JP3597797B2 - 通電熱加工装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉末焼結材料からなる被加工物に対し電流を供給して放電焼結を行う装置に関するものであって、特に、少ない電力で適正に焼結処理を施し得る商業的規模の実操業に適した通電熱加工装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、特許第3132560号公報に記載されているような熱加工装置が知られている。この熱加工装置は、粉末焼結材料からなる被加工物を装填する筒状の型と、この型に摺接状態で下部から内嵌される下型としての下部電極と、同上部から内嵌される上型としての上部電極と、これら両電極に電流を供給する電源装置と、両電極を介して型内の被加工物を加圧する加圧装置と、上記パルス電流を制御する制御手段とを備えた基本構成を有している。
【0003】
かかる装置の型内に被加工物を装填した後、型内の被加工物を上下の電極を介して加圧装置により所定の圧力で加圧しつつ、電源装置からの電流を上下の電極を介して被加工物に供給することにより、被加工物は通電発熱で高温になり、焼結処理が施される。
【0004】
そして、特に制御手段の制御によってパルスの立上り時点で被加工物の固有電気抵抗値の50〜5000倍となる高電圧を0.01秒〜0.1秒間印加するようになされているため、この瞬間的な高電圧の印加によって被加工物である粉末焼結材料の粒子間の空間にアーク放電が生起され、これによる高発熱で被加工物に対する焼結処理は短時間で完了する。
【0005】
なお、上記アーク放電の生起は、焼結処理の初期において発生するものであり、焼結処理の略半分が進行した後には、被加工物および型の有する固有抵抗値による通電発熱に移行する。この通電発熱の過程において被加工物に対し加圧処理を施すことにより効率的な焼結処理が行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような従来の熱加工装置は、各種のデータ採取を目的として被加工物にパルス電流を印加して実験的に焼結処理を施すのに好適なものであり、実験用であれば型の容量は数ml程度の大きさのものであればよい。しかしこのような小容量の装置を用いて商業的規模での実操業を行うことができない。
【0007】
そこで、装置をスケールアップして実操業用に大きくすることが行われるが、商業的規模では型の容量は、例えば直径が100mmで有効厚みが10mmで略80000mlのものが採用される等、型が格段に大きくなって被加工物が大きくなり、これによって被加工物が装填された型内に装置と同様の温度環境を現出させようとすれば、多大の電力を被加工物に与えなければならず、焼結製品の製造コストが高騰するという解決するべき課題が提起される。
【0008】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、少ない電力消費で被加工物に対して適正に焼結処理を施すことができる通電熱加工装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項記載の発明は、粉末焼結材料からなる被加工物が装填される型と、この型内の被加工物を挟持する対向電極とを備え、対向電極に挟持された状態の被加工物に電流を供給することにより通電発熱で被加工物に焼結処理を施す通電熱加工装置であって、上記対向電極は、対向面から順番に対向面が被加工物に当接する均熱板と、各均熱板に積層されるパンチ板とをそれぞれ有し、上記パンチ板は、均熱板に対する当接面の面積が均熱板の面積より小さくなるように寸法設定された当接部を有し、上記当接部は、パンチ板を横断するように設けられた複数条のパンチ突条によって形成されていることを特徴とするものである。
【0010】
この発明によれば、型に装填された粉末焼結材料からなる被加工物は、対向電極からの電流の供給により発熱して焼結されて焼結製品になる。そしてこの焼結処理において、対向電極に供給された電流は、均熱板に対する当接面の面積が均熱板の面積より小さくなるように寸法設定されたパンチ板の当接部を介して均熱板に供給されるため、当接部の面積が均熱板の面積より小さくなっている分、形状加工したパンチ板の凸部分での電流密度が大きくなり、この大きな電流密度による通電発熱で均熱板のパンチ板との当接位置が高温に加熱される。
【0011】
そして、型内で一対の均熱板により挟持された被加工物は、高密度の電流で高温に加熱されたパンチ板の当接部分からの熱伝導で熱が拡散した状態で均熱板に伝わり、その熱を受けることによって均一に加熱される。
【0012】
このように、パンチ板の均熱板に対する当接面積を小さくすることでパンチ板の当接部分の電流密度を大きくして高熱が均熱板に拡散されて被加工物に供給されるようなされているため、均熱板に対する当接面積が小さくなるように設定された当接部を有していない従来のパンチ板にあっては、パンチ板の全面が通電対象になって電流密度が小さくなり発熱量が少なくなるような不都合が生じるが、請求項1の発明ではそのような不都合は起こらない。
【0013】
従って、少ない電気エネルギーであっても型内の被加工物に所定の高温での焼結処理を施すことが可能になり、運転コストの低減化を実現した上で良質の焼結製品が得られる。
【0014】
請求項1記載の発明におけるパンチ板を横断するように設けられた複数条のパンチ突条によって形成された当接部を、パンチ板に突設された複数のパンチ突起(請求項2)代えたり、パンチ板の中心位置から周方向の外方に向かうように同心円状に形成された突条(請求項3)代えてもよい。
【0015】
請求項記載の発明は、請求項1乃至のいずれかに記載の発明において、上記パンチ板にさらに一または複数層のパンチ板が積層されていることを特徴とするものである。
【0016】
この発明によれば、パンチ板を複数層にすることにより、各パンチ板それぞれの当接部をそれ程小さくせずにパンチ板の機械的強度を確保した上で、各パンチ板で発生した熱エネルギーを合計することにより、焼結処理に必要な所要の熱エネルギーが得られる。
【0017】
請求項記載の発明は、請求項1乃至のいずれかに記載の発明において、上記パンチ板にはスペーサーがさらに積層され、このスペーサーは、パンチ板への当接面から遠ざかるに従って当接面に平行な断面積が漸減するように寸法設定されていることを特徴とするものである。
【0018】
この発明によれば、スペーサーのパンチ板に対する当接面が最少になっているためその分電流密度が高くなり、スペーサーのパンチ板に当接している部分は他の部分に比べて通電発熱量が多くなり、この通電による発熱がパンチ板を介して被加工物に熱伝達されるため、被加工物の焼結処理の熱効率が向上する。また、スペーサーは、パンチ板への当接面から遠ざかるに従って断面積が漸増しているため、機械的な強度が確保される。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1および図2は、本発明に係る通電熱加工装置の一実施形態を示す一部切欠き斜視図であり、図1は、加工炉本体から蓋体が取り外された状態、図2は、蓋体が加工炉本体に装着された状態をそれぞれ示している。また、図3は、図2のA−A線断面図である。
