JP3596474B2 - 到来方向推定手段およびこれを用いた指向性可変送受信装置 - Google Patents

到来方向推定手段およびこれを用いた指向性可変送受信装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はCDMA通信方式を用いる移動体通信の基地局または移動局において、受信信号の逆拡散後の信号を用いて信号の到来方向を推定する到来方向推定装置に関するものである。また、到来方向推定装置による推定方向を基にアンテナ指向性を可変する指向性可変送受信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電波の到来方向推定を行う装置は、特定の移動局の存在する方向を推定する方向探知装置、あるいは、基地局用アダプティブアレーアンテナとして用いられてきている。こうした装置における、従来の到来方向推定手法として、受信信号の相関行列を算出し、その相関行列に処理を加えることで到来方向推定を行う手法が広く知られている。
【0003】
代表的な手法としては、MUSICアルゴリズムを用いた到来方向推定手法がある。これは文献「Multiple Emitter Location and Signal Parameter Estimation」(Ralph O.Schmidt,IEEE Transaction on Antennas and Propagation, Vol.AP−34,No.3,pp.276−280,1986年3月)により詳しく論じられている。相関行列を算出する際には、受信信号を複数利用することが一般的である。
【0004】
また、受信信号を逐次的に用いて、行列演算を行う手法もある。代表的な手法としては文献「A TQR−Iteration Based Adaptive SVD for Real Time Angle and Frequency Traking」(Eric M.Dowling,IEEE Transaction on Signal Processing,Vol.42,No.4,pp.914−926,1994年4月)により詳しく論じられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の到来方向推定手法は、連続データを用いて相関行列を計算し、その相関行列の固有値分解や逆行列演算などの処理を行うことで到来方向推定を行う手法が一般的である。このような従来の手法では、演算量が多いため処理に時間を要する。
【0006】
また、逐次的にデータを用いて行列演算を行う手法では、先の連続データを用いた処理に比べると演算量が少なく処理時間を減らすことが可能である。しかし、推定初期段階や多重波伝搬環境である市街地での移動に伴う受信パスの生成や消滅といった信号の急激な変化に対しては、推定結果が収束するまでに時間を要することから、その間の推定精度が良好でないなどの課題もある。
【0007】
本発明はこのような課題を解決するものであり、CDMA通信方式を用いる移動通信システムにおいて、逆拡散後の連続データを用いて行う処理と逐次的にデータを用いて行う処理とを適応的に切り替えることで、演算量の削減を図りながら推定精度の劣化を抑えて到来方向の推定を行う到来方向推定装置を提供するものである。
【0008】
さらに、この到来方向推定装置の推定結果を利用して、アンテナ指向性制御を行うことで送受信品質改善を行う指向性可変送受信装置を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、CDMA通信方式において受信信号の逆拡散処理によって出力される遅延パス情報を利用し、前回の処理時における遅延パス情報との相関を検出し、その結果を利用して連続データを用いて行う一括処理と逐次的にデータを用いて行う逐次処理とを適応的に切り替えることを可能とする。遅延パス情報の相関が高い場合には、逐次処理を行うことで、処理量の削減を可能とし、また、受信パスに変化がある遅延パス情報の相関が低い時には、一括処理を行うことで逐次処理による収束までの誤推定を防ぐことを可能とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、CDMA(Code Division Multiple Access:符号分割多元接続)通信方式において、移動局からの信号を受信する複数のアンテナ素子からなるアレーアンテナと、前記アレーアンテナの各素子における受信スペクトル拡散信号を逆拡散する複数の逆拡散処理手段と、前記逆拡散処理手段の出力遅延パス情報の相関を検出する遅延パス相関検出手段と、前記複数の逆拡散処理手段の出力信号を高速にサンプリングする高速サンプリング手段と、前記高速サンプリング手段の出力を蓄積する高速サンプリングデータ蓄積手段と、前記複数の逆拡散処理手段の出力信号を前記高速サンプリング手段より低速でサンプリングする低速サンプリング手段と、前記低速サンプリング手段の出力を蓄積する低速サンプリングデータ蓄積手段と、前記高速サンプリングデータ蓄積手段による蓄積高速サンプリングデータを用いて行列演算を行う行列演算一括処理手段と、前記低速サンプリングデータ蓄積手段による蓄積低速サンプリングデータを用いて行列演算を行う行列演算逐次処理手段と、前記行列演算一括処理手段または前記行列演算逐次処理手段の出力を用いて電波の到来方向を推定する到来 方向推定手段を備え、前期遅延パス情報相関検出手段の検出結果により前記行列演算一括処理手段と前記行列演算逐次処理手段を切り替えることにより前記到来方向推定手段がどちらかの行列演算出力を用いて到来方向を推定するものであり、連続データを用いる行列演算と間引きデータを用いる行列演算を遅延パス情報相関検出結果により適応的に切り替えて到来方向推定する作用を有する。
【0011】
請求項2に記載の発明は、CDMA通信において、移動局からの信号を受信する複数のアンテナ素子からなるアレーアンテナがあり、前記アレーアンテナの各素子における受信スペクトル拡散信号を逆拡散する複数の逆拡散処理手段と、前記逆拡散処理手段の出力遅延パス情報の相関を検出する遅延パス相関検出手段と、前記複数の逆拡散処理手段の出力信号を高速にサンプリングする高速サンプリング手段と、前記高速サンプリング手段の出力を蓄積する高速サンプリングデータ蓄積手段と、前記複数の逆拡散処理手段の出力信号を前記高速サンプリング手段より低速でサンプリングする低速サンプリング手段と、前記低速サンプリング手段の出力を蓄積する低速サンプリングデータ蓄積手段のなかから、前記複数の逆拡散処理手段と前記遅延パス情報相関検出手段と前記高速サンプリング手段と前記高速サンプリングデータ蓄積手段と前記低速サンプリング手段と前記低速サンプリングデータ蓄積手段とからなり前記遅延パス情報相関検出手段の検出結果と前記高速サンプリングデータ蓄積手段により蓄積された蓄積高速サンプリングデータと前記低速サンプリングデータ蓄積手段により蓄積された蓄積低速サンプリングデータを出力するものをデータ処理ブロックとすると、前記アレーアンテナと、前記複数のデータ処理ブロックと、前記複数のデータ処理ブロックの出力を入力してユーザ毎に切り替えて出力するデータ切り替え手段と、前記データ切り替え手段出力である蓄積高速サンプリングデータを用いて行列演算を行う行列演算一括処理手段と、前記データ切り替え手段出力である蓄積低速サンプリングデータを用いて行列演算を行う行列演算逐次処理手段と、前記行列演算一括処理手段または前記行列演算逐次処理手段の出力を用いて電波の到来方向を推定する到来方向推定手段を備え、前記データ切り替え手段の出力である前期遅延パス情報相関検出結果により前記行列演算一括処理手段と前記行列演算逐次処理手段を切り替えることにより前記到来方向推定手段がどちらかの行列演算出力を用いて到来方向を推定するものであり、拡散符号が異なる複数のユーザに対して、それぞれ別々に到来方向推定を行う作用を有する。
【0012】
