JP3590482B2 - 等速ユニバーサルジョイント - Google Patents

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JP3590482B2
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宗宏 森田
頌三 井戸本
広行 村長
健一 青田
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D3/00Yielding couplings, i.e. with means permitting movement between the connected parts during the drive
    • F16D3/16Universal joints in which flexibility is produced by means of pivots or sliding or rolling connecting parts
    • F16D3/26Hooke's joints or other joints with an equivalent intermediate member to which each coupling part is pivotally or slidably connected
    • F16D3/30Hooke's joints or other joints with an equivalent intermediate member to which each coupling part is pivotally or slidably connected in which the coupling is specially adapted to constant velocity-ratio
    • F16D3/32Hooke's joints or other joints with an equivalent intermediate member to which each coupling part is pivotally or slidably connected in which the coupling is specially adapted to constant velocity-ratio by the provision of two intermediate members each having two relatively perpendicular trunnions or bearings
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D2300/00Special features for couplings or clutches
    • F16D2300/22Vibration damping

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Steering Controls (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ダブルカルダン式の等速ユニバーサルジョイントに関し、さらに詳細には、自動車等のステアリング装置におけるアッパシャフトとロアシャフトのように、所定範囲内の大きな交差角をもって屈曲する二つの回転軸の連結部に好適に使用される等速ユニバーサルジョイントに関する。
【0002】
【従来の技術】
二つの回転軸をそれらの軸線が大きな交差角をなすよう駆動連結する広角度等速ユニバーサルジョイントとして、例えば図17に示されるような構造のものが既に公知である(実開昭60−133231号公報参照)。
【0003】
このユニバーサルジョイントは、接続すべき二つの回転軸(図示省略)にそれぞれ一体的かつ同軸状に連結される一対のピンヨークa,bと、フランジ部c,cを介して相互に一体的に連結された一対のフランジヨークd,eと、これらピンヨークa,bおよびフランジヨークd,eのヨーク部f,g同士を枢動連結する一対のクロスピースh,iとからなるいわゆるダブルカルダン式のものである。上記フランジヨークd,eの環状案内溝j内には、心出しディスクkがリングディスクl,lを介して摺動可能に保持されるとともに、この心出しディスクkのソケット部mに、上記両ピンヨークa,bのピン部の球状突起n,nが受支されている。
【0004】
