JP3609435B2 - マニピュレータ装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、マニピュレータ装置に係り、特に適用範囲が拡く保守性の良好なマニピュレータ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、従来のマニピュレータ装置のなかには、(1): 各部がその作業のためにに設計されたマニピュレータ本体を備えた専用マニピュレータと、
(2): 標準化されている複数の関節モジュールやアーム・モジュールを組み合わせて構成されたマニピュレータ本体を備えた「モジュール型マニピュレ−タ」とが存在する。
【0003】
ただし前者(1) は、作業対象が変化したときに種々の問題を生じる。例えば、大きな作業領域を対象に構成された長い腕を有するマニピュレータ装置を、小さな作業領域のみの作業に用いると、その作業中にその長い腕が周囲の障害物と接触しないようにその腕を折り曲げた状態で常に作業を行わせる必要がある。しかも、その長い腕を支えるために関節駆動部の出力が浪費されてしまい、先端に取着されている手先効果器(エンドエフェクター)においては必要な力に効率よく出力変換きない。しかし後者(2) は、マニピュレータ装置自体の低価格化に寄与できるのみならず、作業対象の変化にも良好に対応が可能であり、しかも保守の容易化にも寄与できる利点を備えている。
【0004】
ところで、上述の「モジュール型マニピュレ−タ」に組み込まれるモジュールには、特開昭62−282886 号に見られる回転関節モジュールや、特公昭63−50155号公報に見られるリンク型アーム・モジュールが知られている。これらの種類のモジュールを各取付部を介して複数個連結して組み合わせることによって所望の作業が可能なマニピュレータ本体を提供している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述のモジュール型マニピュレータ装置にも次のような問題があった。すなわち、複数個のモジュールを組み合わせてマニピュレータ本体を組み立てた後、そのマニピュレータ本体に何等かの作業を行わせるためには、マニピュレータ本体を駆動制御するための専用ソフトウェアを作る必要がある。そのソフトウェアの作成に際しては、マニピュレータ本体の基準姿勢において、各関節モジュールの自由度の方向(即ち、可動および組合せの自由度)および、アームの接続方向や長さを予め知る必要がある。しかし、作業内容が変わる都度に、関節モジュールの数やその自由度の方向を変えたり、長さの異なるアームを方向を変えて組み合わせたりする場合には、組立て現場において各関節モジュールの自由度の方向、アームの長さおよびその方向の確認に意外に時間を要する場合が多い。しかも、その確認の後にその専用ソフトウェアの開発のための一連の作業操作(例えば、プログラム作成、デバッグ、テスト等)を初めから行なう必要がある。したがって、マニピュレータ装置に実際の所望な作業を行わせるまでに多くの手間と時間を要する問題があった。
【0006】
そこで上述のような不具合を解消するために、各関節モジュールに自由度の方向に対応した信号を出力する識別信号発生装置を付設し、この信号発生装置の出力から各関節モジュールの自由度を読み取ることが考えられる。しかし、このように改良しても、動作範囲の変更に伴わせてアームの長さを変えたり、方向を変えたりしたときには、その都度に寸法を再測定する必要がある。故に、ソフトウェアの自動書換えを実現することも結局困難であることがわかる。
【0007】
上述の如く従来のモジュール型マニピュレータ装置は、動作範囲の変更に伴うマニピュレ−タの駆動制御のためのプログラムの書換えや変更に多くの手間や時間を要し、作業者に大きな負担をかける等の問題があった。
【0008】
本発明の目的は、上述の不具合を解消でき、保守性に富み、適用範囲の拡大に寄与できるマニピュレ−タ装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の一態様によれば、マニピュレータ装置は、各々所定の方向の自由度を有し、各々の自由度が任意の方向となるように連結部材を介して自在に組合せられた複数の関節部と、ソフトウェアに基づいて前記関節部の自由度の方向の旋回を制御する制御手段と、前記関節部の各々に設けられ、関節部の自由度の方向と関節部の接続順番を示す識別信号をコネクタを介して外部へ出力する情報出力手段と、前記コネクタを介して前記情報出力手段に接続され、前記識別信号に基づいて、前記制御手段のソフトウェアを書き換える情報処理手段とからなる。
本発明の他の態様によれば、マニピュレータ装置は、各々所定の方向の自由度を有し、各々の自由度が任意の方向となるように連結部材を介して自在に組合せられた複数の関節モジュールと、ソフトウェアに基づいて前記関節モジュールの自由度の方向の旋回を制御する制御手段と、前記関節モジュールの各々に設けられ、関節モジュールの自由度の方向及び前記関節モジュール同士の組合せを表わす組合せ情報を識別信号に変換してコネクタを介して外部へ出力する識別信号発生手段と、前記コネクタを介して前記識別信号発生手段に接続され、前記識別信号を基にして前記制御手段のソフトウェアを書き換える情報処理装置とからなる。
本発明の他の態様によれば、マニピュレータ装置は、各々所定の方向の自由度を有し、各々の自由度が任意の方向となるように連結部材を介して自在に組合せられ、可変形状の少なくとも1つの関節モジュールと、ソフトウェアに基づいて前記関節モジュールの自由度の方向の旋回を制御する制御手段と、前記関節モジュールの形状情報を計測信号に変換してコネクタを介して外部へ出力する計測信号発生手段と、前記コネクタを介して前記計測信号発生手段に接続され、前記計測信号を基にして前記制御手段のソフトウェアを書き換える情報処理装置とからなる。
本発明の他の態様によれば、マニピュレータ装置は、任意の長さのマニピュレータを実現するように連結部材を介して自在に組合せられた任意の長さの複数の関節部と、ソフトウェアに基づいて前記関節部の駆動を制御する制御手段と、前記関節部の各々に設けられ、関節部の長さと関節部の接続順番を示す識別信号をコネクタを介して外部へ出力する情報出力手段と、前記コネクタを介して前記情報出力手段に接続され、前記識別信号に基づいて、前記制御手段のソフトウェアを書き換える情報処理手段とからなる。
本発明の他の態様によれば、マニピュレータ装置は、各々所定の方向の自由度を有し、任意の長さのマニピュレータを実現するように連結部材を介して自在に組合せられた任意の長さの複数の関節モジュールと、ソフトウェアに基づいて前記関節モジュールの駆動を制御する制御手段と、前記関節モジュールの各々に設けられ、関節モジュールの長さ及び前記関節モジュール同士の組合せを表わす組合せ情報を識別信号に変換してコネクタを介して外部へ出力する識別信号発生手段と、前記コネクタを介して前記識別信号発生手段に接続され、前記識別信号を基にして前記制御手段のソフトウェアを書き換える情報処理装置とからなる。
本発明の他の態様によれば、マニピュレータ装置は、任意の長さのマニピュレータを実現するように連結部材を介して自在に組合せられ、可変形状の少なくとも1つの関節モジュールと、ソフトウェアに基づいて前記関節モジュールの駆動を制御する制御手段と、前記関節モジュールの各々に設けられ、関節モジュールの形状情報を計測信号に変換してコネクタを介して外部へ出力する計測信号発生手段と、前記コネクタを介して前記識別信号発生手段に接続され、前記計測信号を基にして前記制御手段のソフトウェアを書き換える情報処理装置とからなる。
【0010】
【作用】
本発明のマニピュレータ装置においては、モジュールの旋回軸、長さの情報、関節モジュールの種類情報及び関節モジュール同士の組合せの自由度を表わす組合せ情報からなる識別情報、あるいはモジュールの形状情報からなる計測信号に基づいて制御手段のソフトウェアを書き換えることにより、保守性に富み、適用範囲の拡大に寄与できるマニピュレータ装置を提供することができる。
【0011】
また、ばらばらに存在する複数個の関節モジュールやアームモジュールを使い新たにマニピュレータ本体を組み立てたり、作業内容の変更にともなって組み直した場合には、取付部の種類を選択するだけで、1つの関節部をある座標系における異なる軸回り(例えば、X軸回り、Y軸回り、またはZ軸回り)の旋回関節として使用できるので組立てが容易である。また同様に、各関節部の自由度の方向を示す識別信号と各関節部の接続順番を示す識別信号とを出力する識別信号発生部を備えているので、この識別信号発生部の出力を基にそのソフトウェアを書き換えることができる。つまり、今まで作業現場でおいて人により行なわれていた一連のソフトウェア作成工程(例えば、プログラミング、コンパイル、リンク、テスト等)を皆無にし、信号処理装置によりその作業現場で選択された自由な構成に合わせて必要なソフトウェア(例えば、各関節の位置とハンド部の位置との関係ソフトウェア,各関節の速度とハンド部の速度との関係ソフトウェア,各関節の力とハンド部の力との関係ソフトウェア等)を自動的書換え(いわゆるカスタマイズ)することも可能となる。
【0012】
【実施例】
(第1実施例)
図1に示されている本発明の第1実施例のマニピュレータ本体1は、ベース2上にモジュール化された6個の関節部3a〜3fを直列に接続するとともに最先端に位置する関節部3fにハンド部に相当する効果器4を取り付けた構成となっている。各関節部3a〜3fは、図1に示されている直角座標上において、図2に等価図として示される方向に自由度を持つように互いに接続されている。
【0013】
各関節部3a〜3fは、この実施例の場合、それぞれ同一寸法に形成されており、具体的には図3(a) に示すように構成されている。すなわち、各関節部3a〜3fは、減速機を含むモ−タ部11と、このモータ部11に同軸的に直結されたフィ−ドバックユニット12と、このフィードバックユニット12からモータ部11の回転中心線と同軸に外方へ向けて突出する関係に設けられた固定軸13と、モータ部11からこのモータ部11の回転中心線と同軸に外方へ向けて突出する関係に設けられた回転軸14と、一端側が固定軸13に固定されるとともに他端側が上記回転中心線と直交する方向に延びた後に回転中心線と平行にフィードバックユニット12およびモータ部11の外面に沿って延びたL字型の連結部材15と、一端側が回転軸14に固定されるとともに他端側が上記回転中心線と直交する方向に延びた後に回転中心線と平行にモータ部11およびフィードバックユニット12の外面に沿って延びたL字型の連結部材16とで構成されている。そして、電力供給ケーブル(不図示)や信号線(不図示)を使ってモータ部11とフィードバックユニット12とを動作させることによって、連結部材15と連結部材16とをモータ部11の回転中心線回りに相対的に回転させることができる構造である。
【0014】
連結部材15, 16の上記回転中心線と直交する部分17, 18および平行する部分19, 20には、次に述べるボルト挿入孔を兼用した3種類の取付部が設けられている。すなわち、連結部材15の部分17には、図3(c) に示すように、回転中心線を中心にし、かつ長手辺が部分17の延びる方向と直交するように描かれる長方形の各頂点位置に4つの取付孔21が設けられ、この4つの取付孔21によって第1の取付部22が形成されている。同様に、連結部材16の部分18には、図3(d) に示すように、回転中心線を中心にし、かつ長手辺が部分18の延びる方向と直交するように描かれる長方形の各頂点位置に4つの取付孔23が設けられ、この4つの取付孔23によって第1の取付部22に対応する第2の取付部24が形成されている。一方、連結部材15の部分19には、図3(e) に示すように、部分19の幅方向の中心の位置25を中心にし、かつ長手辺が回転中心線と直交するように描かれる長方形の各頂点位置に4つの取付孔26が設けられ、この4つの取付孔26によって第3の取付部27が形成されている。また、連結部材18の部分20には、図3(b) に示すように、部分20の幅方向の中心位置で、前記位置25から部分18の外面までの距離と等しい位置28を中心にし、かつ長手辺が回転中心線と直交するように描かれる長方形の各頂点位置に4つの取付孔29が設けられ、この4つの取付孔29によって第3の取付部27に対応する第4の取付部30が形成されている。さらに、連結部材15の部分19には、図3(e) に示すように、位置25を中心にし、かつ長手辺が回転中心線と平行するように描かれる長方形の各頂点位置に4つの取付孔31が設けられ、この4つの取付孔31によって第5の取付部32が形成されている。また、連結部材18の部分20には、図3(b) に示すように、位置28を中心にし、かつ長手辺が回転中心線と平行するように描かれる長方形の各頂点位置に4つの取付け孔33が設けられ、この4つの取付孔33によって第5の取付部32に対応する第6の取付部34が形成されている。ここで、第1〜第6の取付部22, 24, 27, 30, 32, 34を形成している4つの取付孔の間隔を規定する長方形の縦横寸法は、それぞれ等しい値に設定されている。
