JP3593184B2 - 感圧センサー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧力によってゴム弾性体からなる誘電体層が弾性変形され、静電容量が変化することを測定に利用した感圧センサーに関するものであって、より詳しくは、構造を複雑にすることなく、高精度に重量や圧力を測定可能な感圧センサーに関する。
【0002】
【従来技術】
従来、圧力を検出するための感圧センサーとしては、ロードセルを使用したものが知られている。このロードセルを用いる方式としては、ひずみゲージを弾性体に張り付けて感圧センサーを構成し、弾性体に圧力が掛かる事によりひずみゲージの電気抵抗が変化することを利用する方式、あるいは、ひずみゲージに使用されているものと同様の細い金属線を弾性体に直接巻き付けて感圧センサーを構成し、弾性体に圧力がかかる事により金属線の電気抵抗が変化することを利用した、いわゆる、Uゲージと称する方式のどちらかが一般的である。
【0003】
また、ゴム弾性体の誘電率を利用して複雑な構造を採用することにより、加圧減圧時に発生する、ゴム弾性体が本来有するヒステリシスを軽減させた静電容量式で、感圧センサーとしても使用可能なゴムマット方式のものも実用化されている(特公昭50−19057号公報参照)。
【0004】
さらに、ゴム本来固有のヒステリシスを金属バネ等の完全弾性体で補い、誘電率の高いゴムを採用することにより感度を高めると共に同時に金属バネ等の完全弾性体の復元力を利用して再現性を良くした感圧装置も提案されている(実公平5−35303号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、感圧センサーとして、ロードセルを使用する方法では、上記いずれの方式を用いても構造が複雑になり、使用される弾性体として、主にバネ鋼材を使用するために重く、厚く、価格も高く、落下などの衝撃で精度が狂いやすいという問題があった。
【0006】
又、上記のゴムマット方式の場合は、ゴム弾性体の単純圧縮変形を利用する方式を採用しているためにゴム弾性体本来固有のヒステリシスが大きく、これを除去するための機構を設ける必要があり、構造が複雑となるという問題がある。したがって、製造ロット間における出力のばらつきが大きく、製品を1個ずつ検査し、1個ずつ出力を電気処理により調整・補正等の作業をする必要があり、作業が煩雑であった。
【0007】
前記の誘電率の高いゴム弾性を用いた感圧装置の場合には、誘電率を高めるためには、非極性ゴムにチタン酸バリウムなどの誘電率の高い配合剤を大量に添加して(非極性ゴム100重量部に対して300ないし800重量部)ゴム弾性体からなる誘電層として使用するので、誘電率は高くなるが、ゴム弾性体としてのヒステリシスが大きくなり、繰り返し使用しても復元性を確保し、精度を維持するためには金属ばね等の完全弾性体を併用してヒステリシスを軽減する必要があり、構造が複雑であるという問題がある。
【0008】
【発明の目的】
そこで、本発明の目的は、構造を複雑にすることなく、圧力及び重量を高精度に測定のできる感圧センサーを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するために提案されたものであり、下記の構成からなることを特徴とするものである。
すなわち、本発明によれば、一対の電極層と、前記一対の電極層の間に介在され前記一対の電極層の各々を離間状態とするゴム弾性体からなる誘電体層と、を備えてなる感圧センサーであって、前記誘電体層が10℃ないし30℃での1ないし30Hzにおけるtanδが0.03以下であると共に10℃ないし30℃におけるJIS−K−6301に準拠したAスケールでのゴム硬度が20ないし80度であることを特徴とする感圧センサーが提供される。
【0010】
また、本発明によれば、請求項1記載の感圧センサーであって、10℃ないし30℃におけるJIS−K−6301に準拠した測定方法での反発弾性が75%以上である感圧センサーが提供される。
