JP3605271B2 - 分散システムにおける共有ファイルシステム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネットワークで接続された複数の計算機を有し、前記計算機の内、一つ或いは複数の計算機から直接制御できる共有ディスクを持つ分散システムにおける共有ファイルシステムに関する。
【0002】
近年、インターネットの普及や情報化により計算機同士が情報を共有することが求められてきている。この場合、複数の計算機から一つの情報が同時に見えるようにする必要がある。また、或る計算機による情報の改変は、他の計算機からも見える必要があり、情報の変更中には、他の計算機からの参照は避けなければならない。この為、排他制御を行うことが求められている。
【0003】
【従来の技術】
以下、図に基づいて従来例を説明する。
§1:従来例1の説明・・・図14、図15参照
図14は従来例1の説明図であり、図15は従来例1の制御シーケンスである。従来、複数の計算機がネットワークで結合された分散システムにおいて、前記ネットワーク上における計算機同士の情報共有の為に、ファイルサーバーと呼ばれる計算機が使用されており、該ファイルサーバーが物理的なディスク(磁気ディスク装置)も一括して管理していた。従来使用されてきたNFS(Network File System )の構成を図14に示す。
【0004】
この例では、ネットワーク3としてLANを使用し、このLAN上に1台のサーバー1と、複数のクライアント(クライアント端末)2−1〜2−3が接続されている。そして、サーバー1には複数の磁気ディスク装置(以下「単に「磁気ディスク」と記す)4−1〜4−3が接続され、この磁気ディスクをサーバー1が一括管理していた。更に、サーバー1と各クライアント2−1〜2−3には、それぞれキャッシュデータを格納するためのキャッシュメモリ5、6が設けてある。
【0005】
前記サーバー1は、磁気ディスク4−1〜4−3を一括管理しており、磁気ディスク上のファイルに関する管理情報(ファイル管理情報)を保持し、そのファイル管理情報を使用してファイル管理を行う。従って、例えば、クライアント2−1が前記磁気ディスクのファイルをリードしたい場合、図15に示したように、クライアント2−1からサーバー1に対して、ファイルへのリードアクセス要求を送る。
【0006】
この要求を受けたサーバー1は、内部に保持しているファイル管理情報を参照し、リード要求のあったファイルに関するファイル管理情報を検索する。そして、検索したファイル管理情報を基に、磁気ディスクへアクセスして該当するファイルのデータを取り出し、一度キャッシュメモリ5にデータを格納した後、該キャッシュメモリ5のデータを、LANを経由してクライアント2−1へ転送する。
【0007】
クライアント2−1では、サーバー1からのデータを受け取ると、そのデータを一旦キャッシュメモリ5に格納して使用する。この場合はデータは全てLANを経由してやり取りしており、データ転送に時間がかかる。また、この場合、サーバー1とクライアント2−1の双方にキャッシュデータが作られる、という無駄がある。
【0008】
§2:従来例2の説明・・・図16参照
図16は従来例2の説明図である。この例では、ネットワーク3としてLANを使用し、このLAN上に1台のサーバー1と、複数のクライアント2−1〜2−3が接続されている。そして、クライアント2−1〜2−3にはそれぞれ磁気ディスク(磁気ディスク装置)4−1〜4−3が接続されている。
【0009】
すなわち、クライアント2−1には磁気ディスク4−1を接続し、クライアント2−2には磁気ディスク4−2を接続し、クライアント2−3には磁気ディスク4−3を接続している。また、各クライアント2−1〜2−3にはそれぞれキャッシュデータを格納するためのキャッシュメモリ6−1〜6−3が設けてある。そして、各クライアント2−1〜2−3は、それぞのクライアントが持つ磁気ディスクを共有している。
【0010】
このようなシステムでは、磁気ディスク4−1を直接制御できるのはクライアント2−1のみであり、磁気ディスク4−2を直接制御できるのはクライアント2−2のみであり、磁気ディスク4−3を直接制御できるのはクライアント2−3のみである。
【0011】
このように、各クライアントがそれぞれ自装置に接続された磁気ディスク4−1〜4−3を管理しているので、例えば、クライアント2−2がクライアント2−3に接続されている磁気ディスクへアクセスしたい場合は、クライアント2−2からクライアント2−3に対して、アクセス要求を送り、クライアント2−3が磁気ディスク4−3へアクセスしてデータを取り出し、一度キャッシュメモリ6−3にデータを格納した後、該キャッシュメモリ6−3のキャッシュデータを、LANを経由してクライアント2−2へ転送する。
【0012】
クライアント2−2では、クライアント2−3からのデータを受け取ると、そのデータをキャッシュメモリ6−2に格納し、使用する。この場合はデータは全てLANを経由してやり取りしており、データ転送に時間がかかる。また、この場合、クライアント2−2とクライアント2−3の双方にキャッシュデータが作られる、という無駄がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
前記のような従来のものにおいては、次のような課題があった。
(1) :従来例1では、ネットワーク上のサーバー以外の計算機に磁気ディスクは繋がっていなかったので、磁気ディスク上のファイルを読むには、サーバー内のCPUを使って読み出す必要があった。このため、しばしばサーバーの負荷が高くなり、他の計算機でファイルのデータが引き出せなくなる、という課題があった。また、同一データのキャッシュが、サーバーとクライアントの双方に作られる、という無駄があった。
【0014】
(2) :従来例1では、単一のサーバーが全ての仕事をするために、サーバーが他の計算機に比べて高負荷に陥りやすく、結果として多くの計算機を扱うことが難しい、という課題があった。また、全てのデータがサーバー経由であるために、直接磁気ディスク上のファイルを読む場合に比べて、処理が遅い、という課題があった。
【0015】
