JP3600828B2 - パルスレーダ装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、送信した電波が物体から反射する反射波を受信することにより物体の有無を検出し、検出された物体までの距離を計測するパルスレーダ装置に関し、特に、容易に装置の異常を操作者に報知することが可能なパルスレーダ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両に搭載され、周辺の対象物体を探査するものとしてパルスレーダ装置があり、例えば、特許文献1に開示されたレーダ装置もその一つである。この公報に開示された技術は、送信手段からパルス状の信号を周期的に出力し、対象物体からの反射信号を受信手段により連続的に受信して受信信号を二値化手段により二値化し、この二値化信号を、サンプリング手段が送信手段による送信タイミング後の一定の一つ、または、複数のサンプリング点毎にサンプリングし、0、または、1のサンプリング値を得てこれをサンプリング点各々に対応する一つ、または、複数の積算手段に与え、この積算手段が所定の送信回数分のサンプリング値を積算し、所定回数分の積算処理が終了すると、判定手段が積算手段毎の積算値を積算回数で除算して得られる正規化積算値を所定の閾値と比較し、その大小により物体からの反射信号が存在するか否かを判定して対象物体があるかどうかを判定するものである。
【0003】
また、特許文献2に開示された技術には、送信波と受信波とのビート周波数を周波数分析し、所定の閾値以上のスペクトルを検出することにより前方障害物を検知するものにおいて、ノイズによる影響を避けるために受信波をデジタル化するA/D変換手段と周波数分析手段とを備え、A/D変換手段の出力がA/D変換手段で変換可能な最大値あるいは最小値を含む場合には異常と判定して距離や相対速度の計測を中断する技術が開示されており、さらに、特許文献3には、送受信手段に泥などが付着して受信信号が減衰した場合に、故障レベル値の範囲にある受信信号の個数をカウントし、カウント数に基づき故障状態を判定する技術が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−72237号公報(第9〜14頁、第1図、第2図)
【特許文献2】
特許第3142463号公報(第3〜4頁、第1図)
【特許文献3】
特開平11−166973号公報(第6〜8頁、第2図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような従来例において、特許文献1の技術では、送信・受信のアイソレーションが悪く、いわゆる漏れ波形が存在する場合、あるいは、レドームがある場合、上記の装置は送信パルス幅が距離にして10mに相当する66.7nsであるため、10mより近い距離に物体が存在すると、漏れ波形あるいはレドームによる反射波と物体による反射波の波形が重なり合い、非送信中の受信レベル、いわゆるノイズレベルを基に閾値を設定したのでは、漏れ波形の立ち上がりしか検出できないことになって実際に検出すべき対象物体からの反射波の立ち上がりは検出できないことになる。
【0006】
また、一般的にパルスレーダ装置においては、レドームの外側にカバーなどがあり、レドームやカバーに汚れや水膜などが付着した場合、または、取り付け状態の経年変化や取り付け装置が故障した場合、漏れ信号が大きくなったり、漏れ信号の形状が変化して、物体の検出能力や距離計測能力が著しく低下するものである。例えば、レドームなどの汚損が激しくなった場合には漏れ信号のレベルが全体的に大きくなり、これが所定の値を越えた場合、受信系回路が飽和してしまうために反射信号の有無にかかわらず常時受信信号が比較手段の閾値を超えてしまい、常に対象物体を検知している状態になってしまう。
【0007】
上記の特許文献2および特許文献3に開示された技術は、このような現象に対処し、受信波のレベルにより異常を判定するものであるが、基本的には受信信号のレベルを直接計測し、そのレベルに関するデータをデジタル処理するものであるから、そのために高速動作が可能なA/D変換用のハードウエアを必要とするものであり、装置の複雑化はまぬがれないものである。
【0008】
この発明は、このような課題に対処するためになされたもので、上記の従来例のようなハードウエアを必要とせず、容易に異常を判定して物体検知や距離計測が異常であることを報知することが可能なパルスレーダ装置を得ることを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明に係わるパルスレーダ装置は、パルス状電波を送信する送信手段と、送信手段からの電波が対象物体となる周辺の障害物や自身の構成物から反射した反射波を受信すると共に、受信した反射波のレベルに応じた受信信号を出力する受信手段と、予め設定された所定のレベルとの比較により受信信号を二値化する比較手段と、電波の送信と受信信号の処理とのタイミング制御を行うタイミング制御手段と、タイミング制御手段の信号により送信からの所定時間間隔で比較手段の出力をサンプリングすると共に、サンプリング結果をサンプリングタイミング毎に所定回数積算する積算手段と、積算手段により積算された受信信号のレベル変化により周辺の障害物からの反射信号の立ち上がりを検出する反射信号立ち上がり検出手段と、反射信号立ち上がり検出手段の出力により周辺の障害物の有無を検出すると共に距離を算出する測距・検出手段と、積算手段が出力する積算結果のうち、特定のサンプリングタイミングにおける積算値のレベルから装置の異常を判定する異常判定手段を備えるようにしたものである。
【0010】
