JP3595199B2 - 系統連系インバータ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、太陽電池等の独立した直流電源が発生する直流電力を交流電力に変換して系統(商用電力系統)に接続するインバータ主回路と、前記直流電源の状態および前記系統の状態を入力して前記インバータ主回路を制御する制御回路とを備えた系統連系インバータ装置にかかわり、特に、その自立運転制御の技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
直流電源である太陽電池は太陽の日射強度がある程度以上にある場合には直流電力を出力する。それは二次電池等の他のエネルギー源を介在しなくても太陽電池のみで直流電力を出力できるということであり、火力発電の場合のような有害な物質を排出しないため、シンプルでクリーンなエネルギー源として有効である。
【0003】
この太陽電池が発生する直流電力を交流電力に変換して商用電力系統に供給する系統連系インバータ装置においては、太陽電池をできるだけ有効に利用するように制御が行われる。日射強度がある程度以上にある昼間においては、インバータ主回路は太陽電池で発生した直流電力を交流電力に変換して一般交流負荷に供給し、余剰電力を商用電力系統に供給し、一般交流負荷への電力供給が太陽電池による電力だけでは不足するときは商用電力系統から賄うという連系運転を行うが、商用電力系統が事故や災害等で停電した場合には、インバータ主回路を停止して電力変換を行わないようにする。しかし、日射強度がある程度以上にあるにもかかわらず、電力変換を行わないのは太陽電池による発電を有効に利用していないことになる。そこで、停電時にはインバータ主回路を商用電力系統から切り離して自立運転を行うことが要求されることとなる。特に災害時にはそのような自立運転が重要となる。
【0004】
商用電力系統が事故等で停電した場合には、制御回路は停電を検出してインバータ主回路を停止させ、日射強度があれば、商用電力系統からインバータ主回路を切り離した状態で、太陽電池からの直流電力を交流電力に変換して、自立運転用負荷に供給する自立運転を行うようにしている。
【0005】
以下に、このような連系運転と自立運転の切り替えの機能をもつ系統連系インバータ装置の従来例を図5を参照して説明する。
【0006】
まず、系統連系インバータ装置101が太陽電池102から出力された直流電力を商用電力系統103と同一の位相および同一の周波数(50/60Hz)をもつ交流電力に変換して、商用電力系統103に供給する連系運転制御について説明する。系統連系インバータ装置101は、大きく分けて、太陽電池102の直流電力を交流電力に変換して商用電力系統103に接続するインバータ主回路120と、太陽電池102の状態および商用電力系統103の状態を入力してインバータ主回路120を制御する制御回路115とから構成されている。
【0007】
太陽電池102から系統連系インバータ装置101におけるインバータ主回路120に入力された直流電力は高周波インバータブリッジ104において高周波交流(数十〜数百kHz)に変換され、高周波トランス105の一次側に供給される。高周波トランス105は太陽電池102側(一次側)と商用電力系統103側(二次側)とを絶縁する役割を担っている。この高周波トランス105によって絶縁された状態で二次側に誘起された高周波交流(図3(a)相当)は高周波トランス105の二次側に設けられたダイオードブリッジ106により整流される。ダイオードブリッジ106で整流された整流成分(図3(b)相当)は、DCリアクトル107aとコンデンサ107bで構成されるフィルタ回路107により高周波成分の除去と平滑とが行われる(図3(c)相当)。そして、フィルタ回路107により全波整流波形状にされた直流を、低周波インバータブリッジ108において、低周波(50/60Hz〜数百Hz)で折返し制御することで、低周波(50/60Hz)の正弦波交流が得られる(図3(d)相当)。この折返し制御は、連系リレー112の後段から得られた商用電力系統103における商用電力系統電圧信号VEUL に基づいて行われるものである。
【0008】
また、高周波インバータブリッジ104の前段には、インバータ主回路120への入力電力の変動を抑える直流コンデンサ109が設けられている。低周波インバータブリッジ108の後段には、インバータ出力電流検出器110、高調波成分を吸収するACフィルタ111および商用電力系統103側との連系および解列を行う連系リレー112が設けられている。また、低周波インバータブリッジ108の後段でACフィルタ111の次段には、自立運転用負荷114が自立リレー113を介して接続されている。
【0009】
制御回路115には、インバータ主回路120における高周波インバータブリッジ104と低周波インバータブリッジ108の制御および連系リレー112のオン/オフ制御を行う連系制御部116が設けられている。また、連系リレー112および自立リレー113のオン/オフ制御とともに高周波インバータブリッジ104と低周波インバータブリッジ108の制御を行う自立制御部117が設けられている。
【0010】
系統連系インバータ装置101は、連系運転時には制御回路115の連系制御部116において、連系リレー112の後段から検出した商用電力系統電圧信号VEUL に基づいて商用電力系統103の電圧および周波数を監視している。そして、商用電力系統103が事故等で停電した場合には、監視している系統電圧/系統周波数の変化により連系制御部116は停電を検出し、連系リレー112に対して解列指令信号GRを出力して連系リレー112を解列するとともにインバータ主回路120の運転を停止させる。この停電において、太陽電池102に充分な日射強度があれば、インバータ主回路120から商用電力系統103を切り離した状態で、制御回路115内の自立制御部117は自立リレー113に接続指令信号IRを出力し、自立リレー113を閉成して自立運転用負荷114をインバータ主回路120に接続する。次いで、インバータ主回路120を運転し、太陽電池102からの直流電力を交流電力に変換して、自立運転用負荷114に供給する自立運転を行う。
【0011】
以上のように、系統連系インバータ装置101では、太陽電池102からの直流電力を交流電力に変換して商用電力系統103に供給する連系運転制御を行う一方、商用電力系統103が事故等で停電した場合には、停電を検出して商用電力系統103からインバータ主回路120を切り離した状態で、太陽電池102からの直流電力を交流電力に変換して自立運転用負荷114に供給する自立運転制御を行うようになっている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来の技術においては、低周波インバータブリッジ108において、その前段のフィルタ回路107による全波整流波形状の直流(図3(c)相当)を、連系リレー112の後段から得られた商用電力系統103における商用電力系統電圧信号VEUL に基づいて正弦波交流(図3(d)相当)に折返し制御するため、低周波インバータブリッジ108における出力電圧波形と出力電流波形の位相が互いに一致していなければならず、遅れの角φが0で力率cosφ=1の力率1制御しか行えない。すなわち、出力電圧波形と出力電流波形の位相をずらして無効電力を発生させる無効電力制御を行うことができない構成となっている。
【0013】
そして、停電時において自立リレー113を介してインバータ主回路120に接続される自立運転用負荷114に対しても、低周波インバータブリッジ108による折返し制御での力率1制御が影響をもつようになっている。すなわち、自立運転制御時においても無効電力制御を行うことはできず、その結果として、インバータ主回路120からの出力電圧波形に歪みが生じることとなり、出力電圧波形に歪みが生じると、インバータ主回路120に接続している自立運転用負荷114において、特にモータ負荷などの誘導性負荷において、過熱、過電流、異常音、誤動作等の障害を招くおそれがあった。また、これらの障害が起こると、自立運転用負荷114の寿命に悪影響を及ぼすおそれがあった。
