JP3603836B2 - 道路白線認識装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、道路上の通行区分帯表示用の道路白線を認識するための道路白線認識装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、画像によって白線を認識し、自車両と白線との関係を、車両の自動制御又は一部自動制御に用いたりする技術が提案されている。
例えば、特開平6−20189号公報、或いは特開平8−261756号公報等においては、撮像画像から道路白線を構成する白線候補点を検出し、撮像画像における白線候補点の位置座標に基づき道路形状、或いは撮像画像を得るためのカメラ等といった撮像手段の姿勢を推定するようにしている。前記白線候補点の検出には、一般に、最小二乗法やハフ変換が用いられ、これらは、白線候補点の連なりを線として近似するものであって、かすれた白線検出に有効である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記最小二乗法を用いた白線候補点の検出は、例えば、次のような手順で行われる。まず、道路白線の白線候補点の座標を{x,y}(n=0、1、2、……、N−1}とする。道路白線は一般にx軸に沿って線が延びているため、x座標をy座標の関数(x=f(y))で表すと都合がよい。ここで、道路白線の近似曲線をx=g(y)と表すと、近似曲線と白線候補点との二乗誤差Eは、次式(1)で表される。なお、Σ{ }は、n=0〜N−1における{ }内の関数(g(y)−xの和を表す。
【0004】
E=Σ{(g(y)−x} ……(1)
前記二乗誤差Eが最小となるg(y)を検出することが、最小二乗法である。g(y)をyに関するm次の多項式で表現すると、次式(2)で表される。
g(y)=c+c*y+c*y+c*y+……+c* y ……(2)
道路白線を検出するとは、上記(2)式において、係数c、c、c、c……cを算出すること、すなわち、白線候補点列をg(y)で近似することに相当する。ここで、係数のベクトルCを、C=〔c、c、c、……〕と定義すると、ベクトルCは次式(3)で算出することができる。なお、“T”は転置を表し、“−1”は逆行列を表す。また、Σ{ }は、n=0〜N−1における{ }内の関数の和を表し、i及びjは0〜mの整数である。
【0005】
C=A−1*B ……(3)
ij=Σ{y i+j
ij=Σ{y *x
ここで、前記(3)式からわかるように、{x、y}(n=0〜N−1)の中に誤信号が含まれている場合、それが確実に係数ベクトルCに反映されることになる。すなわち、ロバスト性が低いことになる。また、二乗誤差を最小にすることは、高次の関数に適用した場合、ノイズの乗ったデータ全てをフィッティングさせることにつながる。このため、道路白線のような曲線検出に直接最小二乗法を適用する例は少ない。
【0006】
一方、ハフ変換を用いた白線候補点の検出は、次のような手順で行われる。なお、ここでは、簡単のために、一次関数の場合について説明する。
一般に、座標{x、y}を貫く直線は、パラメータa及びbを用いると、次式(4)で表すことができる。
x=a*y+b ……(4)
ここで、白線候補点の座標を{x、y}とし、パラメータaを設定すると前記(4)式からパラメータbを求めることができる。前記{x、y}を満足するパラメータa及びbの組み合わせを求めることによって、図14に示す配列を得ることができる。なお、図14において、配列の空欄は“0”を表し、“1”が立っている{a、b}の組み合わせの中に、白線候補点{x、y}を貫く直線に相当するパラメータa及びbの真値が含まれることになる。
【0007】
この処理を白線候補点全てに対して行う。その結果、例えば図15に示す配列が得られる。配列の要素{a、b}における数zは、x=a*y+bの直線が貫く、白線候補点の総数を表す。
前記配列の要素における数z、つまり、白線候補点数が所定値以上の配列の要素で特定される近似直線を、白線候補線とする。これにより、撮像画像上に複数の白線が現れた場合でも、全ての白線を検出できることがわかる。また、ノイズの乗った白線候補点は、白線候補線の推定に全く影響を与えないことがわかる。つまり、ノイズの乗った白線候補点を貫く白線候補線は、前記配列において、その要素における数が少ないから、白線候補線として選択されない。
【0008】
このように、ハフ変換では、白線候補点の中にノイズが含まれるものが存在しても、推定結果に影響を与えないという長所がある。つまり、推定が、ロバストであるということができる。
しかしながら、このハフ変換は、演算量が比較的多いという問題がある。つまり、例えば二次関数に適用した場合、図14及び図15は、三次の配列となる。このため、リアルタイムで画像処理を行う場合、実質的にハフ変換により曲線近似を行うことは難しいという問題がある。
【0009】
このように、道路白線候補点の検出には、推定のロバスト性のために、最小二乗法よりもハフ変換が用いられること、また、ハフ変換は直線近似にしか適用できないことがわかる。
一般に、道路形状は曲線であるため、図3に示すように、撮像画像に対して複数のウィンドウを設定し、それぞれのウィンドウ内で、白線候補点を直線近似し、ウィンドウそれぞれを代表する白線候補点を選出することが通例となっている。
【0010】
そして、このようにして検出した白線候補点に基づき、前記特開平6−20189号公報においては、各ウィンドウを代表する複数の白線候補点に基づき道路形状及びカメラ姿勢(以後、道路パラメータという。)の推定を一括で行うようにしており、その推定には最小二乗法を用いている。
また、特開平8−261756号公報においては、道路パラメータの推定は、状態推定器の手法(カルマンフィルタ等も含む)を用いて行われ、前記道路パラメータは、前回処理実行時の道路パラメータの推定値及び今回処理実行時の白線候補点座標に基づいて推定される。
【0011】
図16は、状態推定器の手法を用いて道路パラメータの推定を行うようにした場合の動作の一例を表したものであり、ライン1〜10は、左右の道路白線に対して交互に設定されたウィンドウを代表する白線候補点における、x軸方向のウィンドウ幅を表す。図16において、Nの初期値を1として、N番目のウィンドウに相当するライン上の白線候補点に基づいて道路パラメータを推定し、この推定した道路パラメータに基づいて、N+1番目のウィンドウに相当するラインに対し、白線候補点が存在する領域を限定する。そして、Nをインクリメントし、上記と同様に処理を行い、N番目のライン上の、道路パラメータに基づき限定された領域内に白線候補点が存在すれば、この白線候補点を用いて道路パラメータを推定し、この推定した道路パラメータに基づいてN+1番目のウィンドウに相当するラインに対し、白線候補点が存在する領域を限定する。
【0012】
以後、上記と同様に処理を行い、全てのウィンドウに相当するラインについて道路パラメータの推定が終了すると、その道路パラメータの更新回数及び最終的な道路パラメータを保存する。さらに、図17に示すように、限定された白線候補点の領域からはずれた白線候補点がある場合には、このはずれた白線候補点が存在するウィンドウをNとし、この白線候補点を用いて道路パラメータを推定し、推定した道路パラメータに基づいて、N+1番目のウィンドウに相当するラインに対し、白線候補点が存在する領域を限定する。そして、以後、上記と同様に順次道路パラメータの推定を行う。なお、N=10を超えるインクリメントは、10→1→2の順に行う。
【0013】
このようにすることによって、図16に示すように、誤検出された白線候補点が存在するとき、ライン上に存在する白線候補点に基づいて道路パラメータを推定する場合、誤検出された白線候補点に基づいて道路パラメータの推定が行われることになるが、道路パラメータを順次更新し、更新の道路パラメータに基づいてウィンドウ幅を順次更新し図17に示すように、ウィンドウ幅を狭めるようにしているから、誤検出された白線候補点が、道路パラメータの推定に用いられることが回避されるようになっている。
【0014】
また、道路パラメータの推定に使用されない白線候補点は、この白線候補点を起点とした推定も行い、その結果、開始点が異なる単数もしくは複数の推定候補を得て、その中で最大の更新回数となった推定値をその撮像画像での推定結果とすることによって、的確に推定結果を得るようにしている。
しかしながら、前述の特開平6−20189号公報においては、各ウィンドウ毎に検出した白線候補点の中に、疑似白線に該当するものが含まれる場合があり、その結果、誤推定が発生する。つまり、ウィンドウ内では、かすれている線であっても部分的にかすれているだけであって実際には真の道路白線であることもあり、また、道路白線らしく見えるものであっても、例えば車線境界線とこの内側に設けられた内側案内線とからなる二重白線の、内側の線つまり、内側案内線のように、真の道路白線でない場合もある。前記ウィンドウの領域は、カメラのピッチングやバウンシング、或いは操舵による車両挙動を考慮してその大きさが決定される。
