JP3592389B2 - 半導体製造装置 - Google Patents
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【産業上の利用分野】
本発明は、半導体製造過程で基板の加熱を行う場合に使用される半導体製造装置に関する。
近年、半導体製造過程のうちで、基板を所定温度に加熱する場合に、加熱は昇降温の速さ、純度の高さ、基板の大口径に対応可能な赤外線ランプ加熱が多用されている。そして、さらなる基板の大口径化によって反応炉を密閉状態とするための石英板が厚くなる傾向となり、これによる加熱の効率性、制御性の低下、及び密閉部材の破損を防止する必要がある。
【0002】
【従来の技術】
従来、一連の半導体製造工程のなかで、半導体ウエハである基板を所定温度に加熱する処理を含むものとして、例えば不純物拡散、エピタキシャル成長、CVD(化学気相成長)等がある。以下、CVDにおける基板の加熱を例に挙げて説明するが、基板の加熱方法としては不純物拡散、エピタキシャル成長も同様である。
【0003】
図7に、従来の反応炉の断面構成図を示す。一般に、CVD装置は基板を保持し加熱して一定温度に保つ反応炉と、その中に送入する所定のガスの濃度、組成を制御するガスコントロール系と、排出するガスを処理する系とより構成されるもので、図7は反応炉の部分を示している。
【0004】
図7において、横型の反応炉11は、反応室12にはガス導入口13と排出口14とが形成されており、一方面で石英板15により密閉状態とされている。この反応室12内にはサセプタ16に保持された基板17が位置される。
一方、反応室12の外側であって、石英板15の近傍には、リフレクタ18が溝18a内に赤外線ランプ19を備えて配設されており、赤外線ランプ19に電力を供給するための端子19aがリフレクタ18の外部に導出されている。このリフレクタ18は、例えばアルミニウムにより形成されたもので、表面に金によりコーティングが施されて反射効率を向上させている。
【0005】
このような反応室12内は、大気圧で使用されることが少なく、通常0.1気圧程度に減圧されて使用される。すなわち、赤外線ランプ19より出射された赤外線光はリフレクタ18で反射されて石英板15を透過し、サセプタ16で吸収されて発熱することにより基板17を加熱するものである。
【0006】
この場合、端子19aへの配線、リフレクタ18の冷却、及び赤外線ランプ19の設置性から、当該赤外線ランプ19及びリフレクタ18は大気中に設置されるもので、分離するために石英板15が反応室12に設けられるものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のように反応室12内が減圧されることから、石英板15を大気圧との気圧差に耐え得るような厚さで形成しなければならず、基板17が大口径化するに伴い面積の増加と共に厚くしなければならない。従って、赤外線ランプ19とサセプタ16との距離が離れて加熱効率や制御性が低下して品質を低下させると共に、破損により反応管12内で爆発等を生じる危険性があるという問題がある。
【0008】
そこで、本発明は上記課題に鑑みなされたもので、基板の大口径化に伴う高品質化、安全性の向上を図る半導体製造装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の一観点によれば、半導体製造における所定の基板を加熱して所定の処理を行わせる半導体製造装置において、前記基板が配置され、所定の反応ガスが供給、排気される反応室と、該基板の上方に設けられ、基板を加熱する加熱部と、該反応室を封止し、該加熱部を該反応室内で保持する保持部とを有し、該加熱部は所定形状のランプが配置されてなり、該保持部は所定数の管を備え、該管は該ランプを保持すると共に、管内を通じて導入された冷却ガスを該ランプ表面に噴出する噴出口を有することを特徴とする半導体製造装置が提供される。
【0010】
前記保持部の下面に、下方に向かって開口する溝が形成され、該溝に前記ランプが格納されている構成としてもよく、前記ランプは同心円状に設けられ、前記管は該同心円に対して放射状に延在して設けられる構成としてもよい。また、前記ランプの電力供給のための所定数の端子が前記保持部より外部に導出される構成としてもよく、その所定数の端子は、前記保持部に密閉部材により固定され、外部に分散されて導出される構成としてもよい。さらに、前記保持部は、反射面が形成され、該反射面上に所定の保護膜が形成される構成としてもよい。