また、パルス状の電波を送信する送信手段と、送信手段からの電波が周辺の障害物や自身の構成物から反射した反射波を受信すると共に、受信した反射波のレベルに応じた受信信号を出力する受信手段と、予め設定された所定のレベルとの比較により受信信号を二値化する比較手段と、電波の送信と受信信号の処理とのタイミング制御を行うタイミング制御手段と、タイミング制御手段の信号により送信からの所定時間間隔で比較手段の出力をサンプリングすると共に、サンプリング結果をサンプリングタイミング毎に所定回数積算する積算手段と、この積算された受信信号のレベル変化により周辺の障害物からの反射信号の立ち上がりを検出する反射信号立ち上がり検出手段と、反射信号立ち上がり検出手段の出力により周辺の障害物の有無を検出すると共に距離を算出する測距・検出手段と、積算手段の積算結果を基に積算結果が所定の範囲内に収まるように信号の基準となるレベルを算出する信号レベル算出制御手段と、信号レベル算出制御手段の算出結果に基づき信号レベルを調節する信号レベル調節手段と、信号レベル算出制御手段の算出する信号レベルの値から装置の異常を判定する異常判定手段とを備えるようにしたものである。
【0011】
さらに、パルス状の電波を送信する送信手段と、送信手段からの電波が周辺の障害物や自身の構成物から反射した反射波を受信すると共に受信した反射波のレベルに応じた受信信号を出力する受信手段と、予め設定された所定のレベルとの比較により受信信号を二値化する比較手段と、電波の送信と受信信号の処理とのタイミング制御を行うタイミング制御手段と、タイミング制御手段の信号により送信からの所定時間間隔で比較手段の出力をサンプリングすると共にサンプリング結果をサンプリングタイミング毎に所定回数積算する積算手段と、この積算された受信信号のレベル変化により周辺の障害物からの反射信号の立ち上がりを検出する反射信号立ち上がり検出手段と、反射信号立ち上がり検出手段の出力により周辺障害物の有無を検出すると共に距離を算出する測距・検出手段と、積算手段の積算結果を基に積算結果が所定の範囲内に収まるように比較手段に対する閾値を算出する閾値設定手段と、閾値設定手段の出力する閾値のレベルにより装置の異常を判定する異常判定手段とを備えるようにしたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1ないし図16は、この発明の実施の形態1によるパルスレーダ装置の構成と動作とを説明するもので、図1は、全体構成を示すブロック図、図2は、RFモジュールの構成を説明する機能構成図、図3ないし図5は、検出方法を説明する説明図、図6は、FPGAの構成と動作とを説明する説明図、図7および図9〜図16は、CPUの動作を説明するフローチャート、図8は第一の積算手段と差分演算手段と第二の積算手段との動作内容を説明する説明図である。
【0013】
この発明の実施の形態1によるパルスレーダ装置は、図1の点線枠に示すように四つの部分から構成される。第一の部分は所定幅(例えば96ns)のパルス状の電磁波(中心周波数24.125GHz)を一定の周期(例えば1024ns)で送信する送信手段2と、その電磁波が周辺の対象物体から反射してきた反射波を受信する受信手段3とから構成されるRFモジュール1であり、第二の部分は受信手段3の出力を二値化する比較手段(コンパレータ回路)4であり、第三の部分はタイミング制御手段6と第一の積算手段7とからなるFPGA5であり、第四の部分は差分演算手段9と、第二の積算手段10と、反射信号立ち上がり検出手段11と、距離算出手段12と、検出判定手段13と、異常判定手段14との機能を保有するCPU8である。
【0014】
また、機能的には図1に一点鎖線にて囲んだように、第一の積算手段7と差分演算手段9と第二の積算手段10とで積算手段15を構成し、距離算出手段12と検出判定手段13とで測距・検出手段16を構成するように書き換えることができる。
【0015】
図2はRFモジュール1の機能構成を示すもので、RxLO17からの周波数10.8375GHzの信号は、Mixer18にてTxLO19からの1.225GHzの信号とミキシングされ、Modulator20により送信信号に基づいたパルス状の信号となる。この信号はDoubler21により二逓倍されて24.125GHzの信号となり、さらにFilter22を経由して送信アンテナTxから電波として外部に放射される。外部の対象物体から反射された電波は、受信アンテナRxにて受信され、RxRFAmp23により増幅された後、Mixer24により、RxLO17からの信号とミキシングされて中間周波数となり、RxIFAmp25、Filter26、RxIFAmp27を経由してDetector28にて包絡線検波され、受信信号となる。
【0016】
この受信の状態を図3〜図5により説明すると、まず、図3の(a)に示すように送信信号は送信アンテナTxから放射され、対象物体からの反射波は受信アンテナRxにより受信されるが、送受信の両アンテナの前方にレドーム29などがある場合には、レドーム29からの反射波が漏れ信号として受信される。図3の(b)は送信アンテナTxからの送信波、図の(c)はレドーム29からの漏れ信号であり、レドーム29は各アンテナの直前に存在するため漏れ信号が最も早く受信される。図の(d)は対象物体が比較的遠距離にある場合の対象物体からの反射波、次の(e)は対象物体が近距離にある場合の対象物体からの反射波であり、対象物体が遠距離にある場合は図の(f)に合成波として示すように漏れ信号と反射波とは分離して受信されるが、近距離の場合には図の(g)に示すように漏れ信号と反射波とが重畳されて受信される。
【0017】
このように、漏れ信号と反射波とが重畳して受信される場合、両波による干渉が発生するが、漏れ信号と反射波との位相差により、干渉部の合成信号レベルが変化し、図の(g)は最も強め合う場合(位相が一致)と最も弱め合う場合(位相が180°ずれ)との干渉の状態を示したものである。図4は自車両の走行により自車両と対象物体との距離が変化した場合の漏れ信号と反射波との干渉の変化を示したもので、距離により干渉の状態が変わるが、干渉部における信号レベルは対象物体からの反射波を受信した時点(自車両と対象物体との距離)で変化する。そして、対象物体の検出と距離測定とはこの変化の立ち上がり(立ち下がり)を検出することにより行われる。
