JP3596571B2 - スチレン系樹脂の熱分解装置及び熱分解方法 - Google Patents

スチレン系樹脂の熱分解装置及び熱分解方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、スチレン系樹脂の熱分解装置及び熱分解方法に関し、詳しくはスチレン系樹脂廃棄物から芳香族溶剤、ガソリン添加剤、重油添加剤など付加価値の高い芳香族系炭化水素油を安価で簡単にかつ高収率で速やかに取得することのできるスチレン系樹脂の熱分解装置及び熱分解方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、プラスチックは日常生活のあらゆる分野に浸透しているとともに、高度技術を支えるのに不可欠な素材の一つになっているが、生産量の増加とともにその廃棄物の処理方法が真剣に検討されている。この解決を図るため、プラスチックの廃棄物対策としては、マテリアルリサイクル、サーマルリサイクルの開発と単純焼却、埋め立てなどの諸政策が検討されている。特に近年、地球環境問題の高まりにより、廃棄物の適性処分、エネルギーの有効利用、リサイクルといった問題が強く叫ばれている。例えば、プラスチック廃棄物の再利用の1つとして、廃棄物を無公害で完全に燃焼させて、且つ高効率でエネルギー回収を図る、といった2つの目的を同時に叶えるために、廃棄物の燃料化を目的とした熱分解油化技術の研究開発が盛んに行われている。
【0003】
ところで、プラスチック生産量の大部分を占める熱可塑性プラスチックのうち、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(例えばポリエチレン、ポリプロピレン等)等の処理方法を見ると、1部でリペレット化し成形材料として利用されているものの、分別、再生処理に多大なコストが発生することが多く、また、再生樹脂の品質劣化が生じ易く、リペレットの回数が限られること等の問題がある。したがって、小規模な利用は行われているものの、実用的効果を発揮するには至っていない。また、埋め立て処分については、年々増大する混合プラスチック廃棄物は、埋め立てる場所の確保が次第に困難となりつつあり、その対応が急がれている。この場所の問題を早急に解決するためには、混合プラスチック廃棄物の焼却処分を行うことが考えられるが、一般焼却炉での焼却は、プラスチックの発熱量が高いため、一般ゴミ中でのプラスチックの混入量が大となると、炉壁等の損傷を引き起こし易く、これらの対策を講じた専用の焼却炉の設置が必要である。
【0004】
このため、発泡スチロールに代表される嵩張るスチレン系樹脂の再利用技術の早期の確立と実用化が望まれており、資源有効利用のためのリサイクル方法が数多く試みられ、提案されている。
【0005】
これらの再利用方法のうち、プラスチック廃棄物を熱分解し、ガス、オイル等を回収する装置が数多く提案されているが、未だ実用化の例は少ない。その理由として熱分解装置が処理量に比較し大規模となり、設備費が高額となるためである。そこで、この点を改良するための小規模設備で効率を上げる熱分解装置の提案も行われている(特開平5−237467号)が、加熱効率を上げて、油の生産性を高めることは、安全上また装置の制約上、限界があると考えられる。
【0006】
一方で、プラスチック廃棄物を熱分解する際に、分解剤を添加して、熱分解の効率を上げるという考え方がある。例えば、珪酸−酸化鉄、アルミナ−酸化鉄(特開昭59−174689号)、鉄錆(特開昭49−10903号)、カルボン酸−金属酸化物(特開昭50−34368号)、アロファンからなる土;シリカ−アルミナ触媒(特開昭49−121879号)等を用いた方法が提案されている。金属酸化物を添加することは、プラスチック廃棄物を熱分解した時に分解槽内部に生成付着した炭素を酸化還元反応により取り除き、伝熱効率の低下を防止する点が作用の1つであり、さらに分解効率を向上するという提案である。しかし、かかる方法により得られる液状生成物(回収油)は、低沸点芳香族化合物の含有量が高くなり、燃料用としての利用価値が低くなると共に、低温、例えば350℃程度で分解を行った場合には、特にベンゼン、トルエン、エチルベンゼンの収率が劣るという欠点を有していた。
【0007】
また、スチレン系樹脂の再利用に関して研究された技術として、例えば、スチレン系廃棄物の熱分解によって得られる液状生成物の特性を改質し、スチレン系樹脂からハイオクタンガソリン基材及び高付加価値化学品原料を高収率で取得する方法(特開平2−29492号)が開示されている。かかる方法は、ポリスチレン廃棄物を溶融し、該溶融物を加熱して液状で熱分解させ(熱分解工程)、発生した蒸気状生成物をゼオライト充填層中において接触転化させて(接触転化工程)、芳香族炭化水素化合物を生成取得するものである。
