JP3609064B2 - アイロン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、 回動自在に枢支された一対の本体ケースと該本体ケースの対向内面に設けられた沈み込み可能な温熱板とを有し、被処理物を前記対向内面相互間に挟持させて加熱押圧処理を行うアイロンにおいて、前記温熱板の角度調整手段に関する技術である。
【0002】
【従来の技術】
従来から、回動自在に枢支される一対の細長い本体ケースと、この本体ケースの先端側の対向内面に設けられたヒータ内蔵の温熱板とを有し、前記本体ケース相互を回動させて前記対向内面相互間に被処理物を挟持させて加熱押圧処理を行うアイロンが用いられている。このようなアイロンの代表的なものとして、前記温熱板相互間に毛髪を挟持させてストレートにしたり、ウェーブやカール等の癖付けをするために用いられるヘアアイロンがある。
【0003】
このようなヘアアイロンは、前記本体ケースの一端側が枢支された構成であるので、握持して前記本体ケースの対向内面相互が近接するように回動させると、前記温熱板相互間の間隔は先端側に向かって拡大するハ字状となるため、しっかりと毛髪を挟持することができないという問題があった。そのため、毛髪を挟持するときに前記対向内面が略平行となるように傾斜させる角度調整手段を備えたヘアアイロンが提案されている。
【0004】
図7に、特開2000−333719に開示されるヘアアイロンを示している。このものは、一対の本体ケース1の対向内面にヒータ5内蔵の温熱板2a,2bがそれぞれ設けられた構成となっており、一方の温熱板2bが本体ケース1の内側に沈み込み可能であり且つ傾斜角度を調節可能であるように角度調整手段である弾性体4によって支持されている。
【0005】
上記構成であるから、前記本体ケース1を握持して前記温熱板2相互間に髪を挟持させると、前記温熱板2bの回動軸側が前記本体ケース1の内側に沈み込むと共に前記沈み込みの反動によって前記弾性体4を支点として該温熱板2bの先端側が浮き上がる。これにより、前記温熱板2a,2bは略平行となるため、毛髪をしっかりと挟持することができる。このように、毛髪を挟持することで前記温熱板2bの傾斜角度が自動調整されて前記温熱板2a,2bが略平行となるから、毛髪を挟持する位置による挟持力の強弱が生じにくく、毛髪に温熱及び押圧が均一に作用するため、ムラなく毛髪の癖付けを行うことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記ヘアアイロンにおいては、前記弾性体4を支点とするシーソー運動によって前記温熱板2bの傾斜角度を調整する構成であるため、前記本体ケース1の先端側に毛髪が挟持される場合などには温熱板2bが先端側へ傾斜されて該温熱板2a,2b相互間がより大きなハ字状に開いてしまうことがある。また、毛髪を挟持した状態でヘアアイロンをスライドや回転させたり、前記本体ケース1の先端側を手で押えてより強く挟持する場合のように前記温熱板2bへ作用する押圧が変化するときに、前記温熱板2bが不必要に傾斜又は揺動されて思うように毛髪の癖付けを行うことができないこともある。
【0007】
また、ここでは図示しないが、特開2001−137038に開示されるヘアアイロンは、前記温熱板と本体ケースとの間に角度調整手段である板バネが該温熱板の略全域にわたって介装された構成となっている。そのため、前述の例のような前記温熱板2のシーソー運動は起こらないが、毛髪が前記温熱板の片側に偏って挟持される場合のように前記板バネ全体に押圧が作用しない場合は、前記温熱板の傾斜角度の調整がうまくいかず、思うように毛髪の癖付けを行うことができないことがある。
【0008】
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、前記温熱板の傾斜角度の調整が安定的且つ円滑に行われるようにすることで被処理物の加熱押圧処理が容易な使用感の良いアイロンを提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
