JP3591151B2 - 電源系統に並列接続する自家用交流発電機の自動同期投入制御装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気事業者から供給される電源系統に並列接続する自家用交流発電機設置事業所における自家用交流発電機の起動時に、この発電機の発電電圧が電源系統電圧と平衡した時に、遮断機を自動投入するようにした自動同期投入制御装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気事業者から供給される電源系統に自家用の交流発電機(以下発電機と略称する)を並列接続して、自社の交流負荷装置に電力を供給する系統連携運転システムが使用されている。
このような手段における従来の発電機の自動同期投入制御装置の構成の概要を図2に示す。
同図は電源系統の三相交流回路を単線図で示し、本発明の説明に関連する主要機能以外は簡略化して記している。
図2において、発電機10と励磁機11とは原動機12によって駆動され、原動機12はガバナ13によって回転速度が制御されている。
励磁機11の励磁巻線11aは、チョッパ制御機能14からの出力よって駆動されるトランジスタチョッパ15からの出力電流によって制御されている。なお、チョッパ制御機能14は指令電圧14aと発電電圧14bとを比較して制御パルスを作成する。
トランジスタチョッパ15は直流電源50からの入力をチョッパ制御機能14から入力する制御パルスによってチョッピングして、その出力する平均電圧値を変化させている。
指令電圧14aはモータ16によって可変抵抗器を備えた電圧設定器17によって制御され、発電機10の起動時におけるモータ16の回転は自動同期投入機能21によって制御される。
発電機10の定常運転時には、モータ16は図示しない操作機能によって操作され、電圧設定器17から出力する所定値の制御電圧が励磁機11の励磁電流を制御する。
上述した電圧設定器17の電源は、図示しない発電機電圧と発電機無効電流の入力信号に従って、発電機電圧を調整する信号電圧出力機能を備えた横流補償調整機能18によって制御されている。
即ち、定常状態においては、発電機10が系統電源と電力負荷に対応した電圧を出力するように運転を実行する。
【0003】
発電機10の出力回路10Aの交流出力は変圧器10Aaによって検出されて、チョッパ制御機能14と自動同期投入機能21に入力し、自動同期投入機能21には電源系統の配電ライン40に接続される変圧器40aの出力も入力している。
また、ガバナ13には、自動同期投入機能21から出力される周波数/位相信号と、発電機10の周波数/位相信号が周波数センサ13aによって検出されて入力している。
発電機10の出力回路10Aと電源系統の配電ライン40とは遮断器45によって接続され、遮断器45は自動同期投入機能21の出力信号によって後述する所定条件になると投入される。
上述したチョッパ制御機能14、トランジスタチョッパ15及び横流補償調整機能18は発電機10用の自動電圧調整装置(以下AVRと略記する)20を構成する主要機能である。
【0004】
上述の回路構成において、発電機10の起動時には、自動同期投入機能21は変圧器40aから入力する電源系統の電圧値と周波数/位相信号に対応して、発電機10の出力周波数を規定する原動機12の制御機能であるガバナ13の操作信号と発電機10の出力電圧を規定する励磁機11の励磁電流を規定するモータ16の操作信号を出力する。
発電機10が起動すると、ガバナ13は周波数センサ13aの出力信号が上記の操作信号に一致するように原動機の回転を立ち上げ制御するので、発電機の出力周波数は上昇する。
また、AVR20は変圧器10Aaの出力電圧が上記の操作信号に一致するように励磁機11の励磁電流を制御するので、発電機10の出力電圧も立ち上がる。
自動同期投入機能21は発電機10の出力電圧と周波数及び位相が電源系統の値に一致するように、ガバナ13の操作信号とAVR20の操作信号(モータ16の操作信号)を制御し、発電機出力が系統電源に平衡して所定の誤差範囲になると、遮断器45を投入する。
遮断器45が投入されると、ガバナ13とAVR20は現在の出力状態を維持するように発電機10を自動制御する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の自動同期投入制御装置の場合、発電電圧の制御には、電圧設定器17の可変抵抗器をモータで駆動して行っていた。そのために、次のような問題点があった。
