JP3606980B2 - 超音波分溜方法及びその装置、並びに高濃度アルコール分離方法及びその装置 - Google Patents

超音波分溜方法及びその装置、並びに高濃度アルコール分離方法及びその装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、被処理液の気液界面に超音波を照射してその気液界面から発生するミストを回収する、超音波分溜方法及びその装置、並びに高濃度アルコール分離方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来技術】
従来、分離・分画方法としては、蒸発を利用した蒸留塔や蒸発缶が多用されてきた。蒸留は溶液中の沸点の違いを利用した最も代表的な分離・分画方法である。しかしこの方法は、次の二点において問題点を有していた。第一に、蒸留は本来溶液を構成する各成分を一旦分子単位にまでバラバラにし、これを再び冷却するという操作であるため、非常に大きなエネルギーを必要とした。この時必要なエネルギーが潜熱である。第二に、広く知られているように、エタノールと水のような溶液は共沸混合物と呼ばれ、エタノールが高濃度になった溶液では水との分離が非常に困難であった。この様な場合には蒸留塔を高くし段数を上げなければならないが、装置コストが大きくなる。
【0003】
特開昭58−152472号、特開平3−244375号公報で超音波を利用した分離・分画方法も提案されている。これらの分離・分画方法の特徴の一つは、振動部材を希薄アルコール溶液中に設置することである。ところが、これは以下の理由により高いアルコール濃度の溶液を効率よく安定して得るためには好ましくない。
(1)振動部材を被処理溶液中に設置すると、清酒を始めとして発酵生産物はアルコールのみならず様々な物質を含んでおり、中には電解質も著量存在するため、これら電解質の影響を受けてセラミックス等でできた振動部材上にコーティングされた金属が析出、剥離、溶解するなどして、振動部材の長期使用に悪影響を及ぼすだけでなく、清酒のような食品中への金属の移行は誠に好ましくないことであった。
(2)特開平7−234044号公報で報告されているように、被処理液の温度がアルコールの分離能に極めて強く影響を与え、温度が上昇するとアルコールの分離能が低下する。ところが、振動部材を被処理液中に設けると振動による発熱により被処理液の温度が上昇し、アルコール分離能が低下する。
(3)振動部材と液表面との距離は霧化能力において非常に重要な因子であり、最適な距離が存在する。ところが、振動子と液表面の間を全て被処理液で満たしてしまうと、アルコール濃度の高い気体が発生した後に残るアルコール濃度の低い溶液はすぐさま被処理液と混ざりあって、せっかく分離したアルコール濃度の低い溶液を活用できなくなってしまう。これは極めて効率の悪いことである。
【0004】
以上のことから振動部材と被処理液を分離することによって、▲1▼振動部材が被処理液と直接接触しないようにし、▲2▼振動子の発熱から被処理液の温度上昇を防ぎ、▲3▼被処理液の液厚を極力薄くして高いアルコール濃度の溶液を得た後の被処理液を元の被処理液と分けることが望まれる。
【0005】
さらに、特開昭58−152472号公報および特開平3−244375号公報に記載されている発明の特徴である、「超音波処理を密閉した容器中で行うこと」は、気体の発生に伴う装置内の圧力の上昇による装置からのアルコールの漏れを考慮しなければならない。また、密閉することによって超音波発生装置の雰囲気中にアルコールが充満し、超音波処理によってさらにアルコールが気相中へ移行することを妨げてしまう。したがって、気体なりミストが発生してくる液面に、常にアルコールが存在しない外気などを導入することが必要となる。
【0006】
加えて、「気体の回収装置を超音波処理装置とは独立して別に用意し、発生した気体を回収装置へと導く流路を持つこと」は、超音波発生装置において発生してきたミストなり気体なりを回収装置へ導く際に、狭い流路へと気体が殺到するためにその部分で断熱圧縮が生じ、ミストなり気体が液化凝縮して再び被処理液に戻り、高いアルコール濃度の溶液を回収する効率を低下させてしまう。したがって、流路を設けず、気体の発生とその回収する装置を一体化することが必要不可欠となる。
【0007】
