JP3602334B2 - 出力電流合成回路および並列型インバータ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、並列駆動可能とされた偶数系統のインバータ回路の出力電流を合成する出力電流合成回路、および、この出力電流合成回路を備えた並列型インバータ装置に関する。
【0002】
【背景技術】
従来より、インダクタンス成分を有する誘導電動機や誘導加熱装置等の誘導負荷の出力を容量制御するにあたり、負荷に供給する交流電力の周波数が調節可能となったインバータ装置が利用されている。
インバータ装置は、商用電源から供給される交流電力を、一旦、順変換回路で直流電力に変換し、この直流電力をさらに逆変換回路で交流電力に変換することにより、所望の周波数の交流電力が得られるようにしたものが一般的である。
このようなインバータ装置の最大出力は、主に、逆変換回路に採用される電力制御用のスイッチング素子の容量によって決定される。
このため、スイッチング素子の容量よりも、さらに大きな出力が必要な場合には、特開平9−19149号等に示されるように、複数系統のインバータ回路を並列接続した並列型のインバータ装置が利用されている。
【0003】
図6には、このような並列型インバータ装置の一例が示されている。図において、インバータ装置50は、メインインバータ回路51およびスレーブインバータ回路52の二系統を並列接続したものとなっている。
インバータ回路51,52の各々には、交流電力を直流電力に変換する順変換回路14と、この順変換回路14からの直流電力を交流電力に変換する逆変換回路15とが設けられている。
インバータ回路51,52の各逆変換回路15は、その出力が同期するように位相制御され、出力電圧の低下が防止されている。
また、インバータ回路51,52の各順変換回路14は、能動素子であるサイリスタ16が整流素子として設けられたものであり、ゲートへの制御電圧を加えるタイミングを変える、換言すれば、その制御角を0〜πの範囲で変えることにより、その出力電圧が調節可能となっている。
そして、インバータ回路51,52の各出力端子には、出力電力を負荷に供給する電力供給線であるブスバー(母線)53,54が接続されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような並列型のインバータ装置50では、インバータ回路51,52の各々から負荷までの電力供給線に存在するインダクタンスが、インバータ回路51,52の各々から出力される電流の大きさに影響を与え、各インバータ回路51,52に接続された電力供給線の長さや周囲の環境の相違により、インバータ回路51,52の各出力電流の大きさは相違してしまう。
特に、周波数が100kHzを超えると、電力供給線の長さや周囲の環境の相違が僅かなものであっても、インバータ回路51,52の各出力電流の大きさが相違するので、ブスバー53,54の設計を工夫し、電力供給線のインダクタンスの大きさを均一にしようとしても、一般的に電流バランスを±20%以内とするのが限界であり、電流バランスを確保するのが困難となるという問題がある。
また、二系統のインバータ回路51,52の逆変換回路15に設けられる各回路素子には、直流抵抗分にばらつきがあり、双方の逆変換回路15の電圧降下V1,V2(図3参照)も一致しないので、この点からも、インバータ回路51,52の出力電流についてバランスを確保することが困難であるという問題がある。
特に、電流型のインバータ装置では、逆変換回路15の電圧降下V1,V2が相違すると、負荷との関係で出力電流に大きな差が生じやすいうえ、出力電流に差が生じると、長時間運転等の際に、インバータ回路51,52の負担が著しく相違してくるので、出力電流についてバランスをとることは重要である。
【0005】
本発明の目的は、並列駆動される複数系統のインバータ回路の出力電流を合成するにあたり、各インバータ回路の出力電流のバランスが確保されるようになる出力電流合成回路および並列型インバータ装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1発明は、交流電源から供給される交流電力を順変換回路で直流電力に変換し、この順変換回路からの直流電力を逆変換回路で交流電力に変換するとともに、偶数系統設けられているインバータ回路の出力電流を合成する出力電流合成回路であって、前記偶数系統のインバータ回路が第1の組および第2の組にそれぞれ同数ずつ組分けされ、前記第1の組の一のインバータ回路の出力電流を導通する導線が表側から挿通されるとともに、前記第2の組の一のインバータ回路の出力電流を導通する導線が裏側から挿通されるリング状のコアが備えられ、このコアは、挿通された前記導線内を流れる電流を合成するために磁性体から形成され、かつ、前記第1の組の各インバータ回路の出力電流と、前記第2の組の各インバータ回路の出力電流とを、一つずつ総当たりで合成するのに必要な数だけ設けられ、nを正の整数とすると、前記インバータ回路が2n系統設けられ、前記コアがnの二乗個設けられていることを特徴とする。