【0020】
これらの図に示すように、熱加工装置10は、焼結材料(被加工物)M(図3)に対してパルス電流を印加することによる通電加熱で当該焼結材料Mに焼結処理を施すものであり、縦長の直方体状の枠体20と、この枠体20内に設けられる薄板製の筒状の安全カバー30と、この安全カバー30に内装される熱加工炉40と、この熱加工炉40の上下から当該熱加工炉40内に摺接状態で嵌挿される対向電極50と、この対向電極50の上方側の電極(上部電極51)を押圧するシリンダ装置70と、上記対向電極50の各先端側(後述する均熱板51a,52aおよびパンチ板51b,52b)が摺接状態で内嵌される型60と、上記熱加工炉40内で対向電極50および型60を包囲するように設けられた補助加熱部材80とを備えた基本構成を有している。
【0021】
上記対向電極50および補助加熱部材80へは電源装置90からの電力が供給されるようになっている。電源装置90は、商用電源からの交流電流を変調することにより得られる所定のパルス電流を対向電極50に供給するパルス電流供給部91と、補助加熱部材80に三相で220Vの商用電力をそのまま供給する補助加熱用電力供給部92とからなっている。
【0022】
また、枠体20の近傍には、熱加工炉40内の空気を吸引除去して当該熱加工炉40内を真空環境にする真空ポンプ100が設けられ、この真空ポンプ100の駆動により型60内が真空にされた状態で焼結材料M(図3)に対して熱加工が行われるようになっている。
【0023】
また、枠体20の近傍には、シリンダ装置70に油圧を供給して上部電極51を昇降させる油圧ユニット110が設けられている。この油圧ユニット110の駆動による仕切板24を介した上部電極51の押圧によって型60内に装填されている焼結材料Mが所定の圧力で圧縮されるようになっている。
【0024】
上記枠体20は、平面視で正方形状を呈する基礎板21と、この基礎板21の四隅部に立設された4本の円柱状のガイド支柱22と、このガイド支柱22の頂部にボルト止めで固定された平面視で正方形状の天板23と、四隅部が上記各ガイド支柱22に摺接状態で貫通された平面視で正方形状の仕切板24とを備えて構成されている。
【0025】
さらに、対向電極50(上部電極51および下部電極52)の内部には冷却水路55が設けられ、この冷却水路55に上水あるいは工業用水等の冷却水源120からの冷却水が供給されて対向電極50を冷却するようにしている。こうすることにより対向電極50の過加熱を防止している。
【0026】
また、冷却水源120から上部電極51に向かう冷却水配管には上部電極用制御弁121が設けられているとともに、冷却水源120から下部電極52に向かう冷却水配管には下部電極用制御弁122が設けられ、これら制御弁121,122の開閉操作で冷却水流量を調節することにより上部電極51の上部位置および下部電極52の下部位置の温度を制御するようになされている。
【0027】
なお、上部電極51および下部電極52にはそれぞれ冷却水の受入口と排出口とが設けられているが、これらを図示すると図面が煩雑になって見苦しくなるためこれらの図示を省略している。
【0028】
そして、上記シリンダ装置70は、仕切板24を境にしてその上部に設けられている一方、安全カバー30、熱加工炉40および対向電極50は、仕切板24の下部に設けられ、これによってシリンダ装置70の加圧力は仕切板24を介して上部電極51に伝達されるのに対し、シリンダ装置70が加圧操作を行わないときは、上部電極51はシリンダ装置70とは縁切り状態になるようにしている。
【0029】
上記安全カバー30は、密封状態で熱加工炉40、対向電極50および型60を収容するものであり、円筒状の容器本体31と、この容器本体31の上面開口を閉止する天板32と、容器本体31の周面に開閉自在に取り付けられた開閉扉33とからなっている。上記天板32の中央位置には、上部電極51を摺接状態で嵌挿する嵌挿孔32aが穿設されている。
【0030】
上記開閉扉33は、容器本体31の周面開口31aを閉止し得るように図略の蝶番回りに回動可能に当該容器本体31に取り付けられている。かかる開閉扉33は、曲率半径が安全カバー30の半径と同一に寸法設定された平面視で円弧状に形成され、中心角が略120°に設定されている。そして、開閉扉33を閉止することにより熱加工炉40が安全カバー30内に納められた状態になって安全性が確保されるようになっている。
【0031】
上記熱加工炉40は、加工炉本体41と、この加工炉本体41に着脱自在に装着される蓋体42と、加工炉本体41の底面開口を閉止する底板44と、加工炉本体41の上面開口を閉止する天板43とを備えて構成されている。
【0032】
加工炉本体41は、内径寸法が型60の外径寸法に補助加熱部材80の厚み寸法を加えた寸法より僅かに大きく寸法設定され、これによって型60内の焼結材料Mは補助加熱部材80に対して非常に接近した状態で補助加熱部材80からの熱を受けるようになっている。
【0033】
かかる加工炉本体41を備えた熱加工炉40は、円筒体の周面の一部が切り欠かれた状態で形成され、平面視の中心角が略240°に設定されている一方、上記蓋体42は、加工炉本体41の切り欠かれた部分に対応するように平面視で円弧状に形成され、曲率半径が加工炉本体41のそれと同一に寸法設定されているとともに、中心角が略120°に設定され、加工炉本体41の切り欠かれた部分に嵌め合わされることによって加工炉本体41とで円筒体が形成されるようになっている。
【0034】
また、加工炉本体41および加工炉本体41の下縁部には、径方向の内方および外方に向けて所定量だけ突出した下部フランジ41a,42aがそれぞれ設けられているとともに、同上縁部には、下部フランジ41a,42aと同様の上部フランジ41b,42bがそれぞれ設けられている。そして、上記底板44は、径寸法が加工炉本体41に蓋体42が装着された状態で下部フランジ41a,42aの外径寸法と同一に寸法設定されているとともに、上記天板43は、径寸法が上部フランジ41b,42bの外径寸法と同一に寸法設定されている。
【0035】
従って、蓋体42が加工炉本体41に装着された状態で、底板44を下部フランジ41a,42aにボルト止めで固定するとともに、天板43を上部フランジ41b,42bにボルト止めで固定することにより、図2に示すように、加工炉本体41の出入口45が蓋体42によって閉止された状態の熱加工炉40が得られる。そして、蓋体42の下部フランジ42aと底板44とを連結しているボルト、および蓋体42の上部フランジ42bと天板43とを連結しているボルトをそれぞれ外すことにより、蓋体42は、図1に示すように、加工炉本体41から取り外し得るようになる。
【0036】
なお、上記のように蓋体42を加工炉本体41にボルト止めで締結する代わりに、蓋体42を加工炉本体41に蝶番を介して開閉自在に取り付け、蓋体42が閉止された状態で所定のロック機構で閉止状態をロックするようにしてもよい。
【0037】
