JP3597594B2 - 木目柄導管断面パターンの発生装置および発生方法 - Google Patents
木目柄導管断面パターンの発生装置および発生方法 Download PDFInfo
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、木目柄導管断面パターンの発生装置および発生方法に関し、特に、より自然な風合いが表現できるように、あるいは、より意匠性の高い表現ができるように、導管断面パターンを人為的に作成し、これを印刷物上に形成する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
壁紙などの建材製品や、種々の商品のパッケージなどの模様として、木目柄パターンは広く利用されている。このような木目柄パターンをもった印刷物を作成する場合、通常は、天然木の板目をカメラなどで撮影し、この天然木のもつ木目柄パターンをそのまま利用する方法が採られる。また、近年では、印刷分野においてもコンピュータを利用した画像処理技術が普及してきているため、天然木の木目柄パターンをCCDカメラなどで画像データとして取り込み、この画像データに対して、コンピュータを利用して必要な画像処理を施し、処理後の画像データに基づいて印刷を行うという手法も広く行われている。
【0003】
一般に、木目柄パターンは、年輪パターンと導管断面パターンとを含んでいる。年輪パターンは、樹木の年ごとの成長に合わせて形成されるパターンである。通常は、樹木の成長環境における寒暖の差に基づいて濃淡の差が生じ、この濃淡の差がそのまま年輪パターンとして現れることになる。したがって、1年ごとの周期的な濃淡パターンになる。一方、導管断面パターンは、樹木の導管を切断することによって得られる断面パターンである。導管は、樹木が植物としての生理作用を営むために必要な器官であり、幹から梢に向かって伸びる細い管である。通常、その断面は細長い楕円状になる。したがって、天然木の板目に現れる木目柄パターンを観察すると、全体的には年輪パターンが認識されるが、細かく見ると、小さな導管断面パターンが多数配置されているのが認識される。
【0004】
壁紙などでは、上述のような天然木の木目の風合いをできるだけ忠実に再現するために、年輪パターンと導管断面パターンとを重畳して木目柄パターンを表現するのが一般的である。通常は、天然木の板目から、年輪パターンと導管断面パターンとをそれぞれ別個に撮影し、別個の版を作成し、印刷時に両者を合成する手法が採られる。年輪パターンと導管断面パターンとは、同一の層上に重ねて印刷されることもあるが、年輪パターンを印刷層に、導管断面パターンをエンボス層に、それぞれ別個に形成することもある。もともと、天然木についての導管断面は凹凸構造を有するため、導管断面パターンを透明なエンボス層上に凹凸をもった三次元パターンとして表現し、このエンボス層を、年輪パターンを印刷した印刷層上に積層させれば、より天然木に近い質感が表現できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、天然木の板目から導管断面パターンを抽出する作業は、技術的には非常に困難な作業になる。この作業は、通常は、カメラで板目を写真撮影し、スキャナ装置によってこの写真から導管断面パターンをデジタルデータとして取り込むか、あるいは、デジタルカメラで板目から直接導管断面パターンを取り込むことによって行われる。ところが、カメラやスキャナの空間解像度には限界があり、微小な導管断面の形状を忠実にパターンデータとして取り込むことは困難である。特に、天然木によっては、板目に現れた導管部と非導管部との色調差が微差である場合があり、このような板目に対しては、画像入力系の感度、ダイナミックレンジ、量子化ビット数、A/Dビット数などの限界から、導管断面パターンを忠実に取り込むことは非常に困難になる。このような場合、導管部のみを染料などで着色した後に写真撮影するなどの手法も採られているが、導管部のみを正確に着色することは技術的に困難であり、また、着色という余分な工程が必要になるため、手間が増大するという問題が生じる。
【0006】
また、従来の方法で印刷物上に表現した木目柄パターンは、意匠性に乏しいという問題もある。すなわち、年輪パターンおよび導管断面パターンを天然木の板目から抽出すると、確かに、天然木に近い自然な風合いを印刷物上に再現することは可能であるが、逆に言えば、天然に存在する樹木に見られる木目柄パターンに限定されてしまい、斬新なデザインをもった木目柄パターンを作成することができなくなる。たとえば、もともと導管が存在しないような種類の天然木(針葉樹など)では、当然、板目から導管断面パターンを抽出することは不可能になるため、このような天然木から抽出した木目柄パターンは、年輪パターンのみから構成されるものとなり、意匠的に単調になりやすい。
【0007】
そこで本発明は、天然木に近い自然な木目柄パターン、あるいは、天然木にない意匠性の高い木目柄パターンを、比較的簡単な作業で印刷物上に表現することができる木目柄導管断面パターンの発生装置および発生方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1) 本発明の第1の態様は、木目柄導管断面パターンの発生装置において、木目柄の年輪パターンを、階調をもった画素の集合からなるラスター画像として入力する年輪パターン入力手段と、