【0014】
さらに、インバータ主回路120が連系運転制御から自立運転制御に切り替わる際に、インバータ主回路120の連系運転を停止し、連系リレー112を解列することで商用電力系統103からインバータ主回路120を切り離すのであるが、連系制御部116では連系リレー112に解列指令信号GRを出力するだけであって、連系リレー112がその解列指令信号GRを受信して実際に解列動作を行ったか否かを確認する手段がなく、連系リレー112が解列状態にあるかどうかが分からないものとなっている。したがって、もし、連系リレー112が解列しておらず、インバータ主回路120が商用電力系統103と連系したままとなっている状態で、自立リレー113を投入し、インバータ主回路120を運転するとなると、自立運転用負荷114に過電圧がかかり、部品の故障や破壊につながるおそれがあった。
【0015】
一方、インバータ主回路120を自立運転制御から連系運転制御に切り替える際においても、インバータ主回路120の自立運転を停止し、自立リレー113を解列してインバータ主回路120から自立運転用負荷114を切り離すのであるが、自立制御部117では自立リレー113に解列指令信号IRを出力するだけであり、自立リレー113がその解列指令信号IRを受信して実際に解列動作を行ったか否かを確認する手段がなく、自立リレー113が解列状態にあるかどうかが分からないものとなっている。したがって、もし、自立リレー113が解列しておらず、インバータ主回路120が自立運転用負荷114と接続されたままとなっている状態で、連系リレー112を投入し、インバータ主回路120を運転するとなると、やはり自立運転用負荷114に過電圧がかかり、部品の故障や破壊につながるおそれがあった。
【0016】
本発明は上記した課題の解決を図るべく創作したものであって、商用電力系統が停電している場合においても太陽電池等の直流電源の有効利用を図り、インバータ主回路の自立運転時には無効電力制御を可能となして、そのときの出力電圧に歪みが生じることを解消して自立運転用負荷の運転に障害を発生させない系統連系インバータ装置を提供することを目的としており、さらに、連系運転制御と自立運転制御との切り替え時に自立運転用負荷に過電圧がかからない安全な系統連系インバータ装置を提供することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記した従来技術の課題の解決を図るための第1の発明の系統連系インバータ装置は、太陽電池等の直流電源の直流電力を交流電力に変換して系統に接続するインバータ主回路と、前記直流電源の状態および前記系統の状態を入力して前記インバータ主回路を制御する制御回路と、 を備えた系統連系インバータ装置であって、前記インバータ主回路が前記直流電源側と前記系統側とを絶縁する高周波トランスと、前記高周波トランスの2次側と前記系統とを連系および解列する系統連系解列手段と、前記高周波トランスの1次側と自立運転用負荷とを接続および解列する自立負荷接続解列手段と、前記インバータ主回路が前記系統に連系して運転される連系運転時の主回路構成と、前記系統から解列されて自立運転用負荷と接続して運転される自立運転時の主回路構成とを切り替える主回路構成切替手段と、前記主回路構成切替手段が前記高周波トランスの1次側と直流電源側と自立負荷接続解列手段とに接続し、前記制御回路が系統連系解列手段と主回路構成切替手段と自立負荷接続解列手段の開閉を制御することを特徴としている。この構成によると、次のような作用がある。すなわち、停電になって連系運転制御から自立運転制御に切り替わる際に、何らかの原因で連系リレーに相当する系統連系解列手段が解列していない状態で不測に自立運転を行っても、主回路構成切替手段が系統連系解列手段から自立運転用負荷を分離しているとともに、主回路構成上、系統連系解列手段の状態のいかんにかかわらず系統から自立運転用負荷への影響がなく、自立運転用負荷は直接には系統とはつながらないので、自立運転用負荷に過電圧はかからず安全性が向上する。また、停電が解除されて自立運転制御から連系運転制御に切り替わる際に、何らかの原因で自立リレーに相当する自立負荷接続解列手段が解列していない状態で不測に系統と連系して運転を行っても、主回路構成上、系統と自立運転用負荷との間では、自立負荷接続解列手段の状態のいかんににかかわらず系統から自立運転用負荷への影響がなく、自立運転用負荷は直接には系統とはつながらないので、自立運転用負荷に過電圧はかからず安全性が向上する。
【0018】
第2の発明の系統連系インバータ装置は、上記第の発明において、連系運転時は、直流電源側と前記系統側とを接続するよう主回路構成切替手段と系統連系解列手段とを閉成し、かつ自立負荷接続解列手段を解列し、自立運転時は直流電源側と前記系統側とを解列するよう主回路構成切替手段と系統連系解列手段とを開成し、かつ自立負荷接続解列手段を、接続することを特徴としている。
【0019】
第3の発明の系統連系インバータ装置は、上記第1、第2の発明において、前記連系運転時の主回路構成を高周波トランス絶縁方式とし、前記自立運転時の主回路構成をトランスレス方式とすることを特徴としている。この構成によると、次のような作用がある。すなわち、インバータ主回路の連系運転時においては主回路構成は高周波トランス絶縁方式であるため、高周波トランスにより太陽電池等の直流電源側と系統側とを絶縁しているので、回路上では系統への地絡事故を防止することができるとともに、インバータ主回路の自立運転時においては主回路構成は高周波トランスを介さないトランスレス方式であって、力率1制御に制限される低周波インバータブリッジでの折返し制御は無関係となるため、インバータ主回路は無効電力制御を行うことができる。このように、無効電力制御を行うと、インバータ主回路の出力電圧波形には歪みを生じることがなく、接続している自立運転用負荷、特にモータ負荷などの誘導性負荷に対して過熱、過電流、異常音、誤動作等の障害を招く危険性がない。
【0020】
第4の発明の系統連系インバータ装置は、上記第1〜第3の発明において、前記連系運転時の主回路構成である高周波トランス絶縁方式ではインバータ出力電流信号と電流基準信号との波形間の誤差がなくなるように前記インバータ主回路を制御し、前記自立運転時の主回路構成であるトランスレス方式ではインバータ出力電圧信号と電圧基準信号との波形間の誤差がなくなりかつ出力電圧が一定となるように前記インバータ主回路を制御することを特徴としている。この構成によると、次のような作用がある。すなわち、連系運転時における高周波トランス絶縁方式主回路構成において、インバータ出力電流信号と電流基準信号との波形間の誤差がなくなるようにインバータ主回路を制御することで、系統に対してインバータ出力電流波形に歪みの少ない高品質な電力を供給することができる。一方、自立運転時におけるトランスレス方式主回路構成において、インバータ出力電圧信号と電圧基準信号との波形間の誤差がなくなりかつ出力電圧が一定となるようにインバータ主回路を制御することで、自立運転用負荷に対して出力電圧が一定でインバータ出力電圧波形に歪みの少ない高品質な電力を供給することができる。
【0021】
第5の発明の系統連系インバータ装置は、上記第1〜第4の発明において、前記高周波トランス絶縁方式の主回路構成での出力をAC200Vとし、前記トランスレス方式の主回路構成での出力をAC100Vとしてあることを特徴としている。この構成によると、次のような作用がある。すなわち、連系運転時ではインバータ主回路は系統に出力するために出力電圧はAC200Vとなるが、系統が事故または災害などで停電した場合にインバータ主回路を運転する自立運転時においては、系統にインバータ主回路の出力を供給する必要がないのでAC200Vでなくてもよく、AC100Vとすることにより、自立運転用負荷としてはAC100Vを電源とする家庭用電気負荷を使用することができ、さらには、インバータ制御においてAC100V出力とするので、インバータ主回路内でAC200VからAC100Vに電圧変換する必要がないため、変圧用トランス等の部品が不要となる。