【0008】
また、発泡ポリスチレンの場合は、水蒸気処理などにより脱泡した後、熱分解工程、接触転化工程からなる方法で行っている。この方法によって得られる液状生成物は、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン等を主成分とする芳香族炭化水素化合物である。この分解油は石油化学工業で高い利用価値を有し、必要に応じて各成分に分離して化学品原料として利用すると共に、その成分特性からハイオクタンガソリン基材としても有効に利用することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の熱分解装置は、減容品(スチレン系樹脂を取扱い易くするために、加熱減容粉砕したもの)を前提とした熱分解装置であり、本来の熱分解工程のコストに加え、減容工程のコストが必要となり、トータルのコストは非常に高いものとなる。また、押出機等により加熱溶融の後、溶解槽又は分解槽へスチレン系樹脂を供給するものもみられる。しかし、それらの方法は複雑で大規模な設備となり、設備費が高価になる。このように設備費、維持費等が高価になると、採算性のために多量のスチレン系樹脂の回収が必要となる。その結果、例えば軽量である発泡ポリスチレンを遠隔地から多量に運ぶこととなり、更に、処理コストを押し上げるという悪循環が生じる。従って、かかる処理方法の実施は安価に行うことができないという問題があった。
【0010】
また、上述の処理方法において用いられるゼオライト触媒は塩素、臭素などのハロゲン族元素によりその触媒活性が失われてしまうという問題がある。このため、難燃化プラスチックの混在が避けられない廃棄プラスチックの処理には、実質的に不向きであるという問題もあった。
【0011】
さらに、かかる処理方法では、熱分解温度や熱分解材料等の条件により回収油の組成が変動する場合があり、その結果、回収油の引火点が下がるという問題もあった。従って、得られた回収油をボイラー等の燃料油として使用する場合に、危険物取扱い上、その取扱いが異なるという問題が起き得る。そのため、組成変動の少ない処理方法が望まれている。また、より多くの廃棄物を処理するために、処理時間を更に短縮することも望まれている。
【0012】
そこで、本発明者らは上記問題点を解決するために鋭意研究開発を行った結果、スチレン系樹脂の形状を問わない、即ち、スチレン系樹脂を成形原型品のまま熱分解することも可能な高生産性を有するスチレン系樹脂の熱分解装置を開発するに至った。即ち、本発明により、スチレン系樹脂の減容装置を必要としない極めて安価な方法で利用価値の高い芳香族炭化水素化合物に富む液状の生成物が得られることになった。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るスチレン系樹脂の熱分解装置の要旨とするところは、槽の内部に攪拌機とバッフル及び槽の外側に加熱装置を有するスチレン系樹脂を溶解する溶解槽と、該溶解槽にスチレン系樹脂を溶解する溶剤及び/またはスチレン系樹脂の熱分解液状生成物を投入しまたは循環させる装置と、溶解された液を熱分解する熱分解槽へ送液するポンプと、槽の外側に加熱装置と槽の内側に攪拌機と底部より熱分解残渣を払い出す装置を有するスチレン系樹脂を熱分解する熱分解槽と、該熱分解槽において発生した蒸気状生成物を液化する冷却装置と、該冷却装置によって液化された熱分解液状生成物を回収し混入した水を分離するタンクからなる回分式熱分解装置で構成したことにある。
【0014】
また、本発明に係るスチレン系樹脂の熱分解装置の他の要旨とするところは、槽の内部に攪拌機とバッフル及び槽の外側に加熱装置と槽の底部より熱分解残渣を払い出す装置を有するスチレン系樹脂を溶解するとともに熱分解する溶解分解槽と、該溶解分解槽にスチレン系樹脂を溶解する溶剤及び/またはスチレン系樹脂の熱分解液状生成物を投入しまたは循環させる装置と、前記溶解分解槽において発生した蒸気状生成物を液化する冷却装置と、該冷却装置によって液化された熱分解液状生成物を回収し混入した水を分離するタンクからなる回分式熱分解装置で構成したことにある。
【0015】
かかるスチレン系樹脂の熱分解装置において、前記溶解槽又は溶解分解槽における、攪拌翼、および攪拌翼と攪拌翼の間に溶解槽の内壁に固定した1対または複数対の水平バッフルを有することにある。
【0016】