【0007】
このような本発明では、リング状に形成された磁性体のコアに一対のインバータ回路の導線を挿通することにより、これらのインバータ回路の出力側が磁気的に結合され、かつ、各インバータ回路の導線のコアへの挿通方向は、互いに逆向方となるため、これらの導線およびコアが差動トランスを形成する。
そして、インバータ回路の各出力電流の大きさが相違する場合には、出力電流が大きい方に導線に対しては、前述の差動トランスが、電流の増大を抑制する抵抗として作用し、出力電流が小さい方に導線に対しては、前述の差動トランスが、電流を増大させる起電力を発生し、これにより、出力電流が均一となり、コアで結合されたインバータ回路同士の電流バランスが確保されるようになる。
ここで、複数系統のインバータ回路は、第1の組および第2の組の二組に組分けされ、各組のインバータ回路は、他の組のインバータ回路のそれぞれとコアで結合されているので、コアで結合されていない同じ組のインバータ回路同士も、他の組のインバータ回路を介して相互に結合され、複数系統のインバータ回路全体の電流バランスが確保されるようになる。
しかも、リング状のコアに導線を挿通するだけの簡単な構成となるので、出力電流合成回路自体の耐久性に何ら問題が生じることがないうえ、電流バランスが自動的に確保されるようになるので、各インバータ回路の負担が均一となり、インバータ装置の耐久性が向上されるとともに、負荷に電力を供給する導線であるブスバーのインダクタンスを厳密に均一にする必要がなくなり、ブスバーの設計が容易となる。
【0008】
以上において、nを正の整数とすると、前記インバータ回路を2n系統設けた場合には、前記コアをnの二乗個設けている。
そのため、最少数のコアで、各組のインバータ回路を他の組のインバータ回路のそれぞれと結合可能となり、出力電流合成回路の簡略化が容易に図れるようになるうえ、コアの数が最少数となることから、その磁気的損失が最低限に抑制されるようになる。
【0009】
また、前記インバータ回路の出力は、高周波といえる周波数の交流電力であることが望ましい。。
このように、周波数が100kHzを超える高周波出力のインバータ回路に適用すれば、コアに挿通された導線が小さなインダクタンスしか備えていない場合でも、周波数が高いので、大きなリアクタンスおよび誘導起電力が得られ、コアの装着のみによって、充分な電流バランス均一作用が得られるようになる。
【0010】
本発明の第2発明は、交流電源から供給される交流電力を順変換回路で直流電力に変換し、この順変換回路からの直流電力を逆変換回路で交流電力に変換するとともに、偶数系統設けられているインバータ回路が並列駆動可能となっている並列型インバータ装置であって、前記複数のインバータ回路が第1の組および第2の組にそれぞれ同数ずつ組分けされ、これらの第1の組および第2の組に設けられた各インバータ回路の出力電流を合成するための出力電流合成回路が設けられ、この出力電流合成回路は、前記第1の組の一のインバータ回路の出力電流を導通する導線が表側から挿通されるとともに、前記第2の組の一のインバータ回路の出力電流を導通する導線が裏側から挿通されるリング状のコアを有し、このコアは、挿通された前記導線内を流れる電流を合成するために磁性体から形成され、かつ、前記第1の組の各インバータ回路の出力電流と、前記第2の組の各インバータ回路の出力電流とを、一つずつ総当たりで合成するのに必要な数だけ設けられ、nを正の整数とすると、前記インバータ回路が2n系統設けられ、前記コアがnの二乗個設けられていることを特徴とする。
【0011】
このような本発明では、前述の出力電流合成回路により、複数系統設けられたインバータ回路同士の電流バランスが自動的に確保されるので、インバータ回路の逆変換回路15に設けられる各回路素子は、直流抵抗分等について、ばらつきが許容されるようになり、製造時における部品管理が容易になるうえ、直流抵抗分等のばらつきがあっても最大限の能力が引き出せるようになるため、各回路素子や各回路を最大限に有効利用することが図れるようになる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本実施形態に係るインバータ装置10が示されている。このインバータ装置10は、三相交流電源から供給される交流電力を、誘導加熱装置の駆動に必要な高周波電力に変換する電流型インバータ装置であり、同一の回路構成を有する四系統のインバータ回路1〜4が並列接続されたものである。
