JP3599771B2 - 半導体レーザ駆動装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は半導体レーザ駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体レーザ駆動装置は、図18に示すように充電コンデンサ1と、この充電コンデンサ1に充電してその充電電流量を決定するための充電用の電流源2と、充電コンデンサ1から放電してその放電電流量を決定するための放電用の電流源3と、充電コンデンサ1の充電電圧に比例した電流を半導体レーザ4に流す電流源5などを備えている。
【0003】
点灯制御回路6は半導体レーザ4の点灯を指示する点灯指示信号によって半導体レーザ4に電流源5で生じる電流を流して半導体レーザ4を点灯させ、半導体レーザ4の照射するレーザ光の光量がホトダイオードからなる光検出器7で検出される。この光検出器7の出力信号は増幅器8で増幅されて受光量信号電圧となり、この受光量信号電圧と設定光量を示す基準信号電圧Vrefとが比較器9により比較される。
【0004】
充放電制御回路10は、比較器9の出力信号が充放電制御信号としてバッファ11及びインバータ12に入力され、スイッチ素子13がバッファ11の出力信号によりオン/オフ制御されて電流源2から充電コンデンサ1への充電電流をオン/オフ制御する。また、充放電制御回路10は、スイッチ素子14がインバータ12の出力信号によりオン/オフ制御されて充電コンデンサ1から電流源3を通して放電する放電電流をオン/オフ制御する。
【0005】
基準信号電圧Vrefに対して増幅器8からの受光量信号電圧が低ければ、スイッチ素子13がオンになってスイッチ素子14がオフになり、電流源2から充電コンデンサ1に充電されて充電コンデンサ1の充電電圧が上がって電流源5から半導体レーザ4へ流れる電流が増える。また、基準信号電圧Vrefに対して増幅器8からの受光量信号電圧が高ければ、スイッチ素子13がオフになってスイッチ素子14がオンになり、充電コンデンサ1から電流源3を通して放電されて充電コンデンサ1の充電電圧が下がって電流源5から半導体レーザ4へ流れる電流が減少する。このように比較器9からの充放電制御信号によって充電コンデンサ1への充放電が制御されて半導体レーザ4に流す電流量が制御され、半導体レーザ4の照射するレーザ光量がほぼ一定に保たれる。この様子を図2に示す。
【0006】
また、半導体レーザ4をオン/オフに繰り返してスイッチングするスイッチング時にはそれに先立って充放電制御回路10の作動を禁止する充放電制御禁止信号が入力され、この充放電制御禁止信号によりバッファ11及びインバータ12がオフになって充電コンデンサ1の充放電制御が行われなくなる。この様子を図6に示す。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記半導体レーザ駆動装置においては、半導体レーザ4を高速にオン/オフに繰り返してスイッチングするときには、半導体レーザ4の照射するレーザ光の光量を検出する光検出器7と、この光検出器7の出力信号を増幅する増幅器8の応答遅れにより、比較器9に増幅器8から入力されるレーザ光量を示す受光量信号電圧が実際のレーザ光量を示す電圧と異なってしまうために充電コンデンサ1の充放電制御が適正に行われなくなってしまい、半導体レーザ4の照射するレーザ光量をほぼ一定に保つことができなくなる。
【0008】
以下、この現象について説明する。
図3は半導体レーザ4を比較的低速でスイッチングしたときの半導体レーザ4の照射するレーザ光の光波形とその光波形に対する増幅器4の出力信号波形を示したものである。図3に示すように半導体レーザ4からのレーザ光の光波形に対して増幅器8の出力信号波形は光検出器7および増幅器8の応答遅れによって立ち上がり遅れ時間Tr後に半導体レーザ4の照射光量を示す電圧に達する。
【0009】
図4は半導体レーザ4を高速にスイッチングしたときの半導体レーザ4の照射するレーザ光の光波形と増幅器8の出力信号波形を示したものである。半導体レーザ4を高速にスイッチングしたときには、比較器9に増幅器8から入力される受光量信号電圧は、図4に示すように光検出器7および増幅器8の応答遅れによって半導体レーザ4が実際に照射しているレーザ光の光量を示す発光量電圧に達することができない。このため、比較器9は半導体レーザ4が照射しているレーザ光の光量が少ないという出力信号を出してしまい、半導体レーザ4に流す電流を増加させてレーザ光の光量を増加させるように充電コンデンサ1に充電させる。
【0010】
充電コンデンサ1の充電電圧が増加するに従って半導体レーザ4が照射するレーザ光の光量が増加するが、比較器9に増幅器8から入力される受光量信号電圧は光検出器7および増幅器8の応答遅れのために基準信号電圧Vrefに対して低い状態のままとなり、充放電制御回路10は充電コンデンサ1に対して更に充電するような制御を行う。
このように、半導体レーザ4に流れる電流は徐々に増加して半導体レーザ4の照射光量が徐々に増加して行き、しまいには半導体レーザ4の破壊に至ってしまう。この様子を図5に示す。
【0011】
このために、上記半導体レーザ駆動装置においては、半導体レーザ4の点灯を指示する点灯指示信号のほかに半導体レーザ4のスイッチングに先立って充放電制御回路10の作動を禁止する充放電制御禁止信号を入力していた。
また、上記半導体レーザ駆動装置においては、上述のように半導体レーザ4の照射するレーザ光の光量をみて充電コンデンサ1に対して充放電するよう制御が行われていたが、この充放電制御の必要性について検討して見る。
【0012】
上記半導体レーザ駆動装置においては、電源を投入したときには、充電コンデンサ1は電荷がないために充電電圧が生じないので、半導体レーザ4には電流が流れず、半導体レーザ4は点灯しない。したがって、増幅器8からの受光量信号電圧が基準信号電圧Vrefより低くなっており、充電コンデンサ1に充電するような制御が充放電制御回路10により行われ、半導体レーザ4に電流が流れだして増幅器8からの受光量信号電圧が基準信号電圧Vrefと等しくなると、充電コンデンサ1から放電するような制御が充放電制御回路10により行われる。
【0013】
増幅器8からの受光量信号電圧が基準信号電圧Vrefと等しくなったときに仮に充放電制御回路10により充電コンデンサ1に対して充電されなくなるのみとして充電コンデンサ1の充電電圧を維持するようにすると、増幅器8からの受光量信号電圧が基準信号電圧Vrefと等しくなったときに放電充放電制御回路10によって充電コンデンサ1に対して放電するように制御が行われるよりも半導体レーザ4の光量変動は少なくなる。この状態を図14に示す。
【0014】
図15は半導体レーザの一般的な電流−光量特性(I−L特性)を示す。
図15に示すように半導体レーザは、温度が上昇すると電流−光量変換効率が悪くなる。
半導体レーザ4を点灯させたときには、半導体レーザ4の自己発熱によって半導体レーザ4の温度が上昇して先に述べたように半導体レーザ4の電流−光量変換効率が悪くなり、半導体レーザ4が照射するレーザ光の光量を一定にしようとしたときには半導体レーザ4に流す電流を多くしなければならなくなる。
【0015】
上記半導体レーザ駆動装置では、半導体レーザ4に流す電流を多くするために充電コンデンサ1に充電している。
以上のように半導体レーザ4の使用状態ならびに特性からは上記半導体レーザ駆動装置で行われている充電コンデンサ1に対する放電制御はコストに見合う効果を発揮しているとは言い難い。
