JP3604910B2 - 画像縮小装置及び画像縮小プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像縮小装置及び画像縮小プログラムを記録した記録媒体に関し、特に漫画など、文字と線画と網点が組み合わされた画像をモアレを回避し精度良く縮小する画像縮小装置及び画像縮小プログラムを記録した記録媒体。
【0002】
【従来の技術】
最近、ハードウェアおよびソフトウェアの発展にともない、既存の紙メディアに代わる新たな書籍の形態として、電子書籍の発表が活発化してきており、パソコン、あるいは携帯端末上で漫画や小説を読むことができるようになっている。これらの電子書籍は、音声、画像、動画、アニメ等のいわゆるマルチメディア系データに対しても対応可能であるものの、始めから電子書籍を対象として制作するには多大な時間と人手がかかるため、既存の書籍をそのままスキャナなどで読み取り、電子化したタイトルも多い。
【0003】
元々漫画や小説のような印刷物は非常に高い解像度で印刷されており、それを読み取るスキャナも400dpi(dot per inch)あるいは600dpi以上といった高い解像度を持っている。しかしながら、パソコンや携帯端末の解像度はせいぜい100dpi程度であるため、既存の書籍をパソコンあるいは携帯端末上で表示できる画像にするためには画像の縮小処理が必要となる。
【0004】
多くの漫画では、スクリーントーンを用いて疑似的に濃淡やグラデーションをつけている。スクリーントーンは細かい網点、線、模様で構成されているため、これを縮小すると通常、モアレと呼ばれる縞や格子の模様が発生することが知られている。本発明ではスクリーントーンを用いて疑似的に濃淡やグラデーションを付けた領域を疑似濃淡領域と呼ぶことにする。
【0005】
従来から画像を縮小する方法は大きく分けて2つあり、全体を画一的に処理する方法と、領域分割し、それぞれの領域に対して最適な方法で縮小処理する方法がある。画像を画一的に処理する方法としては単純に画素を間引いて縮小する間引き処理や、元画像の画素値を平均することにより縮小画像の画素値を決定する平均法などが一般的に用いられる(貴家仁志著、「ディジタル画像の解像度変換」、CQ出版社、インターフェイス1998年6月号p72)。
【0006】
また、画像を領域分割する方法として、特開平4−365182号公報に記載の画像処理装置がある。特開平4−365182号公報に記載の画像処理装置によると、2値化された画像を線画領域と絵柄領域の2つの領域に分割し、線画領域では細線を保存するように縮小し、絵柄領域では画素密度から多値に変換してから縮小・2値化処理し、縮小時に発生するモアレを押さえ、文字、線画部分も精密に縮小する方法が示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、文字と線画と網点の混在する漫画などの画像を縮小する場合、間引き処理では網点部分でモアレが発生したり、文字や線画が掠れたり、潰れたりする問題がある。一方、平均法ではモアレは押さえられ、文字や細線なども掠れたり、潰れたりすることは少ないが、全体的に鮮鋭さが失われてしまうという問題がある。そこで、鮮鋭さを出すために、縮小後にエッジ強調処理をすることもできるが、押さえられたモアレまでが強調され、出現するといった問題がある。また、画素を平均する範囲を大きくすることにより、完全にモアレをなくすこともできるが、反対に文字と線画が惚けてしまうといった問題がある。
【0008】
上記のように、間引き処理や平均化処理による従来技術の画一的な処理ではモアレを押さえつつ文字と線画を鮮鋭にすることは不可能であり、画像の領域を分離してそれぞれの領域に応じた処理が必要となる。
【0009】
