JP3611405B2 - 流量制御装置 - Google Patents
流量制御装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3611405B2 JP3611405B2 JP18472496A JP18472496A JP3611405B2 JP 3611405 B2 JP3611405 B2 JP 3611405B2 JP 18472496 A JP18472496 A JP 18472496A JP 18472496 A JP18472496 A JP 18472496A JP 3611405 B2 JP3611405 B2 JP 3611405B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- flow rate
- valve body
- flow path
- flow
- operation amount
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Flow Control (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、流量設定用の弁体を備えた流量設定手段と、前記流量設定手段を通過した流体の噴出圧力を設定する噴出圧力設定手段とを備えた流体流路と、流量を設定する為の操作量Sを指令する操作量指令手段と、前記操作量指令手段にて指令された操作量Sに応じて前記弁体を移動させる弁体移動手段とが設けられ、前記弁体移動手段は、前記操作量指令手段の操作量Sの変更範囲の略全範囲において、その変更量ΔSと、その変更量ΔSに基づいて前記弁体を移動させたときにその移動にて生じる流量変化量ΔQとその弁体が移動する前の流量Qとの比で規定される流量変化率ΔQ/Qとが略比例関係を有する状態で、前記弁体を移動させるように構成されている流量制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
冒記流量制御装置は、例えば図16に示すように、流量設定用の弁体01を備えた流量設定手段としての電磁比例弁02が設けられている流体流路03の先端部に、噴出圧力設定手段としてのノズル04を装着したものであり、流量を設定する為の操作量Sを指令する操作量指令手段05と、操作量指令手段05にて指令された操作量Sに応じて弁体01を移動させるための駆動電圧Vを電磁比例弁02に入力する弁体移動手段06とを設けて、操作量指令手段05で指令される操作量Sの変更量ΔSと、その操作量Sの変更にともなう流量変化率ΔQ/Qとが略比例するように流量を制御するので、操作量Sの変更量ΔSが一定量の場合、流量が少ない範囲で操作量Sを変更するとその流量が緩やかに変化し、流量が多い範囲で操作量Sを変更するとその流量が急激に変化して、いずれの範囲において操作量Sを変更しても、その変更量ΔSが同じであればその流量変化率ΔQ/Qが略一定に維持され、目標流量を変更設定するにあたって、その目標流量を現在流量からの流量変化率ΔQ/Qとして設定できる利点がある。
そして、このような流量制御装置において、流体の比重や供給圧力等の流体供給条件の変更にかかわらず、操作量Sに対応して一定の流量Qを設定できるようにするため、従来、操作量Sが最大のときに同じ最大流量Qmax が設定されるように、ノズル04をその絞り流路07の流路径が異なるものに交換し、最少流量Qmin が零以外の流量のときは、操作量Sが最小のときに同じ最少流量Qmin が設定されるよう、流体流入用の貫通孔を備えた筒部材08を弁体01に装着している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来技術によれば、流体供給条件の変更にかかわらず、一定の最大流量Qmax と最少流量Qmin に設定できるものの、流体の比重や供給圧力の変更に起因して、操作量指令手05で指令された操作量Sの変更量ΔSと流量変化率ΔQ/Qとの比例関係を一定に維持できなくなり、最大流量Qmax と最少流量Qmin との間の範囲における流量Qを精度良く制御できない欠点がある。
【0004】
詳述すると、電磁比例弁02の弁体01が一定位置に移動している状態で、比重1.0の流体がその電磁比例弁02を通過する流量を仮にQ0 とした場合、弁体01がその同じ一定位置に移動している状態で、比重dの流体がその電磁比例弁02を通過する流量Qは、そのときの弁体01の上流側の流路における流体圧力をPa とし、ノズル04と弁体01との間の流路部分の流体圧力をPb とすると、数1で示す関係がある。
【0005】
【数1】
【0006】
そして、数2で示す操作量Sの変更量ΔSと流量変化率ΔQ/Qとの比例関係式の両片を積分して得られる数3の関係から、S=Smin のときQ0 =Qmin,S=Smax のときQ0 =Qmax とすると、数4が導かれ、これより、比重dの流体の流量Qは数5で表される。
【0007】
【数2】
【0008】
【数3】
【0009】
【数4】
【0010】
【数5】
【0011】
この数5は数6のように変形され、S=S1 のときQ=Q1 でかつPb =Pb1,S=S2 のときQ=Q2 でかつPb =Pb2とすると、S1 −S2 つまり変更量ΔSは数7で表される。
【0012】
【数6】
【0013】
【数7】
【0014】
また、ノズル04を通過する比重dの流体の流量Qは、ノズル04の流路断面積をA0 とし、そのときのノズル04の下流側の流体圧力をP0 とすると、数8で示す関係がある。
【0015】
【数8】
【0016】
そして、数7と数8から、変更量ΔSは数9に示す関係式で表され、この関係式からわかるように、第1項中の流量変化率に相当する値Q1 /Q2 が同じで、かつ、最大操作量Smax とその時の最大流量Qmax 及び最少操作量Smin とその時の最小流量Qmin が同じであっても、第2項中の数10に示す値Fが流体供給条件によって異なるので、その流体供給条件の如何によって、その流量変化率に対応する変更量ΔSが変わってしまうからである。
【0017】
【数9】
【0018】
【数10】
【0019】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、流体供給条件の変更にかかわらず、最大流量Qmax と最少流量Qmin との間の範囲における流量Qを精度良く制御できるようにすることを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の流量制御装置は、
噴出圧力設定手段が、その噴出圧力設定手段と弁体との間の流路部分の流体圧力Pb を弁体の上流側の流路部分の流体圧力Pa と略同じに設定したときの仮想流量Qs が、流量設定手段への流体供給条件の変更にかかわらず、操作量Sが最大のときに設定される最大流量Qmax 以上の略一定量になるように調節可能に設けられているので、数10に示す値Fのうちの、下記数11に示す値Qs を略一定に設定できる。
