JP3611905B2 - 組蓄電池の充電制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動車輌の駆動電源として用いる、多数セルの密閉式酸化金属・水素蓄電池で構成した組蓄電池を、回生モードの回生電動機によって、回生充電をする際の充電制御方式に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、大気の浄化、騒音減少などの環境対策及び操作性を容易にするなどの目的で、蓄電池と電動機を用いて駆動する電気自動車、カート類、運搬車などの電動車輌の開発が進められつつある。このような電動車輌は、従来のガソリンエンジン車などの内燃機関車輌と比べて、公害防止をはじめ多くの点ですぐれたものとなるが、1回の充電当りの走行距離(以下、1充電走行距離と記す)は不十分なものであった。
【0003】
この1充電走行距離を伸ばすために、車輌,電動機の改良と共に、エネルギー密度のさらに大きい各種の二次電池の開発が進められ、最近では密閉式ニッケル・水素蓄電池等の密閉式酸化金属・水素蓄電池が、高エネルギー密度で長寿命な蓄電池として注目されつつある。しかし、この系の蓄電池を用いても、現状では内燃機関車輌の燃料1回注入当りの走行距離にはまだ匹敵することはできない。このような状況下で、1充電走行距離を伸ばし、排ガス量を減少させる一つの方式として、内燃機関−電機(電動)ハイブリッド車輌も開発されている。
【0004】
これらの電動車輌あるいはハイブリッド車輌では、長い下り坂あるいは高速走行時の補助ブレーキとして、通常駆動力として用いている電動機を発電機に切換えて、走行エネルギーを電気エネルギーに変換し抵抗器等で消費させる電気制動方式が研究されてきた。そして、その発生電力を省エネルギー、走行距離伸長等への対応策として、蓄電池等の充電(以下回生充電)に用いる、いわゆる回生制動とする案が検討されている。
【0005】
回生充電は、その目的からできる限り多くの電気量を蓄電池に供給することが求められる。しかし、蓄電池は電気化学反応によって電気エネルギーを蓄積するものであるから、過大電流を流したり、過充電状態にすると、その特性、寿命を著しく劣化させることがある。そのために、回生充電を行なう電源装置では、蓄電池に流れる充電電流と加わる電圧を検出し、所定値以下に制御して蓄電池を保護すると共に、電気制動能力を確保するために、余剰電力を抵抗器等に流して消費させる方法が検討されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記したように、電動車輌等の駆動力として用いる電動機として、発電機にも切替え使用ができるようにした回生電動機を採用すれば、回生電力として電動車輌等の運動エネルギーを回収できる可能性がある。そのためには、回生制動で発生する電力を効率よく蓄電する手段が必要となる。
【0007】
しかし、電気容量の大きい蓄電池を多数、組電池として使用する電動車輌の場合、安全性確保,電池コスト低減のための長寿命化は大きな課題であり、回生充電に際しても、前述のごとく過充電等に対する保護は重要な課題となる。
【0008】
前記蓄電池保護対策として、例えば、特開平5−276686号公報では、一般電気負荷用蓄電池(いわゆるLSI用の比較容量の少ない蓄電池)の充電発電機に電動機の機能を一体化した回転電機として、その回転子に界磁巻線と電機子巻線を備え、界磁巻線への界磁電流を調整する半導体開閉素子とそのオンオフ制御手段を設けたものを用い、電機子巻線の発生電力を整流して蓄電手段を充電するようにした、トラック等のエンジン(内燃機関)車輌用電源装置が述べられている。この回転電機は発電による電気制動にも適用され、充電電流及び電圧を検出し、デューティー比を変えて前記半導体開閉させて、蓄電手段を適正な電流電圧で充電すると共に、余剰電力を発電制動用抵抗負荷で消費するようにして、回転電機の発電出力を高めるようにしたものが示されている。
【0009】
また、特開平4−271209号公報では、内燃機関の主軸に連結された回転機(電動機と発電機を兼ねた前述の回転電機に相当)に、蓄電池と大容量のコンデンサをそれぞれ双方向性スイッチ手段を経て並列接続したものを、インバータ回路を介して接続して、電力の授受を行う、内燃機関−電気ハイブリッドシステム車輌に用いる電源の調整回路が述べられている。この方法では、蓄電池及びコンデンサの充電状態を電圧で監視しながら、前記双方向性スイッチ手段を操作して、回生充電において蓄電池が満充電状態になれば、余剰の回生電力をコンデンサに蓄積するようにして、総蓄積電気量の増大を図っている。なお、この方式ではコンデンサ併用によって、低温時のエンジン始動性、発進時の加速性の向上に寄与できると述べている。
【0010】