そして、上記両回転軸つまりピンヨークa,bの軸線X,Xの交差角θ(または屈曲角α)のいかんにかかわらず、その球状突起n,nは、上記心出しディスクkによって交差角θの2等分線Y上を案内され、これにより、上記両ピンヨークa,b間において回転トルクが等速性を維持された状態で伝達されるように構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ユニバーサルジョイントは、例えば自動車のステアリング装置におけるアッパシャフトとロアシャフトのように、上記両回転軸が一旦取り付けられると、その屈曲角α(つまり交差角θ)が所定の角度に保持されて変化しない箇所への用途もある。このような用途においては、回転軸の取付け誤差つまり取付け相手側とのミスアライメントを吸収するために、組付け時の作業性の容易さを確保するための、および操舵時における操作性を確保するためのわずかな余裕角度があれば、それ以上の屈曲角の余裕を考慮する必要がない。
【0006】
反面、自動車のステアリング装置においては、回転軸が導管の役割を果たして、路面からの衝撃や振動がステアリングホイール等へ伝わりやすい、あるいはステアリングホイールの操作により回転軸が一方向だけでなく左右両方向へ頻繁に回転する等の特性を有する。このため、ここに使用されるユニバーサルジョイントの構造も、操舵系として要求される操舵安定性、操舵トルクおよび音の抑制、あるいは高強度などを満足させる必要がある。
【0007】
しかしながら、図17に示すような等速ユニバーサルジョイントにおいては、以下に述べるような問題点があって、上記のような特性または機能を要求される特殊用途に対しては十分な構造ではなかった。
【0008】
すなわち、図17のユニバーサルジョイントにおいては、二つの回転軸の屈曲角αが例えば0°〜±60°の広い範囲で変化する場合などにも適用可能な汎用構造とされている。つまり、ピンヨークa,bの球状突起n,nを受けるソケット部mが、心出しディスクkの中央部に設けられており、これがため、上記両回転軸の屈曲角αが小さい状態にある場合にも、心出しディスクkは上記フランジ部c,cに対し比較的大きく偏心した状態にあり、その偏心量は上記屈曲角αが大きくなるにつれてさらに大きくなる。
【0009】
したがって、心出しディスクkの外周縁が上記フランジ部c,c間に形成される環状案内溝jの溝底つまり最外径部と干渉しやすく、上記屈曲角αを大きくするには、上記フランジ部c,cの外径を大きくする必要がある。
【0010】
ところが、自動車のステアリング装置のようにその設置空間に制約があって、上記フランジ部c,cの外径をあまり大きくとれない場合には、アッパシャフトとロアシャフトの屈曲角αを大きくすることができず、実質的にこの等速ユニバーサルジョイントを組み込むことができないという事態も生じる。
【0011】
この点に関して、本出願人は、自動車のステアンリング装置等の操舵系に好適に使用される等速ユニバーサルジョイントの構造を先に提案している(特開平8−4780号公報参照)。
【0012】
このユニバーサルジョイントは、図18に示すように、心出しディスクkが、フランジヨークd,eのフランジ部c,c間に形成された環状案内溝j内を摺動案内される大径のガイドプレートpと、このガイドプレートpの両側に同心状に設けられ、上記フランジ部c,cの内径部に係脱可能に係合する小径の位置決め円筒部q,qと、この円筒部q,qに偏心して設けられ、両ピンヨークa,bのピン部の球状突起n,nを枢支するソケット部mとを備えてなる。
【0013】
また、このソケット部mは、上記心出しディスクkの両側に貫通して設けられた円筒穴r内に、上記両球状突起n,nを弾発的に受支する弾性ゴムブッシュsが内装されてなり、これにより、球状突起n,nが常時両側外方向へ弾発付勢されて、球状突起n,nとソケット部mの摺接状態が常時保持される構造とされている。
【0014】
この構造においては、上記両ピンヨークa,bの球状突起n,nを受支するソケット部mが、心出しディスクkの中心より偏心した位置に設けられていることにより、図17に示される構造に比較して、よりコンパクトな構造が実現し、設置空間に制約がある自動車のステアリング装置にあっても、フランジヨークd,eのフランジ部c,cに対する心出しディスクkの偏心量を大きくして、屈曲角αを大きくとることが可能となるとともに、その他操舵安定性、操舵性等の操舵系として必要な条件も満足し得る。
【0015】
本発明はこの等速ユニバーサルジョイントをさらに改良発展させて、より自動車のステアンリング装置等の操舵系に好適な構造としたものである。
【0016】
すなわち、図18の構造においては、上記ソケット部mの円筒穴r内に、弾性ゴムブッシュsが内装されるとともに、この弾性ゴムブッシュsには、貫通穴tがその軸心から偏心した位置に設けられて、ここにピンヨークa,bの球状突起n,nが受支される構成とされている。これにより、弾性ゴムブッシュsの弾発付勢力は、上記球状突起n,nに対して、上記円筒穴rの軸方向と径方向の両方向へ働くことになり、ガイドプレートp、球状突起n,nおよび弾性ゴムブッシュsの三者は常時ほぼ一体的に動いて、ガイドプレートpと球状突起n,nとの打音の発生が防止されるとともに、弾性ゴムブッシュsの磨耗も防止される。
【0017】
