JP3603330B2 - アミノ酸重縮合体の製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、生細胞内でのタンパク質合成触媒であるリボソームの全体または一部を利用して、生体外で、有用なアミノ酸重縮合体を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
実用的合成樹脂材料としては付加重合系高分子であるビニル系高分子と縮合系高分子が挙げられる。前者の場合、リビング重合法やZiegler−Natta触媒の開発などにより、得られるポリマー鎖の構造単位の配列制御が可能となり、その優れた性能により、巨大な産業分野が形成されている。後者については、低温直接重縮合法などが検討されているものの、得られる複雑な高分子鎖の構造単位の配列規則性を制御できる工業的製造法はいまだ確立されていない。
【0003】
高分子鎖内および高分子鎖間での相互作用により、高次構造を形成させ、高性能および高機能の物性の発現を試みる場合、分子内に極性を有する縮合系高分子をベースに開発した方が、ビニル系高分子を用いるよりも得策である。このことは、究極の機能体である生体高分子がポリリン酸の一種である核酸やポリアミドの一種であるタンパク質で構成されている事実からも明らかである。したがって、構造制御された縮合系高分子の工業的製造法は、長い間望まれていた。
【0004】
従来、構造単位の配列規則性が制御されたポリアミドの重合研究が最も進んでいるのは、ペプチド化学の分野である。しかし、ペプチドの化学合成は構造単位の有機化学的な保護、脱保護を順次行なう液相法や樹脂性担体上で重合反応を行なう固相法が用いられ、N−カルボキシアミノ酸無水物法や有用な縮合剤が開発されているものの、いずれの手法を適用した場合も、高分子量のポリアミドが得にくい、操作が煩雑であるなどの理由により、工業的な量産は極めて困難であった。
【0005】
構造単位の配列規則性が制御された縮合系高分子合成の最も優れた手本は、タンパク質の生合成である。生体は常温・常圧という極めて穏和な条件下で、構造単位の配列規則性が制御されたポリアミド、すなわちタンパク質を生産している。この生物の営みを利用して目的とするタンパク質を量産する手法が遺伝子工学やタンパク質工学として近年開発された。
しかしながら、生細胞を用いるために、生産できるタンパク質が限られている、特定のタンパク質を純粋に得ることが難しい、モノマーが天然のタンパク質を構成する20種類のアミノ酸に限られる、目的タンパク質をある量以上生産しない、一定量以上生産されたタンパク質が修飾されるまたは消化されてしまうなどの生細胞を使うことに起因する特有の制約がある。
【0006】
そこで、生細胞からタンパク質合成を行っている成分のみを抽出、精製し、これを試験管内で再構築して、目的とするタンパク質のみを純粋に生産する手法が注目され始めた。この方法は生体外タンパク質合成法と呼ばれているが、この方法を用いれば、前述のような問題はなく、タンパク質の生産を純粋に化学的に取り扱うことができ、さらに、タンパク質に限らず一般のアミノ酸重縮合体の製造も可能となる。例えばモノマーとして非天然のアミノ酸を使用した重合例が報告されている(特開平1−27493号公報)。
【0007】
しかしながら、該合成法は収率が低く、いわゆるアイソトープ識別によりようやく確認できる程度の合成量しか得られなかった。この主な原因は次の二点である。
(1)反応系の構築には、生細胞内でのタンパク質合成触媒であるリボソ−ムやモノマ−の重合前駆体以外に、各種の可溶性タンパク因子、アデノシン三リン酸(以下ATPと略すことがある。)やグアノシン三リン酸(以下GTPと略すことがある。)といった重合エネルギ−供給体が必要であり、非常に複雑である。生細胞から抽出された可溶性タンパク諸因子は、その全てが重合反応に必要というわけではない。むしろこの中には、生細胞に特有な現象である、タンパク質合成量の調節や抑制に関与する因子も含まれており、これらの因子は重合反応を阻害するので好ましくない。特に、鋳型分子を分解するヌクレアーゼはタンパク質合成を阻害する。しかしながら、これらを容易に分離、除去することができない。また、ATPやGTPは、エネルギ−として消費される度に再生する必要があり非効率的である。
【0008】