また、天板43および底板44には、下部電極52および上部電極51を通すための上部筒体43aおよび下部筒体44aがそれぞれ天板43および底板44と同心で設けられている。そして、上部筒体43aと上部電極51との間には上部環状絶縁体43bが摺接状態で介設されているとともに、下部筒体44aと下部電極52との間には下部環状絶縁体44bが介設されている。これらの環状絶縁体43b,44bによって対向電極50と熱加工炉40とが互いに絶縁状態になるようにしている。
【0038】
上記対向電極50は、型60の上部に設けられる上部電極51と、同下部に設けられる下部電極52とからなっている。型60内の焼結材料Mは、これら上下の電極51,52からのパルス電流の印加を受けて自身の通電発熱および放電発熱によって加熱されるとともに、後述するパンチ板51b,52bの通電発熱が均熱板51a,52aを介して伝熱されて加熱され、これによって焼結処理されるようになっている。
【0039】
上記上部電極51は、図3に示すように、型60のキャビティ内に上から摺接状態で嵌挿される黒鉛製の上部均熱板51aと、この上部均熱板51aの上面に積層される黒鉛製の上部パンチ板51bと、この上部パンチ板51bの上面に積層される上部均圧板51cと、この上部均圧板51cの上面に順次積層される第一上部スペーサー51d、第二上部スペーサー51e、第三上部スペーサー51fおよび第四上部スペーサー51g等からなっている。
【0040】
上記下部電極52は、図3に示すように、型60のキャビティ内に下から摺接状態で嵌挿される黒鉛製の下部均熱板52aと、この下部均熱板52aの下面に積層される黒鉛製の下部パンチ板52bと、この下部パンチ板52bの下面に積層される下部均圧板52cと、この下部均圧板52cの下面に順次積層される第一下部スペーサー52d、第二下部スペーサー52e、第三下部スペーサー52fおよび第四下部スペーサー52gとからなっている。
【0041】
そして、型60内に装填された焼結材料Mは、上記各均熱板51a,52aに押圧挟持された状態でパルス電流供給部91からのパルス電流が印加されることにより、焼結材料Mの通電発熱および焼結材料Mの粒子間で生起されるアーク放電による放電発熱によって加熱されて焼結される。
【0042】
図4は、パンチ板51b,52bの一実施形態を示す斜視図であり、(イ)は、上部パンチ板51bを、(ロ)は下部パンチ板52bをそれぞれ示している。なお、上部パンチ板51bと下部パンチ板52bとは外径寸法が下部パンチ板52bの方が上部パンチ板51bより若干大き目に寸法設定されている他は同一仕様である。そして、上部パンチ板51bは、パンチ面を下方に向けて使用されるのに対し、下部パンチ板52bはパンチ面を上方に向けて使用される。
【0043】
かかるパンチ板51b,52bは、図4に示すように、型60の内径寸法より僅かに小さい外径寸法を有するパンチ板本体53と、このパンチ板本体53の一方の面に形成された円形突出部54とからなっている。
【0044】
上記円形突出部54は、径寸法がパンチ板本体53の径寸法より若干小さく設定されてパンチ板本体53から同心で突設されている。かかる円形突出部54には、互いに平行な複数のパンチスリット54aが当該円形突出部54を横断するように等ピッチで凹設されているとともに、隣り合った各パンチスリット54a間にそれぞれパンチ突条54bが形成されている。かかる円形突出部54の外周縁部とパンチ板本体53の外周縁部との間には面一状態の環状偏平部53aが形成されている。
【0045】
かかるパンチ板51b,52bが、図3に示すように、均熱板51a,52aを介して焼結材料Mを挟持するようになっている。そして、このようなパンチ板51b,52bが用いられるのは以下の理由による。すなわち、パンチ板51b,52bは、パンチ突条54bが設けられることにより、当該パンチ突条54bの表面のみが均熱板51a,52aに当接することになり、この当接面積はパンチ突条54bが設けられていない場合より大幅に小さくなるため、当接面積当たりの電流密度の値が大きくなり、これによってパンチ突条54bと均熱板51a,52aとの当接位置での発熱量が全面当接の場合に比べて格段に多くなる。
【0046】
従って、パンチ板51b,52bは、同一の電力を供給した場合にパンチ突条54bが存在しないものより発熱量が多くなってより高温に加熱される。そして、より高温に加熱されたパンチ板51b,52bの熱は、均熱板51a,52aを介して均一に均された状態で焼結材料Mに伝達される。また、焼結材料Mは、均熱板51a,52aから印加されるパルス電流による通電発熱によって加熱されるとともに、焼結材料Mの粒子間で生起されるアーク放電によっても加熱され焼結処理が施されることになる。
【0047】
上記均圧板51c,52c(図3)は、パンチ板51b,52bと第一スペーサー51d,52dとの間に介設され、第一スペーサー51d,52dからの加圧力を均してパンチ板51b,52bに伝達するものである。かかる均圧板51c,52cをパンチ板51b,52bと第一スペーサー51d,52dとの間に介設することにより、パンチ板51b,52bへの加圧位置偏在がなくなり、パンチ板51b,52bが保護される。
【0048】
上記第一〜第三上部スペーサー51d,51e,51f(図3)は、いずれも熱加工炉40に内装されているのに対し、第三上部スペーサー51fは上記上部環状絶縁体43bに摺接状態で嵌挿されている。
【0049】
また、第一〜第四上部スペーサー51d,51e,51f,51gの内の第一〜第三上部スペーサー51d,51e,51fは環状体によって形成されている。そしてこれらの内径寸法は、第一上部スペーサー51dのものが最大に設定され、第三上部スペーサー51fに向かうに従って順次小さくなるように寸法設定されている。
【0050】
これに対し第四上部スペーサー51g(これが実質的な電極の役割を担っている)は、環状体によって形成されていない代わり内部に冷却水路55が設けられ、この冷却水路55に冷却水源120からの冷却水が供給されることによって上部電極51の上部が冷却されるようになっている。
【0051】
そして、第一上部スペーサー51dは、内径寸法が他のスペーサーに比べて最大になっている(すなわち断面積が最少になっている)ことにより通電抵抗が最大になっており、これによって三者の内で最大の通電発熱量が得られる一方、第二〜第三上部スペーサー51e,51fに向かうに従って断面積が順次減少することにより通電発熱量も順次少なくなっていき、これによる熱勾配で上部電極51の冷却処理(第四上部スペーサー51gの冷却水路55への冷却水供給による上部電極51の冷却処理)に悪影響を及ぼさないようにしている。
【0052】
上記第一〜第三下部スペーサー52d,52e,52fは、上記第一〜第三上部スペーサー51d,51e,51fと全く同一に寸法設定されている。これに対し、第四下部スペーサー52gは、外径寸法が第四上部スペーサー51gのそれより若干大き目に寸法設定され(具体的には下部筒体44aの外径寸法と同一に設定されている)、これによって熱加工炉40を支持する支持台の役割を果し得るようになっている。
【0053】
一方、熱加工炉40の下部筒体44aと第四下部スペーサー52gとの間には絶縁材料からなる絶縁リング56が介設され、これによって熱加工炉40第四下部スペーサー52gとの間は電気的に絶縁状態になるようにしている。
【0054】
