JP3605953B2 - レーザ駆動回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザプリンタ、複写機等に用いられるレーザ駆動回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザプリンタ等の機器に使用される光走査装置におけるレーザ駆動回路では、画像データの濃度階調に応じて階調再現性のよいレーザ出力を得るため、従来から種々の方式が用いられている。例えば、濃度階調に対応して1画素領域内のレーザパワーを変化させる方式として、濃度階調に対応してレーザ駆動信号のパルス幅を制御することによりレーザパワーを変化させるパルス幅変調方式、濃度階調に対応してレーザ駆動信号のレベルを制御することによりレーザパワーを変化させる強度変調方式、あるいはこれらパルス幅変調方式と強度変調方式とを複合した複合方式がある。
【0003】
図6は、従来の、パルス幅変調方式によるレーザ駆動回路のブロック図である。
図6に示すパルス幅変調回路11は、階調レベルに対応した画像データ(画像を構成する各画素の画素値をあらわす画像データ)DATAを入力し、各画素毎の画像データDATAに応じたパルス幅の駆動パルスからなる駆動パルス信号を生成する。
【0004】
バイアス電流源12は、半導体レーザ17に供給するための所定のバイアス電流を生成する。
スイッチング電流源13は、バイアス電流源12で生成されたバイアス電流に重畳して、半導体レーザ17を発光させるための電流を生成する。
電流スイッチング回路14は、パルス幅変調回路11で生成された駆動パルス信号がアサートされている期間、スイッチング電流源13を半導体レーザ17に接続する。
【0005】
PD電流検出回路15は、半導体レーザ17から発せられたレーザ光の一部を受光するフォトダイオード18からの、半導体レーザ17の発光強度に応じた電流を検出する。
APC(Auto Power Control)回路16は、PD電流検出回路15で検出された電流に基づいてスイッチング電流源13の電流値を制御する。
【0006】
このように構成されたレーザ駆動回路では、半導体レーザ17にバイアス電流源12からのバイアス電流が定常的に供給される。またパルス幅変調回路11に画像データDATAが入力されると、各画素毎の画像データDATAに応じたパルス幅の駆動パルスからなる駆動パルス信号が生成され、駆動パルスがアサートされている期間、電流スイッチング回路14でスイッチング電流源13が半導体レーザ17に接続される。このようにして、半導体レーザ17には、バイアス電流源12からのバイアス電流に加え、スイッチング電流源13からのスイッチング電流が供給される。すると、半導体レーザ17が発光し、その半導体レーザ17の発光強度に応じた電流がフォトダイオード18を経由してPD電流検出回路15で検出される。PD電流検出回路15で検出された電流はAPC回路16に入力され、このAPC回路16によりスイッチング電流源13の電流が制御され、半導体レーザ17の光量が一定に制御される。
【0007】
図7は、従来の、強度変調方式によるレーザ駆動回路のブロック図である。
このレーザ駆動回路には、強度変調回路71が備えられており、その強度変調回路71に画像データDATAが入力されると、パルス幅は一定であって信号レベルが各画素毎の画像データDATAに応じたレベルの駆動パルスからなる駆動パルス信号が生成され、生成された駆動パルス信号のレベルに応じた電流で半導体レーザ17が発光し、その半導体レーザ17の発光強度に応じた電流がフォトダイオード18を経由してPD電流検出回路15で検出される。PD電流検出回路15で検出された電流はAPC回路16に入力され、このAPC回路16により駆動パルス信号の信号レベルが制御され、半導体レーザ17の光量が一定に制御される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来のレーザ駆動回路において、高精度でかつ高階調の変調を行なう場合、特にパルス幅変調方式において、半導体レーザを駆動するための駆動パルス信号のパルス幅が狭い領域において、半導体レーザの出力パルスの立ち上り期間、立ち下がり期間が有限であることに起因する出力パワーの誤差成分が無視できないという問題がある。
