JP3595811B2 - 撮像装置、放射線撮像装置および放射線撮像システム - Google Patents
撮像装置、放射線撮像装置および放射線撮像システム Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は撮像装置に関し、詳しくは水平走査回路と垂直走査回路が受光領域間に備えられている撮像装置に関する。本発明は、特に、放射線撮像装置、放射線撮像システムに関する。更に、特には、X線やガンマ線等の高エネルギー放射線を使って画像を読み取る大面積放射線撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
撮像装置には大きく分けてフォトダイオードなどで光を検知する受光領域と、走査回路等の周辺回路で占められる非受光領域の二つの領域がある。
【0003】
実際の撮像装置においては、複数の受光領域等で構成される有効画素領域の周りにある非受光領域を用いて周辺回路を配置することが多い。
【0004】
従って、例えば1チップで形成された有効画素領域の周辺に周辺回路を配置すると、撮像装置の小型化に限界があるため、さらなる小型化を望む場合は有効画素領域内の各受光領域間に周辺回路を配置しなければならない。
【0005】
さらには、2つ以上のチップを用いて1つの撮像装置を作製する場合、チップとチップのつなぎ目の解像度を高めるために境界近くまで有効画素領域を設ける必要があった。そのため、有効画素領域の周りに非受光領域はなくなり、周辺回路は敷き詰められた有効画素領域内の各受光領域間に配置させなければならない。
【0006】
このような、敷き詰められた有効画素領域内の各受光領域間に周辺回路を配置する撮像装置において、水平走査回路と垂直走査回路を配置しようとすると、水平走査回路と垂直走査回路が交差する個所が存在する。
【0007】
図14は、従来の撮像装置の水平走査回路と垂直走査回路とのレイアウトの一例を示す図である。
【0008】
図15は、従来の撮像装置の水平走査回路と垂直走査回路とのレイアウトの他の例を示す図である。図14、図15で同じ番号を付してあるものは同一部材である。
【0009】
図14及び図15において、701は受光領域(フォトダイオード)、702は受光領域間、703−1〜703−4は垂直走査回路の単位回路、704−1〜704−4は水平走査回路の単位回路、705は規則性が失われている領域、706は垂直走査回路と水平走査回路との交差点を示している。
【0010】
図14に示す従来例では、垂直走査回路の単位回路703−1〜703−4は一定間隔で配置され、その規則性は保たれているが、垂直走査回路の単位回路703−1〜703−4の規則性を保つために、各走査回路の交差部分で、水平走査回路の単位回路704−1〜704−4の規則性を保つために置かれるべき位置に水平走査回路の単位回路を配置できず、ここでは水平走査回路の単位回路704−2は水平走査回路の単位回路704−1と隣接して配置している。
【0011】
一方、図15に示す従来例では、水平走査回路の単位回路704−1〜704−4は一定間隔で配置され、その規則性は保たれているが、水平走査回路の単位回路704−1〜704−4の規則性を保つために、各走査回路の交差部分で、垂直走査回路の単位回路703−1〜703−4の規則性を保つために置かれるべき位置に垂直走査回路の単位回路を配置できず、ここでは垂直走査回路の単位回路703−3は垂直走査回路の単位回路703−2と隣接して配置している。
【0012】
上記構成に係わる技術を開示する公報としては、本願の優先権の基礎となる先の出願後に公開された特許文献であるが、特許文献1、特許文献2がある。
【0013】
【特許文献1】
特開2002−044522
【特許文献2】
特開2002−051262
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、少なくとも複数の受光領域が敷き詰められている撮像装置において、その受光領域間に周辺回路を配置しようとすると、垂直走査回路と水平走査回路が交わる領域が存在し、その交差を回避するために図14、図15に示したように水平走査回路、垂直走査回路のいずれかに各単位回路を配置する周期に不規則性が生じていた。
【0015】
このため、配線長の違いから応答性能が損われることになり、また、各走査回路の単位回路の配置が不規則になることから画素の連続性が失われ画質に悪影響をもたらすこととなる。
【0016】