上記型60は、上下寸法が上下の均熱板51a,52aの各厚み寸法と、上下のパンチ板51b,52bの厚み寸法と、上下の均熱板51a,52a間に挟持される焼結材料Mの厚み寸法とを加えた寸法より若干短めに寸法設定されている。かかる型60は、内径寸法が均熱板51a,52aの径寸法より僅かに大きく寸法設定されているとともに、下部内周面に角部が全周に亘って切り欠かれることによって形成した環状角溝61を有している。
【0055】
この環状角溝61は、内径寸法が下部パンチ板52bのパンチ板本体53より僅かに大きく寸法設定され、これによって、図3に示すように、環状角溝61がパンチ板本体53に外嵌された状態で当該環状角溝61の上面が下部パンチ板52bの環状偏平部53aに密着当止するようになっている。
【0056】
上記シリンダ装置70は、図1〜図3に示すように、枠体20の天板23上面の中央部に縦置きでボルト止めにより固定された油圧シリンダ71と、この油圧シリンダ71から下方に向けて突出したピストンロッド72と、このピストンロッド72の下端部に同心で固定されたプレスラム73とからなっている。
【0057】
枠体20の天板23の中央部には、ピストンロッド72を挿通するための貫通孔23aが穿設され、油圧シリンダ71から下方に向けて突出したピストンロッド72は、この貫通孔23aを通って天板23から下方に垂下している。かかるピストンロッド72の下端部には雄ねじの螺設された雄ねじ部72aが形成されている一方、プレスラム73の上面中央位置には雄ねじ部72aに対応したねじ孔73aが螺設され、雄ねじ部72aがねじ孔73aに螺着されることによりプレスラム73がピストンロッド72に連結されるようになっている。
【0058】
上記プレスラム73は、同心で二段になった円柱体によって形成され、下部の大径部の径寸法が上部電極51の径寸法と略同一に設定されている。かかるプレスラム73は、枠体20の仕切板24を介して上部電極51の第四上部スペーサー51gに対向している。従って、油圧シリンダ71に油圧ユニット110からの油圧が順方向に供給されてピストンロッド72が下降することにより上部電極51が仕切板24を介して下方に向けて押圧され、これによって型60内の焼結材料Mは、上下の均熱板51a,52aによって加圧されることになる。
【0059】
このように構成されたシリンダ装置70によれば、対向電極50を介した型60内の焼結材料Mに対するシリンダ装置70の加圧力の伝達は、ピストンロッド72、プレスラム73および仕切板24を介して行われるようになっており、しかもプレスラム73は、仕切板24に対して離接可能になっているため、焼結材料Mに対する加圧エネルギーの付与と、焼結材料Mに対する通電加熱用および放電加熱用の電気エネルギーの付与とを互いに独立させた状態で焼結材料Mに対して焼結処理を施すことが可能になる。
【0060】
これに対し、従来の上部電極51がプレスラム73と一体化されたものにあっては、焼結材料Mに対するシリンダ装置70による加圧操作と、焼結材料Mに対するパルス電流供給部91からのパルス電流の印加操作とが一体不可分に行われるため、加圧操作とパルス電流の印加操作とを互いに独立して行うことができず、焼結条件設定の自由度が狭いものになるが、本発明の加圧構造においては、加圧操作と電流印加操作とを互いに他とは独立した状態で行うことができるため、焼結条件設定の自由度が格段に増大し、適切な焼結条件を選択することによって幅の広い特性をもった良質の焼結製品を得ることができる。
【0061】
図5は、補助加熱部材80の一実施形態を示す斜視図であり、(イ)は、一部切欠き分解斜視図、(ロ)は、組立て斜視図である。図5に示すように、補助加熱部材80は、煉瓦やモルタル等の断熱材からなる円弧状に形成された断熱部材81と、この断熱部材81に設けられた棒状の通電発熱体82とからなる基本構成を有している。通電発熱体82としては、ニクロム線等の金属ヒータや黒鉛ヒータ等を挙げることができる。
【0062】
断熱部材81は、中心角が120°に設定されており、従って、三体の断熱部材81の各両側縁部を互いに合わせることによって、図5の(ロ)に示すように、円筒状になる。かかる断熱部材81は、厚み寸法が加工炉本体41(蓋体42)(図1)の内面と、型60の外周面との間の距離より若干薄めに寸法設定されているとともに、上下寸法が下部フランジ41aと上部フランジ41bとの間の距離と略同一に寸法設定されている。従って、二体の断熱部材81は、図1に示すように、出入口45を介して加工炉本体41内の下部フランジ41aおよび上部フランジ41b間に圧入状態で装着することができる。また、残りの一体の断熱部材81は、蓋体42の下部フランジ42aおよび上部フランジ42b間に圧入状態で装着される。
【0063】
なお、補助加熱部材80を上下のフランジ間に圧入することに代えて、所定の係止手段を設け、この係止手段に係止させることにより補助加熱部材80を加工炉本体41および蓋体42に装着するようにしてもよい。こうすることによって焼結処理する焼結材料Mの規模に合わせた大きさの補助加熱部材80を随時装着することが可能になり、汎用性が向上する。
【0064】
このように寸法設定された断熱部材81は、その内面側に通電発熱体82を嵌挿するための複数の嵌挿溝81aを有しており、この嵌挿溝81aに、同一の曲率半径を有するように湾曲された通電発熱体82が装着されている。また、隣設した嵌挿溝81aの端部間には、各通電発熱体82を直列に接続する接続線82aを嵌め込みための上下方向に延びた嵌込み溝81bが千鳥状態で凹設されている。
【0065】
さらに、断熱部材81の一方の側端面の上下には、最上部および最下部の通電発熱体82からのリード線82bを引き出すための引出孔81cがそれぞれ穿設され、これらの引出孔81cから引き出されたリード線82bは、電源装置90の補助加熱用電力供給部92からの電力線に接続され、これによって上記補助加熱用電力供給部92からの電力が各通電発熱体82に供給され得るようになっている。
【0066】
通電発熱体82と嵌挿溝81aとの間には、所定の隙間を備えた状態で通電発熱体82を嵌挿溝81aに装着することが好ましい。その理由は、通電発熱体82が略2000℃の高温になることがあり、かかる高温の通電発熱体82が嵌挿溝81aの内壁面に当接している状態では、内壁面が溶解してしまうおそれがあるからである。
【0067】
このような補助加熱部材80は、曲率外径寸法が加工炉本体41の中央部の内径寸法と略同一に設定されているとともに、曲率内径寸法が型60の外径寸法より僅かに大きく寸法設定され、これによって型60内の焼結材料Mは、通電発熱体82から照射される熱線を熱輻射で受けて補助加熱されるようになっている。
【0068】
従って、例えば、補助加熱部材80を除いた状態の熱加工炉40を従来公知の通常の均熱炉に挿入した場合には、補助加熱の熱源が焼結材料Mから非常に遠いところに存在することにより、熱源からの輻射熱で型60内の焼結材料Mを加熱することができず、結局、均熱炉内に封入された窒素やアルゴン等の不活性ガスを介して熱伝導で焼結材料Mを補助加熱せざるを得ず、従って、焼結材料Mが所定の高温に到達するまでに長時間を要するばかりか、高価な不活性ガスを焼結処理を行う都度大量に均熱炉内に供給しなければならず、焼結処理の迅速化および低コスト化を図る上でネックになっていた。
