JP3601994B2 - Atmセル多重装置及びatmセル多重方法 - Google Patents

Atmセル多重装置及びatmセル多重方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ATM(Asynchronous Transfer Mode)セル多重伝送装置に関し、特に、AAL(ATMアダプテーションレイヤ)タイプ2のATMセルを多重伝送する機能を備えるものに好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
文献名:電子情報通信学会技術研究報告Vol.98,No.18 p.41〜p.48川上他著「IMT−2000モバイルマルチメディアを実現するATMアクセス制御方式」信学技報[交換システム],SSE98−6 RCS98−6(1998−04)
従来、この種の多重伝送機能を検討したものに、上記文献が存在する。特に、文献第48頁図15には、AALタイプ1、2及び5のATMセルの多重伝送を統合制御する機能を備える多重伝送装置の構成が開示されている。本明細書では、この装置構成を図2で表す。
【0003】
一般に、AALタイプ1及び5のATMセルには、ユーザの要求に応じた多様なサービス品質(QoS:Quality of Service)の提供が可能となっている。すなわち、各ATMセルを、QoSクラス(優先順位)ごと複数のクラスに分け、各クラスに応じた帯域制御を行うことにより、そのQoSを保証するようになっている。
【0004】
この処理内容を説明する。図2のATMセル多重装置は、AALタイプ1又は2のATMセルが入力されると、振分部1にてそのQoSクラスを判別する。振分部1は、判別したQoSクラスに基づき、各クラス毎用意されている送信待ちバッファ2i(i=1、2…n)のうち該当するものにATMセルを振り分ける。ATM多重部3は、設定された取り出し順序及び出力タイミングに従い、送信待ちバッファ2i(i=1、2…n)に保持されているATMセルを取り出し伝送路に送信する。
【0005】
AALタイプ2の場合でも、ユーザが異なるQoSを要求するときは、QoSを優先順位としたクラス分けが行われる。ただし、この場合、ATMセル多重装置に入力されるのはCPS(Common Part Sublayer)パケットである。
【0006】
ATMセル多重装置にCPSパケットが入力されると、CPSパケット振分部4が、そのQoSクラスを判別する。次に、CPSパケット振分部4が、判別したQoSクラスに基づき、各クラス毎に用意されているAAL多重待ちバッファ5i(i=1、2…n)に入力したCPSパケットを振り分ける。AAL多重処理タイミングとATMセル送信タイミングとの同期は、タイミング制御部6が取る。入力トラヒック量に関わらず、ATMセルの出力タイミングになると、タイミング制御部6は、多重処理開始要求をAAL多重部7に通知する。AAL多重部7は、通知された処理開始タイミングに従ってCPSパケットを読み出し、ATMセル形式にAAL多重する。このとき、ATMセルペイロードを十分に満たすだけのCPSパケットがAAL多重待ちバッファ内に存在しなくても、AAL多重部7は、部分的にCPSパケットを搭載したATMセル(AAL2)を、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8に送信する。かくして、一つのATMセルに同じQoSのCPSパケットがAAL多重されるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来技術には、以下に示す技術的課題があった。すなわち、上記構成の装置には、QoSの保証上、無上限優先度逆転という現象が生じ得る問題があり、マルチメディアサービスの最も重要なQoS要求を満足することができなかった。
【0008】
ここで、優先度逆転とは優先順位の高いデータが優先順位の低いデータに待たされることである。また、待たされる時間の最大値は、論理上予測できない場合、無上限優先度逆転という。かかる無上限優先度逆転は、リアルタイムシステム、マルチメディアサービスなどに大きな障害となる。
【0009】
以下、図2を例に、無上限優先度逆転の例を説明する。なお、以下の説明では、QoSクラスの番号が小さいほど優先順位が高いものとする。
【0010】
仮に、QoSクラスが3であるAALタイプ2のCPSパケットがAAL多重されてATMセル送信待ちバッファ8に入力された時点に、QoSクラスが1であるAALタイプ2のCPSパケットがAAL多重待ちバッファ51に入ったとする。
【0011】
本来、QoSを保証する場合には、ATMセル送信待ちバッファ8にあるATMセルが送信されてから、QoSクラス1のCPSパケットをATMセルにAAL多重して送しなければならない。しかし、AALタイプ5のATMセルにおけるQoSクラスが2である場合、AALタイプ5のATMセルの方がAALタイプ2のATMセルの優先順位よりも高いため、AALタイプ5のATMセルが連続送信され送信が終了するまでAALタイプ2のATMセルの送信が待たされることになる。
【0012】
AALタイプ2のATMセルは、その優先順位自体低いため待たされても構わない。しかし、AALタイプ2のATMセルが転送されない限り、図2のATM多重伝送装置の場合には、AAL多重待ちバッファ5に格納されている優先順位が最高位(QoSクラス1)であるAALタイプ2のCPSパケットが時間無上限に待たされ、無上限優先度逆転を発生する。つまり、従来装置の場合には、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8がボトルネックになってしまう。
【0013】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため、第1の発明においては、サービス品質別に設けられた複数組のAAL多重待ちバッファと、AAL多重待ちバッファから読み出したAALタイプ2のユーザデータからATMセルを生成するAAL多重部と、生成されたATMセルを一時保持する送信待ちバッファと、送信待ちバッファから読み出したATMセルをATM多重するATM多重部とを備えるATMセル多重装置であって、AAL多重待ちバッファそれぞれに、多重待ちのユーザデータが存在する場合に、対応するサービス品質をATM多重部に直接通知する機能を備えるようにする。
【0014】
第2の発明においては、サービス品質別に設けられた複数組のAAL多重待ちバッファと、AAL多重待ちバッファから読み出したAALタイプ2のユーザデータからATMセルを生成するAAL多重部と、生成されたATMセルを一時保持する送信待ちバッファと、送信待ちバッファから読み出したATMセルをATM多重するATM多重部とを備えるATMセル多重装置であって、多重待ちのユーザデータを有するAAL多重待ちバッファから通知されるサービス品質と、送信待ちバッファに保持されているATMセルのサービス品質とを比較し、ユーザデータのサービス品質の方がATMセルのサービス品質より高い場合には、当該ユーザデータのサービス品質をATMセルのサービス品質に継承させる優先度継承部と、多重順序が決定され、送信待ちバッファからATM多重部に読み出されるATMセルのサービス品質を、継承前の元のサービス品質に戻すサービス品質回復部とをさらに備えるようにする。
【0015】
第3の発明においては、サービス品質別に設けられた複数組のAAL多重待ちバッファと、AAL多重待ちバッファから読み出したAALタイプ2のユーザデータからATMセルを生成するAAL多重部と、生成されたATMセルを一時保持する送信待ちバッファと、送信待ちバッファから読み出したATMセルをATM多重するATM多重部とを備えるATMセル多重装置であって、多重待ちのユーザデータを有するAAL多重待ちバッファから通知されるサービス品質と、送信待ちバッファに保持されているATMセルのサービス品質とを比較し、ユーザデータのサービス品質の方がATMセルのサービス品質より高い場合には、当該ユーザデータのサービス品質をATMセルのサービス品質としてATM多重部に通知する仮優先度継承部をさらに備えるようにする。
【0016】
第4の発明においては、第2の発明におけるAAL多重待ちバッファに、保持されているユーザデータの待ちキュー長さが、対応するサービス品質別に設定された危険ラインを超える場合にのみ、サービス品質を優先度継承部に通知する機能を備えるようにする。
【0017】
第5の発明においては、第2の発明におけるAAL多重待ちバッファに、保持されているユーザデータの待ちキュー長さが、対応するサービス品質別に設定された危険ラインを超える場合にのみ、サービス品質を優先度継承部に通知する機能を備えるようにする。
【0018】
第6の発明においては、第2の発明におけるAAL多重待ちバッファに、保持されているユーザデータの待ちキュー長さ又は保持されているユーザデータの待ち時間のいずれか一方が、対応するサービス品質別に設定されたおのおの対応する危険ラインを超える場合にのみ、サービス品質を優先度継承部に通知する機能を備えるようにする。
【0019】
第7の発明においては、第3の発明におけるAAL多重待ちバッファに、保持されているユーザデータの待ちキュー長さが、対応するサービス品質別に設定された危険ラインを超える場合にのみ、サービス品質を仮優先度継承部に通知する機能を備えるようにする。
【0020】
第8の発明においては、第3の発明におけるAAL多重待ちバッファに、保持されているユーザデータの待ち時間が、対応するサービス品質別に設定された危険ラインを超える場合にのみ、サービス品質を仮優先度継承部に通知する機能を備えるようにする。
【0021】
第9の発明においては、第3の発明におけるAAL多重待ちバッファに、保持されているユーザデータの待ちキュー長さ又は保持されているユーザデータの待ち時間のいずれか一方が、対応するサービス品質別に設定されたおのおの対応する危険ラインを超える場合にのみ、サービス品質を仮優先度継承部に通知する機能を備えるようにする。
【0022】
第10の発明においては、サービス品質別に設けられた複数組のAAL多重待ちバッファと、各AAL多重待ちバッファと対をなす複数組の復帰バッファと、AAL多重待ちバッファから読み出したAALタイプ2のユーザデータからATMセルを生成するAAL多重部と、生成されたATMセルを一時保持する送信待ちバッファと、送信待ちバッファから読み出したATMセルをATM多重するATM多重部とを備えるATMセル多重装置であって、送信待ちバッファに、送信待ち時間がタイムオーバー時間を超えるとき、該当するATMセルを廃棄する機能を備え、AAL多重部に、廃棄直後に生成するATMセルとして、廃棄されたATMセルより高いサービス品質が要求されるユーザデータを優先する機能と、廃棄されたATMセルと同じサービス品質のユーザデータから次のATMセルを生成する場合、当該サービス品質と対応する復帰バッファから廃棄されたATMセルと同じユーザデータを読み出し再度同じATMセルを生成する機能とを備えるようにする。
【0023】
第11の発明においては、サービス品質別に設けられた複数組のAAL多重待ちバッファと、各AAL多重待ちバッファと対をなす複数組の復帰バッファと、AAL多重待ちバッファから読み出したAALタイプ2のユーザデータからATMセルを生成するAAL多重部と、生成されたATMセルを一時保持する送信待ちバッファと、送信待ちバッファから読み出したATMセルをATM多重するATM多重部とを備えるATMセル多重装置であって、送信待ちバッファに、ATMセルの廃棄を要求するAAL多重待ちバッファのサービス品質が、現に保持しているATMセルのサービス品質より高い場合、保持しているATMセルを廃棄する機能を備え、AAL多重待ちバッファに、保持されているユーザデータの待ちキュー長さが、対応するサービス品質別に設定された危険ラインを超える場合にのみ、送信待ちバッファにATMセルの廃棄を要求する機能を備え、AAL多重部に、廃棄直後に生成するATMセルとして、廃棄されたATMセルより高いサービス品質が要求されるユーザデータを優先する機能と、廃棄されたATMセルと同じサービス品質のユーザデータから次のATMセルを生成する場合、当該サービス品質と対応する復帰バッファから廃棄されたATMセルと同じユーザデータを読み出し再度同じATMセルを生成する機能とを備えるようにする。
【0024】
第12の発明においては、サービス品質別に設けられた複数組のAAL多重待ちバッファと、各AAL多重待ちバッファと対をなす複数組の復帰バッファと、AAL多重待ちバッファから読み出したAALタイプ2のユーザデータからATMセルを生成するAAL多重部と、生成されたATMセルを一時保持する送信待ちバッファと、送信待ちバッファから読み出したATMセルをATM多重するATM多重部とを備えるATMセル多重装置であって、送信待ちバッファに、ATMセルの廃棄を要求するAAL多重待ちバッファのサービス品質が、現に保持しているATMセルのサービス品質より高い場合、保持しているATMセルを廃棄する機能を備え、AAL多重待ちバッファに、保持されているユーザデータの待ち時間が、対応するサービス品質別に設定された危険ラインを超える場合にのみ、送信待ちバッファにATMセルの廃棄を要求する機能を備え、AAL多重部に、廃棄直後に生成するATMセルとして、廃棄されたATMセルより高いサービス品質が要求されるユーザデータを優先する機能と、廃棄されたATMセルと同じサービス品質のユーザデータから次のATMセルを生成する場合、当該サービス品質と対応する復帰バッファから廃棄されたATMセルと同じユーザデータを読み出し再度同じATMセルを生成する機能とを備えるようにする。
【0025】
第13の発明においては、サービス品質別に設けられた複数組のAAL多重待ちバッファと、各AAL多重待ちバッファと対をなす複数組の復帰バッファと、AAL多重待ちバッファから読み出したAALタイプ2のユーザデータからATMセルを生成するAAL多重部と、生成されたATMセルを一時保持する送信待ちバッファと、送信待ちバッファから読み出したATMセルをATM多重するATM多重部とを備えるATMセル多重装置であって、送信待ちバッファに、ATMセルの廃棄を要求するAAL多重待ちバッファのサービス品質が、現に保持しているATMセルのサービス品質より高い場合、保持しているATMセルを廃棄する機能を備え、AAL多重待ちバッファに、保持されているユーザデータの待ちキュー長さ又は保持されているユーザデータの待ち時間のいずれか一方が、対応するサービス品質別に設定されたおのおのに対応する危険ラインを超える場合にのみ、送信待ちバッファにATMセルの廃棄を要求する機能を備え、AAL多重部に、廃棄直後に生成するATMセルとして、廃棄されたATMセルより高いサービス品質が要求されるユーザデータを優先する機能と、廃棄されたATMセルと同じサービス品質のユーザデータから次のATMセルを生成する場合、当該サービス品質と対応する復帰バッファから廃棄されたATMセルと同じユーザデータを読み出し再度同じATMセルを生成する機能とを備えるようにする。
【0026】
第14の発明においては、AALタイプ2のユーザデータからATMセルを生成するAAL多重部と、生成されたATMセルを一時保持する送信待ちバッファと、送信待ちバッファから読み出したATMセルをATM多重するATM多重部とを備えるATMセル多重装置であって、送信待ちバッファに、保持されているATMセルに要求されるサービス品質を、多重前のユーザデータに付されていたサービス品質とは無関係に定めた固定値に固定する機能を備えるようにする。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、AALタイプ1、2及び5のATMセル多重伝送機能を備えるATMセル多重装置に適用する場合について、その実施形態を説明する。なお、以下の説明においても、QoSクラスの番号が小さいほど優先順位が高いものとする。
【0037】
(A)第1の実施形態
(A−1)装置構成
本実施形態に係るATMセル多重装置の機能ブロック構成を図1に示す。ここで、図1には、図2と同一である部分及び対応する部分に、同一符号及び対応符号を付して示してある。
【0038】
本実施形態に係るATMセル多重装置と従来装置との違いは、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8Aにセル廃棄機能を設けた点と、かかるセル廃棄を監視するための手段として廃棄監視部9を設けた点である。
【0039】
以下、当該構成上の違いを中心に、各部の機能構成を説明する。
【0040】
振り分け部1は、AALタイプが1と5であるATMセルの振り分け用である。振り分け部1は、ATMセルを入力すると、そのQoSクラスに従って対応するATMセル(AAL1,5)送信待ちバッファ2i(i=1、2…n)への振り分けを行う。
【0041】
ATMセル(AAL1,5)送信待ちバッファ2i(i=1、2…n)は、QoSクラスの数(図1の場合、n個)だけ設けられる、複数のATMセルの格納が可能なFIFO形式のバッファである。
【0042】
CPSパケット振分部4は、AALタイプが2であるCPSパケットの振り分け用である。CPSパケット振分部4は、CPSパケットを入力すると、そのQoSクラスに従って対応するAAL多重待ちバッファ5i(i=1、2…n)への振り分けを行う。
【0043】
AAL多重待ちバッファ5i(i=1、2…n)も、QoSクラスの数(図1の場合、n個)に応じて設けられる、複数のATMセルの格納が可能なFIFO形式のバッファでなる。なお、AAL多重待ちバッファ5iは、AAL多重部7AにCPSパケットを出力する際、当該バッファに固有のQoSクラス情報も同時に出力する。
【0044】
タイミング制御部6は、AAL多重処理タイミングとATMセル送信タイミングとの同期用である。このタイミング制御部6の場合も、入力トラヒック量とは無関係に、ATMセル(AAL2)の出力タイミングに応じた多重処理開始要求を、AAL多重部7Aに通知するために設けられている。
【0045】
AAL多重部7Aは、通常時(セル廃棄の通知がない場合)、各QoSクラスで要求される帯域が保証されるようにCPSパケットの読み出しを行うAAL多重待ちバッファ5を決定し、読み出したCPSパケットをATMセル形式に多重してATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8Aに出力するための手段である。ただし、セル廃棄の通知が廃棄監視部9よりあった場合、AAL多重部7Aは、次に多重するCPSパケットとして最も優先度の高いもの(Qosクラスの小さいもの)を指定し、これを読み出してATMセルに多重する。なお、廃棄されたものより優先度が高いものを任意に選択することも可能である。
【0046】
ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8Aは、1個のATMセルを格納する容量を持つバッファである。このATMセル送信待ちバッファ8Aは、ATM多重部3からの読み出し要求に基づいて、格納されているATMセルを送出するようになっているが、読み出されることなく格納されている時間が所定のタイムオーバー時間Tより長くなると、当該ATMセルを廃棄する機能を備えている。
【0047】
廃棄監視部9は、ATMセル送信待ちバッファ8AでATMセルの廃棄が生じたか否かを判定する手段である。ここで、ATMセルの廃棄が確認された場合、廃棄監視部9は、これを前段に位置するAAL多重部7Aに通知するようになっている。
【0048】
ATM多重部3は、ATMセル(AAL1,5)送信待ちバッファ2及びATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8Aのそれぞれから入力されるATMセルを多重して出力する手段である。ここで、ATM多重部3は、要求帯域が提供可能な帯域をオーバーしていない場合、AALタイプ2のATMセルに割り当てられたタイミング以外は、AALタイプ1及び5に属するATMセルのクラスの中で優先度を判断し多重処理を行う。なお、ATM多重部3は、要求帯域が提供可能な帯域をオーバーする場合、優先順位に基づいて多重処理を行う。
【0049】
(A−2)多重動作
続いて、かかる構成を有するATM多重伝送装置の多重動作を説明する。なお、本実施形態は、AALタイプ2のATM多重伝送機能に特徴があるため、当該多重伝送動作を中心に説明する。
【0050】
ATM多重伝送装置は、AALタイプ2のユーザデータ(CPSパケット)を入力すると、これをCPSパケット振分部4に与え、QoSクラスに基づく振り分け処理を実行させる。これにより、CPSパケットは、対応する多重待ちバッファ5に入力順に書き込まれる。
【0051】