しかしながら、例えば自動車のステアリング装置にあっては、上記両ピンヨークa,bに対する適正荷重が予め設定されているところ、上記弾性ゴムブッシュsでは、図8に示すように曲線状の非線形特性を有して弾性変形量も小さく、適正荷重に十分に対応できない。これがため、装着すべきステアリング装置の適正荷重やジョイント取付角つまり上記屈曲角αに対応して、弾性ゴムブッシュsの形状寸法(特に軸方向寸法)を正確かつ精密に設定する必要がある。また、これら適正荷重やジョイント取付角が異なると、異なる形状寸法の弾性ゴムブッシュsをその適正荷重やジョイント取付角の種類だけ用意する必要も生じてくる。
【0018】
また、弾性ゴムブッシュsは、周囲環境温度の影響を受けやすい特性も有し、例えば自動車のステアリング装置のように高温雰囲気で使用される装置においては、上記適正荷重を安定して維持できない場合や、寿命が短くなるといった不具合も生じうる。
【0019】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、ピンヨークのピン部と心出しディスクとの打音が生じず、汎用性に富むとともに、周囲環境温度に影響されることなくピンヨークに対する適正荷重が安定して維持でき、かつ寿命も長いソケット構造を備える等速ユニバーサルジョイントの提供にある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の等速ユニバーサルジョイントは、所定範囲内の大きな交差角をもって屈曲する二つの回転軸を駆動連結する等速ユニバーサルジョイントであって、ヨーク部およびピン部を有し、前記両回転軸にそれぞれ一体的かつ同軸状に連結される一対のピンヨークと、ヨーク部およびフランジ部を有し、このフランジ部を介して相互に一体的に連結された一対のフランジヨークと、これらピンヨークおよびフランジヨークのヨーク部を相互にそれぞれ枢動連結する一対のクロスピースと、前記フランジヨークのフランジ部間に形成された環状案内溝に摺動可能に設けられるとともに、前記両ピンヨークのピン部を受支して、前記両回転軸の交点を前記交差角の2等分線上に案内する心出しディスクとから構成され、この心出しディスクに、前記両ピンヨークのピン部の球状突起を枢支する円筒穴を有するソケット部が設けられるとともに、このソケット部の円筒穴内に前記両球状突起を弾発的に受支する圧縮コイルばねが設けられてなり、この圧縮コイルばねが前記ソケット部の円筒穴内に装着された状態において、前記圧縮コイルばねの両座巻き部分が前記両ピンヨークのピン部の球状突起に片当たりし、これにより前記圧縮コイルばねの弾発付勢力が前記両ピンヨークの球状突起に対して前記円筒穴の軸方向および径方向へ働く構造とされていることを特徴とする。
【0021】
本発明においては、前記両ピンヨークのピン部を受支する弾性部材として、圧縮コイルばねが使用されており、この圧縮コイルばねは、図8に示すように直線状の線形特性を有して弾性変形量も大きく、適正荷重に対しても十分に対応することができる。したがって、ピンヨークに厳しい適正荷重が要求される場合でも、その設定が容易かつ確実であり、また異なる適正荷重やジョイント取付角に対しても一種類の圧縮コイルばねで対応可能である。
【0022】
また、圧縮コイルばね自体は、周囲環境温度に影響を受け難いため、例えば自動車のステアリング装置のように高温雰囲気で使用される装置においても、上記適正荷重を安定して維持できるとともに、寿命も長い。
【0023】
しかも、圧縮コイルばねが前記ソケット部の円筒穴内に装着された状態において、圧縮コイルばねの両座巻き部分が両ピンヨークのピン部の球状突起に片当たりし、これにより圧縮コイルばねの弾発付勢力が両ピンヨークの球状突起に対してソケット部の円筒穴の軸方向および径方向へ働く構造とされているから、この圧縮コイルばねを介して、ソケット部とピンヨークの球状突起が離間することなく常時一体的に動くことになり、この部位における打音の発生が有効に防止される。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0025】
実施形態1
本発明に係る等速ユニバーサルジョイントを図1ないし図4に示し、図1および図2は最小の屈曲角にある状態、ならびに図3および図4は最大の屈曲角にある状態で示されている。
【0026】
このユニバーサルジョイントJは、図16に示される自動車のステアリング装置に組み込まれるものであって、このステアリング装置において、ステアリングギヤボックス100は車体固定部101に固定的に支持されて、図示しないステアリングリンケージを介して、フロントホイールに連係されるとともに、そのピニオンギヤシャフト102が、ステアリングシャフト103を介してステアリングホイール104に連係されている。
【0027】