【0016】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、充電コンデンサの放電制御を廃止するとともに充電制御を禁止する充電制御禁止信号の入力を無くして簡便に半導体レーザを高速スイッチングできる安価な半導体レーザ駆動装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、レーザ光を照射する半導体レーザと、この半導体レーザから照射されるレーザ光の光量を検出する光検出器と、この光検出器の出力信号を増幅する増幅器と、この増幅器の出力信号から前記半導体レーザからのレーザ光の光量が所定の値に達しているかどうかを判断するために前記増幅器の出力信号を所定の基準信号と比較する比較器と、この比較器の出力信号によって充電が制御される充電コンデンサと、この充電コンデンサに充電する電流量を決定する第1の電流源と、前記充電コンデンサに充電された電圧に比例した電流を前記半導体レーザに流す第2の電流源と、前記半導体レーザからのレーザ光の光量が所定の値に達していないときに前記比較器が出力する信号によって前記充電コンデンサに充電するように前記充電コンデンサの充電を制御する充電制御回路とを備え、前記充電コンデンサの放電制御と、前記充電コンデンサの充放電制御を禁止する充放電制御禁止信号入力が無いものである。
【0018】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の半導体レーザ駆動装置において、前記半導体レーザの点灯を指示する点灯指示信号によって前記第2の電流源による電流を前記半導体レーザに流すことにより前記半導体レーザの点灯を制御する点灯制御回路を備えたものである。
【0019】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の半導体レーザ駆動装置において、前記点灯指示信号によって前記半導体レーザが所定の時間以上連続して点灯するように指示されていることを検出する点灯指示信号長検出器を備え、この点灯指示信号長検出器が前記点灯指示信号によって前記半導体レーザが所定の時間以上連続して点灯するように指示されていることを検出したときに出力する信号によって前記充電制御回路が機能するようにしたものである。
【0020】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の半導体レーザ駆動装置において、前記点灯指示信号長検出器が検出する前記所定の時間を、前記半導体レーザが点灯した後に前記光検出器および前記増幅器の出力信号が前記半導体レーザの照射しているレーザ光の光量に追従するまでの時間以上としたものである。
【0021】
請求項5記載の発明は、請求項1,2,3または4記載の半導体レーザ駆動装置において、前記第1の電流源を定電流源としたものである。
【0022】
請求項6記載の発明は、請求項1,2,3,4または5記載の半導体レーザ駆動装置において、前記半導体レーザが点灯している間は前記充電コンデンサからの放電の制御を行わないものである。
【0024】
請求項7記載の発明は、請求項3,4,5または6記載の半導体レーザ駆動装置において、前記点灯指示信号長検出器を1ショットマルチバイブレータによって構成したものである。
【0025】
請求項8記載の発明は、請求項3,4,5または6記載の半導体レーザ駆動装置において、前記点灯指示信号長検出器をパルス先頭遅延回路としたものである。
【0026】
【作用】
請求項1記載の発明では、半導体レーザはレーザ光を照射し、この半導体レーザから照射されるレーザ光の光量が光検出器により検出される。この光検出器の出力信号が増幅器により増幅され、比較器が増幅器の出力信号から半導体レーザよりのレーザ光の光量が所定の値に達しているかどうかを判断するために増幅器の出力信号を所定の基準信号と比較する。充電制御回路は半導体レーザからのレーザ光の光量が所定の値に達していないときに比較器が出力する信号によって充電コンデンサに充電するように充電コンデンサの充電を制御する。充電コンデンサに充電する電流量が第1の電流源により決定され、第2の電流源は充電コンデンサに充電された電圧に比例した電流を半導体レーザに流す。充電コンデンサの放電制御と、充電コンデンサの充放電制御を禁止する充放電制御禁止信号入力は無い。
【0027】
請求項2記載の発明では、請求項1記載の半導体レーザ駆動装置において、点灯制御回路が半導体レーザの点灯を指示する点灯指示信号によって第2の電流源による電流を半導体レーザに流すことにより半導体レーザの点灯を制御する。
【0028】
請求項3記載の発明では、請求項2記載の半導体レーザ駆動装置において、点灯指示信号長検出器が点灯指示信号によって半導体レーザが所定の時間以上連続して点灯するように指示されていることを検出し、この点灯指示信号長検出器が点灯指示信号によって半導体レーザが所定の時間以上連続して点灯するように指示されていることを検出したときに出力する信号によって充電制御回路が機能する。
【0029】
請求項4記載の発明では、請求項3記載の半導体レーザ駆動装置において、点灯指示信号長検出器が検出する前記所定の時間は、半導体レーザが点灯した後に光検出器および増幅器の出力信号が半導体レーザの照射しているレーザ光の光量に追従するまでの時間以上である。
【0030】
請求項5記載の発明では、請求項1,2,3または4記載の半導体レーザ駆動装置において、充電コンデンサに充電する電流量が定電流源からなる第1の電流源により決定される。
【0031】
請求項6記載の発明では、請求項1,2,3,4または5記載の半導体レーザ駆動装置において、半導体レーザが点灯している間は充電コンデンサからの放電の制御を行わない。
【0033】
請求項7記載の発明では、請求項3,4,5または6記載の半導体レーザ駆動装置において、1ショットマルチバイブレータによって構成された点灯指示信号長検出器が、点灯指示信号によって半導体レーザが所定の時間以上連続して点灯するように指示されていることを検出する。
【0034】
請求項8記載の発明では、請求項3,4,5または6記載の半導体レーザ駆動装置において、パルス先頭遅延回路からなる点灯指示信号長検出器が、点灯指示信号によって半導体レーザが所定の時間以上連続して点灯するように指示されていることを検出する。
【0035】
【実施例】
図1は本発明の第1実施例の構成を示すものである。
【0036】
この第1実施例は、請求項1〜4,6,7記載の発明の実施例である。この第1実施例は、前記半導体レーザ駆動装置において、電流源3、インバータ12及びスイッチ素子14を省略して充電コンデンサ1の放電制御を廃止するとともに、外部からの充放電制御禁止信号の入力を無くし、半導体レーザ4の点灯を指示する点灯指示信号をモニターして半導体レーザ4に一定時間以上連続して点灯が指示されていることを検出する点灯指示信号長検出器15を設けるようにしたものであり、バッファ11及びスイッチ素子13により充電制御回路16が構成される。
【0037】
充電制御回路16は、半導体レーザ4が点灯してから半導体レーザ4の照射するレーザ光の光量を検出する光検出器7と、この光検出器7の出力信号を増幅する増幅器8の出力信号が半導体レーザ4の照射するレーザ光の光量に追従したであろう時刻を点灯指示信号長検出器15の出力信号によって知って充電コンデンサ1への充電制御を行うものである。バッファ11は、点灯指示信号長検出器15から充電制御禁止信号として出力される出力信号が高レベルになることによってオンし、点灯指示信号長検出器15から充電制御禁止信号として出力される出力信号が低レベルになることによってオフする。図7はこの様子を示したものであり、半導体レーザ4の点灯時間tが連続して一定時間以上になった時には、バッファ11が点灯指示信号長検出器15の出力信号によってオンして充電コンデンサ1の充電が許可され、基準信号電圧Vrefに対して増幅器8からの受光量信号電圧が低ければスイッチ素子13が比較器9からバッファ11を介して入力される充電制御信号によりオンになって電流源2から充電コンデンサ1に充電される。
【0038】