特開平4−365182号公報に記載の画像処理装置は、領域分離を行い、領域に応じた縮小処理を行うようになっているが、漫画などは網点中に線画が書かれるため、単純なパターンマッチングで文字・線画を分離することはできない。また、文字は吹き出しとして画像の中に書かれるため、単純な矩形で分離することも難しい。文字・線画領域と文字・線画以外の領域の2つに分け、文字・線画以外の領域で平滑化を行う方法では、文字・線画領域の抽出誤りが発生しやすい。例えば細い線や入り組んだ文字の中の少し惚けた部分などはエッジ成分が少ないため、文字・線画領域として抽出されない場合があり、そこに平滑化処理がかかり、さらに文字や線画部分が惚けてしまうといった問題がある。
【0010】
本発明の目的は上記問題点を解決するため、漫画など、文字・線画と網点が組み合わされた画像も鮮鋭に、かつ、モアレもなく縮小する画像縮小装置及び画像縮小方法を記録した記録媒体を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明の画像縮小装置は、画像を入力する画像入力手段と、前記入力された画像から文字・線画領域を抽出する文字・線画領域抽出手段と、前記入力された画像から疑似濃淡領域を抽出する疑似濃淡領域抽出手段と、抽出した領域に応じて別々の方法を用いて前記入力された画像の縮小を行う画像縮小手段と、前記縮小処理した画像を出力する画像出力手段とを備える画像縮小装置であって、
前記疑似濃淡領域抽出手段は、前記入力された画像から画素毎に注目画素を含む一定の領域の分散値を求め、分散値が所定の値の範囲外になる画素のうち、前記文字・線画領域抽出手段によって文字・線画領域として抽出された領域を除いたものを疑似濃淡領域として抽出することを特徴とする画像縮小装置である。
【0012】
また本発明は、画像を入力する画像入力手段と、前記入力された画像から文字・線画領域を抽出する文字・線画領域抽出手段と、前記入力された画像から疑似濃淡領域を抽出する疑似濃淡領域抽出手段と、抽出した領域に応じて別々の方法を用いて前記入力された画像の縮小を行う画像縮小手段と、前記縮小処理した画像を出力する画像出力手段とを備える画像縮小装置であって、
前記疑似濃淡領域抽出手段は、前記入力された画像から画素毎に注目画素を含む一定の領域の相関値を求め、相関値が所定の値の範囲外になる画素のうち、前記文字・線画領域抽出手段によって文字・線画領域として抽出された領域を除いたものを疑似濃淡領域として抽出することを特徴とする画像縮小装置である。
【0013】
また本発明は、画像を入力する画像入力手段と、前記入力された画像から文字・線画領域を抽出する文字・線画領域抽出手段と、前記入力された画像から疑似濃淡領域を抽出する疑似濃淡領域抽出手段と、抽出した領域に応じて別々の方法を用いて前記入力された画像の縮小を行う画像縮小手段と、前記縮小処理した画像を出力する画像出力手段とを備える画像縮小装置であって、
前記疑似濃淡領域抽出手段は、前記入力された画像からエッジ抽出フィルタによってエッジ成分を抽出し、エッジ成分の値が所定の値の範囲外になる画素のうち、前記文字・線画領域抽出手段によって文字・線画領域として抽出された領域を除いたものを疑似濃淡領域として抽出することを特徴とする画像縮小装置である。
【0014】
また本発明は、前記文字・線画領域抽出手段は、前記入力された画像に対して平滑化処理を行い、平滑化処理を行った画像に対してエッジ抽出フィルタによってエッジ成分を抽出し、エッジ成分の値が所定の値の範囲外になる画素を文字・線画領域として抽出することを特徴とする。
【0015】
また本発明は、前記画像縮小手段は、入力された画像の疑似濃淡領域に対しては平滑化処理を行い、文字・線画領域に対しては縮小率に応じた範囲の画素の値の平均処理を行った後にエッジ強調処理を行い、疑似濃淡・文字・線画以外の領域に対しては縮小率に応じた範囲の画素の値の平均処理のみを行うことを特徴とする。
【0016】
また本発明は、前記画像縮小手段は、入力された画像を縮小した後、縮小された画像の疑似濃淡領域に対してエッジ抽出フィルタによってエッジ成分を抽出し、エッジ成分の値が所定の値の範囲外になる画素に対して再度平滑化処理を行うことを特徴とする。
【0017】