インバータ回路1〜4は、入力側が交流電力である商用電源に接続され、出力側が本発明に基づく出力電流合成回路30を介して負荷である誘導加熱装置に接続されている。
【0013】
インバータ回路1〜4は、三相交流電力を直流電力に変換する順変換回路14と、この順変換回路14からの直流電力を交流電力に変換する逆変換回路15とが設けられている。なお、インバータ回路2〜4の回路構成は、インバータ回路1と同様であるため、図1においては、図示が略されている。
順変換回路14には、制御電極であるゲートを備えた能動的な整流素子であるサイリスタ16と、このサイリスタ16が整流した脈動する直流電力を平滑する平滑素子であるリアクトル17とが設けられている。ここで、リアクトル17としては、そのインダクタンスが比較的大きなものが採用されている。このようなリアクトル17を順変換回路14に設けることにより、インバータ回路1〜4は、出力インピーダンスの大きい電流型インバータ回路となっている。
ここで、インバータ回路1〜4の各サイリスタ16は、動作時には、その出力電圧が所定電圧となるように、かつ、双方の制御角が同一となるように制御されるものとなっている。
【0014】
逆変換回路15には、その両端の電気的接続を開閉するスイッチング素子である二つのIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)18,19と、これらのIGBT18,19を保護するためのダイオード20とが設けられている。
このうち、ダイオード20は、一端が順変換回路14の出力を受ける入力端子に順方向に接続され、他端がIGBT18のコレクタに接続されている。これにより、逆変換回路15は、スイッチング素子部分の耐電圧が向上されている。
IGBT18のエミッタは、もう一つのIGBT19のコレクタに接続され、IGBT19のエミッタは、逆変換回路15の出力端子に接続されている。
これらのIGBT18,19のゲートには、図示しない位相同期ループ回路が送出する制御電圧信号が同時に入力されるようになっている。位相同期ループ回路は、インバータ装置10から出力される交流電力の周波数が負荷の共振周波数となるように制御するものである。
なお、インバータ回路1〜4の各々には、上述した順変換回路14および逆変換回路15の他に、ブレーカ22、メインスイッチ23およびヒューズ24が順変換回路14よりも電源側に接続されている。
【0015】
出力電流合成回路30は、インバータ回路1〜4の各々から出力される電流の大きさに大小がある場合、大きな出力電流の一部を小さな出力電流に合成し、自動的に出力電流のバランスがとれるようにしたものである。
ここで、四系統のインバータ回路1〜4は、インバータ回路1、2が第1の組に設定され、インバータ回路3,4が第2の組に設定されている。
このインバータ回路1〜4の組み合わせに対応して、出力電流合成回路30の一次側には、第1の組用の入力端子3101,3102と、第2の組用の入力端子3201,3202とが設けられている。
そして、入力端子3101は、インバータ回路1の出力電流I1を受け、入力端子3102は、インバータ回路2の出力電流I2を受け、入力端子3201は、インバータ回路3の出力電流I3を受け、入力端子3202は、インバータ回路4の出力電流I4を受けるようになっている。
また、出力電流合成回路30の二次側には、出力電流合成回路30で合成されたインバータ回路1〜4の出力電流を負荷へ送出するための出力端子33が設けられている。
【0016】
このような出力電流合成回路30には、図2に示されるように、第1の組のインバータ回路1,2および第2の組のインバータ回路3,4の出力電流を合成するために、フェライト等の強磁性体からなるリング状のコア3413,3414,3423,3424が備えられている。
コア3413は、第1の組のインバータ回路1の出力電流I1を導通する導線3501が表側から挿通されるとともに、第2の組のインバータ回路3の出力電流I3を導通する導線3503が裏側から挿通されたものである。
コア3414は、第1の組側の導線3501が表側から挿通されるとともに、第2の組のインバータ回路4の出力電流I4を導通する導線3504が裏側から挿通されたものである。
コア3423は、第1の組のインバータ回路2の出力電流I2を導通する導線3502が表側から挿通されるとともに、第2の組側の導線3503が裏側から挿通されたものである。
コア3424は、第1の組側の導線3502が表側から挿通されるとともに、第2の組側の導線3504が裏側から挿通されたものである。