【0011】
また、本発明によれば、請求項1又は2記載の感圧センサーであって、10℃ないし30℃におけるJIS−K−6301に準拠した測定方法での圧縮永久歪みが3%以下である感圧センサーが提供される。
【0012】
また、本発明によれば、請求項1ないし3のいずれか1項記載の感圧センサーであって、誘電体層が、天然ゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、ポリウレタンゴム及びシリコーンゴムのいずれかによって形成されてなる感圧センサーが提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】
周知の事実のようにゴム弾性体は弾性挙動があると同時に粘性挙動をもっており、ゴムは、粘弾性体とも言われている。ゴム弾性体に外部より繰り返しの圧縮応力、引張り応力が加わると、応力と変位の間に時間差が生じ、いわゆる、粘弾性挙動を示し、ヒステリシス、クリープ等と言われている応力緩和が発生してしまう。しかしながら、ゴム弾性体に本来固有の粘性挙動を極力少なくする事ができれば、ゴム弾性体でも粘性挙動がほとんど皆無な金属スプリングと同様なバネとして使用する事が可能となる。
【0014】
ゴム弾性体のヒステリシス、応力緩和は、粘弾性挙動を確認するための一つのの特性値であるtanδがゼロに近い程少なくて良くなり、反対にtanδが大きくなる程大きくなり、悪くなる傾向がある。又、圧縮永久歪みもゼロに近い程ヒステリシス、応力緩和は良くなり、大きくなる程悪くなる傾向にある。周知の如く、例えば、熱可塑性弾性ポリマーは、一般にtanδが小さく、ゴム弾性も高く良好な弾性体であるが、圧縮永久歪みが大きくヒステリシス、応力緩和が悪い材料が多くあることが知られており、金属スプリングと同様なバネ挙動をするためには、JIS −K6301に準拠した測定方法での反発弾性が高く、且つ、tanδが小さいと同時に圧縮永久歪みが少ないことが最も重要である。
【0015】
上記の観点に着目して本発明者らは、ゴム弾性体の分子構造を考慮したポリマーの選定、及びゴム配合の企画・設計により粘性挙動を極力少なくする研究を行い、上記の請求項1ないし3の物理特性を確保しうるゴム弾性体を創出し、その弾性体によれば、粘性挙動が極力少なくなり、感圧センサーとして充分使用できる事を確認した。
【0016】
また、ゴム弾性体はさまざまな材料があるが、周知の分子構造から推定し、配合処方を変えて研究し、感圧センサーとしての機能を確認した結果、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、ポリウレタンゴム、シリコーンゴムが適していることが判明し、配合処方等により請求項1ないし3の物理特性を確保し得る弾性体材料として請求項4のゴム材質を特定した。なかでもシリコーンゴムは低温領域から高温領域までのバネ定数の変化が少なく、経時でのバネ定数の変化も少なく、また、ゴム弾性も他の弾性体材料よりも高く、tanδが小さいと同時に圧縮永久歪みも少ないので、最適材料の1つである。ポリウレタンゴムは配合処方により、請求項1ないし3を満たす弾性体の創出が可能で、誘電率が他の弾性体材料より高いので、感圧センサーを製造した場合に、他の材料よりも高い感度が得られ、感圧センサーの有効な材料の一つである。
【0017】
請求項1の発明において、tanδの値が0.03よりも大きいと、感圧センサーのヒステリシスが大きくなる傾向にあり、JIS−K−6301に準拠したAスケールでのゴム硬度が20ないし80度の範囲を外れると、ヒステリシスが大きくなる傾向にある。
また、請求項2の発明で、10℃ないし30℃におけるJIS−K−6301に準拠した測定方法での反発弾性が75%よりも小さいと、圧縮永久歪みが大きくなる傾向にある。