【0009】
この問題を、前述した図6とともに、図8を参照して説明する。
図8は、半導体レーザを駆動するための駆動電流波形と、その半導体レーザのレーザ光の瞬時出力パワーの波形を示す図である。
図8に示す瞬時パワーPoは、レーザ駆動電流ILDが、半導体レーザ17が発光するか否かの境界であるしきい値電流Ith以上ではリニアな特性を示すため、このリニアな特性を示す領域を変調駆動に用いる。半導体レーザを駆動するのは駆動パルス信号Dataのパルス期間Tdaであるが、半導体レーザ17が実際に発光するのは、バイアス電流源12からのバイアス電流Ibに、電流スイッチング回路14からのスイッチング電流Iswを重畳した駆動電流ILDが、しきい値電流Ithを越えた期間、すなわちレーザ発光期間tLDであり、このレーザ発光期間tLD内において、駆動電流ILDに対応した瞬時パワーPoが得られる。ここで、駆動パルス信号Dataが理想的な信号であり、立ち上り期間、立ち下がり期間がゼロの場合は、破線で示す、理想的な駆動電流波形a0 およびその発光応答波形b0 になる。ところが実際には、駆動パルス信号Dataの立ち上り期間、立ち下がり期間は過渡特性により所定の期間を有するため、その期間を考慮すると、例えば実線で示す、理想からずれた駆動電流波形a1 およびその発光応答波形b1 になる。従って、理想的なレーザ光出力パワーと実際のレーザ光出力パワーとの間に誤差が生じる。この誤差により発生する問題を説明するために、パルス幅変調方式における動作タイミングを図9を参照して説明する。
【0010】
図9は、図6に示す、パルス幅変調方式によるレーザ駆動回路のタイミングチャートを示す図である。
図9に示す駆動パルス信号Dataは、画素クロックCKpxの一周期である1画素期間Tpx 内で出力される。1画素期間Tpx 内における、駆動パルス信号Dataが出力される位置は、形成する画素位置に対して制御されるが、ここでは駆動パルス信号Dataは、図6に示す画像データDATAをパルス幅変調回路11によってデータ電圧信号Vdaに変換し、このパルス幅変調回路11においてさらに、そのデータ電圧信号Vdaと三角波電圧信号TWとの電圧比較結果が行なわれ、その結果によって生成される。ここでは、画素期間Tpxの中央と駆動パルス信号Dataの中央とを対応させて表記している。また図9に示す定常駆動電流Idrは、レーザ駆動電流ILDの最大ピーク値がAPC回路16で所定のレベルに抑えられた電流であり、この定常駆動電流Idrで半導体レーザが駆動され、これにより設定定常光パワーPoxが得られる。ただしここでは、レーザ駆動電流ILDおよびレーザ光瞬時出力パワーPoの立ち上がり期間、立ち下がり期間は無視している。
【0011】
図10は、駆動パルス信号Dataのパルス期間Tdaが変化したときのレーザ光のそのパルス内の積分パワーPの変化を示す図である。
パルス期間Tdaに対するレーザ光の積分パワーPの理想的な特性は、図10のAで示す破線のような一次関数に比例する。この場合の積分パワーPは、駆動パルス信号Dataのパルス期間をTdaとすると、定常駆動電流Idrに対して(1)式で表わされる。
【0012】
P∝Idr×Tda …………(1)