そこで本発明の目的は、受光領域間に水平走査回路及び垂直走査回路が配置されている撮像装置において、水平走査回路及び垂直走査回路が周期性を損なわないような構成の撮像装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段および作用】
上記目的を達成するため、本発明の撮像装置は、2次元状に配設された複数の受光領域と、前記複数の受光領域を選択して順次読み出すための、垂直方向に配された複数段の単位回路から構成される垂直走査回路と、水平方向に配された複数段の単位回路から構成される水平走査回路と、を備え、前記垂直走査回路及び前記水平走査回路が前記受光領域間に配置された撮像装置において、
前記垂直走査回路と前記水平走査回路とが交差する領域の前記受光領域間を2つの領域に分割し、一方の領域に前記水平走査回路の単位回路を少なくとも1つ配置し、もう一方の領域に前記垂直走査回路の単位回路を少なくとも1つ配置したことを特徴とする。
【0018】
また、本発明の別の撮像装置は、2次元状に配設された複数の受光領域と、前記複数の受光領域を選択して順次読み出すための、垂直方向に配された複数段の単位回路から構成される垂直走査回路と、水平方向に配された複数段の単位回路から構成される水平走査回路と、を備え、前記垂直走査回路及び前記水平走査回路が前記受光領域間に配置された撮像装置において、前記垂直走査回路又は前記水平走査回路の何れか一方の前記単位回路を2段以上配置した受光領域間と、前記垂直走査回路及び前記水平走査回路の前記単位回路が存在しない空き受光領域間と、を有し、さらに前記垂直走査回路と前記水平走査回路とが交差する領域の受光領域間には、前記空き受光領域間を配置したことを特徴とする。
【0019】
また、本発明の別の撮像装置は、2次元状に配設された複数の受光領域と、前記複数の受光領域を選択して順次読み出すための、垂直方向に配された複数段の単位回路から構成される垂直走査回路と、水平方向に配された複数段の単位回路から構成される水平走査回路と、を備え、前記垂直走査回路及び前記水平走査回路が前記受光領域間に配置された撮像装置において、前記垂直走査回路の前記単位回路を2段以上配置した受光領域間と、前記水平走査回路の前記単位回路を2段以上配置した受光領域と、前記垂直走査回路及び前記水平走査回路の前記単位回路が存在しない空き受光領域間と、を有し、さらに前記垂直走査回路と前記水平走査回路とが交差する領域の受光領域間には、前記空き受光領域間を配置したことを特徴とする。
【0020】
また、本発明の別の撮像装置は2次元状に配設された複数の受光領域と、前記複数の受光領域を選択して順次読み出すための、垂直方向に配された複数段の単位回路から構成される垂直走査回路と、水平方向に配された複数段の単位回路から構成される水平走査回路と、を備え、前記垂直走査回路及び前記水平走査回路が前記受光領域間に配置された撮像装置において、各前記水平走査回路の単位回路及び各前記垂直走査回路の単位回路は等間隔で配置されていることを特徴とする。
【0021】
また、本発明の別の撮像装置は2次元状に配設された複数の受光領域と、前記複数の受光領域を選択して順次読み出すための、垂直方向に配された複数段の単位回路から構成される垂直走査回路と、水平方向に配された複数段の単位回路から構成される水平走査回路と、を備え、前記垂直走査回路及び前記水平走査回路が前記受光領域間に配置された撮像装置において、前記垂直走査回路及び/又は前記水平走査回路の単位回路は2段で単位回路群を構成し、該単位回路群は等間隔で配置されていることを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて詳細に説明する。
【0023】
(実施形態1)
図1は本発明の撮像装置の第1の実施形態に係る概念を示した図である。図1は撮像装置として、一つの固体撮像素子チップ内に2つの受光領域101とその間の受光領域間(非受光領域)102を示し、受光領域101にはさまれている受光領域間102を2つに分割し、領域A103と領域B104に分ける。ここでは、領域Aを垂直走査回路を配置する領域、領域Bを水平走査回路を配置する領域とする。配線に関しては、垂直走査回路を配線するのは第1層のメタル層、水平走査回路を配線するのは第2層のメタル層で行う。このとき、各走査回路の配線は複数本存在してもかまわないが、それぞれ同一のメタル層で作製することが望ましい。
【0024】
図2は撮像装置のレイアウトを示した図である。ここでは、簡易化のために4×4の受光領域を有する撮像装置を示しているが、一つの固体撮像素子チップ内に配される受光領域の数は、2×2、4×8、8×8、・・・等必要に応じて設定される。