さらに、特開平5−64378号公報では、整流電源とインバータ間に蓄電池を接続し、インバータの交流出力側に、回生電力を発生する回生負荷を接続した無停電電源装置が示されている。この提案では、蓄電池に流入する電流と、直流母線電圧を検出しながら回生充電を行ない、流入電流または直流母線電圧が所定値以上になった際、スイッチを介して蓄電池に並列に設けた抵抗器に、スイッチをオン状態にして余剰の回生電力を消費させ、蓄電池の過充電防止を図っている。
【0011】
また、特開平5−137211号公報では、電気自動車の残存走行可能距離の算出確度の向上策として、蓄電池の放電量と共に、回生充電容量を電池に出入りする電気量として電量計で検出する方法が述べられている。
【0012】
このように、従来の方法では電気制動等により回転電機,回転機など発電機能を有する回生電動機に発生した電力(回生電力)で、蓄電池を回生充電する場合、充電電圧と充電電流、または充電電圧を検出・制御して過充電あるいは過大電流での充電を防止していた。
【0013】
先に述べたように、エネルギー密度が高く有望視されている各種新規二次電池の中でも、長寿命で実用性の高い密閉式ニッケル・水素蓄電池等の酸化金属・水素蓄電池は、電動車輌の駆動電源に好適なものとして期待されている。しかし、この電池系は従来の蓄電池、例えば放電電圧など特性の類似した密閉式ニッケル・カドミウム蓄電池と比べて、充電時の挙動には異なった点がある。
【0014】
充電中、密閉式ニッケル・カドミウム蓄電池では、主に過充電時に、正極から発生する酸素ガスにより電池内圧が上昇するが、負極で吸収されて一定の平衡圧力となり、この平衡圧力は温度に反比例して変化する。すなわち高温になると酸素吸収反応は促進され、平衡圧力は低下する。一方、正極にニッケル酸化物などの酸化物を、負極に水素吸蔵合金(金属水素化物)を用いた、密閉式酸化金属・水素蓄電池(以下、代表的な密閉式ニッケル・水素蓄電池で記述する)の場合低い温度では、密閉式ニッケル・カドミウム蓄電池と同様理由で電池内圧力は上昇するが、高温でも負極に用いる水素吸蔵合金の水素解離平衡圧力が上昇して、電池内圧力が上昇するが、電池充電末期には電池温度上昇率も大きく、電池内圧力はさらに上昇するという問題点がある。このような理由から、充電時の蓄電池端子電圧あるいは充電電流を検出・制御する従来の急速充電の制御方式では、蓄電池温度の上昇により電池内圧力が過大となり、安全弁を作動させて電解液漏出によるトラブルあるいは電池特性の劣化、サイクル寿命の低下、または充電電圧制御不能による蓄電池性能の急激劣化を招いていた。対応策として、充電制御電圧を低くする方法、充電電流を小さくする方法等が考えられるが、充電される電気量が少なくなり電池性能を生かせない、あるいは充電時間が大幅に長くなるなど、現実性に乏しいものであった。
【0015】
回生充電では、放電中の蓄電池に通常は不特定の充電が間挿されるので、前記現象はさらに顕著となり、上記した従来の電池充電電圧あるいは充電電圧と充電電流を監視・制御する回生充電制御方法を、組蓄電池とした密閉式ニッケル・水素蓄電池に適用するのは困難であった。
【0016】
このような、密閉式ニッケル・水素蓄電池の充電時の課題対策として、通常のサイクル充・放電の場合は、電池温度検出あるいは電池温度上昇率、またはこれに電池電圧変化を加えた充電制御法が提案されている。例えばポーブル機器に用いられる小型円筒密閉式ニッケル・水素蓄電池では、−△V値と充電中の電池温度とにより充電を制御し、充電中に電池温度が設定値(例えば50〜70℃)を超えたときは、充電電圧より優先して温度により制御する方法がある(例えば、特開平4−138029号公報)。
【0017】
また、中〜大型で電池容量が大きい密閉式ニッケル・水素蓄電池の単電池を複数セル直列接続してモジュール電池あるいは群電池とした組蓄電池に対しては、モジュール電池の中央部付近など電池の特定部位の温度および昇温速度(dT/dt)を計測し、いずれか一方もしくは両方があらかじめ設けた設定値(例えば、設定温度45℃〜60℃,昇温速度0.05〜2deg/min)を越えたら、充電を停止もしくは充電電流を減少させる。または、電池とその環境の温度を計測して、その差が設定値(例えば温度差10〜30℃)を越えたら同様に制御する。また、電池温度に対応してあらかじめ設定された充電電圧(例えば、単電池当たり0℃以下で1.7V〜1.9V、0℃以上で1.6〜1.8V)を越えたら充電を停止させる。また、充電時の電池温度と充電電圧及び/またはタイマーと連動して充電回路を開閉または充電電流を減少させる。
【0018】
さらには、電池容量が10Ah以上の場合は、電流減少後を含めた1サイクルの総充電電気量をタイマー等により150%以下に規制する。また、電池温度が設定値を越えることを判定第1条件として、充電電圧の上昇率が負に転じた点、いわゆる−△V電圧制御を併用する方法などが提案されている(特開平6−133468号公報,特開平5−326024号公報など)。このように、電池温度(あるいは環境温度も加え)の上昇変化、温度上昇率の単独あるいは双方と、電池電圧との併用制御をすれば、通常のサイクル充電では、充電電気量を低下させずに、電池性能の劣化無く、安全性を確保して充電を行うことができると云われている。
