JP3610886B2 - 多点同時距離計測方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロ波やミリ波等の電磁波信号を利用した非接触の距離計測技術に関するものであり、特に複数点の距離を同時に計測する方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来マイクロ波やミリ波を利用したレーダ方式の距離計を利用した多点計測方法としては、例えば特開平6−11328号公報に示されるように、電磁波信号の送受信を行うアンテナを走査し、角度変更を実施して、または実施しながら、異なるアンテナ位置、方向における複数点の計測データにより計測対象の表面プロファイル等を計測する方法が提案されている。
また、一般に同時に多点での計測を行うためには複数の距離計と各距離計毎の信号送受信装置(アンテナ)を用意する必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来の距離計及びアンテナがそれぞれ1台により構成される装置を用いてアンテナの方向のみを変更する方法、または1台の距離計及び複数のアンテナにより構成される装置を用いて複数のアンテナを切替える方法では、各計測対象位置毎にアンテナの方向変更あるいはアンテナの切替えに時間が必要のため、多点での同時計測を行うことができないという問題があった。
また距離計及び信号送受信装置(アンテナ)により構成される装置を複数セット用意すれば、複数点までの距離を同時に計測することは可能であるが、複数セットの装置を用意することで費用が高額になるという問題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る多点同時距離計測方法は、単一の電磁波送信信号を複数に分岐し、この複数の各分岐信号をそれぞれ複数の伝送路及び送波手段を介して複数の各計測対象位置に向けて送波し、前記複数の各計測対象位置からの各反射信号をそれぞれ複数の受波手段により受波し、この複数の各受波信号を複数の伝送路を介して合成手段に入力して単一の受波信号に合成し、この合成信号を受信して受信信号に含まれる前記複数の各計測対象位置からの各反射信号をそれぞれ検出し、前記単一の電磁波送信信号の送信時刻から前記受信、検出された複数の各計測対象位置からの各反射信号の受信時刻までの各時間を計測し、この各計測時間に基づき前記複数の各計測対象位置までの距離を同時に計測するものである。
【0005】
本発明の請求項2に係る多点同時距離計測方法は、前記請求項1に係る多点同時距離計測方法において、前記複数に分岐された電磁波信号を複数の送波手段へ伝送する複数の伝送路のうちのいずれかの伝送路、または前記複数の受波手段の受波信号を合成手段へ伝送する複数の伝送路のうちのいずれかの伝送路に伝播時間遅延素子を挿入し、前記合成手段により合成される単一の受波信号における複数の受波手段からの各受波信号が時間軸上で重畳しないようにするものである。
【0006】
本発明の請求項3に係る多点同時距離計測方法は、前記請求項1または2に係る多点同時距離計測方法において、前記複数の送波手段と複数の受波手段は、直線上に一定間隔で各送波手段と各受波手段とを交互に配置し、隣接する各送波手段と各受波手段を用いて多点同時での距離計測を行うものである。
【0007】
本発明の請求項4に係る多点同時距離計測装置は、所定の電磁波信号を発生して直接または伝送路を介して分岐手段に送出する送信手段と、前記送信手段から直接または伝送路を介して電磁波信号を入力して複数に分岐して出力する分岐手段と、前記分岐手段の出力する複数の各電磁波信号を各伝送路を介して入力してそれぞれ複数の各計測対象位置に向けて送信する複数の送信アンテナと、前記複数の各送信アンテナとそれぞれ組み合わされ、前記複数の各計測対象位置から反射される電磁波信号をそれぞれ受信する複数の受信アンテナと、前記複数の各受信アンテナがそれぞれ受信した複数の受信信号を各伝送路を介して入力してそれぞれ合成し、この合成結果の単一受信信号を出力する合成手段と、前記合成手段の出力信号を受信し、この受信信号に含まれる複数の各計測対象位置から反射された各受信信号をそれぞれ検出する受信手段と、前記前記送信手段による電磁波信号の送信時刻から前記受信手段により受信、検出された複数の各計測対象位置から反射された各受信信号の受信時刻までの各時間を計測し、この各計測時間に基づき前記複数の各送信アンテナと受信アンテナの組み合わせ位置から対応する複数の各計測対象位置までの距離を同時に計測する距離計測手段とを備えたものである。