さらに、請求項3の発明で、10℃ないし30℃におけるJIS−K−6301に準拠した測定方法での圧縮永久歪みが3%よりも大きいと、感圧センサーのヒステリシスが大きくなる傾向にある。
【0018】
【実施例】
以下に実施例によって本発明を説明する。
実施例1ないし3、比較例1及び2
tanδの大きさ及び圧縮永久歪みと、ヒステリシスとの関連を確認するために、ゴム原料としてポリブタジエンラバーを使用し、加硫後のゴム硬度がJIS−K−6301におけるAスケールで40度となるように各種配合剤を調整した生ゴムをゴム練り用ロールで混練し、準備した。それぞれの生ゴムを165℃×15分、200kg/cm2 の条件下で電熱プレス成型して厚さ1.5mm、幅150mm、長さ200mmの加硫ゴムシートを作成した。
実施例1ないし3、比較例1、2の生ゴムの配合は表1に示す通りである。
【0019】
実施例1ないし3、比較例1、2のそれぞれの加硫ゴムシートの25℃におけるJIS−K−6301でのAスケールの実測ゴム硬度、及び25℃におけるORIENTEC社製の動的粘弾性自動測定機DDV−25FPで測定した10Hzのtanδ、及び25℃におけるJIS −K6301に準拠した圧縮永久歪みは表1の下段のようになった。
次にそれぞれの加硫ゴムシート1を図1(a)のように厚さ1.5mm、幅1.5mm、長さ200mmの短冊状に切断加工した。そして、この加工物を図1(C)に示す第1電極層2、第2電極層3、第3電極層4の間にウレタン系の2液性接着剤を介して、それぞれの加硫ゴムの短冊を上下各20本づつ接着させて図1(b)のような実施例1ないし3、比較例1及び2のそれぞれの試験品を製作した。各々の試験品は、図1(b)に示す如く、上層の誘電体層1を構成する誘電体片1Aと、下層の誘電体層を構成する誘電体片1Bとが、平行になるように配置されている。
なお、上記各々の電極層としては、幅200mm、長さ250mm、厚さ5mmのアルミニウム製の平板を使用した。
【0020】
各々の試験品を、図2のように第1電極層2、第3電極層4を電線コード6、7で結線部8を介してヒューレットパッカード社製のHP4284プレシジョンLCRメーターの出力端子の片側9に接続し、残りの第2電極層3を電線コード10で接続してLCRメータのもう一方の出力端子11に接続し、1MHz・6Vの交流電圧を印加し、キャパシタンスの測定の準備を行った。
【0021】
次にこの状態で順次、接続された各々の試験品に20kgの分銅12を各加圧時の荷重がそれぞれ、20kg、40kg、60kg、80kg、100kgになるように、1個、2個、3個、4個、5個と順次重ねて乗せ、それぞれの試料の各荷重毎のキャパシタンスを7回測定した。それぞれの結果の最大値、最小値を算出し、グラフ上にプロットして図5ないし9のグラフを得た。図中のそれぞれの(ア)がキャパシタンスの最大値を、(イ)が最小値をプロットした線である。
なお、図5は実施例1の測定結果を示すグラフであり、図6は実施例2、図7は実施例3、図8は比較例1、図9は比較例2の測定結果を示すグラフである。
【0022】
感圧センサーとして重要なことは周知の如く、再現性が良く、ばらつきが極めて小さいことである。図5ないし図9での100kgの荷重を掛けたときのそれぞれの最大値と最小値の差を比較すると、tanδが小さい試験品程、差が小さい傾向が明確であり、従って、ヒステリシスも小さい事が判明した。
すなわち、実施例1の試験品(tanδ=0.01)のヒステリシスの最大値と最小値の差は1PFであるに対して比較例2の試験品(tanδ=0.043)での最大値と最小値との差は8PFとなった。
【0023】
このため、これらのそれぞれの試験品を使用して印刷機の加圧ゴムロールの圧力を測定するための最大測定可能荷重が100kgまで測定できる圧力センサーを製作した場合を想定してみると、実施例1では、100kgまでのキャパシタンスの最大変化量が68PFなので1kgの加圧当たり0.68PFの感圧センサーを製作できることになる。この感圧センサーにより100kgを計量した場合でも100kgの最大値と最小値の差が1PFしかないために、ばらつきの幅が約1.5kgしかないので、少なくとも2kg単位での加圧の変化を読み取れる。さらに、最大測定可能荷重100kg、最小の読取り2kgの誘電層ゴムと電極板だけの簡単で、軽量、低価格で破壊しにくい感圧センサーを製作することが可能になる。