【0015】
このため、道路白線以外に、二重白線の内側線がウィンドウ内に現れる場合がある。真の道路白線と二重白線内側線とのどちらが真であるかを判断するのは、白線の長さであったり、エッジ強度であったりするが、ウィンドウ毎に判断するような局所的判断では、二重白線内側線を道路白線と誤認識してしまう場合があり、ウィンドウ毎に局所的に白線候補点を検出する方法では、検出精度に限界がある。
【0016】
また、特開平8−261756号公報においては、ハフ変換や最小二乗法等を用いて検出した白線候補点に対し、その存在領域を限定することによって、ウィンドウ間の白線候補点に拘束を与えているが、ハフ変換や最小二乗法等を用いて検出される白線候補点の中には、疑似白線の白線候補点が含まれるため、存在領域を限定したとしても、疑似白線に対しても演算を行うことになり、疑似白線の含まれる数の増加に伴って演算時間も増大するという問題がある。
【0017】
そこで、この発明は、上記従来の未解決の問題に着目してなされたものであり、処理時間の増加を伴うことなく、道路白線に相当する白線候補点の検出精度を向上させることの可能な道路白線認識装置を提供することを目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る道路白線認識装置は、車両前方の道路を撮像する撮像手段を有し、当該撮像手段で撮像した画像に基づいて道路形状及びこの道路に対する車両姿勢を示す道路モデル式の道路パラメータを推定するようにした道路白線認識装置において、前記撮像手段で撮像した画像において道路白線の白線候補点を検出する白線候補点検出手段と、当該白線候補点検出手段で検出した白線候補点のうち、前記画像における垂直方向位置が同一であり且つ左側道路白線及び右側道路白線に相当すると推測される左右の白線候補点の対を選択する候補点対選択手段と、当該候補点対選択手段で選択された候補点対毎に左右の白線候補点の水平方向位置間の距離を算出する水平距離算出手段と、前記候補点対の垂直方向位置と前記水平距離算出手段で算出された水平距離との関係を一次関数式で近似する近似手段と、前記水平距離算出手段で算出された候補点対の水平距離と該候補点対の垂直方向位置に基づき前記近似式から算出される水平距離との差が予め設定したしきい値以下であるとき、この候補点対を構成する白線候補点を、真の白線候補点として抽出する候補点抽出手段と、当該候補点抽出手段で抽出した真の白線候補点に基づいて前記道路パラメータを推定する道路パラメータ推定手段と、を備え、前記候補点抽出手段における前記しきい値は、前記画像の画素量子に比例する値であることを特徴としている。
【0020】
また、請求項2に係る道路白線認識装置は、前記しきい値の比例定数は、2であることを特徴としている。また、請求項3に係る道路白線認識装置は、前記近似手段は、前記候補点対の垂直方向位置及び前記水平距離算出手段で算出された水平距離に対してハフ変換を行って前記近似式を検出するようになっていることを特徴としている。
【0021】
また、請求項4に係る道路白線認識装置は、前記近似手段は、前記道路パラメータ推定手段で推定された過去の道路パラメータに基づいて、前記ハフ変換における前記近似式の近似範囲を制限するようになっていることを特徴としている。また、請求項5に係る道路白線認識装置は、前記白線候補点のうち、前記候補点抽出手段で抽出された真の白線候補点に隣接するものも、前記真の白線候補点として抽出するようになっていることを特徴としている。
【0022】
また、請求項6に係る道路白線認識装置は、車両前方の道路を撮像する撮像手段を有し、当該撮像手段で撮像した画像に基づいて道路形状及びこの道路に対する車両姿勢を示す道路モデル式の道路パラメータを推定するようにした道路白線認識装置において、前記撮像手段で撮像した画像において道路白線の白線候補点を検出する白線候補点検出手段と、当該白線候補点検出手段で検出した白線候補点のうち、前記画像における垂直方向位置が同一であり且つ左側道路白線及び右側道路白線に相当すると推測される左右の白線候補点の対を選択する候補点対選択手段と、当該候補点対選択手段で選択された候補点対毎に左右の白線候補点の水平方向位置間の距離を算出する水平距離算出手段と、前記候補点対の垂直方向位置と前記水平距離算出手段で算出された水平距離との関係を一次関数式で近似する近似手段と、当該近似手段で近似した近似式に基づいて、前記白線候補点の中から真の白線候補点を抽出する候補点抽出手段と、当該候補点抽出手段で抽出した真の白線候補点に基づいて前記道路パラメータを推定する道路パラメータ推定手段と、を備え、前記候補点対選択手段は、前記白線候補点検出手段で検出した白線候補点のうち、前記画像における垂直方向位置が同一であり且つ左側道路白線又は右側道路白線に相当すると推測される白線候補点が同一側に複数存在するとき、最も車線内側に相当する左右の白線候補点から順に候補点対を形成し、前記近似手段で近似した近似式が複数存在するとき、これら近似式のうち、前記候補点対の垂直方向位置の変化に対する前記水平距離の変化度合が小さい方から2番目の近似式を選択し、これを前記候補点抽出手段で用いる真の近似式として設定する近似式選択手段、を備えることを特徴としている。
【0023】
この請求項6に係る発明では、白線候補点検出手段で検出した白線候補点のうち、画像における垂直方向位置が同一であり且つ左側道路白線及び右側道路白線に相当すると推測される白線候補点が同一側に複数存在するときには最も車線内側に相当する左右の白線候補点から順に候補点対が形成され、車線内側に相当する候補点対から順にこれに基づいて一次関数式への近似が行われる。そして、近似手段で近似された近似式が複数存在するとき、これら近似式のうち、候補点対の垂直方向位置の変化に対する水平距離の変化度合、つまり、傾きが小さい方から2番目の近似式が真の近似式として選択される。ここで、二重白線区間の場合、近似式は複数検出され、道路白線の内側に内側案内線が設けられているから、近似式の傾きは、内側案内線が最も小さく、内側案内線、道路白線の順に大きくなる。よって、近似式の傾きが小さい方から2番目の近似式を真の近似式として選択することによって、複数の近似式の中から、道路白線に相当する近似式が選択されることになる。
【0024】
また、請求項7に係る道路白線認識装置は、前記候補点対選択手段は、最も車線内側に相当する左右の白線候補点から順に2組の候補点対を形成するようになっていることを特徴としている。この請求項7に係る発明では、最も車線内側に相当する左右の白線候補点から順に2組の候補点対が形成される。つまり、二重白線区間では近似式が複数検出されるが、複数の近似式のうち、その傾きが最も小さいものから2番目の近似式が道路白線に相当する近似式であるから、この近似式を得ることができればよい。近似式の傾きは、候補点対の水平距離が小さいほど小さくなるから、最も車線内側に相当する左右の白線候補点から順に2組の候補点対を形成すれば、道路白線に相当する近似式が得られることになる。
【0025】
また、請求項8に係る道路白線認識装置は、前記近似式選択手段は、前記近似手段で近似した複数の近似式毎に、前記水平距離が零となるときの前記候補点対の垂直方向位置である零座標値を算出し、各近似式の零座標値間の距離が全て予め設定したしきい値よりも大きいとき、前記近似式のうち、各近似式を満足する候補点対の数が最も多いものを信頼性が最も高いとしてこれを前記真の近似式として選択するようになっていることを特徴としている。
【0026】
この請求項8に係る発明では、近似手段で近似した複数の近似式毎に、水平距離が零となるときの候補点対の垂直方向位置である零座標値が算出される。そして、各近似式においてその零座標値間の距離が全てしきい値よりも大きいとき、近似式のうち、各近似式を満足する候補点対の数が最も多いものが信頼性が最も高いとして、これが真の近似式として選択される。ここで、二重白線区間では、道路白線の内側に内側案内線が平行に表示されているため、撮像画像における消失点はほぼ一致することになる。よって、水平距離が零となるときの候補点対の零座標値が一致しないときには、二重白線区間ではないとみなすことができるから、近似式のうち信頼度が最も高いものを選択することによって、道路白線に該当する近似式が選択されることになる。
【0027】
た、請求項9に係る道路白線認識装置は、前記近似式選択手段は、前記近似手段で近似した複数の近似式毎に、前記水平距離が零となるときの前記候補点対の垂直方向位置である零座標値を算出し、他の近似式との零座標値間の距離が予め設定したしきい値よりも小さくなる近似式が存在する場合には、これら近似式のうち、前記候補点対の垂直方向位置の変化に対する前記水平距離の変化度合が小さい方から2番目の近似式を選択し、これを前記候補点抽出手段で用いる真の近似式として設定するようになっていることを特徴としている。