【0018】
図5は受信時期による受信信号のレベル変化を説明するもので、図の(a)と(e)とに示した番号は後述するタイミング制御手段6によるサンプリングタイミングである。周辺物体とレーダ(自車両)との相対的な距離が変化している場合、漏れ信号成分と対象物体からの反射信号成分とが重畳する部分に相当するサンプリングタイミングでは、信号の大きさが変化し、漏れ信号成分のみの部分に相当するサンプリングタイミングでは、信号の大きさはほぼ一定である。そのため、各サンプリングタイミングでの時間的な信号の大きさは図(b)〜(d)のようになる。
【0019】
すなわち、パルス状の信号を送信後、レドーム29などからの反射波(漏れ信号成分)を受信するまでは図(a)の(1)に示すサンプリングタイミングであり、図の(b)に示すように送信回数に対して受信信号は変化せず、ノイズの影響を除けば信号レベルは0である。受信波が漏れ信号成分のみのとき(対象物体からの反射信号が未到着)は図(a)の(2)または(3)に示すサンプリングタイミングであり、図の(c)に示したように、ほぼ一定強度の漏れ波信号成分を受信することになる。時間が経過して対象物体からの反射信号成分が漏れ信号成分に重畳されるようになる図(a)の(4)〜(6)に示すサンプリングタイミングになると図(d)のように、対象物体に対する距離の変化と共に反射信号成分と漏れ信号成分との位相が変わり、送信回数(受信回数)と共に受信信号のレベルが変化する。ここで、各サンプリングタイミングでの時間的な変化の絶対値を積算していけば、図の(e)のようになり、この積算値をあらかじめ設定された閾値と比較することにより対象物体が検出されることになる。
【0020】
次に図6(a)のタイミング制御手段6と第一の積算手段7とからなるFPGA5の機能ブロック図と、図6(b)のタイミングチャートについて説明する。FPGA5は、タイミング制御手段6と、シフトレジスタ30と、シフトレジスタ30の各ビットに対応した各加算器31と、各加算器31に対応した各積算用レジスタ32とから構成されている。従って、シフトレジスタ30と各加算器31と各積算用レジスタ32とから第一の積算手段7が構成されることになる。
【0021】
タイミング制御手段6は、FPGA5の外部に接続された発振器からのクロック信号(例えば周波数125MHz、周期8ns)に基づき、送信手段2が電磁波放射をON/OFFするための送信信号(例えば、幅96ns、周期1024ns)と、シフトレジスタ30に対してビットシフトタイミングを伝えるシフト信号と、各加算器31に対して加算タイミングを伝える加算信号と、各積算用レジスタ32に対して各加算器31の出力を保持するタイミングを伝える積算信号と、積算処理終了をCPU8に伝える積算処理終了信号とを生成する。
【0022】
シフトレジスタ30は、タイミング制御回路6のシフト信号に基づき1ビットずつシフトしながら、比較手段4の出力する二値化データを記憶していく。加算器31は、タイミング制御回路6からの加算信号に従って各ビットの二値化データ(0または1)と積算用レジスタ32の保持内容とを加算する。積算用レジスタ32は、加算器31からの出力を積算データとして保持し、CPU8からの要求があるときには、保持されたデータを出力する。
【0023】
FPGA5の動作は図6(b)に示すように、まず、タイミング制御回路6が外部クロック信号に基づく送信信号を立ち上げ、10クロック後に立ち下げる。送信信号の立ち上げと同時にクロック信号に同期したシフト信号をシフトレジスタ30のビット数だけ出力する。このシフト信号に基づき、シフトレジスタ30は比較手段4の出力する二値化データを各ビットに保持する。続いてタイミング制御回路6が加算/積算信号を出力し、この信号により加算器31が加算し、積算用レジスタ32が積算データの保持を行う。そしてこの動作を所定回数(例えば、1000回)繰り返した後、CPU8に対して積算処理終了の信号を出力する。この積算処理終了信号を受信してCPU8は各積算用レジスタ32の内容を読み出す。
【0024】
続いて、差分演算手段9と、第二の積算手段10と、反射信号立ち上がり検出手段11と、測距・検出手段16を構成する距離算出手段12と検出判定手段13と、異常判定手段15との機能を有するCPU8の処理動作を図7のフローチャートに基づき説明する。
【0025】
まず、ステップ701ではCPU8内部の初期化を行い、続くステップ702にてデータの初期化を行った後、ステップ703でFPGA5からの積算処理終了信号を待つ。FPGA5からの積算処理終了信号を受信するとステップ704に進み、各サンプリングタイミングでの積算結果をFPGA[i][j]という二次元配列に格納していく。ここで、i(=0〜N;Nはシフトレジスタのビット数)はサンプリングタイミングを、j(=0〜59;第2の積算手段11での積算回数を60回とした場合)は格納回数の順番を示すものである。
【0026】
続くステップ705では、FPGA5からの積算処理終了信号の受信回数が所定回数(ここでは60回)に達したかどうかを判定する。ここで、FPGA5からの積算処理終了信号の受信回数が所定回数(ここでは60回)に達したと判定されると、以下に述べるステップ706から711までの処理が実行され、その後、ステップ712にて処理周期である例えば50msが経過したかどうかを確認し、もし経過しておれば、ステップ702に戻って同じ動作を繰り返す。
【0027】
続いて、ステップ706の差分演算処理、ステップ707の差分積算処理およびステップ708の反射信号立ち上がり検出処理について説明する。まず、ステップ706の差分演算処理では図8に示すように、第一の積算手段7が各サンプリングタイミングにおける受信信号を例えば1000回積算し、これを例えば60回繰り返す。差分演算手段9は第一回目の積算値と第二回目の積算値との差、第二回目の積算値と第三回目の積算値との差と、差を求める演算を第60回の積算値まで実行して差分を求め、第二の積算手段10はこの演算された各差分を積算する。これを実現するために、まず、ステップ706の差分演算処理においては、図9のフローチャートに示すような処理を行い、各サンプリングタイミングの送信タイミング間における積算値の差分の絶対値を算出する。