【0021】
【数11】
【0022】
また、操作量Sに対応する流量Qが流量設定手段への流体供給条件の変更にかかわらず略一定量になるように、操作量Sに応じた弁体の弁座に対する移動領域を調節する弁体移動領域調節手段が設けられているので、操作量S1 における流量Q1 と操作量S2 における流量Q2 が流体供給条件の変更にかかわらず略一定量になるように調節して、数10に示す値FのうちのQ1 2及びQ2 2の項を略一定に設定できる。
従って、数9に示す関係式からわかるように、第1項中の流量変化率に相当する値Q1 /Q2 が同じであれば、流体供給条件の如何によらず、その流量変化率に対応する変更量ΔSが略一定量に維持されるので、流体供給条件の変更にかかわらず、最大流量Qmax と最少流量Qmin との間の範囲における流量Qを精度良く制御できる。
特に、噴出圧力を設定したときの流量と弁体の移動領域とを調節すれば良いので、流量設定手段自体の操作量Sと流量Qとの特性を調節する場合に比べて、簡便に調節できる効果がある。
【0023】
請求項2記載の流量制御装置は、
噴出圧力設定手段が、絞り流路を備えた流路形成部材を弁体の下流側に着脱自在に装着して構成され、流路形成部材をその絞り流路の流路断面積が異なるものに交換して、仮想流量Qs が最大流量Qmax 以上の略一定量になるように調節可能に設けられているので、同一仕様の多数の流量制御装置に対して流体供給条件を一律に変更する場合、それらの流路形成部材の各々を、仮想流量Qs が最大流量Qmax 以上の略一定量になるように調節できる一定仕様の流路形成部材に交換すれば良く、その調節作業を簡略化できる。
【0024】
請求項3記載の流量制御装置は、
噴出圧力設定手段が、流路断面積を一定範囲で連続的に調節可能な絞り流路を備えた流路形成部材を弁体の下流側に装着して構成され、その絞り流路の流路断面積を調節して、仮想流量Qs が最大流量Qmax 以上の略一定量になるように調節可能に設けられているので、特別な交換部品の製作並びにその交換作業が不要で、その調節作業を簡略化できる。
【0025】
請求項4記載の流量制御装置は、
弁体移動領域調節手段が、弁体と弁座との相対位置を予め変更設定して、操作量Sの変更範囲に対応する弁体の弁座に対する移動領域を調節するように構成されているので、弁体や弁座の形状を変更する必要がなく、その調節作業を簡略化できる。
【0026】
請求項5記載の流量制御装置は、
流量設定手段を迂回して、弁体の上流側の流路部分の流体圧力Pa を、噴出圧力設定手段と弁体との間の流路部分に導入可能なバイパス路が、圧力導入状態と圧力非導入状態とに切り換え可能に設けられているので、噴出圧力設定手段と弁体との間の流路部分の流体圧力Pb を弁体の上流側の流路部分の流体圧力Pa と略同じに設定したときの仮想流量Qs を容易に計測でき、最大流量Qmax 以上の略一定量になるように精度良く調節できる。
【0027】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態〕
図1は給湯装置を模式的に示し、給湯用熱交換器Gと、予混合拡散燃焼式の複数のバーナHと、そのバーナHの各々に流体の一例としての可燃性ガスを供給するガス供給装置Jとが設けられ、このガス供給装置Jには、後述する流量設定手段1と噴出圧力設定手段2と操作量指令手段3と弁体移動手段4と弁体移動領域調節手段5とを備えた本発明による流量制御装置Kが設けられている。
尚、図1において、Pa はガスの供給圧力、Pb は流量設定手段1と噴出圧力設定手段2との間のガス圧力、P0 は最終圧力である。
【0028】
前記ガス供給装置Jは、可燃性ガスのガス供給管Lの途中部分に電磁開閉弁Mを接続するともに、図2に示すように、流量設定用の弁体1aを備えた流量設定手段としての電磁比例弁1を電磁開閉弁Mの下流側に接続し、絞り流路2aを備えた流路形成部材としての多数のノズル2が着脱自在に螺着固定されているヘッダー6をガス供給管Lの先端部に接続して構成されている。
【0029】
従って、電磁比例弁1の下流側に着脱自在に装着したノズル2の各々が、その電磁比例弁1を通過した可燃性ガスの噴出圧力を設定する噴出圧力設定手段に構成され、このガス供給管Lのガス流路が流量設定手段1と噴出圧力設定手段2とを備えた流体流路に構成されている。
【0030】
前記電磁比例弁1には、流量を設定するための操作量を設定つまみ3aの回動操作で出力電圧Sとして指令する操作量指令手段としての可変抵抗器3と、可変抵抗器3からの出力電圧Sに応じた入力電圧Vを駆動信号として電磁比例弁1に備えた電磁コイル1bに入力して、可変抵抗器3にて指令された出力電圧Sに応じて弁体1aを移動させるマイクロコンピュータ利用の弁体移動手段4とが設けられている。
【0031】
前記可変抵抗器3は設定つまみ3aの回動操作量に比例した出力電圧Sを弁体移動手段4に入力するように構成されているとともに、電磁コイル1bは弁体移動手段4からの入力電圧Vに比例した駆動移動量Eで弁体1aを駆動移動させるように構成され、可変抵抗器3には、設定つまみ3aに設けた指針3bで設定された実際の流量Qを指示する対数目盛り3cが設けられている。
【0032】
前記弁体移動手段4は、可変抵抗器3からの出力電圧Sの変更範囲(Smin 〜Smax )の略全範囲において、その出力電圧Sの変更量ΔSと、その変更量ΔSに基づいて弁体1aを移動させたときにその移動によって生じる流量変化量ΔQとその弁体1aが移動する前の流量Qとの比で規定される流量変化率ΔQ/Qとが略比例関係を有する状態で弁体1aを移動させるべく、出力電圧Sに対応する電磁コイル1bへの入力電圧Vを求めて、電磁比例弁1を作動させるように構成されている。
【0033】
つまり、電磁比例弁1は、図3に示すように、弁体移動手段4から入力される入力電圧Vの変更範囲の全範囲において、その変化量ΔVと弁体1aの移動量Eの変化量ΔEとが略比例し、かつ、図4に示すように、弁体1aの移動範囲の全範囲において、その移動量Eの変化量ΔEとその変化量ΔEによって生じる流量変化量ΔQとが略比例する特性関係を備え、弁体移動手段4は、可変抵抗器3の出力電圧Sと、その出力電圧Sに対応する電磁コイル1bへの入力電圧Vとの間の、次式(1)
ΔV/V=C・ΔS………(1)
の両辺を積分して得られる、次式(2)
log V=C・S+D(但し、C,Dは比例定数)………(2)
の関係を演算式、或いは、数表として記憶している。
【0034】
そして、図5のフローチャートに示すように、可変抵抗器3から操作量としての出力電圧Sが出力されると、弁体移動手段4は式(2)の関係からその出力電圧Sに対応する入力電圧Vを演算し、その演算した入力電圧Vを電磁コイル1bに入力して、その入力電圧Vに比例する移動量Eになるよう弁体1aを駆動移動させるように構成してある。
【0035】
従って、入力電圧Vの変化量ΔVと弁体1aの移動量Eの変化量ΔE、並びに、弁体1aの移動量Eの変化量ΔEとその変化量ΔEによって生じる流量変化量ΔQとが略比例していることから、図6に示すように、次式(3)
