JP3596949B2 - 液晶光学素子及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は階調表示が可能かつ大面積のメモリ型液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
強誘電性液晶はキラルスメクチックC液晶など、自発分極を示すスメクチック液晶材料である。この強誘電性液晶に見られる特有のメモリ現象や高速の応答動作等の諸特性は強誘電性電気光学効果と呼ばれ、大容量メモリ型ディスプレイ等への応用が期待されている。
【0003】
この強誘電性キラルスメクチックC液晶は、そのヘリカルピッチよりかなり薄い。例えば、平行配向処理した配向層間に挟みこまれると、電場無印加時において、ヘリカル構造をとれなくなり、その結果、スメクチックC相に相当する分子配列状態(無電場分子配列状態と呼ぶ)を形成する。これが、表面安定型強誘電性液晶素子(SSFLC)と呼ばれる(例えば、Appl.Phys.Lett.36,899(1980) 参照)。
【0004】
このSSFLCの無電場分子配列状態において、電極基板に対し垂直に配列したスメクチック層は、この層の法線に角度+θ又は角度−θで一様に傾斜配向した液晶分子を有する。このため、完全に一様ではないが、全液晶分子は電極基板面にほぼ平行に配列する。したがって、電極基板面に平行なある面Aに対して、これらの液晶分子は、自発分極が面Aに対して表向きか、裏向きかのいずれかに揃っている。
【0005】
次に、基板上に配置した電極に電圧を印加して光学活性層に電界を与え、その電界の極性を反転することによって、この二つの状態の間、つまり、液晶の傾斜角(±θの二つの傾斜角)をスメクチック層の法線に対して電極面内でスイッチできる。そして、二つの状態は各々安定であり、かつメモリ性を有する。つまり、電界が除かれた後も長時間維持される。この分子配列状態のスイッチング現象とそのメモリ性は、光シャッタやディスプレイ素子等に利用できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来例においては次のような問題点があった。つまり、従来例ではメモリ性を発現させるために、キラルスメクチックC液晶のヘリカルピッチよりかなり薄い平行配向処理したセルを用いる必要があった。例えば、ラビングによる平行配向処理したポリイミド配向層を備えた4μm未満の電極基板間隙が必要であった。
【0007】
より安定な特性を望むなら2μm以下が必要であった。この場合、大容量で大面積の表示素子を作る場合、このような極薄の厚みのセルを量産することが非常に困難であった。
【0008】
また、従来例1のSSFLCでは、上述した二状態は安定でメモリ性があるが、その中間状態(いわゆるグレーレベル)は安定性に乏しく、電界により生成しても、電界除去後瞬時に消滅しメモリ性がない。したがって、このSSFLCで階調表示を行おうとするといわゆる面積階調を行うほかなく、充分な階調性能が期待できなかった。
【0009】
本発明は、従来例では得られなかったグレーレベルの表示制御性を獲得することを目的とする。そして、量産可能で階調表示可能なメモリ素子とその製造方法を提供しようとする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の第1の態様は、少なくとも一方に配向層が設けられた一対の電極付き基板間に、非液晶性の有機物と強誘電性を有するキラル性液晶材料とを含む光学活性層が挟持され、光学活性層中のキラル性液晶材料に前記有機物が分散されて島状構造体が形成され、基板に平行な面内における島状構造体の占有面積の比率が5〜70%であり、コントラスト比が最大になるように偏光板が表裏各1枚装着され、グレーレベルの表示制御性があることを特徴とする液晶光学素子である。
【0011】
また、第2の態様は、第1の態様において、前記有機物がキラル性液晶材料に対して、重量比で0.1〜70%である液晶光学素子である。
【0012】