また本発明は、前記画像縮小手段は、入力された画像を縮小した後、縮小された画像の疑似濃淡領域に対してエッジ抽出フィルタによってエッジ成分を抽出し、エッジ成分の値が所定の値の範囲外になる画素が存在した場合に縮小処理を停止することを特徴とする。
【0018】
また本発明は、コンピュータを前記画像縮小装置として機能させるための画像縮小プログラムを記録した記録媒体である。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0022】
〔実施形態1〕
図1は本発明の実施の一形態である画像縮小装置1の処理の流れを示すブロック図である。画像入力手段2によって画像を入力し、文字・線画領域抽出手段3で文字・線画領域を抽出する。疑似濃淡領域抽出手段4は入力画像と文字・線画抽出手段3の結果から疑似濃淡を抽出する。画像縮小手段5は入力された画像を文字・線画領域、疑似濃淡領域、文字・線画・疑似濃淡以外の領域で異なる方法により縮小処理を行い、画像出力手段6は処理された画像を出力する。
【0023】
画像入力手段2は例えばスキャナ、複写機、カメラなどの画像読み取り装置によって実現される。また、あらかじめ原稿を読み取った画像が格納されたCD−ROM、ハードディスク、フロッピーディスク、光磁気ディスクなどのメディアを読み取る装置や、半導体メモリなどであっても良い。
【0024】
画像出力手段6は例えばCRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)などの画像表示装置によって実現される。また、画像出力手段6はプリンタなどの画像出力装置であっても良いし、CD−R、ハードディスク、フロッピーディスク、光磁気ディスクなどのメディアに画像を書き込む装置や半導体メモリなどであっても良い。
【0025】
次に、文字・線画領域抽出手段3について説明する。文字・線画領域抽出手段3では、入力された画像に対し、平滑化処理を行った後、エッジ抽出を行う。平滑化処理を行うことにより、疑似濃淡の中に線画が描かれていても、正確に疑似濃淡部分を除去し、文字や線画のエッジ成分のみを抽出することができる。平滑化処理では例えば
【0026】
【数1】
【0027】
のようなフィルタを用い、周囲の画素を単純に平均する。フィルタのサイズは5x5としているが、元画像の解像度に合わせてサイズを変更しても良い。また、ガウシアンフィルタなど、中心と周辺で重みづけを変えたフィルタでも良い。エッジ抽出では、例えば
【0028】
【数2】
【0029】
と
【0030】
【数3】
【0031】
のような2つのエッジ抽出フィルタを用いて、各フィルタの出力の絶対値の和をエッジ抽出結果とする。
【0032】
前記エッジ抽出の結果を用いて、所定の閾値よりも大きな値になる画素を文字、線画領域と判定する。所定の閾値よりも大きな値になる画素のうち、孤立点などはノイズとして文字、線画領域から除いても良い。また、エッジに囲まれた小さな領域は文字の入り組んだ部分と判断できるため、文字領域に含めても良い。
【0033】
次に、疑似濃淡領域抽出手段4について説明する。疑似濃淡領域抽出手段4では周辺の画素の分散を求め、分散の大きい画素のうち、前記文字・線画領域抽出手段3で抽出された文字・線画領域を除いたものを疑似濃淡領域として抽出する。これは、疑似濃淡と文字・線画などのエッジ部分の双方で分散値が大きくなることから、分散値が所定の値の範囲外になる画素から文字・線画領域部分を除去することにより、疑似濃淡部分のみを抽出することができる。
【0034】
図2は注目画素における分散を求める範囲の説明図である。図2の斜線部分は注目画素であり、太線で囲まれた範囲が分散を求める範囲である。図2では各画素について5x5の領域で分散を求めているが、元画像の解像度に応じて領域の大きさを変えても良い。各画素における分散値は
【0035】
【数4】
【0036】
で求める。ただし、piは画素値、mは分散を調べる領域内の画素の平均値、nは分散を調べる領域に含まれる画素の数である。
【0037】