【0069】
これに対し、本実施形態においては、通電発熱体82が焼結材料Mに対して極めて卑近な距離に設けられており、焼結材料Mは通電発熱体82の輻射熱で瞬時に加熱されるため、焼結材料Mの昇温が迅速に行われるばかりか、熱伝導に必要な高価な不活性ガスを用いる必要がなくなり、焼結処理の低コスト化を図る上で極めて有効である。
【0070】
このように構成された補助加熱部材80によれば、まず、補助加熱部材80が三体の断熱部材81を合体させることにより形成されて三分割可能になっているため、二体を出入口45を介して加工炉本体41に装着し得るとともに、残りの一体を蓋体42に装着することが可能であり、熱加工炉40に対する補助加熱部材80の施工が容易になるとともに、補助加熱部材80を移動させることなく熱加工炉40に対して焼結材料Mおよび焼結製品を容易に出し入れすることが可能になる。
【0071】
また、型60内の焼結材料Mが、電源装置90のパルス電流供給部91からのパルス電流を対向電極50を介して印加されることによる通電発熱および放電発熱で焼結されつつある状態、すなわち内部加熱がされつつある状態で、補助加熱用電力供給部92からの電力を補助加熱部材80の通電発熱体82に供給することによる通電発熱体82の発熱で型60内の焼結材料Mから径方向の外方に向かう放熱が防止される。従って、型60内の焼結材料Mは、型60の外周面を介した放熱が確実に防止されることにより内部の温度分布が均一になり、均一な焼結処理が施されるため、得られた焼結製品は均質な商品価値の高いものになる。
【0072】
以下、図6を基に熱加工装置10の運転制御について説明する。図6は、制御装置130により実行される熱加工装置10の運転制御の一実施形態を示すブロック図である。
【0073】
この図に示すように、制御装置130は、熱加工装置10の全体的な運転制御を行うためのものであって、いわゆるマイクロコンピュータによって構成され、演算処理装置であるCPU131が内蔵されているとともに、制御装置130に対して所定のデータを入力したりCPU131の演算結果を出力する入出力装置132と、データを一時的に記憶する読み書き自在の外部記憶装置であるRAM133と、制御プログラムを記憶した読み込み専用の外部記憶装置であるROM134とを備えて構成されている。
【0074】
かかる制御装置130は、入出力装置132から入力された所定の指令信号および後述する各種のセンサからの検出信号に基き、ROM134から読み取った制御プログラムの実行によって電源装置90(パルス電流供給部91および補助加熱用電力供給部92)、真空ポンプ100、油圧ユニット110および上下の電極用制御弁121,122に向けてそれぞれ所定の制御信号を出力し、これによる真空ポンプ100の駆動で熱加工炉40内が減圧状態とされ、パルス電流供給部91からの駆動信号(パルス電流)の出力によって対向電極50を介して型60内の焼結材料Mにパルス電流が印加され、補助加熱用電力供給部92からの駆動信号(商用交流電流)の出力によって補助加熱部材80に商用交流電力が供給されて焼結材料Mが外部加熱され、油圧ユニット110からの駆動信号(油圧)の出力によるシリンダ装置70の駆動で上部電極51に対するプレスラム73の押圧力が調節され、電極用制御弁121,122の開度調節で冷却水源120の流量が制御されるようになっている。
【0075】
制御装置130による上記のような制御を実行するために、熱加工装置10には各所に加工状況を検出する各種のセンサ140が設けられている。かかるセンサ140としては、均熱板51a,52aに径方向に所定ピッチで内装された(図6に示す例では下部均熱板52aに設けられている)複数の第一温度センサ141と、第四上部スペーサー51gに内装された第二温度センサ142と、第四下部スペーサー52gに内装された第三温度センサ143と、プレスラム73直下の仕切板24に設けられた感圧センサ144とが採用されている。
【0076】
上記第一温度センサ141は、型60内で対向電極50によりパルス電流が印加されて内部加熱されつつあるとともに、補助加熱部材80からの熱を得て外部加熱されつつある焼結材料Mの径方向の温度分布を検出するためのものである。この第一温度センサ141の検出信号はCPU131に入力される一方、CPU131には予め入出力装置132から焼結材料Mの設定温度分布が入力されており、第一温度センサ141からの検出信号に対応する検出温度と上記設定温度とがCPU131によって逐一比較演算され、検出温度と設定温度との差が許容限度を越えている場合には、CPU131は、パルス電流供給部91および補助加熱用電力供給部92に向けてこの差を許容範囲内に納めるような制御信号を出力するようになっている。
【0077】
具体的には、例えば焼結材料Mの中心位置の温度が許容範囲内に納まっているのに対して周縁部分の温度が許容範囲より低温である場合には、CPU131から補助加熱用電力供給部92に向けて補助加熱部材80への供給電力量を大きくするための制御信号が出力され、これを受けた補助加熱用電力供給部92は、補助加熱部材80に対する電力供給量を多くする。これによる通電発熱体82の発熱量の増大で焼結材料Mの周縁部が昇温して温度分布が許容範囲に回復されることになる。
【0078】
これに対し、例えば焼結材料Mの周縁部の温度は許容範囲内に納まっているにも拘らず、中心部分の温度が許容範囲を越えて高温になっているような場合には、パルス電流供給部91からの対向電極50に対するパルス電流の供給が一時中断される。これによって焼結材料Mは通電発熱および放電発熱による内部加熱が行われなくなるため、補助加熱部材80による外部加熱だけとなって焼結材料Mの中心部分の温度が許容範囲内に到るまで低下させられることになる。
【0079】
以上要すれば、第三温度センサ143の温度検出結果に基づいてパルス電流供給部91および補助加熱用電力供給部92から対向電極50および補助加熱部材80に、焼結材料Mの温度分布が均一になるような所定の駆動信号が出力されるため、対向電極50と補助加熱部材80との協働によって焼結材料Mは予め設定された所定の温度分布が維持されるのである。
【0080】
また、本実施形態においては、焼結材料Mの焼結処理の初期には補助加熱用電力供給部92からの交流電力によって補助加熱部材80を発熱させてその表面温度を略1000℃にまで昇温し(略15分でこの温度にまで昇温する)、略1000℃になったことが第三温度センサ143の検出信号によって確認された後にパルス電流供給部91からの駆動信号(パルス電流)を対向電極50に供給するようにしている。こうすることにより、電力コストを抑えた上で迅速かつ適切に焼結材料Mに焼結処理を施すことができる。
【0081】
つまり、仮に補助加熱部材80による外部加熱だけで焼結を行うと、「490mm×460mm×380mm」程度の容積では、焼結温度を1000℃にするには3〜4時間を要するが、本実施形態では、対向電極50と補助加熱部材80とを併用しているため、昇温時間の大幅な短縮が可能になるばかりか、均一な温度での焼結材料Mの焼結処理を達成することができる。
【0082】