【0028】
図9のステップ901においてはサンプリングタイミング番号を示すiと格納回数(プリサム番号)を示すjとを初期化し、ステップ902においてはサンプリングタイミング番号iとプリサム番号jとにおける積算値FPGA[i][j]と、サンプリングタイミング番号iとプリサム番号j−1(一回前の格納番号)とにおける積算値FPGA[i][j−1]との差を算出し、その絶対値を差分値Diff[i][j−1]として記憶する。続くステップ903では次のプリサム番号での差分値を算出するためにjをインクリメントする。
【0029】
ステップ904ではプリサム番号jとプリサム数Nとを比較し、j≧Nになるまではステップ902からのルーチンを繰り返すと共に、j≧Nになれば特定のサンプリングタイミング番号における差分算出処理が完了したとしてステップ905に進み、サンプリングタイミング番号iをインクリメントする。続くステップ906ではこのサンプリングタイミング番号iをレンジピン数Mと比較し、iがM以上になれば差分算出処理が終了したとしてルーチンを終了し、iがM未満であればステップ907にてプリサム番号jを初期化して(j=1にして)ステップ902に戻り、処理を繰り返す。
【0030】
図7に戻り、次のステップ707の差分積算処理では、図10のフローチャートに示すように処理を行い、各サンプリングタイミングにおける送信タイミング毎の差分絶対値の積算を行う。すなわち、図10のステップ1001にてサンプリングタイミング番号iとプリサム番号jとを初期化し、ステップ1002において注目レンジピンの差分積算値を格納する配列DiffSum[i]を初期化する。続くステップ1003では注目サンプリングタイミング番号iにおける注目プリサム番号jの差分値であるDiff[i][j]をDiffSum[i]に加算する。
【0031】
続くステップ1004では加算するプリサム番号jをインクリメントし、ステップ1005ではこのプリサム番号jとプリサム数Nとを比較し、j≧Nであれば特定のサンプリングタイミング番号における差分積算処理が完了したとしてステップ1006に進み、サンプリングタイミング番号iをインクリメントする。ステップ1007ではこのサンプリングタイミング番号iをレンジピン数Mとを比較し、iがM以上であれば差分算出処理が終了したとしてルーチンを終了し、iがM未満であればステップ1008にてプリサム番号jを初期化してステップ1002に戻る。
【0032】
図7に戻って、次のステップ708の反射信号立ち上がり検出処理では、図11のフローチャートに示すように、送信タイミングに近い方から(距離が近い方から)順に各サンプリングタイミングにおける差分絶対値の積算値と所定置DIFFSUMTHとを比較し、DIFFSUMTHをはじめて超えるサンプリングタイミング番号RiseNoを求める。すなわち、図11のステップ1101では立ち上がりのサンプリングタイミング番号を格納するRiseNoを0xFF(十進法で255)に設定する。
【0033】
ステップ1102ではサンプリングタイミング番号を参照するためのiを初期化し、ステップ1103では注目するサンプリングタイミング番号iでの差分積算値DiffSum[i]が閾値DIFFSUMTHを超えているかどうかを判定し、越えておればステップ1105にてRiseNoとしてiを記憶し処理を終える。閾値を越えていなければステップ1104に進み、サンプリングタイミング番号iをインクリメントしてステップ1106に進み、このサンプリングタイミング番号iとレンジピン数Mとを比較してiがM以上であれば差分積算処理を終了したとしてルーチンを終了し、iがM以下であればステップ1103に戻って同様の処理を継続する。
【0034】
図7に戻り、次のステップ709の距離算出処理では、図12のフローチャートに示すような処理を行い、距離を算出する。すなわち、ステップ1201ではステップ708(すなわち図11のフローチャート)にて演算したDIFFSUMTHをはじめて超えるサンプリングタイミング番号RiseNoが0か否かを判定する。RiseNoが0の場合は、DIFFSUMTHを超えなかったことになるので、ステップ1204にて検出距離DetDistを最大距離DETDIST_MAXとする。一方、RiseNoが0より大きかった場合は、ステップ1202にてRiseNoが0より大きくなったタイミングの前後における二つの距離Dist1、Dist2を算出する。そして、ステップ1203にて、差分絶対値の積算値からDist1とDist2の線形補間を行い、DetDistとする。
【0035】
図7に戻り、ステップ710の検出判定処理では、図13のフローチャートに示すようなカウンタ処理を行い、ある程度安定して検出距離が算出された場合のみ検出フラグを設定して、何らかのノイズによる誤検出を防止する。すなわち、図13において、ステップ1301では前回のルーチンで距離検出がなされていたかどうかを判定する。ここで、DetFlagが1であれば前回既に検出されているのでステップ1302に進み、今回の検出距離DetDistと前回の検出距離DetDistOldとの差の絶対値を算出し、差の絶対値が閾値DIFF_DETDIST_TH以下の場合には前回と同一対象物体を検出しているとしてステップ1306に進む。そして、ステップ1406ではカウンタの値を0にしてステップ1312に進み、今回の検出距離DetDistをDetDistOldに格納して次回のルーチンに備える。
【0036】