また、かかるスチレン系樹脂の熱分解装置において、前記対をなす水平バッフルの1個のバッフルの長さが溶解槽又は溶解分解槽の内径の10〜40%にしたことにある。
【0017】
更に、かかるスチレン系樹脂の熱分解装置における前記熱分解槽又は溶解分解槽において、該熱分解槽又は溶解分解槽の底部の熱分解残渣を払い出すバルブと、熱分解槽に連結された配管を有し、熱分解槽から未分解及び炭化物からなる熱分解残渣を払い出す密閉された装置を有することにある。
【0018】
次に、本発明に係るスチレン系樹脂の熱分解方法の要旨とするところは、スチレン系樹脂と溶剤及び/またはスチレン系樹脂の熱分解液状生成物とを溶解槽に投入して攪拌しつつ前記スチレン系樹脂を粉砕し、該溶解槽でスチレン系樹脂を減容溶解させた後、該得られた溶解液を熱分解槽に送液して該熱分解槽で攪拌下で加熱して熱分解し、発生した蒸気状生成物を液化して熱分解液状生成物を回収することにある。
【0019】
かかるスチレン系樹脂の熱分解方法における前記熱分解槽において、未分解及び炭化物からなる熱分解残渣を流動性を有する状態で、直接空気に接触しないようにしつつ熱分解槽の槽外へ払い出すようにしたことにある。
【0020】
また、かかるスチレン系樹脂の熱分解方法において、前記熱分解槽における加熱方法として、バーナーを使用して熱風加熱を行う際に、廃熱風を燃焼用空気と熱交換機を介して熱交換することにある。
【0021】
更に、かかるスチレン系樹脂の熱分解方法において、前記溶解槽に投入されるスチレン系樹脂の50重量%以上の溶剤及び/またはスチレン系樹脂を熱分解して得られる熱分解液状生成物を、スチレン系樹脂に添加し、投入されたスチレン系樹脂を溶解槽の攪拌翼と対に配置された水平バッフルで破砕および攪拌することにある。
【0022】
更に、かかるスチレン系樹脂の熱分解方法において、前記溶解槽においてスチレン系樹脂を溶解するに際し、該溶解液を該溶解槽にポンプで循環させることにある。
【0023】
次に、本発明に係るスチレン系樹脂の熱分解方法の他の要旨とするところは溶解槽でスチレン系樹脂を攪拌しつつ粉砕しさらに溶解減容させ、溶解減容させたスチレン系樹脂を直接当該溶解槽で熱分解させるようにしたことにある。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明に係るスチレン系樹脂の熱分解装置は、槽の内部に攪拌機とバッフル及び槽の外側に加熱装置を有するスチレン系樹脂を溶解する溶解槽と、該溶解槽にスチレン系樹脂を溶解する溶剤及び/またはスチレン系樹脂の熱分解液状生成物を投入または循環する装置と、溶解した液を熱分解する熱分解槽へ送液するポンプと、槽の外側に加熱装置と槽の内側に攪拌機と、底部より熱分解残渣を払い出す装置を有するスチレン系樹脂を分解する熱分解槽と、該熱分解槽において発生した蒸気状生成物を液化する冷却装置と、該冷却装置によって液化された熱分解液状生成物を回収するとともに混入した水を分離するタンクからなるスチレン系樹脂の回分式熱分解装置である。以下、具体的に、実施の形態を説明する。
【0025】
図1は、本発明に係るスチレン系樹脂の熱分解方法を実施するための装置の1例を示した概略図である。熱分解装置は、スチレン系樹脂を、溶剤及び/またはスチレン系樹脂を熱分解して得られた熱分解液状生成物で溶解するための溶解槽10と、溶解槽10で溶解したスチレン系樹脂を熱分解槽24へ移送する移送ポンプ20と、熱分解槽24において発生した蒸気状生成物を液化するための冷却装置34と、冷却装置34によって液化させた熱分解液状生成物を回収するためのタンク38とから構成されている。
【0026】
溶解槽10には、攪拌機12と、溶解槽10の内壁に対になった水平バッフル14が取り付けられ、溶剤または熱分解液状生成物は溶剤投入装置22により供給されるように構成されている。また、溶解槽10の加熱は、別途、加熱装置を溶解槽10の外側に取り付けても良いが、通常は溶解槽10の外側にジャケット11を設けるとともに、熱分解槽24からの廃熱風をダクトで溶解槽10のジャケット11に連結して、加熱するように構成するのが好ましい。
【0027】
溶解槽10の内部に配設される攪拌機12の翼型は、例えば、通常の水平パドル翼でもよく、特に特殊攪拌羽根は必要としない。また、攪拌翼は槽の大きさによって決まるが、単数であってもよいが、通常は複数用いるのが好ましい。攪拌翼の径は全ての翼が内径の50%以上90%以下が好ましい。50%未満では攪拌と粉砕の効果は期待できず、90%を越えると攪拌翼と溶解槽10の内壁の距離が短く破砕効果が低減される。
【0028】