また、第3の態様は、第1又は第2の態様において、前記有機物が分子量1000未満の低分子である液晶光学素子である。
【0013】
また、第4の態様は、第1又は第2の態様において、前記有機物が分子量1000〜10000のオリゴマーである液晶光学素子である。
【0014】
また、第5の態様は、第1又は第2の態様において、前記有機物が分子量10000超の高分子である液晶光学素子である。
【0015】
また、第6の態様は、第1、第2、第3、第4又は第5の態様において、キラル性液晶材料が二色性を有する色素を含む液晶光学素子である。
【0016】
また、第7の態様は、非液晶性の有機物と強誘電性を有するキラル性液晶材料とを含む光学活性層を、少なくとも一方に配向層が設けられた一対の電極付き基板間に挟持してなる液晶光学素子の製造方法であって、使用温度範囲でスメクチックC相を示すキラル性液晶材料を用い、キラル性液晶材料及び前記有機物との相溶性混合物を調製し、この相溶性混合物を空のセルに注入し、そして、有機物を液晶中から分離して形成し、コントラスト比が最大になるように偏光板を表裏各1枚装着し、グレーレベルの表示制御性を得ることを特徴とする液晶光学素子の製造方法である。
【0017】
また、第8の態様は、第7の態様において、該非液晶性の有機物が分子量1000未満であり、有機物を液晶中から分離し、その後に有機物を重合せしめて高分子を形成する液晶光学素子の製造方法である。
【0018】
また、第9の態様は、第7又は第8の態様において、相溶性混合物を注入したセルを徐冷することによって有機物を分離して形成することを特徴とする液晶光学素子の製造方法である。
【0019】
また、第10の態様は、第7、第8又は第9の態様において、有機物の島状構造体を分離して形成する液晶光学素子の製造方法である。
【0020】
本発明の液晶光学素子は、従来例の課題であるメモリ性と安定なグレーレベルの発現を特に4μm以上の基板間隙(光学活性層の厚みにほぼ等しく、以後、セル厚と呼ぶ)で実現しようとする。これによって、実用性のある液晶表示素子を提供できるようになった。次に本発明の構成について詳述する。
【0021】
本発明の液晶光学素子では液晶中に非液晶性の有機物が分散している。そして、独立に又は相互に接触しつつ存在し、その形状・構造は上下の基板間を支える柱、又は基板に形成された山のような構造を有する。これを本発明では有機物の島状構造体と呼ぶ。
【0022】
島状構造体のそれぞれの大きさは、柱状の形態のものは底面積が10μm2 〜5mm2 で高さがセル厚と同一の円柱、楕円柱、三角柱、又は直方体である。山状の形態のものは、一方の基板に付着するものが多く、その底面の形状が円、楕円、長方形、三角形、それ以外の多角形で底面積が10μm2 〜5mm2 で高さがセル厚以下で、それぞれが独立に又は接触して存在する。形状と大きさは種々に分散している。
【0023】
その、存在量は、光学活性層中の0.1〜70重量%であり、これは、おおよそ、セル上面からこのセルを見たときの液晶部分に対する島状構造体の占める面積比である。ただし、表示面内でマクロに見た場合ほぼ均一に分散している。
【0024】
有機物がこれより少ないと後述する作用の発現が不充分となり、逆にこれより多いとディスプレイとしてのコントラスト比が不充分となる。このような非液晶性の有機物の存在が、平行配向処理された配向膜に方向づけられる液晶分子の安定な配列、つまりヘリカルピッチより大きいセル厚を有する液晶セル内で、電場無印加時において、安定に生成するはずのヘリカル構造に影響し、それを不安定化し、よってヘリカル構造をとれないように作用している。
【0025】
その結果、準安定であった、スメクチックC相に相当する分子配列状態が最も安定な構造となり、ほとんどの液晶分子はその配列を形成する。
【0026】
その結果、有機物を分散させないキラルスメクチック液晶が、メモリ性を示さず、単安定状態しか示さないのに対し、メモリ性を有するようになる。また、分散させた非液晶性の有機物の作用は、液晶配列の中間状態にも及び、上記メモリ性の発現と同時に液晶への相互作用により、液晶の自由な動きにも影響を与え、液晶の配列の中間状態を安定化し、グレーレベルの実現を可能とする。