【0025】
尚、本実施形態は1つの固体撮像素子チップで構成された撮像装置を用いているが、図2に示す固体撮像素子チップが複数設けられて構成される撮像装置であっても良い。
【0026】
図2において、201は受光領域、202は受光領域間、203−1〜203−4は垂直走査回路の単位回路、204は垂直走査回路の配線、205−1〜205−4は水平走査回路の単位回路、206は水平走査回路の配線、207は走査回路との交差部分である。交差部分207の受光領域間は2分割されて、垂直走査回路203−3と水平走査回路205−2とが接して配されている。このように受光領域を配列した結果、水平走査回路の単位回路、垂直走査回路の単位回路ともに連続性が保たれ、等間隔で配置することが可能となり、かつ交差部分でも乱れることなく配線することが可能になった。そのため、各単位回路間において配線長に違いが生じないことから応答性能が損われることもなくなり、また、各走査回路の連続性が保たれることから、画質への影響も少なくなった。
【0027】
また、本実施形態においては垂直走査回路及び水平走査回路を4×4配置された受光領域の中心の受光領域間に配置しているが、配置場所は本実施形態に限定されない。すなわち、各垂直総回路の単位回路及び書く水平走査回路の単位回路が等間隔で配置できればどこでも良い。例えば、本実施形態の垂直走査回路を横に1列ずらしても問題ない。
【0028】
(実施形態2)
図3は本発明の第2の実施形態に係る撮像装置のレイアウトを示した図である。
【0029】
本実施形態では、垂直走査回路の単位回路1段を1受光領域間毎に配置し、水平走査回路の単位回路2段を1受光領域間に、かつ、水平走査回路の単位回路が配置されていない空き受光領域間と交互に配置する。また、配線に関して垂直走査回路を配線するのは第1層のメタル層、水平走査回路を配線するのは第2層のメタル層で行う。このとき、各走査回路の配線は複数本存在してもかまわないが、それぞれの配線は同一のメタル層で作製することが望ましい。
【0030】
ここでは、簡易化のために4×4の受光領域を有する撮像装置を示しているが、一つの固体撮像素子チップ内に配される受光領域の数は、2×2、4×8、8×8、・・・等必要に応じて設定される。
【0031】
尚、以下の実施形態においても同様に、受光領域の数は適宜決まるものである。
また、本実施形態は1つの固体撮像素子チップで構成された撮像装置を用いているが、図3に示す固体撮像素子チップが複数設けられて構成される撮像装置であっても良い。
【0032】
同様に以下の実施形態においても、1つの固体撮像素子チップで構成された撮像装置を用いて説明しているが、該固体撮像素子チップが複数設けられて構成される撮像装置であっても良い。
【0033】
本実施形態では、垂直走査回路と水平走査回路との交差部分には水平走査回路が配されない点が図2と異なる。
【0034】
図3において、301は受光領域、302は受光領域間、303−1〜303−4は垂直走査回路の単位回路、304は垂直走査回路の配線、305−1〜305−4は水平走査回路の単位回路、306は水平走査回路の配線、307は走査回路の交差部分である。交差部分307の受光領域間302には垂直走査回路の単位回路303−3のみが配され、この交差部分の受光領域間を飛ばして、図中左右両隣りの受光領域間に、それぞれ水平走査回路の単位回路305−1と水平走査回路の単位回路305−2、水平走査回路の単位回路305−3と水平走査回路の単位回路305−4が配される。
【0035】
その結果、垂直走査回路は各単位回路が等間隔で配置され、一方水平走査回路は、水平走査回路の単位回路2段で構成された水平走査回路の各単位回路群が等間隔で配置されているので、結果連続性が保たれ、かつ走査回路の交差部分307でも乱れることなく配線することが可能になった。そのため、配線長に違いが生じないことから応答性能が損われることもなくなり、また、各走査回路の連続性が保たれることから、画質への影響も少なくなった。
【0036】
なお、ここでいう単位回路群とは、単位回路305−1と305−2から構成される単位回路群、単位回路305−3と305−4から構成される単位回路群を示している。
【0037】
なお、本実施形態でいう配線長の長さに違いが生じないとは、従来だと不規則に配線長が変化したため該当する箇所で画質が悪化したが(例えば、図14の領域705)、本発明の様に予め2種類(単位回路305−1と305−2間、305−2と305−3間)の配線長に統一しておけば、予期せぬ配線長の違いが生じないため画質への影響が少ないということである。
