JP3602112B2 - ドップラ式超音波流量計、ドップラ式超音波流量計を用いた流量計測方法および流量計測用プログラム - Google Patents

ドップラ式超音波流量計、ドップラ式超音波流量計を用いた流量計測方法および流量計測用プログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、測定領域の流速分布から被測定流体の流量を時間依存で瞬時に測定することが可能なドップラ式超音波流量計およびそれに関連する技術に関する。
【0002】
【先行技術】
特開2000−97742号では、非定常状態の流れであっても時間依存で正確に精度高く非接触で測定可能なドップラ式超音波流量計が開示されている。
ここで開示されるドップラ式超音波流量計は、以下のような構成をなす。すなわち、所要周波数の超音波パルスを超音波トランスジューサから測定線に沿って被測定流体中に入射させる超音波送信手段と、被測定流体に入射された超音波パルスのうち測定領域から反射された超音波エコーを受信し、測定領域における被測定流体の流速分布を測定する流体速度分布測定手段と、上記被測定流体の流速分布に基づいて、積分演算を行う流量演算手段とを備えたものである。そして、流量演算手段は測定領域における被測定流体の流速分布に基づいて流量を計測する。
【0003】
このドップラ式超音波流量計は、配管内を流れる被測定流体の流速分布を測定し、時間的に変動する過渡時の流量を応答性に優れている。また、流体の流れが充分に発達していない箇所や流れが三次元になっている場所、例えばエルボ配管やU字状の反転配管のように曲げられた配管の直後でも、被測定流体の流量を効率的に精度よく瞬時に測定できる。それ以前に提供されていた超音波流量計と比較した場合、実験値や経験値などから割り出された「流量補正係数」がなくても正確な測定が可能であるという特徴があり、大きく評価されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
さて、上述のドップラ式超音波流量計は、被測定流体内に含まれている気泡や固形物に反射された超音波エコーの存在を前提としている。このため、被測定流体の流れが極めて不安定である場合、気泡の密度差などが原因となって、流速分布の測定値にばらつきが生じる場合がある。流量分布にばらつきが生じた場合には、流量の演算にも影響する。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、流速分布の測定値にばらつきが生じる場合であっても、より精密な流量測定を可能とするドップラ式超音波流量計に関する技術を提供することである。
請求項1から請求項6記載の発明の目的は、流速分布の測定値にばらつきが生じる場合であっても、より精密な流量測定を可能とするドップラ式超音波流量計を提供することにある。
また、請求項7および請求項8記載の発明の目的は、流速分布の測定値にばらつきが生じる場合であっても、より精密な流量測定を可能とするドップラ式超音波流量計による測定方法を提供することにある。
また、請求項9および請求項10記載の発明の目的は、流速分布の測定値にばらつきが生じる場合であっても、より精密な流量測定を可能とするドップラ式超音波流量計による流量測定用プログラムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決するため、本願では以下の発明を開示する。
【0007】
(請求項1)
請求項1記載の発明は、所要周波数の超音波パルスを超音波トランスジューサから測定線に沿って流体配管内の被測定流体中へ入射させる超音波送信手段と、被測定流体に入射された超音波パルスのうち測定領域から反射された超音波エコーを受信し、測定領域における被測定流体の流速分布を測定する流体速度分布測定手段と、前記被測定流体の流速分布に基づいて、前記測定領域における被測定流体の流量を演算する流量演算手段とを備えたドップラ式超音波流量計に係る。すなわち、測定領域における被測定流体の流速分布を画面出力させる流速分布出力手段と、その流速分布出力手段が画面出力した流速分布に対して、被測定流体における測定点の中央を表示する中央表示手段と、その中央表示を境界として二分割されて出力される流速分布における一方の分割分布をユーザが選択可能とする分割分布選択手段とを備え、前記流量演算手段は、前記分割分布選択手段を用いて選択された一方の分割分布を用いて演算し、二倍することによって前記測定領域における被測定流体の流量を計測することとしたドップラ式超音波流量計である。
【0008】
(用語説明)
「流量演算手段」は、流量をm(t)とするとき、
【数1】
Figure 0003602112
の演算を行う手段である。
また、上記の式(1)から、流体配管を流れる時間tの流量m(t)は、次式に書き換えることができる。
【数2】
Figure 0003602112
【0009】
(作用)
まず、超音波送信手段が、所要周波数の超音波パルスを超音波トランスジューサから測定線に沿って流体配管内の被測定流体中へ入射させる。被測定流体に入射された超音波パルスは、被測定流体中を流れる気泡や固形物などにぶつかると反射する。反射した超音波パルスのうち、測定領域から反射された超音波エコーを受信し、ドップラー効果を利用して流体速度分布測定手段が測定領域における被測定流体の流速分布を測定する。
続いて、流速分布出力手段が測定領域における被測定流体の流速分布を画面出力させる。その流速分布出力手段が画面出力した流速分布に対して、被測定流体における測定点の中央を中央表示手段が表示する。そして、分割分布選択手段が、中央表示手段による中央の表示を境界として二分割されて出力される流速分布における一方の分割分布を、ユーザが選択可能とする。流量演算手段は、前記分割分布選択手段を用いて選択された一方の分割分布を用いて演算し、二倍することによって前記測定領域における被測定流体の流量を計測する。
以上のようなドップラ式超音波流量計によれば、流速分布の測定値にばらつきが生じる場合であっても、流速分布を分割してよりよい分割分布をユーザが選択し、その選択した半分の流速分布を用いて二倍するという演算を行わせるため、より精密な流量測定を可能となる。
【0010】
(請求項2)
請求項2記載の発明は、請求項1に係る発明がユーザに委ねていた分割分布の選択を、自動的に選択するという点が異なる。
すなわち、測定領域における被測定流体の流速分布に対して、被測定流体における測定点の中央にて二分割して二つの分割分布を作成する分割分布作成手段と、作成した二つの分割分布を比較してばらつきの小さな分割分布を自動選択する自動選択手段とを備え、前記流量演算手段は、前記自動選択手段が選択した一方の分割分布を用いて演算し、二倍することによって前記測定領域における被測定流体の流量を計測することとしたドップラ式超音波流量計に係る。
【0011】
(用語説明)