画素のもつ階調値と、導管断面パターンの発生確率を示す確率値と、の対応関係を定義する対応関係定義手段と、
ラスター画像の各画素について、それぞれ階調値に対応づけられた確率値に基づいて、導管断面パターンの発生位置となるか否かを決定する発生位置決定手段と、
発生位置となった画素近傍に、所定形状の導管断面パターンを発生させる導管断面パターン発生手段と、
を設けたものである。
【0009】
(2) 本発明の第2の態様は、上述の第1の態様に係る木目柄導管断面パターンの発生装置において、
年輪パターン入力手段に、天然木の断面を撮影し、この撮影画像をラスター画像として取り込む機能をもたせるようにしたものである。
【0010】
(3) 本発明の第3の態様は、上述の第2の態様に係る木目柄導管断面パターンの発生装置において、
対応関係定義手段が、ラスター画像のもとになった天然木についての、各部分の濃度値と成長時期との相関関係および成長時期と導管密度との相関関係に基づいて、階調値と確率値との対応関係を定義するようにしたものである。
【0011】
(4) 本発明の第4の態様は、上述の第1〜第3の態様に係る木目柄導管断面パターンの発生装置において、
発生位置決定手段に、乱数を発生させる機能をもたせ、
発生させた乱数と、その画素の階調値に対応づけられた確率値と、の大小関係に基づいて、各画素が導管断面パターンの発生位置となるか否かの決定が行われるようにしたものである。
【0012】
(5) 本発明の第5の態様は、上述の第1〜第4の態様に係る木目柄導管断面パターンの発生装置において、
導管断面パターン発生手段に、乱数を発生させる機能をもたせ、
発生させた乱数に基づいて、導管断面パターンの形状/大きさが決定されるようにしたものである。
【0013】
(6) 本発明の第6の態様は、上述の第1〜第5の態様に係る木目柄導管断面パターンの発生装置において、
ラスター画像の階調値の勾配に基づいて、各画素についての配向性を決定する配向性決定手段を更に設け、
導管断面パターン発生手段が、発生位置となった画素についての配向性に応じた向きに、導管断面パターンを発生できるようにしたものである。
【0014】
(7) 本発明の第7の態様は、木目柄導管断面パターンの発生装置において、
木目柄の年輪パターンを、階調をもった画素の集合からなるラスター画像として入力する年輪パターン入力手段と、
ラスター画像の各画素について、所定の確率値に基づいて、導管断面パターンの発生位置となるか否かを決定する発生位置決定手段と、
発生位置となった画素近傍に、所定形状の導管断面パターンを発生させる導管断面パターン発生手段と、
導管断面パターンと年輪パターンとを媒体上に重畳して出力する手段と、
を設けたものである。
【0015】
(8) 本発明の第8の態様は、年輪パターンと導管断面パターンとを重畳することにより木目柄パターンを発生させる木目柄導管断面パターンの発生方法において、
階調をもった画素の集合からなるラスター画像として木目柄の年輪パターンを用意する段階と、
形状/大きさが一様でない多数の導管断面パターンを用意する段階と、
年輪パターン上に、その濃淡に応じた密度で、導管断面パターンを配置する処理をコンピュータに実行させる段階と、
を行うようにしたものである。
【0016】
(9) 本発明の第9の態様は、上述の第8の態様に係る木目柄導管断面パターンの発生方法において、
年輪パターンについて、淡い部分ほど導管断面パターンの配置密度を大きくし、濃い部分ほど導管断面パターンの配置密度を小さくしたものである。
【0017】
(10) 本発明の第10の態様は、上述の第8または第9の態様に係る木目柄導管断面パターンの発生方法において、
年輪パターンの濃淡に応じた方向に基づいて、導管断面パターンを年輪パターン上に配置するようにしたものである。
【0018】
(11) 本発明の第11の態様は、上述の第8〜10の態様に係る木目柄導管断面パターンの発生方法において、
内部が階調をもって表現されている導管断面パターンを用いるようにしたものである。
【0020】
【作 用】
本発明に係る木目柄導管断面パターンの発生装置によれば、コンピュータを利用して、導管断面パターンを人為的に発生させることができる。このため、天然木から導管断面パターンを抽出する作業が一切必要なくなり、比較的簡単な作業で、年輪パターンと導管断面パターンとを有する木目柄パターンを印刷物上に表現することが可能になる。また、発生する導管断面パターンは、実際の天然木から抽出したものではないため、より自由度の高いパターンとなり、天然木にない意匠性の高い木目柄パターンの生成が可能になる。
【0021】
一般に、年輪パターンは、年周期で濃淡の階調をもつが、これと同様に、導管断面パターンの密度も年周期で変化する。通常、年輪パターンの淡い部分ほど導管密度は大きく、濃い部分ほど密度は小さくなる。これは、樹木の成長態様が成長時期(四季)によって異なるため、生成される導管の密度も成長時期(四季)によって異なるためである。本発明に係る木目柄導管断面パターンの発生装置では、年輪パターンの各部の階調値に対応して、導管断面パターンの発生密度を決定することができるため、導管断面パターンの密度分布を年輪パターンの濃淡分布に同調させることができる。したがって、導管断面パターンを人為的に発生したのにもかかわらず、全体的に自然な風合いが表現できる。
