JP3602168B2 - 液体中の粒子の分散液を粒子の増加した分流と粒子の減少した分流に分離する方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、液体中の粒子の分散流を、粒子が増加した分流と粒子が減少した分流とに連続的に分離する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
このような課題を解決するための装置及び手段はいろいろ知られている。これらの中には、例えば、重力又は遠心力下の沈降、各種ろ過、例えば電場又は磁場を用いた、浮撰及び特異的分離がある。特に、以下に示す公知の連続的流体分離法について言及する。
ハイドロサイクロンに於いては、分離は遠心力に基づいて起こる。これは、分散液の管内への接線方向流入によって発生する乱流によって生じる。粒子が減少した液体は管の中央から引き抜かれ、管本体の粒子が増加した分散液は付加された軸流を介して除去される。その分離原理故に、ハイドロサイクロンは密度が液体のそれと実質的に異なる粒子だけに適用される。数g/cm3 の密度差であっても、適度な分離効果は粒径が約5ミクロンより大きい場合のみに得られる。
交差流ろ過においては,分散液は例えば多孔性の壁を有するパイプを通って流れる。過度の圧力により,液体が例えば隔膜のような多孔性の壁を通じて同時に加圧される。もし粒子が,その多孔性の壁により留まったなら,浸透液は清浄になる。交差流はパイプの内壁上にフィルターケーキを形成するのを妨げるか,もしくは制限し,その結果,粒子の増加した分散液が中心の流れと共に運び去られる。隔膜の孔が分散液の粒子より小さいことが,交差流ろ過にとっては必須である。どんな小さな粒子も実質的に通さない,非常に小さな孔を有する隔膜は有用である。しかしながら,その孔がより小さくなると,通過流の抵抗と阻止による危険性が急激に増すというのが欠点である。特に変形した粒子は隔膜で阻止され,事実上液体に不浸透性で,交差流によってさえ完全には除去できないフィルターケーキの濃厚な層を形成する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は,可能な限り簡単な方法にし,沈降分離法が使えない僅かな粒子密度の差の場合およびケーキ又は交差流ろ過法の使えない小さな変形粒子の場合の両方において,良い結果,即ち適度なスループットで高度の粒子分離をもたらす懸濁液の濃縮の為の装置を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明により,この目的は,濃縮されるべき懸濁液を供給流として狭い管又はキャピラリーを通じて流し、分流を該管及び/又はキャピラリーの周囲の壁から該管及び/又はキャピラリーの壁に於ける開口を通じて引き抜き、該開口の断面積が平均粒子断面積(メジアン値)より大きく、該粒子の濃度が該供給流と比較して、該主流に於いては増大し、該分流に於いては希釈されていることにおいて達成される。狭い管とは,円形(キャピラリー)や矩形の断面を含むいろんな断面を有する管として理解されるべきである。この場合,「狭い」管や「狭い」キャピラリーとは,0.5μm乃至10mm,好ましくは10μm乃至10mmのギャップ幅又は直径を有する管又はキャピラリーを意図している。
【0005】
【作用】
本発明は遠心力の原理やろ過のそれに依らない新しい効果を用いている。むしろ,その効果は壁に近接したところで減少している,流れの中の粒子の濃縮を基にしている。この理由のため,本発明による方法は「流れ濃縮」,本発明による分離要素は「流れ濃縮器」と呼ばれる。特に好ましい場合として,粒子の濃縮だけでなく完全な分離も実現され得る。
好ましくは,壁に近い分流が主流に対して方向成分,好ましくは120°乃至150°の範囲の偏向角で引き抜かれる。
さらに,この方法は,乱流が主流においては勝り,層流が分流においては勝るように適切に行われる。
好ましい実施例に於いては,同一の軸高にある開口からの分流が,主流の2%乃至10%,好ましくは4%乃至7%になるように,流量が設定される。
分流が流れの方向からみてカスケードの形態で連続的に引き抜かれるとき,特に高度の分離が達成され得る。
その方法は,好ましくは,全ての分流の合計が供給流の99%までであるように行われる。
その方法はまた,好ましくは異なる大きさの粒子を分別するのに使用され得る。この目的の為,異なる粒子濃度および異なる粒径分布を有する分流を得るために、異なる軸高から引き抜かれるこれらの分流が別々に放出される。
【0006】
本発明による方法の更なる改良は,分散液の得られる化学反応の過程の中に流れ濃縮器が統合され,その粒子と液体が進行中の化学反応の過程において互いに分離させられることである。
本発明による流れ濃縮を行うのに適した装置は,その中を主流が通るパイプを含み,その外囲上には管径の10%乃至90%,特に好ましくは40%乃至70%の直径の,いくつかの,好ましくは3乃至6個の穴が同一の軸高において一様に分布して配置されている。
あるいは,本発明による装置は矩形の断面を有する平坦な管を含んだものも使用でき,この管には主流が伝えられ,同一の軸高の反対側の壁には管幅の5%乃至50%,好ましくは10%乃至30%のギャップ幅を有する二つのギャップを有する。