【0028】
この請求項9に係る発明では、近似式毎に、水平距離が零となるときの候補点対の垂直方向位置である零座標値が算出され、他の近似式の零座標値間の距離がしきい値よりも小さくなる近似式が存在するとき、この零座標値間の距離がしきい値よりも小さくなる近似式のうち、候補点対の垂直方向位置の変化に対する水平距離の変化度合が小さい方から2番目の近似式が選択される。ここで、二重白線区間では、道路白線の内側に内側案内線が平行に表示されているため、撮像画像における消失点はほぼ一致することになる。よって、水平距離が零となるときの候補点対の零座標値が一致するときには、二重白線区間であるとみなすことができるから、零座標値間の距離がしきい値が小さくなる近似式どうしのうち、候補点対の垂直方向位置の変化に対する水平距離の変化度合、つまり近似式の傾きが小さい方から2番目の近似式を選択することによって、道路白線に該当する近似式が選択されることになる。
【0029】
さらに、請求項10に係る道路白線認識装置は、前記道路パラメータ推定手段は、前記近似手段で近似した近似式に基づいて前記撮像手段の姿勢を推定し推定した撮像手段の姿勢及び前記道路パラメータの前回の検出値を用いて前記画像に対し白線候補点の探索領域を設定する探索領域設定手段と、前記画像において前記探索領域内で再度白線候補点を検出し検出した白線候補点を前記真の白線候補点として設定する再検出手段と、を備えることを特徴としている。
【0030】
この請求項10に係る発明では、近似手段で近似した近似式に基づいて撮像手段の姿勢が推定され、推定した撮像手段の姿勢及び前回検出時の道路パラメータを用い、白線候補点の探索領域が設定され、この探索領域に対し、再度白線候補点の検出が行われてこれが真の白線候補点として設定される。このとき、例えば、推定した撮像手段の姿勢を固定し、道路パラメータの共分散に基づいて探索領域の幅を設定すれば、探索領域の幅が的確に設定されると共に、その幅がさらに狭くなるから、白線候補点の誤検出が防止されることになる。
【0031】
【発明の効果】
本発明の請求項1に係る道路白線認識装置によれば、撮像手段で撮像した画像から検出した白線候補点のうち、画像における垂直方向位置が同一であり且つ左側道路白線及び右側道路白線に相当すると推測される左右の白線候補点の対を候補点対として選択し、その左右の白線候補点の水平方向位置間の距離を算出し、候補点対の垂直方向位置とその水平距離との関係を一次関数式で近似し、この近似した近似式に基づいて、白線候補点の中から真の白線候補点を抽出するようにしたから、画像全体から白線候補点を選定することができ、このようにして選定した白線候補点を用いることによって、道路が曲線である場合であってもロバストに道路パラメータを推定することができる。
【0032】
また、このとき、候補点対の水平距離と、候補点対の垂直方向位置に基づき前記近似式から算出される水平距離と、の差が予め設定したしきい値以下であるとき、候補点対をなす白線候補点を、真の白線候補点として抽出するようにしたから、単純な演算で抽出することができ、短時間で且つ的確に真の白線候補点の検出を行うことができる。
【0033】
さらに、このとき前記しきい値として、前記画像の画素量子に比例する値を設定するようにしたから、画素の粗さに起因する白線候補点の検出誤差に対し、合理的にしきい値を設定することができ、しきい値が小さすぎることによる白線候補点の欠損或いはしきい値が大きすぎることによる白線候補点の誤検出等を防止することができる。
【0034】
また、請求項2に係る道路白線認識装置によれば、画像における白線候補点の検出誤差は、主に画素の粗さに起因するものであり、左右の白線候補点はそれぞれ“1”の量子化誤差を有する可能性があり左右の白線候補点の水平方向の位置座標の差は最大“2”の量子化誤差を有すると仮定することができるから、しきい値の比例定数を“2”とすることによって、しきい値を合理的に設定することができる
【0035】
また、請求項3に係る道路白線認識装置によれば、前記候補点対の垂直方向位置及び前記水平距離算出手段で算出された水平距離に対してハフ変換を行って前記近似式を検出するようにしたから、誤情報が結果に反映されないハフ変換を用いて、画像全体で一括でハフ変換を適用することによって、ロバスト性をさらに向上させることができる。また、請求項4に係る道路白線認識装置によれば、道路形状推定手段によって過去に推定された道路形状に基づいて、ハフ変換における近似式の近似範囲を制限するようにしたから、あり得ない推定を排除することができると共に、近似式算出に係る演算時間を大幅に短縮することができる。
【0036】
また、請求項5に係る道路白線認識装置によれば、撮像手段で撮像した画像から検出した白線候補点のうち、候補点抽出手段で抽出された真の白線候補点に隣接するものも、真の白線候補点として抽出するようにしたから、真の白線候補点であるものの、垂直方向位置が同一な候補点対を形成する段階で、他方の白線候補点が存在しないことから排除されてしまった白線候補点を、真の白線候補点として選択することができ、白線候補点を不必要に限定することを回避し、真の白線候補点に基づき算出される道路形状或いはカメラ姿勢のロバスト性を向上させることができる。
【0037】
また、請求項6に係る道路白線認識装置によれば、白線候補点検出手段で検出した白線候補点のうち、画像における垂直方向位置が同一であり且つ左側道路白線又は右側道路白線に相当すると推測される白線候補点が同一側に複数存在するときには、最も車線内側に相当する左右の白線候補点から順に候補点対を形成して近似式を算出し、近似式が複数存在するときには、候補点対の垂直方向位置の変化に対する水平距離の変化度合が小さい方から2番目の近似式を、真の近似式として検出するようにしたから、二重白線区間であっても、真の道路白線に相当する近似式を的確に検出することができる。
【0038】
また、請求項7に係る道路白線認識装置によれば、最も車線内側に相当する左右の白線候補点から順に2組の候補点対を形成するようにしたから、不要な候補点対の検索を行うことを回避し、その分処理時間の短縮を図ることができる。また、請求項8に係る道路白線認識装置によれば、二重白線区間の場合、撮像画像において道路白線とその内側に平行に表示された内側案内線との消失点はほぼ一致するから、近似式において水平距離が零となるときの候補点対の垂直方向位置である零座標値を算出し、各近似式の零座標値間の距離が全て予め設定したしきい値よりも大きいときには、二重白線ではないと判定し、近似式のうちその信頼度が最も高いものを、真の近似式として選択することによって、真の道路白線を的確に検出することができる。
【0039】
また、このとき、近似式を満足する候補点対の数が、真の道路白線と同等以上となるのは、二重白線区間における内側案内線のみであるから、近似式を満足する候補点対の数が最も多いものを、信頼性が最も高いと判定することによって、真の道路白線に相当する近似式を的確に検出することができる。
【0040】
また、請求項9に係る道路白線認識装置によれば、撮像画像において、道路白線とその内側に平行に表示された内側案内線との消失点はほぼ一致するから、近似式毎に、その水平距離が零となるときの候補点対の垂直方向位置である零座標値を算出し、他の近似式との零座標値間の距離が予め設定したしきい値よりも小さくなる近似式が存在する場合には、これら近似式のうち、候補点対の垂直方向位置の変化に対する水平距離の変化度合が小さい方から2番目の近似式を選択し、これを真の近似式とすることによって、真の道路白線を的確に検出することができる。
【0041】
さらに、請求項10に係る道路白線認識装置によれば、近似式に基づいて撮像手段の姿勢を推定し、推定した姿勢及び前記道路パラメータの前回の検出値を用いて画像に対し白線候補点の探索領域を設定し、この設定した探索領域内について、再度白線候補点を検出し、検出した白線候補点を真の白線候補点とするようにしたから、道路パラメータに応じて探索領域を的確に設定することができ、真の白線候補点の誤検出を回避することができる。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
まず、第1の実施の形態を説明する。
図1は、本発明を適用した道路白線認識装置の一実施形態を示す構成図である。
【0043】
図1において、CCDカメラ等で構成されるカメラ1は、例えば、車幅方向中央の、車室内のフロントウィンドウ上部に取り付けられ、車両前部の道路を含む車両の周囲環境を撮像する。カメラ1で撮像した撮像情報は、処理装置2に入力され、処理装置2は、撮像情報をもとに白線候補点の検出を行い、白線候補点の検出結果に基づいて道路パラメータを推定する。