「自動選択手段」は、例えば、被測定流体における測定点の連続性が配管内壁まで保たれている分割分布を選択する、または測定点をスプライン処理などの技術を用いて円滑化して蛇行幅の小さい分割分布を選択する、といったアルゴリズムを含む。
【0012】
分割分布作成手段が、測定領域における被測定流体の流速分布に対して、被測定流体における測定点の中央にて二分割して二つの分割分布を作成する。そして、自動選択手段が、作成した二つの分割分布を比較してばらつきの小さな分割分布を自動選択する。流量演算手段は、自動選択手段が選択した一方の分割分布を用いて演算し、二倍することによって前記測定領域における被測定流体の流量を計測する。
以上のようなドップラ式超音波流量計によれば、流速分布の測定値にばらつきが生じる場合であっても、流速分布を分割してよりよい分割分布を自動的に選択し、その選択した半分の流速分布を用いて二倍するという演算を行わせるため、より精密な流量測定を可能となる。
【0013】
(請求項3)
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載のドップラ式超音波流量計を限定したものである。すなわち、超音波送信手段には、被測定流体が流れる流体配管の管壁に対して共鳴的透過現象を生じさせる基本周波数たる最適周波数を自動的に選択する周波数選択設定装置を備え、超音波送信手段の超音波トランスジューサは、前記最適周波数を発振することとしたドップラ式超音波流量計に係る。
【0014】
(第一のバリエーション)
「周波数選択設定装置」は、最適周波数を例えば以下のようにして選択する。すなわち、設定する超音波パルスの半波長の整数倍と被測定流体が流れる流体配管の管厚とが等しくなる周波数を最適周波数として自動的に選択する。流体配管の壁厚が超音波の基本周波数の半波長を整数倍したときに、超音波の透過特性が非常に高いことを知見したことに基づいている。
【0015】
(第二のバリエーション)
また、「周波数選択設定装置」には、超音波トランスジューサから所要の発振周波数の超音波を発振させる発振用アンプと、その発振用アンプの発振周波数を調節する発振周波数可変装置と、その発振周波数可変装置を予め指定された周波数領域内で動作させる周波数領域設定手段と、前記超音波トランスジューサから発振された超音波パルスのうち、流体配管内の測定領域から反射される超音波エコーを受信する超音波受信手段と、受信した超音波エコーの強度を抽出して記憶する反射波強度抽出手段とを備えることも可能である。
それら手段を備えたドップラ式超音波流量計の場合、最適な測定を行う準備にかかる手間を軽減したり、改善改良または最適化のためのデータを蓄積できるという利点がある。
【0016】
(作用)
周波数選択設定装置は、被測定流体が流れる流体配管の管壁に対して共鳴的透過現象を生じさせる基本周波数たる最適周波数を自動的に選択する。超音波送信手段の超音波トランスジューサは、自動的に選択された最適周波数を発振する。自動的に最適周波数が選択されるので、ユーザにとって使いやすいドップラ式超音波流量計となる。
【0017】
(請求項4)
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載のドップラ式超音波流量計を限定したものである。
すなわち、超音波トランスジューサから被測定流体内へ入射される超音波パルスの入射角度を調整設定する入射角調整設定手段を備え、その入射角調整設定手段は、流体配管の管壁に対して超音波パルスが共鳴的透過現象を生じさせる入射角度となるように、超音波トランスジューサを流体配管に対して調整設定可能としたドップラ式超音波流量計に係る。
【0018】
(作用)
入射角調整設定手段は、超音波トランスジューサから被測定流体内へ入射される超音波パルスの入射角度を調整設定する。その調整は、流体配管の管壁に対して超音波パルスが共鳴的透過現象を生じさせる入射角度となるように、超音波トランスジューサを流体配管に対して行う。これによって、透過しやすい超音波パルスが発振できることとなる。
【0019】
(請求項5)
請求項5記載の発明は、請求項3または請求項4のいずれかに記載のドップラ式超音波流量計を限定したものである。
すなわち、超音波トランスジューサは、第一トランスジューサと、その第一トランスジューサとは流体配管の軸方向に離間させて設置される第二トランスジューサと、第一トランスジューサおよび第二トランスジューサとを相対的に移動させるトランスジューサ移動機構とを備え、前記トランスジューサ移動機構は、第一トランスジューサおよび第二トランスジューサとが発振する超音波パルスが流体配管内の測定領域にて直交するように移動させることとしたドップラ式超音波流量計に係る。
【0020】
(作用)
第一トランスジューサと、それとは流体配管の軸方向に離間させて第二トランスジューサとが設置される。トランスジューサ移動機構は、第一トランスジューサおよび第二トランスジューサとが発振する超音波パルスが流体配管内の測定領域にて直交するように移動させることができる。そのため、二つのトランスジューサの最適位置へ設置し、最適な超音波パルスを発振できる。
流体配管の軸方向に離間させ、発振パルスが直交するように位置した二つのトランスジューサによれば、流体配管の軸方向に平行でない流れが存在していても、より正確な速度分布を算出することができる。
【0021】
(請求項6)
請求項6記載の発明は、請求項5記載のドップラ式超音波流量計を限定したものである。
すなわち、第一トランスジューサおよび第二トランスジューサから発振された超音波パルスの流体配管内の測定領域から反射波である超音波エコーをそれぞれ受信する第一反射波レシーバおよび第二反射波レシーバと、第一反射波レシーバおよび第二反射波レシーバにて受信された超音波エコーの強度から超音波測定線の方向の速度ベクトルをそれぞれ算出する速度ベクトル算出手段と、その速度ベクトル算出手段にて算出されたそれぞれの速度ベクトルのベクトル和から被測定流体の流速ベクトルを算出する流速ベクトル算出手段とを備え、流体速度分布測定手段は、前記流速ベクトルを用いて流速分布を測定し、流量演算手段は、当該流速分布を用いて被測定流体の流量を演算することとしたドップラ式超音波流量計に係る。
換言すれば、請求項5記載のドップラ式超音波流量計の構成要件に加え、第一トランスジューサおよび第二トランスジューサとが発振する超音波パルスによる超音波エコーから、より正確な速度分布や流量を算出するために、一旦流速ベクトルを算出する流速ベクトル算出手段などを備えているのである。
【0022】
(作用)
第一反射波レシーバおよび第二反射波レシーバは、第一トランスジューサおよび第二トランスジューサから発振された超音波パルスの流体配管内の測定領域から反射波である超音波エコーをそれぞれ受信する。続いて、速度ベクトル算出手段が、第一反射波レシーバおよび第二反射波レシーバにて受信された超音波エコーの強度から超音波測定線の方向の速度ベクトルをそれぞれ算出する。そして、算出されたそれぞれの速度ベクトルのベクトル和から、流速ベクトル算出手段が被測定流体の流速ベクトルを算出する。