【0022】
本発明は、年輪パターンと導管断面パターンとを重畳して木目柄パターンを形成する場合に、少なくとも導管断面パターンを人為的に発生させることを特徴とするものである。したがって、年輪パターンとしては、天然の樹木から抽出したものを用いてもよいし、人為的に発生させたものを用いてもよい。ただ、天然の風合いをもった木目柄パターンを得るという目的のためには、年輪パターンを天然の樹木から抽出する方法を採るのが好ましい。年輪パターンを天然の樹木から抽出し、この年輪パターンに同調した密度分布をもつ導管断面パターンを人為的に発生させるようにすれば、年輪パターンと導管断面パターンとを重畳して得られる木目柄パターンは、天然木の板目模様に非常に近い風合いをもったものになる。逆に、天然木にない意匠性の高い木目柄パターンを得るという目的であれば、人為的に発生させた年輪パターンを用いて本発明を実施することも可能である。また、もともと導管をもたない針葉樹などの天然木について本発明を適用すれば、やはり、天然木にない意匠性の高い木目柄パターンを作成することが可能になる。
【0023】
導管断面パターンの発生プロセスでは、乱数を用いるのが好ましい。すなわち、導管断面パターンの発生分布を定めるには、年輪パターンの階調値に対応して定義された導管断面パターンの発生確率値と、発生させた乱数との大小関係に基づいて、所定の位置に導管断面パターンを発生させるか否かを定めるようにすれば、年輪パターンに同調した密度分布をもちながら、かつ、ランダムに配置された導管断面パターンが得られることになる。また、導管断面パターンの形状/大きさを定めるのにも乱数を用いるようにすれば、発生させた複数の導管断面パターンが相互に形状/大きさが異なるものになるため、人為的に発生させたのにもかかわらず、自然のゆらぎが表現できるようになる。
【0024】
実際の天然木では、導管の伸びる方向も成長時期に依存する。そこで、年輪パターンの階調値の勾配に基づいて、発生させる導管断面パターンの配向性を決定するようにすれば、導管の伸びる方向をも考慮した自然な導管断面パターンを得ることが可能になる。
【0025】
また、発生させる導管断面パターンの内部を階調をもって表現するようにすれば、より自然に近い、あるいは、より意匠性の高い木目柄パターンを実現することが可能になる。
【0026】
【実施例】
以下、本発明を図示する実施例に基づいて説明する。はじめに、図1を参照しながら、一般的な木目柄パターンの構成を説明する。壁紙や建材など装飾に用いられている一般的な木目柄パターンP12は、図1に示すように、年輪パターンP1と導管断面パターンP2とを重畳することにより得られる。
【0027】
既に述べたように、年輪パターンは、樹木の年ごとの成長に合わせて形成されるパターンであり、通常は、樹木の成長環境における寒暖の差に基づいて濃淡の差が生じ、この濃淡の差がそのまま年輪パターンとして現れることになる。図1の左上に示す図は、天然木T1を示す単純な幾何学モデル図であり、天然木T1を単純な同軸円筒モデルとして示してある。1つの円筒とその外側の円筒との間の領域が、1年間に成長した部分に相当する。もちろん、実際の天然木は、このような完全な同軸円筒モデルにはならず、かなり歪な形状になる。このような天然木T1を所定の切断面J1によって切断すると、その切断面には、図示のような年輪パターンP1が得られることになる。この単純な幾何学モデルの場合、年輪パターンP1は同心楕円状のパターンとなり、1つの楕円とその外側の楕円との間の領域が、1年間に成長した部分に対応することになる。
【0028】
一方、導管断面パターンは、樹木が植物としての生理作用を営むために必要な導管を切断することによって得られるパターンであり、通常は、微細な細長い楕円状のパターンになる。図1の右上に示す図は、天然木の組織を構成する1本の導管T2を示す単純な幾何学モデル図であり、導管T2を単純な円筒モデルとして示してある。この円筒状の導管内を伝わって、植物の生理作用に必要な物質が運搬されることになる。このような導管T2を所定の切断面J2によって切断すると、その切断面には、図にハッチングを施して示すような楕円状の単一の導管断面パターンPが得られることになる。もちろん、実際には、この単一の導管断面パターンPは、幾何学的に完全な楕円にはならず、かなり歪な形状になる。図1の右上には、1本の導管T2を切断面J2によって切断した状態を示してあるが、樹木内には、このような導管T2が多数存在するため、天然木を切断して得られる板目の上には、図示する導管断面パターンP2のように、多数の導管断面が配置されたパターンが得られることになる。通常、天然木を切断する場合、できるだけ美しい板目が得られるように、成長方向に沿った断面で切断されることが多い。このため、導管断面パターンP2は、非常に細長い歪な楕円状パターンの集合となり、肉眼で観察した場合には、多数の線状痕がいずれもほぼ樹木の成長方向を向いて配置されているようなパターンに見える。
【0029】
