JP3605045B2 - X線反射率解析装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、基板上に形成された単層あるいは複数層の薄膜において、そのX線反射率を測定し、得られたパターンを解析し、薄膜の膜厚や屈折率や密度等の情報を非破壊的に評価するX線反射率解析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、様々な目的で基板上に薄膜を意図的に形成した素子が工業的に製造されている。また偶然に形成された基板上の薄膜が素子や材料の特性を変えるものもある。意図的にせよ,偶然にせよ基板上に形成された薄膜の膜厚や密度は素子や材料の特性に影響を与え、これらを制御したり、あるいは評価するためには精度の高い解析法が必要である。簡易な膜厚評価法として蛍光X線分光測定を行い、構成元素のピーク強度から評価する方法があるが、この方法は膜厚とピーク強度との相関を表す校正曲線を予め求めておかなければならない相対的評価法である。これに対して近年、薄膜のX線反射率を測定し、得られたパターンを解析し、薄膜の膜厚や膜質の絶対的な評価を行う試みがなされている。X線を用いるこの方法は大気中でできること、金属のように光に対し不透明な系へも適用できること、しかも試料を破壊しないで評価できる特長を有している。
【0003】
X線反射率による代表的な膜厚解析法としてフーリエ解析法がある。これはX線パターンの振動構造をフーリエ解析し、膜厚を計算する手法であり、例えば Jpn. J. Appl. Phys. 31(1992)L113に開示されている。
【0004】
フーリエ解析法は薄膜の屈折率あるいは密度を仮定し、それに基づいて周期構造を補正し、さらにフーリエ変換で得られたピークの周波数位置を膜厚に換算する際にも仮定した屈折率あるいは密度を用いるので、正確な膜厚を得るためには、測定対照とする薄膜の屈折率あるいは密度を使用しなければならない。また、フーリエ解析法では多層積層膜のように膜の層数が増えると多数のピークが出現し、それらの解析が非常に困難になるという特徴が有る。
【0005】
ところで、これらの解析法に用いるX線反射率パターンの測定には千分の1度程度の角度が制御できる精度の高いX線光学系と単色化された光源が望ましい。また、解析の精度を上げるためには、解析対象となるデータポイント数が多く、かつ広い入射角度範囲のデータが使用できることが望ましいが、そのためにはX線検出において、広いダイナミックレンジが要求される。従来、広く用いられているシンチレーションカウンターでは約5桁のダイナミックレンジしか保障されない。そのためにアルミ箔等を減衰フィルタとして使用し、入射角が小さく反射X線が強度が高い領域ではこのフィルタを用いて測定し、入射角が増して反射X線強度がある程度小さくなった時点でフィルタを除き、以降の測定を行い、フィルタの減光率を勘案し、高強度側の領域の強度を補正し、フィルタなしの領域とデータをつなぐ方法が用いられている。1点だけでデータ接続した場合には、しばしば減光率の補正が不正確となり、接続点で曲線の傾きが不連続になることがある。これに対し、まずフィルタ有りの状態で測定し、入射角2θを0.5 度だけ戻し、次いでフィルタ無しの状態で測定して、ある程度強度が低下した時点でデータ点が複数点オーバーラップするようにして測定し、角度がオーバーラップしている複数のデータ点で強度補正を行うことにより滑らかにデータを接続する手法がMat. Res. Soc. Symp. Proc. ,208,p.327に開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、正確な膜厚の評価には少なくとも薄膜の屈折率あるいは密度の入力が必要である。したがって、X線反射率測定方法は従来、ある程度素性が知れている試料の膜厚や膜質を正確に評価するのに用いられ、未知試料に対する評価手法として用いられることはなかった。未知試料においては、これらの手法に先立ち、他の解析装置によって組成やおおまかな膜厚等を調べる必要が有るため、手間と時間が掛かるという問題があった。また、他の解析装置を併用する場合、試料を取り扱う間で汚染や変質が生じる恐れや、装置によって評価される空間的領域が異なるため、必ずしも正確な初期値を得られない可能性が有った。また、X線反射率パターンの測定には時間が掛かり、ライン上で製品の品質管理モニタとして使うことは困難である。
【0007】