(3) :従来例2では、複数のクライアントが、それぞれ持つ磁気ディスク上のファイルデータを共有している。従って、データは全てLANを経由してやり取りしなければならず、データ転送に時間がかかる。また、ファイルへのアクセス要求を出した方のクライアント(前記の例ではクライアント2−3)と前記要求を受けた方のクライアント(前記の例ではクライアント2−2)の双方にキャッシュデータが作られる、という無駄がある。
【0016】
(4) :前記従来例1、2では、ファイルのデータが全てネットワークを経由して転送される。一般に、ファイル管理情報に比べて、ファイルデータは極めて大きなデータである。従って、ファイルデータをネットワーク経由で転送すると転送時間が長くなる。このため、前記従来例のシステムでは、処理に時間がかかる、という課題があった。
【0017】
本発明は、このような従来の課題を解決し、ファイル管理を行う計算機の負荷を少なくし、ファイルデータの転送がネットワークを経由しないようにして、処理の高速化を図ることを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
図1は本発明の原理説明図である。本発明は前記の目的を達成するため、次のように構成した。
(1) :複数の計算機がネットワーク3で結合された分散システムにおけるそれぞれの計算機、或いは一部の計算機から、前記ネットワーク3を介することなく、直接制御できる共有ディスク8−1を有し、前記計算機が前記共有ディスク8−1を制御してファイルへのアクセスを行う分散システムにおける共有ファイルシステムであって、前記結合された計算機に対し、共有ディスク8−1上のデータをファイルとして見せるために、前記計算機の内の一つをファイル管理用計算機(例えば、サーバー1)に設定すると共に、前記ファイル管理用計算機は、共有ディスク上のデータをファイルとして見せるための共有ディスクの装置番号とディスク装置上のブロック番号を含むファイルに関する管理データを有するファイル管理を行うためのファイル管理情報を保持して(メモリ9に保持して)ファイル管理を行い、他の計算機(例えば、クライアント2−1、2−2、2−3)からの要求に応じて、前記保持しているファイル管理情報の中から要求のあったファイルの管理情報を検索し、そのファイル管理情報をネットワーク3を介して要求元の計算機へ転送するファイル管理手段(CPUの一部)を備え、前記他の計算機は、ファイル管理用計算機から受け取ったファイル管理情報を基に、前記ネットワークを介することなく前記共有ディスクを直接制御して、該当するファイルへのアクセスを行うファイルアクセス制御手段を備えている。
【0019】
(2) :前記(1) の分散システムにおける共有ファイルシステムにおいて、前記ファイル管理用計算機は、他の計算機からファイル管理情報の要求を受けた場合、他の計算機同士を、ファイルのアクセスに関してファイル単位で排他制御するファイル単位排他制御手段を備えている。
【0020】
(3) :前記(1) の分散システムにおける共有ファイルシステムにおいて、前記ファイル管理用計算機は、他の計算機からファイル管理情報の要求を受けた場合、他の計算機同士を、ファイルのアクセスに関して共有ディスクの物理的な単位で排他制御する物理的単位排他制御手段を備えている。
【0021】
(4) :前記(1) の分散システムにおける共有ファイルシステムにおいて、前記ファイル管理用計算機以外の他の計算機は、前記共有ディスクから読み出したファイルデータをメモリ(キャッシュメモリ6−1)上に保持するファイルデータ保持手段を備えると共に、前記ファイル管理用計算機は、前記ファイル管理用計算機以外の計算機により共有ディスク上のファイルに対してデータの書き込みがあった場合に、共有ディスク8−1上のファイルデータと、前記メモリ(キャッシュメモリ6−1)上のファイルデータとの一貫性を保証する制御を行うファイルデータ保証制御手段を備えている。
【0022】
(5) :複数の計算機がネットワークで結合された分散システムにおけるそれぞれの計算機、或いは一部の計算機から、前記ネットワークを介することなく、直接制御できる共有ディスクを有し、前記計算機が前記共有ディスクを制御してファイルへのアクセスを行う分散システムにおける計算機に、共有ディスク上のデータをファイルとして見せるための共有ディスクの装置番号とディスク装置上のブロック番号を含むファイルに関する管理データを有するファイル管理を行うためのファイル管理情報を保持してファイル管理を行い、他の計算機からの要求に応じて、前記保持しているファイル管理情報の中から要求のあったファイルの管理情報を検索し、そのファイル管理情報をネットワークを介して要求元の計算機へ転送するファイル管理用計算機側の手順と、ファイル管理用計算機から受け取ったファイル管理情報を基に、前記ネットワークを介することなく前記共有ディスクを直接制御して、該当するファイルへのアクセスを行う他の計算機側の手順と、を実行させるためのプログラムを記録した計算機読み取り可能な記録媒体。
【0023】
(作用)
前記構成に基づく本発明の作用を、図1に基づいて説明する。
(a) :前記(1) の作用
ファイル管理用計算機(サーバー1)のファイル管理手段は、共有ディスク上のデータをファイルとして見せるための共有ディスクの装置番号とディスク装置上のブロック番号を含むファイルに関する管理データを有するファイル管理を行うためのファイル管理情報をメモリ9に保持してファイル管理を行い、他の計算機(例えば、クライアント2−1、2−2、2−3)からの要求に応じて、前記保持しているファイル管理情報の中から要求のあったファイルの管理情報を検索し、そのファイル管理情報をネットワーク3を介して要求元の計算機へ転送する。
【0024】
その後、他の計算機のファイルアクセス制御手段は、ファイル管理用計算機から受け取ったファイル管理情報を基に、ネットワーク3を介することなく前記共有ディスク8−1を直接制御して、該当するファイルへのアクセスを行う。
【0025】
例えば、クライアント2−1が共有ディスク8−1からファイルをリードする場合、次のようにしてリードする。先ず、クライアント2−1は、ファイル管理情報を獲得するため、サーバー1に対して該当するファイルのファイル管理情報を要求する(▲1▼の経路)。