タイミング制御部6が、AAL多重処理タイミングとATMセル(AAL2)送信タイミングとの同期を取る。入力トラヒック量に関わらず、ATMセル(AAL2)の出力タイミングになると、タイミング制御部6は、多重処理開始要求をAAL多重部7Aに通知する。AAL多重部7Aは、通知された処理開始タイミングに従ってCPSパケットの読み出しを行い、読み出したCPSパケットをATMセル(AAL2)に多重搭載する。
【0052】
このとき、ATMセルペイロードを十分に満たすだけのCPSパケットがAAL多重待ちバッファ5に存在しなくても、AAL多重部7Aは、ATMセル(AAL2)の一部分にCPSパケットを搭載した後、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8Aに送出する。
【0053】
ここで、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8Aに書き込まれたATMセル(AAL2)は、ATM多重部3に対する要求帯域が供給可能帯域を超えていない限り、当該書き込みに同期したタイミングで読み出されATM多重される。
【0054】
しかし、要求帯域が提供可能帯域を超え、ATM多重部3におけるATMセルの多重処理が優先順位の順に行われる場合、ATMセル(AAL2)のQoSクラスが他のATMセル(AAL1,5)のQoSクラスより高くないと送出されない。
【0055】
ここで、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8Aに書き込まれたATMセル(AAL2)のQosクラスが他のATMセル(AAL1,5)より高ければ即座に出力されるのであるが、ATMセル(AAL2)のQoSクラスが他のATMセル(AAL1,5)のQoSクラスより低い場合には、ATMセル(AAL2)の読み出しは行われず、待ち時間が所定のタイムオーバー時間Tを超える事態が生じる。
【0056】
この場合、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8Aは、現在保持されているATMセル(AAL2)を廃棄し、優先度の高いCPSパケットの送信に備える状態になる。
【0057】
かかるATMセル廃棄が生じると、廃棄監視部9がこれを検出し、AAL多重部7Aに当該ATMセル廃棄の発生を通知する。AAL多重部7Aは、ATMセルの廃棄を確認した場合、AAL多重待ちバッファ5に格納されているCPSパケットのうち最もQoSクラスの小さい(優先度の高い)CPSパケットを読み出し、ATMセルの形式にAAL多重する。
【0058】
この結果、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8Aに格納されるATMセル(AAL2)の優先順位は、一般に、直前の優先順位より高くなる(ただし、優先順位が同じ場合もあり得る)。ATM多重部3は、置き換わった新たなATMセル(AAL2)と他のATMセル(AAL1,5)との優先度判定を行い、判定結果に基づく所定の順序でATM多重を行う。このとき、AALタイプ2のATMセルの優先順位が他のタイプのATMセル(AAL1,5)より高ければ、要求帯域が提供可能帯域を超える場合でも、確実に当該AALタイプ2のATMセルが送信される。かかる送信が可能となる点が従来装置との最大の違いであり、効果である。
【0059】
(A−3)実施形態の効果
以上のように、本実施形態におけるATMセル多重装置によれば、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8AにおけるATMセル(AAL2)の待ち時間が所定のタイムオーバー時間Tを超える場合にはこれを廃棄する構成としたことにより、相対的に優先度の低い(QoSクラスの大きい)ATMセルのために、相対的に優先度の高い(QoSクラスが低い)ATMセルが時間無上限に待たされるおそれを確実に無くすことができる(無上限優先度逆転を発生しないようにできる)。
【0060】
また、AALタイプ1及び5との統合多重を可能とすることができるだけでなく、QoSクラス(優先順位)の保証も実現できる。
【0061】
(B)第2の実施形態
(B−1)装置構成
本実施形態に係るATMセル多重装置の機能ブロック構成を図3に示す。この図3には、図2と同一である部分及び対応する部分に、同一符号及び対応符号を付して示してある。
【0062】
本実施形態に係るATMセル多重装置と従来装置との違いは、本実施形態の場合、各Qosクラス別に、タイミング制御部6i、AAL多重部7i及びATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8i(i=1、2…n)が設けられ、これらを用いてクラス別のATMセル(AAL2)合成が行われる点である。因みに、従来装置では、全クラスに共通して、タイミング制御部6、AAL多重部7及びATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8を設けていた。
【0063】
以下、当該構成上の違いを中心に、各部の機能構成を説明する。なお、本実施形態に係るATMセル多重装置は、振り分け部1と、ATMセル(AAL1,5)送信待ちバッファ2i(i=1、2…n)と、ATM多重部3と、CPSパケット振分部4と、AAL多重待ちバッファ5i(i=1、2…n)と、タイミング制御部6i(i=1、2…n)と、AAL多重部7i(i=1、2…n)と、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8i(i=1、2…n)とで構成される。
【0064】
このうち、タイミング制御部6iは、AAL多重処理タイミングとATMセル送信タイミングとの同期用である。いずれのタイミング制御部6iも、入力トラヒック量とは無関係に、対応するQosクラスの出力タイミングに応じた多重処理開始要求を、対応するAAL多重部7iに通知するために設けられている。
【0065】
AAL多重部7iは、いずれもタイミング制御部6iから多重処理開始要求が通知されるたび、対応するAAL多重待ちバッファ5iに格納されているCPSパケットの多重処理を実行し、対応するATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8iに出力するために設けられている。
【0066】
ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8iは、1個のATMセルを格納する容量を持つバッファである。このATMセル送信待ちバッファ8Aは、ATM多重部3からの読み出し要求に基づいて、格納されているATMセルを送出するものである。なお、この実施形態におけるATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8iには、各Qosクラスに対応して個別のタイムオーバー時間Ti(i=1、2…n)が設定されており、当該タイムオーバー時間Tiより待ち時間が長くなったとき、格納されているATMセルを廃棄するようになっている。この機能により、本実施形態の場合には、セル損失率も保証できるようになっている。
【0067】
(B−2)多重動作
続いて、かかる構成を有するATM多重伝送装置の多重動作を説明する。なお、本実施形態の場合も、AALタイプ2のATM多重伝送機能に特徴があるため、当該多重伝送動作を中心に説明する。
【0068】
ATM多重伝送装置は、AAL2のユーザデータ(CPSパケット)を入力すると、これをCPSパケット振分部4に与え、QoSクラスに基づく振り分け処理を実行させる。これにより、CPSパケットは、対応する多重待ちバッファ5に入力順に書き込まれる。
【0069】
各Qosクラスに対応するn個のタイミング制御部6i(i=1、2…n)は、それぞれ対応するQosクラスについて、AAL多重処理タイミングとATMセル(AAL2)送信タイミングとの同期を取る。入力トラヒック量に関わらず、対応するQosクラスのATMセル(AAL2)の出力タイミングになると、各タイミング制御部8iは、各対応するAAL多重部7iに対し多重処理開始要求を通知する。各AAL多重部7iは、通知された処理開始タイミングに従って、CPSパケットをATMセル(AAL2)に多重搭載する。
【0070】
このとき、ATMセルペイロードを十分に満たすだけのCPSパケットがAAL多重待ちバッファ5iに存在しなくても、AAL多重部7iは、ATMセル(AAL2)の一部分にCPSパケットを搭載した後、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8iに送出する。これにより、Qosクラスを異にする複数個(1個のみの場合もある)のATMセル(AAL2)が多重待ち状態となる。
【0071】
ATM多重部3は、これら複数個(1個のみの場合もある)のATMセル(AAL2)とAALクラス1又は5のATMセルとを同等に扱い、所定の多重処理を行う。
【0072】
ここで、要求帯域が供給可能帯域を超えていない場合には、AALタイプ2に割り当てられた送出タイミングに、当該タイプのATMセルが各Qosクラスの帯域を満たすように選定されたものが、AALタイプ1及び5に割り当てられた送出タイミングに、当該タイプのATMセルが各Qosクラスの帯域を満たすように選定されたものが多重される。
【0073】
これに対し、要求帯域が供給可能帯域を超える場合には、送信待ちとなっている各ATMセル(AAL1,2,5)のうち優先順位の高いものが優先的に多重され送信される。この際、本実施形態の場合には、AALタイプ2のATMセルとしてQosクラスを異にする複数のATMセルが送信待ちの状態になっていたとしても、優先順位の低いATMセル(AAL2)が存在するために、他のATMセル(AAL1,5)より優先順位の高いATMセル(AAL2)の送信が遅れるという事態を回避できる。
【0074】
なお、優先順位の高いATMセル(AAL2)が優先された結果、当該ATMセルよりも先にATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8iに格納されながらも送信順序が後になった優先順位が相対的に低いATMセル(AAL2)があったとしても、当該ATMセル(AAL2)は、そのQosクラスについて設定されているタイムオーバー時間Tiを超えない限り廃棄されずに、次の送信タイミングを迎えることができる。この結果、必要以上にATMセル(AAL2)が廃棄される可能性を低くでき、Qosクラスと共にセル損失率の条件も両立できる。
【0075】
(B−3)実施形態の効果
以上のように、本実施形態におけるATMセル多重装置によれば、AALタイプ2のATMセルの処理部に、各Qosクラスのそれぞれに対応させて、タイミング制御部6i、AAL多重部7i及びATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8iを設け、さらに、各ATMセル送信待ちバッファ8iに各Qosクラスに固有のタイムオーバー時間Tiを設定するようにしたことにより、QoSクラス(優先順位)保証と同時に、ATMセル(AAL2)損失率保証をも実現可能とできる。
【0076】
(C)第3の実施形態
(C−1)装置構成
本実施形態に係るATMセル多重装置の機能ブロック構成を図4に示す。この図4には、図2と同一である部分及び対応する部分に、同一符号及び対応符号を付して示してある。
【0077】
本実施形態に係るATMセル多重装置と従来装置との違いは、本実施形態の場合、ATM多重部3AがAAL多重待ちバッファ5iAで多重待ちとなっているCPSパケットの存在を直接管理し、多重待ちとなっているATMセルの要求帯域と優先順位を考慮してAAL多重動作を管理する点にある。
【0078】
以下、当該構成上の違いを中心に、各部の機能構成を説明する。なお、本実施形態に係るATMセル多重装置は、振り分け部1と、ATMセル(AAL1,5)送信待ちバッファ2iと、ATM多重部3Aと、CPSパケット振分部4と、AAL多重待ちバッファ5iAと、AAL多重部7と、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8とで構成される。
【0079】
このうち、ATM多重部3Aは、前述したように、AAL多重待ちバッファ5iAで多重待ちとなっているCPSパケットの存在を直接管理しつつ、タイプを異にするATMセル(AAL1,2,5)のATM多重を実現するために用いられる。
【0080】
AAL多重待ちバッファ5iA(i=1、2…n)は、QoSクラスの数(図4の場合、n個)に応じて設けられる、複数のATMセルの格納が可能なFIFO形式のバッファでなる。なお、各AAL多重待ちバッファ5iAは、内部に新たなCPSパケットが書き込まれるとき又は内部にCPSパケットが存在するとき、当該バッファに固有のQoSクラス情報をATM多重部3Aに直接出力するよう構成されている。
【0081】
なお、本実施形態の場合、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8は、全Qosクラスについて共通であり、一つのみ設けられている。また、本実施形態では、第1及び第2の実施形態で使用したタイミング制御部は用いない構成となっている。
【0082】
(C−2)多重動作
続いて、かかる構成を有するATM多重伝送装置の多重動作を説明する。なお、本実施形態は、AALタイプ2のATM多重伝送機能に特徴があるため、当該多重伝送動作を中心に説明する。
【0083】
ATM多重伝送装置は、AALタイプ2のユーザデータ(CPSパケット)を入力すると、これをCPSパケット振分部4に与え、QoSクラスに基づく振り分け処理を実行させる。これにより、CPSパケットは、対応する多重待ちバッファ5iAに入力順に書き込まれる。
【0084】
各多重待ちバッファ5iAは、CPSパケットを入力すると、そのQoSクラスをATM多重部3Aに直接通知する。
【0085】
ATM多重部3Aは、要求帯域が提供可能帯域を満たす場合、AALタイプ1のATMセル、AALタイプ2のATMセル、AALタイプ5のATMセルがいずれも要求帯域及び優先順位を満たすように、多重順序を決定し、多重処理を行う。ここで、ATM多重部3Aが次に多重するATMセルがAALタイプ2のATMセルであると判断した場合、ATM多重部3Aは、多重待ちとなっているCPSパケットの要求帯域及び優先順位に基づいて多重するCPSパケットのQosクラスを決定し、これをAAL多重部7に通知する。
【0086】
AAL多重部7は通知に基づいて、CPSパケットをAAL多重し、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8に送信する。ここで、AAL多重処理タイミングとATMセル(AAL2)送信タイミングとは同期が取られているため、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8に送信されたATMセルは即座にATM多重部3Aに読み出されて伝送路に送信されることになる。かかる処理が、順次実行される。なお、ATM多重部3Aからの通知がない限り、AAL多重部7は通知待ち状態となり、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8は空のままとなる。
【0087】
これに対し、要求帯域が提供可能帯域を超える場合、ATM多重部3Aは、送信待ちとなっているATMセル又はCPSパケットの優先順位に従って多重順序を決定する。ただし、本実施形態の場合には、AAL多重待ちバッファ5iAのそれぞれから多重待ちとなっているCPSパケットのQosクラスが通知されているため、AALタイプ2の中に優先順位が高いCPSパケットが存在する場合には、ATM多重部3Aは、当該CPSパケットを他のCPSパケットやATMセル(AAL1,5)に優先して送信対象として選択し、AAL多重部7を介して読み出したATMセル(AAL2)を伝送路に送信する。これにより、無上限優先度逆転の発生は回避される。
【0088】
(C−3)実施形態の効果
以上のように、本実施形態におけるATMセル多重装置によれば、第1の実施形態や第2の実施形態の場合に比して簡易な構成で、無上限優先度逆転の生じないATMセル多重装置を実現することができる。
【0089】
(D)第4の実施形態
(D−1)装置構成
本実施形態に係るATMセル多重装置の機能ブロック構成を図5に示す。この図5には、図2と同一である部分及び対応する部分に、同一符号及び対応符号を付して示してある。
【0090】
本実施形態に係るATMセル多重装置と従来装置との違いは、本実施形態の場合、ATMセル送信待ちバッファ8に送信待ちとなっているATMセル(AAL2)のQosクラスよりも、AAL多重待ちバッファ5iA(i=1、2…n−1)で多重待ちとなっているCPSパケットのQosクラスの方が大きい場合、一時的にこの優先順位の高い方のQosクラスをATM送信待ちバッファ8のQosクラスとして使用し、送信待ちとなっているATMセル(AAL2)の読み出しを促進する点である。
【0091】
すなわち、ATMセル送信待ちバッファ8に格納されているQosクラスの低いATMセルが早期に読み出される環境を擬似的に整えることにより、無上限優先度逆転の発生を有効に回避する点にある。
【0092】
このため、本実施形態では、最もQosクラスの大きいものを除くn−1個のAAL多重待ちバッファ51〜5n−1にQosクラスの通知機能を設ける他、優先度継承部10とQosクラス回復部11を新たに設ける。
【0093】
以下、当該構成上の違いを中心に、各部の機能構成を説明する。なお、本実施形態に係るATMセル多重装置は、振り分け部1と、ATMセル(AAL1,5)送信待ちバッファ2i(i=1、2…n)と、ATM多重部3と、CPSパケット振分部4と、AAL多重待ちバッファ5iA(i=1、2…n−1)及び5nと、タイミング制御部6と、AAL多重部7と、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8と、優先度継承部10と、Qosクラス回復部11とで構成される。
【0094】
このうち、優先順位の高いn−1個のAAL多重待ちバッファ51〜5n−1は、内部に新たなCPSパケットが書き込まれるとき又は内部にCPSパケットが存在するとき、当該バッファに固有のQosクラス情報を優先度継承部10に出力するよう構成されている。
【0095】
優先度継承部10は、AAL多重待ちバッファ51〜5n−1から与えられる1又は複数のQosクラスと、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8に保持されているATMセルのQosクラスとを比較し、最も優先順位の高いQosクラスをATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8のQosクラスに一時置きかえる手段である。
【0096】
すなわち、AAL多重待ちであるCPSパケットの優先順位の方が、送信待ちであるATMセルの優先順位より高い場合には、多重待ち側の優先順位を継承し、一時的に、ATMセルのQosクラスを書き換える手段である。これにより、ATM多重部3から見たAALタイプ2のATMセルの優先度は、一時的に高い優先度に見え、多重対象として読み出される確率を高めるようになっている。なお、かかる優先順位の継承があった場合、優先度継承部10は、Qosクラス回復部11に対し、優先度の継承を通知する。
【0097】
Qosクラス回復部11は、優先度の継承が通知されている場合に、ATM多重部3に読み出されるATMセルのQosクラスを継承前の(元の)Qosクラスに戻す手段である。
【0098】
ここで、かかるQosクラス回復部11を設けたのは、次の理由による。すなわち、優先度を継承させる目的は、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8内にあるQosクラスの低いATMセルを早く読み出させるためであり、読み出された後は、継承したQosクラスを用いる必要がないためである。すなわち、承継した優先順位は、このATM多重装置内で、このATMセルの優先順位としてしか用いられない。
【0099】
また、一旦多重順序が決定された後は決定された順番通りに多重処理が行われるため、多重順序の決定に用いたQosクラスと実際のQosクラスが異なることは何等の影響を生じないことによる。
【0100】
なお、Qosクラス回復部11は、例えば次に示す手法その他手法により元のQosクラスを識別する。例えば、ATMセルのヘッダにQosクラス情報が記録されている場合、Qosクラス回復部11は、当該ヘッダに記録されているQosクラス情報から元のQosクラスを識別する。これに対し、Qosクラス情報がヘッダに記録されていない場合、Qosクラス回復部11は、ヘッダからVCI(ATMセルの場合)又はCID(CPSパケットの場合)の情報を読み取り、かかる情報とQosクラスとの対応関係を格納したテーブル手段を参照することにより、元のQosクラスを識別する。
