, the film is formed by a CVD chamber dedicated to phosphorus glass (PSG), but it requires a dedicated apparatus, which is expensive. When the present invention is used, the laser doping apparatus can be shared for impurity doping of semiconductors and phosphorous glass formation, and the silicon oxide film forming apparatus can be widely used for other applications, so that the overall cost is reduced. It is economical.
[0024]
In particular, the present invention is effective in improving the characteristics of a silicon oxide film formed at a relatively low temperature (600 ° C. or lower) using various organic silanes (tetra-ethoxy silane (TEOS), etc.) as a material. there were. That is, in such a film, a large amount of carbon in the raw material is contained, the insulating properties are poor, and when this is used as an insulating film such as a MOS structure, there are too many trap levels, It was not a good material.
[0025]
However, when phosphorous laser doping is performed according to the present invention, these carbons are removed from the film by heating with laser irradiation, trap levels are remarkably reduced, and insulating properties are improved. As already explained, the distribution of impurities in the depth direction can be controlled by changing the substrate temperature during laser doping. Therefore, to distribute phosphorus deeply in the silicon oxide film, the substrate temperature is kept at 200 ° C. or more, preferably 350 to 450 ° C., and to distribute only to a depth of 100 nm or less, the substrate is kept at room temperature or below. Just do it.
[0026]
In addition, when a semiconductor material such as amorphous silicon is present in the base during laser doping, these semiconductor materials are also annealed at the same time to improve crystallinity. That is, the silicon oxide film has a low absorptance with respect to ultraviolet rays, and a large portion of the laser light is absorbed by the underlying semiconductor material. Therefore, the two steps can be performed simultaneously, which is effective for improving mass productivity.
[0027]
A conceptual diagram of the apparatus of the present invention is shown in FIGS. FIG. 5 shows only a substrate heating device, and FIG. 6 shows an electromagnetic device for generating plasma in addition to the substrate heating device. Since these drawings are conceptual, as a matter of course, an actual apparatus may include other parts as necessary. In the following, the method of use will be outlined.
[0028]
In FIG. 5, the
[0029]
It is also desirable to drive the
[0030]
When exhausted sufficiently, the reactive gas is introduced into the chamber by the
[0031]
Next, the sample is irradiated with
[0032]
In this case, for example, when the laser pulse has a specific rectangular shape of 10 mm (x direction) × 30 mm (y direction), the same region is irradiated with 10 pulses of laser pulses. Although the method of moving to a part may be used, the laser may be moved by 1 mm in the x direction per pulse.
[0033]
When the laser irradiation is completed, the chamber is evacuated, the sample is cooled to room temperature, and the sample is taken out. Thus, in the present invention, the doping process is very simple and fast. That is, if it is a conventional ion implantation process,
(1) Doping pattern formation (resist coating, exposure, development)
(2) Ion implantation (or ion doping)
(3) Recrystallization
3 processes are required, and solid phase diffusion by conventional laser irradiation
(1) Doping pattern formation (resist application, exposure, development)
(2) Impurity film formation (spin coating, etc.)
(3) Laser irradiation
After all, three steps were necessary. However, in the present invention,
(1) Doping pattern formation (resist application, exposure, development)
(2) Laser irradiation
It is completed in two steps.
[0034]
The apparatus in FIG. 6 is almost the same as in FIG. First, the inside of the
The following examples illustrate the invention in more detail.
[0035]
【Example】
[Embodiment 1] This embodiment is an example in which the doping method which is the structure of the present invention is applied to the manufacture of an N channel thin film type insulated gate field effect transistor (hereinafter referred to as NTFT) provided on a glass substrate. In this example, a glass substrate or a quartz substrate was used as the substrate. This is because the TFT manufactured in this embodiment is intended to be used as a switching element or a driving element of an active matrix type liquid crystal display device or an easy sensor. Of course, the structure of the present invention may be applied as a doping technique for forming other semiconductor devices, for example, a P-type semiconductor layer or an N-type semiconductor layer of a photoelectric conversion device, or a single crystal semiconductor integrated circuit. . Therefore, the substrate may be silicon or other semiconductor single crystal or polycrystal, or other insulator may be used.