【0038】
また、本実施形態においては垂直走査回路及び水平走査回路を4×4配置された受光領域の中心の受光領域間に配置しているが、配置場所は本実施形態に限定されない。すなわち、各垂直総回路の単位回路及び書く水平走査回路の単位回路が等間隔で配置できればどこでも良い。例えば、本実施形態の垂直走査回路を横に1列ずらしても問題ない。
【0039】
同様に、以下の実施形態においても、垂直走査回路及び水平走査回路を4×4配置された受光領域の中心の受光領域間に配置しているが、配置場所はそれに限定されない。
【0040】
(実施形態3)
図4は本発明の第3の実施形態に係る撮像装置のレイアウトを示した図である。
【0041】
本実施形態では、垂直走査回路の単位回路2段を1受光領域間に、かつ、垂直走査回路の単位回路が配置されていない空き受光領域間と交互に配置し、さらに、水平走査回路の単位回路1段を1受光領域間毎に配置する。また、配線に関して垂直走査回路を配線するのは第1層のメタル層、水平走査回路を配線するのは第2層のメタル層で行う。このとき、各走査回路の配線は複数本存在してもかまわないが、それぞれの配線は同一のメタル層で作製することが望ましい。
【0042】
本実施形態は、垂直走査回路と水平走査回路との交差部分には垂直走査回路が配されない点が図2と異なる。
【0043】
図4において、401は受光領域、402は受光領域間、403−1〜403−4は垂直走査回路の単位回路、404は垂直走査回路の配線、405−1〜405−4は水平走査回路の単位回路、406は水平走査回路の配線、407は走査回路の交差部分である。交差部分407の受光領域間402には水平走査回路の単位回路405−2のみが配され、この交差部分の受光領域間を飛ばして、図中上下方向の受光領域間に、それぞれ垂直走査回路の単位回路403−1と垂直走査回路の単位回路403−2、垂直走査回路の単位回路403−3と垂直走査回路の単位回路403−4が配される。
【0044】
その結果、水平走査回路は各単位回路が等間隔で配置され、一方垂直走査回路は、垂直走査回路の単位回路2段で構成された垂直走査回路の各単位回路群が等間隔で配置されているので、結果連続性が保たれ、かつ走査回路の交差部分407でも乱れることなく配線することが可能になった。そのため、配線長に違いが生じないことから応答性能が損われることもなくなり、また、各走査回路の連続性が保たれることから、画質への影響も少なくなった。
【0045】
なお、ここでいう単位回路群とは、単位回路403−1と403−2から構成される単位回路群、単位回路403−3と404−4から構成される単位回路群を示している。
【0046】
なお、本実施形態でいう配線長の長さに違いが生じないとは、従来だと不規則に配線長が変化したため該当する箇所で画質が悪化したが(例えば、図10の705)、本発明の様に予め2種類(単位回路403−1と403−2間、403−2と403−3間)の配線長に統一しておけば、予期せぬ配線長の違いが生じないため画質への影響が少ないということである。
【0047】
(実施形態4)
図5は本発明の第4の実施形態に係る撮像装置のレイアウトを示した図である。
【0048】
本実施形態では、垂直走査回路の単位回路2段を1受光領域間に、かつ、垂直走査回路の単位回路が配置されていない空き受光領域間と交互に配置し、水平走査回路の単位回路2段を受光領域間に、かつ、水平走査回路の単位回路が配置されていない空き受光領域間と交互に配置するようにする。また、配線に関して垂直走査回路を配線するのは第1層のメタル層、水平走査回路を配線するのは第2層のメタル層で行う。このとき、各走査回路の配線は複数本存在してもかまわないが、それぞれの配線は同一のメタル層で作製することが望ましい。
【0049】
本実施形態は、垂直走査回路と水平走査回路の交差部分には水平走査回路、垂直走査回路ともに置かれていない空き受光領域間が配される点で図2と異なる。
【0050】
図5において、501は受光領域、502は受光領域間、503−1〜503−4は垂直走査回路の単位回路、504は垂直走査回路の配線、505−1〜505−4は水平走査回路の単位回路、506は水平走査回路の配線、507は走査回路の交差部分である。交差部分507の受光領域間502には垂直走査回路、水平走査回路のいずれも配されず、この交差部分の受光領域間を飛ばして、図中左右方向にそれぞれ水平走査回路の単位回路505−1と水平走査回路の単位回路505−2、水平走査回路の単位回路505−3と水平走査回路の単位回路505−4が配され、また、図中上下方向にそれぞれ垂直走査回路の単位回路503−1と垂直走査回路の単位回路503−2、垂直走査回路の単位回路503−3と垂直走査回路の単位回路503−4が配される。