このステアリングシャフト103は、上記ステアリングホイール104を担持するアッパシャフト(回転軸)103Aと、上記ピニオンギヤシャフト102と連結されるロアシャフト(回転軸)103Bとからなる。上記アッパシャフト103Aは、車体側固定部105に固定的に支持されたステアリングポスト106に、軸線Xの周りに回転可能に軸支されている。一方、上記ロアシャフト103Bは、ピニオンギヤシャフト102に同軸状に連結され、軸線Xの周りに回転可能とされている。これらアッパシャフト103Aとロアシャフト103Bは、その軸線XとXが所定範囲内の大きな屈曲角α(例えば60°)をもって交差するとともに、本発明の等速ユニバーサルジョイントJにより、トルク伝達可能に駆動連結されている。
【0028】
この等速ユニバーサルジョイントJは、いわゆるダブルカルダン式のものであって、図1および図3に示すように、一対のピンヨーク1A,1Bと、一体的に連結された一対のフランジヨーク2A,2Bと、これらピンヨーク1A,1Bおよびフランジヨーク2A,2Bを相互に枢動連結する一対のクロスピース3A,3Bと、上記両ピンヨーク1A,1Bの心出しを行う心出しディスク4を主要部として構成されている。また、この心出しディスク4には、後で詳述するように、上記両ピンヨーク1A,1Bのピン部7,7の球状突起7a,7aを枢支するソケット部27が設けられるとともに、このソケット部27内に、上記両球状突起7a,7aを弾発的に受支する圧縮コイルばね50が設けられている。
【0029】
ピンヨーク1Aおよび1Bは同一構造を備え、連結部5、一対のヨーク部6,6およびピン部7から構成されている。連結部5は軸線Xに沿って延在する連結孔5aを有する。一対のヨーク部6,6は、上記連結部5から軸線Xを中心として両側に平行に延びて設けられ、これらヨーク部6,6に、軸受孔6aが互いに整合してそれぞれ設けられている。これら両軸受孔6a,6aの共通軸線Xは、上記ピンヨーク1A,1Bの軸線Xに直交状に交差している。また、ピン部7は、上記両ヨーク部6,6の先端から軸線Xに沿って延びて設けられており、その先端部分7aが上記球状突起とされている。
【0030】
そして、図16に示されるように、一方のピンヨーク1Aは、連結部5の連結孔5aに嵌挿固定される連結部材108を介して、上記アッパシャフト103Aに一体的かつ同軸状に連結されるとともに、他方のピンヨーク1Bは、連結部5の連結孔5aに上記ロアシャフト103Bが直接的に嵌挿固定されて、一体的かつ同軸状に連結されている。
【0031】
一対のフランジヨーク2A,2Bはほぼ同一の構造を備え、フランジ部8および一対のヨーク部9,9から構成されている。フランジ部8は、軸線Xに対して垂直に延在する実質的に円環板状とされている。一対のヨーク部9,9は、上記フランジ部8から軸線Xを中心として両側に平行に延びて設けられ、これらヨーク部9,9に、軸受孔9aが互いに整合してそれぞれ設けられている。これら両軸受孔9a,9aの共通軸線Xは、上記フランジヨーク2A,2Bの軸線Xに直交状に交差している。
【0032】
そして、上記フランジヨーク2Aおよび2Bは、上記両フランジ部8,8の接合部8a,8b同士が印籠結合されるとともに、複数の締付ボルト10,10,…により締付け固定されて、相互に一体的に連結されている。この場合、フランジヨーク2Aおよび2Bの軸線X同士が同軸状に整合されるとともに、一対のヨーク部9,9同士が上記軸線Xの周りに同一位相の状態で一体的に連結されて、等速性が保たれている(ただし、図示のものにおいては、説明の目的で上記ヨーク部9,9同士が軸線Xの周りに互いに90°ずれた状態で示されている)。
【0033】
上記両フランジ部8,8同士は互いに共働して、その接合部8a,8bに、心出しディスク4を摺動可能に保持する幅狭の環状案内溝15を形成している。この環状案内溝15は、フランジヨークの軸線Xの周りに円環状に延在しており、その両壁面15a,15bが上記軸線Xに垂直な平面に形成された摺接面とされるとともに、その径方向内方へ向けて開口されてなる。この環状案内溝15内には、後述する心出しディスク4のガイドプレート25の外周部分が摺動案内可能に保持されている。
【0034】
一対のクロスピース3A,3Bは同様な基本構造を備え、互いに直交する2本の軸部20,21が一体形成されてなる実質的に十字形状のものである。
【0035】
クロスピース3Aは、一方の軸部20が上記フランジヨーク2Aのヨーク部9,9の軸受孔9a,9aに相対回転可能に軸支され、また他方の軸部21が上記ピンヨーク1Aのヨーク部6,6の軸受孔6a,6aに相対回転可能に軸支されている。なお、図示しないが、これら軸部20,21と軸受孔9a,6aとの間にはニードル軸受が介装されている。これにより、フランジヨーク2Aとピンヨーク1Aは、クロスピース3Aの中心O、つまり上記両共通軸線XおよびXの交点を枢点として互いに枢動連結されている。
【0036】