次に画像縮小手段5について説明する。画像縮小手段5では疑似濃淡領域では平滑化によって縮小し、文字・線画領域では平均処理によって縮小した後エッジ強調を行い、疑似濃淡・文字・線画以外の領域では平均処理のみで縮小を行う。これにより、疑似濃淡領域ではモアレを防ぎ、文字・線画領域では平均処理で掠れ、潰れを防ぎつつ、エッジ強調を行うことにより鮮鋭さを保つ。疑似濃淡・文字・線画以外の領域では平均処理のみを行うことにより、たとえ領域分離に失敗していた場合でも、不要な平滑化による惚けや、不要なエッジ強調によるノイズの増大を防ぐことができる。文字・線画領域と疑似濃淡領域が隣接している場合、平滑化処理とエッジ強調処理が隣接してしまい、画質が極端に変化するため、境界の画素を疑似濃淡・文字・線画以外の領域とすることにより、画質を滑らかに変化させるようにしても良い。
【0038】
図3は平均による縮小処理を説明する図である。画像の破線で示された小さな格子は元画像の格子、太線で示された大きな格子は縮小画像の格子である。説明を簡単にするため、縮小画像を元画像の1/2倍としているが、必ずしも整数分の1倍である必要はない。整数分の1倍ではない場合、元画像と縮小画像の格子は一致しないが、座標値を整数に丸めたり、格子の共通部分の面積比に応じて画素を加重平均するなどしても良い。図3に示した注目画素Pmの画素値は、斜線で示した画素を平均することによって求める。
【0039】
図4は平滑化による縮小処理を説明する図である。画像の破線で示された小さな格子は元画像の格子、太線で示された大きな格子は縮小画像の格子である。図4に示した注目画素Pbの画素値は、縮小画像の格子よりも少し広い範囲の斜線で示した画素を平均することによって求める。平滑化を行う範囲は縮小率や元画像の解像度に応じて変化させても良い。
【0040】
エッジ強調は
【0041】
【数5】
【0042】
に示したフィルタによって行う。エッジ強調は縮小後の画像に対して行うことにより、平均で縮小したことによる画像のなまりを鮮鋭にすることができる。
【0043】
〔実施形態2〕
図5は本発明の第2の実施形態である画像縮小装置の処理の流れを示すブロック図である。画像入力手段2によって画像を入力し、文字・線画領域抽出手段3で文字・線画領域を抽出する。疑似濃淡領域抽出手段7は入力画像と文字・線画領域抽出手段3の結果から疑似濃淡を抽出する。画像縮小手段5は入力された画像を文字・線画領域、疑似濃淡領域、文字・線画・疑似濃淡以外の領域それぞれで異なる方法で縮小処理を行い、画像出力手段3は処理された画像を出力する。疑似濃淡領域抽出手段7以外は第1の実施例と同一であるため、説明は省略する。
【0044】
次に、疑似濃淡領域抽出手段7について説明する。疑似濃淡領域抽出手段7では注目画素の周辺の相関を求め、相関値が所定の値の範囲外になる画素のうち、文字・線画領域抽出手段3で抽出された文字・線画領域を除いたものを疑似濃淡領域として抽出する。疑似濃淡領域は周囲の画素との相関が低く、また、エッジ部分は縦、横、斜めのどちらかの方向で相関が高くなるため、文字や線画部分を疑似濃淡領域に含めてしまう恐れが少なくなる。
【0045】
図6は周囲の画素の相関を求める方法の説明図である。まず、注目画素を含む一定の領域を基準領域として設定する。基準領域Aを(x,y)方向に(+1,0),(+1,+1),(0,+1),(−1,−1)の縦、横、斜め4方向に動かしたところにある領域を比較領域Bi(i=1,2,3,4)とする。このとき、注目画素における相関値Cは
【0046】
【数6】
【0047】
のように求める。
【0048】
ただし、|A−Bi|は領域AとBで対応する画素の差分の絶対値の総和を表し、nは領域内の画素数、Minはi=1,..,4のうちの最小値を示している。本実施例では相関値を各領域間の差分で求めたが、他の方法で相関を求めても良い。相関値Cは大きいほど相関が低く、小さいほど相関が高いと判断する。縦、横、斜めの線は、上記4方向のうちどれかで相関が高くるため、はじめから疑似濃淡領域から除くことができ、より正確に疑似濃淡領域を抽出することができる。