【0019】
ところが、回生充電、ことに電動車輌の場合は図6に示したように、回生制動時の発生電力の変動は大きく、大電流から小電流まで、時間的にも短時間に激しく変化している。一方、回生充電をされる蓄電池は、サイクル充電された直後から、大半を放電された時点まで、多様な状態で充電されると共に、回生充電の目的を達成するためには発生電力をできる限り多く、効率よく蓄える必要がある。しかし、電動車輌では駆動エネルギー効率を高くするために、駆動電圧を高くする方向にあり、少なくとも数十セル、乗用車クラス以上では150〜250セルの単電池を直列接続して使用するようになってきている。
【0020】
200セル前後の単電池を直列接続し組蓄電池として使用した場合、電池の容量,特性に若干の偏差はさけられず、充放電サイクルの進行と共に拡大される傾向がある。従って不特定少数の単電池は、大半の他の電池と比べて温度上昇が早くなったり、充電電圧が早く上昇し、電池内圧力も高くなるものが生じやすいが、代表的に電池温度を検出したり、多数セルを直列一括で電圧検出をする方法では、前記少数の単電池の個々の変動、異常を検出するのは困難である。そのため、大電流を含む変動の大きい回生充電を適用した場合、これら少数の単電池は過充電状態となりやすく、ことに、自己放電分等を差し引いた残存放電可能電気量(以下、残存電気量と記す)が多く残存している正規の充電直後の場合は、前記の密閉式ニッケル・水素蓄電池の充電に適した各充電制御方法を適用しても、少数の単電池の過充電状態継続は避けられず、性能劣化が促進され、結果的に組電池全体の性能も早期に低下し、サイクル寿命が短くなってしまうと云う課題があった。
【0021】
前記、特開平6−133468号公報等において、200セル前後の単電池からなる組蓄電池の、すべての単電池の電池温度,充電電圧を検出するようにすれば、上記の課題はかなり改善されるが、残存容量が多い場合はまだ不十分であり、また、組蓄電池および充電制御系の配線が複雑となり嵩張り、トラブル発生率が大きくなると共に、コスト増、容積増など不利な課題も生じ、不満足なものであった。また別の方法として、(「放電クーロン量×放電平均電圧」/「充電クーロン量×充電平均電圧」)×100を、その電池のエネルギー効率として、この効率が80%以上となる目標充電量を設定し、この目標充電量から、その電池の現状の残存容量を差引いた分を充電する案があるが、電池温度、充電電流の大きさによって、電池の充電受入れ能力が変化するので、条件によって過充電状態になったり、充電不足になりやすく、十分な対応策とは云えなかった。
【0022】
本発明は、このような密閉式ニッケル・水素蓄電池で代表される密閉式酸化金属・水素蓄電池の単電池を多数セル直列接続した組蓄電池を電動車輌等に搭載して、回生充電を行う場合の課題解決を目的とするものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の組蓄電池の充電制御方法は、回生モードの回生電動機が発生する回生電流によって、蓄電池を多数セル直列接続して構成した組蓄電池を充電するに際し、所定短時間間隔で組蓄電池の残存電気量と、電池温度及び回生電流値、または電池温度を逐次計測し、満充電時の放電可能電気量から特定時点の残存電気量を差引いて得た電気量に、同一特定時点の電池温度及び回生電流値、または電流値をパラメータとして算出した充電補正係数を乗じたものを、特定時点の回生充電上限電気量として記憶手段に保持させ、この記憶手段に保持させた上限電気量を所定時間毎に逐次更新しながら充電を制御するものである。
【0024】
また、上記の充電制御において、充電中の組蓄電池の電気抵抗値が、所定の上限値を越えた場合は、回生充電を制御して停止させるものである。
【0025】
【発明の実施の形態】
このように、満充電時の放電可能電気量から残存電気量を差引いた電気量に、電池温度及び回生電流値または電池温度による充電補正係数を規制値として乗算したものを、回生充電上限電気量とし、所定の時間間隔でこれを更新することによって、回生充電時に組蓄電池の過昇温、過充電を押え、長期サイクル期間性能低下を抑制しながら、組蓄電池を安定して効率よく回生充電することが可能となる。
【0026】
図1は本発明の組蓄電池の充電制御方法の一実施例を示す構成図である。図示の構成要素は電動車輌内に収納され、回生充電時の充電制御を行なう要素を主体に示したものである。
【0027】
図1において、1は後述する密閉式ニッケル・水素蓄電池を200セル直列接続して構成した組蓄電池であり、その一部の複数セルには電池温度検出用の温度センサ(Ts)7が設けられ、温度計測手段8に接続されている。
