JP3608572B2 - 水溶性ポリペプチドの製造方法 - Google Patents

水溶性ポリペプチドの製造方法 Download PDF

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Description

本発明はコンプレックスの可溶性受容体の製造に関する。さらに詳しくは、本発明は細胞マトリックスまたは血漿タンパク質の組換え受容体の合成に関する。
細胞膜は脂質二重層に存在するポリペプチドを含有している。このようなポリペプチドは、細胞膜にタンパク質を固定するドメイン、疎水性のトランスメンブランドメインを、多くの場合、C−末端細胞質配列と共に含有している。通常、これらのポリペプチドは1本鎖の分子であるか、または翻訳後のタンパク質加水分解プロセッシングによって元の1本鎖発現産物から導かれる複数鎖の分子である。このような複数鎖のポリペプチドは、ジスルフィド結合によって共有結合しているのが普通である。しかし、これらポリペプチドの一部は、塩架橋、ファン・デル・ワールス力、疎水性の相互作用などによって互いに非共有結合しており、このような場合にはポリペプチドサブユニットのさらに大きな集合体への会合が生物学的活性のための前提条件である。
このような膜結合した複数サブユニットの分子の生物学的活性は異なるが、通常は受容体または結合機能を反映する。受容体は細胞の外部環境中の物質または状態を考慮して細胞にシグナルを送るのに役立つか、細胞外物質を内部化するのに役立つか、または細胞を互いに、細胞外マトリックス物質、細胞表面もしくは血漿タンパク質に結合させるように機能する。
別のサブクラスに属する膜結合の複数サブユニットのポリペプチドは、それぞれのサブユニットが異なっており、即ち実質的にホモローガスではなく、別個の遺伝子によってコードされているポリペプチドである。このようなポリペプチドを、本発明の目的のために「MSP」(複数サブユニットポリペプチド)と呼ぶ。このようなポリペプチドまたは受容体の多数の例が知られているが、最も重要な群は細胞外マトリックス分子のための細胞表面受容体のクラスであり、その一部は現在同定されており、それをコードしているDNAがクローニングされている[例えば、Buckら,Ann.Rev.Cell Biol. :179(1987)およびRuoslahtiら,Science 238:491(1987)を参照]。
特に重要なものは、血小板糖タンパク質II b−III a、即ち、血小板凝集に関与しており、フィブリノーゲン、フィブロネクチン、ビトロネクチンおよびフォン・ビレブランド因子に結合する血小板膜結合受容体である。この受容体を構成する2つのサブユニットが同定されている[Fitzgeraldら,Biochemistry 26:8158(1987)およびFitzgeraldら,J.Biol.Chem. 262(9):3936(1987)]。BennettらはCos−1細胞でのGP II bサブユニットの発現を報告したが、このサブユニットは細胞膜上に見い出されなかった[AHA第61回科学会議;1988年11月15日]。Bennettらは、膜局在化がII b−III aコンプレックスの形成を必要とているのかもしれないと示唆した。組換えの膜結合GP II b−III aを調製することができたなら、それはその適切なリガンド(例えば、フィブリノーゲン)に結合するであろうと教示または示唆するものはなかった。さらに、同じ会議におけるFrelingerらの口頭発表は、未同定の組換え細胞表面での完全長GP II b−III aの一時的な発現を示すものと主張したが、発表のように発現が得られた方法に関する他の情報は提供されなかった。
Corbiらは、1988年9月のBoehringer Ingelheimにより後援されたTitisee Symposiumにおいて、COS細胞における機能的な完全長LFA−1の一時的な発現を口頭で報告した。
膜結合のMSPは、疎水性のドメインがMSPをミセルまたは集合体に誘導する傾向があるので、精製および安定性に困難を与える。適切なヘテロ二量体の組立て以上に複数分子集合体を形成することなく、特に血液などの体液中、および食塩水などの薬理学的担体中で可溶性である形態のこれら受容体が必要とされている。即ち、本発明の目的はこのようなMSP形態を合成することである。
別の目的は、通常のリガンドを適切に結合することができる可溶形態のGP II b−III a受容体を得ることである。
さらに別の目的は、組換え細胞培養においてGP III aを発現させることである。
また、別の目的は、組換え細胞培養によってGP II b−III aを高収率で製造することである。
これらおよびその他の目的は本出願の全体を考慮することによって明らかとなろう。
本発明によれば、細胞膜結合の複数サブユニットポリペプチド(MSP)(その各サブユニットは別個の遺伝子によってコードされている)の分泌型類似体を製造するための方法であって、
(1)サブユニットのそれぞれをコードしている核酸中に、MSPがもはや脂質二重層にとどまることができないようにするMSPのアミノ酸配列変異体をコードしている突然変異を導入し、
(2)工程(1)の核酸で宿主細胞をトランスフェクションし、
(3)工程(2)の宿主細胞を培養し、そして
(4)この宿主細胞培養物から生物学的に活性な可溶性MSPを回収する、
ことを特徴とする方法が提供される。また、本発明によれば、インテグリン鎖のアミノ酸配列変異体、特に、インテグリン鎖のトランスメンブランドメインが修飾されており、従ってもはや細胞膜にとどまることができない変異体をコードしている核酸および発現ベクターが提供される。
また、GP II b−III aの製造方法であって、GP II b−III aをコードしている核酸で許容宿主細胞を形質転換し、そしてGP II b−III aが細胞膜に蓄積するまでこの宿主細胞を培養することを特徴とする方法が提供される。
特定の態様においては、本発明の目的は、
(a)不活性化された膜アンカードメインを有するMSPのアミノ酸配列変異体、および
(b)MSPとは異なるポリペプチド(これは、例えば免疫グロブリンの不変ドメインなどの長い血漿半減期を有するタンパク質または免疫原から選ばれる)の配列に融合したMSPの細胞外ドメインを含有するポリペプチド、
からなる群から選ばれる生物学的に活性なMSPのアミノ酸配列変異体を提供することによって達成される。
別の態様においては、MSPまたは本明細書の別のところに記載するMSP類似体のMSPアミノ酸残基または炭水化物置換体を、共有結合修飾によって誘導体化するか、またはポリエチレングリコールなどの非タンパク質性ポリマーにコンジュゲートさせて、改善された循環半減期を示すMSP誘導体を製造する。
具体的な態様においては、インテグリンの生物学的に活性な細胞外ドメインを含有するポリペプチドをそのC−末端のところで免疫グロブリンの不変ドメインに融合させるか、または免疫原性ポリペプチドに連結する。
本発明で提供されるMSP変異体を精製し、診断もしくは調合用途のために、または細胞付着の調節においてインビボ使用するために薬理学的に許容しうる担体中に配合する。
図1a〜1fは、MSP GP II b−III aの分泌型のGP II bサブユニットのアミノ酸およびヌクレオチド配列を示すものである。このサブユニットの重および軽形態のシグナルプロセッシング部位をそれぞれ矢印−Hおよび矢印−Lで示す。
図2a〜2dは、MSP GP II b−III aの分泌型のGP III aサブユニットのアミノ酸およびヌクレオチド配列を示すものである。シグナルプロセッシング部位は矢印で示されている。
図3は、GP III a遺伝子の5'末端のところで天然および再設計核酸配列を比較するものである。
本明細書においてMSPとは、その少なくとも1つの鎖が通常は細胞膜に固定されており、そしてその少なくとも2つの鎖が別個にコードされている複数鎖のポリペプチドと定義される。通常、MSPは少なくとも2つの独立した鎖を含有しており、その2つは細胞膜中に直接入っている。通常は細胞膜中に入っているMSP鎖に1またはそれ以上の別の鎖が共有結合または非共有結合していてもよいが、この別の鎖はそれ自体が膜中に固定されるものであってはならない。通常、このような鎖は、膜固定されることになる1本鎖の翻訳後プロセッシングによって得られる。別個にコードされているサブユニットは単一の翻訳されたタンパク質の翻訳後プロセッシングによって得られるものではなく、それらのアミノ酸配列はホモローガスではなく(即ち、このサブユニットの配列は同一ではない)、また、天然において同一ポリペプチドの二量体または多量体に組立てられないものである。それとは異なり、これらは独立したmRNAまたはポリシストロン性メッセージの翻訳によって産生される。即ち、複数のMSPポリペプチドをコードしている複数の核酸は、天然においては異なるプロモーターおよび他の転写コントロール配列の制御下で見い出されるのが普通である。MSPには、細胞付着受容体とも定義される細胞外マトリックス分子に対する細胞表面受容体が主として含まれる。多数のこれら受容体およびそれらのリガンド(これらリガンドにはフィブリノーゲンなどの血漿タンパク質および細胞外マトリックス分子が含まれる)ならびに細胞表面タンパク質(I−CAMなど)が、傷治癒、形態形成移動、発生とは無関係の細胞移動、止血および転移に関与している細胞付着現象の中心をなしている。これらの細胞付着受容体は機能的および構造的特徴によって識別されている。機能的には、通常、これら受容体は配列RGDを含むポリペプチドに結合し、ペプチドRGDSまたはRGDVなどのRGD配列を含有する他のポリペプチドとの競合によってそれから解離する。また、これらはリガンド結合のためにカルシウムなどの2価のカチオンを必要とすることが多い。MSPには、T細胞受容体などの免疫グロブリン上科の構成員が含まれることもあるし、また含まないこともある。細胞表面の細胞内付着相互作用に関与しているMSPの群はインテグリンと呼ばれている[Buckら,Ann.Rev.Cell Biol. :179−205(1987)を参照]。
構造的には、このような細胞付着受容体は、第1の1本鎖ポリペプチドまたはジスルフィド架橋した複数鎖ポリペプチド(α−鎖)が第2の別のポリペプチド(β−鎖と呼ぶ)と非共有結合によって会合してそれによってヘテロマルチマーを形成している超遺伝子族のマルチマーに属する。これら受容体のα−鎖はそれらのアミノ酸配列に関しては全く異なっており、鳥類インテグリン(バンド1)のαサブユニット;VLA1、2および4のα、αおよびα4;鳥類インテグリン(バンド2)およびVLA3のα3;フィブロネクチン受容体およびVLA5のαF;LFA−1のαL;Mac−1のαM;p150,95のαX;GP II bのααL;ならびにビトロネクチンのαが含まれる。通常、β−鎖は3つの群、即ちβ[鳥類インテグリン(バンド3);フィブロネクチン受容体およびVLA]、β[LFA−1/Mac−1;p150,95]およびβ(GP II b−III aおよびビトロネクチン受容体)に分類され、それぞれのβ群の構成員は実質的にホモローガスであるか、または同一である。選択したMSPが、天然では互いに会合しているのが普通である2つ(またはそれ以上)の鎖を含んでいるのが好ましいが、これは非天然のヘテロマーがコンプレックスを形成しないと推定されるためである。
MSPのそれぞれの鎖はその天然の環境下で分泌シグナルを含有するプレタンパク質として発現され、これが受容体の細胞外配向の間にプロセッシングされる。また、それぞれのサブユニットの少なくとも1つの鎖は、ポリペプチドのC−末端部分に位置して約10〜30個の疎水性の高い残基(phe、leu、ile、val、met、glyおよびalaなど)を含有するドメイン、または脂質(例えば、リン脂質)の共有結合付加のための部位として働くポリペプチド配列を含有する疎水性のアンカーを有しているであろう。このような膜アンカー配列またはドメインは、本明細書ではまとめて膜アンカードメインと呼ぶ。通常、10〜100残基のオーダーの短い親水性の細胞質ドメインがトランスメンブランドメインのC−末端に見い出される。サブユニットなる用語はポリペプチド鎖を意味するものと理解されるべきであり、あるポリペプチド鎖のドメインまたは機能的なサブ領域を指すものではない。
