JP3596347B2 - Refrigeration air conditioner and control method thereof - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱源側冷媒サイクルと利用側冷媒サイクルの間で熱交換することによって加熱を行う冷凍空調装置に係わり、例えば、住宅の冷暖房などに用いられる冷凍空調装置およびその制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
以下に、特開昭62−238954号公報記載の従来の冷凍空調装置として例えば冷暖房装置について説明する。
図31において、81は圧縮機、82は四方弁、83は熱源側熱交換器、84は冷房用減圧装置、85は暖房用減圧装置、86は暖房時に冷房用減圧装置84が設けられた回路を閉止する逆止弁、87は冷房時に暖房用減圧装置85が設けられた回路を閉止する逆止弁、88は第1補助熱交換器で、これらを環状に連接し、熱源側冷媒サイクルを形成している。89は第2補助熱交換器で、第1補助熱交換器88と熱交換するように一体に形成されている。90は冷媒貯留タンクで冷房時と暖房時の冷媒量を調整する。91は冷房時と暖房時で冷媒の流出方向が反対となる可逆特性を有する。第2補助熱交換器89、冷媒貯留タンク90、冷媒搬送装置91は熱源側冷媒サイクルと共に室外ユニットfに収納されている。92a、92bは、例えば2台の利用側熱交換器で、2つの室内ユニットg,hに収納され、接続配管i,i’、j,j’で室外ユニットfと接続されている。第2補助熱交換器89、冷媒貯留タンク90、冷媒搬送装置91、利用側熱交換器92a,92bおよび接続配管i,i’、j,j’を環状に連接し利用側冷媒サイクルを形成している。
【0003】
つぎに、動作について説明する。
冷房運転時は図中実線矢印で示す冷媒サイクルとなり、熱源側冷媒サイクルでは、圧縮機81からの高温高圧ガスは四方弁82を通り熱源側熱交換器83で放熱すると同時に凝縮液化する。さらに、逆止弁86を通って冷房用減圧装置84で減圧され第1補助熱交換器88で蒸発して四方弁82を通り圧縮機81へ循環する。この時利用側冷媒サイクルの第2補助熱交換器89と第1補助熱交換器88が熱交換し、利用側冷媒サイクル内のガス冷媒が冷却されて液化し、冷媒貯留タンク90を通って冷媒搬送装置91に送られる。さらに冷媒は、冷媒搬送装置91によって接続配管i,jを通って利用側熱交換器92a,92bへ送られて吸熱蒸発してその設置空間を冷房する。冷媒は蒸発によりガス化して接続配管i’,j’を通って第2補助熱交換器89に循環することになる。
【0004】
一方、暖房運転時においては、図中破線矢印で示す冷媒サイクルとなり、熱源側冷媒サイクルでは、圧縮機81からの高温高圧ガスは四方弁82を通り第1補助熱交換器88に送られ、放熱すると同時に凝縮液化する。さらに、逆止弁87を通って暖房用減圧装置85で減圧され熱源側熱交換器83で吸熱蒸発して四方弁82を通って圧縮機81へ循環する。この時利用側冷媒サイクルの第2補助熱交換器89と第1補助熱交換器88が熱交換し、利用側冷媒サイクル内の液冷媒が加熱されてガス化し、接続配管i’,j’を通って利用側熱交換器92a,92bへ送られ、放熱凝縮してその設置空間を暖房する。冷媒は凝縮により液化して接続配管i,jを通って冷媒搬送装置91へ送られ、冷媒貯留タンク90から第2補助熱交換器89に循環する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の冷暖房装置などの冷凍空調装置は、暖房のような加熱運転を連続して行っていると、熱源側熱交換器83の表面に霜がついてくる。熱源側熱交換器83に霜がつくと、熱交換効率が悪くなるので、加熱運転を連続して行う場合に、所定時間例えば1時間に1度程度で、除霜運転を行っている。除霜運転では、熱源側冷媒サイクルは冷房を行なう冷却運転と同じ冷媒サイクルで運転される。このため、第2補助熱交換器89から第1補助熱交換器88へ吸熱作用を生じ、利用側冷媒サイクルの冷媒搬送装置91を運転すると利用側熱交換器92a,92bで加熱対象である室内空気の熱を奪ってしまい、室温の低下や、暖房運転中の冷風感などにより室内空間の快適性が損なわれる。また、利用側冷媒サイクルの冷媒搬送装置91を運転しなくても、第2補助熱交換器89で利用側冷媒が凝縮液化され圧力が低下することにより、接続配管i’,j’を通って利用側熱交換器92a,92bで液冷媒が蒸発して室内空気から熱を奪い、同様に快適性が損なわれるという問題点があった。
【0006】
また、上記のような構成の従来の冷凍空調装置では、利用側冷媒サイクル中の冷媒搬送装置91は、冷房を行う冷却運転と暖房を行う加熱運転とで冷媒流出方向が逆になる特性を有する特殊なものであるため高価となる。
また、通常の冷凍空調装置に用いられている冷媒は、潜熱を利用するものでエネルギー効率がよいが、これらの冷媒を用いると、以下のような問題点を生じる。例えば、HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)冷媒はわずかではあるがオゾン層を破壊し、HFC(ハイドロフルオロカーボン)冷媒は地球温暖化係数が大きく高価である。また、オゾン層も破壊せず地球温暖化係数も小さいHC(炭化水素系)冷媒は可燃性を有し、アンモニア冷媒は毒性を有するため、配管接続時の安全性確保にコストがかかるなど、取り扱いに注意を要する。
【0007】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、熱源側冷媒サイクルの除霜運転に対して利用側冷媒サイクルでの加熱運転時の冷媒温度を安定させ、例えば利用側熱交換器で室内の暖房などを行う時の室内の快適性を損なうのを防止でき、また、快適性を向上できる冷凍空調装置およびその制御方法を得ることを目的としている。
また、HCFC冷媒、HFC冷媒、HC冷媒、アンモニア冷媒など、使用に問題がある冷媒の使用量を最小限に抑えることができ、安価で安全な冷凍空調装置およびその制御方法を得ることを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係わる冷凍空調装置は、熱源側冷媒を循環させる熱源側冷媒サイクルと利用側冷媒を循環させる利用側冷媒サイクルの間に設けた補助熱交換器で熱交換することによって前記熱源側冷媒サイクルで得た温熱を前記利用側冷媒サイクルで加熱に利用する冷凍空調装置において、前記利用側冷媒として顕熱を利用する冷媒を用いると共に、前記利用側冷媒サイクルの加熱運転中に前記熱源側冷媒サイクルを除霜運転するときの前記利用側冷媒の温度を暖房または給湯または加熱乾燥に適した温度に維持するように前記利用側冷媒の量を充填したことを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明の請求項2に係わる冷凍空調装置は、熱源側冷媒サイクルの除霜運転によって補助熱交換器で利用側冷媒サイクルから奪われる熱量をQd、利用側冷媒の量をW、前記利用側冷媒の比熱をCpとし、前記利用側冷媒サイクルの加熱運転中に前記熱源側冷媒サイクルで除霜運転されるとき、Qd/(W・Cp)で表される前記利用側冷媒の温度低下が所定温度以下になるように前記利用側冷媒の量Wを充填して、前記利用側冷媒の温度を暖房または給湯または加熱乾燥に適した温度に維持することを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明の請求項3に係わる冷凍空調装置は、利用側冷媒サイクルに設けられ熱源側冷媒サイクルで得た温熱を蓄熱する蓄熱手段を備え、前記熱源側冷媒サイクルの除霜運転によって前記補助熱交換器で前記利用側冷媒サイクルから奪われる熱量をQd、前記除霜運転によって前記蓄熱手段から放熱する熱量をQt、前記利用側冷媒の量をW、前記利用側冷媒の比熱をCpとし、前記利用側冷媒サイクルの加熱運転中に前記熱源側冷媒サイクルで除霜運転されるとき、(Qd−Qt)/(W・Cp)で表される前記利用側冷媒の温度低下が所定温度以下になるように前記利用側冷媒の量Wを充填すると共に前記蓄熱手段の蓄熱容量を設定して、前記利用側冷媒の温度を暖房または給湯または加熱乾燥に適した温度に維持することを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明の請求項4に係わる冷凍空調装置は、熱源側冷媒を循環させる熱源側冷媒サイクルと利用側冷媒を循環させる利用側冷媒サイクルの間に設けた補助熱交換器で熱交換することによって前記熱源側冷媒サイクルで得た温熱を前記利用側冷媒サイクルで加熱に利用する冷凍空調装置において、前記利用側冷媒として顕熱を利用する冷媒を用いると共に、前記利用側冷媒サイクル内に前記利用側冷媒を貯留する冷媒貯留タンクを設け、前記冷媒貯留タンクの内容積を、前記利用側冷媒サイクルの加熱運転中に前記熱源側冷媒サイクルを除霜運転するときの前記利用側冷媒の温度を暖房または給湯または加熱乾燥に適した温度に維持するように、前記利用側冷媒の量または蓄熱材の量を蓄えられる内容積としたものである。
【0012】
また、本発明の請求項5に係わる冷凍空調装置は、圧縮機、流路切換弁、熱源側熱交換器、熱源側冷媒流量制御弁、および第1補助熱交換器を連接し熱源側冷媒を循環させて成る熱源側冷媒サイクルと、前記第1補助熱交換器と熱交換する第2補助熱交換器、冷媒貯留タンク、冷媒搬送装置、および利用側熱交換器を連接し利用側冷媒を循環させて成る利用側冷媒サイクルとを有し、前記圧縮機、前記流路切換弁、前記熱源側熱交換器、前記熱源側冷媒流量制御弁、前記第1補助熱交換器、前記第2補助熱交換器、前記冷媒貯留タンク、および前記冷媒搬送装置を一つのユニット内に収納したことを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明の請求項6に係わる冷凍空調装置は、圧縮機、流路切換弁、熱源側熱交換器、熱源側冷媒流量制御弁、および第1補助熱交換器を連接し熱源側冷媒を循環させて成る熱源側冷媒サイクルと、前記第1補助熱交換器と熱交換する第2補助熱交換器、冷媒貯留タンク、冷媒搬送装置、および利用側熱交換器を連接し利用側冷媒を循環させて成る利用側冷媒サイクルとを有し、前記圧縮機、前記流路切換弁、前記熱源側熱交換器、および前記熱源側冷媒流量制御弁を一つのユニット内に収納し、前記第1補助熱交換器、前記第2補助熱交換器、前記冷媒貯留タンク、および前記冷媒搬送装置を前記ユニットとは別の一つのユニット内に収納し、前記第1補助熱交換器の一端側と前記流路切換弁との間および前記第1補助熱交換器の他端側と前記熱源側冷媒流量制御弁との間をそれぞれ接続配管で接続したことを特徴とするものである。
【0014】
また、本発明の請求項7に係わる冷凍空調装置は、圧縮機、流路切換弁、熱源側熱交換器、熱源側冷媒流量制御弁、および第1補助熱交換器を連接し熱源側冷媒を循環して成る熱源側冷媒サイクルと、第1の冷媒搬送装置、前記第1補助熱交換器と熱交換する第2補助熱交換器、および前記冷媒貯留タンクを連接し利用側冷媒を循環して成る熱輸送サイクルと、第2の冷媒搬送装置、利用側熱交換器、および前記冷媒貯留タンクを連接し前記利用側冷媒を循環して成る利用側冷媒サイクルとを有し、前記熱輸送サイクルにおいて前記第2補助熱交換器で前記第1補助熱交換器と熱交換して得た温熱を前記冷媒貯留タンクに蓄え、前記利用側冷媒サイクルにおいて前記冷媒貯留タンクに蓄えた温熱を前記利用側熱交換器で加熱に利用することを特徴とするものである。
【0015】
また、本発明の請求項8に係わる冷凍空調装置は、冷媒貯留タンクの内部を左右に分割すると共に、喫水面よりも下側で前記分割された左右の利用側冷媒が連通可能な連通部を有する仕切りを備え、分割された左右の槽のそれぞれに2つの開口を設け、前記冷媒貯留タンクの一方の槽の2つの開口を、利用側熱交換器からの利用側冷媒の流入口と、第2補助熱交換器への前記利用側冷媒の流出口とし、前記冷媒貯留タンクの他方の槽の2つの開口を、前記第2補助熱交換器からの前記利用側冷媒の流入口と、前記利用側熱交換器への前記利用側冷媒の流出口としたことを特徴とするものである。
【0016】
また、本発明の請求項9に係わる冷凍空調装置は、熱源側冷媒と利用側冷媒とを熱交換する補助熱交換器は、プレート式熱交換器であることを特徴とするものである。
【0017】
また、本発明の請求項10に係わる冷凍空調装置は、冷却運転と加熱運転とで、熱源側冷媒サイクルと利用側冷媒サイクルの間の補助熱交換器における利用側冷媒の流れ方向を切換える切換手段を備え、前記補助熱交換器で熱交換する際の熱源側冷媒と利用側冷媒の流れ方向が、冷却運転時および加熱運転時で共に対向流となるように構成したことを特徴とするものである。
【0018】
また、本発明の請求項11に係わる冷凍空調装置は、圧縮機、流路切換弁、熱源側熱交換器、熱源側冷媒流量制御弁、および補助熱交換器を連接し熱源側冷媒を循環して成る熱源側冷媒サイクルと、利用側冷媒を貯留する冷媒貯留タンク、および冷媒搬送装置を連接し前記利用側冷媒を循環して成る利用側冷媒サイクルとを備え、前記補助熱交換器を前記冷媒貯留タンク内の利用側冷媒に浸漬して前記補助熱交換器で前記熱源側冷媒と前記利用側冷媒とを熱交換して前記冷媒貯留タンクに熱を蓄え、前記利用側冷媒サイクルにおいて前記冷媒貯留タンクに蓄えた熱を加熱に利用することを特徴とするものである。
【0019】
また、本発明の請求項12に係わる冷凍空調装置は、補助熱交換器における利用側冷媒の伝熱面積を熱源側冷媒の伝熱面積よりも大きくしたことを特徴とするものである。
【0020】
また、本発明の請求項13に係わる冷凍空調装置は、冷媒貯留タンク内の補助熱交換器周辺に気泡を吹き込む気泡吹き込み手段を備えたことを特徴とするものである。
【0021】
また、本発明の請求項14に係わる冷凍空調装置は、冷媒貯留タンクの外部に設けられ前記冷媒貯留タンクの高さが異なる位置を接続する利用側冷媒配管と、この利用側冷媒配管を流通する利用側冷媒を加熱する熱源装置を備えたことを特徴とするものである。
【0022】
また、本発明の請求項15に係わる冷凍空調装置は、圧縮機、流路切換弁、熱源側熱交換器、熱源側冷媒流量制御弁、補助熱交換器、冷媒貯留タンク、および冷媒搬送装置を一つのユニット内に収納したことを特徴とするものである。
【0023】
また、本発明の請求項16に係わる冷凍空調装置は、圧縮機、流路切換弁、熱源側熱交換器、および熱源側冷媒流量制御弁を一つのユニット内に収納すると共に、補助熱交換器、冷媒貯留タンク、および冷媒搬送装置を前記ユニットとは別の一つのユニット内に収納し、前記補助熱交換器の一端側と前記流路切換弁との間および前記補助熱交換器の他端側と前記熱源側冷媒流量制御弁との間をそれぞれ接続配管で接続したことを特徴とするものである。
【0024】
また、本発明の請求項17に係わる冷凍空調装置は、利用側冷媒を貯留する冷媒貯留タンク内に蓄熱材を設けたことを特徴とするものである。
【0025】
また、本発明の請求項18に係わる冷凍空調装置は、冷媒貯留タンク内に配設され、その内部を左右に分割する仕切りを備えると共に、分割された一方の槽に設けた利用側冷媒が流入する開口と、他方の槽に設けた前記利用側冷媒が流出する開口を備え、前記仕切りは、前記冷媒貯留タンクの喫水面よりも下側で前記分割された左右の利用側冷媒が連通する連通部を有することを特徴とするものである。
【0026】
また、本発明の請求項19に係わる冷凍空調装置は、利用側冷媒が循環する部分に、前記利用側冷媒に混入した混入物を集めるフィルタを設けたことを特徴とするものである。
【0027】
また、本発明の請求項20に係わる冷凍空調装置は、フィルタを、利用側冷媒を貯留する冷媒貯留タンク内に設けたことを特徴とするものである。
【0028】
また、本発明の請求項21に係わる冷凍空調装置は、熱源側冷媒サイクルを2系統以上の複数としたことを特徴とするものである。
【0029】
また、本発明の請求項22に係わる冷凍空調装置は、熱源側冷媒を循環させる熱源側冷媒サイクルと利用側冷媒を循環させる利用側冷媒サイクルの間に設けた補助熱交換器で熱交換することによって前記熱源側冷媒サイクルで得た温熱を前記利用側冷媒サイクルで加熱に利用する冷凍空調装置において、前記利用側冷媒として顕熱を利用する冷媒を用いると共に、前記熱源側冷媒サイクルを2系統以上の複数とし、その少なくとも1系統の熱源側冷媒サイクルを加熱専用の冷媒サイクルで構成したことを特徴とするものである。
【0030】
また、本発明の請求項23に係わる冷凍空調装置は、利用側冷媒サイクルに対して複数の熱源側冷媒サイクルを並列に接続したことを特徴とするものである。
【0031】
また、本発明の請求項24に係わる冷凍空調装置は、利用側冷媒サイクルに対して複数の熱源側冷媒サイクルを直列に接続したことを特徴とするものである。
【0032】
また、本発明の請求項25に係わる冷凍空調装置は、熱源側冷媒サイクルに加熱専用の冷媒サイクルと冷却/加熱併用の冷媒サイクルとをそれぞれ1系統以上設け、利用側冷媒サイクルに対して前記加熱専用の冷媒サイクルと前記冷却/加熱併用の冷媒サイクルとを直列に接続したことを特徴とするものである。
【0033】
また、本発明の請求項26に係わる冷凍空調装置は、利用側冷媒サイクルを循環する利用側冷媒の流れの向きに対して冷却/加熱併用の冷媒サイクルを上流側に接続し、加熱専用の冷媒サイクルを下流側に接続したことを特徴とするものである。
【0034】
また、本発明の請求項27に係わる冷凍空調装置は、利用側冷媒サイクルを循環する利用側冷媒の流れの向きに対して加熱専用の冷媒サイクルを上流側に接続し、冷却/加熱併用の冷媒サイクルを下流側に接続したことを特徴とするものである。
【0035】
また、本発明の請求項28に係わる冷凍空調装置は、熱源側冷媒サイクルに加熱専用の冷媒サイクルと冷却/加熱併用の冷媒サイクルとをそれぞれ1系統以上設け、利用側冷媒サイクルに対して前記加熱専用の冷媒サイクルと前記冷却/加熱併用の冷媒サイクルとを並列に接続すると共に、冷却運転時には加熱専用の冷媒サイクルと熱交換する利用側補助熱交換器には利用側冷媒が流れないように、前記利用側冷媒サイクルの冷媒流路を切換える切換手段を備えたことを特徴とするものである。
【0036】
また、本発明の請求項29に係わる冷凍空調装置は、熱源側冷媒サイクルに加熱専用の冷媒サイクルと冷却専用の冷媒サイクルとをそれぞれ1系統以上設け、利用側冷媒サイクルに対して前記加熱専用の冷媒サイクルと前記冷却専用の冷媒サイクルとを直列に接続したことを特徴とするものである。
【0037】
また、本発明の請求項30に係わる冷凍空調装置は、熱源側冷媒サイクルに加熱専用の冷媒サイクルと冷却専用の冷媒サイクルとをそれぞれ1系統以上設け、利用側冷媒サイクルに対して前記加熱専用の冷媒サイクルと前記冷却専用の冷媒サイクルとを並列に接続すると共に、加熱運転時には前記加熱専用の冷媒サイクルと熱交換する利用側補助熱交換器に利用側冷媒を循環させ、冷却運転時には冷却専用の冷媒サイクルと熱交換する利用側補助熱交換器に利用側冷媒を循環させるように、前記利用側冷媒サイクルの冷媒流路を切換える切換手段を備えたことを特徴とするものである。
【0038】
また、本発明の請求項31に係わる冷凍空調装置は、利用側冷媒が循環する加熱専用の熱源装置と、加熱運転時に前記加熱専用の熱源装置に前記利用側冷媒を循環させるように前記利用側冷媒サイクルの冷媒流路を切換える切換手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0039】
また、本発明の請求項32に係わる冷凍空調装置は、利用側冷媒サイクルに、熱源側冷媒サイクルにより熱を供給される冷却用の利用側熱交換器と、加熱専用の熱源装置により熱を供給される加熱用の利用側熱交換器とを設け、冷却運転時に前記熱源側冷媒サイクルと前記冷却用の利用側熱交換器を動作させ、加熱運転時に前記加熱専用の熱源装置と前記加熱用の利用側熱交換器を動作させるように構成したことを特徴とするものである。
【0040】
また、本発明の請求項33に係わる冷凍空調装置は、冷却用の利用側熱交換器は、空気の流れに対し、加熱用の利用側熱交換器の上流側に並べて配置し、除湿運転時に冷却用および加熱用の利用側熱交換器を動作させるように構成したことを特徴とするものである。
【0041】
また、本発明の請求項34に係わる冷凍空調装置は、加熱専用の熱源装置は、利用側冷媒を直接的に加熱する加熱装置であることを特徴とするものである。
【0042】
また、本発明の請求項35に係わる冷凍空調装置は、利用側冷媒サイクルを構成する配管において、利用側熱交換器への送り側配管と前記利用側熱交換器からの戻り側配管とで、該配管の配管径、若しくは該配管の継ぎ手の径または形状を異なるように構成したことを特徴とするものである。
【0043】
また、本発明の請求項36に係わる冷凍空調装置は、利用側冷媒サイクル内に複数の利用側熱交換器を設け、それらの利用側熱交換器を全て互いに並列に接続したことを特徴とするものである。
【0044】
また、本発明の請求項37係わる冷凍空調装置は、利用側冷媒サイクル内に複数の利用側熱交換器を設け、それらの利用側熱交換器のうちの少なくとも一部を互いに直列に接続したことを特徴とするものである。
【0045】
また、本発明の請求項38に係わる冷凍空調装置の制御方法は、利用側冷媒サイクルを循環する冷媒は、水、若しくはエチレングリコール、プロピレングリコール、およびD−ソルビトールのうちのいずれか1つまたは複数を重量比で数十%以下含む水溶液であることを特徴とするものである。
【0046】
また、本発明の請求項39に係わる冷凍空調装置は、熱源側冷媒サイクルを蒸気圧縮式冷凍サイクルで構成し、前記熱源側冷媒サイクルを循環する冷媒は潜熱を利用するものとし、フロン系の単一冷媒、フロン系の擬似共沸混合冷媒、フロン系の非共沸冷媒、炭化水素系冷媒、およびアンモニア冷媒のうちのいずれか1つであることを特徴とするものである。
【0047】
また、本発明の請求項40に係わる冷凍空調装置の制御方法において、熱源側冷媒を循環させる熱源側冷媒サイクルと利用側冷媒を循環させる利用側冷媒サイクルの間に設けた補助熱交換器で熱交換することによって前記熱源側冷媒サイクルで得た温熱を前記利用側冷媒サイクルで加熱に利用する冷凍空調装置において、前記利用側冷媒として顕熱を利用する冷媒を用いると共に、前記熱源側冷媒サイクルの容量を複数の段階に変化するように構成し、その容量の変化幅を容量が増加するにつれて大きくなるようにしたことを特徴とするものである。
【0048】
また、本発明の請求項41に係わる冷凍空調装置の制御方法は、熱源側冷媒を循環させる熱源側冷媒サイクルと利用側冷媒を循環させる利用側冷媒サイクルの間に設けた補助熱交換器で熱交換することによって前記熱源側冷媒サイクルで得た温熱を前記利用側冷媒サイクルで加熱に利用する冷凍空調装置において、前記利用側冷媒として顕熱を利用する冷媒を用いると共に、前記熱源側冷媒サイクルを2系統以上の複数とし、前記利用側冷媒サイクルで加熱運転中に前記熱源側冷媒サイクルのうち1系統以上が除霜運転している間に、少なくとも1系統の前記熱源側冷媒サイクルは加熱運転を継続するように制御することを特徴とするものである。
【0049】
また、本発明の請求項42に係わる冷凍空調装置の制御方法は、熱源側冷媒を循環させる熱源側冷媒サイクルと利用側冷媒を循環させる利用側冷媒サイクルの間に設けた補助熱交換器で熱交換することによって前記熱源側冷媒サイクルで得た温熱を前記利用側冷媒サイクルで加熱に利用する冷凍空調装置において、前記利用側冷媒として顕熱を利用する冷媒を用いると共に、前記熱源側冷媒サイクルを2系統以上の複数とし、前記熱源側冷媒サイクルに加熱専用の冷媒サイクルと冷却/加熱併用の冷媒サイクルとをそれぞれ1系統以上設け、前記冷却/加熱併用の冷媒サイクルに蒸気圧縮式冷凍サイクルを用い、加熱運転中に前記冷却/加熱併用の冷媒サイクルのうちの1系統以上が除霜運転している間に、前記加熱専用の冷媒サイクルと前記冷却/加熱併用の冷媒サイクルのうちの少なくとも1系統の冷媒サイクルは加熱運転を継続するように制御することを特徴とするものである。
【0050】
また、本発明の請求項43に係わる冷凍空調装置の制御方法は、熱源側冷媒サイクルのうちの1系統以上が除霜運転している間に加熱運転を継続する熱源側冷媒サイクルは、その加熱能力を増加して加熱運転を継続するように制御することを特徴とするものである。
【0051】
また、本発明の請求項44に係わる冷凍空調装置の制御方法は、熱源側冷媒サイクルのうちの1系統以上が除霜運転している間に加熱運転を継続する熱源側冷媒サイクルを、加熱専用の冷媒サイクルとしたことを特徴とするものである。
【0052】
また、本発明の請求項45に係わる冷凍空調装置の制御方法は、熱源側冷媒を循環させる熱源側冷媒サイクルと利用側冷媒を循環させる利用側冷媒サイクルの間に設けた補助熱交換器で熱交換することによって前記熱源側冷媒サイクルで得た温熱を前記利用側冷媒サイクルで加熱に利用する冷凍空調装置において、前記利用側冷媒として顕熱を利用する冷媒を用いると共に、前記熱源側冷媒サイクルとして蒸気圧縮式冷凍サイクルを2系統以上用い、前記利用側冷媒サイクルで加熱運転中に前記熱源側冷媒サイクルのうち1系統以上が除霜運転開始条件を満たした場合、除霜運転を開始する前に熱源側冷媒サイクルの能力を増大させて加熱運転を継続し、その後に除霜運転を行うように制御することを特徴とするものである。
【0053】
また、本発明の請求項46に係わる冷凍空調装置の制御方法は、熱源側冷媒を循環させる熱源側冷媒サイクルと利用側冷媒を循環させる利用側冷媒サイクルの間に設けた補助熱交換器で熱交換することによって前記熱源側冷媒サイクルで得た温熱を前記利用側冷媒サイクルで加熱に利用する冷凍空調装置において、前記利用側冷媒として顕熱を利用する冷媒を用いると共に、前記熱源側冷媒サイクルを2系統以上の複数とし、前記複数系統の熱源側冷媒サイクルのそれぞれの容量を一つまたは複数の段階に変化するように構成し、かつ全体としての前記複数系統の熱源側冷媒サイクルの合計容量を複数の段階に変化するように構成し、その合計容量の変化幅を合計容量が増加するにつれて大きくなるようにしたことを特徴とするものである。
【0054】
また、本発明の請求項47に係わる冷凍空調装置の制御方法は、合計容量の段階を増加させる際に、複数系統の熱源側冷媒サイクルのうちの現行で運転している熱源側冷媒サイクルは運転状態のままで前記合計容量を増加させるものとし、前記合計容量の段階を減少させる際に、複数系統の熱源側冷媒サイクルのうちの現行で停止している熱源側冷媒サイクルは停止状態のままで前記合計容量を減少させるように制御することを特徴するものである。
【0055】
また、本発明の請求項48に係わる冷凍空調装置は、圧縮機、流路切換弁、熱源側熱交換器、熱源側冷媒流量制御弁、および熱源側冷媒を貯留する冷媒貯留タンクを連接し前記熱源側冷媒を循環して成る熱源側冷媒サイクルと、補助熱交換器、および冷媒搬送装置を連接し利用側冷媒を循環して成る利用側冷媒サイクルとを備え、前記補助熱交換器を前記冷媒貯留タンク内の熱源側冷媒に浸漬して前記補助熱交換器で前記熱源側冷媒と前記利用側冷媒とを熱交換し、前記冷媒貯留タンクに蓄えた熱を前記利用側冷媒サイクルにおいて加熱に利用することを特徴とするものである。
【0056】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1による冷凍空調装置として、例えば室内の冷暖房を行う冷暖房装置について説明する。冷暖房装置では、冷却運転で室内の冷房を行い、加熱運転で室内の暖房を行っており、冷却運転を冷房運転、加熱運転を暖房運転として記す。図1は本実施の形態による冷暖房装置を示す構成図である。図において、11は圧縮機、12は暖房運転と冷房運転で冷媒流路を切換える流路切換弁でここでは例えば四方弁を用いる。また、13は熱源側熱交換器、14は熱源側冷媒流量制御弁、15はレシーバ、16は第1補助熱交換器、17は室外送風機で、これらは一つのユニット内に収納されて室外ユニットfを構成し、屋外に設置されている。圧縮機11の吐出口は四方弁12の第1口に接続され、四方弁12の第2口が熱源側熱交換器13の一端に接続されている。熱源側熱交換器13の他端は、熱源側冷媒流量制御弁14、レシーバ15の順に接続され、さらに第1補助熱交換器16の一端に接続されている。第1補助熱交換器16の他端は四方弁12の第4口に接続されており、四方弁12の第3口は圧縮機11の吸入口に接続されており、熱源側冷媒サイクルを形成している。四方弁12は熱源側冷媒サイクルの冷房運転および暖房運転を切換えるもので、図1の実線で示すように、その第1口と第2口、第3口と第4口が接続された場合が冷房運転になり、点線で示すように、その第1口と第4口、第3口と第2口が接続された場合が暖房運転になる。この四方弁12の代わりに例えば4つの電磁弁を設けて冷房運転と暖房運転と冷媒の流路を切換えるように構成することもできる。また、レシーバ15は、冷房時と暖房時の熱源側冷媒サイクルの必要冷媒量の差を吸収するために設けられている。
圧縮機を用いて冷媒回路に冷媒を循環させ、冷媒の凝縮及び蒸発を利用した構成の冷媒サイクルを、蒸気圧縮式冷凍サイクルと称している。
【0057】
さらに、19は第2補助熱交換器で第1補助熱交換器16と熱交換するように一体に形成されている。20は冷媒貯留タンクで利用側冷媒サイクルの冷房時と暖房時の冷媒量の差を調整している。この冷媒貯留タンク20は、例えば金属やプラスチックで構成する。21は冷媒搬送装置で例えばマグネットポンプである。第2補助熱交換器19,冷媒貯留タンク20,冷媒搬送装置21は、熱源側冷媒サイクルと共に室外ユニットfに収納されている。22a、22bは利用側熱交換器、23a、23bは利用側冷媒流量制御弁で例えば開閉弁または流量調整弁で構成され、この場合には例えば熱動弁を用いる。また、24a,24bは室内送風機である。利用側熱交換器22a,熱動弁23a,室内送風機24aは室内ユニットgに収納されており、利用側熱交換器22b,熱動弁23b,室内送風機24bは室内ユニットhに収納されている。この室内ユニットg,hのそれぞれは、例えば空調したい部屋の内部に設置される床置型、壁掛け型、天井吊型のものや、また、空調したい部屋の外部に利用側熱交換器を設置して、室内に冷たい空気または暖かい空気を送るようなダクト式のものや、空調したい部屋の天井や壁への埋め込まれて用いられるものなどがある。
【0058】
冷媒搬送装置21の吐出口は、接続配管iの一端に接続されており、接続配管iの他端は分岐して、それぞれ接続配管jおよび接続配管kの一端に接続されている。接続配管jおよびkの他端は、それぞれ、熱動弁23aおよび熱動弁23bに接続されており、これらは利用側熱交換器22aおよび22bの一端に接続されている。利用側熱交換器22aおよび22bの他端は接続配管j’および接続配管k’の一端に接続され、これらの他端は共に接続配管i’の一端に接続されており、接続配管i’の他端は室外ユニットf内で第2補助熱交換器19の一端に接続されている。第2補助熱交換器19の他端は、冷媒貯留タンク20の側面の流入口に接続されており、冷媒貯留タンク20の底面に設けた流出口は冷媒搬送装置21の吸入口に接続されている。第2補助熱交換器19,冷媒貯留タンク20,冷媒搬送装置21、室内ユニットg,hおよびこれらを接続する配管で、利用側冷媒サイクルを形成している。また、31は冷媒の温度を検出する温度検出手段で、例えば第1温度センサである。
【0059】
本実施の形態に係わる冷暖房に適用した冷凍空調装置では、利用側冷媒サイクルの冷媒として、顕熱を利用する冷媒を用い、例えば水、若しくはエチレングリコール,プロピレングリコール,およびD−ソルビトールなどの溶媒のうちのいずれか1つまたは複数を重量比で数十%以下含んだ水溶液を用いる。エチレングリコール,プロピレングリコール,およびD−ソルビトールなどの溶媒のうちのいずれか1つまたは複数を重量比で0%より大きくかつ数十%以下含んだ水溶液は0[℃]以下になっても凍らない特性を有する不凍液である。
この利用側冷媒サイクルの冷媒に、エチレングリコール,プロピレングリコール,およびD−ソルビトールなどのうちのいずれかを重量比で0%より大きくかつ数十%以下含んだ水溶液である不凍液を用いると、外気温度が低く0[℃]以下になる地域に設置しても冷媒が凍るのを防止できる。図2に、例えばプロピレングリコール水溶液の濃度とその特性のグラフを示す。図2(a)は水溶液の濃度に対する凍結温度(℃)、図2(b)は10[℃]および45[℃]のときの水溶液の濃度に対する動粘度、図2(c)は10[℃]および45[℃]のときの水溶液の濃度に対する熱伝達率である。図2(a)に示すように、水溶液の濃度が高くなると凍結温度が下がり、外気温度がその分だけ低くなる地域で使用しても凍結しないという利点がある。ところが、一方では図2(b)に示すように動粘度が上がり、図2(c)に示すように熱伝達率が下がる。このため、利用側冷媒サイクルを循環する冷媒としては、濃度が数十%以下、例えば60%程度以下とし、本実施の形態では例えば30%程度の濃度の水溶液を使用する。
【0060】
冷媒貯留タンク20は利用側の冷媒の体積膨張を吸収するように大気に開放している。また、冷媒貯留タンク20の流出口から冷媒搬送装置21までの配管および冷媒搬送装置21の位置はタンク内喫水面より下方に配置する。これは、冷媒貯留タンク20の流出口から冷媒搬送装置21までの配管および冷媒搬送装置21の位置をタンク内喫水面より上方に配置すると、圧力損失が大きくなり、冷媒がスムーズに流れなくなったり、冷媒が冷媒搬送装置21の吸入口で蒸発したりして必要な流量が得られないこともあり、これらを防止するためである。また、同様の理由から冷媒貯留タンク20の流出口から冷媒搬送装置21までの配管は太い方が望ましく、また短い方が望ましい。
以上に述べた利用側冷媒は、地球環境保全の点で問題なく、取り扱いも容易で、かつ安価な冷媒である。
【0061】
一方、熱源側冷媒サイクルの冷媒は、通常の冷凍空調装置に用いられている、HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)冷媒やHFC(ハイドロフルオロカーボン)などのフロン系冷媒、HC(炭化水素系)冷媒、アンモニア冷媒などを用いる。具体的には、例えばHCFC冷媒であるR22やHFC冷媒であるR134aなどの単一冷媒、HFC冷媒であるR410Aなどの擬似共沸混合冷媒、HFC冷媒であるR407Cなどの非共沸混合冷媒、HC冷媒であるプロパンやイソブタン、アンモニアを用いる。
【0062】
上記のように利用側冷媒サイクルの冷媒と熱源側冷媒サイクルの冷媒とを分離して、利用側冷媒サイクルには顕熱を利用して熱輸送する冷媒、熱願側冷媒サイクルには潜熱を利用して熱輸送する冷媒というように異なるもので構成している。そして、熱源側にエネルギー効率のよい冷媒を用い、利用側にオゾン層破壊や地球温暖化において使用に問題のない顕熱を利用する冷媒を用いることにより、冷凍空調装置全体で、エネルギー効率はよいが使用に問題のある冷媒の使用量を極力少なくしている。
もちろん熱源側冷媒サイクルの冷媒として、二酸化炭素、水、空気などの自然冷媒などを用いたり、利用側冷媒サイクルの冷媒と同じもの、即ち、エチレングリコール,プロピレングリコール,およびD−ソルビトールのうちのいずれか1つまたは複数を重量比で数十%以下含んだ水溶液を用いてもよい。この場合にはエネルギー効率は低下するが、前述の地球環境保全や取扱の点で全く問題のない冷凍空調装置を構成できる。
【0063】
つぎに、動作について説明する。
冷房運転時は図1の実線の冷媒サイクルとなり、熱源側冷媒サイクルでは、四方弁12の第1口と第2口、および第3口と第4口が接続される。圧縮機11から吐出された高温高圧の蒸気冷媒は四方弁12を通り熱源側熱交換器13で室外送風機17によって送り込まれた外気へ放熱すると同時に凝縮液化し、冷媒流量制御弁14を通って低圧低温の気液二相冷媒となり、レシーバ15を経由して第1補助熱交換器16で蒸発し低圧低温の蒸気冷媒となって四方弁12を通り圧縮機11へ循環する。この時利用側冷媒サイクルの第2補助熱交換器19と前記第1補助熱交換器16とが熱交換し、利用側冷媒サイクル内の冷媒が冷却される。この冷媒は冷媒貯留タンク20を通って冷媒搬送装置21に送られ、この冷媒搬送装置21によって接続配管iおよびj、kを通って利用側熱交換器22a,22bへ送られる。利用側熱交換器22aおよび22bでは、冷媒は、室内送風機24a,24bによって送り込まれた室内空気から吸熱して自らは加熱され、接続配管j’,k’およびi’を通って第2補助熱交換器19に循環する。一方、利用側熱交換器22aおよび22bに室内送風機24aおよび24bによって送り込まれた室内空気は、利用側熱交換器22aおよび22bで冷媒に放熱すると同時に冷却され、室内へ再び吹出されて室内を冷房する。
【0064】
暖房運転時は、図中破線の冷媒サイクルとなり、熱源側冷媒サイクルでは、四方弁12の第1口と第4口、および第3口と第2口が接続される。圧縮機11から吐出された高温高圧の蒸気冷媒は四方弁12を通り第1補助熱交換器16に送られ、放熱すると同時に凝縮液化し、レシーバ15を通って冷媒流量制御弁14で減圧されて低圧低温の気液二相冷媒となり、熱源側熱交換器13で室外送風機17によって送り込まれた室外空気から吸熱して蒸発し、低圧低温の蒸気冷媒となって四方弁12を通って圧縮機11へ循環する。この時利用側冷媒サイクルの第2補助熱交換器19と前記第1補助熱交換器16とが熱交換し、利用側冷媒サイクル内の冷媒が加熱される。この冷媒は冷媒貯留タンク20を通って冷媒搬送装置21に送られ、この冷媒搬送装置21によって接続配管iおよびj,kを通って利用側熱交換器22aおよび22bへ送られる。利用側熱交換器22aおよび22bでは、冷媒は、室内送風機24aおよび24bによって送り込まれた室内空気へ放熱すると同時に冷却され自らは接続配管j’,k’およびi’を通って第2補助熱交換器19に循環する。一方、利用側熱交換器22aおよび22bに室内送風機24aおよび24bによって送り込まれた室内空気は、利用側熱交換器22aおよび22bで冷媒から吸熱して加熱され、室内へ再び吹出されて室内を暖房する。
【0065】
また、暖房運転時に熱源側冷媒サイクルが除霜運転に入った場合は、熱源側冷媒サイクルは図中実線の冷房時の冷媒サイクルと同一となり、利用側冷媒サイクル中の冷媒の顕熱を奪って熱源側熱交換器13の表面に着いた霜を加熱して除霜する。このとき、第2補助熱交換器19で利用側冷媒サイクルから奪われる熱量Qd[kJ]は、熱源側冷媒サイクルの1時間中の加熱量[kJ]のおおよそ1/30であることが実験的に得られている。また、この除霜運転中にも室内送風機24a,24bを回し続けると、室内の負荷によって冷媒の温度は下がる。この室内負荷による温度低下分の熱量QL [kJ]は、除霜運転時間と利用側冷媒サイクルの暖房能力とで演算できる。利用側冷媒の温度低下ΔT[K]は、利用側冷媒サイクルの冷媒量をW[kg]、比熱をCp[kJ/kgK]とすると、式(1)で表される。
ΔT=(Qd+QL )/(W・Cp) ・・・・・・・・・・・・(1)
【0066】
例えば熱源側冷媒サイクルの暖房能力が9.6[kW]=[kJ/s]とすると、除霜時に利用側冷媒サイクルから奪われる熱量はQd=9.6[kJ/s]×3600[s]/30=1152[kJ]である。また、除霜運転を3分間行うとした時の室内負荷による温度低下分の熱量はQL =(暖房運転中の暖房能力)[kJ/s]×60[s]×3[min]で演算できる。通常は除霜運転に入るのはある程度暖房運転を行った後であり、暖房能力の最大で運転していることはないため、今、1台の室内ユニットが動作しており、例えば暖房能力=1.5[kJ/s]で運転しているとすると、QL =270[kJ]となる。利用側冷媒サイクル内の冷媒が水でその質量を20[kg]とすると、水の比熱は4.19[kJ/kgK]であるので、除霜中の利用側冷媒の温度低下はΔT=17.0[K]となる。即ち、冷媒貯留タンク20の内容積が、冷房時と暖房時の必要冷媒量差を吸収するだけの内容積(水の温度変化に伴う比容積差を吸収する容積があればよく、ほとんど0)しかない場合は、除霜運転の3分程の間に除霜運転に必要な熱だけで利用側冷媒サイクルの冷媒温度が17.0[K]も低下してしまうことになる。