【0051】
その結果、垂直走査回路の単位回路群及び水平走査回路の単位回路群は等間隔で配置されているので、結果連続性が保たれ、かつ走査回路の交差部分507でも乱れることなく配線することが可能になった。そのため、配線長に違いが生じないことから応答性能が損われることもなくなり、また、各走査回路の連続性が保たれることから、画質への影響も少なくなった。
【0052】
なお、ここでいう単位回路群とは、水平走査回路の単位回路505−1と505−2から構成される単位回路群、単位回路505−3と505−4から構成される単位回路群と、垂直走査回路の単位回路503−1と503−2から構成される単位回路群、単位回路503−3と503−4から構成される単位回路群とを示している。ここで、単位回路群が等間隔で配置されているということは、各単位回路群に着目すると各単位回路群を構成する同配列順の一方の単位回路(例えば、垂直走査回路の単位回路503−1と503−3、又は503−2と503−4)は等間隔に配置されている。また、見方を変えると、単位回路群内で隣接する単位回路どうしの間隔(例えば単位回路503−1と単位回路503−2との間隔)S1と、空き受光領域を介して隣接する単位回路群間で隣接する単位回路どうしの間隔(例えば単位回路503−2と単位回路503−3との間隔)S2とが、周期的に交互に(S1,S2,S1,S2,・・・)配置されているとも言える。
【0053】
なお、本実施形態でいう配線長の長さに違いが生じないとは、従来だと不規則に配線長が変化したため該当する箇所で画質が悪化したが(例えば、図10の705)、本発明の様に予め各走査回路において2種類の配線長に統一しておけば、予期せぬ配線長の違いが生じないため画質への影響が少ないということである。
【0054】
(実施形態5)
図6は本発明の第5の実施形態に係る撮像装置のレイアウトを示した図である。
【0055】
本実施形態では、水平走査回路の単位回路2段を1受光領域間に、かつ、水平走査回路の単位回路が配置されていない空き受光領域間と交互に配置し、垂直走査回路の単位回路1段を1受光領域間毎に配置する。また、配線に関して垂直走査回路を配線するのは第1層のメタル層、水平走査回路を配線するのは第2層のメタル層で行う。このとき、各走査回路の配線は複数本存在してもかまわないが、それぞれの配線は同一のメタル層で作製することが望ましい。
【0056】
なお、垂直走査回路の単位回路2段を1受光領域間に、かつ、垂直走査回路の単位回路が配置されていない空き受光領域間と交互に配置し、水平走査回路の単位回路1段を1受光領域間毎に配置してもよい。また、水平走査回路の単位回路2段を1受光領域間に、かつ、水平走査回路の単位回路が配置されていない空き受光領域間と交互に配置するとともに、垂直走査回路の単位回路2段を1受光領域間に、かつ、垂直走査回路の単位回路が配置されていない空き受光領域間と交互に配置してもよい。
【0057】
本実施形態では、受光領域からの光信号を駆動する周辺回路を避けて水平及び垂直走査回路を配置するために、垂直走査回路及び水平走査回路の交差領域には垂直走査回路の単位回路が存在する受光領域間がくるように配置する。従って、交差領域を水平走査回路の単位回路2段と垂直走査回路の単位回路1段が占めるようになる。このとき、受光領域間を2つに分割し、ひとつを水平走査回路の単位回路2段を配置する領域、もうひとつを垂直走査回路の単位回路1段を配置する領域とする。
【0058】
図6において、601は受光領域、602は非受光領域間、603−1〜603−4は垂直走査回路の単位回路、604は垂直走査回路の配線、605−1〜605−6は水平走査回路の単位回路、606は水平走査回路の配線、607は走査回路の交差部分、608は画素を動かすための画素周辺回路である。垂直走査回路603の出力は周辺回路のスイッチを動かすのに用いられる。
【0059】
その結果、垂直走査回路は各単位回路が等間隔で配置され、一方水平走査回路は、水平走査回路の単位回路2段で構成された水平走査回路の各単位回路群が等間隔で配置されているので、結果連続性が保たれ、かつ走査回路の交差部分607でも乱れることなく配線することが可能になった。そのため、配線長に違いが生じないことから応答性能が損われることもなくなり、また、各走査回路の連続性が保たれることから、画質への影響も少なくなった。