また、本実施形態においては、型60として通電可能な黒鉛製のものを採用しているため、対向電極50に印加されたパルス電流は、この型60にも通電されて発熱し、型60そのものがカーボンヒーターとしての役割を果すことから、型60は、この点で焼結材料Mに対する均質な焼結処理に貢献する。
【0083】
上記第二温度センサ142および第三温度センサ143は、第四上部スペーサー51gおよび第四下部スペーサー52gの温度を検出するためのものであり、これらの検出信号は逐一制御装置130に入力され、予め記憶されている設定温度とCPU131において比較され、この比較結果で制御装置130から上下の電極用制御弁121,122に向けて制御信号が出力される、いわゆるフィードバック制御が実行され、これによる冷却水源120からの冷却水量の調節で第四スペーサー51g,52gの温度制御が行われるようになっている。
【0084】
上記感圧センサ144は、シリンダ装置70の焼結材料Mに対する押圧力を検出するためのものであり、制御装置130は、予め焼結材料Mの種類に応じて設定された設定圧力値と、感圧センサ144からの検出信号が示す検出圧力値とを比較し、この差が許容限度を越えているときは油圧ユニット110に向けて制御信号を出力し、これによる油圧ユニット110からの油圧の調節でシリンダ装置70による焼結材料Mに対する押圧力が設定圧力値になるように制御されるようになっている。
【0085】
かかる圧力制御によって、焼結材料Mは、その種類に応じて常に最適の圧力が付与された状態で焼結処理が施されることになり、焼結製品の品質が焼結材料Mの種類によってばらつくような不都合が回避される。
【0086】
ついで、パルス電流供給部91から出力されるパルス電流について説明する。パルス電流供給部91内には、図略のパルス電源回路が設けられており、この電源回路へ制御装置130を介して入出力装置132からの入力信号を伝達することにより、種々のパルス特性調整要素の変更が可能になっている。具体的には、パルスの周波数は、1Hz〜500Hzの範囲内でパルス周期、パルス間隔およびパルス幅の変更が可能であるとともに、パルスの電流エネルギーが50〜5000Aの範囲で可能になっている。
【0087】
特に放電焼結を行なう場合に適した機能として、パルス電源回路は、電源電圧が2〜24Vの範囲で、アーク放電を発生させるような絶縁破壊のためにパルス印加当初に0.01秒〜0.1秒の瞬時だけ、同一単位系で電圧の値が焼結材料Mの固有電気抵抗の値の50〜5000倍となる高周波高電圧を発生させる機能を有するように構成される。
【0088】
このようなパルス電源回路を用い、放電焼結を行なう場合の放電発生の際に、パルス電流を変化させてエネルギーを上昇させることにより、定常時の放電電圧よりはるかに高い電圧を急激に、かつ1秒以下の短時間の範囲で印加すると、効果的にアーク放電が生起されることはすでに実験的に確認している。なお、試料としての焼結材料の固有抵抗値によって放電の起こる臨界電圧が異なり、放電スタートの電圧は定常状態より数倍程度以上高くとる必要があるが、放電スタート後は、定常状態に戻しても放電が持続する。
【0089】
そして、このように短時間だけ高電圧を印加することにより、一気にアーク放電を誘起させ、粉体粒子を瞬時に溶解して焼結を効果的に行なうことができる。具体的には、100V〜10000Vの高周波高電圧をパルス立ち上がり時に0.01秒〜0.1秒の瞬時だけ印加することが、極めて有効である。
【0090】
このように本実施形態の熱加工装置10は、種々のパルスの組み合わせや、さらにパルス立ち上がり時の高電圧の印加等により、有効に放電エネルギーを利用して焼結もしくは焼生等を行なうことができる。
【0091】
すなわち、本実施形態の熱加工装置10によると、アーク放電による放電エネルギーそのものを有効に用い得るようにアーク放電を適正に制御することができ、このアーク放電の温度はミクロ的に数万度(原子水準)と理論解析されており、アーク放電を有効に用いることでミクロ的に高温として焼結を達成しつつ、マクロ的に材料の温度を低くし、熱的悪影響を防止することができる。しかも、アーク放電熱加工の前に焼結材料Mを補助加熱部材80によってある程度の温度まで加熱しておくことにより、電力コストを抑えた上で焼結材料Mに対して迅速かつ確実な焼結処理を施すことができる。
【0092】
さらに本実施形態の熱加工装置10においては、放電パルスと、これによって生じるパルス圧力を効果的に利用することができる。すなわち、型60内に充填した焼結材料Mに周期的にパルスエネルギーを与えると、パルスエネルギーが印加されたときに焼結材料Mの表面が圧縮されて粉体に加わる圧力が上昇し、パルス電流の周期に対応した周期で粉体に加わる圧力が変動する。そして、粉体表面が圧縮されたときの圧力エネルギーにより高温度となり、粉体粒子同士が結合可能な状態となるのである。
【0093】
このとき、シリンダ装置70によって焼結材料Mの全体圧力が固定されていることにより、上記圧力エネルギーが微視的に粉体粒子相互間に集中的に作用し、粉末の特性を損なわずに焼結を促進することができる。
【0094】
例えば、全体圧力1000kg、パルスエネルギー1000A、周波数1Hzに設定してパルス電流を型60内の焼結材料Mに加えると、パルス周期に対応して加圧側で1300kg、減圧側で700kgの圧力変動(全体圧力に対して±300kg)が生じ、このような圧力変動を制御することにより、減圧側で材料の溶け出しを防止しつつ、加圧側で粉体粒子の結合を促進することができる。
【0095】
このパルス電流の放電効果は、粉状である焼結材料Mの焼結初期において効果があり、焼結が進んで粒子の間隙が少なくなるに連れて通電性が進み、焼結材料Mのもつ固有抵抗によるジュール発熱に移る。この時点からパンチ板51b,52bのパンチ突条54bの発熱および補助加熱部材80の発熱が有効に焼結材料Mに作用することになる。
【0096】
本発明の熱加工装置10は、以上詳述したように、粉末の焼結材料Mが装填される型60と、この型60内の焼結材料Mを挟持する対向電極50とを備え、対向電極50に挟持された状態の焼結材料Mにパルス電流を供給することにより通電発熱で焼結材料Mに焼結処理を施すものであり、上記対向電極50は、対向面から順番に対向面が焼結材料Mに当接する均熱板51a,52aと、各均熱板51a,52aに積層されるパンチ板51b,52bとをそれぞれ有し、上記パンチ板51b,52bには、均熱板51a,52aに対する当接面の面積が均熱板51a,52aの面積より小さくなるように寸法設定されたパンチ突条54bが設けられているため、型60に装填された粉状の焼結材料Mは、対向電極50からのパルス電流の供給により発熱して焼結されて焼結製品になる。そしてこの焼結処理において、対向電極50に供給されたパルス電流は、均熱板51a,52aに対する当接面の面積が均熱板51a,52aの面積より小さくなるように寸法設定されたパンチ板51b,52bのパンチ突条54bを介して均熱板51a,52aに供給されるため、パンチ突条54bの面積が均熱板51a,52aの面積より小さくなっている分、各当接位置での電流密度が大きくなり、これによるパンチ板51b,52bのパンチ突条54bと均熱板51a,52aとの間でのアーク放電の生起によって電気エネルギーを効率的に熱エネルギーに変換することが可能になり、均熱板51a,52aはパンチ板51b,52bとの当接位置が高温に加熱される。