このような導管断面パターンP2を、年輪パターンP1に重ねることにより、木目柄パターンP12が得られることになる。両パターンを重畳する手法としては、塩化ビニルなどの樹脂シート上に重ね刷りをし、いずれのパターンも印刷によって表現する手法もあるが、年輪パターンP1を樹脂シート上に印刷により表現し、導管断面パターンP2をこの樹脂シート上に透明なエンボス凹凸構造(導管内部が凹部となる)として表現し、印刷層の上にエンボス層を積層させる手法もある。あるいは、両パターンともに印刷層上に表現した上に、更に、導管断面パターンP2のみをエンボス層上に凹凸構造として形成し、エンボス層を印刷層に積層させる手法もある。
【0030】
壁紙などの印刷物に木目柄パターンによる装飾を施す場合、従来は、天然木から年輪パターンP1および導管断面パターンP2を抽出していたが、導管断面パターンP2の抽出作業は技術的に困難な作業になるという問題があることは既に述べたとおりである。また、このような従来の手法では、天然木に近い自然な風合いを印刷物上に再現することは可能であるが、斬新な意匠性の高い木目柄パターンを得ることができないという問題があることも既に述べたとおりである。
【0031】
本発明は、このような問題を解決するために、導管断面パターンP2をコンピュータを用いて人為的に発生させるための新規な技術を提供するものである。以下、この技術に関する実施例を説明する。
【0032】
図2は、本発明に係る木目柄導管断面パターンの発生装置を利用した建材シート(たとえば壁紙)の作成システムの基本構成を示すブロック図である。ここで、年輪パターン入力手段1は、木目柄の年輪パターンを、階調をもった画素の集合からなるラスター画像として入力する機能を有し、対応関係定義手段2は、入力したラスター画像の画素のもつ階調値と、導管断面パターンの発生確率を示す確率値と、の対応関係を定義する機能を有する。また、発生位置決定手段3は、年輪パターン入力手段1によって入力したラスター画像の各画素について、対応関係定義手段2において各階調値に対応づけられた確率値を参照し、個々の画素が導管断面パターンの発生位置となるか否かを決定する機能を有し、配向性決定手段4は、年輪パターン入力手段1によって入力したラスター画像の階調値の勾配に基づいて、各画素についての配向性を決定する機能を有する。
【0033】
導管断面パターン発生手段5は、実際に、導管断面パターンを発生させる手段であり、具体的には、発生位置決定手段3によって発生位置になるとされた画素の近傍に、所定形状の導管断面パターンを発生させる処理を行う。このとき、導管断面パターン発生手段5において決定された配向性に応じた向きに、導管断面パターンが配置されることになる。このようにして、導管断面パターン発生手段5から出力される導管断面パターンP2が、本発明に係る木目柄導管断面パターンの発生装置によって発生させる目的物である。なお、具体的なハードウエア構成としては、対応関係定義手段2,発生位置決定手段3,配向性決定手段4,導管断面パターン発生手段5は、いずれもコンピュータおよびこれに接続された記憶装置によって構成されている。
【0034】
図2に示す建材シートの作成システムでは、こうして得られた導管断面パターンP2を刷版装置6に与えて表面に凹凸構造をもったエンボス版の作成を行う。一方、年輪パターン入力手段1によって入力した年輪パターンP1を刷版装置8に与えて年輪パターンの印刷版を作成する。そして、印刷装置9において、この印刷版を用いた印刷を実施し、印刷層L2を大量生産する。続いて、エンボス加工装置7を用いてエンボス加工を行い、印刷層L2上に凹凸構造をもったエンボス層L1を形成する。こうして、年輪パターンP1と導管断面パターンP2とを重畳した木目柄パターンP12が表現された建材シートが製造されることになる。
【0035】
続いて、この図2に示すシステムの動作を、具体例に即して説明する。まず、年輪パターン入力手段1によって、年輪パターンP1を、階調をもった画素の集合からなるラスター画像として入力する。この実施例では、カメラと製版スキャナとによって、年輪パターン入力手段1を構成している。そこで、年輪パターンP1の抽出対象となる天然木の断面の板目の写真を撮影し、この写真を製版スキャナによって4色に分解して、ラスター画像データとして入力する。なお、年輪パターン入力手段1としてデジタルカメラを用いれば、板目から直接ラスター画像データを入力することが可能である。
【0036】
こうして、ラスター画像として入力した年輪パターンP1は、たとえば、図3に示すように、階調をもった画素の集合からなる画像であり、濃淡が周期的に変化するパターンになる。この濃淡の変化は、1年の寒暖の差に基づく成長の差によって生じるものであり、1年ごとに周期的なものになる。このような濃淡の周期的な変化を解析すれば、年輪パターンP1の各部の成長時期を特定することが可能である。たとえば、図4に、年輪パターンの各画素と成長時期との関係の一例を示す。この例では、画素Q1に相当する部分が1992年12月31日に成長した部分であり、画素Q2に相当する部分が1993年7月1日に成長した部分であり、以下、同様に画素Q3〜Q7がそれぞれ半年後に成長した部分となっている。このような成長時期を特定する手法としては、個々の画素の階調値と近隣画素の階調値との相違などを手掛かりに、木理の流れを把握するような認識アルゴリズムなども考えられるが、本発明では、より単純な手法により、成長時期の特定を行っている。すなわち、年輪パターンの濃淡の階調が1年周期で変化する点に着目し、階調値と成長時期とを対応づけるテーブルを用意し、個々の画素について成長時期を対応づけている。年輪パターンP1をカラー画像として4色分解して入力すれば、個々の画素は4色についての階調値をもつことになり、個々の画素ごとにかなりの精度で成長時期を対応づけることが可能になる。