*1項
上記課題を解決するための本発明の技術的手段は、『後端が回動軸で互いに回動自在に枢支された一対の本体ケースと、上記本体ケース先端側の対向内面に前記本体ケースの内側に所定の距離だけ沈み込み可能に保持されたヒータ内蔵の温熱板と、上記本体ケースと温熱板との間に介装されて該温熱板をその傾斜角度を調整可能に支持する角度調整手段とを有しており、衣類や毛髪等の被処理物を前記本体ケースの対向内面相互間に挟持させて加熱押圧処理を行うアイロンにおいて、
前記温熱板は、長手方向の端縁部に沿って裏面側に形成された一対の係合片が前記本体ケースの側壁面の保持溝に上下方向に移動可能に保持され、
前記角度調整手段は、前記温熱板の回動軸側の端部を支持するように設けられる弾性部材であり、
前記温熱板又は本体ケースのいずれか一方には、該温熱板の沈み込み動作を制動する緩衝部材が取付けられる』ことを特徴とするものである。
【0010】
このものによれば、使用時に被処理物を挟持するとき、前記被処理物による押圧は常に角度調節手段よりも先端側に作用するので前記押圧の反動で前記温熱板の先端側が浮き上がることがなく、該温熱板全体が前記本体ケースの内側に沈み込むため、該温熱板は安定して適切な傾斜角度に調整される。また、前記角度調節手段の配設位置が直接押圧される場合よりも前記温熱板の沈み込み動作が緩衝される。
【0011】
さらに、前記緩衝部材によって前記温熱板の付勢が減じられてゆっくり且つ円滑に沈み込むため、本体ケースを握持する手への応答が柔軟であり且つ前記沈み込みのときに該温熱板と前記本体ケースとの接触音の発生も防止される。
【0012】
ここで、前記温熱板は、一方の本体ケースの対向内面のみに設けられるものであっても、前記一対の本体ケースの両方の対向内面にそれぞれ設けられるものであってもよい。
【0013】
*2項
1項において、『前記弾性部材は、前記温熱板の幅方向の両端部に設けられる一対のコイルバネである』ことを特徴とするものでは、前記温熱板の幅方向へのシーソー運動又は揺動が防止されるため、該温熱板の傾斜角度が安定すると共に、該温熱板の沈み込み動作及び前記沈み込み状態からの復帰動作も安定する。
【0014】
*3項
1項又は2項において、『前記緩衝部材は、前記温熱板の端縁部に取付けられ且つ前記本体ケースに摺接される弾性樹脂材製の隙間部材である』ことを特徴とするものでは、前記温熱板が本体ケース内に沈み込むとき及び前記沈み込み状態から復帰するときに、前記隙間部材と前記本体ケースとの間の摺動抵抗によって前記温熱板の付勢が減じられて該温熱板がゆっくり且つ円滑に動作するため、前記本体ケースを握持する手への柔軟性が向上されるためよりいっそう使用感がよい。また、前記温熱板が自然状態に復帰するときの接触音の発生も防止できる。
【0015】
ここで、前記隙間部材は、前記本体ケースとの摺接によって前記温熱板の動作を妨げることがないように設定されている。
また、前記緩衝部材としてパッキン部材を用いたものでは、前記本体ケース内への水分の浸入が防止されるため、漏電や感電などの事故が防止される。
【0016】
*4項
1項ないし3項のいずれかにおいて、『前記温熱板は、被処理物を挟持するとき該被処理物の形状に合わせて弾性変形可能であり且つ使用後に上記の変形が自動的に元の形状に復帰される形状記憶材から形成される』ことを特徴とするものでは、被処理物を挟持するとき、前記温熱板は被処理物の形状に合わせて弾性変形することができるため、部分によって肉厚や表面形状が多少変化している物品や、位置によって挟持する毛髪の量に多少がある場合にも被処理物をしっかりと挟持して加熱押圧処理を行うことができる。また、使用後、変形された該温熱板は自動的に元の形状に復帰される。
【0017】
*5項