この除霜運転の間に、室内ユニットg,h内の送風機24a,24bを回し続けると吹き出し空気温度が低くなってしまい、冷風感や室温の低下をもたらすので、不快であった。また、室内ユニットg,h内の送風機24a,24bを停止しても暖房が不可能となり室温の低下をもたらすため、利用側冷媒の温度を暖房に適した温度に維持できなくなり、快適性の点で著しく問題であった。
【0067】
そこで、本実施の形態に係わる冷凍空調装置は、冷媒貯留タンク20の内容積を利用側冷媒サイクルの冷媒量と同等以上の30[kg]を保有できる内容積とした。即ち利用側冷媒の充填量を合計50[kg]とし、熱源側冷媒サイクルの除霜運転に伴う利用側冷媒の温度低下が、従来の17.0[K]から2/5の6.8[K]に抑えられる。この程度の温度低下であれば、冷風感や室温低下の心配がなく暖房に適した温度に維持できるので、熱源側冷媒サイクルが除霜運転していも、室内送風機を止めるなどの運転状態を変える必要がなく、室内ユニットは暖房を続けることができる。利用側冷媒の量をこのように充填することで、利用側冷媒の温度を安定させ、室内の人間にとって不快感を感じさせることなく、室内の快適性を大幅に向上させることができる。
【0068】
逆に、除霜運転中の利用側冷媒サイクルの冷媒温度低下ΔT[K]の許容値を所定温度以下になるように決めれば、冷媒貯留タンク20が保有すべき冷媒量を求めることができる。利用側冷媒サイクルの全冷媒量が式(1)より、次の式(2)で求められる。
W=(Qd+QL )/(ΔT・Cp) ・・・・・・・・・・・・(2)
冷媒貯留タンク20の保有冷媒量Wt[kg]は、式(2)におけるWを用いて式(3)より求められる。
Wt=W−Wp ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(3)
ここで、Wp[kg]は、利用側冷媒サイクルの冷媒貯留タンク20以外の内容積から求められる必要冷媒量である。
前述の例で、例えば除霜運転中の利用側冷媒の温度低下ΔTをまで許容するなら、冷媒貯留タンク20には、
Wt=(1152+270)[kJ]/(2[K]・4.19[kJ/kgK])−20
=150.0[kg]
の冷媒が保有できる内容積が必要となる。これに従って冷媒貯留タンク20を構成して利用側冷媒を充填することで、利用側冷媒の温度低下を所定温度低下内に抑えることができ、室内の暖房に適した温度に維持できる。上記では所定温度低下ΔTを2[K]としたが、10[K]程度の温度低下でもそれほど室内の快適性を損なうことはないが、好ましくは5[K]程度以下にするのが望ましい。
ただし、室内負荷による温度低下分QL の演算は利用側の使い方で差があり、冷媒貯留タンク20には、最低限利用側冷媒サイクルから奪われる熱量Qd[kJ]分の容量が必要である。例えば所定温度低下ΔTを2[K]とすると、
Wt>1152[kJ]/(2[K]・4.19[kJ/kgK])−20
>117.5[kg]となる。
即ち、少なくとも熱源側冷媒サイクルが除霜運転に必要な熱量を、冷媒貯留タンク20に蓄えれば、除霜運転中に利用側冷媒の温度が大幅に下がることを防止でき、利用側冷媒サイクルで暖房運転している際の室内の快適性を維持できる。
【0069】
また、利用側冷媒サイクルに例えば蓄熱材などの蓄熱手段を設け、熱源側冷媒サイクルで得た冷熱または温熱を蓄熱する構成の場合には、蓄熱手段に蓄熱した温熱を除霜運転中に放熱するので、利用側冷媒の温度低下を小さくできる。この時の蓄熱手段からの除霜運転中の放熱量をQt[kJ]とすると、利用側冷媒の温度低下ΔTは式1ではなく、下式のように表される。
ΔT=(Qd+QL −Qt)/(W・Cp)
この温度低下ΔTを所定温度以下、例えば5[K]以下になるように蓄熱手段の蓄熱容量および利用側冷媒サイクルの冷媒量を充填して、利用側冷媒の温度を暖房に適した温度に維持する。蓄熱手段からの除霜運転中の放熱量Qtに基づいて蓄熱容量を設定するのは、蓄熱手段の材料や構成に応じて異なるので、それぞれの場合に適するように設定すればよい。例えば蓄熱手段が冷媒貯留タンク20内に浸漬された煉瓦などの場合には熱源側冷媒サイクルが除霜運転を行なうときの冷媒貯留タンク20内の利用側冷媒の温度低下と同等の温度低下になると考えられるので、このときの蓄熱手段からの放熱量が把握でき、それに基いて蓄熱容量を設定すればよい。
また、利用側冷媒の温度をその加熱を利用した運転で適した温度に維持する際、ここでは室内の暖房に利用したので除霜運転時の温度低下を10[K]程度以下として得られるが、温室などの他の空間の暖房や、給湯や、加熱乾燥などに利用した場合には、除霜運転時の温度低下の所定温度を他の値に設定して適した温度に維持する必要がある。また給湯や加熱乾燥の場合にも暖房と同様に除霜運転時の温度低下を10[K]程度以下として給湯または加熱乾燥に適した温度に維持するようにしてもよい。また好ましくは5[K]程度以下とすれば、支障なく温熱利用することができる。
【0070】
図1の構成では、冷媒貯留タンク20は室外ユニットfの内部に一体で収納されており、室外ユニットfは大きくなるが、予め室外ユニットfと室内ユニットg,hを組み立てておき、現地で接続配管を接続するだけで据え付けることができ、搬入および工事に手間がかかるのを防ぐことができる工事性のよい構成となっている。
また、冷媒貯留タンク20は、必ずしも室外ユニットfの内部に一体で収納されていなくてもよい。例えば、図3に示すように、第1補助熱交換器16と第2補助熱交換器19、レシーバ15、冷媒搬送装置21、および冷媒貯留タンク20だけをまとめて熱交換ユニットdを構成し、標準ヒートポンプの室外機eと冷媒配管m,m’で接続してもよい。冷媒配管m’は、第1補助熱交換器16の一端側と四方弁12との間を接続する接続配管であり、冷媒配管mは、第1補助熱交換器16の他端側に接続されているレシーバ15と冷媒流量制御弁14との間を接続する接続配管である。このようにすれば、標準仕様のヒートポンプの室外ユニットをそのまま使用でき、さらに安価な冷凍空調装置を得ることができる。
【0071】
また、上記では、除霜運転時の利用側冷媒の温度低下を所定温度以下にするために、冷媒貯留タンク20の容量を大きくして冷媒量を増やしたが、これに限るものではない。例えば、接続配管i,i’,j,j’,k,k’の管径を太くすることで、利用側冷媒サイクルの冷媒量が冷媒貯留タンク20を付加した場合と同量保有できればこれで代用してもよい。従来の接続配管内径をすべて√2倍の内径のものにすれば、利用側冷媒サイクルの冷媒保有量が従来比約2倍になるので、除霜運転中の利用側冷媒の温度低下は従来の約半分に抑えられ、利用側冷媒の温度が安定した状態で暖房運転を行うので、室内空調(暖房)の快適性を維持しやすくなる。また、従来の接続配管をすべてそれぞれ2本ずつにしても、利用側冷媒サイクルの冷媒保有量は約2倍となる。
【0072】
また、さらに、冷媒貯留タンク20を住宅の壁面に収納してもよい。この場合の構成を図4に示す。利用側熱交換器22a,22bで熱交換した後の利用側冷媒を冷媒貯留タンク20に溜め、その底部から冷媒搬送装置21で冷媒を吸い込み、第2補助熱交換器19へ送り出す。第2補助熱交換器19で吸放熱した利用側冷媒は接続配管iおよびj,kを通って利用側熱交換器22a,22bに流れ、加熱・冷却に利用される。冷媒貯留タンク20は、住宅等建物の壁面yの内部に接続配管i,j,kなどと共に収納されている。図4の例では、利用側熱交換器22a,22bで熱交換した後の比較的室内空気温度レベルに近い温度の冷媒を冷媒貯留タンク20に溜める構成になっている。このため、熱源側冷媒サイクルの除霜運転時の室内快適性の維持が多少難しくなるが、住宅の内壁材料および外壁材料の間に冷媒貯留タンク20を壁面と一体に構成し収納しているので設置スペースの問題もなく、また、内壁面を通して冷媒貯留タンク20内の冷媒から室内へ輻射空調も可能となり、室内空調の快適性向上が期待できる。冷媒貯留タンク20の一面が内壁を兼ねていれば輻射効果はさらに高まり室内空調の快適性もさらに高まる。
【0073】
また、図5に示すような構成でもよい。この場合、冷媒貯留タンク20は室外ユニットf内に冷房運転と暖房運転との冷媒量差に相当する大きさだけあればよく、住宅等建物の壁面には第2冷媒貯留タンク18を設置する。この構成では、第2冷媒貯留タンク18は例えば鉄や銅やステンレスなどの耐圧性を有する密閉型の圧力容器で構成する。
図5に示した装置は、第2補助熱交換器19で吸放熱して室温との差が大きくなり空調能力が高まった利用側冷媒を第2冷媒貯留タンク18に溜める構成なので、図4に示した構成よりも除霜運転中の室内快適性の維持が効果的に可能となる。さらに、内壁面を通して冷媒貯留タンク20内の冷媒から室内へ輻射空調の効果も期待できる。また、利用側冷媒が第2冷媒貯留タンク18を上方から下方へ流れる構成だと、上方に空気が溜まって冷媒回路に滞留することになる。ところが図5では第2冷媒貯留タンク18を下方から上方へ冷媒が流れる構成であり、たとえ第2冷媒貯留タンク18上方に空気が存在しても、冷媒の流れと共に第2冷媒貯留タンク18外に押し出されることになり、空気が内部に溜まって冷媒の流れに悪影響を及ぼすのを防止している。
なお、図4における冷媒貯留タンク20および図5における第2冷媒貯留タンク18は、建物壁面内に収納するのではなく、建物の床下、屋根上、屋上、地下などに収納してもよいことは言うまでもない。
【0074】
図1,図3〜図5において、第1温度センサ31は、第2補助熱交換器19の利用側冷媒出口側の配管に設置されており、熱源側冷媒サイクルの能力は第1温度センサ31の検出温度TH1が予め設定されている目標温度TMに近づくように制御する。例えば、冷房運転の場合、第1温度センサ31の検出温度TH1と目標温度TMとの温度差ΔTH1を式(4)で算出する。
ΔTH1=TH1−TM ・・・・・・・・・・・・・・・・・・(4)
この値ΔTH1に比例した周波数分だけ、インバータで圧縮機13の運転周波数を増減することによって熱源側冷媒サイクルの能力を制御する。
一方、暖房運転の場合には、目標温度TMが検出温度TH1よりも高く設定されるため、温度差ΔTH1を式(5)で算出する。
ΔTH1=TM−TH1 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・(5)
この値ΔTH1に比例した周波数分だけ、インバータで圧縮機13の運転周波数を増減することによって熱源側冷媒サイクルの能力を制御する。
例えば、第2補助熱交換器19の出口温度の目標値は、冷房運転の場合、TM=7[℃]、暖房運転の場合、TM=50[℃]などとするとよい。
【0075】
また、圧縮機11の容量制御が運転/停止のみしかできない場合は、第1温度センサ31の目標温度に上限TMHと下限TMLを設定し、第1温度センサ31の検出温度TH1がTMHとTMLの間に収まるように圧縮機11を運転/停止する。
例えば、冷房運転の場合、TMH=10[℃]、TML=7[℃]として、TH1≧TMHの時は圧縮機11を運転、TH1≦TMLの時は圧縮機11を停止、TML<TH1<TMHの時は圧縮機11が運転していれば運転継続、停止していれば停止継続とする。
また、暖房運転の場合、TMH=50[℃]、TML=47[℃]として、TH1≧TMHの時は圧縮機11を停止、TH1≦TMLの時は圧縮機11を運転、TML<TH1<TMHの時は圧縮機11が運転していれば運転継続、停止していれば停止継続とする。
【0076】
以上では、利用側熱交換器が2台の場合を示したが、利用側熱交換器が3台以上接続されていても、また1台の場合でも構わない。複数台の場合の接続形態において、すべてを互いに並列に接続すると、それぞれの利用側熱交換器を独立して制御でき、利用者の要求に適用しやすく汎用的である。また、すべてが並列である必要はなく、例えば、図6に示すように、利用側熱交換器22cと22dとが接続配管l,l’に直列に接続されていて、それぞれ別体の室内ユニットpおよびqに室内送風機24cおよび24dと共に収納されていてもよい。また、直列に接続されている室内ユニットp,qは必ずしもそれぞれに利用側冷媒流量制御弁は必要ではなく、図6に示すように、利用側冷媒の流れの上流の室内ユニットpのみに例えば熱動弁23cが接続されていればよい。逆に、利用側冷媒の流れの下流側の室内ユニットqのみに熱動弁23cが接続されていてもよい。
【0077】
直列に接続された室内ユニットp,qについては、上流側の熱交換器22cに比べて下流側の熱交換器22dの方が能力が出難いので、上流側室内ユニットpを例えば、居間、台所等の空調負荷の大きい部屋に設置し、下流側室内ユニットqを例えば、寝室、浴室、洗面所、便所等の空調負荷の小さい部屋に設置するように使い分けてもよい。また、共に同一の部屋に設置されて同一空間を空調する場合でも、例えば、空調負荷の比較的大きい窓際に上流側室内ユニットpを設置し、空調負荷の比較的小さい奥側に室内ユニットqを設置すれば、比較的大きな空調空間の窓際と奥側の温度分布を改善し、空調室内の快適性を向上させることができる。また、同じ窓際に設置する場合でも、天井近くの壁面に能力の出る上流側室内ユニットpを設置し、床上または床近くの壁面に能力の出難い下流側室内ユニットqを設置すると、空調室内の上下温度分布を改善して快適性を向上させることができる。
【0078】
また、上流側熱交換器22cを空調用とし、これに直列に接続された下流側熱交換器22dを床内部に設置してもよい。このようにすれば、特に暖房運転時、空調してやや温度が下がった冷媒でさらに床暖房ができるので、熱のカスケード利用ができ、省エネルギとなると共に、室内の上下温度むらを少なくできるので快適性が向上する。また、床内部に設置する熱交換器は空調用熱交換器と必ずしも直列に接続されていなくてもよく、例えば、熱交換器22aを空調用として設置された部屋にこれと並列に接続されている熱交換器22bを床内部に設置してもよい。このようにすれば、床温度と空調温度とが個別に制御可能となるので効率的な運用ができる。また、利用側熱交換器を空調に利用するのに限らず、例えば給湯などの負荷に利用してもよい。このように複数の利用側熱交換器を直列に接続して、種々の利用温度で使うように構成すれば、エネルギを無駄なく利用できる。
【0079】
本実施の形態に係わる冷凍空調装置の熱源側冷媒サイクルの容量、即ち定格能力は、室内ユニットg,hの定格能力合計と同等であるのが望ましいが、特に住宅に設置された場合、全室同時に空調されることは少ないため、室内ユニットg,hの定格能力合計の同等以下でよい。このようにすれば、過剰な設備を持たずに済むので、冷凍空調装置を低価格で供給することができる。
【0080】
本実施の形態に係わる冷凍空調装置の熱源側冷媒サイクルにおいて、冷房を行う冷却運転時の適正冷媒量は暖房を行う加熱運転時のそれより多い。従って、レシーバ15は加熱運転時に冷媒が溜まり込むように、第1補助熱交換器16の加熱運転時の冷媒出口側とレシーバ15の下部口が、冷媒流量制御弁14にその上部口が、それぞれ接続されている。このように接続されているので、冷却運転時は、冷媒流量制御弁14から送り出された気液二相冷媒が上部から流入し下部から第1補助熱交換器16へ流出するので、レシーバ15の内部に液冷媒が溜まり込むことはない。加熱運転時は、逆に、第1補助熱交換器16から送り出された液冷媒が下部から流入して上部から冷媒流量制御弁14へ流出するように接続されているので、レシーバ15内に液冷媒が溜まり込む。また、レシーバ15の内容積は、熱源側冷媒サイクルの冷房運転と暖房運転の適正冷媒量の差を暖房運転時に溜め込む液冷媒の密度で割った値にする。このように、熱源側冷媒サイクルは、冷房運転時、暖房運転時とも過不足なくそれぞれの適正冷媒量で運転されるので、効率のよい冷凍空調装置を得ることができる。
ただし、このレシーバ15は必ずしも設ける必要がなく、レシーバ15を設けていない場合には熱源側冷媒を冷房運転に必要な量だけ充填し、暖房運転では効率は多少低減するが、運転に支障が起こることがない。
【0081】
本実施の形態に係わる冷凍空調装置における一体に形成された補助熱交換器16および19は、プレート式熱交換器や二重管式熱交換器あるいは多管式熱交換器が用いられる。プレート式熱交換器の方がその他の熱交換器に比べ価格は高いが圧損は小さいので、利用側冷媒サイクルの冷媒搬送装置21の容量(揚程)が小さくてよい。従って、特に、本実施の形態に係わる冷凍空調装置が住宅に設置される場合で室外ユニットfから室内ユニットg,hまでの距離が遠く配管i,j,k、i’,j’,k’が十分太く取れないような場合、二重管式熱交換器を用いると、冷媒搬送装置21は安価な家庭用ポンプでは揚程不足になり、高価な産業用ポンプを用いざるを得なくなる。このような場合には、プレート式熱交換器を用いれば、冷媒搬送装置21は安価な家庭用ポンプで十分であり、総合的に安価な冷凍空調装置が得られる。
また、補助熱交換器16,19において、第1補助熱交換器16の熱源側の冷媒の流れは冷房運転と暖房運転で流れ方向が逆になるが、第2補助熱交換器19の利用側の冷媒の流れは冷房運転と暖房運転で流れ方向が同じになる。従来装置では、冷房時と暖房時で冷媒の方向が逆になり、冷媒搬送装置21として特殊なものが必要で高価であったが、本実施の形態のものは、通常のもので構成できるため、安価な市販のマグネットポンプ等を用いることが可能となっている。
【0082】
また、補助熱交換器16,19としてプレート式熱交換器を用いる場合は、熱源側冷媒サイクルの接続は、一般には、冷房運転時の入口が下、出口が上となるように接続する。従って、暖房運転時は、入口が上、出口が下となる。一方、利用側冷媒サイクルの接続は、入口が下、出口が上となるように接続する。従って、冷房運転時は並行流、暖房運転時は対向流となる。一般に対向流で構成した方が熱交換機能を考慮すると好ましく冷房運転時は並行流となってしまうが、熱源側冷媒サイクルの冷媒が、例えばR22やR410Aなどの単一または擬似共沸冷媒であれば、第1補助熱交換器16内の圧損により入口側から出口側に向かって蒸発温度が若干低下するので、温度的には対向流に近い形になり、熱源側冷媒サイクルを効率的に運用できる。
また、プレート式熱交換器を用いる場合でも、熱源側冷媒サイクルを冷房運転時の入口が上、出口が下となるように、即ち図6とは逆に、暖房運転時は入口が下、出口が上となるように接続してもよい。この場合は、利用側冷媒サイクルの接続は、入口が上、出口が下となるように接続する。このようにすると、冷房運転時に補助熱交換器16内に流入した気液二相冷媒が溜まり込みにくいので、冷房運転時と暖房運転時の適正冷媒量の差が小さくなり、レシーバ15の内容積が小さくて済むため、安価な冷凍空調装置を得ることができる。
【0083】
また、図1、図3〜図6において、利用側冷媒流量制御弁23を熱動弁として説明したが、これに限るものではなく、電磁弁など他の開閉弁でもよい。また、電子式リニア膨張弁(LEV)などの流量制御弁でもよい。ただし、熱動弁のようにゆっくりと開閉できるものを用いると、水撃がなくて故障や騒音を低減できる。
また、利用側冷媒サイクルの冷媒として不凍液の特性を有するエチレングリコール,プロピレングリコール,およびD−ソルビトールなどのうちのいずれか1つまたは複数を重量比で0%より大きくかつ数十%以下含んだ水溶液を用いたが、外気温度が0[℃]以下にならない地域で用いる場合や、たとえ外気温度が0[℃]以下になっても、配管を断熱性のよいもので構成したり、配管の周囲に断熱材を巻くなどなんらかの手段を用いれば水でもよい。
【0084】
実施の形態2.
本実施の形態では、熱源側冷媒サイクルを複数の系統有する構成とし、例えば2系統有するものについて示す。
以下、本発明の実施の形態2による冷凍空調装置として、例えば冷却運転で室内を冷房し、加熱運転で室内を暖房する冷暖房装置について説明し、冷却運転を冷房運転、加熱運転を暖房運転として記す。図7は本実施の形態による冷暖房装置を示す構成図である。図において、熱源側冷媒サイクルは、第1の圧縮機11a、第1の流路切換弁12a、第1の熱源側熱交換器13a、第1の冷媒流量制御弁14a、第1のレシーバ15a、第1補助熱交換器16aを連接してなる第1の熱源側冷媒サイクルと、第2の圧縮機11b、第2の流路切換弁12b、第2の熱源側熱交換器13b、第2の冷媒流量制御弁14b、第2のレシーバ15b、第3補助熱交換器16bを連接してなる第2の熱源側冷媒サイクルとから成っている。これら第1および第2の熱源側冷媒サイクルの容量である定格能力の合計は、実施の形態1の熱源側冷媒サイクルの定格能力と同一になるよう設定されている。
また、32a,32bは、第1,第2熱源側冷媒サイクルの熱源側熱交換器13a,13bの一端側に設けられ、熱源側冷媒の温度を検出する配管温度検出手段で、例えば配管温度センサである。
【0085】
一方、利用側冷媒サイクルは、冷媒搬送装置21、接続配管i、接続配管j,k、利用側冷媒流量制御弁23a,23b、利用側熱交換器22a,22b、接続配管j’,k’、接続配管i’、第2補助熱交換器19a、第4補助熱交換器19b、冷媒貯留タンク20を連接して成っている。接続配管k、利用側冷媒流量制御弁23b、利用側熱交換器22b、および接続配管k’は実施の形態1と同様、接続配管j、利用側冷媒流量制御弁23a、利用側熱交換器22a、および接続配管j’に並列に接続されている。また、第2補助熱交換器19aおよび第4補助熱交換器19bは並列に接続されており、これらはそれぞれ第1補助熱交換器16aおよび第3補助熱交換器16bと熱交換するように一体に形成されている。
【0086】
つぎに、動作について説明する。
冷房運転時は第1、第2の熱源側冷媒サイクルとも図中実線の冷媒サイクルとなる。また、暖房運転時は第1、第2の熱源側冷媒サイクルとも図中破線の冷媒サイクルとなる。第1、第2の熱源側冷媒サイクルの動作は、冷房運転時、暖房運転時とも実施の形態1と同様であるので割愛する。
一方、利用側冷媒サイクルでは、冷房運転の場合、冷媒貯留タンク20を通って冷媒搬送装置21に送られた冷媒は、この冷媒搬送装置21によって接続配管iおよびj,kを通って利用側熱交換器22a,22bへ送られ、室内空気を冷房すると同時に自らは加熱されて、接続配管j’,k’およびi’を通って第2補助熱交換器19aおよび第4補助熱交換器19bに分岐して送り込まれる。第2補助熱交換器19aおよび第4補助熱交換器19bに送り込まれた冷媒は、第1補助熱交換器16aおよび第3補助熱交換器16bを通して、第1および第2の熱源側冷媒サイクルによって外気へ放熱すると同時に自らは冷却され、合流した後冷媒貯留タンク20に戻る。暖房運転の場合も利用側冷媒の流れ方向は同じであり、動作も同様であるため割愛する。
【0087】
第1温度センサ31は、第2補助熱交換器19aおよび第4補助熱交換器19dの利用側冷媒出口側接合点と冷媒貯留タンク20との間を接続する配管に設置されており、熱源側冷媒サイクルの能力は第1温度センサ31の検出温度TH1が予め設定されている目標温度TMに近づくように制御される。例えば、冷房運転の場合、第1温度センサ31の検出温度TH1と目標温度TMとの温度差ΔTH1を式(6)で演算する。
ΔTH1=TH1−TM ・・・・・・・・・・・・・・・・・・(6)
この演算した値に比例した周波数分だけインバータで第1、第2の圧縮機11a、11bの運転周波数を増減することによって、第1、第2の熱源側冷媒サイクルの能力を制御する。
一方、暖房運転の場合、第1温度センサ31の検出温度TH1と目標温度TMと温度差ΔTH1を式(7)で演算する。
ΔTH1=TM−TH1 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・(7)
この演算した値に比例した周波数分だけインバータで第1、第2の圧縮機11a、11bの運転周波数を増減することによって、第1、第2の熱源側冷媒サイクルの能力を制御する。
例えば、第1温度センサ31の検出温度の目標値は、冷房運転の場合、TM=7[℃]、暖房運転の場合、TM=50[℃]などとする。
【0088】
圧縮機11aおよび11bの運転周波数は、それぞれΔTH1に比例した周波数分だけ増減させてもよいが、圧縮機の性能(入力−能力特性)から、2台の合計COP=能力[kW]/入力[kW]が最大になる周波数の組み合わせを選択するとさらに効率がよい。例えば、図8に示すように、2台の圧縮機の合計の運転周波数を仮周波数としたものとその時の合計能力を横軸に取り、縦軸にCOPを取ると、位置Zより左側の周波数(能力)が小さい領域は圧縮機1台運転の方が2台運転よりもCOPがよい領域、位置Zより右側の周波数(能力)が大きい領域は圧縮機2台同一周波数運転の方が1台運転よりもCOPがよい領域である。実際には、位置Zの前後数Hzの間を切換え領域Bとし、これより周波数(能力)が小さい領域Aで圧縮機1台運転、これより周波数(能力)が大きい領域Cで圧縮機2台の同一周波数運転とし、領域Bでは圧縮機運転の切換えはせず、それ以前の運転台数を継続する。
【0089】
また、第1、第2の圧縮機11a、11bの運転周波数を、それぞれΔTH1に比例した周波数分だけ増減する場合、圧縮機2台の合計運転周波数(仮周波数)F[Hz]あるいはその増減値ΔF[Hz]は、ΔTH1の関数として演算するようにしてもよいし、ΔTH1に対する数表として予め設定し、運転中に数表を参照するようにしてもよい。
【0090】
第1および第2の熱源側冷媒サイクルの圧縮機の容量制御が運転/停止のみしか選択できない場合は、第1温度センサ31の目標温度に上限TMH、下限TMLを設定し、第1温度センサ31の検出温度TH1がTMHとTMLの間に収まるように第1および第2の熱源側冷媒サイクル内の圧縮機11aおよび11bを運転/停止する。この様子を冷房運転の場合を例に図9について説明する。
図9において、横軸は第1温度センサ31の検出温度TH1、縦軸は熱源側冷媒サイクル中の圧縮機運転台数の増減台数を表す。TMH=8.5[℃]、TML=7[℃]として、TH1≧TMHの時は圧縮機を1台追加運転、TH1≦TMLの時は圧縮機を1台停止、TML<TH1<TMHの時は圧縮機の運転台数は変更しない。また、暖房運転の場合も同様であり、TMH=50[℃]、TML=48.5[℃]として、TH1≧TMHの時は圧縮機を1台停止、TH1≦TMLの時は圧縮機を1台追加運転、TML<TH1<TMHの時は圧縮機の運転台数は変更しない。このように、熱源側冷媒サイクルを2系統以上の複数の系統有する構成とし、それぞれの圧縮機を1台ずつ運転/停止することにより、熱源側冷媒サイクルが1系統の場合に比べて、利用側冷媒の温度変化を小さい範囲内に収めることができ、冷媒温度の安定性、ひいては、空調室内の快適性が向上する。
【0091】
以下、複数系統の熱源側冷媒サイクルを有する冷凍空調装置において、暖房運転中に時に第1の熱源側冷媒サイクルの第1の熱源側熱交換器13aまたは第2の熱源側冷媒サイクルの第2の熱源側熱交換器13bに霜が付着し、除霜運転を行う時の制御について説明する。
暖房運転中に第1の熱源側冷媒サイクルが除霜運転開始条件を満たした後、除霜運転に入っているときに、第2の熱源側冷媒サイクルが除霜運転開始条件を満たした場合、第1の熱源側冷媒サイクルが除霜運転終了条件を満たすまで、第2の熱源側冷媒サイクルの除霜運転を遅らせる。この時の制御装置41の制御動作を図10のフローチャートに示す。
【0092】
まず、ST1では第1、第2の熱源側冷媒サイクルにおいて、配管温度センサ32a、32bで第1、第2配管温度を検出する。ST2で、第2の熱源側冷媒サイクルが除霜運転中かどうか判断し、除霜運転中の場合には除霜運転終了条件を満たしているかどうか判断する。即ち、ST3で第2配管温度が10[℃]よりも低い場合には第2の熱源側冷媒サイクルでまだ除霜運転を継続する必要があるので制御処理は終了(END)とする。ST3で第2配管温度が10[℃]以上の場合には第2の熱源側冷媒サイクルで除霜運転終了条件を満たしていると判断し、ST4で第2の熱源側冷媒サイクルを除霜運転終了にする。この状態で第1、第2の熱源側冷媒サイクルはどちらも除霜運転に入っていない。そして、ST5で第1配管温度のチェックを行う。第1配管温度が例えば−7[℃]よりも低くなったら除霜運転開始条件を満たしていると判断し、第1の熱源側冷媒サイクルを除霜運転状態とし(ST6)、制御処理を終了する(END)。第1配管温度が−7[℃]以上だったら、ST7で第1の熱源側冷媒サイクルは除霜運転中かどうか判断し、除霜運転中の場合には除霜運転終了条件を満たしているかどうか判断する。即ち、ST8で第2配管温度が10[℃]よりも低い場合には第1の熱源側冷媒サイクルでまだ除霜運転を継続する必要があるので制御処理は終了(END)とする。ST8で第1配管温度が10[℃]以上の場合には第1の熱源側冷媒サイクルで除霜運転終了条件を満たしていると判断し、ST9で第1の熱源側冷媒サイクルを除霜運転終了にする。この状態で第1、第2の熱源側冷媒サイクルはどちらも除霜運転に入っていない。そして、ST10で第2配管温度のチェックを行う。第2配管温度が−7[℃]よりも低くなったら除霜運転開始条件を満たしていると判断し、ST11で第2の熱源側冷媒サイクルを除霜運転状態として、制御処理を終了する(END)。この制御処理は所定時間間隔、例えば1分に1回の温度検出に応じて実行されるように構成しておくとよい。
【0093】
上記のように制御すると、例えば、暖房運転中、第1の熱源側冷媒サイクルにおいて、配管温度センサ32aの検出温度が−7[℃]を検出したことによって第1の熱源側冷媒サイクルが除霜運転に入った後、第2の熱源側冷媒サイクルにおいても、配管温度センサ32bの検出値が−7[℃]を検出した場合、制御装置41では、第1の熱源側冷媒サイクルで、配管温度センサ32aの検出温度が10[℃]以上となって除霜運転終了条件を満たすまで、第2の熱源側冷媒サイクルは除霜運転を行わず、暖房運転を継続する。第1の熱源側冷媒サイクルが除霜を終了したら、第1の熱源側冷媒サイクルは暖房運転に復帰し、第2の熱源側冷媒サイクルの除霜運転を開始する。
【0094】
このように1系統ずつ熱源側冷媒サイクルの除霜運転を行うことによって、利用側冷媒サイクルの冷媒温度の低下が小さくなるので、温熱利用に適した温度に維持して空調室内の快適性が向上する。また、熱源側冷媒サイクルが1系統の場合に比較して、利用側冷媒サイクルの冷媒温度の低下が小さいので、冷媒貯留タンク20を小さくすることができ、システム全体の価格を安価にすることができる。
熱源側冷媒サイクルが3以上の複数系統ある場合には、そのうちの1系統以上が除霜運転を行ってもよく、少なくとも1系統の熱源側冷媒サイクルは除霜運転ではなく暖房運転を継続して行うように制御すれば、上記と同様の効果を奏する。
また、熱源側冷媒サイクルを複数の系統にすれば、小型で安価な標準ヒートポンプをそのまま、あるいはその構成部品を流用することができるので、さらに安価な冷凍空調装置が得られる。
【0095】
また、第1の熱源側冷媒サイクルが除霜運転していて第2の熱源側冷媒サイクルが暖房運転している場合、制御装置41は第1温度センサ31の検出値を目標値に近づけるため第2の熱源側冷媒サイクルの暖房能力が増大するように自動的に制御してもよい。第2の熱源側冷媒サイクルの暖房能力を増大することで、利用側冷媒サイクルの冷媒温度の低下はより小さくなる。
さらに、熱源側冷媒サイクルが3系統以上あれば、これら全ての除霜運転タイミングをずらすことによって、利用側冷媒サイクルの冷媒温度を安定させ、空調室内の快適性を維持することができる。
【0096】
また、第1の熱源側冷媒サイクルまたは第2の熱源側冷媒サイクルのどちらかが除霜運転開始条件を満たした場合、除霜運転開始前に第1の熱源側冷媒サイクルまたは第2の熱源側冷媒サイクルのいずれか一方、または両方を最大能力で運転して、利用側冷媒サイクルの冷媒温度を予め上昇させておいてもよい。具体的手段としては、第1の熱源側冷媒サイクルまたは第2の熱源側冷媒サイクルのどちらかが除霜運転開始条件を満たした場合、第2、第4補助熱交換器19a、19bの合流出口に設置されている第1温度センサ31の目標温度を、TMU[℃]だけ上昇させることが考えられる。温度増加分TMUは、どんな値でもよいが例えば数[℃]程度とする。このとき第1温度センサ31の目標温度はTM+TMU[℃]となり、第1温度センサ31の検出値TH1がこの温度に到達するまで第1の熱源側冷媒サイクルは除霜運転せずに暖房運転を継続して行い、目標温度(TM+TMU[℃])に到達した後除霜運転に入るように制御装置41で制御する。また、目標温度を上げる代わりに、例えば数分程度の一定時間、最大能力で暖房運転を行った後に除霜運転に入るようにしてもよい。
【0097】
このように、利用側冷媒サイクルの冷媒温度を上げておいてから除霜運転に入ると、除霜運転によって利用側冷媒サイクルから熱量を奪われても、空調室内の快適性を維持することができる。目標温度の上昇分TMUは、除霜運転で下がると予想される温度の例えば1/2程度で、室内の人間が不快に感じるのをある程度防ぐことができる。ただし、この目標温度の上昇分は、利用する環境や状態によって異なるため、一概には言えず、利用側で適当な値に設定するとよい。
また、直接的に第1、第2の冷媒サイクル中の第1、第2の圧縮機11a、11bの運転周波数を増加させ、例えば、第1、第2の圧縮機11a,11bの合計周波数が80[Hz]程度のときに例えば120[Hz]程度に増加し、一定時間、例えば数分程度経過した後、第1の熱源側冷媒サイクルを除霜運転するように制御装置41で制御してもよい。
【0098】
なお、上記で述べた複数の熱源側冷媒サイクルを有する冷凍空調装置における除霜運転の制御は、除霜運転時の利用側冷媒の温度低下を低減するために冷媒貯留タンク20を設けていない冷凍空調装置にも適用することができる。ただし、冷媒貯留タンク20を設ければ、さらに利用側冷媒の温度を安定させることができるのは言うまでもない。
【0099】
次に、第1および第2の熱源側冷媒サイクルの容量制御段階を数段階に設定する制御方法について説明する。
第1および第2の熱源側冷媒サイクルのそれぞれの容量制御段階を数段階に設定する場合には、第1温度センサ31の目標温度をTMと設定し、あるサンプリング間隔τ[h]ごとに検出した第1温度センサ31の検出温度TH1がTMの近傍に収まるように第1および第2の熱源側冷媒サイクルの容量を1段階ずつ増減する。図11にブロック線図を示す。
ΔTH1=TM−TH1* ・・・・・・・・・・・・・・・・・(8)
とする。上付き*はτ[h]または2τ[h]後のTH1の予測値を表す。例えば冷房運転において、ΔTH1>+αの場合、熱源側冷媒サイクルの合計容量段階Dを1段階減段し、ΔTH1<−αの場合、熱源側冷媒サイクルの合計容量段階Dを1段階増段する。容量制御段階は、図11に示すように隣り合う容量制御段階の熱源側冷媒サイクルの合計容量(能力)への変化率がほぼ一定になるように設定しておくのがよい。
【0100】
例えば、
{(段階3の冷房能力) − (段階2の冷房能力)}/(段階2の冷房能力)≒{(段階4の冷房能力) − (段階3の冷房能力)} /(段階3の冷房能力)
のように設定する。言い換えれば、容量変化幅は、容量が増加するにつれて大きくなるように設定しており、比較的大きな負荷の大きな変動にも、比較的小さな負荷の小さな変動にもハンチングを抑えながら追従することができ、利用側冷媒の温度安定性が向上し、ひいては空調室内の快適性が向上する。
【0101】
ここで、容量制御段階の設定方法について説明する。上述のように、どの容量制御段階から隣の容量制御段階に移行してもその容量変化率が一定になるように容量制御段階を設定する。今、容量制御段階の数をN段階、最大容量をQmax[kW]、最小容量をQmin[kW](停止状態を除く)とすると、各段階の変化率が一定になるための容量変化率rは、式(9)により求められる。
rN−1 =Qmax/Qmin ・・・・・・・・・・・・・・・・(9)
即ち、最大容量と最小容量の比のN−1乗根が容量変化率rとなる。従って、容量制御段階1はQmin、2はQmin×r、3はQmin×r2 、・・・、容量制御段階NはQmin×rN =Qmaxとなる。
例えば、図11を例に挙げると、Qmax=8[kW]、Qmin=1[kW]で容量制御段階はN=7であるので、容量制御変化率r=(8/1)1/6 =1.414となる。従って、もし、どのような容量制御段階でも設定可能であれば、容量制御段階1は1[kW]、2は1.414[kW]、3は2.0[kW]、4は2.828[kW]、5は4.0[kW]、6は5.656[kW]、7は8.0[kW]となる。
【0102】
実際には、熱源側冷媒サイクルが2系統あり、どちらも同等の容量制御段階3段階で実現するのは困難であるため、1台あたりの容量変化率が一定になるように、Qmax=4[kW]、Qmin=1[kW]、N=3として、r=(4/1)1/2 =2とする。即ち、1台あたり、容量段階1は1[kW]、2は2[kW]、3は4[kW]として、2台を組合せ、それぞれの熱源側冷媒サイクルの運転が連続するように設定する。ここで、熱源側冷媒サイクルの運転が連続するようにとは、例えば、図11で、2台の合計容量制御段階4は冷房能力4[kW]であるが、これを実現する組み合わせは、1台で容量制御段階3で運転する場合と、容量制御段階2で2台運転する場合とが考えられる。ところが、前者であると、合計容量制御段階3および5が熱源側冷媒サイクル2台運転であるため、合計容量制御段階3から4に、またさらに4から5に移行した時に短時間に熱源側冷媒サイクルの1台が運転から停止、そして再び運転ということになってシステム全体の安定性が損なわれ、また、熱源側冷媒サイクルの再起動停止時間(例えば3分)が設定されているため再起動に時間がかかり、ひいては空調室内の快適性が損なわれることが懸念されるため、後者を採用する方がよい。
このように合計容量の段階を変化させる際に、その変化が合計容量の段階を増加させる場合、複数系統の熱源側冷媒サイクルのうちの現行で運転している熱源側冷媒サイクルは運転状態のままで前記合計容量を増加させるように制御する。一方、変化が合計容量の段階を減少させる場合、複数系統の熱源側冷媒サイクルのうちの現行で停止している熱源側冷媒サイクルは停止状態のままで合計容量を減少させるように制御する。これにより合計容量の段階を変化させる際に、複数系統の熱源側冷媒サイクルのうちで運転/停止の状態変化する熱源側冷媒サイクルの数を最小にでき、システム全体の安定性を向上することができ、空調室内の快適性を維持した状態で負荷の変化に対応できる。
【0103】
このように、複数の熱源側冷媒サイクルを備えた冷凍空調装置においての容量制御方法は、熱源側冷媒サイクルの合計容量の変化幅が、合計容量が増加するにつれて大きくなるように設定しているので、比較的大きな負荷の大きな変動にも、比較的小さな負荷の小さな変動にもハンチングを抑えながら追従することができ、利用側冷媒の温度安定性が向上し、空調室内の快適性が向上する。
もちろん、熱源側冷媒サイクルが1台の装置の場合にも、次の段階への容量(能力)の変化率がほぼ一定になるように設定する、即ち容量変化幅を容量が増加するにつれて大きくなるように設定すると、どのような負荷の変動にもハンチングを抑えながら追従することができ、利用側冷媒の温度が安定した状態で冷房または暖房運転を行なうことができる。
【0104】
なお、本実施の形態では、熱源側冷媒サイクルが2台の例を示したが、熱源側冷媒サイクルは3台以上あっても構わない。複数の熱源側冷媒サイクルで構成すると、その1つの熱源側冷媒サイクルは小容量のものでよく、これに標準の蒸気圧縮式の冷凍サイクルを用いると、低価格で冷凍空調装置を構成できる。また、複数の熱源側冷媒サイクルのすべてを本実施の形態のように並列に接続すると、それぞれを独立して制御できるので望ましいが、その一部または全てが直列に接続されていてもよい。直列に接続されている場合は、上流側の冷媒サイクルで加熱または冷却された利用側冷媒を下流側の冷媒サイクルで更に加熱または冷却することになり、下流側冷媒サイクルの効率が多少悪化するが、利用側冷媒の接続に分岐がなく単純になり安価な冷凍空調装置が得られる。
【0105】
なお、上記で述べた複数または1台の熱源側冷媒サイクルを有する冷凍空調装置における容量制御は、除霜運転時の利用側冷媒の温度低下を低減するために冷媒貯留タンク20を設けていない冷凍空調装置にも適用することができる。ただし、冷媒貯留タンク20を設ければ、さらに利用側冷媒の温度を安定させることができるのは言うまでもない。
【0106】
実施の形態3.
