JP3599546B2 - 波形検出装置およびその装置を利用した状態監視システム - Google Patents

波形検出装置およびその装置を利用した状態監視システム Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、周期的繰り返しの無い過渡的な状態変動を特徴化して検出したり、あるいは入力波形を1/fゆらぎ変換を行って出力波形を得ることができる信号処理機能をもった波形検出装置およびその装置を利用した状態監視システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
状態監視システムにおいて時系列データの中から兆候を探す方法として、コンピュータの発達によって実用化されたウェーブレット技術を用いる方法がある。ウェーブレットは、フーリエ変換に比べてスペクトルを解析する精度については劣る。しかし、ウェーブレットは、フーリエ変換に比べて動的な分析が可能であり、時系列データや画像等のスペクトルの変化をより的確に掴まえる事ができるという特徴がある。このため、現在では時系列データの兆候の検知や、画像データの画像認識等に広く利用されている。
【0003】
図41に従来のウエーブレット技術を用いた波形検出装置(以下ウェーブレットシステムと呼ぶ)の構成を示す。このウェーブレットシステムは図示の如くセンサ、信号入力部、演算処理部、判定部、出力表示部などから構成されており、入力信号データを演算処理部で処理しながら、波形検出ができるようになっている。
図42、43を参照して前記演算処理部で実行するウェーブレットの演算の基本となるデジタルフィルタのしくみを説明する。
デジタルフィルタは、遅延メモリに入力される入力信号とあらかじめ設定される乗算係数パターンとの積和をとって出力とする。乗算係数パターンの形状と近似する波形が入力信号に混じっているときに出力値が大きくなる。新しい入力信号データが入力されて遅延メモリ内のデータは順送りされるので、フィルタの出力はその時点の特徴を時間の変化とともに出力できる。よって、この出力の配列は、ある時間の各成分の強度分布であり、その信号の特徴と見ることができる。その特徴の組み合わせが、特定の時系列データのパターンやシンボルやコードの形状と関連付けられていれば、時系列データの状態の変動を表す兆候を検知したり、画像のシンボルやコードを識別し切り出すこと、あるいは信号をデジタルフィルタに入力し、入力信号のゆらぎ成分の一部を強調することによって入力波形の推移を予測することができる。
【0004】
ウェーブレットシステムでは、図44のように複数のデジタルフィルタの乗算係数パターンを基本パターンと呼ばれる関数のパターンに合わせる。このパターンを基本にして周波数成分の強さの識別を目的として、異なる複数の周期の短い相似形パターンを作る。基本パターンの形状によって、信号からどのような成分を抽出するかが決まる。
この相似形パターンを乗算係数パターンとする複数のデジタルフィルタは、乗算係数パターンの列の長さによって異なる周波数帯域のフィルタとなる。さらに乗算係数パターンが、積分や微分など信号処理の性質を決めるので基本パターンが決まれば、その相似形である乗算係数パターンを持つ複数のデジタルフィルタは、周波数帯域だけが異なる同じ信号処理を行うものとなる。
ウェーブレットシステムでは入力信号との相関を掴むための乗算係数パターンの基本パターンのスケール(時間軸上の長さ)が、それぞれの周波数の数波長分の長さであることから、多くのデータ数が必要な高速フーリエ変換技術に比べて、比較的、短時間(短区間)のパワースペクトルを分析する能力をもつことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図45は、入力信号に対して、従来のウェーブレットで使用する乗算係数パターンを使用してデジタルフィルタ出力を求めた例である。ウェーブレットは通常、特徴化したい最低周波数の波長の数倍のスケールを持つ。乗算係数パターンの列の中央位置に基準時間がおかれ、左右に同じ位相でパターンが展開する形式となっている。このため入力信号を順次遅延させながら記憶する遅延メモリの中央に入力信号が到達し、乗算係数パターンの列の中央の係数と内積が取られる時点で、なにがしかの有効な出力が得られるようになる。それまでの遅延時間はシステムの反応遅れとなる。従って、このような乗算係数パターンで入力信号データを識別する場合、その長さに比例する検出の遅れが存在する。
【0006】
また、ウェーブレットは、一定時間持続する周期性の有る信号の処理には向いているため、これまで、ある程度の長さを持った音声や振動、またはある程度の距離に含まれるテクスチャ(画質、基本的な模様)分析に利用されて来た。しかし、時系列データに埋め込まれている兆候は振動成分を伴っていない場合が多い。従って、乗算係数パターンのスケールが大きいほど時系列データの全体と兆候の存在する部分のテクスチャの差は少ないため、過渡的な現象を掴まえることが困難である。繰り返しの少ない振動や小さな領域の画像などの非周期的な信号処理の分析に用いるときには、上記のスケールの大きさが問題となって来た。
即ち、ウェーブレットでは図29のような一度だけのパルス音を特徴化することは困難である。つまり減衰カーブ、特定音のウネリに着目するので、音の余韻による識別が精度良く識別できない。また図45のように入力信号と立ち上がりと立ち下がりの波形の形状が異なる場合に、立ち上がり部分の波形だけ識別することは困難であるため、波形(a)正常と波形(b)異常の識別ができず、波形(c)正常に強く反応してしまっている。
【0007】
一方、上記とは別に、現在、入力波形を1/fゆらぎ変換を行うことで、人に優しい制御を実現する研究が種々なされている。
こうした従来の1/fゆらぎ波形発生器の例として図46に示すものがある。この例は、フィルタの特性を一般的なローパスフィルタ(LPF)とハイパスフィルタ(HPF)とし、それを組み合わせて近似的に1/fゆらぎ波形を出力する例である。ランダム波形を入力し、ハイパスフィルタにかかる係数を調節すれば1/fゆらぎ波形を出力させることができる。
即ち、通常ローパスフィルタの特性は−2以上の傾きで減衰する。
目的とする1/fゆらぎの傾きは−1である。この2以上の傾きとなるハイパスフィルタに係数kを乗じたフィルタを並列に組み合わせフィルタセットとする。係数kの調整によってほぼ−1の傾きが得られる。この特性を広い周波数領域に拡大するためには、帯域の異なるフィルタセットを直列に接続する。
【0008】
しかし、この方法では、目的とするフィルタを電気的素子で構成することができるものの、その場合精度の良い演算増幅器等を必要とし、これを製造する費用が大となるという問題がある。もとのままを構成するには上記ハードウエアによるフィルタを前記デジタルフィルタとしたうえでフィルタセットを構成すれば比較的簡単に実現できる。例えば、ローパスフィルタの乗算係数パターンに図27の(A)従来の乗算係数パターンを用いることができる。同様にハイパスフィルタも構成できる。しかし、ローパスフィルタとハイパスフィルタでは入力と出力の変化の時間差つまり位相のズレが異なるので、両者の乗算係数パターンを合成して一つの乗算係数パターンとすることが困難であり、また係数kの値を換算したハイパスフィルタの乗算係数パターンを作成してから、両者を合成することはさらに複雑な手順を要する。
【0009】
さらに従来行われている別の方法は1/2回の積分である。ランダム関数などを用いて得られるランダムな数列を入力とし出力のパワースペクトルを1/fゆらぎに近似する方法であり、書籍(インテリジェント制御システム(ファジイ・ニューロ,6A・カオスによる知的制御)、共立出版(株)、田中一男著)にその詳細が記載されている。前述のローパスフィルタのうち積分回数1に等しい1次遅れのデジタルフィルタではその出力のパワースペクトルの傾きは−2である。傾き−1のパワースペクトル変換を行う方法は積分回数を1以下に減らしランダム数列を平滑にすることにある。
図47は8タップのデジタルフィルタによる1/2回積分の乗算係数パターン(a)とその変換出力図同(b)、(c)である。
また、図48も同様8タップのデジタルフィルタによる1/3回積分の乗算係数パターン(a)とその変換出力図同(b)、(c)である。
両方共に積分回数は1回以下であるが、傾き−1の滑らかな1/fゆらぎ特性を得るためにはタップ数を大きく取る必要があり、デジタルフィルタのタップ数を少なくするとパワースペクトルのカーブは滑らかにならない。
【0010】
そこで、本発明は、デジタルフィルタの乗算係数パターンのパターン形状をウェーブレットの考えとは逆に周波数分離特性を犠牲にしたかわり、位相特性(ウネリなどの偏移を察知する能力)を最大限にできるように工夫するとともに、複数のフィルタの位相遅れ(検出時間のずれ)のタイミングを合わせて判断するようにすることにより、上記のような従来のウエーブレットシステムが有する問題点を解決することを目的とする。またデジタルフィルタは信号をデジタルフィルタに入力し、入力信号のゆらぎ成分の一部を強調することによって入力波形の推移を予測し出力することが可能であることに着目し、デジタルフィルタを利用して1/fゆらぎ波形など特定の波形を出力するために、複数の乗算係数パターンを素パターンとして複数のデジタルフィルタに設定し、その出力を合成するか、あるいは素パターンを合成して得られる新たなパターンを乗算係数パターンとしたデジタルフィルタフィルタを用いるようにし、上記従来の1/fゆらぎ変換の問題点を解決することを目的とする。
【0011】
本発明では、音や振動など、時系列データの一度のウネリや、単発のパルス(脈動)の一つの性質を見分け、結果として予知診断や、商品の良否判定を行うことができる。あるいはランダム波形を入力として、1/fゆらぎ波形などの周波数分布をもった特定の波形を出力することができる。
従来もこのような方向の技術として、ウネリやパルス波形を折れ線で近似した後に、折れ線座標を入力としてニューラルネットワークでパターンの違いを識別するものがあったが、この方法では、処理の手順と計算負荷が大きいために、システムコストが極めて大きくなり、かつ、ゆっくりしたパルスを処理することはできるが、リアルタイムでの処理は不可能であった。これに対して、本発明では、急峻で高い周波数の音域の成分を含むパルス音から、極めて周期の長い長期間で変化が僅かずつ現れる時系列データにいたるまで広範囲の波形の特徴化を行うことができる。
また、本発明は上記波形変換装置内に組み込まれたデジタルフィルタを有効に利用することで1/fゆらぎ波形など特定の波形を容易に出力できる。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記のような目的を達成するために本発明が講じた技術解決手段は、
センサと、信号入力部と、前記信号入力部からの出力信号に基づいて信号データの特徴化をする機能をもった演算処理部と、演算処理部からの出力にもとづいて波形の特徴を判定する判定部と、判定部の判定結果を出力する出力部とを備えている波形検出装置であって、前記演算処理部は、デジタルフィルタ演算手段と、位相合わせパラメータ設定手段と、合成部とを有し、さらに前記デジタルフィルタ演算手段は、入力信号を記憶し遅延させる遅延メモリと正または負の傾きを有する線形パターンを素パターンとする乗算係数パターンを貯える乗算係数パターンメモリを備えたデジタルフィルタとパラメータ設定手段とを有し、前記パラメータ設定手段は、乗算係数パターンを設定する乗算係数パターン設定手段とフィルタパラメータ設定手段とを有し、前記デジタルフィルタ演算手段は信号入力部より入力される入力信号データを前記デジタルフィルタに接続し、前記両メモリの内容の積和を算出し出力する機能を有しており、そのデジタルフィルタ演算手段の出力を合成部にて融合した合成出力から状態変動の兆候を特徴化することを特徴とする波形検出装置であり、
信号データの特徴化をする機能をもった演算処理部と、パラメータ入力部とを備えた波形検出装置であって、前記演算処理部は、デジタルフィルタ演算手段と、パラメータ入力部とを有し、さらに前記デジタルフィルタ演算手段は、入力信号を記憶し遅延させる遅延メモリと正または負の傾きを有する線形パターンを素パターンとする乗算係数パターンを貯える乗算係数パターンメモリを備えたデジタルフィルタとパラメータ設定手段とを有し、前記パラメータ設定手段は、パラメータ入力部を介して乗算係数パターンを設定する乗算係数パターン設定手段とフィルタパラメータ設定手段とを有し、前記デジタルフィルタ演算手段は信号入力部より入力される入力信号データを前記デジタルフィルタに接続し、前記両メモリの内容の積和を算出し出力する機能を有しており、前記乗算係数パターンに単調な傾きをもったパターンを用いるようにし、そのデジタルフィルタ演算手段の出力を変換出力とすることを特徴とする波形検出装置であり、
前記波形検出装置を利用し、信号入力部からの入力信号データの中から、波形の特徴を抽出し、前記特徴化した波形をもとに入力信号の状態を判定し、判定結果を表示できるようにしたことを特徴とする状態監視システムである。
【0013】
【実施の形態】
以下本発明の信号処理機能をもった波形検出装置およびその装置を利用した状態監視システムの好ましい実施形態の説明をする。
図1は波形検出装置に係わる本実施形態の構成図である。
波形検出装置は図に示す如く、センサ、信号入力部、演算処理部、判定部、出力部とから構成されている。
信号入力部はセンサ出力データを収集するための変換器、A/Dコンバータ、メモリから構成されており、センサからの計測値をデジタルデータに変換し、さらに、メモリでは入力信号をファイルとし、演算処理部の処理の進行に合わせてデータを切り出して、演算処理部に(計測)入力信号データ(Ij)を送出する機能を備えている。
なお、リアルタイムで信号を処理する場合には必ずしも前記メモリを必要としない。この場合には、リアルタイムで計測されるデータをデジタル化し、直接演算処理部に送出する。
【0014】
信号処理部は必須構成ではなく、必要に応じて設けるもので、ここでは、入力信号のノイズ処理やデータの正規化、複数のデータの分配を行う。
演算処理部は、複数のデジタルフィルタとデジタルフィルタのパラメータを設定するパラメータ設定手段とによって構成されるデジタルフィルタ演算手段とその出力を統合する合成部とを備えており、本発明ではさらに位相合わせパラメータ設定手段が設けられている点が特徴である。また、前記デジタルフィルタは、入力信号を記憶し遅延させる遅延メモリと乗算係数パターンを貯える乗算係数パターンメモリを備えており、さらに前記パラメータ設定手段は図2に示すようにフィルタパラメータ設定手段と乗算係数パターン設定手段を備えている。この演算処理部では、デジタルフィルタに位相メモリが設けられ、位相合わせパラメータ設定手段によって位相メモリの遅延時間動作が決められる。そして、複数のデジタルフィルタの出力を個別に遅延させて位相を合わせた上で、合成部で波形を合成する(Dt ・j)。
【0015】
また、後述する本発明の別の目的である波形検出装置を構成するためには上記複数のデジタルフィルタを用いて各々のデジタルフィルタの乗算係数パターンに素となるパターン(以下素パターンという)を用いるようにし、各素パターンの位相、タップ数および係数の和の値をパラメータとして形状を決定する。これらの素パターンを用いた複数のデジタルフィルタの出力を上記合成部にて波形を合成する方法と、あるいは素パターンをそのものを合成し、一つの新たな乗算係数パターンとした後に一つのデジタルフィルタに設定する方法とが可能で、両者は全く同じ波形変換効果を得ることができる。このように素パターンを予め合成して用いる変換装置ではすでに位相合わせ処理と波形合成処理が合成された新たな乗算係数パターンの中に仕組んであるため、両者は必須の構成である。
判定部では、演算処理部から出力された合成出力をしきい値と比較して大小判別を行い、判別結果(Ds・j)を得る。
出力部では判定部からの判別結果を画面出力したり、接点出力を介して警報ランプ等の警報手段を作動させる。
【0016】
次に本発明の特徴である演算処理部の内部構成についてさらに詳細に説明するが、演算処理部のデジタルフィルタ演算手段以外の構成は従来のウェーブレットシステムと同じであるためここではそれらの詳細な説明は省略する。
図3(a)はデジタルフィルタ演算手段を構成するデジタルフィルタ機能の図であり、図3(b)は同(a)に示すデジタルフィルタを使用して演算処理部を構成した図である。
【0017】
デジタルフィルタDf1 には入力信号データIj、乗算係数パターンP1、フィルタパラメータ、クロック信号が入力され、演算処理されて出力(O1 ・j) される。入力信号データIjは時系列データのような配列をもったデータであり、フィルタパラメータは前記フィルタパラメータ設定手段より設定されるデータ入力であり、各デジタルフィルタのフィルタタップ数、乗算係数パターンデータおよび合成部に与えられる合成重みパターンデータ等からなる。また、本例では、フィルタパラメータ以外に位相合わせパラメータが位相合わせパラメータ設定手段から与えられる。
【0018】
位相合わせパラメータは、各デジタルフィルタにデジタルフィルタの遅延メモリとは別に付随する位相メモリDI の遅延時間を指示する。簡単な方法としては、位相メモリのタップ数をパラメータとするものである。パラメータによってタップ数が設定された時、クロックをカウントするカウンターを設け、デジタルフィルタの出力を一時記憶しておき、クロックカウンターが設定タップ数と等しくなったら一時記憶した出力を遅延出力として出力する。
【0019】
デジタルフィルタの特性は、乗算係数パターンのみによって決まるので、入力信号が時間的に遅延した場合は、遅延しない入力信号が与えられた場合と比べ、フィルタの出力が、この遅延時間分だけ遅れて、同一の出力が得られる。
このため、上記位相メモリDI は図3(b)に示すようにデジタルフィルタDf の出力側に設けても、図3(c)に示すように入力側に設けても機能上の差はない。
【0020】
つづいて本発明において最も重要なデジタルフィルタの乗算係数パターンの設定の仕方について説明するが、ここでは周期的繰り返しの無い過渡的な状態変動を特徴化するための乗算係数パターン設定の一例を説明する。
乗算係数パターンの設定は、図1の演算処理部のパラメータ設定手段にあらかじめ入力された数列を、各デジタルフィルタの乗算係数パターンメモリに転送して用いる。パターンの変更はデジタルフィルタの特性を変えるので、通常システム可動時に更新されるか、あるいは、半固定的な状態で用いられる。
【0021】
図4で乗算係数パターンの設定手順を示す。
なお、図4は横軸が時間tであるので、右側がより新たな時間の状態に対応していくことになる。
図4(a)は従来のデジタルフィルタをバンドパスフィルタとして用いるときに使用される代表的なパターンを連続的なグラフとして表現したものである。実際にはデジタルフィルタのタップ数がn個と設定されれば図4(a)を時間方向にn分割された位置の値を数列として取り出し、乗算係数パターンとする。図4(a)に示す1サイクルの周期tがフィルタの周波数特性を決める。図4(a)のパターンを用いるとf=t/2πの周波数の波形を選択的に抽出するフィルタとなる。
【0022】
図4(a)の波形から図4(b)に示す如く過去の部分を残すように中心側より左側の半分の波形を切り出し、右側の波形を削除する。次に図4(c)の(1/4)tに相当する時間軸との交点までを残し切り取り、その他の部分を削除する〔図4(d)〕。
図4(d)は基本波の1周期の1/4だけを残した波形で、周期的な振動成分は残されていないが、基本波の立ち上がりの形状が残されている。
この波形の右端(図の中心)は時間的に最も新しい部分となり、計測データが入力信号として与えられた時、その最新データとの演算に用いられる。
【0023】
図4(d)の立ち上がり形状をデジタルフィルタの乗算係数パターンとして用いると入力信号の波形が基本波形の立ち上がり形状と同じであれば出力つまりマッチングの結果は最大となり、立ち上がりが異なれば出力値が低下する。
立ち上がり形状の差異で出力値が変化するのでこのような形状のパターンを設定したデジタルフィルタは基本波形からの偏りつまり位相差を検出して出力するフィルタと言うことができる。
図4(d)のパターン形状をそのまま用いても良いが、本発明では、さらに抽象化し、単純化した素パターンを作成し、この複数の位相組み合わせによって目的とする位相差検出を行わせようとするものである。
【0024】
図4(d)のパターンは図4(e)の(イ)、(ロ)のように2本あるいは1本の直線で近似できる。ここで図4(f)のように底辺がt(=1/4t)の一本の直線によるパターンを決め、これを素パターンとする。
この素パターンは極性の+(プラス)側のみで構成されている。
デジタルフィルタの入力信号として、ある時点より0から1に値が変化してそのままとなるステップ状の入力信号波形を入力すれば、この素パターンとの積和は入力信号が一定時間Iとして持続した後は出力が有限の値で全ての係数に1を乗じて和を取った値となり、その値が持続する。
【0025】
よって上記の素パターンは一種の部分積分をデジタルフィルタの長さ(=区間)の範囲で行っているものと言える(積分特性パターン)。同様に逆の傾きを持ったパターンあるいはそれらの極性をマイナスとしたパターンも、同じく素パターンとなりその特性は上記と同様に積分特性を持つ。
同じ入力を用いて出力が0となるような微分特性をもたせるためには、例えば図4(g)のように素パターンを対象的に配置し、全体の係数の総和がゼロに等しくなるようにすれば良い(微分特性パターン)。
この時(−)側の付加パターンは立ち下がり特性を示し、その長さが同じtであれば、立ち上がり、立ち下がり共にtで決まる基本周波数との位相差を検出するフィルタとすることができる。
【0026】
図5、6は図4(f)と(g)のパターンを乗算係数パターンとして設定した時のパターンの順序を示すもので、図の左側ほどより新たな時間に対応する部分となる。図5は積分特性の、図6は微分特性を有する乗算係数パターンである。図7はテスト用の入力信号データの波形3種である。3つのサンプル波形は幅を増大させるとともに立ち上がり、立ち下がりの傾きをゆるくなるようにしてある。
なお、以上の乗算係数パターンの設定は基本的にはオペレータがディスプレイを見ながら行うが、必要に応じて上記の設定方法の手順をコンピュータ内に組み込んだプログラムで行うこともできる。
【0027】
図8は図7のテスト用入力信号データを入力に用いて、図5、6の積分特性パターン、微分特性パターンを乗算係数パターンとした2種類のデジタルフィルタの出力の波形を表している。
積分特性パターンを持つフィルタの出力は入力波形に対し、時間遅れを伴いながら立ち上がり、一定値に達して持続し、入力波形の立ち下がりに対してやはり時間遅れをもって緩やかに立ち下がって行く。波形の時間遅れは一時的にデジタルフィルタに入力信号の一部が蓄積されたと同じ作用で、部分的積分を意味する。このような作用は電子回路に用いられる低域通過型(ローパス)フィルタと同じ特性であり、ノイズ除去や入力信号の平滑化に用いることができる。
【0028】
次に微分特性パターンを持つフィルタの出力は、入力信号の立ち上がりに反応し、鋭いパルス出力があり、入力の立ち下がり時には負の鋭いパルス出力がある。入力が一定で持続すれば出力はゼロとなり入力の立ち上がり立ち下がりの傾きが大であれば出力も大となるように微分特性をもった傾き検出の作用をもつ。
図4(a)のような従来の乗算係数パターンと本発明のパターンの差を明らかにするため、図9に示すテスト用の乗算係数パターンを用いる。図で明確なように従来例では図4(a)よりも簡略化したにもかかわらず、デジタルフィルタのタップ数は29を必要とし、本発明では7タップと約1/4以下の短さで動作する。
【0029】
図7のテスト用入力信号に対し、従来の乗算係数パターンと本発明の乗算係数パターンを用いた時のデジタルフィルタの出力を図10に示す。時間は1クロック毎に演算され、入力信号はその度に1タップ分遅延メモリ上を動く。従来例では入力信号が変化した後20クロックで最大値に達した。本発明では4クロックで最大値に達した。
従来例では出力波形が振動を繰り返しているが、本発明では入力の変化に対し一つのパルス状の波形出力となる。
【0030】
以上のように本発明ではデジタルフィルタのタップ数を大幅に減じることができ、情報処理負荷を軽減することができ、入力の変化に対する検出の遅れを改善でき、さらに単一のパルス出力となるので判定がし易くなる等の利点がある。
図9に示す本発明の乗算係数パターンは次のようにして二つの素パターンの合成で作ることができる。
図11(a)、(b)の二つの素パターンを時間(=タップ数)tずらして合成すれば図11(c)の微分特性パターンが作成できる。同様にしてtより小さな値だけずらせば図11(d)のようになる。時間(=タップ数)をある値ずらすという操作は、位相メモリによって一定時間、一時記憶して出力することと同じ意味を持つ。
【0031】
つまり、図12(a)に示す如く、素パターンを予め合成して、一つの乗算係数パターンを設定することができる。
あるいは図12(b)、(c)に示すように、素パターンを持つデジタルフィルタの入力あるいは出力のいずれかに位相メモリを設けて出力側にて合成出力を得ることができ、上記(a)、(b)、(c)の方法とも、全て結果は相等しくなる。 図13の乗算係数パターンは図11に示したような合成法に基づいて傾きが0.5で長さが8,17の二つの素パターンを合成し新たな乗算係数パターンとした。
【0032】