点灯制御回路6は半導体レーザ4の点灯を指示する点灯指示信号によって半導体レーザ4に電流源5で生じる電流を流して半導体レーザ4を点灯させ、半導体レーザ4の照射するレーザ光の光量が光検出器7で検出される。光検出器7および増幅器8は半導体レーザ4から照射されたレーザ光の光量を電気信号に変換して増幅する。この増幅器8の出力信号波形は、光検出器7及び増幅器8の応答遅れによって半導体レーザ4が照射したレーザ光の光波形に対して徐々に立ち上がり、その立ち上がり遅れ時間Trが経過した後に半導体レーザ4が実際に照射しているレーザ光の光量を示す電圧に達する。
【0039】
半導体レーザ4の点灯を指示する点灯指示信号は点灯制御回路6だけでなく点灯指示信号長検出器15にも入力され、点灯指示信号長検出器15は光検出器7および増幅器8による応答遅れ時間:立ち上がり遅れ時間Trを見込んだ時間以上の時間t0が経過した後に充電の制御の禁止を解除する信号を充電制御回路16へ出力し、充電制御回路16は半導体レーザ4が照射しているレーザ光の光量をほぼ一定に保つように充電コンデンサ1に対して充電の制御を行う。
【0040】
この充電制御回路16による充電制御では、半導体レーザ4が照射するレーザ光の光量を示す増幅器8からの受光量信号電圧が基準信号電圧Vrefより低いときにはスイッチ素子13がオンして充電コンデンサ1に充電用電流源2から充電し、半導体レーザ4が照射するレーザ光の光量を示す受光量信号電圧が基準信号電圧Vrefと等しくなったときにスイッチ素子13がオフして充電コンデンサ1に対して充電するのを停止して充電コンデンサ1の充電電圧を維持するようにし、半導体レーザ4の照射するレーザ光の光量をほぼ一定にする。
【0041】
点灯指示信号長検出器15は、半導体レーザ4に対する点灯指示信号が解除されて点灯制御回路6により半導体レーザ4が消灯するとほぼ同時に出力信号を停止して充電コンデンサ1への充電の制御を禁止し、その時点の充電コンデンサ1の充電電圧を保持するようにする。
点灯指示信号長検出器15は、半導体レーザ4に対する点灯指示信号が発生しても光検出器7および増幅器8による応答遅れ時間:立ち上がり遅れ時間Trを見込んだ時間t0が経過せずに半導体レーザ4への点灯指示信号が解除されたときには出力信号を出力せずに充電の制御の禁止を解除しない。
【0042】
図8は上記点灯指示信号長検出器15の一例を示し、図9はその動作を示す。点灯指示信号長検出器15は1ショットマルチバイブレータ17及びオアゲート18により構成される。半導体レーザ4に対する点灯指示信号は1ショットマルチバイブレータ17に入力され、1ショットマルチバイブレータ17は半導体レーザ4に対する点灯指示信号が発生してから光検出器7および増幅器8による応答遅れ時間:立ち上がり遅れ時間Trを見込んだ時間t0(t0>Tr)のパルスを発生する。この1ショットマルチバイブレータ17の出力信号と半導体レーザ4に対する点灯指示信号との論理和がオアゲート18でとられ、このオアゲート18の出力信号が充電の制御を禁止する信号として充電制御回路16へ出力される。
【0043】
この第1実施例では、充電コンデンサ1の放電制御を廃止するとともに、半導体レーザ4の点灯を指示する点灯指示信号をモニターして半導体レーザ4に一定時間以上連続して点灯が指示されていることを検出する点灯指示信号長検出器15を設け、従来の半導体レーザ駆動装置で必要としていた半導体レーザのスイッチングに先立って充放電制御回路の作動を禁止する充放電制御禁止信号の入力を無くしたので、半導体レーザの照射レーザ光量をほぼ一定に保ったままで半導体レーザを簡便に高速スイッチングできる装置が安価に実現できる。
【0044】
図10は本発明の第2実施例における点灯指示信号長検出器15を示し、図11にその動作を示す。
この第2実施例は、請求項8記載の発明の実施例であり、上記第1実施例において、図10に示す点灯指示信号長検出器15を用いるようにしたものである。図10に示す点灯指示信号長検出器15は、インバ−タ19〜21、抵抗22、コンデンサ23及びダイオード24からなるパルス先頭遅延回路によって構成される。
【0045】
このパルス先頭遅延回路では、半導体レーザ4に対する点灯指示信号はインバータ19に入力され、このインバータ19は半導体レーザ4に対する点灯指示信号の反転波形を出力する(図10のA部で発生する)。半導体レーザ4に対する点灯指示信号はインバータ20にも入力され、このインバータ20からA部の波形と同様な波形が出力される(図10のC部で発生する)が、このC部に発生した高レベル(H)の信号はダイオード24によって図10のB部とは電気的に切り離されているためにB部には電気的な影響を及ぼさない。
【0046】
A部に発生した波形は抵抗22、コンデンサ23により構成される積分回路で積分されてB部に伝えられ、その波形の立ち上がりは抵抗22、コンデンサ23による時定数τ(抵抗22の抵抗値×コンデンサ23の容量)で決定される積分波形となる。
半導体レーザ4に対する点灯指示信号が解除されると、C部は低レベル(L)となる。コンデンサ23に充電された電荷はダイオード24を通ってインバータ20に引き込まれ、B部の波形はC部がLとなるとほぼ同時にLになる。
【0047】
B部の波形は、インバータ21によって波形成形され、半導体レーザ4に対する点灯指示信号に対して立ち下がりのみが遅れたものとなる(点灯指示信号パルスの先頭が遅延したものとなる)。この立ち下がり遅れ時間:パルス先頭遅延時間は、B部の立ち上がり積分波形の時定数によって決定され、抵抗22、コンデンサ23の定数によって制御することができる。
このパルス先頭遅延時間は光検出器7および増幅器8による応答遅れ時間:立ち上がり遅れ時間Trを見込んだ時間t0(t0>Tr)に設定されて安価な点灯指示信号長検出器15が構成され、インバータ21の出力信号が充電の制御を禁止する信号として充電制御回路16へ出力される。
【0048】
図12は本発明の第3実施例におけるパルス先頭遅延回路からなる点灯指示信号長検出器15を示し、図13はその動作を示す。
この第3実施例は、請求項8記載の発明の実施例であって、上記第1実施例において、図12に示す点灯指示信号長検出器15を用いるようにしたものである。このパルス先頭遅延回路からなる点灯指示信号長検出器15は、図10に示すパルス先頭遅延回路において、半導体レーザ点灯指示信号を正論理にしてインバータ19〜21の代りにバッファ25〜27を用いるようにしたものであり、A部及びC部の波形が半導体レーザ点灯指示信号と同じになる点を除いて図10に示すパルス先頭遅延回路と同様に動作する。
【0049】
なお、図10及び図12に示す点灯指示信号長検出器15において、波形成形を担うインバータ21およびバッファ27をシュミット型のものにすることで、B部の積分波形の立ち上がり時のチャタリングを防止することができる。
請求項5記載の発明の実施例では、上記実施例において、充電コンデンサ1に充電するための電流源2を、半導体レーザ4の照射光量を増加させる増加率を規定するために定電流源としている。
【0050】
また、本発明の他の実施例では、半導体レーザ4の照射光量を増加させる増加率を規定せず、上記実施例において、充電コンデンサ1に充電するための電流源2を、図16(a)に示すように(+)電源と充電コンデンサ1との間に抵抗28を接続した簡易電流源としている。この場合、充電コンデンサ1の電圧VCHと電流Iとの関係は図16(b)のようになり、充電コンデンサ1の電圧が低いときには充電電流が多く流れる為半導体レーザ4の点灯初期において光量の増加を早めることができる。
【0051】
上記実施例において、充電コンデンサ1に対して充電用の電流源2以外からの電流の流入が生じた場合には充電コンデンサ1の充電電圧が徐々に増加して行き、半導体レーザ4に流れる電流がそれにつれて徐々に増加して半導体レーザ4の照射光量をほぼ一定に保てなくなるばかりではなく、半導体レーザ4を破壊してしまうことが考えられる。
この状態を回避するために、本発明の他の実施例では、上記実施例において、図17に示すように充電コンデンサ1に並列に抵抗29を接続して常に充電コンデンサ1から抵抗29を通して放電させるようにしている。この場合、放電電流は充電用電流源2からの電流量より少なく設定される。
【0052】
【発明の効果】