(2)リボソームは大小のサブユニットから構成されており、各サブユニットは数種類のリボソーム性リボ核酸(以下rRNAと略すことがある。)と数十種類のリボソーム性タンパク質(以下rタンパク質と略すことがある。)からなる小胞体で、その構造は複雑である。そして、可溶性タンパク諸因子と同様に、これらの構成分子の全てが重合反応に必要というわけではない。rRNAやrタンパク質の中には、タンパク質合成量の調節や抑制に関与するものもあり、これらは重合反応を阻害するので好ましくない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、可溶性タンパク因子や、ATPやGTPといった重合エネルギ−供給体を使用せずに、収率が向上した、アミノ酸配列の制御されたアミノ酸重縮合体の新規な製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、生体外タンパク質合成法を用いて上記課題を解決するために、一般のアミノ酸重縮合体の製造を鋭意検討した結果、従来芳香族第三級アミン類は細胞抽出成分を変性するので好ましくないと考えられていたにもかかわらず、芳香族第三級アミン類存在下であれば、驚くべきことに、可溶性タンパク因子や重合エネルギ−供給体が存在しなくとも、アミノ酸とアダプター分子からなる重合前駆体から、アミノ酸配列の制御されたアミノ酸重縮合体が得られることを見いだし、本発明に到達した。
【0011】
すなわち、本発明は、次に記す発明からなる。
〔1〕アミノ酸と、核酸からなるアダプター分子とを反応させて生成する重合前駆体を、
アダプター分子と相互作用する核酸からなる鋳型分子、
並びに芳香環に窒素が含まれる構造を有する芳香族第三級アミン類、
並びにリボソ−ムの全体、リボソームの大サブユニット、リボソーム性リボ核酸の少なくとも1種および/またはリボソーム性タンパク質の少なくとも1種
を用いて重合することを特徴とする
アミノ酸重縮合体の製造方法。
〔2〕核酸からなるアダプター分子が、生体内に存在している転移リボ核酸または酵素的もしくは有機化学的に合成された転移リボ核酸である〔1〕記載の製造方法。
〔3〕核酸からなる鋳型分子が生体内に存在している遺伝情報性リボ核酸、酵素的もしくは有機化学的に合成された遺伝情報性リボ核酸または有用なタンパク質の遺伝情報を有する核酸である〔 1 〕または〔2〕記載の製造方法。
【0012】
〔4〕芳香族第三級アミン類が、下記化1〜化7から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の製造方法。
〔化1〕
(式中、pは1〜5の整数を表す。)
〔化2〕
(式中、mは1〜3の整数を表す。)
〔化3〕
(式中、mは1〜3の整数を表す。)
〔化4〕
(式中、kは1〜2の整数を表す。)
〔化5〕
(式中、nは1〜4の整数を表す。)
〔化6〕
(式中、nは1〜4の整数を表す。)
〔化7〕
(式中、mは1〜3の整数を表す。)
〔 化1〜化7におけるR、R’、R’’は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子;脂肪族炭化水素基;脂環式炭化水素基;芳香族炭化水素基;水酸基、エーテル基、カルボキシル基、エステル基、リン酸基、リン酸エステル基、カルボニル基、アシル基、アミド基、アルデヒド基、ケトン、脂質、糖質などの酸素を含有する基;窒素を含有する基;イオウを含有する基;その他の複素環基から選ばれる。〕
〔5〕芳香族第三級アミン類が、ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、2ーアミノピリジン、4ーアミノピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、イミダゾール、1−メチルイミダゾ−ル、プリン塩基、アデニン、9−メチルアデニン、7−メチルアデニン、アデノシン、2’−デオキシアデノシン、アデノシン5’−一燐酸、アデノシン5’−二燐酸、シトシン、シチジン、2’−デオキシシチジン、シチジル5’−一燐酸、シチジル5’−二燐酸またはピリミジン塩基であることを特徴とする〔 1 〕〜〔4〕のいずれかに記載の方法。
〔6〕芳香族第三級アミン類の濃度が、水に対する飽和濃度からその1/10 9 の濃度までの範囲内であることを特徴とする〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載のアミノ酸重縮合体の製造方法。