【0028】
前記組蓄電池1は、直列に残存電気量計測手段2,切換手段3A,3Bおよび電子コントローラ4を介して、回生電動機5に接続されている。回生電動機5は、電動車輌走行時には電動機として動作し、組蓄電池1を電源として、車輌走行制御装置11A(図示せず)によって制御される電子コントローラ4を介して可変電力を与えられ、所定の駆動力を発生して電動車輌を駆動する。このとき、電流は点線矢印方向に流れ、切換手段のスイッチ3Aはa接点に,3BはK接点に接続されている。一方、電動車輌が長い下り坂あるいは高速等で走行中に制動する場合は、回生電動機5は車輌側制御装置11によって発電機に切換えられ、走行エネルギーに応じて回生電力を発生し、無制御もしくは一定電圧の充電モードに切換えた電子コントローラ4を経由して直流充電電流を実線矢印方向に供給して、組蓄電池1を回生充電する。
【0029】
従来の充電制御方法、ことに密閉式ニッケル・水素蓄電池に適した制御方法では、上述した温度計測手段8による組蓄電池1の電池温度及び/あるいは温度上昇率、またはさらに組蓄電池の総電圧もしくは複数のモジュール群に分割した電圧の変化等を情報として、電池温度上限を設けて充電電流を減少させるか、遮断して制御していた。
【0030】
本発明の充電制御方法では、残存電気量計測手段(細部後述)2によって検出された特定時点の残存電気量と、前記電池温度及び回生電流値、電池電圧等を制御情報として、マイクロプロセッサ等で構成した制御演算部6A及びメモリー素子等で構成した記憶手段6Bからなる充放電管理手段6に入力する。前記充放電管理手段6の制御演算部6Aは、記憶手段6Bに予め記憶された、組蓄電池1の前回の満充電時の放電可能電気量(後述)データから、前記特定時点の残存電気量を差引いて得た電気量(その時点の放電消費済電気量に相当)に、同一特定時点の電池温度及び回生電流値をパラメータとして求めた充電補正係数を乗じて、前記特定時点での回生充電上限電気量を算出し、その値を記憶手段6Bに保持させる。電動車輌が、組蓄電池1を放電と回生充電を繰り返しながら走行している間は、前記残存電気量、電池温度等の計測と回生充電上限電気量の算出を、所定時間間隔(例えば数秒〜10分間ごとに)で行ない、前回の値を更新する。
【0031】
また、充放電管理手段6は、車輌走行制御装置11Aを含む車輌側制御装置11(細部省略)と接続され、双方向に信号を送受できるようになっている。車輌走行中に制動状態とする場合、車輌側制御装置11は、回生電動機5を回生モード(発電機とする)に切換え、充放電管理手段6に充電信号を送出する。信号を受けた前記充放電管理手段6は、電子コントローラ4を充電モード(無制御もしくは一定電圧)に切換えさせると共に、制御下にある切換手段3Aをb接点に切換え、回生充電制御部9を介し残存電気量計測手段2を経由して組蓄電池1に回生充電電流が流れるようにする。
【0032】
回生充電が進行すると共に、充放電管理手段6は、残存電気量計測手段2に内蔵する充・放電積算電量計(図示せず)が経時的に検出する電気量から算出した回生充電電気量を、その時点の前記回生充電上限電気量と比較し、上限に達していなければ回生充電を継続させ、上限に達した場合は回生充電制御部9に信号を送り、その時点での充電を停止させるか、組蓄電池1の安全電流以下の電流値に減少させて過充電による電池劣化を防止する。そして車輌走行により次の放電が始まると、残存電気量が減少し、以降の回生充電上限電気量が算出され、再び次の回生充電が行なわれる。本発明の回生充電の制御方法では、この制御動作の繰り返しにより、組蓄電池を保護しながら、経時的に常に組蓄電池に効率よく回生電力を回収することが可能となる。
【0033】
次に、構成要素の細部について補足説明を述べる。
残存電気量計測手段2は、回生充電を含む充電及び放電時の電流を、ADコンバータとマイクロコンピュータ等で構成した積算手段によって、充電時に積算、放電時に減算する充・放電積算電量計と、充電・放電時の電流の大きさを検出する電流値検出手段及び環境温度検出手段を備え、これらの情報を短時間間隔で逐次充放電管理手段6に送出する。充放電管理手段6は、前記電池関連情報とともに、組蓄電池1に付属する温度計測手段8から逐次送出される電池温度検出値を加えて、以下に述べる充放電時の残存電気量と制御条件を算出する。組蓄電池を正規充電する際には、前記充電電流検出値及び電池温度(さらには環境温度)検出値を、予め記憶手段6Bに記憶させた組蓄電池1の充電電流値及び電池温度に対比した充電効率の標準データと照合して、充電効率を求め、前記積算電量計が検出した電気量に乗じて、その時点での放電可能電気量を算出する。
【0034】