以上のように請求項1記載の発明によれば、レーザ光を照射する半導体レーザと、この半導体レーザから照射されるレーザ光の光量を検出する光検出器と、この光検出器の出力信号を増幅する増幅器と、この増幅器の出力信号から前記半導体レーザからのレーザ光の光量が所定の値に達しているかどうかを判断するために前記増幅器の出力信号を所定の基準信号と比較する比較器と、この比較器の出力信号によって充電が制御される充電コンデンサと、この充電コンデンサに充電する電流量を決定する第1の電流源と、前記充電コンデンサに充電された電圧に比例した電流を前記半導体レーザに流す第2の電流源と、前記半導体レーザからのレーザ光の光量が所定の値に達していないときに前記比較器が出力する信号によって前記充電コンデンサに充電するように前記充電コンデンサの充電を制御する充電制御回路とを備え、前記充電コンデンサの放電制御と、前記充電コンデンサの充放電制御を禁止する充放電制御禁止信号入力が無いので、半導体レーザの照射光量をほぼ一定に保ったままで半導体レーザを簡便に高速スイッチングすることが可能となり、安価に実現することが可能となる。
【0053】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の半導体レーザ駆動装置において、前記半導体レーザの点灯を指示する点灯指示信号によって前記第2の電流源による電流を前記半導体レーザに流すことにより前記半導体レーザの点灯を制御する点灯制御回路を備えたので、充電コンデンサの放電制御を廃止するとともに、従来の半導体レーザ駆動装置で必要としていた半導体レーザのスイッチングに先立って充放電制御回路の作動を禁止する充放電制御禁止信号の入力を無くして、半導体レーザの照射光量をほぼ一定に保ったままで半導体レーザを簡便に高速スイッチングすることが可能となり、安価に実現することが可能となる。
【0054】
請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の半導体レーザ駆動装置において、前記点灯指示信号によって前記半導体レーザが所定の時間以上連続して点灯するように指示されていることを検出する点灯指示信号長検出器を備え、この点灯指示信号長検出器が前記点灯指示信号によって前記半導体レーザが所定の時間以上連続して点灯するように指示されていることを検出したときに出力する信号によって前記充電制御回路が機能するようにしたので、充電コンデンサの放電制御を廃止できるとともに、従来の半導体レーザ駆動装置で必要としていた半導体レーザのスイッチングに先立って充放電制御回路の作動を禁止する充放電制御禁止信号の入力を無くすことができて、半導体レーザの照射光量をほぼ一定に保ったままで半導体レーザを簡便に高速スイッチングでき、安価に実現できる。
【0055】
請求項4記載の発明によれば、請求項3記載の半導体レーザ駆動装置において、前記点灯指示信号長検出器が検出する前記所定の時間を、前記半導体レーザが点灯した後に前記光検出器および前記増幅器の出力信号が前記半導体レーザの照射しているレーザ光の光量に追従するまでの時間以上としたので、充電コンデンサの放電制御を廃止できるとともに、従来の半導体レーザ駆動装置で必要としていた半導体レーザのスイッチングに先立って充放電制御回路の作動を禁止する充放電制御禁止信号の入力を無くすことができて、半導体レーザの照射光量をほぼ一定に保ったままで半導体レーザを簡便に高速スイッチングでき、安価に実現できる。
【0056】
請求項5記載の発明によれば、請求項1,2,3または4記載の半導体レーザ駆動装置において、前記第1の電流源を定電流源としたので、半導体レーザの照射光量を増加させる増加率を規定することができる。
【0057】
請求項6記載の発明によれば、請求項1,2,3,4または5記載の半導体レーザ駆動装置において、前記半導体レーザが点灯している間は前記充電コンデンサからの放電の制御を行わないので、安価に実現できる。
【0059】
請求項7記載の発明によれば、請求項3,4,5または6記載の半導体レーザ駆動装置において、前記点灯指示信号長検出器を1ショットマルチバイブレータによって構成したので、安価に実現できる。
【0060】
請求項8記載の発明によれば、請求項3,4,5または6記載の半導体レーザ駆動装置において、前記点灯指示信号長検出器をパルス先頭遅延回路としたので、安価に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1〜4,6,7記載の発明の実施例を示す回路図である。
【図2】従来装置の半導体レーザ光量制御動作を示すタイミングチャートである。
【図3】従来装置における半導体レーザの光波形と増幅器の出力信号の遅れを示すタイミングチャートである。
【図4】従来装置における半導体レーザの高速スイッチング時の増幅器の出力状態を示すタイミングチャートである。
【図5】従来装置で充放電制御の禁止を行わなずに半導体レーザを高速にスイッチングしたときの状態を示すタイミングチャートである。
【図6】従来装置で充放電制御の禁止を行なって半導体レーザを高速にスイッチングしたときの状態を示すタイミングチャートである。
【図7】上記実施例で半導体レーザを高速にスイッチングしたときの状態を示すタイミングチャートである。
【図8】上記実施例の点灯指示信号長検出器を示すブロック図である。
【図9】同点灯指示信号長検出器の動作を示すタイミングチャートである。
【図10】請求項8記載の発明の実施例の点灯指示信号長検出器を示す回路図である。
【図11】同点灯指示信号長検出器の動作を示すタイミングチャートである。
【図12】請求項8記載の発明の他の実施例の点灯指示信号長検出器を示す回路図である。
【図13】同点灯指示信号長検出器の動作を示すタイミングチャートである。
【図14】上記実施例で放電制御を行わないときの光量制御の状態を示すタイミングチャートである。
【図15】一般的な半導体レーザのI−L特性を示す特性図である。
【図16】本発明の他の実施例の一部を示す回路図である。
【図17】本発明の他の実施例の一部を示す回路図である。
【図18】従来の半導体レーザ駆動装置を示す回路図である。
【符号の説明】
1 充電コンデンサ
2 充電用電流源
4 半導体レーザ
5 半導体レーザ駆動用電流源
6 半導体レーザ点灯制御回路
7 光検出器
8 増幅器
9 比較器
11 バッファ
13 スイッチ素子
15 点灯指示信号長検出器
16 充電制御回路
17 1ショットマルチバイブレータ
18 オアゲート
19〜21 インバータ
22 抵抗
23 コンデンサ
24 ダイオード
25〜27 バッファ
28,29 抵抗
【産業上の利用分野】
この発明は半導体レーザ駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体レーザ駆動装置は、図18に示すように充電コンデンサ1と、この充電コンデンサ1に充電してその充電電流量を決定するための充電用の電流源2と、充電コンデンサ1から放電してその放電電流量を決定するための放電用の電流源3と、充電コンデンサ1の充電電圧に比例した電流を半導体レーザ4に流す電流源5などを備えている。
【0003】
点灯制御回路6は半導体レーザ4の点灯を指示する点灯指示信号によって半導体レーザ4に電流源5で生じる電流を流して半導体レーザ4を点灯させ、半導体レーザ4の照射するレーザ光の光量がホトダイオードからなる光検出器7で検出される。この光検出器7の出力信号は増幅器8で増幅されて受光量信号電圧となり、この受光量信号電圧と設定光量を示す基準信号電圧Vrefとが比較器9により比較される。
【0004】
充放電制御回路10は、比較器9の出力信号が充放電制御信号としてバッファ11及びインバータ12に入力され、スイッチ素子13がバッファ11の出力信号によりオン/オフ制御されて電流源2から充電コンデンサ1への充電電流をオン/オフ制御する。また、充放電制御回路10は、スイッチ素子14がインバータ12の出力信号によりオン/オフ制御されて充電コンデンサ1から電流源3を通して放電する放電電流をオン/オフ制御する。