また、水平バッフル14は溶解槽10の内壁に対を成して固定されていて、1対の水平バッフル14の個数は、溶解槽10の大きさによって決まるが、単数でもよいが、通常は複数対設置するのが好ましい。水平バッフル14はこのように同一水平面になって配設されているのが好ましいが、同一水平面に1個あるいは3個または複数対を設けることも可能である。
【0029】
対になった水平バッフル14の1個の長さは、全てが内径の10〜40%、好ましくは20〜40%が必要である。また、水平バッフル14の厚みは、強度を損なわない範囲で投入されたスチレン系樹脂の成形体を破砕(切断)するためにできるだけ薄いほうがよい。例えば、水平バッフル14の形状は刃物状を成しているのが好ましいが、その他、斧や日本刀形状、あるいは楔状などいずれでもよく、特に限定されない。更に、バッフルの取り付け角度は通常は水平であるが、水平に対し傾斜を付けて取り付けてもよいが、水平に対し45度以上上向き又は下向きにすると効果は著しく低減する。
【0030】
このように水平バッフル14を配設し、水平バッフル14の間を攪拌翼が回転することにより、溶解槽10に投入されたスチレン系樹脂の成形体は水平バッフル14と攪拌翼で剪断され、または圧縮破壊される。そして、それらの効果により、スチレン系樹脂は迅速且つ確実に破砕され、更に、投入された溶剤や熱分解液状生成物によって迅速に溶解させられる。
【0031】
溶解槽10で溶解させられたスチレン系樹脂は熱分解槽24へ移送されて、熱分解槽24で熱分解される。溶解させられたスチレン系樹脂の移送は、溶解槽10の下部に開閉弁16を介して移送管18が配設されていて、その移送管18に設けられた移送ポンプ20により行われる。この開閉弁16を適宜開閉させ、溶解槽において溶解されたスチレン系樹脂の溶解液の熱分解槽24への供給量を調整する。なお、この移送ポンプ20は、高粘度液用の汎用ポンプ例えばスネーク型ポンプがよいが、レイアウト上許されるのであれば、分解槽24の上部に溶解槽10を設置し、重力で分解槽24に溶解液を払い出すように構成することも可能である。
【0032】
次に、溶解させられたスチレン系樹脂を熱分解する熱分解槽24は、加熱装置26を備えており、加熱装置26により熱分解槽24内に投入されたスチレン系樹脂が加熱されてスチレンモノマー、α−メチルスチレン、トルエン等に分解するように構成されている。加熱装置26は、バーナー、電気、スチーム等のいかなる手段により加熱するように構成されていてもよく、特に限定されるものではない。加熱装置26によって熱分解槽24を加熱した後の廃熱風は熱分解槽24の外側に設けられたジャケット25により集められ、その出口に接続した廃熱風ダクト27により溶解槽10に供給されるのが好ましい。
【0033】
熱分解槽24の加熱装置26としてバーナーを用いる場合、図に示すように、ジャケット25の出口に接続した廃熱風ダクト27に熱交換機32を取り付け、送風機33により送られてくるバーナーの燃焼用空気を予熱し、廃熱風の熱回収を図ることも可能である。なお、この熱交換機32の型式はいかなるものでもよく、特に限定されるものではない。
【0034】
また、熱分解槽24の内部には攪拌翼28が設けられているのが好ましい。この攪拌翼28は、溶融されたスチレン系樹脂が均一に混合され、均一な温度となるように攪拌し、また外側のジャケット25からの熱伝達を促進する役割を有する。
【0035】
ここで、熱分解槽24における熱分解温度は、200〜550℃で行うのが好ましい。200℃以下では熱分解反応が進行せず、550℃以上では炭化が進行して熱分解液状生成物の回収率が低下するといった不都合が起きやすいからである。熱分解液状生成物の回収率及び分解反応速度の点から好ましくは300℃〜430℃で熱分解することが好ましい。なお、温度調整は通常用いられる攪拌槽の温度調整方法によればよく、特に限定されるものではない。
【0036】
更に、熱分解槽24には、熱分解残渣を外部へ払い出すための熱分解残渣払出し装置30が設けられており、熱分解槽24と熱分解残渣払出し装置30は開閉弁29を介して配管で連結されている。残渣払出し装置30は、着火温度以上の蒸気状生成物が空気と接触し静電気によって着火し燃焼することを回避するため、また密閉する必要があるため、熱分解残渣などに付着し発生させられる蒸気状生成物を熱分解槽24に戻すための連結配管31が設けられている。これら残渣払い出し装置30及び連結配管31は、金属製であれば、特に限定されるものではない。
【0037】