【0026】
サーバー1は、メモリ9に対しファイル管理情報の検索を行い、クライアント2−1がそのファイルをリード(読み込み)中であることをメモリ9に記録する。そして、サーバー1は、メモリ9から検索したファイル管理情報のみを、ネットワーク3を経由して要求元のクライアント2−1へ転送する(▲2▼の経路)。
【0027】
クライアント2−1は、サーバー1から転送されたファイル管理情報を受け取ると、そのファイル管理情報を用いて、他のクライアント2−2、2−3と共有されている共有ディスク8−1から該当するファイルをリードする(物理的に読む)。そして、共有ディスク8−1からリードしたファイルをキャッシュメモリ6−1に格納する(▲4▼の経路)。以降、クライアント2−1ではキャッシュメモリ6−1に格納したファイルデータを使用して、目的とした処理を行う。
【0028】
このようにすれば、ファイル管理用計算機(サーバー1)はファイル管理のみを行えば良いから、従来例に比べてファイル管理用計算機の負荷が少なくなる。その結果、一つのファイル管理用計算機(サーバー1)当たり、管理出来る他の計算機(クライアント2−1〜2−3)の数を増やすことが可能になる。
【0029】
また、ファイルデータはネットワーク3を経由することなく、共有ディスク8−1から直接他の計算機(例えば、クライアント2−1)へ転送されるので、ネットワーク3を経由する場合に比べてファイルデータの転送時間が極めて短くなり、処理の高速化を図ることができる。
【0030】
(b) :前記(2) の作用
前記ファイル管理用計算機のファイル単位排他制御手段は、他の計算機からファイル管理情報の要求を受けた場合、他の計算機同士をファイルのアクセスに関してファイル単位で排他制御する。
【0031】
このようにファイル管理用計算機は、ファイル毎に排他制御するので、他の計算機(クライアント)によるファイルのリード/ライトは、互いのデータを壊さないことが保証される。
【0032】
(c) :前記(3) の作用
前記ファイル管理用計算機の物理的単位排他制御手段は、他の計算機からファイル管理情報の要求を受けた場合、他の計算機同士をファイルのアクセスに関して共有ディスク8−1の物理的な単位(ハードウェア単位)で排他制御する。
【0033】
このようにファイル管理用計算機は、共有ディスク8−1の物理的な単位で排他制御するので、他の計算機(クライアント)によるファイルのリード/ライトは、互いのデータを壊さないことが保証される。また、ファイル管理用計算機は、ハードウェアを単位として排他制御しているので、他の計算機は、そのハードウェアを占有して使うことで、装置性能の向上を図ることができる。
【0034】
(d) :前記(4) の作用
前記ファイル管理用計算機以外の他の計算機のファイルデータ保持手段は、共有ディスク8−1から読み出したファイルデータをメモリ(キャッシュメモリ6−1)上に保持する。
【0035】
そして、ファイル管理用計算機のファイルデータ保証制御手段は、ファイル管理用計算機以外の計算機により共有ディスク8−1上のファイルに対してデータの書き込みがあった場合に、共有ディスク8−1上のファイルデータと、前記メモリ(キャッシュメモリ6−1)上のファイルデータとの一貫性を保証する制御を行う。
【0036】
このようにすれば、前記他の計算機(クライアント)上のプロセスが読むファイルデータの最新性が保証される。
(e) :前記(5) の作用
前記記録媒体のプログラムを読み出して実行することにより、ファイル管理用計算機側では、共有ディスク上のデータをファイルとして見せるための共有ディスクの装置番号とディスク装置上のブロック番号を含むファイルに関する管理データを有するファイル管理を行うためのファイル管理情報を保持してファイル管理を行い、他の計算機からの要求に応じて、前記保持しているファイル管理情報の中から要求のあったファイルの管理情報を検索し、そのファイル管理情報をネットワークを介して要求元の計算機へ転送する制御を行う。
【0037】
また、他の計算機側では、ファイル管理用計算機から受け取ったファイル管理情報を基に、前記ネットワークを介することなく前記共有ディスクを直接制御して、該当するファイルへのアクセスを行う。
【0038】
このようにすれば、ファイル管理用計算機(サーバー1)はファイル管理のみを行えば良いから、従来例に比べてファイル管理用計算機の負荷が少なくなる。その結果、一つのファイル管理用計算機(サーバー1)当たり、管理出来る他の計算機(クライアント2−1〜2−3)の数を増やすことが可能になる。
【0039】
また、ファイルデータはネットワーク3を経由することなく、共有ディスク8−1から直接他の計算機(例えば、クライアント2−1)へ転送されるので、ネットワーク3を経由する場合に比べてファイルデータの転送時間が極めて短くなり、処理の高速化を図ることができる。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
§1:システムの説明・・・図2、図3参照
図2はシステム構成図であり、図3はファイル管理情報例である。この実施の形態で使用するシステム構成を図2に示す。このシステムは、複数の計算機がネットワーク(例えば、LAN:LAN:Local Area Network)3で結合された分散システムを構成している。この分散システムでは、それぞれの計算機から、或いは一部の計算機から直接制御できる共有ディスク8−1、8−2を有している。
【0041】
前記複数の計算機に共有されている共有ディスク8−1、8−2は、それぞれ、磁気ディスク装置等(光磁気ディスク等でも使用可能)により構成されるが、この場合、1台の磁気ディスク装置、複数台の磁気ディスク装置、或いは、1台の磁気ディスク装置内の、複数のディスク(複数枚の磁気ディスク)、一つのディスク(1枚の磁気ディスク)、1つのディスクが幾つかの物理的な部分に分けられたもの(1つの磁気ディスク上の一部の記憶領域)等により構成されている。
【0042】