請求項3に記載の発明は、CDMA通信において、移動局からの信号を受信する複数のアンテナ素子からなるアレーアンテナがあり、前記アレーアンテナの各素子における受信スペクトル拡散信号を逆拡散する複数の逆拡散処理手段と、前記逆拡散処理手段の出力遅延パス情報の相関を検出する遅延パス相関検出手段と、前記複数の逆拡散処理手段の出力信号を高速にサンプリングする高速サンプリング手段と、前記高速サンプリング手段の出力を蓄積する高速サンプリングデータ蓄積手段と、前記複数の逆拡散処理手段の出力信号を前記高速サンプリング手段より低速でサンプリングする低速サンプリング手段と、前記低速サンプリング手段の出力を蓄積する低速サンプリングデータ蓄積手段のなかから、前記複数の逆拡散処理手段と前記遅延パス情報相関検出手段と前記高速サンプリング手段と前記高速サンプリングデータ蓄積手段と前記低速サンプリング手段と前記低速サンプリングデータ蓄積手段とからなり前記遅延パス情報相関検出手段の検出結果と前記高速サンプリングデータ蓄積手段により蓄積された蓄積高速サンプリングデータと前記低速サンプリングデータ蓄積手段により蓄積された蓄積低速サンプリングデータを出力するものをデータ処理ブロックとすると、前記アレーアンテナと、前記複数のデータ処理ブロックと、前記複数のデータ処理ブロックの出力である前記遅延パス情報相関検出結果のユーザ毎の相関値を比較する相関値比較手段と、前記相関値比較手段の比較結果をもとにユーザの優先順位を決定する優先順位決定手段と、前記優先順位決定手段により優先順位がつけられたそれぞれのユーザに対して処理方法を選択する処理方法選択手段と、前記複数のデータ処理ブロックの出力である前記蓄積高速サンプリングデータと前記蓄積低速サンプリングデータと前記処理方法選択手段の出力である選択処理方法を入力してユーザ毎に切り替えて出力するデータ切り替え手段と、前記データ切り替え手段出力である蓄積高速サンプリングデータを用いて行列演算を行う行列演算一括処理手段と、前記データ切り替え手段出力である蓄積低速サンプリングデータを用いて行列演算を行う行列演算逐次処理手段と、前記行列演算一括処理手段または前記行列演算逐次処理手段の出力を用いて電波の到来方向を推定する到来方向推定手段を備え、前記データ切り替え手段の出力である前記選択処理方法により前記行列演算一括処理手段と前記行列演算逐次処理手段を切り替えることにより前記到来方向推定手段がどちらかの行列演算出力を用いて到来方向を推定するものであり、遅延パス情報をもとにユーザ毎に一括処理の優先順位をつけることで、過不足ない処理量による到来方向推定を行うという作用を有する。
【0013】
請求項4に記載の発明は、行列演算一括処理手段の演算結果を行列演算逐次処理手段の初期値として利用するとしたものであり、一括処理による結果を利用して逐次処理の収束時間を短縮する作用を有する。
【0014】
請求項5に記載の発明は、前記データ蓄積手段もしくは前記データ間引き手段の出力データは、前記逆拡散処理手段における逆拡散信号の第1遅延パス成分のみを用いるとしたものであり、複数の遅延パスが到来しているなかから第1遅延パスを限定してその到来方向を推定する作用を有する。
【0015】
請求項6に記載の発明は、前記遅延パス情報相関検出手段で用いる遅延パス情報は、前記逆拡散処理手段における逆拡散信号の複数の遅延パス成分を用いるとしたものであり、受信パス状況を詳しく把握する作用を有する。
【0016】
請求項7に記載の発明は、前記遅延パス情報相関検出手段が、遅延パス情報におけるパス数およびそれぞれのパス時間差を用いて、現在の推定処理時における遅延パス情報と前回の推定処理時における遅延パス情報の相関を検出するとしたものであり、遅延パス情報を用いて相関を検出することで到来パス変化の検出を行う作用を有する。
【0017】
請求項8に記載の発明は、前記遅延パス情報相関検出手段の出力から、現在の推定処理時のパス状態が前回の推定処理時のパス状態と相関が高い場合には、前記行列演算逐次処理手段により行列演算を行い、パス状態の相関が低い場合には、前記行列演算一括処理手段により行列演算を行うものであり、受信パス状況に適した行列演算処理を行う作用を有する。
【0018】
請求項9に記載の発明は、前記優先順位決定手段が、前記相関値比較手段の比較結果から、相関値が小さいユーザから優先順位を高くなるように決定するとしたものであり、受信パスに変化のあるユーザに対しては一括処理を行う優先順位を高くする作用を有する。
【0019】
請求項10に記載の発明は、前記処理方法選択手段が、前記優先順位決定手段により優先順位が決定されたユーザに対し、優先順位が高い複数のユーザに対しては一括処理方法を選択し、優先順位が低いそれ以外のユーザに対しては逐次処理方法を選択するとしたものであり、優先順位により処理方法を選択するという作用を有する。
【0020】
請求項11に記載の発明は、請求項3に記載の到来方向推定装置において、前記逆拡散処理手段の出力から移動局送信電力情報を検出する電力検出手段を備え、前記優先順位決定手段が前記電力検出手段による移動局送信電力情報を利用してユーザ毎の優先順位を決定するとしたものであり、移動局の送信電力を検出し、その移動局送信電力情報と遅延パス情報相関検出結果によりユーザ毎の優先順位を決定する作用を有する。
【0021】
請求項12に記載の発明は、前記優先順位決定手段が、前記電力検出手段による移動局送信電力情報の大小から基地局と移動局の距離を推定し、基地局に近いユーザに対しては優先順位を高くするとしたものであり、基地局と移動局の距離により優先順位に変化をつける作用を有する。
【0022】
請求項13に記載の発明は、請求項3に記載の到来方向推定装置において、前記到来方向推定手段の推定結果を蓄積する推定結果蓄積手段と、前記推定結果蓄積手段に蓄積された推定結果から角度情報を検出する推定結果処理手段を備え、前期優先順位決定手段が前記推定結果処理手段による角度情報も利用してユーザ毎の優先順位を決定するとしたものであり、推定方向から角度情報を検出し、その角度情報と遅延パス情報相関検出結果によりユーザ毎の優先順位を決定する作用を有する。
【0023】
請求項14に記載の発明は、前記推定結果処理手段が、前記推定結果蓄積手段により蓄積された推定結果から、推定方向の角度変動の分散をユーザ毎に算出するとしたものであり、検出する推定結果の角度情報として、推定結果を蓄積し、角度変動の分散を算出するという作用を有する。
【0024】
請求項15に記載の発明は、前記優先順位決定手段が、前記推定結果処理手段によるユーザ毎の角度変動の分散情報から、角度変動の分散が大きいユーザに対しては優先順位を高くするとしたものであり、角度変動の分散の大きさにより優先順位に変化をつける作用を有する。
【0025】
請求項16に記載の発明は、請求項3に記載の到来方向推定装置において、前記優先順位決定手段により順位がつけられたそれぞれのユーザに対して推定範囲を決定する推定範囲設定手段を備え、前記到来方向推定手段が前記推定範囲設定手段の出力であるユーザ毎の推定範囲を利用して到来方向を推定するものであり、優先順位により推定範囲を設定する作用を有する。
【0026】
請求項17に記載の発明は、前記推定範囲設定手段が、前記優先順位決定手段により優先順位が低く決定されたユーザに対しては、優先順位が高いユーザに比べて狭い角度範囲を推定範囲となるように設定するとしたものであり、優先順位の低いユーザに対しては推定範囲を狭くするように設定する作用を有する。
【0027】
請求項18に記載の発明は、前記到来方向推定手段が、前記行列演算一括処理手段または前記行列演算逐次処理手段のいずれかの出力であるユーザ毎の行列演算結果を用いて、前記推定範囲設定手段によるユーザ毎の推定範囲に対して到来方向推定を行うものであり、ユーザ毎の推定範囲により到来方向推定を行う作用を有する。
【0028】
請求項19に記載の発明は、請求項3に記載の到来方向推定装置において、前記逆拡散処理手段の出力から伝送レート情報を検出する伝送レート検出手段を備え、前期優先順位決定手段が前記伝送レート検出手段による伝送レート情報を利用してユーザ毎の優先順位を決定するものであり、ユーザ毎の伝送レートを検出し、その伝送レート情報と遅延パス情報相関検出結果によりユーザ毎の優先順位を決定する作用を有する。
【0029】
請求項20に記載の発明は、前記優先順位決定手段が、前記伝送レート検出手段による伝送レート情報から、伝送レートの高いユーザに対しては優先順位を高くするとしたものであり、伝送レートにより一括処理を行う優先順位に変化を付ける作用を有する。
【0030】
請求項21に記載の発明は、請求項1、2、3、11、13、16、19に記載のうち1つの到来方向推定装置と、アレーアンテナで受信されたスペクトル拡散信号を受信処理する受信手段と、前記到来方向推定装置で得られた到来方向に対してアレーアンテナの指向性が向くように前記受信手段による受信信号に対し重み付け加算処理を行う指向性制御手段と、前記指向性制御手段の出力信号に対し復調処理を行う復調処理手段を備えるものであり、到来方向推定装置による推定方向に対して指向性を向けて受信を行う作用を有する。
【0031】
請求項22に記載の発明は、請求項1、2、3、11、13、16、19に記載のうち1つの到来方向推定装置と、送信信号を生成する送信信号生成手段と、前記到来方向推定手段で得られた到来方向に対してアレーアンテナの指向性が向くように前記送信信号生成手段による送信信号に対し重み付け加算処理を行う指向性制御手段と、前記指向性制御手段の出力をアンテナから放射できる信号に変換する送信信号変換手段と、前記送信信号変換手段の出力信号を放射するアレーアンテナを備えるものであり、到来方向推定装置による推定方向に対して指向性を向けて送信を行う作用を有する。
【0032】
以下、本発明の実施の形態について、図1から図10を用いて説明する。
【0033】
(実施の形態1)
図1は本発明の第1の形態による到来方向推定装置のブロック結線図、図2は逆拡散処理手段の出力信号を示した図、図3は処理の流れを示した概念図である。
【0034】