【0060】
なお、本実施形態でいう配線長の長さに違いが生じないとは、従来だと不規則に配線長が変化したため該当する箇所で画質が悪化したが(例えば、図10の705)、本発明の様に予め水平走査回路において2種類の配線長に統一しておけば、予期せぬ配線長の違いが生じないため画質への影響が少ないということである。
【0061】
なお、以上説明した各実施形態においては、撮像装置の例として、一つの固体撮像素子チップの受光領域と受光領域間に配される水平走査回路、垂直走査回路のレイアウトを示した。このような撮像装置は、チップの端まで複数の受光領域で構成される有効画素領域を配置することができ、同じチップサイズであればより画素数を増やすことができる。
【0062】
また、本発明は、上記固体撮像素子チップを一方向又は行列方向につなげて撮像装置を構成することもでき、この場合にも各実施形態において説明した効果および上記の効果を得ることができる。
【0063】
ここで、図7及び図8を用いて本実施形態の撮像装置の駆動方法について詳しく説明する。
【0064】
図7は、図6の撮像装置を駆動する上で必要な構成の一例を示したレイアウト図である。図8は、図7の撮像装置の駆動方法を説明する為のタイミングチャートである。
【0065】
図7において、VSR1〜VSR3は垂直走査回路の単位回路603−1〜603−3のそれぞれの出力線、609は画素からの出力を増幅するアンプ回路、100は画素からの出力がアンプ回路609で増幅された後のセンサ出力を出力する端子である。図8において、650は画素からの出力を蓄えるコンデンサ、660は出力線VSR1〜VSR3の出力信号によって動作されるスイッチとしてのMOSトランジスタ、670は水平走査回路の配線606からの信号によって動作されるスイッチとしてのMOSトランジスタである。
【0066】
次に、本実施形態の撮像装置の駆動方法を説明するに、まずフォトダイオードにおいて光信号が電荷に変換される。変換された電荷は各画素に設けてある増幅部で増幅されコンデンサaに蓄えられる。VSR出力1を受けて第一行目のスイッチbがONし一行目が選択される。HSRの出力信号を受けてスイッチcが右方向へ順次ONし一行分の信号が増幅アンプ609に送られる。その後VSR出力2を受けて第2行目が選択され同じ動作で増幅アンプに送られる。第3行目以降についても同様である。
【0067】
尚、本実施形態においては垂直シフトレジスタは603−1から603−4へ順次駆動させたが、駆動させる順番は適宜決まるものであって本実施形態に限定されない。又、水平シフトレジスタに関しても本実施形態においては605−1から605−6へ順次駆動させたが、駆動させる順番は適宜決まるものであって本実施形態に限定されない。図9は本発明の垂直走査回路及び垂直走査回路に用いることができるダイナミック型シフトレジスタの構成を示す回路図、図10は本発明の垂直走査回路及び垂直走査回路に用いることができるスタティック型シフトレジスタの構成を示す回路図である。
【0068】
図11は、本発明の撮像装置と、放射線を可視光に変換するシンチレータ板と、光透過性基板と、等倍型正転レンズアレイとを積層することで形成された放射線撮像装置の一例を示した模式的斜視図である。
【0069】
本発明の撮像装置が搭載された放射線撮像装置は、保持基板900上に、X線の入射方向から順に光反射膜901、波長変換体としての蛍光体(シンチレータ)902、光透過性部材903、屈折率分散型光導材を集積した短焦点で正立像を結像することができる等倍型正転レンズアレイ904、光透過性基板905、本発明の撮像装置である光センサチップ906が設けられて構成されている。
【0070】
図12は本発明の撮像装置と、放射線を可視光に変換するシンチレータ板と、ファイバーオプティックスプレートを積層することで、画質が向上した放射線撮像装置の一例を示した模式的断面図である。
【0071】
図12に示す放射線撮像装置においては、等倍型正転レンズアレイ904は用いずに、シンチレータ902と光センサチップ906の間はファイバーオプティクスプレイト(FOP)910で構成されていても良い。尚、911はFOP910と光センサチップ906を貼り合わせる際に必要に応じて適宜設けられる接着材である。
【0072】
また、図13は本発明による放射線撮像装置のX線診断システムへの応用例を示したものである。