【0044】
図3は、処理装置2で実行される道路白線を検出するための道路白線検出処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、この道路白線検出処理は、予め設定した所定周期で実行される。
まず、ステップS1で、カメラ1からの画像情報を読み込み、ステップS2に移行し、読み込んだ画像情報からなる撮像画像に対し、図3に示すように複数のウィンドウを設定する。
【0045】
このウィンドウは、道路白線以外の白線を道路白線として誤認識することを回避するために設けたものである。なお、図3に示すように、撮像画像においては、例えばその左上座標を基準とし、水平右方向をx軸の正方向、垂直下方向をy軸の正方向とする。
そして、前記各ウィンドウのy方向、つまり画像上下方向のウィンドウ位置は予め設定しておく。例えば、各ウィンドウの上辺及び下辺のy座標をそれぞれ設定しておく。
【0046】
一方、前記ウィンドウのx方向、つまり画像左右方向のウィンドウ位置は、前回の処理周期における道路白線検出処理の処理結果に基づき得られた道路モデルに基づいて設定する。
ここで、一般に、曲線路を考慮した道路形状は、道路モデルのパラメータを{A,B,C,D,H}とすると、次式(5)で表すことができることが知られている。なお、Aは、車両の車線に対する横変位、Bは道路曲率、Cは車両の車線に対するヨー角、Dはピッチ角、Hはカメラ高さである。また、式(5)中の、Eは車線幅、fはカメラ透視変換定数、{x,y}は撮像画像上における白線候補点の座標である。また、iは左側道路白線の場合には“0”、右側道路白線の場合には“1”を表す。
【0047】
x=(−A+i*E)*(y+f*D)/H−B*H*f/(y+f*D)−C*f ……(5)
ここで、ウィンドウのx軸方向の中心位置をxとすると、中心位置座標xは、前記(5)式及び予め設定したy座標から算出することができる。
ウィンドウのx軸方向の最小値xmin 及び最大値xmax を、次式(6)のように設定する。
【0048】
min =x−xw
max =x+xw ……(6)
なお、(6)式中のxwは、予め設定した固定値でもよく、また、例えば、特開平8−261756号公報に記載されているように、前述の道路モデルのパラメータ{A,B,C,D,H}の分散から合理的に設定するようにしてもよい。
【0049】
次いで、ステップS3に移行し、白線候補点の検出を行う。この検出は、道路白線と路面との輝度変化を利用し、輝度変化のノイズ対策を考慮して輝度画像に対し、公知の手順でsobelフィルタを施し、輝度変化を得る。つまり、座標xの画素の輝度が、座標x+1の画素の輝度よりも大きい場合に、sobelフィルタの出力を正とする。道路白線は幅が変わる場合があるので、ここでは、車線内側に相当する道路白線の内側を白線候補とすると、sobelフィルタ処理を施すことによって、左側白線内側は正値となり、右側白線内側は負値となるはずである。したがって、sobelフィルタの出力をys、輝度変化しきい値をFTHとしたとき、次式(7)及び(8)が成り立つ。
【0050】
ys> FTH:左白線 ……(7)
ys<−FTH:右白線 ……(8)
なお、前記輝度変化しきい値FTHを大きな値に設定すると、はっきり現れる道路白線を検知するものの、薄れた道路白線やトンネル内部等で道路白線が見えにくい場合等にはこれを検知しなくなる。逆に、輝度変化しきい値FTHを小さな値に設定すると、薄れた道路白線やトンネル内部等道路白線が見えにくい場合等であっても道路白線を検知することができるものの、逆に水膜等の疑似白線を道路白線として誤認識しやすくなる。したがって、前記輝度変化しきい値FTHは、これらのトレードオフを考慮して設定する。
【0051】
このようにして、各ウィンドウ毎にsobelフィルタを施し、前記(7)式を満足する画素を、左側道路白線候補として、その位置座標を{xlp,y}とし、前記(8)式を満足する画素を、右側道路白線候補としてその位置座標を{xrp,y}とし、これら画素を、候補点群Aとする。
次いで、ステップS4に移行し、撮像画像上における、左右の道路白線間の距離である車線幅dxを算出する。まず、各ウィンドウ毎に、ステップS3で検出した候補点群Aの位置座標をもとに、ウィンドウ内の全てのy値に対し、左右の白線候補点が共に存在するかどうかを検知する。つまり、候補点群Aのうち、y値が同一である、左側白線候補点{y,xln}と右側白線候補点{y,xrn}とを検索し、左右の白線候補点のx座標の差dx(=xrn−xln)を検出し、これを配列{y,xrn−xln}で表す。なお、nは、n=1〜Nmax の値であって、Nmax は、y値が同一である左側及び右側の白線候補点の組み合わせの数である。
【0052】
次いで、ステップS5に移行し、次式(9)で示すように、全てのウィンドウにおいて検出した配列{y,xrn−xln}をもとに、車線幅dxをyに関する一次式で近似し、全ての配列{y,xrn−xln}を満足する近似直線を検出する。つまり、撮像画像全体に対し一括して近似直線を検出する。この検出には、ハフ変換を用いる。
【0053】
dx=a×y+b ……(9)
なお、式中のa及びbは、ハフ変換を行うことによって算出することができ、ハフ変換における処理過程で、例えば図14に示す二次元マップを得ることができるが、このとき、前記ハフ変換処理におけるa及びbの上限及び下限値を、次式(10)に示すように設定する。
【0054】
max =E/(H−dH)
min =E/(H+dH)
max =E*f*(D+dD)/(H−dH)
min =E*f*(D−dD)/(H+dH) ……(10)
なお、(10)式において、amax 及びbmax はそれぞれ最大値を表し、amin 及びbmin はそれぞれ最小値を表す。また、Eは予め設定された車線幅、Hはカメラ高さ、Dはピッチ角、fは予め設定されたカメラ焦点距離であって、H及びDは、前回の道路パラメータ検出時における、カメラ高さH及びピッチ角Dの検出結果である。
【0055】
また、dHびdDは、カメラ高さH及びピッチ角Dの道路パラメータの検出処理の一周期間の差分値の最大値であって、予め走行実験等を行うことによって得られたデータをもとに設定される値である。なお、これら差分値の最大値は、その値が小さいとロストする可能性があり、逆に、大きすぎると誤認識や演算時間の増大につながるため、これらのトレードオフを考慮して修正するようにしてもよい。
【0056】
ここで、左側白線候補点のx座標をx、右側白線候補点のx座標をxとすると、車線幅dxは、次式(11)で表すことができる。
dx=x−x=E*(y+f*D)/H ……(11)
したがって、車線幅dxは、道路曲率に関わらず、前記(11)式に示す、yに関する一次関数で近似することができる。
【0057】
次いで、ステップS6に移行し、ステップS4で算出した配列{y,xrn−xln}のうち、次式(12)を満足する配列を抽出し、これを配列{y,dx}とする。なお、mは1〜Mmax の値であって、Mmax は次式(12)を満足する配列の個数である。
|dx−(a*y+b)|<k*gg ……(12)
なお、(12)式中のggは画素の大きさを表す。また、前記kは比例定数であって、例えば“2”に設定される。
【0058】
次いで、ステップS7に移行し、白線候補点の絞り込みを行う。つまり、ステップS6で抽出した配列{y,dx}に相当する左側白線候補点{y,xlm}と右側白線候補点{y,xrm}を得て、これを候補点群Bとする。
次いで、ステップS8に移行し、白線候補点の拡張処理を行う。つまり、図4のフローチャートに示すように、ステップS8aで、候補点群Bに含まれる各白線候補点について探索が終了したかどうかを判定し、終了していない場合にはステップS8bに移行し、探索未終了の白線候補点を選択する。この探索は、例えば、候補点群Bに含まれる白線候補点の各配列の添え字の昇順に探索を行うようにし、昇順が、前回探索した白線候補点の次に相当する白線候補点を選択する。
【0059】
次いで、ステップS8cに移行し、ステップS8bで選択した白線候補点に該当する画素に隣接する画素の中に、候補点群Aに含まれる白線候補点に該当する画素が存在するかを判定する。そして、該当する画素が存在しない場合にはそのままステップS8aに戻り、該当する画素が存在する場合には、この候補点群Aに含まれる白線候補点を、候補点群Bに追加し、ステップS8aに戻る。
【0060】
そして、候補点群Bに含まれる全ての白線候補点について探索が終了した場合には、処理を終了する。