【0101】
(D−2)多重動作
続いて、かかる構成を有するATM多重伝送装置の多重動作を説明する。なお、本実施形態は、AALタイプ2のATM多重伝送機能に特徴があるため、当該多重伝送動作を中心に説明する。
【0102】
ATM多重伝送装置は、AALタイプ2のユーザデータ(CPSパケット)を入力すると、これをCPSパケット振分部4に与え、QoSクラスに基づく振り分け処理を実行させる。これにより、CPSパケットは、対応する多重待ちバッファ5iAに入力順に書き込まれる。
【0103】
なお、各多重待ちバッファ5iA(i=1〜n−1)は、CPSパケットが入力されると、そのQoSクラスを優先度継承部10に通知する。
【0104】
タイミング制御部6は、AAL多重処理タイミングとATMセル送信タイミングの同期を取っている。入力トラヒック量に関わらず、ATMセル(AAL2)の出力タイミングになると、タイミング制御部6は、多重処理開始要求をAAL多重部7に通知する。AAL多重部7は、通知された処理開始タイミングに従ってCPSパケットの読み出しを行い、読み出したCPSパケットをATMセル(AAL2)に多重搭載する。
【0105】
このとき、ATMセルペイロードを十分に満たすだけのCPSパケットがAAL多重待ちバッファ5i(i=1〜n)に存在しなくても、AAL多重部7は、ATMセル(AAL2)の一部分にCPSパケットを搭載した後、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8に送出する。
【0106】
ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8に新たなATMセルが書き込まれると、優先度継承部10が優先度の継承を行うかの判定を実行する。ここで、書き込まれたATMセルの優先度よりも、AAL多重待ちバッファ5i(i=1〜n−1)で多重待ちしているCPSパケットのQoSクラスの方が小さい(すなわち、優先順位が高い場合)、優先度継承部10は、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8に格納されているATMセルのQoSクラスを、多重待ち状態にあるCPSパケットのうち最も優先順位の高いものに引き上げる。
【0107】
例えば、AALタイプが2で、そのQoSクラスが3であるユーザデータがAAL多重されATMセルになった時点で、AALタイプが2で、そのQoSクラスが1であるユーザデータがAAL多重待ちバッファ51に入った場合、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8に格納されているATMセルのQosクラスは、3から1に引き上げる。
【0108】
この結果、ATM多重部3から見たATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8にあるATMセルの優先順位は高いものとして認識され、要求帯域が提供可能帯域を超え、優先度に基づく多重対象の選定が行われる場合にも、読み出される確率が向上される。
【0109】
例えば、AALタイプが5で、そのQoSクラスが2のATMセルが連続送信されても、先の例のようにAALタイプ2のATMセルについてQosクラス1が優先度継承された場合には、優先順位はAALタイプ5のATMセルよりも高くなるため、AALタイプが5で、そのQosクラスが2であるATMセルの送信が終了しなくても、優先的にATMセル(AAL2)の多重伝送を実現できる。
【0110】
なお、このようにATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8から読み出されるATMセルに優先度の継承されている場合には、Qosクラス回復部11は、その読み出し時に、当該ATMセルのQosクラスを元のQosクラスに戻す。
【0111】
勿論、ATM多重部3における要求帯域が提供可能帯域より小さい場合には、AALタイプ2に割り当てられた出力タイミングでATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8に格納されているATMセルの読み出しが行われる。
【0112】
なお、ATMセル(AAL2)が多重中であることは、タイミング制御部6を通じてAAL多重部7へと通知され、当該通知を受けたAAL多重部が所定の帯域及び優先順位に基づいて次に多重するCPSパケットを決定し、ATMセルに多重搭載する。
【0113】
ただし、先の例では、優先順位が最高であるQosクラス1のCPSパケットが多重待ち状態であるため、当該CPSパケットがAAL多重され、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8に書き込まれ、その後、その優先順位に従い優先的に多重伝送される。
【0114】
(D−3)実施形態の効果
以上のように、本実施形態におけるATMセル多重装置によれば、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8に相対的に低いQosクラスのATMセルが格納され、他方AAL多重待ちバッファ5iには相対的に優先順位の高いCPSパケットが多重待ちの状態になっている場合に、優先順位の継承を行い一時的にATMセル(AAL2)の優先順位を上げて多重される確率を向上させる構成としたことにより、高い多重効率を保ちながら、AAL1、AAL5との統合制御を可能とするだけでなく、無上限優先度逆転が生じないようにできる。
【0115】
また、この実施形態の場合には、優先度継承を受けたATMセルに関しても廃棄されることなく多重伝送されることになるため、セル損失率が厳しく管理されるATMセルについてもその損失率の保証が可能となる。
【0116】
(E)第5の実施形態
(E−1)装置構成
本実施形態に係るATMセル多重装置の機能ブロック構成を図6に示す。この図6には、図5と同一である部分及び対応する部分に、同一符号及び対応符号を付して示してある。これは、送信待ちになっているATMセル本来の優先順位を用いずに、多重待ちCPSパケットの優先順位のうちより高位のものを仮想的な優先順位として用いる点で、第4の実施形態と共通するためである。
【0117】
ただし、本実施形態に係るATMセル多重装置の場合には、実際にATMセルのQosクラスを書き換え読み出し時に再度元に戻すなどの処理は行わない点で相違する。すなわち、本実施形態に係るATMセル多重装置の場合には、仮優先度継承部12しか、かかる処理に使用しない点で相違する。
【0118】
以下、当該構成上の違いを中心に、各部の機能構成を説明する。なお、本実施形態に係るATMセル多重装置は、振り分け部1と、ATMセル(AAL1,5)送信待ちバッファ2i(i=1、2…n)と、ATM多重部3と、CPSパケット振分部4と、AAL多重待ちバッファ5i(i=1、2…n−1)及び5nと、タイミング制御部6と、AAL多重部7と、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8と、仮優先度継承部12とで構成される。
【0119】
このうち、仮優先度継承部12は、1又は複数のAAL多重待ちバッファ51〜5n−1からQosクラスが与えられた場合に、これらとATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8に保持されているATMセルのQosクラスとを比較し、最も優先順位の高いQosクラスを、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8に保持されているATMセルの仮想Qosクラスとして、ATM多重部3に通知する手段である。
【0120】
すなわち、この仮優先度継承部12は、第4実施形態の優先度継承部10のように、ATMセルに付されているQosクラスに変更を加えることはなく、ATM多重部3に与えるQosクラス情報のみを一時的に変更する。
【0121】
なお、この実施形態におけるATM多重部3は、ATM多重するATMセル(AAL2)のQosクラスを、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8から読み出すのではなく、仮優先度継承部12から通知を受けるようになっている。
【0122】
(E−2)多重動作
続いて、かかる構成を有するATM多重伝送装置の多重動作を説明する。なお、本実施形態は、AALタイプ2のATM多重伝送機能に特徴があるため、当該多重伝送動作を中心に説明する。
【0123】
ATM多重伝送装置は、AALタイプ2のユーザデータ(CPSパケット)を入力すると、これをCPSパケット振分部4に与え、QoSクラスに基づく振り分け処理を実行させる。これにより、CPSパケットは、対応する多重待ちバッファ5iAに入力順に書き込まれる。
【0124】
タイミング制御部6は、AAL多重処理タイミングとATMセル送信タイミングの同期を取っている。入力トラヒック量に関わらず、ATMセル(AAL2)の出力タイミングになると、タイミング制御部6は、多重処理開始要求をAAL多重部7に通知する。AAL多重部7は、通知された処理開始タイミングに従ってCPSパケットの読み出しを行い、読み出したCPSパケットをATMセル(AAL2)に多重搭載する。
【0125】
このとき、ATMセルペイロードを十分に満たすだけのCPSパケットがAAL多重待ちバッファ5i(i=1〜n)に存在しなくても、AAL多重部7は、ATMセル(AAL2)の一部分にCPSパケットを搭載した後、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8に送られる。
【0126】
このように、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8にCPSパケットが書き込まれることにより、そのQoSクラスが有効となる。
【0127】
仮優先度継承部12は、AAL多重待ちバッファ5iA(i=1、2…n−1)に格納されているCPSパケットのQoSクラスのうち最もQoSクラスが高いものを、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8内にあるATMセル(AAL2)の仮想的なQoSクラスとしてATM多重部3に通知する。このように、ATM多重部3に示されたATMセル(AAL2)のQoSクラスと、実際のQoSクラスとは異なる点が特徴である。
【0128】
ATM多重部3は、要求帯域が供給可能帯域を超えていない限り、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8Aに書き込まれたATMセル(AAL2)を、ATM多重部3に対する当該書き込みに同期したタイミングで読み出す。
【0129】
しかし、要求帯域が供給可能帯域を超える場合、ATM多重部3はATMセルの多重順序を優先順位の順に決定することになる。しかし、この場合でも、ATM多重部3は、仮優先度継承部12から通知される仮想のQoSクラスに基づいて多重順序を決定するため、実際のQosクラスが低くても優先的に多重されることになる。
【0130】
なお、実際に多重されるATMセル(AAL2)のQosクラスは、元のQosクラスのままであるが、一旦多重順序が決定された後は決定された順番通りに多重処理が行われるため、多重動作に影響を与えることはない。むしろ、第4の実施形態においても説明したように、実際のQosクラスに変更が生じると、伝送途中でユーザデータの前後が入れ替わるおそれがあるため、そのようなおそれを無くす上でも必要である。
【0131】
ところで、上述のATMセルが読み出されると、AAL多重部7は、次の多重対象として、優先度の仮継承に寄与した、最も優先度の高いCPSパケットを選定し、これをAAL多重したATMセルを、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8に書き込む。
【0132】
以上が、本実施形態における多重動作である。最後に、無上限優先度逆転が生じないことを説明する。例えば、AALタイプが2で、そのQoSクラスが3であるユーザデータがAAL多重されてATMセルになった時点で、QoSクラスが1であるCPSパケットがAAL多重待ちバッファ51に入力されたとする。
【0133】
この場合、Qosクラス1の方が、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8にあるATMセルのQosクラス3よりも優先順位が高い。従って、仮優先度継承部12は、Qosクラス1をATM多重部3に通知する。ATM多重部3は、かかる通知より、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8に保持されているATMセルのQosクラスが最高位であると判断し、他のATMセル(AAL1,5)に優先させてATM多重する。
【0134】
なお、当該ATMセルが読み出されると、次は、当該ATMセルに優先度を仮継承したCPSパケットをAAL多重したATMセルがATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8に書き込まれ、先のATMセル(AAL2)と同様優先的に読み出される。
【0135】
かくして、QoSクラスの優先順位が高いCPSパケット(ユーザデータ)が優先的に転送されることが保証される。またこの際、自己の優先度よりも高い優先度の継承を受けたATMセル(AAL2)も転送されるため、厳しい損失率が要求される場合でもこれを保証できる。
【0136】
(E−3)実施形態の効果
以上のように、本実施形態におけるATMセル多重装置によれば、高い多重効果を保ってAALタイプ1と5を統合制御できるだけでなく、QoSクラスにおける優先度位保証及びATMセル損失率保証も実現でき、さらに以下の効果を得ることができる。
【0137】
すなわち、第4の実施形態と同様の効果を、より簡易な構成で、しかも高速に実現できる。また、元のQoSクラス保存用のエリアを設ける必要も無くすことができる。
【0138】
(F)第6の実施形態
(F−1)装置構成
本実施形態に係るATMセル多重装置の機能ブロック構成を図7に示す。この図7には、図5と同一である部分及び対応する部分に、同一符号及び対応符号を付して示してある。これは、本実施形態が、第4の実施形態の構成を基本構成とするためである。
【0139】
本実施形態と第4の実施形態との違いは、優先度継承を条件付きで行うか無条件に行うかの違いである。すなわち、第4の実施形態では、多重待ちとなっているCPSパケットのうち優先度の最も高いものを無条件に継承する構成であったが、優先度の継承は、Qosクラスを保証し得ないような場合にのみ実行すれば、本来の目的を達成できる。
【0140】
そこで、本実施形態では、第4の実施形態装置に、条件付きで優先度継承する機能を付加することにする。
【0141】
この実施形態では、Qosクラスに対応する各AAL多重持ちバッファ5iB(i=1、2…n−1)における待ちキューの長さLが、各バッファごと個別に設定されている危険ライン(待ちキューの長さが当該ラインを超えると、QoSを保証し得なくなる可能性が生じる境界値Li(i=1、2…n−1))を超えるか否かを、条件に用いる。
【0142】
待ちキューの長さが危険ラインを超える場合、QoSを保証できない可能性が高い。そこで、本実施形態では、AAL多重持ちバッファ5iB(i=1、2…n−1)に、待ちキューの長さが危険ラインを超える場合にのみQoSクラス情報を出力する機能を付加し、Qosを保証し得ない可能性がある場合にのみ優先度が継承されるようにする。
【0143】
(F−2)多重動作
続いて、かかる構成を有するATM多重伝送装置の多重動作を説明する。なお、本実施形態は、AALタイプ2のATM多重伝送機能に特徴があるため、当該多重伝送動作を中心に説明する。
【0144】
ATM多重伝送装置は、AALタイプ2のユーザデータ(CPSパケット)を入力すると、これをCPSパケット振分部4に与え、QoSクラスに基づく振り分け処理を実行させる。これにより、CPSパケットは、多重待ちバッファ5iB又は5nのいずれかに入力順に書き込まれる。
【0145】
タイミング制御部6は、AAL多重処理タイミングとATMセル送信タイミングの同期を取っている。入力トラヒック量に関わらず、ATMセル(AAL2)の出力タイミングになると、タイミング制御部6は、多重処理開始要求をAAL多重部7に通知する。AAL多重部7は、通知された処理開始タイミングに従ってCPSパケットの読み出しを行い、読み出したCPSパケットをATMセル(AAL2)に多重搭載する。
【0146】
このとき、ATMセルペイロードを十分に満たすだけのCPSパケットがAAL多重待ちバッファ5iB(i=1〜n−1)及び5nに存在しなくても、ATMセルは部分的にCPSパケットを搭載した後、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファに送られる。
【0147】
ところで、かかる処理と並行して、優先度が最下位であるAAL多重待ちバッファ5nを除く、n−1個のAAL多重待ちバッファ5iB(i=1〜n−1)は、現時点における待ちキューの長さLが、各QoSクラスごとに決められている危険ラインLiを超えるか否かの監視を行っており、待ちキュー長さが危険ラインを超えると判定された場合、QoSクラス情報を優先度継承部10に通知する。
【0148】
なお、言うまでもないが、CPSパケットのAAL多重待ちキューの長さが各QoSクラスに決められた危険ライン以下になった時点で、QoSクラス情報の出力はされなくなる(優先度継承は要求されない)。
【0149】
優先度継承部10は、このように優先度の継承が要求されるCPSパケットが存在する場合のみ、当該通知のあったQoSクラス(複数の通知がある場合には、これらのうち最も優先度の高いQosクラス)と、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8に保持されているATMセルのQoSクラスを比較し、いずれが小さいか判定する。
【0150】
ここで、AAL多重待ちであるCPSパケットのQosクラスの方が小さい(その優先順位が高い)と判定された場合、優先度継承部10は、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8にあるATMセルのQoSクラスをCPSパケットのQoSクラスに継承する処理を実行する。すなわち、送信待ちであるATMセルのQosクラスを、より優先度の高いQosクラスに一時書き換える処理を実行する。なお、この場合、優先度の継承があったことが、Qosクラス回復部11に通知される。
【0151】
ATM多重部3は、通常動作時(要求帯域より提供可能帯域の方が大きい場合)、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8に保持されているATMセルをAALタイプ2に割り当てられた所定の出力タイミングで読み出してATM多重する。
【0152】
しかし、優先度順に多重順序が決定される場合(要求帯域が提供可能帯域を超える場合)、ATM多重部3は、優先度継承によって一時的に書き換えられたQosクラスを基準に多重順序を決定し、決定された所定のタイミングで読み出すように動作する。なお、QoSクラス回復部11は、かかるATMセル(AAL2)の読み出し時に、先に継承された優先度を取り除き、元のQoSクラスに戻すよう動作する。
【0153】
このように優先度継承後の動作は、第4の実施形態の場合と同じとなる。なお、念のため、本実施形態においても、無上限優先度逆転を発生しないことを説明する。
【0154】
AALタイプが2で、そのQoSクラスが3であるユーザデータがAAL多重されてATMセルになった時点で、QoSクラスが1であるCPSパケットがAAL多重待ちバッファ51に入力されたとする。
【0155】
この時点で、当該CPSパケットに対応するAAL多重待ちバッファ51の多重待ちキューが危険ラインを超えている場合には、QoSクラス1の優先順位の方がATMセル(AAL2)送信侍ちバッファ8にあるATMセルのQoSクラス3より高いので、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファにあるATMセルのQoSクラスがQoSクラス1に引き上げられることになる(優先度継承により、QoSクラスは1になった)。
【0156】