本発明の目的は、膜構造モデルや各層の膜厚,屈折率,密度が未知の試料であっても、解析が可能なX線反射率解析装置を提供することに有る。さらに、汚染や変質がなく、正確でスピーディな解析を行えるX線反射率解析装置を提供することも目的の1つである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、まずX線反射率の解析法について検討する。例として基板上に2層の薄膜が形成されているとき、表面および界面が滑らかで膜内の吸収が小さければ、膜の全反射の臨界角より大きな入射角θの領域におけるX線反射率のパターンは数1で近似される。2層の薄膜をここではそれぞれ薄膜1,薄膜2とする。図2にこの試料の模式図を示す。
【0009】
【数1】
Figure 0003605045
【0010】
この中で用いられている膜の屈折率δは数2で表せる。
【0011】
【数2】
Figure 0003605045
【0012】
数2において膜の元素組成と密度ρがわかれば、残りは定数であるのでδは計算できる。これらの式についての詳細は前出の参考文献を参照されたい。
【0013】
数1において、第1〜3項は表面及び界面からの反射であり、第4項と第5項はそれぞれ薄膜1,薄膜2の膜内の干渉による振動成分で、第6項は薄膜1と薄膜2を合わせた合成膜内の干渉による振動成分である。これらの項はいずれもθの4乗に反比例し、第1〜3項がベースとなる成分,第4〜6項が振動を与える成分となる。そこでベース成分を差し引き、θの−4乗で規格化するなどして振動成分を抽出し、これをフーリエ解析する。ただし、フーリエ解析で膜厚tを求める場合に、cosの中身を横軸に比例、すなわちcos(定数×t×横軸)の形にするべきである。ところが、数1から明らかなように横軸がθではこれを満たさない。そのため、数3に示したように横軸をθからφに変換し、cos(定数×t×φ)の形に補正する必要が有る。
【0014】
【数3】
Figure 0003605045
【0015】
ただし、例えば数3における屈折率δとして薄膜1のδを用いれば、薄膜1による振動成分を表す数1の第4項しか補正されない。すなわち、各振動成分を求めるには各々の振動に起因する膜の屈折率を用いて補正を行う必要が有る。ここで、ある層の屈折率で補正したとき他の層による振動成分は少しずつ周期がずれるため、フーリエ変換して得られるピークの強度は小さくなる。本発明ではこの性質を利用し、膜モデルや各層の膜厚,膜質が未知の試料の解析を可能にする。すなわち、振動構造を抽出した後、屈折率δを変えながらフーリエ解析を行い、各屈折率および周波数におけるフーリエ変換強度を記憶しておく。そして、屈折率と周波数に対するフーリエ変換強度を3次元表示する。それにより薄膜により生じた振動構造により生じるフーリエ解析結果上のピークが複数有る場合でも、各々のピークが最大となる屈折率を個別に求めることが容易になる。また、フーリエ変換強度は屈折率に対して、あまり敏感ではないが、3次元表示することにより幅広い屈折率領域におけるフーリエ変換強度の分布の対称性が参考となり、極大値を取る屈折率と周波数の組合せの決定を容易にし、これにより薄膜の屈折率δと膜厚tを初期値無しでも求めることが可能になる。上記の手順をフローチャートにまとめて図1に示した。
【0016】
なお、屈折率δ,周波数,フーリエ変換強度の3組から成るデータセットを用いて3次元表示する手段として、縦軸と横軸に屈折率δと周波数を配してフーリエ変換強度を等高線表示や色別のマッピングで表示すると良い。またシンプルに極大値をとる組合せの点すなわち峰と稜線を表示しても良い。また、コンピュータグラフィックスやホログラフィの技法を活用し、立体的な表示を実現する手法も今後期待できる。
【0017】
また、屈折率δと周波数の組合せから膜厚tが一意的に求まるため、上述した屈折率δと周波数についての表示を屈折率δと膜厚tについての表示に変えることができる。この場合、求めたい薄膜の膜厚が表示から直接的に読み取ることができるので、より実用的である。なお、屈折率δと膜厚tについての表示にするにはフーリエ変換強度の周波数依存性をフーリエ変換強度の膜厚依存性に変換する必要が有るが、そのプロセスは図1のフローチャートにおいて屈折率δを振りながら計算するループの中で行ってもよいし、ループが終了し、全ての屈折率δに対するフーリエ変換強度の周波数依存性を得た後に、まとめて計算してもよい。
【0018】
また、組成が既知である場合、数2より密度ρのみから屈折率δは決定される。このような場合、密度ρを振ることによりフーリエ解析が実施でき、密度ρと周波数、あるいは密度ρと膜厚tについてのフーリエ変換強度の3次元的表示が可能になり、薄膜の密度ρと膜厚tが決定される。また、有機物の様に軽元素で構成されている膜の場合、軽元素の原子散乱因子は大変小さいので無視でき、原子番号と原子量の比は1対2に近似できるため、組成による項は1/2に固定でき、屈折率δは密度ρのみで決定できるので、密度ρを振ってフーリエ解析する方法が有効である。これにより密度が不明な有機薄膜の密度評価が非破壊でできる。