log Q=A・S+B(但し、A,Bは比例定数)………(3)
の関係で流量Qが略制御され、(3)式を微分して得られる次式(4)から分かるように、
ΔQ/Q=A・ΔS………(4)
結果的に、図7に示すように、出力電圧Sの変更範囲(Smin 〜Smax )の略全範囲において、出力電圧Sの変更量ΔSと流量変化率ΔQ/Qとが略比例する関係で電磁比例弁1の作動が制御される。
【0036】
前記出力電圧Sに対応する流量Qが、電磁比例弁1へのガス供給条件、つまり、ガス種の変更にともなうその比重や供給圧力等の変更にかかわらず略一定量になるように、出力電圧Sに応じた弁体1bの弁座1cに対する移動領域を調節する弁体移動領域調節手段5が設けられている。
【0037】
前記弁体移動領域調節手段5は、弁箱1dに対して一定範囲で移動する弁体1aに対する弁座1cの相対位置を予め変更設定して、出力電圧Sの変更範囲に対応する弁体1aの弁座1cに対する移動領域を調節するもので、図4に示すように、弁座1cが形成されている円柱状の弁座形成体5aを弁箱1dの内側に周方向並びに弁体移動方向に摺動自在に気密に内嵌するとともに、その弁座形成体5aに固定した弁座操作軸5bを弁箱1dに形成したボス5cに気密に挿通させ、そのボス5cと弁座操作軸5bとを螺合させて構成してある。
【0038】
そして、弁座操作軸5bの螺進操作で弁座1cの弁体1aに対する相対位置を変更設定して、弁体1aの弁座1cに対する移動領域を調節し、ロックナット5dでその位置に固定できるようにしてある。
【0039】
次に、電磁比例弁1へのガス供給条件の変更にかかわらず、操作量指令手段としての可変抵抗器3で指令された操作量としての出力電圧Sの変更量ΔSと、流量変化率ΔQ/Qとの比例関係を略一定に維持して、最大流量Qmax と最少流量Qmin との間の範囲における流量Qを精度良く制御できるようにする為の流量制御装置Kの調節方法を説明する。
【0040】
先ず、基準となる可燃ガスを一定の供給圧力で供給している供給状態(以下、基準供給状態という)で、その出力電圧Sと流量Qとの関係が、図3で示すようにlog Q=A・S+B0 で表され、かつ、ノズル2と弁体1aとの間の流路部分のガス圧力Pb を弁体1aの上流側の流路部分のガス圧力Pa と略同じに設定したときの仮想流量Qs が、出力電圧Sが最大のときに設定される最大流量Qmax 以上の一定量に設定されているとする。
【0041】
そして、ガス種又は供給圧或いはその双方が変更されたガス供給条件において、ノズル2と弁体1aとの間の流路部分のガス圧力Pb を弁体1aの上流側の流路部分のガス圧力Pa1と略同じに設定したときの仮想流量Qs1が、基準供給状態において設定されていた仮想流量Qs と略同じになるように、その絞り流路2aの流路径を予め設定してある所定の交換用ノズルに交換する。
【0042】
つまり、基準供給状態において、ノズル2と弁体1aとの間の流路部分のガス圧力Pb を弁体1aの上流側の流路部分の流体圧力Pa と略同じに設定して、そのときの流量Qs を計測するとともに、変更したガス供給条件において、ノズル2と弁体1aとの間の流路部分のガス圧力Pb をそのときの弁体1aの上流側の流路部分の流体圧力Pa1と略同じに設定して、そのときの流量Qs1を計測し、その変更したガス供給条件において計測された流量Qs1が、基準供給状態において計測された流量Qs と略同じになるように、そのノズル2の絞り流路2aの流路径を選定して、その選定した流路径の絞り流路2aが交換用ノズルに予め形成されている。
【0043】
従って、流路形成部材としてのノズル2をその絞り流路2aの流路断面積が異なるものに交換して、ガス供給条件の変更にかかわらず、仮想流量Qs が最大流量Qmax 以上の略一定量になるように調節可能に設けられている。
【0044】
次に、その交換用ノズルに交換した状態で、その出力電圧Sと流量Qとの関係が、例えば図8に示すように、log Q=A・S+B1 で表される場合、出力電圧SにバイアスS0 を与える状態で基準供給状態におけるlog Q=A・S+B0 の関係と略同じになるよう、弁座操作軸5bの螺進操作で、図2に示すように、基準供給状態における弁座5cの位置からそのバイアスS0 に相当する距離dだけ予め移動しておくことにより、前述の数9に示す出力電圧Sの変更量ΔSとその時の流量変化率に相当する値Q1 /Q2 との関係が略一定になり、最大流量Qmax と最少流量Qmin との間の範囲における流量Qを精度良く制御できる。
【0045】
従って、弁体移動領域調節手段5が、弁体1aと弁座1cとの相対位置を予め変更設定して、操作量としての出力電圧Sの変更範囲に対応する弁体1aの弁座1cに対する移動領域を調節するように構成されている。
【0046】
〔第2実施形態〕
図9は別実施形態のブロック図を示し、交換用ノズルに交換した状態で、その操作量としての出力電圧Sと流量Qとの関係が基準供給状態におけるlog Q=A・S+B0 の関係と略同じになるよう、出力電圧SにバイアスS0 を与える状態で、弁体移動手段4からの入力電圧Vに補正電圧V0 を印加する形式の弁体移動領域調節手段5を設けてある。
【0047】
そして、変更されたガス供給条件において出力電圧Sを弁体移動手段4に入力すると、この補正電圧V0 によって、図10に示すように、基準供給状態における弁体1aの出力電圧Sに対応する弁座5cに対する位置からバイアスS0 に相当する距離dだけ離れた位置に弁体1aが移動するように構成してある。
その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0048】
〔第3実施形態〕
図11は、本発明による流量制御装置Kが設けられているコンロを模式的に示し、予混合拡散燃焼式のコンロ用バーナHと、そのコンロ用バーナHに可燃性ガスを供給するガス供給装置Jとが設けられ、このガス供給装置Jには、第1実施形態と同様に、流量設定手段としての電磁比例弁1と、噴出圧力設定手段としてのノズル2と、操作量指令手段3と、弁体移動手段4と、弁体移動領域調節手段5とが設けられている。
その他の構成は第1実施形態と同様であるが、第2実施形態で示した弁体移動領域調節手段5を設けても良い。
【0049】
〔第4実施形態〕
図12は、最終圧力P0 が変化する場合の実施形態として送風機8を備えた給湯装置を模式的に示し、第1実施形態と同様に、給湯用熱交換器Gと、予混合拡散燃焼式の複数のバーナHと、そのバーナHの各々に可燃性ガスを供給するガス供給装置Jとが設けられ、このガス供給装置Jには、流量設定手段としての電磁比例弁1と、噴出圧力設定手段としてのノズル2と、操作量指令手段3と、弁体移動手段4と、弁体移動領域調節手段5とが設けられている。
その他の構成は第1実施形態と同様であるが、第2実施形態で示した弁体移動領域調節手段5を設けても良い。
【0050】
〔第5実施形態〕