【0027】
本発明で使用する非液晶性の有機物は、キラル液晶物質に対して重量比で0.1〜70%をキラル液晶物質に混合して加熱したとき、その混合物の沸点以下の温度で相溶し、均一な溶液状態となることが好ましい。なぜなら、均一な溶液状態をとることができれば、セル内に混合物を導入し、液晶と非液晶とを分離する際、均一な分散が容易となるからである。
【0028】
このように、加熱し、均一な溶液となった後、使用温度範囲内に冷却した際、液晶と液晶でないものが安定して分離すること、そして、その液晶がスメクチック液晶状態であることが、非液晶性の有機物の特性として必要である。また、この有機物に関しては、液状、結晶、粘稠物等の状態の制限は特にない。しかし、例えば高分子の前駆体であるモノマーを液晶と混合し、セルに注入し、分離し、分散させたのちに、露光等の手段により重合させ、液晶でない有機物の集まりである塊(以後、島状構造体と呼ぶ)の硬さを向上させると、そのスイッチング特性に変化が生ずる。
【0029】
液晶光学素子のコントラスト比が重合前より低下することが見られる場合があることから、液晶でない有機物の集まりである島状構造体は液晶と充分相互作用できる程度に軟らかいことが必要となる。つまり、液晶でない有機物の液晶との界面は液晶によってある程度膨潤していることが好ましい。
【0030】
このような軟らかさを備えるならば、本発明で用いる有機物はオリゴマーやモノマー、または高分子でもよい。いずれにしても、液晶と有機物の適度な相互作用がメモリ性と中間状態の双方の安定化を実現し、階調表示可能なメモリ素子を実現せしめる。
【0031】
ただし、液晶と有機物との相溶性という観点から、分子量が問題となる。つまり、有機物の分子量は液晶との充分な相互作用が可能ならば、液晶との相溶性を満たす限りにおいて制限はない。しかし、有機物を液晶セルの中で位置的安定性を得ようとしたとき、換言すれば、あまり浮遊しないように固定配置しようとする場合は、分子量は上記特性を満たす限りにおいて高い方がよい。また、前駆体を液晶の中に分散させた後、固定などの目的で重合高分子化させてもよい。
【0032】
【発明の実施の形態】
キラル液晶物質に非液晶性の有機物を分散させることにより、セル厚4μm以上の比較的厚いセルにおいて、液晶にメモリ性、さらに多重安定性を付与できる。以下に実施例を説明する。
【0033】
【実施例】
表1に本発明に用いた液晶材料(以下、液晶材料Aという)の諸特性を示す。
【0034】
【表1】
Figure 0003596949
【0035】
(実施例1)
まず、セルを以下のように形成した。平行配向処理されたポリイミド配向層を有するITO付きの対向するガラス基板を準備した。空のセルに略5μm径のスペーサを1mm2 当たり約1個散布した。注入口以外の周辺をシールして空のセルを形成した。
【0036】
次に、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、長鎖のポリプロピレングリコール、及び2−ヒドロキシアクリレートから合成された化1に示す分子量約10000のウレタンアクリレート13部と液晶材料A87部とを混合した。その後、この混合物を加熱し、この混合物が均一な溶液となるように100℃に保持した。そして、この相溶性の混合物を空のセルに溶液状態のまま注入した。
【0037】
【化1】
Figure 0003596949
【0038】
次に、相溶性混合物を充填したセルを1〜3℃/分の割合で冷却し、室温に戻した後、注入口を封止し、偏光板2枚を電界の印加による液晶のスイッチングの際、コントラスト比が最大になるようにセルのガラス基板上に表裏各1枚装着し、液晶光学素子を形成した。
【0039】