【0022】
第6の発明の系統連系インバータ装置は、上記第1〜第5の発明において、前記系統の停電を検出する停電検出手段を備えていることを特徴としている。この構成によると、次のような作用がある。すなわち、日射強度がある程度以上にある日中時において、系統が停電していなければ、インバータ主回路と系統とを連系してインバータ主回路を運転し、太陽電池等の直流電源から得られた直流電力を交流電力に変換して系統に出力することができ、一方、系統が停電した場合は停電を検知して、インバータ主回路を停止させ、インバータ主回路と系統とを解列するとともに、インバータ主回路に自立運転用負荷を接続して自立運転を行い、太陽電池等の直流電源からの直流電力を交流電力に変換して自立運転用負荷に出力するので、太陽電池等の直流電源の有効利用を図ることができる。
【0023】
第7の発明の系統連系インバータ装置は、上記第1〜第6の発明において、前記連系リレー相当の系統連系解列手段は前記インバータ主回路と前記系統との解列状態において解列確認信号を出力し、連系状態において連系確認信号を出力することを特徴としている。この構成によると、次のような作用がある。すなわち、連系リレー相当の系統連系解列手段はインバータ主回路と系統とを解列すると解列確認信号を制御回路に出力し、制御回路はインバータ主回路と系統とが切り離されていることが確実に分かるので、インバータ主回路は系統との連系状態で自立運転を行う危険性がなく、さらには自立運転用負荷に過電圧がかかることがないので安全性を向上することができる。
【0024】
第8の発明の系統連系インバータ装置は、上記第1〜第7の発明において、前記自立リレー相当の自立負荷接続解列手段は前記インバータ主回路と前記自立運転用負荷との解列状態において解列確認信号を出力し、接続状態において接続確認信号を出力することを特徴としている。この構成によると、次のような作用がある。すなわち、自立リレー相当の自立負荷接続解列手段はインバータ主回路と自立運転用負荷とを解列すると解列確認信号を制御回路に出力し、制御回路はインバータ主回路と自立運転用負荷とが切り離されていることが確実に分かるので、インバータ主回路は自立運転用負荷との接続状態で連系運転を行う危険性がなく、さらには自立運転用負荷に過電圧がかかることがないので安全性を向上することができる。
【0025】
第9の発明の系統連系インバータ装置は、上記第1〜第8の発明において、前記連系自立切替制御手段は前記連系リレー相当の系統連系解列手段が出力する信号を監視し、前記系統連系解列手段からの解列確認信号を検出すると前記連系自立切替スイッチ相当の主回路構成切替手段に連系運転時の主回路構成から自立運転時の主回路構成への切替動作を許容する一方、前記連系リレー相当の系統連系解列手段からの解列確認信号を検出しないときは前記の切替動作を許容せずに引き続き信号を監視することを特徴としている。この構成によると、次のような作用がある。すなわち、連系自立切替制御手段は連系リレー相当の系統連系解列手段が出力する解列確認信号を監視しており、インバータ主回路と系統とが切り離されていることを確認してから連系運転時の主回路構成から自立運転時の主回路構成に切り替えることができるので、系統から大きな電圧がかかっていない状態で連系自立切替スイッチ相当の主回路構成切替手段を切り替えることができ、安全性を向上することができる。また、主回路構成切替手段としては耐圧の小さいタイプを使用することができるので、部品コストの低減を図ることができる。
【0026】
第10の発明の系統連系インバータ装置は、上記第1〜第9発明において、前記連系自立切替制御手段は前記自立リレー相当の自立負荷接続解列手段が出力する信号を監視し、前記自立リレー相当の自立負荷接続解列手段からの解列確認信号を検出すると前記連系自立切替スイッチ相当の主回路構成切替手段に自立運転時の主回路構成から連系運転時の主回路構成への切替動作を許容する一方、前記自立リレー相当の自立負荷接続解列手段からの解列確認信号を検出しないときは前記の切替動作を許容せずに引き続き信号を監視することを特徴としている。この構成によると、次のような作用がある。すなわち、連系自立切替制御手段は自立リレー相当の自立負荷接続解列手段が出力する解列確認信号を監視しており、インバータ主回路と自立運転用負荷とが切り離されていることを確認してから自立運転時の主回路構成から連系運転時の主回路構成に切り替えることができるので、自立運転用負荷との接続状態のままで連系運転を行う危険性がなく、さらには自立運転用負荷に過電圧がかかることがないので安全性を向上することができる。
【0027】
本発明の上記した構成要件については次のように解釈し得るものとする。「系統」については、通常は、商用系統のことであるが、商用に限る必要はないため、このような表現としている。「太陽電池の状態」については、太陽電池において生成される電力または電圧または電流その他の電気量もしくはこれらに関連する物理量一般である。「系統の状態」についても同様である。さらに、請求項の記載における「特徴とする」という字義については、これは説明の便宜上のことであるにすぎず、本発明が対象とする系統連系インバータ装置の実物において、関係する構成が特別に顕著に現れているという意味のみに解釈してはならない。あくまで従来の技術との対比において説明の便宜上用いている文言であることに留意しなければならない。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかわる系統連系インバータ装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0029】
図1は系統連系インバータ装置の回路構成を示す回路図である。系統連系インバータ装置1は、太陽電池2から出力される直流電力を商用電力系統3と同一の位相および同一の周波数(50/60Hz)をもつ交流電力に変換し、商用電力系統3に供給する。また、商用電力系統3の停電等において、自立運転用負荷14に交流電力を供給する。
【0030】
系統連系インバータ装置1は、大きく分けて、太陽電池2の直流電力を交流電力に変換して商用電力系統3に接続するインバータ主回路20と、太陽電池2の状態および商用電力系統3の状態を入力してインバータ主回路20を制御する制御回路30とから構成されている。
【0031】
インバータ主回路20は、太陽電池2を接続する入力端子17a,17bと、入力端子17a,17b間に接続された直流コンデンサ4と、直流コンデンサ4に並列接続された4つのスイッチング素子Q1〜Q4のブリッジ構成からなる高周波インバータブリッジ5と、高周波インバータブリッジ5の出力端子間に接続された連系自立切替スイッチ16と、連系自立切替スイッチ16の両端間に一次巻線が接続された高周波トランス6と、高周波トランス6の二次巻線の両端間に並列接続された4つのダイオードのブリッジ構成からなるダイオードブリッジ7と、ダイオードブリッジ7の出力端子間に接続されたDCリアクトル8aおよびコンデンサ8bからなるフィルタ回路8と、フィルタ回路8におけるコンデンサ8bの両端間に並列接続された4つのスイッチング素子S1〜S4のブリッジ構成からなる低周波インバータブリッジ9と、低周波インバータブリッジ9の出力端子間に接続されたACリアクトル10aとコンデンサ10bからなるACフィルタ10と、ACフィルタ10におけるコンデンサ10bの両端間に接続された連系リレー11と、ACフィルタ10の箇所に介装されたインバータ出力電流検出器12と、連系リレー11に接続された商用電力系統3への出力端子18a,18bと、高周波インバータブリッジ5の出力端子間に接続された自立リレー13と、自立リレー13に接続されたACリアクトル15aとコンデンサ15bからなる自立用フィルタ回路15と、自立用フィルタ回路15におけるコンデンサ15bの両端間に接続された自立運転用負荷14に対する負荷接続端子19a,19bとを備えて構成されている。この回路構成において、高周波インバータブリッジ5の出力端子間と高周波トランス6の一次巻線との間に連系自立切替スイッチ16を介挿してあることと、その連系自立切替スイッチ16と高周波インバータブリッジ5の出力端子との接続点に自立リレー13と自立用フィルタ回路15と負荷接続端子19a,19bからなる自立運転用負荷出力系を接続してあることが、本発明の実施の形態として工夫した点である。