▲1▼可変抵抗器の性能誤差やモータの操作信号と可変抵抗器回転位置の対応等の問題があるので、精度の高い発電機の出力電圧値の制御が困難であって、発電機出力と系統電源との電圧値の精度のよい平衡が取れなかった。
▲2▼可変抵抗器を回転して所定の電圧を出力するので、発電機出力が系統電源の電圧に平衡するまでに時間がかかった。
本発明は従来のものの上記課題(問題点)を解決し、特殊な機能や面倒な機能を必要とせずに速やかに安定な状態において遮断器投入ができる、電源系統に並列接続する自家用交流発電機の自動同期投入制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に基づく電源系統に並列接続する自家用交流発電機の自動同期投入制御装置は上記課題を解決するために、請求項1に記載のものでは、電気事業者から供給される電源系統に自家用交流発電機を並列接続する系統連携運転システムにおいて、系統連携運転起動時には、上記自家用交流発電機の励磁機の励磁電流を当該発電機の発電電圧と電源系統電圧の偏差電圧値によって制御するようにし、発電機出力が系統電源に平衡して所定の誤差範囲になると系統連携運転を起動するために遮断器を投入するように構成した。
また、請求項2に記載のものでは、電気事業者から供給される電源系統に自家用交流発電機を並列接続する系統連携運転システムにおいて、電源系統電圧値と自家用交流発電機の発電電圧値とを比較し減算する代数演算機能と、該代数演算機能減算値を、当該自家用交流発電機制御用励磁機の制御用基準電圧値と加算する代数演算機能とを備え、系統連携運転起動時において、上記代数演算機能加算値を当該自家用交流発電機制御用励磁機の励磁電流の制御信号とするようにし、発電機出力が系統電源に平衡して所定の誤差範囲になると系統連携運転を起動するために遮断器を投入するように構成した。
上記のように構成すると、次のような機能を有する。
(1)自動同期投入装置としてモータで駆動する可変抵抗器の必要がなくなり、特殊な機能や面倒な機能を必要としないだけではなく逆に簡略化ができる。
(2)可変抵抗器を介さないので励磁機の制御電圧精度が高くなって、発電機出力を系統電源に対して精度のよい電圧平衡が取れるようになる。
(3)可変抵抗器を回転する必要がなくなるので、発電機出力が系統電源の電圧に平衡するまでの時間が短くなる。
【0007】
【発明の実施の形態】
電気事業者から供給される電源系統に並列接続する自家用交流発電機のAVRに、本発明に基づく電圧平衡機能を適用して自動同期投入制御装置の一実施の形態を図1を参照して詳細に説明する。
同図では、従来の技術で説明した周波数/位相の制御機能は本発明に直接関係せず、従来の技術をそのまま適用できるので図示は省略し、また本発明の技術思想の説明に関連する主要機能以外は簡略化し、また図2に記した要素機能と相当の要素機能は同一の符号を付して機能説明は省略する。
【0008】
図1において、20Aは本発明に基づく機能を構成したAVRを示している。
まず、図2の説明では省略した従来の技術でも本発明でも使用される機能を説明する。
横流補償調整機能18に入力する発電機電圧は、変圧器10Aaによって、また発電機電流は変流器10Abによって得られる。
また、AVR20Aの電源は電源ライン30の電圧を変圧器30aで所定電圧に変圧し、制御電源回路31で直流に変換して得ている。
制御電源回路31の整流出力はベースカット回路32によってトランジスタベース駆動回路33を駆動可能にする。即ち、AVR20Aに電源が供給されないとトランジスタベース駆動回路33をカットし、電源が供給されるとトランジスタベース駆動回路33を駆動してトランジスタチョッパ15の駆動用パルスを出力する。
制御電源回路31の整流出力は、また基準電圧作成機能35に入力して励磁機11に対する基準励磁電流を指定する基準電圧を作成している。
【0009】
次に、AVR20Aに構成される発電機の自動同期投入時における本発明に基づく自動電圧平衡機能について説明する。