図1はこの液晶光学素子の基板平面の一部の状態を示す模式図である。この模式図の一部のブロックK(図中のL=500μmを1辺とする正方形の領域)を測定し、その中に位置する島状構造体(有機物の塊のランダムな集合)の大きさと、隣接する島状構造体の互いの距離、単位面積当たりの個数を測定した。さらに、液晶と島状構造体の占める面積比を算出した。その結果を表2に示す。
【0040】
【表2】
Figure 0003596949
【0041】
次に、この液晶光学素子を用い、メモリ性の確認とグレーレベルの確認を行った。図9には液晶光学素子に印加したパルスの波形図を示す。±50Vのリセットパルス(TR )を2ms間印加した直後、引き続いて±0〜±50Vで任意の選択パルス(TS )を2ms間印加し、その後電圧を0Vに保持した。
【0042】
なお図9はリセットパルスの後37.5Vの選択パルスを印加した場合の波形を例示している。選択パルスの電圧が変化すれば、リセットパルス後の選択パルスの波高値が変化する。図2〜図8は選択パルス(VIN)がそれぞれ0V、10V、12.5V、13.5V、15V、20V、37.5Vの場合の液晶光学素子の評価結果であり、印加された選択パルスに従って変化する透過率(インテンシティ(%))を時間に対する関数として表示している。
【0043】
選択パルスの電圧により、選択パルス印加後保持される0V状態での透過率は選択パルス印加後5ms後より変化せず、それぞれ異なった固有の値を示しながら安定する。図2〜図8では、選択パルス印加後0Vの保持時間が16msまでしか示していないが、実際の液晶光学素子においては、選択パルスにより実現された透過率は数分以上少なくとも60分は安定である。
【0044】
このように、本発明の液晶光学素子が選択パルスの電圧にしたがって、任意にグレーレベルを調節できる。また、実現されたグレーレベルはメモリ性を有し、充分に安定に機能する特性を備えることが確認された。
【0045】
(実施例2)
2,2,6,6−テトラブロモビスフェノール−A−ジアクリレートを13部、液晶材料Aを87部混合し、加熱し、均一に溶解した。その後、この混合物が均一な溶液として保たれるように100℃に保持した。実施例1と同様にして空セルに溶液状態のまま注入した。
【0046】
この高温状態で混合物を注入した液晶セルを1〜3℃/分の割合で冷却し、室温に戻した後、注入口を封止した。そして、偏光板2枚を電界の印加による液晶のスイッチングの際、コントラスト比が最大になるようにセルのガラス基板上に表裏各1枚装着し、液晶光学素子を形成した。
【0047】
この液晶光学素子を用い、実施例1に示したメモリ性の確認とグレーレベルの確認を行ったところ、実施例1と同様のメモリ性とグレーレベルの安定した発現が確認された。
【0048】
(実施例3)
2EO変性ビスフェノール−A−ジアクリレートを13部、液晶材料Aを87部とを混合し、加熱して、相溶性の混合物を得た。さらに、実施例2と同様にして、偏光板付きの液晶光学素子を形成した。
【0049】
この液晶光学素子を用い、実施例1に示したメモリ性の確認とグレーレベルの確認を行ったところ、同様のメモリ性とグレーレベルの安定的な実現が確認された。
【0050】
(実施例4)
2,2,6,6−テトラブロモビスフェノール−A−ジアクリレートを13部、液晶材料Aを87部、及びベンゾインメチルエーテルを2,2,6,6−テトラブロモビスフェノール−A−ジアクリレートに対し重量比で3%混合し、加熱し、均一に溶解した。
【0051】
さらに、この相溶性混合物を実施例1と同様にして空のセルに注入した。注入した液晶セルを1〜3℃/分の割合で冷却し、室温に戻った後、注入口を封止した。そして、紫外線照射装置(旭硝子製SUNCURE)により液晶セルの表示面の全体を20分間露光した。このように、非液晶性の有機物、つまりモノマーなどの光硬化性化合物が液晶中に分散して析出された後、光重合によって硬化され、高分子が形成せしめられるようにした。
【0052】
露光の後、偏光板2枚を電界の印加による液晶のスイッチングの際、コントラスト比が最大になるようにセルのガラス基板上に表裏各1枚装着し、液晶光学素子を形成した。
【0053】