また、これらの特許は、発生してくるミストなり気体の全てを回収液化することを前提としている。ところが、超音波を照射して得られるミストには粒度にばらつきがあり、機械的な衝突によって回収のし易い比較的大きなミストは相対的にアルコール濃度が低く、小さなミストはアルコール濃度が高い。そして、大きなミストのみを集めた場合には、元の被処理液中のアルコール濃度よりもむしろ低くなっているのである。したがって、発生してくるミストを全て同一のアルコール濃度とみなして回収してしまうとアルコールの分離効率が悪くなってしまうのである。よって、ミスト粒度に応じて分別回収しなくてはならない。しかし、前記特許特開昭58−152472号および特開平3−244375号公報は、それらミストの粒径に応じて回収した場合に得られる溶液中のアルコール濃度がそれぞれ異なっていることを何ら示唆するものではない。
【0008】
特開平3−143501号〜特開平3−143505号公報では超音波を利用した他の分離方法も提案されている。しかし、これらの方法はいずれも超音波をスプレー式の噴霧器として利用しているだけで、噴霧に供する溶液の全てがミストとなるので、ミスト中の成分の比率と霧化される前の供給液の成分の比率は、なんら異なるものではない。被濃縮液をミストにすることにより気液境界面積を大きくして蒸発を効率的に行わせることにより不蒸発成分の濃縮を行うものであった。
【0009】
特開昭56−138645号公報では噴霧器以外の濃縮方法としても提案されているが、この濃縮法は超音波を照射したことによって発生したミストを、別の容器に移し、そのミストに熱を加えることによって、ミスト中の溶媒を蒸発させて溶質を濃縮させるというものである。したがって、超音波を照射したことによって得られる効果はミストを得ることであって、この方法も気液界面面積を広げることを目的としているのであり、ミストの生成が成分濃度の違いを引き起こすことを利用したものではない。加えて、濃縮の推進力はあくまで熱を加えることによって得られている。
【0010】
また、特開平5−184848号公報には、ミクロ粒子の濃縮法として、粒径の異なる懸濁粒子及び分散粒子を含有した液体を霧化装置によって霧化し、放出するミスト内にそれより小さな粒径の分子を包含させ、それより大きい粒径もしくは包含されにくい大きさの粒子を濃縮する装置が提案されている。しかし、該ミクロ粒子の濃縮法は、濃縮したい成分がいずれもミストの粒径に比して大きなものであって、あくまで被濃縮物の粒径を利用したものでしかない。したがって、ミストの径よりも圧倒的に小さな径を持つ低分子成分を分別することができることを示唆するものではない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記事情を鑑みてなされたもので、低温常圧下で操作でき、所要エネルギーが小さく効率的な分溜方法及びその装置であって、超音波発生手段を用いて被処理液を蒸発し、そのミストから高濃度溶液又は低濃度溶液若しくはそれらを分離回収するものを提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記目的を達成すべく、鋭意研究を重ねた結果、超音波振動子と被処理液を分離するための膜によって超音波振動子が被処理液に直接接触しないようにし、該膜と超音波発生手段との間に第二の液体を導入した分溜装置を用い、この第2の液体を介して気相に向けて超音波を照射して被処理液を霧化および気化させ、発生したミストをその粒度に応じて回収し、得られたそれぞれの溶液について目的物質の成分を測定したところ、元の被処理液とミストの粒度ごとに回収した溶液中の濃度がそれぞれ異なっていることを見いだした。さらに、前記被処理液の温度を様々に変えて成分濃度を調べてみたところ、元の被処理液中と粒度に応じて回収した溶液中の成分濃度の違いが低い温度に保ったときほど大きくなっていることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0013】
具体的に、本発明の超音波分留方法は、被処理液であるアルコール溶液の気液界面に該被処理液から隔離された第2の液体を介して超音波を照射し、前記気液界面から発生するミストを所定粒径以上のミストと該所定粒径以下のミストに分離して回収し、分離回収された前記所定粒径以上のミストから前記被処理液よりも低濃度のアルコール溶液を得るとともに、分離回収された前記所定粒径以下のミストから前記被処理液よりも高濃度のアルコール溶液を得るものである。ここで、前記気液界面は大気圧に保つことが好ましい。