【0049】
疑似濃淡領域抽出手段7では上記相関値が所定値より大きくなる画素(相関が低い画素)のうち、前記文字・線画領域抽出手段3で抽出されていない画素を疑似濃淡領域として抽出する。これによって、確実に疑似濃淡領域のみを抽出することができる。
【0050】
〔実施形態3〕
本実施形態は、上記実施形態1あるいは実施形態2の疑似濃淡領域抽出手段の部分のみが変更になったものであり、疑似濃淡領域抽出以外の手段は実施形態1あるいは実施形態2と共通にすることができるので説明を省略する。本実施形態における疑似濃淡領域抽出手段は、前記入力された画像からエッジ抽出フィルタによってエッジ成分を抽出し、エッジ成分の値が所定の値の範囲外になる画素のうち、前記文字・線画領域抽出手段3で抽出された文字・線画領域を除いたものを疑似濃淡領域として抽出する。これは、疑似濃淡と文字・線画などのエッジ部分の双方でエッジ検出フィルタの出力が大きくなることから、エッジ成分の値の大きい画素から文字・線画領域部分を除去することにより、疑似濃淡部分のみを抽出することができることによる。
【0051】
図7は請求項1乃至請求項5にかかわる画像縮小装置の処理の概略フローを表した図である。S1は画像を入力する処理モジュールであり、スキャナーなどの画像入力装置あるいは記憶メディアから画像縮小装置のメモリに画像を読み込む処理モジュールである。S2は文字・線画領域を抽出する処理モジュールであり、入力された画像に対し、平滑化処理を行った後、エッジ抽出を行うことで文字・線画領域を抽出する。S3は疑似濃淡領域を抽出する処理モジュールであり、上記実施形態処理1あるいは実施形態2あるいは実施形態3で述べた方法に従って疑似濃淡領域を抽出する。S4は、S2あるいはS3の処理モジュールで抽出された文字・画像領域あるいは疑似濃淡領域に対し、上記実施形態1あるいは実施形態2あるいは実施形態3で述べた画像縮小の処理を実行する処理モジュールである。S5はS4で縮小された画像を画像出力手段へ出力する処理モジュールである。
【0052】
図8は請求項6にかかわる画像縮小装置の処理の概略フローを表した図である。S10乃至S13は、図7のS1乃至S4と同じ処理を行う処理モジュールであるので説明を省略する。ステップS14では縮小後の疑似濃淡領域のエッジ成分を抽出してエッジを検出する。疑似濃淡領域には平滑化をかけているため、エッジ成分の値は大きくならないはずであるが、モアレが発生した時にはエッジが検出されることになる。
【0053】
ステップS15は、ステップS14で検出したエッジの値が所定値以上の画素(例えば、60など)のみ平滑化をかける処理モジュールである。このように、平滑化を縮小後の画像に対してかけるところに特徴がある。S16は画像を出力する処理モジュールであり、S5と同じ処理を行う。
【0054】
図9は請求項7にかかわる画像縮小装置の処理の概略フローを表した図である。ステップS20乃至S23は図7のステップ1乃至ステップ4あるいは図8のステップS10乃至S13と同じ処理を行う処理モジュールである。ステップS24では縮小後の疑似濃淡領域のエッジを検出する。疑似濃淡領域には平滑化をかけているため、エッジ成分の値は大きくならないはずであるが、モアレが発生した時にはエッジが検出されることになる。
【0055】
ステップS25では、ステップS24で検出したエッジ成分の値が所定値以上の画素(例えば、60など)が存在した場合、モアレが発生したとして、縮小処理を中断する(S27)。このとき、警告を発するだけにとどめておいても良い。エッジ成分の値が所定値以上の画素が存在しない場合は画像を出力して終了する(S26)。
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、画像を疑似濃淡領域、文字・線画領域、疑似濃淡・文字・線画以外の領域の3つに分割し、それぞれ別々の方法で縮小することにより、疑似濃淡部分のモアレを押さえながら、文字、線画は鮮鋭にして縮小することができる。例えば目的の解像度で画像を読み取ったときにモアレが発生してしまう場合であっても、モアレの発生しない程度の高い解像度で画像を読み取り、本発明の画像縮小装置によって画像を縮小することにより、モアレがなく、鮮鋭な画像を得ることができる。