粒子が減少した分流を引き抜くための穴又はギャップの内側の幅寸法は、供給流の粒径分布のメジアン値の1乃至10倍、好ましくは2乃至5倍になるようにする。
有利には,数個、好ましくは20乃至40個のこのような穴および/又はギャップが、流れの方向に対してカスケードの形態で互いの後ろに接続されている。同一の軸高を有する前記開口の合計断面積が管及び/又はキャピラリーの断面積の0. 5乃至4倍、好ましくは1乃至2倍になるように,適当に流れ濃縮器の大きさを設定する。
【0007】
【実施例】
本発明は,以下において実施例および図により詳細に述べられるであろう。
流れ濃縮器の分離原理は,狭い管を流れる懸濁流からの,壁に近接した粒子の無い領域の放出に基づいている。管には平坦な境界の表面を有するギャップ,又は図1に示されるような円形の断面を有するキャピラリーが使用できる。この場合,分離ステージはキャピラリー1に135°の角度で取り付けられ,外囲にわたり一様に分布する4つの分離パイプ2を含んでいる。理想的には,分離パイプ2はキャピラリーの環状のギャップと接続する漏斗の形をした分離管に置き換えられる。
その分離効果は,キャピラリー1を通って運ばれる供給流に比べて,キャピラリー1を通って流れる主流の粒子濃度は高められ,分離パイプ2を通って引き抜かれる分流でのそれは希釈されるという事実に基づいている。
【0008】
図1に示されているように,境界付近の流線3が真っ直ぐに流れている中心の流れを横方向に引き抜かれた境界層流から分離する。純粋に幾何学的な阻止効果により,半径が境界層の厚さXT =1/2(D−Dk )を越えた粒子4が放出された液体に移動する可能性が無くなる。このことは,流れの力により中心の流れの中にあり続ける変形した粒子にも適用される。
境界層の厚さより小さな半径を有する,より小さな粒子はもはや完全に保持されることはなく,境界層の半径に対する粒子の半径の比が減少するに従い減少していく比のみとなる。
図1と図2に示されるような一つの分離ステージのものでは,ただ一つの制限された液体分離度とそれから導かれる制限された濃縮ファクターが得られる。例えば,直径D=1mmで外囲上に135°の角度で配置された直径0.6mmの穴を有する4つの分離パイプ2の設計の場合,希釈された液体と濃縮された液体の開口から自由に流出させると,基本の液体分離度λとして5%乃至6%が得られる。0.6mm径の4つの開口を有するとすると,その全断面積は1mm径のキャピラリーの断面積の1.44倍になる。基本の液体分離度は,壁に近接し粒子の減少した液体の流出量ΔV(ドット)の流入量V(ドット)に対する比として次のように定義される。
【数1】
【0009】
流入量V(ドット)はポンプにより設定される。基本の液体分離度λはもちろんその希釈された液体側および/又は濃縮側の流出量を絞ることにより減じたり増やしたり出来る。
基本の濃縮ファクターκは,流入における粒子濃度Cに対する濃縮された流出における粒子濃度C+ΔCの比として次のように定義される。
【数2】
技術的な仕事にとっては,完全分離における5%乃至6%の基本の液体分離度とそれによる約1.05乃至1.06の基本の濃縮ファクターが,常に適当とは限らない。それが,図3に従い,いくつかの濃縮ステージ5が技術的用途の為カスケード形態で背後に互いに接続されている理由である。
n個の分離ステージを含む流れ濃縮器は,スループットVA と粒子濃度CA の供給懸濁流6を濃縮流7と液体8(理想的には粒子の無い)に分離する。nステージの流れ濃縮器の機能は,基本の濃縮ファクターのn次のべきとして得られる濃縮ファクターK=CK /CA ,および基本の液体分離度に対する補数のべきから得られる濃縮比および/又は液体分離度により示される。
【0010】
全体として濃縮ファクターは,
【数3】
濃縮比は,
【数4】
液体分離度は,
【数5】
で与えられる。
【0011】
n個の分離ステージ5n を有する流れ濃縮器は,流れの方向のn個の連続した穴系により実現される。例えば,パイプ径Dが1から2mmの間で変えられて,75要素までの設計が実験されている。例えば,100から500毎時リットルのスループットが,10バールの圧力で達成されている。各分離ステージ5n で引き抜かれた分流は,収集シャフト9と流出口10を通って放出される。
実質的により高いスループットは平坦な管ギャップの設計で達成されうる。このことは,より大きいパイプ径Dの回転対称な設計にも適用される。一方,特に基本の液体分離度に対して,粒子径限界XT はパイプ径Dに対して特定の比になっている。それより小さい比X/Dでは,完全な分離はもはや保証されえない。
【0012】
図4は粒子透過比を示し,これは供給流の濃度CA に対する放出液の濃度CL の比として,関連する粒子径X/Dの関数として,定義されている。104 から105 の間のレイノルズ数の乱流として計算されたその曲線は,基本の液体分離度λが2%から30%までの間の理想的なリング状放出に適合する。例えば基本の分離度が5%だと,パイプ径Dの3%の分離粒径が,阻止効果より理論的に得られる。もし分離粒径がそれにとどかなければ,粒子透過比は急激に大きくなる。a,b,cで記された曲線は,4つの分離パイプを通して理想的ではない放出の仮定のもと計算された値によっている。球形粒子を用いた対応する実験結果を示すその図において,実際の粒子径分布のメジアン値がX/Dの定義に含まれていた。分布の微粉(fines)量により計算値より平坦な曲線が得られる。