しかし実際には、駆動パルス信号Dataは、過渡特性による立上り期間および立ち下がり期間を有するため、駆動パルス信号Dataのパルス期間Tdaが、その駆動パルス信号Dataの立ち上り期間(レーザ駆動電流ILDがバイアス電流Ibから定常駆動電流Idrに達するまでの期間)に等しい点trを境に、それ以下では図10のBで示す鎖線のように急激に光出力パワーが低下し、立ち上がり期間が有限であることを考慮し、パルス期間Tdaが狭く、そのパルス期間Tda内では電流波形がレーザしきい値電流Ithにまで達しなくなる点tthで光出力パワーがゼロになる。立ち上がり期間を考慮した場合、パルス期間Tdaがtth〜trの間では、積分パワーPは、Idr、trおよびtthを用いて、(2)式で表わされる。
【0013】
P∝Idr/tr×(Tda−tth)2 …………(2)
次に、駆動パルス信号Dataのパルス期間Tdaが立ち上り期間に等しい点tr以下の領域について、階調を制御する従来技術とその問題点を、図11,12を参照して説明する。
図11は、図6に示すパルス幅変調方式における立ち上り期間を考慮したタイミングチャート、図12は、図11に示す各パルスどうしを重ねて表記した図である。
【0014】
図11に示すように、駆動パルス信号Dataのパルス期間Tdaが、その駆動パルス信号Dataの立ち上がり期間に等しいパルス期間DP2にあるときは、駆動電流ILDは立ち上り期間で定常駆動電流Idrに丁度到達する。しかしパルス期間DP2未満のパルス期間DP3,DP4では、駆動電流ILDのピーク電流値が低下し所望のレーザ光積分パワーが得られず、さらにパルス期間DP4ではそのピーク電流値はレーザしきい値電流Ith以下になりレーザ光出力パワーはゼロになり、半導体レーザが発光しないことになる。そこで、パルス期間Tdaがtr〜tthの範囲内にあるときの駆動パルス信号Dataの分解能を上げるとともに、パルス期間Tdaが0〜trの範囲内にあるときには駆動パルス信号Dataに応じた演算を行ない変換処理することにより光出力パワー(積分パワー)の特性を、図10のBで示す二次関数の曲線からAで示す一次関数の直線へ換算することが考えられる。しかしその場合、分解能を上げるための回路が必要になり、この回路では画素期間に対して極めて高速なスイッチング特性が要求されてくるため、その高速なスイッチング特性により回路設計が制限され、例えばプリンタ速度の高速化が困難になるという問題が発生する。また、極めて高速なスイッチング素子を用いた場合は、大幅なコストアップを招いてしまうという問題が発生する。
【0015】
一方、従来の強度変調方式では、駆動電流の最大値を階調データのフルスケールに対応させるものであるため、駆動電流を補正しようとするとその駆動電流のみを増大させることになり、その場合パルス幅が狭くなるに従って最大出力電流容量を一層高める必要があるとともに、フルスケールに対する分解能が低下するという問題がある。
【0016】
さらに、従来の、パルス幅変調方式と強度変調方式との複合変調方式では、Tda<trの期間において、パルス幅が狭くなるに従って駆動電流のピーク値を所望の定常駆動電流1drまで増大させることにより駆動電流を補正するという方法がある。しかし、パルス幅変調方式の電流スイッチング回路の出力特性は、本来の最良の立ち上がり特性で動作しているため、駆動電流を補正しようとしても駆動電流のピーク値を増大させることは、電流スイッチング回路の動作帯域の制限により困難である。このため、パルス幅変調方式における電流スイッチング回路よりさらに高速な出力電流増幅回路を別途備える必要がある。すると、回路を構成するにあたり、素子選択上の制約やコストアップ等の問題が発生する。
【0017】
本発明は、上記事情に鑑み、回路規模の極端な増大化や大幅のコストアップを防止した上で、半導体レーザを駆動させるための駆動電流の補正が図られ、高精度な光量のレーザ光が得られるレーザ駆動回路を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明のレーザ駆動回路は、画像を構成する各画素の画素値をあらわす画像データに基づいて半導体レーザを駆動するレーザ駆動回路において、
