JP3604539B2 - データ圧縮・復元方法、データ管理方法、データ転送方法、シミュレーション方法、データ圧縮・復元システム、及びデータ圧縮・復元プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

データ圧縮・復元方法、データ管理方法、データ転送方法、シミュレーション方法、データ圧縮・復元システム、及びデータ圧縮・復元プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体シミュレーション分野に係り、特に計算機を用いて解析対象内の各物理量を数値的に求め、特性解析を行うシミュレーション技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体素子の設計・開発においては、デバイス・シミュレーションと呼ばれる手法により、素子の電気的特性を数値解析により求める作業が行われている。このデバイス・シミュレーションにおいては、ポアソン方程式、電流連続式、エネルギー保存式を解き、その計算結果として、構造データ、電位ψ、ドナー濃度Nd、アクセプタ濃度Na、電子濃度nと正孔濃度p、電子移動度μn、正孔移動度μp、電界E、電子擬フェルミ準位Φn、正孔擬フェルミ準位Φp、電子電流密度Jn、正孔電流密度Jp、電子速度vn、正孔速度vp、生成消滅率GR、電子温度Tn、正孔温度Tp、電子エネルギーwn、正孔エネルギーwp、電子エネルギー緩和時間τwn、正孔エネルギー緩和時間τwp、電子エネルギー流密度Sn、正孔エネルギー流密度Spを取得し、これらの全物理量を磁気ディスクなどの記録媒体に保存していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、解析の微細化に伴い、3次元形状を考慮したデバイス・シミュレーションが行われるようになり、保存すべきデータの量は膨大なものになりつつある。しかし、従来はシミュレーション結果として得られたデータをすべて記憶媒体に保存するようにしていたため、3次元形状を考慮したデバイス・シミュレーションを実施した場合には、記憶媒体の消費量が著しく多くなるという問題点があった。
【0004】
また、従来は保存したデータの利用頻度にかかわらずデータを保存するようにしていたため、長期間参照されないようなデータが数多くあるような場合には、記憶媒体の利用効率が悪いという問題点があった。
【0005】
さらに、最近ではネットワークを通じてデータを相互に送受信するリモート・コンピューティングが一般化しているが、転送すべきデータ量が多いと、通信時間が長くなるうえ、通信のトラフィックが増大してネットワークにかかる負担が大きくなるという問題点があった。
【0006】
この発明の第1の目的は、ユーザーの指定した圧縮レベルに応じてデータを高密度に保存することができ、またデバイスシミュレーションにより得られたデータを実用的な圧縮レベルで保存したときの復元時間を短縮することができるデータ圧縮・復元方法、シミュレーション方法、データ圧縮・復元システム及びデータ圧縮・復元プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することにある。
【0007】
第2の目的は、データの参照頻度に応じてデータの保存量を変更することにより、記憶媒体の利用効率を向上させることができるデータ管理方法を提供することにある。
【0008】
第3の目的は、データ転送時における通信時間の短縮とトラフィックの増大を抑えることにより、ネットワークにかかる負担を低減することができるデータ転送方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するため、請求項1の発明は、圧縮時に、指定された圧縮レベルに応じて、少なくとも一つの物理量を保存し、復元時に、前記保存された物理量及び保存されていない物理量を復元するために用意された復元ルールを用いて、保存されていない物理量を復元することを特徴とするデータ圧縮・復元方法である。
【0010】
請求項1の発明においては、圧縮時に、指定された圧縮レベルに応じて、少なくとも一つの物理量とシミュレーション条件とを保存し、復元時に、前記シミュレーション条件に従って、前記保存された物理量を初期値とするシミュレーションを行い、保存されていない物理量を復元するようにしてもよい。
【0011】
請求項2の発明は、圧縮時に、指定された圧縮レベルに応じてシミュレーション条件保存し、復元時に、前記保存されたシミュレーション条件に従ってシミュレーションを行い、保存されていない物理量を復元することを特徴とする。
【0012】
上記第2の目的を達成するため、請求項の発明は、請求項1のデータ圧縮・復元方法で保存された物理量を、所定の時刻に検索し、所定の検索期間内における各物理量の参照履歴または物理量の保存量に応じて、前記された物理量の圧縮レベルを変更することを特徴とする。
【0013】
請求項の発明においては、前記保存された物理量の参照履歴または物理量の保存量に応じて、検索時刻、検索期間、圧縮レベルを自動的に設定するようにしてもよい。
【0014】
上記第3の目的を達成するため、請求項の発明は、ネットワーク上に接続された端末装置間でデータの転送を行うデータ転送方法において、データ転送時に、転送すべきデータを請求項1のデータ圧縮・復元方法で圧縮することを特徴とする。
【0015】
請求項の発明においては、ネットワークの転送可能容量、またはネットワークのトラフィック、または転送先の記憶媒体の容量に応じて、データの圧縮レベルを自動的に設定するようにしてもよい。
【0016】
さらに、上記第1の目的を達成するため、請求項の発明は、シミュレーションの計算結果として得られた物理量を、請求項1のデータ圧縮・復元方法で保存することを特徴とする。
【0017】
請求項の発明においては、前記保存された物理量のうち、最も近い条件の物理量を復元し、この物理量を新たなシミュレーションの初期値とするようにしてもよい。
【0018】
また、請求項の発明において、最も近い条件の物理量を復元する際に、十分な数のシミュレーション結果が蓄積されているかどうかの判定を行う場合は、ユーザがディスプレイ画面のデータ表示を見ながら判定するようにしてもよい。
【0019】
また、上記第1の目的を達成するため、請求項の発明は、 シミュレーションの計算結果として得られた物理量と圧縮レベルとを入力するための入力手段と、物理量を保存する記憶手段と、圧縮時に、指定された圧縮レベルに応じて、少なくとも一つの物理量を前記記憶手段に保存するデータ圧縮手段と、復元時に、前記記憶手段に保存された物理量と所定の復元ルールとを用いて、保存されていない物理量を復元するデータ復元手段と、データ圧縮・復元に関する所定のデータを表示する表示手段とを備えたことを特徴とする。
【0020】
さらに、上記第1の目的を達成するため、請求項の発明は、指定された圧縮レベルに応じて、少なくとも一つの物理量を保存する処理と、前記保存された物理量と所定の復元ルールとを用いて、保存されていない物理量を復元する処理とを含み、これらの処理をコンピュータに実行させることを特徴とするデータ圧縮・復元プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係わるデータ圧縮方法、データ管理方法、データ転送方法、シミュレーション方法、データ圧縮システム及びデータ圧縮プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体の実施形態について説明する。
【0022】
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係わるデータ圧縮・復元システムの機能的な構成を示すブロック図である。このデータ圧縮・復元システム10は、データ入力部11、データ圧縮部12、データ記憶部13、データ復元部14、シミュレータ部15、データ出力部16により構成されている。