このとき、AALタイプ5に属し、そのQoSクラスが2であるATMセルが連続送信されていたとしても、この場合には、AALタイプ2の優先順位の方がAALタイプ5の優先順位よりも高くなるため、AALタイプ2のATMセルは、AALタイプ5のATMセルの送信終了まで待たされることなく優先的にATM多重され出力される。
【0157】
なお、当該AALタイプ2の次の伝送対象としては、先のATMセルを優先的に伝送するのに用いられた、Qosクラスが1のCPSパケットをAAL多重したATMセル(AAL2)が選択され、当該ATMセルが次の出力タイミングでATM多重される。
【0158】
かくして、QoSクラスの優先順位が高いCPSパケット(ユーザデータ)が優先的に転送されることが保証される。またこの際、自己の優先度よりも高い優先度の継承を受けたATMセル(AAL2)も転送されるため、厳しい損失率が要求される場合でもこれを保証できる。
【0159】
(F−3)実施形態の効果
このように、本実施形態では、高い多重効果を保ってAALタイプ1と5を統合制御できるだけでなく、QoSクラスにおける優先度位保証及びATMセル損失率保証も実現でき、さらに以下の効果を得ることができる。
【0160】
すなわち、本実施形態におけるATMセル多重装置によれば、優先度継承を条件付きで実行するものとし、CPSパケットのAAL多重待ちバッファ5iB(i=1、2…n−1)における多重待ちキューが危険ラインを超える場合にのみ、優先度継承を行うことにするため、ATM多重部3は、帯域が保証できる限り、元のQoSクラスを用いてATMセル(AAL2)を多重することになり、優先度継承によるATMセル(AAL1,5)の優先順位とATMセル(AAL2)の優先順位との間における優先度の逆転が発生し難くなるようにできる。
【0161】
(G)第7の実施形態
(G−1)装置構成
本実施形態に係るATMセル多重装置の機能ブロック構成を図8に示す。この図8には、図5と同一である部分及び対応する部分に、同一符号及び対応符号を付して示してある。これは、本実施形態が、第4の実施形態の構成を基本構成とするためである。
【0162】
なお、本実施形態の場合の場合も、第6の実施形態と同様、条件付きで優先度の継承を判定するATMセル多重装置について説明する。
【0163】
ただし、その条件としては、第6の実施形態とは異なるものを用いる。すなわち、この実施形態では、Qosクラスに対応する各AAL多重持ちバッファ5iB(i=1、2…n−1)における待ち時間Tが、各バッファごと個別に設定されている危険ライン(待ち時間が当該ラインを超えると、QoSを保証し得なくなる可能性が生じる境界値Ti(i=1、2…n−1))を超えるか否かを条件に用いる。
【0164】
待ち時間が危険ラインを超える場合、QoSを保証できない可能性が高い。そこで、本実施形態では、AAL多重持ちバッファ5iC(i=1、2…n−1)に、待ち時間が危険ラインを超える場合にのみQoSクラス情報を出力する機能を付加し、Qosを保証し得ない可能性がある場合にのみ優先度が継承されるようにする。
【0165】
(F−2)多重動作
続いて、かかる構成を有するATM多重伝送装置の多重動作を説明する。なお、本実施形態は、AALタイプ2のATM多重伝送機能に特徴があるため、当該多重伝送動作を中心に説明する。
【0166】
ATM多重伝送装置は、AALタイプ2のユーザデータ(CPSパケット)を入力すると、これをCPSパケット振分部4に与え、QoSクラスに基づく振り分け処理を実行させる。これにより、CPSパケットは、多重待ちバッファ5iB又は5nのいずれかに入力順に書き込まれる。
【0167】
タイミング制御部6は、AAL多重処理タイミングとATMセル送信タイミングの同期を取っている。入力トラヒック量に関わらず、ATMセル(AAL2)の出力タイミングになると、タイミング制御部6は、多重処理開始要求をAAL多重部7に通知する。AAL多重部7は、通知された処理開始タイミングに従ってCPSパケットの読み出しを行い、読み出したCPSパケットをATMセル(AAL2)に多重搭載する。
【0168】
このとき、ATMセルペイロードを十分に満たすだけのCPSパケットがAAL多重待ちバッファ5iC(i=1〜n−1)及び5nに存在しなくても、ATMセルは部分的にCPSパケットを搭載した後、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファに送られる。
【0169】
ところで、かかる処理と並行して、優先度が最下位であるAAL多重待ちバッファ5nを除く、n−1個のAAL多重待ちバッファ5iC(i=1〜n−1)では、現時点における待ち時間Tが、各QoSクラスごとに決められている危険ラインTiを超えるか否かが監視されており、待ち時間が危険ラインを超えると判定された場合のみ、QoSクラス情報が優先度継承部10に通知される。
【0170】
なお、言うまでもないが、待ち時間が各QoSクラスに決められた危険ライン以下になった時点で、QoSクラス情報の出力はされなくなる(優先度継承は要求されない)。
【0171】
優先度継承部10は、このように優先度の継承が要求されるCPSパケットが存在する場合のみ、当該通知のあったQoSクラス(複数の通知がある場合には、これらのうち最も優先度の高いQosクラス)と、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8に保持されているATMセルのQoSクラスと比較し、いずれが高いかを判定する。
【0172】
ここで、多重待ちであるCPSパケットの方が、その優先順位が高いと判定された場合、優先度継承部10は、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8にあるATMセルのQoSクラスをCPSパケットのQoSクラスに継承する処理を実行する。すなわち、送信待ちであるATMセルのQosクラスを、より優先度の高いQosクラスに一時書き換える処理を実行する。なお、この場合、優先度の継承があったことが、Qosクラス回復部11に通知される。
【0173】
ATM多重部3は、通常動作時(要求帯域より提供可能帯域の方が大きい場合)、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8に保持されているATMセルをAALタイプ2に割り当てられた所定の出力タイミングで読み出してATM多重する。
【0174】
しかし、優先度順に多重順序が決定される場合(要求帯域が提供可能帯域を超える場合)、ATM多重部3は、優先度継承によって一時的に書き換えられたQosクラスを基準に多重順序を決定し、決定された所定のタイミングで読み出すように動作する。なお、QoSクラス回復部11は、かかるATMセル(AAL2)の読み出し時に、先に継承された優先度を取り除き、元のQoSクラスに戻すよう動作する。
【0175】
このように優先度継承後の動作は、第4の実施形態の場合と同じ(すなわち、優先度継承をするか否かの判定に用いる条件を除き、第6の実施形態の場合と同じ)となる。従って、本実施形態においても、無上限優先度逆転は生じない。
【0176】
例えば、AALタイプが2で、そのQoSクラスが3であるユーザデータがAAL多重されてATMセルになった時点で、QoSクラスが1であるCPSパケットがAAL多重待ちバッファ51に入力されたとする。
【0177】
この時点で、当該CPSパケットに対応するAAL多重待ちバッファ51の待ち時間が危険ラインを超えている場合には、QoSクラス1の優先順位の方がATMセル(AAL2)送信侍ちバッファ8にあるATMセルのQoSクラス3より高いので、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファにあるATMセルのQoSクラスがQoSクラス1に引き上げられることになる(優先度継承により、QoSクラスは1になった)。
【0178】
このとき、AALタイプ5に属し、そのQoSクラスが2であるATMセルが連続送信されていたとしても、この場合には、AALタイプ2の優先順位の方がAALタイプ5の優先順位よりも高くなるため、AALタイプ2のATMセルは、AALタイプ5のATMセルの送信終了まで待たされることなく優先的にATM多重され出力される。
【0179】
なお、当該AALタイプ2の次の伝送対象としては、先のATMセルを優先的に伝送するのに用いられた、Qosクラスが1のCPSパケットをAAL多重したATMセル(AAL2)が選択され、当該ATMセルが次の出力タイミングでATM多重される。
【0180】
かくして、QoSクラスの優先順位が高いCPSパケット(ユーザデータ)が優先的に転送されることが保証される。またこの際、自己の優先度よりも高い優先度の継承を受けたATMセル(AAL2)も転送されるため、厳しい損失率が要求される場合でもこれを保証できる。
【0181】
(G−3)実施形態の効果
このように、本実施形態においても、高い多重効果を保ってAALタイプ1と5を統合制御できるだけでなく、QoSクラスにおける優先度位保証及びATMセル損失率保証も実現でき、さらに以下の効果を得ることができる。
【0182】
すなわち、本実施形態におけるATMセル多重装置によれば、優先度継承を条件付きで実行するものとし、CPSパケットのAAL多重待ちバッファ5iB(i=1、2…n−1)における待ち時間が危険ラインを超える場合のみ、優先度継承を行うことにするため、ATM多重部3は、帯域が保証できる限り、元のQoSクラスを用いてATMセル(AAL2)を多重することになり、優先度継承によるATMセル(AAL1,5)の優先順位とATMセル(AAL2)の優先順位との間における優先度の逆転が発生し難くなるようにできる。
【0183】
(H)第8の実施形態
(H−1)装置構成
本実施形態に係るATMセル多重装置の機能ブロック構成を図9に示す。この図9は、図5と同一である部分及び対応する部分に、同一符号及び対応符号を付して示してある。これは、本実施形態が、第4の実施形態の構成を基本構成とするためである。
【0184】
なお、本実施形態の場合も、第6の実施形態や第7の実施形態同様、条件付きで優先度の継承を判定するATMセル多重装置について説明する。
【0185】
ただし、使用する条件の数は、本実施形態の場合、2つである。すなわち、本実施形態では、待ちキューの長さと待ち時間の2つを判定条件に用い、そのいずれか一方の条件が満たされる場合のみ、優先度の継承を許可する。
【0186】
具体的には、(1)Qosクラスに対応する各AAL多重持ちバッファ5iC(i=1、2…n−1)における待ちキューの長さLが、各バッファごと個別に設定されている危険ライン(待ちキューの長さが当該ラインを超えると、QoSを保証し得なくなる可能性が生じる境界値Li(i=1、2…n−1))を超えるとき、又は、(2)Qosクラスに対応する各AAL多重持ちバッファ5iC(i=1、2…n−1)における待ち時間Tが、各バッファごと個別に設定されている危険ライン(待ち時間が当該ラインを超えると、QoSを保証し得なくなる可能性が生じる境界値Ti(i=1、2…n−1))を超えるとき、QoSを保証できない可能性が高いと判断し、QoSクラス情報が出力されるようにする。
【0187】
(H−2)多重動作
続いて、かかる構成を有するATM多重伝送装置の多重動作を説明する。なお、本実施形態は、AALタイプ2のATM多重伝送機能に特徴があるため、当該多重伝送動作を中心に説明する。
【0188】
ATM多重伝送装置は、AALタイプ2のユーザデータ(CPSパケット)を入力すると、これをCPSパケット振分部4に与え、QoSクラスに基づく振り分け処理を実行させる。これにより、CPSパケットは、多重待ちバッファ5iD又は5nのいずれかに入力順に書き込まれる。
【0189】
タイミング制御部6は、AAL多重処理タイミングとATMセル送信タイミングの同期を取っている。入力トラヒック量に関わらず、ATMセル(AAL2)の出力タイミングになると、タイミング制御部6は、多重処理開始要求をAAL多重部7に通知する。AAL多重部7は、通知された処理開始タイミングに従ってCPSパケットの読み出しを行い、読み出したCPSパケットをATMセル(AAL2)に多重搭載する。
【0190】
このとき、ATMセルペイロードを十分に満たすだけのCPSパケットがAAL多重待ちバッファ5iD(i=1〜n−1)及び5nに存在しなくても、ATMセルは部分的にCPSパケットを搭載した後、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファに送られる。
【0191】
ところで、かかる処理と並行して、優先度が最下位であるAAL多重待ちバッファ5nを除く、n−1個のAAL多重待ちバッファ5iD(i=1〜n−1)では、現時点における待ちキュー長さL又は待ち時間Tが、各QoSクラスごとに決められている危険ライン(待ちキュー長さLi、待ち時間Ti)を超えるか否かが監視されており、待ちキュー長さ又は待ち時間のいずれか一方で危険ラインを超えると判定された場合、QoSクラス情報が優先度継承部10に通知される。
【0192】
なお、言うまでもないが、待ちキューの長さ及び待ち時間の双方が、共に危険ライン以下になった時点で、QoSクラス情報は出力されなくなる(優先度継承は要求されない)。
【0193】
優先度継承部10は、このように優先度の継承が要求されるCPSパケットが存在する場合のみ、当該通知のあったQoSクラス(複数の通知がある場合には、これらのうち最も優先度の高いQosクラス)と、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8に保持されているATMセルのQoSクラスと比較し、いずれが高いかを判定する。
【0194】
ここで、多重待ちであるCPSパケットの方が、その優先順位が高いと判定された場合、優先度継承部10は、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8にあるATMセルのQoSクラスをCPSパケットのQoSクラスに継承する処理を実行する。すなわち、送信待ちであるATMセルのQosクラスを、より優先度の高いQosクラスに一時書き換える処理を実行する。なお、この場合、優先度の継承があったことが、Qosクラス回復部11に通知される。
【0195】
ATM多重部3は、通常動作時(要求帯域より提供可能帯域の方が大きい場合)、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8に保持されているATMセルをAALタイプ2に割り当てられた所定の出力タイミングで読み出してATM多重する。
【0196】
しかし、優先度順に多重順序が決定される場合(要求帯域が提供可能帯域を超える場合)、ATM多重部3は、優先度継承によって一時的に書き換えられたQosクラスを基準に多重順序を決定し、決定された所定のタイミングで読み出すように動作する。なお、QoSクラス回復部11は、かかるATMセル(AAL2)の読み出し時に、先に継承された優先度を取り除き、元のQoSクラスに戻すよう動作する。
【0197】
以上が、本実施形態における多重動作である。なお、本実施形態において優先度の継承が行われる場合は、少なくとも、第6の実施形態において優先度の継承が行われる場合又は第7の実施形態において優先度の継承が行われる場合のいずれかに該当し、そのいずれでも無上限優先度逆転は生じないため、本実施形態の場合も、同様の理由により、無上限優先度逆転の発生は有効に回避される。
【0198】
(H−3)実施形態の効果
このように、本実施形態においても、高い多重効果を保ってAALタイプ1と5を統合制御できるだけでなく、QoSクラスにおける優先度位保証及びATMセル損失率保証も実現でき、さらに以下の効果を得ることができる。
【0199】
すなわち、本実施形態におけるATMセル多重装置によれば、優先度継承を条件付きで実行するものとし、2つの判断基準のうちいずれか一方でも条件を満たした段階で優先度の継承を行うようにしたことにより、いずれか一方の条件のみに基づいて判断する場合に比して、AALタイプ1又は5のATMセルと、AALタイプ2のATMセルの間で優先度の逆転が発生する可能性を一段と低減できる。
【0200】
(I)第9の実施形態
(I−1)装置構成
本実施形態に係るATMセル多重装置の機能ブロック構成を図10に示す。この図10は、図6と同一である部分及び対応する部分に、同一符号及び対応符号を付して示してある。これは、本実施形態が、第5の実施形態の構成を基本構成とするためである。
【0201】
なお、第5の実施形態に対する本実施形態の関係は、第4の実施形態に対する第6の実施形態と同じである。すなわち、第5の実施形態に係る装置に、条件付きの優先度継承機能を付加したものである。
【0202】
第5の実施形態では、多重待ちとなっているCPSパケットのうち優先度の最も高いものを無条件に継承したが、優先度の継承は、Qosクラスを保証し得ないような場合にのみ実行すれば、本来の目的を達成できる。そこで、本実施形態では、第5の実施形態装置に、条件付きで優先度継承する機能を付加することにする。
【0203】
ただし、この実施形態では、Qosクラスに対応する各AAL多重持ちバッファ5iE(i=1、2…n−1)における待ちキューの長さLが、各バッファごと個別に設定されている危険ライン(待ちキューの長さが当該ラインを超えると、QoSを保証し得なくなる可能性が生じる境界値Li(i=1、2…n−1))を超えるか否かを、条件に用いる。
【0204】
待ちキューの長さが危険ラインを超える場合、QoSを保証できない可能性が高い。そこで、本実施形態では、AAL多重持ちバッファ5iE(i=1、2…n−1)に、待ちキューの長さが危険ラインを超える場合にのみQoSクラス情報を出力する機能を付加し、Qosを保証し得ない可能性がある場合にのみ優先度が継承されるようにする。
【0205】
(I−2)多重動作
続いて、かかる構成を有するATM多重伝送装置の多重動作を説明する。なお、本実施形態は、AALタイプ2のATM多重伝送機能に特徴があるため、当該多重伝送動作を中心に説明する。
【0206】
ATM多重伝送装置は、AALタイプ2のユーザデータ(CPSパケット)を入力すると、これをCPSパケット振分部4に与え、QoSクラスに基づく振り分け処理を実行させる。これにより、CPSパケットは、多重待ちバッファ5iE又は5nのいずれかに入力順に書き込まれる。
【0207】
タイミング制御部6は、AAL多重処理タイミングとATMセル送信タイミングの同期を取っている。入力トラヒック量に関わらず、ATMセル(AAL2)の出力タイミングになると、タイミング制御部6は、多重処理開始要求をAAL多重部7に通知する。AAL多重部7は、通知された処理開始タイミングに従ってCPSパケットの読み出しを行い、読み出したCPSパケットをATMセル(AAL2)に多重搭載する。
【0208】
このとき、ATMセルペイロードを十分に満たすだけのCPSパケットがAAL多重待ちバッファ5iE(i=1〜n−1)及び5nに存在しなくても、ATMセルは部分的にCPSパケットを搭載した後、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファに送られる。
【0209】
ところで、かかる処理と並行して、優先度が最下位であるAAL多重待ちバッファ5nを除く、n−1個のAAL多重待ちバッファ5iE(i=1〜n−1)では、現時点における待ちキューの長さLが、各QoSクラスごとに決められている危険ラインLiを超えるか否かが監視されており、待ちキュー長さが危険ラインを超えると判定された場合のみ、QoSクラス情報が仮優先度継承部12に通知される。
【0210】
なお、言うまでもないが、待ちキューの長さが各QoSクラスについて決められている危険ライン以下になった時点で、QoSクラス情報の出力はされなくなる(優先度継承は要求されない)。
【0211】
仮優先度継承部12は、このように優先度の継承が要求されるCPSパケットが存在する場合のみ、当該通知のあったQoSクラス(複数の通知がある場合には、これらのうち最も優先度の高いQosクラス)と、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8に保持されているATMセルのQoSクラスとを比較し、いずれが高いかを判定する。
【0212】
ここで、多重待ちであるCPSパケットの方が、その優先順位が高いと判定された場合、仮優先度継承部12は、当該CPSパケットの優先順位(Qosクラス)を、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8内にあるATMセル(AAL2)の仮想的なQoSクラスとしてATM多重部3に通知する。すなわち、実際のQoSクラスとは異なるQosクラスを通知する。