一方、クロスピース3Bは、一方の軸部20が上記フランジヨーク2Bのヨーク部9,9の軸受孔9a,9aに相対回転可能に軸支され、また他方の軸部21が上記ピンヨーク1Bのヨーク部6,6の軸受孔6a,6aに相対回転可能に軸支されている。これにより、フランジヨーク2Bとピンヨーク1Bは、上記と同様、クロスピース3Bの中心Oを枢点として互いに枢動連結されている。
【0037】
心出しディスク4は合成樹脂製の一体成型品で、ガイドプレート25、位置決め円筒部26,26および前述したソケット部27から構成されている。
【0038】
ガイドプレート25は実質的に大径の円板状とされ、その外周部分が上記環状案内溝15内に摺動案内可能に保持されるとともに、その両側面25a,25bは、上記環状案内溝15の摺接面15a,15bと実質的に密に摺接する平面に形成された摺接面とされている。
【0039】
上記ガイドプレート25の外周縁部には、図5および図6に示すように、弾発部材として波形板ばね30が配されており、これにより、ガイドプレート25が上記環状案内溝15の摺接面15aに対して弾発的に付勢されている。この波形板ばね30は、図示の実施形態においてはガイドプレート25の片面にのみ設けられているが、両面にそれぞれ設ける構造も採用しうる。
【0040】
位置決め円筒部26,26は、上記ガイドプレート25の両側に同心状に設けられている。この位置決め円筒部26の外周面26aは、上記フランジヨーク2A,2Bのフランジ部8の円筒内径部8cに係脱可能に係合する円筒面に形成されている。
【0041】
位置決め円筒部26の外周面26aの外径寸法は、上記フランジ部8の円筒内径部8cおよびガイドプレート25との関係を考慮して設定される。つまり、位置決め円筒部26の外周面26aの外径寸法は、上記円筒内径部8cとの間に所定間隔の余裕空間が確保されるとともに、図2および図4に示されるように、この外周面26aが上記円筒内径部8cに当接した状態において、ガイドプレート25の外周縁が環状案内溝15の溝底15cと非接触状態にあるようにされている。これに関連して、上記位置決め円筒部26が干渉する上記円筒内径部8cはゴムコーティング等による緩衝用弾性材で形成され、これら両者26,8cの干渉時における異音の発生防止ないしは低減化が図られている。
【0042】
また、上記位置決め円筒部26は中実の円筒ブロック形状とされて、ソケット部27の補強用ボス部としての機能を兼備している。これに関連して、位置決め円筒部26の両側一部には、図6に示すように、後述する両ピンヨーク1A,1Bの高屈曲角α(αmin 〜αmax ) を許容するための凹部31がそれぞれ設けられている。
【0043】
ソケット部27は、前述したように、上記両ピンヨーク1A,1Bの球状突起7a,7aを枢支するもので、上記位置決め円筒部26の偏心位置に設けられている。このソケット部27は、上記位置決め円筒部26の両側に貫通して設けられた貫通穴を有し、ここに金属製円筒部材36が一体的に嵌合されて、上記両ピンヨーク1A,1Bを枢支する円筒穴37が形成されている。この円筒穴37には、上記両ピンヨーク1A,1Bの球状突起7a,7aが心出しディスク4の両側から摺動可能に嵌装されるとともに、これら両球状突起7a,7aに、前記圧縮コイルばね50が介装されている。
【0044】
上記円筒部材36は、実際には、上記心出しディスク4の成形時に一体的に組み込まれ、その外周部には、抜け止め部として抜け止め突起36aが設けられている。このように、心出しディスク4の成形時に円筒部材36の組込みと同時に、抜け止め構造の形成を行うことにより、円筒部材36の抜けに対する製造コストの低減化対応が可能となる。
【0045】
なお、上記抜け止め突起36aに代えて、抜け止めフランジやローレット加工が施されてもよく、あるいは、図10に示されるような孔36bが設けられて、この孔36b内に心出しディスク4の成形樹脂が充填されて、抜け止め突起が形成されるようにしてもよい。
【0046】
上記ソケット部27の円筒穴37の軸線X27は、フランジヨーク2A,2Bの軸線Xと平行に延びるとともに、図1および図2に示されているように、等速ユニバーサルジョイントJが最小屈曲角αmin の状態にある場合にも、この軸線Xから偏心した位置にあるよう設定されている。これにより、両球状突起7a,7aの中心P,Pは、上記軸線Xから等距離の位置に位置決めされている。
【0047】
また、円筒穴37の長さ寸法は、図3に示されているように、等速ジョイントJが最大屈曲角αmax の状態にある場合にも、上記中心P,Pが円筒穴37の両端より内側に位置するように設定されている。
【0048】
さらに、上記両共通軸線XおよびXの交点つまり両クロスピース3A,3Bの中心O, Oは、フランジヨーク2A,2Bの軸方向中心における軸線Xに垂直な平面40、つまりピンヨーク1A,1Bの軸線X(=軸線X)および軸線X(=軸線X)の交差角θの2等分線Yから等距離に位置している。また球状突起7a,7aの中心P,Pも、上記2等分線Yから等距離に位置している。