[0036]
First, in FIG. 1, SiO 2 is formed on a
O2Flow rate 50sccm
Pressure 0.5pa
RF power 500W
Substrate temperature 150 degrees
[0037]
Next, a hydrogenated amorphous
Atmosphere Silane (
Deposition temperature 160 degrees (substrate temperature)
Deposition pressure 0.05 Torr
Input power 20W (13.56MHz)
[0038]
In this embodiment, silane is used as a raw material gas for forming amorphous silicon. However, when amorphous silicon is polycrystallized by thermal crystallization, disilane is used to lower the crystallization temperature. Alternatively, trisilane may be used.
[0039]
The film forming atmosphere is made of 100% silane because the amorphous silicon film formed in a 100% silane atmosphere is compared with the amorphous silicon film formed in a silane atmosphere diluted with hydrogen. The film is based on the experimental result that it is easy to crystallize. The reason why the deposition temperature is low is that a large amount of hydrogen is contained in the deposited amorphous silicon film, and silicon bonds are neutralized with hydrogen as much as possible.
[0040]
The reason why the input power of the high-frequency energy (13.56 MHz) is as low as 20 W is to prevent the generation of silicon clusters, that is, crystalline parts as much as possible during film formation. This is also based on the experimental fact that any crystallinity in the amorphous silicon film adversely affects crystallization at the time of subsequent laser irradiation.
[0041]
Next, device separation patterning was performed to obtain the shape of FIG. Then, the sample was placed in vacuum (10-6(Torr or less) at 450 ° C. for 1 hour, hydrogen was thoroughly discharged to form dangling bonds in the film at a high density.
[0042]
Further, the sample was transferred to the laser irradiation apparatus shown in FIG. 5 and irradiated with an excimer laser to polycrystallize the sample. In this step, a KrF excimer laser (wavelength 248 nm) was used. The conditions are as follows.
Laser irradiation energy density 350 mJ / cm2
Number of
Substrate temperature 400 degrees
After the laser irradiation, the temperature was lowered to 100 degrees in a hydrogen reduced pressure atmosphere (about 1 Torr).
[0043]
In the present embodiment, the crystallization of the amorphous silicon film by laser light irradiation is shown, but it goes without saying that this may be replaced with a heating process. This heating step is the amorphous silicon provided on the glass substrate by heating for 6 hours to 96 hours at a temperature of about 450 ° C. to 700 ° C. (generally 600 ° C.) which is lower than the heat resistant temperature of the glass. A process for crystallizing a semiconductor film.
[0044]
In FIG. 5, 21 is a vacuum chamber, 22 is a quartz window for irradiating a laser from the outside of the vacuum chamber 21 (especially, in the case of an excimer laser, anhydrous quartz is preferable), and 23 is a laser when irradiated with a laser. Light, 24 is a sample (sample), 25 is a sample holder, 26 is a heater for heating the sample, 27 is an exhaust system, 28 is a system for introducing a source gas, an inert gas or a carrier gas. Although only shown, there are actually a plurality of them. The exhaust system used a rotary pump for low vacuum and a turbo molecular pump for high vacuum, and tried to minimize the residual concentration of impurities (especially oxygen) in the chamber. 10 for exhaust capacity-6less than torr, preferably 10-8Torr or less.
[0045]
After crystallization with an excimer laser using the vacuum chamber of FIG. 5, SiO which becomes a gate insulating film using RF sputtering is used.2The
[0046]
Here, using the apparatus shown in FIG. 5 again, impurities are doped with laser light, which is the structure of the present invention. In the apparatus shown in FIG.3In an atmosphere, a sample (having the shape shown in FIG. 3) was heated and irradiated with laser light to perform P (phosphorus) doping. At this time, since the source and drain regions (131 and 133 shown in FIG. 4) are doped with P, they are made N-type. On the other hand, the channel formation region (132 shown in FIG. 4) is not irradiated with the laser using the
The doping conditions are as follows.