次いで、ステップS9に移行し、候補点群Bに含まれる白線候補点に基づいて、道路パラメータの推定及びカメラ姿勢の推定を行い、道路形状の推定を行う。この推定は、公知の手順で行えばよく、例えば、特開平6−20189号公報に記載されたように、最小二乗法を用いて推定を行うようにしてもよく、また、特開平8−261756号公報に記載されたように、カルマンフィルタを用いて推定を行うようにしてもよい。
【0061】
次に、上記第1の実施の形態の動作を説明する。
カメラ1からの画像情報を読み込むと、その撮像画像に対し、図3に示すように、予め設定したy座標位置及び前回検出時の道路パラメータに基づきx座標位置を特定し、特定されたx座標及びy座標位置を基準として、予め設定されたウィンドウ幅を有するウィンドウを複数設定する(ステップS1、S2)。
【0062】
そして、各ウィンドウ毎に、sobelフィルタ処理を行って候補点群Aを検出し、y座標が同一である、右及び左側の白線候補点の組み合わせを抽出し、これに基づき配列{y,xrn−xln}を算出する。そして、各ウィンドウ毎に検出した配列{y,xrn−xln}をもとに近似直線を算出する。つまり、撮像画像全体において検出した全ての配列{y,xrn−xln}に基づいて、これら配列を満足する近似直線を算出する(ステップS3〜S5)。
【0063】
ここで、近似直線は、左右の白線候補点のx座標の差と、y座標との関係を直線に近似するようにしており、これらの関係は、曲線路でも成立する。したがって、得られる近似直線の近似精度は低下しない。
そして、配列{y,xrn−xln}に該当する各白線候補点について、前記(12)式を満足する配列を抽出しこれを{y,dx}とする。これによって、候補点群Aのうち、近似直線の近傍とみなすことのできる白線候補点を白線候補点群Bとして抽出するが(ステップS6、S7)、候補点群Aに属する白線候補点のうち、候補点群Bに属する白線候補点の近傍に位置する白線候補点については、検出対象の道路白線に該当する真の白線候補点である可能性が高いとして、候補点群Bに追加する(ステップS8)。そして、このようにして設定された候補点群Bに属する白線候補点に基づいて、ハフ変換或いは、最小二乗法等を用いて、カメラ姿勢の検出、また、道路パラメータの算出を行う。
【0064】
ここで、前記候補点群Bは、右側及び左側の白線候補点の組み合わせの中から抽出するようにしている。このため、右側及び左側の白線候補点が共に存在しないものは、真の白線候補点であるにも関わらず、候補点群Bに属さないことになる。しかしながら、候補点群Aに属する白線候補点のうち、候補点群Bに属する白線候補点に隣接するものについては、真の白線候補点である可能性が高いとして、これを候補点群Bに登録するようにしているから、ペアを組む他方の側の白線候補点が存在しない白線候補点であっても、候補点群Bに確実に登録することができる。したがって、候補点群Bに属する各白線候補点に基づいて道路形状或いはカメラ姿勢の推定を行うことにより、その推定のロバスト性を向上させることができる。
【0065】
また、前記(12)式の左辺は、x=a・y+bにおけるx軸方向の近似誤差を表しており、この近似誤差が小さいほど、白線候補点{y,dx}が、近似直線の近傍に位置する点であることを表している。したがって、前記(12)式を満足するか否かを判定することによって、白線候補点{y,dx}が近似直線近傍位置であるかを的確に判定することができると共に、この判定は単純な計算を行うだけでよいから、容易に検出することができる。
【0066】
また、前記(12)式の左辺は、撮像画像上におけるx方向の近似誤差であって、この誤差は、真の白線候補点であっても発生する。その大半は画素の粗さ(量子化ノイズ)に基づくものである。よって、画素量子に比例して、前記(12)式の右辺、つまりしきい値を設定することは合理的であり、画素が粗い場合には、所定値が小さすぎることによる白線候補点の欠損を防止することができ、逆に、画素が細かい場合には、所定値が大きすぎることによる白線候補点の誤検出を防止することができ、白線候補点の検出を的確に行うことができる。
【0067】
このとき、右側白線候補点及び左側白線候補点はそれぞれ“1”の量子化誤差を有する可能性があるが、例えば、左右の白線候補点に共に誤差が含まれる場合には、これらの誤差の符号が互いに異なる可能性がある。したがって、最大“2”の量子化誤差を有する可能性がある。よって.画素の大きさggの比例定数を“2”として設定することによって、より的確に候補点群Bの抽出を行うことができる。
【0068】
また、ハフ変換は、最小二乗法に対し、誤認識された白線候補点が結果に反映されないという長所を有しており、本来ロバスト性を備えているが、演算時間の制約から、白線候補点列を一括で曲線に近似することにハフ変換を適用することは不可能である。しかしながら、上記第1の実施の形態においては、撮像画像上における車線幅dxがyに関し直線で近似されることに着目し、撮像画像全体に対して一括してハフ変換を適用し、近似直線を算出するようにしたから、従来のように、ウィンドウ毎に別々にハフ変換を適用しなくとも、撮像画像全体にわたってハフ変換を適用することができる。よって、ロバスト性を向上させることができ、また、このとき、候補点群Bに属する白線候補点は、互いに近似直線を介した拘束条件を有することになるから、白線候補点検出のロバスト性を向上させることができる。
【0069】
また、ハフ変換を適用する際に、過去の道路パラメータ等、予め設定した道路パラメータに基づいて、パラメータa及びbの範囲を制限し、その範囲内についてハフ変換処理を行うようにしているから、演算時間を大幅に短縮することができると共に、あり得ることのない推定を排除することができる。
次に、第2の実施の形態を説明する。
【0070】
この第2の実施の形態は、車線境界線とその内側の内側案内線とからなる二重白線区間において、道路白線として車線境界線を確実に検出できるようにしたものであって、上記第1の実施の形態において、図2の道路白線検出処理の処理手順の一部が異なること以外は同様であるので、同一部には同一符号を付与し、その詳細な説明は省略する。
【0071】
図5は、第2の実施の形態における道路白線検出処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
上記第1の実施の形態と同様に、ステップS1で、カメラ1で撮像した画像情報を読み込み、予め設定した位置にウィンドウを設定する(ステップS2)。次いでステップS11に移行し、上記第1の実施の形態におけるステップS3の処理と同様に、輝度画像に対しsobelフィルタ処理を施し、白線候補点の検出処理を行い、前記(7)式又は(8)式を満足する画素の検出を行う。このとき、左右の道路白線の内側からx軸の正及び負方向にそれぞれ走査し、前記条件を満足するもの全てを左側白線候補点又は右側白線候補点としてそれぞれ検出するようにしてもよく、或いは、左右の道路白線の内側からx軸方向の正方向又は負方向に走査したときに、同一方向において前記条件を満足する画素を所定数、例えば“2”、検出したときに、このy座標位置における白線候補点の検出を終了するようにしてもよい。
【0072】
次いで、ステップS12に移行し、前記図2のステップS4と同様にして、撮像画像上における車線幅dxを算出する。このとき、左右の道路白線の、より内側に位置する白線候補点から順に左右の白線候補点どうしのペアを作成する。つまり、まず、y座標が同一の白線候補点について、左右の白線候補点のうち最も左右の道路白線の内側に位置する白線候補点どうしのペアを作成する。次に、このペアを構成する白線候補点どうしを除き、残された白線候補点の中から、左右の白線候補点のうち最も道路白線の内側に位置する白線候補点どうしのペアを作成する。この処理を繰り返し行い、y座標が同一の白線候補点について、左右の白線候補点どうしのペアを内側から順に作成する。
【0073】
なお、このとき、左右の白線候補点が共に存在しなくなるまで、左右の白線候補点のペアを作成するようにしてもよく、所定数、例えば“2”、得られたときに、該当するy座標についての処理を終了するようにしてもよい。
そして、各ペアの座標を{xln,y}{xrn,y}とすると、{y,dx}={y,xrn−xln}として、y座標とy座標位置における車線幅dxとの対応を表す配列を算出する。
【0074】
次いで、ステップS13に移行し、前記図2のステップS5の処理と同様にしてハフ変換を用いて車線幅dxの近似直線を算出する。このとき、ハフ変換処理を行うことによって、近似直線のパラメータa及びbの配列からなる、図14に示すようなマップが得られる。そして、例えば図6に示すように二重白線が存在する場合、或いは、道路白線だけでなく疑似白線が存在する場合には、図7〜図9に示すように、複数の近似直線が得られることになる。
【0075】