【0097】
この均熱板51a,52aおよびパンチ板51b,52bの効果は、焼結処理における初期のアーク放電領域と、その後の抵抗発熱領域との双方において確かめられ、特に通電発熱による焼結処理については、抵抗発熱領域において顕著な効果が発揮される。
【0098】
そして、型60内で一対の均熱板51a,52aにより挟持された焼結材料Mは、均熱板51a,52aの高温に加熱された部分からの熱伝導で熱が拡散した状態で均熱板51a,52aから熱を受けることによって均一に加熱される。
【0099】
このように、パンチ板51b,52bの均熱板51a,52aに対する当接面積を、パンチ突条54bを設けることで小さくすることにより電流密度を大きくして通電発熱量を多くするようになされているとともに、このアーク放電による高熱が均熱板51a,52aで拡散されて焼結材料Mに供給されるようなされているため、パンチ突条54bを有していない従来のパンチ板にあっては、その全面が通電対象になって電流密度が小さくなり抵抗発熱昇温が難くなるような不都合が生じるが、本発明ではこのような不都合を回避することができる。
【0100】
従って、少ない電気エネルギーであっても型60内の焼結材料Mに所定の高温での焼結処理を施すことが可能になり、運転コストの低減化を実現した上で良質の焼結製品を得ることができる。
【0101】
また、パンチ板51b,52bには環状のスペーサー(第一スペーサー51d,52d、第二スペーサー51e,52eおよび第三スペーサー51f,52f)が積層されているとともに、各スペーサーの内径寸法は、第一スペーサー51d,52dが最も大きく、そのつぎは第二スペーサー51e,52eであり、最も小さいのは第三スペーサー51f,52fというように、スペーサーは、パンチ板51b,52bへの当接面から遠ざかるに従って内径寸法が漸減するように寸法設定されているため、発熱したパンチ板51b,52bの熱がスペーサーを介して放熱される放熱量を少なく抑えることが可能になり、焼結処理における熱効率を向上させることができる。
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、以下の内容をも包含するものである。
【0102】
(1)上記の実施形態においては、パンチ板51b,52bの対向面に形成される円形突出部54には、当該円形突出部54を横断するように直状のパンチ突条54bが設けられているが、本発明は、パンチ突条54bが直状のものであることに限定されるものではなく、図7および図8に示す各種のパンチ突部を採用することができる。
【0103】
図7は、第二実施形態のパンチ突部が設けられたパンチ板51b,52bを示す斜視図であり、(イ)は上部パンチ板51bを示し、(ロ)は下部パンチ板52bを示している。図7に示すように、第二実施形態のパンチ突部(当接部)は、パンチ板51b,52bの各パンチ板本体53から対向方向に向けて突設された複数個の円柱状パンチ突起54cによって構成されている。図7に示す例では、パンチ板本体53の周縁より若干内側位置の同一円周上に周方向等ピッチで6個の円柱状パンチ突起54cが設けられている。
【0104】
第二実施形態のパンチ突部によれば、パルス電流が通電されることにより、同一円周上に等ピッチで存在する円柱状パンチ突起54cの先端面が当接した位置の均熱板51a,52aが発熱し、この熱が均熱板51a,52aでの熱伝導の過程で分散されて焼結材料Mに均一に伝達される。そして、パンチ板51b,52bの対向面の全面が均熱板51a,52aに当接する場合に比較して電流密度が大きくなるため、均熱板51a,52aはより高温に加熱されるとともに、パンチ板51b,52bの周縁部に円柱状パンチ突起54cが存在しないことによりこの部分は他より高温に加熱されず、従って放熱が有効に防止される。
【0105】
図8は、第三実施形態のパンチ突部が設けられたパンチ板51b,52bを示す斜視図であり、(イ)は上部パンチ板51bを示し、(ロ)は下部パンチ板52bを示している。図8に示すように、第二実施形態のパンチ突部(当接部)は、パンチ板51b,52bの各パンチ板本体53の中心位置から周方向の外方に向かうように渦巻き状に形成された渦巻き突条54dによって形成している。
【0106】
かかる渦巻き突条54dを設けることにより、渦巻き突条54dの渦巻きに沿うように焼結材料Mが加熱されるため、より良好な均一加熱が実現する。なお、渦巻き突条54dに代えて同心の円形突条を複数設けてもよい。
【0107】
(2)上記の実施形態においては、各パンチ板51b,52bは、それぞれ一層だけが設けられているが、図9に示すように、複数層で設けてもよい。なお、図9には各パンチ板51b,52bが二層のものを示している。各パンチ板51b,52bを複数層にすることにより、各パンチ板51b,52bそれぞれの均熱板51a,52aに対する当接面積をそれ程小さくせず、これによってにパンチ板51b,52bの機械的強度を確保した上で、各均熱板51a,52aで発生した熱エネルギーを合計することにより、焼結処理に必要な所要の熱エネルギーを得ることができる。
【0108】
(3)上記の実施形態においては、型60として黒鉛製のものが採用され、この黒鉛製の型60への通電による発熱をも焼結材料Mの加熱源として利用しているが、本発明は、特に型60を加熱源としなくても、補助加熱部材80によって焼結材料Mを外部加熱し得るように構成されていることから、型60を特に黒鉛製にする必要はなく、セラミック製のものを採用してもよい。こうすることによって、対向電極50から供給されたパルス電流を全て焼結材料Mに印加することが可能になり、これによる焼結材料M内での電流密度の増大によって焼結材料Mの粒子間でのプラズマ放電がより生起され易くなり、より良好な焼結処理が実現する。
【0109】
(4)上記の実施形態においては、焼結材料Mに対する加圧手段として油圧ユニット110からの油圧で作動するシリンダ装置70が採用されているが、本発明は、加圧手段がシリンダ装置70であることに限定されるものではなく、例えば電動モータの駆動で所定の押圧ロッドを作動させて焼結材料Mを押圧するような構造のものであってもよい。
【0110】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、対向電極を、対向面から順番に対向面が被加工物に当接する均熱板と、各均熱板に積層されるパンチ板とを備えて構成し、パンチ板の均熱板に対する当接面の面積を、均熱板の面積より小さくなるように寸法設定しているため、対向電極に供給された電流は、このように寸法設定されたパンチ板の当接部を介して均熱板に供給され、当接部の面積が均熱板の面積より小さくなっている分、各当接位置での電流密度が大きくなり、これによるパンチ板の当接部の通電における電気エネルギーの効率的な熱エネルギーへの変換が可能になり、均熱板のパンチ板との当接位置をより高温にすることができる。
【0111】
そして、型内で一対の均熱板により挟持された被加工物は、高温に加熱された、形状加工されたパンチ板の当接部からの熱伝導で熱が拡散した状態で均熱板から熱を受けるため、当該被加工物を均一に加熱することができる。