図1において101はアレーアンテナ、102−1、102−2、…、102−Nは逆拡散処理手段、103は遅延パス情報相関検出手段、104は高速サンプリング手段、105は高速サンプリングデータ蓄積手段、106は低速サンプリング手段、107は低速サンプリングデータ蓄積手段、108は行列演算一括処理手段、109は行列演算逐次処理手段、110は到来方向推定手段である。
【0035】
以上のように構成された到来方向推定装置に関して、以下にその動作を説明する。
【0036】
移動局からのスペクトル拡散信号を101のアレーアンテナで受信する。アレーアンテナの各アンテナ素子で受信した各信号を102−1、102−2、…、102−Nの逆拡散処理手段で逆拡散処理を行う。図2は逆拡散処理手段の出力信号を示すもので、第1パス成分をP0、第2パス成分をP1、第3パス成分をP2とする。
【0037】
到来方向推定に利用するデータは、この逆拡散出力信号の第1パス成分のP0とする。第1パス成分のP0を利用することで、到来方向と遅延時間が異なる複数のパスを受信している場合においても、第1パスに限定して到来方向を推定することが可能である。また、図2の逆拡散出力信号における複数のパス成分を、遅延パス情報として利用する。
【0038】
103の遅延パス情報相関検出手段では、前回の推定処理時における遅延パス情報を蓄積しておき、現在の推定処理時の遅延パス情報との相関を検出する。相関を検出する手法として、例えば、遅延パス情報におけるパス数およびそれぞれのパスの時間差を用いることができる。
【0039】
これは、移動局の移動に伴いパスの生成、消滅が無い場合には、前回の推定処理時の遅延パス情報におけるパス数と時間差とも近いものが得られ、パスの生成、消滅があった場合には、パス数と時間差とも異なるものが得られることを用いて相関を検出する。
【0040】
104の高速サンプリング手段では、102の逆拡散処理手段の出力信号をサンプリングし出力する。ここで、104の高速サンプリング手段におけるサンプリング間隔をSとする。106の低速サンプリング手段では、102の逆拡散処理手段の出力信号をサンプリングし出力する。
【0041】
ここで、106の低速サンプリング手段におけるサンプリング間隔をTとする。この104の高速サンプリング手段および106の低速サンプリング手段における、高速・低速といった速度を表す表現は、それぞれを比較するためのものであり、それぞれのサンプリング間隔の関係はS<Tとなる。これらのサンプリング間隔S、Tはあらかじめ定めておく。
【0042】
また、104の高速サンプリング手段および106の低速サンプリング手段に入力する信号は、先に記載したように102の逆拡散処理手段における出力信号の第1パス成分とする。105の高速サンプリングデータ蓄積手段では、104の高速サンプリング手段の出力データを蓄積する。107の低速サンプリングデータ蓄積手段では、106の低速サンプリング手段の出力データを蓄積する。
【0043】
108の行列演算一括処理手段では、105の高速サンプリングデータ蓄積手段において蓄積された高速サンプリングデータを用いて相関行列を算出し、到来方向推定に必要な行列演算を行う。109の行列演算逐次処理手段では、107の低速サンプリングデータ蓄積手段において蓄積された低速サンプリングデータを用いて逐次的に行列演算を行う。
【0044】
図3は方向推定処理の流れを示した概念図であり、以下に図3を用いた処理の流れの一例を示す。図3において最上段で示すように、102の逆拡散処理手段出力の第1パス成分は、間隔が一定であるデータ列となる。例えば、104の高速サンプリング手段のサンプリング間隔Sを、102の逆拡散処理手段の出力データ間隔と同じにした場合、104の高速サンプリング手段では、この102の逆拡散処理手段出力のデータ列をそのままサンプリングし、105の高速サンプリングデータ蓄積手段では、サンプリングデータを蓄積する。
【0045】
106の低速サンプリング手段では、104の高速サンプリング手段に対して低速にサンプリングし、106の低速サンプリングデータ蓄積処理手段で、サンプリングデータを蓄積する。図3は、104の高速サンプリング手段におけるサンプリング間隔Sと106の低速サンプリング手段におけるサンプリング間隔Tは、S:T=1:5の関係とした例である。
【0046】
次に、一括処理と逐次処理をそれぞれの処理について説明する。まず一括処理では、105の高速サンプリングデータ蓄積手段において蓄積された高速サンプリングデータを用いて、108の行列演算一括処理手段で行列演算を行う。例えば、蓄積データを用いて相関行列を算出し、固有値分解や逆行列演算などの演算を行う。
【0047】
一括処理が選択された場合には、この108の行列演算一括処理手段の演算結果を用いて、110の到来方向推定手段では到来方向の推定を行う。また、一括処理直後に逐次処理が行われる場合には、108の行列演算一括処理手段出力を逐次処理における初期値として用いることができる。
【0048】
次に逐次処理を説明する。107の低速サンプリングデータ蓄積手段において蓄積された低速サンプリングデータを用いて、109の行列演算逐次処理手段で行列演算を行う。109の行列演算逐次処理手段では、1個の蓄積データに対して逐次演算処理を行う。この例では、この1回の逐次処理による推定処理を、推定処理のタイミングの基準とする。
【0049】
また、109の行列演算逐次処理手段では、蓄積データと逐次処理の前状態や初期値などを用いて行列演算を行う。例えば、固有値分解ならば文献「A TQR−Iteration Based Adaptive SVD for Real Time Angle and Frequency Traking」(Eric M.Dowling,IEEE Transaction on Signal Processing,Vol.42,No.4,pp.914−926,1994年4月)に記載の方法や、逆行列演算ならば公知の技術であるRLSアルゴリズムを用いて演算するなどの手法がある。逐次処理が選択された場合には、この109の行列演算逐次処理手段の演算結果を用いて、110の到来方向推定手段では到来方向の推定を行う。
【0050】
以上の一括処理と逐次処理の切り替えは、103の遅延パス情報相関検出手段の検出結果により切り替える。例えば、あらかじめ閾値を定めておき、その閾値に対して、103の遅延パス情報相関検手段の検出結果である相関値の大小を判断することができる。検出結果の相関値が小さい場合には、受信パスの生成、消滅といった大きな変化が生じていることから、108の行列演算一括処理手段により一括処理を行う。また、検出結果の相関値が大きい場合には、受信パスに大きな変化が生じていないことから、19の行列演算逐次処理手段により逐次処理を行う。
【0051】
以上が、一括処理と逐次処理の説明であり、次に処理の流れを説明する。推定処理開始時から説明すると、105の高速サンプリングデータ蓄積手段では、推定処理開始時からサンプリング間隔Sのサンプリングデータを蓄積し、107の低速サンプリングデータ蓄積手段では、サンプリング間隔Tのサンプリングデータを蓄積する。106の低速サンプリング手段のサンプリング間隔Tを基準とすると、処理開始時から間隔T毎に遅延パス情報の相関を検出する。
【0052】
103の遅延パス情報相関検出手段では、このデータ列のなかの定められた位置のデータにおける遅延パス情報を蓄積し、前回の処理時における遅延パス情報との相関を検出する。推定処理開始時から1回目の処理では、前回の推定処理時における遅延パス情報が存在しないため、遅延パス情報の初期値を適切に選ぶことにより、相関値は小さいと検出される。
【0053】
例えば、遅延パス情報の初期値として、パス数とパスの時間差を0とするなどがある。推定処理開始時から1回目の処理では、相関値が小さいことから、108の行列演算一括処理手段による行列演算を行い、110の到来方向推定手段では、一括処理演算結果を用いて到来方向の推定を行う。105の高速サンプリングデータ蓄積手段と107の低速サンプリングデータ蓄積手段では、それぞれのサンプリングデータを蓄積する。
【0054】
以後、間隔T毎に遅延パス情報の相関を検出し、推定処理を行う。この相関検出結果である相関値が小さい場合には、108の行列演算一括処理手段による行列演算を行い、相関値が大きい場合には、109の行列演算逐次処理手段による行列演算を行う。
【0055】
110の到来方向推定手段では、108の行列演算一括処理手段による演算結果または109の行列演算逐次処理手段による演算結果のいずれかを用いて到来方向の推定を行う。
【0056】
また、110の到来方向推定手段では、108の行列演算一括処理手段と109の行列演算逐次処理手段の両方の演算結果を用いて到来方向の推定を行っても良い。
【0057】