ある種のMSPは他の構造的特徴を共有している。例えば、ある受容体のサブユニットはシステインに富む直列のアミノ酸配列反復(ここでは、約80%以上のシステイン残基がGP III aの約2残基のシステイン残基の直列反復内に並べられる)を含んでおり、また、あるサブユニットはコンセンサスN−末端配列Tyr/Phe/Leu−Asn−Leu−Aspを有しているか、またはあるサブユニットはカルモジュリンのカルシウム結合部位に実質的な配列相同性を有するアミノ酸ドメインを含有している。
さらに、インテグリン上科の上記構成員にホモローガスな受容体がMSPの範囲内に含まれる。本明細書で定義するホモローガスなる用語は、インテグリン上科の既知構成員に対して少なくとも実質的に同一のアミノ酸配列の相同性を有する(あらゆる現在既知の構成員があらゆる他の既知の構成員に対して有しているように)インテグリン上科の構成員のポリペプチド配列を有することを意味する。通常、ホモローガスとは、保存性の置換を考慮に入れることなく最大の相同性が得られるように配列を並べた後に、約40%以上のアミノ酸の相同性を有することを意味する。
本発明はその一部には、独立してコードされているMSPが、宿主細胞膜中に挿入するその能力を削除するように修飾されたときに、なお組換え宿主細胞によって完全に組立てられ、生物学的に活性な形態で分泌されるという発見に基づいている。サブユニットの適切な会合がもはや細胞膜における並置によって促進されないにもかかわらず、組換え宿主細胞は互いに正しく会合したサブユニットを分泌し、この組立て物は天然MSPの細胞外ドメインの生物学的活性を示す。さらに、このMSP配列がマルチマー形成ポリペプチドに融合されていないときであっても適切な組立てが得られた。即ち、外性の架橋ポリペプチド(免疫グロブリン鎖など)の助けがないときであってもMSPが正しく会合することが見い出された。
生物学的活性は、天然環境においてMSPが通常結合するリガンドに定性的に結合する、分泌型MSPの能力の点で定義されるが、分泌型MSPによるリガンド結合の動力学またはその他の量的な性質が天然細胞結合MSPのものとは異なっていることもあることは理解されよう。分泌型のMSPは天然MSPに対して生成させた抗体と交差反応することができる多数の機能的な免疫エピトープを保持している可能性が高いが、分泌型のMSPが本明細書で定義する生物学的活性を示すものとするにはこれだけでは不十分である。即ち、「生物学的活性」な分泌型のMSPは、そのリガンドに結合する能力も同様に示さなければならない。しかし、本発明に従って製造されるMSPのすべてが、本明細書で定義した意味において生物学的活性を示す必要がある訳ではないことは理解されよう。このような生物学的には不活性であるが、しかし例えば免疫学的に活性なMSP類似体は、診断検定において、MSPに対する抗体の生成において、またはMSPに対する抗体の精製において用途が見い出される。
本発明は、特にMSPのアミノ酸配列変異体に関する。MSPのアミノ酸配列変異体は考慮される種々の目的で調製され、これには、MSPのその結合相手に対する親和性の増大、MSPの安定性、精製および調製の容易化(水溶性の増大および膜親和性の減少を含む)、その血漿半減期の増大、上記のような治療効率の改善、追加の機能の導入、およびMSPを治療に用いたときの副作用の重さもしくは発生の軽減などが含まれる。MSPのアミノ酸配列変異体は、挿入、置換または削除変異体の1つまたは組合せに分類される。それぞれのMSP変異体または類似体は1つの不活性化された膜アンカードメインを有しており、これは挿入、置換または削除によって達成されるであろうが、これらの変異体は所望により天然MSPの1つの鎖の膜アンカードメインを不活性化すること以外のことに関係している別の突然変異を含んでいることもある。
挿入アミノ酸配列変異体は、MSPに対して外性の1またはそれ以上のアミノ酸残基がMSP中の予め決めた部位(CまたはN末端を含む)に導入されているものである。このような変異体は、挿入された位置にMSPにおいて通常見い出される配列以外の配列を含むポリペプチドとMSPの融合体と呼ばれる。いくつかの群の融合体が本発明において意図されている。
免疫学的に活性なMSP融合体は、非MSPエピトープを含有するポリペプチドとMSPからなる。この非MSPエピトープは任意の免疫学的にコンピテントなポリペプチドである。即ち、融合体を投与しようとしている動物において免疫反応を誘導することができるか、または非MSPポリペプチドに対して生成させた抗体と結合することができるあらゆるポリペプチドである。代表的な非MSPエピトープはアレルゲン、自己免疫エピトープ、または他の強力な免疫原もしくは抗原(融合体の投与を受けるものに予め存在する抗体によって認識される)が保持しているものであり、これには細菌性ポリペプチド(例えば、trpLE、β−ガラクトシダーゼ)、ウイルス性ポリペプチド(例えば、ヘルペスgDタンパク質)などが含まれる。免疫原の融合体は、免疫原ポリペプチドをコードしているDNAで形質転換された組換え細胞培養によって、またはインビトロの架橋によって調製される。この免疫原の融合体は、免疫原性配列がペプチド結合によってMSPまたはそのフラグメントに結合または挿入された融合体であるのが好ましい。従って、これらの産物は、MSPエピトープとMSPに対して外性の少なくとも1つのエピトープを含有する直線状のポリペプチド鎖からなる。これらエピトープをMSP分子またはそのフラグメント中のどこかに導入することが本発明の範囲内にあることは理解されよう。このような融合体は組換え宿主細胞において、または2官能性の架橋剤を使用することによって調製するのが好都合である。架橋剤を用いてMSPを免疫原性ポリペプチドに融合させるのは、この架橋産物を構造的に均質な形態で合成するのが容易ではないので、直線状の融合体ほどには望ましいものではない。
これらの免疫原挿入体は、薬理学的に許容しうる担体中に配合され、MSPに対する抗体を生成させるために対象に投与されたときに特に有用であり、次いでこれらの抗体は診断において、または自体既知の免疫アフィニティー法によるMSPの精製において有用となる。別法では、MSPの精製において、融合した非MSPポリペプチドの結合相手(例えば、抗体、受容体またはリガンド)を用いて不純な混合物から融合体を吸着させ、次いでこの融合体を溶離し、そして所望ならMSPを例えば酵素切断などによって融合体から回収する。
免疫学的に活性であってもよいし、また活性でなくてもよいその他の融合体には、成熟MSP配列とMSPに対して異種のシグナル配列との融合体、トランスメンブラン修飾されたMSP(このMSPが細胞膜にとどまれないようにする配列の削除または修飾を含む)と例えば高められた血漿半減期(通常は>約20時間)を有するポリペプチド(高められた血漿半減期を与える免疫グロブリン鎖またはそのフラグメントなど)との融合体が含まれる。
シグナル配列との融合は、MSPの分泌を一層迅速にするために行われる。異種のシグナルを天然のMSPシグナルと置換し、得られた融合体が宿主細胞によって認識、即ちプロセッシングされ、切断されたときに、MSPが分泌される。シグナルは意図している宿主細胞に基づいて選択され、これには細菌、酵母、哺乳動物およびウイルス配列が含まれる。天然のMSPシグナルあるいはヘルペスgD糖タンパク質シグナルが哺乳動物発現系で使用するのに適している。
修飾された膜アンカードメインを有する可溶型のMSPの血漿半減期よりも長い高められた血漿半減期を有する血漿タンパク質には、血清アルブミン、免疫グロブリン、アポリポタンパク質、およびトランスフェリンが含まれる。融合に使用されるMSP−血漿タンパク質は、それが使用される動物において免疫原性が有意なものではなく(即ち、治療対象に対してホモローガスであり)、また、この血漿タンパク質はその正常な生物学的活性の故に患者に望ましくない副作用を引き起こすものではないのが好ましい。
ある具体的な態様では、MSPの細胞外ドメインを免疫グロブリンの不変領域配列とコンジュゲートさせる。免疫グロブリンおよびそのある種の変異体が既知であり、多数が組換え細胞培養において調製されている。例えば、米国特許4,745,055;EP 256,654;Faulknerら,Natur e 298:286(1982);EP 120,694;EP 125,023;Morrisonら,J.Immun. 123:793(1979);
Figure 0003608572
P.N.A.S.USA 77:2197(1980);Rasoら,Cancer Res. 41:2073(1981);Morrisonら,Ann.Rev.Immunol. :239(1984);Morrisonら,Science 229:1202(1985);Morrisonら,P.N.A.S.USA 81:6851(1984);EP 255,694;EP 266,663;およびWO 88/03559を参照。また、再分類された免疫グロブリン鎖も既知である。例えば、米国特許4,444,878;WO 88/03565;およびEP 68,763ならびにこれらに引用された文献を参照。さらに、Gascoigneら,P.N.A.S.USA 84:2936−2940(1987年5月);EP 325,224;およびAndrew Scott Petersonの論文(Harvard University;1988年11月22日に学位が与えられた)をも参照。
通常、MSPの細胞外ドメインはそのC−末端で、免疫グロブリンの不変領域のN−末端にその可変領域の代わりに融合しており、免疫グロブリン重鎖の不変領域の少なくとも機能的に活性なヒンジ、CH2およびCH3ドメインは保持している。2種類の形態のこのような融合体が本発明に含有されている。その1つにおいては、2またはそれ以上の通常の膜結合MSP鎖の細胞外ドメインがNまたはC末端で免疫グロブリン不変領域に融合しており(ヘテロ融合)、一方、他の形態では、MSPの1つの鎖だけが不変領域に融合している(モノ融合)。このヘテロ融合には、軽もしくは重鎖不変領域のいずれか、または両者との融合が含まれる。このヘテロ融合体は、軽鎖融合体、重鎖融合体または両者をコードしているDNAで宿主細胞を形質転換することによって得られる。例えば、重鎖不変領域に融合させた1つのMSP鎖と軽鎖不変領域に融合させた他のMSP鎖をコードしているDNAでトランスフェクションすると、MSP鎖との軽および重鎖融合を有するヘテロ四量体またはヘテロ二量体が得られよう。これらは生物学的に活性である可能性がそれほど高くないので、モノ融合ほどには望ましくない。モノ融合体は1を越える融合鎖を含有することもできるが、この場合にはMSP鎖は常に同一のサブユニットに由来するであろうことに注意すべきである。
モノ融合体は免疫グロブリン変異体であり、MSPの1つの鎖が重または軽鎖(またはその不変ドメイン)に融合しているが、MSPの残りの鎖が免疫グロブリンに融合しておらず、代わりに、実質的に天然MSPの場合に普通であるような方法で融合鎖と会合している。通常、モノ融合体中の融合および非融合MSP鎖の両者は、膜アンカードメインが膜中に存在しないように修飾された変異体であり、最も普通には、1つのMSP鎖の膜アンカードメインが削除され、他方の膜アンカードメインが削除されて次いで残存する細胞外領域がそのN−末端で免疫グロブリン不変ドメインのC−末端に融合している。このMSP鎖またはそのフラグメントは軽鎖または重鎖のいずれかに融合しているが、重鎖に融合しているのが好ましい。MSPが1つの膜アンカードメインだけを含有しているときには、残りの鎖は通常その天然の配列を有しているであろう。
免疫グロブリンの抗原結合能力ならびにMSPリガンドに結合する能力を有するモノまたはポリ融合体を得るのが望ましいこともある。このような産物は、抗原と結合することができる軽および重鎖(または、それまでに軽鎖を産生するように選択される)を軽および/または重鎖MSP融合体および非融合MSP鎖(モノ融合体の場合)と共にコードしているDNAで宿主細胞を形質転換することによって調製される。これによって、例えば免疫グロブリンの一方または両方の軽−重アームがMSPの1つの鎖との融合からなり、次いでこれがMSPの残りの鎖と組立てられる(共有結合または非共有結合によって)ことを除いて免疫グロブリンの正常な構造を有する構築物が得られるであろう。