次に、本発明に係る熱分解装置には、熱分解槽24において発生させられた蒸気状生成物を液化するための冷却装置34と、その冷却装置34によって液化された液状分解物を回収するためのタンク38とが設けられていて、これら冷却装置34とタンク38は移送管36により接続されている。冷却装置34は蒸気状生成物と冷却水が直接接触しない型式であり、蒸気状生成物をその各成分ガスの凝縮温度以下に冷却するものであればいかなる構成の装置でもよく、特に限定されるものではない。
【0038】
また、蒸気状生成物を液化する冷却装置において、凝縮しなかった蒸気状生成物を加熱装置へ戻して、燃焼せしめることも可能であり、たとえば図に示すように冷却装置34に配管35を設け、送風機33の空気吸引部に接続してもよい。このようにすれば、未凝縮蒸気状生成物の大気中への放出量を低減することも可能である。
【0039】
次に、タンク38は蒸気状生成物が液化された熱分解液状生成物を蒸発させたり、酸化などによって変質させたりしないように構成されているものが好ましく、その構造などは特に限定されるものではない。タンク38には熱分解液状生成物が貯留されて、熱分解液状生成物の生成過程で混入した水分を分離した後、熱分解液状生成物はポンプ40により貯槽に送られる。貯槽に送られる熱分解液状生成物の一部は溶解槽10に戻され、溶剤とともに、あるいは溶剤に代えて溶解槽10に入れられてもよい。
【0040】
以上、本発明に係るスチレン系樹脂の熱分解装置の1例を図1に詳述したが、本発明はかかる実施装置の構成に限定されるものではない。
【0041】
以下に、本発明に係るスチレン系樹脂の熱分解装置の使用方法について説明する。上述の処理装置において、まず、溶解槽10に、溶剤またはスチレン系樹脂を熱分解して得られた液状生成物のいずれか一方または双方を溶剤投入装置22から投入する。
【0042】
溶剤としてのスチレン系樹脂の熱分解液状生成物を投入する装置22は、その装置を単独で設置してもよいが、前述したように本発明に係る熱分解装置によって得られたスチレン系樹脂の熱分解液状生成物をタンク38から貯槽に送液するポンプ40から一部または全部を取り出す枝取りし、溶解槽10に投入してもよい。このとき、スチレン系樹脂の熱分解液状生成物を計量しながら投入する計量機を備えることも可能である。
【0043】
このスチレン系樹脂の熱分解液状生成物は後述する表1及び表2の実施例及び比較例に代表例を示すように、芳香族化合物からなっており、スチレン系樹脂の良好な溶剤でもある。従って、本発明によって得られる熱分解液状生成物はスチレン系樹脂の溶剤として繰り返して利用することが可能である。
【0044】
また、本発明に用いられる溶剤はスチレン系樹脂を溶解するものであればよいが、塩酸、硫酸等の無機酸類、及び有機化合物であっても、蟻酸、酢酸等のカルボン酸は装置を腐食させるため、使用できない。また、塩化メチル、塩化エチル等のハロゲン化化合物も、ハロゲンが装置を腐食させるため、使用できない。従って、芳香族化合物、アセトン、シクロヘキサン及びシクロヘキサノン等の環状化合物がスチレン系樹脂の溶剤として好ましいが、これら物質に限定されるものではなく、天然に存在する物質であってもスチレン系樹脂を溶解し、装置を腐食しなければ使用可能である。
【0045】
更に、溶解槽10の加熱方法は、スチレン系樹脂を溶解するときの温度は50〜80℃であり、通常は熱分解槽24の廃熱風を溶解槽10のジャケット11に連結して加熱する。温度は50℃未満では溶解性が劣り、80℃を越えると溶剤の蒸気により溶解作業性が悪くなるため、好ましくない。
【0046】
溶解槽10へ添加する溶剤またはスチレン系樹脂の熱分解液状生成物の量は、投入するスチレン系樹脂の50重量%以上、好ましくは100重量%以上で200重量%以下が好ましい。50重量%未満ではスチレン系樹脂を溶解するに従い溶解液の粘度が上昇し、溶解速度が遅くなる。また、200重量%をこえると、溶剤の蒸発に必要なエネルギーが大きくなり、燃料油のコストが高く実用的でない。
【0047】
次いで、スチレン系樹脂の成形体を溶解槽10に投入し、溶解槽10の攪拌機12及び水平バッフル14によって適当な大きさに破砕しつつ、溶剤または熱分解液状生成物によって溶解させる。
【0048】
ここで、本発明に供されるスチレン系樹脂は、フィルム、シート、成形品、塊等、いかなる形状のものでもよく、発泡ポリスチレン成形品も好適に処理することが可能である。また、本発明では、これらスチレン系樹脂の合成時又は加工成形時に難燃剤、帯電防止剤、印刷剤等が添加されたスチレン系樹脂も熱分解液化の対象として使用することが可能である。
【0049】