Atmosphere PH35% concentration (H2Dilution)
Sample temperature 350 degrees
Pressure 0.02 to 1.00 Torr
Laser KrF excimer laser (wavelength 248nm)
Energy density 150-350mJ / cm2
Number of
[0047]
After the formation of the source and drain regions, as shown in FIG.2The film 16 was formed to a thickness of 100 nm. The film forming conditions are the same as the gate oxide film manufacturing method.
[0048]
After that, hole patterning for contact is performed, and aluminum to be an electrode is vapor-deposited to form the
[0049]
In particular, in order to compare the effects of the present invention, the sample was not heated at the time of laser irradiation, but was irradiated with a laser having the same intensity. However, as shown in FIG. The concentration was also one digit lower and the impurity distribution was limited to the vicinity of the surface. On the other hand, in this example, when the sample was heated to 350 ° C. and irradiated with laser, as shown in FIG. 9A, the impurity doping concentration was high, and the diffusion was deep.
[0050]
[Embodiment 2] This embodiment is an example in which the doping method according to the present invention is applied to the manufacture of NTFT provided on a glass substrate. In this example, a glass substrate or a quartz substrate was used as the substrate in the same manner as in Example 1. First, as in Example 1, SiO 2 is formed on the
[0051]
Next, an intrinsic or substantially intrinsic hydrogenated amorphous
[0052]
Further, the excimer laser was irradiated while maintaining the vacuum state in the chamber where the hydrogen was discharged, and the sample was polycrystallized under the same conditions as in Example 1. After the laser irradiation, the temperature was lowered to 100 degrees in a hydrogen-reduced atmosphere (about 1 Torr).
[0053]
In the present embodiment, using the apparatus shown in FIG. 6, the heating process for dehydrogenating the sample, the crystallization by excimer laser light irradiation, and the impurity doping process were performed in the same vacuum chamber. By using such a vacuum chamber, it is easy to maintain a vacuum state from the heating step to the crystallization step by laser irradiation, and a film in which no impurities (particularly oxygen) are mixed can be obtained. This vacuum chamber is provided with an electrode for applying electromagnetic energy to the atmosphere, and also serves as a PCVD apparatus. However, it goes without saying that each process may be performed in a separate reactor using an apparatus configured in a multi-chamber type. Although the reactor shown in FIG. 6 has a positive column structure, other types may be used, and the method of adding electromagnetic energy is not particularly limited. If it is desired to obtain a particularly high activation rate, it is useful to use an ECR type apparatus.
[0054]
In FIG. 6, 31 is a vacuum chamber, 32 is a quartz window for irradiating a laser from the outside of the
[0055]
After crystallization with an excimer laser using the vacuum chamber of FIG. 6, SiO which becomes a gate insulating film using RF sputtering is used.2The
[0056]
Here, using the apparatus shown in FIG. 6 again, doping of impurities by the laser beam which is the structure of the present invention is performed. In the apparatus shown in FIG. 6, the decomposed PH given electromagnetic energy3In an atmosphere, a sample (having the shape shown in FIG. 3) was heated and irradiated with laser light to perform P (phosphorus) doping. At this time, since the source and drain regions (131 and 133 shown in FIG. 4) are doped with P, they are made N-type. On the other hand, the channel formation region (132 shown in FIG. 4) is not irradiated with the laser using the
Atmosphere PH35% concentration (H2Dilution)
Sample temperature 350 degrees
Pressure 0.02 to 1.00 Torr
Input power 50-200W
Laser KrF excimer laser (wavelength 248nm)
Energy density 150-350mJ / cm2
Number of
[0057]
After the formation of the source and drain regions, as in the first embodiment, as shown in FIG.2A film 16 is formed to a thickness of 100 nm, contact hole drilling patterning is performed, aluminum as electrodes is further deposited to form a
[0058]
In this doping step, the atmosphere is changed to B2H6As a result, a P-channel TFT (PTFT) could be formed. In the conventional case, the degree of decomposition of the doping gas differs depending on the wavelength of the laser beam, and this has caused a problem of non-uniformity in doping. As a result, the doping gas is decomposed, so that doping can be performed without being limited by the wavelength of the laser beam, regardless of whether it is a PTFT or NTFT.