【0024】
一方、同様に比較例2の試験品で、最大測定荷重100kgまでの感圧センサーを製作した場合には、キャパシタンスの変化量が最大変化量が48PFなので、1kg加圧あたり、0.48PFの感圧センサーを製作できることになる。これによって、100kgを計量した場合には、100kgの最大値と最小値との差が8PFあるので、約16.6kgばらつくことになり、最大荷重100kg、最小の読み取り15kgないし20kgの精度の悪い圧力センサーしか製作できないことになる。このために、実際に感圧センサーとして、製品化する場合は、ばらつきの幅が小さいのは実施例1ないし3の試験品であり、この理由からtanδが0.03以下が適当と判断できる。
【0025】
また、圧縮永久歪み特性は周知の如く、熱可塑性弾性体の場合は、tanδと圧縮永久歪み特性との間には、相関性はないが、架橋形態をとる加硫ゴム弾性体の場合は、圧縮永久歪み特性の間には、極めて密接な相関性があり、tanδが小さい程、圧縮永久歪みが小さくなり、圧縮永久歪み特性が良い傾向にある。
反発弾性については、熱可塑性弾性体、及び架橋形態をとる加硫ゴム弾性体の両者ともtanδと密接な関係があり、すなわち、tanδが小さい程、反発弾性は大きくなり、良くなる傾向がある。しかしながら、架橋形態をとる加硫ゴム弾性体の場合には、周知の如く、反発弾性と圧縮永久歪みは密接な相関性があり、反発弾性の大きい材料程、圧縮永久歪みは小さく、良好である。
この事実を基にし、今回の結果より判断して、良好な感圧センサーを得るためのゴム弾性体の物理特性の一部として、圧縮永久歪みは3%以下が最適であり、反発弾性は100%に近いほど良く75%以上が最適である。
【0026】
次いで、連続的に加圧−減圧する方式で、tanδ、圧縮永久歪みとヒステリシス関連の検証を行った。
この検証においては、前記の実施例1ないし3、比較例1及び2の試験品を再度使用し、前記と同様な試験方法で同一の試験装置を使用して、分銅なしの荷重0kgを測定後、前記と同様の分銅を使用して20kg、40kg、60kg、80kg、100kgと連続的に加圧し、次に分銅を加圧する場合と同様に20kg単位で除去しながら80kg、60kg、40kg、20kg、0kgのキャパシタンスを測定して図10ないし図14を得た。なお、図10は、実施例1の測定結果を示すものであり、図11は実施例2、図12は実施例3、図13は比較例1、図14は比較例2の測定結果を示すグラフである。また、図10ないし図11において、実線は加圧の場合のキャパシタンスの変化を示すグラフであり、点線は減圧した場合のキャパシタンスの変化を示すグラフである。
図10ないし図14から実施例1の試験品が最もヒステリシスが少なく、実施例2はヒステリシスが最も大きく、tanδが大きくなる程ヒステリシスが大きくなる傾向があることが明らかとなった。
【0027】
なお、実施例1ないし3の試験品は、種々の加圧方法で試験した結果でも同様な傾向があることがわかり、感圧センサーのtanδの範囲は0.02以下で且つ圧縮永久歪みは3%以下であり、又、反発弾性は75%以上であることが最良であることが明らかとなった。
【0028】
【表1】
【0029】
実施例4、比較例3ないし5
次に、ゴム硬度50度の物理特性の異なる既存グレードのシリコーンゴムを使用して、tanδ、反発弾性、永久歪みとヒステリシス関連の検証を行った。表2に示す如く、メーカー指定の配合処方を行いロールで混練し、170℃で10分、200kg/cm2 で電熱プレス成型し、厚さ1.5mm、幅100mm、長さ200mmの加硫ゴムシートを作成し、200℃で4時間、電気炉で追加硫して、それぞれのtanδを測定した。