融合形質転換体がMSPサブユニットに融合していない免疫グロブリン鎖をも産生する(または、産生するように形質転換される)場合には、この免疫グロブリンの可変ドメインはある抗原に対して未知または既知の特異性を有していてよい。宿主細胞は構成的に未決定の抗体を調製することができないものであって、抗体を産生するときには既知の免疫グロブリンをコードしているDNAによる形質転換によってであるものが好ましい。このような免疫グロブリン(重鎖ならびに軽鎖の両方を含んでいてもよい)は、既知の抗原に対して特異性を示す。別法では、これらのコンパニオン免疫グロブリン鎖は、機能的な可変または超可変ドメインを欠いているであろう(マルチマーの組立ては可能であるが、抗原結合活性はないように)。例えば、無傷の重および軽鎖コンパニオン免疫グロブリンを発現しうる宿主細胞から分泌され、回収することができる生成MSP融合体は、抗原結合機能とMSP機能を保持しているであろう。このような産物はMSPリガンドと任意の所望の抗原との架橋を容易にするであろう。宿主細胞は、そのような多重形質転換において1を越える免疫グロブリン産物を調製し、従って、あるマルチマー形態を他の形態から回収することが必要となろう。しかし、これはMSPリガンド、抗原もしくはその両方に基づくアフィニティークロマトグラフィーによる、またはゲルもしくは他のクロマトグラフィー法による分離を必要とする通常の必要事項であろう。
免疫グロブリン鎖の代わりにトランスフェリン、アルブミン、アポリポタンパク質またはその他の配列を用いることを除き、延長された血漿半減期を有する他のタンパク質を同様の方法でMSPに融合する。通常はマルチマーに組立てられない1本鎖の血漿タンパク質にMSP鎖を融合するときにはモノ融合体が好ましい。
通常、MSPの細胞外ドメインの境界は膜アンカードメインのN−末端であるか、またはそれからN−末端約20残基内であり、MSP配列の精査によって容易に同定される。しかし、比較的小さなセグメントがリガンド結合に十分であることが普通に見い出されているので、全MSP細胞外ドメインを使用する必要はない。このようなセグメントは、削除突然変異体または酵素消化物を調製し、リガンド結合についてスクリーニングして活性フラグメントを同定することにより常法によって同定され、「MSP」なる用語の範囲内に含まれる。
通常、MSPの細胞外ドメインはそのC−末端で、免疫グロブリン不変領域または他の安定な血漿タンパク質のN−末端に融合される。融合が行われる正確な部位は必須ではなく、可溶性MSPの分泌または結合の性質を最適なものにするために、成熟N−末端の血漿タンパク質のC−末端または細胞外領域の内部またはそれに隣接する他の部位を選択することもできる。この最適部位は通常の実験によって決定されるであろう。
本発明に従って製造されるヘテロおよびキメラのMSP−免疫グロブリン変異体の例を以下に図式的に示す。「A」はリガンド結合部位を含むMSPの細胞外ドメインの少なくとも一部を意味し;A1、A2、A3などはAの個々のサブユニット鎖を示し;VL、VH、CLおよびCHは免疫グロブリンの軽鎖または重鎖の可変または不変ドメインを示し、nは整数であり;そして、Yは共有結合架橋部分を示す。
(a)ACL;
(b)ACL−ACL;
(c)ACH−[ACH,ACL−ACH,ACL−VHCH,VLCL−ACH,またはVLCL−VHCH];
(d)ACL−ACH−[ACH,ACL−ACH,ACL−VHCH,VLCL−ACH,またはVLCL−VHCH];
(e)ACL−VHCH−[ACH,ACL−ACH,ACL−VHCH,VLCL−ACH,またはVLCL−VHCH];
(f)VLCL−ACH−[ACH,ACL−ACH,ACL−VHCH,VLCL−ACH,またはVLCL−VHCH];または
(g)[A−Y]n−[VLCL−VHCH
この表に示した構造は重要な特徴のみを示すものであり、これらはジスルフィド結合を示していない。これらは簡潔にするために削除した。しかし、そのようなドメインが結合活性に必要であるところでは、免疫グロブリンドメイン中でそれらが占める通常の位置にそれらは存在しているものとする。これらの例としては2価の抗体が代表的である。さらに複雑な構造が他のクラス(例えば、IgM)に由来する免疫グロブリン重鎖配列を使用することから生じる。コンパニオン免疫グロブリンとも呼ばれる免疫グロブリンVLVH抗体結合部位は予め決めた抗原に結合しうるものであるのが好ましい。
免疫グロブリン構築物の例を以下に図式的に示す。垂直の線は非共有または共有結合の関係を示している。
Figure 0003608572
Figure 0003608572
好都合なコンパニオン免疫グロブリン結合部位および融合相手はヒトIgG−1、−2、−3もしくは−4サブタイプ、IgA、IgE、IgDまたはIgMから得られるが、好ましいのはIgG−1である。可溶型のIgM、またはIgMの膜アンカードメインを修飾してもはや膜にとどまることができないようにしたものを用いるのが好ましい。
好ましい態様は、IgG Fcを科学的に規定するパパイン切断部位[重鎖不変領域の最初の残基を114として残基216(Kabatら,"Sequences of Proteins of Immunological Interest",第4版,1987年)、または他の免疫グロブリンの類似の部位]のすぐ上流のヒンジ領域において始まる配列とMSPのN−末端部分の融合体である。
免疫グロブリンまたは他の血漿安定性ポリペプチドを1またはそれ以上のMSPサブユニットのC−末端に、通常はMSP鎖の少なくとも1つのトランスメンブランおよび細胞質ドメインの代わりに融合されるが、1つのサブユニットだけを置換するのが普通である。GP II b−III aの場合には、これはβサブユニットであろう。また、重鎖などの免疫グロブリンドメインを、末端切除または無傷の免疫グロブリン重鎖と普通の方法で結合させることができる。
免疫グロブリン鎖の可変領域の代わりにMSPの細胞外ドメインが置換されている変異体は、改善されたインビボの血漿半減期を示すものと考えられる。これらのキメラは、ある種の抗体由来の可変ドメインを別の種の可変ドメインの代わりに置換するキメラ抗体と同様の方法で構築する。例えば、EP 0 125 023;Munro[Nature 312(1984年12月13日)];Neubergerら[Nature 312(1984年12月13日)];Sharonら[Nature 309(1984年5月24日)];Morrisonら[Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:6851−6855(1984)];Morrisonら[Science 229:1202−1207(1985)];および、Boulianneら[Nature 312:643−646(1984年12月13日)]を参照。MSPの細胞外ドメインをコードしているDNAを、制限酵素により、このドメインをコードしているDNAの3'末端もしくはその近接点で、および成熟MSPポリペプチドのN−末端をコードしているDNAのところもしくはその近接点(異なるリーダーの使用が意図されているとき)で、またはMSPのN−末端暗号領域のところもしくはその近接点(天然のMSPシグナルを使用するとき)で切断する。次いで、このDNAフラグメントを、例えば免疫グロブリンの軽鎖または重鎖不変領域をコードしているDNA中に挿入し、そして必要なら削除突然変異誘発によって加工するのは容易である。好ましくは、これはヒト免疫グロブリンである。免疫グロブリンの軽鎖または重鎖不変領域をコードしているDNAは既知であるか、またはcDNAライブラリーから入手するのが容易であるか、または合成される。例えば、Adamsら[Biochemistry 19:2711−2719(1980)];Goughら[Biochemistry 19:2702−2710(1980)];Dolbyら[P.N.A.S.USA 77:6027−6031(1980)];Riceら[P.N.A.S.USA 79:7862−7865(1982)];Falknerら[Nature 298:286−288(1982)];および、Morrisonら[Ann.Rev.Immunol. :239−256(1984)]を参照。
キメラ鎖をコードしているDNAを発現用の宿主細胞中にトランスフェクションする。宿主細胞がトランスフェクション前に免疫グロブリンを産生しているときには、ヘテロ抗体を産生させるためには軽鎖または重鎖に融合させたMSPでトランスフェクションすることが必要になるだけである。MSPドメインを保持する1またはそれ以上のアームおよびコンパニオン可変領域を保持する1またはそれ以上のアームを有する前記の免疫グロブリンにより、MSPリガンドおよび抗原に対する2つの特異性が得られることになる。これらは上記の組換え法によって、またはインビトロの方法によって得られる。後者の場合には、例えば自体既知の方法に従い、免疫グロブリンおよびMSP融合体のF(ab')フラグメントを調製し、このF(ab')フラグメントを穏やかな還元条件のもとでの還元によってFab'フラグメントに変換し、次いで酸性条件のもと互いの存在下で再酸化する[米国特許4,444,878をも参照]。
さらに、異なる特異性を有する免疫グロブリンから無傷のヘテロ抗体を製造する方法が知られている。これまでに使用されていたいずれかの免疫グロブリンの代わりにMSP融合体を単に置換することによって、これらの方法をヘテロキメラ抗体のインビトロ製造用に採用する。
また、ヘテロ機能性の抗体を製造する別の方法においては、MSP−免疫グロブリン融合体を産生する宿主細胞(例えば、トランスフェクションされたミエローマ)を、ある抗原に対する所望のコンパニオン特異性を有する抗体を分泌するハイブリドーマまたはB細胞と融合させる。ヘテロ二機能性抗体がこのようなハイブリドーマの培養培地から回収され、従って通常のインビトロ法によるよりも若干好都合に製造することができる(EP 68,763)。
別の群のMSP変異体は削除変異体である。削除は、MSP配列から1またはそれ以上のアミノ酸残基を除去することを特徴とする。通常、全MSPサブユニットの膜アンカーおよび細胞質ドメインが削除される。しかし、MSPのマトリックスタンパク質またはリガンド結合能力を保存しているトランスメンブランのN−末端側の他のあらゆる部位が適している。削除変異体の範囲から除外されるのは、これまでMSPのアミノ酸配列を解明する過程で得られることもあったタンパク質消化フラグメントである。
置換変異体は、MSP配列中の少なくとも1つの残基が除去され、その位置に別の残基が挿入されているものである。通常MSPの性質を微妙に調節する結果になる置換を以下の表1に示す。
Figure 0003608572
表1の置換より保存性が少ない置換を選択することによって、即ち、(a)置換領域におけるポリペプチド骨格の構造、例えばシートまたは螺旋の立体配座、(b)標的部位における分子の電荷または疎水性、または(c)側鎖の大きさ、を維持するその作用がもっと有意に異なっている残基を選択することによって、機能または免疫学的な独自性の実質的な変換が行われる。通常、MSPの性質に最大の変化をもたらすと予想される置換は、(a)親水性の残基(例えば、セリルまたはトレオニル)が、疎水性の残基(例えば、ロイシル、イソロイシル、フェニルアラニル、バリルまたはアラニル)に代えて(または、によって)置換されているもの;(b)システイニルまたはプロリルが他のいずれかの残基に代えて(または、によって)置換されているもの;(c)電気陽性の側鎖を有する残基(例えば、リジル、アルギニルまたはヒスチジル)が、電気陰性の残基(例えば、グルタミルまたはアスパルチル)に代えて(または、によって)置換されているもの;または(d)大きな側鎖を有する残基(例えば、フェニルアラニル)が、側鎖を有さない残基(例えば、グリシル)に代えて(または、によって)置換されているものであろう。
好ましい群の置換または削除変異体は、MSPの膜アンカー領域が関係している変異体である。MSPサブユニットのトランスメンブラン領域は、細胞膜の脂質2重層をまたぐに適切な大きさの疎水性または親油性の高いドメインである。これらはMSPを細胞膜に固定するものと考えられている。他の細胞表面分子が、リン脂質アンカーによるように、脂質の修飾によって固定される。