図13は、給湯装置の別実施形態を模式的に示し、給湯用熱交換器Gと、拡散燃焼式のバーナHと、そのバーナHに可燃性ガスを供給するガス供給装置Jとが設けられ、このガス供給装置Jには、流量設定手段としての電磁比例弁1と、噴出圧力設定手段としての可変オリフィス2と、操作量指令手段3と、弁体移動手段4と、弁体移動領域調節手段5とが設けられている。
【0051】
従って、噴出圧力設定手段が、流路断面積を一定範囲で連続的に調節可能な絞り流路2aを備えた流路形成部材としての可変オリフィス2を弁体1aの下流側に装着して構成され、その絞り流路2aの流路断面積を調節して、仮想流量Qs が最大流量Qmax 以上の略一定量になるように調節可能に設けられている。
その他の構成は第1実施形態と同様であるが、第2実施形態で示した弁体移動領域調節手段5を設けても良い。
【0052】
〔第6実施形態〕
図14は、最終圧力P0 が変化する場合の実施形態として送風機8を備えた給湯装置を模式的に示し、給湯用熱交換器Gと、予混合燃焼式のバーナHと、そのバーナHに可燃性ガスを供給するガス供給装置Jとが設けられ、このガス供給装置Jには、流量設定手段としての電磁比例弁1と、噴出圧力設定手段としての可変オリフィス2と、操作量指令手段3と、弁体移動手段4と、弁体移動領域調節手段5とが設けられている。
その他の構成は第1実施形態と同様であるが、第2実施形態で示した弁体移動領域調節手段5を設けても良い。
【0053】
〔第7実施形態〕
図15は別実施形態のブロック図を示し、流量設定手段としての電磁比例弁1を迂回して、弁体1aの上流側の流路部分の流体圧力Pa を、噴出圧力設定手段としてのノズル2と弁体1aとの間の流路部分に導入可能なバイパス路Nが、流路切換弁7の切換操作で圧力導入状態と圧力非導入状態とに切り換え可能に設けられている。
その他の構成は第1実施形態と同様であるが、第2実施形態で示した弁体移動領域調節手段5を設けても良い。
【0054】
〔その他の実施形態〕
1.本発明による流量制御装置は、可燃ガスだけでなく、種々の気体又は液体等の流体の流量を制御するものであっても良い。
2.流量設定手段は、例えばスプール弁の操作量を変更して流量を設定するものであってもよく、その構造は特に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【図1】給湯装置の模式図
【図2】流量制御装置の詳細図
【図3】入力電圧Vと弁体移動量Eの関係を示すグラフ
【図4】弁体移動量Eと流量Qの関係を示すグラフ
【図5】フローチャート
【図6】操作量Sと流量Qの関係を示すグラフ
【図7】操作量Sの変更範囲の略全範囲において、変更量ΔSと流量変化率ΔQ/Qとが略比例していることを示すグラフ
【図8】操作量Sと logQの関係を示すグラフ
【図9】第2実施形態を示すブロック図
【図10】要部の断面図
【図11】第3実施形態を示す模式図
【図12】第4実施形態を示す模式図
【図13】第5実施形態を示す模式図
【図14】第6実施形態を示す模式図
【図15】第7実施形態を示すブロック図
【図16】従来技術を示す要部断面図
【符号の説明】
1 流量設定手段
1a 弁体
1c 弁座
2 噴出圧力設定手段(流路形成部材)
2a 絞り流路
3 操作量指令手段
4 弁体移動手段
5 弁体移動領域調節手段
Pa 流体圧力
Pb 流体圧力
Q 流量
Qmax 最大流量
Qs 仮想流量
ΔQ 流量変化量
ΔQ/Q 流量変化率
S 操作量
ΔS 変更量
N バイパス路
【発明の属する技術分野】
本発明は、流量設定用の弁体を備えた流量設定手段と、前記流量設定手段を通過した流体の噴出圧力を設定する噴出圧力設定手段とを備えた流体流路と、流量を設定する為の操作量Sを指令する操作量指令手段と、前記操作量指令手段にて指令された操作量Sに応じて前記弁体を移動させる弁体移動手段とが設けられ、前記弁体移動手段は、前記操作量指令手段の操作量Sの変更範囲の略全範囲において、その変更量ΔSと、その変更量ΔSに基づいて前記弁体を移動させたときにその移動にて生じる流量変化量ΔQとその弁体が移動する前の流量Qとの比で規定される流量変化率ΔQ/Qとが略比例関係を有する状態で、前記弁体を移動させるように構成されている流量制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
冒記流量制御装置は、例えば図16に示すように、流量設定用の弁体01を備えた流量設定手段としての電磁比例弁02が設けられている流体流路03の先端部に、噴出圧力設定手段としてのノズル04を装着したものであり、流量を設定する為の操作量Sを指令する操作量指令手段05と、操作量指令手段05にて指令された操作量Sに応じて弁体01を移動させるための駆動電圧Vを電磁比例弁02に入力する弁体移動手段06とを設けて、操作量指令手段05で指令される操作量Sの変更量ΔSと、その操作量Sの変更にともなう流量変化率ΔQ/Qとが略比例するように流量を制御するので、操作量Sの変更量ΔSが一定量の場合、流量が少ない範囲で操作量Sを変更するとその流量が緩やかに変化し、流量が多い範囲で操作量Sを変更するとその流量が急激に変化して、いずれの範囲において操作量Sを変更しても、その変更量ΔSが同じであればその流量変化率ΔQ/Qが略一定に維持され、目標流量を変更設定するにあたって、その目標流量を現在流量からの流量変化率ΔQ/Qとして設定できる利点がある。
そして、このような流量制御装置において、流体の比重や供給圧力等の流体供給条件の変更にかかわらず、操作量Sに対応して一定の流量Qを設定できるようにするため、従来、操作量Sが最大のときに同じ最大流量Qmax が設定されるように、ノズル04をその絞り流路07の流路径が異なるものに交換し、最少流量Qmin が零以外の流量のときは、操作量Sが最小のときに同じ最少流量Qmin が設定されるよう、流体流入用の貫通孔を備えた筒部材08を弁体01に装着している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来技術によれば、流体供給条件の変更にかかわらず、一定の最大流量Qmax と最少流量Qmin に設定できるものの、流体の比重や供給圧力の変更に起因して、操作量指令手05で指令された操作量Sの変更量ΔSと流量変化率ΔQ/Qとの比例関係を一定に維持できなくなり、最大流量Qmax と最少流量Qmin との間の範囲における流量Qを精度良く制御できない欠点がある。
【0004】
詳述すると、電磁比例弁02の弁体01が一定位置に移動している状態で、比重1.0の流体がその電磁比例弁02を通過する流量を仮にQ0 とした場合、弁体01がその同じ一定位置に移動している状態で、比重dの流体がその電磁比例弁02を通過する流量Qは、そのときの弁体01の上流側の流路における流体圧力をPa とし、ノズル04と弁体01との間の流路部分の流体圧力をPb とすると、数1で示す関係がある。
【0005】
【数1】
【0006】
