JP3611555B2 - 枝打機の立木間移動方法及びその装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は立木の枝打作業を終了した動力付き枝打機を、立木から降ろすことなく次の立木までレールを利用して移動させるとともに、移動した立木に枝打作業が可能な状態に装着して継続的な枝打作業を可能とした枝打機の立木間移動方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5は動力付き枝打機の一例を示す正面図、図6は同側面図、図7は枝打作業時の要部平断面図であり、エンジン2に配備された動力伝達ケース3を介して上下部に配設された各一対の駆動輪4,4に駆動力が伝達される。この駆動輪4,4は枝打機を立木1に沿って上昇させるために約30度の右上がり昇り傾斜面が付与されている。6は従動輪枠体、7,7は左右一対の案内棒であって、従動輪枠体6の上下部に取り付けたスプリング8,8によって従動輪枠体6が案内棒7,7上を摺動可能となっている。このスプリング8,8近傍部位の従動輪枠体6と動力伝達ケース3の間には、上昇時に立木1の側面に当接する従動輪9,9が取り付けられている。10,10は詳細は後述する移動ローラ、11は鼓状ローラ、12はアーム、13は引き降ろしロープである。また、動力伝達ケース3の上部には図示しないチェンソーが配備されている。
【0003】
使用時には従動輪枠体6をスプリング8,8とともに動力伝達ケース3に連結して案内棒7を介して摺動可能にセットし、スプリング8,8によって従動輪9,9が立木1に対して適当な弾性的挟持力を維持するように保持させる。次にエンジン2を始動して回転を上げることにより、該エンジン2に配備された遠心クラッチがオンとなって上下の駆動輪4,4が回転し、同時に従動輪9,9が追従して枝打機が立木1に対して螺旋状に上昇し、上部に設けたチェンソーにより枝打作業が行われる。
【0004】
枝打作業終了後に一定時間が経過すると、図示しないタイマーが働いて図7に示した状態でエンジン2が停止し、同時にアーム12の先端から引き降ろしロープ13が垂下するので、この引き降ろしロープ13を引くことにより、図8に示したようにアーム12を介して鼓状ローラ11が立木1に当接し、更に引き降ろしロープ13を引くことによって駆動輪4,4と立木1との間に隙間cを生じて従動輪9,9は垂直に変向するとともに鼓状ローラ11と従動輪9,9は自由回転可能となり、枝打機全体を立木1に沿って降下させることができる。
【0005】
立木1の枝打を終了してから次に枝打する立木に移動する場合には、従動輪枠体6を動力伝達ケース3から分離して立木1への挟持を解き、鼓状ローラ11と従動輪9,9をともに自由回転状態として分解した枝打機を人力で次段の立木に運んでから再度従動輪枠体6を案内棒7及びスプリング8,8とともに動力伝達ケース3に連結して従動輪9,9を案内棒7を介して摺動可能にセットし、以下同様な操作によって次段の立木の枝打作業が行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の動力付き枝打機を枝打作業を終了した立木から次段の立木まで移動させる場合には、エンジン2と動力伝達ケース3及びチェンソーからなる重量部材から従動輪9,9を支持する従動輪枠体6及び案内棒7等の軽量部材とに分離し、従動輪9,9による立木1への挟持を解放して重量部材及び従動輪枠体6等を夫々人力により次段の立木まで運搬移動して再度組み立てなければならない。しかしながら、全重量20kg〜30kgの重量を持つ動力付き枝打機を山間地において人力によって移動させるのは過大な体力が要求され、特に雑木とか落葉,岩石が多い山道の斜面とか足場の良くない山間地での移動は危険を伴う上、作業員に多大の負担を強いることになり、労力の軽減化をはかることが困難であるという課題がある。
【0007】
そこで本発明は上記の問題点を解決して、枝打作業を終了した動力付き枝打機を人力に頼らずに枝打作業を終了した立木から隣接する次段の立木まで移動させることにより、作業員の負担を軽減させるとともに、斜面とか山間地での枝打作業時の危険性を回避することができる枝打機の立木間移動方法及びその装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、枝打作業を行う立木の下側部に固定用支持板を略水平に支持固定して、この固定用支持板上に動力付き枝打機を載置して立木の枝打作業を行う一方、枝打作業の終了後または枝打作業と平行して隣接する次段の立木の下側部に固定用支持板を略水平に支持固定して、枝打作業終了後に両固定用支持板に取り付けたレール支持腕間にレールを装着し、該レールを用いて枝打機を次段の立木の固定用支持板上に運搬した後、レールを取り外してから再度枝打機を組み付け、次段の立木の枝打作業を行うようにした枝打機の立木間移動方法とその装置を提供する。
【0009】