次いで、ステップS14に移行し、二重白線であるか否かの判断を行う。つまり、前記ステップS13のハフ変換処理において得られるマップにおいて、配列{a,b}を満足する白線候補点数が、予め設定したしきい値以上であるものが存在するかどうかを判定する。前記しきい値は、道路白線であるとみなすことの可能な値に設定され、このしきい値を大きくすると、ロバスト性は向上するが、道路が見えにくいなどの状況下ではロストにつながるためこれらを考慮して設定する。そして、配列マップにおいて、配列{a,b}を満足する白線候補点数がしきい値以上である配列を、{a1x,b1x}、{a2x,b2x}、{a3x,b3x}、……として設定する。
【0076】
そして、これら選択した配列それぞれについて、次式(13)から、車線幅dxが零であるときのy座標値である、零座標値cnxを算出する。
nx=−bnx/anx ……(13)
そして、各零座標値cnxの中で、次式(14)を満足するものを選択する。つまり、互いの零座標値cnxの大きさの差がしきい値kよりも小さくなるものを選択する。
【0077】
|cnx(n=p)−cnx(n=q)|<k ……(14)
そして、前記(14)式を満足するcnx(n=p)及びcnx(n=q)が存在する場合には、二重白線であると判断する。逆に、前記(14)式を満足する零座標値cnxが存在しない場合には、配列{a1x,b1x}、{a2x,b2x}、{a3x,b3x}、……のうち、この配列を満足する白線候補点数が最も多いものを選択し、これを配列{a,b}とする。
【0078】
そして、ステップS14で二重白線であると判断されたときには、ステップS15に移行し、白線選択を行う。つまり、ステップS14で選択された複数の零座標値cnxに対応する配列を、改めて{a1y,b1y}、{a2y,b2y}、……{amy,bmy}とし、a1y〜amyのうち、これらを昇順に並べたときの小さい方から2番目となる配列を選択し、これを配列{a,b}とする。そして、ステップS6に移行する。一方、前記ステップS14で二重白線でないと判断されたときにはそのままステップS6に移行する。
【0079】
このステップS6は、前記図2のステップS6の処理と同様であって、ステップS14又はS15で特定される配列{a,b}を前記(12)式におけるパラメータa及びbとし、ステップS12で算出した、配列{y,xrn−xln}のうち、前記(12)式を満足する配列を抽出し、近似直線近傍の白線候補点を抽出する。
【0080】
以後、上記第1の実施の形態と同様にして、候補点群Bを特定し(ステップS7)、候補点群Aに属する白線候補点の中から、候補点群Bに属する白線候補点の近傍に位置する白線候補点を抽出し、これを候補点群Bに追加する(ステップS8)。そして、このようにして設定した候補点群Bに属する白線候補点に基づいて、道路形状及びカメラ姿勢の推定を行う(ステップS9)。
【0081】
次に、第2の実施の形態の動作を説明する。
今、車両が道路白線(車線境界線)の内側に内側案内線が表示された二重白線区間を走行している場合には、カメラ1によって撮像される撮像画像は、例えば、図6に示すように、左右の道路白線の内側に内側案内線が存在した状態となる。
【0082】
この撮像画像に対しウィンドウを設定し(ステップS1、S2)、ステップS11で、これに対してsobelフィルタ処理を行うと、y座標を固定として、x軸正方向に走査した場合、右側白線候補点として、右側の内側案内線の内側に対応する画素R1と真の道路白線の内側に対応する画素R2との2つの画素が検出されることになり、逆に、x軸負方向に走査した場合、左側白線候補点として、左側の内側案内線の内側に対応する画素L1と真の道路白線の内側に対応する画素L2との2つの画素が検出されることになる。
【0083】
そして、ステップS12に移行して、検出した左右の白線候補点をもとに、左右の道路白線の内側よりの白線候補点から順に左右の白線候補点どうしのペアを作成すると、画素R1とL1、画素R2とL2とのペアができることになる。そして、このようにして設定した各y座標値における、左右の白線候補点間のx軸方向間の距離、つまり車線幅dxを算出し、これに基づきハフ変換処理を行う。そして、このハフ変換処理によって得られたマップにおいて、配列{a,b}を満足する白線候補点数が、予め設定したしきい値以上であるものを選択する。
【0084】
このとき、道路白線と内側案内線とが表示されているから、配列{a,b}を満足する白線候補点数が予め設定したしきい値以上となる配列として、道路白線に該当する配列{a,b}及び内側案内線に該当する配列{a,b}が検出されることになる(ステップS13)。
そして、これら選択した配列それぞれについて、前記(13)式に基づき、車線幅dxが零であるときのy座標値である零座標値cSx,cWxを算出する。
【0085】
ここで、図7に示すように、道路白線及び内側案内線は、近似直線ln1及びln2で表される。このとき、通常、内側案内線は道路白線の内側に平行に配設されているから、道路白線及び内側案内線の消失点、つまり、車線幅dxが零となる零座標値cSx,cWxは、ほぼ一致することになり、前記(14)式を満足することになる。したがって、二重白線であると判断される(ステップS14)。
【0086】
そして、前記(14)式を満足する零座標値cSx,cWxに対応する配列のパラメータaを昇順に並べ、小さい方から2番目となる配列を選択する(ステップS15)。
ここで、パラメータaは、近似直線の傾きを表しており、すなわち、y座標値の変化に対する車線幅dxの変化量を表している。内側案内線は道路白線の内側に設けられており、y座標値の変化に対する車線幅dxの変化量は、内側案内線に比較して道路白線の方が大きくなるから、パラメータaを昇順に並べたときの小さい方から2番目の配列を選択すると、すなわち、道路白線に相当する配列が選択されることになる。
【0087】
このとき、例えば、自車両の走行車線における内側案内線だけでなく、自車両の走行車線に隣接する左右の車線における内側案内線も撮像され、例えば、自車両の走行車線の左右の内側案内線及び左右の道路白線と、隣接する左右の車線の、自車両の走行車線側の内側案内線が一方ずつ撮像された場合には、図7に示すように、真の道路白線に相当する近似直線ln1と、内側案内線に相当する近似直線ln2と、隣接する左右の車線の内側案内線に相当する近似直線ln3とが検出されることになる。
【0088】
このとき、隣接する左右の車線の内側案内線は、道路白線及び自車両走行車線の内側案内線と平行に表示されているから、前記(14)式を満足することになる。また、y座標値の変化に対する車線幅dxの変化は、図7に示すように、近似直線ln3が最も大きくなる。したがって、前記(14)式を満足する配列を、パラメータaの昇順に並べたときの下から2番目の配列は、道路白線に相当する配列が選択されることになる(ステップS15)。
【0089】
そして、以後、上記と同様にして、候補点群Aの中から、ステップS15で特定される近似直線の近傍点を抽出してこれを候補点群Bとし、前記候補点群Aに属する白線候補点のうち候補点群Bに属する白線候補点に隣接するものについても候補点群Bに追加する(ステップS8)。そして、このようにして検出した候補点群Bに基づいて、上記第1の実施の形態と同様にして、道路パラメータの推定を行う(ステップS9)。
【0090】
また、例えば、撮像画像上に疑似白線が存在する場合、ステップS12で、車線幅dxを算出する際には、撮像画像において車線内側から外側方向に走査したときの右側白線候補点及び左側白線候補点に基づいて算出するようにしている。このため、撮像画像上に疑似白線が存在したとしても、y座標値が同一であるペアが存在しなければ車線幅dxを算出することができない。
【0091】
しかしながら、場合によっては、疑似白線であっても、この疑似白線に相当する白線候補点と対をなす白線候補点が存在し、これに基づいて車線幅dxが算出され、この誤認識された車線幅dxを含んで、ステップS13で近似直線の算出が行われ、図8に示すように、疑似白線に相当する近似直線ln4も検出される場合がある。
【0092】
この場合には、零座標値cnxが前記(14)式を満足しないから二重白線ではないと判定され、配列{a,b}を満足する白線候補点数が多い方が道路白線に相当する近似直線として選択される。一般に、道路白線に相当する配列を満足する白線候補点数に比較して、疑似白線に相当する配列を満足する白線候補点数は少ないから、道路白線に相当する配列が選択されることになって、真の道路白線に相当する近似直線に基づいて候補点群Bが作成されることになる。
【0093】
したがって、二重白線が表示された区間を走行する場合であっても、的確に真の道路白線を検出することができ、この道路白線に基づいて道路パラメータの推定を行うことによって、高精度に道路パラメータの推定を行うことができる。