以下、本発明の実施の形態3による冷凍空調装置として、例えば冷却運転で室内を冷房し、加熱運転で室内を暖房する冷暖房装置について説明し、冷却運転を冷房運転、加熱運転を暖房運転として記す。図12は本実施の形態による冷暖房装置を示す構成図である。図において、熱源側冷媒サイクルは、第1の圧縮機11a、第1の流路切換弁12a、第1の熱源側熱交換器13a、第1の冷媒流量制御弁14a、第1のレシーバ15a、第1補助熱交換器16aを連接してなる第1の熱源側冷媒サイクルと、第2の圧縮機11b、第2の流路切換弁12b、第2の熱源側熱交換器13b、第2の冷媒流量制御弁14b、第2のレシーバ15b、第3補助熱交換器16bを連接してなる第2の熱源側冷媒サイクルとから成っている。これら第1および第2の熱源側冷媒サイクルの容量(定格能力)の合計は、1系統で構成した熱源側冷媒サイクルである実施の形態1の熱源側冷媒サイクルの容量(定格能力)と同一である。
【0107】
一方、利用側冷媒サイクルは、第1の冷媒搬送装置21、接続配管i、接続配管j,k、利用側冷媒流量制御弁23a,23b、利用側熱交換器22a,22b、接続配管j’,k’、接続配管i’、冷媒貯留タンク20を連接して成る第1の利用側冷媒サイクルと、第2の冷媒搬送装置25、第2補助熱交換器19a、第4補助熱交換器19b、冷媒貯留タンク20を連接して成る第2の利用側冷媒サイクルとから構成されている。接続配管k、利用側冷媒流量制御弁23b、利用側熱交換器22b、および接続配管k’は実施の形態1と同様、接続配管j、利用側冷媒流量制御弁23a、利用側熱交換器22a、および接続配管j’に並列に接続されている。また、第2補助熱交換器19aと第4補助熱交換器19bとは実施の形態2と同様、並列に接続されており、これらはそれぞれ第1補助熱交換器16aおよび第3補助熱交換器16bと熱交換するよう一体に形成されている。
第2の利用側冷媒サイクルでは、利用側冷媒を循環させて第2,第4補助熱交換器19a,19bでそれぞれ、第1,第3補助熱交換器16a,16bと熱交換し、冷媒貯留タンク20に熱を蓄える熱輸送サイクルを構成している。
【0108】
さらに、圧縮機11a、流路切換弁12a、第1の熱源側熱交換器13a、第1の冷媒流量制御弁14aは第1の室外ユニットeに収納されており、圧縮機11b、流路切換弁12b、第1の熱源側熱交換器13b、第1の冷媒流量制御弁14bは第2の室外ユニットe’に収納されている。これらは、家庭用エアコンなどの標準室外機を利用している。さらにまた、第1の冷媒搬送装置21、第2の冷媒搬送装置25、一体となった第1補助熱交換器16aおよび第2補助熱交換器19a、一体となった第3補助熱交換器16bおよび第4補助熱交換器19b、冷媒貯留タンク20、第1、第2のレシーバ15a、15bは熱交換ユニットdに収納されている。
【0109】
第1の熱源側冷媒サイクルは、第1の室外ユニットe内の流路切換弁12aの第4口と熱交換ユニットd内の第1補助熱交換器16aの一端側との間、および第1の室外ユニットe内の冷媒流量制御弁14aと熱交換ユニットd内の第1補助熱交換器16aの他端側に接続されている第1のレシーバ15aとの間を、それぞれ接続配管m’およびmで接続して構成されている。同様に第2の熱源側冷媒サイクルは、第2の室外ユニットe’内の流路切換弁12bの第4口と熱交換ユニットd内の第3補助熱交換器16bの一端側との間、および第2の室外ユニットe’内の冷媒流量制御弁14bと熱交換ユニットd内の第3補助熱交換器16bの他端側に接続されている第2のレシーバ15bとの間を、それぞれ接続配管n’およびnで接続して構成されている。
【0110】
冷媒貯留タンク20は、その内部で最上部から縦方向に仕切り27で左右2槽に分割されている。仕切り27は、冷媒貯留タンク20の底面の直上またはそれより上部でその一部が開口していて左右2槽の利用側冷媒30が連通するようになっている。さらに、冷媒貯留タンク20の上部は大気に開放されており、利用側冷媒30の体積膨張を吸収する。またさらに、接続配管sは、冷媒貯留タンク20の左槽の底部の流出口にその一端が開口しており、その他端は冷媒搬送装置21の吸入口に接続されている。また、接続配管tは、冷媒貯留タンク20の右槽の底部の流出口にその一端が開口しており、その他端は冷媒搬送装置25の吸入口に接続されている。また、接続配管rは、冷媒貯留タンク20の左槽の側面上部の流入口にその一端が開口しており、その他端は第2,第4補助熱交換器19a,19bの出口側に接続されている。また、接続配管i’は、冷媒貯留タンク20の右槽の側面上部の流入口を通って、冷媒貯留タンク内に設定されているフィルタ26の内部にその一端が開口しており、その他端は接続配管j’,k’の出口側に接続されている。すべての接続配管r,s,t,およびi’は、冷媒貯留タンク20内の利用側冷媒30の喫水面下に開口している。
【0111】
つぎに、動作について説明する。
冷房運転時は第1、第2の熱源側冷媒サイクルとも図中実線の冷媒サイクルとなる。また、暖房運転時は第1、第2の熱源側冷媒サイクルとも図中破線の冷媒サイクルとなる。熱源側冷媒サイクルの動作は、冷房運転時、暖房運転時とも実施の形態1と同様であるので割愛する。
【0112】
第2の利用側冷媒サイクルにおいて、冷媒貯留タンク20の右側の槽の底部から流出した利用側冷媒30は、接続配管tを通り第2の冷媒搬送装置25によって第2補助熱交換器19aおよび第4補助熱交換器19bに分岐して送り込まれる。第2補助熱交換器19aおよび第4補助熱交換器19bに送り込まれた利用側冷媒30は、第1補助熱交換器16aおよび第3補助熱交換器16bを通して、第1および第2の熱源側冷媒サイクルによって外気へ放熱すると同時に自らは冷却され、接続配管rで合流した後冷媒貯留タンク20の左側の槽に戻る。暖房運転の場合も動作は同様であるため割愛する。
この第2の利用側冷媒サイクルによって、第1および第2の熱源側冷媒サイクルで発生する温熱または冷熱が、冷媒貯留タンク20に輸送されてここで蓄熱される。
【0113】
一方、第1の利用側冷媒サイクルでは、冷媒貯留タンク20の左側の槽の底部から流出した利用側冷媒30は、接続配管sを通り第1の冷媒搬送装置21によって接続配管iおよびj,kを通って利用側熱交換器22a,22bへ送られる。利用側熱交換器22a,22bで室内送風機24a,24bによって送り込まれた室内空気と熱交換して、冷房運転の場合には室内を冷房すると同時に自らは加熱され、暖房運転の場合には室内を暖房すると同時に自らは冷却される。この後、接続配管j’,k’およびi’を通って冷媒貯留タンク20の右側の槽に戻ってくる。
このように、第1の利用側冷媒サイクルでは、利用側冷媒30を循環することにより、冷媒貯留タンク20に蓄えられている温熱または冷熱を熱交換器22a,22bで負荷に利用している。
このとき、室内送風機24a,24bの風量は、居住者が設定する室内空気温度の目標設定値と、温度センサ35a,35bで検出されるそれぞれの室内空気の実際の温度との温度差に応じて数段階または連続的に変化するように設定する。
【0114】
本実施の形態では、利用側冷媒サイクルとして、室内ユニットg,hを循環する第1の利用側冷媒ユニットと熱輸送を行う第2の利用側冷媒サイクルで構成されている。第1の利用側冷媒サイクルを流れる冷媒の循環量は、室内ユニットg,hの運転/停止に応じて利用側冷媒流量制御弁23a,23bが開閉することにより変化する。ところが第2の利用側冷媒サイクルを流れる冷媒の循環は、第1の利用側冷媒サイクルを流れる冷媒の循環とは独立しており、第1の利用側冷媒サイクルの冷媒循環量が変化しても、第2の冷媒搬送装置25によってほぼ一定に保たれる。従って、熱源側冷媒サイクルの運転状態が安定しやすい上に、第2、第4補助熱交換器19a,19bの出口温度、ひいては、利用側熱交換器22a,22bに流入する冷媒の温度も安定しやすいため、室内空調空間の温度制御が安定しやすく快適性を維持しやすい。
【0115】
また、利用側熱交換器へ冷媒を搬送する冷媒搬送装置21と、第2,第4補助熱交換器19a,19bへ冷媒を搬送する冷媒搬送装置25とを有し、それぞれの流量が個別に制御できる構成となっている。このため、例えば、暖房運転中に熱源側冷媒サイクルが除霜運転を開始し、利用側冷媒の温度が下がってきたら冷媒搬送装置21を止めて低温の冷媒が利用側熱交換器に流入しないようにすることができる。そして第1の利用側冷媒サイクルの運転はそのまま維持でき、室内快適性を維持しやすい。特に、熱源側冷媒サイクルは通常、一度停止した後一定時間を経過しないと再び起動しないような制御がされているので、そのような場合には、冷媒搬送装置25を停止したまま冷媒搬送装置21を運転することにより、冷媒貯留タンク20の蓄熱分で室内を所定時間の間、空調することができる。
【0116】
ここで、フィルタ26は、例えば円筒状に成形されており、その底面も網目状に構成されている。円筒側面と底面の網目の粗さは均一が望ましいが、ある程度以上細かければ、底面の方が側面より粗くても、また、逆に側面の方が底面より粗くてもよい。フィルタ26は利用側冷媒30の注ぎ口も兼ねており、その上面は蓋になっていて、本実施の形態による冷凍空調装置が設置されてから運用されるまでの間に利用側冷媒30を充填する時に蓋を開け、円筒状のフィルタ上面からその内部へ利用側冷媒30を注ぎ込む。このとき、フィルタ26は、冷媒30が注ぎ込まれるのと同時に冷媒貯留タンク20内に混入する混入物であるごみ、ちり等が利用側冷媒サイクル内に混入するのを防ぐ。さらに接続配管i’がフィルタ26の内部に接続されており、利用側冷媒の循環と共に、利用側冷媒サイクル内の配管、熱交換器等の腐食、摩耗等によるごみ、ちり等の混入物を集めることにより、利用側冷媒サイクルから取り除くことを可能としている。利用側冷媒サイクル内に異物が混入して利用側冷媒サイクル内を循環すると、冷媒搬送装置25,21の故障や、第2,第4補助熱交換器19a,19bおよび利用側熱交換器22a,22bの詰まりや、伝熱性能の低下などを招いて、システム全体の信頼性が低下することになる。フィルタ26を設けることにより、これらの不都合が発生するのを防ぎ、信頼性を向上できる効果がある。
【0117】
なお、フィルタ26の設置場所は、冷媒貯留タンク20に限らず、利用側冷媒サイクルの配管のどこかに1つ設けてあれば、そのフィルタ26を循環する際に混入物が集められ、それよりも下流側にごみ等が循環していくことを防ぐ。特に第2,第4の補助熱交換器19a,19bの入口の上流側配管に設けておくと、混入物が第2,第4の補助熱交換器19a,19bに流れ込むのを防ぐことができる。
また、冷媒貯留タンク20内にフィルタ26を設けると、前記のように冷媒貯留タンク20は冷媒を注ぎ込むために開口を設けているので、フィルタ26を交換したり、集まった混入物を取り除くことが容易となり、管理しやすい。
また、冷媒貯留タンク20内において、少なくともどちらか一方の流入口から流出口へ至る利用側冷媒の流れの途中に設けられていればよく、例えば流出口近傍に設けられていてもよい。ただし、図12のように冷媒貯留タンク20の上方に設けるとフィルタ26に引っかかったちりやごみなどを容易に取り除くことができ、またフィルタ26を交換したり洗浄する際にも扱いやすい。
【0118】
冷媒貯留タンク20は、その一部が連通した仕切り27によって左右2槽に分割されている。その分割された一方の槽例えば右槽には利用側熱交換器22a,22bからの利用側冷媒が流入する開口が設けられ、他方の槽例えば左槽には利用側熱交換器22a,22bへの利用側冷媒が流出する開口が設けられている。さらに、利用側熱交換器22a,22bからの利用側冷媒が流入する開口が設けられた右槽には、第2,第4補助熱交換器19a,19bへの利用側冷媒が流出する開口が設けられ、利用側熱交換器22a,22bへの利用側冷媒が流出する開口が設けられている左槽には第2,第4補助熱交換器19a,19bからの利用側冷媒が流入する開口が設けられている。本実施の形態では冷媒貯留タンク20の上方に2つの流入口となる開口、底部に2つの流出口となる開口が配設されている。
更に詳しくは、接続配管rが冷媒貯留タンク20の左槽の上部喫水面下に、接続配管sが冷媒貯留タンク20の左槽の底面に、接続配管tが冷媒貯留タンク20の右槽底面に、接続配管i’が冷媒貯留タンク20の右槽の上部喫水面下で、かつ、フィルタ26の内部に、それぞれ開口している。
【0119】
この構成において、例えば暖房運転時に、第2の利用側冷媒サイクルでは、第2,第4補助熱交換器19a,19bから流出した50[℃]程度の高温の利用側冷媒が左槽の上部から流入し、冷媒貯留タンク20内の利用側冷媒30が右槽底面から流出する。このため、高温で比重の小さい冷媒が左槽の上部から溜まりはじめ、時間と共に下部まで高温の冷媒が左槽に溜まる。このように、左槽は内部の冷媒が混合されることなく上下に温度成層を形成し、高温の領域を時間と共に広げながら蓄熱することができる。このとき、第2,第4補助熱交換器19a,19bへ冷媒を送り出す第2の冷媒搬送装置25の吸い込み口が接続されている接続配管tの入口温度はほとんど上昇せず、第2の利用側冷媒サイクルで冷媒貯留タンク20内の低温の冷媒を取り出して熱交換するので、熱源側冷媒サイクルを効率よく運転できると共に、冷媒貯留タンク20の左槽で十分に蓄熱することができる。また、第1の利用側冷媒サイクルでは、高温の冷媒を左槽底部から循環させて利用側熱交換器22a,22bで利用しており、特に、冬期の暖房立ち上げが瞬時に行えるという効果がある。
また、冷房時においても、冷媒貯留タンク20内左槽の冷媒を右槽の冷媒よりも比較的低温に保つことができるので、夏期の冷房立ち上げを迅速に行えるという効果がある。
【0120】
さらに、冷媒貯留タンク20と第1,第2の利用側冷媒サイクルとの接続は、暖房運転時には図12のように構成しておき、冷房運転時に上下が逆になるように切換えてもよい。即ち、第2の利用側冷媒サイクルの接続配管rを冷媒貯留タンク20の左側の槽の底部に接続し、第2,第4補助熱交換器19a,19bで熱交換した後の低温の利用側冷媒30を下方から流入させる。そして、冷媒貯留タンク20の左側の槽の上方から接続配管sを通って第1の利用側冷媒サイクルへ流出させる。また、第1の利用側冷媒サイクルの接続配管i’を冷媒貯留タンク20の右側の槽の底部に接続し、利用側熱交換器22a,22bから流出した利用側冷媒30を冷媒貯留タンク20の右側の槽の底部に流入させる。また、冷媒貯留タンク20の右側の槽の上方から接続配管tを通って第2の利用側冷媒サイクルへ流出させる。
【0121】
このように、流入口と流出口を上下で切換えると、冷房運転時に、第2の利用側冷媒サイクルでは、第2,第4補助熱交換器19a,19bから流出した例えば7[℃]程度の低温の冷媒が左槽の底部に流入し、冷媒貯留タンク20内の利用側冷媒30が右槽上部から流出する。このため、低温で比重の大きい冷媒が左槽の底部から溜まりはじめ、時間と共に上部まで低温の冷媒が左槽に溜まる。このように、左槽は内部の冷媒が混合されることなく上下に温度成層を形成し、低温の領域を時間と共に広げながら蓄熱することができる。このとき、第2,第4補助熱交換器19a,19bへ冷媒を送り出す第2の冷媒搬送装置25の吸い込み口が接続されている右槽上方の冷媒の温度はほとんど変動せず、第2の利用側冷媒サイクルで冷媒貯留タンク20内の高温の冷媒を取り出して熱交換するので、熱源側冷媒サイクルを効率よく運転できると共に、冷媒貯留タンク20の左槽で十分に蓄熱することができる。また、第1の利用側冷媒サイクルでは、低温の冷媒を左槽上部から循環させて利用側熱交換器22a,22bで利用しており、特に、夏期の冷房立ち上げが瞬時に行えるという効果がある。
このように冷媒貯留タンク20の流入口と流出口を切換えるような構成にした時には、フィルタ26は上方から下方の底部にまで伸ばし、暖房および冷房の両方において、第1の利用側冷媒サイクルの冷媒配管i’からの流入口に配置する。
【0122】
またこの流入口と流出口を切換えるには、例えば左槽の場合、接続配管rと接続配管sとの間を接続する2本の接続配管を互いに交わらずに交差するような状態で設け、2本の配管のそれぞれに冷媒流路を切換える開閉弁を備え、さらに接続配管rと接続配管sにおいて、それぞれ2本の配管への分岐箇所の間に開閉弁を備えるように構成すればよい。そして、暖房運転の時には接続配管s,tに設けた開閉弁を開とし、2本の配管に設けた開閉弁を共に閉とすれば、図12の構成と同様になる。また、冷房運転の時には接続配管s,tに設けた開閉弁を閉とし、2本の配管に設けた開閉弁を共に開とすれば、左槽において上方の開口が冷媒搬送装置21の吸い込み口に接続され、第2,第4補助熱交換器19a,19bの出口側が底部の開口に接続され、暖房運転時とは流出口と流入口を上下で逆にできる。
また、右槽の開口においても同様であり、接続配管tと接続配管i’にも同様に2本の接続配管と開閉弁を備えれば、流出口と流入口を上下で逆にできる。
ただし、流入口と流出口を暖房運転と冷房運転とで切換える手段はこれに限るものではなく、他の方法を用いてもよい。
【0123】
本実施の形態では、冷媒貯留タンク20内をその一部が連通した仕切り27で仕切ったので、通常の運転状態では、第1の冷媒搬送装置21と第2の冷媒搬送装置25の吐き出し冷媒循環量が異なり、この吐出し冷媒循環量の差によって連通部における冷媒の流れの向きが決まる。例えば、室内ユニットの多数が運転しており第1の冷媒搬送装置21の吐き出し冷媒循環量の方が第2の冷媒搬送装置25のそれよりも大きい時は、連通部を冷媒が左向きに流れる。また、逆に、室内ユニットの多数が停止しており第1の冷媒搬送装置21の吐き出し冷媒循環量の方が第2の冷媒搬送装置25のそれよりも小さい時は、連通部を冷媒が右向きに流れる。この中間の室内ユニットの運転/停止状態では、第1の冷媒搬送装置21の吐出し冷媒循環量と第2の冷媒搬送装置25の吐き出し冷媒循環量とがほぼ同一となる場合がある。このような場合、冷媒貯留タンク20内の仕切り27の連通部の冷媒流量はほとんど0となり、利用側冷媒サイクルは利用側熱交換器22a,22bと第2、第4の補助熱交換器19a,19bとが直結されたようになり、図6とほぼ同様な冷媒サイクルとなる。
なお、仕切り27の連通する位置は冷媒貯留タンク20の上下方向のどこでよい。図12にような流入口,流出口の配置の場合には、暖房時には下方で右槽と左槽を連通し、冷房時には上方で右槽と左槽を連通するように、仕切りを移動可能な構成にしてもよい。この仕切り27の移動は、例えば手動でもよいしモータや電磁弁によって連通部が移動するように構成してもよい。
【0124】
また、本実施の形態では、冷媒貯留タンク20内で仕切り27で仕切られてできた2槽は、第1の冷媒搬送装置21の吸い込み口への流出口が設けられた左槽の容積の方が、第2の冷媒搬送装置25の吸い込み口への流出口が設けられた右槽の容積より大きくなっている。このように構成すると、冷媒貯留タンク20内に暖房運転時はより低温の、冷房時にはより高温の利用側熱交換器22a,22bからの戻り冷媒が留まることなく、スムーズに第2,第4補助熱交換器19a,19bに流入するので、熱源側冷媒サイクルの効率を高く維持しやすいという効果がある。
【0125】
第1温度センサ31は、第2補助熱交換器19aおよび第4補助熱交換器19dの利用側冷媒出口側接合点と冷媒貯留タンク20との間を接続する接続配管rに設置されている。また、熱源側冷媒の温度を検出する配管温度センサ32a,32bは、第1,第2熱源側冷媒サイクルの熱源側熱交換器13a,13bの入口側に設けられている。33は利用側熱交換器22a,22bの入口側に設けた第2温度検出手段で、例えば第2温度センサ、34は外気温度検出手段で、例えば外気温度センサ、35a,35bは室内ユニットg,hに設けられた温度検出手段で、例えば空調室内の温度を検出する温度センサ、36は利用側熱交換器22a,22bの出口側に設けた第3温度検出手段で、例えば第3温度センサである。
熱源側冷媒サイクルの能力は第1温度センサ31の検出温度TH1が予め設定されている目標温度TMに近づくように制御される。例えば、冷房運転の場合、第1温度センサ31の検出温度TH1と目標温度TMとの温度差
ΔTH1=TH1−TM ・・・・・・・・・・・・・・・・・(10)
を制御装置41内部の演算部で算出し、この値を16進数等の温度差コードに変換して室外ユニットeおよびe’に送信する。室外ユニットeおよびe’は家庭用エアコン等の標準仕様で構成されていれば、熱交換ユニットdから送られてきた温度差コードを通常の室内ユニットから送られてくる室温設定値と実際の室内(吸い込み)空気温度との差から作られる温度差コードと同様に扱い、第1,第2の室外ユニットe,e’内に設置された制御装置42a、42bが圧縮機11a、11bおよび冷媒流量制御弁14a、14bを制御する。
【0126】
一方、暖房運転の場合も同様に、
ΔTH1=TM−TH1 ・・・・・・・・・・・・・・・・・(11)
を制御装置41内部の演算部で算出し、この値を16進数等の温度差コードに変換して室外ユニットeおよびe’に送信し、この値に従って制御装置42a、42bが圧縮機11a、11bおよび冷媒流量制御弁14a、14bを制御する。
【0127】
また、本実施の形態では、第1温度センサ31の検出温度の目標値は、冷房運転の場合、TM=7[℃]、暖房運転の場合、TM=50[℃]を基本とし、外気温度センサ34の検出温度によって変更する。例えば、冷房運転時、外気温度センサ34の検出値が25[℃]未満であれば、第1温度センサ31の検出温度の目標値TMを10[℃]とする。また、暖房運転時、外気温度センサ34の検出値が10[℃]以上であれば、第1温度センサ31の検出温度の目標値TMを45[℃]とする。このように、外気温度と空調室温設定値との差が小さい場合には、第1温度センサ31の目標値を空調室温設定値との差が小さくなる方向へ変更することによって、熱源側冷媒サイクルの過剰な運転が抑えられるので、効率的かつエネルギ消費の少ない冷凍空調装置を得ることができる。
【0128】
また、第1温度センサ31の目標温度TMは、外気温度センサ34の検出値のみではなく、室内ユニットの運転台数や各室内ユニットの空調設定温度、運転モードなどに応じて変更してもよい。例えば、室内ユニットが2台接続されていて、暖房運転時、1台は設定温度20[℃]、もう1台は設定温度24[℃]の時はTM=48[℃]、2台とも設定温度24[℃]であればTM=50[℃]、2台とも設定温度22[℃]であればTM=47[℃]、2台とも設定温度20[℃]であればTM=45[℃]などとする。また、冷房運転時、2台とも設定温度26[℃]であればTM=7[℃]、1台は設定温度26[℃]、もう1台はドライモードであればTM=9[℃]などとする。また、1台は設定温度26[℃]でもう1台は停止している場合はTM=8[℃]などとする。
さらに、接続配管i’に第3温度センサ36を設置して、この検出値に応じて第1温度センサ31の目標値を変更してもよい。例えば、冷房運転時に、第2温度センサ33の検出値が7[℃]で第3温度センサの検出値が13[℃]であれば、第1温度センサの目標値はTM=7[℃]のままとし、第2温度センサ33の検出値が7[℃]で第3温度センサの検出値が12[℃]となれば、第1温度センサの目標値はTM=8[℃]に変更する。
【0129】
本実施の形態では、第1,第2の室外ユニットe,e’は、標準仕様のヒートポンプの室外ユニットを使用でき、安価に冷凍空調装置を構成できるという利点がある。また、熱交換ユニットdを別体としないで、第1,第2の室外ユニットe,e’と一体の室外ユニットとして構成しても構わない。これらを一体で構成すれば、搬入および工事の手間が省け、工事費が節約されると共に、住宅の外観、美観も損なわないことは言うまでもない。
【0130】
また、利用側冷媒サイクルの配管において、利用側熱交換器への送り側配管(i,j,k)と利用側熱交換器からの戻り側配管(i’,j’,k’)とで配管径が異なっているとよい。このようにしておけば、配管接続工事の際、例えば、送り配管iから送り配管j,kへの分岐部分で、送り配管iが誤って戻り配管j’に接続されたりして利用側熱交換器に冷媒が循環せず空調できないといったトラブルを未然に防ぐことができる。さらに、利用側熱交換器22a,22bの出口側および利用側冷媒流量制御弁23a,23bの入口側の接続部もその内径または外径が異なっているとよい。また、配管の配管径を異なるようにする代わりに、配管を接続する継ぎ手の形や大きさを異なるように構成しても同様であり、配管接続工事などの際に接続間違いが起こるのを防ぐことができ、信頼性の高い冷凍空調装置が得られる。
【0131】
実施の形態4.