【0005】
基準信号電圧Vrefに対して増幅器8からの受光量信号電圧が低ければ、スイッチ素子13がオンになってスイッチ素子14がオフになり、電流源2から充電コンデンサ1に充電されて充電コンデンサ1の充電電圧が上がって電流源5から半導体レーザ4へ流れる電流が増える。また、基準信号電圧Vrefに対して増幅器8からの受光量信号電圧が高ければ、スイッチ素子13がオフになってスイッチ素子14がオンになり、充電コンデンサ1から電流源3を通して放電されて充電コンデンサ1の充電電圧が下がって電流源5から半導体レーザ4へ流れる電流が減少する。このように比較器9からの充放電制御信号によって充電コンデンサ1への充放電が制御されて半導体レーザ4に流す電流量が制御され、半導体レーザ4の照射するレーザ光量がほぼ一定に保たれる。この様子を図2に示す。
【0006】
また、半導体レーザ4をオン/オフに繰り返してスイッチングするスイッチング時にはそれに先立って充放電制御回路10の作動を禁止する充放電制御禁止信号が入力され、この充放電制御禁止信号によりバッファ11及びインバータ12がオフになって充電コンデンサ1の充放電制御が行われなくなる。この様子を図6に示す。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記半導体レーザ駆動装置においては、半導体レーザ4を高速にオン/オフに繰り返してスイッチングするときには、半導体レーザ4の照射するレーザ光の光量を検出する光検出器7と、この光検出器7の出力信号を増幅する増幅器8の応答遅れにより、比較器9に増幅器8から入力されるレーザ光量を示す受光量信号電圧が実際のレーザ光量を示す電圧と異なってしまうために充電コンデンサ1の充放電制御が適正に行われなくなってしまい、半導体レーザ4の照射するレーザ光量をほぼ一定に保つことができなくなる。
【0008】
以下、この現象について説明する。
図3は半導体レーザ4を比較的低速でスイッチングしたときの半導体レーザ4の照射するレーザ光の光波形とその光波形に対する増幅器4の出力信号波形を示したものである。図3に示すように半導体レーザ4からのレーザ光の光波形に対して増幅器8の出力信号波形は光検出器7および増幅器8の応答遅れによって立ち上がり遅れ時間Tr後に半導体レーザ4の照射光量を示す電圧に達する。
【0009】
図4は半導体レーザ4を高速にスイッチングしたときの半導体レーザ4の照射するレーザ光の光波形と増幅器8の出力信号波形を示したものである。半導体レーザ4を高速にスイッチングしたときには、比較器9に増幅器8から入力される受光量信号電圧は、図4に示すように光検出器7および増幅器8の応答遅れによって半導体レーザ4が実際に照射しているレーザ光の光量を示す発光量電圧に達することができない。このため、比較器9は半導体レーザ4が照射しているレーザ光の光量が少ないという出力信号を出してしまい、半導体レーザ4に流す電流を増加させてレーザ光の光量を増加させるように充電コンデンサ1に充電させる。
【0010】
充電コンデンサ1の充電電圧が増加するに従って半導体レーザ4が照射するレーザ光の光量が増加するが、比較器9に増幅器8から入力される受光量信号電圧は光検出器7および増幅器8の応答遅れのために基準信号電圧Vrefに対して低い状態のままとなり、充放電制御回路10は充電コンデンサ1に対して更に充電するような制御を行う。
このように、半導体レーザ4に流れる電流は徐々に増加して半導体レーザ4の照射光量が徐々に増加して行き、しまいには半導体レーザ4の破壊に至ってしまう。この様子を図5に示す。
【0011】
このために、上記半導体レーザ駆動装置においては、半導体レーザ4の点灯を指示する点灯指示信号のほかに半導体レーザ4のスイッチングに先立って充放電制御回路10の作動を禁止する充放電制御禁止信号を入力していた。
また、上記半導体レーザ駆動装置においては、上述のように半導体レーザ4の照射するレーザ光の光量をみて充電コンデンサ1に対して充放電するよう制御が行われていたが、この充放電制御の必要性について検討して見る。
【0012】
上記半導体レーザ駆動装置においては、電源を投入したときには、充電コンデンサ1は電荷がないために充電電圧が生じないので、半導体レーザ4には電流が流れず、半導体レーザ4は点灯しない。したがって、増幅器8からの受光量信号電圧が基準信号電圧Vrefより低くなっており、充電コンデンサ1に充電するような制御が充放電制御回路10により行われ、半導体レーザ4に電流が流れだして増幅器8からの受光量信号電圧が基準信号電圧Vrefと等しくなると、充電コンデンサ1から放電するような制御が充放電制御回路10により行われる。
【0013】
増幅器8からの受光量信号電圧が基準信号電圧Vrefと等しくなったときに仮に充放電制御回路10により充電コンデンサ1に対して充電されなくなるのみとして充電コンデンサ1の充電電圧を維持するようにすると、増幅器8からの受光量信号電圧が基準信号電圧Vrefと等しくなったときに放電充放電制御回路10によって充電コンデンサ1に対して放電するように制御が行われるよりも半導体レーザ4の光量変動は少なくなる。この状態を図14に示す。
【0014】
図15は半導体レーザの一般的な電流−光量特性(I−L特性)を示す。
図15に示すように半導体レーザは、温度が上昇すると電流−光量変換効率が悪くなる。
半導体レーザ4を点灯させたときには、半導体レーザ4の自己発熱によって半導体レーザ4の温度が上昇して先に述べたように半導体レーザ4の電流−光量変換効率が悪くなり、半導体レーザ4が照射するレーザ光の光量を一定にしようとしたときには半導体レーザ4に流す電流を多くしなければならなくなる。
【0015】
上記半導体レーザ駆動装置では、半導体レーザ4に流す電流を多くするために充電コンデンサ1に充電している。
以上のように半導体レーザ4の使用状態ならびに特性からは上記半導体レーザ駆動装置で行われている充電コンデンサ1に対する放電制御はコストに見合う効果を発揮しているとは言い難い。
【0016】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、充電コンデンサの放電制御を廃止するとともに充電制御を禁止する充電制御禁止信号の入力を無くして簡便に半導体レーザを高速スイッチングできる安価な半導体レーザ駆動装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、レーザ光を照射する半導体レーザと、この半導体レーザから照射されるレーザ光の光量を検出する光検出器と、この光検出器の出力信号を増幅する増幅器と、この増幅器の出力信号から前記半導体レーザからのレーザ光の光量が所定の値に達しているかどうかを判断するために前記増幅器の出力信号を所定の基準信号と比較する比較器と、この比較器の出力信号によって充電が制御される充電コンデンサと、この充電コンデンサに充電する電流量を決定する第1の電流源と、前記充電コンデンサに充電された電圧に比例した電流を前記半導体レーザに流す第2の電流源と、前記半導体レーザからのレーザ光の光量が所定の値に達していないときに前記比較器が出力する信号によって前記充電コンデンサに充電するように前記充電コンデンサの充電を制御する充電制御回路とを備え、前記充電コンデンサの放電制御と、前記充電コンデンサの充放電制御を禁止する充放電制御禁止信号入力が無いものである。
【0018】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の半導体レーザ駆動装置において、前記半導体レーザの点灯を指示する点灯指示信号によって前記第2の電流源による電流を前記半導体レーザに流すことにより前記半導体レーザの点灯を制御する点灯制御回路を備えたものである。
【0019】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の半導体レーザ駆動装置において、前記点灯指示信号によって前記半導体レーザが所定の時間以上連続して点灯するように指示されていることを検出する点灯指示信号長検出器を備え、この点灯指示信号長検出器が前記点灯指示信号によって前記半導体レーザが所定の時間以上連続して点灯するように指示されていることを検出したときに出力する信号によって前記充電制御回路が機能するようにしたものである。
【0020】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の半導体レーザ駆動装置において、前記点灯指示信号長検出器が検出する前記所定の時間を、前記半導体レーザが点灯した後に前記光検出器および前記増幅器の出力信号が前記半導体レーザの照射しているレーザ光の光量に追従するまでの時間以上としたものである。
【0021】
請求項5記載の発明は、請求項1,2,3または4記載の半導体レーザ駆動装置において、前記第1の電流源を定電流源としたものである。
【0022】
請求項6記載の発明は、請求項1,2,3,4または5記載の半導体レーザ駆動装置において、前記半導体レーザが点灯している間は前記充電コンデンサからの放電の制御を行わないものである。
【0024】
請求項7記載の発明は、請求項3,4,5または6記載の半導体レーザ駆動装置において、前記点灯指示信号長検出器を1ショットマルチバイブレータによって構成したものである。
【0025】
請求項8記載の発明は、請求項3,4,5または6記載の半導体レーザ駆動装置において、前記点灯指示信号長検出器をパルス先頭遅延回路としたものである。
【0026】
【作用】
請求項1記載の発明では、半導体レーザはレーザ光を照射し、この半導体レーザから照射されるレーザ光の光量が光検出器により検出される。この光検出器の出力信号が増幅器により増幅され、比較器が増幅器の出力信号から半導体レーザよりのレーザ光の光量が所定の値に達しているかどうかを判断するために増幅器の出力信号を所定の基準信号と比較する。充電制御回路は半導体レーザからのレーザ光の光量が所定の値に達していないときに比較器が出力する信号によって充電コンデンサに充電するように充電コンデンサの充電を制御する。充電コンデンサに充電する電流量が第1の電流源により決定され、第2の電流源は充電コンデンサに充電された電圧に比例した電流を半導体レーザに流す。充電コンデンサの放電制御と、充電コンデンサの充放電制御を禁止する充放電制御禁止信号入力は無い。
【0027】
請求項2記載の発明では、請求項1記載の半導体レーザ駆動装置において、点灯制御回路が半導体レーザの点灯を指示する点灯指示信号によって第2の電流源による電流を半導体レーザに流すことにより半導体レーザの点灯を制御する。
【0028】
請求項3記載の発明では、請求項2記載の半導体レーザ駆動装置において、点灯指示信号長検出器が点灯指示信号によって半導体レーザが所定の時間以上連続して点灯するように指示されていることを検出し、この点灯指示信号長検出器が点灯指示信号によって半導体レーザが所定の時間以上連続して点灯するように指示されていることを検出したときに出力する信号によって充電制御回路が機能する。
【0029】
請求項4記載の発明では、請求項3記載の半導体レーザ駆動装置において、点灯指示信号長検出器が検出する前記所定の時間は、半導体レーザが点灯した後に光検出器および増幅器の出力信号が半導体レーザの照射しているレーザ光の光量に追従するまでの時間以上である。
【0030】
請求項5記載の発明では、請求項1,2,3または4記載の半導体レーザ駆動装置において、充電コンデンサに充電する電流量が定電流源からなる第1の電流源により決定される。
【0031】
請求項6記載の発明では、請求項1,2,3,4または5記載の半導体レーザ駆動装置において、半導体レーザが点灯している間は充電コンデンサからの放電の制御を行わない。
【0033】
請求項7記載の発明では、請求項3,4,5または6記載の半導体レーザ駆動装置において、1ショットマルチバイブレータによって構成された点灯指示信号長検出器が、点灯指示信号によって半導体レーザが所定の時間以上連続して点灯するように指示されていることを検出する。
【0034】
請求項8記載の発明では、請求項3,4,5または6記載の半導体レーザ駆動装置において、パルス先頭遅延回路からなる点灯指示信号長検出器が、点灯指示信号によって半導体レーザが所定の時間以上連続して点灯するように指示されていることを検出する。
【0035】
【実施例】
図1は本発明の第1実施例の構成を示すものである。
【0036】
この第1実施例は、請求項1〜4,6,7記載の発明の実施例である。この第1実施例は、前記半導体レーザ駆動装置において、電流源3、インバータ12及びスイッチ素子14を省略して充電コンデンサ1の放電制御を廃止するとともに、外部からの充放電制御禁止信号の入力を無くし、半導体レーザ4の点灯を指示する点灯指示信号をモニターして半導体レーザ4に一定時間以上連続して点灯が指示されていることを検出する点灯指示信号長検出器15を設けるようにしたものであり、バッファ11及びスイッチ素子13により充電制御回路16が構成される。
【0037】
充電制御回路16は、半導体レーザ4が点灯してから半導体レーザ4の照射するレーザ光の光量を検出する光検出器7と、この光検出器7の出力信号を増幅する増幅器8の出力信号が半導体レーザ4の照射するレーザ光の光量に追従したであろう時刻を点灯指示信号長検出器15の出力信号によって知って充電コンデンサ1への充電制御を行うものである。バッファ11は、点灯指示信号長検出器15から充電制御禁止信号として出力される出力信号が高レベルになることによってオンし、点灯指示信号長検出器15から充電制御禁止信号として出力される出力信号が低レベルになることによってオフする。図7はこの様子を示したものであり、半導体レーザ4の点灯時間tが連続して一定時間以上になった時には、バッファ11が点灯指示信号長検出器15の出力信号によってオンして充電コンデンサ1の充電が許可され、基準信号電圧Vrefに対して増幅器8からの受光量信号電圧が低ければスイッチ素子13が比較器9からバッファ11を介して入力される充電制御信号によりオンになって電流源2から充電コンデンサ1に充電される。
【0038】
点灯制御回路6は半導体レーザ4の点灯を指示する点灯指示信号によって半導体レーザ4に電流源5で生じる電流を流して半導体レーザ4を点灯させ、半導体レーザ4の照射するレーザ光の光量が光検出器7で検出される。光検出器7および増幅器8は半導体レーザ4から照射されたレーザ光の光量を電気信号に変換して増幅する。この増幅器8の出力信号波形は、光検出器7及び増幅器8の応答遅れによって半導体レーザ4が照射したレーザ光の光波形に対して徐々に立ち上がり、その立ち上がり遅れ時間Trが経過した後に半導体レーザ4が実際に照射しているレーザ光の光量を示す電圧に達する。
【0039】
半導体レーザ4の点灯を指示する点灯指示信号は点灯制御回路6だけでなく点灯指示信号長検出器15にも入力され、点灯指示信号長検出器15は光検出器7および増幅器8による応答遅れ時間:立ち上がり遅れ時間Trを見込んだ時間以上の時間t0が経過した後に充電の制御の禁止を解除する信号を充電制御回路16へ出力し、充電制御回路16は半導体レーザ4が照射しているレーザ光の光量をほぼ一定に保つように充電コンデンサ1に対して充電の制御を行う。
【0040】
この充電制御回路16による充電制御では、半導体レーザ4が照射するレーザ光の光量を示す増幅器8からの受光量信号電圧が基準信号電圧Vrefより低いときにはスイッチ素子13がオンして充電コンデンサ1に充電用電流源2から充電し、半導体レーザ4が照射するレーザ光の光量を示す受光量信号電圧が基準信号電圧Vrefと等しくなったときにスイッチ素子13がオフして充電コンデンサ1に対して充電するのを停止して充電コンデンサ1の充電電圧を維持するようにし、半導体レーザ4の照射するレーザ光の光量をほぼ一定にする。
【0041】