【0032】
直流コンデンサ4は電解コンデンサで構成され、太陽電池2から入力される直流電力の変動を抑制するものである。高周波インバータブリッジ5は、インバータ主回路20に入力された直流電力を高周波交流(数十〜数百kHz)に変換するものである。高周波トランス6は、太陽電池2側(一次側)と商用電力系統3側(二次側)とを絶縁する役割を担うものである。ダイオードブリッジ7は、高周波トランス6の二次側で得られた図3(a)に示すような高周波交流を整流するものであり、そのように整流された電圧は図3(b)に示すようになる。DCリアクトル8aとコンデンサ8bで構成されたフィルタ回路8は、整流波形に含まれる高周波成分の除去および平滑を行うものであり、そのように平滑された全波整流波形状の電圧は図3(c)に示すようになる。低周波インバータブリッジ9は、フィルタ回路8による全波整流波形状の直流を低周波(50/60Hz〜数百Hz)で折返し制御を行い、図3(d)に示すような低周波(50/60Hz)の正弦波交流を生成するものである。ACリアクトル10aとコンデンサ10bで構成されたACフィルタ10は、高調波成分の吸収を行うものである。
【0033】
連系リレー11は、インバータ主回路20を商用電力系統3に対して連系および解列を行うものである。この連系リレー11は、請求項にいう「系統連系解列手段」に相当している。
【0034】
インバータ出力電流検出器12は、低周波インバータブリッジ9の後段においてインバータ出力電流信号Iout を検出して制御回路30におけるPWM変調制御部43に出力するようになっている。
【0035】
連系自立切替スイッチ16は、連系運転時において閉成されることによりインバータ主回路20の主回路構成を高周波トランス絶縁方式とし、また、自立運転時において開成されることによりインバータ主回路20の主回路構成をトランスレス方式とするといった具合に、インバータ主回路20の主回路構成を切り替えるためのものである。この連系自立切替スイッチ16は、請求項にいう「主回路構成切替手段」に相当している。自立リレー13は、自立運転用負荷14との接続および解列を行うものである。この自立リレー13は、請求項にいう「自立負荷接続解列手段」に相当している。
【0036】
制御回路30は、高周波インバータブリッジ5と低周波インバータブリッジ9と連系リレー11と自立リレー13と連系自立切替スイッチ16とを制御するものであり、この制御回路30は、高周波インバータブリッジ制御部31と低周波インバータブリッジ制御部32と連系自立制御部33とから構成されている。
【0037】
高周波インバータブリッジ制御部31は、最大電力点追従制御部41と制御量演算部42とPWM変調制御部43とゲートドライブ信号生成部44とを備えている。
【0038】
最大電力点追従制御部41は、連系運転時において直流コンデンサ4の両端から検出された直流入力電圧Vinから求めた太陽電池動作点電圧の変化率を監視して、その監視結果を制御量演算部42に出力ようになっている。制御量演算部42は、連系運転時においては、インバータ出力電流検出器12からのインバータ出力電流信号Iout に対する比較基準となる電流基準信号Iref を生成し、自立運転時においては、高周波インバータブリッジ5の出力端子からのインバータ出力電圧信号Vout に対する比較基準となる電圧基準信号Vref を生成し、それぞれをPWM変調制御部43に出力するように構成されている。PWM変調制御部43は、連系運転時においては、インバータ出力電流信号Iout と電流基準信号Iref との誤差を所定周期単位で波形積分し、得られた積分波形データに対してPWM変調制御を行ってパルス列信号PLを生成し、それをゲートドライブ信号生成部44に出力するように構成されている。また、このPWM変調制御部43は、自立運転時においては、インバータ出力電圧信号Vout と電圧基準信号Vref との誤差を増幅して得られる誤差増幅信号を生成するが、この誤差増幅信号は商用電力系統3の電圧波形と同一周波数(50/60Hz)の図4(a)に示すような正弦波信号となっており、そのような誤差増幅信号に同期した高周波のキャリア信号(数十kHz)と誤差増幅信号との比較によるPWM変調制御を行って図4(b)に示すようなパルス列信号PLを生成し、それをゲートドライブ信号生成部44に出力するように構成されている。ゲートドライブ信号生成部44は、PWM変調制御部43が生成したパルス列信号PLに基づいて高周波インバータブリッジ5の4つのスイッチング素子Q1〜Q4をオン/オフ制御するものである。
【0039】
低周波インバータブリッジ制御部32は、折返し制御部45とゲートドライブ信号生成部46とから構成されている。折返し制御部45は、連系運転時に連系リレー11の後段から検出された商用電力系統電圧信号VEUL に基づいて図3(c)に示すような全波整流波形状の直流を低周波(50/60Hz〜数百Hz)で折返し制御を行うものである。ゲートドライブ信号生成部46は、折返し制御部45による制御に基づいて低周波インバータブリッジ9の4つのスイッチング素子S1〜S4をオン/オフ制御するものである。
【0040】
連系自立制御部33は、停電検出部47と連系自立切替制御部48と自立用同期信号発生部49とから構成されている。停電検出部47は、連系リレー11の後段から検出された商用電力系統電圧信号VEUL を監視して停電を検出するものである。この停電検出部47は、請求項にいう「停電検出手段」に相当している。連系自立切替制御部48は、停電検出部47からの停電検出信号BO1 または停電解除検出信号BO2 をもとに、連系リレー11の連系/解列の制御や自立リレー13の接続/解列の制御を行い、また、連系自立切替スイッチ16の制御、ならびに2つのゲートドライブ信号生成部44,46の制御を行うように構成されている。この連系自立切替制御部48は、請求項にいう「連系自立切替制御手段」に相当している。
【0041】
自立用同期信号発生部49は、自立運転時には商用電力系統3が停電していることから、PWM変調制御部43においてインバータ出力電圧信号Vout と電圧基準信号Vref とを比較するときのタイミング基準とするための同期信号VSCRを生成するものである。
【0042】
次に、上記のように構成された実施の形態の系統連系インバータ装置1の動作を、図2のシーケンス処理を示すフローチャートに従って説明する。
【0043】
インバータ主回路20と商用電力系統3とを連系してインバータ主回路20を運転する連系運転時においては、まず、連系リレー11も自立リレー13もともにオフにされている初期状態において(T1)、インバータ主回路20の主回路構成を連系運転時の高周波トランス絶縁方式とするために、連系自立制御部33における連系自立切替制御部48は連系自立切替スイッチ16に対して閉成指令信号CS1 を出力する(T2)。そして、連系自立切替スイッチ16は閉成指令信号CS1 を受け取ると、スイッチを閉成して、主回路構成を高周波トランス絶縁方式とする(T3)。主回路構成が切り替えられると、連系自立切替スイッチ16は閉成確認信号CK1 を連系自立切替制御部48に出力する。連系自立切替制御部48は閉成確認信号CK1 を受け取ったことを検出し、主回路構成が高周波トランス絶縁方式であることを確認すると(T4)、連系リレー11に対して閉成を指示する連系指令信号GR1 を出力する(T5)。そして、連系リレー11は連系指令信号GR1 を受け取ると、閉成を行ってインバータ主回路20と商用電力系統3とを連系する(T6)。連系が行われると、連系リレー11は連系確認信号GK1 を連系自立切替制御部48に出力する。連系自立切替制御部48は連系確認信号GK1 を受け取ったことを検出し、インバータ主回路20と商用電力系統3とが連系したことを確認したうえで(T7)、インバータ主回路20を運転して交流電力を商用電力系統3に供給する(T8)。
【0044】