【0023】
データ入力部11は、デバイス・シミュレーションの計算結果である全物理量と、ユーザにより指定された圧縮レベルと、保存していない物理量を復元するための復元ルールと、デバイス・シミュレーションにおいてシミュレーションを実施するための条件となるシミュレーション条件とを入力するための入力手段である。
【0024】
データ圧縮部12は、デバイス・シミュレーションによって得られたデータを、ユーザにより指定された圧縮レベルに従って圧縮する部分である。圧縮レベルとは、圧縮率を設定するための情報であり、この例では後述するようにレベル0からレベル7が用意されている。以下に、本実施形態におけるDDM(Drift Diffusion Model)圧縮レベルの一覧を示す。
【0025】
ここで、DDMとは、ポアソン方程式、電子と正孔の電流連続式、電子と正孔の電流密度の式を解く方法である。ポアソン方程式は、イオン化した不純物と電子と正孔の電荷が形成する電位分布ψを求める式である。また電流連続式は、電子濃度nまたは正孔濃度pの分布を求める式である。電流密度の式は、電流連続式の補助方程式である。シミュレーションが実行される間、他の物理量は復元ルールに従って、ψ、n、pから計算される。
【0026】
なお、圧縮率に続くカッコ内の数値は(残されたデータ数/全データ数)を表している。この際、速度と電界と電流密度はベクトル量であるので、x方向、y方向、z方向の3つの成分が存在する。ベクトル量については、データ量は他の物理量に比べて3倍になる。
【0027】
また、レベル4とレベル5においては、熱平衡にない部分の物理量が保存されているが、これはその物理量の全体の概ね1/4の量である。例えば、電子濃度nであれば、熱平衡にない部分の量は、電子濃度全体の1/4程度である。従って、レベル4において、熱平衡部分を削除する物理量は、n、p、μn、μpの4つであるので、圧縮後のデータ数は4/4と計算される。
【0028】
さらに、物理量の後のカッコ内の物理量は、カッコ内の物理量によってカッコ前の物理量が復元されることを意味する。例えば、GR(E、Jn、Jp)は、GRはEとJnとJpによって復元されることを意味する。
【0029】
<DDM圧縮レベル一覧>
レベル0;圧縮率100%(26/26);すべて保存。
レベル1;圧縮率73%(19/26);GR(E、Jn、Jp)、vn(Jn、n)、vp(Jp、p)
レベル2;圧縮率50%(13/26);Jn(μn、E、n)、Jp(μp、E、p)
レベル3;圧縮率31%(08/26);E(ψ)、Φn(n)、Φp(p)
保存データ;構造データ、Nd、Na、ψ、n、p、μn、μp
レベル4;圧縮率19%(4+4/4)/26;熱平衡部分のn、p、μn、μpを削除。
保存データ;構造データ、Nd、Na、ψ、(n、p、μn、μp)/4
レベル5;圧縮率8%(1+4/4)/26;構造データ、Nd、Naは入力データから復元。
保存データ;入力ファイル、ψ、(n、p、μn、μp)/4
レベル6;圧縮率3%(1/26);ψのみを保存して、デバイス・シミュレーションで復元。
保存データ;入力ファイル、ψ
レベル7;圧縮率0%(0/26);入力ファイルのみ保存。
【0030】
ここで、入力ファイルとは、シミュレーションを実施するための条件(以下、シミュレーション条件)を記述したファイルであり、先に実施されたデバイス・シミュレーションは、入力ファイルの記述を元に再現することができる。
【0031】
なお、圧縮レベルは、ユーザにより指定されたものでもよいし、工場出荷時に設定された圧縮レベル(初期設定値)であってもよい。以下、圧縮レベルはすべてユーザに指定されたものとして説明する。
【0032】
データ圧縮部12は、指定された圧縮レベルに応じて、全物理量の中から所定のデータ項目の物理量を削除し、残りの物理量を保存データとしてデータ記憶部13へ保存する。保存されるデータとしては、物理量、復元ルール、入力ファイルがあり、これらは指定された圧縮レベルに応じて選択される。この例では、物理量のみ(圧縮なし)、物理量と復元ルール、物理量と入力ファイル、入力ファイルのみ、の4パターンに分類される。
【0033】
ここで、復元ルールとは、保存されていない物理量を復元するためのルールであり、物理モデルから導き出される。この実施形態では、物理量と復元ルールとを共に保存するようにしているが、シミュレーション・モデルが同じであれば、共通の復元ルールを用いることができるため、復元ルールをライブラリ化しておき、物理量のみを保存するようにしてもよい。この場合は、復元時に必要な復元ルールをライブラリから読み出して使用する。
【0034】
データ記憶部13は、前記データ圧縮部12で圧縮(または非圧縮)されたデータを保存するための記憶装置であり、例えば磁気ディスクなどで構成されている。なお、以下の説明では、前記データ圧縮部12で圧縮(または非圧縮)されたデータ、すなわち物理量のみ(圧縮なし)、物理量と復元ルール、物理量と入力ファイル、入力ファイルのみを含めて、すべて保存データという。
【0035】
データ復元部14は、前記データ記憶部13に保存されている保存データを読み出し、読み出したデータの圧縮レベルに応じて、保存されていない物理量を復元する。なお、データがどの圧縮レベルで処理されたかについては、データに含まれる物理量に対し演算を行うことで一意に求められる(後述の図7参照)。
【0036】
ここでは、保存データの内容に応じて、次の4つのパターンでデータの復元を行う。
【0037】
(1)保存データが全物理量である場合、すなわち圧縮が行われていなければ、読み出したデータをそのまま出力する。
【0038】
(2)保存データが物理量と復元ルールからなる場合は、この物理量と復元ルールを用いて演算処理を行い、保存されていない物理量を復元する。
【0039】
(3)保存データが物理量と入力ファイルからなる場合は、入力ファイルに記述されたシミュレーション条件に従って、前記物理量を初期値とするシミュレーションを行い、保存されていない物理量を復元する。
【0040】
(4)保存データが入力ファイルのみの場合は、入力ファイルに記述されたシミュレーション条件に従い、再度シミュレーションを行い、すべての物理量を復元する。
【0041】
シミュレータ部15は、入力ファイルに記述されたシミュレーション条件に従ってデバイス・シミュレーションを実行する部分であり、前記データ復元部14からのシステムコールにより起動する。
【0042】
データ出力部16は、前記データ復元部14により復元された物理量を画面上、記録紙上または記憶装置上のファイルとして出力する出力手段である。
【0043】
図2は、図1に示したデータ圧縮・復元システム10を実現するための具体例を示したもので、例えばシミュレーション機能を有するパソコンやワークステーションなどのハードウェア構成を示している。
【0044】
ディスプレイ21は、CRTからなるカラーまたはモノクロの表示装置であり、入/出力されるデータや、処理対象となる各種データを表示するほか、図形や表などの画像イメージを表示する。ディスプレイ21での表示はディスプレイ制御部22により制御されている。
【0045】
キーボード23は、コマンドや文字列などのデータ入力用の入力装置であり、画面上で指示選択を行うためのマウス24が接続されている。キーボード23やマウス24から入力された各種のデータや選択指示内容は、キーボード/マウス制御部25を通じて、後述するプロセッサ部29へ送られる。
【0046】
ディスク装置26は、磁気ディスクなどの二次記憶装置で構成され、保存データをファイル形式で格納している。ディスク装置26でのデータの入出力は、ディスク制御部27で制御されている。