上記隣接する立木間に装着されたレールを利用して枝打機の動力伝達ケース,駆動輪及びエンジンを主体とする重量部材を次段の立木の固定用支持板上まで運搬した後、従動輪枠体と従動輪等の軽量部材を人力で運搬し、次段の立木の固定用支持板上で再度枝打機の組付けを行う。また、隣接する立木間に装着されたレールを利用して枝打機の動力伝達ケース,駆動輪及びエンジンを主体とする重量部材と、該重量部材に支持させた従動輪枠体と従動輪等の軽量部材を固定用支持板上まで運搬した後、次段の立木の固定用支持板上で再度枝打機の組付けを行う。さらに、前記固定用支持板を支持する立木固着用アームの左右両端部近傍と、固定用支持板側に固着されたロッド受金間に締付ロッドを挿通して、締付力調整用スプリングを介在してロッド固定ピンにより締付固定してある。
【0010】
固定用支持板を支持固定する立木固着用アームの内側と、固定用支持板に固定された支持ブラケットに、締付力調整用ネジを介在して立木に衝接するゴムを取り付けてある。更に前記レール支持腕の一端部を固定用支持板の両端部に回動自在に連結し、該レール支持腕の他端部には断面コ字状のレール差込口を形成して、隣接する立木に跨って各レール差込口にレール抜け止めボルトを用いてレールを装着する。
【0011】
かかる枝打機の立木間移動方法及びその装置によれば、予め固定用支持板を一対用意しておき、枝打作業を行う立木の下側部に一方の固定用支持板を略水平に支持固定して、この固定用支持板上に動力付き枝打機を載置して枝打作業を行う。そして枝打作業終了後に枝打機を固定用支持板上に降下させたときにレール支持腕を固定用支持板の上方に回動してレール差込口が上面にあるようにセットし、レールの一端部を挿入して該レールを仮固定する。枝打作業の終了後または枝打作業と平行して隣接する次段の立木の下側部にも固定用支持板を支持固定し、同様にレール支持腕を固定用支持板の上方に回動して両レール差込口とが接線方向になるようにセットし、レールの他端部をレール差込口に挿入してレール抜け止めボルトにより固定することによって隣接する立木に跨ってレールの両端部が装着される。
【0012】
そして立木間に装着されたレールを利用して動力伝達ケース,駆動輪及びエンジンを主体とする重量部材を移動ローラを用いて滑らかに移動させて次段の立木側の固定用支持板上まで運搬した後、従動輪枠体と従動輪等の軽量部材は人力で運搬し、レールを取り外してから固定用支持板上で再度枝打機の組付けを行うことにより、次段の立木の枝打作業を行うことができる。以下同様な操作を繰り返して多数本の立木の枝打作業が継続して実施される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下図面に基づいて本発明にかかる枝打機の立木間移動方法及びその装置の具体的な実施形態を前記従来の構成と同一の構成部分に同一の符号を付して説明する。図1は隣接する立木1Aと立木1B間で枝打機を移動させる例を示す要部平断面図であり、図2は同要部斜視図である。図中の15は固定用支持板、16は立木固着用アーム、17,17は締付ロッドであり、立木固着用アーム16の左右両端部近傍と、固定用支持板15側に固着されたロッド受金18,18間に締付ロッド17,17が挿通されて、ロッド固定ピン19,19により締付固定されている。20,20は締付力調整用スプリングである。
【0014】
立木固着用アーム16の内側には、各立木1A,1Bに衝接するゴム21が取り付けられており、固定用支持板15に固定された支持ブラケット23にはゴム21と対向して各立木1A,1Bに衝接するゴム22が取り付けられている。24,24は締付力調整用ネジであって、固定用支持板15の下側に設けられ、動力付き枝打機を固定用支持板15に載置した際、あるいは後述するレール28上を移動する際の固定用支持板15の傾斜量を調節するためのものである。
【0015】
図2に示す25,25はレール支持腕であり、該レール支持腕25,25の一端部は、蝶番26,26によって矢印A,Bに示したように固定用支持板15の両端部に回動自在に連結されており、他端部には断面コ字状のレール差込口27,27が形成されている。28は隣接する立木1A,1Bに跨って各レール差込口27,27に配置されたレール、29,29はレール抜け止めボルトである。図3は図1のイ−イ線に沿う断面図である。一般に日本における植林の間隔は3〜4m程度のものが多いため、レール28としてはその程度の長さのものを準備しておけば取扱が容易で、かつ、隣接する立木に枝打機を移動させることができる。
【0016】
上記レール支持腕25,25は平常時には下向きに回動しており、移動時以外はレール28は装着されていないので、枝打作業時及び枝打機の降下時にはレール支持腕25,25による支障が生じることがない。また、本実施例ではレール28として角パルプを用いているが、レール28の形状は上記に限定されるものではない。更に本発明で用いている枝打機は鋳物や板金とプレス構造物及び合成樹脂を主体として構成され、重量の軽減化をはかっている。鋳物としてはアルミニウム鋳物及びマグネシウム鋳物を用いる。
【0017】