本発明で一つの基準とする、「満充電時の放電可能電気量」は、組蓄電池1の放電が進んだ状態で、図1の外部充電切換手段16Aを切換えてExt Chg端子に外部充電器コードを接続すると共に、同切換手段16Bも切換えて電池温度計測手段の検出出力を外部充電器に接続して充電を行ない、電池温度あるいは温度上昇率,環境温度との差などの単独または組み合わせ等温度変化を検知して、もしくはこれに充電電圧変化を併用して、充電制御を行ない、充電が満充電状態に達した時点の充電電気量を検出し、これに上述の充電効率を乗算して得た電気量、及び充電前に残存電気量があればこれを加算した合計電気量を満充電時の放電可能電気量とする。この電気量を安定化させるには、充電条件が一
定した専用充電器を用いることが好ましい。この満充電時の放電可能電気量は、記憶手段6Bに保存され回生充電上限電気量の算出に用いられるが、次の満充電時に更新される。すなわち、サイクル進行によって変化する電池特性に対応して書き換えられる。
【0035】
図2A,図2Bは本発明実施例図1に用いた組蓄電池1を構成する密閉式ニッケル・水素蓄電池の単セル101及び10個のセルを直列接続したモジュール電池B1〜B20の1モジュールの上面を示すものである。図2Aにおいて、単セル101は電槽102内に、ニッケル酸化物活物質を主体とする正極板、水素吸蔵合金粉末を主体とする負極板およびセパレータの各複数枚からなる電極群103に適量のアルカリ電解液を含浸させたものを収納し、前記正極板群には正極端子104を、負極板群には負極端子105を接続する。電槽102の蓋106には前記正・負極端子104,105が固着されるとともに、一定内圧力以上で開弁する安全弁107と、図1の温度センサ7を挿入する有底のセンサ穴108が設けられている。実施例では公称電圧1.2V、公称容量100Ahのセルを製作して用いた。
【0036】
図2Bのモジュール電池は、前記のセル101を10個直列接続して金属もしくは強化プラスチック製のモジュール枠110内に固定して構成したものであり、充放電時に比較的に温度上昇の大きい中央付近の1〜2セルの電池のセンサ穴108に、熱電対あるいはサーミスタ等の温度センサ7を挿入し、そのリード線7Aを導出してある。実施例では図1に示したようにこのモジュール電池20個(B1〜B20)をさらに直列にして用いた。前記20個の各モジュール電池から導出された各温度センサ7の出力は、温度計測手段8に接続される。温度計測手段8は、電池温度の最も高い値、あるいは高いもの2〜3セルの平均値を算出し、充放電管理手段6に電池温度情報として送出する(各電池温度の差が少ないときは、温度上昇率を併用してもよい)。前記電池温度情報は、前述のように切換手段16Bによって、回生充電時または外部充電器充電時とに、充放電管理手段の指示により切換え接続される。
【0037】
また、回生充電中に回生充電上限電気量に達して、上述のように回生充電制御部が回生充電を停止させた場合に車輌の制動力が不足するときは、車輌側制御装置11の信号によって、充放電管理手段6は切換手段3Bを作動させ、K接点からR接点に切換えると共に制動接続手段13を介して制動用抵抗負荷14に回生電流を送り、制動力を発生させる。さらに、必要に応じて、機械的制動指示装置15を設けこれを介して機械ブレーキを併用作動させる。このようにすることによって、車輌の操縦に支障をきたすことなく回生充電を制御することができる。
【0038】
次いで、前記図1に示した制御方式の構成例によって実施した、回生充電の運用条件とその結果の一例を説明する。本発明の要点である回生充電上限電気量を決定する際に用いる充電補正係数(Ck)は、電池温度,回生電流値に対応して、温度係数および電流係数として設定される。温度係数の一例を表1に示す。
【0039】
【表1】
電池温度が40℃を超えると温度に反比例して係数は小となる。従来から述べられているように、電池温度が70℃を超えた場合は、電池特性を低下させるので係数は0(ゼロ)、すなわち充電を行なわないようにする。なお、−20℃以下では電解液の粘度上昇あるいは凍結等によって電池の反応性が著しく低下するので、密閉式ニッケル・カドミウム蓄電池等と同様に充電を抑制する必要がある。
【0040】
【表2】
表2は回生電流に対応する電流係数の一例であり、0.5C,50A以上では電池内圧上昇、温度上昇率との兼合いから、電流値に反比例して係数を小にしている。
【0041】
充電補正係数(Ck)は、前記温度係数と電流係数の積(乗算)として求める。表3にその一例を示す(この表では、小数点以下2桁目の数値が5以下は2捨3入、5以上では7以下は5に,8以上は桁を切り上げ表示してある)。この充電補正係数(Ck)は、蓄電池の形状、構成条件による特性の相違に応じて若干の補正を行なうことが、本発明の目的により好ましいが、本発明実施例の単電池と類似の50〜200Ah程度の角形密閉式蓄電池を用いた場合は、表3の数値例をそのまま適用しても効果に大きな支障はない。
【0042】