【0015】
上記のように構成された各関節部3a〜3fは、実際に組込まれるとき、たとえば図4に示す直角座標上で、X軸回りの回転を実現するときには同図(a) に示すように第3の取付部27と第4の取付部30とが選択され、Y軸回りの回転を実現するときには同図(b) に示すように第5の取付部32と第6の取付部34とが選択され、またZ軸回りの回転を実現するときには同図(c) に示すように第1の取付部22と第2の取付部24とが選択される。各関節部3a〜3fが上記のように構成されているので、たとえば出力の異なる関節部でも、どのような順番に接続してもマニピュレ−タ本体を構成することが可能であり、さらにすでに構成されたマニピュレ−タ本体から関節部の接続順序を入れ換えることによりマニピュレ−タ本体の自由度配置を変更できる。また、関節部ごとに分割して作業現場まで運搬して、運搬したその場で容易に組立てることができる。また、作業内容が決まったときにその作業内容に適した自由度配置を選択して、マニピュレ−タ本体を構成することができるので、マニピュレ−タ本体の関節の性能を効率的に効果器の速度や力として伝達でき、さらに作業内容が変更されたときにもその作業内容にふさわしい自由度構成にマニピュレ−タ本体を容易に再構成できる。このように、1つの関節部を旋回関節としても、屈曲関節としても使用でき、さらに屈曲関節の屈曲方向を直交する2方向に選択できるように構成された6個の関節部3a〜3fの組合わせによってマニピュレータ本体1が構成されているのである。
【0016】
ところで、マニピュレータ本体1に組込まれた6つの関節部3a〜3fには、その関節部の自由度の方向を示す識別信号を出力するための識別信号発生器が設けられている。この実施例では図5に示すように、モータ部11の外面に取付けられた切換スイッチ装置41を主体にして識別信号発生器が構成されている。切換スイッチ装置41は、摘み42を操作して指示針を“X”の表示に合わせると、図6に示すように、可動接点43が移動して出力端子44, 45間の抵抗値がRxとなり、指示針を“Y”の表示に合わせると抵抗値がRyとなり、また指示針を“Z”の表示に合わせると抵抗値がRzとなるように構成されている。また、出力端子44, 45は2本ピン式のコネクタ46に接続されている。
【0017】
上述のように、本実施例ではマニピュレータ本体1を構成している各関節部3a〜3fに設けられた切換スイッチ装置41の摘み42を組立て時に操作することによって、その関節部がある直角座標上において、X軸回りの関節として動作しているか、Y軸回りの関節として動作しているか、Z軸回りの関節として動作しているかを示す識別信号を抵抗値の大きさの形で出力できるようにしている。この識別信号は、マニピュレータ本体1の自由度を変更するための組立て終了後などにおいて、図7に示す信号処理システム51に導入される。
【0018】
信号処理システム51では、各コネクタ46にそれぞれコネクタ52を接続し、これらコネクタ52を介して測定装置53で各関節部における抵抗値を測定する。図1に示されるマニピュレータ装置1では、関節部3aにおいては抵抗値Rz、関節部3bにおいては抵抗値Rx、関節部3cにおいては抵抗値Rx、関節部3dにおいては抵抗値Rz、関節部3eにおいては抵抗値Ry、関節部3fにおいては抵抗値Rxであると測定される。この抵抗値の測定は、図8に示すように、測定線に基準抵抗R0 を直列に接続し、測定線の両端に基準電圧Viを印加しておき、基準抵抗R0 の両端電圧V0 を測定することにより行われる。この測定によって、関節部3a〜3fは、順にZ軸回り、X軸回り、X軸回り、Z軸回り、Y軸回り、X軸回りであることが判る。得られた軸回り情報は、測定装置53から情報処理装置54に送られて処理される。図7の場合には、測定装置53からそれぞれの関節部に設けられたコネクタ46に対して抵抗値測定用コ−ドが1対1の関係に延びているので、何番目の関節部の信号を入力しているかを区別することができる。なお、ただ一本の抵抗値測定用コ−ドを使用するときには、操作者が抵抗値測定用コ−ドを各関節部上のコネクタ46に接続する度に測定装置53に付属のキ−ボ−ドから関節番号を入力するなどの方法により、何番目の関節部の信号を入力しているかを知ることができる。
【0019】
次に、上述のように構成されたマニピュレ−タ装置において、何番目の関節部がある直角座標系において何の軸回りの関節部かが判ったとき、その情報の利用方法について詳しく述べる。
【0020】
マニピュレ−タの駆動制御に必要なプログラムの一例として、各関節角度から手先の位置・姿勢への座標変換をとりあげる。マニピュレ−タの駆動制御に必要なプログラムの一例として、各関節角度から手先の位置・姿勢への座標変換について例示すると次のような手順で行われる。
【0021】
(1) 回転関節部における座標変換
座標系 (i)のX軸の回りにθ回転した座標系を座標系 (i−1) とすれば、あるベクトルの、座標系 (i)による表現[x(i) ,y(i) ,z(i) ]T と、座標系 (i−1) による表現[x(i−1) ,y(i−1) ,z(i−1) ]T との関係は次式のように表される。
【0022】
【数1】
このときのCi−1 ,i は、X軸回りの回転関節による座標変換の3×3マトリクスであり、“X軸回りのC行列”と呼ばれる。
【0023】
同様に座標系 (i)のy軸の回りにθ回転した座標系を座標系 (i−1) とすれば、あるベクトルの座標系 (i)による表現[x(i) ,y(i) ,z(i) ]T と、座標系 (i−1) による表現[x(i−1) ,y(i−1) ,z(i−1) ]T との関係は次式のように表される。
【0024】
【数2】
このときのCi−1 ,i は、Y軸回りの回転関節による座標変換の3×3マトリクスであり、“Y軸回りのC行列”と呼ばれる。
【0025】
同様に座標系 (i)のz軸の回りにθ回転した座標系を座標系 (i−1) とすれば、あるベクトルの座標系 (i)による表現[x(i) ,y(i) ,z(i) ]T と、座標系 (i−1) による表現[x(i−1) ,y(i−1) ,z(i−1) ]T との関係は、次式のように表される。
【0026】
【数3】
このときのCi−1 ,i は、Z軸回りの回転関節による座標変換の3×3マトリクスであり、“Z軸回りのC行列”と呼ばれる。
【0027】
(2) 座標変換の合成
座標変換の合成は、上記の漸化式を繰り返し用いて、次式のように表される。
【0028】
【数4】
ここで行列Ai はある関節座標系 (i)で表示されたベクトルをベ−ス座標系(0) で表示するための3×3の合成変換マトリクスであり、“A行列”と呼ばれる。このように、ベクトルをある関節座標系 (i)による表示からベ−ス座標系(0) による表示へ座標変換するには、ベ−ス座標系からその関節までいくつ関節があって、それぞれの関節が何の軸回りの回転関節かを知り、それに対応するC行列を順々に掛けていくことによりA行列をつくればよい。
【0029】
(3) 位置の算出
関節と関節の間のア−ムを示すベクトルLiは、マニピュレ−タがどのような姿勢をとっていても、その関節座標系(i)ではア−ムがZ軸上のマイナス方向にあると仮定し、次のように表現される。
【0030】
【数5】
マニピュレ−タがある姿勢をとったときの各ア−ムを表現するベクトルを、その関節座標系(i)による表現からベ−ス座標系 (0)による表現へ変換するために上記のA行列を利用して求める。
【0031】
【数6】
各関節の位置座標をPi をベ−ス座標系(0) により表現したものは、ベ−ス座標系で表現されたア−ムベクトルをベ−スからその関節の手前まですべて加えたものである。
【0032】
【数7】
特に、先端部の位置座標をベ−ス座標系(0)により表現されたものは、ベ−ス座標系で表現されたア−ムベクトルをすべて加えたものである。
【0033】
【数8】
駆動制御ソフトウェアでは、各関節の角度から手先の位置・姿勢を求める計算として、この(2) 式がプログラミングされているが、この(2) 式において、A行列の要素A0(02),A0(12),A0(22), ・・・・ ,An(02),An(12),An(22) を使っているが、A行列は (1)式で示したように複数の回転関節部における座標変換を表わすC行列を順次掛け合わせたものであるから、構成されたマニピュレータ本体において、何番目の関節がどの軸回りの関係にあるのかを表わす信号を利用して、3種類のC行列(即ち、X軸回りのC行列、Y軸回りのC行列、Z軸回りのC行列)を選択して、順次掛け合わせることによりA行列を作成し、更に、L0,L1,……Lnを計測された信号により書き換えれば、各関節角度から手先の位置・姿勢を求める計算を書換えることができる。情報処理装置54ではマニピュレ−タの自由度配置の変更に対応できるソフトウェアが用意されており、マニピュレータ本体の駆動制御に使用するソフトウェアを「自動的に書き換え」ている。(実際は、そのソフトウエアを構成するサブルーチンのパラメータ等の設定が変更されることで、所望の動作制御を行なうプログラムに自動的に変化する。)
このように、全体の自由度構成を選択できる複数種類、つまり第1から第6のの取付部22, 24, 27, 30, 32, 34をそれぞれ有した複数の関節部3a〜3fの組合わせでマニピュレータ本体1が構成されている。したがって、取付部の種類を選択するだけで、1つの関節部をある座標系におけるX軸回りの屈曲関節にも、Y軸回りの屈曲関節にも、Z軸回りの旋回関節にも使用でき、組立てを容易化できる。また、各関節部3a〜3fのある座標系における自由度方向を示す識別信号を出力する識別信号発生器を備えているので、この識別信号発生器の出力からマニピュレ−タの駆動制御に使用するソフトウェアを書換えるのに必要な情報を得ることができる。したがって、信号処理システム51を使ってソフトウェアを自動書換えすることが可能となる。この結果、作業現場において人手を介して毎回プログラムをエディットし、その後コンパイルやリンクといったソフトウェア開発のために行われていた一連の操作をなくすことができる。しかも、作業現場で選択した自由度構成に合わせて、たとえば各関節部の位置とハンド部の位置との関係のソフトウェア、各関節部の速度とハンド部の速度との関係のソフトウェア、各関節部の力とハンド部の力との関係のソフトウェアなどを容易に変更することが可能となる。
【0034】
なお、上述の実施例ではモジュール化された関節部だけを複数組み合わせてマニピュレータ本体1を構成しているが、関節部間にアームを介在させてマニピュレータ本体を構成しなければならない場合が往々にしてある。このような場合には、図9(a) 〜図9(c) にそれぞれ示すように、X軸延長用アーム61, Y軸延長用アーム62およびZ軸延長用アーム63を用意しておく。そして、X軸延長用アーム61の一端側に前述の第1の取付部22を構成している取付孔と同じ配置に取付孔64を設けて一方の取付部65とし、また他端側に前述の第2の取付部24を構成している取付孔と同じ配置に取付孔66を設けて他方の取付部67とする。同様に、Y軸延長用アーム62の一端側に第1の取付部22を構成している取付孔とは配列方向が90度異なる取付孔68を設けて一方の取付部69とし、また他端側に前述した第2の取付部24を構成している取付孔とは配列方向が90度異なる取付孔70を設けて他方の取付部71とする。さらに、Z軸延長用アーム63の両端に第1の取付部22および第2の取付部24を構成している取付孔と同じ配置に取付孔72, 74を設けて取付部73, 75とする。