かかる構成によれば、予め固定用支持板15を一対用意しておき、図4に示すように先ず立木1Aの下側部に一方の固定用支持板15を略水平に支持固定する。このとき図1に示すように立木1A,1Bに対して、レール28が接線方向となるような位置を選定して固定用支持板15を支持固定するようにする。この固定用支持板15は前記した立木固着用アーム16の左右両端部近傍と固定用支持板15側に固着されたロッド受金18,18間に締付ロッド17,17を挿通して、締付力調整用スプリング20,20を介してロッド固定ピン19,19を締め付けることにより、立木1Aは立木固着用アーム16の内側に取り付けられたゴム21と、固定用支持板15側の支持ブラケット23に取り付けられたゴム22により挟持されて固定用支持板15が安定した状態に水平支持される。この時締付ロッド17上のスプリング20の締付ナット30によって締付力を加減調整することができる。
【0018】
上記固定用支持板15上に動力付き枝打機を載置して通常の手段により立木1Aの枝打作業を行う。枝打機自体の構成は基本的に図5〜図8に示した従来の枝打機と同一であり、案内棒7を介して従動輪枠体6をスプリング8,8とともに動力伝達ケース3に連結して摺動可能にセットし、図1中に仮想線で示した従動輪9,9を立木1Aに対して弾性的に衝接保持してからエンジン2を始動することにより上下の駆動輪4,4を回転させ、同時に従動輪9,9が追従することによって枝打機が立木1Aに対して螺旋状に上昇し、上部に設けたチェンソーにより枝打作業が行われる。
【0019】
枝打作業終了後はタイマーが働いてエンジン2が停止し、アーム12の先端から引き降ろしロープ13が垂下するので、この引き降ろしロープ13を引くことによって鼓状ローラ11が立木1Aに当接し、更に引き降ろしロープ13を引くことによって駆動輪4,4と立木1Aとの間に隙間を生じて従動輪9,9が垂直に変向し、枝打機を立木1Aに沿って固定用支持板15上まで降下させることができる。
【0020】
動力付き枝打機を固定用支持板15上に降下させるとき、下端部を固定用支持板15の30〜40mm上方位で一旦停止させ、立木1Aと立木1Bの間に差し渡すレール28を想定して、これがほぼ平行となるように動力付き枝打機の方向を修正し、しかる後固定用支持板15上に降下させる。次に従動輪枠体6と動力伝達ケース3を連結するスプリング8,8を解放し、双方の弾性的移動を解除して、従動輪枠体6と従動輪9,9を案内棒7から抜き取る。更に立木1Aとの重なり量bと余裕の隙間αとの和「b+α」の距離だけ、立木1Aと反対方向に動力伝達ケース3,駆動輪4,4及びエンジン2を主体とする重量部材を離す。その後図4の矢印Bに示したようにレール支持腕25,25を固定用支持板15の上方に回動して、断面コ字状のレール差込口27,27が上面にあるようにセットし、動力付き枝打機の移動ローラ10がレール28上に位置するようにレール差込口27,27にレール28の一端部を挿入して、レール28の一端部に穿設されたピン穴33とレール差込口27に穿設されたピン穴27aの位置を合わせてレール抜け止めボルト29を用いて該レール28を仮固定する。レール支持腕25のレール差込口27は上記寸法を確保された位置に設定している。このとき、動力付き枝打機は移動ローラ10を介してレール28上に架装されている。
【0021】
立木1Aの枝打作業の終了後または枝打作業と平行して、隣接する次段の立木1Bの下側部にも他方の固定用支持板15を上記に説明した操作方法により支持固定し、同様にレール支持腕25,25を固定用支持板15の上方に回動して断面コ字状のレール差込口27,27が上面にあり、かつ、立木1A側のレール差込口27,27と立木1B側のレール差込口27,27とが接線方向になるようにセットする。そしてレール差込口27,27にレール28の他端部を挿入してレール抜け止めボルト29,29を用いて該レール28を固定することによって隣接する立木1A,1Bに跨って各レール差込口27,27にレール28の両端部が装着される。なお、レール28の他端部には多数のピン穴34が穿設されており、立木1Aと立木1B間の距離に応じて使用するピン穴を決定し、該ピン穴34とレール差込口27に穿設されたピン穴27aの位置を合わせてレール抜け止めボルト29を用いて該レール28を仮固定する。
【0022】
そして動力伝達ケース3,駆動輪4,4及びエンジン2を主体とする重量部材を移動ローラ10を介して立木1A,1B間に装着されたレール28に装架し、レール28を使用して滑らかに移動させて立木1B側の固定用支持板15上まで運搬した後、従動輪枠体6と従動輪9,9等の軽量部材は人力で運搬し、固定用支持板15上で再度枝打機の組付けを行う。移動時には案内棒7を適宜な角度まで持ち上げておくことによって重量部材が立木1Aに衝接することがなく、移動ローラ10,10によりレール28上を円滑に移動させることができる。なお、レール28を使用して移動させるのは、動力伝達ケース3,駆動輪4,4及びエンジン2を主体とする重量部材だけではなく、従動輪枠体6と従動輪9等の軽量部材を重量部材に支持させることによって、レール28上を移動させることもできる。このときは従動輪枠体6と従動輪9等の軽量部材が立木1Aをクリアできるように従動輪枠体6と従動輪9等の軽量部材を2分割し、案内棒7等に吊支させる構造とすればよい。また、レール28上を移動させるには人力だけでなく、適宜の動力源を使用して移動させることも可能である。一般に枝打機の動力伝達ケース,駆動輪及びエンジンを主体とする重量部材の重量は23kg程度であり、従動輪枠体と従動輪等の軽量部材の重量は2〜3kg程度であるため、重量部材を人力に頼ることなくレール28を利用して立木1Aから次の立木1Bまで移動させることができれば作業員の負担を著しく軽減させることができる。