[0059]
Example 3 FIG. 7 shows a state of a doping treatment apparatus of the present invention. That is, the
[0060]
As described above, when a mechanism for moving the sample is incorporated in the chamber, since the sample holder is thermally distorted by the heater, the temperature is controlled carefully. Further, since dust is generated by the sample transfer mechanism, the maintenance in the chamber is troublesome.
[0061]
[Embodiment 4] FIG. 8A shows a state of a doping treatment apparatus of the present invention. That is, the
[0062]
In this embodiment, not only the above points are superior to the third embodiment, but also the following points are excellent. That is, in the system of Example 3, laser irradiation could not be performed until the sample was placed in the chamber and then evacuated to a sufficient degree of vacuum. That is, there was a lot of dead time. However, in this embodiment, if a large number of chambers as shown in FIG. 8A are prepared and rotated in order such as sample loading, vacuum evacuation, laser irradiation, and sample removal, respectively, There is no dead time. Such a system is shown in FIG.
[0063]
That is, the
[0064]
As described above, in this embodiment, the continuous processing can be performed, so that the exhaust waiting time can be reduced and the throughput can be improved. Of course, in the case of the present embodiment, although the throughput is improved, more chambers are required as compared with the case of the third embodiment. Therefore, it should be performed in consideration of the mass production scale and the investment scale.
[0065]
[Embodiment 5] This embodiment is an example in which the doping method which is the configuration of the present invention is applied to manufacture of an NTFT provided on a glass substrate. In this example, a glass substrate or a quartz substrate was used as the substrate in the same manner as in Example 1. First, as in Example 1, SiO 2 is formed on the
[0066]
Here, using the apparatus shown in FIG. 6, doping of impurities by laser light, which is a structure of the present invention, is performed. In the apparatus shown in FIG. 6, the decomposed PH given electromagnetic energy3Under an atmosphere, a sample (having the shape of FIG. 10B) was heated, and laser light was irradiated to perform doping of P (phosphorus). At this time, since the source and drain regions (106 and 108 shown in the figure) are doped with P, they are made N-type. On the other hand, the channel formation region (107 shown in the figure) is irradiated with laser using the silicon oxide mask 105 as a mask and crystallized, but since the mask material exists, doping is not performed. That is, in this step, crystallization by laser and doping are performed simultaneously. The conditions at this time were the same as in Example 2.
[0067]
After the formation of the source and drain regions, a
[0068]
In this embodiment, the self-aligned source and drain cannot be formed. However, for example, if a gate electrode is formed on the gate insulating film and laser irradiation is performed from the back surface as in the first embodiment, the present embodiment As an example, the channel region can be crystallized and the source and drain can be doped simultaneously.
[0069]
Example 6 FIG. 11 shows an example in which an active matrix is formed on a Corning 7059 glass substrate. As shown in FIG. 11A, a Corning 7059 glass substrate (thickness 1.1 mm, 300 × 400 mm) was used as the substrate 201. A
[0070]
Next, after forming a base oxide film 203 (silicon oxide), a silicon film 204 (
[0071]
Then, as shown in FIG. 11 (A), hydrogen diluted phosphine PH3(5%) was irradiated with KrF laser light to improve the crystallinity of the
[0072]
Next, as shown in FIG. 11B, an
[0073]
Thereafter, boron as a P-type impurity is implanted into the silicon layer by ion doping in a self-aligned manner to form TFT source / drains 208 and 209. Further, as shown in FIG. Irradiation with KrF laser light improved the crystallinity of the silicon film whose crystallinity deteriorated due to this ion doping. However, at this time, the energy density of the laser beam is 250 to 300 mJ / cm.2And set higher. Therefore, the sheet resistance of the source / drain of this TFT was 300 to 800Ω / □.