【0047】
主記憶装置28は、RAMなどのメモリ装置で構成されるバッファ記憶であり、各種プログラムのほか、キーボード23やマウス24から入力された各種データや命令などを一時的に記憶する。
【0048】
プロセッサ部29は、CPU及びその周辺回路により構成される中央処理装置であり、処理の制御プログラムに従って上記各部の動作を管理し、また所定のデータに対する演算処理を実行する。
【0049】
上述した構成において、ディスプレイ21、表示制御装置22、キーボード23、マウス24は、図1のデータ入力部11の機能を実現している。また、プロセッサ部29、主記憶装置28に記憶された各種プログラムは、図1のデータ圧縮部12、データ復元部14、シミュレータ部15の機能を実現している。さらに、ディスプレイ21、表示制御装置22、ディスク装置26は、図1のデータ出力部16の機能を実現している。
【0050】
次に、上述したデータ圧縮・復元システム10において、データの圧縮及びデータの復元を行う場合の具体例を説明する。
【0051】
最初に、先に説明したDDMを用いた場合のデータ圧縮の具体例について説明する。
【0052】
図3は、DDMを用いた場合のデータ圧縮の処理手順を示すフローチャートである。なお、以下の説明において、vn、vpなどの記号は、従来の技術の項に列挙したデータの記号に対応する。
【0053】
まず、データ入力部11でデバイス・シミュレーションの計算結果である物理量と圧縮レベルを読み込み、データ圧縮部12へ受け渡す(ステップ101)。データ圧縮部12は、圧縮レベル0であれば(ステップ102でYes)、残りのデータとしてすべての物理量をデータ記憶部13に保存して終了する(ステップ103)。また、圧縮レベル0でなければ(ステップ102でNo)、vn、vp、GRを削除し(ステップ104)、圧縮レベル1であれば(ステップ105でYes)、残りのデータ(物理量)を保存して終了する(ステップ103)。
【0054】
次いで、圧縮レベル1でなければ(ステップ105でNo)、JnとJpを削除し(ステップ106)、圧縮レベル2であれば(ステップ107でYes)、残りのデータを保存して終了する(ステップ103)。
【0055】
次いで、圧縮レベル2でなければ(ステップ107でNo)、E、Φn、Φpを削除し(ステップ108)、圧縮レベル3であれば(ステップ109でYes)、残りのデータを保存して終了する(ステップ103)。
【0056】
次いで、圧縮レベル3でなければ(ステップ109でNo)、熱平衡状態の領域にある、n、p、μn、μpを削除し(ステップ110)、圧縮レベル4であれば(ステップ111でYes)、残りのデータを保存して終了する(ステップ103)。
【0057】
次いで、圧縮レベル4でなければ(ステップ111でNo)、構造データ、Nd、Naを削除し(ステップ112)、圧縮レベル5であれば(ステップ113でYes)、残りのデータを保存して終了する(ステップ103)。
【0058】
次いで、圧縮レベル5でなければ(ステップ113でNo)、熱平衡状態の領域にないn、p、μn、μpを削除、すなわち入力ファイルとψ以外のデータを削除し(ステップ114)、圧縮レベル6であれば(ステップ115でYes)、残りのデータを保存して終了する(ステップ103)。
【0059】
次いで、圧縮レベル6でなければ(ステップ115でNo)、ψを削除、すなわち入力ファイル以外のデータを削除し(ステップ116)、残りのデータとして入力ファイルを保存して終了する(ステップ103)。これは圧縮レベル7である。
【0060】
次に、保存データを復元する場合の具体例について説明する。図4は、DDMを用いた場合のデータ復元の処理手順を示すフローチャートである。
【0061】
まず、データ復元部14はデータ記憶部13に保存されている保存データを読み込み(ステップ201)、圧縮レベル7であれば(ステップ202でYes)、シミュレータ部15をシステムコールし、入力ファイルに記述されたシミュレーション条件に従って、デバイス・シミュレーション(DS)を実行する(ステップ203)。そして、すべてのデータ(全物理量)を復元し、これをデータ記憶部13またはデータ出力部16へ出力する(ステップ204)。
【0062】
次いで、圧縮レベル6であれば(ステップ205でYes)、シミュレータ部15をシステムコールし、入力ファイルに記述されたシミュレーション条件に従い、ψを初期値として、デバイス・シミュレーションを実行することによって、すべてのデータを復元し、これを出力する(ステップ206、ステップ204)。この場合、ψの真値が分かっているため、通常のシミュレーションよりも一桁以上短時間で計算を終了することができる。
【0063】
次いで、圧縮レベル5であれば(ステップ207でYes)、シミュレータ部15の前処理部、すなわち形状認識部分をシステムコールし、入力ファイルに記述されたシミュレーション条件に従い、デバイス・シミュレーションを実行することにより、構造データ、Nd、Naを復元する(ステップ208)。
【0064】
次いで、データ復元部14は、次式から熱平衡状態領域のn、p、μn、μpを復元する(ステップ209)。保存データが圧縮レベル4であれば(ステップ210でYes)、このステップ209の処理から開始する。
【0065】
【数1】
電荷中性条件(p−n=NaーNd)
npの積一定条件(np=ni^2)
ni:真性キャリア濃度
μn=μn0/(1+N/N/Sn+Nrn))^0.5;N=Nd+Na
μn0、Sn、Nrn:パラメータ
μp=μp0/(1+N/(N/Sp+Nrp))^0.5;N=Nd+Na
μp0、Sp、Nrp:パラメータ
次いで、データ復元部14は、次式からE、Φn、Φpを復元する(ステップ211)。保存データが圧縮レベル3であれば(ステップ212でYes)、このステップ211の処理から開始する。
【0066】
【数2】
E=−∇ψ
Φn=−kBTL/qln(n/ni)
Φp=+kBTL/qln(n/ni)
kB:ホルツマン定数、TL:格子温度、q:単位素電荷
次いで、データ復元部14は、次式からJn、Jpを復元する(ステップ213)。保存データが圧縮レベル2であれば(ステップ214でYes)、このステップ213の処理から開始する。
【0067】
Jn=qμn(nE+kBTL/q∇n)
Jp=qμp(pEーkBTL/q∇p)
次いで、データ復元部14は、次式からvn、vp、GRを復元し(ステップ215)、これを出力する(ステップ204)。なお、すべてのデータが復元された場合を除いて、復元されたデータはすでに保存されているデータに埋め込まれ、元のサイズのデータ(全物理量)として出力される。
【0068】
さて、保存データが圧縮レベル1であれば(ステップ216でYes)、このステップ215の処理から開始する。
【0069】
【数3】
vn=Jn/q/n
vp=Jp/q/p
GR=AnJnexp[−Bn|E・Jn|/|Jn|]+ApJpexp[−Bp|E・Jp|/|Jp|]
An、Bn、Ap、Bpは衝突イオン化パラメータである。
【0070】
次いで、圧縮レベル0であれば(ステップ217でYes)、上記のすべての処理を行わず、復元したデータとして、読み出した保存データをそのまま出力して終了する(ステップ204)。また、圧縮レベル0でなければ(ステップ217でNo)、エラー処理を実行する(ステップ218)。
【0071】
次に、ETM(Energy Transport Model)を用いた場合のデータ圧縮の具体例について説明する。ただし、システム構成は図1と同じである。
【0072】