膜アンカードメインの削除または置換は、MSPの細胞または膜脂質親和性を減少させ、その水溶性を改善することによって、可溶型のMSPを与え、その回収を容易にするであろう。膜アンカードメインが削除されるときには、身体によって外来と認識されるであろう他の点では細胞内であるポリペプチドの暴露または免疫原の可能性がある異種ポリペプチドの挿入のいずれかによる、免疫原の可能性があるエピトープの導入を避ける。膜アンカードメインが削除されたMSPの主な利点は、それが組換え宿主の培養培地中に分泌されることである。この変異体は血液などの体液に可溶性であり、細胞膜脂質に対して検出しうるほどの親和性を有さず、従ってこれを組換え細胞培養物から回収するのをかなり簡単なものにする。驚くべきことに、もはや細胞膜中に安定に挿入することができないように膜挿入鎖が修飾されたMSPは、このMSP鎖が免疫グロブリンなどのマルチマー形成配列に融合されていないときであっても、適切に会合し、組換え宿主細胞から分泌されうる。マルチマー形成配列は、天然において非融合形態にあるときに共有または非共有結合の複数鎖構造を形成する複数鎖ポリペプチドの部分を含有する複数鎖のポリペプチドである。
置換、削除、挿入またはこれらの任意の組合せを導入して最終的な構築物に至ることは上記の説明によって十分に明らかであろう。これら変異体はいずれも機能的な膜アンカードメインを有しておらず、また好ましくは機能的な細胞質配列を有していないであろう。通常、これは関連ドメインの削除によって達成されるが、適切な挿入または置換変異体もこの目的に有効である。例えば、トランスメンブランドメインを、全体として親水性のハイドロパシープロフィールを示す約5〜50のセリン、トレオニン、リジン、アルギニン、グルタミン、アスパラギン酸などの親水性残基からなるランダムな配列または予め決めた配列などの任意のアミノ酸配列によって置換する。削除された(末端切除された)MSPと同様、これらの変異体は組換え宿主の培養培地に分泌される。
MSP変異体はMSPをコードしているDNA中のヌクレオチドの部位特異的な突然変異誘発によって製造するのが好都合である。これによって変異体をコードしているDNAを得、次いで組換え細胞培養でこのDNAを発現させる。明らかに、変異MSPをコードしているDNA中の変化はこの配列を読み枠の外側に置くものであってはならず、また好ましくは、発現に有害な2次的なmRNA構造を生じることもある相捕領域を創製しないものであろう(EP 75,444A)。通常、MSP変異体は天然の原型が示す活性と同じマトリックスまたはリガンド結合活性を示すが、上に示したようなMSPの性質を修飾するためにも変異体を選択する。
アミノ酸配列変異を導入する部位は予め決めるが、突然変異自体は予め決める必要がない。例えば、ある部位での突然変異の効果を最大にするため、ランダムまたは飽和突然変異誘発(ここでは、可能性ある20残基のすべてが挿入される)を標的コドンまたは領域で行い、発現したMSP変異体を目的活性の最適組合せについてスクリーニングしてよい。
マトリックスタンパク質またはリガンドに結合することができないMSP変異体はそれでも、少なくとも1つのMSPエピトープが活性のままである限り、MSPに対する抗体を生成させるための免疫原として、または免疫検定キットの成分(ラベルして天然MSPの競争試薬として、または未ラベルでMSP検定の標準として)として有用である。
1またはそれ以上のMSPサブユニットが非タンパク性ポリマーとコンジュゲートしているMSPまたはMSPのアミノ酸配列もしくはグリコシル化変異体(上に記述した変異体を含む)が本発明に意図されている。MSPとコンジュゲートする非タンパク性ポリマーには天然または出発のMSP中の同一位置に存在するオリゴサッカリドが含まれないことは理解されよう。即ち、このポリマーはMSPに対して外性または異種のものである。
炭水化物置換基の位置を変えるか、またはその数を増加させるために、MSPポリペプチドの部位指向性の突然変異誘発によってグリコシル化部位を移動、追加または削除することは本発明の範囲内に含まれる。選択した炭水化物を添加する(または、全くグリコシル化しない)宿主細胞を選択することによって、またはインビトロの酵素消化によって、常法により炭水化物の性質を修飾する。
通常、非タンパク性のポリマーは親水性の合成ポリマー、即ち他の方法では天然に見い出されないポリマーである。しかし、天然に存在するポリマーであって組換えもしくは種々の方法により製造されるポリマーが、天然から単離されるポリマーと同様に有用である。親水性のポリビニルポリマー、例えばポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドンが本発明の範囲内にある。特に有用なポリマーは、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンエステルもしくはメトキシポリエチレングリコールなどのポリアルキレンエーテル;ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、およびポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンのブロックコポリマー(プルロニック)などのポリオキシアルキレン;ポリメタクリレート;カルボマー;サッカリド単量体であるD−マンノース、DおよびL−ガラクトース、フコース、フルクトース、D−キシロース、L−アラビノース、D−グルクロン酸、シアル酸、D−ガラクツロン酸、D−マンヌロン酸(即ち、ポリマンヌロン酸またはアルギン酸)、D−グルコサミン、D−ガラクトサミン、D−グルコースおよびノイラミン酸からなる分岐型もしくは非分岐型のポリサッカリド[ラクトース、アミロペクチン、スターチ、ヒドロキシエチルスターチ、アミロース、硫酸デキストラン、デキストラン、デキストリン、グリコーゲン、もしくは酸性ムコポリサッカリド(例えば、ヒアルロン酸)のポリサッカリドサブユニットなどのホモポリサッカリドおよびヘテロポリサッカリドを含む];ポリソルビトールおよびポリマンニトールなどの糖アルコールのポリマー;および、ヘパリンである。ポリサッカリドに、天然のグリコシル化もしくはMSPの組換え発現に付随するグリコシル化がなされている場合には、通常の置換部位はMSPのNまたはO結合グリコシル化部位以外の位置にあるか、またはこのMSP変異体は追加もしくは置換のNまたはO結合部位が分子中に導入されているアミノ酸配列変異体である。
このようなポリマーの混合物を用いるか、またはこのポリマーは均質なものであってもよい。架橋前のポリマーは水溶性である必要はないが(水溶性であるのが好ましい)、最終コンジュゲートは血液などの生物学的液体に可溶性でなくてはならない。さらに、治療用にはこのポリマーはMSPに結合したときに高い免疫原性を有していてはならず、静脈内注入もしくは注射による投与が意図されているときにはそれに適合しない粘度を有していてはならない。
このポリマーはMSPと反応する基を1つだけ含んでいるのが好ましい。これがMSP分子の架橋を避けるための助けとなる。しかし、反応条件を最適なものにして架橋を減少させるか、または反応生成物をゲル濾過もしくはクロマトグラフィー・シーブによって精製して実質的に均質な誘導体を回収することが本発明の範囲内に含まれる。
ポリマーの分子量は約100から500,000の範囲であり、好ましくは約1,000から20,000の範囲である。選択される分子量はポリマーの性質および置換の程度に依存するであろう。一般に、ポリマーの親水性が高くなり置換の度合が大きくなるほど、使用可能な分子量は小さくなる。最良の分子量は通常の実験により決定されるであろう。通常、MSP−ポリマーコンジュゲートの分子量は約70,000を越えるものであろうが、より低分子量の分子が適当である。
通常、ポリマーは、ポリマーおよびMSPの1もしくはそれ以上のアミノ酸もしくは糖残基と反応する多官能性架橋剤によりMSPに共有結合させる。しかし、誘導体化したポリマーをMSPと反応させるか、もしくはその逆によりポリマーをMSPに直接架橋させることも本発明の範囲内にある。
適切なMSPの共有結合架橋部位はN−末端アミノ基およびリジン残基上にあるε−アミノ基であるが、他のアミノ、イミノ、カルボキシル、スルヒドリル、ヒドロキシルまたは他の親水性の最も有用な置換部位として作用する。多官能性(通常は2官能性)の架橋剤を用いずに、ポリマーをMSPに直接共有結合させることもできる。このような架橋剤の例には、1,1−ビス(ジアゾアセチル)−2−フェニルエタン、グルタルアルデヒド、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、例えば4−アジドサリチル酸とのエステル、3,3'−ジチオビス(スクシンイミジル−プロピオネート)などのジスクシンイミジルエステルを含むホモ2官能性イミドエステルおよびビス−N−マレイミド−1,8−オクタンなどの2官能性マレイミドが含まれる。メチル−3−[(p−アジド−フェニル)ジチオ]プロピオイミデートなどの誘導化剤は、光の存在下で架橋を生成させることができる光活性化が可能な中間体を与える。別法では、米国特許第3,959,080号;3,969,287号;3,691,016号;4,195,128号;4,247,642号;4,229,537号;4,055,635号および4,330,440号に開示されている臭化シアンにより活性化された炭水化物などの反応性の水溶性マトリックスおよび系を、ポリマーおよびMSPの架橋用に適切に修飾する。MSPアミノ基に対する共有結合は、塩化シアヌリン、カルボニルジイミダゾール、アルデヒド反応性基(PEGアルコキシド+ブロモアセトアルデヒドのジエチルアセタール;PEG+DMSOおよび無水酢酸、または塩化PEG+4−ヒドロキシベンズアルデヒドのフェノキシド、スクシンイミジル活性エステル、活性化ジチオカルボネートPEG、2,4,5−トリクロロフェニルクロロホルメートまたはp−ニトロフェニルクロロホルメート活性化PEGに基づく既知の化学により行われる。カルボキシル基はカルボジイミドを用いるPEG−アミンの結合により誘導化される。
オリゴサッカリドをビチオンもしくはアビジンでラベルする目的でHeitzmannら[P.N.A.S. 71:3537−3541(1974)]またはBayerら[Methods in Enzymology 6 2:310(1979)]が開示した方法と同じ方法で、化学酸化(例えば、メタペリオデート)または酵素酸化(例えば、グルコースオキシダーゼもしくはガラクトースオキシダーゼ)によって炭水化物のアルデヒド誘導体を得、続いてヒドラジドもしくはアミノ誘導化ポリマーと反応させることによってオリゴサッカリド置換基にポリマーをコンジュゲートさせる。さらに、オリゴサッカリドおよびポリマーを結合させるためにこれまで用いられていた他の化学法もしくは酵素法も適しているであろう。置換されたオリゴサッカリドが特に有利であるが、これは、誘導体化のためにはアミノ酸部位より少ない炭水化物置換基しか存在しないのでコンジュゲートの安定性、活性および均質性が改善されるためである。最後に、ポリマーの誘導体化の前に、または最終産物として、MSPオリゴサッカリド置換基を酵素によって、例えばノイラミニダーゼ消化によって修飾して糖を除去する。
このポリマーは、MSPのアミノ酸側鎖またはNもしくはC末端と直接反応する基、または多官能性架橋剤と反応する基を有するであろう。一般に、このような反応性基を有するポリマーは、固定化タンパク質の調製用に知られている。このような化学を本発明で使用するためには、これまでタンパク質の固定化に用いられていた不溶性のポリマーと同じ方法で誘導体化した水溶性のポリマーを用いるべきである。臭化シアンによる活性化は、MSPにポリサッカリドを架橋させるのに用いる特に有用な方法である。
出発ポリマーについて用いる「水溶性」なる用語は、コンジュゲート反応に用いられるポリマーまたはその反応性中間体が、MSPとの誘導体化反応に関与するに十分な水溶性を有することを意味する。
MSPの置換の程度は、タンパク質上の反応性部位の数、使用されるMSPが無傷かまたは先端切除されているか、MSPがMSPに対して異種のタンパク質との融合物であるか否か、分子量、ポリマーの親水性およびその他の性質、および選択した特定の部位に依存して変化するであろう。通常、コンジュゲートのMSP部分は約1〜10ポリマー分子で置換されるが、MSP部分の活性に有意な悪影響を与えない限り、MSPに融合される任意の異種配列は本質的に限定されない数のポリマー分子で置換することができる。最適の架橋度は、時間、温度および他の反応条件を変えて置換の程度を変化させ、次いでマトリックスタンパク質またはリガンドに結合するコンジュゲートの能力を測定する実験マトリックスにより容易に決定される。