更には、本発明の目的を損なわない範囲で、スチレン系樹脂に、例えば50重量%未満、好ましくは30重量%以下、更に好ましくは、20重量%以下の他の合成樹脂が混入した樹脂混合物(廃棄物)であって、広い概念のものをも熱分解液化の対象として使用することができる。他の合成樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、塩化ビニール系樹脂(廃棄物)がある。
【0050】
詳しくは、本発明でいうスチレン系樹脂とは、ポリスチレン、優位量のスチレンモノマーと劣位量のハロゲン又は置換基で置換された置換スチレンとの共重合体、又はスチレンモノマーに劣位量、好ましくは30重量%(以下、単に%と略記する。)以下、更に好ましくは20%以下の他の単量体、たとえばブタジエン等のジエン類、アクリル酸、メタアクリル酸等の(メタ)アクリル酸エステル類およびその誘導体、アクリロニトリル等を共重合した共重合体類(例えば、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ハイインパクトポリスチレン、ABS樹脂、メチルメタアクリレート−ブタジエン−スチレン系樹脂(MBS)等)の廃棄物が良好に使用することができ、これらは、単独でも混合でも使用することが可能である。
【0051】
更に、これらスチレン系樹脂にポリフェニレンエーテル及びその誘導体、ポリサルホン、ポリアセタール、ポリカーボネード、ポリアミド、ポリイミド、芳香族ポリエステル等のエンジニアリングプラスチックやSBR、ABS、MBS等のポリマーを添加して使用することも可能である。
【0052】
これらスチレン系樹脂を溶解させた溶解液を熱分解槽24内に供給した後、熱分解槽24内を密閉する。密閉した熱分解槽24において、雰囲気を必要に応じて脱酸、窒素置換した後、熱分解槽24内で溶解液を加熱して熱分解し、蒸気状生成物を発生させる。
【0053】
熱分解により発生した蒸気状生成物は熱分解槽24の上部から配管を通り冷却装置34に送られ、その冷却装置34において冷却液化され、熱分解液状生成物がタンク38に回収される。
【0054】
回収された熱分解液状生成物は、タンク38の底部より水を分離した後、貯槽に貯蔵される。この油水分離タンクには、底部に水を抜くバルブ、直胴部に液状生成物を抜き出すバルブを取り付ければよい。
【0055】
一方、熱分解槽24の熱分解残渣は、熱分解終了後、熱分解温度または流動性を損なわない温度まで冷却した後、熱分解槽24の底部の開閉弁29を開にし、密閉された熱分解残渣払出し装置30に空気に接触しないように払い出される。熱分解槽24の熱分解残渣は、着火温度(火源がなくても着火する温度)以上の状態で払い出されるため、空気に接触すると燃焼してしまうため、密閉容器に払い出さなければならない。払い出すときの熱分解残渣の温度は、熱分解終了時の熱分解温度でもよいし、冷却してから払い出してもよい。ただし、冷却しすぎると、熱分解残渣の粘度が上昇し、もはや流動性を有しなくなるので、流動性を損なわない温度で払い出せばよい。
【0056】
上記のようにして得られた本発明に係るスチレン系樹脂の熱分解装置及び熱分解方法により生成された液状生成物は、芳香族炭化水素化合物であり、その主成分はスチレンモノマー、α−メチルスチレン、トルエン、イソプロピルベンゼン、スチレンダイマー、スチレントリマー、1,3−ジフェニルプロパン等である。
【0057】
以上のようにして得られた熱分解液状生成物は通常、やや褐色を呈した透明性のある液体であり、後述する表1及び表2の実施例及び比較例に示すように、大部分が芳香族化合物であり、安定な物質である。また、この熱分解液状生成物は常温保管であれば、液状のスチレンモノマーが重合することはなく、安定である特質を有する。
【0058】
このようにして、得られた液状生成物は、そのまま燃料として使用してもよく、あるいはA重油と混合して燃料として使用してもよい。更に、精留により有用な成分に分離精製して、再利用に供してもよい。
【0059】
以上、本発明に係るスチレン系樹脂の熱分解装置及び熱分解方法のいくつかの実施の態様を説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。特に、上述の熱分解方法を実施するための装置は例示した装置に限定されるものではない。例えば、熱分解槽24の攪拌翼28は必ずしも必要ではない。
【0060】
また、かかるスチレン系樹脂の熱分解装置において、比較的小規模のプラントでは、スチレン系樹脂の溶解槽と熱分解槽を分離して2つ設置しなくて、溶解槽と熱分解槽とを1つの溶解分解槽で構成することも可能である。即ち、溶解分解槽で、スチレン系樹脂の減容および溶解をした後、次いで同じ槽内で加熱装置により加熱温度を変えて熱分解を行うことができる。このように構成すれば、更に設備費が安価になる。
【0061】