【0008】
本発明の請求項5に係る多点同時距離計測装置は、前記請求項4に係る多点同時距離計測装置において、前記分岐手段の各出力と複数の送信アンテナの各入力間のいずれかの伝送路、または前記複数の受信アンテナの各出力と合成手段の各入力間のいずれかの伝送路に挿入された伝播時間遅延素子を備えて、前記合成手段により合成される単一受信信号における複数の受信アンテナからの各受信信号が時間軸上で重畳しないようにするものである。
【0009】
本発明の請求項6に係る多点同時距離計測装置は、前記請求項4または5に係る多点同時距離計測装置において、前記複数の送信アンテナと複数の受信アンテナは、直線上に一定間隔で各送信アンテナと各受信アンテナとを交互に配置し、隣接する各送信アンテナと各受信アンテナを組み合わせて用いて多点同時での距離計測を行うものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の多点同時距離計測方法及び装置を下記実施形態1〜3により説明する。
実施形態1
図1は本発明の実施形態1に係る多点同時距離計測装置の構成を示す図である。
図1の(a)において、1,2はそれぞれ第1の送信アンテナ、受信アンテナであり、計測対象点Aまでの距離を計測する第1のアンテナ対を構成する。同様に3,4はそれぞれ第2の送信アンテナ、受信アンテナであり、計測対象点Bまでの距離を計測する第2のアンテナ対を構成する。20は距離計であり、内部に少くとも距離計測回路21、送信回路22、分岐回路23、合成回路24及び受信回路25を含んでいる。また15a,15b,15c及び15dは、それぞれアンテナ1,2,3,4と距離計20内の分岐回路23及び合成回路24とを個別に接続する電磁波信号の伝送路であり、例えば導波管や同軸ケーブル等を用いる。
【0011】
図1の(a)に示す電磁波信号を利用する距離計測装置は、単一の距離計20と2対のアンテナ1〜4と、両者を個別に接続する伝送路15a〜15dとにより構成される。
最初に距離計20内の各機器の動作概要を述べる。
距離計測回路21は、内部に伝送路15a〜15dの長さまたはこれら伝送路における電磁波信号の伝播所要時間の較正データ等が予め設定されており、所定繰返周波数の送信トリガを送信回路22に送出した送出時刻から、受信回路25から各計測対象位置よりの反射受信信号を入力した入力時刻までの各時間を計測し、この各計測時間と前記内部に設定された伝送路の較正データ等を用いて各計測対象位置までの距離の多点同時計測を行う。
【0012】
送信回路22は、距離計測回路21から送信トリガが入力されると、所定パルス幅のマイクロ波またはミリ波の送信信号を発生して分岐回路23に出力する。分岐回路23は、例えばT型分岐導波管等により構成され、入力電磁波信号を2つに分岐して出力し、その分岐出力はそれぞれの伝送路15a,15cを介して第1、第2の送信アンテナ1,3へ送出される。
合成回路24は、分岐回路23と逆の機能を行う回路で、第1、第2の受信アンテナ2,4からそれぞれの伝送路15b,15dを介して入力される2つの電磁波信号を加算合成して1つの電磁波信号として受信回路25へ供給する。受信回路25は入力される電磁波信号を増幅後、この受信信号に含まれる複数の各計測対象位置から反射された各受信信号をそれぞれ検出して距離計測回路21へ供給する。
【0013】