PEGなどの非タンパク性のポリマーでタンパク質を共有結合修飾するための自体既知の多種多様の方法により、ポリマー、例えばPEGをMSPに架橋させる。しかし、これらの方法の一部は本発明の目的にとって好ましくない。塩化シアヌリンの化学(法)はタンパク質の架橋を含む多くの副反応をもたらす。さらに、スルヒドリル基を含むタンパク質の不活性化を招く可能性が特に挙げられよう。カルボニルジイミダゾールの化学[Beauchampら,Anal.Biochem. 131:25−33(1983)]は高いpH(>8.5)を必要とし、これはタンパク質を不活性化しうる。さらに、「活性化PEG」中間体は水と反応しうるので、タンパク質に対して大過剰モルの「活性化PEG」が必要となる。通常、アルデヒドの化学(Royer,米国特許第4,002,531号)は、40倍モル過剰のPEGと1〜2時間のインキュベートのみを必要とするので好ましい。しかし、PEGアルデヒドの製造用にRoyerにより示された二酸化マンガンは、「金属ベースの酸化剤とでコンプレックスを形成するPEGの傾向が明らかであるため」[Harrisら,J.Polym.Sci.,Polym.Chem.Ed. 22:341−352(1984)]問題がある。DMSOおよび無水酢酸を用いるMoffatt酸化を用いることにより、この問題が回避される。さらに、Royerにより示された水素化ホウ素ナトリウムは高いpHで用いなければならず、ジスルフィド結合を減少させる著しい傾向がある。これに対して、ナトリウム・シアノボロヒドリドは中性pHで有効であり、ジスルフィド結合を減少させる傾向はほとんどない。
通常、本発明のMSPコンジュゲートはゲル濾過によって未反応の出発物質から分離する。最も簡便には、MSPコンジュゲートをアルキルセファロースなどの疎水性相互作用クロマトグラフィー媒体から、減少性の塩勾配液により溶離する。この方法は、上述のゲル濾過法と同様、置換度に基づいてコンジュゲートを分離する。
MSPをコードしているDNAは既知の方法によって、ほとんどの場合、MSPをコードしているDNAを記載している刊行物を参照することによって得られる。通常は、原核生物をMSP変異体のDNA配列をクローニングするために用いる。例えば、M13ファージを増殖させるための大腸菌(E.coli)JM101の耐性株[Messingら,Nucl.Acids Re s. (2):309−321(1981)]および大腸菌K12株294(ATCC No.31446)が特に有用である。使用可能な他の微生物株には大腸菌BまたはUM101が含まれる。これらの例は限定のためのものではなく例示のためのものである。また、核酸は周知の種々のインビトロ増幅法を用いてクローニングする。
変異MSPをコードしているDNAを、発現のため、意図している宿主細胞に適合する種から導いたプロモーターおよびコントロール配列を含有するベクター中に挿入する。通常、このベクターは、複製部位ならびに1またはそれ以上のマーカー配列(形質転換細胞における表現型選択を与えることができる)を担持している(必ずしも必要ではない)。例えば、大腸菌は大腸菌種から導かれたプラスミドであるpBR322の誘導体を用いて形質転換されるのが普通である[Bolivarら,Gene :95(1977)]。pBR322はアンピシリンおよびテトラサイクリン耐性のための遺伝子を含んでおり、従って形質転換された細胞を同定するための簡単な手段を与える。このpBR322プラスミドまたは他の微生物プラスミドは、組換えDNAの構築に普通に用いられるプロモーターおよびその他のコントロール要素を含んでいるか、または含むように修飾されなければならない。
原核宿主で用いるのに適したプロモーターを例示すると、β−ラクタマーゼおよびラクトースプロモーター系[Changら,Nature 275:615(1978)およびGoeddelら,Nature 281:544(1979)]、アルカリホスファターゼ、トリプトファン(trp)プロモーター系[Goeddel,Nucleic Acids Res. :4057(1980)およびEPO出願公開No.36,776]、およびtacプロモーターなどのハイブリッドプロモーター[H.de Boarら,Proc.Nat'l.Acad.S ci.USA 80:21−25(1983)]が含まれる。しかし、その他の機能的な細菌性プロモーターも適している。これらのヌクレオチド配列は広く知られており、従って当業者はこれらを、任意の必要な制限部位を供給するためのリンカーまたはアダプターを用いて、MSPをコードしているDNAに機能的に連結することができる[Siebenlistら,Cell 20:269(1980)]。また、細菌性の系で用いるためのプロモーターは、抗原をコードしているDNAに機能的に結合させたシャイン−ダルガルノ(SD)配列を含有していよう。
原核生物に加えて酵母培養物などの真核微生物がクローニングまたは発現宿主として有用である。Saccharomyces cerevisiaeまたは通常のパン酵母が最も普通に用いられる真核微生物であるが、他の多数の菌株も普通に用いることができる。Saccharomyces中で発現させるためには、通常、例えばプラスミドYRp7[Stinchcombら,Na ture 282,39(1979);Kingsmanら,Gene :141(1979);Tschemperら,Gene 10:157(1980)]が用いられる。このプラスミドは、トリプトファン中で増殖する能力を欠く酵母の突然変異株、例えばATCC No.44,076またはPEP4−1[Jones,Genetics 85:12(1977)]のための選択マーカーを与えるtrp1遺伝子を既に含有している。次いで、酵母宿主細胞ゲノムの性質としてtrp1欠損が存在すると、トリプトファンの非存在下での増殖によって有効な選択手段が得られる。
酵母宿主で用いるのに適した促進配列には、3−ホスホグリセレートキナーゼのためのプロモーター[Hitzemanら,J.Biol.Chem. 255:2073(1980)]、またはその他のグルコース分解酵素、例えばエノラーゼ、グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ、ヘキソキナーゼ、ピルベートデカルボキシラーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、グルコース−6−ホスフェートイソメラーゼ、3−ホスホグリセレートムターゼ、ピルベートキナーゼ、トリオセホスフェートイソメラーゼ、ホスホグルコースイソメラーゼ、およびグルコキナーゼなどのプロモーター[Hessら,J.Adv.Enzyme Reg. :149(1968)およびHolland,Biochemistry 17:4900(1978)]が含まれる。
増殖条件によってコントロールされる転写の別の利点を有している誘導性プロモーターであるその他の酵母プロモーターは、アルコールデヒドロゲナーゼ2、イソチトクロムC、酸性ホスファターゼ、窒素代謝に関与する分解酵素、メタロチオネイン、グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ、ならびにマルトースおよびガラクトース利用に関与する酵素群のプロモーター領域である。酵母発現において用いるのに適したベクターおよびプロモーターはR.Hitzemanら(欧州特許公開No.73,657A)がさらに開示している。また、酵母エンハンサーを酵母プロモーターと共に用いるのが有利である。
哺乳動物宿主細胞中のベクターからの転写をコントロールするためのプロモーターは、種々の供給源、例えばポリオーマ、サルウイルス40(SV40)、アデノウイルス、レトロウイルス、B型肝炎ウイルスおよび最も好ましくはサイトメガロウイルスなどのウイルスのゲノムから、または、例えばβ−アクチンプロモーターなどのヘテロローガスな哺乳動物プロモーターから得ることができる。SV40ウイルスの初期および後期プロモーターは、SV40のウイルス性複製起点をも含有するSV40制限フラグメントとして好都合に得られる[Fiersら,Nature27 3:113(1978)]。ヒトサイトメガロウイルスの即時型プロモーターはHind III E制限フラグメントとして好都合に得られる[Greenaway,P.J.ら,Gene18:355−360(1982)]。また、宿主細胞またはその関連種由来のプロモーターが有用であるのは勿論である。
高等真核生物中でのDNAの転写は、ベクター中にエンハンサー配列を挿入することによって増大する。エンハンサーは、通常約10〜300bpのシス作用性のDNA要素であり、プロモーターの転写開始能力を増強するように作用する。エンハンサーは、その配向および位置には比較的依存せず、転写単位の5'[Laimins,L.ら,Proc.Natl.Ac ad.Sci. 78:993(1981)]および3'[Lusky,M.L.ら,M ol.Cell Bio. :1108(1983)]に、イントロン内[Banerji,J.L.ら,Cell 33:729(1983)]に、ならびに暗号配列それ自体内[Osborne,T.F.ら,Mol.Cell Bio. :1293(1984)]に見い出されている。現在では多数のエンハンサー配列が哺乳動物遺伝子(グロビン、エラスターゼ、アルブミン、α−フェトプロテインおよびインスリン)から既知となっている。しかし、真核細胞ウイルス由来のエンハンサーを用いるのが普通である。その例には、SV40の複製起点の後期側のエンハンサー(bp100〜270)、サイトメガロウイルスの初期プロモーターエンハンサー、ポリオーマの複製起点の後期側のエンハンサー、およびアデノウイルスのエンハンサーが含まれる。
また、真核宿主細胞(酵母、菌類、昆虫、植物、動物、ヒト、または有核細胞)で用いる発現ベクターは、mRNAの発現に影響を及ぼす転写の終止に必要な配列をも含んでいるであろう。これらの領域は、MSPをコードしているmRNAの非翻訳化部分中のポリアデニル化されたセグメントとして転写される。
通常、発現ベクター系は選択遺伝子(選択マーカーとも呼ばれる)を含んでいる。哺乳動物細胞に適した選択マーカーの例は、ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)、チミジンキナーゼまたはネオマイシンである。このような選択マーカーが哺乳動物宿主細胞中に成功裏に移転されると、この形質転換された哺乳動物宿主細胞は選択圧のもとに置かれたときに生存することができる。選択法には広く用いられている2つの別個のカテゴリーが存在する。第1のカテゴリーは、追加培地とは無関係に増殖する能力を欠く突然変異セルラインの使用と細胞の代謝に基づいている。例を2つ挙げると、CHO DHFR-細胞およびマウスLTK-細胞である。これらの細胞は、チミジンまたはヒポキサンチンなどの栄養素の追加なしでは増殖する能力を欠いている。これらの細胞は完全なヌクレオチド合成経路に必要なある種の遺伝子を欠いているので、この欠失したヌクレオチドが追加培地に供給されなければ生存することができない。培地に追加を行うことの代替は、無傷のDHFRまたはTK遺伝子をそれぞれの遺伝子を欠く細胞中に導入してそれらの増殖要件を変えることである。DHFRまたはTK遺伝子で形質転換されなかった個々の細胞は、未追加の培地では生存することができないであろう。
第2のカテゴリーは優性選択であり、あらゆる細胞種において用いられる選択法であり、突然変異セルラインの使用を必要としない。通常、この方法は宿主細胞の増殖を抑制する薬物を用いる。新規な遺伝子を保持するこれら細胞は薬物耐性を与えるタンパク質を発現し、選択に耐えるであろう。このような優性選択の例は、薬物ネオマイシン[Southern,P.およびBerg,P.,J.Molec.Appl. Genet. :327(1982)]、ミコフェノール酸[Mulligan,R.C.およびBerg,P.,Science 209:1422(1980)]、またはハイグロマイシン[Sugden,B.ら,Mol.Cell.Bio l. :410−413(1985)]の使用である。ここに挙げた3つの例は、真核性のコントロール下に細菌性遺伝子を用いて、それぞれ適当な薬物G418もしくはネオマイシン(ジェネチシン)、xgpt(ミコフェノール酸)、またはハイグロマイシンに対する耐性を与えるものである。