ここで、コア3413,3414,3423,3424の総数は、第1の組のインバータ回路1,2の出力電流I1, I2の各々と、第2の組のインバータ回路3,4の出力電流I3, I4の各々とを、一つずつ総当たりで合成するのに必要な数となっている。
換言すれば、nを正の整数とすると、インバータ回路1〜4が2n系統設けられている場合には、コア3413,3414,3423,3424がnの二乗個設けられており、具体的には、インバータ回路1〜4が四系統の場合には、n=2となり、コア3413,3414,3423,3424は、4個設けられている。
なお、導線3501〜3504は、負荷へ電力を導く母線であるブスバーを形成するものでもある。
【0017】
次に、本実施形態の出力電流合成回路30の作用について説明する。
インバータ回路1〜4からの出力電流I1〜I4の各々は、導線3501〜3504の各々を通って負荷へ導かれる。
この際、出力電流I1〜I4の各々は、導線3501〜3504の各周囲に磁界を発生させるので、リング状に形成された磁性体のコア3413,3414,3423,3424の内部に、第1の組側の導線3501,3502と、第2の組側の導線3503,3504とでペアを組んで挿通すると、相互インダクタンスが形成される。
しかも、第1の組側の導線3501,3502と、第2の組側の導線3503,3504との挿通方向は、図3に示されるように、互いに逆向きであるので、これらの導線3501〜3504およびコア3413,3414,3423,3424の各々によって、四個の差動トランス3613,3614,3623,3624が形成される。
ここで、インバータ回路1〜4の出力電流I1〜I4が均一でない、例えば、インバータ回路1の出力電流I1が他の出力電流I2〜I4よりも大きくなっていると、差動トランス3613,3614の作用により、導線3501に対しては、出力電流I1を抑制する抵抗を発生させるとともに、導線3503,3504の各々に対しては、各出力電流I3, I4を増大させる起電力を発生させる。これにより、出力電流I1,I3,I4の均衡が確保される。
このとき、出力電流I2と出力電流I3, I4の各々との大きさが相違していると、差動トランス3623,3624の各々が、導線3502〜3504の各々に対して作用し、出力電流I2,I3,I4の均衡が確保され、これにより、出力電流I1〜I4が均一となって、その均衡が自動的に確保される。
【0018】
前述のような本実施形態によれば、次のような効果がある。
すなわち、リング状に形成された磁性体のコア3413,3414,3423,3424に、第1の組のインバータ回路1,2の導線3501,3502を表側から挿通するとともに、第2の組のインバータ回路3,4の導線3503,3504を裏側から挿通することにより、差動トランス3613,3614,3623,3624を形成したので、各出力電流I1〜I4の大きさが相違する場合には、差動トランス3613,3614,3623,3624の各々が、導線3501〜3504のうち電流値が大きいものに対しては、電流を抑える抵抗を発生させ、電流値が小さいものに対しては、電流を増大させる起電力を発生させるようになり、出力電流I1〜I4が均一となり、インバータ回路1〜4の電流バランスを確保することができる。
【0019】
また、リング状のコア3413,3414,3423,3424に導線3501〜3504を挿通するだけの簡単な構成としたので、出力電流合成回路30自体の耐久性を確保することができるうえ、電流バランスが自動的に確保されるようになることから、各インバータ回路1〜4の負担が均一となり、インバータ装置10の耐久性を向上させることができるとともに、負荷に電力を供給する導線3501〜3504からなるブスバーのインダクタンスを厳密に均一にする必要がなくなり、ブスバーの設計を容易に行うことができる。
【0020】
さらに、四系統のインバータ回路1〜4に対し、四個のコア3413,3414,3423,3424を設けたので、最少数のコア3413,3414,3423,3424で、第1の組のインバータ回路1,2を第2の組のインバータ回路3,4のそれぞれと結合可能となり、出力電流合成回路30の簡略化を容易に図ることができるうえ、コア3413,3414,3423,3424の数が最少数となることから、その磁気的損失を最低限に抑制することができる。
【0021】
また、インバータ回路1〜4の出力を、高周波といえる周波数の交流電力としたので、コア3413,3414,3423,3424に挿通された導線3501〜3504が小さなインダクタンスしか備えていない場合でも、大きなリアクタンスおよび誘導起電力が得られ、コア3413,3414,3423,3424の装着のみによって、充分な電流バランス均一作用を得ることができる。
【0022】