【0023】
枝打機の組付け時には、レール28はレール支持腕25から取り外し、該レール支持腕25,25は下方に倒して案内棒7を正常位置に戻し、従動輪枠体6と従動輪9,9を案内棒7,7に挿入してスプリング8,8が適正な緊張力を得るように装着して立木1Bに挟持緊張する。これにより立木1Bの枝打準備が完了するので、次にエンジン2を始動して枝打機を立木1Bに沿って上昇させながら枝打作業を行うことができる。この間に立木1Aの固定用支持板15を外して次段の立木に固着する作業を行い、以下同様な操作を繰り返して多数本の立木の枝打作業を継続して実施する。
【0024】
図4に示したように、作業現場には略水平な地盤31以外に山間地のように傾斜した地盤32とがあり、レール28も略水平なレール位置E以外に、上向き角度δを有するレール位置Dと、下向き角度−δを有するレール位置Fとがセットされるケースが生じる。従って作業現場に合わせて立木1Bへの固定用支持板15の固定位置を上下方向を調整することによってレール28が略水平方向になるように仮固定することができる。
【0025】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば枝打作業を行う立木の下側部に一方の固定用支持板を略水平に支持固定して枝打機を載置して枝打作業を行い、枝打機を固定用支持板上に降下させた時にレール支持腕のレール差込口が上面にあるようにセットし、この作業と平行して隣接する次段の立木の下側部にも固定用支持板を支持固定してからレール支持腕を回動して両レール差込口にレールを装着することにより、隣接する立木に跨って装着されたレールを利用して枝打機の重量部材を滑らかに移動させて次段の立木側の固定用支持板上まで運搬することができるので、重量部材を人力で支えたり運搬する必要がなく、労力の軽減化をはかりつつ多数本の立木の枝打作業を継続して行うことができる。
【0026】
また、枝打作業終了後に直ちに固定用支持板を取り外し、この固定用支持板を次段の立木の下側部に支持固定することによって枝打すべき立木に沿って枝打機を逐次移動することができるので、枝打作業開始から終了まで枝打機自体を地上に降ろす必要がなく、作業能率を高めるとともに長時間作業にも容易に対処することができる。
【0027】
従って本発明によれば、枝打作業を終了した動力付き枝打機の重量部材を人力に頼らずに次段の立木まで容易に移動させることが可能であり、作業員の負担を軽減させるとともに雑木とか落葉,岩石が多い山道の斜面とか、足場の良くない山間地での立木の枝打作業時の安全性と作業能率を高めた枝打機の立木間移動方法及びその装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる枝打機を移動させる例を示す要部平断面図。
【図2】図1の要部斜視図。
【図3】図1のイ−イ線に沿う断面図。
【図4】本発明の実施形態例を全体的に示す概要図。
【図5】従来の動力付き枝打機の一例を示す正面図。
【図6】図5の側面図。
【図7】従来の枝打作業時の要部平断面図。
【図8】従来の枝打作業時の他の態様を示す要部平断面図。
【符号の説明】
1A,1B…立木
2…エンジン
3…動力伝達ケース
4…駆動輪
6…従動輪枠体
7…案内棒
8,20…スプリング
9…従動輪
10…移動ローラ
11…鼓状ローラ
12…アーム
13…引き降ろしロープ
15…固定用支持板
16…立木固着用アーム
17…締付ロッド
18…ロッド受金
19…ロッド固定ピン
21,22…ゴム
23…支持ブラケット
24…締付力調整用ネジ
25…レール支持腕
27…レール差込口
28…レール
29…レール抜け止めボルト
30…締付ナット
整理番号 P3439
【発明の属する技術分野】
本発明は立木の枝打作業を終了した動力付き枝打機を、立木から降ろすことなく次の立木までレールを利用して移動させるとともに、移動した立木に枝打作業が可能な状態に装着して継続的な枝打作業を可能とした枝打機の立木間移動方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5は動力付き枝打機の一例を示す正面図、図6は同側面図、図7は枝打作業時の要部平断面図であり、エンジン2に配備された動力伝達ケース3を介して上下部に配設された各一対の駆動輪4,4に駆動力が伝達される。この駆動輪4,4は枝打機を立木1に沿って上昇させるために約30度の右上がり昇り傾斜面が付与されている。6は従動輪枠体、7,7は左右一対の案内棒であって、従動輪枠体6の上下部に取り付けたスプリング8,8によって従動輪枠体6が案内棒7,7上を摺動可能となっている。このスプリング8,8近傍部位の従動輪枠体6と動力伝達ケース3の間には、上昇時に立木1の側面に当接する従動輪9,9が取り付けられている。10,10は詳細は後述する移動ローラ、11は鼓状ローラ、12はアーム、13は引き降ろしロープである。また、動力伝達ケース3の上部には図示しないチェンソーが配備されている。
【0003】