【0014】
本発明の他の形態の超音波分留装置は、
被処理液を該被処理液が気液界面を有するように収容する第1の部屋と、
第2の液体を収容する第2の部屋と、
前記第1の部屋と第2の部屋を区画し、被処理液と第2の液体とを隔離するシートと、
前記第2の液体の内部に収容され、前記シートを介して被処理液の気液界面に超音波を照射して前記気液界から被処理液のミストを発生させる超音波発生手段と、
前記気液界面から発生したミストを所定粒径以上のミストと該所定粒径以下のミストに分離し、分離された所定粒径以上のミストから前記被処理液よりも低濃度のアルコール溶液を得るとともに、分離された所定粒径以下のミストから前記被処理液よりも高濃度のアルコール溶液を得るミストセパレータを有する。
ここで、前記気液界面を大気圧に保つために、前記第1の部屋は空気導入路を介して大気に連通していることが好ましい。
【0015】
本発明の高濃度アルコール分離方法は、アルコール溶液に気泡を導入し、該気泡に超音波を照射してこれを微細化し、微細化された気泡を回収して該気泡中のアルコール分を回収するものである。
【0016】
本発明の高濃度アルコール分離装置は、アルコール溶液を収容する容器と、前記アルコール溶液に気泡を導入する手段と、前記気泡に超音波を当てて微細化する超音波発生手段と、微細化された気泡を回収し該気泡中のアルコール分を回収する手段を有する。
【0023】
【発明の実施の形態】
既に述べたように、超音波の発生によってアルコール等の溶液の分離操作を行おうとする場合、振動部材を被処理液中に設置すると、次の理由により高濃度の溶液を効率よく安定して得るためには好ましくない。
【0024】
(1)振動部材を被処理液中に設置すると、清酒を始めとして発酵生産物はアルコールのみならず様々な物質を含んでおり、中には電解質も著量存在するため、これら電解質の影響を受けてセラミックス等でできた振動部材上にコーティングされた金属が析出、剥離、溶解するなどして、振動部材の長期使用に悪影響を及ぼすだけでなく、清酒のような食品中への金属の移行は好ましくない。
(2)被処理液の温度がアルコール等の分離能に極めて強く影響を与え、温度が上昇すると分離能が低下する。ところが、振動部材を被処理液中に設けると振動による発熱により被処理液の温度が上昇し、アルコール分離能が低下する。
(3)振動部材と液表面との距離は霧化能力において非常に重要な因子であり、最適な距離が存在する。ところが、振動子と液表面の間を全て被処理液で満たしてしまうと、濃度の高い気体が発生した後に残る濃度の低い溶液はすぐさま該処理液と混ざりあって、せっかく分離した濃度の低い溶液を活用できなくなってしまう。これは極めて効率の悪いことである。
【0025】
ところが、本発明は以下の理由により前記の問題を解決することができる。振動部材と被処理液を分離することによって、▲1▼振動部材が被処理液と直接接触しないようにし、▲2▼振動子の発熱から被処理液の温度上昇を防ぎ、▲3▼被処理液の液厚を極力薄くして高いアルコール濃度の溶液を得た後の被処理液を元の被処理液と分けることが望まれる。
【0026】
図1は本発明にかかる超音波分溜装置2の一具体例を示す。この分溜装置2において、超音波分溜容器4は分離区画手段であるシート6により、このシート6の上と下にそれぞれ位置する第1の部屋8と第2の部屋10が形成されており、第1の部屋8には被処理液12として例えばアルコールが収容され、第2の部屋10には第2の液体14が封入されている。容器4はまた第1の部屋8に空気を導入する導入路16と容器内の空気を回収する回収路18とを備えており、被処理液12上の空間は大気圧状態に保たれている。第2の部屋10の内部には超音波発生手段である超音波振動子20が設けてあり、この超音波振動子20で発生した超音波が第2の液体14とシート6を介して被処理液12の気液界面22に向けて照射されるようにしてある。前記シート6としては、ポリエチレンもしくはポリプロピレンからなるものが好適に用いられる。ただし、シートの材質はこれらに限るものでなく、超音波が照射されることによって損傷することがなく、また超音波の有無に拘わらず被処理液12の性質に影響を及ぼすことがないものであれば利用可能である。第2の液体14としては、超音波の伝導性に優れたものを利用するのが好ましく、例えば水が一般的に利用できる。