【0073】
X線チューブ6050で発生したX線6060は患者あるいは被験者6061の胸部6062を透過し、放射線を光に変えるシンチレータ、光を撮像素子に導くFOP(ファイバーオプティックプレート)、撮像素子、外部処理基板を備える放射線撮像装置6040に入射する。この入射したX線には患者6061の体内部の情報が含まれている。X線の入射に対応してシンチレータは発光し、これを撮像素子が光電変換して、電気的情報を得る。この情報はディジタルに変換されイメージプロセッサ6070により画像処理され制御室のディスプレイ6080で観察できる。
【0074】
また、この情報は電話回線6090等の伝送手段により遠隔地へ転送でき、別の場所のドクタールームなどディスプレイ6081に表示もしくは光ディスク等の保存手段に保存することができ、遠隔地の医師が診断することも可能である。またフィルムプロセッサ6100によりフィルム6110に記録することもできる。
【0075】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、水平走査回路と垂直走査回路との配置の規則性を保つことができ、このため応答性能の低下や画質に対する悪影響を防止された撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る概念を示した図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る撮像装置のレイアウトを示した図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る撮像装置のレイアウトを示した図である。
【図4】本発明の第3の実施形態に係る撮像装置のレイアウトを示した図である。
【図5】本発明の第4の実施形態に係る撮像装置のレイアウトを示した図である。
【図6】本発明の第5の実施形態に係る撮像装置のレイアウトを示した図である。
【図7】本発明の第5実施形態の撮像装置を駆動する上で必要な構成の一例を示したレイアウト図である。
【図8】本発明の第5実施形態の撮像装置の駆動方法を説明する為のタイミングチャートである。
【図9】本発明の垂直走査回路及び垂直走査回路に用いることができるダイナミック型シフトレジスタの構成例を示す回路図である。
【図10】本発明の垂直走査回路及び垂直走査回路に用いることができるスタティック型シフトレジスタの構成例を示す回路図である。
【図11】本発明の撮像装置を用いた放射線撮像装置の模式的斜視図である。
【図12】本発明の撮像装置を用いた放射線撮像装置の模式的断面図である。
【図13】本発明の放射線撮像装置による放射線撮影システムの構成を示す概念図である。
【図14】従来の撮像装置の水平走査回路と垂直走査回路とのレイアウトの一例を示す図である。
【図15】従来の撮像装置の水平走査回路と垂直走査回路とのレイアウトの他の例を示す図である。
【符号の説明】
101 受光領域
102 受光領域間
103 領域A
104 領域B
201,301,401,501,601 受光領域
202,302,402,502,602 受光領域間
203−1〜203−4,303−1〜303−4,403−1〜403−4,503−1〜503−4,603−1〜603−4 垂直走査回路
204,304,404,504,604 垂直走査回路の配線
205−1〜205−4,305−1〜305−4,405−1〜405−4,505−1〜505−4,605−1〜605−6 水平走査回路
206,306,406,506,606 水平走査回路の配線
207,307,407,507,607 走査回路の交差部分
Claims (13)
- 2次元状に配設された複数の受光領域と、前記複数の受光領域を選択して順次読み出すための、垂直方向に配された複数段の単位回路から構成される垂直走査回路と、水平方向に配された複数段の単位回路から構成される水平走査回路と、を備え、前記垂直走査回路及び前記水平走査回路が前記受光領域間に配置された撮像装置において、
前記垂直走査回路と前記水平走査回路とが交差する領域の前記受光領域間を2つの領域に分割し、一方の領域に前記水平走査回路の単位回路を少なくとも1つ配置し、もう一方の領域に前記垂直走査回路の単位回路を少なくとも1つ配置したことを特徴とする撮像装置。 - 前記水平走査回路が配置された前記一方の領域に前記水平走査回路の単位回路を2段配置し、及び/又は前記垂直走査回路が配置された前記もう一方の領域に前記垂直走査回路の単位回路を2段配置したことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