その他、熱分解槽24に温度や圧力などを検知するセンサーや、溶融廃棄物をサンプリングして成分分析をするための装置などを配設するなど、本発明がその趣旨を逸脱しない範囲内で当業者の知識に基づき、種々なる改良、変更、修正を加えた態様で実施しうるものである。
【0062】
以下に、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。
【0063】
〔実施例1〕
内径800ミリの溶解槽で、内部に翼径が600ミリの三段パドル翼及び長さが300ミリで、先端を鋭利にした対となった水平バッフルをパドル翼間に三対取り付け、液状生成物を200Kg投入した。攪拌しながら、スチレン系樹脂として発泡ポリスチレン製の生協等で使用する通箱(大きさ380×315×230ミリ)110Kgを、溶解槽にそのまま投入した。投入と同時に、通箱は攪拌翼と水平バッフル間で激しく破砕され、次いで溶解槽内の液状生成物で速やかに溶解を開始した。投入後約3時間で110Kgの通箱は全て溶解した。
【0064】
次いで、溶解液をポンプにて熱分解槽に送液し、熱分解槽を密閉した後、脱酸素並びに窒素にて置換し、その後、熱風にて熱分解槽を昇温して、溶解液を熱分解し、蒸気状生成物を冷却して液状生成物を得た。また、熱分解残渣は分解終了後直ぐに、分解槽とつながった配管を有するステンレス製の密閉容器に2分で払い出した。また、溶解結果、熱分解結果及びガスクロマトグラフ磁場型質量分析装置を用いて定量、定性分析を行い、各成分の含有率を求めた液状生成物の組成を表1に示す。
【0065】
【表1】
Figure 0003596571
【0066】
〔実施例2〕
実施例1と同様の装置で同様の方法で、ポリスチレンペーパートレー110Kgをそのまま溶解槽に投入した。通箱と同様に、投入と同時にトレーは攪拌翼と水平バッフル間で激しく破砕され、次いで溶解槽内の液状生成物で速やかに溶解を開始した。投入後2時間で110Kgのトレーは全て溶解した。次いで実施例1と同様の方法で、熱分解し、液状生成物を得た。
【0067】
溶解結果、熱分解結果及びガスクロマトグラフおよびガスクロマトグラフ磁場型質量分析装置を用いて定量、定性分析を行い、各成分の含有率を求めた液状生成物の組成を表1に示す。
【0068】
〔比較例1〕
実施例1と同様の溶解槽で水平バッフルを取り付けないで、実施例1と同様に通箱を投入した。通箱は攪拌翼と溶解槽の内壁で破砕はされるが、溶解速度は著しく低下し、110Kg全量を溶解するのに6時間を要した。次いで、実施例1と同様の方法で、熱分解し、液状生成物を得た。
【0069】
溶解結果、熱分解結果及びガスクロマトグラフおよびガスクロマトグラフ磁場型質量分析装置を用いて定量、定性分析を行い、各成分の含有率を求めた液状生成物の組成を表1に示す。分解挙動、液状生成物組成については実施例1と差は無かった。
【0070】
〔比較例2〕
実施例2と同様の溶解槽で水平バッフルを取り付けないで、実施例2と同様にポリスチレンペーパートレーを投入した。比較例1の通箱程度の溶解速度の低下は無かったが、110Kg全量を溶解するのに4時間を要した。次いで、実施例1と同様の方法で、熱分解し、液状生成物を得た。
【0071】
溶解結果、熱分解結果及びガスクロマトグラフおよびガスクロマトグラフ磁場型質量分析装置を用いて定量、定性分析を行い、各成分の含有率を求めた液状生成物の組成を表1に示す。分解挙動、液状生成物組成については実施例1と差は無かった。
【0072】
〔比較例3〕
実施例1と同様の溶解槽で水平バッフル長を、槽内径の5%に短くしたものを取り付け、実施例1と同様に通箱を投入した。通箱は攪拌翼と溶解槽の内壁で破砕はされるが、溶解速度は低下し、110Kg全量を溶解するのに5時間を要した。次いで実施例1と同様の方法で、熱分解し、液状生成物を得た。
【0073】
溶解結果、熱分解結果及びガスクロマトグラフおよびガスクロマトグラフ磁場型質量分析装置を用いて定量、定性分析を行い、各成分の含有率を求めた液状生成物の組成を表2に示す。分解挙動、液状生成物組成については実施例1と差は無かった。
【0074】
【表2】
Figure 0003596571
【0075】
参考
実施例1と同様の溶解槽で、溶剤の量は同一で、廃プラの投入量を250Kgに増量し、実施例1と同様に通箱を投入した。通箱は攪拌翼と溶解槽の内壁で破砕はされるが、溶解速度は低下し、250Kg全量を溶解するのに8時間を要した。次いで実施例1と同様の方法で、熱分解し、液状生成物を得た。
【0076】