以下、本発明の実施の形態4による冷凍空調装置として、例えば冷却運転で室内を冷房し、加熱運転で室内を暖房する冷暖房装置について説明し、冷却運転を冷房運転、加熱運転を暖房運転として記す。図13は本実施の形態による冷暖房装置を示す構成図である。図において、熱源側冷媒サイクルは、第1の圧縮機11a、第1の流路切換弁12a、第1の熱源側熱交換器13a、第1の冷媒流量制御弁14a、第1のレシーバ15a、第1補助熱交換器16aを連接してなる第1の熱源側冷媒サイクルと、第2の圧縮機11b、第2の流路切換弁12b、第2の熱源側熱交換器13b、第2の冷媒流量制御弁14b、第2のレシーバ15b、第3補助熱交換器16bを連接してなる第2の熱源側冷媒サイクル、および第3の冷媒搬送装置28、加熱ボイラ29、第5の補助熱交換器16cを連接してなる第3の熱源側冷媒サイクルとから成っている。これら第1および第2の熱源側冷媒サイクルの容量(定格能力)の合計は、実施の形態1の熱源側冷媒サイクルの容量(定格能力)と同一になるよう設定されている。また、第3の熱源側冷媒サイクルは加熱専用であり、これ1台だけで必要な暖房能力が発揮される容量に設定されている。
【0132】
また、この加熱専用の第3の熱源側冷媒サイクルは、利用側冷媒サイクルの冷媒の流れの向きに対して、冷却/加熱用の冷媒サイクルである第1,第2の熱源側冷媒サイクルよりも上流側で、第1,第2の熱源側冷媒サイクルのそれぞれと直列に接続している。また、第3の熱源側冷媒サイクルを構成する加熱装置としては、例えば灯油やガスを燃焼させて温熱を得る加熱ボイラ29を用いており、暖房機能のみを有する。
【0133】
一方、利用側冷媒サイクルは、第1の冷媒搬送装置21、接続配管i、接続配管j,k、利用側冷媒流量制御弁23a,23b、利用側熱交換器22a,22b、接続配管j’,k’、接続配管i’、冷媒貯留タンク20を連接して成る第1の利用側冷媒サイクルと、第2の冷媒搬送装置25、第6補助熱交換器19c、第2補助熱交換器19a、第4補助熱交換器19b、冷媒貯留タンク20を連接して成る第2の利用側冷媒サイクルとから構成されている。接続配管k、利用側冷媒流量制御弁23b、利用側熱交換器22b、および接続配管k’は実施の形態1と同様、接続配管j、利用側冷媒流量制御弁23a、利用側熱交換器22a、および接続配管j’に並列に接続されている。また、第2補助熱交換器19aおよび第4補助熱交換器19bは実施の形態2および3と同様、並列に接続されており、これらはそれぞれ第1補助熱交換器16aおよび第2補助熱交換器16bと熱交換するよう一体に形成されている。また、第6補助熱交換器19cは、第2補助熱交換器19aおよび第4補助熱交換器19bと直列に接続されており、第5補助熱交換器16cと熱交換するように一体に形成されている。
【0134】
また、第1,第2の熱源側冷媒サイクルは、家庭用エアコンなどの標準的な冷媒サイクルを利用しているため、圧縮機11a、流路切換弁12a、第1の熱源側熱交換器13a、第1の冷媒流量制御弁14aは第1の室外ユニットeに収納されており、圧縮機11b、四方弁12b、第1の熱源側熱交換器13b、第1の冷媒流量制御弁14bは第2の室外ユニットe’に収納されている。さらに、第3の熱源側冷媒サイクルも、家庭用灯油ボイラ等の標準品を利用しており、第3の冷媒搬送装置28、加熱ボイラ29とが室外ユニットe’’に収納されている。さらにまた、第1の冷媒搬送装置21、第2の冷媒搬送装置25、一体となった第1補助熱交換器16aおよび第2補助熱交換器19a、一体となった第3補助熱交換器16bおよび第4補助熱交換器19b、一体となった第5補助熱交換器16cおよび第6補助熱交換器19c、冷媒貯留タンク20、レシーバ15a、15bは熱交換ユニットdに収納されている。
【0135】
第1の熱源側冷媒サイクルは、第1の室外ユニットeと熱交換ユニットdとの間で接続配管mおよびm’で接続されている。第2の熱源側冷媒サイクルは、第2の室外ユニットe’と熱交換ユニットdとの間で接続配管nおよびn’で接続されている。第3の熱源側冷媒サイクルは、第3の室外ユニットe’’と熱交換ユニットdとの間で接続配管oおよびo’で接続されている。また、冷媒貯留タンク20内にはフィルタ26が設置されており、接続配管i’の一端が該フィルタ26の内部に開口して接続されている。冷媒貯留タンク20は、その内部で最上部から縦方向に仕切り27で左右2槽に分割されており、仕切り27の下部でその一部が開口していて左右2槽の利用側冷媒30が連通している。さらに、冷媒貯留タンク20の上部は大気に開放されており、冷媒貯留タンク20に接続されているすべての接続配管は、冷媒貯留タンク20内の利用側冷媒30の喫水面下に開口している。
【0136】
つぎに、動作について説明する。
冷房運転時は、第1、第2の熱源側冷媒サイクルを運転し、第3の熱源側冷媒サイクルは停止する。この冷房運転時は第1、第2の熱源側冷媒サイクルとも図中実線の冷媒サイクルとなる。冷房運転時の第1、第2の熱源側冷媒サイクルの動作は実施の形態1と同様であるので割愛する。
一方、利用側冷媒サイクルでは、冷媒貯留タンク20の左側の槽の底部から流出した比較的低温の利用側冷媒30は、第1の冷媒搬送装置21によって接続配管iおよびj、kを通って利用側熱交換器22a,22bへ送られ、室内空気を冷房すると同時に自らは加熱されて、接続配管j’,k’およびi’を通って冷媒貯留タンク20の右側の槽に戻る。また、一方、冷媒貯留タンク20の右側の槽の底部から流出した比較的高温の利用側冷媒30は、第2の冷媒搬送装置25によって第6補助熱交換器19c通過して第2補助熱交換器19aおよび第4補助熱交換器19bに分岐して送り込まれる。第2補助熱交換器19aおよび第4補助熱交換器19bに送り込まれた冷媒30は、第1補助熱交換器16aおよび第3補助熱交換器16bを通して、第1および第2の熱源側冷媒サイクルによって外気へ放熱すると同時に自らは冷却され、合流した後冷媒貯留タンク20の左側の槽の上部に戻る。
【0137】
暖房運転時は、第1、第2の熱源側冷媒サイクルを停止し、第3の熱源側冷媒サイクルのみ運転する。暖房運転時には、第3の冷媒搬送装置28によって送り出された第3の熱源側冷媒は、灯油、ガス等を燃焼して得られる熱を加熱ボイラ29で奪うと同時に自らは加熱されて、第5補助熱交換器16cに流入する。ここで、第6補助熱交換器19cを流れる利用側冷媒30に放熱すると共に自らは冷却されて、再び第3の冷媒搬送装置28に流入する。第3の熱源側冷媒サイクルを循環する冷媒には、例えば水、若しくはエチレングリコール、プロピレングリコールおよびD−ソルビトールなどの溶媒のうちの少なくとも1つまたは複数を重量比で数十%以下含んだ水溶液を用いる。
【0138】
一方、利用側冷媒サイクルでは、冷媒貯留タンク20の左側の槽の底部から流出した比較的高温の利用側冷媒30は、第1の冷媒搬送装置21によって接続配管iおよびj、kを通って利用側熱交換器22a,22bへ送られ、室内空気を暖房すると同時に自らは冷却されて、接続配管j’,k’およびi’を通って冷媒貯留タンク20の右側の槽の上部に戻ってくる。また、一方、冷媒貯留タンク20の右側の槽の底部から流出した比較的低温の利用側冷媒30は、第2の冷媒搬送装置25によって第6補助熱交換器19cに流入する。ここで、一体として形成された第5補助熱交換器16cを通して第3の熱源側冷媒サイクル内を循環する第3の冷媒から熱を奪う。これと同時に自らは加熱されたのち、第2補助熱交換器19aおよび第4補助熱交換器19bに分岐して送り込まれる。第2補助熱交換器19aおよび第4補助熱交換器19bに送り込まれた冷媒30は、そのまま通過して合流した後冷媒貯留タンク20の左側の槽の上部に戻る。
【0139】
以上のように、本実施の形態によれば第1、第2の熱源側冷媒サイクルに直列に第3の熱源側冷媒サイクルを追加し、第1、第2の熱源側冷媒サイクルは冷房運転のみ、第3の熱源側冷媒サイクルは暖房運転のみに使用されるように構成したため、特に、冬期の外気温度が氷点下になる地方で運用され、第1、第2の熱源側冷媒サイクルであるヒートポンプでは暖房能力不足となる場合でも、暖房能力を確保しやすいという効果がある。
また、第1、第2の熱源側冷媒サイクルは冷房運転のみにしか使用しないので、除霜運転を行う必要がなく、除霜運転による利用側冷媒の温度低下も起こらない。このため、利用側冷媒の温度を加熱利用に適した温度に維持できる。
また、電気入力による第1、第2の熱源側冷媒サイクルの運用費と灯油入力による第3の熱源側冷媒サイクルの運用費とでは、同一暖房能力で比較した場合、一般的に前者の方が割高であるため、本実施の形態によれば、暖房能力は運用費が安価な第3の熱源側冷媒サイクルのみで賄うことによって、使用者が支払う空調運用費を安価に抑えられるという効果がある。
【0140】
また、図14に示すように、第3の熱源側冷媒サイクルにおいて第5補助熱交換器16cをバイパスするバイパス回路uと、第2の利用側冷媒サイクルにおいて第6補助熱交換器19cをバイパスするバイパス回路vを設けてもよい。
このバイパス回路u,vを設けたことによって、第3の熱源側冷媒サイクルを循環する熱源側冷媒の一部をバイパス回路uに流通させると共に第2の利用側冷媒サイクルを循環する利用側冷媒の一部をバイパス回路vに流通させる。このため、圧力損失を低減でき、第3の冷媒搬送装置28を小型のもので構成できる。また、バイパス回路vを設け、加熱ボイラ29の設定温度を例えば55[℃]から70[℃]に上げれば、第5,第6補助熱交換器16c,19cを小型のもので構成できる。
【0141】
なお、本実施の形態では、ヒートポンプである第1および第2の熱源側冷媒サイクルは2台が並列に接続されている例を示したが、これらヒートポンプである冷媒サイクルが3台以上あって並列に接続されていてもよいし、1台しか接続されていなくてもよい。
また、第1および第2の熱源側冷媒サイクルは必ずしもヒートポンプである必要もなく、冷却専用の冷媒サイクルであってもよい。冷却専用の冷媒サイクルをで構成すればさらに安価な冷凍空調装置が得られる。
【0142】
さらに、第1、第2の熱源側冷媒サイクルは、ヒートポンプでなく臭化リチウム−水系やアンモニア−水系等の吸収式冷凍機、吸収式冷温水機や吸着式冷温水機でもよい。
また、第3の熱源側冷媒サイクルは、灯油やガスを燃焼させる加熱ボイラではなく電気ヒータを第6補助熱交換器19cに巻きつけて、あるいは接触させて代用してもよい。もちろん、第3の熱源側冷媒サイクルは、ヒートポンプや吸収式あるいは吸着式冷温水機など、加熱機能を発揮するものであれば何でもよい。また、第3の熱源側冷媒サイクルは必ずしも1系統である必要はなく、灯油ボイラ、ガスボイラ、電気ヒータなどを併用して2系統以上並列または直列に接続してもよい。
【0143】
実施の形態5.
図15は実施の形態5による冷凍空調装置として例えば冷暖房装置を示す構成図である。実施の形態4では、第1、第2の熱源側冷媒サイクルは冬期の暖房運転には利用せず、すべての暖房負荷を第3の熱源側冷媒サイクルで賄うようにした。これでは、第1、第2の熱源側冷媒サイクルでも暖房運転できる設備を備えていながら使用しないという無駄が生じる。そこで、本実施の形態では、図15に示すように、第6補助熱交換器19cを第2,第4補助熱交換器19a,19bの下流側に設置し、動作保障する外気温度の下限で必要となる暖房負荷に対して第1および第2の熱源側冷媒サイクルの能力で不足する能力分を賄うだけの設備を第3の熱源側冷媒サイクルに持たせる。このように構成した上で、第1および第2の熱源側冷媒サイクルで例えば50[℃]程度に加熱した利用側冷媒を、さらに第5,第6補助熱交換器16c,19cを通して第3の熱源側冷媒サイクルで例えば80[℃]程度に加熱することにより、必要な能力を確保する。
【0144】
本実施の形態では、以上のように加熱専用の第3の熱源側冷媒サイクルと、冷却/加熱併用の第1および第2の熱源側冷媒サイクルとを利用側冷媒サイクルに対して直列に接続して構成している。そして、利用側冷媒サイクルに対して、冷却/加熱併用の第1および第2の熱源側冷媒サイクルの下流側に加熱専用の第3の熱源側冷媒サイクルを接続している。ここで、冷却/加熱併用の第1および第2の熱源側冷媒サイクルは、蒸気圧縮式冷凍サイクルで構成するものとし、その冷房機能と暖房機能を共に利用するものである。このため設備の無駄を省きながら低外気温度での暖房性能を十分確保することができると共に、第3の熱源側冷媒サイクルである加熱ボイラ29に比べてエネルギ効率が高い第1、第2の熱源側冷媒サイクルであるヒートポンプの運転時間が増加する。さらに、第1,第2の熱源側冷媒サイクルは第1,第3補助熱交換器16a,16bを通して外気からの吸熱を比較的温度の低い利用側冷媒に放熱するので、効率よく運転することができ、石油資源の有効利用、二酸化炭素の排出抑制など、地球環境の保全にも役立つ。
【0145】
実施の形態5では、通常の暖房運転時には、第1および第2の熱源側冷媒サイクルで不足する能力を賄うために第3の熱源側冷媒サイクルを運転するように構成している。ところが、特に外気温度が低くなって、第1、第2の熱源側冷媒サイクルの発電端効率も含めて考えた一次エネルギに対する効率が加熱ボイラ29より低くなる場合は、第1、第2の熱源側冷媒サイクルを停止して、第3の熱源側冷媒サイクルである加熱ボイラ29のみを運転するようにしてもよい。この場合は、第3の熱源側冷媒サイクルだけで必要な暖房負荷を賄うだけの設備容量が必要であることは言うまでもない。また、逆に、特に外気温度が高い時に暖房要求がある場合に、第1、第2の熱源側冷媒サイクルであるヒートポンプの方が第3の熱源側冷媒サイクルである加熱ボイラ29よりも一次エネルギに対する効率が高くなる場合は、第3の熱源側冷媒サイクルである加熱ボイラ29を停止して、第1、第2の熱源側冷媒サイクルであるヒートポンプのみで暖房運転するとよい。外気温度は熱交換ユニット内に設置されている外気温度センサ34によって検出できる。
本実施の形態の構成では、利用状況に応じて様々のパターンで第1、第2、第3の熱源側冷媒サイクルを運転でき、機器を有効利用でき、エネルギの低減を図ることができる。
【0146】
また、暖房運転時、第1、第2の熱源側冷媒サイクルのうちいずれか一方または両方が除霜運転時入った場合、加熱専用の第3の冷媒サイクルと冷却/加熱併用の第1、第2の冷媒サイクルのうちの少なくとも1系統の冷媒サイクルは暖房運転を継続するように制御することにより、除霜運転時の空調室内の温度を維持でき、快適性を維持しやすい冷凍空調装置を得ることができる。この制御は、例えば制御装置41で行う。
【0147】
また、暖房運転時、第1、第2の熱源側冷媒サイクルのうちいずれか一方または両方が除霜運転時入った場合、制御装置41は、第1温度センサ31の検出温度が目標値に近づくように第3の熱源側冷媒サイクルの能力を増大させるよう制御信号を制御装置42cに送るように制御することもできる。このように、第1または第2熱源側冷媒サイクルの除霜運転時に、暖房運転を行う第3の熱源側冷媒サイクルの能力を増加して暖房運転させると、利用側冷媒の温度低下が小さくなるように自動的制御され、室内の快適性の向上を図ることができる。
なお、除霜運転中に暖房能力を増加して運転させる冷媒サイクルは、加熱専用の第3の冷媒サイクルに限るものではなく、冷却/加熱併用の第1、第2の冷媒サイクルが暖房運転中の場合にはその冷媒サイクルの能力を増加して暖房運転を継続するように制御すればよい。
【0148】
また、暖房運転時、第1、第2の熱源側冷媒サイクルのうちいずれか一方または両方が除霜運転開始条件を満たした場合、制御装置41は、第3の熱源側冷媒サイクルの能力を増大させるよう、例えば最大能力で運転するように制御信号を制御装置42cに送るように制御すると、さらに利用側冷媒の温度低下が小さくなるように自動的制御され、室内の快適性の向上を図ることができる。
また、この場合にも、暖房能力を増加して運転させる冷媒サイクルは、加熱専用の第3の冷媒サイクルに限るものではなく、冷却/加熱併用の第1、第2の冷媒サイクルが暖房運転中の場合にはその冷媒サイクルの能力を増加して暖房運転を継続するように制御すればよい。
【0149】
また、特に第1の熱源側冷媒サイクル、第2の熱源側冷媒サイクル、第3の熱源側冷媒サイクルの容量制御が運転/停止のみしか選択できない場合は、図16に示すように、第1温度センサ31の検出値TH1が目標温度TMに近づくように、第1、第2、第3の熱源側冷媒サイクルを順次運転するようにしてもよい。第1温度センサ31の目標温度TMに上限TMH、下限TMLを設定し、第1温度センサ31の検出温度TH1がTMHとTMLの間に収まるように第1、第2、第3の熱源側冷媒サイクルを運転/停止する。図16において、横軸は第1温度センサ31の検出温度TH1、縦軸は第1、第2、第3の熱源側冷媒サイクルの運転/停止を表す。例えばTMH1=51[℃]、TMH2=50[℃]、TMH3=49[℃]、TML1=49[℃]、TML2=48[℃]、TML3=47[℃]として、検出温度TH1がTML1から順に下がってくると、熱源側冷媒サイクルを1系統づつ追加運転する。一方、検出温度TH1がTMH3から順に上がってくると、熱源側冷媒サイクルを1系統づつ停止する。例えば第1の熱源側冷媒サイクルが運転の時でTML1<TH1<TMH1の間は変更しない。また、第1,第2の熱源側冷媒サイクル運転の時でTML2<TH1<TMH2の間は変更せず、第1,第2,第3の熱源側冷媒サイクル運転の時でTML3<TH1<TMH3の間は変更しない。このように、熱源側冷媒サイクルを3系統にし、それぞれの熱源側冷媒サイクルを運転/停止することにより、熱源側冷媒サイクルが1系統の場合に比べて、利用側冷媒の温度変化を小さい範囲内に収めることができ、冷媒温度の安定性、ひいては、空調室内の快適性が向上する。
【0150】
実施の形態6.
図17は本実施の形態による冷凍空調装置として例えば冷暖房装置を示す構成図である。実施の形態2〜実施の形態5では、利用側冷媒サイクルにおいて、接続配管i’および接続配管rは、それぞれ右槽、左槽の側面から冷媒貯留タンク20に接続して開口していたが、図17に示すように、冷媒貯留タンク20の底面から接続して、それぞれ上部およびフィルタ内部に開口するように構成してもよい。このようにすれば、冷媒貯留タンク20の側面に接続部を設ける必要がなくなるため側面をすっきりすることができる。従って、冷媒貯留タンク20の容量を維持したまま、熱交換ユニットdの設置面積を抑えることができ、スペース効率が向上する。
【0151】
このとき、接続配管i’およびrの冷媒貯留タンク20内における開口部の位置は、利用側冷媒の流出速度u[m/s]、開口部から喫水面までの距離h[m]との間に、式(12)の関係が成立しているとよい。
h≧u2 /2g ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(12)
ただし、g:重力加速度=9.8[m/s2 ]である。右辺u2 /2gは、大気中で、ある開口部から鉛直上向きに速度uで流出した流体が到達する最高地点までの距離である。従って、この距離より喫水面までの距離hを長く保っておけば、冷媒貯留タンク20の喫水面はある程度静かであり、冷媒貯留タンク20のオーバーフロー口から中の冷媒がこぼれ出たり、接続配管rの開口から喫水面を抜けて噴出した冷媒が再び喫水面に戻ってくることによる撹拌効果で、温度成層が乱され、利用側冷媒温度の安定性が損なわれるようなことはない。
実際には、冷媒貯留タンク20の喫水面より下で利用側冷媒が流出するので、タンク内冷媒の粘性により流出した冷媒が到達する最高地点までの距離は、右辺u2 /2gより小さくなるため、hはこの距離u2 /2gよりある程度までなら小さくても問題ない。
もちろん実施の形態3と同様、仕切り27によって冷媒貯留タンク20を右槽と左槽とに分割し、右槽と左槽にそれぞれ2つの開口を設けた構成になっている。このため、暖房運転では左槽は内部の冷媒が混合されることなく上下に温度成層を形成し、高温の領域を時間と共に広げながら十分に蓄熱することができる。また冷房運転では、冷媒貯留タンク20内左槽の冷媒を右槽の冷媒よりも比較的低温に保つことができるので、夏期の冷房立ち上げを迅速に行えるという効果がある。
【0152】
実施の形態7.
図18は本実施の形態による冷凍空調装置として例えば冷暖房装置を示す構成図である。実施の形態5では、冷却/加熱併用の第1、第2の熱源側冷媒サイクルと加熱専用の第3の熱源側冷媒サイクルとは直列に接続していたが、図18に示すように、第3の熱源側冷媒サイクルと第1、第2の熱源側冷媒サイクルを並列に接続してもよい。そしてそれぞれの冷媒配管に分岐する部分よりも下流側に、流路切換手段として例えばニ方弁51、52を設ける。
この流路切換手段によって、冷房運転時に、第3の冷媒サイクルと熱交換する利用側補助熱交換器19cには利用側冷媒が流れないように、冷媒流路を切換える。
【0153】
冷房運転時は、二方弁51を閉、二方弁52を開とし、冷却/加熱併用の冷媒サイクルである第1、第2の熱源側冷媒サイクルによって冷房運転する。ニ方弁51によって、冷房運転時には第3の熱源側冷房サイクルと熱交換する第6補助熱交換器19cには利用側冷媒が流れないように冷媒回路が切換えられている。
一方、暖房運転時は、二方弁51を開、二方弁52を閉とし、加熱専用の冷媒サイクルである第3の熱源側冷媒サイクルによって暖房運転する。また万が一、第3の熱源側冷媒サイクルが故障した場合には、二方弁51を閉、二方弁52を開として第1、第2の熱源側冷媒サイクルで暖房運転することもできる。
また、二方弁51、二方弁52とも開として第1、第2、第3の熱源側冷媒サイクルすべてを運転して暖房してもよい。これらの切換えは、熱交換ユニット内に設置されている外気温度センサ34の検出温度に応じて切換えればよい。
【0154】
このように、加熱専用の第3の熱源側冷媒サイクルと、冷却/加熱併用の第1、第2の熱源側冷媒サイクルを並列に接続することにより、暖房能力を十分に確保でき、室内の快適性を維持しやすく、安価な冷凍空調装置を得ることができる。さらに、加熱専用の冷媒サイクルと冷却/加熱併用の冷媒サイクルのそれぞれを独立して制御でき、利用状況に適した運転を行うことができる。
【0155】
また、第1、第2の熱源側冷媒サイクルは冷却/加熱併用でなく冷却専用の冷媒サイクルで構成してもよい。この場合には、暖房運転の時には加熱専用の冷媒サイクルを動作させ、冷房運転の時には利用側冷媒の流路を切換手段で切換えると共に、冷却専用の冷媒サイクルを動作させる。
この構成では、加熱専用の冷媒サイクルと冷却専用の冷媒サイクルのそれぞれを独立して制御でき、利用状況に適した運転を行うことができ、特に無駄な機能を省き、安価な冷凍空調装置を得ることができる。
【0156】
実施の形態8.
図19は本実施の形態による冷凍空調装置として例えば冷暖房装置を示す構成図である。実施の形態1〜実施の形態7では、熱源側冷媒サイクルと利用側冷媒サイクルとを熱交換する補助熱交換器群は、冷媒貯留タンク20の外部に設置していたが、図19に示すように、補助熱交換器16a,16bを冷媒貯留タンク20の内部の利用側冷媒内に浸して設置してもよい。この時、第1および第2の熱源側冷媒サイクルは、冷媒貯留タンク20内に設置された温度センサ35の検出温度が目標温度に近づくように運転/停止される。このような構成にすると、実施の形態3〜実施の形態7で熱輸送サイクルとして動作している第2の利用側冷媒サイクルが必要なく、特に第2の冷媒搬送装置25が必要なくなるため、システム全体の信頼性が向上するという効果がある。
【0157】
また、冷媒貯留タンク20の内部に補助熱交換器16a,16bと共に蓄熱材61を挿入しておいてもよい。この蓄熱材61としては、例えば銅や鉄やレンガなどのブロックなど、または酢酸ナトリウムなどをカプセルやパイプなどに入れて使用する。酢酸ナトリウムを用いる場合には、顕熱と共に50[℃]程度の潜熱も利用することができ、効果的に十分に蓄熱できる。
すなわち、冷媒貯留タンク20の内容積を、利用側冷媒サイクルの加熱運転中に熱源側冷媒サイクルを除霜運転するときの利用側冷媒の温度を暖房に適した温度に維持するように、利用側冷媒の量または蓄熱材61の量を蓄えられる内容積としている。
【0158】
このように構成すると、第1、第2の熱源側冷媒サイクルのいずれか一方または両方が除霜運転に入っても、冷媒貯留タンク20内の蓄熱材61の放熱により利用側冷媒温度が低下するのを防ぎ、室内空調の快適性をよりよく維持することができる。なお、第1および第2の熱源側冷媒サイクルは、冷媒搬送装置21の吐き出し口に設置された第2温度センサ33の検出温度が目標温度に近づくように運転/停止されるようにしてもよい。利用側熱交換器22a,22bへの供給冷媒温度により近い第2温度センサ33の検出温度に基づいて、第1および第2の熱源側冷媒サイクルが運転されると、室内空調の快適性をよりよく維持することができる。また、蓄熱材61を設けて設けていない構成と比較すると、利用側冷媒の温度低下を同等に設定すると、利用側冷媒の量を蓄熱材61での蓄熱容量分だけ少なくできるので、冷媒貯留タンク20を小型化することも可能である。さらに、蓄熱材61として水よりも熱容量の大きい材質のもので構成すると、蓄熱材61自体を小さくできる。この蓄熱材61の蓄熱容量は、比熱と重量を決めることにより設定できるため、実施の形態1で述べたように除霜運転時の放熱量から利用側冷媒の温度低下が所定の温度以下になるように設定すれば、除霜運転時の利用側冷媒の温度を安定させることができる。
【0159】
また、補助熱交換器16a,16bは、通常の銅管を螺旋状や碁盤目状または千鳥状に配列したものを用いれば安価な冷凍空調装置を構成できる。また、フィンチューブやプレートフィン熱交換器を用いると、補助熱交換器および冷媒貯留タンク20を小型化できる。
また、補助熱交換器16a、16bの少なくとも何れか一方をスパイラルフィン熱交換器で構成してもよい。図20は、補助熱交換器16aをスパイラルフィン熱交換器で構成した冷媒貯留タンク20を示す説明図であり、補助熱交換器16bに関しては図示していない。銅などのフィンをスパイラル状に伝熱管の外側に固着してスパイラルフィン付き管を構成し、このスパイラルフィン熱交換器16aを冷媒貯留タンク20内に貯留した利用側冷媒に浸漬するように配設している。このようなスパイラルフィン付き管では、スパイラルフィン付き管内を流れる熱源側冷媒と、冷媒貯留タンク20内の利用側冷媒とが熱交換する際の利用側冷媒の伝熱面積、即ち管外壁面積とフィン表面積の合計が、熱源側冷媒の伝熱面積、即ち管内壁面積よりも大幅に大きくなる。このため、フィンを全く設けていない構成に比べて、水などを使用した場合の伝熱性能の悪い利用側冷媒の伝熱面積がおよそ6倍になり、熱通過率が4倍弱向上するので、補助熱交換器16aを大幅に小型化できる。
【0160】
厳密に言えば、フィンを全く設けていない伝熱管のみの構成でも管外壁面積は管内壁面積よりも伝熱管の肉厚分だけ大きいのであるが、これよりもプレートフィンやスパイラルフィンなどによって伝熱面積を大幅に大きくすると、伝熱性能を向上できる。
また、利用側冷媒の伝熱面積を熱源側冷媒の伝熱面積よりも大きくする構成は、この他に、例えば大きな金属板に伝熱管を蛇行させて固着して熱交換器16aとしてもよいし、また、複数枚の金属板を並列に配置し、これを複数の伝熱管が貫通するような構成としてもよい。
もちろん、実施の形態1〜実施の形態7における第2補助熱交換器19における利用側冷媒の伝熱面積を第1補助熱交換器16における熱源側冷媒の伝熱面積よりも大きくするように構成することもできる。
【0161】
また、本実施の形態のように冷媒貯留タンク20内の利用側冷媒に浸漬させて補助熱交換器16a,16bを設け、伝熱管の内側を流通する熱源側冷媒と外側を流通する利用側冷媒とを熱交換する構成にすると、冷媒貯留タンク20に冷熱を蓄熱して利用側熱交換器22a,22bでこの冷熱を室内や倉庫などの冷房あるいは冷凍冷蔵庫などの冷蔵や冷凍に利用する場合にも効果がある。即ち、利用側冷媒として例えば水などの凍結する媒体を使って冷熱を蓄熱する場合に、補助熱交換器16a,16bの周囲で利用側冷媒が凍結しても、利用側冷媒は冷媒貯留タンクの凍結していない部分を流通して冷熱を利用側熱交換器22a,22bへ輸送することができる。このため実施の形態1〜実施の形態7に比べ、利用側熱交換器22a,22bへ送る利用側冷媒の温度を低くすることができ、冷媒搬送装置21の搬送動力の低減や、利用側熱交換器22a,22bでの除湿性能向上が期待できる。また、夜間電力使って補助熱交換器16a,16bで利用側冷媒を凍結させることによって蓄熱し、昼間、この蓄熱した冷熱を利用して冷房することによって、熱源側冷媒サイクルの設備を小型化したり、受電容量を低く抑えることなどが可能となる。
【0162】
さらに、実施の形態1〜実施の形態7では、熱源側冷媒サイクルで冷却運転中、補助熱交換器16a,16b内部での利用側冷媒の凍結を保護するために、第1温度センサ31での検出値が利用側冷媒の凍結温度+4℃程度となったら熱源側冷媒サイクルを停止する、または、補助熱交換器16a,16bの外表面にそれぞれ第4、第5の温度センサを設置し、この検出値が利用側冷媒の凍結温度+4℃程度となったら熱源側冷媒サイクルを停止するなどの制御が必要であったが、本実施の形態によればこれが不要となり、補助熱交換器16a、16bを冷媒貯留タンク20内に配設するという比較的簡単な装置構成でシステム全体の信頼性を向上でき、安価な冷凍空調装置を得ることができる。
【0163】
また、図21に示すように、冷媒貯留タンク20内の利用側冷媒の流入口と流出口の間を分離するように、仕切り27aおよび27bを設けてもよい。この仕切り27a,27bは一方が下方に連通部を有し、他方が上方に連通部を有する。そして分離した流入口側に補助熱交換器16a,16bを浸漬させ、流出口側は蓄熱材61を浸漬させる。この構成では、利用側熱交換器22a,22bからの戻り冷媒がフィルタ26を通って、ごみ、塵を除去された後、第1および第2の補助熱交換器16aおよび16bで温度調整される。この後、冷媒貯留タンク20内の蓄熱材61を蓄熱して冷媒搬送装置21に吸込まれるように冷媒貯留タンク20内に流路を構成している。このため冷媒貯留タンク20内において、効果的に補助熱交換器16a,16b、蓄熱材61と熱交換する冷媒流路を構成できる。
【0164】
実施の形態9.
実施の形態1〜実施の形態7では、熱源側冷媒サイクルが冷房を行う冷却運転時と暖房を行う加熱運転時とで冷媒の流れる方向が逆転するため、第1,第2補助熱交換器16,19での熱交換に際して、熱源側冷媒と利用側冷媒との流れの向きが暖房運転時は対向流であるのに対し、冷房運転時は並行流となっていた。ところが、熱源側冷媒サイクルにR407Cなどの非共沸混合冷媒が用いると、冷房運転時に利用側冷媒が第2補助熱交換器19入口から出口に向かって冷却されて温度が低下していくのと並行して第1補助熱交換器16の入口から出口に向かって熱源側冷媒の温度が上昇していく。このため、R22などの単一冷媒またはR410Aなどの擬似共沸冷媒を用いた場合よりも、熱源側の蒸発温度を低下させなければならず、効率が低下するという問題が考えられる。
【0165】
これに対し、本実施の形態では、熱源側冷媒としてR407Cなどの非共沸混合冷媒を用いた場合にも適用できるように、第2補助熱交換器19の入口と出口とを冷房運転時と暖房運転時とで逆転させ、第1補助熱交換器16を流れる熱源側冷媒に対して両運転共に対向流になる構成としている。
図22は本実施の形態による冷凍空調装置として、例えば冷却運転で室内を冷房し、加熱運転で室内を暖房する冷暖房装置を示す構成図である。図において、62は、補助熱交換器19における利用側冷媒の流れ方向を切換える切換手段であり、例えば四方弁62である。この四方弁62は、その第1口が冷媒搬送装置21の吸入口に、第2口が第2補助熱交換器19の一端に、第3口が接続配管i’の一端に、第4口が冷媒貯留タンク20の底部開口にそれぞれ接続されている。冷房運転時は、熱源側および利用側冷媒サイクルとも図の実線の方向に冷媒が流れ、逆に、暖房運転時には図の破線の方向に冷媒が流れるように、四方弁12および四方弁62をそれぞれ切換える。
このため、第1、第2補助熱交換器16、19での熱交換が共に対向流となり、冷房・暖房運転の両運転において効果的に熱交換できる。
【0166】
また、図に示すように、第1温度センサ31を冷媒搬送装置21の出口側に設置すると、冷房・暖房運転の両方で、熱交換した後の利用側冷媒の温度を検出することができる。実施の形態1〜実施の形態7のように第2補助熱交換器19と冷媒貯留タンク20との間の配管に第1温度センサ31を設けたままでは、暖房運転時は第2補助熱交換器19の出口温度を検出することができるが、冷房運転時には流れの向きが変わってしまい入口温度になるため、利用側熱交換器22a,22bへの送り温度が保証できなくなる。
ただし、送り温度を保証しないという前提で第1温度センサ31を第2補助熱交換器19と冷媒貯留タンク20との間の配管に設置しておく、あるいは、四方弁62の第2口と第2補助熱交換器19との間の配管に設置するということも可能である。前者の場合は、第1温度センサ31の検出値は冷房運転時は第2補助熱交換器19の入口温度、暖房運転時は出口温度になるので、その目標温度TMは冷房時はTM=12[℃]、暖房時はTM=50[℃]などとする。このように、入口温度を検出する場合には、第2補助熱交換器19での加熱あるいは冷却される分の温度差を考慮して運転制御するように構成すればよい。とにかく第2補助熱交換器19出口温度が実施の形態1と同様、冷房で7[℃]、暖房で50[℃]となるように設定すればよい。
【0167】
このように、本実施の形態によれば、第1,第2熱交換器16,19において冷房・暖房運転共に対向流とすることにより、熱源側冷媒としてR407C等の非共沸混合冷媒が用いられた場合でも冷却・加熱運転両方でのシステムを効率よく運転できるという効果がある。
【0168】
なお、本実施の形態では、利用側冷媒サイクルの流路の切換手段として四方弁62を用いる例を示したが、図23に示すように、電磁弁63a,63b,63c,63dを組み合わせてもよい。この場合、冷房運転時は、電磁弁63aおよび63cが開、63bおよび63dが閉、暖房運転時は、電磁弁63bおよび63dが開、63aおよび63cが閉となる。
図22のように四方弁62で構成する場合には、四方弁は4つ分の電磁弁よりも高価ではあるが冷媒配管を比較的単純に構成できる。また図23のように4つの電磁弁63a,63b,63c,63dで構成する場合には、冷媒配管は多少複雑になるが価格の低減を図ることができる。
【0169】
図22、図23に示した構成では、冷媒貯留タンク20において、第2補助熱交換器19と接続する開口をタンク20の上方側面に設け、四方弁62または電磁弁63c,63dと接続する開口をタンク20の底面に設けているが、両方の開口ともタンク20の底面に設けてもよい。冷媒貯留タンク20の側面に接続部を設けないことにより、側面をすっきりと構成することができ、システム全体をコンパクトに構成しやすくなる。ただし、底面に2つの接続部を設ける場合には2つの接続部の間に、底面から水面までよりも短い程度の高さの分離板を設けて、冷媒貯留タンク20に流入した利用側冷媒が、すぐに流出しないように構成した方がよい。
【0170】
実施の形態10.
本発明に係わる冷凍空調装置が設置された後実際に運用されるまでの間に、利用側冷媒を充填する現地工事が発生するが、実施の形態1〜実施の形態9はすべて冷媒貯留タンク20を大気に開放しておき、その上部から利用側冷媒を注ぎ込む構成になっていた。このため、現地での冷媒充填作業では、冷媒貯留タンク20の上部からゴムホースやバケツを使って利用側冷媒を充填し、冷媒貯留タンク20内が満杯になったら冷媒搬送装置21を運転する、そして、冷媒貯留タンク20内の冷媒が利用側熱交換器などに送られ冷媒貯留タンク20内の冷媒が減ったら再び冷媒を充填する、という操作を繰り返す必要があり、手間がかかるという問題が考えられる。
【0171】
図24は本実施の形態による冷凍空調装置として例えば冷暖房装置を示す構成図である。本実施の形態では、利用側冷媒の充填を容易にできるような構成にしている。図24に示すように、止め弁64bおよび接続口65を備えた分岐管を冷媒搬送装置21の吐き出し口直後に接続し、この接続点と冷媒搬送装置21の吐き出し口との間に止め弁64aを設置する。例えば、利用側冷媒に水を用いる場合、現地での利用側冷媒充填作業では、止め弁64aを閉じ、接続口65をゴムホースなどで水道蛇口に接続し、止め弁64bを開いた後に水道蛇口を開けて利用側冷媒サイクル内に利用側冷媒である水を充填する。冷媒貯留タンク20の適正水位まで水が充填されたら、水道蛇口、止め弁64bの順に閉め、止め弁64aを開いてから冷媒搬送装置21を運転すればよい。
このようにすれば、水道圧で利用側冷媒サイクルに冷媒である水を1回で容易に充填することができるので、現地冷媒充填作業の手間が省け、工事費を安価にすることができる。
【0172】
さらにこの構成では、冷媒貯留タンク20を大気に開放せずに密閉型で構成してもよい。密閉型にすると開放型と比較してタンク内部を清潔に保持でき、汚れを防止でき、細菌の繁殖などを防ぐことができる。ただし、利用側冷媒が温度の変化によって多少膨張するのを吸収できるように、冷媒の喫水面から上方に多少空間を保持して密閉した方がよい。
【0173】
実施の形態11.