このときの運転モードは連系運転モードである。すなわち、連系自立切替制御部48は、高周波インバータブリッジ制御部31におけるゲートドライブ信号生成部44と低周波インバータブリッジ制御部32におけるゲートドライブ信号生成部46とにそれぞれ連系運転指令信号SS1 を出力し、それぞれのゲートドライブ信号生成部44,46による高周波インバータブリッジ5と低周波インバータブリッジ9とのスイッチング制御に基づいて、太陽電池2から入力した直流電力を交流電力に変換して、商用電力系統3に供給する。このとき、高周波トランス6による高周波トランス絶縁方式が機能するので、太陽電池2の商用電力系統3への地絡事故は防止される。
【0045】
連系運転時におけるインバータ主回路20のスイッチング制御は、基本的には、インバータ出力電流検出器12で検出してフィードバックされたインバータ出力電流信号Iout と制御量演算部42で決定された電流基準信号Iref との間の誤差がなくなるように、高周波インバータブリッジ5のスイッチング素子Q1〜Q4をオン/オフ制御するものである。その結果、高周波トランス6の一次側が高周波交流で励磁され、図3(a)に示すように、高周波トランス6の二次側に一次側と同様の高周波交流が出力される。そして、高周波交流は高周波トランス6の二次側に設けられたダイオードブリッジ7によって整流され、図3(b)に示すような電圧波形となる。ダイオードブリッジ7で整流された整流成分はフィルタ回路8により高周波成分の除去と平滑とが行われ、図3(c)に示すような全波整流された電圧波形となる。このフィルタ回路8によって全波整流された電圧波形は、低周波インバータブリッジ9によって低周波(50/60Hz〜数百Hz)で折返し制御されることにより、図3(d)に示すように低周波(50/60Hz)の正弦波交流の電圧波形となる。これは、AC200Vとなっている。そして、ACフィルタ10で高調波成分の吸収を行った後に、連系リレー11を介して商用電力系統3に交流電力が供給される。
【0046】
このようにインバータ出力電流信号Iout と電流基準信号Iref との波形間の誤差がなくなるように高周波インバータブリッジ5を制御しているので、商用電力系統3に対してインバータ出力電流波形に歪みの少ない高品質な電力を供給することができる。
【0047】
この連系運転時においては、連系リレー11の後段から得られた商用電力系統3における商用電力系統電圧信号VEUL に基づいて低周波インバータブリッジ9における折返し制御が行われるため、低周波インバータブリッジ9における出力電圧波形と出力電流波形の位相が互いに一致した力率1制御となっており、無効電力は発生することがない。
【0048】
なお、高周波インバータブリッジ5のスイッチング素子Q1〜Q4および低周波インバータブリッジ9のスイッチング素子S1〜S4としては、例えばIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)などを用いることができる。
【0049】
次に、このインバータ主回路20の自立運転時の動作について説明する。
【0050】
連系運転時において、連系自立制御部33における停電検出部47は連系リレー11の後段から検出された商用電力系統電圧信号VEUL に基づいて商用電力系統3の電圧および周波数を監視し、停電が発生するか否かをチェックしている(T9)。そして、商用電力系統3が事故や災害等で停電した場合には、監視している系統電圧/系統周波数の変化により停電検出部47は停電を検出し、連系自立切替制御部48に対して停電検出信号BO1 を出力する。停電検出信号BO1を入力した連系自立切替制御部48は、低周波インバータブリッジ制御部32におけるゲートドライブ信号生成部46と高周波インバータブリッジ制御部31におけるゲートドライブ信号生成部44に対して連系運転停止信号SS2 を出力し、低周波インバータブリッジ9の4つのスイッチング素子S1〜S4をオフ制御するとともに、高周波インバータブリッジ5の4つのスイッチング素子Q1〜Q4をオフ制御し、インバータ主回路20の運転を停止させる(T10)。次いで、連系自立切替制御部48は連系リレー11に対して解列を指示する解列指令信号GR2 を出力する(T11)。連系リレー11は解列指令信号GR2 を受け取ると、インバータ主回路20と商用電力系統3とを解列して切り離しを行う(T12)。解列を行うと、連系リレー11は解列確認信号GK2 を連系自立切替制御部48に出力する。連系自立切替制御部48は解列確認信号GK2 を受け取ったことを検出し、商用電力系統3からインバータ主回路20を切り離したことを確認したうえで(T13)、インバータ主回路20の主回路構成を連系運転時の高周波トランス絶縁方式から自立運転時のトランスレス方式に切り替えるために、連系自立切替スイッチ16に対して開成指令信号CS2 を出力する(U2)。そして、連系自立切替スイッチ16は開成指令信号CS2 を受け取ると、スイッチを開成して、主回路構成を高周波トランス6を介さないトランスレス方式に切り替える(U3)。主回路構成がトランスレス方式に切り替えられると、連系自立切替スイッチ16は開成確認信号CK2 を連系自立切替制御部48に出力する。連系自立切替制御部48は開成確認信号CK2 を受け取ったことを検出し、主回路構成がトランスレス方式であることを確認して(U4)、自立リレー13に対して閉成を指示する接続指令信号IR1 を出力する(U5)。そして、自立リレー13は接続指令信号IR1 を受け取ると、閉成を行ってインバータ主回路20と自立運転用負荷14とを接続する(U6)。接続が行われると、自立リレー13は接続確認信号IK1 を連系自立切替制御部48に出力する。連系自立切替制御部48は接続確認信号IK1 を受け取ったことを検出し、インバータ主回路20と自立運転用負荷14とが接続したことを確認したうえで(U7)、インバータ主回路20を運転して交流電力を自立運転用負荷14に供給する(U8)。
【0051】
このときの運転モードは自立運転モードである。連系自立切替制御部48は、高周波インバータブリッジ制御部31におけるゲートドライブ信号生成部44に自立運転指令信号SS3 を出力し、ゲートドライブ信号生成部44による高周波インバータブリッジ5のスイッチング制御に基づいて、太陽電池2から入力した直流電力を交流電力に変換して、自立運転用負荷14に供給する。
【0052】
自立運転時におけるインバータ主回路20のスイッチング制御は、基本的には、高周波インバータブリッジ5の後段から検出されたインバータ出力電圧信号Vout と制御量演算部42で決定された電圧基準信号Vref との間の誤差がなくなるように、高周波インバータブリッジ5のスイッチング素子Q1〜Q4をオン/オフ制御するものである。このようにインバータ出力電圧信号Vout と電圧基準信号Vref との波形間の誤差がなくなるように高周波インバータブリッジ5を制御しているので、自立運転用負荷14に対してインバータ出力電圧波形に歪みの少ない高品質な電力を供給することができる。
【0053】
この自立運転時の高周波インバータブリッジ5の動作を説明する。インバータ主回路20においては主回路構成が高周波トランス6を介さないトランスレス方式となっているため、高周波インバータブリッジ5では50/60Hzの商用周波数交流を出力する商用周波PWM変調制御を行う。すなわち、自立運転用負荷14が要求する電力に見合った太陽電池出力が得られるようにインバータ主回路20の新たな制御量を制御量演算部42で決定し、電圧基準信号Vref を生成し、PWM変調制御部43において、高周波インバータブリッジ5の後段から検出されたインバータ出力電圧信号Vout と電圧基準信号Vref との誤差を増幅して得られる誤差増幅信号を生成する。この誤差増幅信号は商用電力系統3の電圧波形と同一周波数(50/60Hz)の正弦波信号となる。この正弦波信号の波形を図4(a)に示す。そして、誤差増幅信号に同期した高周波のキャリア信号(数十kHz)と誤差増幅信号との比較によるPWM変調制御を行ってパルス列信号PLを生成し、ゲートドライブ信号生成部44に出力する。そのようなパルス列信号PLの波形を図4(b)に示す。それぞれ高周波インバータブリッジ5における4つのスイッチング素子Q1〜Q4のそれぞれに対応したものである。出力するタイミングについては、商用電力系統3が停電しているため、自立用同期信号発生部49が出力する同期信号VSCR を基準とする。ゲートドライブ信号生成部44では、入力されたパルス列信号PLに基づいて高周波インバータブリッジ5の各スイッチング素子Q1〜Q4をオン/オフ制御する。この結果、高周波インバータブリッジ5からは図4(c)に示すようなパルス列状の出力電圧Eiが出力される。そして、自立用フィルタ回路15により高周波成分の除去と平滑が行われ、図4(c)に示す50/60Hzの交流電圧VACが自立運転用負荷14に供給される。これは、AC100Vとなっている。