【0213】
ATM多重部3は、要求帯域が供給可能帯域を超えていない限り、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8Aに書き込まれたATMセル(AAL2)を、ATM多重部3に対する当該書き込みに同期したタイミングで読み出す。
【0214】
しかし、要求帯域が供給可能帯域を超える場合、ATM多重部3はATMセルの多重順序を優先順位の順に決定することになる。しかし、この場合でも、ATM多重部3は、仮優先度継承部12から通知される仮想のQoSクラスに基づいて多重順序を決定するため、実際のQosクラスが低くても優先的に多重されることになる。
【0215】
なお、実際に多重されるATMセル(AAL2)のQosクラスは、元のクラスのままであるが、一旦多重順序が決定された後は決定された順番通りに多重処理が行われるため、多重動作に影響を与えることはない。むしろ、第4の実施形態においても説明したように、実際のQosクラスに変更が生じると、伝送途中でユーザデータの順序が入れ替わるおそれがあるため、そのようなおそれを無くす上でも必要である。
【0216】
ところで、上述のATMセルが読み出されると、AAL多重部7は、次の多重対象として、優先度の仮継承に寄与した最も優先度の高いCPSパケットをAAL多重して得られるATMセルを選定するため、当該ATMセルの帯域を保証できる。
【0217】
以上が、本実施形態における多重動作である。最後に、無上限優先度逆転が生じないことを具体例により説明する。例えば、AALタイプが2で、そのQoSクラスが3であるユーザデータがAAL多重されてATMセルになった時点で、QoSクラスが1であるCPSパケットがAAL多重待ちバッファ51Eに入力されたとものとし、この時点で、AAL多重待ちバッファ51Eにおける待ちキューの長さLが危険ラインL1を超えているとする。
【0218】
このとき、AAL多重待ちバッファ51Eは、優先度の仮継承を仮優先度継承部12に要求する。なおここで、優先度継承が要求されたCPSパケットのQosクラスは、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8に保持されているATMセルのQosクラスよりも優先順位が高い。
【0219】
従って、仮優先度継承部12は、通知のあったQosクラス1を仮のQosクラスとして用いることを決定し、これをATM多重部3に通知する。ATM多重部3は、通知されたATMセル(AAL2)のQosクラスが最高位であるため、他のATMセル(AAL1,5)に優先してATM多重を行う。
【0220】
なお、当該ATMセルが読み出されると、次は、当該ATMセルに優先度を仮継承したCPSパケットをAAL多重したATMセルがATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8に書き込まれ、先のATMセル(AAL2)と同様優先的に読み出される。
【0221】
かくして、QoSクラスの優先順位が高いCPSパケット(ユーザデータ)が優先的に転送されることが保証される。またこの際、自己の優先度よりも高い優先度の継承を受けたATMセル(AAL2)も転送されるため、厳しい損失率が要求される場合でもこれを保証できる。
【0222】
(I−3)実施形態の効果
以上のように、本実施形態におけるATMセル多重装置によれば、高い多重効果を保ってAALタイプ1と5を統合制御できるだけでなく、QoSクラスにおける優先度位保証及びATMセル損失率保証も実現でき、さらに以下の効果を得ることができる。
【0223】
すなわち、第6の実施形態よりも簡易かつ高速に同様の効果を実現できる。また、本実施形態の場合には、元のQoSクラス保存用のエリアを設ける必要も無くすことができる。
【0224】
(J)第10の実施形態
(J−1)装置構成
本実施形態に係るATMセル多重装置の機能ブロック構成を図11に示す。この図11は、図6と同一である部分及び対応する部分に、同一符号及び対応符号を付して示してある。これは、本実施形態が、第5の実施形態の構成を基本構成とするためである。
【0225】
なお、第5の実施形態に対する本実施形態の関係は、第4の実施形態に対する第7の実施形態と同じある。すなわち、第5の実施形態に係る装置に、条件付きの優先度継承機能を付加したものである。
【0226】
第5の実施形態では、多重待ちとなっているCPSパケットのうち優先度の最も高いものを無条件に継承したが、優先度の継承は、Qosクラスを保証し得ないような場合にのみ実行すれば、本来の目的を達成できる。そこで、本実施形態では、第5の実施形態装置に、条件付きで優先度継承する機能を付加することにする。
【0227】
ただし、この実施形態では、Qosクラスに対応する各AAL多重持ちバッファ5iF(i=1、2…n−1)における待ち時間Tが、各バッファごと個別に設定されている危険ライン(待ち時間が当該ラインを超えると、QoSを保証し得なくなる可能性が生じる境界値Ti(i=1、2…n−1))を超えるか否かを、条件に用いる。
【0228】
待ち時間の長さが危険ラインを超える場合、QoSを保証できない可能性が高い。そこで、本実施形態では、AAL多重持ちバッファ5iF(i=1、2…n−1)に、待ち時間が危険ラインを超える場合にのみQoSクラス情報を出力する機能を付加し、Qosを保証し得ない可能性がある場合にのみ優先度が継承されるようにする。
【0229】
(J−2)多重動作
続いて、かかる構成を有するATM多重伝送装置の多重動作を説明する。なお、本実施形態は、AALタイプ2のATM多重伝送機能に特徴があるため、当該多重伝送動作を中心に説明する。
【0230】
ATM多重伝送装置は、AALタイプ2のユーザデータ(CPSパケット)を入力すると、これをCPSパケット振分部4に与え、QoSクラスに基づく振り分け処理を実行させる。これにより、CPSパケットは、多重待ちバッファ5iF又は5nのいずれかに入力順に書き込まれる。
【0231】
タイミング制御部6は、AAL多重処理タイミングとATMセル送信タイミングの同期を取っている。入力トラヒック量に関わらず、ATMセル(AAL2)の出力タイミングになると、タイミング制御部6は、多重処理開始要求をAAL多重部7に通知する。AAL多重部7は、通知された処理開始タイミングに従ってCPSパケットの読み出しを行い、読み出したCPSパケットをATMセル(AAL2)に多重搭載する。
【0232】
このとき、ATMセルペイロードを十分に満たすだけのCPSパケットがAAL多重待ちバッファ5iF(i=1〜n−1)及び5nに存在しなくても、ATMセルは部分的にCPSパケットを搭載した後、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファに送られる。
【0233】
ところで、かかる処理と並行して、優先度が最下位であるAAL多重待ちバッファ5nを除く、n−1個のAAL多重待ちバッファ5iF(i=1〜n−1)では、現時点における待ち時間Tが、各QoSクラスごとに決められている危険ラインTiを超えるか否かが監視されており、待ち時間が危険ラインを超えると判定された場合のみ、QoSクラス情報が仮優先度継承部12に通知される。
【0234】
なお、言うまでもないが、待ち時間が各QoSクラスについて決められている危険ライン以下になった時点で、QoSクラス情報の出力はされなくなる(優先度継承は要求されない)。
【0235】
仮優先度継承部12は、このように優先度の継承が要求されるCPSパケットが存在する場合のみ、当該通知のあったQoSクラス(複数の通知がある場合には、これらのうち最も優先度の高いQosクラス)と、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8に保持されているATMセルのQoSクラスとを比較し、いずれが高いかを判定する。
【0236】
ここで、多重待ちであるCPSパケットの方が、その優先順位が高いと判定された場合、仮優先度継承部12は、当該CPSパケットの優先順位(Qosクラス)を、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8内にあるATMセル(AAL2)の仮想的なQoSクラスとしてATM多重部3に通知する。すなわち、実際のQoSクラスとは異なるQosクラスを通知する。
【0237】
ATM多重部3は、要求帯域が供給可能帯域を超えていない限り、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8Aに書き込まれたATMセル(AAL2)を、ATM多重部3に対する当該書き込みに同期したタイミングで読み出す。
【0238】
しかし、要求帯域が供給可能帯域を超える場合、ATM多重部3はATMセルの多重順序を優先順位の順に決定することになる。しかし、この場合でも、ATM多重部3は、仮優先度継承部12から通知される仮想のQoSクラスに基づいて多重順序を決定するため、実際のQosクラスが低くても優先的に多重されることになる。
【0239】
なお、実際に多重されるATMセル(AAL2)のQosクラスは、元のクラスのままであるが、一旦多重順序が決定された後は決定された順番通りに多重処理が行われるため、多重動作に影響を与えることはない。むしろ、第4の実施形態においても説明したように、実際のQosクラスに変更が生じると、伝送途中でユーザデータの順序が入れ替わるおそれがあるため、そのようなおそれを無くす上でも必要である。
【0240】
ところで、上述のATMセルが読み出されると、AAL多重部7は、次の多重対象として、優先度の仮継承に寄与した最も優先度の高いCPSパケットをAAL多重して得られるATMセルを選定するため、当該ATMセルの帯域を保証できる。
【0241】
以上が、本実施形態における多重動作である。最後に、無上限優先度逆転が生じないことを具体例により説明する。例えば、AALタイプが2で、そのQoSクラスが3であるユーザデータがAAL多重されてATMセルになった時点で、QoSクラスが1であるCPSパケットがAAL多重待ちバッファ51Fに入力されたとものとし、この時点で、AAL多重待ちバッファ51Fにおける待ち時間Tが危険ラインT1を超えているとする。
【0242】
このとき、AAL多重待ちバッファ51Fは、優先度の仮継承を仮優先度継承部12に要求する。なおここで、優先度継承が要求されたCPSパケットのQosクラスは、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8に保持されているATMセルのQosクラスよりも優先順位が高い。
【0243】
従って、仮優先度継承部12は、通知のあったQosクラス1を仮のQosクラスとして用いることを決定し、これをATM多重部3に通知する。ATM多重部3は、通知されたATMセル(AAL2)のQosクラスが最高位であるため、他のATMセル(AAL1,5)に優先してATM多重を行う。
【0244】
なお、当該ATMセルが読み出されると、次は、当該ATMセルに優先度を仮継承したCPSパケットをAAL多重したATMセルがATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8に書き込まれ、先のATMセル(AAL2)と同様優先的に読み出される。
【0245】
かくして、QoSクラスの優先順位が高いCPSパケット(ユーザデータ)が優先的に転送されることが保証される。またこの際、自己の優先度よりも高い優先度の継承を受けたATMセル(AAL2)も転送されるため、厳しい損失率が要求される場合でもこれを保証できる。
【0246】
(J−3)実施形態の効果
以上のように、本実施形態におけるATMセル多重装置によれば、高い多重効果を保ってAALタイプ1と5を統合制御できるだけでなく、QoSクラスにおける優先度位保証及びATMセル損失率保証も実現でき、さらに以下の効果を得ることができる。
【0247】
すなわち、第6の実施形態よりも簡易かつ高速に同様の効果を実現できる。また、本実施形態の場合には、元のQoSクラス保存用のエリアを設ける必要も無くすことができる。
【0248】
(K)第11の実施形態
(K−1)装置構成
本実施形態に係るATMセル多重装置の機能ブロック構成を図12に示す。この図12は、図6と同一である部分及び対応する部分に、同一符号及び対応符号を付して示してある。これは、本実施形態が、第5の実施形態の構成を基本構成とするためである。
【0249】
なお、第5の実施形態に対する本実施形態の関係は、第4の実施形態に対する第8の実施形態と同じある。すなわち、第5の実施形態に係る装置に、条件付きの優先度継承機能を付加したものである。
【0250】
第5の実施形態では、多重待ちとなっているCPSパケットのうち優先度の最も高いものを無条件に継承したが、優先度の継承は、Qosクラスを保証し得ないような場合にのみ実行すれば、本来の目的を達成できる。そこで、本実施形態では、第5の実施形態装置に、条件付きで優先度継承する機能を付加することにする。
【0251】
ただし、使用する条件の数は、本実施形態の場合、2つである。すなわち、本実施形態では、待ちキューの長さと待ち時間の2つを判定条件に用い、そのいずれか一方の条件が満たされる場合のみ、優先度の継承を許可するようにする。
【0252】
具体的には、(1)Qosクラスに対応する各AAL多重持ちバッファ5iC(i=1、2…n−1)における待ちキューの長さLが、各バッファごと個別に設定されている危険ライン(待ちキューの長さが当該ラインを超えると、QoSを保証し得なくなる可能性が生じる境界値Li(i=1、2…n−1))を超えるとき、又は、(2)Qosクラスに対応する各AAL多重持ちバッファ5iC(i=1、2…n−1)における待ち時間Tが、各バッファごと個別に設定されている危険ライン(待ち時間が当該ラインを超えると、QoSを保証し得なくなる可能性が生じる境界値Ti(i=1、2…n−1))を超えるとき、QoSを保証できない可能性が高いと判断し、QoSクラス情報が出力されるようにする。
【0253】
(K−2)多重動作
続いて、かかる構成を有するATM多重伝送装置の多重動作を説明する。なお、本実施形態は、AALタイプ2のATM多重伝送機能に特徴があるため、当該多重伝送動作を中心に説明する。
【0254】
ATM多重伝送装置は、AALタイプ2のユーザデータ(CPSパケット)を入力すると、これをCPSパケット振分部4に与え、QoSクラスに基づく振り分け処理を実行させる。これにより、CPSパケットは、多重待ちバッファ5iF又は5nのいずれかに入力順に書き込まれる。
【0255】
タイミング制御部6は、AAL多重処理タイミングとATMセル送信タイミングの同期を取っている。入力トラヒック量に関わらず、ATMセル(AAL2)の出力タイミングになると、タイミング制御部6は、多重処理開始要求をAAL多重部7に通知する。AAL多重部7は、通知された処理開始タイミングに従ってCPSパケットの読み出しを行い、読み出したCPSパケットをATMセル(AAL2)に多重搭載する。
【0256】
このとき、ATMセルペイロードを十分に満たすだけのCPSパケットがAAL多重待ちバッファ5iG(i=1〜n−1)及び5nに存在しなくても、ATMセルは部分的にCPSパケットを搭載した後、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファに送られる。
【0257】
ところで、かかる処理と並行して、優先度が最下位であるAAL多重待ちバッファ5nを除く、n−1個のAAL多重待ちバッファ5iG(i=1〜n−1)では、現時点における待ちキュー長さL又は待ち時間Tが、各QoSクラスごとに決められている危険ライン(待ちキューについての長さLi、待ち時間についての長さTi)を超えるか否かが監視されており、待ちキュー長さ又は待ち時間のいずれか一方で危険ラインを超えると判定された場合、QoSクラス情報が仮優先度継承部12に通知される。
【0258】
なお、言うまでもないが、待ちキューの長さ及び待ち時間の双方が、共に危険ライン以下になった時点で、QoSクラス情報は出力されなくなる(優先度継承は要求されない)。
【0259】
仮優先度継承部12は、このように優先度の継承が要求されるCPSパケットが存在する場合のみ、当該通知のあったQoSクラス(複数の通知がある場合には、これらのうち最も優先度の高いQosクラス)と、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8に保持されているATMセルのQoSクラスとを比較し、いずれが高いかを判定する。
【0260】
ここで、多重待ちであるCPSパケットの方が、その優先順位が高いと判定された場合、仮優先度継承部12は、当該CPSパケットの優先順位(Qosクラス)を、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8内にあるATMセル(AAL2)の仮想的なQoSクラスとしてATM多重部3に通知する。すなわち、実際のQoSクラスとは異なるQosクラスを通知する。
【0261】
ATM多重部3は、要求帯域が供給可能帯域を超えていない限り、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8Aに書き込まれたATMセル(AAL2)を、ATM多重部3に対する当該書き込みに同期したタイミングで読み出す。
【0262】
しかし、要求帯域が供給可能帯域を超える場合、ATM多重部3はATMセルの多重順序を優先順位の順に決定することになる。しかし、この場合でも、ATM多重部3は、仮優先度継承部12から通知される仮想のQoSクラスに基づいて多重順序を決定するため、実際のQosクラスが低くても優先的に多重されることになる。
【0263】
なお、実際に多重されるATMセル(AAL2)のQosクラスは、元のクラスのままであるが、一旦多重順序が決定された後は決定された順番通りに多重処理が行われるため、多重動作に影響を与えることはない。むしろ、第4の実施形態においても説明したように、実際のQosクラスに変更が生じると、伝送途中でユーザデータの順序が入れ替わるおそれがあるため、そのようなおそれを無くす上でも必要である。
【0264】
ところで、上述のATMセルが読み出されると、AAL多重部7は、次の多重対象として、優先度の仮継承に寄与した最も優先度の高いCPSパケットをAAL多重して得られるATMセルを選定するため、当該ATMセルの帯域を保証できる。
【0265】
以上が、本実施形態における多重動作である。なお、本実施形態において優先度の継承が行われる場合は、少なくとも、第9の実施形態において優先度の継承が行われる場合又は第10の実施形態において優先度の継承が行われる場合のいずれかに該当し、そのいずれでも無上限優先度逆転は生じないため、本実施形態の場合も、同様の理由により、無上限優先度逆転の発生は有効に回避される。
【0266】
(K−3)実施形態の効果
このように、本実施形態においても、高い多重効果を保ってAALタイプ1と5を統合制御できるだけでなく、QoSクラスにおける優先度位保証及びATMセル損失率保証も実現でき、さらに以下の効果を得ることができる。
【0267】
すなわち、本実施形態におけるATMセル多重装置によれば、優先度仮継承を条件付きで実行するものとし、2つの判断基準のうちいずれか一方でも条件を満たした段階で優先度の仮継承を行うようにしたことにより、いずれか一方の条件のみに基づいて判断する場合に比して、AALタイプ1又は5のATMセルと、AALタイプ2のATMセルの間で優先度の逆転が発生する可能性を一段と低減できる。
【0268】
(L)第12の実施形態
(L−1)装置構成
本実施形態に係るATMセル多重装置の機能ブロック構成を図13に示す。この図13は、図1と同一である部分及び対応する部分に、同一符号及び対応符号を付して示してある。これは、本実施形態が、第1の実施形態の構成を基本構成とするためである。
【0269】
本実施形態が第1の実施形態と異なっている点は、廃棄されたATMセル(AAL2)の再送を可能とする復帰バッファ5iH(i=1、2…n)が設けられた点である。
【0270】
以下、当該構成上の違いを中心に、各部の機能構成を説明する。なお、本実施形態に係るATMセル多重装置は、振り分け部1と、ATMセル(AAL1,5)送信待ちバッファ2iと、ATM多重部3と、CPSパケット振分部4と、AAL多重待ちバッファ5iと、復帰バッファ5iHと、AAL多重部7Hと、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8と、廃棄監視部9とで構成される。
【0271】