【0019】
ところでフーリエ変換強度を屈折率δと膜厚tについて表示すれば、複数のピークの中で複数の膜の合成によるピークを見分けるのに有効である。例えば数1の第6項は薄膜1と薄膜2の合成により生じる振動成分であるが、薄膜1の屈折率δと膜厚tの積と薄膜2の屈折率δと膜厚tの積の和を膜膜1と薄膜2の合成膜厚で割ったものがこの合成膜の見掛けの屈折率δに相当し、その見掛けの屈折率δを用いて合成膜厚が決定される。したがって、この合成膜の見掛けの屈折率と膜厚の積δtは薄膜1での積δtと薄膜2での積δtの和と等しくなる。そのため、フーリエ変換強度を屈折率δと膜厚tについて表示したとき、各ピークについてフーリエ変換強度が極大値を取る屈折率δと膜厚tの位置と原点を結ぶ直線を対角線とする長方形の面積はδtとなり、この薄膜1のピークについての長方形の面積と薄膜2についてのそれを加えた面積は合成膜についての面積と等しくなるので、視覚的に合成膜を判別することが可能になる。
【0020】
これはフーリエ変換強度を密度ρと膜厚tについて表示した場合でも同様であり、特に多層有機膜の解析に有効である。
【0021】
以上述べたように、各ピークの極大点での屈折率δと膜厚tの積あるいは密度ρと膜厚tの積は多層膜構造の解析に有効であるので、これらの値をピックアップし、リストアウトする機能を持たせると便利である。また、ピックアップした積のうち、いくつかの和が所定の誤差範囲内で他の単一の積と等しいことを判断材料の1つとして薄膜の層構造を推定する機能を持たせることも、複雑な多層膜の解析を行う上で有効である。
【0022】
ところで、フーリエ変換強度を3次元的に表示する際、屈折率δあるいは密度ρのうち一方と、周波数あるいは膜厚tのうち一方について表示するモードがあるが、これらは目的に応じて使い分けられると便利であるので、これらのモードが切り替えられる様にしておくと良い。
【0023】
以上、データ処理のみで薄膜の膜厚と屈折率、あるいは密度と膜構造を解析する手法について説明したが、組成についての情報も得られた方がよい。それはX反射率測定のために入射されたX線により、試料から発生する蛍光X線を分光する手段を設け、得られた蛍光X線スペクトルを解析し、組成を求めることにより解決される。得られた組成は薄膜の屈折率δを求めるのに利用できる。この方法であれば複数の装置の間で試料を移動しなくてすむので汚染や変質の恐れがない。また、結晶構造や密度を集めたデータベースを装置に備えておき、得られた組成の物質における結晶構造情報や密度を読み出し、それを用いて屈折率δを計算できるようにしておくと良い。さらに、この方式ではX線反射率を測定する試料上の空間的領域と組成分析を行う領域が同一であるので、複数の装置を併用するより正確な解析が実現される。この点は特に、X線のビーム幅が100μm以下の微小領域の解析を行う上で重要である。また、2つ以上の入射角において蛍光X線測定し、情報深さを変え、最表面と内部の層の情報を区別して得られるようにすれば、さらに解析上有効である。
【0024】
また、蛍光X線測定において組成のみでなく、ピーク強度についても記憶しておき、数点の試料のX線反射率解析を行い、得られた膜厚と先に記憶させておいた蛍光X線ピーク強度との相関すなわち校正曲線を求め、以降の試料の膜厚評価は専ら蛍光X線測定と先に得た校正曲線から行うことにより、評価のスピードアップを図ることで生産ライン上での品質管理モニタへの適用も可能となる。
【0025】
次に減光手段を用いてX線反射率測定のダイナミックレンジを広げる手法について検討する。強度補正の精度向上を目的に減光手段の有る状態と無い状態での測定領域をオーバーラップさせる従来例の模式図を図10に示した。ここでは減光手段の有無を切り替える時、入射角を所定の角度戻すが、このときのバックラッシュの問題を回避する手法を考える。
【0026】
図11に示すように、本番測定に先立ち、減光手段を用いて所定の強度Ic まで反射光が弱くなる角度θc を予め調べる機能を持たせる。このθc を挟んで前後Δθの角度領域をオーバーラップさせることとする。本測定では減光手段を用いて、反射強度の大きな領域から角度走査を始め、角度が(θc −Δθ)に達したら、減光手段の自動切り替えしながら、減光手段を使用したときの強度と使用しないときの強度の両方を計測し、記憶することを角度が(θc +Δθ)になるまで続ける。角度(θc +Δθ)以降では減光手段を用いないで計測する。計測終了後、オーバーラップして計測した(θc −Δθ)から(θc +Δθ)まで角度領域において、減光手段の有る場合と無い場合のデータの強度比から減光手段の減光率を決定し、高強度側のデータを補正し、オーバーラップ区間を滑らかに結ぶ。こうすることにより、角度走査を逆転させずに、減光手段の有る場合と無い場合について測定領域のオーバーラップが実現できる。