以下、本発明の実施の形態11による冷凍空調装置として、例えば冷却運転で室内を冷房し、加熱運転で室内を暖房する冷暖房装置について説明し、冷却運転を冷房運転、加熱運転を暖房運転として記す。図25は本実施の形態による冷暖房装置を示す構成図である。図において、熱源側冷媒サイクルは、第1の圧縮機11a、第1の流路切換弁12a、第1の熱源側熱交換器13a、第1の冷媒流量制御弁14a、第1のレシーバ15a、第1補助熱交換器16aを連接してなる第1の熱源側冷媒サイクルと、第2の圧縮機11b、第2の流路切換弁12b、第2の熱源側熱交換器13b、第2の冷媒流量制御弁14b、第2のレシーバ15b、第3補助熱交換器16bを連接してなる第2の熱源側冷媒サイクルとからなっている。これらは、家庭用エアコンなどの標準的な蒸気圧縮式冷凍サイクルを利用しているため、圧縮機11a、流路切換弁12a、第1の熱源側熱交換器13a、第1の冷媒流量制御弁14aは第1の室外ユニットeに収納されており、圧縮機11b、流路切換弁12b、第1の熱源側熱交換器13b、第1の冷媒流量制御弁14bは第2の室外ユニットe’に収納されている。また、室外ユニットe,e’は制御装置42a,42bを備え、圧縮機11a,11bおよび冷媒流量制御弁14a,14bを制御している。
【0174】
一方、利用側冷媒サイクルは、第1の冷媒搬送装置21、接続配管i、接続配管j,k、利用側冷媒流量制御弁23a,23b、利用側熱交換器22a,22b、接続配管j’,k’、接続配管i’、冷媒貯留タンク20を連接して成る第1の利用側冷媒サイクルと、第2の冷媒搬送装置25、第2補助熱交換器19a、第4補助熱交換器19b、冷媒貯留タンク20を連接して成る第2の利用側冷媒サイクルとから構成されている。接続配管k、利用側冷媒流量制御弁23b、利用側熱交換器22b、および接続配管k’は、接続配管j、利用側冷媒流量制御弁23a、利用側熱交換器22a、および接続配管j’に並列に接続されている。また、第2補助熱交換器19aと第4補助熱交換器19bは実施の形態2,3と同様、並列に接続されており、これらはそれぞれ第1補助熱交換器16aおよび第3補助熱交換器16bと熱交換するよう一体に形成されている。
第2の利用側冷媒サイクルは、利用側冷媒を循環させて第2,第4補助熱交換器19a,19bでそれぞれ第1,第3補助熱交換器16a,16bと熱交換して、冷媒貯留タンク20に熱を蓄える熱輸送サイクルを構成している。
【0175】
また、第1の冷媒搬送装置21、第2の冷媒搬送装置25、一体となった第1補助熱交換器16a,第2補助熱交換器19a、一体となった第3補助熱交換器16b,第4補助熱交換器19b、冷媒貯留タンク20、レシーバ15a、15bは熱交換ユニットdに収納されている。第1の熱源側冷媒サイクルは、第1の室外ユニットeと熱交換ユニットdとの間で接続配管mおよびm’で接続されている。第2の熱源側冷媒サイクルは、第2の室外ユニットe’と熱交換ユニットdとの間で接続配管nおよびn’で接続されている。
【0176】
また、冷媒貯留タンク20内にはフィルタ26が設置されており、接続配管i’の一端が該フィルタ26の内部に開口して接続されている。冷媒貯留タンク20は、その内部で最上部から縦方向に仕切り27で左右2槽に分割されており、仕切り27の下部でその一部が開口していて左右2槽の利用側冷媒30が連通している。さらに、冷媒貯留タンク20の上部は大気に開放されており、冷媒貯留タンク20に接続されているすべての接続配管は、冷媒貯留タンク20内の利用側冷媒30の喫水面下に開口している。
【0177】
さらの本実施の形態では、利用側冷媒が直接循環するように接続された加熱専用の熱源装置e’’を備えている。この熱源装置e’’は、例えば第3の冷媒搬送装置28、加熱ボイラ29、制御装置42cを有する。
利用側冷媒サイクル中、熱交換ユニットdから接続配管j,kの分岐に至る接続配管iには、第1の開閉弁101が設置されており、第1の開閉弁101と接続配管j,kの分岐までの間で接続配管iが分岐して第2の開閉弁102の一端が接続されている。一方、熱交換ユニットdから接続配管j’,k’の分岐に至る接続配管i’には、第3の開閉弁103が設置されており、第3の開閉弁103と接続配管j’,k’の分岐までの間で接続配管i’が分岐して第4の開閉弁104の一端が接続されている。第2の開閉弁102の他端は、第4の冷媒搬送装置105の冷媒出口側と接続され、第4の開閉弁104の他端は、熱源装置e’’の冷媒入口側と接続配管oで接続されている。また、第4の冷媒搬送装置105の冷媒入口側は熱源装置e’’の冷媒出口側と接続配管o’で接続されている。さらに、熱源装置e’’の中には、灯油、ガス等を燃焼させて得られる熱を利用した加熱ボイラ29と、第3の冷媒搬送装置28が収められており、接続配管o、第3の冷媒搬送装置28、加熱ボイラ29、接続配管o’の順に接続されている。制御装置42cは加熱ボイラ29、第3の冷媒搬送装置28を制御している。
また、熱源装置e’’は加熱専用であり、これ1台だけで必要な暖房能力が発揮される容量に設定されている。
【0178】
このような構成の場合、開閉弁101〜104は、利用側冷媒サイクルの冷媒流路を切換える切換手段を構成しており、暖房運転時に加熱専用の熱源装置e’’に利用側冷媒を循環させるものである。
また、wは切換えユニットであり、開閉弁101〜104を1つのユニットにまとめたものである。
【0179】
つぎに、動作について説明する。
冷房運転時は、第1、第2の熱源側冷媒サイクルを運転し、熱源装置e’’は停止する。冷房運転時は第1、第2の熱源側冷媒サイクルとも図中実線の冷媒サイクルとなる。冷房運転時の第1、第2の熱源側冷媒サイクルの動作は実施の形態1と同様であるので割愛する。
一方、利用側冷媒サイクルでは、冷房運転時には、第1の開閉弁101および第3の開閉弁103を開け、第2の開閉弁102および第4の開閉弁104を閉じる。冷媒貯留タンク20の左側の槽の底部から流出した比較的低温の利用側冷媒30は、第1の冷媒搬送装置21によって接続配管iおよびj,kを通って利用側熱交換器22a,22bへ送られ、室内空気を冷房すると同時に自らは加熱されて、接続配管j’,k’および接続配管i’を通って冷媒貯留タンク20の右側の槽に戻ってくる。このとき、接続配管iの途中では、第2の開閉弁102が、また、接続配管i’の途中では第4の開閉弁104が閉じられているので、熱源装置e’’側には利用側冷媒は流れ込まない。
【0180】
また、一方、冷媒貯留タンク20の右側の槽の底部から流出した比較的高温の利用側冷媒30は、第2の冷媒搬送装置25によって第2補助熱交換器19aおよび第4補助熱交換器19bに分岐して送り込まれる。第2補助熱交換器19aおよび第4補助熱交換器19bに送り込まれた利用側冷媒30は、第1補助熱交換器16aおよび第3補助熱交換器16bを通して、第1および第2の熱源側冷媒サイクルによって外気へ放熱すると同時に自らは冷却され、合流した後冷媒貯留タンク20の左側の槽に戻る。
【0181】
暖房運転時は、第1、第2の熱源側冷媒サイクルを停止し、熱源装置e’’のみ運転する。暖房運転時には、利用側冷媒サイクル中、第1の開閉弁101および第3の開閉弁103を閉じ、第2の開閉弁102および第4の開閉弁104を開ける。第3の冷媒搬送装置28によって送り出された冷媒は、灯油、ガス等を燃焼して得られる熱を加熱ボイラ29で奪うと同時に自らは加熱されて、第4の冷媒搬送装置105によって更に昇圧されて、第2の開閉弁102を通って、接続配管iに流入する。接続配管iに流入した利用側冷媒は、接続配管j,kを通って利用側熱交換器22a,22bへ送られ、室内空気を暖房すると同時に自らは冷却されて、接続配管j’,k’を通って接続配管i’へ流入する。ここで、利用側冷媒は第4の開閉弁104、および接続配管oを経由して熱源装置e’’内の第3の冷媒搬送装置28の入口側に戻る。
【0182】
室内ユニットgおよびhで暖房の要求があると、熱交換ユニットd内の制御装置41に暖房要求の信号が室内ユニットから送られると共に、利用側冷媒流量制御弁23a,23bが開けられる。更に、この暖房要求信号は熱源装置e’’内の制御装置42cに送られて、熱源装置e’’がその信号に従って運転を開始する。熱源装置e’’は、汎用の灯油ボイラ、ガスボイラなどの熱源装置であり、循環する利用側冷媒を直接的に加熱する。そして、接続配管o’へ送り出す冷媒温度があらかじめ設定されている温度になるように、制御装置42cによって油またはガス等の燃焼量を制御している。暖房運転中は熱交換ユニットdに利用側冷媒が循環することなく、また、利用側冷媒温度を制御する必要もなく、従って、新たに温度センサを追加する必要もない。室内で暖房の要求が全てなくなると、その信号が室内ユニットから熱交換ユニットdへ送られ、熱交換ユニットdの制御装置41からの指令で熱源装置e’’が停止すると共に、利用側冷媒流量制御弁23a,23bが閉じられる。
【0183】
以上のように、本実施の形態によれば、利用側冷媒サイクルの一部を分岐して、冷媒貯留タンク20と並列に加熱専用の熱源装置e’’を接続したので、特に、冬期の外気温度が氷点下になる地方において、第1、第2の冷媒サイクルであるヒートポンプでは暖房能力不足となる場合でも、暖房能力を確保しやすい。また、熱源装置e’’内に設置された加熱ボイラ29で利用側冷媒を直接加熱するので、熱源側冷媒サイクルと利用側冷媒サイクルを分離して熱交換器で熱交換する形態よりも効率的で省エネルギとなり、消費電力量および灯油やガス等の燃料消費量が削減され、ランニングコストを低くすることができる。
【0184】
なお、本実施の形態では、第1〜第4の開閉弁101〜104は切換えユニットw内に設置されているので、全体のシステムを構成する際に現地工事などを簡単化でき施工性が向上し、設置後の美観もよい。また、第4の冷媒搬送装置105も切換えユニットw内に設置すれば、さらに施工性が向上し、美観がよくなることは言うまでもない。
【0185】
本実施の形態では、熱源装置e’’として、加熱ボイラ29と第3の冷媒搬送装置28とを一体のユニット内に装備した汎用の灯油ボイラなどを流用することを前提としている。第3の冷媒搬送装置28は、一般に、揚程の比較的小さい小型のポンプであり、これだけでは利用側熱交換器22aおよび22bに暖房に必要十分な流量の利用側冷媒を搬送できないため、第4の冷媒搬送装置105を第3の冷媒搬送装置に直列に接続して、第3の冷媒搬送装置28の揚程不足を補っている。第4の冷媒搬送装置105は、熱源装置e’’の冷媒出口側に設置しても、入口側に設置してもよい。また、第3の冷媒搬送装置28が利用側熱交換器22a,22bで暖房に必要十分な流量の利用側冷媒を搬送できる揚程のものであれば、第4の冷媒搬送装置105は必要ないことは言うまでもない。
【0186】
実施の形態12.
図26は実施の形態12による冷凍空調装置として例えば冷暖房装置を示す構成図である。実施の形態11では、第1〜第4の開閉弁101〜104を熱交換ユニットdの外部に設置したが、図26に示すように、これらを熱交換ユニットdの内部に設置することもできる。図26において、熱交換ユニットd内部の接続配管sの途中で、第1の冷媒搬送装置21に入口に至るまでの間に第1の開閉弁101を設置し、第1の開閉弁101と第1の冷媒搬送装置21との間の接続配管sに分岐を設け、この分岐部と加熱ボイラ29および第3の冷媒搬送装置28を内蔵した熱源装置e’’の冷媒出口側とを接続配管o’で接続する。また、接続配管o’の熱交換ユニットd内部に第2の開閉弁102を設置する。また、接続配管i’に第3の開閉弁103を設置し、第3の開閉弁103と接続配管j’,k’の分岐(合流)部との間と、熱源装置e’’の冷媒入口側とを接続配管oで接続する。そして、接続配管oに第4の開閉弁104を設置する。これら、第3、第4の開閉弁103、104は、熱交換ユニットdの内部に設置している。
【0187】
次に動作について説明する。
冷房運転時は、第1、第2の熱源側冷媒サイクルを運転し、熱源装置e’’は停止する。冷房運転時は第1、第2の熱源側冷媒サイクルとも図中実線の冷媒サイクルとなる。冷房運転時の第1、第2の熱源側冷媒サイクルの動作は実施の形態1と同様であるので割愛する。
一方、利用側冷媒サイクルでは、冷房運転時には、第1の開閉弁101および第3の開閉弁103を開け、第2の開閉弁102および第4の開閉弁104を閉じる。冷媒貯留タンク20の左側の槽の底部から流出した比較的低温の利用側冷媒30は、第1の冷媒搬送装置21によって接続配管iおよびj,kを通って利用側熱交換器22a,22bへ送られ、室内空気を冷房すると同時に自らは加熱されて、接続配管j’,k’および接続配管i’を通って冷媒貯留タンク20の右側の槽に戻ってくる。このとき、接続配管sの途中では第2の開閉弁102が、また、接続配管i’の途中では第4の開閉弁104が閉じられているので、熱源装置e’’側には利用側冷媒は流れ込まない。
【0188】
暖房運転時は、第1、第2の熱源側冷媒サイクルを停止し、熱源装置e’’のみ運転する。暖房運転時には、利用側冷媒サイクル中、第1の開閉弁101および第3の開閉弁103を閉じ、第2の開閉弁102および第4の開閉弁104を開ける。第3の冷媒搬送装置28によって送り出された利用側冷媒は、灯油、ガス等を燃焼して得られる熱を加熱ボイラ29で奪うと同時に自らは加熱されて、接続配管o’、第2の開閉弁102を通って、接続配管sに流入する。接続配管sに流入した利用側冷媒は、第1の冷媒搬送装置21によってさらに昇圧されて、接続配管iおよび接続配管j,kを通って利用側熱交換器22a,22bへ送られる。そして、室内空気を暖房すると同時に自らは冷却されて、接続配管j’,k’および接続配管i’へ流入する。ここで、利用側冷媒は第4の開閉弁104、および接続配管oを経由して熱源装置e’’内の第3の冷媒搬送装置28の入口側に戻ってくる。
【0189】
このように、加熱専用の熱源装置e’’によって暖房運転を行うので、外気温度が低くなる場所で使用しても十分な暖房能力を得ることができ、室内の快適性を維持できる。
また、第1〜第4の開閉弁101〜104を熱交換ユニットdの内部に収納したので、実施の形態11のような新たな切換えユニットwが必要なく、施工性が向上すると共に、美観を損なうことがない。また、熱源装置e’’内に収納されている第3の冷媒搬送装置28の揚程不足を補うため、新たな冷媒搬送装置を設置することなく、熱交換ユニットd内部に設置されている第1の冷媒搬送装置21を利用して揚程不足を補うことができるので、新たに冷媒搬送装置105を必要とする実施の形態11よりも安価な冷凍空調装置を提供できる。
【0190】
実施の形態13.
実施の形態11および実施の形態12における冷凍空調装置では、第1の利用側冷媒サイクルは、1系統で構成して冷房および暖房を切換えて室内を空調するようにしていたが、図27に示すように、冷房を行う冷却運転用の利用側冷媒サイクルと暖房を行う加熱運転用の利用側冷媒サイクルを設け、それぞれ個別に運転できるようにしてもよい。
【0191】
図27は本実施の形態による冷凍空調装置として例えば冷暖房装置を示す構成図である。図において、室内ユニットg,h内部には、それぞれ冷却用熱交換器22a,22bと加熱用熱交換器22c,22dが収納されており、これらは室内送風機24a,24bによって送り込まれる室内空気の流れに対して、上流側に冷却用熱交換器22a,22bが、下流側に加熱用熱交換器22c,22dが設置されている。冷却用熱交換器22a,22bは、実施の形態11または12と同様、利用側冷媒流量制御弁23a,23bおよび接続配管j,kを介して接続配管iと、接続配管j’,k’を介して接続配管i’とによって、熱交換ユニットdに接続されて冷却時の利用側冷媒サイクルを構成している。一方、加熱用熱交換器22c,22dは、利用側冷媒流量制御弁23c,23dおよび接続配管x,zを介して接続配管o’と接続され、接続配管x’,z’を介して接続配管oと接続されている。接続配管o,o’は、加熱専用の熱源装置e’’に接続する配管であり、加熱専用時の利用側冷媒サイクルを構成している。
【0192】
次に動作について説明する。
冷房運転時は、第1、第2の熱源側冷媒サイクルを運転し、熱源装置e’’は停止する。冷房運転時は第1、第2の熱源側冷媒サイクルとも図中実線の冷媒サイクルとなる。冷房運転時の第1、第2の熱源側冷媒サイクルの動作は実施の形態1と同様であるので割愛する。
一方、冷却時の利用側冷媒サイクルでは、冷媒貯留タンク20の左側の槽の底部から流出した比較的低温の利用側冷媒30は、接続配管sを通って第1の冷媒搬送装置21によって接続配管iおよびj,k、利用側冷媒流量制御弁23a,23bを通って利用側熱交換器22a,22bへ送られ、室内空気を冷房すると同時に自らは加熱されて、接続配管j’,k’および接続配管i’を通って冷媒貯留タンク20の右側の槽に戻ってくる。このとき、熱源装置e’’は停止しているので、加熱専用の利用側冷媒サイクルは機能せず、加熱用熱交換器22c,22dは空調には何も寄与しない。
【0193】
暖房運転時は、第1、第2の熱源側冷媒サイクルを停止し、熱源装置e’’のみ運転する。暖房運転時には、冷却用の利用側冷媒サイクルは機能せず、冷却用熱交換器22a,22bは空調には何も寄与しない。
一方、加熱専用の利用側冷媒サイクルでは、第3の冷媒搬送装置28によって送り出された利用側冷媒は、灯油、ガス等を燃焼して得られる熱を加熱ボイラ29で奪うと同時に自らは加熱されて、接続配管o’に流出する。接続配管o’には、第4の冷媒搬送装置105が設置されており、これによって加熱専用の利用側冷媒はさらに昇圧されて、接続配管x,z、利用側冷媒流量制御弁23c,23dを通って暖房用熱交換器22c,22dへ送られ、室内空気を暖房すると同時に自らは冷却されて、接続配管x’,z’および接続配管oを経由して熱源装置e’’内の第3の冷媒搬送装置28の入口側に戻ってくる。
【0194】
室内ユニットg,hで冷房の要求があると、室内ユニットg,h内の加熱用熱交換器22c,22dに接続された利用側冷媒流量制御弁23c,23dを閉じると共に、冷却用熱交換器22a,22bに接続された利用側冷媒流量制御弁23a,23bを開ける。同時に、熱交換ユニットd内の制御装置41に冷房要求の信号が室内ユニットから送られ、第1,第2の室外ユニットe,e’がその信号に従って運転を開始する。第1,第2の室外ユニットe,e’の運転容量は、第2,第4補助熱交換器19a,19bの下流側合流後の接続配管rに設置された第1の温度センサ31の検出温度があらかじめ設定されている目標温度に近づくように制御される。室内で冷房の要求が全てなくなると、その信号が室内ユニットから熱交換ユニットdへ送られ、熱交換ユニットdの制御装置41からの指令で第1,第2の室外ユニットe,e’が停止すると共に、利用側冷媒流量制御弁23a,23bが閉じられる。
【0195】
室内ユニットg,hで暖房の要求があると、室内ユニットg,h内の加熱用熱交換器22c,22dに接続された利用側冷媒流量制御弁23c,23dを開けると共に、冷却用熱交換器22a,22bに接続された利用側冷媒流量制御弁23a,23bを閉じる。同時に、熱交換ユニットd内の制御装置41に暖房要求の信号が室内ユニットから送られ、更に、この暖房要求信号は熱源装置e’’内の制御装置42cに送られて、熱源装置e’’がその信号に従って運転を開始する。熱源装置e’’は、汎用の灯油ボイラ、ガスボイラ等の加熱装置であるので、接続配管o’へ送り出す冷媒温度があらかじめ設定されている温度になるように、灯油またはガス等の燃焼量を制御する。従って、暖房運転中は熱交換ユニットdでは、特に、利用側冷媒温度を制御する必要がなく、新たに温度センサを追加する必要もない。室内で暖房の要求が全てなくなると、その信号が室内ユニットから熱交換ユニットdへ送られ、熱交換ユニットdの制御装置41からの指令で熱源装置e’’が停止すると共に、利用側冷媒流量制御弁23c,23dが閉じられる。
このように構成したことにより、加熱能力を十分に確保して温熱利用に適した温度に維持でき、かつ加熱専用の冷媒サイクルと冷却専用の冷媒サイクルをそれぞれ独立して制御でき、利用状況に適した運転を行うことができる安価な冷凍空調装置が得られる
【0196】
また、室内ユニットg,hで除湿の要求があると、室内ユニットg,h内の加熱用熱交換器22c,22dに接続された利用側冷媒流量制御弁23c,23dを開けると共に、冷却用熱交換器22a,22bに接続された利用側冷媒流量制御弁23a,23bも開ける。同時に、熱交換ユニットd内の制御装置41に暖房要求の信号が室内ユニットg,hから送られ、更に、この暖房要求信号は第1,第2の室外ユニットe,e’と熱源装置e’’に送られて、これらがその信号に従って運転を開始する。
室内ユニットg,h内の送風機24a,24bで送り込まれた室内空気は、まず、冷却用熱交換器22a,22bに流れ込み、ここで、冷却用の利用側冷媒サイクル内の冷媒と熱交換して冷却されると共に除湿される。次に、この冷却、除湿された空気は、加熱用熱交換器22c,22dに流れ込み、加熱専用の利用側冷媒サイクル内の冷媒と熱交換して加熱され、元々、室内ユニットが吸い込んだ室内空気温度とほぼ同一の温度に調節されて室内へ吹出される。室内で除湿の要求が全てなくなると、その信号が室内ユニットから熱交換ユニットdへ送られ、熱交換ユニットdの制御装置41からの指令で第1,第2の室外ユニットe,e’、および加熱専用の熱源装置e’’が全て停止すると共に、利用側冷媒流量制御弁23a〜23dも閉じられる。
【0197】
以上のように、本実施の形態では、室内ユニット内に冷却用の熱交換器と加熱用の熱交換器とを設け、これらを送風機によって送り込まれる室内空気の流れに対して冷却用熱交換器、加熱用熱交換器の順に設置した。このため、除湿運転時に冷却用熱交換器22a,22bによって冷却、除湿された室内空気を加熱用熱交換器22c,22dで再度加熱し、元々の室内空気温度とほぼ同一の温度に調節して室内に吹出すことができる。従来では冷却、除湿された空気がそのまま室内に吹き出されており、本実施の形態による構成では居住者に除湿運転時の冷風感を感じさせることなく快適な除湿空間を提供することができる。
【0198】
なお、冷却用熱交換器22a,22bと加熱用熱交換器22c、22dとは送風機24a,24bによって送り込まれる室内空気の流れに対して冷却用熱交換器22a,22b、加熱用熱交換器22c,22dの順に直列に設置したが、これらを室内空気の流れに対して並列に設置してもよい。逆に、室内空気の流れに対して加熱用熱交換器22c,22d、冷却用熱交換器22a,22bの順に直列に設置しないほうがよい。このように設置すると、除湿するためには一度加熱された空気を更に露点以下にまで下げなければならないので、加熱分以上の冷却能力が必要となる上にエネルギの無駄になり、さらに冷風感が解消されない。
【0199】
また、冷却用の冷媒サイクルと暖房専用の冷媒サイクルとが独立して構成されているため、一方の室内ユニットでは冷房を行い、他方の室内ユニットでは暖房を行うという使用方法も可能である。即ち、利用側熱交換器の冷房/暖房を個別に制御でき、実際には利用側冷媒流量制御弁23a〜23dを使用要求に応じて行えば、熱交換器22a〜22dの運転/停止を任意に制御できる。
【0200】
実施の形態14.
実施の形態8では、冷媒貯留タンク20内に設けた補助熱交換器16a,16bの小型化に対して、例えば水である利用側冷媒の伝熱面積を大きくする例を示したが、本実施の形態では、利用側冷媒の熱伝達率を向上させる構成について説明する。
【0201】
図28は本実施の形態による冷凍空調装置として、例えば室内の冷暖房を行う冷暖房装置を示す構成図である。図において、冷媒貯留タンク20内に空気管112を設置し、この空気管112内に空気搬送装置111より空気を送り込み、冷媒貯留タンク20内に設けた補助熱交換器16a,16bの下方から空気管112に開けた小孔より空気を吹き出す。即ち、空気搬送装置11と空気管112は、冷媒貯留タンク20内の補助熱交換器16a、16bの周辺に気泡を吹き込む気泡吹き込み手段を構成している。補助熱交換器16a、16bの周辺に気泡を吹き込むと、冷媒貯留タンク20内に貯留された利用側冷媒が気泡によって撹拌され、利用側冷媒の熱伝達率が向上する。このため、補助熱交換器16a、16bを小型化したり、受電容量を低減することができる。
なお、空気調和・衛生工学学術論文集7(’87.10.6−10.8東京)氷蓄熱システムに関する研究の文献によれば、0.3[m3/hm2]程度の流量の気泡を吹き出せば自然対流の約1.5倍の利用側冷媒の熱伝達率が得られることがわかっている。このため、これを目安に空気流量を設定すれば、効率のよい冷凍空調装置が得られる。
【0202】
本実施の形態における空気搬送装置111は、冷媒貯留タンク20の液面と冷媒貯留タンク20内の空気管112の最下部との距離で決まる液ヘッドに勝る静圧が出るブロワなどの送風機や空気ポンプである。また、113は、冷媒貯留タンク20内に空気管112よりも下方に設置された仕切り板であり、利用側冷媒搬送装置21が冷媒貯留タンク20内に吹き込まれた気泡を吸込むことがないように配設されている。すなわち、仕切り板113よりも上側は利用側冷媒の気泡の存在する部分であり、仕切り板113よりも下側は気泡の存在しない部分であり、利用側冷媒搬送装置21への冷媒流出口を、気泡の存在しない部分に設けている。
【0203】
この仕切り板113は、図28では空気管112と分離させて設置した例を示したが、図29のように空気管112と一体化してもよい。このように構成することにより、空気管112と仕切り板113とをコンパクトにかつ安価に製作することができる。
また、空気搬送装置111は、外気を直接吸込んで冷媒貯留タンク20内に気泡として空気を吹き込んでもよいが、熱のロスをより小さくするため、図28に示すように、冷媒貯留タンク20内上部のオーバーフロー口114で外気に通じている空間から吸い込むようにした方がよい。
また、空気搬送装置113からの気泡吹き込み口は冷媒貯留タンク20の底に設けることに限定されるものではなく、少なくとも補助熱交換器16a、16bの周辺に気泡を吹き込むように構成すれば、熱交換器16aの周辺での撹拌作用によって熱伝達率を向上することができる。また、例えば冷媒貯留タンク20の側面側から気泡を吹き込む構成としてもよい。
また、気泡吹き込み手段は、空気搬送装置111で空気を吹き込む構成ではなく、電気分解によって冷媒貯留タンク20内に気泡を発生させても、同様の効果を奏する。
【0204】
さらに、第3の熱源側冷媒サイクルe’’である加熱ボイラ29を使用する場合は、図28に示すように、第6の補助熱交換器19cを冷媒貯留タンク20への利用側冷媒流入口側に設置し、加熱ボイラ29の熱源側冷媒が流れる第5の補助熱交換器16cと熱交換させる。
【0205】
また、第3の熱源側冷媒サイクルe’’を使用する場合、図30のように構成しても良い。図では、第6の補助熱交換器19cのそれぞれの端を冷媒貯留タンク20の高さが異なる位置である下部と上部を冷媒配管によって接続する。そして第6の補助熱交換器19cを流れる利用側冷媒と、第3の熱源側冷媒サイクルe’’の第5の補助熱交換器16cを循環する冷媒とを熱交換させる。
第6の補助熱交換器19cで加熱された利用側冷媒は、密度が小さくなるので補助熱交換器19c内を上昇し、冷媒貯留タンク20の上部に流入する。一方、冷媒貯留タンク20の下部からは未加熱の密度の大きい利用側冷媒が第6の補助熱交換器19cに下部から流入して循環し、冷媒貯留タンク20内に温熱を蓄える。利用側冷媒貯留タンク20内の利用側冷媒は、利用側冷媒搬送装置21により利用側熱交換器22a,22bに送られ、室内を暖房する。
【0206】
図30のように構成すると、利用側熱交換器22a,22bで暖房する場合、第6の補助熱交換器19cが利用側冷媒サイクルとは別系統となり、利用側熱交換器22a、22bの冷媒循環流量が補助熱交換器19cにより低下することがなく、安定して利用側冷媒サイクルの冷媒を循環させることができる。しかも、第6の補助熱交換器19cに利用側冷媒を循環させる駆動力は利用側冷媒の温度差から生じる密度差であり冷媒搬送装置が必要ないため、システムの効率を向上することができる。なお、第6の補助熱交換器19cと冷媒貯留タンク20とを接続する冷媒配管は太いほうが圧力損失が小さくて効率がよいが、あまり太いと利用側冷媒の流速が遅くなり、第6の補助熱交換器19cの熱交換効率が悪くなる。
【0207】
なお、実施の形態1〜実施の形態14において、利用側冷媒は、水、若しくはエチレングリコール、プロピレングリコールおよびD−ソルビトールなどの溶媒の少なくとも1つまたは複数を重量比で数十%以下含んだ水溶液としているが、水の場合には、実施の形態10で述べたように設置工事のときに水道圧で利用側冷媒を充填できるなど、扱いやすい。また、流量を多くできるので、熱伝達能力を大きくできる。また、利用側の冷媒搬送装置の揚程が大きくなり、冷媒搬送装置の能力を増やさなくても遠くまで水を循環させることができるので、高層住宅や敷地面積の大きな建物にも適用できるようになる。
【0208】
また、室内機の台数は、上記実施の形態では2台のものについて説明したがこれに限るものではなく、1台または3台以上でもよい。
【0209】
また、上記実施の形態1〜実施の形態14では冷凍空調装置の一例として室内の冷暖房を行なう冷暖房装置に適用したものを説明したが、これに限るものではなく、例えば熱源側冷媒サイクルで得た冷熱または温熱を利用側冷媒サイクルで給湯や床暖房や浴室等の加熱乾燥などの加熱に利用したり、産業用や家庭用の冷凍冷蔵庫などの冷却に利用したり、さまざまな用途に利用できる。なお、給湯に利用する場合で利用側冷媒が水である場合には、冷媒貯留タンク20に貯留した冷媒をそのまま利用すればよいので、利用側熱交換器は必要ない。
また、上記実施の形態1〜実施の形態14では、冷媒貯留タンクに利用側冷媒を貯留するような構成としたが、冷媒貯留タンクを熱源側冷媒サイクルに連接して熱源側冷媒を貯留する構成としてもよい。このとき利用側冷媒サイクルでは冷媒貯留タンクに蓄熱した温熱または冷熱を補助熱交換器によって取り出すように構成すればよい。熱源側冷媒で蓄熱することにより、エネルギー効率のよい冷媒を利用して冷熱または温熱を蓄熱でき、冷媒貯留タンクを小型化して装置構成全体の小型化を図ることができる。
【0210】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載するような効果を奏する。
【0211】
本発明の請求項1によれば、熱源側冷媒を循環させる熱源側冷媒サイクルと利用側冷媒を循環させる利用側冷媒サイクルの間に設けた補助熱交換器で熱交換することによって前記熱源側冷媒サイクルで得た温熱を前記利用側冷媒サイクルで加熱に利用する冷凍空調装置において、前記利用側冷媒として顕熱を利用する冷媒を用いると共に、前記利用側冷媒サイクルの加熱運転中に前記熱源側冷媒サイクルを除霜運転するときの前記利用側冷媒の温度を暖房または給湯または加熱乾燥に適した温度に維持するように前記利用側冷媒の量を充填したことにより、加熱運転時の熱源側冷媒サイクルの除霜運転に対し、利用側冷媒の温度を安定させることができ、かつ地球環境保全上や取扱上で問題のある冷媒の使用量を低減できる冷凍空調装置が得られる。
【0212】
また、本発明の請求項2によれば、熱源側冷媒サイクルの除霜運転によって補助熱交換器で利用側冷媒サイクルから奪われる熱量をQd、利用側冷媒の量をW、前記利用側冷媒の比熱をCpとし、前記利用側冷媒サイクルの加熱運転中に前記熱源側冷媒サイクルで除霜運転されるとき、Qd/(W・Cp)で表される前記利用側冷媒の温度低下が所定温度以下になるように前記利用側冷媒の量Wを充填して、前記利用側冷媒の温度を暖房または給湯または加熱乾燥に適した温度に維持することにより、加熱運転時の熱源側冷媒サイクルの除霜運転に対し、利用側冷媒の温度を安定させることができ、温熱利用に適した温度を維持でき、かつ地球環境保全上や取扱上で問題のある冷媒の使用量を低減できる冷凍空調装置が得られる。
【0213】
また、本発明の請求項3によれば、利用側冷媒サイクルに設けられ熱源側冷媒サイクルで得た温熱を蓄熱する蓄熱手段を備え、前記熱源側冷媒サイクルの除霜運転によって前記補助熱交換器で前記利用側冷媒サイクルから奪われる熱量をQd、前記除霜運転によって前記蓄熱手段から放熱する熱量をQt、前記利用側冷媒の量をW、前記利用側冷媒の比熱をCpとし、前記利用側冷媒サイクルの加熱運転中に前記熱源側冷媒サイクルで除霜運転されるとき、(Qd−Qt)/(W・Cp)で表される前記利用側冷媒の温度低下が所定温度以下になるように前記利用側冷媒の量Wを充填すると共に前記蓄熱手段の蓄熱容量を設定して、前記利用側冷媒の温度を暖房または給湯または加熱乾燥に適した温度に維持することにより、加熱運転時の熱源側冷媒サイクルの除霜運転に対し、利用側冷媒の温度を安定させることができ、温熱利用に適した温度を維持でき、かつ地球環境保全上や取扱上で問題のある冷媒の使用量を低減でき、冷媒の充填量を低減して小型化できる冷凍空調装置が得られる。
【0214】
また、本発明の請求項4によれば、熱源側冷媒を循環させる熱源側冷媒サイクルと利用側冷媒を循環させる利用側冷媒サイクルの間に設けた補助熱交換器で熱交換することによって前記熱源側冷媒サイクルで得た温熱を前記利用側冷媒サイクルで加熱に利用する冷凍空調装置において、前記利用側冷媒として顕熱を利用する冷媒を用いると共に、前記利用側冷媒サイクル内に前記利用側冷媒を貯留する冷媒貯留タンクを設け、前記冷媒貯留タンクの内容積を、前記利用側冷媒サイクルの加熱運転中に前記熱源側冷媒サイクルを除霜運転するときの前記利用側冷媒の温度を暖房または給湯または加熱乾燥に適した温度に維持するように、前記利用側冷媒の量または蓄熱材の量を蓄えられる内容積としたことにより、加熱運転時の熱源側冷媒サイクルの除霜運転に対し、利用側冷媒の温度低下を低減して利用側冷媒の温度を安定させることで、温熱利用に適した温度に維持でき、かつ地球環境保全上や取扱上で問題のある冷媒の使用量を低減できる冷凍空調装置が得られる。
【0215】
また、本発明の請求項5によれば、圧縮機、流路切換弁、熱源側熱交換器、熱源側冷媒流量制御弁、および第1補助熱交換器を連接し熱源側冷媒を循環させて成る熱源側冷媒サイクルと、前記第1補助熱交換器と熱交換する第2補助熱交換器、冷媒貯留タンク、冷媒搬送装置、および利用側熱交換器を連接し利用側冷媒を循環させて成る利用側冷媒サイクルとを有し、前記圧縮機、前記流路切換弁、前記熱源側熱交換器、前記熱源側冷媒流量制御弁、前記第1補助熱交換器、前記第2補助熱交換器、前記冷媒貯留タンク、および前記冷媒搬送装置を一つのユニット内に収納したことにより、除霜運転時の利用側冷媒の温度を安定させて温熱利用に適した温度に維持でき、かつ搬入および工事に手間がかかるのを防ぐことのできる冷凍空調装置が得られる。
【0216】
また、本発明の請求項6に係わる冷凍空調装置は、圧縮機、流路切換弁、熱源側熱交換器、熱源側冷媒流量制御弁、および第1補助熱交換器を連接し熱源側冷媒を循環させて成る熱源側冷媒サイクルと、前記第1補助熱交換器と熱交換する第2補助熱交換器、冷媒貯留タンク、冷媒搬送装置、および利用側熱交換器を連接し利用側冷媒を循環させて成る利用側冷媒サイクルとを有し、前記圧縮機、前記流路切換弁、前記熱源側熱交換器、および前記熱源側冷媒流量制御弁を一つのユニット内に収納し、前記第1補助熱交換器、前記第2補助熱交換器、前記冷媒貯留タンク、および前記冷媒搬送装置を前記ユニットとは別の一つのユニット内に収納し、前記第1補助熱交換器の一端側と前記流路切換弁との間および前記第1補助熱交換器の他端側と前記熱源側冷媒流量制御弁との間をそれぞれ接続配管で接続したことにより、除霜運転時の利用側冷媒の温度を安定させて温熱利用に適した温度に維持でき、かつ標準の室外ユニットを使用した安価な冷凍空調装置が得られる。
【0217】
また、本発明の請求項7によれば、圧縮機、流路切換弁、熱源側熱交換器、熱源側冷媒流量制御弁、および第1補助熱交換器を連接し熱源側冷媒を循環して成る熱源側冷媒サイクルと、第1の冷媒搬送装置、前記第1補助熱交換器と熱交換する第2補助熱交換器、および前記冷媒貯留タンクを連接し利用側冷媒を循環して成る熱輸送サイクルと、第2の冷媒搬送装置、利用側熱交換器、および前記冷媒貯留タンクを連接し前記利用側冷媒を循環して成る利用側冷媒サイクルとを有し、前記熱輸送サイクルにおいて前記第2補助熱交換器で前記第1補助熱交換器と熱交換して得た温熱を前記冷媒貯留タンクに蓄え、前記利用側冷媒サイクルにおいて前記冷媒貯留タンクに蓄えた温熱を前記利用側熱交換器で加熱に利用することにより、温度制御が安定しやすくなり、温熱利用に適した温度に維持でき、かつ地球環境保全上や取扱上で問題のある冷媒の使用量を低減できる冷凍空調装置が得られる。
【0218】
また、本発明の請求項8によれば、冷媒貯留タンクの内部を左右に分割すると共に、喫水面よりも下側で前記分割された左右の利用側冷媒が連通可能な連通部を有する仕切りを備え、分割された左右の槽のそれぞれに2つの開口を設け、前記冷媒貯留タンクの一方の槽の2つの開口を、利用側熱交換器からの利用側冷媒の流入口と、第2補助熱交換器への前記利用側冷媒の流出口とし、前記冷媒貯留タンクの他方の槽の2つの開口を、前記第2補助熱交換器からの前記利用側冷媒の流入口と、前記利用側熱交換器への前記利用側冷媒の流出口としたことにより、熱源側冷媒サイクルを効率よく運転でき、冷媒貯留タンクに十分に蓄熱して快適な冷凍空調を実現できる冷凍空調装置が得られる。
【0219】
また、本発明の請求項9によれば、熱源側冷媒と利用側冷媒とを熱交換する補助熱交換器をプレート式熱交換器としたことにより、容量の小さい冷媒搬送装置を用いることができ、安価な冷凍空調装置が得られる。
【0220】
また、本発明の請求項10によれば、冷却運転と加熱運転とで、熱源側冷媒サイクルと利用側冷媒サイクルの間の補助熱交換器における利用側冷媒の流れ方向を切換える切換手段を備え、前記補助熱交換器で熱交換する際の熱源側冷媒と利用側冷媒の流れ方向が、冷却運転時および加熱運転時で共に対向流となるように構成したことにより、冷却・加熱運転共に効率よく熱交換でき、除霜運転時の利用側冷媒の温度を安定させて温熱利用に適した温度に維持できる冷凍空調装置が得られる。
【0221】
また、本発明の請求項11によれば、圧縮機、流路切換弁、熱源側熱交換器、熱源側冷媒流量制御弁、および補助熱交換器を連接し熱源側冷媒を循環して成る熱源側冷媒サイクルと、利用側冷媒を貯留する冷媒貯留タンク、および冷媒搬送装置を連接し前記利用側冷媒を循環して成る利用側冷媒サイクルとを備え、前記補助熱交換器を前記冷媒貯留タンク内の利用側冷媒に浸漬して前記補助熱交換器で前記熱源側冷媒と前記利用側冷媒とを熱交換して前記冷媒貯留タンクに熱を蓄え、前記利用側冷媒サイクルにおいて前記冷媒貯留タンクに蓄えた熱を加熱に利用することにより、除霜運転時の利用側冷媒の温度を安定させることができ、さらに熱源側冷媒サイクルの設備を小型化でき、かつ比較的簡単な装置構成でシステム全体の信頼性を向上でき、地球環境保全上や取扱上で問題のある冷媒の使用量を低減できる冷凍空調装置が得られる。
【0222】
また、本発明の請求項12によれば、補助熱交換器における利用側冷媒の伝熱面積を熱源側冷媒の伝熱面積よりも大きくしたことにより、熱源側冷媒と利用側冷媒との熱交換おける伝熱性能を向上して除霜運転時の利用側冷媒の温度を安定させることのできる冷凍空調装置が得られる。
【0223】
また、本発明の請求項13によれば、冷媒貯留タンク内の補助熱交換器周辺に気泡を吹き込む気泡吹き込み手段を備えたことにより、熱源側冷媒と利用側冷媒との熱交換おける伝熱性能を向上して除霜運転時の利用側冷媒の温度を安定させることのできる冷凍空調装装置が得られる。
【0224】
また、本発明の請求項14によれば、冷媒貯留タンクの外部に設けられ前記冷媒貯留タンクの高さが異なる位置を接続する利用側冷媒配管と、この利用側冷媒配管を流通する利用側冷媒を加熱する熱源装置を備えたことにより、比較的簡単な構成で利用側冷媒を加熱でき、かつこの加熱によって利用側冷媒サイクルの冷媒循環には影響を及ぼすことのなく、システムの効率を向上できる冷凍空調装置が得られる。
【0225】
また、本発明の請求項15によれば、圧縮機、流路切換弁、熱源側熱交換器、熱源側冷媒流量制御弁、補助熱交換器、冷媒貯留タンク、および冷媒搬送装置を一つのユニット内に収納したことにより、除霜運転時の利用側冷媒の温度を安定させることで温熱利用に適した温度に維持でき、搬入および工事に手間がかかるのを防ぐことができる冷凍空調装置が得られる。
【0226】
また、本発明の請求項16によれば、圧縮機、流路切換弁、熱源側熱交換器、および熱源側冷媒流量制御弁を一つのユニット内に収納すると共に、補助熱交換器、冷媒貯留タンク、および冷媒搬送装置を前記ユニットとは別の一つのユニット内に収納し、前記補助熱交換器の一端側と前記流路切換弁との間および前記補助熱交換器の他端側と前記熱源側冷媒流量制御弁との間をそれぞれ接続配管で接続したことにより、除霜運転時の利用側冷媒の温度を安定させることで温熱利用に適した温度に維持でき、かつ標準の室外ユニットを使用でき、安価な冷凍空調装置が得られる。
【0227】
また、本発明の請求項17によれば、利用側冷媒を貯留する冷媒貯留タンク内に蓄熱材を設けたことにより、冷媒貯留タンクに十分に蓄熱でき、タンクを小型にできる冷凍空調装置が得られる。
【0228】
また、本発明の請求項18によれば、冷媒貯留タンク内に配設され、その内部を左右に分割する仕切りを備えると共に、分割された一方の槽に設けた利用側冷媒が流入する開口と、他方の槽に設けた前記利用側冷媒が流出する開口を備え、前記仕切りは、前記冷媒貯留タンクの喫水面よりも下側で前記分割された左右の利用側冷媒が連通する連通部を有することにより、熱源側冷媒サイクルを効率よく運転でき、冷媒貯留タンクに十分に蓄熱して快適な空調を実現できる冷凍空調装置が得られる。
【0229】
また、本発明の請求項19によれば、利用側冷媒が循環する部分に、前記利用側冷媒に混入した混入物を集めるフィルタを設けたことにより、利用側冷媒にごみやちりなどの混入物が循環するのを防ぐことができ、信頼性の高い冷凍空調装置が得られる。
【0230】
また、本発明の請求項20によれば、フィルタを利用側冷媒を貯留する冷媒貯留タンク内に設けたことにより、フィルタを管理しやすく、利用側冷媒にごみやちりなどの混入物が循環するのを防ぐことができ、信頼性の高い冷凍空調装置が得られる。
【0231】
また、本発明の請求項21によれば、熱源側冷媒サイクルを2系統以上の複数としたことにより、除霜運転時の利用側冷媒の温度を安定させることで温熱利用に適した温度に維持でき、かつ小型の標準的な熱源側冷媒サイクルを使用でき、安価な冷凍空調装置が得られる。
【0232】
また、本発明の請求項22によれば、熱源側冷媒を循環させる熱源側冷媒サイクルと利用側冷媒を循環させる利用側冷媒サイクルの間に設けた補助熱交換器で熱交換することによって前記熱源側冷媒サイクルで得た温熱を前記利用側冷媒サイクルで加熱に利用する冷凍空調装置において、前記利用側冷媒として顕熱を利用する冷媒を用いると共に、前記熱源側冷媒サイクルを2系統以上の複数とし、その少なくとも1系統の熱源側冷媒サイクルを加熱専用の冷媒サイクルで構成したことにより、除霜運転時の利用側冷媒の温度を安定させることで温熱利用に適した温度に維持でき、かつ小型の標準的な熱源側冷媒サイクルを使用でき、地球環境保全上や取扱上で問題のある冷媒の使用量を低減できる安価な冷凍空調装置が得られる。
【0233】
また、本発明の請求項23によれば、利用側冷媒サイクルに対して複数の熱源側冷媒サイクルを並列に接続したことにより、熱源側冷媒サイクルのそれぞれを独立に制御でき、かつ安価な冷凍空調装置が得られる。
【0234】
また、本発明の請求項24によれば、利用側冷媒サイクルに対して複数の熱源側冷媒サイクルを直列に接続したことにより、小型の標準的な熱源側冷媒サイクルを使用でき、配管の接続を比較的単純にでき、かつ安価な冷凍空調装置が得られる。
【0235】
また、本発明の請求項25によれば、熱源側冷媒サイクルに加熱専用の冷媒サイクルと冷却/加熱併用の冷媒サイクルとをそれぞれ1系統以上設け、利用側冷媒サイクルに対して前記加熱専用の冷媒サイクルと前記冷却/加熱併用の冷媒サイクルとを直列に接続したことにより、外気温度の低い場所で使用しても加熱能力を十分に確保でき、除霜運転時の利用側冷媒の温度を安定させて温熱利用に適した温度に維持できる冷凍空調装置が得られる。
【0236】
また、本発明の請求項26によれば、利用側冷媒サイクルを循環する利用側冷媒の流れの向きに対して冷却/加熱併用の冷媒サイクルを上流側に接続し、加熱専用の冷媒サイクルを下流側に接続したことにより、熱源側冷媒サイクルを有効に利用でき、外気温度の低い場所で使用しても加熱能力を十分に確保でき、除霜運転時の利用側冷媒の温度を安定させて温熱利用に適した温度に維持できる冷凍空調装置が得られる。
【0237】
また、本発明の請求項27によれば、利用側冷媒サイクルを循環する利用側冷媒の流れの向きに対して加熱専用の冷媒サイクルを上流側に接続し、冷却/加熱併用の冷媒サイクルを下流側に接続したことにより、外気温度の低い場所で使用しても加熱能力を十分に確保でき、除霜運転時の利用側冷媒の温度を安定させて温熱利用に適した温度に維持できる冷凍空調装置が得られる。
【0238】
また、本発明の請求項28によれば、熱源側冷媒サイクルに加熱専用の冷媒サイクルと冷却/加熱併用の冷媒サイクルとをそれぞれ1系統以上設け、利用側冷媒サイクルに対して前記加熱専用の冷媒サイクルと前記冷却/加熱併用の冷媒サイクルとを並列に接続すると共に、冷却運転時には加熱専用の冷媒サイクルと熱交換する利用側補助熱交換器には利用側冷媒が流れないように、前記利用側冷媒サイクルの冷媒流路を切換える切換手段を備えたことにより、温熱利用に適した温度に維持でき、かつ加熱専用の冷媒サイクルと冷却/加熱併用の冷媒サイクルをそれぞれ独立して制御でき、利用状況に適した運転を行うことができる冷凍空調装置が得られる。
【0239】
また、本発明の請求項29によれば、熱源側冷媒サイクルに加熱専用の冷媒サイクルと冷却専用の冷媒サイクルとをそれぞれ1系統以上設け、利用側冷媒サイクルに対して前記加熱専用の冷媒サイクルと前記冷却専用の冷媒サイクルとを直列に接続したことにより、外気温度の低い場所で使用しても加熱能力を十分に確保でき、除霜運転時の利用側冷媒の温度を安定させて温熱利用に適した温度に維持でき、かつ安価な冷凍空調装置が得られる。
【0240】
また、本発明の請求項30によれば、熱源側冷媒サイクルに加熱専用の冷媒サイクルと冷却専用の冷媒サイクルとをそれぞれ1系統以上設け、利用側冷媒サイクルに対して前記加熱専用の冷媒サイクルと前記冷却専用の冷媒サイクルとを並列に接続すると共に、加熱運転時には前記加熱専用の冷媒サイクルと熱交換する利用側補助熱交換器に利用側冷媒を循環させ、冷却運転時には冷却専用の冷媒サイクルと熱交換する利用側補助熱交換器に利用側冷媒を循環させるように、前記利用側冷媒サイクルの冷媒流路を切換える切換手段を備えたことにより、加熱能力を十分に確保して温熱利用に適した温度に維持でき、かつ加熱専用の冷媒サイクルと冷却専用の冷媒サイクルをそれぞれ独立して制御でき、利用状況に適した運転を行うことができる安価な冷凍空調装置が得られる。
【0241】
また、本発明の請求項31によれば、利用側冷媒が循環する加熱専用の熱源装置と、加熱運転時に前記加熱専用の熱源装置に前記利用側冷媒を循環させるように前記利用側冷媒サイクルの冷媒流路を切換える切換手段とを備えたことにより、外気温度の低い場所で使用しても加熱能力を十分に確保でき、温熱利用に適した温度に維持できる冷凍空調装置が得られる。
【0242】
また、本発明の請求項32によれば、利用側冷媒サイクルに、熱源側冷媒サイクルにより熱を供給される冷却用の利用側熱交換器と、加熱専用の熱源装置により熱を供給される加熱用の利用側熱交換器とを設け、冷却運転時に前記熱源側冷媒サイクルと前記冷却用の利用側熱交換器を動作させ、加熱運転時に前記加熱専用の熱源装置と前記加熱用の利用側熱交換器を動作させるように構成したことにより、温熱利用に適した温度に維持でき、利用側熱交換器の冷却/加熱を個別に制御できる冷凍空調装置が得られる。
【0243】
また、本発明の請求項33によれば、冷却用の利用側熱交換器は、空気の流れに対し、加熱用の利用側熱交換器の上流側に並べて配置し、除湿運転時に冷却用および加熱用の利用側熱交換器を動作させるように構成したことにより、快適な除湿を行うことができ、外気温度の低い場所で使用しても加熱能力を十分に確保して温熱利用に適した温度に維持できる冷凍空調装置が得られる。
【0244】
また、本発明の請求項34によれば、加熱専用の熱源装置を、利用側冷媒を直接的に加熱する加熱装置としたことにより、外気温度の低い場所で使用しても加熱能力を十分に確保して温熱利用に適した温度に維持でき、かつランニングコストを低減でき安価な冷凍空調装置が得られる。
【0245】
また、本発明の請求項35によれば、利用側冷媒サイクルを構成する配管において、利用側熱交換器への送り側配管と前記利用側熱交換器からの戻り側配管とで、該配管の配管径、若しくは該配管の継ぎ手の径または形状を異なるように構成したことにより、配管接続工事などの際に接続間違いが起こるのを防ぐことができ、信頼性の高い冷凍空調装置が得られる。
【0246】
また、本発明の請求項36によれば、利用側冷媒サイクル内に複数の利用側熱交換器を設け、それらの利用側熱交換器を全て互いに並列に接続したことにより、それぞれの熱交換器で独立して制御できる汎用的な冷凍空調装置が得られる。
【0247】
また、本発明の請求項37によれば、利用側冷媒サイクル内に複数の利用側熱交換器を設け、それらの利用側熱交換器のうちの少なくとも一部を互いに直列に接続したことにより、エネルギを無駄なく利用できる冷凍空調装置が得られる。
【0248】
また、本発明の請求項38によれば、利用側冷媒サイクルを循環する冷媒を、水、若しくはエチレングリコール、プロピレングリコール、およびD−ソルビトールのうちのいずれか1つまたは複数を重量比で数十%以下含む水溶液としたことにより、地球環境保全の点で問題なく、取扱いも容易でかつ安価な冷媒を使用し、地球環境保全や取扱の点で問題のある冷媒の使用量を最小限に抑えることができ、かつ安価な冷凍空調装置が得られる。
【0249】
また、本発明の請求項39によれば、熱源側冷媒サイクルを蒸気圧縮式冷凍サイクルで構成し、前記熱源側冷媒サイクルを循環する冷媒を潜熱を利用するものとし、フロン系の単一冷媒、フロン系の擬似共沸混合冷媒、フロン系の非共沸冷媒、炭化水素系冷媒、およびアンモニア冷媒のうちのいずれか1つとしたことにより、熱源側にはエネルギー効率のよい冷媒を用い、全体として地球環境保全や取扱の点で問題のある冷媒の使用量を最小限に抑えることができ、かつ効率のよい冷凍空調装置が得られる。
【0250】
また、本発明の請求項40によれば、熱源側冷媒を循環させる熱源側冷媒サイクルと利用側冷媒を循環させる利用側冷媒サイクルの間に設けた補助熱交換器で熱交換することによって前記熱源側冷媒サイクルで得た温熱を前記利用側冷媒サイクルで加熱に利用する冷凍空調装置において、前記利用側冷媒として顕熱を利用する冷媒を用いると共に、前記熱源側冷媒サイクルの容量を複数の段階に変化するように構成し、その容量の変化幅を容量が増加するにつれて大きくなるようにしたことにより、負荷の様々な大きさの変動に対して、ハンチングを抑えながら追従することができ、利用側冷媒の温度安定性を向上できる冷凍空調装置の制御方法が得られる。
【0251】
また、本発明の請求項41によれば、熱源側冷媒を循環させる熱源側冷媒サイクルと利用側冷媒を循環させる利用側冷媒サイクルの間に設けた補助熱交換器で熱交換することによって前記熱源側冷媒サイクルで得た温熱を前記利用側冷媒サイクルで加熱に利用する冷凍空調装置において、前記利用側冷媒として顕熱を利用する冷媒を用いると共に、前記熱源側冷媒サイクルを2系統以上の複数とし、前記利用側冷媒サイクルで加熱運転中に前記熱源側冷媒サイクルのうち1系統以上が除霜運転している間に、少なくとも1系統の前記熱源側冷媒サイクルは加熱運転を継続するように制御することにより、除霜運転時に利用側冷媒の温度低下を小さくでき、温熱利用に適した温度に維持できる冷凍空調装置の制御方法が得られる。
【0252】
また、本発明の請求項42によれば、熱源側冷媒を循環させる熱源側冷媒サイクルと利用側冷媒を循環させる利用側冷媒サイクルの間に設けた補助熱交換器で熱交換することによって前記熱源側冷媒サイクルで得た温熱を前記利用側冷媒サイクルで加熱に利用する冷凍空調装置において、前記利用側冷媒として顕熱を利用する冷媒を用いると共に、前記熱源側冷媒サイクルを2系統以上の複数とし、前記熱源側冷媒サイクルに加熱専用の冷媒サイクルと冷却/加熱併用の冷媒サイクルとをそれぞれ1系統以上設け、前記冷却/加熱併用の冷媒サイクルに蒸気圧縮式冷凍サイクルを用い、加熱運転中に前記冷却/加熱併用の冷媒サイクルのうちの1系統以上が除霜運転している間に、前記加熱専用の冷媒サイクルと前記冷却/加熱併用の冷媒サイクルのうちの少なくとも1系統の冷媒サイクルは加熱運転を継続するように制御することにより、除霜運転時の利用側冷媒の温度を安定させて温熱利用に適した温度に維持できる冷凍空調装置の制御方法が得られる。
【0253】
また、本発明の請求項43によれば、熱源側冷媒サイクルのうちの1系統以上が除霜運転している間に加熱運転を継続する熱源側冷媒サイクルは、その加熱能力を増加して加熱運転を継続するように制御することにより、除霜運転時に利用側冷媒の温度低下をさらに小さくして利用側冷媒の温度を安定させて温熱利用に適した温度に維持できる冷凍空調装置の制御方法が得られる。
【0254】
また、本発明の請求項44によれば、熱源側冷媒サイクルのうちの1系統以上が除霜運転している間に加熱運転を継続する熱源側冷媒サイクルを、加熱専用の冷媒サイクルとしたことにより、除霜運転時の利用側冷媒の温度を安定させて温熱利用に適した温度に維持できる冷凍空調装置の制御方法が得られる。
【0255】
また、本発明の請求項45によれば、熱源側冷媒を循環させる熱源側冷媒サイクルと利用側冷媒を循環させる利用側冷媒サイクルの間に設けた補助熱交換器で熱交換することによって前記熱源側冷媒サイクルで得た温熱を前記利用側冷媒サイクルで加熱に利用する冷凍空調装置において、前記利用側冷媒として顕熱を利用する冷媒を用いると共に、前記熱源側冷媒サイクルとして蒸気圧縮式冷凍サイクルを2系統以上用い、前記利用側冷媒サイクルで加熱運転中に前記熱源側冷媒サイクルのうち1系統以上が除霜運転開始条件を満たした場合、除霜運転を開始する前に熱源側冷媒サイクルの能力を増大させて加熱運転を継続し、その後に除霜運転を行うように制御することにより、除霜運転時の利用側冷媒の温度を安定させて温熱利用に適した温度に維持できる冷凍空調装置の制御方法が得られる。
【0256】