このうち、復帰バッファ5iH(i=1、2…n)は、QoSクラスの数(図13の場合、n個)に応じて設けられる、複数のCPSパケットの格納が可能な記憶手段である。この復帰バッファ5iHは、AAL多重のために読み出されるCPSパケットを、その廃棄に備えて一時保持する手段であり、廃棄の指示があるまで保持するようになっている。なお、当該復帰バッファ5iHへのCPSパケットのコピーは、AAL多重の際同時に行われる。
【0272】
AAL多重部7Hは、通常時(セル廃棄の通知がない場合)、各QoSクラスで要求される帯域が保証されるようにCPSパケットの読み出しを行うAAL多重待ちバッファ5iを決定し、読み出したCPSパケットをATMセル形式に多重してATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8に出力するための手段である。ただし、セル廃棄の通知が廃棄監視部9よりあった場合、AAL多重部7Hは、次に多重するCPSパケットとして最も優先度の高いもの(Qosクラスの小さいもの)を指定し、これを読み出してATMセルに多重するようになっている。
【0273】
さらに、AAL多重部7Hには、本実施形態に特有の機能として、次の機能が設けられている。すなわち、AAL多重部7Hは、先に廃棄されたATMセルと同じQoSクラスが次のAAL多重対象となる場合、同Qosクラスに対応する復帰バッファ5iHからCPSパケットを読み出し、もう一度、AAL多重を行う。
【0274】
なお、復帰バッファ5iHにあるCPSパケットが少ない場合、AAL多重部7Hは、AAL多重効率を上げるため、AAL多重バッファ5iにある他のCPSパケットを合わせてAAL多重する。勿論、これはAAL多重バッファ5iに他のCPSパケットが既に存在する場合である。また、AAL多重バッファ5iにある他のCPSパケットも合わせてAAL多重する場合には、新たに多重対象となったCPSパケットが同時に復帰バッファ5iHに追加コピーされる(上書きでない)。
【0275】
さらに、AAL多重部7Hは、かかる再AAL多重動作の回数を管理しており、その回数が予め定めた回数を超える場合には、もはや復帰バッファ5iHからの読み出しは行わず、復帰バッファ5iHに記憶されているCPSパケットを廃棄するように命ずる。
【0276】
(L−2)多重動作
続いて、かかる構成を有するATM多重伝送装置の多重動作を説明する。なお、本実施形態は、AALタイプ2のATM多重伝送機能に特徴があるため、当該多重伝送動作を中心に説明する。
【0277】
ATM多重伝送装置は、AALタイプ2のユーザデータ(CPSパケット)を入力すると、これをCPSパケット振分部4に与え、QoSクラスに基づく振り分け処理を実行させる。これにより、CPSパケットは、対応する多重待ちバッファ5i(=1、2…n)に入力順に書き込まれる。
【0278】
タイミング制御部6が、AAL多重処理タイミングとATMセル(AAL2)送信タイミングとの同期を取る。入力トラヒック量に関わらず、ATMセル(AAL2)の出力タイミングになると、タイミング制御部6は、多重処理開始要求をAAL多重部7Hに通知する。AAL多重部7Hは、通知された処理開始タイミングに従ってCPSパケットの読み出しを行い、読み出したCPSパケットをATMセル(AAL2)に多重搭載する。
【0279】
このとき、ATMセルペイロードを十分に満たすだけのCPSパケットがAAL多重待ちバッファ5i(i=1、2…n)に存在しなくても、AAL多重部7Hは、ATMセル(AAL2)の一部分にCPSパケットを搭載した後、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8に送出する。
【0280】
なお、この際、AAL多重されたCPSパットが、対応する復帰バッファ5iH(i=1、2…n)に上書きコピーされる(従って、既存のCPSパケットはなくなる。)。
【0281】
この後、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8に書き込まれたATMセル(AAL2)は、ATM多重部3に対する要求帯域が供給可能帯域を超えていない限り、当該書き込みに同期したタイミングで読み出されATM多重される。
【0282】
しかし、要求帯域が提供可能帯域を超え、ATM多重部3におけるATMセルの多重処理が優先順位の順に行われる場合、ATMセル(AAL2)のQoSクラスが他のATMセル(AAL1,5)のQoSクラスより高くないと送出されない。
【0283】
ここで、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8に書き込まれたATMセル(AAL2)のQosクラスが他のATMセル(AAL1,5)より高ければ即座に出力されるのであるが、ATMセル(AAL2)のQoSクラスが他のATMセル(AAL1,5)のQoSクラスより低い場合には、ATMセル(AAL2)は読み出されず、待ち時間が所定のタイムオーバー時間Tを超える事態が生じる。
【0284】
この場合、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8は、現在保持されているATMセル(AAL2)を廃棄し、優先度の高いCPSパケットの送信に備える状態になる。
【0285】
かかるATMセル廃棄が生じると、廃棄監視部9がこれを検出し、AAL多重部7Hに当該ATMセル廃棄の発生を通知する。AAL多重部7Hは、ATMセルの廃棄を確認した場合、AAL多重待ちバッファ5iに格納されているCPSパケットのうち最もQoSクラスの小さい(優先度の高い)CPSパケットを読み出し、ATMセルの形式にAAL多重する。
【0286】
この結果、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8に格納されるATMセル(AAL2)の優先順位は、一般に、直前の優先順位より高くなる(ただし、優先順位が同じ場合もあり得る)。ATM多重部3は、置き換わった新たなATMセル(AAL2)と他のATMセル(AAL1,5)との優先度判定を行い、判定結果に基づく所定の順序でATM多重を行う。このとき、AALタイプ2のATMセルの優先順位が他のタイプのATMセル(AAL1,5)より高ければ、要求帯域が提供可能帯域を超える場合でも、確実に当該AALタイプ2のATMセルが送信される。
【0287】
ところで、AAL多重部7Hについてであるが、かかる廃棄に伴うAAL多重動作が終了すると、次のAAL多重タイミングが到来するのを待ち受け、各Qosクラスの帯域が満たされるようにAAL多重待ちバッファ5iの選定を行う。AAL多重待ちバッファ5iが選定されると、AAL多重部7Hは、当該バッファについて先に読み出したCPSパケットについて廃棄が生じていないか確認する。
【0288】
先のATMセルが正常にATM多重されていれば、AAL多重部7Hは、AAL多重待ちバッファ5iにあるCPSパケットをAAL多重する(同時に復帰バッファ5iHにコピーされる)。
【0289】
これに対し、先のATMセルが廃棄されていた場合には、AAL多重部7Hは、復帰バッファ5iHにコピーしておいたCPSパケットをもう一回読み出してAAL多重する。ここで、復帰バッファ5iHにあるCPSバケットが少ない場合であって(1つのATMセルに足りないこと)、AAL多重待ちバッファ5iにCPSパケットが存在する場合には、AAL多重効率を上げるため、当該AAL多重待ちバッファ5iに存在するCPSパケットを追加したものをAAL多重し、同時に復帰バッファに5iHに追加コピーする(上書きではない)。
【0290】
この動作は、当該ATMセル(AAL2)が何度も廃棄される限り繰返し実行される。ただし、AAL多重部7Hにおいて、予め定めておいた再AAL多重回数を超えると判断された時点で、復帰バッファ5iHにあるCPSパケットは再AAL多重されることなく廃棄される。
【0291】
(L−3)実施形態の効果
以上のように、本実施形態におけるATMセル多重装置によれば、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8におけるATMセル(AAL2)の待ち時間が所定のタイムオーバー時間Tを超える場合にはこれを廃棄する構成としたことにより、相対的に優先度の低い(QoSクラスの大きい)ATMセルのために、相対的に優先度の高い(QoSクラスが低い)ATMセルが時間無上限に待たされるおそれを確実に無くすことができる(無上限優先度逆転を発生しないようにできる)。
【0292】
さらに、無上限優先度逆転を避けるために廃棄されたATMセルについても、再度ATM多重される機会を与えられるため、セル損失の発生確率を少なくでき、セル損失率についても保証可能とできる。
【0293】
(M)第13の実施形態
(M−1)装置構成
本実施形態に係るATMセル多重装置の機能ブロック構成を図14に示す。この図14には、図13と同一である部分及び対応する部分に、同一符号及び対応符号を付して示してある。これは、本実施形態が、第12の実施形態の構成を基本構成とするためである。
【0294】
本実施形態と第12の実施形態との違いは、ATMセルの廃棄を条件付き(可変)で行うか無条件(固定的)に行うかの違いである。すなわち、第12の実施形態では、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8で待機しているATMセルの待ち時間が所定のタイムオーバー時間Tを超える場合には、当該ATMセルを無条件に廃棄する構成であったが、かかるATMセルの廃棄は、Qosクラスを保証し得ないような場合にのみ実行すれば、本来の目的を達成できる。
【0295】
そこで、本実施形態では、第12の実施形態装置に、条件付きでATMセルの廃棄を生じさせる機能を付加することにする。
【0296】
この実施形態では、Qosクラスに対応する各AAL多重持ちバッファ5iI(i=1、2…n−1)における待ちキューの長さLが、各バッファごと個別に設定されている危険ライン(待ちキューの長さが当該ラインを超えると、QoSを保証し得なくなる可能性が生じる境界値Li(i=1、2…n−1))を超えるか否かを、条件に用いる。
【0297】
待ちキューの長さが危険ラインを超える場合、QoSを保証できない可能性が高い。そこで、本実施形態では、AAL多重持ちバッファ5iI(i=1、2…n−1)に、待ちキューの長さが危険ラインを超える場合にのみQoSクラス情報を出力する機能を付加し、Qosを保証し得ない可能性がある場合にのみATMセルの廃棄要求を出力させるようにする。
【0298】
ただし、廃棄を要求したAAL多重持ちバッファ5iIの優先度の方が低ければ、廃棄の必要がない。そこで、本実施形態における廃棄監視部9Iには、1又は複数のAAL多重待ちバッファ5iI(i=1、2…n−1)から廃棄要求であるQosクラスが与えられた場合、これらとATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8に保持されているATMセルのQosクラスとを比較し、いずれが小さいか(すなわち、いずれの優先度が高いか)判定する機能が設けられている。
【0299】
ここで、廃棄監視部9Iは、廃棄要求を出したAAL多重待ちバッファ5iI側のQosクラスが小さい場合(優先度が高い場合)のみ、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8に廃棄を命じる。
【0300】
(M−2)多重動作
続いて、かかる構成を有するATM多重伝送装置の多重動作を説明する。なお、本実施形態は、AALタイプ2のATM多重伝送機能に特徴があるため、当該多重伝送動作を中心に説明する。
【0301】
ATM多重伝送装置は、AALタイプ2のユーザデータ(CPSパケット)を入力すると、これをCPSパケット振分部4に与え、QoSクラスに基づく振り分け処理を実行させる。これにより、CPSパケットは、対応する多重待ちバッファ5iI(=1、2…n−1)及び5nに入力順に書き込まれる。
【0302】
タイミング制御部6が、AAL多重処理タイミングとATMセル(AAL2)送信タイミングとの同期を取る。入力トラヒック量に関わらず、ATMセル(AAL2)の出力タイミングになると、タイミング制御部6は、多重処理開始要求をAAL多重部7Hに通知する。AAL多重部7Hは、通知された処理開始タイミングに従ってCPSパケットの読み出しを行い、読み出したCPSパケットをATMセル(AAL2)に多重搭載する。
【0303】
このとき、ATMセルペイロードを十分に満たすだけのCPSパケットがAAL多重待ちバッファ5i(i=1、2…n)に存在しなくても、AAL多重部7Hは、ATMセル(AAL2)の一部分にCPSパケットを搭載した後、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8に送出する。
【0304】
なお、この際、AAL多重されたCPSパットが、対応する復帰バッファ5iH(i=1、2…n)に上書きコピーされる(従って、既存のCPSパケットはなくなる。)。
【0305】
この後、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8に書き込まれたATMセル(AAL2)は、ATM多重部3に対する要求帯域が供給可能帯域を超えていない限り、当該書き込みに同期したタイミングで読み出されATM多重される。
【0306】
しかし、要求帯域が提供可能帯域を超え、ATM多重部3におけるATMセルの多重処理が優先順位の順に行われる場合、ATMセル(AAL2)のQoSクラスが他のATMセル(AAL1,5)のQoSクラスより高くないと送出されない。
【0307】
ここで、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8に書き込まれたATMセル(AAL2)のQosクラスが他のATMセル(AAL1,5)より高ければ即座に出力されるのであるが、ATMセル(AAL2)のQoSクラスが他のATMセル(AAL1,5)のQoSクラスより低い場合には、ATMセル(AAL2)の読み出されず、待機待ちのままとなる。
【0308】
ところで、かかる処理と並行して、優先度が最下位であるAAL多重待ちバッファ5nを除く、n−1個のAAL多重待ちバッファ5iI(i=1〜n−1)は、現時点における待ちキューの長さLが、各QoSクラスごとに決められている危険ラインLiを超えるか否かの監視を行っており、待ちキュー長さが危険ラインを超えると判定された場合、QoSクラス情報を廃棄監視部9Iに通知する。
【0309】
なお、言うまでもないが、待ちキューの長さが各QoSクラスに決められた危険ライン以下になった時点で、QoSクラス情報の出力はされなくなる(優先度継承は要求されない)。
【0310】
廃棄監視部9Iは、かかるQoSクラス情報の通知により廃棄要求があったことを確認すると、通知のあったQoSクラスと、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファに保持されているATMセルのQoSクラスを比較し、いずれが小さいか判定する。
【0311】
ここで、AAL多重待ちであるCPSパケットのQosクラスの方が小さい(その優先順位が高い)と判定された場合、廃棄監視部9Iは、ATMセル(AAL2)をATMセル(AAL)送信待ちバッファ8から廃棄し、廃棄の発生をAAL多重部7Hに通知する。
【0312】
かかるATMセルの廃棄が通知されると、AAL多重部7Hは、廃棄要求を出したAAL多重待ちバッファ5iIに格納されているCPSパケットを読み出し(廃棄要求が複数あった場合には、最も優先度の高いもののCPSパケットを読み出し)、ATMセルの形式にAAL多重する。
【0313】
この結果、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8に格納されるATMセル(AAL2)の優先順位は、直前の優先順位より高くなる。ATM多重部3は、置き換わった新たなATMセル(AAL2)と他のATMセル(AAL1,5)との優先度判定を行い、判定結果に基づく所定の順序でATM多重を行う。このとき、AALタイプ2のATMセルの優先順位が他のタイプのATMセル(AAL1,5)より高ければ、要求帯域が提供可能帯域を超える場合でも、確実に当該AALタイプ2のATMセルが送信される。
【0314】
ところで、AAL多重部7Hについてであるが、かかる廃棄に伴うAAL多重動作が終了すると、次のAAL多重タイミングが到来するのを待ち受け、各Qosクラスの帯域が満たされるようにAAL多重待ちバッファ5iIの選定を行う。
【0315】
AAL多重待ちバッファ5iIが選定されると、AAL多重部7Hは、当該バッファについて先に読み出したCPSパケットについて廃棄が生じていないか確認する。
【0316】
先のATMセルが正常にATM多重されていれば、AAL多重部7Hは、AAL多重待ちバッファ5iIにあるCPSパケットをAAL多重する(同時に復帰バッファ5iHにコピーされる)。
【0317】
これに対し、先のATMセルが廃棄されていた場合には、AAL多重部7Hは、復帰バッファ5iHにコピーしておいたCPSパケットをもう一回読み出してAAL多重する。ここで、復帰バッファ5iHにあるCPSバケットが少ない場合であって(1つのATMセルに足りないこと)、AAL多重待ちバッファ5iIにCPSパケットが存在する場合には、AAL多重効率を上げるため、当該AAL多重待ちバッファ5iIに存在するCPSパケットを追加したものをAAL多重し、同時に復帰バッファに5iHに追加コピーする(上書きではない)。
【0318】
この動作は、当該ATMセル(AAL2)が何度も廃棄される限り繰返し実行される。ただし、AAL多重部7Hにおいて、予め定めておいた再AAL多重回数を超えると判断された時点で、復帰バッファ5iHにあるCPSパケットは再AAL多重されることなく廃棄される。
【0319】
(M−3)実施形態の効果
このように、本実施形態においても、第12の実施形態と同様、優先度位保証とATMセル損失率保証を実現しつつ、さらに以下の効果を得ることができる。
【0320】
すなわち、本実施形態におけるATMセル多重装置によれば、AAL多重待ちとなっているCPSパケットの状態を判斯した上で、廃棄するかどうかを決定するため、無駄な廃棄動作を無くすことができる。
【0321】
(N)第14の実施形態
(N−1)装置構成
本実施形態に係るATMセル多重装置の機能ブロック構成を図15に示す。この図15には、図13と同一である部分及び対応する部分に、同一符号及び対応符号を付して示してある。これは、本実施形態が、第12の実施形態の構成を基本構成とするためである。
【0322】
なお、本実施形態の場合の場合も、第13の実施形態と同様、条件付きで廃棄を実行するATMセル多重装置について説明する。
【0323】
ただし、その条件としては、第13の実施形態とは異なるものを用いる。すなわち、この実施形態では、Qosクラスに対応する各AAL多重持ちバッファ5iJ(i=1、2…n−1)における待ち時間Tが、各バッファごと個別に設定されている危険ライン(待ち時間が当該ラインを超えると、QoSを保証し得なくなる可能性が生じる境界値Ti(i=1、2…n−1))を超えるか否かを、条件に用いる。
【0324】
待ち時間が危険ラインを超える場合、QoSを保証できない可能性が高い。そこで、本実施形態では、AAL多重持ちバッファ5iJ(i=1、2…n−1)に、待ち時間が危険ラインを超える場合にのみQoSクラス情報を出力する機能を付加し、Qosを保証し得ない可能性がある場合にのみATMセルの廃棄要求を出力させるようにする。
【0325】
ただし、廃棄を要求したAAL多重持ちバッファ5iJの優先度の方が低ければ、廃棄の必要がない。そこで、本実施形態における廃棄監視部9Jには、1又は複数のAAL多重待ちバッファ5iJ(i=1、2…n−1)から廃棄要求であるQosクラスが与えられた場合、これらとATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8に保持されているATMセルのQosクラスとを比較し、いずれが小さいか(すなわち、いずれの優先度が高いか)判定する機能が設けられている。
【0326】
ここで、廃棄監視部9Jは、廃棄要求を出したAAL多重待ちバッファ5iJ側のQosクラスが小さい場合(優先度が高い場合)のみ、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8に廃棄を命じる。
【0327】
(N−2)多重動作
続いて、かかる構成を有するATM多重伝送装置の多重動作を説明する。なお、本実施形態は、AALタイプ2のATM多重伝送機能に特徴があるため、当該多重伝送動作を中心に説明する。
【0328】
ATM多重伝送装置は、AALタイプ2のユーザデータ(CPSパケット)を入力すると、これをCPSパケット振分部4に与え、QoSクラスに基づく振り分け処理を実行させる。これにより、CPSパケットは、対応する多重待ちバッファ5iJ(=1、2…n−1)及び5nに入力順に書き込まれる。