流体速度分布測定手段は、前記流速ベクトルを用いて流速分布を測定し、流量演算手段は、当該流速分布を用いて被測定流体の流量を演算する。
【0023】
(請求項7) 請求項7記載の発明は、所要周波数の超音波パルスを超音波トランスジューサから測定線に沿って流体配管内の被測定流体中へ入射させる超音波送信手段と、被測定流体に入射された超音波パルスのうち測定領域から反射された超音波エコーを受信し、測定領域における被測定流体の流速分布を測定する流体速度分布測定手段と、前記被測定流体の流速分布に基づいて、前記測定領域における被測定流体の流量を演算する流量演算手段とを備えたドップラ式超音波流量計を用いた流量計測方法である。
すなわち、測定領域における被測定流体の流速分布を画面出力させる流速分布出力手順と、その流速分布出力手順にて画面出力された流速分布に対して、被測定流体における測定点の中央を表示する中央表示手順と、その中央表示手順による中央の表示を境界として二分割されて出力される流速分布における一方の分割分布をユーザが選択可能とする分割分布選択手順とを備え、前記流量演算手段は、前記分割分布選択手順を用いてユーザが選択した一方の分割分布を用いて演算し、二倍することによって前記測定領域における被測定流体の流量を計測することとした流量計測方法である。
【0024】
(請求項8)
請求項8記載の発明もまた、所要周波数の超音波パルスを超音波トランスジューサから測定線に沿って流体配管内の被測定流体中へ入射させる超音波送信手段と、被測定流体に入射された超音波パルスのうち測定領域から反射された超音波エコーを受信し、測定領域における被測定流体の流速分布を測定する流体速度分布測定手段と、前記被測定流体の流速分布に基づいて、前記測定領域における被測定流体の流量を演算する流量演算手段とを備えたドップラ式超音波流量計を用いた流量計測方法に係る。
すなわち、測定領域における被測定流体の流速分布に対して、被測定流体における測定点の中央にて二分割して二つの分割分布を作成する分割分布作成手順と、作成した二つの分割分布を比較してばらつきの小さな分割分布を自動選択する自動選択手順とを備え、前記流量演算手段は、前記自動選択手順にて選択された一方の分割分布を用いて演算し、二倍することによって前記測定領域における被測定流体の流量を計測することとした流量計測方法である。
【0025】
(請求項9)
請求項9記載の発明は、所要周波数の超音波パルスを超音波トランスジューサから測定線に沿って流体配管内の被測定流体中へ入射させる超音波送信手段と、被測定流体に入射された超音波パルスのうち測定領域から反射された超音波エコーを受信し、測定領域における被測定流体の流速分布を測定する流体速度分布測定手段と、前記被測定流体の流速分布に基づいて、前記測定領域における被測定流体の流量を演算する流量演算手段とを備えたドップラ式超音波流量計を用いた流量計測用プログラムに係る。
そのプログラムは、測定領域における被測定流体の流速分布を画面出力させる流速分布出力手順と、その流速分布出力手順にて画面出力された流速分布に対して、被測定流体における測定点の中央を表示する中央表示手順と、その中央表示手順による中央の表示を境界として二分割されて出力される流速分布における一方の分割分布をユーザが選択可能とする分割分布選択手順とをコンピュータに実行させるとともに、前記ドップラ式超音波流量計の流量演算手段に対して、前記分割分布選択手順を用いてユーザが選択した一方の分割分布を用いて演算し、二倍することによって前記測定領域における被測定流体の流量を計測させることとした流量計測用プログラムである。
【0026】
(請求項10)
請求項10記載の発明もまた、所要周波数の超音波パルスを超音波トランスジューサから測定線に沿って流体配管内の被測定流体中へ入射させる超音波送信手段と、被測定流体に入射された超音波パルスのうち測定領域から反射された超音波エコーを受信し、測定領域における被測定流体の流速分布を測定する流体速度分布測定手段と、前記被測定流体の流速分布に基づいて、前記測定領域における被測定流体の流量を演算する流量演算手段とを備えたドップラ式超音波流量計を用いた流量計測用プログラムに係る。
そのプログラムは、測定領域における被測定流体の流速分布に対して、被測定流体における測定点の中央にて二分割して二つの分割分布を作成する分割分布作成手順と、作成した二つの分割分布を比較してばらつきの小さな分割分布を自動選択する自動選択手順とをコンピュータに実行させるとともに、前記ドップラ式超音波流量計の流量演算手段に対して、前記自動選択手順にて選択された一方の分割分布を用いて演算し、二倍することによって前記測定領域における被測定流体の流量を計測することとした流量計測用プログラムである。
【0027】
請求項9および請求項10に係るコンピュータプログラムを、記録媒体へ記憶させて提供することもできる。ここで、「記録媒体」とは、それ自身では空間を占有し得ないプログラムを担持することができる媒体であり、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO(光磁気ディスク)、DVD−ROM、PDなどである。
また、これらの発明に係るプログラムを格納したコンピュータから、通信回線を通じて他のコンピュータへ伝送することも可能である。
なお、汎用的なコンピュータを備えたドップラ式超音波流量計に対して、上記のような各手段を達成可能であるようなプログラムをプリインストール、あるいはダウンロードすることで、請求項1等に係る機能を備えたドップラ式超音波流量計を形成することも可能である。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明に係るドップラ式超音波流量計の実施の形態について、添付図面を参照させながら説明する。ここで使用する図面は、図1ないし図12である。図1および図2は、本願発明に係る実施形態の構成を示す概念図である。図3および図4は、本願発明の中核をなす構成の具体的画面出力を示す図である。図5から図12は、具体的なハードウエア構成、測定原理、実験例などを説明するための図である。
【0029】
(図1)
図1には、本実施形態に係るドップラ式超音波流量計、そのドップラ式超音波流量計を用いて流量を計測する被測定流体が流れる流体配管、ドップラ式超音波流量計に付属した出力モニタと操作装置、およびドップラ式超音波流量計を使用するユーザを図示している。
ドップラ式超音波流量計は、所要周波数の超音波パルスを超音波トランスジューサから測定線に沿って流体配管内の被測定流体中へ入射させる超音波送信手段と、被測定流体に入射された超音波パルスのうち測定領域から反射された超音波エコーを受信し、測定領域における被測定流体の流速分布を測定する流体速度分布測定手段と、前記被測定流体の流速分布に基づいて、前記測定領域における被測定流体の流量を演算する流量演算手段とを備えたドップラ式超音波流量計である。なお、流量演算手段における演算手法は、式(1),式(2)にて示しているので、省略する。