また、本発明の請求項46によれば、熱源側冷媒を循環させる熱源側冷媒サイクルと利用側冷媒を循環させる利用側冷媒サイクルの間に設けた補助熱交換器で熱交換することによって前記熱源側冷媒サイクルで得た温熱を前記利用側冷媒サイクルで加熱に利用する冷凍空調装置において、前記利用側冷媒として顕熱を利用する冷媒を用いると共に、前記熱源側冷媒サイクルを2系統以上の複数とし、前記複数系統の熱源側冷媒サイクルのそれぞれの容量を一つまたは複数の段階に変化するように構成し、かつ全体としての前記複数系統の熱源側冷媒サイクルの合計容量を複数の段階に変化するように構成し、その合計容量の変化幅を合計容量が増加するにつれて大きくなるようにしたことにより、負荷の様々な大きさの変動に対して、ハンチングを抑えながら追従することができ、利用側冷媒の温度安定性を向上できる冷凍空調装置の制御方法が得られる。
【0257】
また、本発明の請求項47によれば、合計容量の段階を増加させる際に、複数系統の熱源側冷媒サイクルのうちの現行で運転している熱源側冷媒サイクルは運転状態のままで前記合計容量を増加させるものとし、前記合計容量の段階を減少させる際に、複数系統の熱源側冷媒サイクルのうちの現行で停止している熱源側冷媒サイクルは停止状態のままで前記合計容量を減少させるように制御することにより、システム全体の安定性を向上できる冷凍空調装置の制御方法が得られる。
【0258】
また、本発明の請求項48によれば、圧縮機、流路切換弁、熱源側熱交換器、熱源側冷媒流量制御弁、および熱源側冷媒を貯留する冷媒貯留タンクを連接し前記熱源側冷媒を循環して成る熱源側冷媒サイクルと、補助熱交換器、および冷媒搬送装置を連接し利用側冷媒を循環して成る利用側冷媒サイクルとを備え、前記補助熱交換器を前記冷媒貯留タンク内の熱源側冷媒に浸漬して前記補助熱交換器で前記熱源側冷媒と前記利用側冷媒とを熱交換し、前記冷媒貯留タンクに蓄えた熱を前記利用側冷媒サイクルにおいて加熱に利用することにより、冷媒貯留タンクに効率よく蓄熱して熱源側冷媒サイクルの設備を小型化でき、かつ比較的簡単な装置構成でシステム全体の信頼性を向上でき、除霜運転時の利用側冷媒の温度を安定させて温熱利用に適した温度に維持できる冷凍空調装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による冷凍空調装置を示す構成図である。
【図2】実施の形態1に係わる利用側冷媒の濃度に対する特性を示すグラフであり、図2(a)は凍結温度、図2(b)は動粘度、図2(c)は熱伝達率を示す。
【図3】実施の形態1による冷凍空調装置を示す構成図である。
【図4】実施の形態1による冷凍空調装置を示す構成図である。
【図5】実施の形態1による冷凍空調装置を示す構成図である。
【図6】実施の形態1による冷凍空調装置を示す構成図である。
【図7】本発明の実施の形態2による冷凍空調装置を示す構成図である。
【図8】実施の形態2による冷凍空調装置の制御方法に係わり、圧縮器合計能力および圧縮機合計仮周波数に対するCOPを示すグラフである。
【図9】実施の形態2による冷凍空調装置の制御方法に係わり、温度センサ31の検出温度TH1に対する圧縮機運転台数増減値を示すグラフである。
【図10】実施の形態2による冷凍空調装置の制御方法に係わる処理手順を示すフローチャートである。
【図11】実施の形態2による冷凍空調装置の制御方法に係わる処理を示すブロック線図である。
【図12】本発明の実施の形態3による冷凍空調装置を示す構成図である。
【図13】本発明の実施の形態4による冷凍空調装置を示す構成図である。
【図14】実施の形態4による冷凍空調装置を示す構成図である。
【図15】本発明の実施の形態5による冷凍空調装置を示す構成図である。
【図16】実施の形態5による冷凍空調装置の制御方法に係わり、温度センサ31の検出温度TH1に対する熱源側冷媒サイクル運転/停止を示すグラフである。
【図17】本発明の実施の形態6による冷凍空調装置を示す構成図である。
【図18】本発明の実施の形態7による冷凍空調装置を示す構成図である。
【図19】本発明の実施の形態8による冷凍空調装置を示す構成図である。
【図20】実施の形態8に係わる冷媒貯留タンクの構成を示す説明図である。
【図21】実施の形態8による冷凍空調装置を示す構成図である。
【図22】本発明の実施の形態9による冷凍空調装置を示す構成図である。
【図23】実施の形態9による冷凍空調装置を示す構成図である。
【図24】本発明の実施の形態10による冷凍空調装置を示す構成図である。
【図25】本発明の実施の形態11による冷凍空調装置を示す構成図である。
【図26】本発明の実施の形態12による冷凍空調装置を示す構成図である。
【図27】本発明の実施の形態13による冷凍空調装置を示す構成図である。
【図28】本発明の実施の形態14による冷凍空調装置を示す構成図である。
【図29】実施の形態14に係わる気泡吹き込み手段の構成を示す斜視図である。
【図30】実施の形態14による冷凍空調装置の別の構成を示す構成図である。
【図31】従来の冷凍空調装置を示す構成図である。
【符号の説明】
11 圧縮機、12 流路切換弁、13 熱源側熱交換器、14 熱源側冷媒流量制御弁、15 レシーバ、16 第1補助熱交換器、17 室外送風機、18 第2冷媒貯留タンク、19 第2補助熱交換器、20 冷媒貯留タンク、21 冷媒搬送装置、22a,22b,22c,22d 利用側熱交換器、23a,23b 利用側冷媒流量制御弁、24a,24b 室内送風機、25 冷媒搬送装置、26 フィルタ、27,27a,27b 仕切り、29 加熱装置、31 温度検出手段、34 外気温度検出手段、35 温度検出手段、36 温度検出手段、41,42a,42b 制御装置、51,52 流路切換手段、61蓄熱材、62 流路切換手段、64a,64b 止め弁、65 接続口、111 空気搬送装置、112 空気管、113 仕切り板、g,h 室内ユニット、e,e’,f 室外ユニット、e’’ 熱源装置、j,k,i’,j’,k’接続配管。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a refrigeration / air-conditioning apparatus that performs heating by exchanging heat between a heat source-side refrigerant cycle and a use-side refrigerant cycle, and for example, relates to a refrigeration / air-conditioning apparatus used for cooling and heating a house and a control method thereof. .
[0002]
[Prior art]
An example of a conventional refrigeration and air-conditioning apparatus described in Japanese Patent Application Laid-Open No. Sho 62-238954 will be described below.
In FIG. 31, 81 is a compressor, 82 is a four-way valve, 83 is a heat source side heat exchanger, 84 is a cooling decompression device, 85 is a heating decompression device, and 86 is a circuit provided with a
[0003]
Next, the operation will be described.
During the cooling operation, the refrigerant cycle is indicated by a solid line arrow in the drawing. In the heat source-side refrigerant cycle, the high-temperature and high-pressure gas from the
[0004]
On the other hand, during the heating operation, the refrigerant cycle is indicated by a broken line arrow in the drawing. In the heat source-side refrigerant cycle, the high-temperature and high-pressure gas from the
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
In a conventional refrigeration / air-conditioning apparatus such as a cooling / heating apparatus, when a heating operation such as heating is continuously performed, frost is formed on the surface of the heat source
[0006]
Further, in the conventional refrigeration and air-conditioning apparatus having the above-described configuration, the
In addition, refrigerants used in ordinary refrigeration and air conditioning systems use latent heat and have high energy efficiency. However, the use of these refrigerants causes the following problems. For example, HCFC (Hydrochlorofluorocarbon) refrigerant slightly but destroys the ozone layer, and HFC (Hydrofluorocarbon) refrigerant has a large global warming potential and is expensive. In addition, HC (hydrocarbon) refrigerant that does not destroy the ozone layer and has a low global warming potential is flammable, and ammonia refrigerant is toxic, so it is costly to ensure safety when connecting pipes. Need attention.
[0007]
The present invention has been made to solve the above-described problems, and stabilizes the refrigerant temperature during the heating operation in the use-side refrigerant cycle with respect to the defrosting operation in the heat-source-side refrigerant cycle. It is an object of the present invention to provide a refrigeration / air-conditioning apparatus and a control method thereof that can prevent the indoor comfort from being impaired when heating the room with a heat exchanger and can improve the comfort.
It is another object of the present invention to obtain an inexpensive and safe refrigeration / air-conditioning apparatus and a control method thereof, which can minimize the amount of a refrigerant having a problem in use, such as an HCFC refrigerant, an HFC refrigerant, an HC refrigerant, and an ammonia refrigerant. I have.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
The refrigeration / air-conditioning apparatus according to
[0009]
In the refrigeration / air-conditioning apparatus according to
[0010]
The refrigeration and air-conditioning apparatus according to
[0011]
Further, in the refrigeration / air-conditioning apparatus according to
[0012]
A refrigeration / air-conditioning apparatus according to
[0013]
A refrigeration / air-conditioning apparatus according to
[0014]
A refrigeration / air-conditioning apparatus according to
[0015]
In the refrigeration / air-conditioning apparatus according to
[0016]
The refrigeration / air-conditioning apparatus according to
[0017]
The refrigeration / air-conditioning apparatus according to claim 10 of the present invention is a switching means for switching the flow direction of the use side refrigerant in the auxiliary heat exchanger between the heat source side refrigerant cycle and the use side refrigerant cycle between the cooling operation and the heating operation. Wherein the flow direction of the heat source side refrigerant and the use side refrigerant at the time of heat exchange in the auxiliary heat exchanger is configured to be counterflow both during the cooling operation and during the heating operation. is there.
[0018]
The refrigeration / air-conditioning apparatus according to claim 11 of the present invention connects the compressor, the flow path switching valve, the heat source side heat exchanger, the heat source side refrigerant flow control valve, and the auxiliary heat exchanger to circulate the heat source side refrigerant. A heat source-side refrigerant cycle, a refrigerant storage tank for storing a use-side refrigerant, and a use-side refrigerant cycle connected to a refrigerant transport device and circulating the use-side refrigerant. The auxiliary heat exchanger immerses in the use side refrigerant in the storage tank and exchanges heat between the heat source side refrigerant and the use side refrigerant in the auxiliary heat exchanger to store heat in the refrigerant storage tank, and stores the refrigerant in the use side refrigerant cycle. The heat stored in the tank is used for heating.
[0019]
A refrigeration / air-conditioning apparatus according to claim 12 of the present invention is characterized in that the heat transfer area of the use-side refrigerant in the auxiliary heat exchanger is larger than the heat transfer area of the heat-source-side refrigerant.
[0020]
A refrigeration / air-conditioning apparatus according to a thirteenth aspect of the present invention is characterized by including a bubble blowing means for blowing bubbles around the auxiliary heat exchanger in the refrigerant storage tank.
[0021]
The refrigeration / air-conditioning apparatus according to claim 14 of the present invention circulates through the use-side refrigerant pipe provided outside the refrigerant storage tank and connecting positions where the heights of the refrigerant storage tanks are different, and the use-side refrigerant pipe. A heat source device for heating the use-side refrigerant is provided.
[0022]
A refrigeration / air-conditioning apparatus according to claim 15 of the present invention includes a compressor, a flow path switching valve, a heat source side heat exchanger, a heat source side refrigerant flow control valve, an auxiliary heat exchanger, a refrigerant storage tank, and a refrigerant conveyance device. It is characterized by being housed in one unit.
[0023]
A refrigeration / air-conditioning apparatus according to claim 16 of the present invention includes a compressor, a flow path switching valve, a heat source side heat exchanger, and a heat source side refrigerant flow control valve housed in one unit, and an auxiliary heat exchanger. , The refrigerant storage tank, and the refrigerant transport device are housed in one unit different from the unit, and between one end of the auxiliary heat exchanger and the flow path switching valve and the other end of the auxiliary heat exchanger. And the heat source side refrigerant flow control valve is connected by a connection pipe.
[0024]
A refrigeration / air-conditioning apparatus according to claim 17 of the present invention is characterized in that a heat storage material is provided in a refrigerant storage tank that stores a use-side refrigerant.
[0025]
The refrigeration / air-conditioning apparatus according to claim 18 of the present invention is provided in the refrigerant storage tank, includes a partition that divides the inside of the refrigeration storage tank into right and left, and receives the use-side refrigerant provided in one of the divided tanks. And an opening provided in the other tank, through which the use-side refrigerant flows out, wherein the partition communicates with the divided left and right use-side refrigerants below a draft surface of the refrigerant storage tank. It has a part.
[0026]
A refrigeration / air-conditioning apparatus according to claim 19 of the present invention is characterized in that a filter for collecting contaminants mixed in the use-side refrigerant is provided in a portion where the use-side refrigerant circulates.
[0027]
A refrigeration / air-conditioning apparatus according to claim 20 of the present invention is characterized in that the filter is provided in a refrigerant storage tank that stores the use-side refrigerant.
[0028]
Further, the refrigeration / air-conditioning apparatus according to claim 21 of the present invention is characterized in that the heat source side refrigerant cycle has a plurality of two or more systems.
[0029]
In the refrigeration / air-conditioning apparatus according to claim 22 of the present invention, heat is exchanged by an auxiliary heat exchanger provided between a heat source-side refrigerant cycle for circulating the heat source-side refrigerant and a use-side refrigerant cycle for circulating the use-side refrigerant. In a refrigeration air conditioner that uses the heat obtained in the heat-source-side refrigerant cycle for heating in the use-side refrigerant cycle, a refrigerant that utilizes sensible heat is used as the use-side refrigerant, and the heat-source-side refrigerant cycle is divided into two or more systems. , And at least one of the heat source side refrigerant cycles is constituted by a refrigerant cycle dedicated to heating.
[0030]
A refrigeration / air-conditioning apparatus according to claim 23 of the present invention is characterized in that a plurality of heat source-side refrigerant cycles are connected in parallel to a use-side refrigerant cycle.
[0031]
A refrigeration / air-conditioning apparatus according to claim 24 of the present invention is characterized in that a plurality of heat-source-side refrigerant cycles are connected in series to a use-side refrigerant cycle.
[0032]
In the refrigeration / air-conditioning apparatus according to claim 25 of the present invention, the heat source-side refrigerant cycle is provided with at least one heating-only refrigerant cycle and at least one cooling / heating-use refrigerant cycle. It is characterized in that a dedicated refrigerant cycle and the cooling / heating combined refrigerant cycle are connected in series.
[0033]
In the refrigeration / air-conditioning apparatus according to claim 26 of the present invention, a cooling / heating combined refrigerant cycle is connected upstream with respect to the flow direction of the use-side refrigerant circulating in the use-side refrigerant cycle, and the heating-only refrigerant is used. The cycle is connected to the downstream side.
[0034]
In the refrigeration / air-conditioning apparatus according to claim 27 of the present invention, a refrigerant cycle dedicated to heating is connected upstream with respect to the flow direction of the use-side refrigerant circulating in the use-side refrigerant cycle, and the refrigerant is used for both cooling and heating. The cycle is connected to the downstream side.
[0035]
In the refrigeration / air-conditioning apparatus according to claim 28 of the present invention, the heat source-side refrigerant cycle is provided with at least one heating-only refrigerant cycle and at least one cooling / heating-use refrigerant cycle, and the heating-side refrigerant cycle is heated. A dedicated refrigerant cycle and the cooling / heating combined refrigerant cycle are connected in parallel, and during the cooling operation, the use-side refrigerant does not flow to the use-side auxiliary heat exchanger that exchanges heat with the heating-dedicated refrigerant cycle, A switching means for switching a refrigerant flow path of the use-side refrigerant cycle is provided.
[0036]
Further, the refrigeration / air-conditioning apparatus according to claim 29 of the present invention is provided with at least one heating-only refrigerant cycle and at least one cooling-only refrigerant cycle in the heat-source-side refrigerant cycle, and uses only the heating-only refrigerant cycle in the use-side refrigerant cycle. A refrigerant cycle and a refrigerant cycle dedicated to cooling are connected in series.
[0037]
In the refrigeration / air-conditioning apparatus according to claim 30 of the present invention, the heat source-side refrigerant cycle is provided with at least one heating-only refrigerant cycle and at least one cooling-only refrigerant cycle, and the heating-side refrigerant cycle is dedicated to the heating. A refrigerant cycle and the cooling-dedicated refrigerant cycle are connected in parallel, and during a heating operation, a usage-side refrigerant is circulated through a usage-side auxiliary heat exchanger that exchanges heat with the heating-dedicated refrigerant cycle. Switching means for switching a refrigerant flow path of the use-side refrigerant cycle so as to circulate the use-side refrigerant to the use-side auxiliary heat exchanger that exchanges heat with the refrigerant cycle is provided.
[0038]
The refrigeration / air-conditioning apparatus according to claim 31 of the present invention is configured such that the heating-side heat source device in which the usage-side refrigerant circulates and the usage-side refrigerant so as to circulate the usage-side refrigerant in the heating-only heat source device during the heating operation. Switching means for switching the refrigerant flow path of the refrigerant cycle.
[0039]
In the refrigeration / air-conditioning apparatus according to claim 32 of the present invention, heat is supplied to a use-side refrigerant cycle by a use-side heat exchanger for cooling supplied with heat by the heat-source-side refrigerant cycle and a heat source device dedicated to heating. A heating use side heat exchanger for heating is provided, and the heat source side refrigerant cycle and the use side heat exchanger for cooling are operated during the cooling operation, and the heating only heat source device and the heating use side during the heating operation. The use side heat exchanger is configured to operate.
[0040]
Further, in the refrigeration / air-conditioning apparatus according to claim 33 of the present invention, the cooling use-side heat exchanger is arranged side by side with respect to the air flow on the upstream side of the heating use-side heat exchanger, and when the dehumidifying operation is performed. The present invention is characterized in that the cooling and heating use side heat exchangers are operated.
[0041]
A refrigeration air conditioner according to claim 34 of the present invention is characterized in that the heat source device dedicated to heating is a heating device that directly heats the use-side refrigerant.
[0042]
In the refrigeration / air-conditioning apparatus according to claim 35 of the present invention, in a pipe constituting a use-side refrigerant cycle, a feed-side pipe to a use-side heat exchanger and a return-side pipe from the use-side heat exchanger, The diameter of the pipe or the diameter or the shape of the joint of the pipe is different.
[0043]
A refrigeration / air-conditioning apparatus according to claim 36 of the present invention is characterized in that a plurality of use-side heat exchangers are provided in a use-side refrigerant cycle, and all of the use-side heat exchangers are connected in parallel with each other. Things.
[0044]
In the refrigeration / air-conditioning apparatus according to claim 37 of the present invention, a plurality of use-side heat exchangers are provided in the use-side refrigerant cycle, and at least some of the use-side heat exchangers are connected in series with each other. It is characterized by the following.
[0045]
Further, in the method for controlling a refrigerating air conditioner according to claim 38 of the present invention, the refrigerant circulating in the use-side refrigerant cycle is water, or one or more of ethylene glycol, propylene glycol, and D-sorbitol. Is an aqueous solution containing several tens of% or less by weight.
[0046]
In the refrigeration / air-conditioning apparatus according to claim 39 of the present invention, the heat source-side refrigerant cycle is constituted by a vapor compression refrigeration cycle, and the refrigerant circulating in the heat source-side refrigerant cycle uses latent heat. The refrigerant is one of one refrigerant, a chlorofluorocarbon-based azeotropic mixed refrigerant, a chlorofluorocarbon-based non-azeotropic refrigerant, a hydrocarbon-based refrigerant, and an ammonia refrigerant.
[0047]
Further, in the method for controlling a refrigeration / air-conditioning apparatus according to claim 40 of the present invention, heat is generated by an auxiliary heat exchanger provided between a heat-source-side refrigerant cycle for circulating a heat-source-side refrigerant and a use-side refrigerant cycle for circulating a use-side refrigerant. In a refrigeration air conditioner that uses the heat obtained in the heat source-side refrigerant cycle for heating in the use-side refrigerant cycle by exchanging, while using a refrigerant that utilizes sensible heat as the use-side refrigerant, the heat-source-side refrigerant cycle The present invention is characterized in that the capacitance is changed in a plurality of stages, and the change width of the capacitance is increased as the capacitance increases.
[0048]
Further, in the control method of a refrigeration / air-conditioning apparatus according to claim 41 of the present invention, the heat source side refrigerant cycle for circulating the heat source side refrigerant and the use side refrigerant cycle provided between the use side refrigerant cycle for circulating the use side refrigerant may be used. In a refrigeration air conditioner that uses the heat obtained in the heat source side refrigerant cycle for heating in the use side refrigerant cycle by exchanging, while using a refrigerant that utilizes sensible heat as the use side refrigerant, the heat source side refrigerant cycle is At least one of the heat source side refrigerant cycles performs a heating operation while at least one of the heat source side refrigerant cycles performs a defrost operation during a heating operation in the utilization side refrigerant cycle. It is characterized in that it is controlled to continue.
[0049]
Further, in the control method of a refrigeration / air-conditioning apparatus according to claim 42 of the present invention, the heat source side refrigerant cycle for circulating the heat source side refrigerant and the use side refrigerant cycle provided between the use side refrigerant cycle for circulating the use side refrigerant generate heat. In a refrigeration air conditioner that uses the heat obtained in the heat source side refrigerant cycle for heating in the use side refrigerant cycle by exchanging, while using a refrigerant that utilizes sensible heat as the use side refrigerant, the heat source side refrigerant cycle is The heat source side refrigerant cycle includes a plurality of two or more systems, and the heat source side refrigerant cycle is provided with at least one system of a refrigerant cycle dedicated to heating and a refrigerant cycle of both cooling and heating. A vapor compression refrigeration cycle is used as the refrigerant cycle of both cooling and heating. During the heating operation, while at least one of the cooling / heating combined refrigerant cycles is performing the defrosting operation, the heating-only refrigerant cycle is Refrigerant cycle of the at least one channel of the refrigerant cycle of the cooling / heating combination is to control means controls so as to continue the heating operation.
[0050]
Further, in the method for controlling a refrigeration / air-conditioning apparatus according to claim 43 of the present invention, the heat source-side refrigerant cycle that continues the heating operation while one or more of the heat source-side refrigerant cycles is performing the defrosting operation has a heating function. It is characterized in that control is performed so as to increase the capacity and continue the heating operation.
[0051]
Further, in the method for controlling a refrigerating air conditioner according to claim 44 of the present invention, the heat source side refrigerant cycle that continues the heating operation while one or more of the heat source side refrigerant cycles performs the defrosting operation is dedicated to heating. The refrigerant cycle is characterized by the following.
[0052]
Further, in the control method of a refrigeration / air-conditioning apparatus according to claim 45 of the present invention, the heat source side refrigerant cycle circulating the heat source side refrigerant and the use side refrigerant cycle provided between the use side refrigerant cycle circulating the use side refrigerant generate heat. In a refrigeration air conditioner that uses the heat obtained in the heat source side refrigerant cycle for heating in the use side refrigerant cycle by exchanging, while using a refrigerant that utilizes sensible heat as the use side refrigerant, the heat source side refrigerant cycle If two or more vapor compression refrigeration cycles are used and one or more of the heat source side refrigerant cycles satisfy the defrosting operation start condition during the heating operation in the use side refrigerant cycle, before starting the defrosting operation. It is characterized in that the heating operation is continued by increasing the capacity of the heat source-side refrigerant cycle, and then the defrosting operation is controlled.