使用時には従動輪枠体6をスプリング8,8とともに動力伝達ケース3に連結して案内棒7を介して摺動可能にセットし、スプリング8,8によって従動輪9,9が立木1に対して適当な弾性的挟持力を維持するように保持させる。次にエンジン2を始動して回転を上げることにより、該エンジン2に配備された遠心クラッチがオンとなって上下の駆動輪4,4が回転し、同時に従動輪9,9が追従して枝打機が立木1に対して螺旋状に上昇し、上部に設けたチェンソーにより枝打作業が行われる。
【0004】
枝打作業終了後に一定時間が経過すると、図示しないタイマーが働いて図7に示した状態でエンジン2が停止し、同時にアーム12の先端から引き降ろしロープ13が垂下するので、この引き降ろしロープ13を引くことにより、図8に示したようにアーム12を介して鼓状ローラ11が立木1に当接し、更に引き降ろしロープ13を引くことによって駆動輪4,4と立木1との間に隙間cを生じて従動輪9,9は垂直に変向するとともに鼓状ローラ11と従動輪9,9は自由回転可能となり、枝打機全体を立木1に沿って降下させることができる。
【0005】
立木1の枝打を終了してから次に枝打する立木に移動する場合には、従動輪枠体6を動力伝達ケース3から分離して立木1への挟持を解き、鼓状ローラ11と従動輪9,9をともに自由回転状態として分解した枝打機を人力で次段の立木に運んでから再度従動輪枠体6を案内棒7及びスプリング8,8とともに動力伝達ケース3に連結して従動輪9,9を案内棒7を介して摺動可能にセットし、以下同様な操作によって次段の立木の枝打作業が行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の動力付き枝打機を枝打作業を終了した立木から次段の立木まで移動させる場合には、エンジン2と動力伝達ケース3及びチェンソーからなる重量部材から従動輪9,9を支持する従動輪枠体6及び案内棒7等の軽量部材とに分離し、従動輪9,9による立木1への挟持を解放して重量部材及び従動輪枠体6等を夫々人力により次段の立木まで運搬移動して再度組み立てなければならない。しかしながら、全重量20kg〜30kgの重量を持つ動力付き枝打機を山間地において人力によって移動させるのは過大な体力が要求され、特に雑木とか落葉,岩石が多い山道の斜面とか足場の良くない山間地での移動は危険を伴う上、作業員に多大の負担を強いることになり、労力の軽減化をはかることが困難であるという課題がある。
【0007】
そこで本発明は上記の問題点を解決して、枝打作業を終了した動力付き枝打機を人力に頼らずに枝打作業を終了した立木から隣接する次段の立木まで移動させることにより、作業員の負担を軽減させるとともに、斜面とか山間地での枝打作業時の危険性を回避することができる枝打機の立木間移動方法及びその装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、枝打作業を行う立木の下側部に固定用支持板を略水平に支持固定して、この固定用支持板上に動力付き枝打機を載置して立木の枝打作業を行う一方、枝打作業の終了後または枝打作業と平行して隣接する次段の立木の下側部に固定用支持板を略水平に支持固定して、枝打作業終了後に両固定用支持板に取り付けたレール支持腕間にレールを装着し、該レールを用いて枝打機を次段の立木の固定用支持板上に運搬した後、レールを取り外してから再度枝打機を組み付け、次段の立木の枝打作業を行うようにした枝打機の立木間移動方法とその装置を提供する。
【0009】
上記隣接する立木間に装着されたレールを利用して枝打機の動力伝達ケース,駆動輪及びエンジンを主体とする重量部材を次段の立木の固定用支持板上まで運搬した後、従動輪枠体と従動輪等の軽量部材を人力で運搬し、次段の立木の固定用支持板上で再度枝打機の組付けを行う。また、隣接する立木間に装着されたレールを利用して枝打機の動力伝達ケース,駆動輪及びエンジンを主体とする重量部材と、該重量部材に支持させた従動輪枠体と従動輪等の軽量部材を固定用支持板上まで運搬した後、次段の立木の固定用支持板上で再度枝打機の組付けを行う。さらに、前記固定用支持板を支持する立木固着用アームの左右両端部近傍と、固定用支持板側に固着されたロッド受金間に締付ロッドを挿通して、締付力調整用スプリングを介在してロッド固定ピンにより締付固定してある。
【0010】
固定用支持板を支持固定する立木固着用アームの内側と、固定用支持板に固定された支持ブラケットに、締付力調整用ネジを介在して立木に衝接するゴムを取り付けてある。更に前記レール支持腕の一端部を固定用支持板の両端部に回動自在に連結し、該レール支持腕の他端部には断面コ字状のレール差込口を形成して、隣接する立木に跨って各レール差込口にレール抜け止めボルトを用いてレールを装着する。
【0011】
かかる枝打機の立木間移動方法及びその装置によれば、予め固定用支持板を一対用意しておき、枝打作業を行う立木の下側部に一方の固定用支持板を略水平に支持固定して、この固定用支持板上に動力付き枝打機を載置して枝打作業を行う。そして枝打作業終了後に枝打機を固定用支持板上に降下させたときにレール支持腕を固定用支持板の上方に回動してレール差込口が上面にあるようにセットし、レールの一端部を挿入して該レールを仮固定する。枝打作業の終了後または枝打作業と平行して隣接する次段の立木の下側部にも固定用支持板を支持固定し、同様にレール支持腕を固定用支持板の上方に回動して両レール差込口とが接線方向になるようにセットし、レールの他端部をレール差込口に挿入してレール抜け止めボルトにより固定することによって隣接する立木に跨ってレールの両端部が装着される。