ステップ1302において今回の検出距離DetDistと前回の検出距離DetDistOldとの差の絶対値が閾値DIFF_DETDIST_THより大きい場合、前回とは異なる対象物体を検出していると判定してステップ1303に進み、カウンタをインクリメントする。続くステップ1304ではカウンタの値CNTが閾値CNT_THを超えているかどうかを判定し、越えておればステップ1305に進んで所定時間以上にわたって異なる対象物体を検出したとしてDetFlagをクリアすると共にカウンタをクリアしてステップ1312に進み、今回の検出距離DetDistをDetDistOldとして格納し、ステップ1304でCNTが閾値CNT_THを超えていなければそのままステップ1312に進み、今回の検出距離DetDistをDetDistOldとして格納する。
【0037】
ステップ1301にてDetFlagが1でなければステップ1307に進んで今回の検出距離DetDistと前回の検出距離DetDistOldとの差の絶対値を算出し、差の絶対値が閾値DIFF_DETDIST_THを越える場合には前回と同一対象物体を検出していないとしてステップ1311に進み、カウンタの値を0にしてステップ1312に進む。ステップ1312では今回の検出距離DetDistをDetDistOldとして格納する。
【0038】
ステップ1307で今回の検出距離DetDistと前回の検出距離DetDistOldとの差の絶対値が閾値DIFF_DETDIST_TH以下の場合はステップ1308に進み、カウンタをインクリメントする。続くステップ1309ではカウンタの値CNTが閾値CNT_THを超えているか否かを判定し、越えておれば所定時間以上にわたって同じ対象物体を検出していたとしてステップ1310に進み、DetFlagを1にセットすると共にカウンタをクリアしてステップ1312に進む。そしてここでは今回の検出距離DetDistをDetDistOldとして格納し、ステップ1309でカウンタの値CNTが閾値を超えていなければそのままステップ1312に進む。
【0039】
図7におけるステップ711の異常判定処理では、特定のサンプリングタイミングにおける積算値をあらかじめ設定した閾値と比較し、その閾値より特定のサンプリングタイミングにおける積算値が大きい場合には、レドームあるいは2次的なカバーの表面に汚れなどが付着したとして異常と判定する。具体的な処理の内容については、図14のフローチャートに示す通りである。この処理では、まずステップ1401において異常判定のために注目するサンプリングタイミング番号i0をサンプリングタイミング番号iに格納する。続くステップ1402ではこれから算出する積算値Sumの値を初期化し、ステップ1403では積算するプリサム番号を初期化する。
【0040】
続くステップ1404ではサンプリングタイミング番号iおよびプリサム番号jで示されるプリサム値FPGA[i][j]を積算値Sumに加算し、ステップ1405ではプリサム番号をインクリメントして次のプリサム番号を設定する。ステップ1406では設定したプリサム番号とプリサム値Nとを比較し、プリサム番号jがプリサム値Nより小さい場合にはステップ1404に戻って加算を継続し、プリサム番号jがプリサム値N以上になった場合にはステップ1407に進んで積算値Sumと閾値SUMMINとを比較する。
【0041】
ここで積算値Sumが閾値SUMMINより小さければ異常ありと判定し、ステップ1410に進んで異常ありのフラグをセットする。ステップ1407において積算値Sumが閾値SUMMIN以上であれば1408に進み、積算値Sumと閾値SUMMAXとを比較する。そして、積算値SumがSUMMAXより大きければ異常と判定してステップ1410にて異常ありのフラグをセットし、積算値SumがSUMMAX以下であれば次のステップ1409にて異常なしと判定し、異常ありのフラグをクリアする。ここで、i0は、基本的に対象物体が近づき得ないような至近距離に相当するサンプリングタイミングである。
【0042】
以上のように構成され、動作する実施の形態1によるパルスレーダ装置では、図7のステップ711の異常判定処理により、至近距離からの反射波における積算値の大きさから、レドームあるいは2次的なカバー表面に汚れなどが付着した場合、異常ありのメッセージを外部装置に伝達するので、実際に汚れなどが付着して検出性能が劣化しても、ユーザはその検出性能の劣化を把握することができることになる。
【0043】
以上の説明においては異常判定処理にて特定のサンプリングタイミングに注目したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図15のフローチャートに示すような異常判定処理でも当初の目的を達成することができる。この処理は複数のサンプリングタイミングにおける積算値の平均値が所定の範囲内に収まっているかどうかで異常の判定を行うもので、図15に基づき説明すると、図のステップ1501では異常判定のために注目する複数のサンプリングタイミング番号の内、最小値のi0をサンプリングタイミング番号iに格納し、続くステップ1502ではこれから算出する各サンプリングタイミングでの積算値Sum[i]をクリアして初期化し、ステップ1503ではプリサム番号jをクリアして初期化する。
【0044】
ステップ1504ではサンプリングタイミング番号iとプリサム番号jとで表されるプリサム値FPGA[i][j]を注目している積算値Sum[i]に加算し、続くステップ1505ではプリサム番号をインクリメントし、次に加算するプリサム番号を設定する。続くステップ1506ではプリサム番号jとプリサム値Nとを比較し、プリサム値Nの方が大きい場合にはステップ1504に戻って次の加算処理を行い、プリサム番号jの方が大きい場合には注目しているサンプリングタイミングにおける積算が終了したと判断して次のステップ1507に進む。ステップ1507ではサンプリングタイミング番号iをインクリメントして次の積算値Sum[i]を算出するためのサンプリングタイミング番号を設定する。
【0045】