【0011】
図1に、本発明の原理構成図を示す。図1において、半導体製造における所定の基板22を加熱して所定の処理を行わせる半導体製造装置21は、基板22がサセプタ23に保持されて位置され、所定の反応ガスが供給、排気される反応室24と、反応室24内の基板22を加熱する加熱部25と、反応室24を封止し、加熱部25を反応室24内で保持する保持部26とを有して構成され、加熱部25は、所定形状のランプ25が所定数配置されて構成され、該ランプ25への電力供給のための所定数の端子25aが該保持部26より外部に導出される。所定数の端子25aは、保持部26に密閉部材により固定され、外部に分散されて導出される。その端子25aを冷却する冷却手段が設けられる。また、保持部26は、反射面が形成され、反射面上に所定の保護膜が形成される。また、加熱部25を固定する所定数の固定部材を備える。
【0013】
【作用】
上記の発明によれば、基板が位置される反応室をランプ等の加熱部が保持される保持部で封止して構成される。これにより、基板が大口径となっても加熱部の基板の距離が一定とすることが可能となり、温度制御性が容易で高品質化が図られ、破損部分がなく安全性を向上させることが可能となる。また、加熱部であるランプの端子を保持部に密閉部材で固定すると共に、外部に分散させて導出し、適宜冷却手段で冷却させる。これにより、端子の冷却が図られて、ランプの特性劣化を防止することが可能となる。
【0014】
また、保持部の表面に、適宜保護膜を形成させて反射面が形成されることにより、加熱部による加熱効率を向上させることが可能となる。さらに、保持部に加熱部を固定部材で固定させることにより、加熱部を確実に固定させることが可能となる。
【0016】
【実施例】
図2に、本発明の一実施例の断面構成図を示す。図2は半導体製造装置としての薄膜成長装置31の概略断面図を示したもので、反応室24と保持部であるリフレクタ26とにより構成される。
【0017】
反応室24は、リフレクタ26が位置する部分が開口されていると共に、反応ガスを供給するガス供給口32a及びガスを排気する排気口32bとが一体に形成されている。そして、この反応室24内に、例えば半導体ウエハの基板22が例えばカーボンで形成されたディスク状のサセプタ23に爪23aにより固定保持されて位置される。基板22を下向とすることにより、塵埃を防止することができるものである。
【0018】
一方、リフレクタ26は、例えばアルミニウムにより表面を電解研磨して形成されたもので、後述するハロゲンランプを位置させる溝33aと、後述する固定部材を位置させる溝33bとが形成される。この場合、大気中での酸化防止及びハロゲンランプの赤外線光の反射効率を向上させるために、表面が金によりコーティングされる。なお、反応ガスにガリウム等を使用する場合には、表面にアルマイトや窒化チタン等の保護膜が形成される。これにより、リフレクタ26の反応ガスによる影響を防止することができるものである。そして、リフレクタ26の溝33aに赤外線光を発する加熱部である複数のハロゲンランプ25が配置される。
【0019】
ここで、図3に、図2のハロゲンランプの構成図を示す。図3(A)は全体平面図、図3(B)は一つのハロゲンランプの斜視図である。図3(A)において、例えば直径13mm、肉厚1mmの円形状であって、径の異なる4本のハロゲンランプ25(251 〜254 )が同心円状に配置される。このように配置することで温度分布の制御性を向上させている。
【0020】
各ハロゲンランプ251 〜254 は、図3(B)に示すように、両端部が円環面上より略垂直方向に折曲した形状であり、その先端に端子25a,25a(25a1 〜25a4 )が露出されている。
そして、図3(A)に示すように、各ハロゲンランプ251 〜254 の各端子25a1 〜25a4 を90度ごとに配置させて、より高い均熱性を図っている。このようなハロゲンランプ251 〜254 の配置でリフレクタ26の溝33a内に位置される。なお、端子25a1 〜25a4 はリフレクタ26により露出されて固定され、冷却手段であるファンにより強制空冷されるもので、詳細は図5において説明する。
【0021】
図2に戻り、リフレクタ26の所定数の溝33bには、中空(又は中実の)固定部材である石英管34がそれぞれ挿入配置され、その開放端が継手35を介してそれぞれ外部と連通する(図4において説明する)。そして、反応室24の開口部分にリフレクタ26が取り付けられて封止される。このとき、サセプタ23とリフレクタ26との間に、所定の間隙36を形成させて透明薄板部材である石英板37が配置される。