【0030】
反発弾性、圧縮永久歪み、はそれぞれ専用の型で上記と同一条件で成型して測定した。その結果は表2のようになった。次に実施例4、比較例3ないし5に係る加硫ゴムシートを図3(a)の符号12(第1誘電体層)、13(第2誘電体層)で示すように厚さ1.5mm、幅3mm、長さ50mmの寸法で断面が長方形で短冊状に切断加工し、それぞれを上下10本づつ、上下層の各々が90の角度をなすように第1電極層14、第2電極層15、第3電極層16の各々に接着剤によって接着し、実施例4、比較例3ないし5の試験品の各々を製作した〔図3(b)〕。なお、上記各々の電極層としては、50mm角、厚さ1.0mmのアルミニウム板を使用し、接着剤としては硬度30度RTV系のシリコーンゴムを使用した。
【0031】
次に、これらの試験品の第1電極層14及び第2電極層16の各々に均一に加圧できるようにすること、及び電気的絶縁性を考慮してゴム板19、20を両面テープで第1電極層14及び第2電極層16に張りつけた。ゴム板19、20としては、50mm角、厚さ5.0mmで硬度60度のEPTゴムを使用した。
それぞれの試験品は、前記と同様にLCRメータに接続し、新興通信工業(株)製・万能引張り圧縮試験機;TCM−1000の引張り圧縮測定部分17、18に取付け、フルスケール500kgのロードセルを使用して、毎分1mmの速度で240kgまでのサイクルモードで圧縮・減圧させて図15なしい図18のグラフを得た。
なお、図15が実施例4の測定結果を示すグラフであり、図16、図17、図18の各々は、比較例3、比較例4、比較例5の各々を示すものである。また図15ないし図18において、実線は加圧の場合のキャパシタンスの変化を示すグラフであり、点線は減圧した場合のキャパシタンスの変化を示すグラフである。
【0032】
図15ないし図18より、実施例4の試験品が最もヒステリシスが少なく、比較例5の試験品が最もヒステリシスが大きく、表2の下段の加硫成型品の物理特性と密接な関係があることが判明した。この試験結果よりヒステリシスが1PFの材料は、実施例4の試験品のみであることが明らかとなった。
【0033】
【表2】
【0034】
実施例5、比較例6及び7
表3記載のカプロラクトン系の50度ポリウレタンゴム材質を使用して同様に確認試験を行った。ポリオールは、カプロラクトンポリエステルからなる2官能の両方末端水酸基、分子量2000の商品名PCL220N(ダイセル社製)を使用し、これを120℃で脱水後、商品名ミリオネートMT(日本ポリウレタン社製)のMDI・イソシアナートと架橋剤・TMPを混合してパイプ状製品を製作する型に注入し、電気炉で100℃、12時間加熱し硬化させて素材を製作した。
【0035】
この素材をゴム用研磨機で厚さ1.5mmに仕上げ研磨成し、シート状に切断加工して実施例3と同一寸法の短冊を製作し、前記と同様の短冊を等間隔で使用し、図3(b)に示す実施例5、比較例6及び7の試験品を製作した。この試験品を実施例1と同一の方法及び条件で試験を行い、図19ないし21を得た。
なお、図19は実施例5の測定結果を示すグラフであり、図20、21はそれぞれ、比較例6、7の測定結果を示すグラフである。図19ないし図21において、実線は加圧の場合のキャパシタンスの変化を示すグラフであり、点線は減圧した場合のキャパシタンスの変化を示すグラフである。
その結果を表3の物理特性において比較すると実施例1ないし3と同様にtanδ、反発弾性、圧縮永久歪みが共に良好な実施例5が感圧センサーとして使用できることが判明し、ポリウレタンゴムを使用しても本発明の物理特性を持つ材質が得られることが確認された。
なお、上記各実施例では、電極層が3層設けられている場合について説明しているが、電極層を5層以上の奇数個平行配置し、各々の電極層の間に、誘電体層を介在させてもよく、電極層を2枚平行配置し、これらの電極層の間に誘電体層を介在させる構造にしてもよい。
【0036】
【表3】
【0037】