【0049】
したがって、屈曲角αが図1に示されるごとく最小値αmin であるとき、図3に示されるごとく最大値αmax であるとき、およびこれら最小値αmin と最大値αmax の間の値であるときのいずれの場合においても、上記両軸線X,Xのと交点Pは常に上記2等分線Y上に位置するようにされている(図6参照)。
【0050】
上記圧縮コイルばね50は、上記球状突起7a,7aを常時両側外方向へ弾発付勢して、上記ソケット部27の円筒穴37との衝突音(金属音)等の異音発生を抑制するためのもので、その具体的構成が図7に示されている。
【0051】
この圧縮コイルばね50は、その弾発付勢力が球状突起7a,7aに対して上記円筒穴37の軸方向と径方向の両方向へ働く構造とされている。具体的には、この圧縮コイルばね50は、図7(b) に示すように、そのコイル径が全長にわたって同一とされた円筒圧縮コイルばねの形態とされるとともに、端部の座巻き部分50a,50bにピッチがつけられたオープンエンド構造を有する。
【0052】
これにより、圧縮コイルばね50がソケット部27の円筒穴37内に装着された状態において、両座巻き部分50a,50bはその軸心からずれたところで上記両球状突起7a,7aに片当たりして、圧縮コイルばね50の弾発付勢力Fは、図7(a) に示すように、球状突起7a,7aに対して矢符のごとく方向性をもって作用することになる。
【0053】
この結果、球状突起7a,7aは、上記円筒穴37の軸方向(軸線X27方向)の付勢分力fとともに、この軸方向に垂直な径方向の付勢分力fも受けることとなり、これにより、ソケット部27の円筒穴37とピンヨーク1A,1Bの球状突起7a,7aは、圧縮コイルばね50を介して摺接係合状態が常時弾発的に確保されて、これら三者が一体的に動くことになる。
【0054】
ちなみに、圧縮コイルばね50として、座巻き部分がフラットに形成されたクローズドエンド構造の円筒圧縮コイルばねを使用した場合、上記座巻き部分と球状突起7a,7aとの当たりが、片当たりではなくほぼ均一なものとなる。これがため、球状突起7a,7aが圧縮コイルばね50から受ける弾発付勢力は、ほとんどが上記軸方向の付勢力fで、径方向の付勢力fは非常に小さなものとなってしまい、上記円筒穴37と球状突起7a,7aの強い摺接係合状態を得ることはできない。
【0055】
また、圧縮コイルばね50の素線材料、素線径、コイル径、ピッチ、有効巻数および座巻き部分50a,50bの末端位置などの各種設計条件は、ピンヨーク1A,1Bの適正荷重等に対応して適宜決められるものであるが、コイル径はできるだけ円筒穴37の内径に近い寸法とされるのが望ましい。これは、圧縮コイルばね50のコイル径が大きいと、十分な弾発付勢力Fが安定して得られるからである。また、これと逆に、圧縮コイルばね50のコイル径が小さいと、圧縮コイルばね50と円筒穴37の内径面との間に広い空間が生じて、これら両者の係合状態が得られ難く、また球状突起7a,7aもフローティング状態で保持される傾向がある。この結果、ユニバーサルジョイントJの動作時に、圧縮コイルばね50と円筒穴37の内径面間で打音が発生したり、あるいは球状突起7a,7aと円筒穴37が相対的に動いて、やはり打音発生を誘発する可能性がある。
【0056】
また、自動車のステアリング装置においては、走行路面は凹凸を有して平坦面ではなく、常に路面からの衝撃や振動がステアリングシャフト103(103A,103B)へ伝わるため、ここに組み込まれる等速ユニバーサルジョイントJは非常に過酷な条件下で使用されることとなる。また、ステアリングホイール104の操作により、上記ステアリングシャフト103が一方向だけでなく左右両方向へ頻繁に回転する等の特性を有する。よって、ここに使用されるユニバーサルジョイントJの構造も、操舵系として要求される操舵安定性、操舵トルクおよび異音の抑制、あるいは高強度などを満足させる必要があり、さらに以下に述べるような構造的配慮がなされている。
【0057】
上記位置決め円筒部26の外周には、図2および図4に示すように、上記フランジヨーク2A,2Bのフランジ部の内径部に当接係合可能な一対の係合突起55,55が設けられている。これは、上記のようにピンヨーク1A,1Bの球状突起7a,7aが、心出しディスク4の偏心位置に設けられたソケット部27により枢支される構造において、ユニバーサルジョイントJが回転する時の特有の挙動、つまり、静止状態から回転を始めるとき、まず心出しディスク4が振り子の動きをして、位置決め円筒部26がフランジ8,8の円筒内径部8c,8cに干渉してから、周回運動をするということを考慮したものである。
【0058】