【0058】
また本発明によれば、周辺画素の分散を求め、分散の大きい画素のうち文字・線画領域として抽出されていないものを疑似濃淡領域として抽出することにより、文字・線画領域は除いて、正確に疑似濃淡領域のみを抽出することができる。
【0059】
さらに本発明によれば、周辺画素の相関を求め、相関の低い画素のうち、文字・線画領域として抽出されていないものを疑似濃淡領域として抽出することにより、より確実に文字・線画領域は除いて、正確に疑似濃淡領域のみを抽出することができる。
【0060】
さらに本発明によれば、入力された画像のエッジ成分を抽出し、抽出されたエッジ成分のうち、上記文字・線画抽出手段によって文字・線画領域として抽出されていない領域のものを疑似濃淡領域として抽出することにより、エッジ検出フィルタは単純であるため、より高速に疑似濃淡部分を検出することができる。
【0061】
さらに本発明によれば、抽出された疑似濃淡領域のエッジ成分の抽出を行い、エッジ成分の値が所定の範囲外の領域に対し、再度平滑化処理を行うことにより、1回目の平滑化で消えるはずの疑似濃淡領域のエッジによるモアレが出現した場合でも当該モアレを消すことが出来、マンガなどの画像をより精度良く画像縮小することができる。
【0062】
さらに本発明によれば、抽出された疑似濃淡領域のエッジ成分の抽出を行い、エッジ成分の値が所定の範囲外の場合、縮小処理を停止することにより、無用の処理を中断するとともに正常処理を継続することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である画像縮小装置の処理の流れを示すブロック図である。
【図2】注目画素における分散を求める範囲の説明図である。
【図3】平均による縮小処理を説明する図である。
【図4】平滑化による縮小処理を説明する図である。
【図5】本発明の第2の実施形態である画像縮小装置の処理の流れを示すブロック図である。
【図6】周囲の画素の相関を求める方法の説明図である。
【図7】請求項1乃至請求項5にかかわる画像縮小装置の処理の概略フローを表した図である。
【図8】請求項6にかかわる画像縮小装置の処理の概略フローを表した図である。
【図9】請求項7にかかわる画像縮小装置の処理の概略フローを表した図である。
【符号の説明】
1 画像縮小装置
2 画像入力手段
3 文字・線画領域抽出手段
4 疑似濃淡領域抽出手段
5 画像縮小手段
6 画像出力手段
7 疑似濃淡領域抽出手段
S1 画像を入力する処理モジュール
S2 文字・線画領域を抽出する処理モジュール
S3 疑似濃淡領域を抽出する処理モジュール
S4 画像縮小の処理を実行する処理モジュール
S5 画像を画像出力手段へ出力する処理モジュール
S14 縮小後の疑似濃淡領域のエッジを検出する処理モジュール
S15 エッジの値が所定値以上の画素のみ平滑化をかける処理モジュール
S27 検出したエッジの値が所定値以上の画素が存在した場合、縮小処理を中断する処理モジュール
Claims (8)
- 画像を入力する画像入力手段と、前記入力された画像から文字・線画領域を抽出する文字・線画領域抽出手段と、前記入力された画像から疑似濃淡領域を抽出する疑似濃淡領域抽出手段と、抽出した領域に応じて別々の方法を用いて前記入力された画像の縮小を行う画像縮小手段と、前記縮小処理した画像を出力する画像出力手段とを備える画像縮小装置であって、