【0329】
タイミング制御部6が、AAL多重処理タイミングとATMセル(AAL2)送信タイミングとの同期を取る。入力トラヒック量に関わらず、ATMセル(AAL2)の出力タイミングになると、タイミング制御部6は、多重処理開始要求をAAL多重部7Hに通知する。AAL多重部7Hは、通知された処理開始タイミングに従ってCPSパケットの読み出しを行い、読み出したCPSパケットをATMセル(AAL2)に多重搭載する。
【0330】
このとき、ATMセルペイロードを十分に満たすだけのCPSパケットがAAL多重待ちバッファ5i(i=1、2…n)に存在しなくても、AAL多重部7Hは、ATMセル(AAL2)の一部分にCPSパケットを搭載した後、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8に送出する。
【0331】
なお、この際、AAL多重されたCPSパケットが、対応する復帰バッファ5iH(i=1、2…n)に上書きコピーされる(従って、既存のCPSパケットはなくなる。)。
【0332】
この後、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8に書き込まれたATMセル(AAL2)は、ATM多重部3に対する要求帯域が供給可能帯域を超えていない限り、当該書き込みに同期したタイミングで読み出されATM多重される。
【0333】
しかし、要求帯域が提供可能帯域を超え、ATM多重部3におけるATMセルの多重処理が優先順位の順に行われる場合、ATMセル(AAL2)のQoSクラスが他のATMセル(AAL1,5)のQoSクラスより高くないと送出されない。
【0334】
ここで、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8に書き込まれたATMセル(AAL2)のQosクラスが他のATMセル(AAL1,5)より高ければ即座に出力されるのであるが、ATMセル(AAL2)のQoSクラスが他のATMセル(AAL1,5)のQoSクラスより低い場合には、ATMセル(AAL2)の読み出されず、待機待ちのままとなる。
【0335】
ところで、かかる処理と並行して、優先度が最下位であるAAL多重待ちバッファ5nを除く、n−1個のAAL多重待ちバッファ5iJ(i=1〜n−1)は、現時点における待ち時間Tが、各QoSクラスごとに決められている危険ラインTiを超えるか否かの監視を行っており、待ち時間が危険ラインを超える判定された場合、QoSクラス情報を廃棄監視部9Jに通知する。
【0336】
なお、言うまでもないが、CPSパケットの待ち時間が各QoSクラスに決められた危険ライン以下になった時点で、QoSクラス情報の出力はされなくなる(廃棄要求は出力されない)。
【0337】
廃棄監視部9Jは、かかるQoSクラス情報の通知により廃棄要求があったことを確認すると、通知のあったQoSクラスと、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファに保持されているATMセルのQoSクラスを比較し、いずれが小さいか判定する。
【0338】
ここで、AAL多重待ちであるCPSパケットのQosクラスの方が小さい(その優先順位が高い)と判定された場合、廃棄監視部9Jは、ATMセル(AAL2)をATMセル(AAL)送信待ちバッファ8から廃棄し、廃棄の発生をAAL多重部7Hに通知する。
【0339】
かかるATMセルの廃棄が通知されると、AAL多重部7Hは、廃棄要求を出したAAL多重待ちバッファ5iJに格納されているCPSパケットを読み出し(廃棄要求が複数あった場合には、最も優先度の高いもののCPSパケットを読み出し)、ATMセルの形式にAAL多重する。
【0340】
この結果、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8に格納されるATMセル(AAL2)の優先順位は、直前の優先順位より高くなる。ATM多重部3は、置き換わった新たなATMセル(AAL2)と他のATMセル(AAL1,5)との優先度判定を行い、判定結果に基づく所定の順序でATM多重を行う。このとき、AALタイプ2のATMセルの優先順位が他のタイプのATMセル(AAL1,5)より高ければ、要求帯域が提供可能帯域を超える場合でも、確実に当該AALタイプ2のATMセルが送信される。
【0341】
ところで、AAL多重部7Hについてであるが、かかる廃棄に伴うAAL多重動作が終了すると、次のAAL多重タイミングが到来するのを待ち受け、各Qosクラスの帯域が満たされるようにAAL多重待ちバッファ5iJの選定を行う。
【0342】
AAL多重待ちバッファ5iJが選定されると、AAL多重部7Hは、当該バッファについて先に読み出したCPSパケットについて廃棄が生じていないか確認する。
【0343】
先のATMセルが正常にATM多重されていれば、AAL多重部7Hは、AAL多重待ちバッファ5iJにあるCPSパケットをAAL多重する(同時に復帰バッファ5iHにコピーされる)。
【0344】
これに対し、先のATMセルが廃棄されていた場合には、AAL多重部7Hは、復帰バッファ5iHにコピーしておいたCPSパケットをもう一回読み出してAAL多重する。ここで、復帰バッファ5iHにあるCPSバケットが少ない場合であって(1つのATMセルに足りないこと)、AAL多重待ちバッファ5iJにCPSパケットが存在する場合には、AAL多重効率を上げるため、当該AAL多重待ちバッファ5iJに存在するCPSパケットを追加したものをAAL多重し、同時に復帰バッファに5iHに追加コピーする(上書きではない)。
【0345】
この動作は、当該ATMセル(AAL2)が何度も廃棄される限り繰返し実行される。ただし、AAL多重部7Hにおいて、予め定めておいた再AAL多重回数を超えると判断された時点で、復帰バッファ5iHにあるCPSパケットは再AAL多重されることなく廃棄される。
【0346】
(N−3)実施形態の効果
このように、本実施形態においても、第12の実施形態と同様、優先度位保証とATMセル損失率保証を実現しつつ、さらに以下の効果を得ることができる。
【0347】
すなわち、本実施形態におけるATMセル多重装置によれば、AAL多重待ちとなっているCPSパケットの状態を判斯した上で、廃棄するかどうかを決定するため、無駄な廃棄動作を無くすことができる。
【0348】
(O)第15の実施形態
(O−1)装置構成
本実施形態に係るATMセル多重装置の機能ブロック構成を図16に示す。この図16には、図13と同一である部分及び対応する部分に、同一符号及び対応符号を付して示してある。これは、本実施形態が、第12の実施形態の構成を基本構成とするためである。
【0349】
なお、本実施形態の場合も、第13の実施形態や第14の実施形態同様、条件付きで廃棄を実行するATMセル多重装置について説明する。
【0350】
ただし、使用する条件の数は、本実施形態の場合、2つである。すなわち、本実施形態では、待ちキューの長さと待ち時間の2つを判定条件に用い、そのいずれか一方の条件が満たされる場合のみ、ATMセルの廃棄を要求する。
【0351】
具体的には、(1)Qosクラスに対応する各AAL多重持ちバッファ5iK(i=1、2…n−1)における待ちキューの長さLが、各バッファごと個別に設定されている危険ライン(待ちキューの長さが当該ラインを超えると、QoSを保証し得なくなる可能性が生じる境界値Li(i=1、2…n−1))を超えるとき、又は、(2)Qosクラスに対応する各AAL多重持ちバッファ5iK(i=1、2…n−1)における待ち時間Tが、各バッファごと個別に設定されている危険ライン(待ち時間が当該ラインを超えると、QoSを保証し得なくなる可能性が生じる境界値Ti(i=1、2…n−1))を超えるとき、QoSを保証できない可能性が高いと判断し、QoSクラス情報が出力されるようにする。
【0352】
なお、この場合も、廃棄を要求したAAL多重持ちバッファ5iKの優先度の方が低ければ、廃棄の必要がない。そこで、本実施形態における廃棄監視部9Kには、1又は複数のAAL多重待ちバッファ5iK(i=1、2…n−1)から廃棄要求であるQosクラスが与えられた場合、これらとATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8に保持されているATMセルのQosクラスとを比較し、いずれが小さいか(すなわち、いずれの優先度が高いか)判定する機能が設けられている。
【0353】
ここで、廃棄監視部9Kは、廃棄要求を出したAAL多重待ちバッファ5iK側のQosクラスが小さい場合(優先度が高い場合)のみ、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8に廃棄を命じる。
【0354】
(O−2)多重動作
続いて、かかる構成を有するATM多重伝送装置の多重動作を説明する。なお、本実施形態は、AALタイプ2のATM多重伝送機能に特徴があるため、当該多重伝送動作を中心に説明する。
【0355】
ATM多重伝送装置は、AALタイプ2のユーザデータ(CPSパケット)を入力すると、これをCPSパケット振分部4に与え、QoSクラスに基づく振り分け処理を実行させる。これにより、CPSパケットは、対応する多重待ちバッファ5iK(=1、2…n−1)及び5nに入力順に書き込まれる。
【0356】
タイミング制御部6が、AAL多重処理タイミングとATMセル(AAL2)送信タイミングとの同期を取る。入力トラヒック量に関わらず、ATMセル(AAL2)の出力タイミングになると、タイミング制御部6は、多重処理開始要求をAAL多重部7Hに通知する。AAL多重部7Hは、通知された処理開始タイミングに従ってCPSパケットの読み出しを行い、読み出したCPSパケットをATMセル(AAL2)に多重搭載する。
【0357】
このとき、ATMセルペイロードを十分に満たすだけのCPSパケットがAAL多重待ちバッファ5i(i=1、2…n)に存在しなくても、AAL多重部7Hは、ATMセル(AAL2)の一部分にCPSパケットを搭載した後、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8に送出する。
【0358】
なお、この際、AAL多重されたCPSパットが、対応する復帰バッファ5iH(i=1、2…n)に上書きコピーされる(従って、既存のCPSパケットはなくなる。)。
【0359】
この後、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8に書き込まれたATMセル(AAL2)は、ATM多重部3に対する要求帯域が供給可能帯域を超えていない限り、当該書き込みに同期したタイミングで読み出されATM多重される。
【0360】
しかし、要求帯域が提供可能帯域を超え、ATM多重部3におけるATMセルの多重処理が優先順位の順に行われる場合、ATMセル(AAL2)のQoSクラスが他のATMセル(AAL1,5)のQoSクラスより高くないと送出されない。
【0361】
ここで、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8に書き込まれたATMセル(AAL2)のQosクラスが他のATMセル(AAL1,5)より高ければ即座に出力されるのであるが、ATMセル(AAL2)のQoSクラスが他のATMセル(AAL1,5)のQoSクラスより低い場合には、ATMセル(AAL2)の読み出されず、待機待ちのままとなる。
【0362】
ところで、かかる処理と並行して、優先度が最下位であるAAL多重待ちバッファ5nを除く、n−1個のAAL多重待ちバッファ5iK(i=1〜n−1)は、現時点における待ちキュー長さL又は待ち時間Tが、各QoSクラスごとに決められている危険ライン(待ちキュー長さLi、待ち時間Ti)を超えるか否かの監視を行っており、待ちキュー長さ又は待ち時間のいずれか一方で危険ラインを超えると判定された場合、QoSクラス情報を廃棄監視部9Iに通知する。
【0363】
なお、言うまでもないが、CPSパケットの待ちキュー長さ及び待ち時間の双方が、共に危険ライン以下になった時点で、QoSクラス情報の出力はされなくなる(廃棄要求は出力されない)。
【0364】
廃棄監視部9Iは、かかるQoSクラス情報の通知により廃棄要求があったことを確認すると、通知のあったQoSクラスと、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファに保持されているATMセルのQoSクラスを比較し、いずれが小さいか判定する。
【0365】
ここで、AAL多重待ちであるCPSパケットのQosクラスの方が小さい(その優先順位が高い)と判定された場合、廃棄監視部9Iは、ATMセル(AAL2)をATMセル(AAL)送信待ちバッファ8から廃棄し、廃棄の発生をAAL多重部7Hに通知する。
【0366】
かかるATMセルの廃棄が通知されると、AAL多重部7Hは、廃棄要求を出したAAL多重待ちバッファ5iJに格納されているCPSパケットを読み出し(廃棄要求が複数あった場合には、最も優先度の高いもののCPSパケットを読み出し)、ATMセルの形式にAAL多重する。
【0367】
この結果、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8に格納されるATMセル(AAL2)の優先順位は、直前の優先順位より高くなる。ATM多重部3は、置き換わった新たなATMセル(AAL2)と他のATMセル(AAL1,5)との優先度判定を行い、判定結果に基づく所定の順序でATM多重を行う。このとき、AALタイプ2のATMセルの優先順位が他のタイプのATMセル(AAL1,5)より高ければ、要求帯域が提供可能帯域を超える場合でも、確実に当該AALタイプ2のATMセルが送信される。
【0368】
ところで、AAL多重部7Hについてであるが、かかる廃棄に伴うAAL多重動作が終了すると、次のAAL多重タイミングが到来するのを待ち受け、各Qosクラスの帯域が満たされるようにAAL多重待ちバッファ5iJの選定を行う。
【0369】
AAL多重待ちバッファ5iKが選定されると、AAL多重部7Hは、当該バッファについて先に読み出したCPSパケットについて廃棄が生じていないか確認する。
【0370】
先のATMセルが正常にATM多重されていれば、AAL多重部7Hは、AAL多重待ちバッファ5iKにあるCPSパケットをAAL多重する(同時に復帰バッファ5iHにコピーされる)。
【0371】
これに対し、先のATMセルが廃棄されていた場合には、AAL多重部7Hは、復帰バッファ5iHにコピーしておいたCPSパケットをもう一回読み出してAAL多重する。ここで、復帰バッファ5iHにあるCPSバケットが少ない場合であって(1つのATMセルに足りないこと)、AAL多重待ちバッファ5iKにCPSパケットが存在する場合には、AAL多重効率を上げるため、当該AAL多重待ちバッファ5iKに存在するCPSパケットを追加したものをAAL多重し、同時に復帰バッファに5iHに追加コピーする(上書きではない)。
【0372】
この動作は、当該ATMセル(AAL2)が何度も廃棄される限り繰返し実行される。ただし、AAL多重部7Hにおいて、予め定めておいた再AAL多重回数を超えると判断された時点で、復帰バッファ5iHにあるCPSパケットは再AAL多重されることなく廃棄される。
【0373】
(O−3)実施形態の効果
このように、本実施形態においても、第12の実施形態と同様、優先度位保証とATMセル損失率保証を実現しつつ、さらに以下の効果を得ることができる。
【0374】
すなわち、本実施形態におけるATMセル多重装置によれば、AAL多重待ちとなっているCPSパケットの状態を判斯した上で、廃棄するかどうかを決定するため、無駄な廃棄動作を無くすことができる。
【0375】
しかも、本実施形態の場合には、2つの判断基準のうちいずれか一方でも条件を満たした場合に廃棄を要求するようにしたことにより、いずれか一方の条件のみに基づいて判断する場合に比して、AALタイプ1又は5のATMセルと、AALタイプ2のATMセルの間で優先度の逆転が発生する可能性を一段と低減できる。
【0376】
(P)第16の実施形態
(P−1)装置構成
本実施形態に係るATMセル多重装置の機能ブロック構成を図17に示す。この図17には、図2と同一である部分及び対応する部分に、同一符号及び対応符号を付して示してある。
【0377】
本実施形態に係るATMセル多重装置と他の実施形態との違いは、ATMセル(AAL2)のQosクラスを、AAL多重するCPSパケットのQosクラスに依存しない(言いかえると、独立の)固定値とする点である。
【0378】
すなわち、他の実施形態では、ATMセル(AAL2)のQosクラスは、AAL多重する前のCPSパケットのQosクラスに応じて変動(優先度承継又は仮優先度承継する場合には、後続のCPSパケットのQosクラスに応じて変動)させていたが、本実施形態では、ATMセル(AAL2)のQosクラスを固定とする(優先度を固定する)点で異なっている。
【0379】
以下、当該構成上の違いを中心に、各部の機能構成を説明する。なお、本実施形態に係るATMセル多重装置は、振り分け部1と、ATMセル(AAL1,5)送信待ちバッファ2i(i=1、2…n)と、ATM多重部3と、CPSパケット振分部4と、AAL多重待ちバッファ5i(i=1、2…n)と、タイミング制御部6と、AAL多重部7と、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8Lとで構成される。
【0380】
このうち、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8Lの部分が、本実施形態に特有の構成部分である。この実施形態の場合、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8Lは、AAL多重部7から入力されるATMセル(AAL2)のQosクラスを、これを構成するCPSパケットのQosクラスにかかわらず、最高の優先度を与えるQosクラス1に設定するものとする。勿論、設定する値はこれに限られるものでないが、サービス品質(Qos)の保証上、Qosクラス1に設定するのが望ましい。
【0381】
(P−2)多重動作
続いて、かかる構成を有するATM多重伝送装置の多重動作を説明する。なお、本実施形態の場合も、AALタイプ2のATM多重伝送機能に特徴があるため、当該多重伝送動作を中心に説明する。
【0382】
ATM多重伝送装置は、AALタイプ2のユーザデータ(CPSパケット)を入力すると、これをCPSパケット振分部4に与え、QoSクラスに基づく振り分け処理を実行させる。これにより、CPSパケットは、対応する多重待ちバッファ5に入力順に書き込まれる。
【0383】
タイミング制御部6が、AAL多重処理タイミングとATMセル(AAL2)送信タイミングとの同期を取る。入力トラヒック量に関わらず、ATMセル(AAL2)の出力タイミングになると、タイミング制御部6は、多重処理開始要求をAAL多重部7に通知する。AAL多重部7は、通知された処理開始タイミングに従い、Qosクラスの高いCPSパケットを優先的に読み出す。この後、AAL多重部7は、読み出したCPSパケットをATMセル(AAL2)に多重搭載し、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8Lに出力する。
【0384】
このとき、ATMセルペイロードを十分に満たすだけのCPSパケットがAAL多重待ちバッファ5に存在しなくても、AAL多重部7は、ATMセル(AAL2)の一部分にCPSパケットを搭載した後、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8Lに送出する。
【0385】
ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ8Lは、ATMセル(AAL2)を読み込むと、そのATMセル(AAL2)のQosクラスを、予め設定されている固定値(ここでは、Qosクラス1)に変更する。
【0386】
この結果、ATM多重部3に対する要求帯域が供給可能帯域を超えていない場合は勿論のこと、要求帯域が提供可能帯域を超えて、ATM多重部3におけるATMセルの多重処理が優先順位の順に行われる場合でも、このAALタイプ2に属するATMセル(AAL2)のQoSクラスが最も優先度が高い状態となり、優先的に伝送路に送信される。すなわち、優先度逆転は生じない。また、ATMセル(AAL2)のQosクラスは、優先度が最高になるように設定されるため、各CPSパケットのサービス品質(Qos)は常に満たされることになる。