【0112】
このように、パンチ板の均熱板に対する当接面積を小さくすることで電流密度を大きくして通電発熱量を多くし得るようになされているとともに、この高熱が均熱板で拡散されて被加工物に供給されるようなされているため、均熱板に対する当接面積が小さくなるように設定された当接部を有していない従来のパンチ板にあっては、パンチ板の全面が通電対象になって電流密度が小さくなり熱発生が少なくなるような不都合が生じることはなく、少ない電気エネルギーであっても型内の被加工物に所定の高温での焼結処理を施すことが可能になり、運転コストの低減化が実現された上で良質の焼結製品を得ることができる。
【0113】
請求項記載の発明によれば、パンチ板にさらに一または複数層のパンチ板が積層されているため、各パンチ板それぞれの当接部の当接面積をそれ程小さくせずにパンチ板の機械的強度を確保した上で、各パンチ板で発生した熱エネルギーを合計することにより、焼結処理に必要な所要の熱エネルギーを得ることができる。
【0114】
請求項記載の発明によれば、パンチ板にはスペーサーがさらに積層され、このスペーサーは、パンチ板への当接面から遠ざかるに従って断面積が漸減するように寸法設定されているため、その分電流密度が高くなり、スペーサーのパンチ板に当接している部分は他に比べて通電発熱量が多くなり、この熱がパンチ板を介して被加工物に熱伝達されることにより被加工物の焼結処理の熱効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る通電熱加工装置の一実施形態を示す一部切欠き斜視図であり、加工炉本体から蓋体が取り外された状態を示している。
【図2】図1に示す通電熱加工装置の加工炉本体に蓋体が装着された状態を示す斜視図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】第一実施形態のパンチ突部を有するパンチ板を示す斜視図であり、(イ)は、上部パンチ板を、(ロ)は下部パンチ板をそれぞれ示している。
【図5】補助加熱部材の一実施形態を示す斜視図であり、(イ)は、一部切欠き分解斜視図、(ロ)は、組立て斜視図である。
【図6】制御装置により実行される熱加工装置の運転制御の一実施形態を示すブロック図である。
【図7】第二実施形態のパンチ突部が設けられたパンチ板を示す斜視図であり、(イ)は上部パンチ板を示し、(ロ)は下部パンチ板を示している。
【図8】第三実施形態のパンチ突部が設けられたパンチ板を示す斜視図であり、(イ)は上部パンチ板を示し、(ロ)は下部パンチ板を示している。
【図9】パンチ板を複数層で設けた例を示す断面図である。
【符号の説明】
10 熱加工装置 20 枠体
21 基礎板 22 ガイド支柱
23 天板 23a 貫通孔
24 仕切板 30 収納容器
31 容器本体 31a 周面開口
32 天板 32a 嵌挿孔
33 開閉扉 40 熱加工炉
41 加工炉本体 41a 下部フランジ
41b 上部フランジ 42 蓋体
42a 下部フランジ 42b 上部フランジ
43 天板 43a 上部筒体
44b 下部環状絶縁体 44 底板
44a 下部筒体 45 出入口
50 対向電極 51 上部電極
51a 上部均熱板 51b 上部パンチ板
51c 上部均圧板
51d 第一上部スペーサー
51e 第二上部スペーサー
51f 第三上部スペーサー
51g 第四上部スペーサー
52 下部電極 52a 下部均熱板
52b 下部パンチ板 52c 下部均圧板
52e 第二下部スペーサー
52d 第一下部スペーサー
52f 第三下部スペーサー
52g 第四下部スペーサー
53 パンチ板本体 53a 環状偏平部
54 円形突出部(当接部)
54a パンチスリット
54b パンチ突条 54c 円柱状パンチ突起
54d 渦巻き突条
55 冷却水路 56 絶縁リング
60 型 61 環状角溝
70 シリンダ装置 71 油圧シリンダ
72 ピストンロッド 72a 雄ねじ部
73 プレスラム 73a ねじ孔
80 補助加熱部材 81 断熱部材
81a 嵌挿溝 81b 溝
81c 引出孔 82 通電発熱体
82a 接続線 82b リード線
90 電源装置 91 パルス電流供給部
92 補助加熱用電力供給部
100 真空ポンプ 110 油圧ユニット
120 冷却水源 121 上部電極用制御弁
122 下部電極用制御弁 130 制御装置
131 CPU 132 入出力装置
133 RAM 134 ROM
140 センサ 141 第一温度センサ
142 第二温度センサ 143 第三温度センサ
144 感圧センサ

Claims (5)

  1. 粉末焼結材料からなる被加工物が装填される型と、この型内の被加工物を挟持する対向電極とを備え、対向電極に挟持された状態の被加工物に電流を供給することにより通電発熱で被加工物に焼結処理を施す通電熱加工装置であって、上記対向電極は、対向面から順番に対向面が被加工物に当接する均熱板と、各均熱板に積層されるパンチ板とをそれぞれ有し、上記パンチ板は、均熱板に対する当接面の面積が均熱板の面積より小さくなるように寸法設定された当接部を有し、上記当接部は、パンチ板を横断するように設けられた複数条のパンチ突条によって形成されていることを特徴とする通電熱加工装置。
  2. 粉末焼結材料からなる被加工物が装填される型と、この型内の被加工物を挟持する対向電極とを備え、対向電極に挟持された状態の被加工物に電流を供給することにより通電発熱で被加工物に焼結処理を施す通電熱加工装置であって、上記対向電極は、対向面から順番に対向面が被加工物に当接する均熱板と、各均熱板に積層されるパンチ板とをそれぞれ有し、上記パンチ板は、均熱板に対する当接面の面積が均熱板の面積より小さくなるように寸法設定された当接部を有し、上記当接部は、パンチ板に突設された複数のパンチ突起によって形成されていることを特徴とする通電熱加工装置。
  3. 粉末焼結材料からなる被加工物が装填される型と、この型内の被加工物を挟持する対向電極とを備え、対向電極に挟持された状態の被加工物に電流を供給することにより通電発熱で被加工物に焼結処理を施す通電熱加工装置であって、上記対向電極は、対向面から順番に対向面が被加工物に当接する均熱板と、各均熱板に積層されるパンチ板とをそれぞれ有し、上記パンチ板は、均熱板に対する当接面の面積が均熱板の面積より小さくなるように寸法設定された当接部を有し、上当接部は、パンチ板の中心位置から周方向の外方に向かうように同心円状に形成された突条によって構成されていることを特徴とする請求項1記載の通電熱加工装置。
  4. 上記パンチ板にさらに一または複数層のパンチ板が積層されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の通電熱加工装置。
  5. 上記パンチ板にはスペーサーがさらに積層され、このスペーサーは、パンチ板への当接面から遠ざかるに従って当接面に平行な断面積が漸減するように寸法設定されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の通電熱加工装置。
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