そして、数2で示す操作量Sの変更量ΔSと流量変化率ΔQ/Qとの比例関係式の両片を積分して得られる数3の関係から、S=Smin のときQ0 =Qmin,S=Smax のときQ0 =Qmax とすると、数4が導かれ、これより、比重dの流体の流量Qは数5で表される。
【0007】
【数2】
【0008】
【数3】
【0009】
【数4】
【0010】
【数5】
【0011】
この数5は数6のように変形され、S=S1 のときQ=Q1 でかつPb =Pb1,S=S2 のときQ=Q2 でかつPb =Pb2とすると、S1 −S2 つまり変更量ΔSは数7で表される。
【0012】
【数6】
【0013】
【数7】
【0014】
また、ノズル04を通過する比重dの流体の流量Qは、ノズル04の流路断面積をA0 とし、そのときのノズル04の下流側の流体圧力をP0 とすると、数8で示す関係がある。
【0015】
【数8】
【0016】
そして、数7と数8から、変更量ΔSは数9に示す関係式で表され、この関係式からわかるように、第1項中の流量変化率に相当する値Q1 /Q2 が同じで、かつ、最大操作量Smax とその時の最大流量Qmax 及び最少操作量Smin とその時の最小流量Qmin が同じであっても、第2項中の数10に示す値Fが流体供給条件によって異なるので、その流体供給条件の如何によって、その流量変化率に対応する変更量ΔSが変わってしまうからである。
【0017】
【数9】
【0018】
【数10】
【0019】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、流体供給条件の変更にかかわらず、最大流量Qmax と最少流量Qmin との間の範囲における流量Qを精度良く制御できるようにすることを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の流量制御装置は、
噴出圧力設定手段が、その噴出圧力設定手段と弁体との間の流路部分の流体圧力Pb を弁体の上流側の流路部分の流体圧力Pa と略同じに設定したときの仮想流量Qs が、流量設定手段への流体供給条件の変更にかかわらず、操作量Sが最大のときに設定される最大流量Qmax 以上の略一定量になるように調節可能に設けられているので、数10に示す値Fのうちの、下記数11に示す値Qs を略一定に設定できる。
【0021】
【数11】
【0022】
また、操作量Sに対応する流量Qが流量設定手段への流体供給条件の変更にかかわらず略一定量になるように、操作量Sに応じた弁体の弁座に対する移動領域を調節する弁体移動領域調節手段が設けられているので、操作量S1 における流量Q1 と操作量S2 における流量Q2 が流体供給条件の変更にかかわらず略一定量になるように調節して、数10に示す値FのうちのQ1 2及びQ2 2の項を略一定に設定できる。
従って、数9に示す関係式からわかるように、第1項中の流量変化率に相当する値Q1 /Q2 が同じであれば、流体供給条件の如何によらず、その流量変化率に対応する変更量ΔSが略一定量に維持されるので、流体供給条件の変更にかかわらず、最大流量Qmax と最少流量Qmin との間の範囲における流量Qを精度良く制御できる。
特に、噴出圧力を設定したときの流量と弁体の移動領域とを調節すれば良いので、流量設定手段自体の操作量Sと流量Qとの特性を調節する場合に比べて、簡便に調節できる効果がある。
【0023】
請求項2記載の流量制御装置は、
噴出圧力設定手段が、絞り流路を備えた流路形成部材を弁体の下流側に着脱自在に装着して構成され、流路形成部材をその絞り流路の流路断面積が異なるものに交換して、仮想流量Qs が最大流量Qmax 以上の略一定量になるように調節可能に設けられているので、同一仕様の多数の流量制御装置に対して流体供給条件を一律に変更する場合、それらの流路形成部材の各々を、仮想流量Qs が最大流量Qmax 以上の略一定量になるように調節できる一定仕様の流路形成部材に交換すれば良く、その調節作業を簡略化できる。
【0024】
請求項3記載の流量制御装置は、
噴出圧力設定手段が、流路断面積を一定範囲で連続的に調節可能な絞り流路を備えた流路形成部材を弁体の下流側に装着して構成され、その絞り流路の流路断面積を調節して、仮想流量Qs が最大流量Qmax 以上の略一定量になるように調節可能に設けられているので、特別な交換部品の製作並びにその交換作業が不要で、その調節作業を簡略化できる。
【0025】
請求項4記載の流量制御装置は、
弁体移動領域調節手段が、弁体と弁座との相対位置を予め変更設定して、操作量Sの変更範囲に対応する弁体の弁座に対する移動領域を調節するように構成されているので、弁体や弁座の形状を変更する必要がなく、その調節作業を簡略化できる。
【0026】
請求項5記載の流量制御装置は、
流量設定手段を迂回して、弁体の上流側の流路部分の流体圧力Pa を、噴出圧力設定手段と弁体との間の流路部分に導入可能なバイパス路が、圧力導入状態と圧力非導入状態とに切り換え可能に設けられているので、噴出圧力設定手段と弁体との間の流路部分の流体圧力Pb を弁体の上流側の流路部分の流体圧力Pa と略同じに設定したときの仮想流量Qs を容易に計測でき、最大流量Qmax 以上の略一定量になるように精度良く調節できる。
【0027】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態〕
図1は給湯装置を模式的に示し、給湯用熱交換器Gと、予混合拡散燃焼式の複数のバーナHと、そのバーナHの各々に流体の一例としての可燃性ガスを供給するガス供給装置Jとが設けられ、このガス供給装置Jには、後述する流量設定手段1と噴出圧力設定手段2と操作量指令手段3と弁体移動手段4と弁体移動領域調節手段5とを備えた本発明による流量制御装置Kが設けられている。
尚、図1において、Pa はガスの供給圧力、Pb は流量設定手段1と噴出圧力設定手段2との間のガス圧力、P0 は最終圧力である。
【0028】
前記ガス供給装置Jは、可燃性ガスのガス供給管Lの途中部分に電磁開閉弁Mを接続するともに、図2に示すように、流量設定用の弁体1aを備えた流量設定手段としての電磁比例弁1を電磁開閉弁Mの下流側に接続し、絞り流路2aを備えた流路形成部材としての多数のノズル2が着脱自在に螺着固定されているヘッダー6をガス供給管Lの先端部に接続して構成されている。
【0029】
従って、電磁比例弁1の下流側に着脱自在に装着したノズル2の各々が、その電磁比例弁1を通過した可燃性ガスの噴出圧力を設定する噴出圧力設定手段に構成され、このガス供給管Lのガス流路が流量設定手段1と噴出圧力設定手段2とを備えた流体流路に構成されている。
【0030】
前記電磁比例弁1には、流量を設定するための操作量を設定つまみ3aの回動操作で出力電圧Sとして指令する操作量指令手段としての可変抵抗器3と、可変抵抗器3からの出力電圧Sに応じた入力電圧Vを駆動信号として電磁比例弁1に備えた電磁コイル1bに入力して、可変抵抗器3にて指令された出力電圧Sに応じて弁体1aを移動させるマイクロコンピュータ利用の弁体移動手段4とが設けられている。
【0031】