この液晶光学素子を用い、実施例1に示したメモリ性の確認とグレーレベルの確認を行ったところ、同様のメモリ性とグレーレベルの安定的な実現が確認された。しかし、実施例2の液晶光学素子に比較すると、表示のコントラスト比が低下した。
【0054】
【発明の効果】
本発明によって、従来例では得られなかった、メモリ性とグレースケールの両方の特性が得られるようになった。
【0055】
従来のSSFLCにおいてはキラルピッチに対して、セルギャップをかなり薄くすることによって、基板表面の配向効果を液晶全体に行きわたらせ、液晶のキラル性を解除するようにしていた。しかし、本発明において、この基板面での配向作用を液晶中に分散した非液晶性物質が一部担うことができる。したがって、キラル性を解除できる液晶層の厚みを厚くすることができた。
【0056】
この点が従来例にない大きな効果である。その結果、例えば4μmギャップも可能となった。ただし、本発明は2μm以下でも充分な作用が期待できる。
【0057】
また、本発明はその効果を損しない範囲で種々の応用ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶光学素子の表示部の一部を模式的に描いた平面図。
【図2】本発明で選択パルス=0Vとしたときの光学応答を示すグラフ。
【図3】本発明で選択パルス=10Vとしたときの光学応答を示すグラフ。
【図4】本発明で選択パルス=12.5Vとしたときの光学応答を示すグラフ。
【図5】本発明で選択パルス=13.5Vとしたときの光学応答を示すグラフ。
【図6】本発明で選択パルス=15Vとしたときの光学応答を示すグラフ。
【図7】本発明で選択パルス=20Vとしたときの光学応答を示すグラフ。
【図8】本発明で選択パルス=37.5Vとしたときの光学応答を示すグラフ。
【図9】本発明で用いる駆動電圧波形を示す波形図。
【符号の説明】
1:島状構造体
2:キラル性液晶材料
3:配向方向

Claims (8)

  1. 少なくとも一方に配向層が設けられた一対の電極付き基板間に、非液晶性の有機物と強誘電性を有するキラル性液晶材料とを含む光学活性層が挟持され、光学活性層中のキラル性液晶材料に前記有機物が分散されて島状構造体が形成され、基板に平行な面内における島状構造体の占有面積の比率が5〜70%であり、コントラスト比が最大になるように偏光板が表裏各1枚装着され、グレーレベルの表示制御性があることを特徴とする液晶光学素子。
  2. 前記有機物がキラル性液晶材料に対して、重量比で0.1〜70%である請求項1に記載の液晶光学素子。
  3. 前記有機物が分子量1000未満の低分子、分子量1000〜10000のオリゴマー、または、分子量10000超の高分子である請求項1又は2に記載の液晶光学素子。
  4. キラル性液晶材料が二色性を有する色素を含む請求項1、2又は3に記載の液晶光学素子。
  5. 非液晶性の有機物と強誘電性を有するキラル性液晶材料とを含む光学活性層を、少なくとも一方に配向層が設けられた一対の電極付き基板間に挟持してなる液晶光学素子の製造方法であって、使用温度範囲でスメクチックC相を示すキラル性液晶材料を用い、キラル性液晶材料及び前記有機物との相溶性混合物を調製し、この相溶性混合物を空のセルに注入し、そして、有機物を液晶中から分離して形成し、コントラスト比が最大になるように偏光板を表裏各1枚装着し、グレーレベルの表示制御性を得ることを特徴とする液晶光学素子の製造方法。
  6. 該非液晶性の有機物が分子量1000未満であり、有機物を液晶中から分離し、その後に有機物を重合せしめて高分子を形成する請求項5に記載の液晶光学素子の製造方法。
  7. 相溶性混合物を注入したセルを徐冷することによって有機物を分離して形成する請求項5又は6に記載の液晶光学素子の製造方法。
  8. 有機物の島状構造体を分離して形成する請求項5、6又は7に記載の液晶光学素子の製造方法。
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