「増幅」とは、細胞の染色体DNA中の隔離された領域の増加または複製を意味する。選択試薬、例えばDHFRによって不活性化されるメトトレキセート(MTX)を用いて増幅を行う。増幅すなわちDHFR遺伝子の連続コピーの生成によって、MTX量の増加につれて生成するDHFR量が増加する結果になる。内生のDHFRの存在にかかわらず、さらに多量のMTXを培地に加えることによって増幅圧をかける。同時組込みが可能なDHFRまたは増幅遺伝子と所望のタンパク質をコードしているDNAを保持するプラスミドで哺乳動物宿主細胞を同時トランスフェクションすることによって、所望の遺伝子の増幅を達成することができる。さらに増加させたMTX濃度のもとで増殖することができる細胞だけを選択することによって、細胞がさらに多量のDHFRを要求することを確実なものにする(この要求は選択遺伝子の複製によって満たされる)。所望の異種タンパク質をコードしている遺伝子が選択遺伝子と同時組込みされる限り、この遺伝子の複製によって所望のタンパク質をコードしている遺伝子の複製が得られる。この結果、コピー数が増加した所望の異種タンパク質をコードしている遺伝子(即ち、増幅された遺伝子)は、さらに多量の所望の異種タンパク質を発現することになる。
本発明のMSP変異体を発現させるのに好ましい宿主細胞は哺乳動物宿主−ベクター系であり、適当な宿主の例には次のものが含まれる:SV40で形質転換されたサル腎CV1ライン[COS−7、ATCC CRL 1651];ヒト胚腎ライン[293、Graham,F.L.ら,J.Gen Virol. 36:59(1977)および293S細胞;この両方が等しく満足する];新生ハムスター腎細胞[BHK、ATCC CCL 10];チャイニーズ・ハムスター卵巣細胞−DHFR[CHO、UrlaubおよびChasin,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:4216(1980)];マウスセルトーリ細胞[TM4、Mather,J.P.,Biol.Reprod. 23:243−251(1980)];サル腎細胞[CV1、ATCC CCL 70];アフリカミドリザル腎細胞[VERO−76、ATCC CRL−1587];ヒト子宮頸癌細胞[HELA、ATCC CCL 2];イヌ腎細胞[MDCK、ATCC CCL 34];バッファロラット肝細胞[BRL 3A、ATCC CRL 1442];ヒト肺細胞[W138、ATCC CCL 75];ヒト肝細胞[Hep G2、HB 8065];マウス乳腫瘍[MMT 060562、ATCC CCL51細胞];およびTRI細胞[Mather,J.P.ら,Annals N.Y.Acad.Sci. 383:44−68(1982)]。
「形質転換」とは、染色体外要素として、または染色体組込みのいずれかによって、複製可能なように生物中にDNAを導入することを意味する。宿主細胞の形質転換に適した方法の1つは、Graham,F.およびvan der Eb,A.[Virology 52:456−457(1978)]の方法である。しかし、細胞中にDNAを導入するための他の方法、例えば核注射による方法またはプロトプラスト融合による方法なども用いることができる。原核細胞または強固な細胞壁を有する細胞を宿主として用いるときには、好ましいトランスフェクション法はCohen,F.N.ら[Proc.Natl.Ac ad.Sci.(USA)69:2110(1972)]が開示している塩化カルシウム使用のカルシウム処理法である。
所望の暗号配列およびコントロール配列を含有する適切なベクターの構築には通常操作の連結法を用いる。単離したプラスミドまたはDNAフラグメントを切断し、加工し、そして目的の形に再連結して必要なプラスミドを得る。本明細書に記載した構築に適切な方法は周知である。例えば、Maniatis,T.ら[Molecular Cloning,133−134 Cold Spring Harbor(1982)];"Current Protocols in Molecular Biology"[Ausubelら編,Greene Publishing Associates & Wiley−Interscience版(1987)]を参照。
通常、あるMSP(またはトランスメンブラン修飾した変異体)のそれぞれのサブユニットをコードしているDNAを宿主細胞に同時にトランスフェクションするが、このようなトランスフェクションを連続して行うこともできる。異種のヘテロ二量体を調製するためにあるサブユニットを別のMSPの類似サブユニットと交換したMSP変異体は、例えば、GP II b−III aのαサブユニットの代わりにフィブロネクチンのαサブユニットを交換するか(αサブユニット交換)、またはGP II b−III aのβサブユニットの代わりにフィブロネクチンのβサブユニットを交換し(βサブユニット交換)、組換え宿主(通常は哺乳動物細胞)をそれぞれの異種サブユニットで同時形質転換することによって得られる。
Messingら[Nucleic Acids Res. :309(1981)]の方法またはMaxamら[Methods in Enzymology 65:499(1980)]の方法により、大腸菌K12株294(ATCC 31446)を連結混合物で形質転換し、適当なところで成功裏の形質転換体をアンピシリンまたはテトラサイクリン耐性で選択し、形質転換体からプラスミドを調製し、次いで制限酵素消化による分析および/または配列決定によって正しいプラスミド配列を確認する。
宿主細胞を本発明の発現ベクターで形質転換する。次いで、これを、例えばプロモーターを誘導、形質転換体を選択、または遺伝子を増幅するための物質を含有する適当な培養培地で培養する。温度、pHなどの培養条件は発現用に選択した宿主細胞でこれまで用いられていた条件であり、当業者には明らかであろう。GP II b−III aの発現のためには、分泌型のGP II b−III aおよび他のカルシウム依存性MSPの安定性を高めるために2価のカチオンが必要とされるので、カルシウムおよびマグネシウム塩を培養培地に含ませるのが好ましい。
分泌されたMSP変異体を、培養上清または組換え宿主のリゼイトから回収および精製する。通常は、上清を限外濾過によって濃縮し、リガンド(例えば、RGD)またはマトリックスタンパク質アフィニティーまたは免疫アフィニティー樹脂に接触させてMSP変異体を吸着させ、そして吸着体から溶出させる。所望により、MSPをHPLC、レクチンカラム、ゲル排除、疎水相互作用またはイオン交換クロマトグラフィーによって精製する。
この精製したMSPを通常の薬理学的に許容しうる担体中に配合する。
本発明の可溶性のMSP変異体は、治療、診断および製造法において有用である。診断においては、可溶性のMSPを標準または対照として膜抽出物の代わりに用いるか、またはMSPもしくはその抗体の競争型の放射免疫検定もしくは放射受容体検定で用いるための放射性同位体もしくは他の検出可能な基でラベルする。
可溶性のMSPを本発明書中に記載した方法によって不溶性の支持体に架橋させ、そのリガンドまたはマトリックスタンパク質(例えば、フィブロネクチン、フィブリノーゲンなど)の精製に用いる。別法では、可溶性のMSPを用いて溶液中でリガンドまたはマトリックスタンパク質を吸着させ、次いで抗血清、硫酸アンモニウムなどよって沈澱させ、リガンドまたはマトリックスタンパク質のコンプレックスを回収する。次いで、このコンプレックスをHPLC、電気泳動、ゲルクロマトグラフィーまたはその他の常法によって解離させる。
可溶性MSPの治療用の使用はそれぞれのMSPの生物学的活性の関数であり、それから明らかであろう。本発明の可溶性MSP変異体は、対応する天然の膜結合受容体のアゴニストまたはアンタゴニストとして作用する。例えば、可溶性のGP II b−III a受容体は、抗凝固薬として、および血小板凝集に関係した疾患の治療に、特に血栓溶解治療の後の再閉塞の防止に有用である。また、可溶性のマトリックス受容体、特に可溶性のGP II b−III aは、マトリックス付着依存性の新生物転移に対するアンタゴニストとして有用である。可溶性のLFA−1変異体はT−リンパ球機能のアンタゴニストであり、それによって特に再灌流障害において免疫抑制薬または抗炎症薬として有用である。可溶性のMac−1変異体は、補体活性化障害の治療にその用途が見い出されよう。
以下に挙げる実施例の理解を容易にするため、一部の頻繁に現れる方法および/または用語を次に説明する。
「プラスミド」は、小文字p、その前および/またはその後の大文字および/または数字で表す。本発明の出発プラスミドは、市販品から入手可能であるか、制限のない状態でだれでも入手可能であるか、または入手可能なプラスミドから公知の方法に従って構築することができる。さらに、記載したものと等価なプラスミドが当分野で知られているが、これらは当業者には明らかであろう。
DNAの「消化」とは、DNA中のある配列にのみ作用する制限酵素によるDNAの触媒的切断を意味する。本発明で用いられる種々の制限酵素は市販品から入手可能であり、それらの反応条件、補助因子およびその他の必要条件は、当業者に既知である条件を用いた。分析用には、通常、1μgのプラスミドまたはDNAフラグメントを、約20μlの緩衝液中、約2単位の酵素と共に用いる。プラスミド構築のためのDNAフラグメントの単離のためには、通常、5〜50μgのDNAを、さらに大きい容量中、20〜250単位の酵素で消化する。特定の制限酵素のための適切な緩衝液および基質量は製造元によって指定されている。通常は37℃で約1時間のインキュベート時間を用いるが、供給元の指示に従って変えてもよい。消化の後、反応液を直接ポリアクリルアミドまたはアガロースゲルの電気泳動にかけ、所望のフラグメントを単離する。
制限消化物からのあるDNAフラグメントの「回収」または「単離」とは、ポリアクリルアミドまたはアガロースゲル電気泳動による消化物の分離、その移動度と既知分子量のマーカーDNAフラグメントの移動度の比較による目的フラグメントの同定、目的のフラグメントを含有しているゲル切片の取り出し、およびゲルからのDNAの分離を意味する。この方法は広く知られている[Lawn,R.ら,Nucleic Acids Res. :6103−6114(1981)およびGoeddel,D.ら,Nucleic Acids Res. :4057(1980)]。
「連結(ライゲート)」とは、2つの2本鎖核酸フラグメントの間でホスホジエステル結合を形成させる過程を指す[Maniatis,T.ら,上記,146頁]。特に記さなければ、連結は、連結しようとするほぼ等しい量のDNAフラグメント(0.5μg)に対してT4 DNAリガーゼ(「リガーゼ」)(10単位)を用い、既知の緩衝液および条件を用いて行ってよい。
以下に挙げる実施例は、本発明を実施するために現在意図されている最良の態様を単に説明するためのものであり、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
糖タンパク質II b(GP II b)cDNAのクローニング
培養したヒト赤白血病細胞(HEL、ATCC TIB 180)からメッセンジャーRNAを調製した。バクテリオファージλZAP(Stratagene Cloning Systems)においてこのmRNAを用いてオリゴ(dT)プライムしたcDNAライブラリーを調製した。このλZAPライブラリーを、HEL細胞由来のGP II bの公知cDNA配列[Ponczら,J.Biol.Chem. 262(18):8476−8482(1987)]の5'末端から導いた45−merのオリゴヌクレオチド(2b1)でスクリーニングした。いくつかのポジティブにハイブリダイズするファージを精製し、それらが含んでいるcDNA挿入体を制限酵素消化分析にかけた。これらの結果から、GP II bの完全長の暗号挿入体を含んでいると考えられるファージをさらに分析するために選択した。このファージ挿入DNAのDNA配列決定により300塩基余りが得られ、これは、その5'末端に4個の付加的な塩基を有することを除き、mRNAの5'末端由来の公知cDNA配列(Ponczら)と正確に一致した。このcDNA挿入体をEcoR I(この部位は、ライブラリーの調製中にcDNAの末端に連結したリンカーから導かれる)およびHind III(これは、暗号配列末端から下流の唯一の部位でGP II b挿入体を切断する)で消化した。GP II bの全暗号領域を含有するこのEcoR I−Hind III制限フラグメントを、EcoR IおよびHind IIIで消化しておいた哺乳動物細胞発現ベクターpRK5[欧州特許出願公開No.307,247(1989年3月15日公開)]に連結し、発現ベクターGP II b−pRK5を回収した。