次に本発明のもう一つの要点である、回生充電上限電気量を経時的に逐次更新する際の時間間隔の設定について説明する。蓄電池の性能劣化を防止しながら、回生充電効率を高めるには、時間間隔はできる限り短縮することが好ましい。しかし制御機器の動作の安定性、寿命との兼合いから、間隔を連続的に短かくすることは実用上問題を生ずるおそれがある。本発明者らが検討した結果では、放電開始直後等の残存電気量が多い時点の放電電気量と回生電気量のバランスを考慮して時間間隔を定めることによって、過剰頻度の更新が避けられる。また残存電気量が減少すると共に、効果を低減することなく時間間隔を長くすることが可能である。
【0043】
図6に電動車輌走行時の放電と回生充電の一例を示す。通常は、回生充電の電流値と充電時間の積値が、適用組蓄電池の電池容量の2%以下、すなわち、電流値が1CA(実施例の100Ahの電池では100A)であれば、更新時間間隔は72秒以下,例えば50〜70秒とする。放電と回生充電の時間間隔が短い場合は、回生率と電池保護の効果を高めるために、30秒程度にするのが好ましい。
【0044】
なお、残存電気量、電池温度、回生電流値の計測は、制御精度確保のため更新間に2回以上、複数回計測することが望ましい。残存電気量の減少と共に更新時間間隔を変える場合は、残存電気量が90%以上では上記の通りとし、電流値が同じであれば残存電気量が70〜90%未満では3〜5分間、70%未満では10分間程度まで広げることは可能である。また、前述の回生充電の電流はパルス状となることが多いがピーク電流が10秒以上継続するか、平均電流がピーク電流に近い大きさの場合は、電流値としてピーク電流を採用する。ピーク電流が約5秒以下のパルスであれば、平均電流値を採用してもよい。
【0045】
〔実施例1〕
次に、図1の構成に上述した回生充電上限電気量の設定基準を適用した本発明制御方式のものと、電流温度(及び副制御手段として組蓄電池総電圧)により制御する従来の充電制御方式のものについて、回生充電を伴なう放電と再充電を反復する充・放電サイクル試験を、環境温度を変えて比較実施した結果を説明する。
【0046】
供試電池は、何れも先に述べた図2A,図2Bの100Ah型の密閉式ニッケル・水素蓄電池を20モジュール、200セルで構成した組蓄電池を用いた。電池温度の検出は、本発明例の場合は各モジュールの中央の1セル,合計20セルに、また従来例の場合は各モジュールごとに3セル,合計60セルに温度センサを設けて計測した。
【0047】
そして、本実施例では測定温度のもっとも高い値を、従来方式では各モジュールごとの平均値のもっとも高い平均値を電池温度として抽出した。
【0048】
放電負荷及び回生充電には図1の回生電動機5及び電子コントローラ4に代えて電動車輌の走行例をモデル化した、パルス波形のシュミレーション直流電源を用い、放電は平均25A(10〜200Aのパルス)で120秒、2種類のパターン(L1,L2)で行ない、回生充電は無制御状態で平均10A−30秒(10〜50Aパルス;K1)と平均30A−30秒(10〜100Aパルス;K2)の2種類のパターン(両者の平均20Aで合計60秒)を組合せて、図3に示したように300秒を1周期とするモードで、組蓄電池の放電時終止電圧200Vまで反復する。
【0049】
【表3】
前記放電←→回生充電試験において、本実施例の回生充電上限電気量の更新時間間隔は、最大パルス電流が100Aなので上述の設定例に基づき60秒一定とし、充電補正係数Ckは表3に基づいて充放電管理手段6にインプットした。一方、従来方式の場合は、本実施例で用いたものと同一の上記シュミレーション直流電源と、組蓄電池の間に、主制御手段として従来知見に基づき、電池温度が70℃を超えたら回生充電を停止させる(別に保護手段として温度補正をした保護上限電圧〜本例では315V/20℃を基準に達したら充電を停止させる電圧制御を併用した)電流遮断リレー(図示せず)を設けて回生充電を制御した。
【0050】
放電終止電圧に低下した各組蓄電池は、外部充電器に接続(実施例の場合は前述したように、図1のExt Chg端子に接続、外部充電切換手段16A,16Bを切換え操作する)して、約25℃の送風環境下において、定電流20A(0.2CA)で各組蓄電池放電容量の105%の電気量を充電した。
【0051】
試験時間周期については、各実試験時間に30分間余の休止時間を加えて、放電←→回生充電を7.5h〜7h、充電を6.5〜6h、合計14〜13hを1サイクルとして試験を実施した。また、放電←→回生充電試験の環境温度については、常温下(15℃〜35℃、平均28℃)と高温下(40〜45℃)の2種類とし、試験数は本発明実施例、従来例共に各3組宛を供した。
【0052】
以上の条件で実施した試験結果を図4、図5に示す。図4は常温下で、図5は高温下で、それぞれ「放電←→回生充電」を行なったときの、各サイクルごとの回生充電相当分を含む合計放電電気量の、充放電サイクル進行に伴なう変化を示すグラフであり、本実施例を実線Aで示し、従来例を点線Bで示している。