図1において、21Aは電圧コンパレータ回路であって、変圧器40aから得られる系統電源電圧に所定比で比例する電圧と変圧器10Aaから得られる発電機(図2の発電機10に対応する)の発電電圧の上記と同一比で比例する電圧とを比較し、系統電源電圧が発電機の発電電圧よりも大であればプラスの偏差電圧成分を出力し、系統電源電圧が発電機の発電電圧よりも小であればマイナスの偏差電圧成分を出力する。即ち、電圧コンパレータ回路21Aは減算動作を実行する代数演算機能を構成している。
電圧コンパレータ回路21Aの演算出力は演算増幅器とゲート回路で構成した加算動作を実行する代数演算機能を備えた自動電圧調整回路21Bの入力部aに入力している。
自動電圧調整回路21Bの入力部bには、基準電圧作成機能35で作成した基準電圧が入力し、自動電圧制御回路21Bの入力部cには、電圧設定器17の出力電圧が入力している。
【0010】
20Bは上述した各要素機能上位の制御機能を総合して示し、制御機能20Bは遮断機45の投入機能と、発電機の起動動作時には電圧コンパレータ回路21Aの機能を活かして横流補償調整機能18の機能を停止し、発電機の定常動作時には電圧コンパレータ回路21Aの機能を停止して横流補償調整機能18の機能を活かす働きを備えている。
即ち、自動電圧調整回路21Bは、発電機の起動動作時には入力部bに基準電圧作成機能35からの基準電圧と入力部aに入力する電圧コンパレータ回路21Aの出力とを代数的に加算し、発電機の定常動作時には入力部bに入力する前記基準電圧と入力部cに入力する電圧設定器17の出力を代数的に加算する。
代数的に加算するというのは、プラス電圧が入力すると加算し、マイナス電圧が入力すると減算する機能動作を示している。
【0011】
上述の機能構成において、電源回路30に電源電圧が供給されると、トランジスタベース駆動回路33が作動する。
図示しないスイッチ機能等によって原動機(図2の原動機12に対応する)を起動し、制御機能20Bに予め設定した周期/パルス幅の駆動用パルスによってトランジスタチョッパ15を作動し、所定の平均電圧(電流)が励磁機(図2の励磁機11に対応する)の励磁巻線11aに供給される。
従って、発電機が発電を開始し、発電電圧が系統電源電圧よりも低い間は、発電電圧と系統電源電圧との偏差成分が自動電圧調整回路21Bで基準電圧と加算され、トランジスタベース駆動回路33を機能させてトランジスタチョッパ15の駆動用パルス幅を広げ、励磁機の励磁電圧の平均値を上昇させる。
発電電圧が系統電源電圧よりも高いと、発電電圧と系統電源電圧との偏差成分は、前述したようにマイナス電圧なので、自動電圧調整回路21Bで基準電圧と代数加算されると、基準電圧よりも偏差成分値が減算され、トランジスタベース駆動回路33を機能させてトランジスタチョッパ15の駆動用パルス幅を狭くし、励磁機の励磁電圧の平均値を降下させる。
上記の動作の結果、発電電圧と系統電源電圧とが自動的に平衡されて所定の誤差範囲内で等しくなると、制御機能20Bの働きで遮断機45を投入し、自動電圧調整回路21Bに入力する電圧コンパレータ回路21Aの出力は電圧設定器17の出力に切り替えられ、自動電圧調整回路21Bで基準電圧と電圧設定器17の出力が代数加算され、発電機は系統電源に対する定常の同期運転が実行される。
【0012】
上述の実施の形態の説明は、本発明に基づく1例を示したものであって、上述した技術思想を適用して適切に応用改変しても良いことは当然である。
例えば、発電電圧が系統電源電圧よりも低い間は電圧コンパレータ回路21Aから出力される偏差電圧はプラスであるように説明したが、逆のマイナスであっても、自動電圧調整回路21Bの代数加算機能をこの極性に対応させて、上記の演算が実行できるようにすれば良い。その他、AVR等の発電機の制御機能に対応して上述した実施の形態に示した技術思想を適切に応用し、機能の構成を設定すれば良い。また、各演算機能やコンパレータ及び上位制御機能等は、入力アナログ値を適切にディジタル量に変換してマイクロコンピュータを用いたソフト処理を行うようにしても良い。
【0013】
【発明の効果】
本発明は電源系統に並列接続する自家用交流発電機の自動同期制御装置は上記のように構成したので、次のような優れた効果を有する。
▲1▼自動同期投入装置としてモータで駆動する可変抵抗器の必要がなくなり、特殊な機能や面倒な機能を必要としないだけではなく逆に簡略化ができた。
▲2▼可変抵抗器を介さないので、励磁機の制御電圧精度が高くなって、発電機出力と系統電源とが精度のよい電圧平衡が取れるようになった。