【0027】
また、次のようにしても目的は達成できる。すなわち、図13に示すように減光手段を用いて、反射強度の大きな領域から角度走査を始め、反射強度が所定の強度I1以下にまで減少したら、減光手段を自動切り替えしながら、減光手段を使用したときの強度と使用しないときの強度の両方を計測および記憶することを減光手段を使用しないときの強度が所定の強度I2以下になるまで続ける。計測終了後、オーバーラップして計測した区間の減光手段の有る場合と無い場合のデータの強度比から減光手段の減光率を決定し、高強度側のデータを補正し、オーバーラップ区間を滑らかに結ぶ。こうすることによっても、角度走査を逆転させないで、減光手段の有る場合と無い場合について測定領域のオーバーラップが実現できる。
【0028】
また、上記の減光手段を用いた強度補正によるダイナミックレンジの拡張は、光源が充分明るく、検出器が高感度であれば、減光手段を多段化したり、連続的に減光率を変えられる減光手段を用いることにより、より広いダイナミックレンジの確保が可能となる。
【0029】
【作用】
計測されたX線反射率の振動成分を抽出した後、屈折率を変えながらフーリエ解析を行い、各屈折率および周波数におけるフーリエ変換強度を記憶しておき、屈折率と周波数に対するフーリエ変換強度を3次元的に表示することにより、各ピークの原因となる薄膜の屈折率の最適値を容易に求めることが可能になる。これにより、屈折率や密度が不明な試料に対しても評価が可能になる。等高線表示や色別表示は3次元データを表示するのに有効である。また、峰と稜線による表示はシンプルで見やすい。
【0030】
屈折率と周波数から膜厚が一意的に決まるので、上記表示を屈折率と膜厚についてのフーリエ変換強度を3次元的表示にすることにより、着目する薄膜の屈折率と膜厚が直接的に得られるので、より実用的である。
【0031】
組成が既知であったり、薄膜が軽元素からできている場合、屈折率の代わりに密度をパラメータにでき、密度と周波数、あるいは密度と膜厚についてのフーリエ変換強度の3次元的表示することにより、同一組成の膜の膜厚・膜質の管理や有機薄膜の密度評価が非破壊で可能になる。
【0032】
屈折率あるいは密度と膜厚について3次元表示したとき、フーリエ変換強度が極大値をとる位置と原点を対角線とする長方形の面積を判断材料として複数の膜が関与しているピークを見分けることが容易になり、多層膜の解析に有効である。
【0033】
これと同様に、各ピークの極大値を取る屈折率と膜厚の積、あるいは密度と膜厚の積をリストアウトする機能や、それらの積をいろいろ組み合わせて和を取り、所定の誤差範囲で他の単一の積と等しくなるものをリストアウトしたり、さらに層構造を推定する機能を持たせることにより、多層膜解析において有効な情報が得られる。
【0034】
パラメータとして屈折率あるいは密度,周波数あるいは膜厚が各々選択でき、モード切り替えができるようにしておけば、様々な目的に対して最適なものが使用でき、便利である。
【0035】
入射X線により発生する蛍光X線を分光測定する機能を持たせることにより、解析に用いる屈折率を求める上で必要な組成の情報を汚染や変質の恐れがなく得られる。また、測定する空間的な領域が同一であるので正確に反射率測定している部分の組成が得られる。
【0036】
結晶構造や密度に関するデータベースを装置に備えることにより、得られた組成から屈折率を求めるのに必要な密度を直接得たり、結晶構造情報から密度を計算したりして得ることが可能となり、未知試料の解析において威力を発揮する。また、蛍光X線によるピーク強度とX線反射率解析結果との相関を記憶しておき、まず数点の試料を用いて、これらの相関から校正曲線を作成し、以降の評価を蛍光X線のピーク強度と校正曲線を用いて行うことにより、評価のスピードアップを図れ、ライン上の品質管理モニタに使用できるようになる。
【0037】
減光手段の有無を自動的に交互に切り替えながら、所定の角度領域を減光手段が有る場合の強度と無い場合の強度をオーバーラップして測定することにより、バックラッシュさせずに、精度の高い強度補正が実現される。また、減光手段を多段化したり、連続的に減光率が切り替えられる減光手段を用いることにより、ダイナミックレンジをより広くすることができるようになる。
【0038】
【実施例】
以下に本発明の実施例を詳細に説明する。
【0039】
〔実施例1〕