すなわち、ステアリングホイール104を回転操作する場合、その初期段階において、心出しディスク4はフランジ部8,8に対し、上記ソケット部27の軸線X27を中心に揺動して(振り子運動)、その位置決め円筒部26がフランジ部8,8の円筒内径部8cに干渉(衝突)し、この後、心出しディスク4が静止した状態でフランジ部8,8が相対的に回転することとなる。そして、この挙動は、ステアリングホイール104を一方向へ回転操作するたびに生じ、上記干渉が異音(干渉音)の発生の要因となるとともに、この干渉部分およびガイドプレート25と環状案内溝15の摺接面において常時摩擦摺動して、回転トルクを増大するすべり摩擦状態が生じている。
【0059】
この点に関して、上記ソケット部27の軸線X27を中心とした作用半径の小さな部位で干渉させることで、異音の発生を抑えることができ、この抑制効果は干渉部の動き量(振り子運動量)を小さくすればするほど大きい。そして、この目的のため、位置決め円筒部26の外周に、一対の係合突起55,55が設けられている。
【0060】
これら係合突起55,55の配設位置は、上記軸線X27を揺動中心とする心出しディスク4の振り子角βが可及的に小さくなる位置、つまり図9(a), (b)に示すように、上記軸線X27と心出しディスク4の軸線Xを通る直径線Dに対してほぼ垂直な直径線D方向位置とされている。また、図示の実施形態においては、係合突起55の干渉面が円筒面とされている。
【0061】
これら係合突起55,55の存在により、位置決め円筒部26とフランジ部8,8の円筒内径部8cとの初期隙間、さらには振り子角βが小さくなり、干渉音の発生が抑制される。しかも、このように振り子角βが小さくなると、上記位置決め円筒部26と円筒内径部8cとの干渉位置(接触位置)を確実に確保できることとなり、この結果、ガイドプレート25の外径寸法さらには環状案内溝15の内径寸法も小さくすることが可能となり、装置全体のコンパクト設計にも大きく寄与する。さらに、ガイドプレート25の外径寸法が小さくなることにより、環状案内溝15との摺接面積も小さくなり、かつ位置決め円筒部26と円筒内径部8cとの摺接面積(点接触)も小さく、回転トルクが低減される。
【0062】
また、前述したように、ガイドプレート25の外周縁部には、弾発部材として波形板ばね30が配されているが、この波形ばね30を受支する環状凹部32の環状受支面32aは、図5に示すように、軸方向へ勾配をもった傾斜平面とされている。
【0063】
すなわち、異音の発生の他の要因として、ガイドプレート25の摺接面25a,25bが環状案内溝15の摺接面15a,15bに接触することが挙げられる。これは環状案内溝15およびガイドプレート25の加工公差により、上記摺接面15a,25aおよび15b,25b間には必然的に隙間があり、ステアリングホイール104の回転操作時、あるいは走行路面から伝わってくる衝撃や振動等により、上記ガイドプレート25が環状案内溝15に対し叩かれて、異音発生につながる。そして、この異音発生の抑制の目的から、上記波形板ばね30により、ガイドプレート25が環状案内溝15の摺接面15aに対し弾発的に付勢される構造とされている。
【0064】
ここで、上記波形ばね30はガイドプレート25の外径に対応した円環状のもので、全周にわたり均一な弾発特性を有するところ、試験等により音の発生する挙動を詳しく調べてみると、ピンヨーク1A,1Bの球状突起7a,7aを受支するソケット27が、心出しディスク4の偏心位置に設けられているため、ガイドプレート25の振動は全周にわたって均一ではない。
【0065】
この点に関して、波形ばね30のばね力(弾発力)を、ガイドプレート25における振動の最も激しい部位に対応して強くすることも考えられるが、反面、波形ばね30のばね力が過度に強くなると、操舵トルク、つまりガイドプレート25と環状案内溝15との摺動抵抗が大きくなり、運転の操安、操舵性は著しく低下することとなる。
【0066】
そこで、波形ばね30を受ける環状受支面32aに勾配を付けて、上記ガイドプレート25の振動の激しい部位において、環状受支面32aと上記環状案内溝15の摺接面15bとの間隔が狭くなるように設定している。これにより、作用半径の大きな部位のばね圧を強く、小さな部位は弱くして、波形ばね30の弾発力による振動抑制効果が心出しディスク4の全周にわたって均一に働くことになる。また、このような構造を採用することにより、波形ばね30も一般市販のものが使用可能で、コスト低減化が図れる。
【0067】
本実施形態が適用されるステアリング装置においては、上記ソケット部27の軸線X27の位置からの作用半径の違いにより生じるモーメント力の違いにより、ソケット部27から最も離れた部分つまりガイドプレート25の下端外周縁において、上記両面32a,15bの間隔が最も狭くなるように設定されている。これにより、波形板ばね30の弾発力は、ガイドプレート25の振動の激しい部位つまり下端外周縁において強く作用するとともに、振動の少ない部位つまり上端外周縁において弱く作用して、ガイドプレート25の振動のバランスがとられることとなる。
【0068】