前記LANで結合されている計算機に対し、共有ディスク8−1、8−2上のデータをファイルとして見せる為に、前記結合された計算機の内の一台をサーバー1として使用し、該サーバー1のメモリ9にファィルを管理するためのファイル管理情報(或いは、ファイル管理データ)を格納する。また、前記サーバー1以外の計算機をクライアント端末(以下、「クライアント」と記す)2−1〜2−3として使用する。そして、この例では、クライアント2−1〜2−3が、それぞれ直接制御できる共有ディスク8−1、8−2を備えている。
【0043】
すなわち、共有ディスク8−1、8−2は、クライアント2−1〜2−3の全てに接続されており、該クライアント2−1〜2−3のいずれからも、ネットワーク3を経由しないで、直接制御できるように構成されている。また、クライアント2−1〜2−3はそれぞれキャッシュメモリ6−1〜6−3を備えており、このキャッシュメモリ6−1〜6−3に共有ディスク8−1、8−2から読み出したデータをキャッシュデータとして格納するようになっている。このような分散システムにより、共有ファイルシステムを構成している。
【0044】
前記サーバー1が管理するファイル管理情報の1例を図3に示す。このファイル管理情報例は、共有ディスク8−1、8−2のファイル(データ)を管理するための情報であり、例えば、「ファイル名、ファイル番号の表」と、「ファイルに関する管理データ」等から構成されている。
【0045】
前記「ファイル名、ファイル番号の表」には、各ファイル毎に、そのファイル名(識別情報)やファイル番号があり、前記「ファイルに関する管理データ」には、現在アクセス中のクライアント名、日付(更新、生成、アクセス)、磁気ディスク装置番号(共有ディスク8−1、8−2を構成する磁気ディスク装置の番号)、ディスク装置上のブロック番号リスト、ファイルサイズ等である。前記のようなファイル管理情報は、サーバー1に設けたメモリ9に格納され、サーバーー1が管理する。
【0046】
ところで、従来は、共有ディスクに対するファイルの読み書き(リード/ライト)や、ファイル管理などは、全てサーバー1に任せていたが、本発明では、ファイル管理のみをサーバー1に任せ、共有ディスクに対するファイルの読み書き(リード/ライト)は、実際にファイルの情報を必要とする計算機(クライアント)が共有ディスクを通じて行うようにしている。このことにより、サーバー1の役割は最小限のものとなる。
【0047】
また、サーバー1はファイル管理情報を持ち、クライアントからの通知を受けて、クライアントが指定したファイル管理情報を検索する手段を有し、これをクライアントに転送する手段を持つ。クライアントは前記ファイル管理情報を用い、共有ディスクのファイルを読み書きする手段を有する。更に、サーバー1はクライアント同士をファイルのアクセスに関して排他制御する為に、クライアント同士を識別する手段とそれらの排他制御を行う手段を持つ。なお、前記各手段は、CPUがプログラムを実行することで実現する手段である。
【0048】
§2:分散システムにおける共有ファイルシステムの動作説明・・・図4、図5参照
図4は共有ディスクからの読み出し制御シーケンスである。図5はクライアント間の排他制御シーケンスである。以下、図4、図5に基づいて分散システムにおける共有ファイルシステムの動作を説明する。
【0049】
(1) :クライアントによる共有ディスクからのファイル読み出し処理の説明・・・図4参照
図2に示したシステムにおいて、クライアント2−1が共有ディスク8−1からファイルをリード(read)する場合、次のようにしてリードする。先ず、クライアント2−1は、ファイル管理情報を獲得(file情報の獲得)するため、サーバー1に対して該当するファイルのファイル管理情報を要求する(図2の▲1▼の経路)。
【0050】
サーバー1は、メモリ9に格納されているファイル管理情報の内から、要求のあったファイルに関するファイル管理情報を検索し、クライアント2−1がそのファイルをリード(読み込み)中であることをメモリ9に記録する。そして、サーバー1は、メモリ9から検索したファイル管理情報のみを、ネットワーク(LAN)3を経由して、要求元のクライアント2−1へ転送する(図2の▲2▼の経路)。
【0051】
クライアント2−1は、サーバー1から転送されたファイル管理情報を受け取ると、そのファイル管理情報を用いて、他のクライアント2−2、2−3と共有されている共有ディスク8−1から該当するファイルをリードする(物理的に読む)。そして、共有ディスク8−1からリードしたファイルをキャッシュメモリ6−1に格納する(図2の▲4▼の経路)。以降、クライアント2−1ではキャッシュメモリ6−1に格納したファイル(データ)を使用して、目的とした処理を行う。
【0052】
(2) :クライアント間の排他制御例の説明・・・図5参照
図2に示したシステムにおいて、クライアント間の排他制御は次のようにして行う。例えば、前記(1) で説明したように、クライアント2−1による共有ディスク8−1からのファイルのリードが行われたとする。この時、クライアント2−1のキャッシュメモリ6−1には前記リードしたファイルのデータが残っている。
【0053】
そこへ、クライアント2−2が共有ディスク8−1の同じファイルに対してライト(データの書き込み)をする場合、排他制御が必要になる。すなわち、クライアント2−2がサーバー1に対して、前記と同じファイルのライトを行うため、そのファイルのファイル管理情報を要求した時、サーバー1はクライアント2−1に対し、クライアント2−1がキャッシュメモリ6−1上に持つ、当該ファイルに関するキャッシュデータを捨てるように要求する。
【0054】
その後、クライアント2−1がキャッシュメモリ6−2に持つキャッシュデータを捨てたことをサーバー1が確認すると、サーバー1はクライアント2−2に対し、当該ファイル管理情報を転送する。クライアント2−2は前記ファイル管理情報を受け取ると、そのファイル管理情報を使用して共有ディスク8−1の該当するファイルに対し、データのライト(書き込み)を行う。以下、各具体例について詳細に説明する。
【0055】
§3:例1の説明・・・図6、図7参照