【0013】
次に、本発明を詳細に説明する。
本発明のアミノ酸重縮合体の製造方法においては、遺伝情報を有する核酸を鋳型分子とし、この鋳型分子と相互作用するアダプタ−分子とモノマ−であるアミノ酸との反応から得られる重合前駆体を、リボソ−ムの全体もしくはアミノ酸重縮合機能を有するサブユニットもしくはアミノ酸重縮合機能を有するサブユニットと同等な活性を有するものを用いて重合して、アミノ酸配列が制御されたアミノ酸重縮合体を製造するものである。
【0014】
さらに、具体的には、鋳型分子とアダプター分子が、リボソ−ムもしくはアミノ酸重縮合機能を有するサブユニットもしくはアミノ酸重縮合機能と同等な活性を有するものの活性中心に、充填され、ペプチド結合が生成されることにより前記のアミノ酸配列が制御されたアミノ酸重縮合体が製造されるものと考えられる。
ここで、アミノ酸重縮合機能を有するサブユニットと同等な活性を有するものとして、リボソ−ム性リボ核酸の少なくとも1種および/またはリボソ−ム性タンパク質の少なくとも1種を用いることができる。
リボソ−ム性リボ核酸としては、大腸菌23Sリボソ−ム性リボ核酸などが挙げられる。リボソ−ム性タンパク質としては、大腸菌Lタンパクなどが挙げられる。
【0015】
本発明のアミノ酸重縮合体の製造方法を具体的に説明する。容器中でアミノ酸とアダプター分子とを水に加えて反応させて重合前駆体を得る。このとき、1つの容器中で全体を反応させて重合前駆体を得てもよく、アミノ酸の種類ごとに別々の容器で重合前駆体を得てもよい。得られた重合前駆体は約−20℃以下の温度で保存することが好ましい。別の容器に、核酸からなる鋳型分子、芳香族第三級アミン類、リボソ−ムの全体もしくはアミノ酸重縮合機能を有するサブユニットもしくはアミノ酸重縮合機能を有するサブユニットと同等な活性を有するもの、および必要に応じて後述する陽イオンなどを含む液を入れ、さらに水を加えて希釈してそれぞれの目的とする濃度にする。この段階までは、通常0℃程度の低温で行なうことが好ましい。次に、得られた溶液に、先に準備しておいた重合前駆体を含む水溶液を加え、所定の温度まで加熱して、重合を開始し、所定の時間重縮合を行ない、アミノ酸重縮合体を得ることができる。
本発明の製造方法においては、芳香族第三級アミン類の存在下であれば、可溶性タンパク因子や重合エネルギ−供給体が存在しなくとも、アミノ酸配列が制御されたアミノ酸重縮合体を製造することができる点に特徴を有する。
【0016】
本発明のアミノ酸重縮合体の製造方法における鋳型分子とアダプター分子としては、核酸を用いる。
【0017】
本発明における核酸からなるアダプター分子としては、たとえば生体内に存在している転移リボ核酸、酵素的もしくは有機化学的に合成された転移リボ核酸などを挙げることができる。
【0018】
本発明における鋳型分子としては、アダプター分子と相互作用する核酸であり、たとえば生体内に存在している遺伝情報性リボ核酸、酵素的もしくは有機化学的に合成された遺伝情報性リボ核酸などを挙げることができる。
鋳型分子として、有用なタンパク質の遺伝情報を有する核酸を使用することもできる。有用なタンパク質としては、例えば成長ホルモンのような生理活性ペプチド、タンパク性医薬品、抗原−抗体関連タンパク質、酵素を挙げることができる。
さらに、ポリウリジル酸、ポリアデニル酸またはこれらのブロック共重合体のような、遺伝情報性リボ核酸の合成機能のみを担う部分からなる化合物でもよい。
【0019】
本発明におけるアミノ酸とは、同一分子内にカルボキシル基とアミノ基を有する化合物であり、天然型または非天然型のいずれでもかまわない。アミノ基が結合している炭素はカルボキシル基の位置からみて炭素鎖のいずれでもよく、分子内のカルボキシル基とアミノ基の数はいくつでもよく、該アミノ酸が光学活性中心を有する場合は、それがL体、D体、ラセミ体のいずれでもよい。
【0020】
本発明におけるアミノ酸として、たとえば、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリンなどのタンパク質構成アミノ酸およびその誘導体;β−アラニン、γ−アミノ酪酸、5−アミノレブリン酸などの生体内に遊離した状態で存在するアミノ酸およびその誘導体;p−またはm−またはo−アミノ安息香酸などの生体内には存在しないアミノ酸およびその誘導体などを挙げることができる。