[0053]
Further, in the method for controlling a refrigeration / air-conditioning apparatus according to claim 46 of the present invention, the heat generated by the auxiliary heat exchanger provided between the heat-source-side refrigerant cycle for circulating the heat-source-side refrigerant and the use-side refrigerant cycle for circulating the use-side refrigerant. In a refrigeration air conditioner that uses the heat obtained in the heat source side refrigerant cycle for heating in the use side refrigerant cycle by exchanging, while using a refrigerant that utilizes sensible heat as the use side refrigerant, the heat source side refrigerant cycle is A plurality of two or more heat source-side refrigerant cycles are configured so that each capacity of the heat source-side refrigerant cycle of the plural systems is changed to one or more stages, and the total capacity of the heat source-side refrigerant cycles of the plural systems as a whole is It is characterized in that it is configured to change in a plurality of stages, and that the change width of the total capacity increases as the total capacity increases.
[0054]
In the method for controlling a refrigeration / air-conditioning apparatus according to claim 47 of the present invention, when the stage of the total capacity is increased, the currently operating heat source side refrigerant cycle of the plurality of systems of the heat source side refrigerant cycle is operated. It is assumed that the total capacity is increased in the state, and when the stage of the total capacity is reduced, the currently stopped heat source-side refrigerant cycle of the heat source-side refrigerant cycles of a plurality of systems remains stopped. The control is performed so as to reduce the total capacity.
[0055]
Further, a refrigeration air conditioner according to claim 48 of the present invention is configured such that a compressor, a flow path switching valve, a heat source side heat exchanger, a heat source side refrigerant flow control valve, and a refrigerant storage tank that stores the heat source side refrigerant are connected. A heat-source-side refrigerant cycle that circulates a heat-source-side refrigerant, and an auxiliary heat exchanger, and a use-side refrigerant cycle that connects the refrigerant conveyance device and circulates the use-side refrigerant. The heat source side refrigerant and the use side refrigerant are immersed in the heat source side refrigerant in the storage tank to exchange heat with the heat source side refrigerant and the use side refrigerant in the auxiliary heat exchanger, and the heat stored in the refrigerant storage tank is used for heating in the use side refrigerant cycle. It is characterized by doing.
[0056]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, as a refrigeration / air-conditioning apparatus according to
A refrigerant cycle configured to circulate refrigerant in a refrigerant circuit using a compressor and utilize condensation and evaporation of the refrigerant is called a vapor compression refrigeration cycle.
[0057]
Further,
[0058]
The discharge port of the
[0059]
In the refrigeration / air-conditioning apparatus applied to the cooling and heating according to the present embodiment, a refrigerant utilizing sensible heat is used as a refrigerant in the use-side refrigerant cycle, for example, water or a solvent such as ethylene glycol, propylene glycol, and D-sorbitol. An aqueous solution containing one or more of them at several tens% by weight or less is used. An aqueous solution containing one or more of solvents such as ethylene glycol, propylene glycol, and D-sorbitol in a weight ratio of more than 0% and not more than tens of% does not freeze even when the temperature becomes 0 [° C.] or less. It is an antifreeze having characteristics.
If an antifreeze liquid, which is an aqueous solution containing more than 0% and several tens% or less by weight of ethylene glycol, propylene glycol, D-sorbitol, or the like, is used as the refrigerant of the utilization side refrigerant cycle, The refrigerant can be prevented from freezing even if it is installed in an area where the temperature is low and 0 [° C.] or less. FIG. 2 shows a graph of, for example, the concentration of an aqueous propylene glycol solution and its characteristics. 2A is a freezing temperature (° C.) with respect to the concentration of the aqueous solution, FIG. 2B is a kinematic viscosity with respect to the concentration of the aqueous solution at 10 ° C. and 45 ° C., and FIG. ] And 45 [° C.] with respect to the concentration of the aqueous solution. As shown in FIG. 2A, there is an advantage that the freezing temperature decreases as the concentration of the aqueous solution increases, and the freezing does not occur even when used in an area where the outside air temperature decreases accordingly. However, on the other hand, the kinematic viscosity increases as shown in FIG. 2B, and the heat transfer coefficient decreases as shown in FIG. 2C. For this reason, as the refrigerant circulating in the use-side refrigerant cycle, an aqueous solution having a concentration of several tens% or less, for example, about 60% or less, and an about 30% concentration in this embodiment, for example, is used.
[0060]
The
The above-mentioned use-side refrigerant is a refrigerant that is easy to handle and inexpensive without any problem in terms of global environmental protection.
[0061]
On the other hand, the refrigerant in the heat source side refrigerant cycle is a Freon-based refrigerant such as HCFC (hydrochlorofluorocarbon) refrigerant or HFC (hydrofluorocarbon) refrigerant, an HC (hydrocarbon-based) refrigerant, and an ammonia refrigerant, which are used in a normal refrigeration and air conditioning system. And so on. Specifically, for example, a single refrigerant such as R22 which is an HCFC refrigerant or R134a which is an HFC refrigerant, a pseudo-azeotropic mixed refrigerant such as R410A which is an HFC refrigerant, a non-azeotropic mixed refrigerant such as R407C which is an HFC refrigerant, HC Use propane, isobutane, and ammonia as refrigerants.
[0062]
As described above, the refrigerant of the use-side refrigerant cycle and the refrigerant of the heat source-side refrigerant cycle are separated, and the use-side refrigerant cycle uses sensible heat to transport heat, and the heat application-side refrigerant cycle uses latent heat. It is composed of different components such as a refrigerant that transports heat. By using a refrigerant having high energy efficiency on the heat source side and using a refrigerant using sensible heat that does not cause a problem in depletion of the ozone layer and global warming on the use side, energy efficiency is high in the entire refrigeration and air conditioning system. However, the use amount of the refrigerant having a problem in use is reduced as much as possible.
Of course, natural refrigerants such as carbon dioxide, water, and air may be used as the refrigerant in the heat source-side refrigerant cycle, or the same refrigerant as the refrigerant in the use-side refrigerant cycle, that is, any one of ethylene glycol, propylene glycol, and D-sorbitol An aqueous solution containing one or more of them by several tens% or less by weight may be used. In this case, although the energy efficiency is reduced, a refrigeration / air-conditioning apparatus having no problem in terms of global environmental protection and handling can be configured.
[0063]
Next, the operation will be described.
During the cooling operation, the refrigerant cycle shown by the solid line in FIG. 1 is performed. In the heat source side refrigerant cycle, the first port and the second port, and the third port and the fourth port of the four-
[0064]
During the heating operation, the refrigerant cycle is indicated by a broken line in the figure. In the heat source side refrigerant cycle, the first port and the fourth port, and the third port and the second port of the four-
[0065]
Further, when the heat source side refrigerant cycle enters the defrosting operation during the heating operation, the heat source side refrigerant cycle becomes the same as the refrigerant cycle at the time of cooling indicated by the solid line in the figure, and deprives the sensible heat of the refrigerant during the use side refrigerant cycle. The frost that has reached the surface of the heat source
ΔT = (Qd + QL) / (W · Cp) (1)
[0066]
For example, assuming that the heating capacity of the heat source side refrigerant cycle is 9.6 [kW] = [kJ / s], the amount of heat taken from the usage side refrigerant cycle during defrosting is Qd = 9.6 [kJ / s] × 3600 [s] ] / 30 = 1152 [kJ]. In addition, when the defrosting operation is performed for 3 minutes, the heat amount of the temperature decrease due to the indoor load can be calculated by QL = (heating capacity during heating operation) [kJ / s] × 60 [s] × 3 [min]. . Normally, the defrosting operation is started after the heating operation is performed to some extent, and since the heating operation is not performed at the maximum heating capacity, one indoor unit is now operating. Assuming that the vehicle is operated at 1.5 [kJ / s], QL = 270 [kJ]. Assuming that the refrigerant in the use-side refrigerant cycle is water and its mass is 20 [kg], the specific heat of water is 4.19 [kJ / kgK], so the temperature decrease of the use-side refrigerant during defrosting is ΔT = 17. .0 [K]. That is, the internal volume of the
If the
[0067]
Therefore, in the refrigeration / air-conditioning apparatus according to the present embodiment, the internal volume of the
[0068]
Conversely, if the allowable value of the refrigerant temperature decrease ΔT [K] in the use-side refrigerant cycle during the defrosting operation is determined to be equal to or lower than the predetermined temperature, the amount of refrigerant that the
W = (Qd + QL) / (ΔT · Cp) (2)
The refrigerant amount Wt [kg] held in the
Wt = W-Wp (3)
Here, Wp [kg] is a required amount of refrigerant obtained from the internal volume of the usage-side refrigerant cycle other than the
In the above-described example, for example, if the temperature decrease ΔT of the usage-side refrigerant during the defrosting operation is allowed, the
Wt = (1152 + 270) [kJ] / (2 [K] · 4.19 [kJ / kgK])-20
= 150.0 [kg]
Needs an internal volume that can hold the refrigerant. By configuring the
However, there is a difference in the calculation of the temperature drop QL due to the indoor load depending on the usage on the usage side, and the
Wt> 1152 [kJ] / (2 [K] · 4.19 [kJ / kgK])-20
> 117.5 [kg].
That is, if at least the heat source-side refrigerant cycle stores the amount of heat required for the defrosting operation in the
[0069]
In the case of a configuration in which a heat storage means such as a heat storage material is provided in the use-side refrigerant cycle and the cold or warm heat obtained in the heat source-side refrigerant cycle is stored, the heat stored in the heat storage means is radiated during the defrosting operation. Therefore, a decrease in the temperature of the use-side refrigerant can be reduced. Assuming that the amount of heat released during the defrosting operation from the heat storage means at this time is Qt [kJ], the temperature drop ΔT of the use-side refrigerant is expressed by the following expression instead of
ΔT = (Qd + QL−Qt) / (W · Cp)
The heat storage capacity of the heat storage means and the amount of refrigerant in the use-side refrigerant cycle are filled so that the temperature decrease ΔT is equal to or lower than a predetermined temperature, for example, 5 [K], and the temperature of the use-side refrigerant is maintained at a temperature suitable for heating. I do. Setting the heat storage capacity based on the heat release amount Qt during the defrosting operation from the heat storage means differs depending on the material and configuration of the heat storage means, and may be set as appropriate for each case. For example, when the heat storage means is a brick or the like immersed in the
In addition, when the temperature of the use-side refrigerant is maintained at a temperature suitable for the operation using the heating, the temperature drop during the defrosting operation can be obtained as about 10 [K] or less because the room is used for heating the room. In the case of using for heating, hot water supply, heating and drying of other spaces such as a greenhouse, it is necessary to set a predetermined temperature of the temperature decrease during the defrosting operation to another value and maintain the appropriate temperature. is there. Also, in the case of hot water supply or heating and drying, similarly to the heating, the temperature drop during the defrosting operation may be reduced to about 10 [K] or less to maintain a temperature suitable for hot water supply or heating and drying. If the temperature is preferably about 5 [K] or less, heat can be utilized without any trouble.
[0070]
In the configuration of FIG. 1, the
Further, the
[0071]
Further, in the above description, the capacity of the
[0072]
Further, the
[0073]
Further, a configuration as shown in FIG. 5 may be used. In this case, the
Since the device shown in FIG. 5 absorbs and dissipates heat in the second
It should be noted that the
[0074]
In FIGS. 1 and 3 to 5, the
ΔTH1 = TH1-TM (4)
The capacity of the heat source side refrigerant cycle is controlled by increasing and decreasing the operating frequency of the
On the other hand, in the case of the heating operation, since the target temperature TM is set higher than the detected temperature TH1, the temperature difference ΔTH1 is calculated by the equation (5).
ΔTH1 = TM−TH1 (5)
The capacity of the heat source side refrigerant cycle is controlled by increasing and decreasing the operating frequency of the
For example, the target value of the outlet temperature of the second
[0075]
When the capacity control of the
For example, in the case of the cooling operation, TMH = 10 [° C.] and TML = 7 [° C.], the
In the case of the heating operation, TMH = 50 ° C. and TML = 47 ° C., the
[0076]
In the above, the case where the number of the use-side heat exchangers is two has been described. However, three or more use-side heat exchangers may be connected, or the number of the use-side heat exchangers may be one. In the case of a plurality of units, if all of them are connected in parallel with each other, each use-side heat exchanger can be controlled independently, so that it is easy to apply to the needs of the user and versatile. In addition, it is not necessary that all the units be in parallel. For example, as shown in FIG. 6, the use-
[0077]
As for the indoor units p and q connected in series, the
[0078]
Further, the
[0079]
It is desirable that the capacity of the heat source side refrigerant cycle of the refrigeration / air-conditioning apparatus according to the present embodiment, that is, the rated capacity, is equal to the total rated capacity of the indoor units g and h. Since it is rarely air-conditioned at the same time, it may be equal to or less than the total rated capacity of the indoor units g and h. By doing so, it is not necessary to have excessive equipment, and the refrigeration / air-conditioning apparatus can be supplied at a low price.
[0080]
In the heat source-side refrigerant cycle of the refrigeration / air-conditioning apparatus according to the present embodiment, the appropriate amount of refrigerant in the cooling operation for performing cooling is larger than that in the heating operation for performing heating. Accordingly, the refrigerant outlet side of the first
However, it is not always necessary to provide the
[0081]
As the integrally formed
Further, in the
[0082]
When plate-type heat exchangers are used as the
In addition, even when the plate heat exchanger is used, the inlet of the heat source side refrigerant cycle during the cooling operation is up and the outlet is down, that is, contrary to FIG. 6, the inlet is down and the outlet is out during the heating operation. May be connected so as to face up. In this case, the connection of the use-side refrigerant cycle is such that the inlet is at the top and the outlet is at the bottom. With this configuration, the gas-liquid two-phase refrigerant that has flowed into the
[0083]
Also, in FIGS. 1 and 3 to 6, the use-side refrigerant
In addition, an aqueous solution containing at least one of ethylene glycol, propylene glycol, D-sorbitol, and the like having antifreeze properties as a refrigerant of the use-side refrigerant cycle in a weight ratio of more than 0% and not more than several tens%. However, when used in an area where the outside air temperature does not fall below 0 [° C], or even when the outside air temperature falls below 0 [° C], the piping should be made of a material with good heat insulation properties, Water may be used if some other means is used, such as wrapping a heat insulator.
[0084]
In the present embodiment, a configuration in which the heat source side refrigerant cycle has a plurality of systems, for example, one having two systems will be described.
Hereinafter, as a refrigeration / air-conditioning apparatus according to
[0085]
On the other hand, the use side refrigerant cycle includes the
[0086]
Next, the operation will be described.
During the cooling operation, both the first and second heat source side refrigerant cycles become the refrigerant cycle indicated by the solid line in the figure. In the heating operation, both the first and second heat source side refrigerant cycles are dashed refrigerant cycles in the drawing. The operations of the first and second heat-source-side refrigerant cycles are the same as those of the first embodiment in the cooling operation and the heating operation, and therefore will not be described.
On the other hand, in the use-side refrigerant cycle, in the cooling operation, the refrigerant sent to the
[0087]
The
ΔTH1 = TH1-TM (6)
The capacity of the first and second heat source side refrigerant cycles is controlled by increasing and decreasing the operating frequencies of the first and
On the other hand, in the case of the heating operation, the temperature difference ΔTH1 between the detected temperature TH1 of the
ΔTH1 = TM−TH1 (7)
The capacity of the first and second heat source side refrigerant cycles is controlled by increasing and decreasing the operating frequencies of the first and
For example, the target value of the detection temperature of the
[0088]
The operating frequency of each of the
[0089]
When the operating frequencies of the first and
[0090]
When only the operation / stop of the capacity control of the compressor in the first and second heat source side refrigerant cycles can be selected, the upper limit TMH and the lower limit TML are set to the target temperature of the
In FIG. 9, the horizontal axis represents the detected temperature TH1 of the
[0091]
Hereinafter, in a refrigeration air conditioner having a plurality of heat source side refrigerant cycles, during the heating operation, the first heat source
After the first heat source-side refrigerant cycle satisfies the defrosting operation start condition during the heating operation, and when the second heat source-side refrigerant cycle satisfies the defrosting operation start condition while the defrosting operation is being performed, The defrosting operation of the second heat source side refrigerant cycle is delayed until the first heat source side refrigerant cycle satisfies the defrosting operation end condition. The control operation of the
[0092]
First, in ST1, in the first and second heat source side refrigerant cycles, the first and second pipe temperatures are detected by the
[0093]
When the control is performed as described above, for example, during the heating operation, the first heat source-side refrigerant cycle is defrosted by detecting the detected temperature of the
[0094]
By performing the defrosting operation of the heat source-side refrigerant cycle one by one in this manner, a decrease in the refrigerant temperature of the use-side refrigerant cycle is reduced, so that the temperature is maintained at a temperature suitable for using heat and the comfort in the air-conditioned room is improved. I do. In addition, since the decrease in the refrigerant temperature in the use-side refrigerant cycle is small compared to the case where the number of heat source-side refrigerant cycles is one, the
When there are three or more heat source-side refrigerant cycles, one or more of them may perform a defrosting operation, and at least one heat source-side refrigerant cycle continues a heating operation instead of a defrosting operation. If it is controlled to perform, the same effect as described above can be obtained.
In addition, if the heat source side refrigerant cycle is divided into a plurality of systems, a small and inexpensive standard heat pump can be used as it is or its components can be used, so that a more inexpensive refrigeration and air-conditioning apparatus can be obtained.
[0095]
When the first heat source-side refrigerant cycle is performing a defrosting operation and the second heat source-side refrigerant cycle is performing a heating operation, the
Furthermore, if there are three or more heat source-side refrigerant cycles, the refrigerant temperature of the use-side refrigerant cycle can be stabilized by shifting all the defrosting operation timings, and the comfort in the air-conditioned room can be maintained.
[0096]
Further, when either the first heat source side refrigerant cycle or the second heat source side refrigerant cycle satisfies the defrosting operation start condition, the first heat source side refrigerant cycle or the second heat source side before the defrosting operation starts. One or both of the refrigerant cycles may be operated at the maximum capacity to raise the refrigerant temperature of the use-side refrigerant cycle in advance. As a specific means, when either the first heat source side refrigerant cycle or the second heat source side refrigerant cycle satisfies the defrosting operation start condition, the merging outlets of the second and fourth
[0097]
As described above, if the defrosting operation is performed after the refrigerant temperature of the use-side refrigerant cycle is increased, even if the amount of heat is deprived of the use-side refrigerant cycle by the defrosting operation, the comfort in the air-conditioned room can be maintained. it can. The target temperature increase TMU is, for example, about の of the temperature expected to decrease in the defrosting operation, and can prevent a person in the room from feeling uncomfortable to some extent. However, since the amount of increase in the target temperature varies depending on the environment and state of use, it cannot be said unconditionally, and the user may set an appropriate value.
In addition, the operating frequencies of the first and
[0098]
The control of the defrosting operation in the refrigeration / air-conditioning apparatus having a plurality of heat source-side refrigerant cycles described above is performed in a refrigeration system without the
[0099]
Next, a control method for setting the capacity control stages of the first and second heat source side refrigerant cycles to several stages will be described.
In the case where the respective capacity control stages of the first and second heat source side refrigerant cycles are set to several stages, the target temperature of the
ΔTH1 = TM−TH1 * (8)
And The superscript * indicates the predicted value of TH1 after τ [h] or 2τ [h]. For example, in the cooling operation, when ΔTH1> + α, the total capacity stage D of the heat source side refrigerant cycle is reduced by one stage, and when ΔTH1 <−α, the total capacity stage D of the heat source side refrigerant cycle is increased by one stage. The capacity control step is preferably set so that the rate of change to the total capacity (capacity) of the heat source side refrigerant cycles in the adjacent capacity control steps is substantially constant as shown in FIG.
[0100]
For example,
{(Cooling capacity of stage 3) − (Cooling capacity of stage 2)} / (Cooling capacity of stage 2) ≒ {(Cooling capacity of stage 4) − (Cooling capacity of stage 3)} / (Cooling capacity of stage 3) )
Set as follows. In other words, the capacitance change width is set to increase as the capacitance increases, so that it is possible to follow a relatively large load fluctuation and a relatively small load fluctuation while suppressing hunting. Thus, the temperature stability of the use-side refrigerant is improved, and the comfort in the air-conditioned room is improved.
[0101]
Here, a setting method of the capacity control stage will be described. As described above, the capacity control stage is set such that the capacity change rate is constant regardless of the transition from any of the capacity control stages to the adjacent capacity control stage. Now, assuming that the number of capacity control stages is N, the maximum capacity is Qmax [kW], and the minimum capacity is Qmin [kW] (excluding the stopped state), the capacity change rate r for keeping the change rate of each stage constant Is obtained by Expression (9).
r N-1 = Qmax / Qmin (9)
That is, the (N-1) th root of the ratio between the maximum capacity and the minimum capacity is the capacity change rate r. Therefore,
For example, taking FIG. 11 as an example, since Qmax = 8 [kW] and Qmin = 1 [kW] and the capacity control stage is N = 7, the capacity control change rate r = (8/1) 1/6 = 1.414. Therefore, if any capacity control stage can be set,
[0102]
Actually, there are two heat source side refrigerant cycles, and it is difficult to realize them in three equal capacity control stages. Therefore, Qmax = 4 [ kW], Qmin = 1 [kW], and N = 3, r = (4/1) 1/2 = 2. That is, the
When changing the stage of the total capacity in this way, if the change increases the stage of the total capacity, the currently operating heat source-side refrigerant cycle of the heat source-side refrigerant cycles of the plurality of systems remains operating. Is controlled to increase the total capacity. On the other hand, when the change decreases the stage of the total capacity, control is performed such that the currently stopped heat source-side refrigerant cycle of the plurality of heat source-side refrigerant cycles remains stopped to reduce the total capacity. Thus, when the stage of the total capacity is changed, the number of the heat source-side refrigerant cycles whose operation / stop state changes among the heat source-side refrigerant cycles of the plurality of systems can be minimized, and the stability of the entire system can be improved. It is possible to cope with a change in load while maintaining comfort in the air-conditioned room.
[0103]
As described above, the capacity control method in the refrigeration / air-conditioning apparatus including a plurality of heat source-side refrigerant cycles sets the change width of the total capacity of the heat source-side refrigerant cycle so as to increase as the total capacity increases. Therefore, it is possible to follow a large change in a relatively large load and a small change in a relatively small load while suppressing hunting, thereby improving the temperature stability of the use-side refrigerant and improving the comfort in the air-conditioned room.
Of course, even when the number of heat source side refrigerant cycles is one, the change rate of the capacity (capacity) to the next stage is set to be substantially constant, that is, the capacity change width increases as the capacity increases. With this setting, it is possible to follow any load fluctuation while suppressing hunting, and to perform cooling or heating operation in a state where the temperature of the use-side refrigerant is stable.
[0104]
In the present embodiment, the example in which the number of the heat source side refrigerant cycles is two has been described, but the number of the heat source side refrigerant cycles may be three or more. If it is composed of a plurality of heat source side refrigerant cycles, one of the heat source side refrigerant cycles may have a small capacity, and if a standard vapor compression refrigeration cycle is used for this, a refrigeration / air-conditioning apparatus can be constructed at low cost. Further, it is desirable to connect all of the plurality of heat source side refrigerant cycles in parallel as in the present embodiment, since each can be controlled independently, but a part or all of them may be connected in series. When connected in series, the utilization-side refrigerant heated or cooled in the upstream refrigerant cycle is further heated or cooled in the downstream refrigerant cycle, and the efficiency of the downstream refrigerant cycle is slightly reduced. In addition, a simple and inexpensive refrigeration / air-conditioning apparatus can be obtained without branching the connection of the use side refrigerant.
[0105]
The capacity control in the refrigeration / air-conditioning apparatus having a plurality of or one heat source-side refrigerant cycle described above is performed in a refrigeration system without the
[0106]
Hereinafter, as a refrigeration / air-conditioning apparatus according to
[0107]
On the other hand, the use-side refrigerant cycle includes the first
In the second use-side refrigerant cycle, the use-side refrigerant is circulated and exchanges heat with the first and third
[0108]
Further, the
[0109]
The first heat source side refrigerant cycle is performed between the fourth port of the flow
[0110]
The
[0111]
Next, the operation will be described.
During the cooling operation, both the first and second heat source side refrigerant cycles become the refrigerant cycle indicated by the solid line in the figure. In the heating operation, both the first and second heat source side refrigerant cycles are dashed refrigerant cycles in the drawing. The operation of the heat-source-side refrigerant cycle is the same as in the first embodiment at the time of the cooling operation and the heating operation, and therefore will not be described.
[0112]
In the second use-side refrigerant cycle, the use-
With this second use-side refrigerant cycle, hot or cold heat generated in the first and second heat source-side refrigerant cycles is transported to the
[0113]
On the other hand, in the first usage-side refrigerant cycle, the usage-
As described above, in the first usage-side refrigerant cycle, the heat or cold stored in the
At this time, the air volume of the
[0114]
In the present embodiment, the use-side refrigerant cycle includes a first use-side refrigerant unit that circulates through the indoor units g and h and a second use-side refrigerant cycle that performs heat transport. The circulation amount of the refrigerant flowing through the first usage-side refrigerant cycle changes by opening and closing the usage-side refrigerant
[0115]
In addition, it has a
[0116]
Here, the
[0117]
In addition, the installation place of the
Further, when the
In the
[0118]
The
More specifically, the connection pipe r is below the upper draft of the left tank of the
[0119]
In this configuration, for example, during the heating operation, in the second use-side refrigerant cycle, the use-side refrigerant having a high temperature of about 50 ° C. flowing out of the second and fourth
Further, even during cooling, the refrigerant in the left tank in the
[0120]
Further, the connection between the
[0121]
As described above, when the inlet and the outlet are switched up and down, during the cooling operation, for example, about 7 [° C.] flowing out of the second and fourth
When the configuration is such that the inlet and the outlet of the
[0122]
In order to switch the inflow port and the outflow port, for example, in the case of the left tank, two connection pipes connecting the connection pipe r and the connection pipe s are provided so as to intersect each other without intersecting each other. An open / close valve for switching the refrigerant flow path may be provided in each of the two pipes, and an open / close valve may be provided between the connection pipe r and the connection pipe s between the branch points to the two pipes. When the on-off valves provided on the connection pipes s and t are opened during the heating operation and the on-off valves provided on the two pipes are both closed, the configuration becomes the same as that of FIG. When the cooling operation is performed, the on-off valves provided on the connection pipes s and t are closed, and the on-off valves provided on the two pipes are both opened. And the outlet sides of the second and fourth
The same applies to the opening of the right tank. If two connection pipes and an on-off valve are similarly provided in the connection pipe t and the connection pipe i ', the outlet and the inlet can be reversed up and down.
However, the means for switching the inlet and outlet between the heating operation and the cooling operation is not limited to this, and another method may be used.
[0123]
In the present embodiment, since the inside of the
The communication position of the
[0124]
Further, in the present embodiment, the two tanks formed by the
[0125]
The
The capacity of the heat source side refrigerant cycle is controlled so that the detected temperature TH1 of the
ΔTH1 = TH1-TM (10)
Is calculated by a calculation unit in the
[0126]
On the other hand, in the case of heating operation,
ΔTH1 = TM−TH1 (11)
Is calculated by a calculation unit inside the
[0127]
Further, in the present embodiment, the target value of the detected temperature of the
[0128]
Further, the target temperature TM of the
Further, a
[0129]
In the present embodiment, the first and second outdoor units e and e 'can use an outdoor unit of a standard heat pump, and have an advantage that a refrigeration / air-conditioning apparatus can be configured at low cost. Further, the heat exchange unit d may be configured as an outdoor unit integrated with the first and second outdoor units e and e 'without being separated. If these are integrally configured, labor for carrying in and construction can be saved, construction costs can be saved, and it goes without saying that the appearance and appearance of the house are not impaired.
[0130]
Further, in the piping of the usage-side refrigerant cycle, the sending-side piping (i, j, k) to the usage-side heat exchanger and the return-side piping (i ′, j ′, k ′) from the usage-side heat exchanger. The pipe diameters should be different. In this way, at the time of pipe connection work, for example, the feed pipe i is erroneously connected to the return pipe j ′ at the branch point from the feed pipe i to the feed pipes j and k, so that the use side heat exchange is performed. It is possible to prevent a trouble that the refrigerant does not circulate in the vessel and air conditioning cannot be performed. Furthermore, it is preferable that the connecting portions on the outlet side of the use
[0131]
Hereinafter, as a refrigeration / air-conditioning apparatus according to
[0132]
Further, the third heat source-side refrigerant cycle dedicated to heating is, compared to the first and second heat source-side refrigerant cycles, which are cooling / heating refrigerant cycles, with respect to the flow direction of the refrigerant in the use-side refrigerant cycle. On the upstream side, it is connected in series with each of the first and second heat source side refrigerant cycles. Further, as a heating device constituting the third heat source side refrigerant cycle, for example, a
[0133]
On the other hand, the use-side refrigerant cycle includes the first
[0134]
Further, since the first and second heat source side refrigerant cycles use a standard refrigerant cycle such as a home air conditioner, the
[0135]
The first heat source side refrigerant cycle is connected between the first outdoor unit e and the heat exchange unit d by connection pipes m and m ′. The second heat-source-side refrigerant cycle is connected between the second outdoor unit e ′ and the heat exchange unit d by connection pipes n and n ′. The third heat source side refrigerant cycle is connected between the third outdoor unit e ″ and the heat exchange unit d by connection pipes o and o ′. A
[0136]
Next, the operation will be described.
During the cooling operation, the first and second heat source side refrigerant cycles are operated, and the third heat source side refrigerant cycle is stopped. During this cooling operation, both the first and second heat source side refrigerant cycles are the refrigerant cycles indicated by solid lines in the figure. The operations of the first and second heat-source-side refrigerant cycles during the cooling operation are the same as those in the first embodiment, and will not be described.
On the other hand, in the use-side refrigerant cycle, the relatively low-temperature use-
[0137]
During the heating operation, the first and second heat source side refrigerant cycles are stopped, and only the third heat source side refrigerant cycle is operated. At the time of the heating operation, the third heat source side refrigerant sent out by the third
[0138]
On the other hand, in the use-side refrigerant cycle, the relatively high-temperature use-
[0139]
As described above, according to the present embodiment, the third heat source-side refrigerant cycle is added in series to the first and second heat source-side refrigerant cycles, and the first and second heat source-side refrigerant cycles are only in the cooling operation. Since the third heat source-side refrigerant cycle is configured to be used only for the heating operation, particularly in a heat pump that is operated in a region where the outside air temperature in winter is below freezing and is the first and second heat source-side refrigerant cycles. Even when the heating capacity is insufficient, there is an effect that the heating capacity can be easily secured.
Further, since the first and second heat source side refrigerant cycles are used only for the cooling operation, there is no need to perform the defrost operation, and the temperature of the use side refrigerant does not decrease due to the defrost operation. For this reason, the temperature of the use-side refrigerant can be maintained at a temperature suitable for heating use.
In addition, the operating cost of the first and second heat source-side refrigerant cycles by electric input and the operating cost of the third heat source-side refrigerant cycle by kerosene input are generally the same when compared with the same heating capacity. According to the present embodiment, since the heating capacity is relatively high, the heating capacity is covered only by the third heat-source-side refrigerant cycle whose operation cost is low, so that the air-conditioning operation cost paid by the user can be reduced. .
[0140]
Further, as shown in FIG. 14, a bypass circuit u for bypassing the fifth
By providing the bypass circuits u and v, a part of the heat-source-side refrigerant circulating in the third heat-source-side refrigerant cycle is circulated to the bypass circuit u, and the utilization-side refrigerant circulating in the second utilization-side refrigerant cycle is also used. A part is circulated to the bypass circuit v. Therefore, the pressure loss can be reduced, and the third
[0141]
In the present embodiment, an example is shown in which two first and second heat source side refrigerant cycles as heat pumps are connected in parallel. However, there are three or more refrigerant cycles as these heat pumps in parallel. May be connected, or only one may be connected.
Further, the first and second heat source side refrigerant cycles do not necessarily need to be heat pumps, and may be refrigerant cycles dedicated to cooling. A more inexpensive refrigeration / air-conditioning apparatus can be obtained by configuring a cooling-only refrigerant cycle.
[0142]
Further, the first and second heat source side refrigerant cycles may be not a heat pump but an absorption refrigerator such as a lithium bromide-water system or an ammonia-water system, an absorption chiller / heater or an adsorption chiller / heater.
In the third heat source side refrigerant cycle, an electric heater may be wound around or contacted with the sixth
[0143]
FIG. 15 is a configuration diagram illustrating, for example, a cooling and heating device as a refrigeration and air conditioning device according to the fifth embodiment. In the fourth embodiment, the first and second heat source side refrigerant cycles are not used for the heating operation in winter, and all the heating load is covered by the third heat source side refrigerant cycle. In this case, the first and second heat-source-side refrigerant cycles are wasteful in that they are equipped with equipment capable of performing the heating operation but are not used. Therefore, in the present embodiment, as shown in FIG. 15, the sixth
[0144]
In the present embodiment, as described above, the third heat source-side refrigerant cycle dedicated to heating and the first and second heat source-side refrigerant cycles combined with cooling / heating are connected in series to the utilization-side refrigerant cycle. It is composed. In addition, a third heat source-side refrigerant cycle dedicated to heating is connected downstream of the first and second heat source-side refrigerant cycles for both cooling and heating with respect to the use-side refrigerant cycle. Here, the first and second heat-source-side refrigerant cycles for both cooling and heating are configured by a vapor compression refrigeration cycle, and use both the cooling function and the heating function. For this reason, the heating performance at a low outside air temperature can be sufficiently ensured while eliminating waste of the facilities, and the first and second heat sources having higher energy efficiency than the
[0145]
In the fifth embodiment, during the normal heating operation, the third heat source side refrigerant cycle is operated in order to cover the shortage in the first and second heat source side refrigerant cycles. However, if the outside air temperature becomes low and the efficiency with respect to primary energy including the power generation end efficiency of the first and second heat source side refrigerant cycles becomes lower than that of the
In the configuration of the present embodiment, the first, second, and third heat-source-side refrigerant cycles can be operated in various patterns according to the use situation, the equipment can be used effectively, and energy can be reduced.
[0146]
Further, when one or both of the first and second heat source side refrigerant cycles enter the defrosting operation during the heating operation, the third refrigerant cycle dedicated to heating and the first and second cooling / heating combined use are performed. By controlling the refrigerant cycle of at least one of the two refrigerant cycles to continue the heating operation, it is possible to maintain the temperature in the air-conditioned room during the defrosting operation, and obtain a refrigeration air-conditioning apparatus that is easy to maintain comfort. be able to. This control is performed by the
[0147]
Further, when one or both of the first and second heat source side refrigerant cycles enter the defrosting operation during the heating operation, the
In addition, the refrigerant cycle operated by increasing the heating capacity during the defrosting operation is not limited to the third refrigerant cycle dedicated to heating, and the first and second refrigerant cycles combined with cooling / heating are operated during the heating operation. In this case, it is sufficient to increase the capacity of the refrigerant cycle so as to continue the heating operation.
[0148]
In the heating operation, when one or both of the first and second heat source side refrigerant cycles satisfy the defrosting operation start condition, the
Also in this case, the refrigerant cycle operated by increasing the heating capacity is not limited to the third refrigerant cycle dedicated to heating, and the first and second refrigerant cycles using both cooling and heating are in the heating operation. In this case, it is sufficient to increase the capacity of the refrigerant cycle so as to continue the heating operation.
[0149]
In particular, when only the operation / stop can be selected for the capacity control of the first heat source side refrigerant cycle, the second heat source side refrigerant cycle, and the third heat source side refrigerant cycle, as shown in FIG. The first, second, and third heat source side refrigerant cycles may be sequentially operated such that the detection value TH1 of the
[0150]
FIG. 17 is a configuration diagram illustrating, for example, a cooling and heating device as the refrigeration and air conditioning device according to the present embodiment. In
[0151]
At this time, the position of the opening of the connection pipes i ′ and r in the
h ≧ u 2 / 2g ... (12)
Here, g: gravity acceleration = 9.8 [m / s] 2 ]. Right side u 2 / 2g is the distance from the opening in the atmosphere to the highest point where the fluid that has flowed vertically upward at a speed u reaches. Therefore, if the distance h to the draft surface is kept longer than this distance, the draft surface of the
Actually, since the use-side refrigerant flows below the draft surface of the
Of course, similarly to the third embodiment, the
[0152]
FIG. 18 is a configuration diagram illustrating, for example, a cooling and heating device as the refrigeration and air conditioning device according to the present embodiment. In the fifth embodiment, the first and second heat-source-side refrigerant cycles for combined cooling / heating and the third heat-source-side refrigerant cycle dedicated to heating are connected in series. However, as shown in FIG. The third heat source side refrigerant cycle and the first and second heat source side refrigerant cycles may be connected in parallel. Then, for example, two-
By this flow path switching means, the refrigerant flow path is switched so that the usage-side refrigerant does not flow through the usage-side
[0153]
During the cooling operation, the two-
On the other hand, during the heating operation, the two-
Alternatively, both the two-
[0154]
In this way, by connecting the third heat source side refrigerant cycle dedicated to heating and the first and second heat source side refrigerant cycles combined with cooling / heating in parallel, sufficient heating capacity can be ensured, and indoor comfort can be secured. Inexpensive refrigeration and air-conditioning equipment can be obtained with easy maintenance. Furthermore, each of the refrigerant cycle dedicated to heating and the refrigerant cycle combined with cooling / heating can be independently controlled, and an operation suitable for the use situation can be performed.
[0155]
Further, the first and second heat-source-side refrigerant cycles may be configured as cooling-only refrigerant cycles instead of the combined cooling / heating. In this case, the refrigerant cycle dedicated to heating is operated during the heating operation, and the flow path of the usage-side refrigerant is switched by the switching means during the cooling operation, and the refrigerant cycle dedicated to cooling is operated.
With this configuration, each of the heating-only refrigerant cycle and the cooling-only refrigerant cycle can be independently controlled, and an operation suitable for a use situation can be performed. In particular, unnecessary functions are omitted, and an inexpensive refrigeration / air-conditioning apparatus is obtained. be able to.