【0387】
(P−3)実施形態の効果
以上のように、本実施形態におけるATMセル多重装置によれば、AALタイプ2のATMセルに関するQosクラスを、そのAAL多重前のQoSクラスとは無関係に定めた優先度の最も高い値に固定することにより、当該ATMセル(AAL2)を優先的にATM多重することができる。
【0388】
すなわち、実時間伝送が要求されるアプリケーションやQos要求の高いアプリケーションのATMセルを優先度逆転のおそれなく確実に伝送することができる。例えば、音声アプリケーションのQosクラスは、通常、一般的なQosクラスより優先度が高い。従って、音声データをAALタイプ2のATMセルを用いて伝送することにし、一般的なパケットをAALタイプ5のATMセルを用いて伝送することにすれば、音声データを優先的に伝送させることができる。
【0389】
なお、同じ音声データでも、緊急電話や料金の高い(通話品質の高い)電話の音声データのように優先度の高い(Qosクラスの高い)音声データもあれば、料金の安い電話の音声データのように優先度の低い(Qosクラスの低い)音声データもあり、これら音声データ同士でもその優先度の調整が必要となるが、かかる調整はAAL多重部7で実現可能である。すなわち、本実施形態によれば、各種音声データに求められるQosクラスを満足すると同時に、他の一般的なパケットに優先して当該音声データを伝送できるATMセル多重装置を実現できる。
【0390】
(Q)第17の実施形態
(Q−1)装置構成
本実施形態に係るATMセル多重装置の機能ブロック構成を図18に示す。ここで、図18には、図2と同一である部分及び対応する部分に、同一符号及び対応符号を付して示してある。
【0391】
以下、各部の機能構成を説明する。
【0392】
ATMセル振分部1Bは、AALタイプが1、2、及び5であるATMセルの振分部であり、ATMセルを入力すると、そのQoSクラスに従って対応するATMセル(AAL1、2、5)多重待ちバッファ2Bi(i=1、2…n)への振り分けを行う。なお、QoSクラスはCPSパケットのクラスと同一である。
【0393】
ATMセル(AAL1、2、5)多重待ちバッファ2Bi(i=1、2…n)は、AALタイプ1、2、及び5をQoSクラス毎に蓄積するものであり、QoSクラスの数(図1の場合、n個)だけ設けられる。この多重待ちバッファ2Biは、例えば、複数のATMセルの格納が可能なFIFO形式のバッファにより構成される。
【0394】
CPSパケット振分部4は、AALタイプが2であるCPSパケットの振分部であり、CPSパケットを入力すると、そのQoSクラスに従って対応するAAL多重待ちバッファ5i(i=1、2…n)への振り分けを行う。
【0395】
AAL多重待ちバッファ5i(i=1、2…n)も、QoSクラスの数(図1の場合、n個)に応じて設けられ、例えば、複数のCPSパケットの格納が可能なFIFO形式のバッファにより構成される。
【0396】
AAL多重部7は、各QoSクラスで要求される帯域が保証されるようにCPSパケットの読み出しを行うAAL多重待ちバッファ5iを決定し、読み出したCPSパケットをATMセル形式に多重してATMセル振分部1Bに出力するための手段である。
【0397】
ATM多重部3Bは、ATMセル(AAL1、2、5)多重待ちバッファ2Biから入力されるATMセルを多重して出力する手段である。ここで、ATM多重部3Bは、要求帯域が提供可能な帯域をオーバーしていない場合、 AALタイプ1、2、及び5に属するATMセルのクラスの中で優先度を判断し多重処理を行う。なお、ATM多重部3Bは、要求帯域が提供可能な帯域をオーバーする場合、優先順位に基づいて多重処理を行う。
【0398】
(Q−2)多重動作
続いて、かかる構成を有するATM多重装置の多重動作を説明する。なお、本実施形態は、AALタイプ2のATM多重伝送機能に特徴があるため、当該多重伝送動作を中心に説明する。
【0399】
ATM多重伝送装置は、AALタイプ2のユーザデータ(CPSパケット)を入力すると、これをCPSパケット振分部4に与え、QoSクラスに基づく振り分け処理を実行させる。これにより、CPSパケットは、対応する多重待ちバッファ5iに入力順に書き込まれる。
【0400】
AAL多重部7は、処理開始タイミングに従ってCPSパケットの読み出しを行い、読み出したCPSパケットをATMセル(AAL2)に多重搭載する。処理タイミングの例としては、CPSパケットの到着により多重待ちタイマを始動し、予め定められた多重待ち時間に達した場合、バッファに入力したCPSパケットの蓄積量が47オクテット以上になった場合等がある。このとき、ATMセルペイロードを十分に満たすだけのCPSパケットがAAL多重待ちバッファ5に存在しなくても、AAL多重部7は、ATMセル(AAL2)の一部分にCPSパケットを搭載した後、ATMセル(AAL2)をATMセル振分部1Bに送出する。
【0401】
ATMセル振分部1Bは、ATMセル(AAL1、2、5)が入力されると、そのQoSクラスに従って対応する多重待ちバッファ2Biへの振り分けを行う。
【0402】
ATMセル多重待ちバッファ2Biは、 振り分けられたATMセル(AAL1、2、5)をQoSクラスにしたがって蓄積する。
【0403】
ATM多重部3Bは、ATMセル(AAL1、2、5)多重待ちバッファ2BiからATMセルが入力されると、要求帯域が提供可能な帯域をオーバーしているか否かを判断して多重処理を行う。要求帯域が提供可能な帯域をオーバーしていない場合は、 AALタイプ1、2、及び5に属するATMセルのクラスの中で優先度を判断し多重処理を行い、要求帯域が提供可能な帯域をオーバーする場合は、優先順位に基づいて多重処理を行う。
【0404】
(Q−3)実施形態の効果
以上のように、本実施形態におけるATMセル多重装置によれば、CPSパケットをAAL多重したATMセル(AAL2)専用の送信待ちバッファに蓄積せずにAAL1、AAL2、及びAAL5を共通のATM多重待ちバッファに入力する構成としたので、相対的に優先度の低い(QoSクラスの大きい)ATMセルのために、相対的に優先度の高い(QoSクラスが低い)ATMセルが時間無上限に待たされるおそれを確実に無くすことができる(無上限優先度逆転を発生しないようにできる)。
【0405】
また、AALタイプ1、2、及び5の統合制御が可能となると共に、QoSクラス(優先順位)をも保証できる。
【0406】
(Q−4)他の実施形態
上述の各実施形態においては、 AALタイプを異にするATMセル(AAL1、2、5)の多重動作を統合制御するものに適用する場合について述べたが、AALタイプ2のATMセルのみを多重伝送する装置にも適用し得る。
【0407】
(R)他の実施形態
上述の各実施形態においては、AAL多重部とATM多重部との間に、タイミング制御部を設ける場合について述べたが、タイミング制御部を用いない構成とすることもできる。この場合、ATMセル(AAL2)送信待ちバッファには、複数のATMセルを格納できるFIFOバッファを用いることが好ましい。
【0408】
上述の各実施形態においては、AALタイプを異にするATMセル(AAL1,2,5)の多重動作を統合制御するものに適用する場合について述べたが、AALタイプ2のATMセルのみを多重伝送する装置にも適用し得る。
【0409】
【発明の効果】
第1の発明によれば、無上限優先度逆転が発生しないATMセル多重装置を実現できる。
【0410】
第2の発明によれば、無上限優先度逆転が発生しないだけでなく、セル損失率をも保証できるATMセル多重装置を実現できる。
【0411】
第3の発明によれば、第2の発明よりも簡易な構成で同様の効果が得られるATMセル多重装置を実現できる。
【0412】
第4の発明によれば、第3の発明よりも多重効率に優れるATMセル多重装置を実現できる。
【0413】
第5の発明によれば、第4の発明よりも簡易な構成で同様の効果が得られるATMセル多重装置を実現できる。
【0414】
第6〜第8の発明によれば、第4の発明よりもさらに無駄の少ない多重効率に優れるATMセル多重装置を実現できる。
【0415】
第9〜第11の発明によれば、第5の発明よりもさらに無駄の少ない多重効率に優れるATMセル多重装置を実現できる。
【0416】
第12の発明によれば、無上限優先度逆転が発生しないだけでなく、セル損失率をも保証できるATMセル多重装置を実現できる。
【0417】
第13〜第15の発明によれば、第12の発明よりもさらに無駄の少ない多重効率に優れるATMセル多重装置を実現できる。
【0418】
第16、第17の発明によれば、簡易な構成でありながら、無上限優先度逆転が発生しないATMセル多重装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態装置の機能ブロック構成を示す図である。
【図2】従来装置の機能ブロック構成を示す図である。
【図3】第2の実施形態装置の機能ブロック構成を示す図である。
【図4】第3の実施形態装置の機能ブロック構成を示す図である。
【図5】第4の実施形態装置の機能ブロック構成を示す図である。
【図6】第5の実施形態装置の機能ブロック構成を示す図である。
【図7】第6の実施形態装置の機能ブロック構成を示す図である。
【図8】第7の実施形態装置の機能ブロック構成を示す図である。
【図9】第8の実施形態装置の機能ブロック構成を示す図である。
【図10】第9の実施形態装置の機能ブロック構成を示す図である。
【図11】第10の実施形態装置の機能ブロック構成を示す図である。
【図12】第11の実施形態装置の機能ブロック構成を示す図である。
【図13】第12の実施形態装置の機能ブロック構成を示す図である。
【図14】第13の実施形態装置の機能ブロック構成を示す図である。
【図15】第14の実施形態装置の機能ブロック構成を示す図である。
【図16】第15の実施形態装置の機能ブロック構成を示す図である。
【図17】第16の実施形態装置の機能ブロック構成を示す図である。
【図18】第17の実施形態装置の機能ブロック構成を示す図である。
【符号の説明】
1…ATMセル振分部、2…ATMセル(AAL1,5)送信待ちバッファ、3…ATM多重部、4…CPSパケット振分部、5…AAL多重待ちバッファ、6…タイミング制御部、7…AAL多重部、8…ATMセル(AAL2)送信待ちバッファ、9…廃棄監視部、10…優先度継承部、11…Qosクラス回復部、12…仮優先度継承部。

Claims (14)

  1. サービス品質別に設けられた複数組のAAL多重待ちバッファと、AAL多重待ちバッファから読み出したAALタイプ2のユーザデータからATMセルを生成するAAL多重部と、生成されたATMセルを一時保持する送信待ちバッファと、送信待ちバッファから読み出したATMセルをATM多重するATM多重部とを備えるATMセル多重装置であって、
    上記AAL多重待ちバッファそれぞれに、多重待ちのユーザデータが存在する場合に、対応するサービス品質をATM多重部に直接通知する機能を備えることを特徴とするATMセル多重装置。
  2. サービス品質別に設けられた複数組のAAL多重待ちバッファと、AAL多重待ちバッファから読み出したAALタイプ2のユーザデータからATMセルを生成するAAL多重部と、生成されたATMセルを一時保持する送信待ちバッファと、送信待ちバッファから読み出したATMセルをATM多重するATM多重部とを備えるATMセル多重装置であって、
    多重待ちのユーザデータを有する上記AAL多重待ちバッファから通知されるサービス品質と、送信待ちバッファに保持されているATMセルのサービス品質とを比較し、ユーザデータのサービス品質の方がATMセルのサービス品質より高い場合には、当該ユーザデータのサービス品質をATMセルのサービス品質に継承させる優先度継承部と、
    多重順序が決定され、送信待ちバッファからATM多重部に読み出されるATMセルのサービス品質を、継承前の元のサービス品質に戻すサービス品質回復部とをさらに備えることを特徴とするATMセル多重装置。
  3. サービス品質別に設けられた複数組のAAL多重待ちバッファと、AAL多重待ちバッファから読み出したAALタイプ2のユーザデータからATMセルを生成するAAL多重部と、生成されたATMセルを一時保持する送信待ちバッファと、送信待ちバッファから読み出したATMセルをATM多重するATM多重部とを備えるATMセル多重装置であって、
    多重待ちのユーザデータを有する上記AAL多重待ちバッファから通知されるサービス品質と、送信待ちバッファに保持されているATMセルのサービス品質とを比較し、ユーザデータのサービス品質の方がATMセルのサービス品質より高い場合には、当該ユーザデータのサービス品質をATMセルのサービス品質としてATM多重部に通知する仮優先度継承部をさらに備えることを特徴とするATMセル多重装置。
  4. 請求項2に記載のATMセル多重装置であって、
    上記AAL多重待ちバッファは、保持されているユーザデータの待ちキュー長さが、対応するサービス品質別に設定された危険ラインを超える場合にのみ、サービス品質を上記優先度継承部に通知することを特徴とするATMセル多重装置。
  5. 請求項2に記載のATMセル多重装置であって、
    上記AAL多重待ちバッファは、保持されているユーザデータの待ち時間が、対応するサービス品質別に設定された危険ラインを超える場合にのみ、サービス品質を上記優先度継承部に通知することを特徴とするATMセル多重装置。
  6. 請求項2に記載のATMセル多重装置であって、
    上記AAL多重待ちバッファは、保持されているユーザデータの待ちキュー長さ又は保持されているユーザデータの待ち時間のいずれか一方が、対応するサービス品質別に設定されたおのおの対応する危険ラインを超える場合にのみ、サービス品質を上記優先度継承部に通知することを特徴とするATMセル多重装置。
  7. 請求項3に記載のATMセル多重装置であって、
    上記AAL多重待ちバッファは、保持されているユーザデータの待ちキュー長さが、対応するサービス品質別に設定された危険ラインを超える場合にのみ、サービス品質を上記仮優先度継承部に通知することを特徴とするATMセル多重装置。
  8. 請求項3に記載のATMセル多重装置であって、
    上記AAL多重待ちバッファは、保持されているユーザデータの待ち時間が、対応するサービス品質別に設定された危険ラインを超える場合にのみ、サービス品質を上記仮優先度継承部に通知することを特徴とするATMセル多重装置。
  9. 請求項3に記載のATMセル多重装置であって、
    上記AAL多重待ちバッファは、保持されているユーザデータの待ちキュー長さ又は保持されているユーザデータの待ち時間のいずれか一方が、対応するサービス品質別に設定されたおのおの対応する危険ラインを超える場合にのみ、サービス品質を上記仮優先度継承部に通知することを特徴とするATMセル多重装置。
  10. サービス品質別に設けられた複数組のAAL多重待ちバッファと、各AAL多重待ちバッファと対をなす複数組の復帰バッファと、AAL多重待ちバッファから読み出したAALタイプ2のユーザデータからATMセルを生成するAAL多重部と、生成されたATMセルを一時保持する送信待ちバッファと、送信待ちバッファから読み出したATMセルをATM多重するATM多重部とを備えるATMセル多重装置であって、
    上記送信待ちバッファに、送信待ち時間がタイムオーバー時間を超えるとき、該当するATMセルを廃棄する機能とを備え、
    上記AAL多重部に、廃棄直後に生成するATMセルとして、廃棄されたATMセルより高いサービス品質が要求されるユーザデータを優先する機能と、廃棄されたATMセルと同じサービス品質のユーザデータから次のATMセルを生成する場合、当該サービス品質と対応する復帰バッファから廃棄されたATMセルと同じユーザデータを読み出し再度同じATMセルを生成する機能とを備えることを特徴とするATMセル多重装置。
  11. サービス品質別に設けられた複数組のAAL多重待ちバッファと、各AAL多重待ちバッファと対をなす複数組の復帰バッファと、AAL多重待ちバッファから読み出したAALタイプ2のユーザデータからATMセルを生成するAAL多重部と、生成されたATMセルを一時保持する送信待ちバッファと、送信待ちバッファから読み出したATMセルをATM多重するATM多重部とを備えるATMセル多重装置であって、
    上記送信待ちバッファに、ATMセルの廃棄を要求するAAL多重待ちバッファのサービス品質が、現に保持しているATMセルのサービス品質より高い場合、保持しているATMセルを廃棄する機能を備え、
    上記AAL多重待ちバッファに、保持されているユーザデータの待ちキュー長さが、対応するサービス品質別に設定された危険ラインを超える場合にのみ、上記送信待ちバッファにATMセルの廃棄を要求する機能を備え、
    上記AAL多重部に、廃棄直後に生成するATMセルとして、廃棄されたATMセルより高いサービス品質が要求されるユーザデータを優先する機能と、廃棄されたATMセルと同じサービス品質のユーザデータから次のATMセルを生成する場合、当該サービス品質と対応する復帰バッファから廃棄されたATMセルと同じユーザデータを読み出し再度同じATMセルを生成する機能とを備えることを特徴とするATMセル多重装置。
  12. サービス品質別に設けられた複数組のAAL多重待ちバッファと、各AAL多重待ちバッファと対をなす複数組の復帰バッファと、AAL多重待ちバッファから読み出したAALタイプ2のユーザデータからATMセルを生成するAAL多重部と、生成されたATMセルを一時保持する送信待ちバッファと、送信待ちバッファから読み出したATMセルをATM多重するATM多重部とを備えるATMセル多重装置であって、
    上記送信待ちバッファに、ATMセルの廃棄を要求するAAL多重待ちバッファのサービス品質が、現に保持しているATMセルのサービス品質より高い場合、保持しているATMセルを廃棄する機能を備え、
    上記AAL多重待ちバッファに、保持されているユーザデータの待ち時間が、対応するサービス品質別に設定された危険ラインを超える場合にのみ、上記送信待ちバッファにATMセルの廃棄を要求する機能を備え、
    上記AAL多重部に、廃棄直後に生成するATMセルとして、廃棄されたATMセルより高いサービス品質が要求されるユーザデータを優先する機能と、廃棄されたATMセルと同じサービス品質のユーザデータから次のATMセルを生成する場合、当該サービス品質と対応する復帰バッファから廃棄されたATMセルと同じユーザデータを読み出し再度同じATMセルを生成する機能とを備えることを特徴とするATMセル多重装置。
  13. サービス品質別に設けられた複数組のAAL多重待ちバッファと、各AAL多重待ちバッファと対をなす複数組の復帰バッファと、AAL多重待ちバッファから読み出したAALタイプ2のユーザデータからATMセルを生成するAAL多重部と、生成されたATMセルを一時保持する送信待ちバッファと、送信待ちバッファから読み出したATMセルをATM多重するATM多重部とを備えるATMセル多重装置であって、
    上記送信待ちバッファに、ATMセルの廃棄を要求するAAL多重待ちバッファのサービス品質が、現に保持しているATMセルのサービス品質より高い場合、保持しているATMセルを廃棄する機能を備え、
    上記AAL多重待ちバッファに、保持されているユーザデータの待ちキュー長さ又は保持されているユーザデータの待ち時間のいずれか一方が、対応するサービス品質別に設定されたおのおのに対応する危険ラインを超える場合にのみ、上記送信待ちバッファにATMセルの廃棄を要求する機能を備え、上記AAL多重部に、廃棄直後に生成するATMセルとして、廃棄されたATMセルより高いサービス品質が要求されるユーザデータを優先する機能と、廃棄されたATMセルと同じサービス品質のユーザデータから次のATMセルを生成する場合、当該サービス品質と対応する復帰バッファから廃棄されたATMセルと同じユーザデータを読み出し再度同じATMセルを生成する機能とを備えることを特徴とするATMセル多重装置。
  14. AALタイプ2のユーザデータからATMセルを生成するAAL多重部と、生成されたATMセルを一時保持する送信待ちバッファと、送信待ちバッファから読み出したATMセルをATM多重するATM多重部とを備えるATMセル多重装置であって、
    上記送信待ちバッファに、保持されているATMセルに要求されるサービス品質を、多重前のユーザデータに付されていたサービス品質とは無関係に定めた固定値に固定する機能を備えることを特徴とするATMセル多重装置。
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