【0021】
そして、前記のアダプタ−分子とアミノ酸を反応させることにより重合前駆体を調製する。該反応としては、アシル化反応などが挙げられる。アミノ酸とアダプタ−分子との反応は有機化学的または酵素的に行うことができる。アミノ酸の重合前駆体としては、アミノアシル体が好ましい。
【0022】
次に、本発明のアミノ酸重縮合体の製造方法において用いるリボソームの全体もしくはそのサブユニットについて説明する。これらは、自然界から入手または購入した生物または細胞器官から公知の方法により抽出して得ることができる。具体的には、例えば、大腸菌などを緩衝溶液を加えて乳鉢で磨り潰すまたはフレンチプレスなどの解砕機を用いて解砕して、得られた分散液を遠心沈降法により分離する。得られた上澄み液を超遠心分離法により分離して沈降した大腸菌などのリボソームを得ることができる。さらに、得られたリボソームから公知の密度勾配法によりリボソームのサブユニットを得ることができる。
本発明のアミノ酸重縮合体の製造方法において用いる生物または細胞器官は、特に限定されない。
生物としては、たとえば哺乳動物、昆虫等の動物、藻類、蘚類、シダ類、裸子植物、被子植物等の植物および細菌、カビ類、酵母等の菌類が挙げられる。このうち、哺乳動物としてはラット、マウス、ヤギ等を、藻類としては緑藻類、藍藻類等を、被子植物としては小麦、稲、タバコ、トマト等を、細菌としては大腸菌(Escherichia)、枯草菌(Bacillus)、緑膿菌(Psedomonas)等を、カビ類としてはアカパンカビ(Neurospora)、コウジカビ(Aspergillus)、アオカビ(Penicillium)等を、酵母類としてはコウボキン(Saccharomyces)等を好ましく挙げることができる。
また、Bacillus stearothermophilus、Thermus aquaticus、Thermus thermophilus等の好熱菌、高度好熱菌の場合、耐熱性があるだけではなく、一般の有機溶媒に変性されにくいことから、効率の高い生体外タンパク質合成系の構築が期待できるので好ましい。
【0023】
また、細胞器官としては、ミトコンドリア、クロロプラストなどが挙げられる。
また、リボソ−ムは高濃度の陽イオン水溶液で洗浄されたものを用いることもできる。
なお、リボソーム性タンパク質の抽出方法については、公知の方法を用いることができるが、たとえば、Ribosomes and Protein Synthesis A Practical Approach(G.Spedding、Oxford University Press、1990)に記載の方法を挙げることができる。
【0024】
本発明において用いる芳香族第三級アミン類としては、特に限定されないが、これまで述べてきた観点から、有機化学的触媒活性を有するものとして、ピリジン、イミダゾール、およびそれらの誘導体が、また生化学的な観点から、プリン塩基、ピリミジン塩基、およびそれらの誘導体が挙げられる。
【0025】
ピリジンおよびその誘導体とは、ピリジンおよびピリジン骨格を有する有機化合物であり、具体的には化1で表される化合物が挙げられる。
【化1】
(式中、pは1〜5の整数を表す。Rについては後述する。以下、同じ。)
【0026】
イミダゾールおよびその誘導体とは、イミダゾールおよびイミダゾール骨格を有する有機化合物であり、具体的には化2で表される化合物が挙げられる。
【化2】
(式中、mは1〜3の整数を表す。)
【0027】
プリン塩基およびその誘導体とは、プリン塩基およびプリン塩基骨格を有する有機化合物であり、具体的には化3または化4で表される化合物が挙げられる。
【化3】
(式中、mは1〜3の整数を表す。)
【化4】
(式中、kは1〜2の整数を表す。)
【0028】
ピリミジン塩基およびその誘導体とは、ピリミジン塩基およびピリミジン塩基骨格を有する有機化合物であり、具体的には化5または化6または化7で表される化合物が挙げられる。
【化5】
(式中、nは1〜4の整数を表す。)
【化6】
(式中、nは1〜4の整数を表す。)
【化7】
(式中、mは1〜3の整数を表す。)