110の到来方向推定手段における到来方向推定手法として、例えば、108の行列演算一括処理手段または109の行列演算逐次処理手段における行列演算が、固有値分解や逆行列演算であった場合には、演算結果から角度スペクトラムを算出して到来方向を推定する手法があり、また、固有値分解の場合では論文「ESPRIT−Estimation of Signal Parameters Via Rotational Invariance Techniques」(Richard Roy and Thomas Kailath、IEEE Transaction on Acoustics、Speech、and Signal Processing、Vol.37、No.7、pp.984−995、July 1989)に記載のESPRIT法を用いて固有ベクトルを演算処理して到来方向を推定する手法がある。
【0058】
以上のように本実施の形態の発明によれば、スペクトル拡散信号の逆拡散処理により遅延パスを評価することができるので、精度は良いが処理量が多い一括処理と、処理量は少ないが精度結果が収束するまでに時間を要する逐次処理を適応的に切り替えて到来方向の推定を行うことが実現できる。
【0059】
なお、本実施の形態はCDMA通信方式に対して行うものであるが、遅延パス情報を検出する手段を備えることにより、他の通信方式に対しても同様な効果が得られる。
【0060】
(実施の形態2)
図4は本発明の第2の形態による到来方向推定装置のブロック結線図である。図において201はアレーアンテナである。202−1、202−2、…202−Nは逆拡散処理手段、203は遅延パス情報相関検出手段、204は高速サンプリング手段、205は高速サンプリングデータ蓄積手段、206は低速サンプリング手段、207は低速サンプリングデータ蓄積手段であり、上に記載の逆拡散処理手段、遅延パス情報相関検出手段、高速サンプリング手段、高速サンプリングデータ蓄積手段、低速サンプリング手段、低速サンプリングデータ蓄積手段をまとめて211のデータ処理ブロックとする。
【0061】
211−1、211−2、…211−Mはそれぞれデータ処理ブロックである。212はデータ切り替え手段、208は行列演算一括処理手段、209は行列演算逐次処理手段、210は到来方向推定手段である。
【0062】
以上のように構成された到来方向推定装置に関して、以下にその動作を説明する。201のアレーアンテナ、202の逆拡散処理手段、203の遅延パス情報相関検出手段、204の高速サンプリング手段、205の高速サンプリング蓄積手段、206の低速サンプリング手段、207の低速サンプリングデータ蓄積手段の動作は実施の形態1の動作と同じであり、この逆拡散処理手段、遅延パス情報相関検出手段、データ蓄積手段、データ間引き手段により211のデータ処理ブロックを構成する。
【0063】
211のデータ処理ブロックにおける出力信号は203の遅延パス情報相関検出手段の出力、205の高速サンプリングデータ蓄積手段による蓄積データ出力、207の低速サンプリングデータ蓄積手段による蓄積データ出力であり、複数のデータ処理ブロックの出力が211のデータ切り替え手段に入力される。211のデータ切り替え手段では、211−1、211−2、…211−Mの複数あるデータ処理ブロックの出力を入力し、個々のデータ処理ブロックの出力データを順次切り替える。
【0064】
212のデータ切り替え手段の出力は、212−1が高速サンプリングデータ、212−2が低速サンプリングデータ、212−3が遅延パス情報相関検出結果である。208の行列演算一括処理手段、209の行列演算逐次処理手段、210の到来方向推定手段の動作は実施の形態1の動作と同じである。
【0065】
実施の形態1と異なる点は、異なる拡散符号により拡散された複数のユーザの信号が201のアレーアンテナで受信した場合に、211のデータ処理ブロックを複数備えていることからそれぞれのユーザに対して逆拡散処理を行うことにより、ユーザ毎に到来方向推定に必要となるデータを別々に得ることが可能となる。その到来方向推定に必要となるデータを212のデータ切り替え手段により切り替えることで、それぞれのユーザに対して、順次、到来方向を推定することが可能となる。
【0066】
以上のように本実施の形態の発明によれば、実施の形態1に記載の到来方向推定を、異なる符号により拡散された複数のユーザに対して別々に簡易な構成で行うことが実現できる。
【0067】
(実施の形態3)
図5は本発明の第3の形態による到来方向推定装置のブロック結線図である。図において301はアレーアンテナである。302−1、302−2、…302−Nは逆拡散処理手段、303は遅延パス情報相関検出手段、304は高速サンプリング手段、305は高速サンプリングデータ蓄積手段、306は低速サンプリング手段、307は低速サンプリングデータ蓄積手段であり、上に記載の複数の逆拡散処理手段、遅延パス情報相関検出手段、高速サンプリング手段、高速サンプリングデータ蓄積手段、低速サンプリング手段、低速サンプリングデータ蓄積手段をまとめて311のデータ処理ブロックとする。
【0068】
311−1、311−2、…311−Mはそれぞれデータ処理ブロックである。313は相関値比較手段、314は優先順位決定手段、315は処理方法選択手段、312はデータ切り替え手段、308は行列演算一括処理手段、309は行列演算逐次処理手段、310は到来方向推定手段である。
【0069】
以上のように構成された到来方向推定装置に関して、以下にその動作を説明する。301のアレーアンテナ、302の逆拡散処理手段、303の遅延パス情報相関検出手段、304の高速サンプリング手段、305の高速サンプリングデータ蓄積手段、306の低速サンプリング手段、307の低速サンプリングデータ蓄積手段、および複数の逆拡散処理手段、遅延パス情報相関検出手段、高速サンプリング手段、高速サンプリングデータ蓄積手段、低速サンプリング手段、低速サンプリングデータ蓄積手段を有する311のデータ処理ブロックの動作は実施の形態2の動作と同じである。
【0070】
複数ある311のデータ処理ブロックにおける出力は、それぞれ303の遅延パス情報相関検出手段の検出結果と305の高速サンプリングデータ蓄積手段に蓄積された高速サンプリングデータと307の低速サンプリングデータ蓄積手段に蓄積された低速サンプリングデータである。
【0071】
遅延パス情報相関検出結果は313の相関値比較手段に入力され、高速サンプリングデータおよび低速サンプリングデータは312のデータ切り替え手段に入力される。313の相関値比較手段では、入力される複数の遅延パス情報相関検出結果の相関値の大小を比較する。
【0072】
314の優先順位決定手段では、313の相関値比較手段による相関値の大小比較結果をもとにユーザ毎に一括処理を行う優先順位をつける。移動通信システムにおいては、移動局の移動速度や電波の環境により全てのユーザの到来方向を特定の時間内で推定する必要があり、装置の処理能力の制約から一括処理を行うユーザ数に上限ができる場合がある。
【0073】
このことから、受信パスの生成、消滅が生じている遅延パス情報相関検出結果の相関値が小さいユーザから、一括処理を行う優先順位を高く決定する。315の処理方法選択手段では、314の優先順位決定手段により優先順位がついたユーザに対して、優先順位の高いユーザから一括処理が選択される。
【0074】
例えば、一括処理を行うユーザ数をLとすると、優先順位が高いLユーザに対して一括処理が選択され、それ以外のユーザに対しては逐次処理が選択される。一括処理が選択されるユーザ数Lは、例えば、装置の処理能力と通信しているユーザの総数から決定し、処理能力が許す範囲内で最大数とする。
【0075】
312のデータ切り替え手段には、315の処理方法選択手段によるユーザ毎の処理方法と、311のデータ処理ブロック出力である各ユーザの高速サンプリングデータと低速サンプリングデータが入力される。312のデータ切り替え手段の出力は、312−1の高速サンプリングデータ、312−2の低速サンプリングデータ、312−3の選択処理方法であり、これをユーザ毎に順次出力する。
【0076】
その際、315の処理方法選択手段出力により、ユーザ毎に処理方法が分かっているため、312−1の高速サンプリングデータと312−2の低速サンプリングデータは、どちらか一方を出力する。
【0077】
312のデータ切り替え手段の出力である312−3の選択処理方法において一括処理方法が選択されているユーザに対しては、308の行列演算一括処理手段により一括処理を行い、逐次処理方法が選択されているユーザに対しては、309の行列演算逐次処理手段により逐次処理を行う。308の行列演算一括処理手段、309の行列演算逐次処理手段の処理動作は実施の形態2の動作と同じである。また、310の到来方向推定手段の動作は実施の形態2の動作と同じである。
【0078】
以上のように本実施の形態の発明によれば、実施の形態2に記載のように異なる符号により拡散されたそれぞれのユーザに対して到来方向推定が可能であり、また、精度の良い一括処理を行う優先順位をユーザ毎に決定し、一括処理を行うユーザ数を限定することで、処理能力に対して過不足の無い一定した処理を行うことが実現できる。
【0079】
(実施の形態4)