【0027】
この超音波分溜装置2では、超音波振動子20から発射された超音波は、第2の液体14、シート6、被処理液12を介して被処理液12の気液界面22に伝播し、この気液界面22に液柱24を形成する。この液柱24表面には被処理液12のミスト26が発生する。ミスト26は、導入路16から容器4内に導入される空気の流れによって回収路18から回収装置(以下の実施例で詳細に説明する)に回収される。この時、配置する振動子の出力および発振周波数は、被処理液例えばアルコールの分離の度合い、装置形状にもよるが、振動子一個当たり、それぞれ10〜100W程度、0.1MHz以上とするのが望ましい。
【0028】
超音波処理を密閉した容器中で行うことは、気体の発生に伴う装置内の圧力の上昇による装置からのアルコールの漏れを考慮しなければならない。また、密閉することによって超音波発生装置の雰囲気中にアルコールが充満し、超音波処理によってさらにアルコールが気相中へ移行することを妨げてしまう。したがって、気体なりミストが発生してくる液面に、常にアルコールが存在しない外気などを導入することが必要となる。このように、密閉した装置は好ましくない。
【0029】
また、発生してくるミストないし気体の全てを回収液化することは、既に述べた次の理由により好ましくない。超音波を照射して得られるミストには粒度にばらつきがあり、機械的な衝突によって回収のし易い比較的大きなミストは相対的にアルコール濃度が低く、小さなミストはアルコール濃度が高い。そして、大きなミストのみを集めた場合には、元の被処理液中のアルコール濃度よりもむしろ低くなっているのである。したがって、発生してくるミストを全て同一のアルコール濃度とみなして回収してしまうとアルコールの分離効率が悪くなってしまうのである。よって、ミスト粒度に応じて分別回収しなくてはならない。
【0030】
本発明によれば、次の具体例に示すように以上の問題を解決することができる。図2は本発明を実現した一具体例である。この図に示す超音波分溜装置30において、ガラス製の容器32はその上部に空気導入路34とミスト回収路36を備えており、内部(第1の部屋)38に被処理液(例えば清酒)40が収容されている。この容器32は水槽42に収容されており、水槽内(第2の部屋)44に収容した第2の液体(例えば水)46と被処理液40とが容器32によって分離されている。水槽42内には超音波発生手段である超音波振動子48が設けてある。この超音波振動子48は超音波発生器50の駆動に基づいて超音波を発振し、その超音波は第2の液体46、容器32、被処理液40を介してこの被処理液40の気液界面51に照射されるようになっている。水槽42はまた、超音波振動子48の発熱による温度上昇を防止するとともに第2の液体46の温度を所定の温度に維持するために、クーラ52とヒータ54を備えている。なお、これらのクーラ52とヒータ54は容器32に設けてもよい。
【0031】
前記ミスト回収路36はミストセパレータ56に接続されており、ミスト回収路36からミストセパレータ56に導入されたミストは、所定粒径以上の大きなものが貯留槽58に流下し、それ以外の小さなものはさらに濃縮装置であるコンデンサ60に送られ、ここで冷却されたミストが凝結し貯留槽62に溜められるようになっている。なお、ミストセパレータ56としては、公知のサイクロン方式のものが好適に用いられる。
【0032】
以上の構成を有する超音波分溜装置30では、超音波発生装置50の駆動に基づいて超音波振動子48が超音波を発振する。なお、超音波振動子48の発生する熱は第2の液体46に伝わるが、第2の液体46の温度はクーラ52とヒータ54によって適正な温度に保たれる。超音波振動子48で発生した超音波は、第2の液体46、容器32、被処理液40を介して該被処理液40の気液界面50に伝播し、液柱64を形成する。また、液柱64の回りに形成されるミストは、空気導入路34から導入される空気の流れに乗ってミスト回収路36を介してミストセパレータ56に送られる。ミストセパレータ56では、所定粒径以上の大きなミストとそれ以下の小さなミストに分離され、大きなミストは貯留槽58に流下し、他方小さなミストはコンデンサ60に導かれて冷却凝結して別の貯留槽62に溜められる。なお、ミストを運搬した空気は大気中に放出される。この時、粒径の大きなミストを集めた貯留槽58のアルコール濃度は元の清酒(被処理液)40よりも低く、貯留槽62のアルコール濃度は元の清酒40よりも高い。