【0035】
(第2実施例)
図10には前述のアームとモジュール化された7個の関節部3a〜7fとが組み合わされて構成されたマニピュレータ本体の第2実施例が示されている。また図11には同マニピュレータ本体1aにおける各関節部の自由度の方向を示す等価図が示されている。そして、この例においても、各関節部3a〜3gには、これら各関節部3a〜3gのある直角座標系における自由度の方向を示す識別信号を出力するための切換スイッチ装置が設けられている。各アームの長さは既知であるため、結局、前記第1実施例と同様の効果を得ることができる。
【0036】
図12には本実施例に係るマニピュレータ装置のマニピュレータ本体を構成する関節部3の一例が示されている。この例おいて、関節部3の本体部分は先の実施例のものと同じ構成である。異なる点は関節部3に付設されて関節部の自由度の方向を示す識別信号を発生させる識別信号発生器として重力スイッチを用いていることにある。
【0037】
また、図13に示すように、重力スイッチ76は、金属材で有底角筒状に形成されたケース77と、このケース77の開口部を蓋するように装着された絶縁材78と、一端部が絶縁材78に固定され、他端側がケース77内に延びた横剛性を持つ針金79と、この針金79の遊端部に固定された金属材製の接触子80とで構成されている。そして、針金79とケース77とがリード線を介して2ピン式のコネクタ120に接続されている。上記のように構成された重力スイッチ76は、針金79が関節部3の回転中心線と平行するようにモータ部11の外面に固定されている。したがって、図12に示されている関節部3を図13(a) 中X軸回りあるいはY軸回りの屈曲関節として使用したときには、針金79により片持ちに支えられた接触子80がその自重により導電性のケース77に接触し、コネクタ120の2本のピン間が導通状態となる。一方、関節部3を図13(b) 中Z軸回りの旋回関節として使用したときには、接触子80がケース77に接触することがなく、コネクタ120の2本のピン間が非導通状態となる。上記説明から判るように、この例では関節部3を複数個組合わせてマニピュレ−タ本体を構成したときに、各関節部が屈曲関節として動作しているか、旋回関節として動作しているかをコネクタ120の2本のピン間の導通状態で外部に示すことができる。
【0038】
図14には上述の重力スイッチ76を備えた6個の関節部3を図1に示したように組み合わせてマニピュレータ本体を構成するとともに、各重力スイッチ76の情報を信号処理システム51aが取り込んでその制御に必要なソフトウェアを書換えしている図が示されている。各重力スイッチ76の情報はそれぞれ専用のコネクタ52aおよびリード線を介して測定装置53aに導入される。この場合、関節部3aにおいては非導通、関節部3bにおいては導通、関節部3cにおいては導通、関節部3dにおいては非導通、関節部3eにおいては導通、関節部3fにおいては導通と測定され、各関節部3a〜3fは順に旋回関節、屈曲関節、屈曲関節、旋回関節、屈曲関節、屈曲関節と判定される。そして、この情報は情報処理装置54aに送られて、駆動制御に必要なソフトウェアの書換え処理に供される。前記第1実施例に示した手法はマニピュレ−タの駆動制御に用いるソフトウェアを書換えるための必要条件を満たしているが、この実施例に示した方法は旋回関節か、屈曲関節かの情報だけなので必要条件ではあるが、マニピュレ−タの駆動制御に用いるソフトウェアの自動書換えに使うことはできない。しかし、ソフトウェアを書き換えるための情報を得るためには、少なくとも両方から得られた情報に矛盾がないことが必要であるので、この実施例も先の実施例と併用することにより、安全対策の2重チェック用として利用できる。
【0039】
(変形例1)
図15には本発明のマニピュレータ装置のマニピュレータ本体を構成する関節部3の変形例が示されている。この例おいても関節部3の本体部分は先の実施例のものと同じ構成である。異なる点は関節部3に付設されて関節部の自由度の方向を示す識別信号を発生させる識別信号発生器にある。この例では関節部3を複数組合わせてマニピュレータ本体を構成したとき、各関節部3の全てについて、ある直角座標上の何軸回りに装着されているかを示す識別信号を自動的に発生させるようにしている。
【0040】
まず、この例では連結部材15, 16が非導電性部材で形成されている。そして、連結部材15の回転中心線と平行な部分19で、第3の取付部27を規定する長方形の中心から図中Y軸上のプラス側に位置する上記長方形の短辺上に2本のピンを部分19の図中下面に露出させる関係にコネクタ81を設けている。また、連結部材15の部分19で、第5の取付部32を規定する長方形の中心から図中X軸上のプラス側に位置する上記長方形の短辺上に2本のピンを部分19の図中下面に露出させる関係にコネクタ82を設けている。さらに、連結部材15の回転中心線と直交する部分17で、第1の取付部22を規定する長方形の中心から図中Y軸上のプラス側に位置する上記長方形の短辺上に2本のピンを部分17の図中左外面に露出させる関係にコネクタ83を設けている。各コネクタ81, 82, 83内には、図16に示すように、抵抗値がR0 、R1 、R2 の抵抗体が収容されている。つまり、コネクタ81の2本のピンが短絡されると端子84a, 84b間の抵抗値がR0 となり、コネクタ82の2本のピンが短絡されると端子85a, 85b間の抵抗値がR1 となり、コネクタ83の2本のピンが短絡されると端子86a, 86b間の抵抗値がR2 となるように構成されている。そして、各コネクタ81, 82, 83の端子84a, 84b, 85a, 85b, 86a, 86bは対応するもの同志が共通に接続されて2ピン式のコネクタ87に接続されている。
【0041】
一方、連結部材16には、この連結部に連結される関節部の自由度方向に対応させて、その関節部に設けられている前記コネクタ81, 82, 83のいずれかのコネクタの2本のピンを短絡させるための導電体が取付けられている。すなわち、連結部材16の回転中心線と平行な部分20で、第4の取付部30を規定する長方形の中心から図中Y軸上のプラス側およびマイナス側に位置する上記長方形の短辺上に導電体89, 90が設けられている。また、連結部材16の回転中心線と直交する部分18で、第2の取付部24を規定する長方形の中心から図中Y軸上のプラス側およびマイナス側に位置する上記長方形の短辺上に導電体91, 92が設けられている。さらに、図17に示すように、ベ−ス2にも、取付部36を規定する長方形の中心から図中Y軸上のプラス側およびマイナス側に位置する上記長方形の短辺上に導電体93, 94が設けられている。
【0042】
図18にはコネクタ81, 82, 83および導電体89, 90, 91, 92の取付けられた関節部3を6個組み合わせて図1に示したマニピュレータ本体を構成したときの各コネクタと導電体との位置関係が示されている。この図において、白抜き長方形はコネクタを示し、黒塗り長方形は導電体を示している。表1にはこのときに各関節部に設けられたコネクタ87から得られた抵抗値およびその処理手法が示されている。
【0043】
【表1】
これらの図および表から判るように、関節部3aは抵抗値R2 ,関節部3bは抵抗値R0 ,関節部3c抵抗値R0 ,関節部3dは抵抗値R2 ,関節部3eは抵抗値R1 ,関節部3fは抵抗値R1 と測定される。そこで、図示しない測定装置は抵抗値R2 が測定された関節部については無条件にZ軸回りの回転関節であると判定する。ここでは、関節部3aと関節部3dがZ軸回りであると判定される。次に、抵抗値R0 の関節部は識別記号“0”,抵抗値R1 の関節部は識別記号“1”,抵抗値R2 の関節部は識別記号“2”,として、ベ−ス部の“0”からハンド部に向かって2進数の足し算として順次加えていく。そして、Z軸回りと判定された以外の関節部で、最下位の数字が0ならばX軸回りの関節部、最下位の数字が1ならばY軸回りの関節部であると判定する。ここでは、関節部3bと関節部3cと関節部3fとがX軸回りであると判定され、関節部3eがY軸回りであると判定される。以上の方法により、このマニピュレ−タ本体の構成は、第1関節から順に、
“(Base)−Z−X−X−Z−Y−X−(Hand)”であると判定される。そして、
この情報は図示しない情報処理装置に導入されて駆動制御のソフトウェアの自動書換えに供される。
【0044】
図15に示される関節部3を用い、かつ図10に示すように途中にアームを介在させてマニピュレータ本体を構成するときには、図19に示すように、X軸延長用アーム61,Y軸延長用アーム62およびZ軸延長用アーム63に設けられた取付部65, 67, 69, 71, 73, 75を規定する長方形の短辺上に導電体101〜112を取付ければよい。
【0045】
図20および図21にはコネクタ81, 82, 83および導電体89, 90, 91, 92の取付けられた7個の関節部3と図19に示されているX軸延長用アーム61およびZ軸延長用アーム63とを組み合わせて図10に示したマニピュレータ本体1aを構成したときの各コネクタと導電体との位置関係が示されている。この図において、白抜き長方形はコネクタを示し、黒塗り長方形は導電体を示している。表2にはこのときに各関節部に設けられたコネクタ87から得られた抵抗値およびその処理手法が示されている。
【0046】
【表2】
これらの図および表から判るように、関節部3aは抵抗値R0 ,関節部3bは抵抗値R1 ,関節部3cは非導通,関節部3dは抵抗値R0 ,関節部3eは抵抗値R2 ,関節部3fは抵抗値R0 ,関節部3gは抵抗値R1 と測定される。
【0047】
そこで、測定装置(不図示)は、抵抗値R2 の測定された関節部と、非導通であった関節部とを無条件にZ軸回りの回転関節であると判定する。ここでは、関節部3cと関節部3eがZ軸回りであると判定される。次に、抵抗値R0 の関節部は識別記号“0”,抵抗値R1 の関節部は識別記号“1”,抵抗値R2 の関節部は識別記号“2”,非導通の関節部は識別記号“1”として、ベ−ス部の“0”からハンド部に向かって2進数の足し算として順次加えていく。そして、Z軸回りと判定された以外の関節部で、最下位の数字が0ならばX軸回りの関節部、最下位の数字が1ならばY軸回りの関節部であると判定する。ここでは、関節部3aと関節部3dと関節部3eとがX軸回りであると判定され、関節部3bと関節部3gとがY軸回りであると判定される。
【0048】
以上の方法により、このマニピュレ−タ本体1aの構成が、第1関節から順に、“(Base)−X−Y−Z−X−Z−X−Y−(Hand)”であると判定される。そして、この情報は図示しない情報処理装置に導入されて駆動制御のソフトウェアの自動書換えに供される。
【0049】
(変形例2)
図22には本発明の実施例に係るマニピュレータ装置のマニピュレータ本体を構成する関節部3の別な変形例が示されている。この例おいても関節部3の本体部分は先の実施例のものと同じ構成である。この実施例が先の実施例と異なる点は、関節部3に付設されて関節部の接続順番を示す識別信号と自由度の方向を示す識別信号とを発生させる識別信号発生器にある。
【0050】
この例では、マニピュレータ本体を組み立てると、ベース側から最先端の関節部に至るまで測定線が自動接続されるようにするとともに、各関節部の接続順番を示す識別信号とその関節部がある直角座標上の何軸回りに装着されているかを示す識別信号とを発生させるようにしている。この例においても連結部材15, 16が非導電性部材で形成されている。そして、連結部材15の回転中心線と平行な部分19で、第3の取付部27を規定する長方形の中心から図中Y軸上のプラス側に位置する上記長方形の短辺上に各ピンを部分19の図中下面に露出させる関係にコネクタ121を設けている。また、連結部材15の部分19で、第5の取付部32を規定する長方形の中心から図中X軸上のマイナス側に位置する上記長方形の短辺上に各ピンを部分19の図中下面に露出させる関係にコネクタ122を設けている。さらに、連結部材15の回転中心線と直交する部分17で、第1の取付部22を規定する長方形の中心から図中Y軸上のプラス側に位置する上記長方形の短辺上に各ピンを部分17の図中左外面に露出させる関係にコネクタ123を設けている。
