JP3599649B2 - 焼結体へのマーキング方法及び磁気ヘッド用基板の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、焼結体へのマーキング方法に関し、特に、コンタミネーションの発生を抑制しながらも目視可能な識別情報を刻印することができるマーキングに関する。また、本発明は、上記マーキングの工程を包含する磁気ヘッド用基板の製造、ならびに、識別情報がマーキングされた焼結体、磁気ヘッド、および記録媒体駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ハードディスクドライブ(HDD)装置、テープストレージ装置、およびフロッピーディスクドライブ(FDD)装置などに使用される磁気ヘッドスライダーには、種々の構成からなる薄膜磁気ヘッドが使用されている。このような薄膜磁気ヘッドに用いられる基板として、Al−TiC系、SiC系、ZrO系等の組成からなる焼結体基板が用いられている。
【0003】
図1(a)は、典型的な薄膜磁気ヘッドスライダ10を示している。この磁気ヘッドスライダ10のトラック側は、磁気ディスクの表面に対向する2本のサイドレール11を有しており、これらのサイドレール11が形成されている面はエア・ベアリング面(ABS)と称されることがある。ヘッドサスペンションによって磁気ヘッドスライダ10のサイドレール11が磁気ディスク表面を軽く押す状態で、磁気ディスクをモータなどによって高速回転させると、磁気ディスク表面にできる空気の層がスライダ10のエア・ベアリング面直下に入り込み、磁気ヘッドスライダ10を僅かに持ち上げることになる。こうして、磁気ヘッドスライダ10は磁気ディスクの表面近くを「飛行」するようにして記録/再生動作を行うことができる。
【0004】
磁気ヘッドスライダ10の一端面には、磁気ディスクなどの記録媒体との間で磁気的相互作用を行うための薄膜12が堆積されている。薄膜12は電気/磁気トランスデューサ素子を構成するために用いられる。一方、磁気ヘッドスライダ10の他の端面には、製品種を確認するために、認識番号などの識別情報13が刻印されている。識別情報13を焼結体基板に刻印する方法は、例えば、特開平9−81922号公報、特開平10−134317号公報、およびに特開平11−126311号公報等に開示されている。
【0005】
磁気ヘッドスライダ10は、図1(c)に示されるような焼結体基板1から図1(b)に示されるようなバー20を切り出した後、そのバー20を多数のチップに分離することによって作製される。図1(c)に示される焼結体基板1の端面4は、図1(a)に示される磁気ヘッドスライダ10のエア・ベアリング面に平行な位置関係にある。
【0006】
電子機器の小型軽量化のために薄膜ヘッドの寸法が小さくなるに従い、焼結体基板1の厚さ(磁気ヘッドスライダ10の長さLに相当)が薄くなるとともに、各バー20の厚さT(磁気ヘッドスライダ10の高さに相当)も薄くなってきている。例えば、ピコスライダと呼ばれる磁気ヘッドスライダの場合、Lは1.2mm程度であり、Tは0.3mm程度である。このように小型化された磁気ヘッドスライダに刻印されるべき文字のサイズも当然に小さくする必要がある。
【0007】
識別情報13の刻印(以下、「印字」または「IDマーク」と称する場合がある。)にはレーザマーキング法が広く用いられている。レーザマーキング法による場合、図1(b)や図1(c)に示される識別情報13は、各バー20に分割される前のウエハ状態にある基板1の裏面3に対して印字される。印字工程の後、基板1の表面2には、種々の薄膜12が積層されることになる。
【0008】
次に、図2を参照しながら、従来のレーザマーキング法を簡単に説明する。
【0009】
レーザマーキング法では、焼結体基板1の裏面3に対して、レンズ5で収束されたレーザビーム6を照射し、それによって、基板1の照射部分を急速に加熱し、蒸発させる。このとき、基板1の裏面3には小さな凹部が形成されるとともに、基板1を構成していた焼結体材料が周囲に飛散し、その一部は再びに基板1に付着する。レーザビーム6で基板1の裏面3を走査することによって、凹部の平面パターンを任意に描くことができる。英文字、数字、またはバーコードなどの凹部パターンを形成すれば、種々の識別情報13を基板1の任意の位置に書きこむことができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のレーザマーキング方法によれば、(1) 後工程でダスト化し、コンタミネーションとなるおそれの高い飛散物がレーザ照射によって発生し、印字溝内などに吸着・集積する、(2) レーザ光の照射によって、印字溝のエッジ部分にバリが発生するため、バリ除去のための工程が必要となる、などの問題点があった。
【0011】
図3(a)は、従来のレーザマーキング法によって焼結体基板1に印字を行った後の基板断面を模式的に示している。この断面図は、実際に撮影した走査型電子顕微鏡(SEM)写真に基づいて作成したものである。この図に示されるように、レーザ光の照射によって基板1の表面には深い凹部30が形成される。基板裏面から矢印aの方向に沿って計測した凹部の深さは、30〜50μmである。凹部のエッジには凸部(バリ)31が形成されている。矢印bの方向に沿って計測したバリ31の高さは数μmである。凹部の幅は、例えば20μm程度である。なお、本願明細書では、凹部の深さを「印字深さ」と称し、凹部周囲の隆起部分の高さを「エッジバリ高さ」と称することにする。
【0012】
レーザ光照射によって形成された深い凹部30には多数のパーティクル32が付着している。パーティクル32は必ずしも「粒子」の形状を有しているとは限らないが、本願明細書では、簡単化のため「パーティクル」と表現することにする。このようなパーティクル32を基板1から取り除くためには、マーキング工程後に超音波洗浄などの洗浄工程を長時間実行する必要がある。しかしながら、深い凹部30の深い位置に入り込んだパーティクル32を充分に取り除くことは困難であった。
【0013】
印字工程で大量のパーティクル32が発生すると、そのパーティクル32のうち洗浄液中に分散したものの一部が、基板1のレーザ光照射を行っていない側の面(表面2)にも再付着する可能性がある。そのような再付着が生じた場合において、基板1の表面2に非晶質酸化アルミニウム膜などの絶縁薄膜を堆積すると、その絶縁膜中にパーティクル32が取り込まれてしまうおそれがある。また、絶縁薄膜上に磁性薄膜を堆積する前に絶縁薄膜の表面は平滑化されるため、もしも絶縁薄膜中にパーティクル32が取り込まれていると、パーティクル32とともに絶縁薄膜の局所的な剥離が生じ、絶縁薄膜中にピンホールが形成されるおそれもある。たとえピンホールが形成されない場合でも、パーティクル32の存在によって絶縁薄膜の厚さが実質的に薄くなった部分ができると、その部分における絶縁薄膜の絶縁性が低下してしまう可能性がある。さらに、このような絶縁膜中へのパーティクルの取り込みが生じなくても、基板裏面の印字部分がダスト源として機能すれば、その後の種々のプロセスで歩留まりが低下し、また、最終製品自体の信頼性も悪くなると考えられる。