【0053】
これらの図からわかるように、合計放電電気量の変化を見ると、実施例のものは従来例と比べて、サイクル初期の合計放電電気量は約2.5%少ないが、サイクルに伴なう低下率が少なく、常温下,高温下の何れにおいても安定して、優位に推移していることがわかる。合計放電電気量の維持率の推移を比べてみると、常温下の場合、100サイクル目では実施例−平均96%(以下、平均で示す),従来例85%、200サイクル目では実施例94%,従来例68%、300サイクル目では実施例90%,従来例57%であった。高温下の場合は、50サイクル目では実施例97.5%,従来例85.7%、125サイクル目では実施例93.4%,従来例63.6%であり、従来例のものは150〜200サイクルで2組の組蓄電池が著しく劣化したため試験を中止したが、実施例のものは200サイクル目でも90%を維持し安定していた。
【0054】
これらの結果から見ると、従来の制御法では高率放電中に、回生充電を行なうと、実施例の場合よりも当初の回生比率は約2.5%多くなるものの、電流温度は高温になりやすくその結果、特性低下を生じ弁作動による内部抵抗増大→発熱等、特性劣化が加速されたと思われる。これに対して、本発明の制御法によれば、発熱に関連する回生充電電流の大きさ、電池温度を補正要素として組み入れた回生充電上限電気量を設定規制することによって、初期の回生充電電気量は若干減少するが、電流温度の上昇を低減し、サイクル進行に伴なう電池特性劣化を抑制することができ、その結果常温下、高温下、何れの環境下においても組蓄電池の性能を長期サイクル間安定して発揮させることが可能になったものと判断される。
【0055】
〔実施例2〕
前記実施例1と同じ構成の組蓄電池を、220V,20kwの電動機を備えた4輪小型電動車輌に搭載して、走行試験を実施した結果について述べる。
【0056】
本発明例については、図1の制御構成要素を用い、前記実施例と同じく表3の充電補正係数Ckを適用して回生充電上限電気量を設定すると共に、その更新時間間隔を60秒とした。従来例については、前記と同様に電池温度が70℃を超えたら回生充電を遮断する高温保護と、20℃−310Vを基準として温度補正した電圧による充電制御機構(図示せず)を設けて回生充電を制御した。なお回生充電制御時の余剰回生電力は図1にも示した制動用抵抗負荷で消費させた。試験は、本発明例,従来例ともに各1台とし、平均10サイクル/月で15ヶ月間、テスト走行を実施した。各サイクル間の組蓄電池の充電については実施例1と同様に行なった。試験中の回生電力比率は電池容量に対して約10〜20%であった。試験期間中8ヶ月までは40〜50サイクルに1回、それ以降は約20サイクルごとに1回の割合で、20A(0.2C)定電流充・放電試験を行ない電池容量をチェックした。
【0057】
テスト走行の結果は、各サイクル合計放電電気量の低下推移を見ると、実施例1の常温下(図4)と高温下(図5)各試験結果の中間の低下率を示し、図4(常温下)と同様に実施例のものは50サイクル以降も安定し、従来例の方式では低下率が大であった。電池容量の低下傾向も同様であった。また、外気温度との関連を見ると夏期(2シーズン)に低下率が大きくなる傾向にあり、従来例の方式では夏期に一部の単セル(3〜4セル)の劣化が大きくなっていることがわかった。
【0058】
実施例1、実施例2の結果からわかるように、従来の方式で回生充電を制御した場合は、初期の回生効率はやや良いが、充放電サイクル中の合計放電電気量の低下率が大きく、ことに環境温度が高くなるとその傾向は大となっている。これは先に述べたように、密閉式酸化金属・水素蓄電池が充電時に発熱しやすく、周囲温度が高いとさらに発熱し、遊離水素増加,容量低下、過充電となる傾向が大であり、特性劣化を生じやすい性質に起因していると考えられる。すなわち、200セルなど多数の蓄電池を比較的狭小な容器内に収納して、電動機駆動のように大電流パルス放電を行なう中で回生充電をされるために、電池内に蓄熱しやすく、ことに組蓄電池群の中央部付近では蓄熱上昇の大きい部分も生じやすく、そのために従来の制御条件では、電池温度が高くなり高頻度で70℃前後に上昇する電池が多数セル発生し、その結果、複数の単電池は容量低下−過充電の傾向となり特性劣化が著しくなって、組蓄電池全体の性能が低下したものと思われる。
【0059】
これに対して本発明の方法では、電池温度と回生充電電流の大きさを補正頃とした回生充電上限電気量を設定し、回生充電を制御することによって、初期の回生効率は若干押えられるものの、実施例1で述べたように電池温度が過大上昇するのを押え、サイクルによる合計放電電気量の低下を抑制して、組蓄電池を長期間安定して使用することができる。
【0060】