【0037】
もっとも、本発明では、各画素に対応づける成長時期を1日単位という高い精度で求める必要はなく、週あるいは月という大ざっぱな精度で求めてもかまわない。たとえば、入力したラスター画像が8ビットのモノクロ画像であった場合には、個々の画素は0〜255の階調値をもつことになるが、この場合は、たとえば、階調値0〜40までは1月、41〜80までは2月、81〜120までは3月、…、221〜255までは7月、…、81〜120までは11月、41〜80までは12月、というような階調値と成長月との対応テーブルを用意しておけば、各画素についてそれぞれ成長月を対応づけることができる。このような対応づけを行うことにより、各画素に対応する天然木の微小部分が、1年のうちのいつ頃成長した部分であるのか、を特定することが可能になる。なお、階調値と成長時期とは、必ずしも線形対応するわけではなく、両者の対応関係は個々の天然木ごとに固有のものになるので、対象となる天然木ごとに固有の対応テーブルを用意しておくのが好ましい。
【0038】
このように各画素について成長時期を対応づけるのは、成長時期と導管密度との間には、一定の関係が見られるためである。たとえば、1月(冬)に成長した部分における導管密度と、7月(夏)に成長した部分における導管密度とでは、同じ樹木であっても寒暖の差に基づいて大きな差が生じるのである。図5は、このような成長時期tと導管密度Dとの対応関係の一例を示すグラフである。具体的にどのようなグラフが得られるかは、個々の樹木によって異なるが、樹木さえ特定できれば、その樹木についての平均的なグラフを実測により得ることができる。図5に示すグラフの例は、いわゆる半環孔材と呼ばれている板材用の樹木についてのもので、成長が盛んな春から夏にかけての時期に対応する部分は淡く、しかも導管密度Dは大きくなり、成長が緩慢になる秋から冬にかけての時期に対応する部分は濃く、しかも導管密度Dは小さくなる。このようなグラフが得られれば、成長時期tと導管密度Dとの間の対応テーブルを作成することができる。あるいは、対応関係を関数で表すことも可能である。
【0039】
ところで、上述したように、入力した年輪パターンの各画素の階調値は成長時期に対応づけることができるので、結局、個々の画素については、階調値C→成長時期t→導管密度Dという対応づけが可能になる。本発明では、更に、この導管密度Dを導管断面パターンの発生確率を示す確率値Zに対応づけている。確率値Zは導管密度Dに比例した値として、すなわち、Z=kDとして求めることができる。ここで、kは比例定数であり、入力した年輪パターンの1画素の面積を単位面積で除した値となる。たとえば、1画素の面積が単位面積の1/100の大きさであれば、k=1/100となり、Z=1/100・Dとなる。具体的には、たとえば、単位面積内に導管が3つ存在するような導管密度D=3については、確率値Z=0.03となり、100画素に3つの割合で導管断面パターンを発生させればよいことがわかる。
【0040】
結局、個々の画素については、階調値C→成長時期t→導管密度D→確率値Zという対応づけが可能になる。図2に示す対応関係定義手段2は、中間を省いた階調値C→確率値Zという対応づけを行うためのテーブルによって構成されており、このテーブルを参照すれば、年輪パターンP1を構成する個々の画素のそれぞれに、所定の確率値Zを対応づけることができる。なお、この対応テーブルは、前述したように、対象となる樹木によってそれぞれ異なるため、各樹木ごとに別個の対応テーブルを用意しておくのが好ましい。また、対応テーブルの代わりに、関数を用いて対応関係を定義してもかまわない。
【0041】
導管断面パターン発生手段5は、こうして対応づけられた確率値Zに基づいて、個々の画素が、「導管断面パターンの発生位置」になるか否かを決定する処理を行う装置である。図6は、このような処理により「発生位置」となった画素Qの一例を示す図である。この図において、黒い四角で示した画素が、「発生位置」となった画素Qである。「発生位置」になるか否かは、乱数を用いることによって決定される。たとえば、ある特定の画素についてこの決定を行う場合には、まず、その画素のもつ階調値Cに基づいて、対応関係定義手段2内の対応テーブルを参照し、対応する確率値Zを得る。続いて、任意の乱数R(0<R<1)を発生させ、R<Zであれば、その画素を「発生位置」とし、R≧Zであれば「発生位置」とはしない。このような処理を、すべての画素について別個に行えば、最終的に、各画素について「発生位置」となるか否かが決定できる。もっとも、このような処理を必ずしもすべての画素について行う必要はない。処理速度を向上させるために、n個おきの画素についてのみ、このような処理を行ってもよい。ただし、nの数が大きくなればなるほど、画素Qの分布のランダム性は低下する。
【0042】