1項ないし4項のいずれかにおいて、『前記温熱板は、本体ケースを握持するときに前記温熱板による挟持力に応じて挟持された被処理物への温熱量を調節可能に長手方向に沿って温度勾配を形成するように設定される』ことを特徴とするものである。例えば、本体ケースの握持するときに前記対向内面による挟持力が大きい回動軸側を低温とし、前記挟持力の小さい先端側を高温となるような温度勾配を形成させた場合には、挟持位置によって仕上がりに差異が生じないため、過剰な加熱押圧によって被処理物を傷めてしまうことや、処理不足部分を再び処理する必要がなく、被処理物を手早く均一に加熱押圧処理することができる。
【0018】
*6項
1項ないし5項のいずれかにおいて、『被処理物を挟持した状態において前記本体ケース相互を回動阻止状態に保持する保持手段を有する』ことを特徴とするものでは、被処理物を加熱押圧処理するときに使用者自身が握持によって挟持状態を維持する必要がないため加熱押圧処理が楽である。また、前記被処理物は保持手段によって一定の挟持力で挟持され、使用者自身によって挟持状態を維持する場合のように挟持力の強弱が生じないため仕上がり状態が安定する。
【0019】
前記保持手段としては、本体ケースの先端側に形成されて該本体ケース相互を係脱自在に係止する係止部材や、本体ケースの回動軸に対する回動を阻止する回動阻止部材や、各本体ケースに対向配置されて通電によって磁性を有し相互に引き合う電磁石などが考えられる。
【0020】
*7項
1項ないし6項のいずれかにおいて『前記温熱板の表面には耐熱性の起毛が形成されている』ことを特徴とするものでは、前記起毛によって被処理物がしっかりと保持されるため、該被処理物の加熱押圧処理が容易である。また、平面状の温熱板を用いる場合と比べて被処理物が傷みにくい。
【0021】
*8項
1項ないし7項のいずれかにおいて、『前記対向内面相互間に発生する静電気を蓄電・放電可能なコンデンサ回路を有する』ことを特徴とするものでは、前記対向内面と被処理物との間に生じる静電気を除去できる。また、このアイロンを使用することで帯電状態の被処理物の電荷が中和されるため、毛髪に用いた場合には、電荷相互の反発によって毛髪が広がったりすることなく仕上がりにまとまり感がある。
【0022】
【発明の効果】
上記のような構成であるから本発明は次の特有の効果を有する。
本発明のアイロンを使用するときに、本体ケースの対向内面相互間に被処理物を挟持させると、被処理物の厚みや挟持位置などに関係なく前記温熱板の傾斜角度が安定的に自動調整されて被処理物をしっかりと挟持することができるため、使用経験の浅い使用者も容易にムラなく前記被処理物を加熱押圧処理することができる。
【0023】
また、本体ケースを握持する手への応答が柔軟であるため使用感がよく、前記被処理物を挟持する挟持力の加減も容易である。さらに、緩衝部材によって前記温熱板と本体ケースとの接触音の発生が防止されるため耳障りな音が生じることがない。
【0024】
以上のように、本発明のアイロンは、被処理物を挟持させると前記温熱板の傾斜角度が安定的且つ円滑に自動調整されるため、前記被処理物の加熱押圧処理を容易且つ仕上がりよく行うことができると共に使用感もよい。
【0025】
また、2項のものによれば、温熱板の幅方向の両端部に一対のコイルバネを配置させたことで、該温熱板の傾斜角度が安定すると共に、該温熱板の沈み込み動作及び前記沈み込み状態からの復帰動作も安定する。
【0026】
また、3項のものによれば、温熱板の端縁部に本体ケースに摺接する弾性樹脂製の隙間部材を取付けたことで、前記本体ケースを握持する手への柔軟性が向上されるためよりいっそう使用感がよいと共に、該温熱板が復帰するときの接触音の発生も防止できる。
【0027】
また、4項のものによれば、温熱板を形状記憶材から形成させたことで、肉厚や表面形状が一定でない物品を挟持する場合や、挟持する毛髪の量に多少がある場合にも被処理物をしっかりと挟持して加熱押圧処理を行うことができる。
【0028】
また、5項のものによれば、温熱板に温度勾配を形成させたことで、過剰な加熱押圧によって被処理物を傷めてしまうことや、処理不足部分を再び処理する必要がなく、被処理物を手早く均一に加熱押圧処理することができる。