図6は例1の説明図であり、図7は例1の制御シーケンスである。以下、図6、図7に基づき、例1について説明する。この例は、前記図2に示した分散システム上にある、2つのクライアント2−1、2−2が共有する1つの共有ディスク8−1に格納されたファイル1を、前記2つのクライアント2−1、2−2がそれぞれリード/ライトする(異なったクライアントが同一ファイルに対してリード/ライトする)例である。この例ではファイルのリード/ライト毎に前記のような排他制御が行われる。
【0056】
先ず、クライアント2−1がサーバー1に対してファイル1のファイル管理情報を要求する。この要求を受け取ったサーバー1は、メモリ9からファイル1のファイル管理情報(ファイル1の属性、ディスクレイアウト情報等)を検索し、そのファイル管理情報をネットワーク3を経由してクライアント2−1へ転送する。この時、サーバー1は、クライアント2−1がファイル1のキャッシュデータを持っていることをメモリ9に記録しておく。
【0057】
一方、クライアント2−1はサーバー1からファイル管理情報を受け取ると、そのファイル管理情報を使用して共有ディスク8−1のファイル1をリードするためのリード命令を発行して、共有ディスク8−1からファイル1をリードする。そして、リード処理が終了すると、前記リードしたファイル1をキャッシュメモリ6−1に格納する。このようにしてクライアント2−1がファイル1のデータをキャッシュメモリ6−1に保持する。
【0058】
その後、クライアント2−2が前記と同じファイル1に対し、データのライト(書き込み)を行うため、サーバー1に対しファイル1のファイル管理情報を要求する。この要求を受け取ったサーバー1は、クライアント2−1に対し、キャッシュメモリ6−1に保持しているファイル1のデータを捨てるように(破棄するように)指示する解放命令を発行する。
【0059】
この命令を受け取ったクライアント2−1はキャッシュメモリ6−1に保持しているファイル1のデータを捨て、このことをサーバー1へ通知する。サーバー1は、クライアント2−2がファイル1のデータを持っていることをメモリ9に記録する。そして、サーバー1からファイル1のファイル管理情報をクライアント2−2へ転送する。
【0060】
クライアント2−2は前記ファイル管理情報を受け取ると、このファイル管理情報を使用して共有ディスク8−1に対し、ファイル1のライト命令を発行し、該共有ディスク8−1のファイル1に対し、データのライト(書き込み)を行う。このライトが終了すると、クライアント2−2は、ライトしたファイル1のデータをキャッシュメモリ6−2に格納し、処理を終了する。
【0061】
このようにすれば、サーバー1はファイル管理のみを行えば良いから、従来例に比べてサーバー1の負荷が少なくなる。その結果、一つのサーバー当たり、管理出来るクライアントの数を増やすことが可能になる。また、ファイルデータはネットワーク3を経由することなく、共有ディスク8−1から直接クライアントへ転送されるので、ネットワーク3を経由する場合に比べてファイルデータの転送時間が極めて短くなり、処理の高速化を図ることができる。
【0062】
また、クライアント2−1は、共有ディスク8−1から読み出したファイルデータをキャッシュメモリ6−1上に保持し、サーバー1は、クライアント2−2により共有ディスク8−1上のファイルに対してデータの書き込みがあった場合に、共有ディスク8−1上のファイルデータと、キャッシュメモリ6−1上のファイルデータとの一貫性を保証する制御を行っている。従って、クライアント上のプロセスが読むファイルデータの最新性が保証される。
【0063】
§4:例2の説明・・・図8、図9参照
図8は例2の説明図であり、図9は例2の制御シーケンスである。以下、図8、図9に基づき、例2について説明する。この例は、前記図2に示した分散システム上にある、2つのクライアント2−1、2−2が共有する2つの共有ディスク8−1、8−2を対象としてファイルのリード/ライトを行う例である。
【0064】
この場合、クライアント2−1が、続けてアクセスする共有ディスク8−1上のファイル1とファイル2が同じディスク上にあり、両方のアクセスの性能を上げるために、共有ディスク8−1を単位(ハードウェアを単位)としてアクセス中であることを示し、排他制御する。従って、クライアント2−2は、その間に生成したいファイル3を、別の共有ディスク8−2に生成する。
【0065】
以下、図9に基づいて詳細に説明する。先ず、クライアント2−1がファイル1のリードを行うため、サーバー1へファイル管理情報を要求する。続いてクライアント2−1はファイル2をリードするためサーバー1へファイル管理情報を要求する。この要求を受けたサーバー1は、ファイル1、ファイル2のファイル管理情報をメモリ9から検索して求め、そのファイル管理情報をクライアント2−1へ転送する。
【0066】
このファイル管理情報を受けたクライアント2−1は、前記ファイル管理情報から、ファイル1とファイル2が共に、共有ディスク8−1にあることが分かると、共有ディスク8−1を単位(ハードウェアを単位)としてロックすることをサーバー1へ通知する。この通知を受けたサーバー1では、クライアント2−1により共有ディスク8−1がロックされていることをメモリ9に記録する。
【0067】
その後、クライアント2−1では、共有ディスク8−1に対してリード命令を発行し、ファイル1とファイル2をリードする。そして、前記リードが終了すると、共有ディスク8−1からリードしたファイル1、ファイル2のデータをキャッシュメモリ6−1に格納する。その後、クライアント2−1は共有ディスク8−1を解放することをサーバー1へ通知する。この通知を受けたサーバー1は、クライアント2−1が共有ディスク8−1をロックしていたのを、解放したことをメモリ9に記録する。
【0068】
前記のようにして、共有ディスク8−1をロックしている状態で、クライアント2−2からファイル3を生成してライトするため、サーバー1へファイル管理情報を要求する。この要求を受けたサーバー1は、メモリ9のファイル管理情報より、共有ディスク8−1は今使えない状態であることを認識すると、クライアント2−2に対して、共有ディスク8−2の空きブロックを指定し、ファイル管理情報を転送する。
【0069】
クライアント2−2は、受け取ったファイル管理情報を基に、共有ディスク8−2へアクセスし、指定された領域に前記ファイル3のデータをライトする。そして、ライト処理を終了する。