【0051】
一方、連結部材16の回転中心線と直交する部分18で、第2の取付部24を規定する長方形の中心から図中Y軸上のプラス側に位置する上記長方形の短辺上に各ピンを部分18の図中右外面に露出させる関係にコネクタ124を設けている。また、連結部材16の回転中心線と平行する部分20で、第6の取付部34を規定する長方形の中心から図中X軸上のマイナス側に位置する上記長方形の短辺上に各ピンを部分20の図中上面に露出させる関係にコネクタ125を設けている。さらに、部分20で、第4の取付部30を規定する長方形の中心から図中Y軸上のプラス側に位置する上記長方形の短辺上に各ピンを部分20の図中上面に露出させる関係にコネクタ126を設けている。この例の場合、各コネクタ121〜126としては、9本のピンを備えたものが用いられている。これらのピンのうちの1本にはグランドを示すGの表示が付されており、他の8本のピンにはそれぞれ1から8までの表示が付されている。そして、各コネクタ121〜126の対応するピン同志は、図23および図24にも示すようにケーブル127によって共通に接続されている。
【0052】
一方、モータ部11の外面には切換スイッチ128, 129が取付けられている。切換スイッチ128は、図24に示すように、全体で8個有した固定接点群130と、この固定接点群130の中から1つの固定接点を選択するための可動接点131とを備えている。そして、摘み132を操作して指示針を文字盤上に描かれている1から8の数字のいずれかに合わせると、その数字に対応した接点番号の固定接点に可動接点131が接触するようになっている。固定接点群130を構成している各固定接点は、その番号に対応した番号のコネクタピンに接続されている。切換スイッチ129は、図24に示すように、X固定接点133, Y固定接点134およびZ固定接点135と、これらの中から1つの固定接点を選択するための可動接点136とを備えている。そして、摘み137を操作して指示針を文字盤上に描かれているX, Y, Zの文字のいずれかに合わせると、その文字に対応した固定接点に可動接点136が接触するようになっている。可動接点136は切換スイッチ128の可動接点131に接続されている。X固定接点133,Y固定接点134およびZ固定接点135には、それぞれ抵抗値がRX , RY , RZ の抵抗体の一端側が接続されており、これら抵抗体の他端側は共通に接続されて前述のコネクタのグランドピンGに接続されている。
【0053】
さらに、図25に示すようにベ−ス2にも、取付部36を規定する長方形の中心から図中Y軸上のプラス側に位置する上記長方形の短辺上にコネクタ121〜126と同一構成のコネクタ138が各ピンを露出させて取り付けられている。コネクタ138にはケーブル139が接続されており、このケーブル139は図26に示す信号処理システム51bに選択的に接続される。関節部3およびベース2が上記のように構成されているので、この関節部3を複数組合わせてマニピュレータ本体を構成すると、隣り合う関節部に設けられているコネクタ同志が自動的に接続される。なお、組み立てるときには、その関節部3のベース2からの順番と、その関節部3のある直角座標上の自由度方向とを確認し、切換スイッチ128の指示針を順番数に合わせるとともに切換スイッチ129の指示針を自由度を示す軸に合せるようにする。
【0054】
図26にはコネクタ121〜126および切換スイッチ128, 129の取付けられた6個の関節部3を組み合わせて図1に示したマニピュレータ本体1を構成したときの関節部3aと関節部3bとの間の測定用信号線の結線関係が示されている。この場合には、関節部3aにおいては切換スイッチ128の指示針が文字盤上の1の位置を指し、切換スイッチ129の指示針が文字盤上のZの位置を指している。また、関節部3bにおいては切換スイッチ128の指示針が文字盤上の2の位置を指し、切換スイッチ129の指示針が文字盤上のXの位置を指している。したがって、信号処理定システム51b側からケーブル139を介してグランドピンと1番ピンとの間の抵抗値を測定すると抵抗値RZ が測定され、グランドピンと2番ピンとの間の抵抗値を測定すると抵抗値RX が測定されることになる。これらの抵抗値から関節部3aはZ軸回りと判定でき、関節部3bはX軸回りと判定でき、以下同様に各関節部の軸回り方向を判定できることになる。そして、判定結果は、情報処理装置54bに送られて駆動制御のソフトウェアの自動書換えに供される。
【0055】
このような構成であると、測定時に引き回す測定用ケーブルの数を少なくすることができるとともに、各関節部の接続順番を間違えるような事態の発生を少なくできる。なお、上記構成の関節部3を用い、かつ図10に示すように途中にアームを介在させてマニピュレータ本体を構成するときには、図27, 図28, 図29に示すように、取付部65, 67, 69, 71, 73, 75を規定する長方形の短辺上に図示関係にコネクタ140〜145を設け、これらを信号用のケーブル146〜148で接続したX軸延長用アーム61, Y軸延長用アーム62およびZ軸延長用アーム63を用いればよい。
【0056】
(変形例3)
図30には本発明の実施例に係るマニピュレータ装置のマニピュレータ本体を構成する関節部3のさらに異なる変形例が示されている。この例おいても関節部3の本体部分は先の実施例のものと同じ構成である。また、この図では図22と同一部分が同一符号で示してある。
【0057】
この例が先の例と異なる点は、関節部3に付設されて関節部の接続順番を示す識別信号と自由度の方向を示す識別信号とを発生させる識別信号発生器にある。すなわち、この実施例では図22に示す実施例で用いていた切換スイッチ129をなくし、代わりに図31および図32に示すように、コネクタ121のグランドピンを除く8本のピンとコネクタ122のグランドピンを除く8本のピンとの間に抵抗値Rの抵抗を介在させる抵抗体151を接続し、さらにコネクタ122のグランドピンを除く8本のピンとコネクタ123のグランドピンを除く8本のピンとの間に抵抗値Rの抵抗を介在させる抵抗体152を接続している。また、コネクタ123のグランドピンを含む9本のピンとコネクタ124, 125, 126の9本のピンとを対応するピン毎に共通に接続している。
【0058】
図33にはコネクタ121〜126、切換スイッチ128および抵抗体151,152の取付けられた6個の関節部3を組み合わせて図1に示したマニピュレータ本体1を構成したときの関節部3aと関節部3bとの間の測定用信号線の結線関係が示されている。このような構成であると、その関節部がX軸回りの回転関節として接続されていれば、その関節上において全ての信号線で抵抗値が2R上昇し、またその関節部がY軸回りの回転関節として接続されていれば、その関節上において全ての信号線で抵抗値が1R上昇し、さらにその関節部がZ軸回りの回転関節として接続されていれば、その関節上において全ての信号線で抵抗値が0R上昇、つまり変化しないことになる。すなわち、各関節部上で、その信号線にその関節の回転方向を示す抵抗が直列に接続される。関節がそれ以上接続されていなければ、測定抵抗値は解放となり抵抗値の差が無限大となるので、使用した関節モジュールの個数を知ることができる。したがって、ケ−ブル139を介してグランドピンと各ピンとの間の抵抗値を測定し、その抵抗値の差を第1の関節部から順に調べてゆけば、マニピュレ−タ本体の自由度の数とその構成(X方向か、Z方向か)を知ることができる。
【0059】
表3には図1に示したように組み立てられたマニピュレータ本体1に対して測定装置53cで測定された測定結果と自由度構成の判定結果が示されている。
【0060】
【表3】
また、表4には図10に示したように組立てられたマニピュレータ本体1aに対して測定装置53cで測定された測定結果と自由度構成の判定結果が示されている。
【0061】
【表4】
上述のように測定および判定された結果は、情報処理装置54cに導入されて駆動制御のソフトウェアの自動書換えに供される。したがって、この実施例においても前記実施例と同様の効果を得ることができる。
【0062】
(変形例4)
図34には本発明の実施例に係るマニピュレータ装置のマニピュレータ本体を構成する関節部3の別の変形例が示されている。この例おいても関節部3の本体部分は先の実施例のものと同じ構成である。また、この例では関節部の接続順番を示す識別信号と自由度の方向を示す識別信号とを発生させる信号発生器については図30に示された関節部と全く同じ手法を採用している。
【0063】
この例が先の例と異なる点は、図35, 図36, 図37, 図38および図39に示すように、各コネクタ161〜166として、関節部の接続順番と自由度の方向を測定するために供されるコネクタ部167aと、関節部のフィードバックユニット12への接続に供されるコネクタ部167bと、関節部のモータ部11へ電力を供給するために供されるコネクタ部167cとを一体化させたものを使用している。また、図38に示すように、関節部の接続順番と自由度の方向を測定するために供される切換スイッチ部168に連動して、その関節部のフィードバッユニット12とモータ部11とを対応するコネクタ部のピンに接続する切換スイッチ部169, 170を有した切換スイッチ171を用いている。このような構成を採用しても、先の実施例と同様の作用効果を得ることができる。
【0064】
(変形例5)
図40には本発明の実施例に係るマニピュレータ装置のマニピュレータ本体を構成する関節部3のさらに別な変形例が示されている。この例おいても関節部3の本体部分は先の例のと同じ構成である。また、この図では図30と同一部分が同一符号で示してある。
【0065】
本実施例が図30に示された実施例と異なる点は、関節部3に付設されて関節部の接続順番を示す識別信号と自由度の方向を示す識別信号とを発生させる識別信号発生器にある。すなわち、本実施例では、コネクタ121のグランドピンを除く8本のピンと中継コネクタ181のグランドピンを除く8本のピンとの間にそれぞれ抵抗値Rxの抵抗を介在させる抵抗体182を接続し、またコネクタ122のグランドピンを除く8本のピンと中継コネクタ181のグランドピンを除く8本のピンとの間にそれぞれ抵抗値Ryの抵抗を介在させる抵抗体183を接続し、さらにコネクタ123のグランドピンを除く8本のピンと中継コネクタ181のグランドピンを除く8本のピンとの間にそれぞれ抵抗値Rzの抵抗を介在させる抵抗体184を接続している。そして、コネクタ121, 122, 123のグランドピンをそれぞれ中継コネクタ181のグランドピンに共通に接続し、この中継コネクタ181のグランドピンを含む9本のピンとコネクタ124, 125, 126の9本のピンとを対応するピン毎に共通に接続している。
【0066】
図41には、コネクタ121〜126、切換スイッチ128および抵抗体182, 183, 184の取り付けられた6個の関節部3を組み合わせて図1のマニピュレータ本体1を構成したときの関節部3aと関節部3bとの間の測定用信号線の結線関係が示されている。このような構成であると、その関節部がX軸回りの回転関節として接続されていれば、その関節上の全ての信号線で抵抗値がRxだけ上昇する。また、その関節部がY軸回りの回転関節として接続されていれば、その関節上の全ての信号線で抵抗値がRyだけ上昇する。また、その関節部がZ軸回りの回転関節として接続されていれば、その関節上の全ての信号線で抵抗値がRzだけ上昇し、さらにその関節部がベース側に隣接している関節部と同じ方向の屈曲関節としてアーム部などを介在させずに直接接続されていれば、その関節上の全ての信号線で抵抗値がRxとRyとを並列接続したときの抵抗値分だけ上昇する。すなわち、各関節部上で、その信号線にその関節の回転方向を示す抵抗値を持った抵抗が直列に接続される。したがって、ケ−ブル139を介してグランドピンと各ピンとの間の抵抗値を測定し、その抵抗値の差を第1の関節部から順に調べてゆけば、マニピュレ−タ本体の自由度の数と構成を知ることができる。
【0067】