このような手法で「発生位置」となる画素Qを決定すれば、図6に示すように、画素Qはランダムに分布してはいるが、その分布密度は、確率値Zに依存したものとなり、階調値Cに依存したものになる。別言すれば、画素Qの分布密度は、年輪パターンP1の濃淡に応じたものになる。一般的な樹木の場合、年輪パターンの淡い部分ほど導管断面パターンの密度が大きく、濃い部分ほど密度が小さくなるので、そのような対応テーブルを対応関係定義手段2内に用意した場合には、年輪パターンの淡い部分ほど画素Qが多く存在し、濃い部分ほど画素Qは少なく存在することになる。
【0043】
さて、このようにして定義された画素Qは、導管断面パターンの発生位置の目安として用いられる。すなわち、導管断面パターン発生手段5は、この画素Qの近傍に、所定形状の導管断面パターンを発生させる処理を実行する。この実施例では、図7に示すように、「発生位置」となった画素Qを中心として、所定の大きさの楕円パターンを発生させ、この楕円パターンを単一の導管断面パターンPとして用いることにしている。その結果、図8に示すような導管断面パターンP2を発生させることができる。各画素Qの周囲に、楕円状の単一の導管断面パターンPが配置されていることがわかる。導管断面パターン発生手段5が出力するパターンは、この図8におけるパターンPの集合である(図8では、便宜上、年輪模様が描かれているが、このような年輪模様は実際には導管断面パターンP2には含まれない)。
【0044】
なお、こうして配置される単一の導管断面パターンPは、それぞれ大きさや形状が互いに少しずつ相違していた方が、自然の風合いを表現する上では好ましい。そのため、導管断面パターン発生手段5は乱数を利用して、単一の導管断面パターンPの大きさ/形状を個々に決定するようにしている。具体的には、図7に示すパターンPにおいて、楕円の短軸aおよび長軸bを乱数に基づいて決定するようにすればよい。たとえば、基準短軸長Aと基準長軸長Bとを定義しておき、その都度発生した任意の乱数R1,R2を用いて、短軸長a=A+R1、長軸長b=B+R2のように決定すればよい。また、短/長軸長の平均および分散と、成長時期との関係を定義しておき、この定義した平均および分散をもった楕円が得られるように、乱数を用いて個々の楕円の形状を決定するようにしてもよい。
【0045】
このような導管断面パターンP2を生成した後は、これを刷版装置6に与えてエンボス版を作成する。具体的には、各導管断面パターンPの内部の領域のみ凸となるようなエンボス版が作成されることになる。このようなエンボス版を用いて、エンボス加工装置7によってエンボス加工を行えば、各導管断面パターンPの内部の領域のみ凹となるようなエンボス加工を行うことができる。一方、年輪パターン入力手段1において入力した年輪パターンP2(図3に示すような階調パターン)に基づいて、刷版装置8によって印刷版が作成され、印刷装置9によって、印刷層L2上に年輪パターンP1が印刷される。そこで、この印刷層上にエンボス加工を行えば、目的の建材シートが完成する。このような建材シートでは、導管断面パターンP2がその下地の年輪パターンP1の濃淡に同調していることになる。
【0046】
もちろん、エンボス層L1を用いずに、年輪パターンP1と導管断面パターンP2との双方を刷版装置8に与え、両パターンともに印刷層L2上に表現してもかまわないし、あるいは、両パターンともに印刷層L2上に表現した上に、更に、導管断面パターンP2をエンボス層L1に表現して積層するようにしてもかまわない。
【0047】
ところで、図8に示す導管断面パターンP2では、各単一の導管断面パターンPの長軸はすべて同一方向を向いており、向きに関しては、導管断面パターンP2と年輪パターンP1との間に関連はない。図2に示す装置における配向性決定手段4は、生成する導管断面パターンP2の向きを、年輪パターンP1に同調させる上で重要な働きをする。すなわち、配向性決定手段4は、年輪パターン入力手段1で入力した年輪パターンのラスター画像の階調値の勾配に基づいて、各画素についての配向性を決定する機能を有する。この配向性は、年輪パターンP1の濃淡勾配の等高線方向を示すものである。図9は、「発生位置」の画素Qについて、配向性決定手段4で決定された配向性情報を矢印で示したものである。このような配向性は、図3に示す階調をもった年輪パターンP1を参照すればわかるとおり、階調値の勾配に直交する方向を向いたものである。一般的な天然木の切断面では、このような配向性が見られるため、導管断面パターンをこのような方向に配置すると、より自然な風合いが表現できる。具体的には、導管断面パターン発生手段5が、個々の導管断面パターンPを配置するときに、配向性決定手段4から与えられるこのような配向性情報を考慮して、配置方向を決定するようにすればよい。図10は、このような配向性情報を考慮して得られた導管断面パターンP2の一例を示す。ここで破線で示すパターンは、いずれも図8に示すパターンであり、実線で示すパターンは、配向性を考慮した修正を行った後のパターンである。この実施例では、図9の配向性が示す方向に若干傾斜させる修正を行っている(図9の矢印方向に完全に向けてしまうわけではなく、この矢印の示す方向に若干回転させるような修正を行っている)。図8に示すパターンと比べると、個々の導管断面パターンPの向きまでもが、年輪パターンP1に若干ではあるが同調していることがわかる。なお、図3に示すような階調画像から、図9に示すような配向性情報を得る手法としては、種々の方法が公知であるため、ここでは詳しい説明は省略する。画像処理用のソフトウエアとしては、「グラジエント・フィルタ」などの画像フィルタが市販されており、このようなフィルタを用いれば、容易に配向性情報を得ることができる。