【0070】
このようにサーバー1は、共有ディスク8−1の物理的な単位で排他制御するので、クライアント2−1、2−2によるファイルのリード/ライトは、互いのデータを壊さないことが保証される。また、サーバー1は、ハードウェアを単位として排他制御しているので、クライアント2−1、2−2は、そのハードウェアを占有して使うことで、装置性能の向上を図ることができる。
【0071】
§5:例3の説明・・・図10、図11参照
図10は例3の説明図であり、図11は例3の制御シーケンスである。以下、図10、図11に基づき、例3について説明する。この例は、前記図2に示した分散システム上にある、2つのクライアント2−1、2−2が共有する2つの共有ディスク8−1、8−2を対象としてファイルのリード/ライトを行う例である。
【0072】
この場合、共有ディスク8−1はクライアント2−1、2−2に接続されており、いずれのクライアントからも直接アクセスできるようになっている。そして、共有ディスク8−1には、ファイル1、ファイル2を格納するが、ファイル1がクライアント2−1のものであり、ファイル2がクライアント2−2のものであることを、サーバー1が予め知っているものとする。このため、サーバー1は、前記ファイル1、2へのアクセス時に、クライアント2−1、2−2からのファイル管理情報の要求があった場合、排他制御は行わない。
【0073】
以下、図11に基づいて具体的に説明する。例えば、クライアント2−1がファイル1をリードするため、サーバー1へファイル管理情報を要求すると、サーバー1は排他制御を行うことなく、メモリ9からファイル1のファイル管理情報を検索してクライアント2−1へ転送する。また、この時、クライアント2−2がファイル2をリードするため、サーバー1へファイル管理情報を要求すると、サーバー1は排他制御を行うことなく、メモリ9からファイル2のファイル管理情報を検索してクライアント2−2へ転送する。
【0074】
このようにしてファイル1のファイル管理情報を受け取ったクライアント2−1は、前記ファイル管理情報を基に、共有ディスク8−1へアクセスしてファイル1をリードする。そして、リードが終了したらそのファイル1のデータをキャッシュメモリ6−1に格納する。また、ファイル2のファイル管理情報を受け取ったクライアント2−2は、前記ファイル管理情報を基に、共有ディスク8−1へアクセスしてファイル2をリードする。そして、リードが終了したらそのファイル2のデータをキャッシュメモリ6−2に格納する。
【0075】
クライアント2−2は前記ファイル2のリードが終了した後、更に、同じファイル2にライトするため、サーバー1へファイル管理情報を要求すると、この時もサーバー1は排他制御を行うことなく、メモリ9からファイル2のファイル管理情報を検索してクライアント2−2へ転送する。ファイル2のファイル管理情報を受け取ったクライアント2−2は、前記ファイル管理情報を基に、共有ディスク8−1へアクセスしてファイル2をライトする。そして、ライトが終了したらそのファイル2のデータをキャッシュメモリ6−2に格納する。
【0076】
§6:例4の説明・・・図12、図13参照
図12は例4の説明図であり、図13は例4の制御シーケンスである。以下、図12、図13に基づき、例4について説明する。この例は、前記図2に示した分散システム上にある、2つのクライアント2−1、2−2が共有する2つの共有ディスク8−1、8−2を対象としてファイルのリード/ライトを行う例である。
この場合、共有ディスク8−1はクライアント2−1、2−2に接続されており、いずれのクライアントからも直接制御できるようになっている。そして、共有ディスク8−1にはファイル1を格納する。この場合、クライアント2−1、2−2共に同じファイル1にリード/ライトするが、それぞれ協調的に働くのでどこをリード/ライトするかをサーバー1が事前に知っているものとする。このため、サーバー1は、前記ファイル1、2へのアクセス時に、クライアント2−1、2−2からのファイル管理情報の要求があっても排他制御は行わない。
【0077】
以下、図13に基づいて具体的に説明する。例えば、クライアント2−1がファイル1をリードするため、サーバー1へファイル管理情報を要求する。続いてクライアント2−2がファイル1をリードするため、サーバー1へファイル管理情報を要求したとする。この時、サーバー1は、ファイル1が2つのクライアント2−1、2−2で共有されるので、排他制御は行わない。
【0078】
従って、サーバー1は、メモリ9からファイル1のファイル管理情報を検索してクライアント2−1へ転送し、続いてファイル1のファイル管理情報をクライアント2−2へ転送する。このようにしてファイル1のファイル管理情報を受け取ったクライアント2−1は、前記ファイル管理情報を基に、共有ディスク8−1へアクセスしてファイル1をリードするが、ファイル1のオフセット0から100バイト分のデータのみをリードする。そして、リードが終了したらそのファイル1のデータをキャッシュメモリ6−1に格納する。
【0079】
また、前記のようにしてファイル1のファイル管理情報を受け取ったクライアント2−2は、前記ファイル管理情報を基に、共有ディスク8−1へアクセスしてファイル1をリードするが、ファイル1のオフセット10Kから1Kバイト分のデータのみをリードする。そして、リードが終了したらそのファイル1のデータをキャッシュメモリ6−1に格納する。
【0080】
§7:記録媒体とプログラムの説明
前記のように、サーバー1では、ファイル管理を行うためのファイル管理情報を保持してファイル管理を行い、クライアントからの要求に応じて、前記保持しているファイル管理情報の中から要求のあったファイルの管理情報を検索し、そのファイル管理情報をネットワーク3を介して要求元のクライアントへ転送する。また、各クライアント2−1〜2−3では、サーバー1から受け取ったファイル管理情報を基に、ネットワーク3を介することなく、前記共有ディスクを直接制御して、該当するファイルへのアクセスを行う。
【0081】