続くステップ1508ではサンプリングタイミング番号iと注目するサンプリングタイミング番号i1とを比較し、iがi1より小さければステップ1502に戻り、iがi1よりより大きければ次のステップ1509に進んで注目する複数のサンプリングタイミングにおける積算値の平均値を算出する。続くステップ1510では1509で算出した積算値の平均値SumMeanと所定範囲の最小値SUMMEANMINとを比較し、SumMean<SUMMEANMINであればステップ1512に進んで異常ありと判定する。
【0046】
そうでなければステップ1511に進んでSumMeanを所定範囲の最大値SUMMEANMAXとを比較し、SumMean>SUMMEANMAXであればステップ1512に進んで異常ありと判定し、そうでなければステップ1513に進んで異常なしと判定する。この場合、複数のサンプリングタイミングにおける積算値の平均値を用いているので、平均化処理により上記の図14による判定と比較してより安定して異常判定の実施が可能となるものである。
【0047】
また、図16のフローチャートに示すような異常判定処理でも当初の目的を達成することができる。この方法は複数のサンプリングタイムのそれぞれに対して正常時に収録した積算値の記憶値と実際の各サンプリングタイムでの積算値とを比較して異常判定を行うもので、サンプリングタイム毎の積算値と記憶値との差の絶対値の和が所定値より大きいかどうかで異常か正常かの判定を行うものである。すなわち、ステップ1601では異常判定のために注目すべき複数のサンプリングタイミング番号の内、最小値i0をサンプリングタイミング番号iに格納し、サンプリングタイミング毎の積算値と記憶値との差の絶対値の和を格納するためにSumDiffを初期化する。
【0048】
次のステップ1602ではこれから算出する各サンプリングタイミングでの積算値Sum[i]をクリアして初期化し、ステップ1603ではプリサム番号jをクリアして初期化する。続くステップ1604ではサンプリングタイミング番号iとプリサム番号jにて表されるプリサム値FPGA[i][j]を注目している積算値Sum[i]に加算し、ステップ1605においてプリサム番号をインクリメントして次に加算するプリサム番号を設定する。ステップ1606ではプリサム番号jとプリサム数Nとを比較し、プリサム値Nの方がプリサム番号jより大きい場合にはステップ1604に戻って次の加算処理を行う。
【0049】
ステップ1606にてプリサム番号jの方がプリサム値Nより大きい場合には注目しているサンプリングタイミングにおける積算が終了したと判断して次のステップ1607に進み、サンプリングタイミング番号iをインクリメントして次に積算値Sum[i]を算出するサンプリングタイミング番号を設定する。続くステップ1608では積算値Sum[i]とそのサンプリングタイミングにおける記憶値SumRef[i]との差の絶対値をSumDiffとして算出し、続くステップ1609ではサンプリングタイミング番号iと注目するサンプリングタイミング番号の最大値i1とを比較する。ここで、iがi1より小さければステップ1602に戻り、iがi1より大きければステップ1610に進んでSumDiffと異常判定の閾値SUMDIFFMINとを比較し、SumDiffの方が大きければステップ1711にて異常ありの判定を行い、そうでなければステップ1612にて異常なしの判定を行う。
【0050】
この場合、複数の注目すべきサンプリングタイミング(i0〜i1)における積算値とあらかじめ正常時に記憶された複数の注目すべきサンプリングタイミング(i0〜i1)での記憶値との差の絶対値を算出しその積算結果により正常または異常を判定するので、単に、汚れなどの付着によって漏れ信号に対する積算値が増加した場合のみならず、取り付け状態の変化、異常などにより、漏れ信号の形状が大きく変化した場合にも異常であると判定することができる。
【0051】
実施の形態2.
図17ないし図21はこの発明の実施の形態2によるパルスレーダ装置の構成と動作とを説明するもので、図17は、全体構成を示すブロック図、図18および図19は動作を説明するフローチャート、図20は、閾値の設定を説明する説明図、図21は、図18とは異なる構成を示すブロック図である。
【0052】
この実施の形態におけるパルスレーダ装置は、図17に示すように、5つの部分から構成される。第一の部分は、所定幅(例えば96ns)のパルス状の電磁波(中心周波数24.125GHz)を一定の周期(例えば1024ns)で送信する送信手段2と、その電磁波の対象物体からの反射波を受信する受信手段3とから構成されるRFモジュール1であり、第二の部分はCPU33内のソフトウェアで実現される信号レベル制御手段34の算出結果に基づき、RFモジュール1における受信手段3の出力を調整する信号レベル調整手段としての加算回路35である。
【0053】
第三の部分は、信号レベル調整手段35により調整された受信手段3の出力を二値化するための比較手段4であり、第四の部分は、タイミング制御手段6と第一の積算手段7との機能を有するFPGA5であり、第五の部分は、差分演算手段9と、第二の積算手段10と、反射信号立ち上がり検出手段11と、測距・検出手段16を構成する距離算出手段12および検出判定手段13と、信号レベル制御手段34と、異常判定手段14との機能を実現するCPU33である。そして、実施の形態1の場合と同様に第一の積算手段7と差分演算手段9と第二の積算手段10とで機能的には積算手段15を形成する。
【0054】
なお、この実施の形態における送信手段2と受信手段3とから構成されるRFモジュール1と、比較手段4と、タイミング制御手段6と第一の積算手段7との機能を有するFPGA5とについては、実施の形態1において説明したものと同等であり、ここでの説明は省略する。
【0055】