まず、本実施形態におけるETM圧縮レベルの一覧を示す。ここで、ETMとは、先にDDMで示した式に、電子と正孔のエネルギー保存式、電子と正孔のエネルギー流の式を加えたものであり、これらの式を解く方法である。エネルギー保存式は、電子または正孔のエネルギーを求める式である。電流密度の式とエネルギー流の式は、電流連続式の補助方程式である。シミュレーションが実行される間、他の物理量は復元ルール従って、ψ、n、p、wn、wpから計算される。
【0073】
<ETM圧縮レベル一覧>
レベル0;圧縮率100%(38/38);すべて保存。
レベル1;圧縮率92%(35/38);GR(wn、wp)、τwn(wn)、τwp(wp)
レベル2;圧縮率87%(33/38);wn(vn、Tn)、wp(vp、Tp)
レベル3;圧縮率71%(27/38);vn(Jn、n)、vp(Jp、p)
レベル4;圧縮率39%(15/38);Jn(μn、E、n、Tn)、Jp(μp、E、p、Tp)、Sn(μn、E、n、Tn)、Sp(μp、E、p、Tp)
レベル5;圧縮率26%(10/38);E(ψ)、Φn(n)、Φp(p)
保存データ;構造データ、Nd、Na、ψ、n、p、μn、μp、Tn、Tp
レベル6;圧縮率14%(4+6/4)/38;熱平衡部分のn、p、μn、μp、Tn、Tpを削除。
保存データ;構造データ、Nd、Na、ψ、(n、p、μn、μp、Tn、Tp)/4
レベル7;圧縮率7%(1+6/4)/38;構造データ、Nd、Naは入力データから復元。
保存データ;入力ファイル、ψ、(n、p、μn、μp、Tn、Tp)/4
レベル8;圧縮率3%(1/38);ψのみを保存して、デバイス・シミュレーションで復元。
保存データ;入力ファイル、ψ
レベル9;圧縮率0%(0/38);入力ファイルのみ保存。
【0074】
図5は、ETMを用いた場合のデータ圧縮の処理手順を示すフローチャートである。
【0075】
まず、データ入力部11でデバイス・シミュレーションの計算結果である物理量と圧縮レベルを読み込み、データ圧縮部12へ受け渡す(ステップ301)。データ圧縮部12は、圧縮レベル0であれば(ステップ302でYes)、残りのデータとして全物理量をデータ記憶部13に保存して終了する(ステップ303)。また、圧縮レベル0でなければ(ステップ302でNo)、τwn、τwp、GRを削除し(ステップ304)、圧縮レベル1であれば(ステップ305でYes)、残りのデータ(物理量)を保存して終了する(ステップ303)。
【0076】
次いで、圧縮レベル1でなければ(ステップ305でNo)、wn、wpを削除し(ステップ306)、圧縮レベル2であれば(ステップ307でYes)、残りのデータを保存して終了する(ステップ303)。
【0077】
次いで、圧縮レベル2でなければ(ステップ307でNo)、vn、vpを削除し(ステップ308)、圧縮レベル3であれば(ステップ309でYes)、残りのデータを保存して終了する(ステップ303)。
【0078】
次いで、圧縮レベル3でなければ(ステップ309でNo)、Jn、Jp、Sn、Spを削除し(ステップ310)、圧縮レベル4であれば(ステップ311でYes)、残りのデータを保存して終了する(ステップ303)。
【0079】
次いで、圧縮レベル4でなければ(ステップ311でNo)、E、Φn、Φpを削除し(ステップ312)、圧縮レベル5であれば(ステップ313でYes)、残りのデータを保存して終了する(ステップ303)。
【0080】
次いで、圧縮レベル5でなければ(ステップ313でNo)、熱平衡状態の領域にある、n、p、μn、μp、Tn、Tpを削除し(ステップ314)、圧縮レベル6であれば(ステップ315でYes)、残りのデータを保存して終了する(ステップ303)。
【0081】
次いで、圧縮レベル6でなければ(ステップ315でNo)、構造データ、Nd、Naを削除し(ステップ316)、圧縮レベル7であれば(ステップ317でYes)、残りのデータを保存して終了する(ステップ303)。
【0082】
次いで、圧縮レベル7でなければ(ステップ317でNo)、熱平衡状態の領域にないn、p、μn、μpを削除、すなわち入力ファイルとψ以外のデータを削除し(ステップ318)、圧縮レベル8であれば(ステップ319でYes)、残りのデータを保存して終了する(ステップ303)。
【0083】
次いで、圧縮レベル8でなければ(ステップ319でNo)、ψを削除、すなわち入力ファイル以外のデータを削除し(ステップ320)、残りのデータとして入力ファイルを保存して終了する(ステップ303)。これは圧縮レベル9である。
【0084】
次に、保存データを復元する場合の具体例について説明する。図6は、ETMを用いた場合のデータ復元の処理手順を示すフローチャートである。
【0085】
まず、データ復元部14はデータ記憶部13に保存されている保存データを読み込み(ステップ401)、圧縮レベル9であれば(ステップ402でYes)、シミュレータ部15をシステムコールし、入力ファイルに記述されたシミュレーション条件に従って、デバイス・シミュレーションを実行する(ステップ403)。そして、すべてのデータ(全物理量)を復元し、これをデータ記憶部13またはデータ出力部16へ出力する(ステップ404)。
【0086】
次いで、圧縮レベル8であれば(ステップ405でYes)、シミュレータ部15をシステムコールし、入力ファイルに記述されたシミュレーション条件に従い、ψを初期値として、デバイス・シミュレータを実行することによって、すべてのデータを復元し、これを出力する(ステップ406、ステップ404)。この場合、ψの真値が分かっているため、通常のシミュレーションよりも一桁以上短時間で計算を終了することができる。
【0087】
次いで、圧縮レベル7であれば(ステップ407でYes)、シミュレータ部15の前処理部、すなわち形状認識部分をシステムコールし、入力ファイルに記述されたシミュレーション条件に従い、デバイス・シミュレーションを実行することにより、構造データ、Nd、Naを復元する(ステップ408)。
【0088】
次いで、データ復元部14は、次式から熱平衡状態領域のn、p、μn、μp、Tn、Tpを復元する(ステップ409)。保存データが圧縮レベル6であれば(ステップ410でYes)、このステップ409の処理から開始する。
【0089】
【数4】
電荷中性条件(p−n=NaーNd)
npの積一定条件(np=ni^2)
ni:真性キャリア濃度
μn=μn0/(1+N/N/Sn+Nrn))^0.5;N=Nd+Na
μn0、Sn、Nrn:パラメータ
μp=μp0/(1+N/(N/Sp+Nrp))^0.5;N=Nd+Na
μp0、Sp、Nrp:パラメータ
Tn=TL、Tp=TL
次いで、データ復元部14は、次式からE、Φn、Φpを復元する(ステップ411)。保存データが圧縮レベル5であれば(ステップ412でYes)、このステップ411の処理から開始する。
【0090】
E=∇ψ
Φn=−kBTL/q*ln(n/ni)
Φp=+kBTL/q*ln(n/ni)
kB:ホルツマン定数、TL:格子温度、q:単位素電荷
次いで、データ復元部14は、次式からJn、Jp、Sn、Spを復元する(ステップ413)。保存データが圧縮レベル4であれば(ステップ414でYes)、このステップ413の処理から開始する。
【0091】
【数5】
Jn=qμn(nE+kB/q∇(nTn)
Jp=qμp(pEーkB/q∇(pTp)
Sn=−2.5μn/q(+nkBTnE+kB^2∇(nTn^2))
Sp=−2.5μp/q(−pkBTpE+kB^2∇(pTp^2))
次いで、データ復元部14は、次式からvn、vpを復元する(ステップ415)。保存データが圧縮レベル3であれば(ステップ416でYes)、このステップ415の処理から開始する。
【0092】
vn=Jn/q/n
vp=Jp/q/p
次いで、データ復元部14は、次式からwn、wpを復元する(ステップ417)。保存データが圧縮レベル2であれば(ステップ418でYes)、このステップ417の処理から開始する。