また、車線幅dxの近似直線を算出する際にハフ変換を用いているから、複数の直線候補を、互いに誤差を発生させることなく推定することができ、道路白線認識に対してロバストであるとみなすことができる。
【0094】
また、sobelフィルタ処理において、x方向に走査する場合に、右側方向及び左側方向それぞれに2つずつ白線候補点が検出された時点で、x軸方向の走査を停止するようにし、また、車線幅dxを算出する際に、2組のペアのみを作成するようにしている。ここで、二重白線区間の場合、道路白線に相当する近似直線の傾きは、上述のように最も小さい方から2番目となるから、この2番目の近似直線を検出するのに十分なだけの白線候補点の検出及び車線幅dxの算出を行うことによって、不要な演算を行うことを回避し、演算時間の短縮を図ることができる。
【0095】
また、このとき、二重白線の場合には、道路白線(車線境界線)及び内側案内線の消失点がほぼ一致することに着目し、近似直線の零座標値cnxが一致しないときには、近似直線の傾きによらずに、近似直線を貫通する白線候補点の数に応じて近似直線を選定することによって、道路白線認識のロバスト性を確保することができる。
【0096】
また、このとき、各近似直線を貫通する白線候補点数が、道路白線に相当する近似直線を貫通する白線候補点数と同等以上となるのは、二重白線の内側案内線のみである。例えば、道路分流合流部の誘導線は、道路白線及び誘導線とが二重に表示されているが、ペアとなる反対側の誘導線が存在しないため、検出されない。したがって、二重白線であると判定されない場合には、貫通する白線候補点数が最も多い近似直線を、道路白線に相当する近似直線であるとして検出することによって、合理的に道路白線を検出することができる。
【0097】
なお、このとき、図9に示すように、ハフ変換処理によって疑似白線に相当する近似直線ln4が検出された場合、内側案内線と道路白線とは消失点がほぼ一致することから、ハフ変換処理によって複数の近似直線が検出される場合には、車線幅dxが零となるときのy座標値である零座標値cnxがより近い近似直線群図9の場合、ln1及びln2を抽出し、そのうちの傾き、つまりパラメータaが小さい方から2番目の配列を選択しこれに相当する近似直線、この場合ln1を、道路白線に相当する近似直線として選択するようにしてもよい。このようにすることによって、より的確に道路白線の検出を行うことができ、また、ロバスト性を向上させることができる。
【0098】
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。
この第3の実施の形態は、上記第2の実施の形態において、図5の道路白線検出処理の処理手順の一部が異なること以外は同様であるので、同一部には同一符号を付与し、その詳細な説明は省略する。
図10は、第3の実施の形態における道路白線検出処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0099】
すなわち、この第3の実施の形態においては、ステップS15までの処理を上記第2の実施の形態と同様に行い、ステップS14又はS15の処理で、道路白線の近似直線を特定した後、ステップS21に移行する。
このステップS21では、ステップS14又はS15で得られた道路白線の近似直線を特定する配列{a,b}に基づいてピッチ角D及びカメラ高さHを推定する。つまり、車線幅dxは前記(9)式及び(11)式で表すことができるから、次式(15)が成立する。
【0100】
=E/H
=E*f*D/H ……(15)
したがって、(15)式及び配列{a,b}に基づいて、ピッチ角D及びカメラ高さHを算出することができる。
次いで、ステップS22に移行し、ステップS21で算出したピッチ角D及びカメラ高さHの少なくとも何れか一方を固定し、ウィンドウ幅を算出する。つまり、前記(6)式におけるxwを算出する。
【0101】
ここで、前記(5)式を線形式で近似すると、次式(16)で表すことができる。
x=dx/dA*A +dx*dB*B+dx/dC*C+dx/dD*D+dx/dH*H ……(16)
なお、式(16)中のdx/dZ(Z=A,B,C,D,H)は、xのZによる偏微分を表す。
【0102】
前記(16)式は、次式(17)と表すことができる。なお、“T”は転置を表す。
Figure 0003603836
xの観測値xobは、次式(18)で表すことができる。なお、式(18)中のwは観測ノイズを表す。
【0103】
xob=C*Xroad+w ……(18)
この観測値xobの平均値を除いた値をxobとすると、次式(19)が成り立つ。なお、式(19)中のXroadは、平均値を引いた道路パラメータベクトルである。また、wは一般に平均値零である。
xob=C*Xroad+w ……(19)
前記xobの二乗の期待値は、次式(20)で表すことができる。なお、式(20)中のPは道路パラメータの共分散であり、qは観測誤差の二乗平均である。
【0104】
Figure 0003603836
このようにして算出される、観測値xobの平均値を除いた値xobの二乗の期待値をもとに、前記(6)式におけるxwを、次式(21)のように設定する。
【0105】
xw=〔E(xob )〕1/3 ……(21)
これらの式から明らかなように、道路パラメータの分散値Pが小さいほど、xwは小さくなる。そこで、ピッチ角D及びカメラ高さHの少なくとも何れか一方の分散を零に固定し、xwがより小さな値となるようにする。
そして、このようにして設定したxwと、前記(6)式とに基づいて、ウィンドウを再設定する。
【0106】
次いで、ステップS23に移行し、ステップS22で設定されたウィンドウについて、前記ステップS11と同様にしてsobelフィルタ処理を行って再度白線候補点を検出し、検出された白線候補点を候補点群Cとする。
そして、ステップS9に移行し、ステップS23で検出された候補点群Cの白線候補点に基づいて、道路形状及びカメラ姿勢の推定を行う。
【0107】
次に、第3の実施の形態の動作を説明する。
撮像画像上に例えば、図11に示すように、真の道路白線に対して、同じ方向に同じ量だけオフセットした同じy座標の誤認識白線候補点が存在する場合、左右の白線候補点が存在することから、これらペアに基づいて車線幅dxが算出されることになる(ステップS12)。このとき、誤認識白線候補点は、真の道路白線に対して同じ量だけオフセットしているから、誤認識白線候補点は、図12に示すように、真の道路白線に相当する近似直線を満足することになり、誤認識白線候補点は除去されない。
【0108】
そして、二重白線である場合には、ハフ変換処理によって得られた近似直線の傾き、或いは零座標値に基づいて、道路白線に相当する近似直線が選択される(ステップS14、S15)。
次いで、特定した近似直線を特定するパラメータa及びbに基づいて、前記(15)式にしたがって、ピッチ角D及びカメラ高さHの少なくとも何れか一方が検出され、これらの少なくとも何れか一方を固定し、前回算出した道路パラメータに基づいてウィンドウ幅xwが算出されて、撮像画像に対し再度ウィンドウが設定される。このとき、例えば、図13に示すように、撮像画像に対し、y方向のウィンドウ位置を二カ所設定しておき、前回算出した道路パラメータに基づいて、ステップS2での処理と同様にして、予め設定したy座標位置におけるx座標を算出し、これに基づいて左右それぞれ一つずつウィンドウを設定する(ステップS22)。なお、上記ステップS2での処理と同様に複数のウィンドウを設定するようにしてもよい。
【0109】
ここで、前記ウィンドウ幅xwは、前記(21)式から算出しており、前回の道路白線検出処理実行時に検出した道路パラメータの共分散P及び観測誤差qに基づいて設定するようにしているから、ウィンドウ幅xwを合理的に狭めることができる。
したがって、このようにして設定したウィンドウ内について、再度白線候補点の検出を行うと、誤認識候補点は、ウィンドウ外となるから、白線候補点として検出されない。よって、このようにして検出した候補点群Cの白線候補点に基づいて道路パラメータを推定することによって、より高精度に道路パラメータの推定を行うことができ、道路認識のロバスト性を向上させることができる。
【0110】
なお、第3の実施の形態において、ウィンドウ幅xwを算出する際に、ピッチ角D及びカメラ高さHの少なくとも何れか一方の分散を零に固定するようにしたが、これら両方を零に固定したときにウィンドウ幅xwが最も小さくなることから、誤検知防止に有効であるが、何れか一方のみを零に固定するようにした場合であっても誤検知防止を図ることが可能である。
【0111】
なお、上記各実施の形態においては、道路白線検出処理のステップS3、又はステップS11の処理で、撮像画像から白線候補点を検出する際に、sobelフィルタ処理を行うようにした場合について説明したが、これに限るものではなく、最小二乗法を適用することも可能である。