差分演算手段9と、第2の積算手段10と、反射信号立ち上がり検出手段11と、距離算出手段12と、検出判定手段13と、信号レベル制御手段34と、異常判定手段14との機能を実現するCPU33における処理内容について説明すると、図18のフローチャートに示す通りである。なお、このフローチャートにおいて、実施の形態1でのCPU8と異なる動作をするのは、ステップ1811の信号レベル制御処理とステップ1812の異常判定処理のみであり、ステップ1801からステップ1810までは図7と同一処理である。従って、ここでは図7とは異なる2つの処理について説明する。
【0056】
ステップ1811の信号レベル制御処理の詳細について説明すると、この処理は、図20に示すように、図中Aの値に閾値を設定して二値化した場合、対象物体の有無に関わらず漏れ信号受信中は受信信号レベルが常時閾値以上となって対象物体が検出できない。そのためにグランドレベル制御処理を行い、受信信号のグランドレベルを調整することにより、受信信号全体を上下させ、閾値が図のBのように、漏れ信号と対象物体からの反射信号とが干渉して信号レベルが変化する立ち上がり(立ち下がり)を検出可能な範囲の値になるように処理を行うものである。
【0057】
図19はステップ1811の信号レベル制御処理を示すフローチャートで、ステップ1901から1909の処理にて、各サンプリングタイミングにおける60回分の積算値の和Sum[i]を求め、各サンプリングタイミングにおける積算値の和Sum[i]の平均値SumMeanを算出する。続くステップ1910ではSumMeanとあらかじめ設定した値SUMMEAN1とを比較し、SUMMEAN1の方が小さい場合、ステップ1912で信号レベル調整手段である加算回路35への指示値を減少させる。一方、SUMMEAN1の方が大きい場合、ステップ1911にてSumMeanとSUMMEAN2(ただし、SUMMEAN1>SUMMEAN2である)とを比較し、SUMMEAN2の方が大きい場合、ステップ1914で信号レベル調整手段である加算回路35への指示値を増加させる。
【0058】
また、SUMMEAN2の方が小さい場合は、ステップ1913にて前回の指示値をそのまま保持する。そして、ステップ1915にて指示値をD/A変換してCPU33から出力し、加算回路35にて受信信号と加算することにより、受信信号の信号レベルを調整する。図18に戻り、続くステップ1812の異常判定処理では、ステップ1811にて信号レベル制御手段34が算出する加算回路35への指示値を常時監視し、その指示値があらかじめ設定した範囲を超えた場合には異常ありと判定する。
【0059】
このように、実施の形態2におけるパルスレーダ装置では、レドームあるいは2次的なカバーに汚れなどが付着した場合、ある程度までは信号レベル制御手段34および信号レベル調整手段(加算回路)35を用いて、対象物体からの反射波を検出できるよう制御するので、実施の形態1にて説明したパルスレーダ装置より、使用不能となる可能性が低くなる。加えて、信号レベル制御手段34の演算結果に基づく異常判定処理により、レベル制御が限界に達した場合においては異常と判定し、操作者に報知することができるものである。
【0060】
この実施の形態2によるパルスレーダ装置では、信号レベル制御手段34および信号レベル調整手段35により、RFモジュール1における受信手段3の出力レベルを調整することにより、汚れなどが付着した場合の検出性能劣化をある程度まで改善するようにしたが、この他に、図21に示すように、信号レベル制御手段34の代わりに比較手段4の閾値を積算結果に応じて変更する閾値制御手段36を設け、この閾値制御手段36の算出する閾値を基に、閾値に対する比較手段4の二値化信号レベル、あるいは閾値により異常判定手段14にて異常判定を行うこともできる。このようにしても、上記の図18の場合と同様の効果を得ることができるものである。
【0061】
【発明の効果】
以上に説明したように、この発明のパルスレーダ装置において、請求項1に記載の発明によれば、電波を送信する送信手段と、反射波を受信して受信信号レベル対応の信号を出力する受信手段と、受信信号を二値化する比較手段と、送信と受信信号処理とを制御するタイミング制御手段と、所定時間間隔で比較手段の出力をサンプリングし、サンプリング結果をサンプリングタイミング毎に積算する積算手段と、積算された受信信号のレベル変化から対象物体からの反射信号の立ち上がりを検出し、対象物体の有無と距離とを検出する測距・検出手段とを備えたものにおいて、積算手段の特定のサンプリングタイミングにおける積算値から装置の異常を判定するよぷにしたので、特定距離からの反射波における積算値のレベルから、レドームあるいは2次的なカバーの表面に汚れなどが付着した場合に、異常ありのメッセージを外部装置に伝達することができ、泥の付着などの汚れにより検出性能が劣化しても、操作者はその検出性能の劣化を把握して対処することが可能になるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1によるパルスレーダ装置の構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1によるパルスレーダ装置のRFモジュールの構成を説明する機能構成図である。
【図3】この発明の実施の形態1によるパルスレーダ装置の検出方法を説明する説明図である。
【図4】この発明の実施の形態1によるパルスレーダ装置の検出方法を説明する説明図である。
【図5】この発明の実施の形態1によるパルスレーダ装置の検出方法を説明する説明図である。
【図6】この発明の実施の形態1によるパルスレーダ装置のFPGAの構成と動作とを説明する説明図である。
【図7】この発明の実施の形態1によるパルスレーダ装置の動作を説明するフローチャートである。
【図8】この発明の実施の形態1によるパルスレーダ装置の積算手段の動作内容を説明する説明図である。
【図9】この発明の実施の形態1によるパルスレーダ装置の動作を説明するフローチャートである。
【図10】この発明の実施の形態1によるパルスレーダ装置の動作を説明するフローチャートである。
【図11】この発明の実施の形態1によるパルスレーダ装置の動作を説明するフローチャートである。