▲3▼可変抵抗器を回転する必要がなくなったので、発電機出力が系統電源の電圧に平衡するまでの時間が短くなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく、電源系統に並列接続する自家用交流発電機の自動同期投入制御装置を構成する自動電圧平衡機能を備えたAVRの一実施の形態を説明する必要機能構成の概要ブロック図である。
【図2】従来の自社の交流負荷装置に電力を供給する系統連携運転システムに適用される発電機の制御機能の概要例を説明する概要ブロック図である。
【符号の説明】
10:発電機(自家用交流発電機)
11:励磁機
12:原動機
15:トランジスタチョッパ
16:モータ
17:可変抵抗器(電圧設定器)
18:横流補償調整機能
20A:AVR(自動電圧調整装置)
20B:制御機能
21A:電圧コンパレータ回路(代数(減算)演算機能)
21B:自動電圧調整回路(代数(加算)演算機能)
33:トランジスタベース駆動回路
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気事業者から供給される電源系統に並列接続する自家用交流発電機設置事業所における自家用交流発電機の起動時に、この発電機の発電電圧が電源系統電圧と平衡した時に、遮断機を自動投入するようにした自動同期投入制御装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気事業者から供給される電源系統に自家用の交流発電機(以下発電機と略称する)を並列接続して、自社の交流負荷装置に電力を供給する系統連携運転システムが使用されている。
このような手段における従来の発電機の自動同期投入制御装置の構成の概要を図2に示す。
同図は電源系統の三相交流回路を単線図で示し、本発明の説明に関連する主要機能以外は簡略化して記している。
図2において、発電機10と励磁機11とは原動機12によって駆動され、原動機12はガバナ13によって回転速度が制御されている。
励磁機11の励磁巻線11aは、チョッパ制御機能14からの出力よって駆動されるトランジスタチョッパ15からの出力電流によって制御されている。なお、チョッパ制御機能14は指令電圧14aと発電電圧14bとを比較して制御パルスを作成する。
トランジスタチョッパ15は直流電源50からの入力をチョッパ制御機能14から入力する制御パルスによってチョッピングして、その出力する平均電圧値を変化させている。
指令電圧14aはモータ16によって可変抵抗器を備えた電圧設定器17によって制御され、発電機10の起動時におけるモータ16の回転は自動同期投入機能21によって制御される。
発電機10の定常運転時には、モータ16は図示しない操作機能によって操作され、電圧設定器17から出力する所定値の制御電圧が励磁機11の励磁電流を制御する。
上述した電圧設定器17の電源は、図示しない発電機電圧と発電機無効電流の入力信号に従って、発電機電圧を調整する信号電圧出力機能を備えた横流補償調整機能18によって制御されている。
即ち、定常状態においては、発電機10が系統電源と電力負荷に対応した電圧を出力するように運転を実行する。
【0003】
発電機10の出力回路10Aの交流出力は変圧器10Aaによって検出されて、チョッパ制御機能14と自動同期投入機能21に入力し、自動同期投入機能21には電源系統の配電ライン40に接続される変圧器40aの出力も入力している。
また、ガバナ13には、自動同期投入機能21から出力される周波数/位相信号と、発電機10の周波数/位相信号が周波数センサ13aによって検出されて入力している。
発電機10の出力回路10Aと電源系統の配電ライン40とは遮断器45によって接続され、遮断器45は自動同期投入機能21の出力信号によって後述する所定条件になると投入される。
上述したチョッパ制御機能14、トランジスタチョッパ15及び横流補償調整機能18は発電機10用の自動電圧調整装置(以下AVRと略記する)20を構成する主要機能である。
【0004】
上述の回路構成において、発電機10の起動時には、自動同期投入機能21は変圧器40aから入力する電源系統の電圧値と周波数/位相信号に対応して、発電機10の出力周波数を規定する原動機12の制御機能であるガバナ13の操作信号と発電機10の出力電圧を規定する励磁機11の励磁電流を規定するモータ16の操作信号を出力する。