図1の(b)は距離計20が測定する各反射信号の受信タイミングを示している。図1の(b)を参照し、(a)に示す装置の動作を説明する。
図1の(a)においては、計測対象点AとBが離れた位置にあって、いま距離計20が第1のアンテナ対1,2から計測対象点Aまでの距離と、第2のアンテナ対3,4から計測対象点Bまでの距離を同時に計測する動作を説明する。
距離計20内の距離計測回路21は所定繰返周波数の送信トリガを送信回路22に供給し、送信回路22はこの送信トリガに同期した所定パルス幅の電磁波信号を発生して分岐回路23に供給する。分岐回路23は入力電磁波信号を2つに分岐し、この分岐した一方の電磁波信号を伝送路15aを介して第1の送信アンテナ1に供給し、分岐した他方の電磁波信号を伝送路15cを介して第2の送信アンテナ3に供給する。
【0014】
第1の送信アンテナ1から送信された電磁波信号は計測対象点Aに到達し、ここで反射された信号の一部は第1の受信アンテナ2で受信され伝送路15bを介して合成回路24に戻ってくる。同様に第2の送信アンテナ3から送信された電磁波信号は計測対象点Bに到達し、ここで反射された信号の一部は第2の受信アンテナ4で受信され伝送路15dを介して合成回路24に戻ってくる(なお、この例では、送信アンテナと受信アンテナとは独立した2つのアンテナ構成としたが、送受信兼用のアンテナとすることも可能である)。
そして2つの伝送路15bと15dをそれぞれ伝播して戻ってきた2つの電磁波信号は合成回路24により加算合成され、1つの電磁波信号として受信回路25に供給される。受信回路25は入力電磁波信号を信号増幅幅後、この受信信号に含まれる2つの各計測対象位置から反射された各受信信号をそれぞれ検出して距離計測回路21へ供給する。
【0015】
図1のように、送信用、受信用のアンテナが各2個の場合、距離計20から第1の送信アンテナ1までの伝送路15aの長さをL01、第1の送信アンテナ1から計測対象点Aまでの距離をL02、計測対象点Aから第1の受信アンテナ2までの距離をL03、第1の受信アンテナ2から距離計20までの伝送路15bの長さをL04とする。
また同様に、距離計20から第2の送信アンテナ3までの伝送路15cの長さをL11、第2の送信アンテナ3から計測対象点Bまでの距離をL12、計測対象点Bから第2の受信アンテナ4までの距離をL13、第2の受信アンテナ4から距離計20までの伝送路15dの長さをL14とする。
【0016】
次に図1の(b)を参照し、計測対象点A,Bからの各反射信号の受信時刻と距離計測方法を説明する。
いま第1のアンテナ対1,2を介した計測対象点Aからの反射信号は、距離計20から送信される電磁波信号の送信時刻より次式(1)で表される時間T0 だけ遅れた時刻に距離計20に戻る。
T0 =(L01+L02+L03+L04)/v …(1)
ここでvは電磁波信号の伝播速度を表し、伝送路15a〜15d内の伝播速度と大気中の伝播速度とは多少異なるが、ここでは簡単のため同一とした。
また同様に、第2のアンテナ対3,4を介した計測対象点Bからの反射受信信号は、距離計20から送信される電磁波信号の送信時刻より次式(2)で表される時間T1 だけ遅れた時刻に距離計20に戻る。
T1 =(L11+L12+L13+L14)/v …(2)
【0017】
ここで距離計20から計測対象点A,Bまでを電磁波信号がそれぞれ往復する距離に差があり、即ち(L01+L02+L03+L04)≠(L11+L12+L13+L14)であり、前記式(1)、(2)による時間の差ΔT=T1 −T0 が電磁波信号の送信パルス幅以上あれば、受信回路25は第1の反射信号と第2の反射信号とを2つの異なる信号として弁別して検出することができる。
従って距離計20から各アンテナ1〜4までの各伝送路の長さL01,L04,L11,L14を較正して求めるか、または電磁波信号の伝送路15a及び15bの伝播所要時間と伝送路15c及び15dの伝播所要時間を較正して求め、これらの長さデータまたは伝播所要時間データを距離計測回路21内に予め設定しておくことにより、距離計測回路21は、前記式(1)、(2)の各計測時間と較正データ等を求めて各計測対象点までの距離を算出することができる。