【0029】
また、6項のものによれば、本体ケース相互を回動阻止状態に保持する保持手段を設けたことで、被使用者自身による握持によって非処理物の挟持状態を維持する必要がないため前記被処理物の加熱押圧処理が楽である。また、使用者自身によって挟持する場合のように挟持力の強弱が生じないため仕上がり状態が安定する。
【0030】
また、7項のものによれば、温熱板に耐熱性の起毛を形成したことで、起毛によって被処理物がしっかりと保持されるため、被処理物の加熱押圧処理が容易である。また、平面状の温熱板を用いる場合と比べて被処理物が傷みにくい。
【0031】
また、8項のものによれば、静電気を蓄電・放電可能なコンデンサ回路を設けたことで、対向内面と被処理物との間に生じる静電気を除去できる。また、帯電状態の被処理物の電荷を中和することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について添付図面を参照しながら詳述する。
本発明実施の形態の一例であるヘアアイロンを図1に示している。
この例のヘアアイロンは、一方の端部が枢支された同形状の一対の本体ケース1と、前記本体ケース1の先端側の対向内面10に取付けられ毛髪を挟持して加熱押圧処理するヒータ5(図2参照)内蔵の温熱板2とを有しており、前記温熱板2は本体ケース1の内側に沈み込み可能であり且つその傾斜角度を調節可能であるように角度調整手段である一対のコイルバネ4(図2参照)によって支持されている。
【0033】
前記本体ケース1は、図1に示されるように、前記温熱板2が設けられた毛髪挟持部11と使用者が握持する握持部12とからなり、回動軸13に対して所定の範囲内で回動自在であると共に、自然状態において本体ケース1の形成角度が最大角となるように付勢手段によって相互に離反する方向に付勢された状態で回動軸13に枢支されている。また、前記握持部12は握り易いように波形に成形されており、その対向内面10には前記本体ケース1相互をズレなく回動できるようにガイド突起17がそれぞれ形成されている。
【0034】
前記毛髪挟持部11は、図2及び図3に示されるように、先端に向かって底部が緩やかに上向きに湾曲されて先端側が薄肉となっており、前記底部にはヒータ5から発生した熱を空気断熱するための中空の断熱層16が形成されている。また、対向内面10には、前記温熱板2よりも一回り小さい矩形状の開放部が形成されており、前記毛髪挟持部11の長手方向の側壁面には後述する温熱板2の端縁部に取付けられたパッキン部材3と摺接する受け溝14と、前記温熱板2の下方に延設された係合片22を上下方向に移動可能に保持する保持溝15とがそれぞれ形成されている。
【0035】
前記温熱板2は、熱伝導率の高い金属から形成されており、その表面は毛髪に直に接触してこれを加熱押圧する平滑な施術板20となっている。前記温熱板2の端縁部には、前記施術板20の裏面側から長手方向に沿って脚片24が垂下されており、前記脚片24の下端部には、図3に示されるように、ヒータ5を前記温熱板2に接触した状態で保持するための一対のヒータ保持部21と、前記毛髪挟持部11の側壁に形成された保持溝15に上下に移動可能に係合するための一対のL字状の係合片22がそれぞれ形成されている。また、前記脚片24は、前記温熱板2の端縁部に取付けられるパッキン部材3の厚み相当分だけ該温熱板2の端縁よりも内側位置から垂下されている。
【0036】
前記パッキン部材3は、シリコン樹脂材からなり、図2及び図3に示されるように、前記温熱板2の施術板20の全周にわたって取付けられ、前記毛髪挟持部11の受け溝14の側壁に対して上下方向に摺動自在であり且つ水密に摺接されている。
【0037】
前記パッキン部材3は、使用時に前記温熱板2相互間に毛髪を挟持させるとき、前記受け溝14の側壁との間の摺動抵抗によって前記温熱板2の沈み込み動作及び前記沈み込み状態からの復帰動作を制動し得るように設定されている。また、前記パッキン部材3は、前記温熱板2が上下動するときにも常に前記受け溝14の側壁に摺接するように設定されている。