発電機10が起動すると、ガバナ13は周波数センサ13aの出力信号が上記の操作信号に一致するように原動機の回転を立ち上げ制御するので、発電機の出力周波数は上昇する。
また、AVR20は変圧器10Aaの出力電圧が上記の操作信号に一致するように励磁機11の励磁電流を制御するので、発電機10の出力電圧も立ち上がる。
自動同期投入機能21は発電機10の出力電圧と周波数及び位相が電源系統の値に一致するように、ガバナ13の操作信号とAVR20の操作信号(モータ16の操作信号)を制御し、発電機出力が系統電源に平衡して所定の誤差範囲になると、遮断器45を投入する。
遮断器45が投入されると、ガバナ13とAVR20は現在の出力状態を維持するように発電機10を自動制御する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の自動同期投入制御装置の場合、発電電圧の制御には、電圧設定器17の可変抵抗器をモータで駆動して行っていた。そのために、次のような問題点があった。
▲1▼可変抵抗器の性能誤差やモータの操作信号と可変抵抗器回転位置の対応等の問題があるので、精度の高い発電機の出力電圧値の制御が困難であって、発電機出力と系統電源との電圧値の精度のよい平衡が取れなかった。
▲2▼可変抵抗器を回転して所定の電圧を出力するので、発電機出力が系統電源の電圧に平衡するまでに時間がかかった。
本発明は従来のものの上記課題(問題点)を解決し、特殊な機能や面倒な機能を必要とせずに速やかに安定な状態において遮断器投入ができる、電源系統に並列接続する自家用交流発電機の自動同期投入制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に基づく電源系統に並列接続する自家用交流発電機の自動同期投入制御装置は上記課題を解決するために、請求項1に記載のものでは、電気事業者から供給される電源系統に自家用交流発電機を並列接続する系統連携運転システムにおいて、系統連携運転起動時には、上記自家用交流発電機の励磁機の励磁電流を当該発電機の発電電圧と電源系統電圧の偏差電圧値によって制御するようにし、発電機出力が系統電源に平衡して所定の誤差範囲になると系統連携運転を起動するために遮断器を投入するように構成した。
また、請求項2に記載のものでは、電気事業者から供給される電源系統に自家用交流発電機を並列接続する系統連携運転システムにおいて、電源系統電圧値と自家用交流発電機の発電電圧値とを比較し減算する代数演算機能と、該代数演算機能減算値を、当該自家用交流発電機制御用励磁機の制御用基準電圧値と加算する代数演算機能とを備え、系統連携運転起動時において、上記代数演算機能加算値を当該自家用交流発電機制御用励磁機の励磁電流の制御信号とするようにし、発電機出力が系統電源に平衡して所定の誤差範囲になると系統連携運転を起動するために遮断器を投入するように構成した。
上記のように構成すると、次のような機能を有する。
(1)自動同期投入装置としてモータで駆動する可変抵抗器の必要がなくなり、特殊な機能や面倒な機能を必要としないだけではなく逆に簡略化ができる。
(2)可変抵抗器を介さないので励磁機の制御電圧精度が高くなって、発電機出力を系統電源に対して精度のよい電圧平衡が取れるようになる。
(3)可変抵抗器を回転する必要がなくなるので、発電機出力が系統電源の電圧に平衡するまでの時間が短くなる。
【0007】
【発明の実施の形態】
電気事業者から供給される電源系統に並列接続する自家用交流発電機のAVRに、本発明に基づく電圧平衡機能を適用して自動同期投入制御装置の一実施の形態を図1を参照して詳細に説明する。
同図では、従来の技術で説明した周波数/位相の制御機能は本発明に直接関係せず、従来の技術をそのまま適用できるので図示は省略し、また本発明の技術思想の説明に関連する主要機能以外は簡略化し、また図2に記した要素機能と相当の要素機能は同一の符号を付して機能説明は省略する。
【0008】
図1において、20Aは本発明に基づく機能を構成したAVRを示している。
まず、図2の説明では省略した従来の技術でも本発明でも使用される機能を説明する。
横流補償調整機能18に入力する発電機電圧は、変圧器10Aaによって、また発電機電流は変流器10Abによって得られる。
また、AVR20Aの電源は電源ライン30の電圧を変圧器30aで所定電圧に変圧し、制御電源回路31で直流に変換して得ている。