【0018】
なお、計測対象点AとB間の距離が小さい場合には、距離計20から各アンテナまでの伝送路15a〜15dの長さを調整して(即ち、前記式(1)、(2)による時間の差ΔTが電磁波信号の送信パルス幅より大きくなるようにして)、各アンテナ対による反射信号を加算合成した際に、複数の反射信号が時間軸上で重なることが無いように調整すればよい。
また電磁波信号の伝播速度はきわめて高速(大気中では3×1010cm/sec)であり、電磁波信号のパルス幅は一般にμs,nsのオーダーであるので、前記時間の差ΔTは微小となり、計測対象点AとBに対して同時に距離計測を行ったとして全く支障はない。
【0019】
実施形態2
図2は本発明の実施形態2に係る多点同時距離計測装置の構成を示す図であり、図1と同一符号の機器は図1と同一または同等のものである。
本実施形態2においては、図2の(a)に示すように、複数の受信アンテナと送信アンテナとを交互に所定間隔で一直線上に配置する。そして例えばアンテナとしてホーンアンテナを用いたとすると、各送信アンテナから送出された電磁波信号は指向性を有するが、伝播にしたがって拡散してゆき、計測対象地点に到達し、ここで反射される。反射された電磁波信号は送信アンテナの両側に配置された受信アンテナによりそれぞれ受信される。
従って各アンテナの指向性とその配置間隔を測定距離に応じて調整することにより、1つの送信アンテナと2つの受信アンテナで2つの計測対象地点までの距離を同時に計測することが可能となる。さらに、送信アンテナ2つと受信アンテナ3つとで4つの計測地点の同時計測が可能となる。
【0020】
そして距離計20内の分岐回路23により送信信号の複数の送信アンテナへの分岐出力を行うのと共に、合成回路24により複数の受信アンテナからの入力信号の合成を行うことにより、単一の距離計20で一直線上の複数の計測対象地点までの距離を同時に計測することができる。
なお、送信アンテナ、受信アンテナが各2個以上の場合、反射信号が伝播、検出される経路は、必ずしも隣接する送信アンテナと受信アンテナ間によるものだけではなくなり、本来計測しようとする信号以外の不要信号が発生することもあるが、このような場合には、伝播経路の差を利用して受信ゲートを設けたり、また受信レベルの差を利用して閾値を設けたりして不要信号を除去するようにしている。
【0021】
図2の(b)を参照し、計測対象点A,B,Cからの反射信号の受信時刻を説明する。
図2の(a)に示すように、2つの送信アンテナ1,3と2つの受信アンテナ2,4とが一直線状に配置されているとする。いま距離計20から送信アンテナ1、受信アンテナ2、送信アンテナ3、受信アンテナ4までの伝送路の長さをそれぞれL01,L11,L02,L12とする。いま検出を行いたい信号は第1送信アンテナ1と第1及び第2の受信アンテナ2及び4の組み合わせと、第2の送信アンテナ3と第2の受信アンテナ4の組み合わせによる信号であり、それぞれの組み合わせによって得られる電磁波信号の送信時刻から受信時刻までの時間遅れをそれぞれT1 ,T2 ,T3 とすると、これらは次式(3)、(4)、(5)で表される。
T1 =(L01+L11)/v+TA …(3)
T2 =(L01+L12)/v+TB …(4)
T3 =(L02+L12)/v+TC …(5)
【0022】
ここでTA ,TB ,TC は、上記組み合わせによる各送信アンテナから計測対象点A,B,Cを経て各受信アンテナに戻るまでの距離を電磁波信号が伝播するのに要した時間である。またvは各伝送路内の電磁波信号の伝播速度である。
従って距離計測回路21内に、前記(L01+L11),(L01+L12),(L02+L12)の各長さの較正データまたはこれらの長さの伝送路の電磁波伝播所要時間のデータを設定しておくことにより、計測対象点A,B,Cまでの距離の同時計測が可能となる。
【0023】
なおここで各アンテナの指向特性と配置間隔及び測定対象点までの距離により、前記計測対象となる信号のほかに第2の送信アンテナ3からの信号が反射し第1の受信アンテナ2により検出されると、これは不要反射信号となる。この場合の送信時刻から受信時刻までの時間遅れをT4 とすると、T4 は次式(6)となる。
T4 =(L02+L11)/v+TD …(6)
ここでTD は送信アンテナ3と受信アンテナ2の間の伝播経路を電磁波信号が伝播するのに要した時間である。
そこで、実際の計測では、前記式(3)〜(6)のT1 〜T4 が、それぞれ時間軸上で重ならないように各伝送路の長さL01,L11,L02,L12を調整する必要がある。
【0024】
実施形態3
図3は本発明の実施形態3に係る多点同時距離計測装置の構成を示す図である。
図3において、1,3,5は送信アンテナ、2,4,6は受信アンテナであり、受信アンテナと送信アンテナは交互に所定間隔で一直線上に配置される。また、本実施形態では送信アンテナと受信アンテナは共に、開口寸法30×30mm、高さ30mmの矩形ホーンアンテナを使用した。7〜10はそれぞれ方向性結合器、11は導波管、12a〜12fはそれぞれ信号減衰器である。
また20Aは距離計であり、内部に距離計測回路21、送信回路22及び受信回路25を含んでいる。距離計20Aは、図1、2の距離計20から分岐回路23と合成回路24を除去したものである。これは図3の方向性結合器7〜10により電磁波信号の分岐と合成が行われるからである。
なお、本実施形態3では、距離計測装置として搬送波周波数25GHzのミリ波を使用したミリ波距離計20Aを使用した。
【0025】
図3の装置の動作を説明する。
図3の距離計測回路21も図1、2と同様に多点同時距離計測を行う回路である。送信回路22は、距離計測回路21からの送信トリガに同期して前記搬送周波数25GHzのミリ波で所定パルス幅の送信信号を発生し、この信号を導波管11を介して第1の方向性結合器7に入力する。本実施形態では結合度−6dBの方向性結合器7〜10を使用し、入力した信号のうち−6dBで結合分岐された信号は導波管及び信号強度を調整するための信号減衰器12aを介して第1の送信アンテナ1に入力される。
第1の方向性結合器7からの通過信号(−3dB減衰)は第2の方向性結合器8に入力され、入力した信号のうち結合分岐側の信号(−6dB減衰)は導波管及び信号減衰器12bを介して第2の送信アンテナ3に入力され、その通過側の信号(−3dB減衰)は導波管及び信号減衰器12cを介して第3の送信アンテナ5に入力される。
【0026】
図3のように受信アンテナ2,4,6と送信アンテナ1,3,5とは交互に配置されている場合、送信アンテナ1からの送信電波のうち計測対象点A,Bからの反射波は受信アンテナ2,4に受信され、送信アンテナ3からの送信電波のうち計測対象点C,Dからの反射波は受信アンテナ4,6に受信され、送信アンテナ5からの送信電波のうち計測対象点Eからの反射波は受信アンテナ6に受信される。
【0027】
受信アンテナ6からの受信信号は導波管及び信号減衰器12fを介して第3の方向性結合器9の通過側に入力され、また受信アンテナ4からの受信信号は導波管及び信号減衰器12eを介して第3の方向性結合器9の結合分岐側に入力され、ここで両信号は合成され出力される。
第3の方向性結合器9から出力された信号は第4の方向性結合器10の通過側に入力され、また受信アンテナ2からの受信信号は導波管及び信号減衰器12dを介して第4の方向結合器10の結合分岐側に入力され、ここで両信号は合成されて出力されて距離計20A内の受信回路25に入力される。
【0028】
受信回路25は、入力ミリ波信号を信号増幅後、この受信信号に含まれる複数の各計測対象位置から反射された各受信信号をそれぞれ検出して距離計測回路21へ供給する。