出力モニタおよび操作装置は、以下のような構成をなしている。すなわち、測定領域における被測定流体の流速分布を画面出力させる流速分布出力手段と、その流速分布出力手段が画面出力した流速分布に対して、被測定流体における測定点の中央を表示する中央表示手段と、その中央表示を境界として二分割されて出力される流速分布における一方の分割分布をユーザが選択可能とする分割分布選択手段とを備えている。
【0030】
以下、ドップラ式超音波流量計の作動について、図1に基づいて説明する。
まず、 超音波送信手段における超音波トランスジューサが、所要周波数の超音波パルスを測定線に沿って流体配管内の被測定流体中へ入射させる。被測定流体に入射された超音波パルスは、被測定流体中を流れる気泡や固形物などにぶつかると反射する。反射した超音波パルスのうち、測定領域から反射された超音波エコーを受信し、ドップラー効果を利用して流体速度分布測定手段が測定領域における被測定流体の流速分布を測定する。
続いて、流速分布出力手段が測定領域における被測定流体の流速分布を画面出力させる。その流速分布出力手段が画面出力した流速分布に対して、被測定流体における測定点の中央を中央表示手段が表示する。そして、分割分布選択手段が、中央表示手段による中央の表示を境界として二分割されて出力される流速分布における一方の分割分布を、ユーザが選択可能とする。流量演算手段は、前記分割分布選択手段を用いて選択された一方の分割分布を用いて演算し、二倍することによって前記測定領域における被測定流体の流量を計測する。
【0031】
(図3および図4)
図3および図4は、図1中の「出力モニタ&操作装置」を具体的に示したものであり、コンピュータのモニタへ出力された画面である。
図3の画面中央には、「流速分布出力手段」が位置する。すなわち、縦軸を流速、横軸を管径として、測定点をプロットしたグラフを出力している。この出力例では、管径313.26ミリメートルの流体配管を対象としており、「中央表示手段」が160.87ミリメートルを境とするよう、表示している。
画面の左下には、「分割表示手段」が用意されている。これは、「Near」または「Far」のいずれか、または「diameter」をユーザに選択させるためのものである。「Near」とは、超音波トランスジューサから近い位置、すなわち画面では中央表示手段よりも左側のことである。また「Far」とは、超音波トランスジューサから遠い位置、すなわち画面では中央表示手段よりも右側のことである。「Near」または「Far」のいずれかを選択した場合には、選択された一方の分割分布を用いて積分演算し、それを二倍することによって被測定流体の流量を計測する。
この図3では、ユーザは「Near」を選択している。「Far」に比べて流速分布が整っているからである。
【0032】
図4では、管径308.93ミリメートルの流体配管を対象としており、「中央表示手段」が156.46ミリメートルを境とするよう、表示している。そして、ここではユーザは、「Far」を選択している。
なお、ユーザが「diameter」を選択した場合には、「Near」および「Far」の両方の分割分布を用いて積分演算する。
【0033】
(図2)
続いて、図2に示す実施形態について説明する。
図2に示す実施形態は、ユーザに対して選択させず、自動的に選択することとしている。そのため、ユーザに対して選択のための出力が必要ないため、「出力モニタ&操作装置」の代わりに「流速分布分割装置」を備えている。
この流速分布分割装置は、図示するように、測定領域における被測定流体の流速分布に対して、被測定流体における測定点の中央にて二分割して二つの分割分布を作成する分割分布作成手段と、作成した二つの分割分布を比較してばらつきの小さな分割分布を自動選択する自動選択手段とを備えている。そして、ドップラ式超音波流量計の流量演算手段は、前記自動選択手段が選択した一方の分割分布を用いて演算し、二倍することによって前記測定領域における被測定流体の流量を計測する。流速分布の測定値にばらつきが生じる場合であっても、流速分布を分割してよりよい分割分布を自動的に選択し、その選択した半分の流速分布を用いて二倍するという演算を行わせるため、より精密な流量測定を可能となる。
【0034】
なお、図1に示す実施形態と組み合せ、ユーザによる選択と自動選択との二種類を用意したドップラ式超音波流量計を提供することも可能である。そのような実施形態の場合、ユーザが選択しない場合には、よりよい分割分布を自動的に選択する、といったメニューを用意しておくことができる。
【0035】
以下、ドップラ式超音波流量計について、図5から図12を用いて詳細に説明する。
図5に示すドップラ式超音波流量計10は、流体配管11内を流れる被測定流体12(液体や気体)の流速分布を測定し、流量を時間依存で瞬時に測定できるものであり、配管11内を流れる被測定流体12の流速を非接触で測定する超音波速度分布計測ユニット(以下、Udflowユニットという。)13を備える。Udflowユニット13は、被測定流体12に測定線MLに沿って所要周波数(基本周波数f)の超音波パルスを送信させる超音波送信手段15と、被測定流体12に入射された超音波パルスの測定領域から反射された超音波エコーを受信し、測定領域における被測定流体12の流速分布を測定する流体速度分布測定手段16と、被測定流体12の流速分布に基づいて演算処理して半径方向の積分を行ない、被測定流体12の流量を時間依存で求める流量演算手段としてのマイコン、CPU、MPU等のコンピュータ17と、このコンピュータ17からの出力を時系列的に表示可能な表示装置18と、流体配管11内を流れる被測定流体12の最適周波数である超音波を自動的に選定する周波数選択設定手段19とを有する。
【0036】
超音波送信手段15は、所要周波数の超音波パルスを発振させる超音波トランスジューサ20と、この超音波トランスジューサ20を加振させる信号発生器としての加振用アンプ21とを有する。加振用アンプ21は、所要の基本周波数fの電気信号を発生させる発振器(オッシレータ)23と、この発振器23からの電気信号を所定の時間間隔(1/Frpf)ごとにパルス状に出力するエミッタ24(周波数Frpf)とを備えている。そして、この信号発生器である加振用アンプ21から所要の基本周波数fのパルス電気信号が超音波トランスジューサ20へ入力される。
【0037】
超音波トランスジューサ20は、パルス電気信号の印加により基本周波数fの超音波パルスが測定線MLに沿って発振せしめられる。超音波パルスは、例えばパルス幅5mm程度で拡がりをほとんど持たない直進性のビームである。
超音波トランスジューサ20は送受信器を兼ねており、超音波トランスジューサ20は発振された超音波パルスが流体中の反射体に当って反射される超音波エコーを受信するようになっている。ここで反射体とは、被測定流体12中に一様に含まれる気泡であったり、アルミニウムの微粉末等のパーティクルであったり、または被測定流体12とは音響インピーダンスが異なる異物である。