[0156]
FIG. 19 is a configuration diagram illustrating, for example, a cooling and heating device as the refrigeration and air conditioning device according to the present embodiment. In the first to seventh embodiments, the auxiliary heat exchanger group that exchanges heat between the heat source-side refrigerant cycle and the use-side refrigerant cycle is installed outside the
[0157]
Further, the
In other words, the internal volume of the
[0158]
With such a configuration, even if one or both of the first and second heat source side refrigerant cycles enters the defrosting operation, the use side refrigerant temperature decreases due to the heat radiation of the
[0159]
In addition, if the
Further, at least one of the
[0160]
Strictly speaking, even with a heat transfer tube without fins at all, the outer wall area of the tube is larger than the inner wall area by the thickness of the heat transfer tube, but the heat transfer by plate fins, spiral fins, etc. If the area is greatly increased, the heat transfer performance can be improved.
Alternatively, the heat transfer area of the use-side refrigerant may be larger than the heat transfer area of the heat-source-side refrigerant. Alternatively, the
Of course, the configuration is such that the heat transfer area of the use-side refrigerant in the second
[0161]
Further, as in the present embodiment, the
[0162]
Further, in the first to seventh embodiments, during the cooling operation in the heat source side refrigerant cycle, the
[0163]
Further, as shown in FIG. 21,
[0164]
In the first to seventh embodiments, since the heat source side refrigerant cycle reverses the flow direction of the refrigerant between the cooling operation for cooling and the heating operation for heating, the first and second
[0165]
On the other hand, in the present embodiment, the inlet and the outlet of the second
FIG. 22 is a configuration diagram illustrating, as a refrigeration / air-conditioning apparatus according to the present embodiment, for example, a cooling / heating apparatus that cools a room in a cooling operation and heats the room in a heating operation. In the figure,
For this reason, the heat exchange in the first and second
[0166]
Further, as shown in the drawing, when the
However, the
[0167]
As described above, according to the present embodiment, the non-azeotropic mixed refrigerant such as R407C is used as the heat-source-side refrigerant by setting the first and
[0168]
In the present embodiment, the example in which the four-
In the case where the four-
[0169]
In the configuration shown in FIGS. 22 and 23, in the
[0170]
Although the on-site construction for charging the use-side refrigerant occurs before the refrigeration / air-conditioning apparatus according to the present invention is installed and before the refrigeration / air-conditioning apparatus is actually operated, the first to ninth embodiments are all related to the
[0171]
FIG. 24 is a configuration diagram illustrating, for example, a cooling and heating device as the refrigeration and air conditioning device according to the present embodiment. In the present embodiment, the configuration is such that charging of the usage-side refrigerant can be facilitated. As shown in FIG. 24, a branch pipe having a stop valve 64b and a
In this way, since the water as the refrigerant can be easily filled into the utilization-side refrigerant cycle at one time with the tap water pressure, the labor for the on-site refrigerant charging operation can be saved, and the construction cost can be reduced.
[0172]
Further, in this configuration, the
[0173]
Hereinafter, as a refrigeration / air-conditioning apparatus according to
[0174]
On the other hand, the use-side refrigerant cycle includes the first
The second usage-side refrigerant cycle circulates the usage-side refrigerant and exchanges heat with the first and third
[0175]
Further, the first
[0176]
A
[0177]
Furthermore, in the present embodiment, a heat source device e ″ dedicated to heating is connected so that the use-side refrigerant is directly circulated. The heat source device e ″ includes, for example, a third
During the use-side refrigerant cycle, a first opening /
In addition, the heat source device e ″ is dedicated to heating, and is set to have a capacity such that only one of the heat source devices e '' can exhibit a necessary heating capacity.
[0178]
In the case of such a configuration, the on-off
Further, w is a switching unit, which is a combination of the on-off
[0179]
Next, the operation will be described.
During the cooling operation, the first and second heat source side refrigerant cycles are operated, and the heat source device e ″ is stopped. During the cooling operation, both the first and second heat source side refrigerant cycles become the refrigerant cycle indicated by the solid line in the figure. The operations of the first and second heat-source-side refrigerant cycles during the cooling operation are the same as those in the first embodiment, and will not be described.
On the other hand, in the use-side refrigerant cycle, during the cooling operation, the first on-off
[0180]
On the other hand, the relatively high-temperature use-
[0181]
During the heating operation, the first and second heat source side refrigerant cycles are stopped, and only the heat source device e ″ is operated. During the heating operation, the first on-off
[0182]
When there is a request for heating in the indoor units g and h, a signal of a heating request is sent from the indoor unit to the
[0183]
As described above, according to the present embodiment, a part of the use-side refrigerant cycle is branched, and the heat source device e '' dedicated to heating is connected in parallel with the
[0184]
In the present embodiment, since the first to fourth on-off
[0185]
In the present embodiment, it is assumed that a general-purpose kerosene boiler in which the
[0186]
FIG. 26 is a configuration diagram illustrating, for example, a cooling and heating device as a refrigeration and air conditioning device according to the twelfth embodiment. In the eleventh embodiment, the first to fourth on-off
[0187]
Next, the operation will be described.
During the cooling operation, the first and second heat source side refrigerant cycles are operated, and the heat source device e ″ is stopped. During the cooling operation, both the first and second heat source side refrigerant cycles become the refrigerant cycle indicated by the solid line in the figure. The operations of the first and second heat-source-side refrigerant cycles during the cooling operation are the same as those in the first embodiment, and will not be described.
On the other hand, in the use-side refrigerant cycle, during the cooling operation, the first on-off
[0188]
During the heating operation, the first and second heat source side refrigerant cycles are stopped, and only the heat source device e ″ is operated. During the heating operation, the first on-off
[0189]
As described above, since the heating operation is performed by the heat source device e ″ dedicated to heating, sufficient heating capacity can be obtained even when used in a place where the outside air temperature is low, and indoor comfort can be maintained.
Moreover, since the first to fourth on-off
[0190]
In the refrigeration / air-conditioning apparatuses according to Embodiments 11 and 12, the first usage-side refrigerant cycle is configured with one system to switch between cooling and heating to air-condition the room. As described above, a use-side refrigerant cycle for cooling operation for performing cooling and a use-side refrigerant cycle for heating operation for performing heating may be provided so that they can be operated individually.
[0191]
FIG. 27 is a configuration diagram illustrating, for example, a cooling and heating device as the refrigeration and air conditioning device according to the present embodiment. In the figure, inside the indoor units g and h, cooling
[0192]
Next, the operation will be described.
During the cooling operation, the first and second heat source side refrigerant cycles are operated, and the heat source device e ″ is stopped. During the cooling operation, both the first and second heat source side refrigerant cycles become the refrigerant cycle indicated by the solid line in the figure. The operations of the first and second heat-source-side refrigerant cycles during the cooling operation are the same as those in the first embodiment, and will not be described.
On the other hand, in the use-side refrigerant cycle at the time of cooling, the relatively low-temperature use-
[0193]
During the heating operation, the first and second heat source side refrigerant cycles are stopped, and only the heat source device e ″ is operated. During the heating operation, the cooling use-side refrigerant cycle does not function, and the
On the other hand, in the heating-side use-side refrigerant cycle dedicated to heating, the use-side refrigerant sent out by the third
[0194]
When there is a request for cooling in the indoor units g and h, the use side refrigerant
[0195]
When there is a request for heating in the indoor units g and h, the use side refrigerant
With this configuration, it is possible to secure a sufficient heating capacity and maintain a temperature suitable for using heat, and to independently control a refrigerant cycle dedicated to heating and a refrigerant cycle dedicated to cooling, which is suitable for a use situation. Inexpensive refrigeration and air-conditioning system that can perform
[0196]
When there is a request for dehumidification in the indoor units g and h, the use side refrigerant
The indoor air sent by the
[0197]
As described above, in the present embodiment, the heat exchanger for cooling and the heat exchanger for heating are provided in the indoor unit, and the heat exchanger for cooling is used for the flow of the indoor air sent by the blower. And a heat exchanger for heating. For this reason, the indoor air cooled and dehumidified by the
[0198]
Note that the
[0199]
Further, since the cooling-use refrigerant cycle and the heating-only refrigerant cycle are configured independently, it is also possible to use one of the indoor units for cooling and the other indoor unit for heating. That is, the cooling / heating of the use-side heat exchangers can be individually controlled, and in practice, if the use-side refrigerant
[0200]
In the eighth embodiment, an example has been shown in which the heat transfer area of the use-side refrigerant, for example, water, is increased in order to reduce the size of the
[0201]
FIG. 28 is a configuration diagram showing, as a refrigeration / air-conditioning apparatus according to the present embodiment, for example, a cooling / heating apparatus for cooling / heating a room. In the figure, an
According to the literature on the research on the ice heat storage system of the Air Conditioning and Sanitary Engineering Academic Papers 7 ('87 .10.6-10.8 Tokyo), 0.3 [m 3 / Hm 2 It has been found that blowing out bubbles with a flow rate of about] can provide a heat transfer coefficient of the use-side refrigerant that is about 1.5 times that of natural convection. Therefore, if the air flow rate is set based on this, an efficient refrigeration / air-conditioning apparatus can be obtained.
[0202]
The air conveying device 111 according to the present embodiment includes a blower such as a blower or the like that generates a static pressure exceeding a liquid head determined by the distance between the liquid level of the
[0203]
28 shows an example in which the
In addition, the air conveying device 111 may directly inhale the outside air and blow air as bubbles into the
Further, the bubble blowing port from the
The bubble blowing means does not have a configuration in which air is blown by the air conveying device 111, and has the same effect even when bubbles are generated in the
[0204]
Further, when the
[0205]
When the third heat source side refrigerant cycle e ″ is used, the configuration may be as shown in FIG. In the figure, each end of the sixth
The use-side refrigerant heated by the sixth
[0206]
When configured as shown in FIG. 30, when heating is performed by the use-
[0207]
In
[0208]
In the above embodiment, the number of indoor units is two. However, the number of indoor units is not limited thereto, and may be one or three or more.
[0209]
In the above-described first to fourteenth embodiments, an example has been described in which the present invention is applied to a cooling and heating device that performs indoor cooling and heating as an example of a refrigeration and air conditioning device. However, the present invention is not limited to this. It can be used for various purposes such as using cold or hot heat for heating such as hot water supply, floor heating, heating and drying of bathrooms, etc. in the use-side refrigerant cycle, cooling industrial and home refrigerators and the like. When the water is used for hot water supply and the use-side refrigerant is water, the refrigerant stored in the
In the first to fourteenth embodiments, the use-side refrigerant is stored in the refrigerant storage tank. However, the refrigerant storage tank is connected to the heat-source-side refrigerant cycle to store the heat-source-side refrigerant. It may be. At this time, in the usage-side refrigerant cycle, the heat or cold stored in the refrigerant storage tank may be extracted by the auxiliary heat exchanger. By storing heat with the heat source side refrigerant, cold or warm heat can be stored by using a refrigerant having high energy efficiency, and the size of the refrigerant storage tank can be reduced to reduce the size of the entire device configuration.
[0210]
【The invention's effect】
The present invention is configured as described above, and has the following effects.
[0211]
According to the first aspect of the present invention, the heat-source-side refrigerant is exchanged by the auxiliary heat exchanger provided between the heat-source-side refrigerant cycle for circulating the heat-source-side refrigerant and the use-side refrigerant cycle for circulating the use-side refrigerant. In a refrigeration / air-conditioning system that uses heat obtained in a cycle for heating in the use-side refrigerant cycle, a refrigerant that utilizes sensible heat is used as the use-side refrigerant, and the heat-source-side refrigerant is used during a heating operation of the use-side refrigerant cycle. By filling the amount of the use-side refrigerant so as to maintain the temperature of the use-side refrigerant during the defrosting operation at a temperature suitable for heating, hot water supply, or heating and drying, the heat source-side refrigerant cycle during the heating operation is performed. A refrigeration and air-conditioning system that can stabilize the temperature of the use-side refrigerant and reduce the amount of refrigerant that is problematic in terms of global environmental protection and handling in the defrosting operation of It is.
[0212]
According to
[0213]
According to a third aspect of the present invention, there is provided a heat storage means provided in a use-side refrigerant cycle for storing heat obtained in the heat-source-side refrigerant cycle, and the auxiliary heat exchanger is operated by a defrosting operation of the heat-source-side refrigerant cycle. The amount of heat deprived from the use-side refrigerant cycle is Qd, the amount of heat radiated from the heat storage means by the defrosting operation is Qt, the amount of the use-side refrigerant is W, and the specific heat of the use-side refrigerant is Cp. When the defrosting operation is performed in the heat source side refrigerant cycle during the heating operation of the refrigerant cycle, the temperature decrease of the use side refrigerant represented by (Qd−Qt) / (W · Cp) becomes equal to or lower than a predetermined temperature. By filling the amount W of the use-side refrigerant and setting the heat storage capacity of the heat storage means, and maintaining the temperature of the use-side refrigerant at a temperature suitable for heating, hot water supply, or heating and drying, heat during the heating operation is obtained. For the defrosting operation of the side refrigerant cycle, the temperature of the use side refrigerant can be stabilized, the temperature suitable for using heat can be maintained, and the amount of refrigerant that has problems in global environment conservation and handling is reduced. Thus, a refrigeration / air-conditioning apparatus can be obtained which can be reduced in size by reducing the amount of refrigerant charged.
[0214]
According to
[0215]
According to
[0216]
A refrigeration / air-conditioning apparatus according to
[0217]
According to
[0218]
According to
[0219]
According to the ninth aspect of the present invention, the auxiliary heat exchanger that exchanges heat between the heat-source-side refrigerant and the use-side refrigerant is a plate-type heat exchanger, so that a small-capacity refrigerant transfer device can be used. Thus, an inexpensive refrigeration air conditioner can be obtained.
[0220]
According to claim 10 of the present invention, the cooling operation and the heating operation include switching means for switching the flow direction of the use-side refrigerant in the auxiliary heat exchanger between the heat-source-side refrigerant cycle and the use-side refrigerant cycle, The flow direction of the heat-source-side refrigerant and the use-side refrigerant at the time of heat exchange in the auxiliary heat exchanger is configured so as to be counter-current during both the cooling operation and the heating operation, so that both the cooling and heating operations are efficiently performed. A refrigeration / air-conditioning apparatus capable of performing heat exchange, stabilizing the temperature of the use-side refrigerant during the defrosting operation, and maintaining the temperature at a temperature suitable for utilizing heat can be obtained.
[0221]
According to the eleventh aspect of the present invention, a heat source formed by connecting a compressor, a flow path switching valve, a heat source side heat exchanger, a heat source side refrigerant flow control valve, and an auxiliary heat exchanger to circulate a heat source side refrigerant. Side refrigerant cycle, a refrigerant storage tank for storing the usage-side refrigerant, and a usage-side refrigerant cycle connected to a refrigerant transport device and circulating the usage-side refrigerant, wherein the auxiliary heat exchanger is disposed inside the refrigerant storage tank. The auxiliary heat exchanger immerses the heat source-side refrigerant and the use-side refrigerant in heat and stores heat in the refrigerant storage tank, and stores heat in the refrigerant storage tank in the use-side refrigerant cycle. By utilizing the heat generated for heating, the temperature of the use side refrigerant during the defrosting operation can be stabilized, the equipment of the heat source side refrigerant cycle can be downsized, and the overall system can be constructed with a relatively simple device configuration. For reliability Can, refrigeration air conditioning system is obtained which can reduce the amount of the refrigerant that has a problem on the environmental protection and handling.
[0222]
According to the twelfth aspect of the present invention, since the heat transfer area of the use-side refrigerant in the auxiliary heat exchanger is made larger than the heat transfer area of the heat-source-side refrigerant, heat exchange between the heat-source-side refrigerant and the use-side refrigerant is achieved. A refrigeration / air-conditioning apparatus capable of improving the heat transfer performance of the refrigerant and stabilizing the temperature of the use-side refrigerant during the defrosting operation is obtained.
[0223]
Further, according to the thirteenth aspect of the present invention, by providing the bubble blowing means for blowing bubbles around the auxiliary heat exchanger in the refrigerant storage tank, heat transfer performance in heat exchange between the heat source side refrigerant and the use side refrigerant is provided. And a refrigeration / air-conditioning system capable of stabilizing the temperature of the use-side refrigerant during the defrosting operation can be obtained.
[0224]
According to the fourteenth aspect of the present invention, a use-side refrigerant pipe provided outside the refrigerant storage tank and connecting positions where the height of the refrigerant storage tank is different, and a use-side refrigerant flowing through the use-side refrigerant pipe By using the heat source device for heating the refrigerant, the use-side refrigerant can be heated with a relatively simple configuration, and this heating does not affect the refrigerant circulation of the use-side refrigerant cycle, thereby improving the efficiency of the system. A refrigeration and air conditioning device is obtained.
[0225]
Further, according to claim 15 of the present invention, the compressor, the flow path switching valve, the heat source side heat exchanger, the heat source side refrigerant flow control valve, the auxiliary heat exchanger, the refrigerant storage tank, and the refrigerant conveying device are one unit. The refrigeration and air-conditioning system that can stabilize the temperature of the use-side refrigerant during the defrosting operation and maintain it at a temperature suitable for using heat, thereby preventing trouble in carrying in and construction work, is obtained. Can be
[0226]
According to claim 16 of the present invention, the compressor, the flow path switching valve, the heat source side heat exchanger, and the heat source side refrigerant flow control valve are housed in one unit, and the auxiliary heat exchanger, the refrigerant storage The tank, and the refrigerant transfer device is housed in another unit separate from the unit, and between one end of the auxiliary heat exchanger and the flow path switching valve and the other end of the auxiliary heat exchanger and By connecting to the heat source side refrigerant flow control valve with a connection pipe, by stabilizing the temperature of the use side refrigerant during the defrosting operation, it is possible to maintain the temperature suitable for using heat, and the standard outdoor unit An inexpensive refrigeration and air-conditioning device that can be used is obtained.
[0227]
Further, according to the seventeenth aspect of the present invention, by providing the heat storage material in the refrigerant storage tank for storing the use-side refrigerant, it is possible to obtain a refrigeration air-conditioning apparatus capable of sufficiently storing heat in the refrigerant storage tank and reducing the size of the tank. Can be
[0228]
According to claim 18 of the present invention, the partition is provided in the refrigerant storage tank and divides the inside into right and left, and the opening through which the use-side refrigerant provided in one of the divided tanks flows in is provided. An opening through which the usage-side refrigerant provided in the other tank flows out, and the partition has a communication portion through which the divided left and right usage-side refrigerants communicate below the draft surface of the refrigerant storage tank. Thus, a refrigeration / air-conditioning apparatus capable of efficiently operating the heat source-side refrigerant cycle and sufficiently storing heat in the refrigerant storage tank to realize comfortable air conditioning is obtained.
[0229]
According to the nineteenth aspect of the present invention, a filter for collecting contaminants mixed in the use-side refrigerant is provided in a portion where the use-side refrigerant circulates, so that contaminants such as dust and dirt are contained in the use-side refrigerant. Can be prevented from circulating, and a highly reliable refrigeration and air-conditioning apparatus can be obtained.
[0230]
According to the twentieth aspect of the present invention, since the filter is provided in the refrigerant storage tank that stores the use-side refrigerant, the filter is easy to manage, and contaminants such as dirt and dust circulate in the use-side refrigerant. And a highly reliable refrigeration air conditioner can be obtained.
[0231]
According to the twenty-first aspect of the present invention, the temperature of the use-side refrigerant during the defrosting operation is stabilized by maintaining the temperature of the use-side refrigerant at the time of defrosting operation by using a plurality of heat source-side refrigerant cycles of two or more systems. In addition, a small-sized standard heat source-side refrigerant cycle can be used, and an inexpensive refrigeration / air-conditioning apparatus can be obtained.
[0232]
According to claim 22 of the present invention, the heat source is exchanged by an auxiliary heat exchanger provided between a heat source side refrigerant cycle for circulating the heat source side refrigerant and a use side refrigerant cycle for circulating the use side refrigerant. In a refrigeration air conditioner that uses the heat obtained in the side refrigerant cycle for heating in the use side refrigerant cycle, a refrigerant that utilizes sensible heat is used as the use side refrigerant, and the heat source side refrigerant cycle is a plurality of two or more systems. The heat source side refrigerant cycle of at least one system is constituted by a refrigerant cycle dedicated to heating, thereby stabilizing the temperature of the use side refrigerant during the defrosting operation, thereby maintaining a temperature suitable for using heat, and a small size. An inexpensive refrigeration and air-conditioning system that can use a standard heat source-side refrigerant cycle and that can reduce the amount of refrigerant that is problematic in terms of global environmental conservation and handling is obtained.
[0233]
According to the twenty-third aspect of the present invention, the plurality of heat-source-side refrigerant cycles are connected in parallel to the use-side refrigerant cycle, so that each of the heat-source-side refrigerant cycles can be independently controlled, and inexpensive refrigeration and air conditioning. A device is obtained.
[0234]
According to claim 24 of the present invention, by connecting a plurality of heat-source-side refrigerant cycles in series with respect to the use-side refrigerant cycle, a small-sized standard heat-source-side refrigerant cycle can be used, and connection of piping can be reduced. A relatively simple and inexpensive refrigeration / air-conditioning apparatus can be obtained.
[0235]
According to the twenty-fifth aspect of the present invention, the heat source-side refrigerant cycle is provided with at least one heating-only refrigerant cycle and one cooling / heating-use refrigerant cycle, and the heating-side refrigerant cycle is used for the utilization-side refrigerant cycle. By connecting the cycle and the cooling / heating combined refrigerant cycle in series, the heating capacity can be sufficiently secured even when used in a place where the outside air temperature is low, and the temperature of the use-side refrigerant during the defrosting operation is stabilized. Thus, a refrigeration / air-conditioning apparatus capable of maintaining a temperature suitable for utilizing heat can be obtained.
[0236]
According to the twenty-sixth aspect of the present invention, the cooling / heating combined use refrigerant cycle is connected to the upstream side with respect to the flow direction of the use side refrigerant circulating in the use side refrigerant cycle, and the heating-only refrigerant cycle is connected downstream. By connecting to the side, the heat source side refrigerant cycle can be used effectively, sufficient heating capacity can be secured even when used in a place with low outside air temperature, and the temperature of the use side refrigerant during defrosting operation is stabilized and the heat A refrigeration / air-conditioning device that can be maintained at a temperature suitable for use is obtained.
[0237]
According to claim 27 of the present invention, the refrigerant cycle dedicated to heating is connected to the upstream side with respect to the flow direction of the use-side refrigerant circulating in the use-side refrigerant cycle, and the refrigerant cycle combined with cooling / heating is connected to the downstream side. Refrigeration and air conditioning that can secure sufficient heating capacity even when used in places with low outside air temperature, stabilize the temperature of the use-side refrigerant during defrosting operation, and maintain it at a temperature suitable for using heat. A device is obtained.
[0238]
According to claim 28 of the present invention, the heat source-side refrigerant cycle is provided with at least one heating-only refrigerant cycle and one cooling / heating-use refrigerant cycle, and the heating-side refrigerant cycle is provided with respect to the utilization-side refrigerant cycle. The cycle is connected in parallel with the cooling / heating combined refrigerant cycle, and the use side refrigerant is prevented from flowing to the use side auxiliary heat exchanger that exchanges heat with the refrigerant cycle dedicated to heating during the cooling operation. By providing the switching means for switching the refrigerant flow path of the refrigerant cycle, it is possible to maintain the temperature suitable for utilizing heat, and to independently control the refrigerant cycle dedicated to heating and the refrigerant cycle combined with cooling / heating. And a refrigeration / air-conditioning apparatus capable of performing an operation suitable for the air conditioner.
[0239]
According to claim 29 of the present invention, the heat source-side refrigerant cycle is provided with at least one heating-only refrigerant cycle and at least one cooling-only refrigerant cycle, and the heating-side refrigerant cycle is provided with the heating-only refrigerant cycle. By connecting the refrigerant cycle dedicated to the cooling in series, it is possible to sufficiently secure the heating capacity even when used in a place where the outside air temperature is low, and to stabilize the temperature of the use-side refrigerant during the defrosting operation and use the heat. An inexpensive refrigeration / air-conditioning apparatus that can be maintained at a suitable temperature and is inexpensive can be obtained.
[0240]
According to claim 30 of the present invention, the heat source-side refrigerant cycle is provided with at least one system of a heating-only refrigerant cycle and a cooling-only refrigerant cycle, and the heating-side refrigerant cycle is provided with the heating-only refrigerant cycle. The cooling-only refrigerant cycle is connected in parallel with the cooling-only refrigerant cycle, and the usage-side refrigerant is circulated to the usage-side auxiliary heat exchanger that exchanges heat with the heating-only refrigerant cycle during the heating operation, and the cooling-only refrigerant cycle during the cooling operation. By providing switching means for switching the refrigerant flow path of the use-side refrigerant cycle so as to circulate the use-side refrigerant to the use-side auxiliary heat exchanger that exchanges heat, the heating capacity is sufficiently secured and suitable for use of warm heat. Temperature can be maintained, and the refrigerant cycle dedicated to heating and the refrigerant cycle dedicated to cooling can be controlled independently of each other. Inexpensive refrigeration and air conditioning device can be obtained.
[0241]
Further, according to claim 31 of the present invention, a heating-only heat source device in which the use-side refrigerant circulates, and the use-side refrigerant cycle to circulate the use-side refrigerant to the heating-only heat source device during the heating operation. With the provision of the switching means for switching the refrigerant flow path, it is possible to obtain a refrigerating air-conditioning apparatus capable of sufficiently securing the heating capacity even when used in a place where the outside air temperature is low and maintaining the temperature suitable for utilizing the heat.
[0242]
According to claim 32 of the present invention, the use-side refrigerant cycle includes a cooling use-side heat exchanger that is supplied with heat by the heat-source-side refrigerant cycle, and heating that is supplied with heat by the heat source device dedicated to heating. A heating-side heat exchanger for operating the heat source-side refrigerant cycle and the cooling-use side heat exchanger during the cooling operation, and a heating-only heat source device and the heating-side use heat during the heating operation. By configuring the heat exchanger to operate, it is possible to obtain a refrigeration / air-conditioning apparatus that can maintain a temperature suitable for utilizing heat and can individually control cooling / heating of the use-side heat exchanger.
[0243]
According to claim 33 of the present invention, the cooling use-side heat exchanger is arranged side by side with respect to the air flow on the upstream side of the heating use-side heat exchanger, and the cooling use-side heat exchanger during the dehumidifying operation. By operating the use side heat exchanger for heating, comfortable dehumidification can be performed, and even when used in a place with low outside air temperature, sufficient heating capacity is secured and suitable for use of warm heat A refrigeration / air-conditioning device that can be maintained at a temperature is obtained.
[0244]
According to the thirty-fourth aspect of the present invention, the heating-only heat source device is a heating device that directly heats the use-side refrigerant, so that the heating capacity can be sufficiently increased even when used in a place where the outside air temperature is low. Thus, it is possible to obtain an inexpensive refrigeration and air-conditioning apparatus which can secure the temperature suitable for utilizing the heat and can reduce the running cost.
[0245]
Further, according to claim 35 of the present invention, in the pipes constituting the use side refrigerant cycle, the feed side pipe to the use side heat exchanger and the return side pipe from the use side heat exchanger, By configuring the pipe diameter or the diameter or shape of the joint of the pipe to be different, it is possible to prevent a connection error from occurring at the time of pipe connection work or the like, and to obtain a highly reliable refrigeration / air-conditioning apparatus.
[0246]
According to claim 36 of the present invention, a plurality of use-side heat exchangers are provided in the use-side refrigerant cycle, and all of the use-side heat exchangers are connected in parallel with each other. Thus, a general-purpose refrigeration and air-conditioning apparatus that can be controlled independently can be obtained.
[0247]
According to claim 37 of the present invention, a plurality of use-side heat exchangers are provided in the use-side refrigerant cycle, and at least some of the use-side heat exchangers are connected in series with each other. A refrigeration / air-conditioning apparatus that can use energy without waste is obtained.
[0248]
According to claim 38 of the present invention, the refrigerant circulating in the use-side refrigerant cycle is water, or one or more of ethylene glycol, propylene glycol, and D-sorbitol in a weight ratio of several tens. %, The use of an inexpensive refrigerant that is easy and easy to handle in terms of global environmental protection and minimizes the amount of refrigerant that is problematic in terms of global environmental protection and handling. And an inexpensive refrigeration air conditioner can be obtained.
[0249]
According to claim 39 of the present invention, the heat-source-side refrigerant cycle is constituted by a vapor compression refrigeration cycle, and the refrigerant circulating in the heat-source-side refrigerant cycle uses latent heat. By using any one of CFC-based azeotropic mixed refrigerant, CFC-based non-azeotropic refrigerant, hydrocarbon-based refrigerant, and ammonia refrigerant, an energy-efficient refrigerant is used on the heat source side, and as a whole An efficient refrigeration / air-conditioning apparatus can be obtained in which the amount of refrigerant having a problem in terms of global environmental conservation and handling can be minimized, and the efficiency is high.
[0250]
According to claim 40 of the present invention, the heat source is exchanged by an auxiliary heat exchanger provided between a heat source side refrigerant cycle for circulating a heat source side refrigerant and a use side refrigerant cycle for circulating a use side refrigerant. In a refrigeration air conditioner that uses the heat obtained in the side refrigerant cycle for heating in the use side refrigerant cycle, a refrigerant that utilizes sensible heat is used as the use side refrigerant, and the capacity of the heat source side refrigerant cycle is divided into a plurality of stages. By changing the capacitance and increasing the capacitance as the capacitance increases, it is possible to follow variations in the size of the load while suppressing hunting. A method for controlling a refrigerating air conditioner capable of improving the temperature stability of a refrigerant is obtained.
[0251]
Further, according to claim 41 of the present invention, the heat source is exchanged by an auxiliary heat exchanger provided between a heat source side refrigerant cycle for circulating a heat source side refrigerant and a use side refrigerant cycle for circulating a use side refrigerant. In a refrigeration air conditioner that uses the heat obtained in the side refrigerant cycle for heating in the use side refrigerant cycle, a refrigerant that utilizes sensible heat is used as the use side refrigerant, and the heat source side refrigerant cycle is a plurality of two or more systems. During the heating operation in the use-side refrigerant cycle, while at least one of the heat source-side refrigerant cycles is performing the defrosting operation, at least one of the heat source-side refrigerant cycles is controlled to continue the heating operation. Thereby, the control method of the refrigeration / air-conditioning apparatus can be obtained in which the temperature drop of the use-side refrigerant can be reduced during the defrosting operation, and the temperature can be maintained at a temperature suitable for using the heat.
[0252]
According to claim 42 of the present invention, the heat source is exchanged by an auxiliary heat exchanger provided between a heat source side refrigerant cycle for circulating a heat source side refrigerant and a use side refrigerant cycle for circulating a use side refrigerant. In a refrigeration air conditioner that uses the heat obtained in the side refrigerant cycle for heating in the use side refrigerant cycle, a refrigerant that utilizes sensible heat is used as the use side refrigerant, and the heat source side refrigerant cycle is a plurality of two or more systems. In the heat source side refrigerant cycle, one or more heating-dedicated refrigerant cycles and cooling / heating combined refrigerant cycles are respectively provided in one or more systems, and a vapor compression refrigeration cycle is used as the cooling / heating combined refrigerant cycle. While one or more of the cooling / heating combined refrigerant cycles are in the defrosting operation, the heating-dedicated cooling cycle and the cooling / heating combined refrigerant cycle are performed. By controlling the refrigerant cycle of at least one system of the refrigerant to continue the heating operation, the temperature of the use-side refrigerant at the time of the defrosting operation is stabilized, and the refrigeration air-conditioning apparatus that can maintain the temperature suitable for the utilization of the heat. A control method is obtained.
[0253]
According to claim 43 of the present invention, the heat-source-side refrigerant cycle that continues the heating operation while one or more of the heat-source-side refrigerant cycles is performing the defrosting operation has an increased heating capacity to increase the heating capacity. A control method for a refrigeration / air-conditioning apparatus that controls the continuation of the operation to further reduce the temperature drop of the usage-side refrigerant during the defrosting operation, stabilizes the temperature of the usage-side refrigerant, and maintains the temperature suitable for using the heat. Is obtained.
[0254]
According to claim 44 of the present invention, the heat source-side refrigerant cycle that continues the heating operation while at least one of the heat source-side refrigerant cycles is performing the defrosting operation is a refrigerant cycle dedicated to heating. Thereby, the control method of the refrigeration / air-conditioning apparatus that can stabilize the temperature of the use-side refrigerant during the defrosting operation and maintain the temperature at a temperature suitable for using the heat can be obtained.
[0255]
Further, according to claim 45 of the present invention, the heat source is exchanged by an auxiliary heat exchanger provided between a heat source side refrigerant cycle for circulating a heat source side refrigerant and a use side refrigerant cycle for circulating a use side refrigerant. In a refrigeration air conditioner that uses the heat obtained in the side refrigerant cycle for heating in the use side refrigerant cycle, a refrigerant using sensible heat is used as the use side refrigerant, and a vapor compression refrigeration cycle is used as the heat source side refrigerant cycle. If two or more systems are used and one or more of the heat source side refrigerant cycles satisfy the defrosting operation start condition during the heating operation in the use side refrigerant cycle, the capacity of the heat source side refrigerant cycle before starting the defrosting operation By increasing the temperature and controlling the heating operation to be continued and then performing the defrosting operation, it stabilizes the temperature of the use-side refrigerant during the defrosting operation and is suitable for heating. The method of the refrigerating and air-conditioning apparatus capable of maintaining the temperature.
[0256]
According to claim 46 of the present invention, the heat source is exchanged by an auxiliary heat exchanger provided between a heat source side refrigerant cycle for circulating a heat source side refrigerant and a use side refrigerant cycle for circulating a use side refrigerant. In a refrigeration air conditioner that uses the heat obtained in the side refrigerant cycle for heating in the use side refrigerant cycle, a refrigerant that utilizes sensible heat is used as the use side refrigerant, and the heat source side refrigerant cycle is a plurality of two or more systems. , The capacity of each of the plurality of heat source side refrigerant cycles is changed to one or more stages, and the total capacity of the plurality of heat source side refrigerant cycles as a whole is changed to a plurality of stages. And the change width of the total capacity is increased as the total capacity increases. You can follow while suppressing grayed, control method of the refrigerating and air-conditioning apparatus capable of improving the temperature stability of the use-side refrigerant can be obtained.
[0257]
According to claim 47 of the present invention, when increasing the stage of the total capacity, the currently operating heat source-side refrigerant cycle of the plurality of heat source-side refrigerant cycles remains in the operating state. The capacity is increased, and when the stage of the total capacity is decreased, the currently stopped heat source-side refrigerant cycle of the plurality of heat source-side refrigerant cycles is stopped and the total capacity is decreased while being stopped. By performing such control, it is possible to obtain a method of controlling a refrigeration and air-conditioning apparatus that can improve the stability of the entire system.
[0258]
According to claim 48 of the present invention, a compressor, a flow path switching valve, a heat source side heat exchanger, a heat source side refrigerant flow control valve, and a refrigerant storage tank for storing a heat source side refrigerant are connected to each other to form the heat source side refrigerant. A heat-source-side refrigerant cycle that circulates through the auxiliary heat exchanger, and a use-side refrigerant cycle that connects the refrigerant transfer device and circulates the use-side refrigerant. By immersing in the heat source side refrigerant and exchanging heat between the heat source side refrigerant and the use side refrigerant in the auxiliary heat exchanger, the heat stored in the refrigerant storage tank is used for heating in the use side refrigerant cycle. , The heat source-side refrigerant cycle equipment can be reduced in size by efficiently storing heat in the refrigerant storage tank, the reliability of the entire system can be improved with a relatively simple device configuration, and the temperature of the use-side refrigerant during defrosting operation can be stabilized. Let's use heat Refrigeration air conditioning system is obtained which can be maintained in a suitable temperature.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a configuration diagram showing a refrigeration / air-conditioning apparatus according to
2A and 2B are graphs showing characteristics with respect to the concentration of a use-side refrigerant according to the first embodiment, where FIG. 2A is a freezing temperature, FIG. 2B is a kinematic viscosity, and FIG. Is shown.
FIG. 3 is a configuration diagram illustrating a refrigeration / air-conditioning apparatus according to
FIG. 4 is a configuration diagram showing a refrigeration / air-conditioning apparatus according to
FIG. 5 is a configuration diagram showing a refrigeration / air-conditioning apparatus according to
FIG. 6 is a configuration diagram illustrating a refrigeration / air-conditioning apparatus according to
FIG. 7 is a configuration diagram showing a refrigeration / air-conditioning apparatus according to
FIG. 8 is a graph showing a COP with respect to a total compressor capacity and a total compressor temporary frequency, according to the control method of the refrigeration / air-conditioning apparatus according to the second embodiment.
FIG. 9 is a graph showing an increase / decrease value of the number of operating compressors with respect to a detected temperature TH1 of a
FIG. 10 is a flowchart showing a processing procedure according to a method for controlling a refrigeration / air-conditioning apparatus according to the second embodiment.
FIG. 11 is a block diagram showing processing related to a control method of a refrigeration / air-conditioning apparatus according to
FIG. 12 is a configuration diagram showing a refrigeration / air-conditioning apparatus according to
FIG. 13 is a configuration diagram showing a refrigeration / air-conditioning apparatus according to
FIG. 14 is a configuration diagram illustrating a refrigeration / air-conditioning apparatus according to
FIG. 15 is a configuration diagram illustrating a refrigeration / air-conditioning apparatus according to
FIG. 16 is a graph showing the operation / stop of the heat source side refrigerant cycle with respect to the detected temperature TH1 of the
FIG. 17 is a configuration diagram showing a refrigeration / air-conditioning apparatus according to
FIG. 18 is a configuration diagram showing a refrigeration / air-conditioning apparatus according to
FIG. 19 is a configuration diagram showing a refrigeration / air-conditioning apparatus according to
FIG. 20 is an explanatory diagram showing a configuration of a refrigerant storage tank according to an eighth embodiment.
FIG. 21 is a configuration diagram showing a refrigeration / air-conditioning apparatus according to an eighth embodiment.
FIG. 22 is a configuration diagram showing a refrigeration / air-conditioning apparatus according to
FIG. 23 is a configuration diagram showing a refrigeration / air-conditioning apparatus according to a ninth embodiment.
FIG. 24 is a configuration diagram showing a refrigeration / air-conditioning apparatus according to
FIG. 25 is a configuration diagram showing a refrigeration / air-conditioning apparatus according to
FIG. 26 is a configuration diagram showing a refrigeration / air-conditioning apparatus according to
FIG. 27 is a configuration diagram showing a refrigeration / air-conditioning apparatus according to
FIG. 28 is a configuration diagram showing a refrigeration / air-conditioning apparatus according to
FIG. 29 is a perspective view showing a configuration of a bubble blowing unit according to
FIG. 30 is a configuration diagram showing another configuration of the refrigeration / air-conditioning apparatus according to
FIG. 31 is a configuration diagram showing a conventional refrigeration / air-conditioning apparatus.
[Explanation of symbols]
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