【0054】
この自立運転モードにおいては、連系自立切替スイッチ16の開成によって、インバータ主回路20の主回路構成がトランスレス方式となっており、力率1制御に制限される低周波インバータブリッジ9での折返し制御は無関係となるため、インバータ主回路20は無効電力制御を行うことができる。すなわち、高周波インバータブリッジ5の図4(c)に示す高周波交流を自立用フィルタ回路15で平滑したインバータ主回路20の図4(d)に示す出力電圧波形の位相を図示しない出力電流波形の位相とずらして無効電力を発生させる無効電力制御が可能となる。このように、無効電力制御を行うと、インバータ主回路20からの自立運転用負荷14への出力電圧波形には歪みを生じることがなく、接続している自立運転用負荷14、特にモータ負荷などの誘導性負荷に対して過熱、過電流、異常音、誤動作等の障害を招く危険性がない。なお、自立運転モードでは、低周波インバータブリッジ制御部32は停止されており、したがって、低周波インバータブリッジ9も停止している。
【0055】
以上のステップT9〜T13およびステップU2〜U8に示すように、停電の初期において、連系リレー11は解列を行うと解列確認信号GK2 を出力するようになっており、連系自立切替制御部48はその解列確認信号GK2 を受けるまでは自立リレー13の閉成を行わず、解列確認信号GK2 を受けることでインバータ主回路20が商用電力系統3から切り離されていることを確認してから自立リレー13の閉成を行い、次いで高周波インバータブリッジ5を運転させて自立運転用負荷14に交流電力を供給するように構成してあるので、インバータ主回路20が商用電力系統3との連系状態のまま自立運転を行う危険性がなく、自立運転用負荷14に過電圧がかかることもなくて、安全性を向上することができる。
【0056】
さらには、連系自立切替スイッチ16は開成を行うと開成確認信号CK2 を出力するようになっており、連系自立切替制御部48はその開成確認信号CK2 を受けるまでは自立リレー13の閉成を行わず、開成確認信号CK2 を受けることで連系自立切替スイッチ16が開成されていることを確認してから自立リレー13の閉成を行い、次いで高周波インバータブリッジ5を運転させて自立運転用負荷14に交流電力を供給するように構成してあるので、安全性が一層確保されている。
【0057】
また、日射強度がある程度以上にある日中時において商用電力系統3で停電が発生した場合には、上記のような自立運転により太陽電池2が発電した電力を有効に利用することができる。
【0058】
自立運転用負荷14に対する出力の無効電力制御を行うに当たっては別の構成が考えられる。すなわち、自立運転用負荷14につながるべき自立用フィルタ回路15、自立リレー13、インバータブリッジ、直流コンデンサのうちインバータブリッジと直流コンデンサとを図示のものとは別に備えて、2つの直流コンデンサを太陽電池2に対して連系自立切替スイッチ16に相当する連系自立切替スイッチで切り替えるように構成することが考えられる。しかし、この場合は、直流コンデンサとインバータブリッジとの組がもう一組必要となり、コストアップを招来する。このような考え方に対して、本実施の形態においては、高周波トランス6の一次側に連系自立切替スイッチ16を介挿したので、自立運転制御専用の直流コンデンサおよびインバータブリッジを設ける必要性がなくなり、図示の直流コンデンサ4と高周波インバータブリッジ5を共有することができて、部品コストを低減することができる。
【0059】
以上のような自立運転モードにおいても、連系自立制御部33における停電検出部47は、連系リレー11の後段の商用電力系統電圧信号VEUL に基づいて商用電力系統3の停電が解除されるに至ったかどうかを常に監視している(U9)。停電が解除されるに至ったとき、停電検出部47は連系自立切替制御部48に対して停電解除検出信号BO2 を出力する。停電解除検出信号BO2 を入力した連系自立切替制御部48は、高周波インバータブリッジ制御部31におけるゲートドライブ信号生成部44に対して自立運転停止信号SS4 を出力し、高周波インバータブリッジ5の4つのスイッチング素子Q1〜Q4をオフ制御し、インバータ主回路20の運転を停止させる(U10)。次いで、連系自立切替制御部48は自立リレー13に対して解列を指示する解列指令信号IR2 を出力する(U11)。自立リレー13は解列指令信号IR2 を受け取ると、インバータ主回路20と自立運転用負荷14とを解列して切り離しを行う(U12)。解列を行うと、自立リレー13は解列確認信号IK2 を連系自立切替制御部48に出力する。連系自立切替制御部48は解列確認信号IK2 を受け取ったことを検出し、インバータ主回路20から自立運転用負荷14を切り離したことを確認したうえで(U13)、インバータ主回路20の主回路構成を自立運転時のトランスレス方式から連系運転時の高周波トランス絶縁方式に切り替えるために、連系自立切替スイッチ16に対して閉成指令信号CS1 を出力する(T2)。そして、連系自立切替スイッチ16は閉成指令信号CS1 を受け取ると、スイッチを閉じて、主回路構成を高周波トランス6を介する高周波トランス絶縁方式に切り替える(T3)。主回路構成が高周波トランス絶縁方式に切り替えられると、連系自立切替スイッチ16は閉成確認信号CK1 を連系自立切替制御部48に出力する。連系自立切替制御部48は閉成確認信号CK1 を受け取ったことを検出し、主回路構成が高周波トランス絶縁方式であることを確認して(T4)、連系リレー11に対して連系を指示する連系指令信号GR1 を出力する(T5)。そして、連系リレー11は連系指令信号GR1 を受け取ると、閉成を行ってインバータ主回路20と商用電力系統3とを連系する(T6)。連系が行われると、連系リレー11は連系確認信号GK1 を連系自立切替制御部48に出力する。連系自立切替制御部48は連系確認信号GK1 を受け取ったことを検出し、インバータ主回路20と商用電力系統3とが連系したことを確認したうえで(T7)、インバータ主回路20を運転して交流電力を商用電力系統3に供給する(T8)。このときの運転モードは連系運転モードであり、再び、高周波インバータブリッジ5とともに低周波インバータブリッジ9が駆動されることになる。
【0060】
以上のステップU9〜U13およびステップT2〜T8に示すように、停電解除の初期において、自立リレー13は解列を行うと解列確認信号IK2 を出力するようになっており、連系自立切替制御部48はその解列確認信号IK2 を受けるまでは連系リレー11の閉成を行わず、解列確認信号IK2 を受けることでインバータ主回路20が自立運転用負荷14から切り離されていることを確認してから連系リレー11の閉成を行い、次いで高周波インバータブリッジ5および低周波インバータブリッジ9を運転させて商用電力系統3に交流電力を供給するように構成してあるので、インバータ主回路20が自立運転用負荷14との連系状態のまま自立運転を行う危険性がなく、自立運転用負荷14に過電圧がかかることもなくて、安全性を向上することができる。
【0061】
さらには、連系自立切替スイッチ16は閉成を行うと閉成確認信号CK1 を出力するようになっており、連系自立切替制御部48はその閉成確認信号CK1 を受けるまでは連系リレー11の閉成を行わず、閉成確認信号CK1 を受けることで連系自立切替スイッチ16が閉成されていることを確認してから連系リレー11の閉成を行い、次いで高周波インバータブリッジ5および低周波インバータブリッジ9を運転させて自立運転用負荷14に交流電力を供給するように構成してあるので、安全性が一層確保されている。