上記各実施の形態において、カメラ1が撮像手段に対応し、図2、図5、図10のステップS2、ステップS11の処理が白線候補点検出手段に対応し、ステップS4、ステップS12の処理で、候補点群Aのうち、y値が同一である、左側白線候補点と右側白線候補点とを検索する処理が候補点対選択手段に対応し、この左右の白線候補点のx座標の差dxを検出する処理が水平距離算出手段に対応し、ステップS5、ステップS13の処理が近似手段に対応し、ステップS6〜ステップS8、ステップS21〜ステップS23の処理が候補点抽出手段に対応し、ステップS9の処理が道路パラメータ推定手段に対応し、ステップS14及びステップS15の処理が近似式選択手段に対応し、ステップS21及びステップS22の処理が探索領域設定手段に対応し、ステップS23の処理が再検出手段に対応している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した、道路白線認識装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】第1の実施の形態における道路白線検出処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図3】撮像画像にウィンドウを設定した場合の一例である。
【図4】図2のステップS8における白線候補点拡張処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図5】第2の実施の形態における道路白線検出処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図6】二重白線の一例である。
【図7】二重白線が存在する場合の近似直線の一例である。
【図8】道路白線と近似白線とが存在する場合の近似直線の一例である。
【図9】二重白線及び近似白線が存在する場合の近似直線の一例である。
【図10】第3の実施の形態における道路白線検出処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図11】第3の実施の形態の動作説明に供する説明図である。
【図12】第3の実施の形態の動作説明に供する、近似直線の一例である。
【図13】第3の実施の形態の動作説明に供する説明図である。
【図14】ハフ変換処理により得られる配列の一例である。
【図15】ハフ変換処理により得られる配列の一例である。
【図16】従来の道路白線検出処理の動作説明に供する説明図である。
【図17】従来の道路白線検出処理の動作説明に供する説明図である。
【符号の説明】
1 カメラ
2 処理装置

Claims (10)

  1. 車両前方の道路を撮像する撮像手段を有し、当該撮像手段で撮像した画像に基づいて道路形状及びこの道路に対する車両姿勢を示す道路モデル式の道路パラメータを推定するようにした道路白線認識装置において、
    前記撮像手段で撮像した画像において道路白線の白線候補点を検出する白線候補点検出手段と、
    当該白線候補点検出手段で検出した白線候補点のうち、前記画像における垂直方向位置が同一であり且つ左側道路白線及び右側道路白線に相当すると推測される左右の白線候補点の対を選択する候補点対選択手段と、
    当該候補点対選択手段で選択された候補点対毎に左右の白線候補点の水平方向位置間の距離を算出する水平距離算出手段と、
    前記候補点対の垂直方向位置と前記水平距離算出手段で算出された水平距離との関係を一次関数式で近似する近似手段と、
    前記水平距離算出手段で算出された候補点対の水平距離と該候補点対の垂直方向位置に基づき前記近似式から算出される水平距離との差が予め設定したしきい値以下であるとき、この候補点対を構成する白線候補点を、真の白線候補点として抽出する候補点抽出手段と、
    当該候補点抽出手段で抽出した真の白線候補点に基づいて前記道路パラメータを推定する道路パラメータ推定手段と、を備え、
    前記候補点抽出手段における前記しきい値は、前記画像の画素量子に比例する値であることを特徴とする道路白線認識装置。
  2. 前記しきい値の比例定数は、2であることを特徴とする請求項1記載の道路白線認識装置。
  3. 前記近似手段は、前記候補点対の垂直方向位置及び前記水平距離算出手段で算出された水平距離に対してハフ変換を行って前記近似式を検出するようになっていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の道路白線認識装置。
  4. 前記近似手段は、前記道路パラメータ推定手段で推定された過去の道路パラメータに基づいて、前記ハフ変換における前記近似式の近似範囲を制限するようになっていることを特徴とする請求項3記載の道路白線認識装置。
  5. 前記白線候補点のうち、前記候補点抽出手段で抽出された真の白線候補点に隣接するものも、前記真の白線候補点として抽出するようになっていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の道路白線認識装置。
  6. 車両前方の道路を撮像する撮像手段を有し、当該撮像手段で撮像した画像に基づいて道路形状及びこの道路に対する車両姿勢を示す道路モデル式の道路パラメータを推定するようにした道路白線認識装置において、
    前記撮像手段で撮像した画像において道路白線の白線候補点を検出する白線候補点検出手段と、
    当該白線候補点検出手段で検出した白線候補点のうち、前記画像における垂直方向位置が同一であり且つ左側道路白線及び右側道路白線に相当すると推測される左右の白線候補点の対を選択する候補点対選択手段と、
    当該候補点対選択手段で選択された候補点対毎に左右の白線候補点の水平方向位置間の距離を算出する水平距離算出手段と、
    前記候補点対の垂直方向位置と前記水平距離算出手段で算出された水平距離との関係を一次関数式で近似する近似手段と、
    当該近似手段で近似した近似式に基づいて、前記白線候補点の中から真の白線候補点を抽出する候補点抽出手段と、
    当該候補点抽出手段で抽出した真の白線候補点に基づいて前記道路パラメータを推定する道路パラメータ推定手段と、を備え、
    前記候補点対選択手段は、前記白線候補点検出手段で検出した白線候補点のうち、前記画像における垂直方向位置が同一であり且つ左側道路白線又は右側道路白線に相当すると 推測される白線候補点が同一側に複数存在するとき、最も車線内側に相当する左右の白線候補点から順に候補点対を形成し、前記近似手段で近似した近似式が複数存在するとき、これら近似式のうち、前記候補点対の垂直方向位置の変化に対する前記水平距離の変化度合が小さい方から2番目の近似式を選択し、これを前記候補点抽出手段で用いる真の近似式として設定する近似式選択手段、を備えることを特徴とする道路白線認識装置。
  7. 前記候補点対選択手段は、最も車線内側に相当する左右の白線候補点から順に2組の候補点対を形成するようになっていることを特徴とする請求項6記載の道路白線認識装置。
  8. 前記近似式選択手段は、前記近似手段で近似した複数の近似式毎に、前記水平距離が零となるときの前記候補点対の垂直方向位置である零座標値を算出し、各近似式の零座標値間の距離が全て予め設定したしきい値よりも大きいとき、前記近似式のうち、各近似式を満足する候補点対の数が最も多いものを信頼性が最も高いとしてこれを前記真の近似式として選択するようになっていることを特徴とする請求項6又は請求項7記載の道路白線認識装置。
  9. 前記近似式選択手段は、前記近似手段で近似した複数の近似式毎に、前記水平距離が零となるときの前記候補点対の垂直方向位置である零座標値を算出し、他の近似式との零座標値間の距離が予め設定したしきい値よりも小さくなる近似式が存在する場合には、これら近似式のうち、前記候補点対の垂直方向位置の変化に対する前記水平距離の変化度合が小さい方から2番目の近似式を選択し、これを前記候補点抽出手段で用いる真の近似式として設定するようになっていることを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか1項に記載の道路白線認識装置。
  10. 前記道路パラメータ推定手段は、
    前記近似手段で近似した近似式に基づいて前記撮像手段の姿勢を推定し、推定した撮像手段の姿勢及び前記道路パラメータの前回の検出値を用いて前記画像に対し白線候補点の探索領域を設定する探索領域設定手段と、
    前記画像において前記探索領域内で再度白線候補点を検出し検出した白線候補点を前記真の白線候補点として設定する再検出手段と、を備えることを特徴とする請求項6から請求項9のいずれか1項に記載の道路白線認識装置。
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