完全長の糖タンパク質III a(GP III a)cDNAの構築
5'末端が不完全なGP III aのcDNAクローンを得た[Rosaら,Blood 72(2):593(1988)]。このcDNAは、プラスミドベクターpIBI20(International Biotechnologies,Inc.)中のEcoR I(cDNAライブラリー作成のリンカーから導かれる部位)−Pst I(暗号配列の末端から下流の部位)挿入体として得られる。このプラスミドをHind IIIで消化して、cDNA挿入体中の末端Pst I部位の下流のpIBI20中の唯一のHind III部位でこのプラスミドを切断し、そしてApa Iで不完全に消化して、配列の5'末端のApa I部位とプラスミドベクター由来のHind IIIで囲まれたcDNAフラグメントを得た。この構築のための関連ドメインを以下に示す。
Figure 0003608572
合成の相捕性オリゴヌクレオチドを用い、公知のクローンしたcDNA配列[Fitzgeraldら,J.Biol.Chem. 262(9):3936(1987)]に基づいて、GP III aの完全長の暗号構築物を再構築した。Apa Iで終わるオリゴヌクレオチド配列を上記のApa I−Hind IIIフラグメントのApa I部位に連結し、EcoR IおよびHind IIIで囲まれたDNAフラグメントを得た。GP III aの完全な暗号領域を含有するこのEcoR I−Hind IIIフラグメントを、EcoR IおよびHind IIIで消化しておいたpRK5に連結し、発現ベクターGP III a−pRK5を回収した。関係のオリゴヌクレオチド配列を以下に示す。
Figure 0003608572
この合成オリゴヌクレオチドは、コードされているアミノ酸は公知のクローンされたcDNA(Fitzgeraldら、Rosaら)から予想されるアミノ酸と同一であるが、そのコドンは天然のクローンされたcDNAと必ずしも同一ではない。図3は合成および天然配列の暗号鎖を比較するものである。それぞれの配列の間の星印は、どのヌクレオチドが同一であるかを示している。これらの変化は3つの理由から導入した。
1.cDNAを配列決定する際に直面した困難性に照らして、我々はこのcDNAが翻訳効率に悪影響を及ぼす2次構造を含んでいるものと結論した。発現構築物から産生されるmRNA中の可能性ある2次構造を最少にするため、一部のコドンを他のコドンに変えることによって、即ち、より少ないGおよび/またはC含有を有するが同じアミノ酸をコードしているコドンに変えることによって、天然の暗号配列中のGおよびC塩基の割合を少なくした。これらの変化させたコドンは、cDNAの残りに頻繁に用いられるコドンだけが置換されるように選択した[Karnickら,J.Biol.Chem. 262(5):9255(1987);Devlinら,Gene 65:13(1988)]。
2.イニシエーターのメチオニンコドン(M、−26)にすぐ続くアルギニン(R、−25)のコドンを、CGAからAGAに変えた[Kozak,Nucl.Acids Res. 15(20):8125(1987)およびKozak,J.Mol.Biol. 196:947(1987)]。
3.イニシエーターのメチオニンコドンの上流のDNA配列は天然のDNA配列に基づいていない。合成した相補性オリゴヌクレオチドは、一方の末端にEcoR I部位が存在し、それにXba I認識配列が続き、次いでイニシエーターのメチオニンのすぐ上流にGCC GCCが続いている[Kozak,J.Mol.Biol.,同上]。
GP II bおよびGP III aをコードするプラスミド(GP II b−pRK5およびGP III a−pRK5)を293S細胞にトランスフェクションし、以下に記載するような一時的な発現のための通常の条件下で培養した。この細胞を集め、GP II b−III aの発現について分析した。FACS選別によって免疫学的に可視化したウエスタン・ゲルにおける正しい大きさのバンドの存在、および35Sで代謝的にラベルしたかまたは125I表面ラベルによる無傷細胞の免疫沈澱によって発現を確認した。
実施例2
末端切除したGP II bをコードしているcDNAの構築
GP II bの末端切除された形態を構築するための出発点は実施例1記載のGP II bの完全長の暗号構築物である。この構築物の関係ドメインを以下に示す。
Figure 0003608572
上に示したEcoR I部位(イニシエーターATGコドンの上流)からSty I部位までのDNAフラグメントを単離し、補足的な合成オリゴヌクレオチドに連結し、こうして得られたDNA配列が天然GP II b配列のアミノ酸残基962(アルギニン)までをコードしており、次いでこれにTGA停止コドンが続くようにした。
Figure 0003608572
天然の配列では、アルギニン962に約26アミノ酸の推定の疎水性トランスメンブランドメインおよび細胞質ドメインが続いている(Ponczら)。即ち、この構築において、これらドメインの両方を構築物の暗号領域から削除した。この合成フラグメントの末端はHind III制限部位で終わっている。EcoR IおよびHind III制限部位で囲まれたこの全DNAフラグメントを、EcoR IおよびHind IIIで消化しておいたpRK5に連結した。発現ベクターGP II btrunc−pRK5を回収した。
上記のEcoR I−Hind IIIフラグメントをGP II btrunc−pRK5から取り出し、DNA配列決定分析にかけた。挿入体のそれぞれの末端から250塩基余りを配列決定したところ、予想される配列と正確に一致していた。
末端切除したGP III aをコードしているcDNAの構築
GP III aの末端切除された形態を構築するための出発点は実施例1記載のGP III aの完全長の暗号構築物である。この構築物の関係ドメインを以下に示す。
Figure 0003608572
上に示したXba I部位(イニシエーターATGコドンの上流)からApa I部位までのDNAフラグメントを単離し、補足的な合成オリゴヌクレオチドに連結し、こうして得られたDNA配列が天然GP III a配列のアミノ酸残基692(アスパラギン酸)までをコードしており、次いでこれにTGA停止コドンが続くようにした。
Figure 0003608572
天然の配列では、アスパラギン酸692に約29アミノ酸の推定の疎水性トランスメンブランドメインおよび細胞質ドメインが続いている(Fitzgeraldら)。即ち、この構築において、これらドメインの両方を構築物の暗号領域から削除した。この合成フラグメントの末端はHind III制限部位で終わっている。Xba IおよびHind III制限部位で囲まれたこの全フラグメントを、予めXba IおよびHind IIIで消化しておいたpRK5に連結し、trunc発現ベクターGP III atrunc−pRK5を回収した。
上記のXba I−Hind IIIフラグメントをGP III atrunc−pRK5から取り出し、DNA配列決定分析にかけた。挿入体のそれぞれの末端から200塩基余りを配列決定したところ、予想される配列と正確に一致していた。
真核宿主における末端切除したヒトGP II b−III a受容 体の発現
EP 260,148に記載されている宿主系を用い、CaPO4を用いて、ヒト胚腎細胞(293S)を発現ベクターGP II btrunc−pRK5およびGP III atrunc−pRK5で同時トランスフェクションした[Grahamら,Virology 52:456(1973)]。
一時的な発現
293S細胞をGP II btrunc−pRK5、GP III atrunc−pRK5およびアデノウイルスVA RNA−DNA[欧州出願公開No.309,237(1989年3月29日公開);Akusjarvietal,Mol.Cel l.Biol. :549(1987)]で同時トランスフェクションし、スタンダード増殖培地[50%ダルベッコ改良イーグル培地、50%F12混合物、2mM L−グルタミンおよび10%ウシ胎児血清]で増殖させたときに、高レベルの一時的な発現が得られた。グリセロールショックを与えて16時間後に、細胞を血清不含の培地[ダルベッコ改良イーグル培地、0.1%グルコース、10μg/mlインスリン]に移し、さらに48時間増殖させ、細胞および培養培地を集めた。培養した細胞の培養液を遠心して不純な細胞の残骸を除去し、次いでドライアイス−エタノールで急速凍結し、分析を行うまで−70℃で保存した。細胞は、0.6mlの150mM NaCl、10mMトリス(pH7.5)、1%トリトンX−100、2mM PMSF、0.5μg/mlロイペプチンおよび2μg/mlペプスタチンAに浮遊させ、次いで撹拌しながら氷上で30分間抽出することによって6cmプレートから除去した。10,000gでの遠心によって細胞の残骸を除き、試料を−70℃で保存した。10倍カラム容量の20mM MES緩衝液/1mM CaCl2(pH6.5)と0〜400mM NaClの勾配溶離によるQ−セファロース(ファースト−フロー)クロマトグラフィーによって、可溶性のGP II b−III aを回収した。ピークの可溶性GP II b−III aは約200〜250mM NaClのところで溶出した。この溶出液をS−300カラムのカラム容量の3%まで濃縮し、次にこの濃縮液を10mMトリス/150mM NaCl/1mM CaCl2(pH7.5)を用いてa−350カラムの排除クロマトグラフィーにかけた。293S細胞にトランスフェクションされた完全長のGP II bの一部な内生のαと結合した。可溶性のGP II bを可溶性のGP III aと共に分泌させると、完全長のサブユニットを使用したときのように、αVB3ビトロネクチン受容体からBP II b−III aを精製する必要が避けられた[Bodaryら,J.Biol.Chem. 32:18859(1989年11月15日)を参照]。
安定な発現
pRSVneo[Gormanら,Science 221:551−552(1983)]とともにGP II btrunc−pRK5およびGP III atrunc−pRK5を同時トランスフェクションすることによって、末端切除したGP II b−III aを発現する安定な293Sクローンを樹立した。トランスフェクションの48時間後に、細胞を800μg/ml G418を含有するスタンダード増殖培地に継代した。2週間後にG418耐性のクローンを取り、400μg/ml G418を含有するスタンダード増殖培地で増殖させた。クローンを血清不含の培地で48時間増殖させ、培養を行った培養培地につき、ウエスタンブロット分析によって分泌型のGP II b−III aの発現を調べた。
発現された末端切除GP II b−III aの分析
一時的にトランスフェクションされた細胞の発現を、パルス−チェース分析とそれに続く免疫沈澱(精製した血小板GP II b−III aに対して生成させたモノクローナル抗体のパネルを用いる)によって調べた。35S−システインおよび35S−メチオニンで代謝的にラベルしたタンパク質を、上記のようにGP II btrunc−pRK5およびGP III atrunc−pRK5の両方で同時トランスフェクションした細胞の培養液から回収した。マウスモノクローナル抗体AP2[Montgomeryら,J.Clin.Invest. 71:385(1983)]、2D2、3A8、4B12、およびAP3[Newmanら,Blood 65:227(1985)]のパネルを用い、マウスIgGに指向性のウサギIgG抗体と結合させたプロテインAセファロースCL4B(Pharmacia)とインキュベートすることによって、末端切除したGP II b−III aを細胞培養液から免疫沈澱させた。この免疫沈澱させたタンパク質の電気泳動によって、組換えの末端切除GP II b−III aの分泌が証明され、その大きさは修飾されたcDNAから予想される分子量と一致した。GP II b−III aコンプレックス(AP2)、GP II b(2D2、3A8)およびGP III a(4B12、AP3)に特異的なモノクローナル抗体はすべてGP II bおよびGP III a末端切除タンパク質の両方を沈澱させ、組換えの分泌タンパク質がコンプレックスの形態で存在していることを示した。DNAを与えなかったか、またはGP II btrunc−pRK5単独もしくはGP III atrunc−pRK5単独を与えた細胞は、GP II bまたはGP III aに対するモノクローナル抗体によって検出しうるレベルではタンパク質を分泌しない。