【0093】
wn=0.5mnvn^2+1.5kBTn
wp=0.5mpvp^2+1.5kBTp
次いで、データ復元部14は、次式からτwn、τwp、GRを復元し(ステップ419)、これを出力する(ステップ404)。なお、シミュレーションにより、全物理量を復元した場合を除いて、復元されたデータはすでに保存されているデータに埋め込まれ、元のサイズのデータ(全物理量)として出力される。
【0094】
また、保存データが圧縮レベル1であれば(ステップ420でYes)、このステップ419の処理から開始する。
【0095】
【数6】
τwn=τwn1+(τwn(N)ーτwn1)exp[−{(wn−wL)/wn1}^cn]
τwn(N)=τwn0+an*log[{1+(N/Nn0)^bn}/{1+(N/Nn1)^bn}]
τwn1、wn1、cn、τwn0、an、Nn0、bn、Nn1:パラメータ
τwp=τwp1+(τwp(N)ーτwp1)exp[−{(wp−wL)/wp1}^cp]
τwp(N)=τwp0+aplog[{1+(N/Np0)^bp}/{1+(N/Np1)^bp}]
τwp1、wp1、cp、τwp0、ap、Np0、bp、Np1:パラメータ
GR=Cnexp[−Dn/wn]+Cpexp[−Dp/wp]
Cn、Dn、Cp、Dpは衝突イオン化パラメータである。
【0096】
次いで、データ復元部14は、圧縮レベル0であれば(ステップ421でYes)、上記のすべての処理を行わず、復元したデータとして、読み出した保存データをそのまま出力して終了する(ステップ404)。また、圧縮レベル0でなければ(ステップ421でNo)、エラー処理を実行する(ステップ422)。
【0097】
次に、上記実施形態のシステムにより、データを圧縮または復元する場合のデータ形式を例示する。
【0098】
(1)x方向の電子速度分布vnxの保存形式を以下に示す。%functionの行には復元方法を記述し、%dataの行にはvnxのデータを記述する。また%dataの行において、Nはデータ数であり、実際にはN=5,000〜100,000程度の値になる。圧縮時は、%dataの行を削除する。
【0099】
【数7】
%start
%name vnx
%type uncompress
%function vnx=Jnx/1/nx;nx=(n0*n1)^0.5;
%data {数値1 数値2 数値3 数値4 数値5・・数値N}
%end
なお、%functionの行において、nxは格子間の平均的な電子濃度である。n0とn1はx方向に隣接する格子点の濃度である。
【0100】
(2)熱平衡状態の領域を削除したnについてのデータ形式を以下に示す。%data行の第一の{ }内に熱平衡状態でない数値に1、熱平衡状態にある数値に0のフラグを設定する。data行の第二の{ }内に1のフラグが立っている数値のみを記述する。これによると、第一の{ }内にはすべてのデータについて1または0のフラグが記述されるが、第二の{ }には1のフラグが立っている数値のみが記述されることになる。そして復元時には、%functionの行の記述にしたがって、0のフラグが立っている数値を復元する。%functionの式は上述の電荷中性条件とnp積一定から導出される。
【0101】
【数8】
%start
%name n
%type partial_compress
%function n=(Nd−Na+((Nd−Na)^2+4nini)^0.5)/2;
%data{10001・・・1}{数値1 数値5 ・・・数値N}
%end
(3)シミュレータ部15の前処理部によってデータを復元する場合のデータ形式を以下に示す。%typeの行にシミュレータの前処理部の名称、例えばprepを記述する。この形式のデータが参照された場合、データファイルに保存されているシミュレータの入力ファイルを用いて、前処理部を実行して、%nameで指定された物理量を復元する。
【0102】
%start
%name Na
%type simulator=prep
%end
(4)シミュレータ部15によって、データを復元する場合のデータ形式を以下に示す。%typeの行にシミュレータの名称を記述する(この例では、シミュレータ名として「tsb」を記述する)。この形式のデータが参照された場合、データファイルに保存されている他の情報を初期値として、シミュレーションを実行して、%nameで指定された物理量を復元する。
【0103】
%start
%name n
%type simulator=tsb
%end
ここで、図4及び図5のフローチャートで説明した、保存データを復元する場合の具体例として、汎用データを復元する場合の処理手順を図7のフローチャートにより説明する。
【0104】
データ入力部11において、保存データと任意の出力要求物理量名を読み込む(ステップ501)。次いで、データ圧縮部12は、変数F1に出力要求物理量名を、変数TargetにF1を、また物理量数Nallに1をそれぞれ格納する(ステップ502)。次いで、関数Search(Target)を実行し、演算結果をResultに格納する(ステップ503)。ここで、関数Search(Target)は、Targetに格納された一つ以上のFi(i=整数)を構成する物理量のうち、非圧縮の物理量名をFj(j=整数、i≠j)に格納し、すべてのFjを演算結果として返す。非圧縮の物理量が存在しなければ、0を演算結果として返す。
【0105】
次いで、Resultを調べ(ステップ504)、ResultがFNall〜FNall+kのk個のFjであれば、これらをTargetに代入するとともに、NallをNall+kで更新し(ステップ505)、ステップ503に戻る。また、Resultが0であれば、カウンタiにNallを代入する(ステップ506)。
【0106】
次いで、関数Restore(Fi)を実行し、演算結果をResultに格納する(ステップ507)。関数Restore(Fi)は、上述のデータ形式の%typeのパラメータを演算結果として返す。
【0107】
次いで、Result=uncompressであれば(ステップ508でYes)、Fiのデータを作業配列へ格納する(ステップ509)。
【0108】
Result=compress、またはpartial_compressであれば(ステップ510でYes)、復元ルールに従い、Fiのデータを復元し、作業配列へ格納する(ステップ511)。
【0109】
Result=tsb(シミュレータ名)であれば(ステップ512でYes)、シミュレータ部15をシステムコールして、Fiのデータを復元し、作業配列へ格納する(ステップ513)。
【0110】
上記ステップ509、ステップ511、ステップ513に次いで、カウンタiについて、i←i−1を実行する(ステップ514)。そして、i>0かどうかを判断する(ステップ515)。ここで、i>0であればステップ507へ戻り、i>0でなければ、F1のデータを出力して終了する(ステップ516)。同様に、ステップ512でResult=tsbでなければ、F1のデータを出力して終了する(ステップ516)。
【0111】
上述したデータ圧縮・復元システムによれば、圧縮時には、指定された圧縮レベルに対応する物理量のみを保存し、復元時には、保存された物理量と復元ルールによる計算、または保存された物理量を初期値とするシミュレーションを実行するなどの手法により、保存されていない物理量を復元するようにしたので、シミュレーションにより得られた大量のデータを高密度に保存することができる。また、圧縮レベル4以下であればシミュレーションを実行することなく、物理量と復元ルールを用いた演算処理によりデータを復元することができるため、デバイスシミュレーションにより得られたデータを実用的な圧縮レベルで保存したときの復元時間を短縮することができる。したがって、従来のように得られたデータをすべて保存する場合に比べて、記憶媒体の消費量を大幅に低減することができる。