希釈された液体側および濃縮側からの自由な流出にすると,流れ濃縮器の基本の液体分離度λの実験された設計値は約5%乃至6%である。λは濃縮側を絞れば増せる。
【0013】
前記絞りをしない流れ濃縮器の操作のために,図5で分離ステージの数nの関数として,全濃縮ファクターおよび/又は全液体分離度を示す。粒子は球形である。それらの密度は液体の密度に等しい。実験された二つの粒子径分布のメジアン値X50.3は155μmと190μmである。n=25ステージの場合,液体分離度75%が達成され,50及び75ステージの場合,液体分離度95%及び99%がすでに達成されている。
図6は粒子と同一な密度の液体中の球形粒子を用いて前記と同一の実験で達成された濃縮ファクターKを示す。ファクター30の濃縮がn=75要素で達成されている。そこに示された例では,粒子体積濃度が0.5%から15%まで増加している。供給流濃度を変えた体系的な実験により,濃縮ファクターと分離度は最終の体積濃度30%までは濃度に依存しないことが示されている。この制限は高濃度の懸濁液の制限された流動性のみにより決められている。
しかしながら,高い液体分離度とそれに対応する低い濃縮比の場合,主流の低い流量と乱流から層流への移行により,粒子分離度Γは減じる。実質的には完全な粒子分離はn=25要素と濃縮ファクター約4で,なお保証されている。もし実質的に完全な粒子分離がより高い濃縮ファクターでも要求されるなら,例えば各ステージのそのファクターが4である幾つかのステージによる濃縮が適している。
【0014】
本発明による流れ濃縮器は,このように,沈降分離法が使えない微小な密度差の場合やケーキ又は交差流ろ過法が使えない変形した粒子の場合に適用できる,懸濁液を濃縮する簡単なシステムを実現する。
この流れ濃縮器は,粒子が変形していたり,密度が液体と異なっていたりしてさえ,粒子濃縮の問題を解決する。達成されうる最終的な濃度は,懸濁液の流動性の限界にのみ制限される。達成されうる体積濃度は,それ故,物質系に依存して60%までとり得る。供給流の濃度は,好ましくは0.1乃至10%の範囲である。
単一ステージ濃縮で十分であるが,粒子分離度に関する要求に応じて,マルチステージ濃縮が要求される。マルチステージ法を用いれば,放出される液体中の粒子体積濃度0.1%以下が,この流れ濃縮器を使って達成されうる。
例として報告されている実験結果は,本発明による流れ濃縮器のいくつかの特別な具体例に基づき決められた。
【0015】
主流管の大きさは分散液のうち最大の粒子の直径を明確に越えなければならない。液体放出管の大きさは,カスケード形態で互いに背後で接続されている要素の数と同様に,分離作業量と液体流出口での許される粒子量と分散液の粒子径分布の微粉(fines)量により決められた分配比に適合されるべきである。報告されている実験および理論による結果は,このことに有効である。
約20μm乃至約10mmの主管の大きさが,例えば,マイクロゲルの粒子又は巨視的なゲル粒子を約10μm乃至約1mmの粒子径のポリマー溶液から分離するという用途においては問題になってくる。
10μmより小さい大きさの主管は,例えば約1μm径のバクテリアのような微生物を分離するバイオテクノロジーの用途に適している。1μmより小さい大きさの主管は,機械的な細胞破砕後での細胞の断片の分離に使用できる。現在のマイクロ構造の製造技術による方法による,この種の微細構造の流れ濃縮器の製造に対する要求は今日でも存在し,それが技術的な応用にも用いられる。
より高い密度の粒子の場合,分離における付加的な慣性効果を用いることが出来るように,放出管のパイプ軸に対する角度は可能なかぎり鈍角にすべきである。この場合,その角度は少なくとも90°にはすべきである。170°を越える角度は,構造および製造技術上問題がある。
【0016】
図1に概略したように,液体放出管はパイプもしくは他の形の管に穴の形態で組み込まれえる。
しかしながら,ギャップが例えばスペーサによって作られる一組の環状の要素でも,そのシステムを構成できる。
さらに,マルチステージ流れ濃縮器の主流管の直径もしくは管幅は一定である必要はない。例えば,管の断面積は液体が既に引き抜かれた下流では減じられえる。平均の流量はこの処置の為一定のままである。図3のマルチステージ流れ濃縮器に示すように,nステージ全ての液体流が結合される必要はない。むしろ,いくつかの,最大でもn個の要素が,液体取り外しラインを分離するために接続されえる。このことの結果,異なる粒子量の分離された液体小流は,必要なら再び結合はされない。分離された液体取り外しラインと共に放出された粒子画分は,平均粒子径が異なるので,この具体化において流れ濃縮器は分別にも適している。
【0017】