【0033】
被処理液と超音波振動子を分離する構成は以上のものに限るものでなく、図3に示すようにしてもよい。この図に示す実施例において、超音波振動子70はケース72にマウントされており、シート74によって被処理液76と分離されている。また、超音波振動子70とシート74との間の密封空間には第2の液体78が封入されている。なお、80はシート押さえ、82はパッキンで、シート74はこれらシート押さえ80とパッキン82によって圧着保持されているので、第2の液体78を収容した空間に被処理液が侵入し振動子70と接触することはない。
【0034】
気体の回収装置を超音波処理装置とは独立して別に用意し、発生した気体を回収装置へと導く流路を持つことは、超音波発生装置において発生してきたミストなり気体なりを回収装置へ導く際に、狭い流路へと気体が殺到するためにその部分で断熱圧縮が生じ、ミストなり気体が液化凝縮して再び被処理液に戻り、高いアルコール濃度の溶液を回収する効率を低下させてしまう。したがって、流路を設けず、気体の発生とその回収する装置を一体化することが必要不可欠となる。
【0035】
この問題を解決した具体例として、図4のごとき超音波分溜装置を構成することもできる。この超音波分溜装置90において、ハウジング92の上部には超音波処理部94が設けてある。この超音波処理部94の容器96はポリエチレンシート98によってその上部と下部に位置する第1の部屋と第2の部屋に分離されており、第1の部屋には被処理液100が収容され、第2の部屋に第2の液体102である水が封入されている。また、容器96の底部には複数の超音波振動子104が設けてあり、被処理液100の気液界面に向けて超音波が発振できるようになっている。超音波処理部94の上に位置する空間106は、ハウジング側部に設けた前室108を介して分離回収室110に連絡しており、超音波処理部94で発生したミストがシロッコファン112で導入された外気の流れに乗って分離回収室110に送られるようになっている。
【0036】
分離回収室110の前室108側には所定の間隔を置いて貫通孔112を形成した複数のパンチングメタル114(図5参照)が多段に配置されている。パンチングメタル114の下流側には活性炭素繊維で構成した複数の通気性ボード116を多段に設けてある。ボード116は、図示するように鉛直方向に配置し、ミストとの接触効率を高めるのが好ましい。ボード116の下流側には、冷媒配管を蛇腹状に配設した板状の熱交換器118が設けてある。また、パンチングメタル114、ボード116、及び熱交換器118の下方にはそれぞれドレン抜き120、122、124が設けてある。
【0037】
以上の構成を有する超音波分溜装置90では、超音波振動子104で発振された超音波が第2の液体102、ポリエチレンシート98、被処理液100を介してこの被処理液100の気液界面に伝播し、そこで被処理液100のミストが形成される。このミストは、シロッコファン112で導入された外気と共に空間106、前室108を介して分離回収室110に送られる。分離回収室110に導入されたミストは、パンチングメタル114で仕切られた複数の部屋を通過する間に、図6に示すようにパンチングメタル114と衝突する。このとき、粒径の大きなミストほどパンチングメタル114に衝突する確率が高い。逆に、粒径の小さなミストほどパンチングメタル114と衝突することなく貫通孔112を通過する確率が高い。パンチングメタル114に衝突したミストは順に液化して流下し、底部に溜まった液体がドレン抜き120から系外へと回収される。パンチングメタル114に衝突することなく通過した小さなミストは活性炭素繊維ボード116を通過する際にこれと接触して液化し、その液体はドレン抜き122で系外に回収される。ボード116をも通過したミストは熱交換器118で冷却されて凝結し、その液体がドレン抜き124で系外へと回収される。最後にミストを運んだ空気はほとんど全ての液化すべき成分を回収された後開口部126から大気中に捨てられる。
【0038】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらの実施例は本発明を何ら限定するものではない。
【0039】
実施例1