化1〜化7におけるR、R’、R’’は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子;脂肪族炭化水素基;脂環式炭化水素基;芳香族炭化水素基;水酸基、エーテル基、カルボキシル基、エステル基、リン酸基、リン酸エステル基、カルボニル基、アシル基、アミド基、アルデヒド基、ケトン、脂質、糖質などの酸素を含有する基;窒素を含有する基;イオウを含有する基;その他の複素環基から選ばれる。
また、脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜4のものが挙げられ、例えばメチル基が挙げられる。脂環式炭化水素基としては、炭素数5〜8のものが挙げられ、例えばシクロペンチル基が挙げられる。芳香族炭化水素基としては、炭素数6〜10のものが好ましく、フェニル基が挙げられる。窒素を含有する基としてはアミノ基が挙げられる。イオウを含有する基としては、スルフヒドリド基が挙げられる。
【0029】
具体的には、ピリジンの誘導体として、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、2ーアミノピリジン、4ーアミノピリジン、4−ジメチルアミノピリジン;イミダゾールの誘導体として、1−メチルイミダゾ−ル;プリン塩基の誘導体として、アデニン、9−メチルアデニン、7−メチルアデニン、アデノシン、2’−デオキシアデノシン、アデノシン5’−一燐酸、アデノシン5’−二燐酸;ピリミジン塩基の誘導体として、シトシン、シチジン、2’−デオキシシチジン、シチジル5’−一燐酸、シチジル5’−二燐酸などを挙げることができるが、芳香族第三級アミン類としては、これらの化合物に限定されるものではない。
【0030】
芳香族第三級アミン類の存在濃度は特に限定されないが、芳香族第三級アミン類の種類に応じてその好ましい値は異なる。一般には、芳香族第三級アミン類の水に対する飽和濃度からその1/109 までの範囲内、好ましくは飽和濃度からその1/106 までの範囲内であることが好ましい。例えば、ピリジン、ピリミジンおよびイミダゾールの場合であれば約10Mから10ナノM(Mはモル/リットルを意味する)、すなわち100%から1ppbまでの範囲、プリン、2ーアミノピリジン、4ーアミノピリジンおよび4−ジメチルアミノピリジンの場合であれば約1Mから1ナノMの範囲、アデノシン5’−二燐酸やシチジル5’−二燐酸の場合であれば、約100ミリMから100ピコMの範囲、アデニンやグアミンの場合であれば約10ミリMから10ピコMの範囲が好ましい範囲として挙げられる。
【0031】
以下、本発明のアミノ酸重縮合体の製造方法についてさらに詳細に述べる。
例えば、アミノ酸がタンパク質を構成する20種類のアミノ酸の場合、アミノアシル転移リボ核酸合成酵素により、重合前駆体としてアミノアシル転移リボ核酸を合成することができる。この場合、鋳型分子としては、天然の遺伝情報性リボ核酸、または合成リボ核酸が適当で、生細胞内タンパク質合成の際の遺伝情報からタンパク質への変換規則と同様の規則に従って、鋳型分子の指定するアミノ酸配列を有するアミノ酸重縮合体を重合することができる。
【0032】
反応系における溶媒のpHは特に限定されない。しかしpHが5〜11の場合、収率が高くなるので好ましく、さらに好ましくは6〜10がよい。
【0033】
本発明の反応系における溶媒中には、マグネシウムイオン、カリウムイオンまたはアンモニウムイオンなどの適切な陽イオンが存在すると重合効率が向上するので好ましい。陽イオンの濃度は好ましくは50mM(ミリモラーすなわちミリモル/リットル)以上、さらに好ましくは100mM以上がよい。マグネシウムイオンは好ましくは1mM以上、さらに好ましくは5mM以上がよい。さらに亜鉛、鉄、銅、マンガンといった金属イオンが適当量存在することにより、重合効率が上昇する場合もある。
【0034】
反応温度は特に制限されない。あまり低温では反応が遅く、高温すぎると系が失活する。好熱菌のリボソ−ムの全体またはそのサブユニット、または重合反応に必要なリボソーム性リボ核酸の少なくとも1種および/またはリボソーム性タンパク質の少なくとも1種を用いる場合は30〜80℃が好ましく、高度好熱菌の場合は30〜100℃が好ましく、その他の場合は30〜70℃が好ましい。
【0035】
本発明のアミノ酸重縮合体の製造方法において、種々の添加剤を加えることにより、重合効率をさらに上昇できる。これらの添加剤として例えば、スペルミンやスペルミジンなどのポリアミン類、ポリエチレングリコ−ル類、グリセロ−ル類、アルコ−ル類、ヒスチジンを始めとするアミノ酸などを挙げることができる。