図2に示したように、基板上に2層の薄膜が形成された試料において計測されたX線反射率パターンのフーリエ解析を考える。ここで、各層の屈折率が未知であるとする。そこで、屈折率δを変えながらフーリエ解析を行う。X線源として例えばCuKα線を用いた場合、ほとんどの物質の屈折率δは10のマイナス6乗から10のマイナス5乗のオーダにあるので、この範囲でδを振れば良い。後でも触れるがフーリエ変換強度は屈折率にそれほど敏感ではないので、δを思い切って広い範囲で振る方が解析が楽になる。異なる屈折率δを用いてフーリエ変換した結果の一例を図3に並べて示した。
【0040】
理論的に、n層の多層膜からはn(n+1)/2本のピークの出現が期待される。実際には界面のラフネスが大きかったり、層間で屈折率の差が小さかったりすると、ピークの本数は減少するし、その逆の場合、倍の周波数位置にピーク(倍音)を生じる。図2の試料のように2層の膜が有る場合には、3本のピークの出現が予測されるが、図3では4本のピークが見られる。説明のため、周波数が低い系列からそれぞれA,B,C,Dと名付ける。この中でBはAのほぼ2倍の周波数位置に出ているため、Aの倍音である可能性が有る。
【0041】
屈折率δを振り、フーリエ解析を行った後、屈折率と周波数についてのフーリエ変換強度を3次元的に等高線表示で図4に表した。等高線表示のプログラムにはデータ補間を組み込んだアルゴリズムを利用したものが望ましい。等高線表示するA〜Dの各ピークは山脈状のプロファイルを形成する。原点を左下位置にとると各ピークの系列は右下がりのプロファイルをとる。フーリエ変換強度は周波数に対する程、屈折率に対して敏感ではないため、各ピークにおいて極大値を取る屈折率の位置の決定には幅広い屈折率領域におけるフーリエ変換強度分布の対称性が大いに参考となる。ピーク位置の確定は解析者が装置の画面上で指定してもよいし、等高線図形の重心を求めるなどの数学的手段によって指定しても良い。このように3次元表示することにより、A〜Dの各ピークについて、極大値を取る屈折率と周波数の組合せが体系的に決定できる。図4では各ピークの極大値の位置を×印で記した。
【0042】
ここで、ピークAとピークBでは、極大値をとる屈折率の位置がほぼ等しくなることから、同一物質である可能性が高く、先の周波数が倍の位置という知見と合わせて、ピークBはピークAの倍音であると、確定できる。このように、本発明は倍音の識別にも有用な情報を与える。さらに、周波数と屈折率の組合せが上記の方法で決まれば、膜厚はこれらから一意的に求められる。以上述べたように、各層の屈折率が不明であっても、本発明により各層の膜厚と屈折率を同時に求められる。
【0043】
〔実施例2〕
得られた屈折率と周波数についてのフーリエ変換強度を色別にマッピングすることによって、視認性は更に向上し、実施例1と同等以上の効果が得られる。
【0044】
色分けは明度・彩度・色相の何れを振っても良い。配色として、例えば低強度は青系統、中強度は緑系統、高強度は赤系統にすると地図の高度表示に近くなるため、感覚が掴みやすくなる。また、明度のみを振ったマッピングは、グレースケールのプリントアウトをするのに適している。なお、マッピングにおいてデータ補間の技法を取り込み、ピクセルを細かくすることにより、強度分布のプロファイルは滑らかになり、対称性からピーク位置を決定するのが容易になる。
【0045】
〔実施例3〕
等高線表示を更に一歩進め、地図上の地形と同様に、フーリエ変換強度のプロファイルを稜線と峰で表示する。フーリエ変換強度のプロファイルを稜線と峰で表示した例を図5に示した。
【0046】
薄膜が多層膜になり、ピークが数多く出現する試料において、この表示法は構造がシンプルで判別しやすいので有効である。実施例1あるいは実施例2の補助的な表示モードとして、装置の機能に加えると良い。
【0047】
〔実施例4〕
屈折率と周波数から膜厚を求め、フーリエ変換強度を屈折率と膜厚について3次元表示した例を図6に示す。図6では等高線表示の例を示したが、色別にマッピングする表示法や峰と稜線で表示しても同様である。屈折率と膜厚について表示することにより、評価したい薄膜の膜厚と屈折率が直接的に得られるので、より実用的である。
【0048】
ここで、ピークDがピークAの膜とピークCの膜の合成膜によるピークである場合、δAtA+δCtC=δDtDの関係が成立する。図6の様に屈折率と膜厚について表示した場合、ピークの屈折率と膜厚の積(δt)はピーク位置と原点を結ぶ直線を対角線とする長方形に相当する。すなわち、合成によるピークを見分ける関係であるδAtA+δCtC=δDtDを図から視覚的に判別することが可能になり、解析が容易になる。
【0049】
〔実施例5〕