【0112】
ちなみに、DDM圧縮の場合について見てみると、実際には圧縮レベル4程度で保存することが多いと考えられるため(圧縮レベルを上げると、復元の際に複数のシミュレーションを実行することになり、復元に時間がかかる)、全物理量を約20%以下のサイズに圧縮することができる。
【0113】
[実施形態2]
次に、実施形態2として、上述したデータ圧縮・復元システムで処理された保存データのデータ管理方法について説明する。
【0114】
図8は、実施形態2に係わるデータ管理システムの機能的な構成を示すブロック図である。このデータ管理システム30は、計算機システム31とデータ記憶部32とから構成されている。
【0115】
計算機システム31は、例えば図2のようなコンピュータシステムであり、実施形態2に特有の構成として、タイマー部33とデータ管理部34とを備えている。タイマー部33は時間計時を行っており、ユーザが指定した時刻(以下、検索時刻)に達すると、これをデータ管理部34に通知する。データ管理部34は、タイマー部33からの通知により起動し、データ記憶部32内に格納されている保存データのファイルを検索する。そして、各データの参照時刻(履歴)を検出し、ユーザが指定した所定の検索期間内に参照されなかったデータに対し、その圧縮レベルを1つ上げる操作を行う。なお、検索時刻、検索期間はシステムの設定値を用いてもよい。
【0116】
例えば、検索時刻を毎日の午前零時、検索期間を検索開始時刻から遡って一週間と設定した場合には、毎日午前零時にファイルの検索が開始され、その時点から遡って一週間の間に参照されなかったファイルが存在するかどうかの判定がなされる。そして、該当するファイルが存在する場合には、その参照頻度の低いファイルについて、データ圧縮のレベルを上げて再度保存する。このときのデータの圧縮は、データ記憶部32に保存されているデータ圧縮・復元プログラムを読み出し、上記実施形態1の処理手順に従って実行する。
【0117】
データ記憶部32は、保存データ、データ管理プログラム、データ圧縮・復元プログラムなどをファイル形式で格納している。以下の説明では、物理量を保存したファイルを物理データファイルという。
【0118】
次に、前記データ管理システム30によりデータ管理を行う場合の処理手順を図9のフローチャートにより説明する。
【0119】
タイマー部33は、ユーザが指定した検索時刻に達すると(ステップ601でYes)、この旨をデータ管理部34へ通知する。データ管理部34は、データ記憶部32内に保存されている物理データファイルを検索し、各データの参照時刻を検出する(ステップ602)。次いで、ユーザが指定した検索期間内に参照されなかったファイルが存在するかどうかを判断し(ステップ603)、存在する場合には、該当する物理データファイルの圧縮レベルを1つ上げる(ステップ604)。また、存在しない場合には、ステップ601へ戻り、次の検索時刻まで待機する。
【0120】
なお、ステップ603において、検索期間ではなく、データの参照回数を調べ、この参照回数があらかじめ設定された基準値より少ないファイルが存在する場合には、そのファイルの圧縮レベルを1つ上げるようにしてもよい。
【0121】
また、データ記憶部32内の物理データファイルの参照回数またはデータの増加率を元にして、システムが検索時刻、検索期間、圧縮レベルを自動的に設定するように構成することもできる。
【0122】
上述したデータ管理システムによれば、一旦保存したデータの参照頻度(または参照回数など)を定期的に調べ、参照頻度が少ない場合には、データの圧縮レベルを上げて、さらにデータを圧縮して保存するようにしたため、長期間参照されないような重要性の低いデータについては、自動的にデータ量が削減されるので、従来に比べて記憶媒体の利用効率を向上させることができる。
【0123】
[実施形態3]
次に、実施形態3として、シミュレーションにより得られたデータを他の記憶媒体へ転送する場合のデータ転送方法について説明する。
【0124】
図10は、実施形態3に係わるデータ転送システムの構成図である。このデータ転送システム40は、ネットワーク41と、このネットワーク上に接続された端末装置としての計算機システム42、43により構成されている。
【0125】
計算機システム42、43は、例えば図2のようなコンピュータシステムであり、それぞれ計算機本体421、431とデータ記憶部422、432により構成されている。各計算機システムは、ネットワーク上に接続された他の計算機システムとの間で相互にデータを送信し、また受信するための機能を備えている。また、各計算機システムのデータ記憶部422、432は、保存データ、データ圧縮・復元プログラム、データ転送プログラムなどをファイル形式で格納している。なお、図10は実施形態3のデータ転送方法を実現するための最小単位の構成を示したものであって、計算機システムの数はさらに多くても良いし、各計算機システムは複数のネットワークをまたいで接続されていてもよい。
【0126】
上記データ転送システム40において、計算機システム42から計算機システム43へデータを転送する場合、計算機システム42では、ユーザが指定した圧縮レベルでデータを圧縮した後、ネットワーク41を通じて圧縮したデータを転送する。ここでは、データ記憶部421からデータ圧縮・復元プログラムを読み出し、上記実施形態1の処理手順に従ってデータ圧縮を行う。また、計算機システム43では、受信したデータをそのままデータデータ記憶部432へ保存し、参照時に、データ記憶部432からデータ圧縮・復元プログラムを読み出し、上記実施形態1の処理手順に従ってデータの復元を行う。
【0127】
なお、各計算機システムにおいては、ネットワーク41の転送可能容量またはネットワークのトラフィック、または転送先の記憶媒体の容量などに応じて、圧縮レベルを自動的に設定するようにしてもよい。これによれば、ユーザはネットワークの転送可能容量やトラフィックなどを考慮することなしにデータ転送を行うことができる。
【0128】
上述したデータ転送システムによれば、データ転送時にユーザが指定した圧縮レベルでデータを圧縮し、このデータ圧縮をネットワークに送出するようにしたので、従来のようにすべてのデータを転送する場合に比べて、データ転送時におけるトラフィックの増大を抑えることができ、ネットワークにかかる負担を低減することができる。
【0129】
[実施形態4]
次に、実施形態4として、データ圧縮・復元方法を用いたシミュレーション方法について説明する。この実施形態のシミュレーション方法は、例えば図2に示すようなコンピュータシステム上で実現される。このシステムでは、通常のシミュレーションプログラムのほか、上述したデータ圧縮・復元プログラムなどを読み出し可能な状態で保持している。
【0130】
図11は、実施形態4に係わるシミュレーション方法における処理手順を示すフローチャートである。まず、シミュレーション条件を入力する(ステップ701)。ここでは、シミュレーションに必要な複数の入力ファイルを用意する。次いで、入力されたシミュレーションの入力ファイルを設定する(ステップ702)。次いで、補間に使える十分な数のシミュレーション結果が蓄積されているかどうかを判定する(ステップ703)。判定が真であれば、保存データの一部を復元して、シミュレーション条件の初期値を推定する。すなわち、必要なシミュレーション条件に近い複数の保存データを復元し、それらから必要な条件における物理量を補間し、補間された物理量を初期値とする(ステップ704)。また、ステップ703で判定が偽であるとき、すなわちシミュレーションの回数が少なく、補間に使える十分な数のシミュレーション結果が蓄積されていない段階では、ステップ704の処理は行わない。