【0036】
【実施例】
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1、比較例1
(フェニルアラニンの重合)
14Cで標識されたフェニルアラニン(以下φ* と略すことがある。)を用い、アダプタ−分子として大腸菌由来のフェニルアラニンに特異な転移リボ核酸(以下tRNAと略すことがある。)を使用した場合を説明する。
【0037】
まず、大腸菌(E.coli A19)からアミノアシル転移リボ核酸合成酵素を含む細胞抽出溶液を抽出し、pH=7.5、マグネシウムイオンが5mM、カリウムイオンが10mM、ATPが2mM、φ* が5μCi/ml、1mlのとき260nmの波長で2.5ODの吸光度となる濃度のtRNAを含む反応溶液に、1mlで280nmの波長で3.0ODの吸光度となるようアミノアシル転移リボ核酸合成酵素を含む細胞抽出溶液を添加し、総体積を200μlとした。なお、抽出方法は「生化学実験講座、第7巻、第1章、日本生化学会編、1975年」に記載の方法にしたがった。
これを37℃で5分間反応することにより、重合前駆体としてフェニルアラニル転移リボ核酸(以下φ* −tRNAと略すことがある。)を調製した。その後、酵素を除去し、アミコン社製マイクロコン−10を用いて、反応溶液をpH=4.5の保存溶液10μlに交換した。
【0038】
つぎに、前述のφ* −tRNA保存溶液を25倍に希釈されるようにし、マグネシウムイオンが15mM、カリウムイオンが120mM、鋳型分子であるシグマ社製ポリウリジル酸が0.4mg/ml、そして1mlのとき260nmの波長で16ODの吸光度となる濃度の大腸菌(E.coli 19)由来リボソ−ム全体を含む重合溶液25μlを二種調製した。なお、調製方法は、前記のRibosomes and Protein Synthesis A Practical Approach(G.Spedding、Oxford University Press、1990)に記載の方法にしたがった。
一方は50体積%のピリジンを含む水溶液(実施例1)とし、他方はピリジンを含まない水溶液(比較例1)とした。両者を37℃で60分反応しポリフェニルアラニンを合成した。その後、両者に10μlの水と1μlの1N水酸化カリウムを加え、さらに37℃で60分反応し、未反応のアミノアシル体を加水分解した。
【0039】
そして、反応溶液をメルク社製シリカゲル薄相クロマトプレ−トにスポットし、1−ブタノ−ル/水/酢酸=4/1/1なる展開溶液で展開して、富士フィルム社製イメ−ジングプレ−トに12時間感光後、放射性化合物のRf値(展開溶媒に対する移動率)から生成物を確認した。いずれの例においてもRf=0.35なる未反応のφ* が確認されたが、実施例1のみにRf>0.58なるφ* の重縮合体が確認された。
なお、本重合系の場合、リボソ−ムが存在しない場合、重合反応は進行しなかった。
【0040】
実施例2〜13
(フェニルアラニン重合におけるマグネシウム、カリウムイオンの影響)
実施例1の場合で、重合反応溶液のマグネシウムおよびカリウムイオンの濃度を下表のように変化させて、放射能強度からフェニルアラニンの重縮合体の収率を計算した。
【0041】
【表1】
【0042】
実施例14〜20
(フェニルアラニン重合における重合温度の影響)
実施例1の場合で、重合温度を下表のように変化させて、放射能強度から収率を計算した。
【0043】
【表2】
【0044】
実施例21〜27、比較例2
(三級アミンの濃度)
実施例1の場合で、ピリジンの濃度を下表のように変化させて放射能強度からフェニルアラニンの重縮合体の収率を計算した。
【0045】
【表3】
【0046】
実施例28
(三級アミンの種類)
実施例1において、ピリジンの代わりに三級アミンとしてN,N−ジメチルアニリン、4−ジメチルアミノピリジン、アデニン、アデノシン、アデノシン三リン酸、グアニン、グアノシン、および/またはグアノシン三リン酸などを用いても、ポリフェニルアラニンを合成することができる。
【0047】
実施例29
(rRNAによるフェニルアラニンの重合)
実施例1において、大腸菌由来のリボソ−ム全体の代わりに、フェノールなどを用いてリボソ−ム全体からタンパク質を除くことにより調製したリボソーム性リボ核酸(以下rRNAと略すことがある。)を用いてもポリフェニルアラニンを重合することができる。