【0038】
前記一対のコイルバネ4は、図2及び図3に示されるように、前記温熱板2の回動軸13側の端縁部を支持するように前記温熱板2と毛髪挟持部11の底部との間に介装されており、自然状態において前記温熱板2を上方へ付勢している。
【0039】
前記コイルバネ4は、図3に示されるように、前記脚片24から内側に向かって突設されたヒータ保持部22と前記毛髪挟持部11の底部に固定された台座40との間にそれぞれ介装されている。
また、前記温熱板2の移動可能な範囲は前記保持溝15の溝幅によって規定されており、この例のものでは0.5mm〜1mm程度に設定されている。
【0040】
*ヘアアイロン使用時の温熱板の動作について
次に、上記ヘアアイロンを実際に使用するときの温熱板2の動作について図4及び図5を用いて説明する。
【0041】
この例のヘアアイロンの握持部12を握持して本体ケース1を相互に回動させて、図5に示されるように、前記温熱板2相互間に毛髪8を挟持させると、挟持された毛髪8によって前記温熱板2が押圧され、この押圧によって前記温熱板2の回動軸13側に設けられたコイルバネ4が収縮される。これにより、図4及び図5に示されるように、前記温熱板2全体が前記本体ケース1の内側へと沈み込むと共に、毛髪8をしっかり挟持できるように該温熱板2の傾斜角度が自動調整される。このとき、パッキン部材3と受け溝14との間の摺動抵抗によって前記温熱板2の沈み込み動作が制動されるため、該温熱板2はゆっくりと前記本体ケース1内に沈み込む。また、前記温熱板2が最下位置まで沈み込んだときは、前記受け溝14の底部に当接するパッキン部材3がクッション材として機能する。
【0042】
毛髪8を癖付けした後、前記本体ケース1の握持を解除すると、前記本体ケース1相互は回動軸13に設けられた付勢手段によって先端部が開いた元の状態に戻り、前記温熱板2はコイルバネ4の弾性復帰力によって元の位置まで押上げられる。このときも、前記パッキン部材3と前記受け溝14の側壁との間の摺動抵抗によって前記温熱板2の動作が制動されるため、該温熱板2は沈み込み状態からゆっくりと復帰される。
【0043】
上記のような構成であるため、この例のヘアアイロンにおいては、温熱板2相互間に毛髪8を挟持させると、毛髪8の量や位置に関係なく前記温熱板2の傾斜角度が安定的に自動調整されてしっかりと毛髪8を挟持することができるため、容易且つムラなく毛髪の癖付けを行うことができる。
【0044】
パッキン部材3によって前記温熱板2の沈み込み動作及び沈み込み状態からの復帰動作が制動されることで、本体ケース1を握持する手への応答が柔軟であるから感触がやわらかく使用感がよいと共に、前記本体ケース1の握持によって毛髪8を挟持する力を容易に加減することができる。また、前記パッキン部材3の介在によって前記温熱板2と本体ケース1との接触による接触音の発生が防止されるため耳障りな音が生じない。
【0045】
この例のものでは、前記温熱板2の幅方向に沿って一対のコイルバネ4が設けられているから、該温熱板2の幅方向へのシーソー運動及び揺動が防止されるため、該温熱板2の傾斜角度が安定すると共に該温熱板2の沈み込み動作及び前記沈み込み状態からの復帰動作もよりいっそう安定する。
【0046】
また、前記パッキン部材3によって毛髪8に付着した水分や整髪剤などが前記本体ケース1内へ浸入することが防止されるため、漏電や感電などの事故、ヘアアイロンの故障が防止される。
【0047】
*その他の実施の形態
図6に示されるヘアアイロンは、温熱板2の表面に起毛シート6が貼着されており、一対の本体ケース1の先端部に通電時に磁性を有する電磁石7をそれぞれ配置した構成となっている。また、ここでは図示されないが、前記温熱板2には静電気を蓄電・放電可能なコンデンサ回路が接続されている。上記以外の部分の構成及び基本的な使用方法については前述のヘアアイロンと同じである。