【0131】
次いで、前記入力ファイルとシミュレーションプログラムなどを用いてシミュレーションを実行し(ステップ705)、得られた計算結果をデータ圧縮・復元プログラムを用いてデータ圧縮する(ステップ706)。次いで、すべての条件のシミュレーションが終了したかどうかを判定する(ステップ707)。ここで、判定が偽であれば、ステップ702に戻り、判定が真であれば、複数のシミュレーション結果を出力し(ステップ708)、すべての処理を終了する。
【0132】
なお、ステップ703において、十分な数のシミュレーション結果が蓄積されているかどうかの判定は、ユーザがディスプレイ画面のデータ表示を見ながら判定するようにしてもよい。
【0133】
この実施形態のシミュレーション方法は、とくに工場等で行われる統計解析のような大量のシミュレーションを行う場合に有効である。例えば、半導体素子のデバイスシミュレーションにおいて、ソース/ドレイン深さを0.05、0.07、0.1、0.12[μm]、ゲート酸化膜厚を20、30、40、50、60[Å]、基板濃度を1E17、2E17、5E17、1E18[cm−3]という条件でシミュレーションを実行した場合、シミュレーション回数は80回にもなる。このような大量のシミュレーションを実行すると、膨大な計算結果を生じ、記憶媒体の消費量が著しく大きくなってしまう。しかし、この実施形態のように、シミュレーションの計算結果をデータ圧縮しながら出力することにより、記録媒体の消費量を大幅に低減することができる。また、必要なシミュレーション条件に近い保存データの一部を復元してシミュレーションの初期値を推定することにより、計算時間を短縮することができる。なお、従来のように、すべてのデータを保存するようにした場合でも、初期値を推定することはできるが、記憶媒体の容量によっては初期値の推定に必要な十分な数のデータを保存することができないおそれもある。しかし、この実施形態のシミュレーション方法によれば、データ圧縮によって十分な数のデータを保存することができるため、初期値の推定をより効率良く行うことができる。
【0134】
[実施形態5]
上述したデータ圧縮・復元方法を実現するためのプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に保存することができる。この記録媒体をコンピュータシステムに読み込ませ、前記プログラムを実行してコンピュータを所定の処理手順に従って制御することにより、上述したデータ圧縮・復元方法を実現することができる。ここで、前記記録媒体としては、例えばメモリ装置、磁気ディスク装置、光ディスク装置、磁気テープ装置などのプログラムを記録できるような装置が含まれる。
【0135】
図12は、これら記録媒体に格納されたプログラムを読み取り、そこに記述された手順に従ってデータ圧縮・復元の処理を実現するコンピュータシステムの一例を示す外観図である。このコンピュータシステム80の本体前面には、フロッピーディスクドライブ81、及びCD−ROMドライブ82が設けられており、磁気ディスク装置としてのフロッピーディスク83、または光ディスク装置としてのCD−ROM84を各ドライブ入口から挿入し、所定の読み出し操作を行うことにより、これらの記憶媒体に格納されたプログラムをシステム内にインストールすることができる。また、所定のドライブ装置を接続することにより、例えばゲームパックなどに使用されているメモリ装置としてのROM85や、磁気テープ装置としてのカセットテープ86を用いることもできる。
【0136】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1乃至7の発明によれば、指定された圧縮レベルに対応する物理量のみを保存し、また保存されている物理量と復元ルールまたはシミュレーション条件などを用いて、保存されていない物理量を復元するようにしたので、シミュレーションにより得られた膨大な量の物理量を高密度に保存し、また復元することができる。したがって、従来のように得られた物理量をすべて保存する場合に比べて、記憶媒体の消費量を大幅に低減することができる。
【0137】
とくに、請求項3の発明によれば、一旦保存したデータの参照履歴(または参照回数)を定期的に調べ、参照頻度が少ない場合には、データの圧縮レベルを上げて、さらにデータを圧縮して保存するようにしたため、長期間参照されないデータの保存量が自動的に削減されるので、従来に比べて記憶媒体の利用効率を向上させることができる。
【0138】
また、とくに請求項4の発明によれば、データ転送時に指定された圧縮レベルでデータを圧縮し、このデータ圧縮をネットワークに送出するようにしたので、従来のようにすべてのデータを転送する場合に比べて、データ転送時におけるトラフィックの増大を抑えることができ、ネットワークにかかる負担を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1に係わるデータ圧縮・復元システムの機能的な構成を示すブロック図。
【図2】データ圧縮・復元システムを実現するための具体例を示す図。
【図3】DDMを用いた場合のデータ圧縮の処理手順を示すフローチャート。
【図4】DDMを用いた場合の保存データの復元の処理手順を示すフローチャート。
【図5】ETMを用いた場合のデータ圧縮の処理手順を示すフローチャート。
【図6】ETMを用いた場合の保存データの復元の処理手順を示すフローチャート。
【図7】汎用データを復元する場合の具体的な処理手順を示すフローチャート。
【図8】実施形態2に係わるデータ管理システムの機能的な構成を示すブロック図。
【図9】データ管理システムによりデータ管理を行う場合の処理手順を示すフローチャート。
【図10】実施形態3に係わるデータ転送システムの構成図。
【図11】実施形態4に係わるシミュレーション方法における処理手順を示すフローチャート。
【図12】データ圧縮・復元の処理を実現するコンピュータシステムの概略斜視図。
【符号の説明】
10 データ圧縮・復元システム
11 データ入力部
12 データ圧縮部
13 データ記憶部
14 データ復元部
15 シミュレータ部
16 データ出力部

Claims (6)

  1. 少なくとも入力手段と、記憶手段と、データ圧縮手段と、データ復元手段とを備えたデータ圧縮・復元システムが、シミュレータ部によるシミュレーションの計算結果をデータ圧縮・復元するためのデータ圧縮・復元方法であって、
    前記入力手段が、データとして、前記シミュレータ部によるシミュレーションの計算結果として得られた全物理量、元のデータサイズに対する縮小の割合を示す圧縮率と、前記圧縮率を実現するために保存すべき物理量の種類を設定するためのn段階のうちの一つの圧縮レベル、保存していない物理量を復元するための復元ルール、シミュレーション条件を取得するデータ取得ステップと、
    前記記憶手段が、少なくとも一つの物理量、復元ルール、シミュレーション条件のうちの少なくとも一つを圧縮レベルとともに保存するデータ保存ステップと、
    前記データ圧縮手段が、前記入力手段で取得された圧縮レベルがm(m≦n)段階未満であるときは、少なくとも、前記シミュレータ部によるシミュレーションの計算結果として得られた全物理量のうち、前記入力手段で取得された前記圧縮レベルに応じて選択した少なくとも一つの物理量と復元ルールとを前記圧縮レベルとともに前記記憶手段に保存する第1データ圧縮ステップと、
    前記データ圧縮手段が、前記入力手段で取得された圧縮レベルがm(m≦n)段階以上であるときは、前記シミュレータ部によるシミュレーションの計算結果として得られた全物理量のうち、前記入力手段で取得された前記圧縮レベルに応じて選択した少なくとも一つの物理量とシミュレーション条件またはシミュレーション条件のみ前記圧縮レベルとともに前記記憶手段に保存する第2データ圧縮ステップと、