【0038】
超音波トランスジューサ20に受信された超音波エコーは、反射波レシーバー27にて受信され、その反射波レシーバー27にてエコー電気信号へ変換される。このエコー電気信号は、増幅器28で増幅された後、AD変換器29を通ってデジタル化される。そして、デジタル化されたデジタルエコー信号が流速分布計測回路26に入力される。
流速分布計測回路30には、発振用アンプ21からの基本周波数fの電気信号がデジタル化されて入力され、両信号の周波数差からドップラシフトに基づく流速の変化を計測し、測定線MLに沿う測定領域の流速分布を算出している。測定領域の流速分布を傾斜角αで較正することによって、流体配管11の横断面における流速分布を計測することができる。
【0039】
さて、本願発明に先立って、流体配管11が金属製である場合のその壁厚が超音波の基本周波数fの1/2あるいはその整数倍である場合に、超音波の透過特性が非常に高いことが知見された。そこで、この知見に基づき、超音波トランスジューサ20から発振される超音波パルスの基本周波数fは、流体配管11の壁厚に対して共鳴的透過現象を生じさせる最適値が自由且つ自動的に選択されるように、周波数選択設定手段19を構成している。
この周波数選択設定手段19は、前述した加振用アンプ21と、その加振用アンプ21の発振周波数を変動させて調整設定可能とする発振周波数可変装置31と、この発振周波数可変装置31に予めユーザが指定した範囲内(例えば、200kHz〜4MHzの周波数領域内)で発振周波数可変装置31を動作させる基本周波数領域設定手段32と、流体配管11内の測定領域から反射される超音波エコーを受信する反射波レシーバ27と、受信した超音波エコー信号を増幅および撹拌する増幅器28と、その増幅器28で撹拌された超音波エコー信号の強度を抽出して記憶する反射波強度抽出手段33と、この反射波強度抽出手段33にて抽出されて記憶された反射強度(超音波エコー強度)を表示させる反射波強度表示機能を備えた表示装置18とを備える。
【0040】
このように構成された周波数選択設定手段19は、反射波強度抽出手段33、発振周波数可変装置31などの協働作用により、流体配管11の壁厚に対して共鳴的透過現象を生じさせる最適周波数を設定する。設定された最適周波数は、発振周波数可変装置31からの出力信号によって発振アンプの発振周波数を決定して超音波トランスジューサ20を加振させる。そして、最適周波数である基本周波数fの超音波パルスが超音波トランスジューサ20から流体配管11内へ発振される。
最適周波数の超音波パルスが超音波トランスジューサ20から発振されるので、充分な反射波S/N比を確保することができ、反射波である超音波エコー信号を大きく取ることができる。すなわち、共鳴的透過現象を生じさせる超音波パルスが発振されるので、流体配管11の透過率が非常に高く、充分な反射波強度を得ることができる。
【0041】
なお、超音波トランスジューサ20から発振される超音波を流体配管11内へスムーズに発振させるため、超音波トランスジューサ20と流体配管11との間には、ゼリー状の接触媒体35を介在させる。
また、反射波を反射波レシーバ27にて受けるとして前述したが、超音波トランスジューサ20に受信機能を内蔵させて代用させることも可能である。
【0042】
次に、図6を参照させながら、ドップラ式超音波流量計10の作動原理を説明する。
図6(A)に示すように、超音波トランスジューサ20を配管11の放射方向に対し角度αだけ被測定体の流れ方向に傾けて設置した状態で、超音波トランスジューサ20から所要周波数fの超音波パルスを入射させると、この超音波パルスは測定線ML上の被測定流体12に一様に分布する反射体に当って反射し、図6(B)に示すように、超音波エコーaとなって超音波トランスジューサ20に戻される。
ここで、図6(B)における符号bは、超音波パルス入射側の管壁で反射する多重反射エコーである。また符号cは、反対側管壁で反射する多重反射エコーである。超音波トランスジューサ20から発振される超音波パルスの発振間隔は1/Frpfである。
超音波トランスジューサ20で受信したエコー信号をフィルタリング処理し、ドップラシフト法を利用して測定線MLに沿って流速分布を計測すると、図6(C)のように表示される。この流速分布は、Udflowユニット13の流体速度分布測定手段16で測定することができる。
【0043】
ここで「ドップラシフト法」とは、配管11内を流れる流体12中に超音波パルスを放射すると、流体12中に混在あるいは一様分布の反射体(例えば気泡)によって反射されて超音波エコーとなり、この超音波エコーの周波数が流速に比例した大きさだけ周波数シフトする原理を応用し、流速を測定する方法である。超音波流体速度分布測定手段16で測定された被測定流体12の流速分布信号は、流量演算手段としてのコンピュータ17に送られ、ここで流速分布信号を配管11の半径方向に積分し、被測定流体12の流量を時間依存で求めることができる。その流量計算の式については、前述した式(1),式(2)であるので、繰り返しての説明は省略する。
【0044】
なお、式(2)により、本実施形態によるドップラ式超音波流量計10は、被測定流体12の流れの空間分布を瞬時、例えば50msec〜100msec程度の応答速度にて得ることができる。被測定流体12は配管(円管)11内の流れであっても、充分な助走区間をとれない場合や、弁の開閉やポンプの起動・停止などで時間的な揺らぎが存在する場合には、流体の流れは非定常状態で三次元分布をもっているが、このドップラ式超音波流量計10は、測定領域の流速分布を時間依存で瞬時に求めることができるので、被測定流体12の流量を定常状態、非定常状態如何を問わず、正確に精度よく求めることができる。
【0045】
(透過特性の確認実験)
本実施形態によるドップラ式超音波流量計10を用いて、超音波トランスジューサ20から発振される超音波の透過特性の確認実験を行った。
このドップラ式超音波流量計10は、周波数選択設定手段19によって超音波トランスジューサ20から発振される超音波の基本周波数を、200kHzから数MHz(例えば、2MHz)まで、5kHz刻みに自動的に調整設定できるものである。
超音波の壁面透過試験は、250mm径のアクリル配管の一部にステンレス鋼を埋め込み、このステンレス鋼の壁外部へ超音波トランスジューサ20を設置する。そして、基本周波数を変化させながら超音波を入射し、アクリル配管の対抗側壁面からの超音波の反射強度を調べた。
【0046】
(図7)
超音波の壁面透過実験では、ステンレス鋼の壁厚が9.5ミリメートル、11.5ミリメートル、13.0ミリメートルの三種類を用意した。また、超音波トランスジューサ20から発振される超音波の基本周波数は、0.25kHz、0.5kHzおよび1MHzの三種類とした。図7は、9.5ミリメートルのステンレス鋼による超音波の壁面透過実験の例を示している。横軸は超音波の基本周波数fであり、縦軸は対抗壁からの超音波の反射強度である。図7中、反射波の透過強度曲線を、0.25kHzがh,0.5kHzがi,1MHzがjにて示している。