【発明の効果】
以上の如く構成したので、本発明によれば、構造を複雑にすることなく、高精度に重量や圧力を測定可能な感圧センサーを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は誘電体層の斜視図、(b)は上下に配置される誘電体層が平行とされた感圧センサーの断面図、(c)は電極層の斜視図である。
【図2】感圧センサーのキャパシタンスを測定する状態を示す斜視図である。
【図3】(a)は感圧センサーの分解斜視図、(b)は感圧センサーの斜視図である。
【図4】感圧センサーのキャパシタンスを測定する状態を示す斜視図である。
【図5】実施例1の感圧センサーに付与される荷重とキャパシタンスの変化量との関係を示すグラフである。
【図6】実施例2の感圧センサーに付与される荷重とキャパシタンスの変化量との関係を示すグラフである。
【図7】実施例3の感圧センサーに付与される荷重とキャパシタンスの変化量との関係を示すグラフである。
【図8】比較例1の感圧センサーに付与される荷重とキャパシタンスの変化量との関係を示すグラフである。
【図9】比較例2の感圧センサーに付与される荷重とキャパシタンスの変化量との関係を示すグラフである。
【図10】実施例1の感圧センサーに付与される荷重とキャパシタンスの変化量との関係を示すグラフである。
【図11】実施例2の感圧センサーに付与される荷重とキャパシタンスの変化量との関係を示すグラフである。
【図12】実施例3の感圧センサーに付与される荷重とキャパシタンスの変化量との関係を示すグラフである。
【図13】比較例1の感圧センサーに付与される荷重とキャパシタンスの変化量との関係を示すグラフである。
【図14】比較例2感圧センサーに付与される荷重とキャパシタンスの変化量との関係を示すグラフである。
【図15】実施例4の感圧センサーに付与される荷重とキャパシタンスの変化量との関係を示すグラフである。
【図16】比較例3の感圧センサーに付与される荷重とキャパシタンスの変化量との関係を示すグラフである。
【図17】比較例4の感圧センサーに付与される荷重とキャパシタンスの変化量との関係を示すグラフである。
【図18】比較例5の感圧センサーに付与される荷重とキャパシタンスの変化量との関係を示すグラフである。
【図19】実施例5の感圧センサーに付与される荷重とキャパシタンスの変化量との関係を示すグラフである。
【図20】比較例6の感圧センサーに付与される荷重とキャパシタンスの変化量との関係を示すグラフである。
【図21】比較例7の感圧センサーに付与される荷重とキャパシタンスの変化量との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 誘電体層
2 第1電極層
3 第2電極層
4 第3電極層
Claims (4)
- 一対の電極層と、前記一対の電極層の間に介在され前記一対の電極層の各々を離間状態とするゴム弾性体からなる誘電体層と、を備えてなる感圧センサーであって、
前記誘電体層が10℃ないし30℃での1ないし30Hzにおけるtanδが0.03以下であると共に10℃ないし30℃におけるJIS−K−6301に準拠したAスケールでのゴム硬度が20ないし80度であることを特徴とする感圧センサー。 - 10℃ないし30℃におけるJIS−K−6301に準拠した測定方法での反発弾性が75%以上である請求項1記載の感圧センサー。
- 10℃ないし30℃におけるJIS−K−6301に準拠した測定方法での圧縮永久歪みが3%以下である請求項1又は2記載の感圧センサー。
- 前記誘電体層が、天然ゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、ポリウレタンゴム及びシリコーンゴムのいずれかによって形成されてなる請求項1ないし3のいずれか1項記載の感圧センサー。
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