【0012】
そして立木間に装着されたレールを利用して動力伝達ケース,駆動輪及びエンジンを主体とする重量部材を移動ローラを用いて滑らかに移動させて次段の立木側の固定用支持板上まで運搬した後、従動輪枠体と従動輪等の軽量部材は人力で運搬し、レールを取り外してから固定用支持板上で再度枝打機の組付けを行うことにより、次段の立木の枝打作業を行うことができる。以下同様な操作を繰り返して多数本の立木の枝打作業が継続して実施される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下図面に基づいて本発明にかかる枝打機の立木間移動方法及びその装置の具体的な実施形態を前記従来の構成と同一の構成部分に同一の符号を付して説明する。図1は隣接する立木1Aと立木1B間で枝打機を移動させる例を示す要部平断面図であり、図2は同要部斜視図である。図中の15は固定用支持板、16は立木固着用アーム、17,17は締付ロッドであり、立木固着用アーム16の左右両端部近傍と、固定用支持板15側に固着されたロッド受金18,18間に締付ロッド17,17が挿通されて、ロッド固定ピン19,19により締付固定されている。20,20は締付力調整用スプリングである。
【0014】
立木固着用アーム16の内側には、各立木1A,1Bに衝接するゴム21が取り付けられており、固定用支持板15に固定された支持ブラケット23にはゴム21と対向して各立木1A,1Bに衝接するゴム22が取り付けられている。24,24は締付力調整用ネジであって、固定用支持板15の下側に設けられ、動力付き枝打機を固定用支持板15に載置した際、あるいは後述するレール28上を移動する際の固定用支持板15の傾斜量を調節するためのものである。
【0015】
図2に示す25,25はレール支持腕であり、該レール支持腕25,25の一端部は、蝶番26,26によって矢印A,Bに示したように固定用支持板15の両端部に回動自在に連結されており、他端部には断面コ字状のレール差込口27,27が形成されている。28は隣接する立木1A,1Bに跨って各レール差込口27,27に配置されたレール、29,29はレール抜け止めボルトである。図3は図1のイ−イ線に沿う断面図である。一般に日本における植林の間隔は3〜4m程度のものが多いため、レール28としてはその程度の長さのものを準備しておけば取扱が容易で、かつ、隣接する立木に枝打機を移動させることができる。
【0016】
上記レール支持腕25,25は平常時には下向きに回動しており、移動時以外はレール28は装着されていないので、枝打作業時及び枝打機の降下時にはレール支持腕25,25による支障が生じることがない。また、本実施例ではレール28として角パルプを用いているが、レール28の形状は上記に限定されるものではない。更に本発明で用いている枝打機は鋳物や板金とプレス構造物及び合成樹脂を主体として構成され、重量の軽減化をはかっている。鋳物としてはアルミニウム鋳物及びマグネシウム鋳物を用いる。
【0017】
かかる構成によれば、予め固定用支持板15を一対用意しておき、図4に示すように先ず立木1Aの下側部に一方の固定用支持板15を略水平に支持固定する。このとき図1に示すように立木1A,1Bに対して、レール28が接線方向となるような位置を選定して固定用支持板15を支持固定するようにする。この固定用支持板15は前記した立木固着用アーム16の左右両端部近傍と固定用支持板15側に固着されたロッド受金18,18間に締付ロッド17,17を挿通して、締付力調整用スプリング20,20を介してロッド固定ピン19,19を締め付けることにより、立木1Aは立木固着用アーム16の内側に取り付けられたゴム21と、固定用支持板15側の支持ブラケット23に取り付けられたゴム22により挟持されて固定用支持板15が安定した状態に水平支持される。この時締付ロッド17上のスプリング20の締付ナット30によって締付力を加減調整することができる。
【0018】
上記固定用支持板15上に動力付き枝打機を載置して通常の手段により立木1Aの枝打作業を行う。枝打機自体の構成は基本的に図5〜図8に示した従来の枝打機と同一であり、案内棒7を介して従動輪枠体6をスプリング8,8とともに動力伝達ケース3に連結して摺動可能にセットし、図1中に仮想線で示した従動輪9,9を立木1Aに対して弾性的に衝接保持してからエンジン2を始動することにより上下の駆動輪4,4を回転させ、同時に従動輪9,9が追従することによって枝打機が立木1Aに対して螺旋状に上昇し、上部に設けたチェンソーにより枝打作業が行われる。
【0019】
枝打作業終了後はタイマーが働いてエンジン2が停止し、アーム12の先端から引き降ろしロープ13が垂下するので、この引き降ろしロープ13を引くことによって鼓状ローラ11が立木1Aに当接し、更に引き降ろしロープ13を引くことによって駆動輪4,4と立木1Aとの間に隙間を生じて従動輪9,9が垂直に変向し、枝打機を立木1Aに沿って固定用支持板15上まで降下させることができる。