(1)各画素毎の画像データに応じたパルス幅の駆動パルスからなる駆動パルス信号を生成する駆動パルス変調回路
(2)上記駆動パルスそれぞれを含み、その駆動パルスのパルス幅よりも所定幅だけ広いパルス幅を有する補正パルスからなる補正パルス信号を生成する補正パルス変調回路
(3)所定の駆動電流を生成する駆動電流源
(4)各画素毎の画像データに応じた電流値の補正電流を生成する補正電流源
(5)上記駆動パルスがアサートされている期間、上記駆動電流源を上記半導体レーザに接続するとともに、上記駆動パルスのパルス幅が所定のパルス幅以下のパルス幅を有する場合に、上記補正パルスがアサートされている期間、上記補正電流源を上記半導体レーザに接続するスイッチング回路
を備え、
上記半導体レーザから、上記駆動パルスのパルス幅が上記所定のパルス幅を越えるか否かに拘らず、各画素毎の画像データに応じた光量のレーザ光を出力させることを特徴とする。
【0019】
本発明は、駆動パルス変調回路からの駆動パルスのパルス幅が所定のパルス幅以下のパルス幅を有する場合に、駆動パルスのパルス幅内における駆動電流に重畳して、補正パルス変調回路からの補正パルスの、駆動パルスのパルス幅よりも所定幅だけ広いパルス幅内における電流が半導体レーザに流れる。このため、駆動パルスのパルス幅が、例えば駆動パルスの立ち上がり期間、立ち下がり期間以下のように狭い場合でも、理想的なレーザ光出力パワーに近づけることができる。
【0020】
ここで、上記補正電流源が、上記駆動パルスのパルス幅が上記所定のパルス幅以下のパルス幅であって、かつその所定のパルス幅以下の所定の第2のパルス幅を越える第1のパルス幅領域にあるときの、その駆動電流パルスのパルス幅の増大に応じて減少する電流値の補正電流を生成する第1の補正電流源と、上記駆動電流パルスのパルス幅が上記第2のパルス幅以下の第2のパルス幅領域内にあるときの、その駆動パルスのパルス幅の増大に応じて増大する電流値の補正電流を生成する第2の補正電流源とからなり、上記スイッチング回路が、上記補正パルスがアサートされている期間、上記駆動パルスのパルス幅が上記第1のパルス幅領域内にあるときに上記第1の補正電流源を上記半導体レーザに接続するとともに、上記駆動パルスのパルス幅が上記第2のパルス幅領域内にあるときに上記第2の補正電流源を上記半導体レーザに接続するものであることが効果的である。
【0021】
このように補正電流源に、駆動電流パルスのパルス幅の増大に応じて減少する電流値の補正電流を生成する第1の補正電流源と、駆動電流パルスのパルス幅の増大に応じて増大する電流値の補正電流を生成する第2の補正電流源を備え、これら第1、第2の補正電流源を、後述するように駆動電流パルスのパルス幅に応じて半導体レーザに接続すると、駆動パルスの立ち上がり期間、立ち下がり期間に等しい点を境に二次曲線で急激に減少する駆動電流を正確に補正できるため、半導体レーザから一層高精度な光量のレーザ光が出力される。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態のレーザ駆動回路のブロック図、図2は、図1に示すレーザ駆動回路の回路図、図3は、図1に示すレーザ駆動回路の動作タイミングチャートである。
【0023】
尚、図6に示すレーザ駆動回路の構成要素と同一の構成要素には同一の番号を付して示す。
図1に示すパルス幅変調回路11は、図2に示すD/Aコンバータ11aとコンパレータ11bから構成されている。またバイアススイッチパルス幅変調回路21は、4つのコンパレータ21a,21b,21c,21dと、2つの増幅器21e,21fと、2つのインバータ21g,21hと、2つのアンドゲート21i,21j等から構成されている。またバイアススイッチ電流源22は、バイアス電流源22a(本発明にいう第2の補正電流源)とバイアス電流源22b(本発明にいう第1の補正電流源)から構成されている。さらに電流スイッチング回路23は、3つの電流スイッチ23a,23b,23cから構成されている。