図42には図40に示される関節部3を6個組み合わせて図1に示されたようなマニピュレータ本体1を構成したときの各コネクタと抵抗体との接続関係が立体的に示され、図43に同接続関係図が示されている。これらの図は各関節部の接続状態に応じてRx, Ry, Rzのうちのどの抵抗値が加算されるかを説明するためのもので、判り易くするために単線で表示されている。
【0068】
これら図42および図43から判るように、ケーブル139を介してグランド線と1番ピンとの間の抵抗値を測定するとRzが測定される。またグランド線と2番ピンとの間の抵抗値を測定すると(Rz+Rx)が測定される。同様にグランド線と3番ピンとの間の抵抗値、4番ピンとの間の抵抗値、以下同様に6番ピンとの間の抵抗値を順次測定すると、{Rz+Rx+(Rx・Ry)/(Rx+Ry)}、{Rz+Rx+(Rx・Ry)/(Rx+Ry)+Rz}、{Rz+Rx+(Rx・Ry)/(Rx+Ry)+Rz+Ry}、{Rz+Rx+(Rx・Ry)/(Rx+Ry)+Rz+Ry+Rx}と測定される。上位番号のピンで得られた抵抗値と1つ下位のピンで得られた抵抗値との差を求めると、Rz、Rx、(Rx・Ry)/(Rx+Ry)、Rz、Ry、Rxとなる。したがって、このマニピュレータ本体1の自由度構成は、そのマニピュレータ本体が設けられている場に設定された座標系において、ベース2側から、“(Base)−Z−X−X−Z−Y−X−(Hand)”であると判定される。この判定は、実際には図41に示す測定装置53dで行われる。このようにして測定および判定された結果は情報処理装置54dに導入されて駆動制御のソフトウェアの自動書換えに供される。したがって、この実施例においても前記実施例と同様の効果を得ることができる。そして、この実施例の場合には、関節部がどのような関係に接続されていても各関節部の接続順番および自由度の方向を確実に検出できる。
【0069】
なお、本発明は上述の実施例および変形例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0070】
(第3実施例)
図44には本発明の第3実施例に係るマニピュレータ装置におけるマニピュレータ本体1の概略構成が示されている。このマニピュレータ本体1は、ベース2上にモジュール化された7個の関節3a〜3gと3個のアーム4a〜4cを直列に接続するとともに,最先端に位置する関節3gにハンド部に相当する効果器5を取り付けた構成である。各関節3a〜3gは、図44に示されている直角座標上において、図45に等価図として示される方向に自由度を持つように互いに接続されている。各関節3a〜3gは、本実施例の場合も、それぞれ同一寸法に形成されたモジュールである。基本的には前述の第1実施例および第2実施例に採用されている関節部とほぼ同様な仕様である。(参照、図3(a) 〜図3(e) )ただし、具体的に本実施例における各関節3a〜3gは、部分17, 18の外面間距離が20cm、部分19, 20を対向させた条件で部分19, 20の外面間距離が20cmの大きさに形成されている。
【0071】
上記のように構成された各関節3a〜3gは、実際に組み込まれるとき、たとえば図4(a) 〜(c) に示す直角座標XYZ上で、X軸回りの回転を実現するときには同図(a) に示すように第3の取付部27と第4の取付部30とが選択され、Y軸回りの回転を実現するときには同図(b) に示すように第5の取付部32と第6の取付部34とが選択され、またZ軸回りの回転を実現するときには同図(c) に示すように第1の取付部22と第2の取付部24とが選択される。
【0072】
各関節3a〜3gが上記のように構成されているので、たとえば出力の異なる関節でも、どのような順番に接続してもマニピュレ−タ本体を構成することが可能であり、さらにすでに構成されたマニピュレ−タ本体から関節の接続順序を入れ換えることによりマニピュレ−タ本体の自由度配置を変更できる。また、関節ごとに分割して作業現場まで運搬して、運搬したその場で容易に組立てることができる。また、作業内容が決まったときにその作業内容に適した自由度配置を選択して、マニピュレ−タ本体を構成することができるので、マニピュレ−タ本体の関節の性能を効率的に効果器の速度や力として伝達できる。さらに作業内容が変更されたときにもその作業内容にふさわしい自由度構成にマニピュレ−タ本体を容易に再構成できる。このように、1つの関節を旋回関節としても、屈曲関節としても使用でき、さらに屈曲関節の屈曲方向を直交する2方向に選択できるように構成された7個の関節3a〜3gと後述する3個のアーム4a〜4cとの組合わせによってマニピュレータ本体1が構成されている。マニピュレータ本体1に組込まれた7つの関節3a〜3gには、その関節のベース2からの接続順番を示す識別信号と、その関節の自由度の方向を示す識別信号とを出力するための識別信号発生器が設けられている。詳しくは、図46に示すように、この識別信号発生器は次のように構成されている。すなわち、連結部材15の回転中心線と平行な部分19で、第3の取付部27を規定する長方形の中心から図中Y軸上のプラス側に位置する上記長方形の短辺上に各ピンを部分19の図中下面に露出させる関係にコネクタ41を設けている。また、連結部材15の部分19で、第5の取付部32を規定する長方形の中心から図中X軸上のマイナス側に位置する上記長方形の短辺上に各ピンを部分19の図中下面に露出させる関係にコネクタ42を設けている。さらに、連結部材15の回転中心線と直交する部分17で、第1の取付部22を規定する長方形の中心から図中Y軸上のプラス側に位置する上記長方形の短辺上に各ピンを部分17の図中左外面に露出させる関係にコネクタ43を設けている。
【0073】
一方、連結部材16の回転中心線と直交する部分18で、第2の取付部24を規定する長方形の中心から図中Y軸上のプラス側に位置する上記長方形の短辺上に各ピンを部分18の図中右外面に露出させる関係にコネクタ44を設けている。また、連結部材16の回転中心線と平行する部分20で、第6の取付部34を規定する長方形の中心から図中X軸上のマイナス側に位置する上記長方形の短辺上に各ピンを部分20の図中上面に露出させる関係にコネクタ45を設けている。さらに、部分20で、第4の取付部30を規定する長方形の中心から図中Y軸上のプラス側に位置する上記長方形の短辺上に各ピンを部分20の図中上面に露出させる関係にコネクタ46を設けている。
【0074】
この例の場合、各コネクタ41〜46としては、9本のピンを備えたものが用いられている。これらのピンのうちの1本にはグランドを示すGの表示が付されており、他の8本のピンにはそれぞれ1から8までの表示が付されている。コネクタ41のグランドピンを除く8本のピンと中継コネクタ47のグランドピンを除く8本のピンとの間にはそれぞれX軸回りであることを特徴づける抵抗値Rx(=10Ω)の抵抗を介在させる抵抗体48が接続されており、またコネクタ42のグランドピンを除く8本のピンと中継コネクタ47のグランドピンを除く8本のピンとの間にはそれぞれY軸回りであることを特徴づける抵抗値Ry(=20Ω)の抵抗を介在させる抵抗体49が接続されており、さらにコネクタ43のグランドピンを除く8本のピンと中継コネクタ47のグランドピンを除く8本のピンとの間にはそれぞれZ軸回りを特徴づける抵抗値Rz(=30Ω)の抵抗を介在させる抵抗体50が接続されている。コネクタ41, 42, 43のグランドピンは、それぞれ中継コネクタ47のグランドピンに共通に接続されており、この中継コネクタ47のグランドピンを含む9本のピンとコネクタ44, 45, 46の対応する9本のピンとはピン毎に図47にも示すようにケーブル51によって共通に接続されている。
【0075】
一方、モータ部11の外面には切換スイッチ52が取付けられている。切換スイッチ52は、図47に示すように、全体で8個有した固定接点群53と、この固定接点群53の中から1つの固定接点を選択するための可動接点54とを備えている。そして、摘み55を操作して指示針を文字盤上に描かれている1から8の数字のいずれかに合わせると、その数字に対応した接点番号の固定接点に可動接点54が接触するようになっている。可動接点54は、図47に示すようにケーブル51の位置において中継コネクタ47のグランドピンに接続されており、また固定接点群53を構成している8個の固定接点はケーブル51の位置において対応するピンに接続されている。
【0076】
ここで、摘み55は、ベース2からの順番に相当した固定接点番号を選択するように組立て時に操作される。たとえば、関節3aの場合には、ベース2を基準にして1番目に設けられているので、可動接点54と1番の固定接点との接触関係が成立するように操作される。
【0077】
図48に示すように、ベ−ス2には、取付部56を規定する長方形の中心から図中Y軸上のプラス側に位置する上記長方形の短辺上にコネクタ41〜46と同一構成のコネクタ57が各ピンを露出させて取り付けられている。コネクタ57にはケーブル58が接続されている。
【0078】
また、X軸延長用のアーム4aは、具体的には図49に示すように構成されている。すなわち、一端側には前述した第1の取付部22を構成している取付孔と同じ配置に、つまり長手辺を図中X軸と直交させるように描かれる長方形の各頂点位置に4つの取付孔60を配置してなる取付部61が設けられており、他端側にには長手辺を図中X軸と直交させるように描かれる長方形の各頂点位置に4つの取付孔62を配置してなる取付部63が設けられている。また、取付部61を規定する長方形の中心から図中Y軸上のマイナス側に位置する上記長方形の短辺上には各ピンを図中上面に露出させる関係にコネクタ64が設けられている。同様に、取付部63を規定する長方形の中心から図中Y軸上のマイナス側に位置する上記長方形の短辺上には各ピンを図中上面に露出させる関係にコネクタ65が設けられている。各コネクタ64, 65には、前記コネクタ41〜46と同様に、1本のグランドピンと8本の信号ピンとが設けられている。コネクタ64のグランドピンとコネクタ65のグランドピンとは直接接続されている。また、コネクタ64の8本の信号ピンとコネクタ65の8本の信号ピンとは、図50に示すように、アーム4aの長さSxを特徴づける抵抗値rxの抵抗をそれぞれ介在させる抵抗体66とアーム4aの延長方向を特徴づけるインダクタンス値Lxのインダクタンスをそれぞれ介在させるインダクタ67とを直列に介して接続されている。つまり、抵抗体66とインダクタ67とは、アーム4aの長さおよび方向を示す計測信号発生器68を構成している。
【0079】
この例では、長さ10(cm)につき1( Ω) の割合が採用され、Sxが30(cm)で、rxが3( Ω) に設定されている。また、インダクタンスとしては、X軸延長用のものについては10(H) ,Y軸延長用のものについては20(H) ,Z軸延長用のものについては30(H) の値が採用されている。したがって、アーム4aにおけるLxは10(H) に設定されている。
【0080】
Z軸延長用のアーム4b, 4cは、図51に示すように形状可変構造、具体的には長さを可変できる構造に形成されている。すなわち、アーム4b, 4cは、一端側にフランジ71を有した外円筒72と、一端側にフランジ73を有するとともに他端側を外円筒72の他端側に嵌入させて配置された内円筒74と、外円筒72の他端部に設けられ、周方向に複数に分割されるとともに先端に近付くにしたがって薄肉となる形状に形成された押圧片75と、これら押圧片75の外面に一体的に形成されたテーパ雄ねじ76と、図52に示すように内面にテーパ雄ねじ76と螺合するテーパ雌ねじ77を有し、両ねじの螺合度の増加に伴わせて押圧片75を内円筒74の外面に強く押付ける締付けリング78とを備えている。上記構成から判るように、アーム4b, 4cは、外円筒72と内円筒74との嵌合度を変え、この状態で締付けリング78を締付けることによってZ軸方向の長さSzを自由に調整できるように構成されている。なお、図中79は外円筒72の外面側から装着された回り止め用のねじを示し、80はねじ79の先端部を嵌入させるために内円筒74に軸方向へ沿って設けられたスリットを示している。
【0081】