前記可変抵抗器3は設定つまみ3aの回動操作量に比例した出力電圧Sを弁体移動手段4に入力するように構成されているとともに、電磁コイル1bは弁体移動手段4からの入力電圧Vに比例した駆動移動量Eで弁体1aを駆動移動させるように構成され、可変抵抗器3には、設定つまみ3aに設けた指針3bで設定された実際の流量Qを指示する対数目盛り3cが設けられている。
【0032】
前記弁体移動手段4は、可変抵抗器3からの出力電圧Sの変更範囲(Smin 〜Smax )の略全範囲において、その出力電圧Sの変更量ΔSと、その変更量ΔSに基づいて弁体1aを移動させたときにその移動によって生じる流量変化量ΔQとその弁体1aが移動する前の流量Qとの比で規定される流量変化率ΔQ/Qとが略比例関係を有する状態で弁体1aを移動させるべく、出力電圧Sに対応する電磁コイル1bへの入力電圧Vを求めて、電磁比例弁1を作動させるように構成されている。
【0033】
つまり、電磁比例弁1は、図3に示すように、弁体移動手段4から入力される入力電圧Vの変更範囲の全範囲において、その変化量ΔVと弁体1aの移動量Eの変化量ΔEとが略比例し、かつ、図4に示すように、弁体1aの移動範囲の全範囲において、その移動量Eの変化量ΔEとその変化量ΔEによって生じる流量変化量ΔQとが略比例する特性関係を備え、弁体移動手段4は、可変抵抗器3の出力電圧Sと、その出力電圧Sに対応する電磁コイル1bへの入力電圧Vとの間の、次式(1)
ΔV/V=C・ΔS………(1)
の両辺を積分して得られる、次式(2)
log V=C・S+D(但し、C,Dは比例定数)………(2)
の関係を演算式、或いは、数表として記憶している。
【0034】
そして、図5のフローチャートに示すように、可変抵抗器3から操作量としての出力電圧Sが出力されると、弁体移動手段4は式(2)の関係からその出力電圧Sに対応する入力電圧Vを演算し、その演算した入力電圧Vを電磁コイル1bに入力して、その入力電圧Vに比例する移動量Eになるよう弁体1aを駆動移動させるように構成してある。
【0035】
従って、入力電圧Vの変化量ΔVと弁体1aの移動量Eの変化量ΔE、並びに、弁体1aの移動量Eの変化量ΔEとその変化量ΔEによって生じる流量変化量ΔQとが略比例していることから、図6に示すように、次式(3)
log Q=A・S+B(但し、A,Bは比例定数)………(3)
の関係で流量Qが略制御され、(3)式を微分して得られる次式(4)から分かるように、
ΔQ/Q=A・ΔS………(4)
結果的に、図7に示すように、出力電圧Sの変更範囲(Smin 〜Smax )の略全範囲において、出力電圧Sの変更量ΔSと流量変化率ΔQ/Qとが略比例する関係で電磁比例弁1の作動が制御される。
【0036】
前記出力電圧Sに対応する流量Qが、電磁比例弁1へのガス供給条件、つまり、ガス種の変更にともなうその比重や供給圧力等の変更にかかわらず略一定量になるように、出力電圧Sに応じた弁体1bの弁座1cに対する移動領域を調節する弁体移動領域調節手段5が設けられている。
【0037】
前記弁体移動領域調節手段5は、弁箱1dに対して一定範囲で移動する弁体1aに対する弁座1cの相対位置を予め変更設定して、出力電圧Sの変更範囲に対応する弁体1aの弁座1cに対する移動領域を調節するもので、図4に示すように、弁座1cが形成されている円柱状の弁座形成体5aを弁箱1dの内側に周方向並びに弁体移動方向に摺動自在に気密に内嵌するとともに、その弁座形成体5aに固定した弁座操作軸5bを弁箱1dに形成したボス5cに気密に挿通させ、そのボス5cと弁座操作軸5bとを螺合させて構成してある。
【0038】
そして、弁座操作軸5bの螺進操作で弁座1cの弁体1aに対する相対位置を変更設定して、弁体1aの弁座1cに対する移動領域を調節し、ロックナット5dでその位置に固定できるようにしてある。
【0039】
次に、電磁比例弁1へのガス供給条件の変更にかかわらず、操作量指令手段としての可変抵抗器3で指令された操作量としての出力電圧Sの変更量ΔSと、流量変化率ΔQ/Qとの比例関係を略一定に維持して、最大流量Qmax と最少流量Qmin との間の範囲における流量Qを精度良く制御できるようにする為の流量制御装置Kの調節方法を説明する。
【0040】
先ず、基準となる可燃ガスを一定の供給圧力で供給している供給状態(以下、基準供給状態という)で、その出力電圧Sと流量Qとの関係が、図3で示すようにlog Q=A・S+B0 で表され、かつ、ノズル2と弁体1aとの間の流路部分のガス圧力Pb を弁体1aの上流側の流路部分のガス圧力Pa と略同じに設定したときの仮想流量Qs が、出力電圧Sが最大のときに設定される最大流量Qmax 以上の一定量に設定されているとする。
【0041】
そして、ガス種又は供給圧或いはその双方が変更されたガス供給条件において、ノズル2と弁体1aとの間の流路部分のガス圧力Pb を弁体1aの上流側の流路部分のガス圧力Pa1と略同じに設定したときの仮想流量Qs1が、基準供給状態において設定されていた仮想流量Qs と略同じになるように、その絞り流路2aの流路径を予め設定してある所定の交換用ノズルに交換する。
【0042】
つまり、基準供給状態において、ノズル2と弁体1aとの間の流路部分のガス圧力Pb を弁体1aの上流側の流路部分の流体圧力Pa と略同じに設定して、そのときの流量Qs を計測するとともに、変更したガス供給条件において、ノズル2と弁体1aとの間の流路部分のガス圧力Pb をそのときの弁体1aの上流側の流路部分の流体圧力Pa1と略同じに設定して、そのときの流量Qs1を計測し、その変更したガス供給条件において計測された流量Qs1が、基準供給状態において計測された流量Qs と略同じになるように、そのノズル2の絞り流路2aの流路径を選定して、その選定した流路径の絞り流路2aが交換用ノズルに予め形成されている。
【0043】
従って、流路形成部材としてのノズル2をその絞り流路2aの流路断面積が異なるものに交換して、ガス供給条件の変更にかかわらず、仮想流量Qs が最大流量Qmax 以上の略一定量になるように調節可能に設けられている。
【0044】
次に、その交換用ノズルに交換した状態で、その出力電圧Sと流量Qとの関係が、例えば図8に示すように、log Q=A・S+B1 で表される場合、出力電圧SにバイアスS0 を与える状態で基準供給状態におけるlog Q=A・S+B0 の関係と略同じになるよう、弁座操作軸5bの螺進操作で、図2に示すように、基準供給状態における弁座5cの位置からそのバイアスS0 に相当する距離dだけ予め移動しておくことにより、前述の数9に示す出力電圧Sの変更量ΔSとその時の流量変化率に相当する値Q1 /Q2 との関係が略一定になり、最大流量Qmax と最少流量Qmin との間の範囲における流量Qを精度良く制御できる。
【0045】
従って、弁体移動領域調節手段5が、弁体1aと弁座1cとの相対位置を予め変更設定して、操作量としての出力電圧Sの変更範囲に対応する弁体1aの弁座1cに対する移動領域を調節するように構成されている。