制御電源回路31の整流出力はベースカット回路32によってトランジスタベース駆動回路33を駆動可能にする。即ち、AVR20Aに電源が供給されないとトランジスタベース駆動回路33をカットし、電源が供給されるとトランジスタベース駆動回路33を駆動してトランジスタチョッパ15の駆動用パルスを出力する。
制御電源回路31の整流出力は、また基準電圧作成機能35に入力して励磁機11に対する基準励磁電流を指定する基準電圧を作成している。
【0009】
次に、AVR20Aに構成される発電機の自動同期投入時における本発明に基づく自動電圧平衡機能について説明する。
図1において、21Aは電圧コンパレータ回路であって、変圧器40aから得られる系統電源電圧に所定比で比例する電圧と変圧器10Aaから得られる発電機(図2の発電機10に対応する)の発電電圧の上記と同一比で比例する電圧とを比較し、系統電源電圧が発電機の発電電圧よりも大であればプラスの偏差電圧成分を出力し、系統電源電圧が発電機の発電電圧よりも小であればマイナスの偏差電圧成分を出力する。即ち、電圧コンパレータ回路21Aは減算動作を実行する代数演算機能を構成している。
電圧コンパレータ回路21Aの演算出力は演算増幅器とゲート回路で構成した加算動作を実行する代数演算機能を備えた自動電圧調整回路21Bの入力部aに入力している。
自動電圧調整回路21Bの入力部bには、基準電圧作成機能35で作成した基準電圧が入力し、自動電圧制御回路21Bの入力部cには、電圧設定器17の出力電圧が入力している。
【0010】
20Bは上述した各要素機能上位の制御機能を総合して示し、制御機能20Bは遮断機45の投入機能と、発電機の起動動作時には電圧コンパレータ回路21Aの機能を活かして横流補償調整機能18の機能を停止し、発電機の定常動作時には電圧コンパレータ回路21Aの機能を停止して横流補償調整機能18の機能を活かす働きを備えている。
即ち、自動電圧調整回路21Bは、発電機の起動動作時には入力部bに基準電圧作成機能35からの基準電圧と入力部aに入力する電圧コンパレータ回路21Aの出力とを代数的に加算し、発電機の定常動作時には入力部bに入力する前記基準電圧と入力部cに入力する電圧設定器17の出力を代数的に加算する。
代数的に加算するというのは、プラス電圧が入力すると加算し、マイナス電圧が入力すると減算する機能動作を示している。
【0011】
上述の機能構成において、電源回路30に電源電圧が供給されると、トランジスタベース駆動回路33が作動する。
図示しないスイッチ機能等によって原動機(図2の原動機12に対応する)を起動し、制御機能20Bに予め設定した周期/パルス幅の駆動用パルスによってトランジスタチョッパ15を作動し、所定の平均電圧(電流)が励磁機(図2の励磁機11に対応する)の励磁巻線11aに供給される。
従って、発電機が発電を開始し、発電電圧が系統電源電圧よりも低い間は、発電電圧と系統電源電圧との偏差成分が自動電圧調整回路21Bで基準電圧と加算され、トランジスタベース駆動回路33を機能させてトランジスタチョッパ15の駆動用パルス幅を広げ、励磁機の励磁電圧の平均値を上昇させる。
発電電圧が系統電源電圧よりも高いと、発電電圧と系統電源電圧との偏差成分は、前述したようにマイナス電圧なので、自動電圧調整回路21Bで基準電圧と代数加算されると、基準電圧よりも偏差成分値が減算され、トランジスタベース駆動回路33を機能させてトランジスタチョッパ15の駆動用パルス幅を狭くし、励磁機の励磁電圧の平均値を降下させる。
上記の動作の結果、発電電圧と系統電源電圧とが自動的に平衡されて所定の誤差範囲内で等しくなると、制御機能20Bの働きで遮断機45を投入し、自動電圧調整回路21Bに入力する電圧コンパレータ回路21Aの出力は電圧設定器17の出力に切り替えられ、自動電圧調整回路21Bで基準電圧と電圧設定器17の出力が代数加算され、発電機は系統電源に対する定常の同期運転が実行される。
【0012】
上述の実施の形態の説明は、本発明に基づく1例を示したものであって、上述した技術思想を適用して適切に応用改変しても良いことは当然である。
例えば、発電電圧が系統電源電圧よりも低い間は電圧コンパレータ回路21Aから出力される偏差電圧はプラスであるように説明したが、逆のマイナスであっても、自動電圧調整回路21Bの代数加算機能をこの極性に対応させて、上記の演算が実行できるようにすれば良い。その他、AVR等の発電機の制御機能に対応して上述した実施の形態に示した技術思想を適切に応用し、機能の構成を設定すれば良い。また、各演算機能やコンパレータ及び上位制御機能等は、入力アナログ値を適切にディジタル量に変換してマイクロコンピュータを用いたソフト処理を行うようにしても良い。