フランジ71には前述した第1の取付部22を構成している取付孔と同じ配置に、つまり長手辺を図中X軸と直交させるように描かれる長方形の各頂点位置に4つの取付孔81を配置してなる取付部82が設けられ、さらにフランジ73にも長手辺を図中X軸と直交させるように描かれる長方形の各頂点位置に4つの取付孔83を配置してなる取付部84が設けられている。また、フランジ71には取付部82を規定する長方形の中心から図中Y軸上のマイナス側に位置する上記長方形の短辺上に各ピンを図中上面に露出させる関係にコネクタ85が設けられている。同様に、フランジ73にも取付部84を規定する長方形の中心から図中Y軸上のマイナス側に位置する上記長方形の短辺上に各ピンを図中下面に露出させる関係にコネクタ86が設けられている。各コネクタ85, 86には、前記コネクタ41〜46と同様に、1本のグランドピンと8本の信号ピンとが設けられている。コネクタ85のグランドピンは、外円筒72の内面に軸心線と平行に配設されたグランド線87に接続されている。また、コネクタ85の8本の信号ピンは、このアームの延びる方向を特徴づけるインダクタンス値Lzを介在させるインダクタ88を介して外円筒72の内面にグランド線87と平行に配設されてアームの長さを特徴づける抵抗値rzを提供する8本の抵抗線89a〜89hに接続されている。
【0082】
一方、内円筒74の図中上端部内面には、上記グランド線87および8本の抵抗線89a〜89hに1対1の関係に摺動接触する合計9個の接触子90a〜90iを有した接続器91が設けられている。この接続器91の9個の信号ピンはケーブル92を介してコネクタ86の対応するピンに接続されている。上記構成から判るように、インダクタ88と抵抗線89a〜89hとは、アーム4b, 4cの長さおよび方向を示す計測信号発生器93を構成している。
【0083】
図53は計測信号発生器93の電気回路である。この例では、先に説明したように、長さ10(cm)につき1( Ω) の割合が採用されている。したがって、アーム4b, 4cの長さSzが、たとえば60(cm)のときには、rzが6( Ω) となるように設定されている。また、アーム4b, 4cは、Z軸延長用のものであるから、Lzは30(H) に設定されている。マニピュレータ本体1が上記のように構成されていると、このマニピュレータ本体1を組立てた後において、ある直角座標上において何番目の関節が何軸回りの関節として接続されているか、またその途中に介在しているアームの方向および長さがどのようなものであるかを直ちに知ることができる。すなわち、図44に示されたようにマニピュレータ本体1が組め立てられると、各関節3a〜3gに搭載されている識別信号発生器および各アーム4a〜4cに搭載されている計測信号発生器68, 93は自動的に図54および図55に示すように接続される。したがって、ベース2から延びたケーブル58を使ってグランドピンと1番信号ピンとの間の抵抗分を測定すると、R=Rx=10( Ω) が検出され、このRから1番目の関節3aはX軸回りであることが判る。次に、グランドピンと2番信号ピンとの間の抵抗分を測定すると、R=Rx+rx+Ry=33( Ω) が検出される。この33( Ω) と先に検出された10( Ω) との差をとると、23( Ω) が得られ、この値から1桁目の値を除くと20( Ω) が得られ、この値から2番目の関節3bはY軸回りであることが判る。以下同様に、グランドピンと信号ピンとの間の抵抗分を測定し、その値から前回得られた抵抗分を差引くとともに1桁目の値を除いた抵抗値を確認することによって、関節3c〜3gが何の軸回りに接続されているかを知ることができる。
【0084】
一方、グランドピンと信号ピンとの間の抵抗分を測定し、その値から前回得られた抵抗分を差引いて得られた値中の1桁目の数字は、その間に介在しているアームの長さを示している。たとえば、グランドピンと2番信号ピンとの間の抵抗分33( Ω) から先に検出された10( Ω) との差をとると、23( Ω) が得られるが、この値中の1桁目の値3( Ω) はアーム4aの長さ30(cm)に対応している。したがって、1桁目の値からアームの存在およびその長さを知ることができる。表1は抵抗分から判定された各関節の軸回りおよび各アームの長さを示している。
【0085】
【表5】
上記の表の結果では、各関節の軸回りおよび各アームの長さだけが判明し、各アームの方向までは判らない。そこで、次にグランドピンと各信号ピンとの間に交流電流を流し、その閉回路のインピーダンスを測定し、得られたインピーダンスと先に測定された抵抗分とを使って閉回路中のインダクタンスを測定する。先に説明したように、各アーム4a〜4cに搭載された計測信号発生器68, 93には、これらアームの方向を特徴づけるインダクタンスが挿入されている。したがって、インダクタンス値が判れば、そのアームの方向を知ることができる。インダクタンスの測定方法としては、たとえば図56に示すように、抵抗RoとインダクタンスLoとの直列回路を例にとると、まず回路に直流電圧Vdを印加し、そのときの電流idを使って抵抗Roを測定する。次に回路に交流電圧Vaを印加し、そのときの電流iaを使ってインピーダンスZoを測定する。そして、Lo=(Zo2 −Ro2 )0.5 /ωの関係からインダクタンスLoを測定する。
【0086】
表2には上記手法で測定されたインダクタンス値およびアームの方向が示されている。
【0087】
【表6】
以上で各アーム4a〜4cの方向も判明した。一方、各関節3a〜3gの大きさ、ベース2の厚み、効果器5の大きさは予め判明しているので、結局、図44に示されるマニピュレータ本体1の仕様は次表に示す如くである。
【0088】
【表7】
なお、上述の各値の測定は、図54に示すように、ケーブル58に信号処理装置100を接続して行われる。この信号処理装置100では、測定装置101において上述の測定が行われる。この測定によって得られた情報は情報処理装置102に与えられ、この情報処理装置102によって前述の第1実施例の処理手法と同様に処理される。よって、このように構成されたマニピュレ−タ装置における、各関節の軸回り情報、アームの存在位置情報、アームの方向および長さ情報が得られたときのそれら情報の利用方法についての詳しい説明は重複を避け省略する。(参照:第1実施例)
上述のように本実施例においても、ある座標系における自由度方向を示す識別信号を出力する識別信号発生器を搭載し、しかもモジュール化された関節3a〜3gと、方向および長さを示す信号を出力する計測信号発生器68, 93の搭載されたアーム4a〜4cとを組み合わせてマニピュレータ本体1が構成されている。したがって、マニピュレ−タ本体1の駆動制御に使用するソフトウェアを書き換えるのに必要な情報のすべてを得ることができるので、信号処理システム100を使ってソフトウェアを自動書換えすることが可能である。その結果、作業現場においてソフトウェア作成のために行われていた一連の操作(例えば、エディットし、コンパイルやリンク等)をなくすことができ、作業現場で選択した自由度構成に合わせて、例えば、各関節部の位置と手先効果器(ハンド部)の位置との関係のソフトウェア,各関節の速度と手先効果器の速度との関係のソフトウェア,各関節の力と手先効果器の力との関係のソフトウェアなどを容易にしかも自動的に書き換える(即ち、カスタマイズする)ことが可能となる。
【0089】
なお、本発明は上述の実施例に限定されない。すなわち、上述の実施例ではベース側から方向や長さを電気的に計測できるアームを組込んでいるが、本発明の主旨はこのように構成されたものに限定されるものではない。
【0090】
たとえば、図57に示すように構成されたものでもよい。すなわち、図には形状可変構造、具体的には長さを変えることのできるZ軸延長用のアーム4dが示されている。(なお、図51と同一部分は同一符号で示してあるので、重複する部分の詳しい説明は省略する。)
このアーム4dにおいては、外円筒72の内面に、軸心線と平行に、かつフランジ71の近傍において折り返す関係に抵抗線111を配設するとともに内円筒74の図中上端部内面に上記抵抗線111に摺動接触する接触子112a, 112bを備えた接続器113を配置し、接触子112a, 112bをケーブル114を介して2ピン式のコネクタ115に接続したものとなっている。すなわち、この例では抵抗線111、接続器113、ケーブル114およびコネクタ115で計測信号発生器116を構成し、コネクタ115のピン間で測定される抵抗値rzがアーム4dの長さに対応するようにしている。このように構成されたアーム4dを用いてもよい。なお、上記構成のアーム4dを用いると、このアームより先端側に配置された関節の情報をベース側において読み取ることができないので、情報伝達用の接続要素を設けてもよいし、先端側の関節については識別信号発生器の構造を変えて個別に読み取ることができるようにしてもよい。
【0091】
図58には別の例に係るアームが示されている。ここには形状可変構造、具体的には長さを変えることのできるZ軸延長用のアーム4eが示されている。なお、この図においては図57と同一部分が同一符号で示してある。したがって、重複する部分の詳しい説明は省略する。このアーム4eにおいては、磁気式リニア・スケールで計測信号発生器117を構成している。すなわち、外円筒72の内面に沿わせ、かつ軸心線と平行するように棒状のセンサ本体118を配置するとともにセンサ本体118の図中上端部を外円筒72の内面に固定されたセンサ・アンプ119に接続している。そして、内円筒74の図中上端部内面にセンサ本体118と嵌合する関係にセンサ・ターゲット120を配置し、さらにセンサ・アンプ119をケーブル121を介してコネクタ122に接続し、このコネクタ122を介しアーム4eの長さSzに対応した信号を出力させるように構成されている。
【0092】
図59には別の例に係る形状可変構造、具体的には円弧の長さを変えることのできる円弧状のアーム4fが示されている。アーム本体の基本構造は図51に示されているものと同じで、一端側にフランジ131を備えるとともに1点に中心を持つ円弧状に形成された外円筒132と、一端側にフランジ133を備えるとともに上記点に中心を持つ円弧状に形成され、他端側を外円筒132に嵌入させた内円筒134と、内円筒134の嵌入度を所望の値に固定する固定機構135とで構成されている。固定機構135は対向する関係に2組設けられており、各組は外円筒132に設けられたスリット136と、内円筒134に形成された図示しないねじ孔と、外円筒132の外面側からスリット136を通して上記ねじ孔に装着される止めねじ137とで構成されている。なお、フランジ131, 133には、4つの取付孔138, 139によって構成された取付部140, 141が設けられている。アーム4f内には、計測信号発生器142が装着されている。この計測信号発生器142は、外円筒132の内面に軸心線に沿う関係に固定され、内円筒134に設けられたスリットを介して一部を内円筒134内へ突出させた歯付ベルト143と、内円筒134の内面に固定されるとともに歯付ベルト143に噛合して回転するポテンションメータ144と、フランジ133に接続部を図中上面に露出させて取り付けられた2ピン式のコネクタ145と、このコネクタ145とポテンションメータ144を接続するケーブル146とで構成されている。そして、コネクタ145を介してフランジ間の長さに対応した信号を出力させるようにしている。このように構成されたアームを用いることもできる。
【0093】
図60にはさらに別の例に係るアームが示されている。ここには形状可変構造、具体的には円弧の長さを変えることのできる円弧状のアーム4gが示されている。アーム本体の基本構造は図59に示されているものと同じである。したがって、図59と同一部分が同一符号で示してある。この例が図59に示すものと異なる点は、計測信号発生器150にある。計測信号発生器150は、基本的には図51に示されているものと同様に、外円筒132の内面に配設された1本のグランド線151および8本の抵抗線152a〜15hと、内円筒134の固定されるとともに上記各線に1対1の関係に摺動接触する合計9個の接触子153を有した接続器154と、フランジ131に取付けられた9ピン式のコネクタ155と、フランジ133に取付けられた9ピン式のコネクタ156と、このコネクタ156の各ピンを接続器154の対応するピンに接続するケーブル157と、グランド線151および8本の抵抗線152a152hをコネクタ155の対応するピンに接続するケーブル158とで構成されている。そして、コネクタ155, 156を介してフランジ間の長さに対応した抵抗値信号を出力するようにしている。