図6は本発明の第4の形態による到来方向推定装置のブロック結線図である。図において401はアレーアンテナである。402−1、402−2、…402−Nは逆拡散処理手段、403は遅延パス情報相関検出手段、404は高速サンプリング手段、405は高速サンプリングデータ蓄積手段、406は低速サンプリング手段、407は低速サンプリングデータ蓄積手段、416は電力検出手段であり、上に記載の複数の逆拡散処理手段、遅延パス情報相関検出手段、高速サンプリング手段、高速サンプリングデータ蓄積手段、低速サンプリング手段、低速サンプリングデータ蓄積手段、電力検出手段をまとめて411のデータ処理ブロックとする。
【0080】
411−1、411−2、…411−Mはそれぞれデータ処理ブロックである。413は相関値比較手段、414は優先順位決定手段、415は処理方法選択手段、412はデータ切り替え手段、408は行列演算一括処理手段、409は行列演算逐次処理手段、410は到来方向推定手段である。
【0081】
以上のように構成された到来方向推定装置に関して、以下にその動作を説明する。401のアレーアンテナ、および409のデータ処理ブロックにおける402の複数の逆拡散処理手段、403の遅延パス情報相関検出手段、404は高速サンプリング手段、405は高速サンプリングデータ蓄積手段、406は低速サンプリング手段、407は低速サンプリングデータ蓄積手段の動作は実施の形態3の動作と同じである。
【0082】
411のデータ処理ブロックにおいて実施の形態3と異なる点は、402の逆拡散処理手段出力を用いて移動局の送信時における電力を検出する416の電力検出手段を備えることにある。例えば、CDMA通信方式では、基地局から遠いユーザにも近いユーザにも同等の通信品質を確保するために送信電力制御を行っており、この電力制御信号を利用することで、移動局の送信時における電力を検出するといった方法がある。
【0083】
このように複数ある411のデータ処理ブロックにおける出力は、それぞれ403の遅延パス情報相関検出手段の検出結果と、405の高速サンプリングデータ蓄積手段に蓄積された高速サンプリングデータと、407の低速サンプリングデータ蓄積手段に蓄積された低速サンプリングデータと、416の電力検出手段による移動局送信電力情報である。
【0084】
遅延パス情報相関検出結果は413の相関値比較手段に入力され、高速サンプリングデータおよび低速サンプリングデータは412のデータ切り替え手段に入力され、移動局送信電力情報は414の優先順位決定手段に入力される。413の相関値検出手段の動作は実施の形態3の動作と同じである。
【0085】
414の優先順位決定手段では413の相関値比較手段による相関値の大小比較結果をもとにユーザ毎の優先順位をつける。この動作は実施の形態3の優先順位決定手段と同じ動作であるが、416の電力検出手段による移動局送信電力情報を入力することにより、次の点が異なる動作となる。
移動局送信電力情報により、本実施の形態の到来方向推定装置を備えた基地局と移動局の距離の推定が可能である。例えば、送信電力制御を行っているCDMA通信方式では、基地局から遠方の移動局は大きな電力で送信するように、基地局の近傍の移動局は小さな電力で送信するように電力制御が行われるため、この電力制御信号により基地局と移動局の距離の推定が可能となる。
【0086】
特に市街地のような基地局高が周辺建築物より低い見通し外環境では、移動局が基地局の遠方に存在する場合に比べ、移動局が基地局の近傍に存在する場合の方が、受信パスに急激な変化が起こることが多い。414の優先順位決定手段では、先に413の相関値比較手段の比較結果を用いたユーザ毎の優先順位において、基地局の近傍に存在する移動局のユーザに対しては、優先順位を高くする処理を加える。以上が414の優先順位決定手段の動作における、実施の形態3の動作と異なる点である。
【0087】
414の優先順位決定手段により優先順位のついたユーザに対して、415の処理方法選択手段において処理方法を選択する。415の処理方法選択手段、412のデータ切り替え手段、408の行列演算一括処理手段、409の行列演算逐次処理手段、410の到来方向推定手段の動作は、実施の形態3の動作と同じである。
【0088】
以上から、実施の形態3の効果に加えて次のような効果がある。市街地などの見通し外における移動通信では、基地局近傍に存在する移動局からの受信パスが急激に変化することから、本実施の形態の発明によれば、移動局の送信電力制御信号を用いて移動局までの距離を推測して、基地局の近傍に存在するユーザに対しては、精度の良い一括処理を行う優先順位を高くすることにより、このような環境における推定誤差を抑えることを実現する。
【0089】
(実施の形態5)
図7は本発明の第5の形態による到来方向推定装置のブロック結線図である。図において501はアレーアンテナである。502−1、502−2、…502−Nは逆拡散処理手段、503は遅延パス情報相関検出手段、504は高速サンプリング手段、505は高速サンプリングデータ蓄積手段、506は低速サンプリング手段、507は低速サンプリングデータ蓄積手段であり、上に記載の複数の逆拡散処理手段、遅延パス情報相関検出手段、高速サンプリング手段、高速サンプリングデータ蓄積手段、低速サンプリング手段、低速サンプリングデータ蓄積手段をまとめて511のデータ処理ブロックとする。
【0090】
511−1、511−2、…511−Mはそれぞれデータ処理ブロックである。513は相関値比較手段、514は優先順位決定手段、515は処理方法選択手段、512はデータ切り替え手段、508は行列演算一括処理手段、509は行列演算逐次処理手段、510は到来方向推定手段、517は推定結果蓄積手段、518は角度変動分散検出手段である。
【0091】
以上のように構成された到来方向推定装置に関して、以下にその動作を説明する。501のアレーアンテナ、502の逆拡散処理手段、503の遅延パス情報相関検出手段、504は高速サンプリング手段、505は高速サンプリングデータ蓄積手段、506は低速サンプリング手段、507は低速サンプリングデータ蓄積手段、511のデータ処理ブロック、513の相関値比較手段、514の処理方法選択手段、512のデータ切り替え手段、508の一行列演算括処理手段、509の行列演算逐次処理手段、510の到来方向推定手段の動作は実施の形態3の動作と同じである。
【0092】
実施の形態3と異なる点は、510の到来方向推定手段の推定結果を用いて、517の推定結果蓄積手段でユーザ毎の推定結果を蓄積し、518の角度変動分散検出手段ではユーザ毎の推定角度変動の分散を検出し、514の優先順位決定手段では513の相関値比較手段の比較結果と517の推定角度変動の分散情報からユーザの優先順位を決定することである。
【0093】
次に、詳しく説明する。ユーザ毎に推定結果の角度変動の分散を計算することで、このような角度変動の大きさをユーザ毎に検出することが可能となり、角度変動が大きいユーザに対しては一括処理の優先順位を高くする処理を加える。
510の到来方向推定手段によりユーザ毎の到来方向の推定を行い、517の推定結果蓄積手段ではユーザ毎の到来方向の推定結果を蓄積する。
【0094】
市街地での移動通信において、建築物による電波の回折や散乱などによって受信信号に角度広がりが生じる場合や、移動局の高速移動などにより、推定結果に角度変動が生じることがある。518の角度変動分散検出手段では、517の推定結果蓄積手段で蓄積されたユーザ毎の推定結果を用いて、推定結果の角度変動の分散をユーザ毎に検出する。
【0095】
518の角度変動分散検出手段の検出結果である角度変動の分散の大きさは、推定結果の角度変動の大きさを示すものであるから、ユーザ毎に角度変動の大きさを特定することができる。
514の優先順位決定手段では、513の相関値比較手段による比較結果および518の角度変動分散検出手段による推定結果の角度変動の分散情報をもとにユーザ毎の優先順位をつける。513の相関値比較手段による比較結果をもとに優先順位をつける方法は、実施の形態3における方法と同じである。518の角度変動分散検出手段による推定方向の角度変動の分散情報から、分散が大きいユーザ、つまり推定方向の角度変動が大きいユーザに対しては優先順位を高くする処理を加える。
【0096】
以上から、実施の形態3の効果に加えて次のような効果がある。受信信号の角度広がりや移動局の高速移動などにより、推定方向の角度変動が生じる場合があることから、本実施の形態の発明によれば、推定方向の角度変動の分散を検出し、分散の大きいユーザに対しては、精度の良い一括処理を行う優先順位を高くすることにより、このような環境における推定誤差を抑えることを実現する。
【0097】
(実施の形態6)