[0074]
After that, as shown in FIG. 11D, an
[0075]
[Embodiment 7] FIG. 11 shows an example in which a silicon oxide film is doped with phosphorus as in Embodiment 6 and a TFT is formed using this as a gate insulating film. Similarly to Example 6, a
[0076]
Then, as shown in FIG. 11 (A), hydrogen diluted phosphine PH3(5%) was irradiated with KrF laser light to improve the crystallinity of the
[0077]
Next, as shown in FIG. 11B, an
[0078]
Thereafter, phosphorus is implanted as a N-type impurity into the silicon layer in a self-aligned manner by a known ion doping method to form TFT source / drains 208 and 209. Further, as shown in FIG. This was irradiated with KrF laser light to improve the crystallinity of the silicon film whose crystallinity deteriorated due to this ion doping. After that, as shown in FIG. 11D, an
[0079]
[Embodiment 8] In this embodiment, a silicon oxide film is formed on a single crystal substrate, phosphorous laser doping is performed on the silicon oxide film, and a MOS capacitor using this as a gate oxide film is manufactured. Its characteristics (CV characteristics) Was measured.
[0080]
A gate insulating film (
[0081]
Therefore, using the apparatus used in Example 1, hydrogen diluted phosphine PH3(5%) was irradiated with KrF laser light to reduce the recombination centers (trap centers) of this silicon oxide film. At this time, the energy density of the laser beam is 200 to 300 mJ / cm.2It was. The number of shots was also set to 10. Preferably, the temperature is kept at 200 to 400 ° C., typically 300 ° C. As a result, in the oxide film, 1 × 1020~ 3x1020cm-3Of phosphorus is doped, and the interface state density is 1011cm-2Decreased to: Next, an aluminum gate electrode was formed.
[0082]
For example, if the laser doping process is not performed, the CV characteristic of the obtained MOS capacitor has a large hysteresis as shown in FIG. Here, the horizontal axis represents voltage, and the vertical axis represents capacitance. However, the laser doping treatment as in this example has resulted in good CV characteristics as shown in FIG.
[0083]
The distribution of each element in the film at this time is as shown in FIG. That is, phosphorus was doped partway through the silicon oxide film by laser doping in this example. Thus, it can be seen that the sodium element is gettered by this phosphorus. Further, carbon was present in a very small amount in all regions of the oxide film because it was released out of the film by laser irradiation. Also in this example, as in Example 7, when a negative voltage is applied to the gate electrode (Al), mobile ions such as sodium existing in the film are actively attracted to a region rich in phosphorus. A further effect can be obtained.
[0084]
【The invention's effect】
In the configuration of the present invention, the semiconductor is irradiated with laser light in a heated state of the sample or in an atmosphere containing an impurity imparting one conductivity type decomposed by applying electromagnetic energy to the reactive gas. It was possible to efficiently dope the impurities imparting the one conductivity type. In particular, it was possible to obtain an effect that doping can be performed without causing thermal damage to the glass substrate and without being influenced by the wavelength of the laser beam or the kind of the doping gas.
[0085]
In addition, as described above, the present invention is not limited to the purpose of doping impurities into semiconductors, but also modifies the surface of metal materials and ceramic materials, and adds trace amounts to metal thin films, ceramic thin films, and insulator thin films. It is an industrially useful invention that can be used for a wide range of purposes such as addition of elements.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 shows a manufacturing process of an example.
FIG. 2 shows a manufacturing process of the example.
FIG. 3 shows a manufacturing process of the example.
FIG. 4 shows a manufacturing process of the example.
FIG. 5 is a conceptual diagram of a semiconductor processing (impurity doping) apparatus according to the present invention.
FIG. 6 is a conceptual diagram of a semiconductor processing (impurity doping) apparatus according to the present invention.
FIG. 7 shows an example of a semiconductor processing (impurity doping) apparatus of the present invention.
FIG. 8 shows an example of a semiconductor processing (impurity doping) apparatus of the present invention.
FIG. 9 shows the depth distribution of impurity concentration in a semiconductor impurity region produced by the present invention and the conventional method.
FIG. 10 shows a manufacturing process of the example.
FIG. 11 shows a manufacturing process of an example.
FIG. 12 shows CV characteristics and element distribution of Examples.