【0014】
したがって、薄膜磁気ヘッドの製造歩留まりを向上させるには、焼結体基板1上に堆積する絶縁膜の膜質をできるかぎり良くすることが好ましく、そのためには、ダストまたはコンタミネーションの発生原因となり得るマーキング工程を改善し、ダストを発生しにくいものにすることが望まれる。さらに加えて、部品として完成した後の磁気ヘッドもクリーンな環境で使用されるため、そのときにダストを発生させることがあっても問題が生じる。
【0015】
一方、このようなレーザマーキング法に代え、化学的エッチングによって焼結体基板に識別情報を書き込む方法も提案されている。しかし、化学的エッチングによる場合でも、基板表面に形成した凹部(溝)が深い場合は、その部分にパーティクルが取り込まれ、ダストまたはコンタミネーションが発生する。
【0016】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、塵埃発生が少なく、バリの形成も抑制される焼結体へのマーキング方法を提供することにある。
【0017】
本発明の他の目的は、上記マーキング方法による印字工程を実行することによって、高品質の焼結体、磁気ヘッド用基板、磁気ヘッド、および記録媒体駆動装置を歩留まり良く製造する方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明による焼結体へのマーキング方法は、レーザ光を焼結体に照射することによって前記焼結体に凹部を形成し、それによって前記焼結体に識別情報を書きこむ焼結体へのマーキング方法であって、前記凹部の深さを0.1μm以上5μm以下の範囲内に調整することを特徴とする。
【0019】
ある好ましい実施形態においては、前記焼結体のビッカース硬度が1600以上である。
【0020】
ある好ましい実施形態においては、前記焼結体がアルミナチタンカーバイドから形成されている。
【0021】
ある好ましい実施形態においては、前記焼結体は磁気ヘッド用基板である。
【0022】
本発明による磁気ヘッド用基板の製造方法は、上記の焼結体へのマーキング方法によって前記磁気ヘッド用基板の第1の面に識別情報を書きこむ工程と、超音波を用いて前記磁気ヘッド用基板を洗浄する工程とを包含する。
【0023】
ある好ましい実施形態においては、前記磁気ヘッド用基板を洗浄した後、前記磁気ヘッド用基板の第2の面上に薄膜を堆積する工程をさらに包含する。
【0024】
本発明による磁気ヘッド用基板は、レーザ光の照射によって刻印された識別情報を有する磁気ヘッド用基板であって、前記識別情報は、0.1μm以上5μm以下の深さをもつ凹部によって構成されていることを特徴とする。
【0025】
本発明による磁気ヘッドは、レーザ光の照射によって刻印された識別情報を有する磁気ヘッド用であって、前記識別情報は、0.1μm以上5μm以下の深さをもつ凹部によって構成されていることを特徴とする。
【0026】
本発明による他の焼結体へのマーキング方法は、第1の材料からなる第1の粉末粒子、およびエッチング特性が前記第1の材料とは異なる第2の材料からなる第2の粉末粒子を含む混合粉末から形成された焼結体を用意する工程と、前記焼結体の表面のうち選択された部分において、前記第2の粉末粒子よりも前記第1の粉末粒子を優先的にエッチングする選択的エッチング処理を行い、それによって前記焼結体の表面に識別情報を書き込む工程とを包含する。
【0027】
好ましい実施形態では、前記第1の粉末粒子および前記第2の粉末粒子の平均粒径は何れも0.3μm以上5.0μm以下である。
【0028】
前記焼結体の表面において、前記選択的エッチング処理を受けた部分の反射率と前記選択的エッチング処理を受けなかった部分の反射率との差異は、ある波長の光に対して15%以上異なることが好ましい。
【0029】
前記波長は、前記識別情報を光学的に読み取るために前記焼結体に照射される光の波長範囲に含まれていることが好ましい。
【0030】
前記焼結体の表面において、前記選択的エッチング処理を受けなかった部分の平面粗度は5nm以下であることが好ましい。
【0031】
前記焼結体の表面において、前記選択的エッチング処理を受けた部分のエッチング深さの平均値は5nm以上200nm以下であることが好ましい。
【0032】
前記第1の材料および前記第2の材料は、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化珪素、窒化珪素、酸化ジルコニウム、窒化ジルコニウム、炭化珪素、炭化チタン、酸化チタン、および酸化鉄からなる群から選択された化合物であることか好ましい。
【0033】
本発明による磁気ヘッド用基板の製造方法は、上記焼結体へのマーキング方法によって前記焼結体へ識別情報を書き込む工程を包含する。
【0034】
本発明による磁気ヘッドの製造方法は、上記磁気ヘッド用基板の製造方法によって製造された磁気ヘッド用基板を用いて、前記識別情報が付与された磁気ヘッドを製造する。
【0035】
本発明による焼結体は、第1の材料からなる第1の粉末粒子、およびエッチング特性が前記第1の材料とは異なる第2の材料からなる第2の粉末粒子を含む混合粉末から形成された焼結体であって、前記焼結体の表面のうち選択された部分において、前記第2の粉末粒子よりも前記第1の粉末粒子が選択的にエッチングされており、それによって前記焼結体の表面に識別情報が書き込まれている。
【0036】
好ましい実施形態において、前記第1の粉末粒子および前記第2の粉末粒子の平均粒径は何れも0.3μm以上5.0μm以下である。
【0037】
前記焼結体の表面において、前記エッチングされた部分の反射率とエッチングされていない部分の反射率との差異が、ある波長の光に対して15%以上異なることが好ましい。
【0038】
前記波長は、前記識別情報を光学的に読み取るために前記焼結体に照射される光の波長範囲に含まれていることが好ましい。
【0039】
前記焼結体の表面において、前記エッチングされなかった部分の平面粗度は5nm以下であることが好ましい。
【0040】
前記焼結体の表面において、前記エッチングされた部分のエッチング深さの平均値は5nm以上200nm以下であることが好ましい。
【0041】
前記第1の材料および前記第2の材料は、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化珪素、窒化珪素、酸化ジルコニウム、窒化ジルコニウム、炭化珪素、炭化チタン、酸化チタン、および酸化鉄からなる群から選択された化合物であることが好ましい。
【0042】
本発明による磁気ヘッド用基板は、上記焼結体から構成されていることを特徴とする。
【0043】
本発明による磁気ヘッドは、上記の磁気ヘッド用基板と、前記磁気ヘッド用基板上に形成された電気/磁気トランスデューサ素子とを備えていることを特徴とする。
【0044】
本発明による記録媒体駆動装置は、上記磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドによって情報の記録/再生が行われる磁気記録膜を有する記録媒体と、前記記録媒体を駆動するモータとを備えていることを特徴とする。
【0045】
【発明の実施の形態】
レーザマーキング法によって形成される印字溝が深ければ深いほど、溝部分と平坦部分との間で光の反射に関するコントラストは大きくなる。従来、識別情報を正確に読み取るためには、印字溝は深いほど好ましいと考えられていた。
【0046】
一方、レーザマーキングを行なうとバリが形成されるため、バリを除去するための研磨工程が必要となる。従来、基板平面度が5〜8μm程度と低く、バリを確実に除去するための研磨工程を行なうと、基板の表面が部分的に大きく削られる結果、印字溝が浅い場合、その研磨で印字溝が消失し、識別情報の読み取りが不可能になるチップが形成されると思われていた。
【0047】
以上のことから、従来は、印字溝の深さが最低でも10μm程度以上必要であるとの技術常識が存在していた。そのため、マーキングのためのレーザ照射装置で使用するレーザの波長、電源の安定性、レーザビームの走査速度などの諸条件は、深さが20〜50μmの深い溝を形成するために最適化されていた。このため、これらの条件を変更し、あえてコントラストの低い(読み取りにくい)、浅い印字溝を形成するべきとの考えは全く存在していなかった。
【0048】
本発明者は、このような技術常識に拘泥せず、あえて印字溝を浅く形成してみたところ、印字溝の深さが特定範囲にある場合、パーティクル数やエッジバリ高さを予想外に低減することができ、しかも、自動読み取り装置でも充分に読み取りが可能であることを見出し、本発明を想到するに至った。
【0049】
以下、図面を参照しながら、本発明の第1の実施形態を説明する。
【0050】
[焼結体へのマーキング方法1]
まず、公知の方法によって作製された焼結体基板を用意する。本発明を適用するうえで、どのような焼結体材料・組成を選択するかは任意である。
【0051】
次に、図2に示す方法と同様の方法を用いてレーザ光を焼結体に照射し、焼結体に凹部を形成する。このとき、レーザ照射装置(レーザマーカ)の光学系、または基板をホールドする支持機構をX−Y方向に高い精度で駆動することによって、レーザ光で基板表面を走査する。走査時、コンピュータなどの記憶装置にあらかじめ格納されたプログラムにしたがってレーザ光のビームスポットが基板表面を移動し、基板表面に任意のパターンをもった凹部が形成される。こうして、目視によっても認識可能な識別情報が焼結体に書きこまれることになる。
【0052】
レーザ光の光源としては、出力の観点から、例えばCOレーザやYAGレーザなどのガスレーザを用いることが好ましい。照射するレーザ光の好ましい波長は、レーザ光が焼結体に効率良く吸収され、焼結体を急速に加熱できる波長範囲にあれば良い。
【0053】
レーザ装置の光学系は、焼結体表面におけるレーザビームスポット径がレーザ光の波長程度になるように設計される。実際に形成される凹部の幅は、印字する記号や文字のサイズにもよるが、数μm程度であり、レーザ光のビームスポット径よりも大きい。これは、レーザ光が焼結体に照射されると、レーザ光の照射部分だけではなく、その周囲の部分も加熱され、飛散し、相対的に幅広の凹部を形成するためである。
【0054】
本発明では、このようして形成される凹部の深さを0.1μm以上5μm以下の範囲内に調整する。このような凹部深さの調整は、レーザ光の出力パワーを制御することによって達成される。出力パワーを制御する代わりにレーザ光の走査速度を制御したとしても同様の効果が得られるが、精度の高い制御を行うには、レーザ光のパワーを調節することが好ましい。なお、上記のように印字部の凹部深さを0.1μm以上5μm以下の範囲に調節することが好ましい理由については、のちに詳述する。
【0055】
[磁気ヘッド用基板の製造方法1]
次に、本発明による磁気ヘッド用基板の製造方法の実施形態を説明する。
【0056】
まず、例えば、アルミナチタンカーバイドなどの焼結体基板(ビッカース硬度1600以上)を用意する。この基板において、磁性薄膜が積層される側の面の反対面、すならち基板裏面側に対して、前述のレーザマーキング法によって識別情報を印字する。印字溝の深さは0.1μm以上5μm以下の範囲内に制御する。
【0057】
次に、印字工程で形成されたパーティクル(ダスト)を除去するため、基板を純水中に浸し、超音波洗浄を行う。その後、スパッタ法を用いて、基板の表面側に非晶質酸化アルミニウム膜(厚さ: 例えば0.5〜20μm)を堆積する。次に、非晶質酸化アルミニウム膜の表面を平坦化し、薄膜磁気ヘッド用基板作製プロセスの基本段階が完了する。
【0058】
その後、この薄膜磁気ヘッド用基板には、種々の磁性薄膜が積層される。こうして形成された基板を図1(c)に示されるように複数のバー20に分割すると、図1(b)に示されるように、各バー20には複数の識別情報13が印字されていることになる。最終的に各バー20から分離された磁気ヘッド用スライダの各々は、図1(a)に示されるように固有の識別情報13が記述された状態になる。こうして、各磁気ヘッドスライダのシリアル番号を簡単に識別することができるようになるため、ヘッド生産時の工程管理を従来と同様に実行することができる。
【0059】
本実施形態によれば、レーザマーキング工程に起因するコンタミネーションの問題を解決でき、また、ダスト混入を極力さけるべき磁気記録媒体駆動装置の中にあっても好適に使用できる磁気ヘッドを製造できる。その結果、磁気ヘッドの製造歩留まりが向上するとともに、そのような磁気ヘッドを備えた磁気記録再生装置の信頼性も向上する。
【0060】
(実施例A)
本実施例では、レーザ光による印字対象(焼結体)として、66wt%のAlおよび34wt%のTiCからなる複合焼結体のアルミナチタンカーバイド基板を用いた。この焼結体基板は、厚さ1.2mmの矩形薄板(50mm×50mm)に機械加工されたものであり、その表面は、ダイヤモンドスラリー(平均粒径1μm)を用いた鏡面加工によって表面粗度Raが0.5〜1.5nmとなるように仕上げ加工を施されている。
【0061】
本実施例では、基板の裏面側となる面に波長1063nmのレーザ光を照射することによって識別情報を印字した。印字は、基板の各ヘッド部に7桁の記号(文字や数字)をマークするように行った。1枚の基板裏面には合計3000個所(文字数にして21000個)のマークキングを行った。刻印した各文字の大きさは、約100×約150μmであった。
【0062】
レーザ光の光源としては、YAGレーザを用いた。各サンプルに対するマーキングは、レーザ光の走査速度(Marking Speed)を40mm/secの一定値にして行った。ただし、刻印する溝の深さ(印字深さ)は、レーザ光の出力を0.1〜1.0ワット(W)の範囲で調整することによって制御した。基板表面上でのレーザ光のスポット径は10μm程度であった。
【0063】
アルミナチタンカーバイド基板の裏面において、レーザ光が照射された部分は、瞬時に融点またそれ以上の高温に加熱され、幅数μmの凹部を形成するとともに、その周辺には僅かに隆起部分が形成された。図3 (b)は、本実施例におけるアルミナチタンカーバイド基板のレーザ照射部位の断面を示している。
【0064】
このようなレーザ照射条件のもとでアルミナチタンカーバイド基板に印字した後、基板に対する超音波洗浄を純水中で実行した。その後、基板に残存しているパーティクル(直径2μm以上)の数をリキッドパーティクルカウンタによって計測した。また、エッジバリの高さをSEM観察によって計測し、さらに、印字された識別情報を目視によって認識できるか否かも評価した。
【0065】
以上の結果を下記の表1に示す。
【0066】
【表1】
Figure 0003599649
【0067】
表1における「パーティクル数」とは、純水100ml中で検知されたパーティクルの数である。印字深さ0.05〜30μmは、レーザ光パワー0.1〜1.0Wに対応している。なお、わかりやすさのため、「パーティクル数」と「印字深さ」との関係を図4のグラフに示す。
【0068】
表1および図4から明らかなように、印字深さが深いほど、パーティクル数およびエッジバリ高さが増加している。特に、印字深さが10μm以上になると、パーティクル数が25万個を超え、エッジバリ高さも1.5μmに達した。これに対して、印字深さが5μm以下であれば、パーティクル数も1万個を下回り、エッジバリ高さは0.2μm以下に抑えられた。
【0069】
この実験結果から、印字深さは5μm以下にすることが好ましいことがわかる。ただし、印字深さが0.05μmになると、目視によっては識別情報を認識できなくなるため、印字深さの下限値は0.1μm以上に設定することが好ましい。目視による認識可能性を高く維持する観点からは、印字深さを0.5μm以上にすることがより好ましい。ダスト低減の観点からは印字深さを1μm以下にすることがより好ましいといえる。
【0070】
印字深さが10μmの場合と5μmの場合とでパーティクル数が約30:1と大きく変化しているが、印字深さが0.1μm以上5μm以下の範囲(本発明の範囲)では、パーティクル数もエッジバリ高さも大きな変化は無い。この理由は不明であるが、印字深さを5μm以下の値に減少させるだけで、パーティクル数とエッジバリ高さの両方を大幅に低減することができることがわかる。
【0071】
従来のレーザマーキング技術では、目視による認識しやすさを最優先していたためか、深さ30μm以上の印字を行うことが当然と考えられていた。本発明者は、印字深さが5μm以下であっても目視による認識が可能な深さ範囲が存在し、しかも、パーティクル数およびエッジバリ高さを予想外に大きく低減できることを見出し、本発明を想到するに至った。
【0072】
本発明ではレーザ光照射によって焼結体に印字を行うため、焼結体の硬度が非常に高いもの(ビッカース硬度2000以上)であっても、短時間で効率良く識別情報を書きこむことができる。
【0073】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態を説明する。
【0074】
焼結体への刻印に起因するコンタミネーションの問題を解決するため、刻印の凹部深さを浅くすると、刻印文字などの識別情報を読み取ることが困難になる場合がある。通常、識別情報の読み取りを行うためには、刻印部分に光を照射し、そこから反射される光を画像処理して識別情報を認識することが行われている。反射光から識別情報を再生することができるのは、刻印の凹部と平坦部(バックグラウンド部分)との間で反射光にコントラストが生じるためである。このコントラストは、刻印凹部が深いほど強くなる。このため、刻印に起因するコンタミネーションを低減する目的で刻印凹部を浅くすると、反射光のコントラストが小さくなりすぎるため、従来のウェハー文字認識システムでは、刻印された識別情報を正確に認識することができなくなってしまう。
【0075】
図5(a)は、従来のエッチング方法で形成された刻印の凹部断面を示している。図5(a)では、異なるエッチング特性を持った2種類の粉末粒子から形成された焼結体基板40の断面が示されている。焼結体基板40の表面において、エッチングされた部分(被エッチング面)42の幅(刻印溝の幅)は、図5では「C」で示されている。被エッチング面42は、エッチングされていない部分(未エッチング面)41よりも下方に位置し、未エッチング面41と被エッチング42との間には急峻な段差が形成されている。
【0076】
従来のエッチング方法によれば、焼結体基板40が異なるエッチング特性を持った2種類の粉末粒子から形成されている場合でも、エッチングが均等に進行するため、焼結体基板40体にはほぼ平坦な底面を持った凹部が形成されることになる。このように非選択的なエッチングの結果、焼結体基板40の表面における平坦部(未エッチング面41)の反射率と、凹部の底面(被エッチング面42)の反射率との間に実質的な差異は生じない。このような場合、反射光のコントラストは凹部の深さに依存し、識別情報を認識するのに必要なコントラストを得るには、200mnを超える深い凹部を形成することが必要になる。
【0077】
従来、このように非選択的なエッチングが行われてきた理由は、速いエッチングレートで効率良く深い凹部を形成する必要があったためである。エッチングレートを高めて深い凹部を形成するには、必然的に、選択性の無いエッチングを行うことになる。
【0078】
図5(b)は、これに対して、本発明によるマーキング方法で形成した刻印の凹部断面を示している。図5(b)の例では、焼結体基板50を構成する2種類の粒子が異なるエッチング特性を示す条件で選択エッチング処理を行う。その結果、エッチングレートの相対的に大きな粒子(図中、斜線を付加した粒子)は、エッチングレートの相対的に小さな粒子(図中、斜線を付加していない粒子)よりも優先的にエッチングされる。その結果、被エッチング面42に小さな凹凸が形成される。この凹凸は、粒子のサイズ程度の広さを持つ微細な凹凸であり、その凹部の深さはエッチング時間に依存して変化する。
【0079】
選択エッチング処理に際して、優先的にエッチングされる材料(粒子)に対するエッチングレートAは、相対的にエッチングされにくい材料(粒子)に対するエッチングレートBよりも10%以上大きいことが好ましい。すなわち、A/B≧1.1であることが好ましい。ただし、A/B≧1.07であっても、読み取り可能な反射率差が得られるため、本明細書では、A/B≧1.07となるようなエッチング処理を「選択的エッチング処理」と称することとする。
【0080】
本発明に係る焼結体基板50を構成する粒子の平均粒径は、0.3μm以上0.5μm以下であり、そのサイズは、マーキングで形成される凹部の幅C(5〜20μm)に比較して小さい。故に、刻印凹部の底面(被エッチング面42)は、識別情報読み取り装置からの照射光を乱反射し、その面の反射率は平坦部(未エッチング面41)の反射率よりも低下することになる。
【0081】
このように、焼結体基板50を構成する複合材料の一部材料のみを選択的にエッチングすることによって、エッチングされた面42の反射率を低下させる点に本発明の特徴がある。このようして、焼結体基板50の表面に反射率差を生じさせれば、凹部の深さ(エッチング深さ)を5nm以上200nm以下という範囲に制限しても、充分に強いコントラストを持った反射光を得ることがてぎる。焼結体基板表面の反射率は、照射する光の波長またはスペクトルにも依存する。したがって、識別情報を光学的に読み取る装置が実際に使用する照射光について、充分な大きさの反射率差が生じることが必要である。この反射率差は15%以上あれば識別可能なコントラストを生じさせる。
【0082】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0083】
[焼結体へのマーキング方法2]
まず、公知の方法によって作製された焼結体基板を用意する。
【0084】
本発明では、刻印対象となる焼結体基板として、ある特定のエッチャントに対するエッチング特性が異なる少なくとも2種類の粒子から構成された粉末を用いて製造されたものを用いる。このような焼結体基板の材料としては、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化珪素、窒化珪素、酸化ジルコニウム、窒化ジルコニウム、炭化珪素、炭化チタン、酸化チタン、および酸化鉄からなる群から選択された2種以上の化合物から形成されたセラミックスが好適である。
【0085】
本発明で重要な点は、焼結体基板の製造に用いられた粉末粒子が2種類以上の異なるエッチング特性を示すことにある。例えば、Alという化学式で共通に表現される同一組成の化合物であっても、希土類酸化物やアルカリ土類酸化物などの不純物添加の有無や不純物濃度の高低によって、その化合物のエッチング特性が大きく変化する場合がある。したがって、基本組成がAlで示される第1の粉末および第2の粉末に対して、それぞれ異なるエッチング特性を付与することも可能である。異なるエッチング特性を持つ2種類以上のAl粉末から製造した焼結体基板を用いても、本発明のマーキング方法を実施することは可能である。
【0086】
以下、図6(a)〜(d)を参照しながら、AlおよびTiCの2種類の材料から構成されたAl−TiC系セラミックスからなる焼結体基板50を例にとり、本発明の好ましい実施形態を説明することとする。
【0087】
まず、図6(a)に示すように、選択的エッチング処理の前に、焼結体基板50の表面のうちエッチングするべき領域以外の領域をマスキングする。マスキングは、耐エッチング性のある材料からなるマスク層51を用いて行う。例えばg線用ポジ型フォトレジストからマスク層51を形成する場合、まず、スピナーなどによって焼結体基板50の表面にg線用ポジ型フォトレジスト(膜厚:1〜2μm)を塗布し、ベークする。このようなフォトレジスト材料としては、例えば、東京応化(株)製の商品名「OFPR−800」を用いることができる。
【0088】
ベーク後、識別情報のパターンを規定するフォトマスクやタイトラーを介して、200mJ/cm程度のg線光をフォトレジストに照射する(露光工程)。
【0089】
露光工程の後、現像工程を経て、識別情報のパターンに対応するパターンを規定する開口部(幅C)を備えたレジストマスク51が焼結体基板50上に形成される。
【0090】
次に、レジストマスク51で表面が覆われた焼結体基板50をエッチング装置の反応チャンバー(不図示)に挿入し、選択的エッチング処理を実行する。この選択エッチング処理は、ドライエッチングであってもウェットエッチングであっても良い。ドライエッチングの場合は、選択的なエッチングを実行するために反応性エッチングである必要がある。エッチャントの供給源となるエッチングガスの種類は、エッチング対象となる材料に応じて適宜選択され得る。Al−TiC系セラミックス基板の場合は、例えばCFガスやSiHを好適に用いることができる。
【0091】
選択的エッチング処理が終了したとき、焼結体基板50の表面のうち、レジストマスク51に覆われてない部分(被エッチング面42)には、図6(b)に示されるように微細な凹凸が形成される。
【0092】
次に、図6(c)に示すようにレジストマスク51を焼結体基板50から除去する。微細な凹凸が形成された被エッチング面42の反射率R1は、相対的に平滑な未エッチング面41の反射率R2よりも低くなる(R1<R2)。図6(d)は、被エッチング面42の凹凸を模式的に示す平面図である。
【0093】
エッチングされるべき面のレイアウトは、レジストマスク51の平面パターンによって規定される。レジストマスク51の平面パターンは、露光工程で使用するフォトマスクやタイトラーによって任意の形状を与えられる。これ故、文字、記号、バーコードなどの任意の識別情報が焼結体基板50に書き込まれ得る。
【0094】
被エッチング面42の反射率R1を小さくするためには、焼結体基板50を構成する粒子の平均粒径よりも刻印される文字、記号、またはバーコードなどの線幅を大きくすることが好ましい。
【0095】
また、未エッチング面41の反射率R2を高くするには、その面41の平面粗度を小さくし、平滑化することが好ましい。そのためには、上記エッチングを行う前に焼結体基板50の表面を研磨することが有効である。
【0096】
反射率変化量すなわち反射率差ΔR(R2−R1)が大きいほど、焼結体基板50の表面に照射した光の反射光にコントラストが強く現れる。図6(d)を例にとると、被エッチング面42が他の部分よりも暗く見え、それによって刻印文字などの識別情報が正確に読み取られやすくなる。
【0097】
このように本発明では、エッチング深さを大きくすることなく、エッチング面の微細な凹凸を利用してコントラストを向上させているので、刻印部分がパーティクルの供給源になりくい。
【0098】
[磁気ヘッドの製造方法2]
次に、本発明による磁気ヘッド用基板の製造方法の実施形態を説明する。
【0099】
まず、例えば、Al−TiC系セラミックス基板を用意する。このような複合材料(コンポジット)基板において、磁性薄膜が積層される側の面の反対面、すならち基板裏面側に対して、前述のマーキング法によって識別情報を印字する。印字溝の深さは5nm以上200nm以下の範囲内にする。
【0100】
その後、スパッタ法を用いて、基板の表面側に非晶質酸化アルミニウム膜(厚さ: 例えば0.5〜20μm)を堆積する。次に、非晶質酸化アルミニウム膜の表面を平坦化し、薄膜磁気ヘッド用基板作製プロセスの基本段階が完了する。
【0101】
その後、この薄膜磁気ヘッド用基板には、種々の磁性薄膜が積層される。こうして形成された基板を図1(c)に示されるように複数のバー20に分割すると、図1(b)に示されるように、各バー20には複数の識別情報13が印字されていることになる。最終的に各バー20から分離された磁気ヘッドの各々は、図1(a)に示されるように固有の識別情報13が記述された状態になる。こうして、各磁気ヘッドのシリアル番号を簡単に識別することができるようになるため、ヘッド生産時の工程管理を従来と同様に実行することができる。
【0102】
本実施形態によれば、マーキング工程に起因するコンタミネーションの問題を解決でき、また、ダスト混入を極力さけるべき記録媒体駆動装置の中にあっても長期間好適に使用できる磁気ヘッドを製造できる。その結果、磁気ヘッドの製造歩留まりが向上するとともに、そのような磁気ヘッドを備えた磁気記録再生装置の信頼性も向上する。
【0103】
なお、磁気ヘッドのどの部分に対してマーキングを行うかは任意である。本発明は、本実施形態においてマーキングした位置に限定されない。
【0104】
[記録媒体駆動装置]
図7は、上述した本発明のマーキング方法によって識別情報を刻印した磁気ヘッドを備える記録媒体駆動装置(ハードディスク駆動装置)70の断面構成を示している。図示されている装置70は、磁気記録層(不図示)を有する3枚の磁気ディスク72と、磁気ディスク72の間に挿入されたメディアスペーサ74と、磁気ディスク72を回転させる電動モータ76と、磁気ディスク72に近接して情報の記録再生を行う磁気ヘッド78等を備えている。磁気ヘッド78は前述の方法で作製されたものであり、表面に識別情報が刻印されている。この磁気ヘッド78は支持部材79の先端に固定され、回転する磁気ディスク72上の任意のトラックにアクセスすることができる。磁気ディスク72の磁気記録層(不図示)に対する情報の書き込みや磁気記録層からの情報の読み出しは、磁気ヘッド78に設けた電気/磁気トランスデューサ素子(付図示)によって実行される。電動モータ76はハードディスク駆動装置70のシャーシ80に固定され、電動モータ76の回転シャフト82には回転柱体84が取り付けられている。磁気ディスク72は回転柱体74とともに回転する。
【0105】
(実施例B)
本実施例では、66wt%のAlおよび34wt%のTiCからなる複合焼結体のAl−TiC系セラミックス基板を用いた。この基板は、厚さ1.2mmの矩形薄板(50mm×50mm)に機械加工されたものであり、その表面は、ダイヤモンドスラリー(平均粒径1μm)を用いた鏡面加工によって表面粗度Raが0.5〜1.5nmとなるように仕上げ加工を施されている。
【0106】
本実施例では、基板の裏面側となる面に、種々の条件でエッチングを行い、識別情報を印字した。印字は、基板の各ヘッド部に7桁の記号(文字や数字)をマークするように行った。識別情報は記号に限定されず、二次元バーコードであってもよい。エッチングの詳細条件を下記の表2に示す。
【0107】
1枚の基板裏面には合計3000個所(文字数にして21000個)のマークキングを行った。刻印した各記号の大きさは、約100μm×約150μmであった。
【0108】
【表2】
Figure 0003599649
【0109】
ここで、「ICP−RIE」は、「Inductively Coupled Plasma−Reactive Ion Etching」を、「Cnv. RIE」は「Conventional Reactive Ion Etching」を、「LPC」は「Liquid Particle Counter」を意味している。「エッチング深さ」は、微細な凹凸を有する被エッチング面の平均深さである。「反射率変化量」は、波長564nmの光に対する反射率差ΔR=R2−R1を示し、「LPC評価」は、エッチング後にセラミックス基板を浸した水中に存在するパーティクルの数を粒子カウンタで測定した値(水100ccあたりのパーティクル数)を示している。読み取り率は、波長564nmの光を照射光とする読み取り装置を用いて計測した。照射光としては、これ以外に白色光や他の他の可視光を用いることができる。このような読み取り装置として、例えば株式会社小松製作所製の商品名「acuReader」を用いることができる。
【0110】
選択的エッチングを行うため、実施例1〜3では、磁界発生用コイルを備えた並行平板型プラズマエッチング装置を用い、実施例4および5では、磁界印加を行わないタイプの並行平板型のプラズマエッチング装置を用いた。これらのエッチング装置では、基板ホルダ側の電極に高周波電源が接続され、上下の電極間でエッチングガスのプラズマが形成される。実施例7では、HNO液にセラミックス基板を浸漬させることによって選択的エッチングを実行した。
【0111】
一般に、「ICP−RIE」は、「Cnv. RIE」に比較して高いエッチングレートを達成することができる。これは、「ICP−RIE」によればプラズマ中の電子密度をより高くすることができるためである。実施例1〜3のついてのエッチングレートは15〜25nm/分であるのに対し、実施例4〜6についてエッチングレートは1〜5nm/分であった。
【0112】
RF電力、ガス圧力、ガス流量などを調節することによって、選択的なエッチングが可能であった。例えば、実施例2におけるエッチング条件は、RF電力:300W、ICP電力(磁界発生用コイルに投入される電力):550W、ガス:CF、ガス圧:6mTorr、ガス流量:40sccm、エッチングレート:16.8nm/分、エッチング時間:2分であった。この条件で、図5(b)に示されるような選択的なエッチングが行われた。また、実施例4におけるエッチング条件は、RF電力:300W、ガス:CF、ガス圧:4mTorr、ガス流量:40sccm、エッチングレート:1.7nm/分、エッチング時間:40分であった。この条件でも、図5(b)に示されるような選択的なエッチングが行われた。
【0113】
図8および図9は、実施例2および実施例のマーキングパターンのSEM写真を示している。これらの図からわかるように、被エッチング部分は他の部分よりも暗く、コントラストのはっきりした画像が得られた。
【0114】
選択エッチングによる反射率変化量ΔRは15%以上であれば読み取り可能となる。読み取り率を高めるという観点から、選択エッチングによる反射率変化量ΔRは20%以上であることが好ましい。
【0115】
また、エッチング深さは、5nm以上200nm以下の範囲にあれば、読み取り率およびLPC評価の両方について実用レベルが達成される。これらの特性を更に改善するには、エッチング深さを10nm以上100nm以下の範囲に設定することが好ましい。
【0116】
(比較例)
次に、比較例を説明する。この比較例では、実施例で行った選択エッチングに代えて、下記表3に示す方法で非選択的なエッチングを行った。用いた基板は実施例と同一である。
【0117】
【表3】
Figure 0003599649
【0118】
ここで、「IBE(Ar)」は「Ion Beam Etching」を意味する。
【0119】
実施例に比較すると、読み取り率の高い試料はパーティクルが多く、パーティクルの少ない試料は読み取り率が低いことがわかる。また、比較例で行ったIBEによるエッチング処理では、AlのエッチングレートAおよびTiCのエッチトングレートBについて、1.0≦A/B<1.07という関係が成りたっており、このエッチング処理は「選択的エッチング処理」とは言えない。
【0120】
図10および図11は、それぞれ、比較例1および比較例5のマーキングパターンのSEM写真を示している。これらの比較例では、エッチングされた部分とエッチングされていない部分とで充分な反射率差が形成されていない。ここで、比較例1におけるエッチング条件は、加速電圧:500V、ガス:Ar、ガス圧:0.1mTorr、ビーム入射角45°、エッチングレート:10nm/分、エッチング時間:6.5分であった。また、比較例5におけるエッチング条件は、RF電力:300W、ICP電力:550W、ガス:CF、ガス圧:6mTorr、ガス流量:20sccm、エッチングレート:15nm/分、エッチング時間:0.5分であった。
【0121】
比較例5では、実施例2で用いたエッチング装置と同一の装置、同一のガスを用いているが、読み取り率が非常に低くなっている。この理由は、ガス流量が少ないため、比較例5では選択的なエッチングが完全には実現せず、AlおよびTiCのエッチングレート差が小さくなったためと考えられる。
【0122】
【発明の効果】
本発明のマーキング方法によれば、レーザマーキングの印字深さを0.1μm以上5μm以下に調節することによって、発生するパーティクル数を大幅に減少させ、かつ、エッジバリの形成をも抑制することが可能になる。このようにして、レーザマーキングに起因して生じるパーティクルの数が減少すると、印字後の焼結体表面に薄膜を堆積する際において薄膜中へのパーティクルの混入を防止できる。その結果、焼結体表面上にコンタミネーションの少ない高品質の薄膜を歩留まり良く形成することが可能になり、薄膜磁気ヘッド用基板への応用に好適である。また、エッジバリの形成が抑制されると、レーザマーキング後にエッジバリを除去するための工程が簡略化されることになる。焼結体を磁気ヘッド用基板として用いる場合には印字面の平坦化が不可欠であるが、本発明によれば、その平坦化のための工程を割愛することも可能であり、生産性向上に大いに寄与することとなる。
【0123】
本発明の他のマーキング方法によれば、マーキングによって形成される凹部を浅くしても、識別情報の認識に充分な反射光コントラストを達成できるため、識別情報の認識率を低下させずにマーキング部分から生じるパーティクルの数を大幅に減少させることができる。このようにして、マーキングに起因して生じるパーティクルの数が減少すると、印字後の焼結体表面に薄膜を堆積する際において薄膜中へのパーティクルの混入を防止できる。その結果、焼結体表面上にコンタミネーションの少ない高品質の薄膜を歩留まり良く形成することが可能になり、磁気ヘッド用基板への応用に好適である。また、レーサマーキングによって生じやすいエッジバリが形成されないため、マーキング後にエッジバリを除去するための工程が簡略化されることになる。焼結体を磁気ヘッド用基板として用いる場合には印字面の平坦化が不可欠であるが、本発明によれば、その平坦化のための工程を割愛することも可能であり、生産性向上に大いに寄与することとなる。
【0124】
また、本発明によれば、部品として完成した状態の磁気ヘッドが発生するダストも低減されるため、記録媒体の駆動装置の信頼性が向上することにもなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は磁気ヘッド用スライダの斜視図であり、(b)は磁気ヘッド用スライダが分離される前のバーを示す斜視図であり、(c)は矩形の焼結体基板を示す斜視図である。
【図2】レーザマーキング工程を模式的に示す図である。
【図3】(a)は従来のレーザマーキング法で深く形成した印字部分の断面図であり、(b)は本発明によるマーキング法によって浅く形成した印字部分の断面図である。
【図4】レーザマーキングによる印字深さとパーティクル数との関係を示すグラフである。
【図5】(a)は、選択性の無い化学的エッチングを用いた従来のマーキング法で形成した印字部分の断面図であり、(b)は、本発明によるマーキング法によって形成した印字部分の断面図である。
【図6】(a)〜(c)は、マーキングのための選択エッチングを示す工程断面図であり、(d)は、セラミックス基板の被エッチング面および未エッチングを示す上面図である。
【図7】本発明による記録媒体駆動装置の断面図である。
【図8】実施例2のマーキングパターンを示すSEM写真である。
【図9】実施例4のマーキングパターンを示すSEM写真である。
【図10】比較例1のマーキングパターンを示すSEM写真である。
【図11】比較例5のマーキングパターンを示すSEM写真である。
【符号の説明】
1 焼結体基板
2 基板表面
3 基板裏面
4 基板端面
5 レンズ
6 レーザビーム
10 磁気ヘッドスライダ
11 エア・ベアリング面(ABS)のサイドレール
12 基板表面がらの積層薄膜
13 識別情報
20 バー
30 印字溝(凹部)
31 エッジバリ
32 パーティクル(コンタミネーション)
40 焼結体基板
41 未エッチング面
42 被エッチング面
50 セラミックス基板
51 マスク層

Claims (19)

  1. 第1の材料からなる第1の粉末粒子、およびエッチング特性が前記第1の材料とは異なる第2の材料からなる第2の粉末粒子を含む混合粉末から形成された焼結体を用意する工程と、
    前記焼結体の表面のうち選択された部分において、前記第2の粉末粒子よりも前記第1の粉末粒子を優先的にエッチングする選択的エッチング処理を行い、それによって前記焼結体の表面に識別情報を書き込む工程と、
    を包含する焼結体へのマーキング方法。
  2. 前記第1の粉末粒子および前記第2の粉末粒子の平均粒径は、何れも、0.3μm以上5.0μm以下である請求項1に記載の焼結体へのマーキング方法。
  3. 前記焼結体の表面において、前記選択的エッチング処理を受けた部分の反射率と前記選択的エッチング処理を受けなかった部分の反射率との差異は、ある波長の光に対して15%以上異なる請求項1に記載の焼結体へのマーキング方法。
  4. 前記波長は、前記識別情報を光学的に読み取るために前記焼結体に照射される光の波長範囲に含まれている請求項3に記載の焼結体へのマーキング方法。
  5. 前記焼結体の表面において、前記選択的エッチング処理を受けなかった部分の平面粗度は5nm以下である請求項1に記載の焼結体へのマーキング方法。
  6. 前記焼結体の表面において、前記選択的エッチング処理を受けた部分のエッチング深さの平均値は5nm以上200nm以下である請求項1に記載の焼結体へのマーキング方法。
  7. 前記第1の材料および前記第2の材料は、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化珪素、窒化珪素、酸化ジルコニウム、窒化ジルコニウム、炭化珪素、炭化チタン、酸化チタン、および酸化鉄からなる群から選択された化合物である請求項1に記載の焼結体へのマーキング方法。
  8. 第1の材料からなる第1の粉末粒子、およびエッチング特性が前記第1の材料とは異なる第2の材料からなる第2の粉末粒子を含む混合粉末から形成された焼結体を用意する工程と、
    前記焼結体の表面のうち選択された部分において、前記第2の粉末粒子よりも前記第1の粉末粒子を優先的にエッチングする選択的エッチング処理を行い、それによって前記焼結体の表面に識別情報を書き込む工程と、
    を包含する磁気ヘッド用基板の製造方法。
  9. 第1の材料からなる第1の粉末粒子、およびエッチング特性が前記第1の材料とは異なる第2の材料からなる第2の粉末粒子を含む混合粉末から形成された焼結体を用意する工程と、
    前記焼結体の表面のうち選択された部分において、前記第2の粉末粒子よりも前記第1の粉末粒子を優先的にエッチングする選択的エッチング処理を行い、それによって前記焼結体の表面に識別情報を書き込む工程と、
    前記焼結体から磁気ヘッドを製造する工程と
    を包含する磁気ヘッドの製造方法。
  10. 第1の材料からなる第1の粉末粒子、およびエッチング特性が前記第1の材料とは異なる第2の材料からなる第2の粉末粒子を含む混合粉末から形成された焼結体であって、
    前記焼結体の表面のうち選択された部分において、前記第2の粉末粒子よりも前記第1の粉末粒子が選択的にエッチングされており、それによって前記焼結体の表面に識別情報が書き込まれている焼結体。
  11. 前記第1の粉末粒子および前記第2の粉末粒子の平均粒径は、何れも、0.3μm以上5.0μm以下である請求項10に記載の焼結体。
  12. 前記焼結体の表面において、前記エッチングされた部分の反射率とエッチングされていない部分の反射率との差異が、ある波長の光に対して15%以上異なる請求項10に記載の焼結体。
  13. 前記波長は、前記識別情報を光学的に読み取るために前記焼結体に照射される光の波長範囲に含まれている請求項12に記載の焼結体。
  14. 前記焼結体の表面において、前記エッチングされなかった部分の平面粗度は5nm以下である請求項10に記載の焼結体。
  15. 前記焼結体の表面において、前記エッチングされた部分のエッチング深さの平均値は5nm以上200nm以下である請求項10に記載の焼結体。
  16. 前記第1の材料および前記第2の材料は、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化珪素、窒化珪素、酸化ジルコニウム、窒化ジルコニウム、炭化珪素、炭化チタン、酸化チタン、および酸化鉄からなる群から選択された化合物である請求項10から15の何れかに記載の焼結体。
  17. 第1の材料からなる第1の粉末粒子、およびエッチング特性が前記第1の材料とは異なる第2の材料からなる第2の粉末粒子を含む混合粉末から形成された磁気ヘッド用基板であって、
    前記焼結体の表面のうち選択された部分において、前記第2の粉末粒子よりも前記第1の粉末粒子が選択的にエッチングされており、それによって前記焼結体の表面に識別情報が書き込まれている磁気ヘッド用基板。
  18. 第1の材料からなる第1の粉末粒子、およびエッチング特性が前記第1の材料とは異なる第2の材料からなる第2の粉末粒子を含む混合粉末から形成された磁気ヘッド用基板であって、前記焼結体の表面のうち選択された部分において、前記第2の粉末粒子よりも前記第1の粉末粒子が選択的にエッチングされており、それによって前記焼結体の表面に識別情報が書き込まれている磁気ヘッド用基板と、
    前記磁気ヘッド用基板上に形成された電気/磁気トランスデューサ素子と
    を備えた磁気ヘッド。
  19. 第1の材料からなる第1の粉末粒子、およびエッチング特性が前記第1の材料とは異なる第2の材料からなる第2の粉末粒子を含む混合粉末から形成された磁気ヘッド用基板であって、前記焼結体の表面のうち選択された部分において、前記第2の粉末粒子よりも前記第1の粉末粒子が選択的にエッチングされており、それによって前記焼結体の表面に識別情報が書き込まれている磁気ヘッド用基板と、
    前記磁気ヘッド用基板上に形成された電気/磁気トランスデューサ素子と
    前記磁気ヘッドによって情報の記録/再生が行われる磁気記録膜を有する記録媒体と、
    前記記録媒体を駆動するモータと
    を備えた記録媒体駆動装置。
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