【0020】
動力付き枝打機を固定用支持板15上に降下させるとき、下端部を固定用支持板15の30〜40mm上方位で一旦停止させ、立木1Aと立木1Bの間に差し渡すレール28を想定して、これがほぼ平行となるように動力付き枝打機の方向を修正し、しかる後固定用支持板15上に降下させる。次に従動輪枠体6と動力伝達ケース3を連結するスプリング8,8を解放し、双方の弾性的移動を解除して、従動輪枠体6と従動輪9,9を案内棒7から抜き取る。更に立木1Aとの重なり量bと余裕の隙間αとの和「b+α」の距離だけ、立木1Aと反対方向に動力伝達ケース3,駆動輪4,4及びエンジン2を主体とする重量部材を離す。その後図4の矢印Bに示したようにレール支持腕25,25を固定用支持板15の上方に回動して、断面コ字状のレール差込口27,27が上面にあるようにセットし、動力付き枝打機の移動ローラ10がレール28上に位置するようにレール差込口27,27にレール28の一端部を挿入して、レール28の一端部に穿設されたピン穴33とレール差込口27に穿設されたピン穴27aの位置を合わせてレール抜け止めボルト29を用いて該レール28を仮固定する。レール支持腕25のレール差込口27は上記寸法を確保された位置に設定している。このとき、動力付き枝打機は移動ローラ10を介してレール28上に架装されている。
【0021】
立木1Aの枝打作業の終了後または枝打作業と平行して、隣接する次段の立木1Bの下側部にも他方の固定用支持板15を上記に説明した操作方法により支持固定し、同様にレール支持腕25,25を固定用支持板15の上方に回動して断面コ字状のレール差込口27,27が上面にあり、かつ、立木1A側のレール差込口27,27と立木1B側のレール差込口27,27とが接線方向になるようにセットする。そしてレール差込口27,27にレール28の他端部を挿入してレール抜け止めボルト29,29を用いて該レール28を固定することによって隣接する立木1A,1Bに跨って各レール差込口27,27にレール28の両端部が装着される。なお、レール28の他端部には多数のピン穴34が穿設されており、立木1Aと立木1B間の距離に応じて使用するピン穴を決定し、該ピン穴34とレール差込口27に穿設されたピン穴27aの位置を合わせてレール抜け止めボルト29を用いて該レール28を仮固定する。
【0022】
そして動力伝達ケース3,駆動輪4,4及びエンジン2を主体とする重量部材を移動ローラ10を介して立木1A,1B間に装着されたレール28に装架し、レール28を使用して滑らかに移動させて立木1B側の固定用支持板15上まで運搬した後、従動輪枠体6と従動輪9,9等の軽量部材は人力で運搬し、固定用支持板15上で再度枝打機の組付けを行う。移動時には案内棒7を適宜な角度まで持ち上げておくことによって重量部材が立木1Aに衝接することがなく、移動ローラ10,10によりレール28上を円滑に移動させることができる。なお、レール28を使用して移動させるのは、動力伝達ケース3,駆動輪4,4及びエンジン2を主体とする重量部材だけではなく、従動輪枠体6と従動輪9等の軽量部材を重量部材に支持させることによって、レール28上を移動させることもできる。このときは従動輪枠体6と従動輪9等の軽量部材が立木1Aをクリアできるように従動輪枠体6と従動輪9等の軽量部材を2分割し、案内棒7等に吊支させる構造とすればよい。また、レール28上を移動させるには人力だけでなく、適宜の動力源を使用して移動させることも可能である。一般に枝打機の動力伝達ケース,駆動輪及びエンジンを主体とする重量部材の重量は23kg程度であり、従動輪枠体と従動輪等の軽量部材の重量は2〜3kg程度であるため、重量部材を人力に頼ることなくレール28を利用して立木1Aから次の立木1Bまで移動させることができれば作業員の負担を著しく軽減させることができる。
【0023】
枝打機の組付け時には、レール28はレール支持腕25から取り外し、該レール支持腕25,25は下方に倒して案内棒7を正常位置に戻し、従動輪枠体6と従動輪9,9を案内棒7,7に挿入してスプリング8,8が適正な緊張力を得るように装着して立木1Bに挟持緊張する。これにより立木1Bの枝打準備が完了するので、次にエンジン2を始動して枝打機を立木1Bに沿って上昇させながら枝打作業を行うことができる。この間に立木1Aの固定用支持板15を外して次段の立木に固着する作業を行い、以下同様な操作を繰り返して多数本の立木の枝打作業を継続して実施する。
【0024】
図4に示したように、作業現場には略水平な地盤31以外に山間地のように傾斜した地盤32とがあり、レール28も略水平なレール位置E以外に、上向き角度δを有するレール位置Dと、下向き角度−δを有するレール位置Fとがセットされるケースが生じる。従って作業現場に合わせて立木1Bへの固定用支持板15の固定位置を上下方向を調整することによってレール28が略水平方向になるように仮固定することができる。