まず、対照実験として図1に示した装置においてシートの無い状態で清酒を容器に入れ、さらに、ステンレス製の金属片を2本入れてそのそれぞれの金属片の一端に単3乾電池の両極を接続した。この時の温度は、30℃に保ち、超音波振動数2.3MHz、20Wの超音波を連続的に12時間照射した。この時、振動子表面を肉眼にて観察したところ、次第に黄銅色の光沢が現れはじめ、表面のニッケル蒸着したメッキが剥がれていることが確認された。実験終了後に実体顕微鏡にて振動子表面を観察したところ、酒に接触していた部分としていなかった部分に段差が観察され、ニッケルが清酒中もしくは金属片へと移行したことが明らかであった。この実験は、実機スケールのプラントを作成した場合に、何らかの電位差が生じると振動子表面から金属が溶出するであろうことを示唆しており、振動子の安定的使用および食品への金属への移行という点で問題があることがわかった。
【0040】
一方、図1に示した装置によって清酒と振動子をシートで分離した場合には、同様の実験を行っても振動子には何の影響もなかった。
【0041】
実施例2
図2に示す装置を用いて、清酒の原酒(アルコール濃度20.1v/v%)を処理した。水槽中の水温を20℃に保ち、振動数2.3MHz、20Wの振動子によって超音波を発振させたとき、2つの貯留槽(58、62)に得られた酒中のアルコール濃度を測定した。その結果を示したのが図9の表である。この表から明らかなように、貯留槽(58)中に得られた清酒は、同じ時点の元の清酒中の成分と比較すると、アルコール濃度が低く、エキス濃度が高く、酸度、アミノ酸度がそれぞれ高い濃醇な酒となっている。一方、貯留槽(62)中に得られた清酒は、同じ時点の元の清酒中の成分と比較すると、アルコール濃度が高く、エキス濃度、酸度、アミノ酸度がそれぞれ低い高アルコール酒となった。図7は、図9の表の元の清酒中のアルコール濃度と貯留槽(58)中のアルコール濃度をプロットしたものであるが、グラフ中の上側の直線は縦軸と横軸が同じアルコール濃度になる場合を示している。●印でプロットした貯留槽(58)中のアルコール濃度は、元の清酒中のアルコール濃度に比例して、かつ、元のアルコール濃度より低くなっているのが明らかである。このように、粒径の大きなミストのみを集めることによって、元の清酒よりも低いアルコール濃度の清酒を得ることが可能であった。また、貯留槽(62)に得られる高アルコール濃度の清酒は貯留槽(58)の低アルコール分のミストを先に除去しているので、より高いアルコール濃度の清酒として分取することが可能であった。加えて、貯留槽(58)中に得られた清酒をさらにアルコール濃度が10v/v%となるように水で希釈してきき酒試験に供したところ、非常に香味の優れた清酒であると評された。
【0042】
高濃度アルコール分離方法及びその装置を具体化した装置について図8を参照して説明する。図8の高濃度アルコール分離装置130において、容器132は導入口134と通気口136とを備えており、導入口134から被処理液であるアルコール溶液138、通気口136から気体(気泡140)が容器132内に導入されるようになっている。なお、気体は空気でもよいが、被処理液が酒などの食品の場合には窒素ガス、又は炭酸ガスとするのが好ましい。容器132はまた排出路142を介して気液分離槽144に接続されており、ポンプ146によって容器132内のアルコール溶液138と気泡140が気液分離槽に排出されるようになっている。容器132はその内側又は外側に超音波振動子148を備えており、この超音波振動子148から発振された超音波によって通気口136から導入された空気の気泡140が細かく砕かれるようになっている。なお、超音波振動子148は、容器132の天井部、底部、又は側部、それらの複数の箇所に設けてもよい。
【0043】
この装置130では、ポンプ146の駆動に基づいて容器132内にアルコール溶液138が導入される。他方、通気口136を介して空気の気泡140が容器132内に導入され、これが超音波振動子148から発振される超音波により細かく砕かれる。このとき、アルコール溶液138中のアルコール分が微細化された気泡140中に含まれる。なお、微細化した気泡140が液中で均一に混合されずに偏在する場合には撹拌機などを設けて気液を十分混合する。
【0044】