【0013】
【発明の効果】
本発明は電源系統に並列接続する自家用交流発電機の自動同期制御装置は上記のように構成したので、次のような優れた効果を有する。
▲1▼自動同期投入装置としてモータで駆動する可変抵抗器の必要がなくなり、特殊な機能や面倒な機能を必要としないだけではなく逆に簡略化ができた。
▲2▼可変抵抗器を介さないので、励磁機の制御電圧精度が高くなって、発電機出力と系統電源とが精度のよい電圧平衡が取れるようになった。
▲3▼可変抵抗器を回転する必要がなくなったので、発電機出力が系統電源の電圧に平衡するまでの時間が短くなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく、電源系統に並列接続する自家用交流発電機の自動同期投入制御装置を構成する自動電圧平衡機能を備えたAVRの一実施の形態を説明する必要機能構成の概要ブロック図である。
【図2】従来の自社の交流負荷装置に電力を供給する系統連携運転システムに適用される発電機の制御機能の概要例を説明する概要ブロック図である。
【符号の説明】
10:発電機(自家用交流発電機)
11:励磁機
12:原動機
15:トランジスタチョッパ
16:モータ
17:可変抵抗器(電圧設定器)
18:横流補償調整機能
20A:AVR(自動電圧調整装置)
20B:制御機能
21A:電圧コンパレータ回路(代数(減算)演算機能)
21B:自動電圧調整回路(代数(加算)演算機能)
33:トランジスタベース駆動回路
Claims (2)
- 電気事業者から供給される電源系統に自家用交流発電機を並列接続する系統連携運転システムにおいて、
系統連携運転起動時には、上記自家用交流発電機の励磁機の励磁電流を当該発電機の発電電圧と電源系統電圧の偏差電圧値によって制御するようにし、発電機出力が系統電源に平衡して所定の誤差範囲になると系統連携運転を起動するために遮断器を投入するようにしたことを特徴とする電源系統に並列接続する自家用交流発電機の自動同期投入制御装置。 - 電気事業者から供給される電源系統に自家用交流発電機を並列接続する系統連携運転システムにおいて、
電源系統電圧値と自家用交流発電機の発電電圧値とを比較し減算する代数演算機能と、該代数演算機能減算値を、当該自家用交流発電機制御用励磁機の制御用基準電圧値と加算する代数演算機能とを備え、
系統連携運転起動時において、上記代数演算機能加算値を当該自家用交流発電機制御用励磁機の励磁電流の制御信号とするようにし、発電機出力が系統電源に平衡して所定の誤差範囲になると系統連携運転を起動するために遮断器を投入するようにしたことを特徴とする電源系統に並列接続する自家用交流発電機の自動同期投入制御装置。
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JP22330896A JP3591151B2 (ja) | 1996-08-07 | 1996-08-07 | 電源系統に並列接続する自家用交流発電機の自動同期投入制御装置 |
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JP22330896A JP3591151B2 (ja) | 1996-08-07 | 1996-08-07 | 電源系統に並列接続する自家用交流発電機の自動同期投入制御装置 |
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JPH1056740A JPH1056740A (ja) | 1998-02-24 |
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-
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- 1996-08-07 JP JP22330896A patent/JP3591151B2/ja not_active Expired - Fee Related
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