流れ濃縮器の用途で重要な例は,マイクロゲル粒子のポリマー溶液および溶解物からの分離である。例えば光学的な非一様性や回転過程で裂かれたファイバーのような破壊のため,そのようなマイクロゲル粒子は深刻な質の損失を引き起こす。その他のことがらの間では,取り巻く液体との低い密度差やこれらの粒子の変形性を通じて,マイクロゲルの分離に伴う問題がもちあがってくる。
同様な要求−低い密度差や変形−が,バイオテクノロジーの様々な仕事にも存在する。流れ濃縮器はバクテリアや酵母やカビのような微生物の濃縮に適する。原理上,もし現在のマイクロ構造技術を用いた方法が,マイクロメータのオーダーの大きさの直径および/又は幅の管を作るために使用されると,細胞断片も濃縮されえる。
この流れ濃縮器は,エマルジョン(水中油もしくは油中水のエマルジョン)の濃縮や水性二相系の分離にも適している。
この流れ濃縮器は,化学もしくは物理反応過程後の連続的な分離工程として適するだけでなく,反応過程の中にも特に容易に統合されえる。このことは,例えば,もし望まれない生成物をさらに製造する反応をし得る所望の反応生成物がこの過程から放出されるとき,反応がより選択的に実行され得ることを意味している。
【0018】
本発明は以下の態様を含むものである。
1.液体中の懸濁粒子の濃縮方法であって、懸濁液を供給流として狭い管又はキャピラリーを通じて流し、分流を該管及び/又はキャピラリーの周囲の壁から該管及び/又はキャピラリーの壁に於ける開口を通じて引き抜き、該開口の断面積が平均粒子断面積(メジアン値)より大きく、該粒子の濃度が該供給流と比較して、該主流に於いては増大し、該分流に於いては希釈されている、ことを特徴とする前記方法。
2.前記壁に近い分流が前記主流に対して方向成分、好ましくは120°乃至150°の範囲の偏向角で引き抜かれることを特徴とする前記1の方法。
3.乱流状態が前記主流に於いて勝っていることを特徴とする前記1又2の方法。
4.層流状態が前記分流に存在することを特徴とする前記1乃至3のいずれか一つの方法。
5.同一の軸高を有する前記開口からの分流が前記主流の2%乃至10%、好ましくは4%乃至7%であることを特徴とする前記1乃至4のいずれか一つの方法。
6.前記分流が流れの方向に対してカスケードの形態で連続的に引き抜かれることを特徴とする前記1乃至5のいずれか一つの方法。
【0019】
7.異なる粒子濃度および異なる粒径分布を有する分流を得るために、異なる軸高から引き抜かれる前記分流が別々に放出されることを特徴とする前記6の方法。
8.全ての分流の合計が前記供給流の99%までであることを特徴とする前記6又は7の方法。
9.粒子と液体とが進行中の化学反応の過程で互いに分離されることを特徴とする前記1乃至8のいずれか一つの方法。
10.前記1乃至5のいずれか一つの方法を実施するための装置であって、主流が伝えられるパイプの外囲上に、該パイプ直径の10%乃至90%の範囲、好ましくは40%乃至70%の範囲の直径を有する数個、好ましくは3乃至6個の穴が同一の軸高において配置されていることを特徴とする、前記装置。
11.前記1乃至5のいずれか一つの方法を実施するための装置であって、管幅の5%乃至50%の範囲、好ましくは10%乃至30%の範囲のギャップ幅を有する二つのギャップが、主流が伝えられる矩形断面の平坦な管の反対側の壁に同一の軸高で配置されていることを特徴とする、前記装置。
【0020】
12.前記1乃至5のいずれか一つの方法を実施するための装置であって、粒子が減少した分流を引き抜くための穴又はギャップの寸法が、供給流の粒径分布のメジアン値の1乃至10倍、好ましくは2乃至5倍であることを特徴とする、前記装置。
13.前記6乃至8のいずれか一つの方法を実施するための、前記10乃至12のいずれか一つ装置であって、数個、好ましくは20乃至40個のこのような穴および/又はギャップが、流れの方向に対してカスケードの形態で互いの後ろに配置されていることを特徴とする、前記装置。
14.前記10乃至12のいずれか一つ装置であって、同一の軸高を有する前記開口の合計断面積が管及び/又はキャピラリーの断面積の0. 5乃至4倍、好ましくは1乃至2倍であることを特徴とする、前記装置。
【図面の簡単な説明】
【図1】オペレーションの物理的形態を示す流れ矢と共に濃縮器ステージを示す。
【図2】図1による濃縮器ステージの断面を示す。
【図3】カスケードの形態で互いの後ろに接続されたいくつかの濃縮ステージを有する流れ濃縮器を示す。
【図4】標準化された粒径の関数として,粒子の透過比を実験的に決められたものと,理論的に計算された曲線と共に示す。
【図5】マルチステージの流れ濃縮器における全濃縮比を濃縮ステージの数の関数として示す。
【図6】同一密度の液体中の球形粒子を用いた実験による濃縮ファクターおよび/又は粒子分離度をステージの数の関数として示す。
【符号の説明】
1 キャピラリー
2 分離パイプ
3 流線
4 粒子
5 分離ステージ
6 供給懸濁流
7 濃縮流
8 希釈された液体
9 収集シャフト
10 流出口
【産業上の利用分野】
本発明は、液体中の粒子の分散流を、粒子が増加した分流と粒子が減少した分流とに連続的に分離する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