組成が既知である場合、密度がわかれば数2から屈折率は決まる。このようなときは、密度ρを振り、その密度ρから屈折率δを計算し、フーリエ解析を行い、得られたフーリエ変換強度のプロファイルを密度と周波数、あるいは密度と膜厚について3次元的に表示し、各ピークの密度と膜厚を決定する。表示法として、例えば前出の等高線表示,色別マッピング,稜線と峰の表示等を用いる。薄膜の密度を求める場合、試料量が少ないため、通常の比重測定はできない。しかし、本発明を用いることにより、膜厚と共に薄膜の密度が非破壊で求められる。
【0050】
CVD薄膜など条件により密度が変動する膜の膜質評価に適用できる。
【0051】
〔実施例6〕
有機物のように軽元素で構成される膜では原子散乱因子が無視でき原子番号と原子量の比がほぼ1対2であるため、数2の組成による項は1/2と近似でき、正確な組成が解らなくても、密度ρを振って、屈折率δの近似値を計算し、実施例5と同様、密度と周波数、あるいは密度と膜厚についてフーリエ変換強度を3次元的に表示し、各ピークの密度と膜厚を決定できる。この場合、屈折率δと密度ρは比例するので、実施例4と同様にして、合成膜の見掛け上の密度ρと膜厚tの積は、合成膜を構成する薄膜の密度と膜厚の積の総和に等しくなる。したがって、密度と膜厚についてフーリエ変換強度を3次元表示すれば、合成膜によるピークを視覚的に判別することが可能になる。図7ではピークDがピークAとピークCの合成膜によることを示すρAtA+ρCtC=ρDtDの関係が読み取られる。
【0052】
〔実施例7〕
合成膜を判別するために、各ピークの極大値を取る屈折率δと膜厚tの積、あるいは密度ρと膜厚tの積を計算し、プリントアウトさせ、これらの一部の積の和が他の単一の積に等しくなるものを解析者が判断するのに用いる。
【0053】
また、装置においてそれら数値の組み合わせをサーベイし、所定の誤差の範囲内で一部の積の組合せの和が他の積に等しくなるものをリストアウトし、複雑な多層構造の膜の構造を推定する手助けとする。
【0054】
〔実施例8〕
上述のフーリエ変換強度の3次元表示において、屈折率と周波数,屈折率と膜厚,密度と周波数,密度と膜厚のいずれの組合せでも表示できるようにプログラムを組んでおき、解析者が目的に応じて最適の表示モードを選択することにより、切り替えられるようにする。これにより使い勝手が向上する。
【0055】
〔実施例9〕
X線反射率測定用の光学系に加えて試料表面から発生する蛍光X線を分光するためのモノクロメータと検出器を設置する。X線反射率測定は入射・反射角が大体10度以内で測定するので、高角度側に蛍光X線測定用の光学系を設ければ良い。蛍光X線測定用の励起光源はX線反射率測定用の光源をそのまま使用する。蛍光X線測定はX線反射率測定の前後のどちらに行ってもよいが、少なくともX線反射率のデータ解析前に行い、蛍光X線スペクトル上の特性X線ピークから試料の組成に関する情報を得、屈折率の計算の参考にする。また、装置に備え付けの記憶装置にあるいはCDROM等の記憶媒体に収録された様々な組成の化合物に対応する密度あるいは結晶構造の情報を利用できるようにする。密度の情報が有れば、特性X線から求めた組成と合わせ、屈折率を計算する。結晶構造の情報が有れば、それから密度を算定し、特性X線から求めた組成と合わせ、屈折率を計算し、フーリエ解析を行う。以上の手順をフローチャートにまとめ図8に示した。
【0056】
この方式の特徴は蛍光X線測定の対象となる空間的領域がX線反射率測定のそれと完全に一致することであり、それゆえビームコンデンサ等を用いたビーム幅5〜100μmの微小部評価において、より効果的である。また、入射角が小さい程、強く出るピークはより表面に近い組成情報であることから、入射角を何点か変えながら測定し、蛍光X線測定で予め膜構造に関する情報を得られるようにしておく。
【0057】
また、同種類の試料を用いて蛍光X線測定とX線反射率測定の両方を行い、まず蛍光X線ピーク強度と膜厚の相関を表す校正曲線を求め、これを装置に記憶しておき、以降は蛍光X線分光結果から直接膜厚を評価させる。ライン上の製品の管理に用いる場合、校正曲線を求めた後は評価が早い蛍光X線評価のみで膜厚評価した方がスループットを大きくできる。この評価方式のフローチャートについて図9に示した。
【0058】
〔実施例10〕
本実施例の模式図を図11,フローチャートを図12に示した。
【0059】