【0048】
上記のような構成であるため、この例の温熱板2相互間に毛髪を挟持させると、前記起毛シート6の起毛相互間に毛髪が保持されるため、毛髪を挟持した状態でヘアアイロンをスライドや回転させるときなどに、前記温熱板2に対して毛髪が滑って前記温熱板2相互間から脱落してしまうことがなくしっかりと挟持できる。また、前記起毛による保持力の分だけ前記温熱板2によって毛髪を挟持する力が小さくてよいため、毛髪の癖付けが楽に行える。また、前述の例のように、金属製の温熱板2に直接毛髪が接触するものと比べて毛髪が傷みにくい。ここで、前記起毛シート7の材質は、耐熱性を有するものであれば、合成樹脂製シートやフェルト等の布地、不織布等からなるものであってもよい。
【0049】
前記本体ケース1の先端部に電磁石7が対向配置されていることにより、前記毛髪をしっかりと挟持した状態で前記電磁石7のスイッチをONにして通電すると、磁性を有した前記電磁石7が互いに引き合うため前記本体ケース1相互は挟持状態に維持される。そして、処理が終了した後は、前記スイッチをOFFにすると前記電磁石7の磁性は失われるため、前記本体ケース1相互は回動軸13の付勢手段によって離反される。これより、使用者自身が握持によって挟持状態を維持する必要がないから毛髪の癖付けが楽である。また、使用者自身による場合のように毛髪を挟持する力に強弱が生じないため、ムラなく毛髪を癖付けすることができる。
【0050】
この例のものでは、前記温熱板2と毛髪との間に発生する静電気を蓄電・放電するコンデンサ回路が設けられているから、前記温熱板2と毛髪との間に生じる静電気を除去することができる。そのため、使用中に静電気の発生による不快な思いをすることがないと共に、使用によって帯電状態の毛髪の電荷が中和されるため毛髪が広がったりすることがなく仕上がりにまとまり感がある。
【0051】
*その他
本発明のアイロンは、上記した実施の形態に限られるものではない。
前述の例において、前記温熱板2は、一対の本体ケース1の各対向内面10にそれぞれ設けられているが、一方の本体ケース10のみに前記温熱板2を設け、他方の本体ケース10には、例えば、前記対向内面10に固定される押え板などを設けた構成としてもよい。また、前記一対の本体ケース1の形状も前述の例のように同形である必要はない。
【0052】
前述の例において、前記温熱板2の施術板20は平滑面となっているが毛髪をウェーブ状に癖付けできるように前記施術板20の表面を波形状や凹凸形状に成形したものであってもよく、前記施術板20の表面にスチームやマイナスイオンを噴出するための孔部を形成したものであってもよい。
【0053】
また、前記温熱板2が長手方向に沿って温度勾配を形成するように温熱板2の構造又はヒータ5の温度調節機構を設定するものであってもよい。このような構成としたものでは、本体ケース1を握持するときに前記温熱板2による挟持力に応じて挟持された毛髪への温熱量を調節することができるため、挟持した毛髪を処理した場合に挟持位置による差異が生じることがないため、一部分が過熱されて毛髪を傷めてしまったり、再処理が必要な加熱不足が生じたりすることがなく手早く均一な仕上がりに毛髪を癖付けすることができる。
【0054】
また、前記温熱板2を弾性変形可能な形状記憶材から形成するものであってもよい。このような構成としたものでは、前記温熱板2の施術板20が挟持された毛髪に沿って弾性変形されるため、挟持位置によって毛髪の量に多少がある場合にも変形された施術板20によってしっかりと挟持されるため、ムラなく毛髪の癖付けを行うことができる。
【0055】
前述の例において、前記温熱板2の沈み込み動作を制動する緩衝部材は、前記温熱板2の全周縁にわたって取付けられたパッキン部材3であるが、前記緩衝部材は前記本体ケース1に取付けられるものであってもよく、また、前記温熱板2の周縁に沿って所定の間隔毎に取付けられるものであってもよい。
【0056】