このような課題を解決するための装置及び手段はいろいろ知られている。これらの中には、例えば、重力又は遠心力下の沈降、各種ろ過、例えば電場又は磁場を用いた、浮撰及び特異的分離がある。特に、以下に示す公知の連続的流体分離法について言及する。
ハイドロサイクロンに於いては、分離は遠心力に基づいて起こる。これは、分散液の管内への接線方向流入によって発生する乱流によって生じる。粒子が減少した液体は管の中央から引き抜かれ、管本体の粒子が増加した分散液は付加された軸流を介して除去される。その分離原理故に、ハイドロサイクロンは密度が液体のそれと実質的に異なる粒子だけに適用される。数g/cm3 の密度差であっても、適度な分離効果は粒径が約5ミクロンより大きい場合のみに得られる。
交差流ろ過においては,分散液は例えば多孔性の壁を有するパイプを通って流れる。過度の圧力により,液体が例えば隔膜のような多孔性の壁を通じて同時に加圧される。もし粒子が,その多孔性の壁により留まったなら,浸透液は清浄になる。交差流はパイプの内壁上にフィルターケーキを形成するのを妨げるか,もしくは制限し,その結果,粒子の増加した分散液が中心の流れと共に運び去られる。隔膜の孔が分散液の粒子より小さいことが,交差流ろ過にとっては必須である。どんな小さな粒子も実質的に通さない,非常に小さな孔を有する隔膜は有用である。しかしながら,その孔がより小さくなると,通過流の抵抗と阻止による危険性が急激に増すというのが欠点である。特に変形した粒子は隔膜で阻止され,事実上液体に不浸透性で,交差流によってさえ完全には除去できないフィルターケーキの濃厚な層を形成する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は,可能な限り簡単な方法にし,沈降分離法が使えない僅かな粒子密度の差の場合およびケーキ又は交差流ろ過法の使えない小さな変形粒子の場合の両方において,良い結果,即ち適度なスループットで高度の粒子分離をもたらす懸濁液の濃縮の為の装置を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明により,この目的は,濃縮されるべき懸濁液を供給流として狭い管又はキャピラリーを通じて流し、分流を該管及び/又はキャピラリーの周囲の壁から該管及び/又はキャピラリーの壁に於ける開口を通じて引き抜き、該開口の断面積が平均粒子断面積(メジアン値)より大きく、該粒子の濃度が該供給流と比較して、該主流に於いては増大し、該分流に於いては希釈されていることにおいて達成される。狭い管とは,円形(キャピラリー)や矩形の断面を含むいろんな断面を有する管として理解されるべきである。この場合,「狭い」管や「狭い」キャピラリーとは,0.5μm乃至10mm,好ましくは10μm乃至10mmのギャップ幅又は直径を有する管又はキャピラリーを意図している。
【0005】
【作用】
本発明は遠心力の原理やろ過のそれに依らない新しい効果を用いている。むしろ,その効果は壁に近接したところで減少している,流れの中の粒子の濃縮を基にしている。この理由のため,本発明による方法は「流れ濃縮」,本発明による分離要素は「流れ濃縮器」と呼ばれる。特に好ましい場合として,粒子の濃縮だけでなく完全な分離も実現され得る。
好ましくは,壁に近い分流が主流に対して方向成分,好ましくは120°乃至150°の範囲の偏向角で引き抜かれる。
さらに,この方法は,乱流が主流においては勝り,層流が分流においては勝るように適切に行われる。
好ましい実施例に於いては,同一の軸高にある開口からの分流が,主流の2%乃至10%,好ましくは4%乃至7%になるように,流量が設定される。
分流が流れの方向からみてカスケードの形態で連続的に引き抜かれるとき,特に高度の分離が達成され得る。
その方法は,好ましくは,全ての分流の合計が供給流の99%までであるように行われる。
その方法はまた,好ましくは異なる大きさの粒子を分別するのに使用され得る。この目的の為,異なる粒子濃度および異なる粒径分布を有する分流を得るために、異なる軸高から引き抜かれるこれらの分流が別々に放出される。
【0006】
本発明による方法の更なる改良は,分散液の得られる化学反応の過程の中に流れ濃縮器が統合され,その粒子と液体が進行中の化学反応の過程において互いに分離させられることである。
本発明による流れ濃縮を行うのに適した装置は,その中を主流が通るパイプを含み,その外囲上には管径の10%乃至90%,特に好ましくは40%乃至70%の直径の,いくつかの,好ましくは3乃至6個の穴が同一の軸高において一様に分布して配置されている。
あるいは,本発明による装置は矩形の断面を有する平坦な管を含んだものも使用でき,この管には主流が伝えられ,同一の軸高の反対側の壁には管幅の5%乃至50%,好ましくは10%乃至30%のギャップ幅を有する二つのギャップを有する。
粒子が減少した分流を引き抜くための穴又はギャップの内側の幅寸法は、供給流の粒径分布のメジアン値の1乃至10倍、好ましくは2乃至5倍になるようにする。