本番の測定に先立ち、減光手段を用いて所定の強度Ic まで反射光が弱くなる角度θc を自動的に調べさせる。このサーベイ測定は大体のθc が求められれば良いのであまり積算時間は長く取る必要はない。θc を挟んで前後Δθの角度領域を減光手段を用いた場合と用いない場合でオーバーラップさせる。本番の測定では減光手段を用いて、反射強度の大きな領域から角度走査を始め、角度が(θc−Δθ)に達したら、減光手段の自動切り替えしながら、減光手段を使用したときの強度と使用しないときの強度の両方を計測し、記憶することを角度が(θc+Δθ)になるまで続ける。角度(θc +Δθ)以降では減光手段を用いないで計測する。
【0060】
計測終了後、オーバーラップして計測した(θc−Δθ)〜(θc+Δθ)の減光手段の有る場合と無い場合で平均減光率を決定し、それにより高強度側のデータを補正する。オーバーラップ区間については、減光手段を有りのデータを強度補正したものと減光手段無しのデータの重み付き平均する。すなわち、(θc−Δθ)に近い角度では減光手段有りのデータを強度補正したものの重みを大きくし、
(θc +Δθ)に近い角度では減光手段無しのデータの重みを大きくすると滑らかに補正ができる。
【0061】
〔実施例11〕
本実施例の模式図を図13,フローチャートを図14に示した。
【0062】
減光手段を用いて、反射強度の大きな領域から角度走査を始め、反射強度が所定の強度I1以下にまで減少したら、減光手段を自動切り替えしながら、減光手段を使用したときの強度と使用しないときの強度の両方を計測し、記憶することを減光手段を使用しないときの強度が所定の強度I2以下になるまで続ける。
【0063】
計測終了後、オーバーラップして計測した区間の減光手段の有る場合と無い場合で平均減光率を決定し、それにより高強度側のデータを補正する。オーバーラップ区間については、減光手段を有りのデータを強度補正したものと減光手段無しのデータの重み付き平均する。すなわち、小さな角度では減光手段有りのデータを強度補正したものの重みを大きくし、大きな角度では減光手段無しのデータの重みを大きくすると滑らかに補正ができる。
【0064】
〔実施例12〕
本実施例の模式図を図15に示す。
【0065】
自動的に光路に入れたり外したりを切り替えられるフィルタをA,Bの2枚装備させる。これらは独立に光路に入れたり外したりを切り替えられる仕様とする。
【0066】
始めはA,Bの両方を用いて測定し、X線強度がI1まで減少したら、Bのフィルタのみを自動的に交互に着脱しながら測定し(第1のオーバーラップ区間)、フィルタAのみでX線強度がI2まで減少したら、Aのフィルタのみを用いて測定し、さらにX線強度が再びI1まで減少したら、Aのフィルタを自動的に交互に着脱しながら測定し(第2のオーバーラップ区間)、フィルタ無しでX線強度がI2まで減少したら、以降はフィルタなしで測定する。
【0067】
強度補正はまず、第2のオーバーラップ区間で実施例11同様、フィルタAの平均減光率を決定し、この減光率を用いて第2のオーバーラップ区間の手前の高強度領域の強度補正を行い、第2のオーバーラップ区間において重み平均を用いて補正する。次に第1のオーバーラップ区間で、フィルタBの平均減光率を決定し、この減光率を用いて第1のオーバーラップ区間の手前の高強度領域の強度補正を行い、第1のオーバーラップ区間において重み平均を用いて補正する。
【0068】
しきい値強度I1とI2はI1≦I2の関係を持ち、差が大きいほどオーバーラップ区間は狭くなる。試料によってフレキシブルに設定できるようにしておくと良い。
【0069】
本実施例ではフィルタを2枚用いた減光手段の例を説明したが、例えば減光率の異なるフィルタC,D(減光率:C>D)を用いて、高強度側から(フィルタCで減光して測定)→(フィルタDで減光して測定)→(フィルタなしで測定)と段階的にしても、先の(フィルタA+Bで減光して測定)→(フィルタAで減光して測定)→(フィルタなしで測定)と同様にして、本発明が実施できる。
【0070】
また図16に示すように減光率の異なるフィルタ4,5を用意し、スライド方式やリボルバー方式を用いて切り替えを行うとよい。
【0071】
〔実施例13〕
図17に示したようにテーパをつけた2枚の減光フィルタ6,7を合わせ、一方はステッピングモータにより左右にスライドできる様にし、それに同期して他方が上下にスライドするようにしておく。これによりフィルタ厚みを連続的に変えることが出来る。図17では点線位置と実線位置でフィルタ膜厚はほぼ2倍に変わっている。なお、2枚のフィルタのテーパの角度を等しくし、X線が透過する位置ではフィルタ面が平行になるようにする。
【0072】