【0062】
次に、自立運転用負荷14に供給される商用周波交流がAC100Vになる制御について説明する。まず、太陽電池出力電圧と交流電圧との関係について述べる。前述したように、自立運転時では高周波インバータブリッジ5からは図4(c)に示すパルス列状の出力電圧Eiが出力されている。この出力電圧Eiの高さVEiは直流コンデンサ4の両端から検出される太陽電池出力電圧により決定される。また、図4(d)に示す自立用フィルタ回路15により高周波成分の除去および平滑が行われたあとの交流電圧VACの振幅VACはパルス列状の出力電圧Eiの半周期分のオン信号の総面積で決定される。これらのことから、自立運転用負荷14に出力する交流電圧VACがAC100V一定になるためには、AC100V出力時のパルス列状の出力電圧Eiの半周期分のオン信号の総面積(その値をSaとする)をあらかじめ計算によって求めてPWM変調制御部43に用意しておき、実際にPWM変調制御を行う際にパルス列状の出力電圧Eiの半周期分のオン信号の総面積が所定の値のSaになるように調整すればよい。ここで、パルス列状の出力電圧Eiの高さVEi(太陽電池出力電圧)が一定であれば、パルス列状の出力電圧Eiの半周期分のオン信号の総面積はパルス幅によって変化するので、パルス幅を調整するだけでよい。一方、太陽電池出力電圧(VEi)が一定ではなく変動する場合には、上述したようにパルス列状の出力電圧Eiの半周期分のオン信号の総面積が所定の値のSaになるように調整することになる。このようにして、自立運転用負荷14に供給する電力をAC100Vとすることにより、その自立運転用負荷14としてはAC100Vを電源とする家庭用電気負荷をそのまま使用することができる。また、インバータ制御においてAC100V出力とするので、インバータ主回路内でAC200VからAC100Vに電圧変換するための変圧用トランスを特別に装備する必要はなく、部品コストを削減することができる。
【0063】
なお、高周波トランス6の変圧比を例えば1:2とすると、連系運転時にAC200V一定の交流を商用電力系統3に供給するためには、太陽電池2の出力電圧が約140V以上であればよい。自立運転時には主回路構成上、高周波トランス6は含まれないが、自立運転用負荷14に供給する交流はAC100V一定でよいので、太陽電池2の出力電圧も140V以上であればよいことになる。
【0064】
以上の処理を行うことにより、商用電力系統3が事故等で停電し、商用電力系統3からインバータ主回路20を切り離した状態で、インバータ主回路20の主回路構成を高周波トランス絶縁方式からトランスレス方式に切り替えて、自立運転制御を行うことにより、そしてその際に無効電力制御が可能であるので、太陽電池2からの直流電力を波形歪みのないAC100V一定の交流電力に変換して、自立運転用負荷14に供給することができる。
【0065】
以上、一つの実施の形態について詳細に説明してきたが、本発明は次のように構成したものも含み得るものとする。
【0066】
(1)上記の実施の形態では、系統連系インバータ装置1の入力端子17a,17bに接続する直流電源として太陽電池2のみを示したが、必ずしもそのようにする必要性はなく、直流電源としては蓄電池を使用してもかまわないし、また、太陽電池と蓄電池との組み合わせとしてもかまわないものとする。
【0067】
(2)上記の実施の形態では、最大電力点追従制御部41、制御量演算部42、PWM変調制御部43、折返し制御部45、停電検出部47、連系自立切替制御部48、自立用同期信号発生部49をブロック図で示しているが、これらのそれぞれは、ハードウェアで構成してもよいし、あるいはソフトウェアで構成してもよい。
【0068】
(3)上記の実施の形態では、制御回路30内の連系自立切替制御部48で連系自立切替スイッチ16の切り替え動作を自動で行っているが、連系自立切替スイッチ16の切り替え動作を手動で行うようにしてもよい。
【0069】
(4)その他本発明の要旨と直接に関係しない任意の事項については、公知の任意のものが適用可能であり、また、公知以外のものであっても、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適用可能であることはいうまでもない。
【0070】
上記の(1)〜(4)は互いに独立した事項であり、これらのうち任意の事項を任意数適当に組み合わせてもよきものとする。
【0071】
最後に、本件にかかわる明細書の記述についての留意事項を述べる。本件にかかわる明細書(特に発明の詳細な説明および特許請求の範囲)または図面においては、記載してある任意の事項(任意の要素または任意の要素の結合関係・組み合わせ関係を含む)について、その省略の可能性を留保する。さらに、特許請求の範囲に記載していないが発明の詳細な説明または図面に記載してある任意の事項について特許請求の範囲への追加の可能性ならびにその追加に伴う説明の変更の可能性を留保する。
【0072】
【発明の効果】
系統連系インバータ装置についての第1の発明によれば、停電になって連系運転制御から自立運転制御に切り替わる際に、何らかの原因で連系リレーに相当する系統連系解列手段が解列していない状態で不測に自立運転を行っても、主回路構成上、系統連系解列手段の状態のいかんにかかわらず系統から自立運転用負荷への影響がないので、自立運転用負荷に過電圧はかからず安全性を向上することができる。また、停電が解除されて自立運転制御から連系運転制御に切り替わる際に、何らかの原因で自立リレーに相当する自立負荷接続解列手段が解列していない状態で不測に系統と連系して運転を行っても、主回路構成上、系統と自立運転用負荷との間では、自立負荷接続解列手段の状態のいかんにかかわらず系統から自立運転用負荷への影響がないので、自立運転用負荷に過電圧はかからず安全性を向上することができる。
【0073】
第2の発明によれば、上記第1の発明と同様の作用・効果が奏せられる。
【0074】
第3の発明によれば、インバータ主回路の自立運転時においては主回路構成は高周波トランスを介さないトランスレス方式であって、力率1制御に制限される低周波インバータブリッジでの折返し制御は無関係となるため、インバータ主回路は無効電力制御を行うことができ、インバータ主回路の出力電圧波形には歪みを生じることがないため、接続している自立運転用負荷、特にモータ負荷などの誘導性負荷に対して過熱、過電流、異常音、誤動作等の障害を招く危険性を回避することができる。
【0075】
第4の発明によれば、連系運転時には、インバータ出力電流信号と電流基準信号との波形間の誤差がなくなるようにインバータ主回路を制御するので、系統に対してインバータ出力電流波形に歪みの少ない高品質な電力を供給することができる。一方、自立運転時には、インバータ出力電圧信号と電圧基準信号との波形間の誤差がなくなりかつ出力電圧が一定となるようにインバータ主回路を制御するので、自立運転用負荷に対して出力電圧が一定でインバータ出力電圧波形に歪みの少ない高品質な電力を供給することができる。
【0076】
第5の発明によれば、系統が事故または災害などで停電した場合にインバータ主回路を運転する自立運転時においては、系統にインバータ主回路の出力を供給する必要がないのでAC200Vでなくてもよく、AC100Vとすることにより、自立運転用負荷としてはAC100Vを電源とする家庭用電気負荷を使用することができ、さらにはインバータ制御においてAC100V出力とするので、インバータ主回路内でAC200VからAC100Vに電圧変換する必要がないため、変圧用トランス等の部品が不要となり、コストダウンを図ることができる。
【0077】
第6の発明によれば、日射強度がある程度以上にある日中時において系統が停電した場合は停電を検知して、インバータ主回路を停止させ、インバータ主回路と系統とを解列するとともに、インバータ主回路に自立運転用負荷を接続して自立運転を行い、太陽電池等の直流電源からの直流電力を交流電力に変換して自立運転用負荷に出力するので、太陽電池等の直流電源の有効利用を図ることができる。