有利には,数個、好ましくは20乃至40個のこのような穴および/又はギャップが、流れの方向に対してカスケードの形態で互いの後ろに接続されている。同一の軸高を有する前記開口の合計断面積が管及び/又はキャピラリーの断面積の0. 5乃至4倍、好ましくは1乃至2倍になるように,適当に流れ濃縮器の大きさを設定する。
【0007】
【実施例】
本発明は,以下において実施例および図により詳細に述べられるであろう。
流れ濃縮器の分離原理は,狭い管を流れる懸濁流からの,壁に近接した粒子の無い領域の放出に基づいている。管には平坦な境界の表面を有するギャップ,又は図1に示されるような円形の断面を有するキャピラリーが使用できる。この場合,分離ステージはキャピラリー1に135°の角度で取り付けられ,外囲にわたり一様に分布する4つの分離パイプ2を含んでいる。理想的には,分離パイプ2はキャピラリーの環状のギャップと接続する漏斗の形をした分離管に置き換えられる。
その分離効果は,キャピラリー1を通って運ばれる供給流に比べて,キャピラリー1を通って流れる主流の粒子濃度は高められ,分離パイプ2を通って引き抜かれる分流でのそれは希釈されるという事実に基づいている。
【0008】
図1に示されているように,境界付近の流線3が真っ直ぐに流れている中心の流れを横方向に引き抜かれた境界層流から分離する。純粋に幾何学的な阻止効果により,半径が境界層の厚さXT =1/2(D−Dk )を越えた粒子4が放出された液体に移動する可能性が無くなる。このことは,流れの力により中心の流れの中にあり続ける変形した粒子にも適用される。
境界層の厚さより小さな半径を有する,より小さな粒子はもはや完全に保持されることはなく,境界層の半径に対する粒子の半径の比が減少するに従い減少していく比のみとなる。
図1と図2に示されるような一つの分離ステージのものでは,ただ一つの制限された液体分離度とそれから導かれる制限された濃縮ファクターが得られる。例えば,直径D=1mmで外囲上に135°の角度で配置された直径0.6mmの穴を有する4つの分離パイプ2の設計の場合,希釈された液体と濃縮された液体の開口から自由に流出させると,基本の液体分離度λとして5%乃至6%が得られる。0.6mm径の4つの開口を有するとすると,その全断面積は1mm径のキャピラリーの断面積の1.44倍になる。基本の液体分離度は,壁に近接し粒子の減少した液体の流出量ΔV(ドット)の流入量V(ドット)に対する比として次のように定義される。
【数1】
【0009】
流入量V(ドット)はポンプにより設定される。基本の液体分離度λはもちろんその希釈された液体側および/又は濃縮側の流出量を絞ることにより減じたり増やしたり出来る。
基本の濃縮ファクターκは,流入における粒子濃度Cに対する濃縮された流出における粒子濃度C+ΔCの比として次のように定義される。
【数2】
技術的な仕事にとっては,完全分離における5%乃至6%の基本の液体分離度とそれによる約1.05乃至1.06の基本の濃縮ファクターが,常に適当とは限らない。それが,図3に従い,いくつかの濃縮ステージ5が技術的用途の為カスケード形態で背後に互いに接続されている理由である。
n個の分離ステージを含む流れ濃縮器は,スループットVA と粒子濃度CA の供給懸濁流6を濃縮流7と液体8(理想的には粒子の無い)に分離する。nステージの流れ濃縮器の機能は,基本の濃縮ファクターのn次のべきとして得られる濃縮ファクターK=CK /CA ,および基本の液体分離度に対する補数のべきから得られる濃縮比および/又は液体分離度により示される。
【0010】
全体として濃縮ファクターは,
【数3】
濃縮比は,
【数4】
液体分離度は,
【数5】
で与えられる。
【0011】
n個の分離ステージ5n を有する流れ濃縮器は,流れの方向のn個の連続した穴系により実現される。例えば,パイプ径Dが1から2mmの間で変えられて,75要素までの設計が実験されている。例えば,100から500毎時リットルのスループットが,10バールの圧力で達成されている。各分離ステージ5n で引き抜かれた分流は,収集シャフト9と流出口10を通って放出される。
実質的により高いスループットは平坦な管ギャップの設計で達成されうる。このことは,より大きいパイプ径Dの回転対称な設計にも適用される。一方,特に基本の液体分離度に対して,粒子径限界XT はパイプ径Dに対して特定の比になっている。それより小さい比X/Dでは,完全な分離はもはや保証されえない。
【0012】
図4は粒子透過比を示し,これは供給流の濃度CA に対する放出液の濃度CL の比として,関連する粒子径X/Dの関数として,定義されている。104 から105 の間のレイノルズ数の乱流として計算されたその曲線は,基本の液体分離度λが2%から30%までの間の理想的なリング状放出に適合する。例えば基本の分離度が5%だと,パイプ径Dの3%の分離粒径が,阻止効果より理論的に得られる。もし分離粒径がそれにとどかなければ,粒子透過比は急激に大きくなる。a,b,cで記された曲線は,4つの分離パイプを通して理想的ではない放出の仮定のもと計算された値によっている。球形粒子を用いた対応する実験結果を示すその図において,実際の粒子径分布のメジアン値がX/Dの定義に含まれていた。分布の微粉(fines)量により計算値より平坦な曲線が得られる。