【0048】
以上、本発明を図示する実施例に基づいて説明したが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、この他にも種々の態様で実施可能である。たとえば、上述の実施例では、発生する単一の導管断面パターンとして、楕円状のパターンを用いていたが、必ずしも楕円にする必要はない。天然の導管はやや歪な円筒状のものであるため、その断面パターンは基本的には楕円をやや歪にしたものになる。したがって、より天然木の風合いに近い木目柄パターンを表現するのであれば、基本的には楕円状の導管断面パターンを用いるのが好ましい。ところが、天然には存在しない斬新な意匠性の高い木目柄パターンを表現するのであれば、必ずしも楕円状の導管断面パターンを用いる必要はない。図11に、いくつかの導管断面パターンの形状を示す。図11(a) はこれまで述べてきた楕円状の導管断面パターンであるが、図11(b) 〜(i) は、非常に斬新な形状パターンである。本発明では、導管断面パターン発生手段5によって人為的に導管断面パターンを発生させるのであるから、導管断面パターン発生手段5に予め何らかの形状パターンのデータを用意しておけば、任意の形状をした導管断面パターンを発生させることが可能である。
【0049】
また、このように用意した導管断面パターンに対して、更に変形を加えて用いることも可能である。乱数やフラクタル場を用いて、これらのパターンに変形を加えたり、部分的に意図的な欠陥を付加したりすることも可能である。
【0050】
図12は、上述した楕円状の導管断面パターンPであるが、その内部を階調をもって表現したものである。導管断面パターン発生手段5に、内部の階調表現を特定するデータを予め用意しておけば、発生するパターンの内部に階調を形成することも可能である。このような内部に階調をもった導管断面パターンPは、印刷層L2上では濃淡のあるパターンとして表現でき、エンボス層L1上では深度分布をもった凹凸構造体として表現できる。
【0051】
また、上述の実施例では、年輪パターンP1は天然木から抽出しているが、年輪パターンP1自身も人為的に発生させることも可能である。たとえば、図13に示す三次元樹木モデルMは、年輪モデルMrと導管モデルMtとから構成されるモデルである。年輪モデルMrは同軸円筒状の幾何学モデルであり、三次元立体画像を構成するものである。すなわち、三次元座標系に配される個々の画素が、それぞれ所定の階調値をもっている。この階調値は、1年ごとの成長層ごとに周期的な階調値となっており、中心軸からの距離に応じて階調値が周期的に変化するような三次元樹木モデルMが構築されていることになる。しかも、この三次元樹木モデルM内には、導管モデルMtも形成されている。導管モデルMtは細長い円筒上の幾何学モデルであり、その内部は、やはり所定の階調値をもった画素の集合で構成されている。
【0052】
このような三次元樹木モデルMを、コンピュータ上に構築し、所定の切断面Jで切断した断面を考えれば、この切断面J上に木目柄パターンが得られることになる。すなわち、年輪モデルMrの切断によって年輪パターンが得られ、導管モデルMtの切断によって導管断面パターンが得られることになる。
【0053】
ここで、この導管モデルMtの分布密度を、年輪モデルMrの階調値に応じて決定するようにすれば、前述した実施例と同様に、年輪パターンに同調した導管断面パターンが得られるようになる。そのためには、まず年輪モデルMrを構築し、この年輪モデルMrを構成する各画素の階調値に基づいて、導管モデルMtの発生確率を定め、この確率に応じた分布で導管モデルMtを発生させればよい。
【0054】
【発明の効果】
以上のとおり本発明によれば、導管断面パターンを人為的に発生させるようにしたため、天然木に近い自然な木目柄パターン、あるいは、天然木にない意匠性の高い木目柄パターンを、比較的簡単な作業で印刷物上に表現することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】年輪パターンP1と導管断面パターンP2とを重畳することによって、木目柄パターンP12を構成する一般的な概念を説明する図である。
【図2】本発明に係る木目柄導管断面パターンの発生装置を含んだ建材シートの作成システムの基本構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示す年輪パターン入力手段1によって入力される年輪パターンP1の一例を示す図である。
【図4】図3に示す年輪パターンP1の各画素と成長時期との関係の一例を示す図である。
【図5】一般的な樹木についての成長時期tと導管密度Dとの対応関係の一例を示すグラフである。
【図6】図2に示す発生位置決定手段3における処理により「発生位置」となった画素Qの一例を示す図である。
【図7】図2に示す導管断面パターン発生手段5によって発生する単一の導管断面パターンPの一例を示す図である。