【0022】
そこで、図4に、図2の部分拡大図を示す。また、図5に、図2の石英管の配置説明図を示す。図4において、リフレクタ26の溝33bに位置される石英管34が、図5に示すように各ハロゲンランプ251 〜254 の放射状で4方向に配置され、当該各ハロゲンランプ25a1 〜25a4 を固定する役割を果している。この石英管34は、リフレクタ26に対してOリング38で固定され、さらに例えはテフロン製のワッシャ39を介して継手35と連通される。
【0023】
継手35はリフレクタ26に対して螺着され、一方端が図示しない窒素、水素ガス等を供給するガス供給部に接続される。また、石英管34には、リフレクタ26の溝33aに対するゾーンごとに孔40が形成され、継手35より供給されるガスを孔40より噴出させる。
【0024】
一方、反応室24内に配置された石英板35により形成される間隙36は、孔40より噴出されるガスのコンダクタンスが、基板22側より排気口36bに流れる反応ガスのコンダクタンスよりも充分に小となる大きさで形成される。これにより、反応ガスがハロゲンランプ25側に逆流して周辺に堆積されるのを防止することができる。なお、孔40より噴射されるガスは反応ガスと合流して排気口36bより排気される。
【0025】
次に、図6に、図2におけるランプ端子部分の拡大断面図を示す。図6(A)は端子近傍の断面図、図6(B)は図6(A)のA−A断面図である。図6(A),(B)において、ハロゲンランプ25の折曲された両端部がリフレクタ26より外部に露出させるにあたり、最端部分の非発光部分がテフロンリング41、Oリング42及びテーパ付テフロンリング43を介在させて金属製の押えリング44を押し込むことにより、密封性を高めてリフレクタ26に固定される。
【0026】
この場合、リフレクタ26には冷却溝45が所定数形成され、冷却水を循環させることによりリフレクタ26を冷却する。サセプタ23を800℃に加熱してもリフレクタ26を融点(アルミニウムの場合は600℃)以下に維持させることができる。
【0027】
一方、外部に露出された端子25aの総てを、容器等の冷却領域45内に覆っており、冷却手段であるファン46により強制空冷を行い、当該端子25aを350℃以下に維持してハロゲンランプ25の寿命低下を防止している。また、Oリング42は、その材質にもよるが、合成ゴム系の場合で耐熱温度が150℃であるが、リフレクタ26の熱伝導率が良好であり、また端子25aをファン46により強制空冷することから、当該Oリング42を150℃以下に維持することができるものである。
【0028】
なお、端子25aを冷却する熱容量は、従来(図7)の赤外線ランプより比べて少なく(従来は反応室と分離していることから発光量を大きくしなければならない)、ファン46による冷却によらず、不活性ガスで冷却することもできるものである。
【0029】
このような薄膜成長装置31は、反応室24内が、外側雰囲気1気圧に対して0.1気圧程度に減圧される。この場合、リフレクタ26や押えリング44は内側(サセプタ23側)に力が加えられるが、これらは金属製であり破損することがなく、また石英板35は反応室24内で圧力差がないことから、基板22が大口系となっても薄板でよく、破損することはない。さらに、ハロゲンランプ25は通常の直径10〜15mm、肉厚1mmのものでは10Kg重/cm2 以上の力にも耐え得ることから破損の可能性が少なく、仮に破損しても反応室24の内部で他へ影響を及ぼすことはない。
【0030】
そして、ハロゲンランプ25より発せられた赤外線光がリフレクタ26で反射され、薄板の石英板35を透過してサセプタ23を加熱し、基板22を所定温度に加熱する。このとき、継手35から窒化や水素等のガスが供給されて石英管34の孔40よりガスが噴出されると共に、反応ガス供給口32aより反応ガスが反応室24内に供給される。これにより、基板22の表面で薄膜成長が行われ、反応ガスと間隙36により噴出されるガスが合流されて排気口32bより排気されるものである。
【0031】
このように、本発明によれば、従来(図7)のように反応室と赤外線ランプとを分離させる石英板が不要となり、基板22が大口径となってもサセプタ23とハロゲンランプ25の距離を任意に一定とすることができ、加熱効率や熱制御性を向上させることができることにより、基板22の処理における高品質化を図ることができるものである。