希釈された液体側および濃縮側からの自由な流出にすると,流れ濃縮器の基本の液体分離度λの実験された設計値は約5%乃至6%である。λは濃縮側を絞れば増せる。
【0013】
前記絞りをしない流れ濃縮器の操作のために,図5で分離ステージの数nの関数として,全濃縮ファクターおよび/又は全液体分離度を示す。粒子は球形である。それらの密度は液体の密度に等しい。実験された二つの粒子径分布のメジアン値X50.3は155μmと190μmである。n=25ステージの場合,液体分離度75%が達成され,50及び75ステージの場合,液体分離度95%及び99%がすでに達成されている。
図6は粒子と同一な密度の液体中の球形粒子を用いて前記と同一の実験で達成された濃縮ファクターKを示す。ファクター30の濃縮がn=75要素で達成されている。そこに示された例では,粒子体積濃度が0.5%から15%まで増加している。供給流濃度を変えた体系的な実験により,濃縮ファクターと分離度は最終の体積濃度30%までは濃度に依存しないことが示されている。この制限は高濃度の懸濁液の制限された流動性のみにより決められている。
しかしながら,高い液体分離度とそれに対応する低い濃縮比の場合,主流の低い流量と乱流から層流への移行により,粒子分離度Γは減じる。実質的には完全な粒子分離はn=25要素と濃縮ファクター約4で,なお保証されている。もし実質的に完全な粒子分離がより高い濃縮ファクターでも要求されるなら,例えば各ステージのそのファクターが4である幾つかのステージによる濃縮が適している。
【0014】
本発明による流れ濃縮器は,このように,沈降分離法が使えない微小な密度差の場合やケーキ又は交差流ろ過法が使えない変形した粒子の場合に適用できる,懸濁液を濃縮する簡単なシステムを実現する。
この流れ濃縮器は,粒子が変形していたり,密度が液体と異なっていたりしてさえ,粒子濃縮の問題を解決する。達成されうる最終的な濃度は,懸濁液の流動性の限界にのみ制限される。達成されうる体積濃度は,それ故,物質系に依存して60%までとり得る。供給流の濃度は,好ましくは0.1乃至10%の範囲である。
単一ステージ濃縮で十分であるが,粒子分離度に関する要求に応じて,マルチステージ濃縮が要求される。マルチステージ法を用いれば,放出される液体中の粒子体積濃度0.1%以下が,この流れ濃縮器を使って達成されうる。
例として報告されている実験結果は,本発明による流れ濃縮器のいくつかの特別な具体例に基づき決められた。
【0015】
主流管の大きさは分散液のうち最大の粒子の直径を明確に越えなければならない。液体放出管の大きさは,カスケード形態で互いに背後で接続されている要素の数と同様に,分離作業量と液体流出口での許される粒子量と分散液の粒子径分布の微粉(fines)量により決められた分配比に適合されるべきである。報告されている実験および理論による結果は,このことに有効である。
約20μm乃至約10mmの主管の大きさが,例えば,マイクロゲルの粒子又は巨視的なゲル粒子を約10μm乃至約1mmの粒子径のポリマー溶液から分離するという用途においては問題になってくる。
10μmより小さい大きさの主管は,例えば約1μm径のバクテリアのような微生物を分離するバイオテクノロジーの用途に適している。1μmより小さい大きさの主管は,機械的な細胞破砕後での細胞の断片の分離に使用できる。現在のマイクロ構造の製造技術による方法による,この種の微細構造の流れ濃縮器の製造に対する要求は今日でも存在し,それが技術的な応用にも用いられる。
より高い密度の粒子の場合,分離における付加的な慣性効果を用いることが出来るように,放出管のパイプ軸に対する角度は可能なかぎり鈍角にすべきである。この場合,その角度は少なくとも90°にはすべきである。170°を越える角度は,構造および製造技術上問題がある。
【0016】
図1に概略したように,液体放出管はパイプもしくは他の形の管に穴の形態で組み込まれえる。
しかしながら,ギャップが例えばスペーサによって作られる一組の環状の要素でも,そのシステムを構成できる。
さらに,マルチステージ流れ濃縮器の主流管の直径もしくは管幅は一定である必要はない。例えば,管の断面積は液体が既に引き抜かれた下流では減じられえる。平均の流量はこの処置の為一定のままである。図3のマルチステージ流れ濃縮器に示すように,nステージ全ての液体流が結合される必要はない。むしろ,いくつかの,最大でもn個の要素が,液体取り外しラインを分離するために接続されえる。このことの結果,異なる粒子量の分離された液体小流は,必要なら再び結合はされない。分離された液体取り外しラインと共に放出された粒子画分は,平均粒子径が異なるので,この具体化において流れ濃縮器は分別にも適している。
【0017】
流れ濃縮器の用途で重要な例は,マイクロゲル粒子のポリマー溶液および溶解物からの分離である。例えば光学的な非一様性や回転過程で裂かれたファイバーのような破壊のため,そのようなマイクロゲル粒子は深刻な質の損失を引き起こす。その他のことがらの間では,取り巻く液体との低い密度差やこれらの粒子の変形性を通じて,マイクロゲルの分離に伴う問題がもちあがってくる。