また、前記パッキン部材3は常に前記受け溝14の側壁に摺接されているが、例えば、前記毛髪挟持部11の受け溝14の底部に取付けられて押圧によって沈み込んできたときに前記温熱板2に当接するクッション部材のようなものであっても良い。
【0057】
上記の例は何れも毛髪用の癖付け用のヘアアイロンに本発明を実施したものであるが、本発明はヘアアイロンに限られるものではなく、衣類やその他の物品用のアイロンとして実施されるものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施の形態におけるヘアアイロンの全体図である。
【図2】図1の本体ケース先端部の断面図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】温熱板の沈み込み動作を示す説明図である。
【図5】ヘアアイロンの使用状態を示す断面図である。
【図6】その他の本発明実施の形態のヘアアイロンを示す部分断面図である。
【図7】従来例のヘアアイロンを示す部分断面図である。
【符号の説明】
(1)・・・本体ケース
(10)・・・対向内面
(11)・・・毛髪挟持部
(12)・・・握持部
(2)・・・温熱板
(20)・・・施術板
(3)・・・パッキン部材
(4)・・・コイルバネ
(5)・・・ヒータ
(6)・・・起毛シート
(7)・・・電磁石
(8)・・・毛髪
Claims (8)
- 後端が回動軸で互いに回動自在に枢支された一対の本体ケースと、上記本体ケース先端側の対向内面に前記本体ケースの内側に所定の距離だけ沈み込み可能に保持されたヒータ内蔵の温熱板と、上記本体ケースと温熱板との間に介装されて該温熱板をその傾斜角度を調整可能に支持する角度調整手段とを有しており、衣類や毛髪等の被処理物を前記本体ケースの対向内面相互間に挟持させて加熱押圧処理を行うアイロンにおいて、
前記温熱板は、長手方向の端縁部に沿って裏面側に形成された一対の係合片が前記本体ケースの側壁面の保持溝に上下方向に移動可能に保持され、
前記角度調整手段は、前記温熱板の回動軸側の端部を支持するように設けられる弾性部材であり、
前記温熱板又は本体ケースのいずれか一方には、該温熱板の沈み込み動作を制動する緩衝部材が取付けられることを特徴とするアイロン。 - 請求項1に記載のアイロンにおいて、
前記弾性部材は、前記温熱板の幅方向の両端部に設けられる一対のコイルバネであることを特徴とするアイロン。 - 請求項1又は2に記載のアイロンにおいて、
前記緩衝部材は、前記温熱板の端縁部に取付けられ且つ前記本体ケースに摺接される弾性樹脂材製の隙間部材であることを特徴とするアイロン。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載のアイロンにおいて、
前記温熱板は、被処理物を挟持するとき該被処理物の形状に合わせて弾性変形可能であり且つ使用後に上記の変形が自動的に元の形状に復帰される形状記憶材から形成されることを特徴とするアイロン。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載のアイロンにおいて、
前記温熱板は、本体ケースを握持するときに前記温熱板による挟持力に応じて挟持された被処理物への温熱量を調節可能に長手方向に沿って温度勾配を形成するように設定されることを特徴とするアイロン。 - 請求項1ないし5のいずれかに記載のアイロンにおいて、
被処理物を挟持した状態において前記本体ケース相互を回動阻止状態に保持する保持手段を有することを特徴とするアイロン。 - 請求項1ないし6のいずれかに記載のアイロンにおいて、
前記温熱板の表面には耐熱性の起毛が形成されていることを特徴とするアイロン。 - 請求項1ないし7のいずれかに記載のアイロンにおいて、
前記対向内面相互間に発生する静電気を蓄電・放電可能なコンデンサ回路を有することを特徴とするアイロン。
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