[Explanation of symbols]
21 Vacuum chamber
22 Quartz window
23 Laser light
24 samples
25 Sample holder
26 Heater
27 Exhaust system
28 Gas introduction system
Claims (9)
リンを含むゲイト絶縁膜が前記チャネル形成領域に接して設けられ、
ゲイト電極が前記ゲイト絶縁膜に接して設けられ、
前記基板、前記半導体膜、前記ゲイト絶縁膜および前記ゲイト電極の上方に、有機樹脂からなる絶縁膜が設けられ、
前記絶縁膜に形成された第1のコンタクトホールにおいて前記第1の不純物領域に直接続された導電膜と、前記絶縁膜に形成された第2のコンタクトホールにおいて前記第2の不純物領域に直接接続された電極と、前記電極に直接接続された透過型の画素電極とが、それぞれ、前記絶縁膜上に接して設けられ、
前記電極は前記画素電極上に接して形成され、前記画素電極の上面の一部および側面の一部において接続されており、
前記電極と前記画素電極との接続部は、前記第2のコンタクトホールと重ならず、かつ前記第2の不純物領域と重ならない部分を含むことを特徴とするアクティブマトリクス型表示装置。A semiconductor film provided with first and second impurity regions and a channel formation region is provided above the substrate;
A gate insulating film containing phosphorus is provided in contact with the channel formation region;
A gate electrode is provided in contact with the gate insulating film;
An insulating film made of an organic resin is provided above the substrate, the semiconductor film, the gate insulating film, and the gate electrode,
A conductive film directly connected to the first impurity region in the first contact hole formed in the insulating film and a direct connection to the second impurity region in the second contact hole formed in the insulating film And the transmissive pixel electrode directly connected to the electrode are provided in contact with the insulating film,
The electrode is formed on and in contact with the pixel electrode, and is connected to a part of the upper surface and a part of the side surface of the pixel electrode,
The active matrix display device, wherein a connection portion between the electrode and the pixel electrode includes a portion that does not overlap with the second contact hole and does not overlap with the second impurity region.
酸化珪素を含む下地膜が前記ブロッキング膜上に接して設けられ、
第1および第2の不純物領域およびチャネル形成領域が設けられた半導体膜が前記下地膜上に接して設けられ、
リンを含むゲイト絶縁膜が前記チャネル形成領域上に接して設けられ、
ゲイト電極が前記ゲイト絶縁膜上に接して設けられ、
前記ガラス基板、前記ブロッキング膜、前記下地膜、前記半導体膜、前記ゲイト絶縁膜および前記ゲイト電極の上方に、有機樹脂からなる絶縁膜が設けられ、
前記絶縁膜に形成された第1のコンタクトホールにおいて前記第1の不純物領域に直接接続された導電膜と、前記絶縁膜に形成された第2のコンタクトホールにおいて前記第2の不純物領域に直接接続された電極と、前記電極に直接接続された透過型の画素電極とが、それぞれ、前記絶縁膜上に接して設けられ、
前記電極は前記画素電極上に接して形成され、前記画素電極の上面の一部および側面の一部において接続されており、
前記電極と前記画素電極との接続部は、前記第2のコンタクトホールと重ならず、かつ前記第2の不純物領域と重ならない部分を含むことを特徴とするアクティブマトリクス型表示装置。A blocking film for blocking sodium ions is provided on the glass substrate,
A base film containing silicon oxide is provided in contact with the blocking film;
A semiconductor film provided with the first and second impurity regions and the channel formation region is provided in contact with the base film;
A gate insulating film containing phosphorus is provided on and in contact with the channel formation region;
A gate electrode is provided on and in contact with the gate insulating film;
An insulating film made of an organic resin is provided above the glass substrate, the blocking film, the base film, the semiconductor film, the gate insulating film, and the gate electrode,
A conductive film directly connected to the first impurity region in the first contact hole formed in the insulating film and a direct connection to the second impurity region in the second contact hole formed in the insulating film And the transmissive pixel electrode directly connected to the electrode are provided in contact with the insulating film,
The electrode is formed on and in contact with the pixel electrode, and is connected to a part of the upper surface and a part of the side surface of the pixel electrode,
The active matrix display device, wherein a connection portion between the electrode and the pixel electrode includes a portion that does not overlap with the second contact hole and does not overlap with the second impurity region.
Priority Applications (1)
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