【0094】
図61にはさらに別の例に係る屈曲型のアーム4hが示されている。このアーム4hの本体は、連結部材161と、この連結部材161に対して回動自在に連結された連結部材162と、両連結部材161, 162を所定の回動位置に固定するねじりダイアル163, 164(ただし、ねじりダイアル164は図示せず。)とで構成されている。連結部材161, 162にはそれぞれ取付けプレート165, 166が取付けてあり、これらプレート165, 166には4つの取付け孔によって構成された取付部167, 168が形成されている。連結部材161, 162の回動連結部には、それぞれ回動中心を中心とする同一半径の曲面169, 170が形成されている。そして、曲面169, 170を利用する関係に計測信号発生器171が設けられている。計測信号発生器171は、曲面169上に平行に、かつ周方向に向けて設けられた抵抗線172, 173と、曲面170に取付けられて抵抗線172, 173に摺動接触する接触子174, 175と、信号ピンを図中下面に露出させる関係にプレート165に取付けられた2ピン式のコネクタ176と、信号ピンを図中上面に露出させる関係にプレート166に取付けられた2ピン式のコネクタ177と、抵抗線171, 173の一端側をコネクタ176の信号ピンに接続する接続線178と、接触子174, 175をコネクタ177の信号ピンに接続する接続線179とで構成されている。したがって、この例に係るアーム4hにおいては、連結部材161, 162の回動角度に対応した信号を計測信号発生器171から出力させるように設定されている。
【0095】
図62には別の例に係るアームが示されている。ここには屈曲型のアーム4iが示されており、図61と同一部分が同一符号で示されている。したがって、重複する部分の詳しい説明は省略する。この例が図61に示すアームと異なる点は、計測信号発生器181の構成にある。計測信号発生器181は、曲面169上に周方向に向けて設けられた歯付ベルト182と、回転駆動部が歯付ベルト182に噛合する関係に曲面170に固定されたポテンションメータ183と、信号ピンを図中上面に露出させる関係にプレート166に取付けられた2ピン式のコネクタ184と、ポテンションメータ183の出力端をコネクタ184の信号ピンに接続する接続線185とで構成されている。すなわち、この計測信号発生器181では、連結部材161, 162の回動角度に対応した信号をコネクタ184を介して出力させる。
【0096】
図63にはさらに異なる例に係るブロック化されたアームユニット4jが示されており、このアームユニット4jを複数組合わせて構成されたアーム4kが図64に示されている。アームユニット4jは、本体が筒体191と、この筒体191の両端部に取付けられた取付フランジ192, 193とで構成されている。そして、このアームユニット4jには、計測信号発生器194が搭載されている。計測信号発生器194は、筒体191の外面に沿うように設けられたグランド線195と、グランド線195と平行に配設されて途中にアームユニット4jの軸方向の長さLに相当する抵抗値rを示す抵抗体196を介在させた信号線197と、グランド線195および信号線197の一端側の接続されたピンを図中上面に露出させる関係に取付フランジ192に取付けられた2ピン式のコネクタ198と、グランド線195および信号線197の他端側の接続されたピンを図中下面に露出させる関係に取付フランジ193に取付けられた2ピン式のコネクタ199とで構成されている。したがって、図64に示すように、アームユニット4jをn個直列に接続してアーム4kを構成したときに、アーム4kの両端部に位置するコネクタを介して抵抗値を測定すると、n倍の抵抗値が測定されることになり、この値からアーム4kの長さLnを知ることができる。なお、アーム4kの一端側から抵抗値を測定できるようにするには、測定しようとする位置とは反対側に位置する取付フランジに短絡用のコネクタを備えたフランジを装着するようにすればよい。
【0097】
図65には別のブロック化されたアームユニット4mが示されている。アームユニット4mは、図64に示されているものと同様に、本体が筒体200と、この筒体200の両端部に取付けられた取付フランジ201, 202とで構成されている。筒体200は、真っ直ぐではなく、ある点Pに中心を持つ半径L1 の円弧の一部をなす曲り筒体によって形成されている。そして、この例では、取付フランジ201, 202間の長さが点Pを中心にしてθ=15゜に相当する値に設定されている。アームユニット4mには、計測信号発生器203が搭載されている。
【0098】
計測信号発生器203は、図64に示す例と同様に、グランド線204と、アームユニット4mを構成している角度θに相当する抵抗値rを示す抵抗体205を途中に介在させた信号線206と、グランド線204および信号線206が接続された2ピン式のコネクタ207, 208とで構成されている。この例ではアームユニット4mを必要個数接続してアームを構成したとき、このアームの一方の端部にフランジ209を接続するようにしている。このフランジ209にはアーム側のコネクタに接続されるコネクタ210が設けてあり、このコネクタ210には半径L1 を示すインダクタンスを有したインダクタ211が接続されている。したがって、この例では、測定されたインダクタンスの値からアームの曲率半径L1 を知ることができ、測定された抵抗値からアームの弧の角度範囲を知ることができ、また両者の関係からアームの弧の長さ知ることができる。このように構成されたアームを用いることもできる。
【0099】
なお、上述の各種のアームは、モジュール関節を用いるマニピュレータ本体に限らず、通常の関節・アーム一体型のものにも使用できる。
【0100】
(第4実施例)
図66には、本発明の第4実施例が図示されている。本実施例は前述の第3実施例(図44)の構成を、各モジュールのサイズを異ならせることにより、運用効率を高めた実際のマニプュレータ本体の形状として望ましい組合せを開示している。本体のベース2に接続する関節モジュール(3a, 3b)は装置本体でも駆動力の大きなモジュールで構成されている。一方、手先部(エンドエフェクター)5の近くに接続する関節モジュール(3f, 3g)は小さな駆動力で且つ軽量なモジュールで構成されている。また、アームモジュール等(4a, 4b, 4c, )も、手先部に近いものほど小さく細く軽いモジュールで構成されている。
【0101】
また、このモジュールの大きさを検知する手法は次の通りである。すなわち、関節モジュールの大きさおよびそのトルクは、そのモータの巻線の長さ(即ち、抵抗値)に比例することを利用すると、関節モジュールの大きさを示す信号は、この巻線と電源供給線との抵抗値を検知することにより、相対的なモジュールの大きさが容易に認識できる。また、アームモジュールは同じ比率で長さに比例する計測信号が出力できる構成ならば、その太さ(軽さ)に無関係にソフトウエアの書換えに利用できる。
【0102】
【発明の効果】
(第1,第2実施例の効果)
本発明によれば、1つの関節部を旋回関節としても屈曲関節としても使用でき、さらに屈曲関節の屈曲方向を直交する2方向で選択できるので、複数の、たとえば出力の異なる関節部の場合でも、またどのような順番に接続してもマニピュレ−タ本体を構成することが可能である。また、すでに構成されたマニピュレ−タから、関節部の接続順序を入れ換えることによりマニピュレ−タ本体の自由度配置を変更できるので、関節部ごとに分割して作業現場まで運搬して、運搬したその場で作業内容に適した自由度配置のマニピュレ−タ本体を構成できる。さらに、作業内容が変更された場合でも、その作業内容にふさわしい自由度構成のマニピュレ−タを容易に再構成できる。そして、関節部の故障に対しても、故障した関節部のみを交換すればマニピュレ−タ本体を正常に動作させることができる。また、旋回関節として用いる場合も、屈曲関節として用いる場合も、1種類の関節部を用意しておけばよいので、組立の容易化および保守の容易化を図ることができる。さらに、それぞれの関節部が、ある座標系のX軸回りの回転か、Y軸回りの回転か、Z軸回りの回転か、を識別するための3種類の信号を発生できる識別信号発生器を有しているので、これらの識別信号を使ってマニピュレ−タ本体の駆動制御に使用するソフトウェアを書換える作業を容易化できる。よって、構成の変更に伴うマニピュレ−タの駆動制御プログラムの書換、変更に要する手間や時間を短縮できる。また、所望によりそのプログラムを自動書換え可能なマニピュレータ装置を提供することも可能である。
【0103】
(第3,第4実施例の効果)
また本発明によれば、複数のアームのうちの少なくとも1つには、それ自身の長さあるいは曲り角度を任意に設定可能な形状可変手段と、上記長さあるいは曲り角度に対応した信号を出力する計測信号発生器とが設けられているため、組立て後であっても、アームの形状を変えることによって、マニピュレータ本体の動作範囲の大きさを容易に変更可能である。またこのとき、計測信号発生器の出力によってアームの長さあるいは曲り角度を正確に知ることができる。したがって、アームの形状を変えただけの変更の場合には、変更前の情報と計測信号発生器の出力とを使ってマニピュレータ本体を駆動制御するためのソフトウェアを自動書換えすることができる。
【0104】
また、新たにマニピュレータ本体を組み立てたり、作業内容の変更に伴わせて再組立てをした場合には、関節に自由度の方向に対応した信号を出力する識別信号発生器を設ける方式と組合わせることによって、マニピュレ−タ本体の駆動制御用ソフトウェアを書き換えるのに必要な情報(例えば、必須な信号すなわち必須パラメータ等)を得ることができる。よって、信号処理装置により所望のソフトウェアを自動書換えすることも可能となる。
【0105】
つまり、今まで作業現場でおいてソフトウェア作成の一連の操作(例えば、プログラムをエディット, コンパイル, リンク等)をなくすことがでる。例えば、作業現場で選択した自由度構成に合わせて、各関節の位置とハンド部の位置との関係のプログラム、各関節の速度とハンド部の速度との関係のプログラム、各関節の力とハンド部の力との関係のプログラムなどを人手を介して再作成するのではなく、本体のシステムが容易かつ迅速にしかも自動的にそのプログラムを最適に変更することが可能となる。
【0106】
また、第4実施例のような出力の大きさの異なる関節モジュールの適宜な組合せにより、実用的で且つ駆動効率の高いモジュール型マニピュレータ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るマニピュレータ装置におけるマニピュレータ本体全体の斜視図、
【図2】同マニピュレータ本体の等価図、
【図3】(a) 〜(e) は同マニピュレータ本体を構成する関節部の実施例であり、(a) はその正面図、(b) は上面図、(c) は左側面図、(d) は右側面図、(e) は下面図、
【図4】(a) 〜(c) は、同関節部の自由度の方向を変えた3例の説明図、
【図5】同関節部の拡大斜視図、
【図6】同関節部に搭載された識別信号発生器の回路図、
【図7】各関節部に搭載された識別信号発生器と信号処理システムとの接続状態を示す接続図、
【図8】識別信号発生器から情報を取出す手段を示す回路図、
【図9】(a) 〜(c) は、3種類の延長用アームを示す斜視図、
【図10】本発明の第2実施例に係る、同延長用アームと関節部とを組み合わせて構成されたマニピュレータ本体全体の斜視図、
【図11】同マニピュレータ本体の等価図、
【図12】本発明の第2実施例に係るマニピュレータ装置におけるマニピュレータ本体を構成する関節部の拡大斜視図、
【図13】(a) および(b) は、同関節部に搭載された識別信号発生器の構成説明図、
【図14】各関節部に搭載された識別信号発生器と信号処理システムとの接続状態を示す接続図、
【図15】本発明の実施例に係るマニピュレータ本体を構成する関節部の変形例の1つを表わす拡大斜視図、
【図16】同関節部に搭載された識別信号発生器の回路図、