【0032】
また、破損による爆発の危険性のある分離のための石英板が不要となることから安全性の向上が図られるものである。
なお、上記実施例では加熱部としてハロゲンランプを使用した場合を示したが、他の赤外線ランプでもよく、その形状においても、直線状、円弧状、多角形状等として均熱を図ってもよい。
【0033】
また、上記実施例では、薄膜成長装置に適用した場合を示したが、半導体製造過程における基板を加熱して所定の処理を行う装置に適用することができるものである。
【0034】
【発明の効果】
基板が位置される反応室をランプ等の加熱部が保持される保持部で封止して構成されることにより、基板が大口径となっても加熱部の基板の距離が一定とすることが可能となり、温度制御性が容易で高品質化が図られ、破損部分がなく安全性を向上させることが可能となる。また、加熱部であるランプの端子を保持部に密閉部材で固定すると共に、外部に分散させて導出し、適宜冷却手段で冷却させる。これにより、端子の冷却が図られて、ランプの特性劣化を防止することが可能となる。
【0035】
また、保持部の表面に、適宜保護膜を形成させて反射面が形成されることにより、加熱部による加熱効率を向上させることが可能となる。さらに、保持部に加熱部を固定部材で固定させることにより、加熱部を確実に固定させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理構成図である。
【図2】本発明の一実施例の断面構成図である。
【図3】図2におけるランプ端子部分の拡大断面図である。
【図4】図2の部分拡大図である。
【図5】図2の石英管の配置説明図である。
【図6】図2におけるランプ端子部分の拡大断面図である。
【図7】従来の反応炉の断面構成図である。
【符号の説明】
21 半導体製造装置
22 基板
23 サセプタ
24 反応室
25 ランプ(加熱部)
25a 端子
26 リフレクタ(保持部)
31 薄膜成長装置
32a ガス供給口
33a,33b 排気口
34 石英管
35 継手
36 間隙
37 石英板
40 孔
44 テーパ付テフロンリング
45 押えリング
46 ファン
Claims (6)
- 半導体製造における所定の基板を加熱して所定の処理を行わせる半導体製造装置において、
前記基板が配置され、所定の反応ガスが供給、排気される反応室と、
該基板の上方に設けられ、基板を加熱する加熱部と、
該反応室を封止し、該加熱部を該反応室内で保持する保持部とを有し、
該加熱部は所定形状のランプが配置されてなり、
該保持部は所定数の管を備え、該管は該ランプを保持すると共に、管内を通じて導入された冷却ガスを該ランプ表面に噴出する噴出口を有することを特徴とする半導体製造装置。 - 請求項1記載の半導体製造装置において、
前記保持部の下面に、下方に向かって開口する溝が形成され、
該溝に前記ランプが格納されていることを特徴とする半導体製造装置。 - 請求項1または2記載の半導体製造装置において、
前記ランプは同心円状に設けられ、
前記管は該同心円に対して放射状に延在して設けられることを特徴とする半導体製造装置。 - 請求項1〜3のうちいずれか一項記載の半導体製造装置において、
前記ランプの電力供給のための所定数の端子が前記保持部より外部に導出されることを特徴とする半導体製造装置。 - 請求項4記載の半導体製造装置において、
前記所定数の端子は、前記保持部に密閉部材により固定され、外部に分散されて導出されることを特徴とする半導体製造装置。 - 請求項1〜5のうち、いずれか一項記載の半導体製造装置において、
前記保持部は、反射面が形成され、該反射面上に所定の保護膜が形成されることを特徴とする半導体製造装置。
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JP00322795A Expired - Lifetime JP3592389B2 (ja) | 1995-01-12 | 1995-01-12 | 半導体製造装置 |
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- 1995-01-12 JP JP00322795A patent/JP3592389B2/ja not_active Expired - Lifetime
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