前記サーバー1(計算機)、及びクライアント2−1〜2−3(計算機)等が行う処理は、サーバー1、及びクライアント2−1〜2−3内のCPUがプログラムを実行することにより次のようにして実現する。前記サーバー1、及びクライアント2−1〜3−3にはディスク装置が設けてあり、このディスク装置の記憶媒体に、前記処理を実現するためのプログラムやその他の各種データ等を格納しておく。そして、前記処理を行う場合は、CPUの制御によりディスク装置の記憶媒体に格納されている前記プログラムやデータを読み出して計算機本体内のメモリに取り込む。
【0082】
その後、CPUが前記メモリに格納してあるプログラムの内、必要なプログラムから順次読み出して実行することにより前記処理を行う。なお、前記ディスク装置の記憶媒体に格納するプログラムは、次のようにして格納(記憶)する。
【0083】
▲1▼:フレキシブルディスク(フロッピィディスク)に格納されているプログラム(他の装置で作成したプログラムデータ)を、サーバー1やクライアント2−1〜2−3本体に設けたフレキシブルディスクドライブ装置により読み取り、ディスク装置の記憶媒体に格納する。
【0084】
▲2▼:光磁気ディスク、或いはCD−ROM等の記憶媒体に格納されているデータを、前記サーバー1やクライアント2−1〜2−3に設けたドライブ装置により読み取り、ディスク装置の記憶媒体に格納する。
【0085】
▲3▼:LAN等の通信回線を介して他の装置から伝送されたデータを前記サーバー1やクライアント2−1〜2−3の装置本体で受信し、そのデータをディスク装置の記憶媒体に格納する。
【0086】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば次のような効果がある。
(1) :複数の計算機が共有ディスクを共有し、その上にファイルを読み書きすることが可能になる。この場合、ネットワーク上をファイルデータが通らないので、従来例に比べて高速処理が可能になる。また、サーバーは、ファイル管理のみを行えば良いから、サーバーの負荷が少なくなり、一サーバー当たりの管理可能なクライアント数を増やすことが可能になる。更に、分散環境であるため、計算機の通過が比較的容易にできる。
【0087】
(2) :クライアントはサーバーから受け取ったファイル管理情報を使用して共有ディスク上のファイルにアクセスすることができる。従って、共有するディスク上のファイルデータを、それぞれのクライアントで共有することが簡単にできる。
【0088】
(3) :サーバーはファイル毎に排他制御を行うことができるので、クライアントの書き込み/読み出しは、お互いのデータを壊すことなく行うことが保証される。
【0089】
(4) :サーバーは、どのクライアントがどのファイルのキャッシュデータを持っているかを知っているので、クライアントが或るファイルを書いた時、他のクライアントに対し、そのファイルのキャッシュデータを捨てさせることができる。このことにより、クライアント上のプロセスが読むデータの最新性が保証される。
【0090】
(5) :サーバーは、共有ディスクのハードウェアを単位として排他制御できるので、クライアントはそのハードウェアを占有して使うことができる。このため、装置の性能の向上が期待できる。
【0091】
前記効果の他、各請求項に対応して次のような効果がある。
(6) :請求項1では、ファイル管理用計算機のファイル管理手段は、共有ディスク上のデータをファイルとして見せるための共有ディスクの装置番号とディスク装置上のブロック番号を含むファイルに関する管理データを有するファイル管理を行うためのファイル管理情報を保持してファイル管理を行い、他の計算機からの要求に応じて、前記保持しているファイル管理情報の中から要求のあったファイルの管理情報を検索し、そのファイル管理情報をネットワークを介して要求元の計算機へ転送する。
【0092】
その後、他の計算機のファイルアクセス制御手段は、ファイル管理用計算機から受け取ったファイル管理情報を基に、ネットワークを介することなく共有ディスクを直接制御して、該当するファイルへのアクセスを行う。
【0093】
このようにすれば、ファイル管理用計算機はファイル管理のみを行えば良いから、従来例に比べてファイル管理用計算機の負荷が少なくなる。その結果、一つのファイル管理用計算機(サーバー1)当たり、管理出来る他の計算機の数を増やすことが可能になる。
【0094】
また、ファイルデータはネットワークを経由することなく、共有ディスクから直接他の計算機へ転送されるので、ネットワーク3を経由する場合に比べてファイルデータの転送時間が極めて短くなり、処理の高速化を図ることができる。
【0095】
(7) :請求項2では、ファイル管理用計算機のファイル単位排他制御手段は、他の計算機からファイル管理情報の要求を受けた場合、他の計算機同士をファイルのアクセスに関してファイル単位で排他制御する。このようにファイル管理用計算機は、ファイル毎に排他制御するので、他の計算機によるファイルのリード/ライトは、互いのデータを壊さないことが保証される。
【0096】
(8) :請求項3では、ファイル管理用計算機の物理的単位排他制御手段は、他の計算機からファイル管理情報の要求を受けた場合、他の計算機同士をファイルのアクセスに関して共有ディスクの物理的な単位(ハードウェア単位)で排他制御する。
【0097】
このようにファイル管理用計算機は、共有ディスクの物理的な単位で排他制御するので、他の計算機によるファイルのリード/ライトは、互いのデータを壊さないことが保証される。また、ファイル管理用計算機は、ハードウェアを単位として排他制御しているので、他の計算機は、そのハードウェアを占有して使うことで、装置性能の向上を図ることができる。
【0098】
(9) :請求項4では、ファイル管理用計算機以外の他の計算機のファイルデータ保持手段は、共有ディスクから読み出したファイルデータをメモリ上に保持する。そして、ファイル管理用計算機のファイルデータ保証制御手段は、ファイル管理用計算機以外の計算機により共有ディスク上のファイルに対してデータの書き込みがあった場合に、共有ディスク上のファイルデータと、前記メモリ上のファイルデータとの一貫性を保証する制御を行う。このようにすれば、前記他の計算機上のプロセスが読むファイルデータの最新性が保証される。
【0099】