距離計測回路21は、送信アンテナと受信アンテナの組み合わせにより複数存在する受信信号(図3の場合、アンテナ数は送信、受信各3個であるので可能な送受の組み合わせは3×3=9となる)のうちから必要とする隣接するアンテナ同士の組み合わせによる5つの組み合わせによる(即ち計測対象点A,B,C,D,Eからの)反射信号を選択し、これら5つの信号について送信時刻から受信時刻までの時間遅れを計測して距離を算出する。
【0029】
上記送信アンテナと受信アンテナの組み合わせのうち、不要の組み合わせ信号の対策として、実際の装置においては、アンテナの指向性とアンテナの配列間隔を調整することにより、隣接したアンテナ同士の組み合わせによる信号以外の信号を抑制することが可能である。本実施形態3の場合アンテナ同士の間隔を50mm以上とすれば、不要な信号のレベルを検出レベル(閾値)に対して無視しうる程度に抑制することが可能となった。
【0030】
上記本発明の各実施形態によれば、1台の電磁波信号を利用した距離計20,20Aによって、それぞれ複数の異なる計測対象位置までの距離を同時に測定するので、時間が経過すると位置、距離、レベル、形状等が変化してしまう測定対象物や複雑な形状の測定対象物に対して瞬間的な多点位置におけるプロファイル計測を低コストの装置で行うことができる。
特に実施形態2、3のように、送信アンテナと受信アンテナとを交互に一直線上に配列することにより、実施形態3の場合にはそれぞれ3個の送信アンテナと受信アンテナにより、5つの計測対象位置に対する同時計測が可能となり、経済的な多点同時距離測定装置を構成することができる。
また複数の各計測対象位置間の距離が小さい場合にも、距離計20,20Aから各アンテナまでの各伝送路の長さを調整して複数の各計測対象位置からの受信信号が時間軸上で重畳しないようにすることにより多点同時距離計測を可能とすることができる。
【0031】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、単一の電磁波送信信号を複数に分岐し、この複数の各分岐信号をそれぞれ複数の伝送路及び送波手段を介して複数の各計測対象位置に向けて送波し、前記複数の各計測対象位置からの各反射信号をそれぞれ複数の受波手段により受波し、この複数の各受波信号を複数の伝送路を介して合成手段に入力して単一の受波信号に合成し、この合成信号を受信して受信信号に含まれる前記複数の各計測対象位置からの各反射信号をそれぞれ検出し、前記単一の電磁波送信信号の送信時刻から前記受信、検出された複数の各計測対象位置からの各反射信号の受信時刻までの各時間を計測し、この各計測時間に基づき前記複数の各計測対象位置までの距離を同時に計測するようにしたので、時間が経過すると位置、距離、レベル、形状等が変化してしまう測定対象物や複雑な形状の測定対象物に対して瞬間的な多点位置におけるプロファイル計測を低コストの装置で行うことができる。
【0032】
また本発明によれば、前記複数に分岐された電磁波信号を複数の送波手段へ伝送する複数の伝送路のうちのいずれかの伝送路、または前記複数の受波手段の受波信号を合成手段へ伝送する複数の伝送路のうちのいずれかの伝送路に伝播時間遅延素子を挿入し、前記合成手段により合成される単一の受波信号における複数の受波手段からの各受波信号が時間軸上で重畳しないようにしたので、複数の各計測対象位置間の間隔が狭い場合にも多点同時距離計測が可能となる。
【0033】
また本発明によれば、前記複数の送波手段と複数の受波手段は、一直線上に一定間隔で各送波手段と各受波手段とを交互に配置し、隣接する各送波手段と各受波手段を用いて多点同時での距離計測を行うようにしたので、比較的少数の送波手段と受波手段とにより多数の計測対象位置の計測が可能となり、経済的な多点同時距離測定装置を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る多点同時距離計測装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態2に係る多点同時距離計測装置の構成を示す図である。