前記疑似濃淡領域抽出手段は、前記入力された画像から画素毎に注目画素を含む一定の領域の分散値を求め、分散値が所定の値の範囲外になる画素のうち、前記文字・線画領域抽出手段によって文字・線画領域として抽出された領域を除いたものを疑似濃淡領域として抽出することを特徴とする画像縮小装置。 - 画像を入力する画像入力手段と、前記入力された画像から文字・線画領域を抽出する文字・線画領域抽出手段と、前記入力された画像から疑似濃淡領域を抽出する疑似濃淡領域抽出手段と、抽出した領域に応じて別々の方法を用いて前記入力された画像の縮小を行う画像縮小手段と、前記縮小処理した画像を出力する画像出力手段とを備える画像縮小装置であって、
前記疑似濃淡領域抽出手段は、前記入力された画像から画素毎に注目画素を含む一定の領域の相関値を求め、相関値が所定の値の範囲外になる画素のうち、前記文字・線画領域抽出手段によって文字・線画領域として抽出された領域を除いたものを疑似濃淡領域として抽出することを特徴とする画像縮小装置。 - 画像を入力する画像入力手段と、前記入力された画像から文字・線画領域を抽出する文字・線画領域抽出手段と、前記入力された画像から疑似濃淡領域を抽出する疑似濃淡領域抽出手段と、抽出した領域に応じて別々の方法を用いて前記入力された画像の縮小を行う画像縮小手段と、前記縮小処理した画像を出力する画像出力手段とを備える画像縮小装置であって、
前記疑似濃淡領域抽出手段は、前記入力された画像からエッジ抽出フィルタによってエッジ成分を抽出し、エッジ成分の値が所定の値の範囲外になる画素のうち、前記文字・線画領域抽出手段によって文字・線画領域として抽出された領域を除いたものを疑似濃淡領域として抽出することを特徴とする画像縮小装置。 - 前記文字・線画領域抽出手段は、前記入力された画像に対して平滑化処理を行い、平滑化処理を行った画像に対してエッジ抽出フィルタによってエッジ成分を抽出し、エッジ成分の値が所定の値の範囲外になる画素を文字・線画領域として抽出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の画像縮小装置。
- 前記画像縮小手段は、入力された画像の疑似濃淡領域に対しては平滑化処理を行い、文字・線画領域に対しては縮小率に応じた範囲の画素の値の平均処理を行った後にエッジ強調処理を行い、疑似濃淡・文字・線画以外の領域に対しては縮小率に応じた範囲の画素の値の平均処理のみを行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の画像縮小装置。
- 前記画像縮小手段は、入力された画像を縮小した後、縮小された画像の疑似濃淡領域に対してエッジ抽出フィルタによってエッジ成分を抽出し、エッジ成分の値が所定の値の範囲外になる画素に対して再度平滑化処理を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の画像縮小装置。
- 前記画像縮小手段は、入力された画像を縮小した後、縮小された画像の疑似濃淡領域に対してエッジ抽出フィルタによってエッジ成分を抽出し、エッジ成分の値が所定の値の範囲外になる画素が存在した場合に縮小処理を停止することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の画像縮小装置。
- コンピュータを請求項1〜7のいずれか1つに記載の画像縮小装置として機能させるための画像縮小プログラムを記録した記録媒体。
Priority Applications (13)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18346998A JP3604910B2 (ja) | 1998-06-30 | 1998-06-30 | 画像縮小装置及び画像縮小プログラムを記録した記録媒体 |
EP07011767A EP1838084A3 (en) | 1998-06-23 | 1999-06-16 | Image processing apparatus, image processing method and medium on which image processing program is recorded |
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