図8は本発明の第6の形態による到来方向推定装置のブロック結線図である。図において601はアレーアンテナである。602−1、602−2、…602−Nは逆拡散処理手段、603は遅延パス情報相関検出手段、604は高速サンプリング手段、605は高速サンプリングデータ蓄積手段、606は低速サンプリング手段、607は低速サンプリングデータ蓄積手段あり、上に記載の複数の逆拡散処理手段、遅延パス情報相関検出手段、高速サンプリング手段、高速サンプリングデータ蓄積手段、低速サンプリング手段、低速サンプリングデータ蓄積手段をまとめて611のデータ処理ブロックとする。
【0098】
611−1、611−2、…611−Mはそれぞれデータ処理ブロックである。613は相関値比較手段、614は優先順位決定手段、615は処理方法選択手段、612はデータ切り替え手段、608は行列演算一括処理手段、609は行列演算逐次処理手段、610は到来方向推定手段、619は推定範囲決定手段である。
【0099】
以上のように構成された到来方向推定装置に関して、以下にその動作を説明する。601のアレーアンテナ、602の逆拡散処理手段、603の遅延パス情報相関検出手段、604は高速サンプリング手段、605は高速サンプリングデータ蓄積手段、606は低速サンプリング手段、607は低速サンプリングデータ蓄積手段、611のデータ処理ブロック、613の相関値比較手段、614の優先順位決定手段、615の処理方法選択手段、612のデータ切り替え手段、608の行列演算一括処理手段、609の行列演算逐次処理手段の動作は実施の形態3の動作と同じである。
【0100】
実施の形態3と異なる点は、614の優先順位決定手段によるユーザ毎の優先順位を用いて619の推定範囲決定手段により推定範囲を決定し、610の到来方向推定手段では、608の行列演算一括処理手段または609の行列演算逐次処理手段のいずれかの出力と、619の推定範囲決定手段による推定範囲を用いて、到来方向の推定を行うことである。
【0101】
次に、詳しく説明する。613の優先順位決定手段では、ユーザ毎に一括処理を行う優先順位が決定される。そのユーザ毎の優先順位を用いて619の推定範囲決定手段では、ユーザ毎に推定する角度範囲を決定する。
【0102】
優先順位の高いユーザはパスの生成・消滅といった大きなパス変化があることから、到来方向が変化している可能性がある。このようなユーザに対しては、推定する角度範囲の設定は行わず、対象とする推定範囲全体に対して推定を行う。例えば、優先順位の高いユーザ数として、615の処理方法選択手段で一括処理が選択される実施の形態3に記載のユーザ数Lとした場合、一括処理を行うユーザは推定範囲全体に対して推定を行うことになる。
【0103】
また、優先順位の低いユーザはパスの変化が小さいことから、前回の推定処理における推定方向から大きく変化していない。このようなユーザに対しては、推定する角度範囲を狭くするように設定し、前回の推定処理を中心に狭い範囲で推定を行う。
【0104】
例えば、角度範囲の設定として次のような方法がある。一括処理を行わないユーザの中で、優先順位の高い順に徐々に推定範囲の狭めていく。最終的に、最も優先順位の高いユーザが、最も推定範囲が狭くなる。また、ユーザ毎に推定範囲の段階を定めているが、ユーザをグループ化して段階を定めることもできる。これは、一括処理を除いたユーザで、優先順位の高いユーザからグループにまとめ、その優先順位の高いグループ順に徐々に推定範囲を狭めていく。
【0105】
このグループにする際には、ユーザ毎の遅延パス情報相関値を用いて、閾値などにより分ける方法などがある。そして、実施の形態5に記載のように推定結果の角度変動の分散を検出する手段を備える場合には、検出した分散の大きさのK倍を推定範囲と決定するといった手法がある。ここで、Kはあらかじめ定めておく。
【0106】
610の到来方向推定手段では、608の行列演算一括処理手段または609の行列演算逐次処理手段のいずれかの演算結果と、619の推定範囲決定手段による推定範囲により到来方向を推定する。優先順位の高い一括処理のユーザに対しては角度範囲の指定が無いので、対称となる角度範囲全てにおいて方向推定を行う。また、優先順位の低いユーザに対しては、前回の推定方向を中心にユーザ毎に設定された推定範囲に対して方向推定を行う。
【0107】
以上のように本実施の形態の発明によれば、角度スペクトラムの算出が必要となるアルゴリズムにより到来方向推定を行う場合において、推定方向の変化が小さいと思われる優先順位の低いユーザに対して推定範囲を狭くすることにより、角度スペクトラム算出に要する計算量を減らすことで全体の計算量を減らすことを実現する。
【0108】
(実施の形態7)
図9は本発明の第7の形態による到来方向推定装置のブロック結線図である。図において701はアレーアンテナである。702−1、702−2、…702−Nは逆拡散処理手段、703は遅延パス情報相関検出手段、704は高速サンプリング手段、705は高速サンプリングデータ蓄積手段、706は低速サンプリング手段、707は低速サンプリングデータ蓄積手段、720は伝送レート検出手段であり、上に記載の複数の逆拡散処理手段、遅延パス情報相関検出手段、高速サンプリング手段、高速サンプリングデータ蓄積手段、低速サンプリング手段、低速サンプリングデータ蓄積手段、伝送レート検出手段をまとめて711のデータ処理ブロックとする。
【0109】
711−1、711−2、…711−Mはそれぞれデータ処理ブロックである。713は相関値比較手段、714は優先順位決定手段、715は処理方法選択手段、712はデータ切り替え手段、708は行列演算一括処理手段、709は行列演算逐次処理手段、710は到来方向推定手段である。
【0110】
以上のように構成された到来方向推定装置に関して、以下にその動作を説明する。701のアレーアンテナ、および711のデータ処理ブロックにおける702の複数の逆拡散処理手段、703の遅延パス情報相関検出手段、704は高速サンプリング手段、705は高速サンプリングデータ蓄積手段、706は低速サンプリング手段、707は低速サンプリングデータ蓄積手段、720は伝送レート検出手段の動作は実施の形態3の動作と同じである。
【0111】
711のデータ処理ブロックにおいて実施の形態3と異なる点は、702の逆拡散処理手段出力を用いて移動局または基地局における送信伝送レートを検出する720の伝送レート検出手段を備えることにある。
【0112】
例えば、CDMA通信方式では、拡散処理を行う際の拡散率を変化させることにより、ユーザ毎で異なる伝送レートで通信を行うことができ、この情報を利用することにより伝送レートを検出するといった方法がある。
【0113】
このように複数ある711のデータ処理ブロックにおける出力は、それぞれ703の遅延パス情報相関検出手段の検出結果と、705の高速サンプリングデータ蓄積手段に蓄積された高速サンプリングデータと、707の低速サンプリングデータ蓄積手段に蓄積された低速サンプリングデータと、720の伝送レート検出手段による伝送レート情報である。
【0114】
遅延パス情報相関検出結果は713の相関値比較手段に入力し、連続データおよび間引きデータは712のデータ切り替え手段に入力し、伝送レート情報は714の優先順位決定手段に入力される。713の相関値検出手段の動作は実施の形態3の動作と同じである。
【0115】
714の優先順位決定手段では713の相関値比較手段による相関値の大小比較結果をもとにユーザ毎の優先順位をつける。この動作は実施の形態3の優先順位決定手段と同じ動作であるが、720の伝送レート検出手段による伝送レート情報を入力することにより、次の点が異なる動作となる。
【0116】
CDMA通信方式では、ユーザ毎の拡散処理の拡散率を変えることで、ユーザ毎の伝送レートを変化させることが可能であり、拡散率を小さくすることで伝送レートを高くすることができる。高レートユーザでは、逆拡散後の拡散利得が小さくなることから、高い品質を保つために、送信電力制御を用いて送信電力を制御し大きな電力で通信を行う。
【0117】
高レートユーザの信号は、他の低レートユーザの信号に対して電力が大きくなることから、低レートユーザにおける逆拡散処理後に高レートユーザの影響が生じてしまうことがある。
【0118】
このように、高レートユーザは、他の低レートユーザに対して干渉を与えてしまうことから、その対策が必要となる。その一つとして、送受信の指向性を制御することにより、低レートユーザへの干渉を小さくする方法がある。
【0119】
この送受信の指向性の制御を行う際において、電波の到来方向は有用な情報となる。以上のような理由から、到来方向推定を行った場合、高レートユーザに対しては高い推定精度が要求される。
【0120】
714の優先順位決定手段では、先に713の相関値比較手段の比較結果を用いたユーザ毎の優先順位において、高レートユーザに対しては、優先順位を高くする処理を加える。以上が714の優先順位決定手段の動作における、実施の形態3の動作と異なる点である。
【0121】
714の優先順位決定手段により優先順位のついたユーザに対して、715の処理方法選択手段において処理方法を選択する。715の処理方法選択手段、712のデータ切り替え手段、708の行列演算一括処理手段、709の行列演算逐次処理手段、710の到来方向推定手段の動作は、実施の形態3の動作と同じである。