【0025】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば枝打作業を行う立木の下側部に一方の固定用支持板を略水平に支持固定して枝打機を載置して枝打作業を行い、枝打機を固定用支持板上に降下させた時にレール支持腕のレール差込口が上面にあるようにセットし、この作業と平行して隣接する次段の立木の下側部にも固定用支持板を支持固定してからレール支持腕を回動して両レール差込口にレールを装着することにより、隣接する立木に跨って装着されたレールを利用して枝打機の重量部材を滑らかに移動させて次段の立木側の固定用支持板上まで運搬することができるので、重量部材を人力で支えたり運搬する必要がなく、労力の軽減化をはかりつつ多数本の立木の枝打作業を継続して行うことができる。
【0026】
また、枝打作業終了後に直ちに固定用支持板を取り外し、この固定用支持板を次段の立木の下側部に支持固定することによって枝打すべき立木に沿って枝打機を逐次移動することができるので、枝打作業開始から終了まで枝打機自体を地上に降ろす必要がなく、作業能率を高めるとともに長時間作業にも容易に対処することができる。
【0027】
従って本発明によれば、枝打作業を終了した動力付き枝打機の重量部材を人力に頼らずに次段の立木まで容易に移動させることが可能であり、作業員の負担を軽減させるとともに雑木とか落葉,岩石が多い山道の斜面とか、足場の良くない山間地での立木の枝打作業時の安全性と作業能率を高めた枝打機の立木間移動方法及びその装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる枝打機を移動させる例を示す要部平断面図。
【図2】図1の要部斜視図。
【図3】図1のイ−イ線に沿う断面図。
【図4】本発明の実施形態例を全体的に示す概要図。
【図5】従来の動力付き枝打機の一例を示す正面図。
【図6】図5の側面図。
【図7】従来の枝打作業時の要部平断面図。
【図8】従来の枝打作業時の他の態様を示す要部平断面図。
【符号の説明】
1A,1B…立木
2…エンジン
3…動力伝達ケース
4…駆動輪
6…従動輪枠体
7…案内棒
8,20…スプリング
9…従動輪
10…移動ローラ
11…鼓状ローラ
12…アーム
13…引き降ろしロープ
15…固定用支持板
16…立木固着用アーム
17…締付ロッド
18…ロッド受金
19…ロッド固定ピン
21,22…ゴム
23…支持ブラケット
24…締付力調整用ネジ
25…レール支持腕
27…レール差込口
28…レール
29…レール抜け止めボルト
30…締付ナット
整理番号 P3439
Claims (7)
- 枝打作業を行う立木の下側部に固定用支持板を略水平に支持固定して、この固定用支持板上に動力付き枝打機を載置して立木の枝打作業を行う一方、枝打作業の終了後または枝打作業と平行して隣接する次段の立木の下側部に固定用支持板を略水平に支持固定して、枝打作業終了後に両固定用支持板に取り付けたレール支持腕間にレールを装着し、該レールを用いて枝打機を次段の立木の固定用支持板上に運搬した後、レールを取り外してから再度枝打機を組み付け、次段の立木の枝打作業を行うことを特徴とする枝打機の立木間移動方法。
- 隣接する立木間に装着されたレールを利用して枝打機の動力伝達ケース,駆動輪及びエンジンを主体とする重量部材を固定用支持板上まで運搬した後、従動輪枠体と従動輪等の軽量部材を人力で運搬し、次段の立木の固定用支持板上で再度枝打機の組付けを行うようにした請求項1に記載の枝打機の立木間移動方法。
- 隣接する立木間に装着されたレールを利用して枝打機の動力伝達ケース,駆動輪及びエンジンを主体とする重量部材と、該重量部材に支持させた従動輪枠体と従動輪等の軽量部材を固定用支持板上まで運搬した後、次段の立木の固定用支持板上で再度枝打機の組付けを行うようにした請求項1に記載の枝打機の立木間移動方法。
- 枝打作業を行う立木と次段の立木との各下側部に支持固定されてレール支持腕を有する固定用支持板と、両固定用支持板のレール支持腕間に装着されたレールとを具備してなり、枝打作業を行う立木側の固定用支持板上に載置される動力付き枝打機により立木の枝打作業を行うとともに、次段の立木の下側部に固定用支持板を略水平に支持固定して両レール支持腕間にレールを装着し、該レールを用いて枝打機を次段の立木の固定用支持板上に運搬して枝打機を組み付けて次段の立木の枝打作業を行うことを特徴とする枝打機の立木間移動装置。
- 前記固定用支持板を支持する立木固着用アームの左右両端部近傍と、固定用支持板側に固着されたロッド受金間に締付ロッドを挿通して、締付力調整用スプリングを介在してロッド固定ピンにより締付固定した請求項4に記載の枝打機の立木間移動装置。
- 固定用支持板を支持固定する立木固着用アームの内側と、固定用支持板に固定された支持ブラケットに、締付力調整用ネジを介在して立木に衝接するゴムを取り付けた請求項4又は5に記載の枝打機の立木間移動装置。
- 前記レール支持腕の一端部を固定用支持板の両端部に回動自在に連結し、該レール支持腕の他端部には断面コ字状のレール差込口を形成して、隣接する立木に跨って各レール差込口にレール抜け止めボルトを用いてレールを装着した請求項4,5又は6に記載の枝打機の立木間移動装置。
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