同様な要求−低い密度差や変形−が,バイオテクノロジーの様々な仕事にも存在する。流れ濃縮器はバクテリアや酵母やカビのような微生物の濃縮に適する。原理上,もし現在のマイクロ構造技術を用いた方法が,マイクロメータのオーダーの大きさの直径および/又は幅の管を作るために使用されると,細胞断片も濃縮されえる。
この流れ濃縮器は,エマルジョン(水中油もしくは油中水のエマルジョン)の濃縮や水性二相系の分離にも適している。
この流れ濃縮器は,化学もしくは物理反応過程後の連続的な分離工程として適するだけでなく,反応過程の中にも特に容易に統合されえる。このことは,例えば,もし望まれない生成物をさらに製造する反応をし得る所望の反応生成物がこの過程から放出されるとき,反応がより選択的に実行され得ることを意味している。
【0018】
本発明は以下の態様を含むものである。
1.液体中の懸濁粒子の濃縮方法であって、懸濁液を供給流として狭い管又はキャピラリーを通じて流し、分流を該管及び/又はキャピラリーの周囲の壁から該管及び/又はキャピラリーの壁に於ける開口を通じて引き抜き、該開口の断面積が平均粒子断面積(メジアン値)より大きく、該粒子の濃度が該供給流と比較して、該主流に於いては増大し、該分流に於いては希釈されている、ことを特徴とする前記方法。
2.前記壁に近い分流が前記主流に対して方向成分、好ましくは120°乃至150°の範囲の偏向角で引き抜かれることを特徴とする前記1の方法。
3.乱流状態が前記主流に於いて勝っていることを特徴とする前記1又2の方法。
4.層流状態が前記分流に存在することを特徴とする前記1乃至3のいずれか一つの方法。
5.同一の軸高を有する前記開口からの分流が前記主流の2%乃至10%、好ましくは4%乃至7%であることを特徴とする前記1乃至4のいずれか一つの方法。
6.前記分流が流れの方向に対してカスケードの形態で連続的に引き抜かれることを特徴とする前記1乃至5のいずれか一つの方法。
【0019】
7.異なる粒子濃度および異なる粒径分布を有する分流を得るために、異なる軸高から引き抜かれる前記分流が別々に放出されることを特徴とする前記6の方法。
8.全ての分流の合計が前記供給流の99%までであることを特徴とする前記6又は7の方法。
9.粒子と液体とが進行中の化学反応の過程で互いに分離されることを特徴とする前記1乃至8のいずれか一つの方法。
10.前記1乃至5のいずれか一つの方法を実施するための装置であって、主流が伝えられるパイプの外囲上に、該パイプ直径の10%乃至90%の範囲、好ましくは40%乃至70%の範囲の直径を有する数個、好ましくは3乃至6個の穴が同一の軸高において配置されていることを特徴とする、前記装置。
11.前記1乃至5のいずれか一つの方法を実施するための装置であって、管幅の5%乃至50%の範囲、好ましくは10%乃至30%の範囲のギャップ幅を有する二つのギャップが、主流が伝えられる矩形断面の平坦な管の反対側の壁に同一の軸高で配置されていることを特徴とする、前記装置。
【0020】
12.前記1乃至5のいずれか一つの方法を実施するための装置であって、粒子が減少した分流を引き抜くための穴又はギャップの寸法が、供給流の粒径分布のメジアン値の1乃至10倍、好ましくは2乃至5倍であることを特徴とする、前記装置。
13.前記6乃至8のいずれか一つの方法を実施するための、前記10乃至12のいずれか一つ装置であって、数個、好ましくは20乃至40個のこのような穴および/又はギャップが、流れの方向に対してカスケードの形態で互いの後ろに配置されていることを特徴とする、前記装置。
14.前記10乃至12のいずれか一つ装置であって、同一の軸高を有する前記開口の合計断面積が管及び/又はキャピラリーの断面積の0. 5乃至4倍、好ましくは1乃至2倍であることを特徴とする、前記装置。
【図面の簡単な説明】
【図1】オペレーションの物理的形態を示す流れ矢と共に濃縮器ステージを示す。
【図2】図1による濃縮器ステージの断面を示す。
【図3】カスケードの形態で互いの後ろに接続されたいくつかの濃縮ステージを有する流れ濃縮器を示す。
【図4】標準化された粒径の関数として,粒子の透過比を実験的に決められたものと,理論的に計算された曲線と共に示す。
【図5】マルチステージの流れ濃縮器における全濃縮比を濃縮ステージの数の関数として示す。
【図6】同一密度の液体中の球形粒子を用いた実験による濃縮ファクターおよび/又は粒子分離度をステージの数の関数として示す。
【符号の説明】
1 キャピラリー
2 分離パイプ
3 流線
4 粒子
5 分離ステージ
6 供給懸濁流
7 濃縮流
8 希釈された液体
9 収集シャフト
10 流出口
Claims (1)
- 液体中の懸濁粒子の濃縮方法であって、懸濁液を供給流として、0.5μm乃至10mmのギャップ幅又は直径を有する管又はキャピラリーを通じて流し、分流を該管及び/又はキャピラリーの周囲の壁から該管及び/又はキャピラリーの壁に於ける開口を通じて引き抜き、該開口の断面積が平均粒子断面積(メジアン値)より大きく、該粒子の濃度が該供給流と比較して、該主流に於いては増大し、該分流に於いては希釈されている、ことを特徴とする前記方法。
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