一時的にトランスフェクションされた細胞におけるGP II bまたはGP III aの個々のサブユニットの発現はウエスタンブロット分析を用いて証明した。細胞を上記のように抽出し、上記のように回収した培養培地を限外濾過によって2倍に濃縮し、ポリアクリルアミドゲル電気泳動[Laemmli,U.K.,Nature 227:680−685(1970)]およびウエスタンブロット法[Towbinら,Proc.Natl.Ac ad.Sci.USA 76:4350−4354(1979)]によって分析した。GP II bおよびGP III aに特異的なマウスモノクローナル抗体をこの分析に用いた。ネズミモノクローナルに対して指向性の西洋ワサビペルオキシダーゼ−コンジュゲートした抗体を用いて抽出物中の個々のGP II btruncおよびGP III atruncタンパク質を可視化した。
GP II b−III aの末端切除構築物を発現する安定なクローンは、ウエスタンブロット分析により予想される大きさの組換えタンパク質を分泌することがわかった。
安定なクローンから分泌されるGP II b−III a truncタンパク質がコンプレックスとして存在することは、吸引によって培養培地をニトロセルロースに直接移した後に、モノクローナル抗体AP2による検出によって証明した。
末端切除されたGP II bまたはGP III aタンパク質は個々のサブユニットとして発現されたときには培養培地中に検出されなかった。これは、分泌されなかったか、または免疫沈澱もしくはウエスタンブロット分析による検出を不可能にするレベルまで分泌効率が低下したことによるであろう。
実施例3
分泌型ヒトGP II b−III aポリペプチドコンプレックス のフィブリノーゲン結合の証明
分泌型の末端切除GP II b−III aの機能的な活性を、GP II b−III a受容体に対する天然のリガンドであるフィブリノーゲンを含むアフィニティーマトリックスへのその特異的な吸収によって示す。
GP II b−III a末端切除ポリペプチドコンプレックスを発現している実施例2由来の安定なクローンを、血清不含の条件下[DMEM培養培地、0.1%グルコース、10μg/mlインスリン、1.5μg/ml L−システイン、2.4μg/ml L−メチオニン、200μCi/ml 35Sメチオニンおよび200μCi/ml 35Sシステイン]で20時間増殖させた。培養した細胞培養液を初めに限外濾過によって濃縮し、次いでフィブリノーゲンアフィニティークロマトグラフィーよって精製した。このフィブリノーゲンアフィニティーカラムは、製造元の推奨法を用い、精製度の高いヒトフィブリノーゲンをCNBr活性化したセファロース4B(Pharmacia)に結合させることによって調製した。初めに、濃縮した細胞培養液を対照のトリス/エタノールアミン反応させたCNBr活性化セファロース4Bカラムにかけ、未結合の物質をフィブリノーゲン−セファロースカラムに直接かけた。1mM Ca2+、1mM Mg2+、25mMオクチルグルコシド(OG)および2mMフッ化フェニルメチルスルホニル(PMSF)を含有するリン酸緩衝食塩溶液を用い、室温で不純タンパク質を洗い落とした。結合したGP II b−III aは、15mM EDTA、25mM OGおよび2mM PMSFを含むリン酸緩衝食塩水を用い、室温でカラムから溶離した。次いで、この溶出したGP II b−III aを限外濾過によって濃縮し、予想される分子量のサブユニットをオートラジオグラフィ−およびウエスタンブロット分析[GP II b(3A8)およびGP III a(4B12)に特異的なモノクローナル抗体を用いる]によって同定した。このフィブリノーゲンカラムへの結合の特異性は、両方法で測定した対照カラムからの溶出液中にタンパク質が存在しないことによって示される。
実施例4
LFA−1およびMac−1末端切除体の発現
LFA−1およびMac−1は、同一のβ鎖(β−2)の別のα鎖(それぞれ、α−Lおよびα−M)を有するインテグリンである。本研究においては、完全長の鎖を宿主細胞中に導入した。さらに、これらインテグリンのそれぞれのαおよびβ鎖のトランスメンブランドメインをコードしているDNAを削除し、末端切除したDNAを同時発現用に宿主細胞中に導入した。
完全長のLFA−1のα−L鎖で形質転換しても検出可能な細胞結合のα−Lは全く発現されなかったが、末端切除α−Lおよび末端切除β−2で、または末端切除α−Mおよび末端切除β−2で同時形質転換すると末端切除ヘテロ二量体が分泌される結果になった。おもしろいことに、Mac−1の完全長α−M鎖単独で形質転換すると細胞表面α−Mが生成した。組換えのα−M鎖が宿主細胞にとって内生のβ鎖と結合するようになることが考えられるので、この生成物が安定なα−M単量体を示すものであるとは確認されなかった。

Claims (30)

  1. αおよびβサブユニットを含むインテグリ ンの可溶性類似体の製造方法であって、前記インテグリ ンは、GP II b−III a;Mac−1;p−150.95;LFA−1;白血 球付着受容体;VLA族の一員;および細胞間接着または細 胞外マトリックスタンパク質と細胞との接着に直接関与 するヘテロ二量体の受容体から選択され、
    (1)天然において膜アンカードメインを含むサブユニ ットをコードしている核酸に突然変異を導入し、突然変異を導入された核酸が、アンカードメインがもはやイン テグリン類似体を細胞膜に固定するに十分な疎水性を持 たないように、十分な膜アンカードメインが削除され た、インテグリンアミノ酸配列変異体をコードするようにし、
    (2)工程(1)の核酸で宿主細胞を形質転換し、
    (3)工程(2)の宿主細胞を培養し、そして
    (4)この宿主細胞培養物から天然環境においてインテ グリンが通常結合するリガンドに定性的に結合すること ができる可溶性インテグリンを回収すること、
    を特徴とする方法。
  2. サブユニットが非共有結合によって結合している請求項1に記載の方法。
  3. 前記突然変異が、サブユニットの十分な膜アンカードメインを、インテグリンがもはや細胞膜にとどまることができないようにするに十分な親水性を有するアミノ酸配列で置換するものである請求項に記載の方法。
  4. 親水性のアミノ酸配列が免疫グロブリンの不変ドメインからなる請求項に記載の方法。
  5. 前記突然変異が、マルチマー形成ポリペプチドをコードしているDNAを、インテグリンサブユニットをコードしているDNA中に導入することからなるものではない請求項1に記載の方法。
  6. 膜アンカードメインがトランスメンブランドメインである請求項に記載の方法。
  7. インテグリンが白血球付着受容体である請求項に記載の方法。
  8. インテグリンがVLA族の一員である請求項に記載の方法。
  9. インテグリンがGP II b−III aであり、回収されるGP II b−III aがフィブリノーゲン、フィブロネクチン、ビトロネクチンまたはフォン・ビレブランド因子と結合することができるものである請求項に記載の方法。
  10. インテグリンが、配列RGDを含有するポリペプチドと結合することができるものである請求項1に記載の方法。
  11. 細胞質ドメインが削除される請求項に記載の方法。
  12. インテグリンがコンセンサスN−末端配列Tyr/Phe/Leu−Asn−Leu−Aspを有するサブユニットを含有するか、リガンド結合のために2価のカチオンを必要とするか、またはカルモジュリンのカルシウム結合ドメインに実質的に相同な配列を有するアミノ酸ドメインを含有するものである請求項1に記載の方法。
  13. インテグリンサブユニットの1つが2つのジスルフィド結合したポリペプチド鎖を含有しており、その一方だけが膜アンカードメインを含有している請求項に記載の方法。
  14. 不変ドメインが重鎖不変ドメインである請求項に記載の方法。
  15. 宿主細胞が、
    (1)第1のインテグリン鎖と免疫グロブリン重鎖不変ドメインの融合体をコードしているDNA、および
    (2)免疫グロブリンで置換されておらず、第1のイン テグリン鎖に直接結合することができる第2のインテグ リン鎖をコードしているDNA、
    で形質転換される請求項に記載の方法。
  16. αおよびβサブユニットを含み天然環境 において通常結合するリガンドに定性的に結合すること ができる、インテグリンポリペプチドアミノ酸配列変異 体であって、前記インテグリンは、GP II b−III a;Mac −1;p−150.95;LFA−1;白血球付着受容体;VLA族の一 員;および細胞間接着または細胞外マトリックスタンパ ク質と細胞との接着に直接関与するヘテロ二量体の受容 体から選択され、天然において膜アンカードメインを含 む前記インテグリンのサブユニットをコードしている核酸に突然変異が導入され、アンカードメインがもはや前 記インテグリンを細胞膜に固定するに十分な疎水性を持 たないように、十分な膜アンカードメインを削除され た、インテグリンポリペプチドアミノ酸配列変異体であって、免疫グロブリン不変ドメインを含有していない変異体。
  17. 清浄剤を含まない請求項16に記載の変異体。
  18. 請求項16に記載の変異体の滅菌水溶液。
  19. 十分なトランスメンブランドメインが削除され、細胞膜に膜貫通挿入することができない、インテグリンサブユニットのアミノ酸配列変異体をコードしている核酸。
  20. 請求項19に記載の核酸を含有するベクター。
  21. (1)免疫グロブリンの不変ドメインを含有する配列にC−末端で融合した第1のインテグリン鎖、および
    (2)免疫グロブリンの不変ドメインに融合していない第2のインテグリン鎖からなり、前記インテグリンは、 GP II b−III b;Mac−1;p−150.95;LFA−1;白血球付着 受容体;VLA族の一員;および細胞間接着または細胞外マ トリックスタンパク質と細胞との接着に直接関与するヘ テロ二量体の受容体であり、天然において膜アンカード メインを含む前記インテグリンのサブユニットをコードしている核酸に突然変異が導入され、アンカードメイン がもはや前記インテグリンを細胞膜に固定するに十分な 疎水性を持たないように、十分な膜アンカードメインが 削除された、
    天然環境において通常結合するリガンドに定性的に結合 することができるインテグリンの可溶性アミノ酸配列類似体。
  22. インテグリン鎖がジスルフィド結合している請求項21に記載のインテグリン
  23. 非融合の免疫グロブリン鎖をさらに含有する請求項21に記載のインテグリン
  24. 非融合鎖が可変ドメインを削除された軽鎖であり、融合した不変ドメインが重鎖不変ドメインである請求項23に記載のインテグリン
  25. 第1のインテグリン鎖のトランスメンブランドメインが削除されている請求項21に記載のインテ グリン
  26. 非融合の免疫グロブリン鎖が既知の抗原に結合することができる可変ドメインを含んでおり、この可変ドメインを含む免疫グロブリン鎖が免疫グロブリン不変ドメインと第1のインテグリン鎖の融合体にジスルフィド結合している請求項23に記載の分泌型の類似体。
  27. 既知の抗原に結合することができるジスルフィド結合した免疫グロブリンの重および軽鎖を含有し、これが免疫グロブリン不変ドメインと第1のインテ グリン鎖の融合体にジスルフィド結合している請求項26に記載の分泌型の類似体。
  28. インテグリン鎖が免疫グロブリン上科の一員ではない請求項21に記載の分泌型の類似体。
  29. 請求項21に記載の類似体をコードしているDNAで形質転換した組換え宿主細胞。
  30. 請求項29に記載の宿主細胞を培養し、この宿主細胞培養物から可溶性の類似体を回収することからなる方法。
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