【図3】本発明の実施形態3に係る多点同時距離計測装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
1,3,5 送信アンテナ
2,4,6 受信アンテナ
7〜10 方向性結合器
11 導波管
12a〜12f 信号減衰器
15a〜15d 伝送路
20,20A 距離計
21 距離計測回路
22 送信回路
23 分岐回路
24 合成回路
25 受信回路
Claims (6)
- 単一の電磁波送信信号を複数に分岐し、この複数の各分岐信号をそれぞれ複数の伝送路及び送波手段を介して複数の各計測対象位置に向けて送波し、前記複数の各計測対象位置からの各反射信号をそれぞれ複数の受波手段により受波し、この複数の各受波信号を複数の伝送路を介して合成手段に入力して単一の受波信号に合成し、この合成信号を受信して受信信号に含まれる前記複数の各計測対象位置からの各反射信号をそれぞれ検出し、前記単一の電磁波送信信号の送信時刻から前記受信、検出された複数の各計測対象位置からの各反射信号の受信時刻までの各時間を計測し、この各計測時間に基づき前記複数の各計測対象位置までの距離を同時に計測することを特徴とする多点同時距離計測方法。
- 前記複数に分岐された電磁波信号を複数の送波手段へ伝送する複数の伝送路のうちのいずれかの伝送路、または前記複数の受波手段の受波信号を合成手段へ伝送する複数の伝送路のうちのいずれかの伝送路に伝播時間遅延素子を挿入し、前記合成手段により合成される単一の受波信号における複数の受波手段からの各受波信号が時間軸上で重畳しないようにすることを特徴とする請求項1記載の多点同時距離計測方法。
- 前記複数の送波手段と複数の受波手段は、直線上に一定間隔で各送波手段と各受波手段とを交互に配置し、隣接する各送波手段と各受波手段を用いて多点同時での距離計測を行うことを特徴とする請求項1または2記載の多点同時距離計測方法。
- 所定の電磁波信号を発生して直接または伝送路を介して分岐手段に送出する送信手段と、
前記送信手段から直接または伝送路を介して電磁波信号を入力して複数に分岐して出力する分岐手段と、
前記分岐手段の出力する複数の各電磁波信号を各伝送路を介して入力してそれぞれ複数の各計測対象位置に向けて送信する複数の送信アンテナと、
前記複数の各送信アンテナとそれぞれ組み合わされ、前記複数の各計測対象位置から反射される電磁波信号をそれぞれ受信する複数の受信アンテナと、
前記複数の各受信アンテナがそれぞれ受信した複数の受信信号を各伝送路を介して入力してそれぞれ合成し、この合成結果の単一受信信号を出力する合成手段と、
前記合成手段の出力信号を受信し、この受信信号に含まれる複数の各計測対象位置から反射された各受信信号をそれぞれ検出する受信手段と、
前記送信手段による電磁波信号の送信時刻から前記受信手段により受信、検出された複数の各計測対象位置から反射された各受信信号の受信時刻までの各時間を計測し、この各計測時間に基づき前記複数の各送信アンテナと受信アンテナの組み合わせ位置から対応する複数の各計測対象位置までの距離を同時に計測する距離計測手段とを備えたことを特徴とする多点同時距離計測装置。 - 前記分岐手段の各出力と複数の送信アンテナの各入力間のいずれかの伝送路、または前記複数の受信アンテナの各出力と合成手段の各入力間のいずれかの伝送路に挿入された伝播時間遅延素子を備えて、前記合成手段により合成される単一受信信号における複数の受信アンテナからの各受信信号が時間軸上で重畳しないようにすることを特徴とする請求項4記載の多点同時距離計測装置。
- 前記複数の送信アンテナと複数の受信アンテナは、直線上に一定間隔で各送信アンテナと各受信アンテナとを交互に配置し、隣接する各送信アンテナと各受信アンテナを組み合わせて用いて多点同時での距離計測を行うことを特徴とする請求項4または5記載の多点同時距離計測装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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