点灯指示信号長検出器15は、半導体レーザ4に対する点灯指示信号が解除されて点灯制御回路6により半導体レーザ4が消灯するとほぼ同時に出力信号を停止して充電コンデンサ1への充電の制御を禁止し、その時点の充電コンデンサ1の充電電圧を保持するようにする。
点灯指示信号長検出器15は、半導体レーザ4に対する点灯指示信号が発生しても光検出器7および増幅器8による応答遅れ時間:立ち上がり遅れ時間Trを見込んだ時間t0が経過せずに半導体レーザ4への点灯指示信号が解除されたときには出力信号を出力せずに充電の制御の禁止を解除しない。
【0042】
図8は上記点灯指示信号長検出器15の一例を示し、図9はその動作を示す。点灯指示信号長検出器15は1ショットマルチバイブレータ17及びオアゲート18により構成される。半導体レーザ4に対する点灯指示信号は1ショットマルチバイブレータ17に入力され、1ショットマルチバイブレータ17は半導体レーザ4に対する点灯指示信号が発生してから光検出器7および増幅器8による応答遅れ時間:立ち上がり遅れ時間Trを見込んだ時間t0(t0>Tr)のパルスを発生する。この1ショットマルチバイブレータ17の出力信号と半導体レーザ4に対する点灯指示信号との論理和がオアゲート18でとられ、このオアゲート18の出力信号が充電の制御を禁止する信号として充電制御回路16へ出力される。
【0043】
この第1実施例では、充電コンデンサ1の放電制御を廃止するとともに、半導体レーザ4の点灯を指示する点灯指示信号をモニターして半導体レーザ4に一定時間以上連続して点灯が指示されていることを検出する点灯指示信号長検出器15を設け、従来の半導体レーザ駆動装置で必要としていた半導体レーザのスイッチングに先立って充放電制御回路の作動を禁止する充放電制御禁止信号の入力を無くしたので、半導体レーザの照射レーザ光量をほぼ一定に保ったままで半導体レーザを簡便に高速スイッチングできる装置が安価に実現できる。
【0044】
図10は本発明の第2実施例における点灯指示信号長検出器15を示し、図11にその動作を示す。
この第2実施例は、請求項8記載の発明の実施例であり、上記第1実施例において、図10に示す点灯指示信号長検出器15を用いるようにしたものである。図10に示す点灯指示信号長検出器15は、インバ−タ19〜21、抵抗22、コンデンサ23及びダイオード24からなるパルス先頭遅延回路によって構成される。
【0045】
このパルス先頭遅延回路では、半導体レーザ4に対する点灯指示信号はインバータ19に入力され、このインバータ19は半導体レーザ4に対する点灯指示信号の反転波形を出力する(図10のA部で発生する)。半導体レーザ4に対する点灯指示信号はインバータ20にも入力され、このインバータ20からA部の波形と同様な波形が出力される(図10のC部で発生する)が、このC部に発生した高レベル(H)の信号はダイオード24によって図10のB部とは電気的に切り離されているためにB部には電気的な影響を及ぼさない。
【0046】
A部に発生した波形は抵抗22、コンデンサ23により構成される積分回路で積分されてB部に伝えられ、その波形の立ち上がりは抵抗22、コンデンサ23による時定数τ(抵抗22の抵抗値×コンデンサ23の容量)で決定される積分波形となる。
半導体レーザ4に対する点灯指示信号が解除されると、C部は低レベル(L)となる。コンデンサ23に充電された電荷はダイオード24を通ってインバータ20に引き込まれ、B部の波形はC部がLとなるとほぼ同時にLになる。
【0047】
B部の波形は、インバータ21によって波形成形され、半導体レーザ4に対する点灯指示信号に対して立ち下がりのみが遅れたものとなる(点灯指示信号パルスの先頭が遅延したものとなる)。この立ち下がり遅れ時間:パルス先頭遅延時間は、B部の立ち上がり積分波形の時定数によって決定され、抵抗22、コンデンサ23の定数によって制御することができる。
このパルス先頭遅延時間は光検出器7および増幅器8による応答遅れ時間:立ち上がり遅れ時間Trを見込んだ時間t0(t0>Tr)に設定されて安価な点灯指示信号長検出器15が構成され、インバータ21の出力信号が充電の制御を禁止する信号として充電制御回路16へ出力される。
【0048】
図12は本発明の第3実施例におけるパルス先頭遅延回路からなる点灯指示信号長検出器15を示し、図13はその動作を示す。
この第3実施例は、請求項8記載の発明の実施例であって、上記第1実施例において、図12に示す点灯指示信号長検出器15を用いるようにしたものである。このパルス先頭遅延回路からなる点灯指示信号長検出器15は、図10に示すパルス先頭遅延回路において、半導体レーザ点灯指示信号を正論理にしてインバータ19〜21の代りにバッファ25〜27を用いるようにしたものであり、A部及びC部の波形が半導体レーザ点灯指示信号と同じになる点を除いて図10に示すパルス先頭遅延回路と同様に動作する。
【0049】
なお、図10及び図12に示す点灯指示信号長検出器15において、波形成形を担うインバータ21およびバッファ27をシュミット型のものにすることで、B部の積分波形の立ち上がり時のチャタリングを防止することができる。
請求項5記載の発明の実施例では、上記実施例において、充電コンデンサ1に充電するための電流源2を、半導体レーザ4の照射光量を増加させる増加率を規定するために定電流源としている。
【0050】
また、本発明の他の実施例では、半導体レーザ4の照射光量を増加させる増加率を規定せず、上記実施例において、充電コンデンサ1に充電するための電流源2を、図16(a)に示すように(+)電源と充電コンデンサ1との間に抵抗28を接続した簡易電流源としている。この場合、充電コンデンサ1の電圧VCHと電流Iとの関係は図16(b)のようになり、充電コンデンサ1の電圧が低いときには充電電流が多く流れる為半導体レーザ4の点灯初期において光量の増加を早めることができる。
【0051】
上記実施例において、充電コンデンサ1に対して充電用の電流源2以外からの電流の流入が生じた場合には充電コンデンサ1の充電電圧が徐々に増加して行き、半導体レーザ4に流れる電流がそれにつれて徐々に増加して半導体レーザ4の照射光量をほぼ一定に保てなくなるばかりではなく、半導体レーザ4を破壊してしまうことが考えられる。
この状態を回避するために、本発明の他の実施例では、上記実施例において、図17に示すように充電コンデンサ1に並列に抵抗29を接続して常に充電コンデンサ1から抵抗29を通して放電させるようにしている。この場合、放電電流は充電用電流源2からの電流量より少なく設定される。
【0052】
【発明の効果】
以上のように請求項1記載の発明によれば、レーザ光を照射する半導体レーザと、この半導体レーザから照射されるレーザ光の光量を検出する光検出器と、この光検出器の出力信号を増幅する増幅器と、この増幅器の出力信号から前記半導体レーザからのレーザ光の光量が所定の値に達しているかどうかを判断するために前記増幅器の出力信号を所定の基準信号と比較する比較器と、この比較器の出力信号によって充電が制御される充電コンデンサと、この充電コンデンサに充電する電流量を決定する第1の電流源と、前記充電コンデンサに充電された電圧に比例した電流を前記半導体レーザに流す第2の電流源と、前記半導体レーザからのレーザ光の光量が所定の値に達していないときに前記比較器が出力する信号によって前記充電コンデンサに充電するように前記充電コンデンサの充電を制御する充電制御回路とを備え、前記充電コンデンサの放電制御と、前記充電コンデンサの充放電制御を禁止する充放電制御禁止信号入力が無いので、半導体レーザの照射光量をほぼ一定に保ったままで半導体レーザを簡便に高速スイッチングすることが可能となり、安価に実現することが可能となる。
【0053】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の半導体レーザ駆動装置において、前記半導体レーザの点灯を指示する点灯指示信号によって前記第2の電流源による電流を前記半導体レーザに流すことにより前記半導体レーザの点灯を制御する点灯制御回路を備えたので、充電コンデンサの放電制御を廃止するとともに、従来の半導体レーザ駆動装置で必要としていた半導体レーザのスイッチングに先立って充放電制御回路の作動を禁止する充放電制御禁止信号の入力を無くして、半導体レーザの照射光量をほぼ一定に保ったままで半導体レーザを簡便に高速スイッチングすることが可能となり、安価に実現することが可能となる。