- 垂直方向に配された前記複数段の単位回路を接続する配線層と水平方向に配された前記複数段の単位回路を接続する配線層とが異なり、前記垂直走査回路と前記水平走査回路とが交差する領域においてもそれぞれの配線層の配線長が変わらないようにしたことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
- 請求項1に記載の撮像装置と、シンチレータ板と、ファイバーオプティックスプレートを備えることを特徴とする放射線撮像装置。
- 請求項4に記載の放射線撮像装置と、
前記放射線撮像装置からの信号を処理する信号処理手段と、
前記信号処理手段からの信号を記録するための記録手段と、
前記信号処理手段からの信号を表示するための表示手段と、
前記信号処理手段からの信号を伝送するための伝送処理手段と、
前記放射線を発生させるための放射線源とを具備することを特徴とする放射線撮像システム。 - 2次元状に配設された複数の受光領域と、前記複数の受光領域を選択して順次読み出すための、垂直方向に配された複数段の単位回路から構成される垂直走査回路と、水平方向に配された複数段の単位回路から構成される水平走査回路と、を備え、前記垂直走査回路及び前記水平走査回路が前記受光領域間に配置された撮像装置において、
前記垂直走査回路又は前記水平走査回路の何れか一方の前記単位回路を2段以上配置した受光領域間と、前記垂直走査回路及び前記水平走査回路の前記単位回路が存在しない空き受光領域間と、を有し、さらに前記垂直走査回路と前記水平走査回路とが交差する領域の受光領域間には、前記空き受光領域間を配置したことを特徴とする撮像装置。 - 請求項6に記載の撮像装置と、シンチレータ板と、ファイバーオプティックスプレートを備えることを特徴とする放射線撮像装置。
- 2次元状に配設された複数の受光領域と、前記複数の受光領域を選択して順次読み出すための、垂直方向に配された複数段の単位回路から構成される垂直走査回路と、水平方向に配された複数段の単位回路から構成される水平走査回路と、を備え、前記垂直走査回路及び前記水平走査回路が前記受光領域間に配置された撮像装置において、
前記垂直走査回路の前記単位回路を2段以上配置した受光領域間と、前記水平走査回路の前記単位回路を2段以上配置した受光領域と、前記垂直走査回路及び前記水平走査回路の前記単位回路が存在しない空き受光領域間と、を有し、さらに前記垂直走査回路と前記水平走査回路とが交差する領域の受光領域間には、前記空き受光領域間を配置したことを特徴とする撮像装置。 - 請求項8に記載の撮像装置と、シンチレータ板と、ファイバーオプティックスプレートを備えることを特徴とする放射線撮像装置。
- 2次元状に配設された複数の受光領域と、前記複数の受光領域を選択して順次読み出すための、垂直方向に配された複数段の単位回路から構成される垂直走査回路と、水平方向に配された複数段の単位回路から構成される水平走査回路と、を備え、前記垂直走査回路及び前記水平走査回路が前記受光領域間に配置された撮像装置において、
各前記水平走査回路の単位回路及び各前記垂直走査回路の単位回路は等間隔で配置されていることを特徴とする撮像装置。 - 2次元状に配設された複数の受光領域と、前記複数の受光領域を選択して順次読み出すための、垂直方向に配された複数段の単位回路から構成される垂直走査回路と、水平方向に配された複数段の単位回路から構成される水平走査回路と、を備え、前記垂直走査回路及び前記水平走査回路が前記受光領域間に配置された撮像装置において、
前記垂直走査回路及び/又は前記水平走査回路の単位回路は2段で単位回路群を構成し、該単位回路群は等間隔で配置されていることを特徴とする撮像装置。 - 請求項10又は11に記載の撮像装置と、シンチレータ板と、ファイバーオプティックスプレートを備えることを特徴とする放射線撮像装置。
- 請求項12に記載の放射線撮像装置と、
前記放射線撮像装置からの信号を処理する信号処理手段と、
前記信号処理手段からの信号を記録するための記録手段と、
前記信号処理手段からの信号を表示するための表示手段と、
前記信号処理手段からの信号を伝送するための伝送処理手段と、
前記放射線を発生させるための放射線源とを具備することを特徴とする放射線撮像システム。
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