【図8】図6に示す画素Qの周囲に、導管断面パターンPを発生させた状態を示す図である。
【図9】図2に示す配向性決定手段4で決定された配向性情報を矢印で示したものである。
【図10】図9に示すような配向性情報を考慮して得られた導管断面パターンP2の一例を示す図である。
【図11】いくつかの導管断面パターンの形状の例を示す図である。
【図12】内部を階調をもって表現した楕円状の導管断面パターンの一例を示す図である。
【図13】年輪モデルMrと導管モデルMtとから構成される三次元樹木モデルMを示す図である。
【符号の説明】
1…年輪パターン入力手段
2…対応関係定義手段
3…発生位置決定手段
4…配向性決定手段
5…導管断面パターン発生手段
6…刷版装置
7…エンボス加工装置
8…刷版装置
9…印刷装置
a…短軸長
b…長軸長
J,J1,J2…切断面
L1…エンボス層
L2…印刷層
M…三次元樹木モデル
Mr…年輪モデル
Mt…導管モデル
P…単一の導管断面パターン
P1…年輪パターン
P2…導管断面パターン
P12…木目柄パターン
Q…「発生位置」の画素
Q1〜Q7…画素
T1…天然木
T2…天然木の導管
Claims (11)
- 木目柄の年輪パターンを、階調をもった画素の集合からなるラスター画像として入力する年輪パターン入力手段と、
画素のもつ階調値と、導管断面パターンの発生確率を示す確率値と、の対応関係を定義する対応関係定義手段と、
前記ラスター画像の各画素について、それぞれ階調値に対応づけられた確率値に基づいて、導管断面パターンの発生位置となるか否かを決定する発生位置決定手段と、
前記発生位置となった画素近傍に、所定形状の導管断面パターンを発生させる導管断面パターン発生手段と、
を備えることを特徴とする木目柄導管断面パターンの発生装置。 - 請求項1に記載の装置において、
年輪パターン入力手段が、天然木の断面を撮影し、この撮影画像をラスター画像として取り込む機能を有することを特徴とする木目柄導管断面パターンの発生装置。 - 請求項2に記載の装置において、
対応関係定義手段が、ラスター画像のもとになった天然木についての、各部分の濃度値と成長時期との相関関係および成長時期と導管密度との相関関係に基づいて、階調値と確率値との対応関係を定義することを特徴とする木目柄導管断面パターンの発生装置。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の装置において、
発生位置決定手段が、乱数を発生させる機能を有し、
発生させた乱数と、画素の階調値に対応づけられた確率値と、の大小関係に基づいて、各画素が導管断面パターンの発生位置となるか否かの決定を行うことを特徴とする木目柄導管断面パターンの発生装置。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の装置において、
導管断面パターン発生手段が、乱数を発生させる機能を有し、
発生させた乱数に基づいて、導管断面パターンの形状/大きさを決定するようにしたことを特徴とする木目柄導管断面パターンの発生装置。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の装置において、
ラスター画像の階調値の勾配に基づいて、各画素についての配向性を決定する配向性決定手段を更に設け、
導管断面パターン発生手段が、発生位置となった画素についての配向性に応じた向きに、導管断面パターンを発生させることを特徴とする木目柄導管断面パターンの発生装置。 - 木目柄の年輪パターンを、階調をもった画素の集合からなるラスター画像として入力する年輪パターン入力手段と、
前記ラスター画像の各画素について、所定の確率値に基づいて、導管断面パターンの発生位置となるか否かを決定する発生位置決定手段と、
前記発生位置となった画素近傍に、所定形状の導管断面パターンを発生させる導管断面パターン発生手段と、
前記導管断面パターンと前記年輪パターンとを媒体上に重畳して出力する手段と、
を備えることを特徴とする木目柄導管断面パターンの発生装置。 - 階調をもった画素の集合からなるラスター画像として木目柄の年輪パターンを用意する段階と、
形状/大きさが一様でない多数の導管断面パターンを用意する段階と、
前記年輪パターン上に、その濃淡に応じた密度で、前記導管断面パターンを配置する処理をコンピュータに実行させる段階と、
を有し、年輪パターンと導管断面パターンとを重畳することにより木目柄パターンを発生させることを特徴とする木目柄導管断面パターンの発生方法。 - 請求項8に記載の発生方法において、
年輪パターンについて、淡い部分ほど導管断面パターンの配置密度を大きくし、濃い部分ほど導管断面パターンの配置密度を小さくすることを特徴とする木目柄導管断面パターンの発生方法。 - 請求項8または9に記載の発生方法において、
年輪パターンの濃淡に応じた方向に基いて、導管断面パターンを年輪パターン上に配置することを特徴とする木目柄導管断面パターンの発生方法。 - 請求項8〜10のいずれかに記載の発生方法において、
内部が階調をもって表現されている導管断面パターンを用いることを特徴とする木目柄導管断面パターンの発生方法。
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