さて、図7における上向き矢印l,m,nは、超音波の発振周波数の波長と、ステンレス鋼の壁厚との関係を示すものである。すなわち、波長の低い方からステンレス鋼の壁厚の1/2倍、等倍、3/2倍の周波数位置を示している。
図7からは、例えば1MHzの超音波を選択して超音波トランスジューサ20を使用する場合、ステンレス鋼の配管壁厚に合わせて、基本周波数を約910kHzに設定すると、超音波の透過特性が良好であることが把握できる。周波数の透過強度曲線jは、矢印nの位置で反射波の透過強度が高いことが把握できる。
【0047】
(図8)
壁厚9.5ミリメートル、内径150ミリメートルの炭素鋼による流体配管を用意し、1MHzの超音波を選択して超音波トランスジューサ20を使用し、周波数選択設定装置19によって超音波トランスジューサ20から発振される基本周波数fが910kHzとなるように設定し、被測定流体の流速分布を測定した。図8は、その測定実験で得られた被測定流体の時間平均流速分布の結果を示したものである。
被測定流体の流速分布の計測点は、流体配管における管中心部から手前側(0〜60ミリメートルの範囲)では、壁内部における超音波の反射のために、充分な流速分布を得るのが困難であったため、被測定流体12の流速分布に対して壁面の影響が表れにくかった、60〜150ミリメートルの範囲とした。そして、比較的スムーズな平均流速分布曲線(図中O)を得た。
この平均流速分布曲線Oから、平均流速分布を流体配管11内で積分することによって、流体配管11内を流れる被測定流体12の流量を精度よく、被接触状態にて測定することができる。
【0048】
ところで、この測定において、0〜150ミリメートルの全体について流速分布を一旦取得してモニタ出力させるとともに、中央たる75ミリメートルに「中央」の表示を行い、その中央にて分割された二つの測定結果において、比較的円滑、または充分な流速分布を得た側をユーザが選択する、という手法が、図1等を用いて前述した手法である。更に、中央にて分割された二つの測定結果のうち、良好な一方を自動的に選択することとすれば、図2を用いて前述した手法となる。
【0049】
(図9)
図9は、図5に示したドップラ式超音波流量計のバリエーションであり、ドップラ式超音波流量計10Aと記す。
流体配管11内に入射する超音波パルスの最適周波数を選定する代わりに、反射波のS/N比を向上させる方法として、理論的には流体配管11の壁厚を変化させて共鳴的透過現象を生じさせる、という方法が考えられる。しかし現実的には、流体配管11の壁厚を変化させる方法は不可能である。そこで、流体配管11の壁厚を変化させるのと均等な手段として、流体配管11に対する超音波トランスジューサ20の取り付け角度を変化させる機構を備えたものである。すなわち、超音波トランスジューサ20の入射角度αを調整設定し、流体配管11の壁厚に適合する超音波の入射角度を自動的に選定できる入射角調整設定手段40を備え、ドップラ式超音波流量計10にて備えられていた周波数選定設定手段19を省略している。ここで、超音波トランスジューサ20から発振される超音波の入射角度αは、流体配管11の管表面の垂直線あるいは垂直面との間に形成される角度である。
【0050】
入射角調整設定手段40は、流体配管11に対して外側から取り付け角度を調節自在とした超音波トランスジューサ20と、この超音波トランスジューサ20から発振される超音波パルスの入射角度αを調整設定可能な入射角変換機構41と、予め指定された入射角の範囲(例えば、5〜45度)内で、入射角変換機構41を動作させる入射角領域設定手段43と、反射される超音波エコーを受信してその強度を抽出して記憶する反射波強度抽出手段44とを備えている。その反射波強度抽出手段44で抽出、記憶された超音波エコー強度は、反射波強度表示機能を備えた表示装置18にて表示する。
【0051】
この入射角調整設定手段40は、入射角変換機構41によって流体配管11に対する超音波トランスジューサ20の取り付け角度を変化させ、超音波の入射角度αを約5〜45度の範囲で変化させることができる。具体的には、図9にて図示するように、入射角変換機構41から出力される出力信号によってステッピングモータ46を駆動させ、そのステッピングモータ46によって取付角度調整機構を駆動させることによって達成する。
【0052】
超音波トランスジューサ20から発振される超音波パルスの入射角度αは、流体配管11の壁厚に対して共鳴的透過現象を生じる最適な角度として、入射角調整設定手段40にて設定される。超音波パルスの周波数を変えることなく、壁厚を物理的に変化させて共鳴的透過現象が生じるようにしていることと同じである。共鳴的透過現象が生じる超音波パルスが入射され、十分な反射波S/N比を確保できるので、超音波エコーが反射し、被測定流体12の流速分布および流量を正確に精度よく測定できる。
【0053】
なお、前述した入射角調整設定手段40の機能、すなわち、超音波の入射角度を変化させることができる機能を内蔵した超音波トランスジューサ20を製作して採用することも、当然可能である。
ところで、前述した入射角調整設定手段40は、同じく前述した周波数選定設定手段19の代わりに設けるとして説明したが、両手段40,19を組み合わせて備えることも、当然可能である。その場合、最適入射角度および最適周波数を自動的に選択し、設定することとなる。例えば、流速が非常に速い場合において入射角度が大きいと超音波エコーを受信しにくくなるおそれがある。そのような場合には、入射角度を小さく設定し、最適周波数の調整を優先するのである。
【0054】
図5から図9において示したドップラ式超音波流量計10,10Aは、測定線MLに依存した測定方法であるから、測定線MLの数を増やすことが面測定に近付け、測定精度を向上させることに直結する。そこで、N個の超音波トランスジューサ20を流体配管11の周方向に、所定間隔毎に設置する。また、全ての超音波トランスジューサ20の測定線MLを、管壁への垂線に対し角度α傾斜させるとともに、流体配管11の軸線と交差するように設置するのが望ましい。
【0055】
さて、配管11内を流れる被測定流体12の流れが、管軸方向の流れで半径方向や角度θの流れvr,vθを無視できるとすると、vx>>vr=vθとなり、流量計測は簡素化され、次式で表わされる。
【数3】
Figure 0003602112
このように、求められた被測定流体12の流量は、表示装置18により時間依存で瞬時に表示することができる。この表示装置18には、被測定流体12の配管11内の測定線MLに沿う流速分布あるいは配管横断面における流速分布を表示することもできる。
【0056】
図10から図12に示すドップラ式超音波流量計10Bは、被測定流体12の流れが流体配管11に対して平行でない場合、例えば流体配管11内で旋回流が生じているような場合であっても、正確な流速、流量を算出することができるようにするためのものである。