【図17】同関節部を使用するマニピュレータ本体のベースを示す斜視図、
【図18】同関節部を組み合わせてマニピュレータ本体を構成したときの識別信号発生器の動作関係を説明する説明図、
【図19】(a) 〜(c) は、同関節部の組合わせによりマニピュレータ本体を構成するときに用いる3種類の延長用アームを示す斜視図、
【図20】同関節部と同延長用アームとを組み合わせてマニピュレータ本体を構成したときの識別信号発生器の動作関係の一部を説明する説明図、
【図21】同識別信号発生器の動作関係の残りを説明する説明図、
【図22】本発明の実施例に係るマニピュレータ本体を構成する関節部のさらに異なる変形例を表わす拡大斜視図、
【図23】同関節部に搭載された識別信号発生器の接続例を示す接続図、
【図24】同接続例の具体的な回路図、
【図25】同関節部を使用するマニピュレータ本体のベースを示す斜視図、
【図26】各関節部に搭載された識別信号発生器と信号処理システムとの接続状態を示す接続図、
【図27】同関節部と組み合わせてマニピュレータ本体を構成するときに用いるX軸延長用アームを示す斜視図、
【図28】同関節部と組み合わせてマニピュレータ本体を構成するときに用いるY軸延長用アームを示す斜視図、
【図29】同関節部と組み合わせてマニピュレータ本体を構成するときに用いるZ軸延長用アームを示す斜視図、
【図30】本発明の実施例のマニピュレータ本体を構成する関節部のさらに別の変形例を表わす拡大斜視図、
【図31】同関節部に搭載された識別信号発生器の接続例、
【図32】同接続例の具体的な回路図、
【図33】各関節部に搭載された識別信号発生器と信号処理システムとの接続状態を示す接続図、
【図34】本発明の実施例のマニピュレータ本体を構成する関節部の異なる変形例を表わす拡大斜視図、
【図35】同関節部に搭載されたコネクタの斜視図、
【図36】同関節部に搭載された識別信号発生器の接続例、
【図37】同関節部に付設された配線系統の一部を示す接続図、
【図38】同関節部に付設された配線系統のB−B線からC−C線までの接続図、
【図39】同関節部に付設された配線系統のC−C線以降の範囲の接続図。
【図40】本発明の実施例のマニピュレータ本体を構成する関節部のさらに異なる変形例を表わす拡大斜視図、
【図41】同関節部に搭載された識別信号発生器の接続例、
【図42】同関節部を6個組み合わせて図1に示されるマニピュレータ装置本体を構成したときの各コネクタと抵抗体との接続例の組合せ図、
【図43】同接続例の回路図、
【図44】本発明の第3実施例に係るマニピュレータ装置におけるマニピュレータ本体の斜視図、
【図45】同マニピュレータ本体の等価図、
【図46】同関節の拡大斜視図、
【図47】同関節に搭載された識別信号発生器の回路図、
【図48】同マニピュレータ本体のベースを示す斜視図、
【図49】同マニピュレータ本体に組込まれたX軸延長用アームの斜視図、
【図50】同X軸延長用アームに組込まれた計測信号発生器の回路図、
【図51】同マニピュレータ本体に組込まれたZ軸延長用アームを一部切欠して示す斜視図、
【図52】同Z軸延長用アームの長さ調整部を拡大して示す断面図、
【図53】同Z軸延長用アームに搭載された計測信号発生器の回路図、
【図54】各関節に搭載されている識別信号発生器と各アームに搭載されている計測信号発生器との接続関係および信号処理システムの接続関係の一部を示す図、
【図55】接続関係の残りを示す図、
【図56】アームの長さおよび方向の計測原理を説明するための図、
【図57】Z軸延長用アームの変形例を一部切欠して示す斜視図、
【図58】Z軸延長用アームの別の変形例を一部切欠して示す斜視図、
【図59】円弧型アームの例を一部切欠して示す斜視図、
【図60】円弧型アームの別の例を一部切欠して示す斜視図、
【図61】屈曲型アームの例を示す斜視図、
【図62】屈曲型アームの別の例を示す斜視図、
【図63】ブロック型のアームユニットを示す斜視図、
【図64】同アームユニットを組合わせて構成されたアームの側面図、
【図65】ブロック型のアームユニットの別の例を説明するための側面図、
【図66】本発明の第4実施例に係るマニピュレータ装置における現実的なマニピュレータ本体の斜視図。
【符号の説明】
1,1a…マニピュレータ本体、 3,3a〜3g…関節部、 4, 5…効果器、4a〜4m…アーム、 11…モータ部、 12…フィードバックユニット、13…固定軸、 14…回転軸、 15, 16…連結部材、
22, 24, 27, 30, 32, 34…第1〜第6の取付部、
41〜46…識別信号発生器の一部を構成する切換スイッチおよびコネクタ、
48, 49, 50…識別信号発生器の一部を構成する抵抗器、
51, 51a, 51b, 51c, 51d…信号処理システム、
52…識別信号発生器の一部を構成する切換スイッチ、
61…X軸延長用アーム、62…Y軸延長用アーム、63…Z軸延長用アーム、
76…識別信号発生器として重力スイッチ、
81, 82, 83…識別信号発生器の一部をなすコネクタ、
89〜94,101〜111…識別信号発生器の一部をなす導電体、
121〜126…識別信号発生器の一部をなすコネクタ、
128, 129…識別信号発生器を構成する切換スイッチ、
151, 152, 182〜184…識別信号発生器の一部を構成する抵抗体、
68, 93, 116, 117, 142, 150, 171, 181, 194, 203…計測信号発生器。
Claims (17)
- 各々所定の方向の自由度を有し、各々の自由度が任意の方向となるように連結部材を介して自在に組合せられた複数の関節部と、
ソフトウェアに基づいて前記関節部の自由度の方向の旋回を制御する制御手段と、
前記関節部の各々に設けられ、関節部の自由度の方向と関節部の接続順番を示す識別信号をコネクタを介して外部へ出力する情報出力手段と、
前記コネクタを介して前記情報出力手段に接続され、前記識別信号に基づいて、前記制御手段のソフトウェアを書き換える情報処理手段とからなるマニピュレータ装置。 - 前記関節部は、この関節部の旋回軸を視覚的に認識できる識別表示手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のマニピュレータ装置。
- 前記情報出力手段は、前記関節部の種類情報及び前記関節部の自由度の方向と関節部の接続順番を表わす組合せ情報を識別信号に変換して出力する識別信号発生手段と、
前記関節部の形状情報を計測信号に変換して出力する計測信号発生手段とを有することを特徴とする請求項1に記載のマニピュレータ装置。 - 前記情報出力手段は、前記関節部が組み合わされる都度に前記識別信号を出力することを特徴とする請求項1に記載のマニピュレータ装置。
- 前記情報処理手段は、前記識別信号を基にして、前記ソフトウェアのパラメータを変更することを特徴とする請求項1に記載のマニピュレータ装置。
- 前記情報処理手段は、前記計測信号を基にして第1パラメータを生成する第1パラメータ生成手段と、前記識別信号を基にして第2パラメータを生成する第2パラメータ生成手段と、を有し、
前記第1及び第2パラメータを前記ソフトウェアのパラメータとして設定することを特徴とする請求項3に記載のマニピュレータ装置。 - 各々所定の方向の自由度を有し、各々の自由度が任意の方向となるように連結部材を介して自在に組合せられた複数の関節モジュールと、
ソフトウェアに基づいて前記関節モジュールの自由度の方向の旋回を制御する制御手段と、
前記関節モジュールの各々に設けられ、関節モジュールの自由度の方向及び前記関節モジュール同士の組合せを表わす組合せ情報を識別信号に変換してコネクタを介して外部へ出力する識別信号発生手段と、
前記コネクタを介して前記識別信号発生手段に接続され、前記識別信号を基にして前記制御手段のソフトウェアを書き換える情報処理装置とからなるマニピュレータ装置。 - 前記関節モジュールは、この関節モジュールの旋回軸を視覚的に認識できる識別表示手段をさらに有することを特徴とする請求項7に記載のマニピュレータ装置。
- 前記識別信号発生手段は、前記識別信号として、前記関節モジュールの自由度の方向で示す第1識別信号と、前記関節モジュールの接続順番を示す第2識別信号とを出力することを特徴とする請求項7に記載のマニピュレータ装置。
- 前記識別表示手段は、前記複数の関節モジュールが設けられたベースからの順番を記す文字盤とその盤上の文字を指す指示針とからなる第1の切換えスイッチと、関節モジュールの所定の直角座標上の自由度の方向を記す文字盤とその盤上の文字を指す指示針とからなる第2の切換えスイッチの少なくとも一方を有することを特徴とする請求項8に記載のマニピュレータ装置。
- 前記識別信号発生手段は、金属の有底角筒状のケースと、前記ケースの開口部に閉塞して付設される絶縁部材と、前記絶縁部材に一端が固定され他端が前記ケース内に延び所定の剛性を有する針金部材と、前記針金部材の他端に固定された導電体と、前記ケースと前記針金部材とにそれぞれリード線を介して接続するコネクタと、から構成される重力スイッチであることを特徴とする請求項7に記載のマニピュレータ装置。
- 各々所定の方向の自由度を有し、各々の自由度が任意の方向となる ように連結部材を介して自在に組合せられ、可変形状の少なくとも1つの関節モジュールと、
ソフトウェアに基づいて前記関節モジュールの自由度の方向の旋回を制御する制御手段と、
前記関節モジュールの形状情報を計測信号に変換してコネクタを介して外部へ出力する計測信号発生手段と、
前記コネクタを介して前記計測信号発生手段に接続され、前記計測信号を基にして前記制御手段のソフトウェアを書き換える情報処理装置とからなるマニピュレータ装置。 - 前記計測信号発生手段は、長さが任意に可変できる関節モジュールの長手方向の一端に固定され、その他端は関節モジュールの長さに応じて可動できる状態とされたセンサと、前記センサからの信号を増幅するセンサアンプと、前記センサアンプにケーブルを介して接続するコネクタと、から構成される磁気式リニアスケールであることを特徴とする請求項12に記載のマニピュレータ装置。
- 前記関節モジュールは、ある座標系において、水平軸方向に延設される第1軸延長用アームユニットと、前記水平軸に直交し鉛直方向でない軸方向に延設される第2軸延長用アームユニットと、鉛直軸回り方向に延設される第3軸延長用アームユニットと、から構成されることを特徴とする請求項12に記載のマニピュレータ装置。
- 任意の長さのマニピュレータを実現するように連結部材を介して自在に組合せられた任意の長さの複数の関節部と、
ソフトウェアに基づいて前記関節部の駆動を制御する制御手段と、
前記関節部の各々に設けられ、関節部の長さと関節部の接続順番を示す識別信号をコネクタを介して外部へ出力する情報出力手段と、
前記コネクタを介して前記情報出力手段に接続され、前記識別信号に基づいて、前記制御手段のソフトウェアを書き換える情報処理手段とからなるマニピュレータ装置。 - 各々所定の方向の自由度を有し、任意の長さのマニピュレータを実現するように連結部材を介して自在に組合せられた任意の長さの複数の関節モジュールと、
ソフトウェアに基づいて前記関節モジュールの駆動を制御する制御手段と、
前記関節モジュールの各々に設けられ、関節モジュールの長さ及び前記関節モジュール同士の組合せを表わす組合せ情報を識別信号に変換してコネクタを介して外部へ出力する識別信号発生手段と、
前記コネクタを介して前記識別信号発生手段に接続され、前記識別信号を基にして前記制御手段のソフトウェアを書き換える情報処理装置とからなるマニピュレータ装置。 - 任意の長さのマニピュレータを実現するように連結部材を介して自在に組合せられ、可変形状の少なくとも1つの関節モジュールと、
ソフトウェアに基づいて前記関節モジュールの駆動を制御する制御手段と、
前記関節モジュールの各々に設けられ、関節モジュールの形状情報を計測信号に変換してコネクタを介して外部へ出力する計測信号発生手段と、
前記コネクタを介して前記識別信号発生手段に接続され、前記計測信号を基にして前記制御手段のソフトウェアを書き換える情報処理装置とからなるマニピュレータ装置。
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