さらに、出力電流合成回路30により、四系統設けられたインバータ回路1〜4の電流バランスが自動的に確保されるようにしたので、インバータ回路1〜4の各逆変換回路15に設けられる各回路素子は、直流抵抗分等の特性について、ばらつきが許容されるようになり、製造時における部品管理を容易とできるうえ、特性にばらつきがあっても、最大限の能力が引き出せるようになるため、インバータ回路1〜4を構成する各回路素子および各回路を最大限に有効利用することができる。
【0023】
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は、この実施形態に限られるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の改良並びに設計の変更が可能である。
すなわち、インバータ装置に設けられるインバータ回路は、四系統に限らず、二系統あるいは六系統以上でもよく、要するに、インバータ回路の数は、偶数であればよい。
ここで、インバータ回路を二系統設ける場合には、図4に示されるように、コア34が一個設けられた出力電流合成回路30A を採用すればよく、また、インバータ回路を6系統設ける場合には、図5に示されるように、コア34が9個設けられた出力電流合成回路30B を採用すればよく、要するに、nを正の整数とすると、インバータ回路の系統数が2nの場合には、コアをnの二乗個設けた電流合成回路を採用することができる。
【0024】
【発明の効果】
前述のように、本発明によれば、並列駆動される複数系統のインバータ回路の出力電流を合成するにあたり、各インバータ回路の出力電流のバランスを確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る並列型インバータ装置を示す単結線図である。
【図2】前記実施形態の出力電流合成回路を示す回路図である。
【図3】図2の出力電流合成回路の等価回路を示す回路図である。
【図4】本発明の変形例を示す回路図である。
【図5】本発明の別の変形例を示す回路図である。
【図6】従来例を示す単結線図である。
【符号の説明】
10 並列型インバータ装置
1〜4 インバータ回路
14 順変換回路
15 逆変換回路
30,30A, 30B 出力電流合成回路
3501〜3504 導線
34,3413,3414,3423,3424 コア
Claims (3)
- 交流電源から供給される交流電力を順変換回路で直流電力に変換し、この順変換回路からの直流電力を逆変換回路で交流電力に変換するとともに、偶数系統設けられているインバータ回路の出力電流を合成する出力電流合成回路であって、
前記偶数系統のインバータ回路が第1の組および第2の組にそれぞれ同数ずつ組分けされ、
前記第1の組の一のインバータ回路の出力電流を導通する導線が表側から挿通されるとともに、前記第2の組の一のインバータ回路の出力電流を導通する導線が裏側から挿通されるリング状のコアが備えられ、
このコアは、挿通された前記導線内を流れる電流を合成するために磁性体から形成され、かつ、前記第1の組の各インバータ回路の出力電流と、前記第2の組の各インバータ回路の出力電流とを、一つずつ総当たりで合成するのに必要な数だけ設けられ、
nを正の整数とすると、前記インバータ回路が2n系統設けられ、前記コアがnの二乗個設けられていることを特徴とする出力電流合成回路。 - 請求項1に記載の出力電流合成回路において、前記インバータ回路の出力は、高周波といえる周波数の交流電力であることを特徴とする出力電流合成回路。
- 交流電源から供給される交流電力を順変換回路で直流電力に変換し、この順変換回路からの直流電力を逆変換回路で交流電力に変換するとともに、偶数系統設けられているインバータ回路が並列駆動可能となっている並列型インバータ装置であって、
前記複数のインバータ回路が第1の組および第2の組にそれぞれ同数ずつ組分けされ、
これらの第1の組および第2の組に設けられた各インバータ回路の出力電流を合成するための出力電流合成回路が設けられ、
この出力電流合成回路は、前記第1の組の一のインバータ回路の出力電流を導通する導線が表側から挿通されるとともに、前記第2の組の一のインバータ回路の出力電流を導通する導線が裏側から挿通されるリング状のコアを有し、
このコアは、挿通された前記導線内を流れる電流を合成するために磁性体から形成され、かつ、前記第1の組の各インバータ回路の出力電流と、前記第2の組の各インバータ回路の出力電流とを、一つずつ総当たりで合成するのに必要な数だけ設けられ、
nを正の整数とすると、前記インバータ回路が2n系統設けられ、前記コアがnの二乗個設けられていることを特徴とする並列型インバータ装置。
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