【0046】
〔第2実施形態〕
図9は別実施形態のブロック図を示し、交換用ノズルに交換した状態で、その操作量としての出力電圧Sと流量Qとの関係が基準供給状態におけるlog Q=A・S+B0 の関係と略同じになるよう、出力電圧SにバイアスS0 を与える状態で、弁体移動手段4からの入力電圧Vに補正電圧V0 を印加する形式の弁体移動領域調節手段5を設けてある。
【0047】
そして、変更されたガス供給条件において出力電圧Sを弁体移動手段4に入力すると、この補正電圧V0 によって、図10に示すように、基準供給状態における弁体1aの出力電圧Sに対応する弁座5cに対する位置からバイアスS0 に相当する距離dだけ離れた位置に弁体1aが移動するように構成してある。
その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0048】
〔第3実施形態〕
図11は、本発明による流量制御装置Kが設けられているコンロを模式的に示し、予混合拡散燃焼式のコンロ用バーナHと、そのコンロ用バーナHに可燃性ガスを供給するガス供給装置Jとが設けられ、このガス供給装置Jには、第1実施形態と同様に、流量設定手段としての電磁比例弁1と、噴出圧力設定手段としてのノズル2と、操作量指令手段3と、弁体移動手段4と、弁体移動領域調節手段5とが設けられている。
その他の構成は第1実施形態と同様であるが、第2実施形態で示した弁体移動領域調節手段5を設けても良い。
【0049】
〔第4実施形態〕
図12は、最終圧力P0 が変化する場合の実施形態として送風機8を備えた給湯装置を模式的に示し、第1実施形態と同様に、給湯用熱交換器Gと、予混合拡散燃焼式の複数のバーナHと、そのバーナHの各々に可燃性ガスを供給するガス供給装置Jとが設けられ、このガス供給装置Jには、流量設定手段としての電磁比例弁1と、噴出圧力設定手段としてのノズル2と、操作量指令手段3と、弁体移動手段4と、弁体移動領域調節手段5とが設けられている。
その他の構成は第1実施形態と同様であるが、第2実施形態で示した弁体移動領域調節手段5を設けても良い。
【0050】
〔第5実施形態〕
図13は、給湯装置の別実施形態を模式的に示し、給湯用熱交換器Gと、拡散燃焼式のバーナHと、そのバーナHに可燃性ガスを供給するガス供給装置Jとが設けられ、このガス供給装置Jには、流量設定手段としての電磁比例弁1と、噴出圧力設定手段としての可変オリフィス2と、操作量指令手段3と、弁体移動手段4と、弁体移動領域調節手段5とが設けられている。
【0051】
従って、噴出圧力設定手段が、流路断面積を一定範囲で連続的に調節可能な絞り流路2aを備えた流路形成部材としての可変オリフィス2を弁体1aの下流側に装着して構成され、その絞り流路2aの流路断面積を調節して、仮想流量Qs が最大流量Qmax 以上の略一定量になるように調節可能に設けられている。
その他の構成は第1実施形態と同様であるが、第2実施形態で示した弁体移動領域調節手段5を設けても良い。
【0052】
〔第6実施形態〕
図14は、最終圧力P0 が変化する場合の実施形態として送風機8を備えた給湯装置を模式的に示し、給湯用熱交換器Gと、予混合燃焼式のバーナHと、そのバーナHに可燃性ガスを供給するガス供給装置Jとが設けられ、このガス供給装置Jには、流量設定手段としての電磁比例弁1と、噴出圧力設定手段としての可変オリフィス2と、操作量指令手段3と、弁体移動手段4と、弁体移動領域調節手段5とが設けられている。
その他の構成は第1実施形態と同様であるが、第2実施形態で示した弁体移動領域調節手段5を設けても良い。
【0053】
〔第7実施形態〕
図15は別実施形態のブロック図を示し、流量設定手段としての電磁比例弁1を迂回して、弁体1aの上流側の流路部分の流体圧力Pa を、噴出圧力設定手段としてのノズル2と弁体1aとの間の流路部分に導入可能なバイパス路Nが、流路切換弁7の切換操作で圧力導入状態と圧力非導入状態とに切り換え可能に設けられている。
その他の構成は第1実施形態と同様であるが、第2実施形態で示した弁体移動領域調節手段5を設けても良い。
【0054】
〔その他の実施形態〕
1.本発明による流量制御装置は、可燃ガスだけでなく、種々の気体又は液体等の流体の流量を制御するものであっても良い。
2.流量設定手段は、例えばスプール弁の操作量を変更して流量を設定するものであってもよく、その構造は特に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【図1】給湯装置の模式図
【図2】流量制御装置の詳細図
【図3】入力電圧Vと弁体移動量Eの関係を示すグラフ
【図4】弁体移動量Eと流量Qの関係を示すグラフ
【図5】フローチャート
【図6】操作量Sと流量Qの関係を示すグラフ
【図7】操作量Sの変更範囲の略全範囲において、変更量ΔSと流量変化率ΔQ/Qとが略比例していることを示すグラフ
【図8】操作量Sと logQの関係を示すグラフ
【図9】第2実施形態を示すブロック図
【図10】要部の断面図
【図11】第3実施形態を示す模式図
【図12】第4実施形態を示す模式図
【図13】第5実施形態を示す模式図
【図14】第6実施形態を示す模式図
【図15】第7実施形態を示すブロック図
【図16】従来技術を示す要部断面図
【符号の説明】
1 流量設定手段
1a 弁体
1c 弁座
2 噴出圧力設定手段(流路形成部材)
2a 絞り流路
3 操作量指令手段
4 弁体移動手段
5 弁体移動領域調節手段
Pa 流体圧力
Pb 流体圧力
Q 流量
Qmax 最大流量
Qs 仮想流量
ΔQ 流量変化量
ΔQ/Q 流量変化率
S 操作量
ΔS 変更量
N バイパス路
Claims (5)
- 流量設定用の弁体を備えた流量設定手段と、前記流量設定手段を通過した流体の噴出圧力を設定する噴出圧力設定手段とを備えた流体流路と、
流量を設定する為の操作量(S)を指令する操作量指令手段と、
前記操作量指令手段にて指令された操作量(S)に応じて前記弁体を移動させる弁体移動手段とが設けられ、
前記弁体移動手段は、
前記操作量指令手段の操作量(S)の変更範囲の略全範囲において、その変更量(ΔS)と、その変更量(ΔS)に基づいて前記弁体を移動させたときにその移動にて生じる流量変化量(ΔQ)とその弁体が移動する前の流量(Q)との比で規定される流量変化率(ΔQ/Q)とが略比例関係を有する状態で、前記弁体を移動させるように構成されている流量制御装置であって、
前記噴出圧力設定手段が、
その噴出圧力設定手段と前記弁体との間の流路部分の流体圧力(Pb )を前記弁体の上流側の流路部分の流体圧力(Pa )と略同じに設定したときの仮想流量(Qs )が、前記流量設定手段への流体供給条件の変更にかかわらず、前記操作量(S)が最大のときに設定される最大流量(Qmax )以上の略一定量になるように調節可能に設けられ、