【0024】
パルス幅変調回路11を構成するD/Aコンバータ11aは、画像データDATAを入力し、入力された画像データDATAをD/A変換して、図3に示す、画像データDATAの階調レベルに対応するデータ電圧信号Vdaを出力する。コンパレータ11bは、D/Aコンバータ11aからのデータ電圧信号Vdaと、図3に示す三角波電圧信号TWとの電圧レベルの比較を行ない、これにより半導体レーザ17を駆動するための駆動パルス信号Dataを出力する。この駆動パルス信号Dataで、図2に示す電流スイッチング回路23の電流スイッチ23aがオン,オフされ、これによりスイッチング電流源13が半導体レーザ17に接断される。
【0025】
コンパレータ21aは、D/Aコンバータ11aのデータ電圧信号Vdaから設定電圧信号Vbsを差し引いた電圧信号と三角波電圧信号TWとを比較し、比較結果(図3に示す信号A)をアンドゲート21iに入力する。尚、設定電圧信号Vbsは、駆動パルス信号Dataのパルス期間Tdaに対する、バイアス電流源22aのバイアススイッチング電流Ibs1を制御する、後述する補正パルスの期間Tbsを設定するためのものである。
【0026】
増幅器21eは、通常の増幅器であり、データ電圧信号Vdaを入力し、バイアス電流源22aの電流値を制御するための電圧信号Vbs1を出力する。
増幅器21fは、非線形補正信号発生回路(又は折れ線近似回路)で構成されており、データ電圧信号Vdaを入力し、バイアス電流源22bの電流値を制御するための電圧信号Vbs2を出力する。
【0027】
コンパレータ21bは、イコールコンパレータであり、画像データDATAと、駆動パルス信号Dataを補正するための第1の補正データDcom1とを入力し、それらの比較結果(図3に示す信号B)をインバータ21gで反転してアンドゲート21iに入力する。例えば、画像データDATAおよび第1の補正データDcom1にともに0が入力されると、コンパレータ21bから’H’レベルの信号Bが出力され、この’H’レベルの信号Bがインバータ21gで反転されアンドゲート21iに’L’レベルの信号が入力されるため、電流スイッチ23bがオフになり、バイアス電流源22aが半導体レーザ17から切り離される。
【0028】
コンパレータ21cは、大小比較機能を有するマグニチュードーコンパレータであり、画像データDATAと第2の補正データDcom2とを入力し、それらの比較結果(図3に示す信号C)をアンドゲート21iとインバータ21hに入力する。インバータ21hは、入力された信号Cを反転してアンドゲート21jに入力する。例えば、第2の補正データDcom2よりも小さい画像データDATAが入力されると、コンパレータ21cから’H’レベルの信号Cが出力される。この’H’レベルの信号Cは、アンドゲート21iに入力され、そのアンドゲート21iの他の2つの入力が’H’レベルの場合、電流スイッチ23bがオンになり、バイアス電流源22aのバイアススイッチング電流Ibs1が補正電流として半導体レーザ17に流れる。一方、’H’レベルの信号Cはインバータ21hで反転され、これによりアンドゲート21jに’L’レベルの信号が入力されるため、そのアンドゲート21jから’L’レベルの信号が出力され、電流スイッチ23cがオフになり、バイアス電流源22bのバイアススイッチング電流Ibs2が半導体レーザ17から切り離される。
【0029】
コンパレータ21dも、大小比較機能を有するマグニチュードーコンパレータである。このコンパレータ21dは、画像データDATAと第3の補正データDcom3とを入力し、それらの比較結果(図3に示す信号D)をアンドゲート21jに入力する。例えば、第3の補正データDcom3よりも小さい画像データDATAが入力されると、コンパレータ21dから’H’レベルの信号Dが出力される。この’H’レベルの信号Dは、アンドゲート21jに入力され、そのアンドゲート21jの他の入力が’H’レベルの場合、電流スイッチ23cがオンになり、バイアス電流源22bのバイアススイッチング電流Ibs2が補正電流として半導体レーザ17に流れる。
【0030】
このように構成された本実施形態のレーザ駆動回路では、スイッチング電流源13からの電流Iswと、バイアス電流源12からのバイアス電流Ibと、これら電流Isw,バイアス電流Ibを補正するための詳細は後述するバイアススイッチ電流源22からのバイアス電流Ib1,Ibs2とにより半導体レーザ17が発光し、その発光強度に応じた光がフォトダイオード18を経由してPD電流検出回路15で検出される。PD電流検出回路15で検出された電流はAPC回路16に入力され、これによりスイッチング電流源13が制御され、半導体レーサ17の、所定期間内における最大光量が決定される。
【0031】
次に、バイアススイッチ電流源22を構成するバイアス電流源22a,バイアス電流源22bの作用期間、およびバイアススイッチング電流Ibs1,Ibs2について、図3とともに、図4,5および前述した図10を参照して説明する。
図4は、図1に示すレーザ駆動回路における、半導体レーザの駆動電流波形の立ち上り期間、立ち下がり期間を考慮したタイミングチャート、図5は、駆動パルス信号Dataのパルス期間Tdaに対する補正パルスの電流特性を示す図である。尚、図10は、前述したように、駆動パルス信号Dataのパルス期間Tdaが変化したときのレーザ光のそのパルス内の積分パワーPの変化を示す図である。
【0032】
先ず、駆動パルス信号Dataのパルス期間Tdaに対するレーザ光積分パワーPの特性を、図10に示す0〜tth、tth〜trの期間に分けて考える。(1)駆動パルス信号Dataのパルス期間Tdaが、0〜tthのとき
この期間では、補正目標とする積分パワーPの特性は、図10のAで示す破線で表わされ、前述した(1)式が適用される。ここでは、半導体レーザ17の駆動電流を補正するための、図3に示す補正パルスの期間Tbsは0〜tthであり、この期間Tbsにおける駆動パルス電流をバイアス電流源22aにより補正する。バイアス電流源22aのバイアススイッチング電流Ibs1の特性は、(3)式で示される。
【0033】
Ibs1∝Idr×Tda/Tbs……(3)
この特性は図5のAで示す直線で示され、駆動パルス信号Dataのパルス期間Tdaに比例する。このような特性を有する電流Ibs1を得るために、D/Aコンバータ11aからのデータ電圧信号Vdaを増幅器21eに入力し、その増幅器21eによって電圧信号Vbs1を発生させ、バイアス電流源22aを制御する。またコンパレータ21bに、0以外の画像データDATAと、その画像データDATAと異なる第1の補正データDcom1とを入力する。すると、コンパレータ21bから’L’レベルの信号Bが出力され、さらにインバータ21gで反転されアンドゲート21iに’H’レベルの信号が入力される。またコンパレータ21cに、画像データDATAとその画像データDATAよりも大きい第2の補正データDcom2を入力する。これにより、コンパレータ21cから’H’レベルの信号Cが出力されアンドゲート21iに入力される。すると、アンドゲート21iを経由して電流スイッチ23bがオンし、バイアス電流源22aのバイアススイッチング電流Ibs1が補正電流として半導体レーザ17に流れる。一方、コンパレータ21cからの’H’レベルの信号Cはインバータ21hで反転されアンドゲート21jに’L’レベルの信号が入力されるため、電流スイッチ23cがオフになり、バイアス電流源22bのバイアススイッチング電流Ibs2は遮断される。従って、図5のAで示す直線作用期間(0<Tda≦tth)では、補正電流として、バイアス電流源22aのバイアススイッチング電流Ibs1が流れる。
(2)駆動パルス信号Dataのパルス期間Tdaが、tth〜trのとき
図3に示す補正パルス期間Tbsはtth〜trであり、この期間Tbsにおける駆動パルスの電流をバイアス電流源22bにより補正する。この期間では、補正目標とする積分パワーPの特性は、図10のBで示す破線で表わされ、前述した(2)式が適用される。必要な補正光パワーPdは、(4)式で示される。
【0034】
Pd∝Idr×{Tda−(Tda−tth)2 /tr}…(4)
従って、補正パルス期間Tbsに対して、バイアス電流源22bのバイアススイッチング電流Ibs2は、(5)式で示される。
Ibs2∝Pd/Tbs…(5)
この特性は図5のBで示す2次曲線に近似しており、駆動パルス信号Dataのパルス期間Tdaの関数として作成される。このような特性を有する電流Ibs2を得るために、D/Aコンバータ11aからのデータ電圧信号Vdaを増幅器21fに入力し、その増幅器21fによって電圧信号Vbs2を発生させ、バイアス電流源22bを制御する。またコンパレータ21cに、画像データDATAとその画像データDATAよりも小さい第2の補正データDcom2を入力し、これによりコンパレータ21cから’L’レベルの信号Cが出力される。この’L’レベルの信号Cがアンドゲート21iに入力される。すると、アンドゲート21iを経由して電流スイッチ23bがオフし、バイアス電流源22aのバイアススイッチング電流Ibs1が半導体レーザ17から切り離される。またコンパレータ21dに、画像データDATAとその画像データDATAよりも大きい第3の補正データDcom3を入力する。すると、コンパレータ21dから’H’レベルの信号Dが出力される。この’H’レベルの信号Dがアンドゲート21jの一方に入力される。アンドゲート21jの他方には、コンパレータ21cからの’L’レベルの信号Cがインバータ21hで反転された’H’レベルの信号が入力されているため、アンドゲート21jから’H’レベルの信号が出力され、これにより電流スイッチ23cがオンになり、バイアス電流源22bのバイアススイッチング電流Ibs2が補正電流として半導体レーザ17に流れる。従って、図5のBで示す2次曲線作用期間(tth<Tda<tr)では、補正電流として、バイアス電流源22bのバイアススイッチング電流Ibs2が流れる。このようにして、図4に示す動作タイミングが得られる。図4に示すように、駆動パルス信号Dataのパルス期間Tdaが,その駆動パルス信号Dataの立ち上り期間に等しいパルス期間DP2を境に、駆動パルス信号Dataのパルス期間Tdaがtth〜tr,0〜tthの領域におけるパルス期間DP3,4では、スイッチング電流Iswおよびバイアス電流Ibに、補正パルス期間Tbsのバイアススイッチング電流Ibs2,Ibs1が合成されてレーザ駆動電流ILDとして作用し、レーザしきい値電流Ithを越えた領域に対応するレーザ光出力パワーPoが得られる。尚、駆動パルス信号Dataのパルス期間Tdaが0であるパルス期間DP5のときには、レーザ駆動電流ILDはバイアス電流Ibのみになる。
【0035】
このように、駆動パルス信号Dataのパルス期間Tdaが立ち上り期間以下もしくは立ち下がり期間以下の領域において、半導体レーザ17の駆動電流をバイアススイッチ電流分大きくすることによって、パルス幅変調の直線性が、図10のAに示す直線のように改善される。
尚、本実施形態では、バイアス電流源12のバイアス電流Ibは常時供給されるモードで説明したが、必要に応じて制御してもよい。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、半導体レーザを駆動する駆動電流のパルス幅が立ち上り期間や立ち下がり期間より狭い領域においても、極端な回路構成の増大やコストアップを伴わずに、高精度、高階調の濃度変調を行なうことができる。また、駆動電流の最大ピーク値を、定常駆動電流値以下に制御できるため、最大出力電流を小さく抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のレーザ駆動回路のブロック図である。
【図2】図1に示すレーザ駆動回路の回路図である。
【図3】図1に示すレーザ駆動回路のタイミングチャートである。
【図4】図1に示すレーザ駆動回路における、半導体レーザの駆動電流波形の立ち上り期間、立ち下がり期間を考慮し作タイミングチャートである。
【図5】駆動パルス信号Dataのパルス期間Tdaに対する補正パルスの電流特性を示す図である。
【図6】従来の、パルス幅変調方式によるレーザ駆動回路のブロック図である。
【図7】従来の、強度変調方式によるレーザ駆動回路のブロック図である。
【図8】半導体レーザを駆動するための駆動電流波形と、その半導体レーザのレーザ光の瞬時出力パワーの波形を示す図である。
【図9】図6に示す、パルス幅変調方式によるレーザ駆動回路のタイミングチャートを示す図である。
【図10】駆動パルス信号Dataのパルス期間Tdaが変化したときのレーザ光のそのパルス内の積分パワーPの変化を示す図である。
【図11】図6に示すパルス幅変調方式における立ち上り期間を考慮した動作タイミングチャートである。
【図12】図11に示す各パルスどうしを重ねて表記した図である。
【符号の説明】
11 パルス幅変調回路
11a D/Aコンバータ
11b,21a,21b,21c,21d コンパレータ
12 バイアス電流源
13 スイッチング電流源
15 PD電流検出回路
16 APC回路
17 半導体レーザ
18 フォトダイオード
21 バイアススイッチパルス幅変調回路
21e,21f 増幅器
21g,21h インバータ
21i,21j アンドゲート
22 バイアススイッチ電流源
22a,22b バイアス電流源
23 電流スイッチング回路
23a,23b,23c 電流スイッチ
Claims (1)
- 画像を構成する各画素の画素値をあらわす画像データに基づいて半導体レーザを駆動するレーザ駆動回路において、
各画素毎の画像データに応じたパルス幅の駆動パルスからなる駆動パルス信号を生成する駆動パルス変調回路と、
前記駆動パルスそれぞれを含み、該駆動パルスのパルス幅よりも所定幅だけ広いパルス幅を有する補正パルスからなる補正パルス信号を生成する補正パルス変調回路と、
所定の駆動電流を生成する駆動電流源と、
各画素毎の画像データに応じた電流値の補正電流を生成する補正電流源と、
前記駆動パルスがアサートされている期間、前記駆動電流源を前記半導体レーザに接続するとともに、前記駆動パルスのパルス幅が所定のパルス幅以下のパルス幅を有する場合に、前記補正パルスがアサートされている期間、前記補正電流源を前記半導体レーザに接続するスイッチング回路とを備え、
前記補正電流源が、前記駆動パルスのパルス幅が前記所定のパルス幅以下のパルス幅であって、かつ該所定のパルス幅以下の所定の第2のパルス幅を越える第1のパルス幅領域にあるときの、該駆動電流パルスのパルス幅の増大に応じて減少する電流値の補正電流を生成する第1の補正電流源と、前記駆動電流パルスのパルス幅が前記第2のパルス幅以下の第2のパルス幅領域内にあるときの、該駆動パルスのパルス幅の増大に応じて増大する電流値の補正電流を生成する第2の補正電流源とからなり、前記スイッチング回路が、前記補正パルスがアサートされている期間、前記駆動パルスのパルス幅が前記第1のパルス幅領域内にあるときに前記第1の補正電流源を前記半導体レーザに接続するとともに、前記駆動パルスのパルス幅が前記第2のパルス幅領域内にあるときに前記第2の補正電流源を前記半導体レーザに接続するものであって、
前記半導体レーザから、前記駆動パルスのパルス幅が前記所定のパルス幅を越えるか否かに拘らず、各画素毎の画像データに応じた光量のレーザ光を出力させることを特徴とするレーザ駆動回路。
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