また本発明では、上述したように組蓄電池の残存電気量と、電池温度さらには回生電流値を所定ん短時間間隔で計測し、電動車輌の走行による電池放電量の変化に対応しながら、回生充電上限電気量の設定を逐次更新していくことによって、電池性能を低下させない範囲で常に最大限の回生充電を可能にしている。
【0061】
なお、回生充電上限電気量に関与する充電補正係数(Ck)のパラメータの一つである回生電流値については、電流値が小さい場合は表2からもわかるように電流値の補正係数(電流係数)は1となる。表2は定電流で継続充電する場合の条件を示しているが、パルス電流でも約10秒以上の幅値を有する場合はそのパルスの中のピーク電流を回生電流値とする。そして、電池容量に対して0.5C未満(実施例では50A未満)のときは、電流係数は1となる。
【0062】
また、本発明の実施に際して、組蓄電池を構成する各単電池に特性異常低下品、あるいは単電池間、モジュール間の接続配線のゆるみ等によって、電気抵抗上昇が発生すると、その周辺の単電池を含めて組蓄電池内に部分的異常発熱を生じて、電池温度検出が不安定となり、回生充電効率を低下させたり、電動車輌の走行性能を低下させる原因になるので、これを避けるために、図1に示した残存電気量計測手段2の中に設けた電圧,電流計測手段によって、組蓄電池の総電圧と充・放電時の電流を逐次計測し、充放電管理手段6によって組蓄電池の電気抵抗値を逐次算出,監視し、所定の上限値を超えた場合は、回生充電を停止させるか、または充放電管理手段6にランプ,ブザーその他の警報手段を接続(図示せず)して、警報を発する/もしくは同時に回生充電を停止させる手段を設ければ、本発明の実施効果をさらに高めることができる。
【0063】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、ニッケル・水素系等の密閉式酸化金属・水素蓄電池を多数セル直列接続して構成した組蓄電池を電動車輌に搭載し、回生電流によって充電するに際して、組蓄電池の残存容量と電池温度、さらには回生電流の大きさから、回生充電上限電気量を設定するとともに、この回生充電上限電気量を組蓄電池の放電状況(残存電気量)に対応して逐次更新しながら、回生充電を制御することによって、組蓄電池の過昇温を押え、過充電による性能低下を抑制して、長期サイクル期間安定して使用できるようにすると共に、電池性能を維持しながら、回生充電効率を高めることが可能となる。その結果、電動車輌のエネルギー効率の向上とコスト低減に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の組蓄電池の回生充電制御方法の一実施例の構成図
【図2】(A) 一般的な密閉式ニッケル・水素蓄電池の単セルの部分断面斜視図
(B) 一般的な密閉式ニッケル・水素蓄電池のモジュールの上面図
【図3】実施例1の放電・回生充電試験の時間と電流との関係を示す図
【図4】実施例1の常温下における充放電サイクルと各サイクルの合計放電電気量との関係を示す図
【図5】実施例1の高温下における充放電サイクルと各サイクルの合計放電電気量との関係を示す図
【図6】一般的な電動車輌走行時の放電と回生充電の一例を示す図
【符号の説明】
1 組蓄電池
101 同蓄電池の単セル
B1〜B20 同蓄電池のモジュール
2 残存電気量計測手段
3A,3B 切換手段
4 電子コントローラ
5 回生電動機
6 充放電管理手段
6A 同,制御・演算部
6B 同,記憶手段
7 温度センサ
8 温度計測手段
9 回生充電制御部
11 車輌側制御装置
13 制動接続手段
14 制動用抵抗負荷
16A,16B 外部充電切換手段
Ext Chg 外部充電器への接続端子
Claims (2)
- 蓄電池を複数直列に接続して構成した組蓄電池を電動車輌に搭載し、電動機が発生する回生電流によって充電する方法であって、
所定の時間間隔で組蓄電池の残存電気量と、電池温度及び回生電流値、または電池温度を計測し、
満充電時の放電可能電気量から計測時の残存電気量を差引いて得た電気量に、前記計測時の電池温度及び回生電流値、または電池温度から算出した充電補正係数を乗じた電気量を、前記計測時での回生充電上限電気量として記憶手段に保持させ、
この記憶手段に保持させた回生充電上限電気量を前記所定の時間間隔で更新し、回生充電電気量をその時点の回生充電上限電気量と比較し、上限に達していなければ回生充電を継続させ、上限に達した場合はその時点での充電を停止させるか回生電流値を減少させることを特徴とする
組蓄電池の充電制御方法。 - 組蓄電池の電気抵抗値を計測し、前記電気抵抗値が上限値を超えた場合は、回生充電を停止させるか、または警報手段によって警報を発する/もしくは同時に回生充電を停止させることを特徴とする
請求項1記載の組蓄電池の充電制御方法。
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