【0078】
第7の発明によれば、インバータ主回路は系統との連系状態で自立運転を行う危険性がなく、自立運転用負荷に過電圧がかかることがないので安全性を向上することができる。
【0079】
第8の発明によれば、インバータ主回路は自立運転用負荷との接続状態で連系運転を行う危険性がなく、自立運転用負荷に過電圧がかかることがないので安全性を向上することができる。
【0080】
第9の発明によれば、系統から大きな電圧がかかっていない状態で連系自立切替スイッチ相当の主回路構成切替手段を切り替えることができ、安全性を向上することができる。また、主回路構成切替手段としては耐圧の小さいタイプを使用することができるので、部品コストの低減を図ることができる。
【0081】
第10の発明によれば、インバータ主回路と自立運転用負荷とが切り離されていることを確認してから自立運転時の主回路構成から連系運転時の主回路構成に切り替えることができるので、自立運転用負荷との接続状態のままで連系運転を行う危険性がなく、自立運転用負荷に過電圧がかかることがないので安全性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の系統連系インバータ装置の回路構成を示すブロック回路図
【図2】実施の形態の系統連系インバータ装置の連系運転制御と自立運転制御とを切り替えるシーケンスを示すフローチャート
【図3】実施の形態の系統連系インバータ装置における連系運転時のインバータ主回路の主要部における波形図
【図4】実施の形態の系統連系インバータ装置における自立運転時のインバータ主回路の主要部における波形図
【図5】従来の技術の系統連系インバータ装置の回路構成を示すブロック回路図
【符号の説明】
1…系統連系インバータ装置、2…太陽電池、3…商用電力系統、4…直流コンデンサ、5…高周波インバータブリッジ、6…高周波トランス、7…ダイオードブリッジ、8…フィルタ回路、9…低周波インバータブリッジ、10…ACフィルタ、11…連系リレー、12…インバータ出力電流検出器、13…自立リレー、14…自立運転用負荷、15…自立用フィルタ回路、16…連系自立切替スイッチ、17a,17b…入力端子、18a,18b…出力端子、19a,19b…負荷接続端子、20…インバータ主回路、30…制御回路、31…高周波インバータブリッジ制御部、32…低周波インバータブリッジ制御部、33…連系自立制御部、41…最大電力点追従制御部、42…制御量演算部、43…PWM変調制御部、44…ゲートドライブ信号生成部、45…折返し制御部、46…ゲートドライブ信号生成部、47…停電検出部、48…連系自立切替制御部、49…自立用同期信号発生部、Q1〜Q4…スイッチング素子、S1〜S4…スイッチング素子、VEUL …商用電力系統電圧信号、Iout …インバータ出力電流信号、Vout …インバータ出力電圧信号、Iref …電流基準信号、Vref …電圧基準信号、VSCR …同期信号、PL…パルス列信号、Ei…パルス列状の出力電圧、BO1 …停電検出信号、BO2 …停電解除検出信号、CS1 …閉成指令信号、CK1 …閉成確認信号、CS2 …開成指令信号、CK2 …開成確認信号、GR1 …連系指令信号、GK1 …連系確認信号、GR2 …解列指令信号、GK2 …解列確認信号、IR1 …接続指令信号、IK1 …接続確認信号、IR2 …解列指令信号、IK2 …解列確認信号、SS1 …連系運転指令信号、SS2 …連系運転停止信号、SS3 …自立運転指令信号、SS4 …自立運転停止信号
Claims (10)
- 太陽電池等の直流電源の直流電力を交流電力に変換して系統に接続するインバータ主回路と、
前記直流電源の状態および前記系統の状態を入力して前記インバータ主回路を制御する制御回路と、
を備えた系統連系インバータ装置であって、
前記インバータ主回路が前記直流電源側と前記系統側とを絶縁する高周波トランスと、
前記高周波トランスの2次側と前記系統とを連系および解列する系統連系解列手段と、
前記高周波トランスの1次側と自立運転用負荷とを接続および解列する自立負荷接続解列手段と、
前記インバータ主回路が前記系統に連系して運転される連系運転時の主回路構成と、前記系統から解列されて自立運転用負荷と接続して運転される自立運転時の主回路構成とを切り替える主回路構成切替手段と、
前記主回路構成切替手段が前記高周波トランスの1次側と直流電源側と自立負荷接続解列手段とに接続し、
前記制御回路が系統連系解列手段と主回路構成切替手段と自立負荷接続解列手段の開閉を制御する
ことを特徴とする系統連系インバータ装置。 - 請求項1に記載の系統連系インバータ装置であって、
連系運転時は、直流電源側と前記系統側とを接続するよう主回路構成切替手段と系統連系解列手段とを閉成し、かつ自立負荷接続解列手段を解列し、
自立運転時は直流電源側と前記系統側とを解列するよう主回路構成切替手段と系統連系解列手段とを開成し、かつ自立負荷接続解列手段を接続する、
ことを特徴とする系統連系インバータ装置。 - 請求項1または請求項2に記載の系統連系インバータ装置であって、前記連系運転時の主回路構成を高周波トランス絶縁方式とし、前記自立運転時の主回路構成をトランスレス方式とすることを特徴とする系統連系インバータ装置。
- 請求項1から請求項3までのいずれかに記載の系統連系インバータ装置であって、
前記連系運転時の主回路構成である高周波トランス絶縁方式ではインバータ出力電流信号と電流基準信号との波形間の誤差がなくなるように前記インバータ主回路を制御し、
前記自立運転時の主回路構成であるトランスレス方式ではインバータ出力電圧信号と電圧基準信号との波形間の誤差がなくなりかつ出力電圧が一定となるように前記インバータ主回路を制御する
ことを特徴とする系統連系インバータ装置。 - 請求項1から請求項4までのいずれかに記載の系統連系インバータ装置であって、
前記高周波トランス絶縁方式の主回路構成での出力をAC200Vとし、
前記トランスレス方式の主回路構成での出力をAC100Vとしてあることを特徴とする系統連系インバータ装置。 - 請求項1から請求項5までのいずれかに記載の系統連系インバータ装置であって、
前記系統の停電を検出する停電検出手段を備えていることを特徴とする系統連系インバータ装置。 - 請求項1から請求項6までのいずれかに記載の系統連系インバータ装置であって、
前記系統連系解列手段は前記インバータ主回路と前記系統との解列状態において解列確認信号を出力し、連系状態において連系確認信号を出力することを特徴とする系統連系インバータ装置。 - 請求項1から請求項7までのいずれかに記載の系統連系インバータ装置であって、
前記自立負荷接続解列手段は前記インバータ主回路と前記自立運転用負荷との解列状態において解列確認信号を出力し、
接続状態において接続確認信号を出力することを特徴とする系統連系インバータ装置。 - 請求項1から請求項8までのいずれかに記載の系統連系インバータ装置であって、
前記連系自立切替制御手段は前記系統連系解列手段が出力する信号を監視し、
前記系統連系解列手段からの解列確認信号を検出すると前記主回路構成切替手段に連系運転時の主回路構成から自立運転時の主回路構成への切替動作を許容する一方、
前記系統連系解列手段からの解列確認信号を検出しないときは前記の切替動作を許容せずに引き続き信号を監視することを特徴とする系統連系インバータ装置。 - 請求項1から請求項9までのいずれかに記載の系統連系インバータ装置であって、
前記連系自立切替制御手段は前記自立負荷接続解列手段が出力する信号を監視し、前記自立負荷接続解列手段からの解列確認信号を検出すると前記主回路構成切替手段に自立運転時の主回路構成から連系運転時の主回路構成への切替動作を許容する一方、
前記自立負荷接続解列手段からの解列確認信号を検出しないときは前記の切替動作を許容せずに引き続き信号を監視することを特徴とする系統連系インバータ装置。
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