【0048】
実施例30、比較例3
(フェニルアラニンの重合の経時変化)
ポリフェニルアラニンの生成量を以下の手順で追跡した。まず、実施例1の6.6倍の反応溶液を調製し、37℃で重合開始後0、5、10、30、60、120分で、それぞれ反応溶液を25μl採取し、ただちに10μlの水と1μlの1N水酸化カリウムを加え反応を停止し、37℃で60分保温することにより、未反応のアミノアシル体を加水分解した(実施例30)。
これを実施例1の場合と同様にして薄相クロマトで展開後、放射能を確認し、オリゴおよびポリフェニルアラニンの収率を計算した。
【0049】
これと別に、実施例1と同様のφ* −tRNA溶液の25倍希釈濃度の溶液であり、pH=7.5のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン−塩化水素系緩衝溶液を50mM、マグネシウムイオンを15mM、カリウムイオンを120mM、ATPを1mM、GTPを0.2mM、エネルギー再生酵素とその原料としてピルビン酸キナーゼとホスホエノールピルビン酸をそれぞれ30μg/ml、5mM、還元剤としてジチオトレイトールを1mM、鋳型分子であるシグマ社製ポリウリジル酸が1mg/ml、1mlのとき260nmの波長で16ODの吸光度となる濃度の大腸菌由来リボソーム全体、そして大腸菌抽出溶液を100KGなる遠心力で4℃4時間遠心した際の上澄みをカラムにより除核酸することによって得られた可溶性タンパク因子を、1mlのとき280nmの波長で5ODの吸光度となる濃度で含む重合溶液165μlを調製した。
これを実施例20と同様に、37℃で重合開始後0、5、10、30、60、120分で、それぞれ反応溶液を25μl採取し、ただちに1μlの1N水酸化カリウムを加え反応を停止し、37℃で60分保温することにより、未反応のアミノアシル体を加水分解した(比較例3)。これを実施例20の場合と同様にして薄相クロマトで展開後、放射能を確認し、オリゴおよびポリフェニルアラニンの収率を計算した。
【0050】
結果を下表に示すが、実施例31の場合、重合開始後2時間経過しても重合が進行しているが、比較例3の場合、重合開始後30〜60分で重合が停止していることがわかる。
従って、長時間の反応を行なえば従来法に比べ、本発明の系の場合、多量のポリフェニルアラニンを合成できる。
【0051】
【表4】
【0052】
実施例31
アミノ酸としてフェニルアラニン(以下Pheと略すことがある。)とリジン(以下Lysと略すことがある。)を用い、鋳型分子として、
【化8】
なるブロック共重合性のリボ核酸を用い、重合触媒として大腸菌や高度好熱菌などから得たリボソームの全体、サブユニットまたはrRNAなどを用い実施例1と同様の手続により
【化9】
なる繰り返し構造単位の配列規則性が制御されたアミノ酸交互共重縮合体を製造することができる。
【0053】
実施例32〜43
(三級アミンの種類と濃度)
マグネシウムイオンおよびカリウムイオンの濃度を200ミリM、反応時間を12時間とし、ピリジンの代わりに下表に示す芳香族第三級アミンを表5〜表8に示す濃度で用いた以外は実施例1に準じて、ポリフェニルアラニンを合成することができた。ピリジン類を表5に、イミダソール類を表6に、プリン塩基類を表7に、ピリミジン塩基類を表8に示す。該ポリフェニルアラニンの収率(%)をそれぞれの表に記す。
【0054】
【表5】
【0055】
【表6】
【0056】
【表7】
【0057】
【表8】
【0058】
実施例44
(rRNAによるフェニルアラニンの重合)
リボソームを0.5%のドデソル硫酸ナトリウム存在下で、1mg/mlのプロテイナーゼKで37℃、1時間処理することにより、リボソーム性タンパク質を消化、除去した。こうして得られたrRNAを用いることにより、実施例1と同様にして、フェニルアラニンを重合することができた。
【0059】
実施例45
(高度好熱菌の利用)
菌体として高度好熱菌(Thermus thermophilus、HB27)を使用し、実施例1と同様にしてフェニルアラニンを重合することができた。
【0060】
実施例46
(リジンの重合)
アミノ酸としてリジンを使用し、実施例1と同様にして大腸菌のリボソームにより、また実施例45と同様にして高度好熱菌のリボソームにより、ポリアデニル酸を鋳型としてリジンを重合することができた。