溶解結果、熱分解結果及びガスクロマトグラフおよびガスクロマトグラフ磁場型質量分析装置を用いて定量、定性分析を行い、各成分の含有率を求めた液状生成物の組成を表2に示す。分解挙動、液状生成物組成については実施例1と差は無かった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスチレン系樹脂の熱分解装置及び熱分解方法を示す説明図である。
【符号の説明】
10;溶解槽
12,28;攪拌機
14;バッフル
20;ポンプ
24;熱分解槽
26;加熱装置
34;冷却装置
38;タンク

Claims (11)

  1. 槽の内部に攪拌機とバッフル及び槽の外側に加熱装置を有するスチレン系樹脂を溶解する溶解槽と、該溶解槽にスチレン系樹脂を溶解する溶剤及び/またはスチレン系樹脂の熱分解液状生成物を投入しまたは循環させる装置と、溶解された液を熱分解する熱分解槽へ送液するポンプと、槽の外側に加熱装置と槽の内側に攪拌機と底部より熱分解残渣を払い出す装置を有するスチレン系樹脂を熱分解する熱分解槽と、該熱分解槽において発生した蒸気状生成物を液化する冷却装置と、該冷却装置によって液化された熱分解液状生成物を回収し混入した水を分離するタンクからなる回分式熱分解装置であることを特徴とするスチレン系樹脂の熱分解装置。
  2. 槽の内部に攪拌機とバッフル及び槽の外側に加熱装置と槽の底部より熱分解残渣を払い出す装置を有するスチレン系樹脂を溶解するとともに熱分解する溶解分解槽と、該溶解分解槽にスチレン系樹脂を溶解する溶剤及び/またはスチレン系樹脂の熱分解液状生成物を投入しまたは循環させる装置と、前記溶解分解槽において発生した蒸気状生成物を液化する冷却装置と、該冷却装置によって液化された熱分解液状生成物を回収し混入した水を分離するタンクからなる回分式熱分解装置であることを特徴とするスチレン系樹脂の熱分解装置。
  3. 前記溶解槽又は溶解分解槽における、攪拌翼、および攪拌翼と攪拌翼の間に溶解槽の内壁に固定した1対または複数対の水平バッフルを有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載するスチレン系樹脂の熱分解装置。
  4. 前記対をなす水平バッフルの1個のバッフルの長さが溶解槽又は溶解分解槽の内径の10〜40%であることを特徴とする請求項3に記載するスチレン系樹脂の熱分解装置。
  5. 前記熱分解槽又は溶解分解槽において、該熱分解槽又は溶解分解槽の底部の熱分解残渣を払い出すバルブと、熱分解槽に連結された配管を有し、熱分解槽から未分解及び炭化物からなる熱分解残渣を払い出す密閉された装置を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載するスチレン系樹脂の熱分解装置。
  6. スチレン系樹脂と、溶剤及び/またはスチレン系樹脂の熱分解液状生成物とを内部に攪拌機と水平バッフルを備えた溶解槽に投入して攪拌しつつ前記スチレン系樹脂を前記水平バッフルにより粉砕し、該溶解槽でスチレン系樹脂を減容溶解させた後、該得られた溶解液を熱分解槽に送液して該熱分解槽で攪拌下で加熱して熱分解し、発生した蒸気状生成物を液化して熱分解液状生成物を回収することを特徴とするスチレン系樹脂の熱分解方法。
  7. 前記熱分解槽において、未分解及び炭化物からなる熱分解残渣を流動性を有する状態で、直接空気に接触しないようにしつつ熱分解槽の槽外へ払い出すようにしたことを特徴とする請求項6に記載するスチレン系樹脂の熱分解方法。
  8. 前記熱分解槽における加熱方法として、バーナーを使用して熱風加熱を行う際に、廃熱風を燃焼用空気と熱交換機を介して熱交換することを特徴とする請求項6又は請求項7に記載するスチレン系樹脂の熱分解方法。
  9. 前記溶解槽に投入されるスチレン系樹脂の50重量%以上の溶剤及び/またはスチレン系樹脂を熱分解して得られる熱分解液状生成物を、スチレン系樹脂に添加し、投入されたスチレン系樹脂を溶解槽の攪拌翼と対に配置された水平バッフルで破砕および攪拌することを特徴とする請求項6乃至請求項8のいずれかに記載するスチレン系樹脂の熱分解方法。
  10. 前記溶解槽においてスチレン系樹脂を溶解するに際し、該溶解液を該溶解槽にポンプで循環させることを特徴とする請求項6乃至請求項9のいずれかに記載するスチレン系樹脂の溶解方法。
  11. 内部に攪拌機と水平バッフルを備えた溶解槽でスチレン系樹脂を攪拌しつつ前記水平バッフルにより粉砕し、さらに溶解減容させたスチレン系樹脂を直接当該溶解槽で熱分解させるようにしたことを特徴とするスチレン系樹脂の熱分解方法。
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