前記操作量(S)に対応する流量(Q)が前記流量設定手段への流体供給条件の変更にかかわらず略一定量になるように、前記操作量(S)に応じた前記弁体の弁座に対する移動領域を調節する弁体移動領域調節手段が設けられている流量制御装置。 - 前記噴出圧力設定手段が、絞り流路を備えた流路形成部材を前記弁体の下流側に着脱自在に装着して構成され、
前記流路形成部材をその絞り流路の流路断面積が異なるものに交換して、前記仮想流量(Qs )が前記最大流量(Qmax )以上の略一定量になるように調節可能に設けられている請求項1記載の流量制御装置。 - 前記噴出圧力設定手段が、流路断面積を一定範囲で連続的に調節可能な絞り流路を備えた流路形成部材を前記弁体の下流側に装着して構成され、
その絞り流路の流路断面積を調節して、前記仮想流量(Qs )が前記最大流量(Qmax )以上の略一定量になるように調節可能に設けられている請求項1記載の流量制御装置。 - 前記弁体移動領域調節手段が、前記弁体と前記弁座との相対位置を予め変更設定して、前記操作量(S)の変更範囲に対応する前記弁体の前記弁座に対する移動領域を調節するように構成されている請求項1,2又は3記載の流量制御装置。
- 前記流量設定手段を迂回して、前記弁体の上流側の流路部分の流体圧力(Pa )を、前記噴出圧力設定手段と前記弁体との間の流路部分に導入可能なバイパス路が、圧力導入状態と圧力非導入状態とに切り換え可能に設けられている請求項1,2,3又は4記載の流量制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18472496A JP3611405B2 (ja) | 1996-07-15 | 1996-07-15 | 流量制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18472496A JP3611405B2 (ja) | 1996-07-15 | 1996-07-15 | 流量制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1031518A JPH1031518A (ja) | 1998-02-03 |
JP3611405B2 true JP3611405B2 (ja) | 2005-01-19 |
Family
ID=16158265
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18472496A Expired - Fee Related JP3611405B2 (ja) | 1996-07-15 | 1996-07-15 | 流量制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3611405B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4534227B2 (ja) * | 2005-09-30 | 2010-09-01 | Smc株式会社 | 水冷却式恒温液循環装置及び該装置における循環液温度制御方法 |
-
1996
- 1996-07-15 JP JP18472496A patent/JP3611405B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1031518A (ja) | 1998-02-03 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2002506190A (ja) | 差圧測定システムを含むバーナの空気/ガス比を能動的に調整するためのシステム | |
US4482313A (en) | Gasburner system | |
EP1243857A1 (de) | Gebläse für Verbrennungsluft | |
CA2542764A1 (en) | Method and apparatus for optimizing a steam boiler system | |
DE4109841C2 (de) | Regelvorrichtung für Gasbrenner mit einem Gebläse zum Zuführen von Verbrennungsluft | |
JP3611405B2 (ja) | 流量制御装置 | |
US4147333A (en) | Programmed pressure regulator for controlling the supply of gas pressure to a load device | |
DE10220774B4 (de) | Einrichtung zur Regelung eines Brenners | |
KR960004216B1 (ko) | 연소기기의 제어장치 | |
KR940004184B1 (ko) | 급탕기의 연소량 제어장치 | |
US5887583A (en) | Mass flow control system and method for asphalt plant | |
JP3067498B2 (ja) | 給湯器 | |
DE102004055715A1 (de) | Verfahren zur Einstellung der Luftzahl an einer Feuerungseinrichtung und Feuerungseinrichtung | |
JP6107391B2 (ja) | ボイラ | |
EP0281823A2 (de) | Einrichtung zur Leistungsregelung von brennstoffbefeuerten Wärmeerzeugern | |
DE60027582T2 (de) | Steuersystem für eine Verbrennugsanlage | |
KR930004527B1 (ko) | 연소장치 | |
JP4069844B2 (ja) | ガス燃焼装置 | |
KR910002734B1 (ko) | 연소제어장치 | |
JPH0268449A (ja) | バイパスミキシング式給湯器 | |
KR930004524B1 (ko) | 연소장치의 제어장치 | |
JPS605856B2 (ja) | 強制給排気燃焼制御装置 | |
JPH0745930B2 (ja) | ガス燃焼機器の空燃比制御装置 | |
KR880004145Y1 (ko) | 연소제어장치 | |
DE202004017850U1 (de) | Feuerungseinrichtung |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040616 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040930 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20041019 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |