JP3598257B2 - 雨傘用脱水装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、濡れた雨傘から雨水を除去する雨傘用脱水装置に関するものである。さらに詳しくは、雨天の日に濡れた雨傘を持参して建物の屋内に入場する際に入り口に設置して来場者の濡れた雨傘から雨水を除去する雨傘用脱水装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、雨天の日に濡れた雨水による建物の床、その他屋内の汚れを防止するために様々な対策が講じられてきた。例えば、折畳んだ雨傘を入れるビニール袋を建物の入り口に備えおき来訪者に提供する方法がある。しかし、この方法では使用後のビニール袋を廃棄処分のために焼却するとダイオキシンの発生源となるという問題があった。
そこで、建物の入り口に濡れた傘から雨水を拭取るために雨傘の張り布の接触するようにV字型に吸水性部材を支持した傘の雨水拭取器具を備え、入場者が歩行しながら雨傘を挿入して前記吸水性部材に雨傘の張り布をこすり付けて雨水を除去する方法も考案された。
【0003】
【発明が解決しようとしている課題】
しかし、この方法では雨傘の張り布の上方部分の雨水は除去できても先端部分は依然として雨水が含まれており建物の床その他の部分を濡らしてしまう問題は解消されずにいた。
本発明は前記した問題点を解決せんとするもので、その目的とするところは、濡れた雨傘の下部の張り布から十分に水分を除去する装置を提供せんとすることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために本発明にかかる雨傘用脱水装置は、その手段として、折畳んだ雨傘を挿入できるように上部に形成した開口部を有する筐体と、前記開口部より前記筐体内に挿入された前記雨傘を受入れて前記筺体外部よりの操作で両側から前記雨傘の先端部分を挟持可能に前記筐体の下部付近に設けられた吸水性の材質よりなる一対の押圧パッド手段と、前記一対の押圧パッド手段を上方に拡開するように付勢するばね手段と、前記ばね手段に抗して前記一対の押圧パッド手段を閉鎖するリンク機構と、前記リンク機構を前記筺体外部より駆動するペダル手段と、前記一対の押圧パッド手段の上方に前記雨傘を囲繞するように配列された吸水性材質よりなる複数の拭取りパッド手段と、前記複数の拭取りパッド手段の間に前記筐体の中心部に向かって延長するブラシ手段とを含むことを要旨とする。
【0005】
さらに、前記リンク機構は、前記筐体の内部の床の近傍に水平に支持された横軸と、該横軸に一端が固着され他端が前記筐体外部に突出しこの突出部分に前記ペダル手段が設けられたレバーと、前記一対の押圧パッド手段の側縁部にその一端が枢動自在に取付けられ、その他端が互いに連結軸を介して枢動自在に連結されている一対の連結板と、前記連結軸と前記横軸の間に設けられ前記ペダルの踏込みにより前記連結軸を上下動するように駆動するリンク手段とを有してなることが望ましい。
また、前記リンク手段は一端が前記筐体内で横軸に固着された第一連結竿と、該第一連結竿の他端に一端が枢着された第二連結竿を含み、該第二連結竿の他端は前記連結軸を介して前記一対の連結板に枢着されているのが望ましい。
【0005】
また、前記筐体は前記一対の押圧パッド手段の上方に前記雨傘を囲繞するように配列された吸水性材質よりなる複数の拭取りパッド手段を有し、さらに前記複数の拭取りパッド手段の間にはそれぞれ筐体の中心部に延長するブラシを有することが望ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る雨傘用脱水装置の実施の形態を図面と共に説明する。
図1は、雨傘用脱水装置の正面側から見た内部の構成を示し、1は雨天の日に使用した雨傘Uを折畳み上部の開口部から受容れる略直方体の筐体、2は前記筐体1に挿入された雨傘を受入れて外部よりの操作で両側から前記雨傘の先端部分を挟持可能に前記筐体1の下部付近に設けられた吸水性材質よりなる一対の押圧パッドであり、その背面でパッド背板により支持されている。
前記筐体1の内部は、その両側付近に隆起した床11に設置されたメカシャーシ3が設けられ、前記隆起した床11には脚部材12と一体のビス13が挿通される穴(図示せず)が形成されている。該メカシャーシ3は正面から見た状態を図7に示しているが、全体は一枚の板から加工されている。
すなわち、両側部に屈曲させて形成した基部31と、立上がった側壁部32と、上部で屈曲させて水平に延長させた水平天井部33と、該水平天井部33の中央部が切抜かれている中央の(図示せず)一部を屈曲させて形成した垂下部34を有する。そして、基部31にはビス穴(図示せず)を形成させ前記隆起した床11に挿通させた前記脚部材12と一体のビス13をさらに挿通させて公知の方法で固定されている。
【0007】
このように固定されたメカシャーシ3の両側壁部32の正面寄りには横軸挿通孔(図示せず)が形成されており、該横軸挿通孔に横軸4が筐体1の床のやや上に水平に枢動自在に支持されている。
【0008】
そして該横軸4は、一端が筐体の外部に突出しており該一端にはレバー50が固着されており、さらに該レバー50の先端にはペダル5が固定されている。一方、前記メカシャーシ3の前記垂下部34には左右の前記パッド背板20の下部が公知の方法で枢着されていてパッド背板20とパッド2を支持している。
【0009】
さらに、前記横軸4には第一連結竿51の一端が固着されており、該第一連結竿51の他端にはさらに第二連結竿52の一端が軸53を介して互いに枢動自在に連結されている。
【0010】
一方、前記一対の押圧パッド2の背板20の両側縁部からピン21が突出しており、該ピン21に一対の連結板22が一端において枢動自在に固定されており、ともに前記第二連結竿52の他端から突出しているピン54枢着されている。
【0011】
そして、前記押圧パッド2の片側の連結板22に関連して設けられている連結竿52にはさらにブラケット55が固定されており(図5b参照)、該ブラケット52は引張りバネ56が前記メカシャーシ3の適宜の個所で張架されているために前記一対の押圧パッド2は通常は拡開した状態を保っている。
【0012】
一方、前記押圧パッド2の背板20の反対側のピン21、該ピン21に枢動自在に固定された一対の連結板22、該連結板22を枢着しているピン23に対向した位置には前記メカシャーシ3上に支柱8が起立しており、該支柱8は前記ピン23に対向する位置に案内部81が形成されており前記ピン54が挿入されて上下に案内される構造となっている。
【0013】
従って、前記ペダル5を踏込むことにより前記したリンク機構、すなわち、レバー50、第一連結竿51、第二連結竿52、軸53、ピン21、連結板22等の作用により前記一対の押圧パッド2は引張りバネ56の付勢に抗して閉じる。
【0014】
さらに、前記押圧パッドの上方には挿入された雨傘Uを囲繞するように吸水性材質によりなる複数の拭取りパッド6が下端部より上方部に対して放射状に延長するように配列されて公知の方法で筐体に固定されている。そして、前記複数の拭取りパッド6の間からはそれぞれブラシ7が筐体1の中心部に延長するようにこれも公知の方法で筐体に固定されている。
【0015】
そして、挿入された雨傘は前記押圧パッドで先端部を挟持押圧するに先立ち、柄の部分でまわして雨傘の張り布を前記拭取りパッド6とブラシ7に擦るようにして張り布に付着した雨水を拭取るように備えられている。
【0016】
そしてこのような操作の間に落下した雨水は、前記筐体1の前記隆起した床11の間に画定された凹部に着脱自在に装着されたトレー9に溜められ、適宜時間間隔をもって取っ手91を引いて筐体1の外部に引き出されて下水道等に捨てられる。
【0017】
このような構成を有する本発明の雨傘用脱水装置の動作を以下、図5、図6、図7を参照して説明する。
【0018】
図5a、図5b、図5c、図5dは、前記押圧パッド2が開いた状態を示すものである。
【0019】
図5aにおいて、支柱8に支持されたパッド背板20は図5b、図5cに示す引張りバネ56の作用でピン54が連結板22を介して下に引っ張られるので拡開された位置をとる。(図5d)
一方、図6a、図6b、図6c、図6dは、前記押圧パッド2が閉じた状態を示すものである。すなわち、各図に示すようにペダル5を踏み込むとリンク機構、すなわち、レバー50、第一連結竿51、第二連結竿52、軸53、ピン21、連結板22等の作用により前記一対の押圧パッド2は引張りバネ56の付勢に抗して閉じる。
【0020】
【発明の効果】
本発明は、前記したように筐体の下部付近に設けられた一対の吸水性材質よりなる押圧パッドで雨天の日に使用したために雨水を含んだ雨傘を外部からの操作で挟持押圧するので雨傘の張り布から水分を搾り出して除去するので建物の屋内を雨水で汚すことがない。
【0021】
また、前記押圧パッドは筐体の下部から外部に突出したレバーに設けられたペダルを踏み込み該レバーから押圧パッドまでの間に設けたリンク機構を介して操作するようにしたために使用者が手を汚すことがないという効果がある。
【0022】
また、前記押圧パッドの上方には挿入された雨傘を囲繞するように複数の吸水性材質よりなる拭取りパッドを設けたので、雨傘を回わすことにより張り布に付着した雨水を該拭取りパッドで拭取ることができ、さらに該拭取りパッドの間に複数のブラシを筐体の中心部に向かって延長させたので雨傘の張り布に付着した雨水を払い落とすことができ、その雨水を押圧パッドにより除去することができるので更に効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る雨傘用脱水装置の正面説明図である。
【図2】同上の雨傘用脱水装置の側面説明図である。
【図3】同上の雨傘用脱水装置の背面図である。
【図4】同上の雨傘用脱水装置の平面図である。
【図5】同上の雨傘用脱水装置の押圧パッドが開いた状態を示す説明図で、(a)は側面図、(b)は正面図、(c)は反対側の側面図、(d)は平面図である。
【図6】同上の雨傘用脱水装置の押圧パッドが閉じた状態を示す説明図で、(a)は側面図、(b)は正面図、(c)は反対側の側面図、(d)は平面図である。
【図7】同上の雨傘用脱水装置内のメカシャーシの正面図である。
【符号の説明】
1 筐体
11 隆起床
2 押圧パッド
20 背板
3 メカシャーシ
4 横軸
5 ペダル
50 レバー
51 第一連結竿
52 第二連結竿
53 軸
6 拭取りパッド
7 ブラシ
U 雨傘
C 張り布
Claims (5)
- 折畳んだ雨傘を挿入できるように上部に形成した開口部を有する筐体と、前記開口部より前記筐体内に挿入された前記雨傘を受入れて前記筺体外部よりの操作で両側から前記雨傘の先端部分を挟持可能に前記筐体の下部付近に設けられた吸水性の材質よりなる一対の押圧パッド手段と、前記一対の押圧パッド手段を上方に拡開するように付勢するばね手段と、前記ばね手段に抗して前記一対の押圧パッド手段を閉鎖するリンク機構と、前記リンク機構を前記筺体外部より駆動するペダル手段と、前記一対の押圧パッド手段の上方に前記雨傘を囲繞するように配列された吸水性材質よりなる複数の拭取りパッド手段と、前記複数の拭取りパッド手段の間に前記筐体の中心部に向かって延長するブラシ手段とを有することを特徴とする雨傘脱水装置。
- 前記リンク機構は、前記筐体の内部の床の近傍に水平に支持された横軸と、該横軸に一端が固着され他端が前記筐体外部に突出しこの突出部分に前記ペダル手段が設けられたレバーと、前記一対の押圧パッド手段の側縁部にその一端が枢動自在に取付けられ、その他端が互いに連結軸を介して枢動自在に連結されている一対の連結板と、前記連結軸と前記横軸の間に設けられ前記ペダルの踏込みにより前記連結軸を上下動するように駆動するリンク手段とを有してなることを特徴とする請求項1に記載の雨傘用脱水装置。
- 前記リンク手段は一端が前記筐体内で横軸に固着された第一連結竿と、該第一連結竿の他端に一端が枢着された第二連結竿を含み、該第二連結竿の他端は前記連結軸を介して前記一対の連結板に枢着されていることを特徴とする請求項2に記載の雨傘用脱水装置。
- 前記ばね手段は前記連結軸を下方に引き下げることによって前記一対の押圧パッド手段を上方に拡開することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の雨傘用脱水装置。
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