【0122】
以上から、実施の形態3の効果に加えて次のような効果がある。送受信の指向性を制御する場合に有用となる電波の到来方向を推定する際に、他のユーザに干渉を与える高レートユーザの推定には、高い推定精度が必要となる。本実施の形態の発明によれば、伝送レート情報を用いることで、高レートユーザに対して一括処理を行う優先順位を高くすることができ、高い推定精度を実現できる。
【0123】
(実施の形態8)
図10は本発明の第8の形態による指向性可変受信装置のブロック結線図である。図において、801はアレーアンテナ、821−1、821−2、…821−Nは受信手段、822は指向性制御手段、824は復調処理手段である。823は実施の形態1から7において説明した到来方向推定装置である。
【0124】
以上のように構成された指向性可変受信装置に関して、以下にその動作を説明する。823の到来方向推定装置の動作は、実施の形態1から7において説明した動作と同じである。823の到来方向推定装置がCDMA通信方式に対するものであることから、この指向性可変受信装置もCDMA通信方式に対するものであるとする。823の到来方向推定装置におけるアレーアンテナと、801のアレーアンテナは別のものを用いても良いが、同じものでも構わない。移動局からのスペクトル拡散信号を801のアレーアンテナで受信する。
【0125】
アレーアンテナの各アンテナ素子で受信した各信号を821−1、821−2、…、821−Nの受信手段で受信処理を行う。本発明では、821の受信手段について特定するものではないので、スペクトル拡散信号を逆拡散して受信処理を行う手段であればどのような構成でも構わない。
【0126】
823の到来方向推定装置における逆拡散処理手段は、821の受信手段に含まれる逆拡散手段と別のものを用いても良いが、同じものでも構わない。821の受信手段の出力である復調信号は、822の指向性制御手段に入力され、823の到来方向推定装置の到来方向推定結果に従い、指向性を制御するための重み付けが行われる。824の復調処理手段は重み付けられた信号に対し復調処理を行う。
【0127】
以上のように本実施の形態の発明によれば、実施の形態1から7の到来方向推定装置の推定結果を用いて、受信信号に指向性ビームを持たせることができる。これにより、到来パス環境に合わせた適応的な指向性パターンの形成や、他ユーザからの干渉抑圧などの効果があり、高品質の通信が実現できる。
【0128】
なお、本実施例では、受信装置において指向性制御を行う構成を示したが、図11に示すように、送信装置として指向性制御を行う構成でもよい。この場合、送信電力の低減および、不要方向へ電波を放射しないため、他ユーザへの干渉を低減することができる。
【0129】
図11において、925の送信信号生成手段からの送信信号は指向性制御手段922に入力される。922の指向性制御手段は、送信信号をN分配し、923の到来方向推定装置の推定方向に従い、指向性を制御するための重み付けを行う。922の指向性制御手段の出力は926の送信信号変換手段により、アンテナから送信できるように変換される。926の送信信号変換手段の出力信号を、901のアレーアンテナの各アンテナ素子から放射する。
【0130】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、推定精度は良いが処理量が多い連続データを用いた一括処理と、処理量は少ないが推定精度が収束するまでに時間が必要となる逐次データを用いた逐次処理を、受信した遅延パス状態により適応的に切り替えて到来方向の推定を行うことが可能であり、これにより推定精度の劣化を抑えて処理量の削減が可能であるという有利な効果が得られる。
【0131】
また、受信した遅延パス情報と合わせて受信信号の情報を用いて一括処理を行う優先順位をつけることにより、受信環境により適応的に処理を切り替えて到来方向の推定が可能であるという有利な効果が得られる。さらに、本到来方向推定装置の推定方向に指向性を向ける指向性制御機能を付加した送信装置もしくは受信装置により、高品質な通信が可能であるという有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1による到来方向推定装置のブロック結線図
【図2】逆拡散処理手段の出力信号を示した図
【図3】処理の流れを示した概念図
【図4】実施の形態2による到来方向推定装置のブロック結線図
【図5】実施の形態3による到来方向推定装置のブロック結線図
【図6】実施の形態4による到来方向推定装置のブロック結線図
【図7】実施の形態5による到来方向推定装置のブロック結線図
【図8】実施の形態6による到来方向推定装置のブロック結線図
【図9】実施の形態7による到来方向推定装置のブロック結線図
【図10】実施の形態8による指向性可変受信装置のブロック結線図
【図11】実施の形態8による指向性可変送信装置のブロック結線図
【符号の説明】
101、201、301、401、501、601、701、801、901アレーアンテナ
102、202、302、402、502、602、702 逆拡散処理手段
103、203、303、403、503、603、703 遅延パス情報相関検出手段
104、204、304、404、504、604、704 高速サンプリング手段
105、205、305、405、505、605、705 高速サンプリングデータ蓄積手段
106、206、306、406、506、606、706 低速サンプリング手段
107、207、307、407、507、607、707 低速サンプリングデータ蓄積手段
108、208、308、408、508、608、708 行列演算一括処理手段
109、209、309、409、509、609、709 行列演算逐次処理手段
110、210、310、410、510、610、710 到来方向推定手段
211、311,411,511,611,711 データ処理ブロック
212、312,412,512,612,712 データ切り替え手段
212−1、312−1、412−1、512−1、612−1、712−1高速サンプリングデータ
212−2、312−2、412−2、512−2、612−2、712−2低速サンプリングデータ
212−3 遅延パス情報相関検出信号
312−3、412−3、512−3、612−3、712−3 選択処理方法
313、413、513、613、713 相関値比較手段
314、414、514、614、714 優先順位決定手段
315、415、515、615、715 処理方法選択手段
416 電力検出手段
517 推定結果蓄積手段
518 推定結果処理手段
619 推定範囲決定手段
720 伝送レート検出手段
821 受信手段
822、922 指向性制御手段
823、923 到来方向推定装置
824 復調処理手段
925 送信信号生成手段
926 送信信号変換手段

Claims (22)

  1. 移動局からの信号を受信する複数のアンテナ素子からなるアレーアンテナと、
    前記アレーアンテナの各素子における受信スペクトル拡散信号を逆拡散する複数の逆拡散処理手段と、
    前記逆拡散処理手段の出力遅延パス情報の相関を検出する遅延パス相関検出手段と、
    前記複数の逆拡散処理手段の出力信号をサンプリングする高速サンプリング手段と、
    前記高速サンプリング手段の出力を蓄積する高速サンプリングデータ蓄積手段と、
    前記複数の逆拡散処理手段の出力信号を前記高速サンプリング手段より低速でサンプリングする低速サンプリング手段と、
    前記低速サンプリング手段の出力を蓄積する低速サンプリングデータ蓄積手段と、
    前記高速サンプリングデータ蓄積手段による蓄積高速サンプリングデータを用いて行列演算を行う行列演算一括処理手段と、
    前記低速サンプリングデータ蓄積手段による蓄積低速サンプリングデータを用いて行列演算を行う行列演算逐次処理手段と、
    前記行列演算一括処理手段または前記行列演算逐次処理手段の出力を用いて電波の到来方向を推定する到来方向推定手段を備え、前期遅延パス情報相関検出手段の検出結果により前記行列演算一括処理手段と前記行列演算逐次処理手段を選択して到来方向を推定することを特徴とする到来方向推定装置。
  2. 移動局からの信号を受信する複数のアンテナ素子からなるアレーアンテナと、
    複数のデータ処理ブロックと、
    前記複数のデータ処理ブロックの出力を入力してユーザ毎に切り替えて出力するデータ切り替え手段と、
    前記データ切り替え手段出力である蓄積高速サンプリングデータを用いて行列演算を行う行列演算一括処理手段と、
    前記データ切り替え手段出力である蓄積低速サンプリングデータを用いて行列演算を行う行列演算逐次処理手段と、