【0061】
実施例47
(ジヒドロ葉酸還元酵素の合成)
アミノ酸としてタンパク性L−アミノ酸の20種類を使用し、鋳型分子としてジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)のアミノ酸配列を遺伝情報として有する遺伝情報性RNAを用いて実施例1と同様にしてDHFRを合成することができた。
【0062】
実施例48
(リボソーム大サブユニットの利用)
大腸菌より得たリボソームを10〜20%ショ糖密度勾配遠心法により大および小サブユニットに分割した。両サブユニットのうち、アミノ酸重縮合機能を有するのは大サブユニットであり、大サブユニットのみを用いることにより、実施例1と同様にしてフェニルアラニンを重合することができた。
【0063】
【発明の効果】
従来の方法では、重合開始直後は活発に目的タンパク質が生産されるものの、たとえエネルギー供給体を再生しても、30〜60分以内で目的タンパク質の生産が停止した。これに対し、可溶性タンパク因子を必要としない本発明の方法においては、実施例に示した通り、2時間経過後も活発に重合が進行している。
これは、可溶性タンパク因子を用いないため、ヌクレアーゼによる鋳型分子の分解が生じないからと考えられる。このような生体系の抑制反応の発生がおこらない本発明のアミノ酸重縮合体の製造方法は工業的大量生産方法への道を開く、新規で基本的なものであり、工業的価値が大きい。
すなわち、本発明のアミノ酸重縮合体の製造方法は、生細胞の複雑な制御機構、防御機構の影響を受けない、効率的な、多用性、普遍性のあるアミノ酸重縮合体の製造方法である。
さらに、本発明は、医農薬の分野に限らず、エレクトロニクス(バイオセンサ―、バイオチップ、バイオコンピューター)、化学工学(洗剤、繊維、膜)、食品・エネルギ―(合成タンパク質、光合成)、宇宙・航空(有機高機能材料)などの各産業分野に有用であり、工業的価値が大きい。
Claims (4)
- アミノ酸と、生体内に存在している転移リボ核酸または酵素的もしくは有機化学的に合成された転移リボ核酸とを反応させて生成する重合前駆体を、
生体内に存在している遺伝情報性リボ核酸、酵素的もしくは有機化学的に合成された遺伝情報性リボ核酸またはタンパク質の遺伝情報を有するリボ核酸、
並びに芳香環に窒素が含まれる構造を有する芳香族第三級アミン類、
並びにリボソ−ムの全体、リボソームの大サブユニット、および/またはリボソーム全体からタンパク質を除くことにより調整したリボソーム性リボ核酸を用いて重合することを特徴とするアミノ酸重縮合体の製造方法。 - 芳香族第三級アミン類が、下記化1〜化7から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
〔 化1〜化7におけるR、R’、R’’は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子;脂肪族炭化水素基;脂環式炭化水素基;芳香族炭化水素基;水酸基、エーテル基、カルボキシル基、エステル基、リン酸基、リン酸エステル基、カルボニル基、アシル基、アミド基、アルデヒド基、アミノ基から選ばれる。〕 - 芳香族第三級アミン類が、ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、2ーアミノピリジン、4ーアミノピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、イミダゾール、1−メチルイミダゾ−ル、プリン塩基、アデニン、9−メチルアデニン、7−メチルアデニン、アデノシン、2’−デオキシアデノシン、アデノシン5’−一燐酸、アデノシン5’−二燐酸、シトシン、シチジン、2’−デオキシシチジン、シチジル5’−一燐酸、シチジル5’−二燐酸またはピリミジン塩基であることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
- 芳香族第三級アミン類の濃度が、水に対する飽和濃度からその1/109 の濃度までの範囲内であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のアミノ酸重縮合体の製造方法。
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