左右にスライドさせるフィルタをステッピングモータで精密制御することにより、任意の減衰率で、かつ任意の段数で実施例12の多段式の強度補正が実現できる。このとき、ステッピングモータのバックラッシュの影響を小さくするため、設定するときのスライド方向は一方向に決めておき、逆向きに戻すときはいったん大きく戻してから合わせるようにすると良い。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明により、膜モデルや各層の膜厚,膜質が未知の試料であっても、膜厚と屈折率あるいは密度を効率良く決定することができるX線反射率解析装置が実現できる。また、汚染や変質の恐れがなく、X線反射率を測定している位置の組成を蛍光X線分析により正しく評価することができるようになり、未知試料の解析を可能にする。また、蛍光X線のピーク強度とX線反射率の解析結果から蛍光X線のピーク強度から膜厚を求めるための校正曲線を1台の装置で作成でき、精度的に裏付けの有る蛍光X線評価を活用し、測定のスループットを高めることができる。また、減光手段の有無を自動的に交互に切り替えながら、所定の角度領域を減光手段が有りの強度と無しの強度をオーバーラップして測定することにより、バックラッシュさせることなく、精度の高い強度補正が可能になる。また、減光手段を多段化したり、連続的に減光率が切り替えられる減光手段を用いることにより、よりダイナミックレンジを広くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフローチャート。
【図2】基板に2層の薄膜が形成された試料の模式図。
【図3】屈折率δを変えてフーリエ解析した結果を並べて出力した例。
【図4】屈折率δを変えてフーリエ解析した結果を等高線表示した例。
【図5】屈折率δを変えてフーリエ解析した結果を峰と稜線で表示した例。
【図6】屈折率δと周波数から膜厚tを求め、屈折率δと膜厚tについてフーリエ解析結果を表示した例。
【図7】密度ρと膜厚tについてフーリエ解析結果を表示した例。
【図8】解析手順のフローチャート。
【図9】ライン上の品質管理モニタのフローチャート。
【図10】減光手段が有/無でのオーバーラップ測定の従来例。
【図11】減光手段が有/無でのオーバーラップ測定法(1)の説明図。
【図12】図11の方法のフローチャート。
【図13】減光手段が有/無でのオーバーラップ測定法(2)の説明図。
【図14】図13の方法のフローチャート。
【図15】減光手段を2段にしてオーバーラップ測定した例。
【図16】多段階の減光手段の例。
【図17】本発明の減光率連続可変な減光手段の模式図。
【符号の説明】
1…薄膜1、2…薄膜2、3…基板、4…減光率の異なるフィルタ、5…減光率の異なるフィルタ、6,7…減光フィルタ。

Claims (6)

  1. 薄膜試料のX線反射率パターンを解析する装置において、X線反射光強度が所定の強度になる入射角θを自動的に判定し、該X線反射光強度が前記所定の強度より大きな入射角領域では減光手段を使用して測定し、該入射角θを挟んで予め設定した入射角領域では該減光手段を自動切り替えすることにより該減光手段を使用した反射光強度と該減光手段を使用しない反射光強度の双方を測定し、該測定値から該減光手段の減光率を求めることにより、高強度側のX線反射光強度を補正し、X線反射光強度が小さな入射角領域では減光手段を使用せずに測定することを特徴とするX線反射率解析装置。
  2. 薄膜試料のX線反射率パターンを解析する装置において、X線反射光強度が大きな入射角領域では減光手段を使用して測定し、入射角が大きくなり予め設定した第1のX線反射強度I1まで低下したら、該減光手段を使用した反射光強度と該減光手段を使用しない反射光強度の双方を自動切り替えしながら測定することを予め設定した第2のX線反射光強度I2に達するまで繰返し、この間の計測値から減光手段の減光率を求めることにより、高強度側のX線反射光強度を補正し、X線反射光強度が小さな入射角領域では減光手段を使用せず測定することを特徴とするX線反射率解析装置。
  3. 請求項1あるいは請求項2記載のX線反射率解析装置において、減光手段として光路中に自動的に挿入可能な減衰フィルタを用いることを特徴とするX線反射率解析装置。
  4. 請求項1あるいは請求項2記載のX線反射率解析装置において、光路中に減光手段を多段配置し、強度補正を少なくとも2段階以上行うことを特徴とするX線反射率解析装置。
  5. 請求項1あるいは請求項2記載のX線反射率解析装置において、減光率が可変の減光手段を光路中に配置し、強度補正を少なくとも2段階以上行うことを特徴とするX線反射率解析装置。
  6. 請求項記載のX線反射率解析装置において、
    前記減光手段は、テーパをつけた少なくとも2枚のフィルタをスライド自在に重ね合わせたことを特徴とするX線反射率解析装置。
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