【0054】
請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の半導体レーザ駆動装置において、前記点灯指示信号によって前記半導体レーザが所定の時間以上連続して点灯するように指示されていることを検出する点灯指示信号長検出器を備え、この点灯指示信号長検出器が前記点灯指示信号によって前記半導体レーザが所定の時間以上連続して点灯するように指示されていることを検出したときに出力する信号によって前記充電制御回路が機能するようにしたので、充電コンデンサの放電制御を廃止できるとともに、従来の半導体レーザ駆動装置で必要としていた半導体レーザのスイッチングに先立って充放電制御回路の作動を禁止する充放電制御禁止信号の入力を無くすことができて、半導体レーザの照射光量をほぼ一定に保ったままで半導体レーザを簡便に高速スイッチングでき、安価に実現できる。
【0055】
請求項4記載の発明によれば、請求項3記載の半導体レーザ駆動装置において、前記点灯指示信号長検出器が検出する前記所定の時間を、前記半導体レーザが点灯した後に前記光検出器および前記増幅器の出力信号が前記半導体レーザの照射しているレーザ光の光量に追従するまでの時間以上としたので、充電コンデンサの放電制御を廃止できるとともに、従来の半導体レーザ駆動装置で必要としていた半導体レーザのスイッチングに先立って充放電制御回路の作動を禁止する充放電制御禁止信号の入力を無くすことができて、半導体レーザの照射光量をほぼ一定に保ったままで半導体レーザを簡便に高速スイッチングでき、安価に実現できる。
【0056】
請求項5記載の発明によれば、請求項1,2,3または4記載の半導体レーザ駆動装置において、前記第1の電流源を定電流源としたので、半導体レーザの照射光量を増加させる増加率を規定することができる。
【0057】
請求項6記載の発明によれば、請求項1,2,3,4または5記載の半導体レーザ駆動装置において、前記半導体レーザが点灯している間は前記充電コンデンサからの放電の制御を行わないので、安価に実現できる。
【0059】
請求項7記載の発明によれば、請求項3,4,5または6記載の半導体レーザ駆動装置において、前記点灯指示信号長検出器を1ショットマルチバイブレータによって構成したので、安価に実現できる。
【0060】
請求項8記載の発明によれば、請求項3,4,5または6記載の半導体レーザ駆動装置において、前記点灯指示信号長検出器をパルス先頭遅延回路としたので、安価に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1〜4,6,7記載の発明の実施例を示す回路図である。
【図2】従来装置の半導体レーザ光量制御動作を示すタイミングチャートである。
【図3】従来装置における半導体レーザの光波形と増幅器の出力信号の遅れを示すタイミングチャートである。
【図4】従来装置における半導体レーザの高速スイッチング時の増幅器の出力状態を示すタイミングチャートである。
【図5】従来装置で充放電制御の禁止を行わなずに半導体レーザを高速にスイッチングしたときの状態を示すタイミングチャートである。
【図6】従来装置で充放電制御の禁止を行なって半導体レーザを高速にスイッチングしたときの状態を示すタイミングチャートである。
【図7】上記実施例で半導体レーザを高速にスイッチングしたときの状態を示すタイミングチャートである。
【図8】上記実施例の点灯指示信号長検出器を示すブロック図である。
【図9】同点灯指示信号長検出器の動作を示すタイミングチャートである。
【図10】請求項8記載の発明の実施例の点灯指示信号長検出器を示す回路図である。
【図11】同点灯指示信号長検出器の動作を示すタイミングチャートである。
【図12】請求項8記載の発明の他の実施例の点灯指示信号長検出器を示す回路図である。
【図13】同点灯指示信号長検出器の動作を示すタイミングチャートである。
【図14】上記実施例で放電制御を行わないときの光量制御の状態を示すタイミングチャートである。
【図15】一般的な半導体レーザのI−L特性を示す特性図である。
【図16】本発明の他の実施例の一部を示す回路図である。
【図17】本発明の他の実施例の一部を示す回路図である。
【図18】従来の半導体レーザ駆動装置を示す回路図である。
【符号の説明】
1 充電コンデンサ
2 充電用電流源
4 半導体レーザ
5 半導体レーザ駆動用電流源
6 半導体レーザ点灯制御回路
7 光検出器
8 増幅器
9 比較器
11 バッファ
13 スイッチ素子
15 点灯指示信号長検出器
16 充電制御回路
17 1ショットマルチバイブレータ
18 オアゲート
19〜21 インバータ
22 抵抗
23 コンデンサ
24 ダイオード
25〜27 バッファ
28,29 抵抗
Claims (8)
- レーザ光を照射する半導体レーザと、この半導体レーザから照射されるレーザ光の光量を検出する光検出器と、この光検出器の出力信号を増幅する増幅器と、この増幅器の出力信号から前記半導体レーザからのレーザ光の光量が所定の値に達しているかどうかを判断するために前記増幅器の出力信号を所定の基準信号と比較する比較器と、この比較器の出力信号によって充電が制御される充電コンデンサと、この充電コンデンサに充電する電流量を決定する第1の電流源と、前記充電コンデンサに充電された電圧に比例した電流を前記半導体レーザに流す第2の電流源と、前記半導体レーザからのレーザ光の光量が所定の値に達していないときに前記比較器が出力する信号によって前記充電コンデンサに充電するように前記充電コンデンサの充電を制御する充電制御回路とを備え、前記充電コンデンサの放電制御と、前記充電コンデンサの充放電制御を禁止する充放電制御禁止信号入力が無いことを特徴とする半導体レーザ駆動装置。
- 請求項1記載の半導体レーザ駆動装置において、前記半導体レーザの点灯を指示する点灯指示信号によって前記第2の電流源による電流を前記半導体レーザに流すことにより前記半導体レーザの点灯を制御する点灯制御回路を備えたことを特徴とする半導体レーザ駆動装置。
- 請求項2記載の半導体レーザ駆動装置において、前記点灯指示信号によって前記半導体レーザが所定の時間以上連続して点灯するように指示されていることを検出する点灯指示信号長検出器を備え、この点灯指示信号長検出器が前記点灯指示信号によって前記半導体レーザが所定の時間以上連続して点灯するように指示されていることを検出したときに出力する信号によって前記充電制御回路が機能するようにしたことを特徴とする半導体レ−ザ駆動装置。
- 請求項3記載の半導体レーザ駆動装置において、前記点灯指示信号長検出器が検出する前記所定の時間を、前記半導体レーザが点灯した後に前記光検出器および前記増幅器の出力信号が前記半導体レーザの照射しているレーザ光の光量に追従するまでの時間以上としたことを特徴とする半導体レーザ駆動装置。
- 請求項1,2,3または4記載の半導体レーザ駆動装置において、前記第1の電流源を定電流源としたことを特徴とする半導体レーザ駆動装置。
- 請求項1,2,3,4または5記載の半導体レーザ駆動装置において、前記半導体レーザが点灯している間は前記充電コンデンサからの放電の制御を行わないことを特徴とする半導体レーザ駆動装置。
- 請求項3,4,5または6記載の半導体レーザ駆動装置において、前記点灯指示信号長検出器を1ショットマルチバイブレータによって構成したことを特徴とする半導体レーザ駆動装置。
- 請求項3,4,5または6記載の半導体レーザ駆動装置において、前記点灯指示信号長検出器をパルス先頭遅延回路としたことを特徴とする半導体レーザ駆動装置。
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