    前記行列演算一括処理手段または前記行列演算逐次処理手段の出力を用いて電波の到来方向を推定する到来方向推定手段を備え、前記データ切り替え手段の出力である前期遅延パス情報相関検出結果により前記行列演算一括処理手段と前記行列演算逐次処理手段を切り替えることにより到来方向を推定するものであって、前記データ処理ブロックは、
    前記アレーアンテナの各素子における受信スペクトル拡散信号を逆拡散する複数の逆拡散処理手段と、
    前記逆拡散処理手段の出力遅延パス情報の相関を検出する遅延パス相関検出手段と、
    前記複数の逆拡散処理手段の出力信号をサンプリングする高速サンプリング手段と、
    前記高速サンプリング手段の出力を蓄積する高速サンプリングデータ蓄積手段と、
    前記複数の逆拡散処理手段の出力信号を前記高速サンプリング手段より低速でサンプリングする低速サンプリング手段と、
    前記低速サンプリング手段の出力を蓄積する低速サンプリングデータ蓄積手段とを有し、
    前記遅延パス情報相関検出手段の検出結果と前記高速サンプリングデータ蓄積手段により蓄積された蓄積高速サンプリングデータと前記低速サンプリングデータ蓄積手段により蓄積された蓄積低速サンプリングデータを出力することを特徴とする到来方向推定装置。
  3. 移動局からの信号を受信する複数のアンテナ素子からなるアレーアンテナと、
    複数のデータ処理ブロックと、
    前記複数のデータ処理ブロックの出力である前記遅延パス情報相関検出結果のユーザ毎の相関値を比較する相関値比較手段と、
    前記相関値比較手段の比較結果をもとにユーザの優先順位を決定する優先順位決定手段と、
    前記優先順位決定手段により優先順位がつけられたそれぞれのユーザに対して処理方法を選択する処理方法選択手段と、
    前記複数のデータ処理ブロックの出力である前記蓄積高速サンプリングデータと前記蓄積低速サンプリングデータと前記処理方法選択手段の出力である選択処理方法を入力してユーザ毎に切り替えて出力するデータ切り替え手段と、
    前記データ切り替え手段出力である蓄積高速サンプリングデータを用いて行列演算を行う行列演算一括処理手段と、
    前記データ切り替え手段出力である蓄積低速サンプリングデータを用いて行列演算を行う行列演算逐次処理手段と、
    前記行列演算一括処理手段または前記行列演算逐次処理手段の出力を用いて電波の到来方向を推定する到来方向推定手段を備え、前記データ切り替え手段の出力である前記選択処理方法により前記行列演算一括処理手段と前記行列演算逐次処理手段を切り替えることにより到来方向を推定するものであって、
    データ処理ブロックは、
    前記アレーアンテナの各素子における受信スペクトル拡散信号を逆拡散する複数の逆拡散処理手段と、
    前記逆拡散処理手段の出力遅延パス情報の相関を検出する遅延パス相関検出手段と、
    前記複数の逆拡散処理手段の出力信号をサンプリングする高速サンプリング手段と、
    前記高速サンプリング手段の出力を蓄積する高速サンプリングデータ蓄積手段と、
    前記複数の逆拡散処理手段の出力信号を前記高速サンプリング手段より低速でサンプリングする低速サンプリング手段と、
    前記低速サンプリング手段の出力を蓄積する低速サンプリングデータ蓄積手段とを有し、
    前記遅延パス情報相関検出手段の検出結果と前記蓄積高速サンプリングデータと前記低速サンプリングデータ蓄積手段により蓄積された蓄積低速サンプリングデータを出力することを特徴とする到来方向推定装置。
  4. 前記行列演算一括処理手段の演算結果を前記行列演算逐次処理手段の初期値として利用することを特徴とする請求項1から3の到来方向推定装置。
  5. 前記高速サンプリング手段もしくは前記低速サンプリング手段の出力データは、前記逆拡散処理手段における逆拡散信号の第1遅延パス成分のみを用いることを特徴とする請求講1から3の到来方向推定装置。
  6. 前記遅延パス情報相関検出手段で用いる遅延パス情報は、前記逆拡散処理手段における逆拡散信号の複数の遅延パス成分を用いることを特徴とする請求項1の到来方向推定装置。
  7. 前記遅延パス情報相関検出手段が、遅延パス情報におけるパス数およびそれぞれのパス時間差を用いて、現在の推定処理時における遅延パス情報と前回の推定処理時における遅延パス情報の相関を検出することを特徴とする請求項1から3の到来方向推定装置。
  8. 前記遅延パス情報相関検出手段の出力から、現在の推定処理時のパス状態が前回の推定処理時のパス状態と相関が高い場合には、前記行列演算逐次処理手段により行列演算を行い、パス状態の相関が低い場合には、前記行列演算一括処理手段により行列演算を行うことを特徴とする請求項1または請求項2の到来方向推定装置。
  9. 前記優先順位決定手段が、前記相関値比較手段の比較結果から、相関値が小さいユーザから優先順位を高くなるように決定することを特徴とする請求項3の到来方向推定装置。
  10. 前記処理方法選択手段が、前記優先順位決定手段により優先順位が決定されたユーザに対し、優先順位が高い複数のユーザに対しては一括処理方法を選択し、優先順位が低いそれ以外のユーザに対しては逐次処理方法を選択することを特徴とする請求項3の到来方向推定装置。
  11. 請求項3に記載の到来方向推定装置において、前記逆拡散処理手段の出力から移動局送信電力情報を検出する電力検出手段を備え、前記優先順位決定手段が前記電力検出手段による移動局送信電力情報を利用してユーザ毎の優先順位を決定することを特徴とする到来方向推定装置。
  12. 前記優先順位決定手段が、前記電力検出手段による移動局送信電力情報の大小から基地局と移動局の距離を推定し、基地局に近いユーザに対しては優先順位を高くすることを特徴とする請求項11の到来方向推定装置。
  13. 請求項3に記載の到来方向推定装置において、前記到来方向推定手段の推定結果を蓄積する推定結果蓄積手段と、前記推定結果蓄積手段に蓄積された推定結果から角度情報を検出する推定結果処理手段を備え、前期優先順位決定手段が前記推定結果処理手段による角度情報も利用してユーザ毎の優先順位を決定することを特徴とする到来方向推定装置。
  14. 前記推定結果処理手段が、前記推定結果蓄積手段により蓄積された推定結果から、推定方向の角度変動の分散をユーザ毎に算出することを特徴とする請求項13の到来方向推定装置。
  15. 前記優先順位決定手段が、前記推定結果処理手段によるユーザ毎の角度変動の分散情報から、角度変動の分散が大きいユーザに対しては優先順位を高くすることを特徴とする請求項13の到来方向推定装置。
  16. 請求項3に記載の到来方向推定装置において、前記優先順位決定手段により順位がつけられたそれぞれのユーザに対して推定範囲を決定する推定範囲設定手段を備え、前記到来方向推定手段が前記推定範囲設定手段の出力であるユーザ毎の推定範囲を利用して到来方向を推定することを特徴とする到来方向推定装置。
  17. 前記推定範囲設定手段が、前記優先順位決定手段により優先順位が低く決定されたユーザに対しては、優先順位が高いユーザに比べて狭い角度範囲を推定範囲となるように設定することを特徴とする請求項16の到来方向推定装置。
  18. 前記到来方向推定手段が、前記行列演算一括処理手段または前記行列演算逐次処理手段のいずれかの出力であるユーザ毎の行列演算結果を用いて、前記推定範囲設定手段によるユーザ毎の推定範囲に対して到来方向推定を行うことを特徴とする請求項16の到来方向推定装置。
  19. 請求項3に記載の到来方向推定装置において、前記逆拡散処理手段の出力から伝送レート情報を検出する伝送レート検出手段を備え、前期優先順位決定手段が前記伝送レート検出手段による伝送レート情報を利用してユーザ毎の優先順位を決定することを特徴とする到来方向推定装置。
  20. 前記優先順位決定手段が、前記伝送レート検出手段による伝送レート情報から、伝送レートの高いユーザに対しては優先順位を高くすることを特徴とする請求項19の到来方向推定装置。
  21. 請求項1、2、3、11、13、16、19に記載のうち1つの到来方向推定装置と、アレーアンテナで受信されたスペクトル拡散信号を受信処理する受信手段と、前記到来方向推定装置で得られた到来方向に対してアレーアンテナの指向性が向くように前記受信手段による受信信号に対し重み付け加算処理を行う指向性制御手段と、前記指向性制御手段の出力信号に対し復調処理を行う復調処理手段を備えることを特徴とする指向性可変受信装置。
  22. 請求項1、2、3、11、13、16、19に記載のうち1つの到来方向推定装置と、送信信号を生成する送信信号生成手段と、前記到来方向推定手段で得られた到来方向に対してアレーアンテナの指向性が向くように前記送信信号生成手段による送信信号に対し重み付け加算処理を行う指向性制御手段と、前記指向性制御手段の出力をアンテナから放射できる信号に変換する送信信号変換手段と、前記送信信号変換手段の出力信号を放射するアレーアンテナを備えることを特徴とする指向性可変送信装置。
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