【図12】この発明の実施の形態1によるパルスレーダ装置の動作を説明するフローチャートである。
【図13】この発明の実施の形態1によるパルスレーダ装置の動作を説明するフローチャートである。
【図14】この発明の実施の形態1によるパルスレーダ装置の動作を説明するフローチャートである。
【図15】この発明の実施の形態1によるパルスレーダ装置の動作を説明するフローチャートである。
【図16】この発明の実施の形態1によるパルスレーダ装置の動作を説明するフローチャートである。
【図17】この発明の実施の形態2によるパルスレーダ装置の構成を示すブロック図である。
【図18】この発明の実施の形態2によるパルスレーダ装置の動作を説明するフローチャートである。
【図19】この発明の実施の形態2によるパルスレーダ装置の動作を説明するフローチャートである。
【図20】この発明の実施の形態2によるパルスレーダ装置の閾値の設定を説明する説明図である。
【図21】この発明の実施の形態2によるパルスレーダ装置の別の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 RFモジュール、2 送信手段、3 受信手段、
4 比較手段、5 FPGA、6 タイミング制御手段、
7 第一の積算手段、8、33 CPU、9 差分演算手段、
10 第二の積算手段、11 反射信号立ち上がり検出手段、
12 距離算出手段、13 検出判定手段、14 異常判定手段、
15 積算手段、16 測距・検出手段、34 信号レベル制御手段、
35 信号レベル調整手段(加算手段)36 閾値制御手段。

Claims (6)

  1. パルス状の電波を送信する送信手段、前記送信手段からの電波が対象物体となる周辺の障害物や自身の構成物から反射した反射波を受信すると共に、受信した反射波のレベルに応じた受信信号を出力する受信手段、予め設定された所定のレベルとの比較により前記受信信号を二値化する比較手段、電波の送信と受信信号の処理とのタイミング制御を行うタイミング制御手段、前記タイミング制御手段の信号により送信開始からの所定時間間隔で前記比較手段の出力をサンプリングすると共に、サンプリング結果をサンプリングタイミング毎に所定回数積算する積算手段、前記積算手段により積算された受信信号のレベル変化により前記周辺の障害物からの反射信号の立ち上がりを検出する反射信号立ち上がり検出手段、前記反射信号立ち上がり検出手段の出力により前記周辺の障害物の有無を検出すると共に距離を算出する測距・検出手段、前記積算手段が出力する積算結果のうち、特定のサンプリングタイミングにおける積算値のレベルから装置の異常を判定する異常判定手段を備えたことを特徴とするパルスレーダ装置。
  2. 前記異常判定手段が、特定のサンプリングタイミングにおける前記積算手段の積算値と予め設定された設定値とを比較し、前記積算値が前記設定値を超えたとき装置に異常ありと判定することを特徴とする請求項1に記載のパルスレーダ装置。
  3. 前記異常判定手段が、特定のサンプリングタイミングにおける前記積算値の平均値と予め設定された設定値とを比較し、前記積算値の平均値が前記設定値を超えたとき装置に異常ありと判定することを特徴とする請求項1に記載のパルスレーダ装置。
  4. 前記異常判定手段が、特定のサンプリングタイミングにおける前記積算値と、予めサンプリングタイミング毎に設定された設定値との差の絶対値を算出し、前記差の絶対値が所定値を越えたとき、装置に異常ありと判定することを特徴とする請求項1に記載のパルスレーダ装置。
  5. パルス状の電波を送信する送信手段、前記送信手段からの電波が周辺の障害物や自身の構成物から反射した反射波を受信すると共に、受信した反射波のレベルに応じた受信信号を出力する受信手段、予め設定された所定のレベルとの比較により前記受信信号を二値化する比較手段、電波の送信と受信信号の処理とのタイミング制御を行うタイミング制御手段、前記タイミング制御手段の信号により送信からの所定時間間隔で前記比較手段の出力をサンプリングすると共にサンプリング結果をサンプリングタイミング毎に所定回数積算する積算手段、この積算された受信信号のレベル変化により前記周辺の障害物からの反射信号の立ち上がりを検出する反射信号立ち上がり検出手段、前記反射信号立ち上がり検出手段の出力により前記周辺の障害物の有無を検出すると共に距離を算出する測距・検出手段、前記積算手段の積算結果を基に前記積算結果が所定の範囲内に収まるように信号の基準となるレベルを算出する信号レベル算出制御手段、前記信号レベル算出制御手段の算出結果に基づき信号レベルを調節する信号レベル調節手段、前記信号レベル算出制御手段の算出する信号レベルの値から装置の異常を判定する異常判定手段を備えたことを特徴とするパルスレーダ装置。
  6. パルス状の電波を送信する送信手段、前記送信手段からの電波が周辺の障害物や自身の構成物から反射した反射波を受信すると共に、受信した反射波のレベルに応じた受信信号を出力する受信手段、予め設定された所定のレベルとの比較により前記受信信号を二値化する比較手段、電波の送信と受信信号の処理とのタイミング制御を行うタイミング制御手段、前記タイミング制御手段の信号により送信からの所定時間間隔で前記比較手段の出力をサンプリングすると共にサンプリング結果をサンプリングタイミング毎に所定回数積算する積算手段、この積算された受信信号のレベル変化により前記周辺の障害物からの反射信号の立ち上がりを検出する反射信号立ち上がり検出手段、前記反射信号立ち上がり検出手段の出力により前記周辺の障害物の有無を検出すると共に距離を算出する測距・検出手段、前記積算手段の積算結果を基に前記積算結果が所定の範囲内に収まるように前記比較手段に対する閾値を算出する閾値設定手段、前記閾値設定手段の出力する閾値のレベルにより装置の異常を判定する異常判定手段を備えたことを特徴とするパルスレーダ装置。
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