(10):請求項5では、記録媒体のプログラムを読み出して実行することにより、ファイル管理用計算機側では、共有ディスク上のデータをファイルとして見せるための共有ディスクの装置番号とディスク装置上のブロック番号を含むファイルに関する管理データを有するファイル管理を行うためのファイル管理情報を保持してファイル管理を行い、他の計算機からの要求に応じて、保持しているファイル管理情報の中から要求のあったファイルの管理情報を検索し、そのファイル管理情報をネットワークを介して要求元の計算機へ転送する制御を行う。
【0100】
また、他の計算機側では、ファイル管理用計算機から受け取ったファイル管理情報を基に、前記ネットワークを介することなく前記共有ディスクを直接制御して、該当するファイルへのアクセスを行う。
【0101】
このようにすれば、ファイル管理用計算機はファイル管理のみを行えば良いから、従来例に比べてファイル管理用計算機の負荷が少なくなる。その結果、一つのファイル管理用計算機当たり、管理出来る他の計算機の数を増やすことが可能になる。また、ファイルデータは、ネットワークを経由することなく、共有ディスクから直接他の計算機へ転送されるので、ネットワークを経由する場合に比べて、ファイルデータの転送時間が極めて短くなり、処理の高速化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理説明図である。
【図2】実施の形態におけるシステム構成図である。
【図3】実施の形態におけるファイル管理情報例である。
【図4】実施の形態における共有ディスクからの読み出し制御シーケンスである。
【図5】実施の形態におけるクライアント間の排他制御シーケンスである。
【図6】実施の形態における例1の説明図である。
【図7】実施の形態における例1の制御シーケンスである。
【図8】実施の形態における例2の説明図である。
【図9】実施の形態における例2の制御シーケンスである。
【図10】実施の形態における例3の説明図である。
【図11】実施の形態における例3の制御シーケンスである。
【図12】実施の形態における例4の説明図である。
【図13】実施の形態における例4の制御シーケンスである。
【図14】従来例1の説明図である。
【図15】従来例1の制御シーケンスである。
【図16】従来例2の説明図である。
【符号の説明】
1 サーバー
2−1〜2−3 クライアント
3 ネットワーク
4−1〜4−3 磁気ディスク
5、6−1〜6−3 キャッシュメモリ
8−1〜8−2 共有ディスク
9 メモリ
Claims (5)
- 複数の計算機がネットワークで結合された分散システムにおけるそれぞれの計算機、或いは一部の計算機から、前記ネットワークを介することなく、直接制御できる共有ディスクを有し、前記計算機が前記共有ディスクを制御してファイルへのアクセスを行う分散システムにおける共有ファイルシステムであって、
前記結合された計算機に対し、共有ディスク上のデータをファイルとして見せるために、前記計算機の内の一つをファイル管理用計算機に設定すると共に、
前記ファイル管理用計算機は、共有ディスク上のデータをファイルとして見せるための共有ディスクの装置番号とディスク装置上のブロック番号を含むファイルに関する管理データを有するファイル管理を行うためのファイル管理情報を保持してファイル管理を行い、他の計算機からの要求に応じて、前記保持しているファイル管理情報の中から要求のあったファイルの管理情報を検索し、そのファイル管理情報をネットワークを介して要求元の計算機へ転送するファイル管理手段を備え、
前記他の計算機は、ファイル管理用計算機から受け取ったファイル管理情報を基に、前記ネットワークを介することなく前記共有ディスクを直接制御して、該当するファイルへのアクセスを行うファイルアクセス制御手段を備えていることを特徴とした分散システムにおける共有ファイルシステム。 - 前記ファイル管理用計算機は、
他の計算機からファイル管理情報の要求を受けた場合、他の計算機同士を、ファイルのアクセスに関してファイル単位で排他制御するファイル単位排他制御手段を備えていることを特徴とした請求項1記載の分散システムにおける共有ファイルシステム。 - 前記ファイル管理用計算機は、
他の計算機からファイル管理情報の要求を受けた場合、他の計算機同士を、ファイルのアクセスに関して共有ディスクの物理的な単位で排他制御する物理的単位排他制御手段を備えていることを特徴とした請求項1記載の分散システムにおける共有ファイルシステム。 - 前記ファイル管理用計算機以外の他の計算機は、前記共有ディスクから読み出したファイルデータをメモリ上に保持するファイルデータ保持手段を備えると共に、
前記ファイル管理用計算機は、前記ファイル管理用計算機以外の計算機により共有ディスク上のファイルに対してデータの書き込みがあった場合に、共有ディスク上のファイルデータと、前記メモリ上のファイルデータとの一貫性を保証する制御を行うファイルデータ保証制御手段を備えていることを特徴とした請求項1記載の分散システムにおける共有ファイルシステム。 - 複数の計算機がネットワークで結合された分散システムにおけるそれぞれの計算機、或いは一部の計算機から、前記ネットワークを介することなく、直接制御できる共有ディスクを有し、前記計算機が前記共有ディスクを制御してファイルへのアクセスを行う分散システムにおける計算機に、
共有ディスク上のデータをファイルとして見せるための共有ディスクの装置番号とディスク装置上のブロック番号を含むファイルに関する管理データを有するファイル管理を行うためのファイル管理情報を保持してファイル管理を行い、他の計算機からの要求に応じて、前記保持しているファイル管理情報の中から要求のあったファイルの管理情報を検索し、そのファイル管理情報をネットワークを介して要求元の計算機へ転送するファイル管理用計算機側の手順と、
ファイル管理用計算機から受け取ったファイル管理情報を基に、前記ネットワークを介することなく前記共有ディスクを直接制御して、該当するファイルへのアクセスを行う他の計算機側の手順と、
を実行させるためのプログラムを記録した計算機読み取り可能な記録媒体。
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