図14は上記の合成パターンを用いてパルス状の入力信号波形の形状を特徴化する過程を説明している。図中t1、t2は実在しない波形で乗算係数パターンを時間経過毎に2つ図に投影しプロットしたものである。デジタルフィルタに入力信号が順次取り込まれる事は、図14の上では乗算係数パターンが順次右へ移行して行くことに等しい。パターンの右端の位置がデジタルフィルタの最新入力となる。
t1の時点では入力信号がゼロで乗算を行う状態にない。
t2の時点では4つの位置で乗算を行うことができ、その総和が出力の220となっている。
【0033】
図15は図14の出力を連続的にプロットしたものである。
この乗算係数パターンと入力信号との関係では、入力の立ち上がりの区間が短いため乗算係数パターンとの積和が最大値となるのは入力のピークを多少過ぎた時になる。
同様にして負の積分特性パターン(図16)、特殊形状の微分特性パターン(図17)を作ることができ、以上の合成されたパターン3種を用いて図18の4つの波形を識別できる例を以下に示す。
それぞれの特性パターンの性質は、入力波形の形状に対して異なる応答を示す。
どのパターンが入力の立ち上がりの急峻な時に出力が大となるか、立ち下がりのゆるやかな時に大となるか、それらの特性を把握してから識別のための組み合わせを作る必要がある。
【0034】
図17の微分特性パターンを用いて図18の入力信号の特徴化を行った結果を図19に示す。
図19から明らかなように、立ち上がり、立ち下がり共に急峻で傾きが大きいほど出力が鋭く強く出ている。
このような出力の違いを3つの特性パターンに試したものが図20である。
3種の特性パターンの出力をそれぞれ積分P−1(パターン)、積分P−2、微分Pと名付ける。
ここで考える組み合わせ方法は、時間上でずらす方法か波形の符号を反転させるかである。符号反転は位相を180°ずらすことと同じ意味で、いずれも位相上での操作である。
【0035】
図20を見れば、入力波形1を識別するためには、立ち上がりを特徴化している微分Pの適用時間を10(10タップ分の時間)遅延させ、ゆるい立ち下がりで大きな出力となっている積分P−2を符号反転して合成させれば良い事が分かる。この結果は図21に示ように入力波形1に対して最大となる出力が得られる。
また入力波形2を識別するためには、微分Pを8(8タップ分の時間)遅延させ、微分Pの負のピークの符号を反転させ合成させる。この結果を図22に示す。
さらに入力波形3を識別するためには、積分P−1を8(8タップ分の時間)遅延させ、微分Pの負のピークの符号を反転させ合成させる。この結果を図23に示す。
【0036】
以上の入力信号の波形1、2、3、4の識別を行う機能の構成を図24に示す。
なおデジタルフィルタの出力(正)は正規の出力であり、出力(反)は符号反転出力である。
また、波形1、2、3、4以外に識別する波形が無い場合には図24の波形4検出の機能は不要となる。
以上の説明は合成部での合成を二つのデジタル出力あるいは遅延出力の1:1の合成としている。
【0037】
各デジタルフィルタの特性の差が特徴をうまく識別できるパターンとあまり識別に寄与できないパターンとに分かれた場合には、それに比例した重みを乗じた後に合成すれば良い。この説明を図25を参照して行う。
なお全ての特性パターンを素パターンに戻しておいて素パターンの乗算係数パターンを持つ複数のフィルタ群の出力の遅延や反転等の位相合わせと合成を行っても良い。
合成重みパターンは各デジタルフィルタ出力あるいはその遅延処理後の遅延出力Odi・j の加重平均を取るために用いられる。遅延出力Odi・j に重みwi が乗じられた後、全ての和をとって、
重みの総和w+w+w+w──=Σ( w)(n =1 〜i)
で除算される。
システムアプリケーションの種類によって重みの用い方が異なる場合があり、単に重みを乗じて和を求める総和演算やその他相乗平均等の処理にも利用できる。
【0038】
図26に示すように、融合した合成出力を判定部で判定する前に、各デジタルフィルタの出力O1.j ・・・ Oi.j をそれぞれ判定するための判定機能を設ける方法とすることが出来る。
入力信号の波形が、音声の音素や電波の信号のように意味を持った信号のつながりである場合、その音素や信号を特徴化して、しきい値との大小判定をして音素を確定し、この結果を位相メモリに一時記憶し、次の音素や信号の判定結果の出現とタイミングを合わせて、合成した上で統合判定を下すことが可能となる。このような応用でも位相メモリを挿入する位置は、デジタルフィルタ演算手段の入力部としても同様の効果を得ることができる。
【0039】
本発明の波形検出装置は上記のように構成されているが、この波形検出装置と従来のウェーブレットとの波形検出の比較例を次に説明する。
図27は、二つの乗算係数パターン〔図中(A)は従来のウェーブレットによる乗算係数パターン、図中(B)は本発明に係わる乗算係数パターンである〕を使用して同じ入力信号に対して従来のデジタルフィルタ出力と、本発明のデジタルフィルタ出力とを求めた実例である。
最初のグラフが電波を検出した入力信号である。中央に近い急峻でピークの強いパルスが不要な雑音である。左右にあるピークの小さい波形が抽出したい波形である。いかに雑音を無視できて検出目標の波形を強調できるか、が検出器の性能になる。
【0040】
グラフ1は従来のウェーブレット方法での検出、グラフ2が本発明での検出結果である。両者とも、雑音にかかわらずに目標波形を検出できているが、図を比較してわかるように、従来方式の検出時間が大幅に遅れている。
従来の乗算係数パターン(A)の代わりに、識別したい波形の傾きだけに類似させた乗算係数パターン(B)で求めたデジタルフィルタ出力は、検出の遅れが(A)の半分程度となる。このような単純な形状の乗算係数パターンの方が演算処理が速くなる。
またパターン(B)はその傾きを変更した時の出力誤差が少なくなる方に、傾きを変えてゆけば、容易に自動的な調整を行う学習システムが実現できる。
パターン(A)ではその形状を変更し調整することが容易でないことは一目瞭然である。
【0041】
さらに図28の実例は、上記波形検出装置を状態監視システムに適用した例である。この状態監視システムは図に示す構成となっており、波形検出装置にはセンサからの検出信号がアンプとADコンパータを介して入力され、演算処理されるようになっている。このシステムは、例えば放射性物質により目詰まりを起こす可能性のある導圧管の圧力波形に対して予知診断を行うことができ、圧力波形の変化を波形検出装置で捕らえて、目詰まり状態を監視することができる。
図29において、入力信号は圧力波形であり、ピーク1が正常時の波形、ピーク2が異常の予兆となる波形である。グラフ1のように、従来の乗算係数パターンAでは、ピーク1とピーク2に対して、デジタルフィルタ出力は同程度の強さを示すため、しきい値判定でピーク1とピーク2を識別することが不可能である。
【0042】
グラフ2は立ち上がり特性検出を、グラフ3は立ち下がり特性検出の乗算係数パターンを用いた結果である。
立ち上がり特性は、正常、予兆波形とも同じであるので、結果に差異はない。立ち下がり特性では明らかに差が生じている。
グラフ2を時間tdだけ遅延させて、グラフ3と和を取れば、正常波形の検出結果は全てマイナスの値であるが、予兆波形の方は、プラスに突出し、これによって予兆信号を検出できることが分かる。このように波形に遅延を行い、ピーク位置を合わせることを位相合わせといい、これも本発明の特徴である。検出結果は公知の表示手段によって表示され、導圧管の目詰まりがあるか否かを知ることができる。
【0043】
波形のウネリに着目した特徴化例を図30に示す。
図30は図45の従来のウエーブレットで使用する乗算係数パターンを使用してデジタルフィルタの出力を求めた例と対比するための本発明の乗算係数パターンを使用したデジタルフィルタの出力を表したものである。
乗算係数パターンは微分特性パターンでデジタルフィルタのタップ数を7とした。図30で明確なように、図45と比べ、入力信号のウネリ(a)正常、(b)異常、(c)正常に対応し、単一のパルス状出力が得られ、かつ(c)正常は負出力となり、(b)異常にたいして最大の出力が得られる。
判定部のしきい値を130と200の間の値に設定すれば異常検出が可能となる。また図で明らかなように、検出の遅れは図45の10〜20タップ分の時間遅れに比べ本発明ではほとんど時間遅れがなく、早期の異常検出が実現されている。
【0044】
つづいて、本発明の別の目的である1/fゆらぎフィルタを作る波形変換装置の構成を説明する。図31は、波形検出装置のデジタルフィルタを用いて1/fゆらぎ変換を行い基本的構成を表す図である。図31では図1の波形検出装置の構成中の演算処理部を用いて波形検出をおこなう方法を示している。図31に示したデジタルフィルタは図1のように複数で構成される場合があるが、図1に示した合成部は必須な構成ではない。デジタルフィルタの乗算係数パターンは、パラメータ設定手段によって設定され、外部よりパラメータ入力部を通して転送される乗算係数パターンも設定することができる。
【0045】
図31はデジタルフィルタ演算手段を構成するデジタルフィルタ機能の図であり、このデジタルフィルタ機能は先に説明した実施形態中の図3(a)と同じものを使用する。また図32は図31の概念図であり、図中Paと記載されている要素は乗算係数パターンとしてPaを設定されているデジタルフィルタを表し、そのPaは、
Pa=P1 +P2 +P3 +P4 +P5 ──Pi
の式で求められる。
図中Piは個別のデジタルフィルタに設定された乗算係数パターンである。
図32の個々のデジタルフィルタの出力を合成した結果得られる出力波形は図32のPaを乗算係数パターンとするデジタルフィルタの出力と同一となる。
上記波形変換装置により1/fゆらぎフィルタ用の乗算係数パターンを作成する手順を説明すると、1/fゆらぎフィルタは、二つ以上の素パターンを持つデジタルフィルタを組み合わせて出力を合成するか、あるいは素パターンを組み合わせて新たな乗算係数パターンを作る。
【0046】
例えば、素パターンとして図33に示すものを基本として、図34に示すようにそれぞれのパターンのタップ数ti (i =1,2,・・・)は最初のフィルタの係数のn倍を取り、その時のフィルタの高さhi (i =1,2,・・・)を最初のフィルタの係数の高さのn分の1とし、si =ti ×hi なる係数の総和(P1+P2+P3)を同じく取るようにすると、容易に1/fゆらぎフィルタを構成することができる。
図35は1/fゆらぎフィルタを得るための三つの素パターンであり、図36(a)はこの素パターンを用いて合成された乗算係数パターン、さらに図36(b)このパターンを用いたデジタルフィルタによって得られたパワースペクトル図である。
このパワースペクトル図と図47に示す従来のパワースペクトル図とを比較すると、従来のものより図36(b)のパワースペクトラムの傾きが滑らかになっており、最も1/fゆらぎの傾きに近い−1となっている。
【0047】
次に1/fゆらぎを作成する合成パターンの作成方法を図37を参照して説明する。
まず図37において、まず、素パターン1、素パターン2、素パターン2−1を作成し、素パターン2の先頭位置をずらして(即ち素パターン2の位相をずらして)素パターン1および素パターン2−1を加算する。その後図38に示すように得られた合成パターンとさらに素パターン3を加算して合成パターンを作成する。こうして得られた合成パターンを乗算係数パターンとして採用し演算処理を行うことで入力信号に1/fゆらぎをフィルタを使用して容易に1/fゆらぎ波形を出力することができる。なお、この加算する際には図39に示すように、矢印の一組だけを調整することもできる。この場合には段差をなだらかに修正し、上下の面積を一定にすることが望ましい。
【0048】
上記合成パターンの作成方法を図40のフローチャートを参照して説明する。
このフローチャートは、素パターン(JK1)のパラメータを入力して、素パターンを演算により求め、入力された素パターンより合成した合成パターン(JK0)を作成する方法である。
ステップS1:JK0(合成パターン)を0(ゼロ)クリアする。
ステップS2:素パターンの指定が終了するまで▲1▼のループを繰り返す。
ステップS3:ファイル入力かどうかを指定する。ただしメモリ等に素パターンがある場合はメモリ指定でもよい。
ステップS4:図33の素パターンのパラメータである底辺(タップ数)を入力する。
ステップS5:図33の素パターンのパラメータである高さを入力する。
ステップS6:図33の素パターンのパラメータの極性(+、−)を入力する。
ステップS7:合成パターンを作る際のずれを入力する。
ステップS8:ステップS4〜ステップS7で指定された素パターンのパラメータより、直線近似して素パターンを算出してJK1へ設定する。
ステップS9:素パターンをファイルから読み込んでJK1に設定する。または別のメモリ上にある素パターンをJK1へコピーする。
ステップS10:i=1かどうかを判断する。
ステップS11:JK0(合成パターン)にステップS4〜ステップS9で指定または作成した素パターン(JK2)を加算する。
ステップS12:カウンタiを1加算する。
ステップS13:必要であればステップS1〜ステップS12で作成したJKφをファイルに保存する。
こうして合成パターンを得ることができる。
【0049】
以上説明したように本発明に係わる波形検出装置では、デジタルフィルタの乗算係数パターンのパターン形状をウェーブレットの考えとは逆に周波数分離特性を犠牲にしたかわり、位相特性(ウネリなどの偏移を察知する能力)を最大限にできるように工夫するとともに、複数のフィルタの位相遅れ(検出のずれ)時間を合わせて判断するようにしたため、急峻で高い周波数の音域の成分を含むパルス音から、極めて周期の長い長期間で変化が僅かずつ現れる時系列データにいたるまで広範囲の波形の特徴化を行うことができる。
また本発明の波形検出装置を使用することで、1/fゆらぎ波形など特定の波形を容易に出力することができる。
なお、上記実施形態は従来のウェーブレットによる演算処理と同様にコンピュータによって行っているが、それぞれの機能を持ったハードウエアを組み合わせて構成することもでき、上記実施形態はあくまでも本発明の1例に過ぎず、本発明はその精神及び必須特徴事項から逸脱することなく他のさまざまな方法で実施することができる。
【0050】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明によれば、従来のウェーブレットシステムに比較して、高速応答性が向上されるとともに、波形検出装置をセンサアンプやモニタに内蔵することができるため装置がコンパクト化される。また低周波、ウネリ、急峻なパルスの検出が容易となり、乗算係数パターンの作成も容易であるため各種のシステムに簡単に適合することができる。さらに、1/fゆらぎ波形など特定の波形を容易に出力することができる等々の優れた効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施形態としての波形検出装置の構成図である。
【図2】図1の波形検出装置のパラメータ設定手段の構成図である。
【図3】(a)は演算処理部を構成する一般的なデジタルフィルタ機能の図、(b)は同(a)に示すデジタルフィルタを利用して演算処理部を構成した図、(c)は位相メモリをデジタルフィルタの入力側に設けた図である。
【図4】本発明に係わる乗算係数パターンの設定手順を示す図である。
【図5】図4(f)のパターンを乗算係数パターンとして作成した例の図である。
【図6】図4(g)のパターンを乗算係数パターンとして作成した例の図である。
【図7】テスト用の入力信号データの波形3種の図である。
【図8】図7のテスト用入力信号データを入力に用いて、図5の積分特性パターン、図6の微分特性パターンを乗算係数パターンとした2種類のデジタルフィルタ出力を示す図である。
【図9】従来例と本発明のテスト用の乗算係数パターンの図である。
【図10】図7のテスト用の入力信号データおよび図9の乗算係数パターンを用いた時の出力図である。
【図11】図9に示す乗算係数パターンを二つの素パターンの合成で作る説明図である。
【図12】素パターンを予め合成した場合と出力を合成した場合の説明図である。
【図13】乗算係数パターン(積分P−1)の例である。
【図14】合成パターンを用いてパルス状の入力信号波形の形状を特徴化する過程の説明図である。
【図15】図14を継続的にプロットしたものである。
【図16】負の積分特性パターン図である。
【図17】特殊形状の微分特性パターン図である。
【図18】4つのテスト用入力波形を示す。
【図19】図17の微分特性パターンを用いて図18の入力信号のデジタルフィルタ出力を求めた結果である。
【図20】3つの特性パターンの出力の違い示した図である。
【図21】図18の入力波形1を識別するために図20の微分P−2の出力を符号反転して合成させた図である。
【図22】図18の入力波形2を識別するために、微分Pの出力を8遅延させ、微分Pの負のピークの符号を反転させ合成した結果の図である。
【図23】図18の入力波形3を識別するために、積分P−1の出力を8遅延させ、微分Pの負のピークの符号を反転させ合成した結果の図である。
【図24】波形検出機能の構成図である。
【図25】合成出力を作成する時の加重平均の求め方の説明図である。
【図26】判定部の一例である。
【図27】同じ入力信号に対して従来の乗算係数パターンによるデジタルフィルタ出力と、本発明の乗算係数パターンによるデジタルフィルタ出力とを比較した例である。
【図28】本発明に係わる波形検出装置を状態監視システムに適用した構成図である。
【図29】上記状態監視システムに適用したものの検出波形の比較図である。
【図30】図45の従来のウエーブレットで使用する乗算係数パターンを使用してデジタルフィルタの出力を求めた例と対比するための本発明の乗算係数パターンを使用したデジタルフィルタの出力を表したものである。
【図31】本発明の他の実施形態に係わるデジタルフィルタ演算手段を構成するデジタルフィルタ機能の図である。
【図32】本発明の他の実施形態に係わるデジタルフィルタ演算手段を構成するデジタルフィルタ機能の構成図である。
【図33】本発明の他の実施形態に係わる1/fゆらぎフィルタを得るための素パターンの一例を示す図である。
【図34】図33の素パターンを使用して1/fゆらぎフィルタをうるための説明図である。
【図35】1/fゆらぎフィルタを得るための三つの素パターンを示す図である。
【図36】図35の素パターンを用いて合成された乗算係数パターンの図である。
【図37】1/fゆらぎフィルタを作成する合成パターンの作成方法を説明する図である。
【図38】1/fゆらぎフィルタを作成する合成パターンの作成方法を説明する図である。
【図39】1/fゆらぎフィルタを作成する合成パターンの作成方法を説明する図である。
【図40】1/fゆらぎフィルタを作成する合成パターンを作成するフローチャートである。
【図41】従来のウエーブレットによる波形検出装置の構成図である。
【図42】ウェーブレットの演算の基本となる一般的なデジタルフィルタの構成図である。
【図43】デジタルフィルタ演算の方法を説明する図である。
【図44】従来のウェーブレットの説明図である。
【図45】従来のウエーブレットで使用する乗算係数パターンを使用してデジタルフィルタの出力を求めた例である。
【図46】従来の1/fゆらぎ波形発生器の概略構成図である。
【図47】8タップのデジタルフィルタによる1/2回積分の乗算係数パターン(a)とその変換出力図同(b)、(c)である。
【図48】図47と同様8タップのデジタルフィルタによる1/3回積分の乗算係数パターン(a)とその変換出力図同(b)、(c)である。
【符号の説明】
Ij 入力信号データ
P1 乗算係数パターン
O1 デジタルフィルタ出力
Dt ・j 合成出力
Ds・j 判別結果

Claims (12)

  1. センサと、信号入力部と、前記信号入力部からの出力信号に基づいて信号データの特徴化をする機能をもった演算処理部と、演算処理部からの出力にもとづいて波形の特徴を判定する判定部と、判定部の判定結果を出力する出力部とを備えている波形検出装置であって、前記演算処理部は、デジタルフィルタ演算手段と、位相合わせパラメータ設定手段と、合成部とを有し、さらに前記デジタルフィルタ演算手段は、入力信号を記憶し遅延させる遅延メモリと正または負の傾きを有する線形パターンを素パターンとする乗算係数パターンを貯える乗算係数パターンメモリを備えたデジタルフィルタとパラメータ設定手段とを有し、前記パラメータ設定手段は、乗算係数パターンを設定する乗算係数パターン設定手段とフィルタパラメータ設定手段とを有し、前記デジタルフィルタ演算手段は信号入力部より入力される入力信号データを前記デジタルフィルタに接続し、前記両メモリの内容の積和を算出し出力する機能を有しており、そのデジタルフィルタ演算手段の出力を合成部にて融合した合成出力から状態変動の兆候を特徴化することを特徴とする波形検出装置。
  2. 前記演算処理部のデジタルフィルタ演算手段に複数のデジタルフィルタを設け、正または負の傾きを有する線形パターンを乗算係数パターンの素パターンとし、少なくともこの素パターン、入力信号データ、あるいはデジタルフィルタ出力のいづれかの位相を変更する変更手段を設け、素パターンを用いたデジタルフィルタの出力の合成が、特徴抽出処理機能の一部の位相が変化した状態で得られるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の波形検出装置。
  3. 前記デジタルフィルタの入力あるいは出力を一定時間だけ遅延させる位相メモリを設け、別のデジタルフィルタの出力と位相が合うような遅延時間を上記位相合わせパラメータ設定手段により設定し、各デジタルフィルタの出力を合成して、判定部に伝達することを特徴とする請求項2に記載の波形検出装置。
  4. 前記デジタルフィルタの出力の最大あるいは最小値を前記位相メモリにて一時記憶し、複数のデジタルフィルタ出力を組み合わせて判定するようにしたことを特徴とする請求項3に記載の波形検出装置。
  5. デジタルフィルタの出力に出力値を判定する判定機能とその値を前記位相メモリにて一時記憶して、この判定結果の位相を合わせて合成出力を得るようにしたことを特徴とする請求項4に記載の波形検出装置。
  6. 前記演算処理部の位相合わせパラメータ設定手段によって、前記デジタルフィルタの入出力遅延等の位相合わせをする代わりに、前記位相合わせパラメータ設定手段から、パラメータを前記パラメータ設定手段の乗算係数パターン設定手段に伝達し、乗算係数パターンの位相を変化させて、複数の乗算係数パターンを合成した新たな乗算係数パターンを生成しデジタルフィルタに設定したことを特徴とする請求項1に記載の波形検出装置。
  7. 信号データの特徴化をする機能をもった演算処理部と、パラメータ入力部とを備えた波形検出装置であって、前記演算処理部は、デジタルフィルタ演算手段と、パラメータ入力部とを有し、さらに前記デジタルフィルタ演算手段は、入力信号を記憶し遅延させる遅延メモリと正または負の傾きを有する線形パターンを素パターンとする乗算係数パターンを貯える乗算係数パターンメモリを備えたデジタルフィルタとパラメータ設定手段とを有し、前記パラメータ設定手段は、パラメータ入力部を介して乗算係数パターンを設定する乗算係数パターン設定手段とフィルタパラメータ設定手段とを有し、前記デジタルフィルタ演算手段は信号入力部より入力される入力信号データを前記デジタルフィルタに接続し、前記両メモリの内容の積和を算出し出力する機能を有しており、前記乗算係数パターンに単調な傾きをもったパターンを用いるようにし、そのデジタルフィルタ演算手段の出力を変換出力とすることを特徴とする波形検出装置。
  8. 前記乗算係数パターンを、正または負の傾きを有する線形パターンを素パターンとし、少なくともこの素パターンを一つ以上組み合わせて周波数応答のパワースペクトルの傾きが一部の周波数帯域で1あるいは−1の傾きとなるデジタルフィルタの出力になるようにしたことを特徴とする請求項7に記載の波形検出装置。
  9. 前記乗算係数パターンの素パターン1を選択し、次に素パターン1と長さ(タップ数)がn倍で高さがn分の1になる素パターン2を選択し、前記素パターン1および素パターン2の同じ位置同士の係数の値を加算して周波数応答でパワースペクトルの傾きが−1(1/fゆらぎ変換)となるようにしたことを特徴とする請求項7に記載の波形検出装置。
  10. 前記乗算係数パターンの素パターン1を選択し、次に素パターン1と逆符号となる相似の素パターン2を選択し、前記素パターン1および素パターン2の先頭位置を異ならせて、同じ位置同士の係数の値を加算して、新たなる乗算係数パターンを算出し、これを上記デジタルフィルタに用いて、入力信号に対して出力信号の周波数応答でパワースペクトルの傾きが2(f2乗ゆらぎ変換)となるようにしたことを特徴とする請求項7に記載の波形検出装置。
  11. 前記乗算係数パターンの値が急に0(ゼロ)に近づく部分の値を補正して、段階的に近づくようにして、デジタル情報処理に特有の偏った減衰の発生を押さえるようにしたことを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載の波形検出装置。
  12. 前記請求項1〜請求項11のいづれか1項に記載の波形検出装置を利用し、信号入力部からの入力信号データの中から、波形の特徴を抽出し、前記特徴化した波形をもとに入力信号の状態を判定し、判定結果を表示できるようにしたことを特徴とする状態監視システム。
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