    前記データ復元手段が、前記記憶手段に保存されているデータの圧縮レベルがm(m≦n)段階未満であるときは、前記記憶手段に保存されている物理量と復元ルールとを用いて演算を実行して、保存されていない物理量を復元する第1復元ステップと、
    前記データ復元手段が、前記記憶手段に保存されているデータの圧縮レベルがm(m≦n)段階以上であるときは、前記記憶手段に保存された物理量とシミュレーション条件またはシミュレーション条件のみを取得して、前記シミュレータ部に対し、前記物理量とシミュレーション条件または前記シミュレーション条件に基づいて、保存されていない物理量を得るためのシミュレーションの実行を指示する第2復元ステップと、
    を含むことを特徴とするデータ圧縮・復元方法。
  2. 請求項1のデータ圧縮・復元方法を用いて記憶手段に保存されたデータを管理するため、少なくとも計時手段と、データ管理手段とを備えたデータ管理システムにおけるデータ管理方法であって、
    前記計時手段が、あらかじめ指定された検索時刻ごとに前記データ管理手段に対して起動を通知する起動ステップと、
    前記データ管理手段が、前記計時手段からの通知により起動して、前記記憶手段に保存されている各物理量を検索し、所定の検索期間内における参照履歴に応じて、前記記憶手段に保存されている物理量の圧縮レベルを変更する圧縮レベル変更ステップと、
    を含むことを特徴とするデータ管理方法。
  3. ネットワークに接続された計算機システム間でデータの転送を行うデータ転送システムにおけるデータ転送方法であって、
    データを送信する一方の計算機システムが、送信すべきデータを請求項1のデータ圧縮・復元方法により圧縮するデータ圧縮ステップと、
    データを送信する一方の計算機システムが、前記データ圧縮ステップで圧縮したデータを他方の計算機システムに送信する送信ステップと、
    データを受信する他方の計算機システムが、前記一方の計算機システムから送信されたデータを受信する受信ステップと、
    データを受信する他方の計算機システムが、前記一方の計算機システムから受信したデータを請求項1のデータ圧縮・復元方法により復元するデータ復元ステップと、
    を含むことを特徴とするデータ転送方法。
  4. 入力されたシミュレーション条件に従ってシミュレーションを実行するシミュレータ部と、このシミュレータ部によるシミュレーションの計算結果に対してデータ圧縮・復元を実行するデータ圧縮・復元システムとを備えたシミュレーションシステムにおけるシミュレーション方法であって、
    前記シミュレータ部が、入力されたシミュレーション条件に従ってシミュレーションを実行するシミュレーション実行ステップと、
    前記データ圧縮・復元システムが、前記シミュレータ部によるシミュレーションの計算結果として得られた物理量を、請求項1のデータ圧縮・復元方法により圧縮して保存するデータ圧縮ステップと、
    を含むことを特徴とするシミュレーション方法。
  5. シミュレータ部によるシミュレーションの計算結果をデータ圧縮・復元するためのデータ圧縮・復元システムであって、
    データとして、シミュレータ部によるシミュレーションの計算結果として得られた全物理量、元のデータサイズに対する縮小の割合を示す圧縮率と、前記圧縮率を実現するために保存すべき物理量の種類を設定するためのn段階のうちの一つの圧縮レベル、保存していない物理量を復元するための復元ルール、シミュレーション条件を取得する入力手段と、
    少なくとも一つの物理量、復元ルール、シミュレーション条件のうちの少なくとも一つを圧縮レベルとともに保存する記憶手段と、
    前記入力手段で取得された圧縮レベルがm(m≦n)段階未満であるときは、少なくとも、前記シミュレータ部によるシミュレーションの計算結果として得られた全物理量のうち、前記圧縮レベルに応じて選択した少なくとも一つの物理量と復元ルールとを前記圧縮レベルとともに前記記憶手段に保存し、また前記入力手段で取得された圧縮レベルがm(m≦n)段階以上であるときは、前記シミュレータ部によるシミュレーションの計算結果として得られた全物理量のうち、前記入力手段で取得された前記圧縮レベルに応じて選択した少なくとも一つの物理量とシミュレーション条件またはシミュレーション条件のみ前記圧縮レベルとともに前記記憶手段に保存するデータ圧縮手段と、
    前記記憶手段に保存されているデータの圧縮レベルがm(m≦n)段階未満であるときは、前記記憶手段に保存された物理量と復元ルールとを用いて演算を実行して、保存されていない物理量を復元し、また前記記憶手段に保存されているデータの圧縮レベルがm(m≦n)段階以上であるときは、前記記憶手段に保存された物理量とシミュレーション条件またはシミュレーション条件のみを取得して、前記シミュレータ部に対し、前記物理量とシミュレーション条件または前記シミュレーション条件に基づいて、保存されていない物理量を得るためのシミュレーションの実行を指示するデータ復元手段と、
    を備えることを特徴とするデータ圧縮・復元システム。
  6. 少なくとも入力手段と、記憶手段と、データ圧縮手段と、データ復元手段とを備えたデータ圧縮・復元システムが、シミュレータ部によるシミュレーションの計算結果をデータ圧縮・復元するためのデータ圧縮・復元ステップとして、
    前記入力手段が、データとして、前記シミュレータ部によるシミュレーションの計算結果として得られた全物理量、元のデータサイズに対する縮小の割合を示す圧縮率と、前記圧縮率を実現するために保存すべき物理量の種類を設定するためのn段階のうちの一つの圧縮レベル、保存していない物理量を復元するための復元ルール、シミュレーション条件を取得するデータ取得ステップと、
    前記記憶手段が、少なくとも一つの物理量、復元ルール、シミュレーション条件のうちの少なくとも一つを圧縮レベルとともに保存するデータ保存ステップと、
    前記データ圧縮手段が、前記入力手段で取得された圧縮レベルがm(m≦n)段階未満であるときは、少なくとも、シミュレーションの計算結果として得られた全物理量のうち、前記入力手段で取得された圧縮レベルに応じて選択した少なくとも一つの物理量と復元ルールとを前記圧縮レベルとともに前記記憶手段に保存する第1データ圧縮ステップと、
    前記データ圧縮手段が、前記入力手段で取得された圧縮レベルがm(m≦n)段階以上であるときは、シミュレーションの計算結果として得られた全物理量のうち、前記入力手段で取得された圧縮レベルに応じて選択した少なくとも一つの物理量とシミュレーション条件またはシミュレーション条件のみ前記圧縮レベルとともに前記記憶手段に保存する第2データ圧縮ステップと、
    前記データ復元手段が、保存されているデータの圧縮レベルがm(m≦n)段階未満であるときは、保存された物理量と復元ルールとを用いて演算を実行して、保存されていない物理量を復元する第1復元ステップと、
    前記データ復元手段が、保存されているデータの圧縮レベルがm(m≦n)段階以上であるときは、保存された物理量とシミュレーション条件またはシミュレーション条件のみを取得して、前記物理量とシミュレーション条件または前記シミュレーション条件に基づいて、保存されていない物理量を得るためのシミュレーションの実行を指示する第2復元ステップと、
    を含み、これらステップをコンピュータに実行させることを特徴とするデータ圧縮・復元プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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