微細化された気泡140を含むアルコール溶液138はポンプ146によって排出路142から気液分離槽144に排出され、アルコール溶液138と微細化した気泡140によって運ばれたアルコール分が分離され、アルコール溶液は液体出口150から排出され、分離されたアルコール分は気体出口152から図示しない分離装置(例えば図4の分離回収室)に送られ、ミストの大きさに応じて液化して回収される。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の超音波分離方法及び装置によれば、超音波振動子と被処理液を分離することによって、超音波振動子を長期間に渡って安定的に使用でき、食品などへ金属イオンの移行を防ぎ、かつ低温常圧下で操作できる所要エネルギが小さく効率的な、アルコールを始めとした成分の分離が可能となる。加えて、本分溜装置において、発生してくるミスト粒径に応じてミストを液化回収することによって、粒径の小さなミストおよび蒸気を凝縮したものは非常にアルコール濃度が高く、一方、ミスト粒径の大きなものはアルコールが低くなっているので、効率的なアルコールの分離が可能となる。また、本発明の高濃度アルコール分離方法及び装置によっても効率的なアルコールの分離が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における超音波振動子と被処理液を分離する一具体例を示すものである。
【図2】実施例2を行うための超音波分溜装置を示したものである。
【図3】超音波振動子と被処理液が直接接触しないようにした新規な超音波振動子を示したものである。
【図4】超音波振動子と被処理液を分離し、かつ発生してくるミスト粒径に応じて分別する超音波霧化分溜装置を示している。
【図5】図4中で使用したパンチングメタルを詳細に説明したものである。
【図6】図5のパンチングメタルにおいてミストの流れを示したものである。
【図7】図2に示した装置を用いて清酒を処理したときの、元の清酒中のアルコール濃度を横軸に取り、同じ時点に貯留槽に得られた溜液のアルコール濃度を縦軸にプロットしたものである。
【図8】本発明にかかる高濃度アルコール分離装置の概略構成を示す図である。
【図9】図2に示した装置を用いて清酒を処理したときの、元の清酒の成分と2つの貯留槽に回収された液体の成分を示すものである。
【符号の説明】
2…超音波分溜装置、4…容器、6…シート、8…第1の部屋、10…第2の部屋、12…被処理液、14…第2の液体、20…超音波振動子、22…気液界面、26…ミスト。

Claims (6)

  1. 被処理液であるアルコール溶液の気液界面に該被処理液から隔離された第2の液体を介して超音波を照射し、前記気液界面から発生するミストを所定粒径以上のミストと該所定粒径以下のミストに分離して回収し、分離回収された前記所定粒径以上のミストから前記被処理液よりも低濃度のアルコール溶液を得るとともに、分離回収された前記所定粒径以下のミストから前記被処理液よりも高濃度のアルコール溶液を得ることを特徴とする超音波分留方法。
  2. 前記気液界面を大気圧に保つ請求項1に記載の超音波分留方法。
  3. 被処理液を該被処理液が気液界面を有するように収容する第1の部屋と、
    第2の液体を収容する第2の部屋と、
    前記第1の部屋と第2の部屋を区画し、被処理液と第2の液体とを隔離するシートと、
    前記第2の液体の内部に収容され、前記シートを介して被処理液の気液界面に超音波を照射して前記気液界から被処理液のミストを発生させる超音波発生手段と、
    前記気液界面から発生したミストを所定粒径以上のミストと該所定粒径以下のミストに分離し、分離された所定粒径以上のミストから前記被処理液よりも低濃度のアルコール溶液を得るとともに、分離された所定粒径以下のミストから前記被処理液よりも高濃度のアルコール溶液を得るミストセパレータとを備えた超音波分留装置。
  4. 前記気液界面を大気圧に保つために、前記第1の部屋は空気導入路を介して大気に連通していることを特徴とする請求項3に記載の超音波分留装置。
  5. アルコール溶液に気泡を導入し、該気泡に超音波を照射してこれを微細化し、微細化された気泡を回収して該気泡中のアルコール分を回収する高濃度アルコール分離方法。
  6. アルコール溶液を収容する容器と、前記アルコール溶液に気泡を導入する手段と、前記気泡に超音波を当てて微細化する超音波発生手段と、微細化された気泡を回収し該気泡中のアルコール分を回収する手段とを備えた高濃度アルコール分離装置。
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