例えば、図11において示す速度ベクトルV3は、流体配管11に対して平行ではない。この速度ベクトルV3による流速を算出しようとしたとする。すなわち、この速度ベクトルV3に沿って流れている気泡に超音波が反射し、その超音波反射エコーを超音波トランスジューサ20のみが受信したとする。すると、速度ベクトルV3は、流体配管11に対して平行な速度ベクトルV1として算出されてしまい、実際の流速よりも大きくなってしまう。
【0057】
そこで、超音波トランスジューサは、これまでと同様に設置する超音波トランスジューサ20と、その超音波トランスジューサ20とは流体配管11の軸方向に離間させて設置される第二の超音波トランスジューサ20aとの組合せとするのである。超音波トランスジューサ20および第二の超音波トランスジューサ20aとは、それぞれの発振する超音波パルスが流体配管内の測定領域にて直交するような位置に設置することとしている。
第二の超音波トランスジューサ20aは、速度ベクトルV2、V4、V5を求めることができるので、速度ベクトルV1との関係から、本来の速度ベクトルV3を算出できる。
【0058】
なお、図12において、この実施形態に係る超音波トランスジューサの構成について説明している。すなわち、第一の超音波トランスジューサ20および第二の超音波トランスジューサ20aと、それらトランスジューサ20,20aを相対的に移動させるトランスジューサ移動機構46とを備えている。そして、そのトランスジューサ移動機構46は、第一トランスジューサ20および第二トランスジューサ20aとが発振する超音波パルスが流体配管内の測定領域にて直交するように移動させる構造を備えているのである。
トランスジューサ20,20aには、それぞれ反射波レシーバ27,27aと、速度ベクトル算出手段47,47aとが備えられており、流速ベクトル算出手段48が速度ベクトル算出手段47,47aに基づいて算出される速度ベクトルのベクトル和から、最終的な速度ベクトルV3を算出する。
【0059】
図10から図12に示すドップラ式超音波流量計10Bによれば、被測定流体12の流れ方向が流体配管11に対して平行でない場合であっても、その流れ方向をベクトル演算し、正確な流速、流量を算出することができる。
なお、第一の超音波トランスジューサ20および第二の超音波トランスジューサ20aを一組としたこのドップラ式超音波流量計10Bを、流体配管11の管周方向に複数位置させて組み合わせれば、より正確な流速、流量を算出することができる。
【0060】
【発明の効果】
請求項1から請求項6記載の発明によれば、流速分布の測定値にばらつきが生じる場合であっても、より精密な流量測定を可能とするドップラ式超音波流量計を提供することができた。
また、請求項7および請求項8記載の発明によれば、流速分布の測定値にばらつきが生じる場合であっても、より精密な流量測定を可能とするドップラ式超音波流量計による測定方法を提供することができた。
また、請求項9および請求項10記載の発明によれば、流速分布の測定値にばらつきが生じる場合であっても、より精密な流量測定を可能とするドップラ式超音波流量計による流量測定用プログラムを提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の構成を示す概念図である。
【図2】実施形態の構成を示す概念図である。
【図3】コンピュータのモニタへ出力された画面を示す図である。
【図4】コンピュータのモニタへ出力された画面を示す図である。
【図5】実施形態のハードウエア構成を示す図である。
【図6】ドップラ式超音波流量計の作動原理を説明するための図である。
【図7】超音波の壁面透過実験の例を示す図である。
【図8】測定実験で得られた被測定流体の時間平均流速分布の結果を示したものである。
【図9】超音波の入射角度を変更できる実施形態を示すハードウエア構成図である。
【図10】流体配管に対して平行ではない流れをベクトル表示した図である。
【図11】超音波トランスジューサを管軸方向に複数備えて、流体配管に対して平行ではない流れを測定する原理を示す図である。
【図12】超音波トランスジューサを管軸方向に複数備えた場合の信号処理ブロック図である。
【符号の説明】
10,10A,10B ドップラ式超音波流量計
11 流体配管 12 被測定流体
13 超音波速度分布計測ユニット(Udflowユニット)
15 超音波送信手段 16 流体速度分布測定手段
17 コンピュータ(流体流量演算手段)
18 表示装置 19 周波数選択設定手段
20,20a 超音波トランスジューサ
21 発振用アンプ(信号発生器)
23 発振器(オッシレータ) 24 エミッタ
27 反射波レシーバ(超音波受信手段)
28 増幅器 29 A/D変換器
30 流速分布計測回路 31 発振周波数可変装置
32 基本周波数領域設定手段 33 反射波強度抽出手段
35 接触媒体
40 入射角度調節設定手段 41 入射角度変換機構
43 入射角度領域設定手段 44 反射波強度抽出手段
46 超音波トランスジューサ移動機構

Claims (10)

  1. 所要周波数の超音波パルスを超音波トランスジューサから測定線に沿って流体配管内の被測定流体中へ入射させる超音波送信手段と、
    被測定流体に入射された超音波パルスのうち測定領域から反射された超音波エコーを受信し、測定領域における被測定流体の流速分布を測定する流体速度分布測定手段と、
    前記被測定流体の流速分布に基づいて、前記測定領域における被測定流体の流量を演算する流量演算手段とを備えたドップラ式超音波流量計であって、
    測定領域における被測定流体の流速分布を画面出力させる流速分布出力手段と、
    その流速分布出力手段が画面出力した流速分布に対して、被測定流体における測定点の中央を表示する中央表示手段と、
    その中央表示を境界として二分割されて出力される流速分布における一方の分割分布をユーザが選択可能とする分割分布選択手段とを備え、
    前記流量演算手段は、前記分割分布選択手段を用いて選択された一方の分割分布を用いて演算し、二倍することによって前記測定領域における被測定流体の流量を計測することとしたドップラ式超音波流量計。
  2. 所要周波数の超音波パルスを超音波トランスジューサから測定線に沿って流体配管内の被測定流体中へ入射させる超音波送信手段と、
    被測定流体に入射された超音波パルスのうち測定領域から反射された超音波エコーを受信し、測定領域における被測定流体の流速分布を測定する流体速度分布測定手段と、
    前記被測定流体の流速分布に基づいて、前記測定領域における被測定流体の流量を演算する流量演算手段とを備えたドップラ式超音波流量計であって、
    測定領域における被測定流体の流速分布に対して、被測定流体における測定点の中央にて二分割して二つの分割分布を作成する分割分布作成手段と、
    作成した二つの分割分布を比較してばらつきの小さな分割分布を自動選択する自動選択手段とを備え、
    前記流量演算手段は、前記自動選択手段が選択した一方の分割分布を用いて演算し、二倍することによって前記測定領域における被測定流体の流量を計測することとしたドップラ式超音波流量計。
  3. 超音波送信手段には、被測定流体が流れる流体配管の管壁に対して共鳴的透過現象を生じさせる基本周波数たる最適周波数を自動的に選択する周波数選択設定装置を備え、
    超音波送信手段の超音波トランスジューサは、前記最適周波数を発振することとした請求項1または請求項2記載のドップラ式超音波流量計。
  4. 超音波トランスジューサから被測定流体内へ入射される超音波パルスの入射角度を調整設定する入射角調整設定手段を備え、
    その入射角調整設定手段は、流体配管の管壁に対して超音波パルスが共鳴的透過現象を生じさせる入射角度となるように、超音波トランスジューサを流体配管に対して調整設定可能とした請求項1から請求項3のいずれかに記載のドップラ式超音波流量計。
  5. 超音波トランスジューサは、第一トランスジューサと、その第一トランスジューサとは流体配管の軸方向に離間させて設置される第二トランスジューサと、第一トランスジューサおよび第二トランスジューサとを相対的に移動させるトランスジューサ移動機構とを備え、
    前記トランスジューサ移動機構は、第一トランスジューサおよび第二トランスジューサとが発振する超音波パルスが流体配管内の測定領域にて直交するように移動させることとした請求項3または請求項4のいずれかに記載のドップラ式超音波流量計。
  6. 第一トランスジューサおよび第二トランスジューサから発振された超音波パルスの流体配管内の測定領域から反射波である超音波エコーをそれぞれ受信する第一反射波レシーバおよび第二反射波レシーバと、
    第一反射波レシーバおよび第二反射波レシーバにて受信された超音波エコーの強度から超音波測定線の方向の速度ベクトルをそれぞれ算出する速度ベクトル算出手段と、
    その速度ベクトル算出手段にて算出されたそれぞれの速度ベクトルのベクトル和から被測定流体の流速ベクトルを算出する流速ベクトル算出手段とを備え、
    流体速度分布測定手段は、前記流速ベクトルを用いて流速分布を測定し、
    流量演算手段は、当該流速分布を用いて被測定流体の流量を演算することとした請求項5記載のドップラ式超音波流量計。
  7. 所要周波数の超音波パルスを超音波トランスジューサから測定線に沿って流体配管内の被測定流体中へ入射させる超音波送信手段と、 被測定流体に入射された超音波パルスのうち測定領域から反射された超音波エコーを受信し、測定領域における被測定流体の流速分布を測定する流体速度分布測定手段と、 前記被測定流体の流速分布に基づいて、前記測定領域における被測定流体の流量を演算する流量演算手段とを備えたドップラ式超音波流量計を用いた流量計測方法であって、
    測定領域における被測定流体の流速分布を画面出力させる流速分布出力手順と、
    その流速分布出力手順にて画面出力された流速分布に対して、被測定流体における測定点の中央を表示する中央表示手順と、
    その中央表示手順による中央の表示を境界として二分割されて出力される流速分布における一方の分割分布をユーザが選択可能とする分割分布選択手順とを備え、
    前記流量演算手段は、前記分割分布選択手順を用いてユーザが選択した一方の分割分布を用いて演算し、二倍することによって前記測定領域における被測定流体の流量を計測することとした流量計測方法。
  8. 所要周波数の超音波パルスを超音波トランスジューサから測定線に沿って流体配管内の被測定流体中へ入射させる超音波送信手段と、
    被測定流体に入射された超音波パルスのうち測定領域から反射された超音波エコーを受信し、測定領域における被測定流体の流速分布を測定する流体速度分布測定手段と、
    前記被測定流体の流速分布に基づいて、前記測定領域における被測定流体の流量を演算する流量演算手段とを備えたドップラ式超音波流量計を用いた流量計測方法であって、
    測定領域における被測定流体の流速分布に対して、被測定流体における測定点の中央にて二分割して二つの分割分布を作成する分割分布作成手順と、
    作成した二つの分割分布を比較してばらつきの小さな分割分布を自動選択する自動選択手順とを備え、
    前記流量演算手段は、前記自動選択手順にて選択された一方の分割分布を用いて演算し、二倍することによって前記測定領域における被測定流体の流量を計測することとした流量計測方法。
  9. 所要周波数の超音波パルスを超音波トランスジューサから測定線に沿って流体配管内の被測定流体中へ入射させる超音波送信手段と、
    被測定流体に入射された超音波パルスのうち測定領域から反射された超音波エコーを受信し、測定領域における被測定流体の流速分布を測定する流体速度分布測定手段と、
    前記被測定流体の流速分布に基づいて、前記測定領域における被測定流体の流量を演算する流量演算手段とを備えたドップラ式超音波流量計を用いた流量計測プログラムであって、
    そのプログラムは、測定領域における被測定流体の流速分布を画面出力させる流速分布出力手順と、
    その流速分布出力手順にて画面出力された流速分布に対して、被測定流体における測定点の中央を表示する中央表示手順と、
    その中央表示手順による中央の表示を境界として二分割されて出力される流速分布における一方の分割分布をユーザが選択可能とする分割分布選択手順とをコンピュータに実行させるとともに、
    前記ドップラ式超音波流量計の流量演算手段に対して、前記分割分布選択手順を用いてユーザが選択した一方の分割分布を用いて演算し、二倍することによって前記測定領域における被測定流体の流量を計測させることとした流量計測用プログラム。
  10. 所要周波数の超音波パルスを超音波トランスジューサから測定線に沿って流体配管内の被測定流体中へ入射させる超音波送信手段と、
    被測定流体に入射された超音波パルスのうち測定領域から反射された超音波エコーを受信し、測定領域における被測定流体の流速分布を測定する流体速度分布測定手段と、
    前記被測定流体の流速分布に基づいて、前記測定領域における被測定流体の流量を演算する流量演算手段とを備えたドップラ式超音波流量計を用いた流量計測プログラムであって、
    そのプログラムは、測定領域における被測定流体の流速分布に対して、被測定流体における測定点の中央にて二分割して二つの分割分布を作成する分割分布作成手順と、
    作成した二つの分割分布を比較してばらつきの小さな分割分布を自動選択する自動選択手順とをコンピュータに実行させるとともに、
    前記ドップラ式超音波流量計の流量演算手段に対して、前記自動選択手順にて選択された一方の分割分布を用いて演算し、二倍することによって前記測定領域における被測定流体の流量を計測することとした流量計測用プログラム。
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