さらに、上記ガイドプレート25の摺接面25bには、図9(a) に示すように、複数本(図示の実施形態においては8本)の溝60,60,…が径方向へ延びて設けられており、上記環状案内溝15の摺接面15bとの接触面積が小さくなるようにされている。また、上記溝60,60,…は潤滑グリースの油溜めとしても機能して、上記摺接面25b,15b間への潤滑グリースを促進する。
【0069】
そして、上記接触面積の縮小化と潤滑グリースの潤滑との共働作用により、ガイドプレート25の両摺接面25a,25bと環状案内溝15の摺接面15a,15bとの密着力が弱まり、回転トルク(操舵トルク)の低減化が図られている。なお、上記溝60の配設構成、例えば配設本数は目的に応じて適宜設定され、また両摺接面25a,25bに配される構成も採りうる。
【0070】
また、上述したガイドプレート25の振動作用に関連して、図9(b) に示すように、ガイドプレート25における振動で環状案内溝15の摺接面15aと一点集中的に打ち合う個所、つまり、摺接面25aの下側外周部分にぬすみ部65(図中斜線部分)が設けられている。このようなぬすみ部65が形成されることにより、上記ガイドプレート25が振動しても、上記環状案内溝15の摺接面15aを打つ点が分散化されて、発生する異音も響きの低いものとなり、あるいは異音の発生が低減される。
【0071】
また、上記ぬすみ部65に加えて、ジョイント作動時の負荷に影響がない部分、つまり摺接面25aの上側外周部分にもぬすみ部66(図中斜線部分)が設けられている。これにより、ガイドプレート25の必要部位の板厚の精度が全面にわたって必要とせず、板厚の管理範囲がほぼ半減されて、厚み寸法精度のバラツキが低減される。
【0072】
しかして、以上のように構成された等速ユニバーサルジョイントJは、以下に述べるように動作して、非常に過酷な条件下での使用となる自動車のステアリング装置に組み込まれても、操舵系として要求される操安性、操舵トルクおよび異音の抑制、あるいは高強度などを十分に満足させ得る。
【0073】
すなわち、図16において、ステアリングホイール104が転舵されることにより、アッパシャフト103Aが軸線Xの周りに回転されると、この回転が連結部材108を介して、軸線Xの周りの回転としてピンヨーク1Aへ伝達される。このピンヨーク1Aの回転は、クロスピース3Aを介して、軸線Xの周りの回転としてフランジヨーク2Aへ伝達され、これによりフランジヨーク2A,2Bが軸線Xの周りに回転される。
【0074】
フランジヨーク2Bの回転は、クロスピース3Bを介して、軸線Xの周りの回転としてピンヨーク1Bさらにはロアシャフト103Bへと伝達され、これにより弾性ジョイント107を介して、ピニオンギヤシャフト102が軸線Xの周りに回転される。
【0075】
またピニオンギヤシャフト102の軸線Xの周りの回転は、上述とは逆の態様にてステアリングホイール104へ伝達される。
【0076】
この場合、上記両シャフト103A,103Bつまりピンヨーク1A,1Bの軸線X,Xの屈曲角α(または交差角θ)のいかんにかかわらず、その球状突起7a,7aの中心P,Pとクロスピース3A,3Bの中心O, Oは、上記2等分線Yから等距離の位置に維持されて、上記両軸線X,Xの交点Pが上記2等分線Y上に案内される結果、ピンヨーク1Aと1Bとの間には、等速性が維持された状態にて回転トルクが伝達される。
【0077】
かくして、図示の実施形態によれば、球状突起7a,7aを受けるソケット部27は、中心より偏心した位置にて心出しディスク4に設けられているので、屈曲角αを40°〜70°のごとく比較的高い範囲に設定することができ、これにより、狭い設置空間への装置も可能であるとともに、車室内空間を大きくとることができる。
【0078】
また、図示の実施形態によれば、心出しディスク4の外周部は常に環状案内溝15の摺接面15a,15bと実質的に密に摺接した状態にあり、上述の従来の等速ジョイントの場合のごとく、薄い円環板状のリングディスクを介してフランジヨークのフランジ部より支持された状態にある訳けではないので、従来に比して等速ユニバーサルジョイントJにより互いに連結されるシャフト103A,103Bのがたつきや回転トルク(操舵トルク)の変動を低減することができ、これにより操舵フィーリングを向上させることができる。
【0079】
さらに、上記のようにピンヨーク1A,1Bの球状突起7a,7aが、心出しディスク4の偏心位置に設けられたソケット部27により枢支される構造では、ステアリングホイール104を回転操作する場合、その初期段階において、心出しディスク4はフランジ部8,8に対し、上記ソケット部27を中心に揺動してフランジ部8,8に干渉(衝突)した後、心出しディスク4が静止した状態でフランジ部8,8が回転することとなる。つまり、ステアリングホイールの回転操作時においては、心出しディスク4とフランジ部8,8は上記干渉部分において常時摩擦摺動して、すべり摩擦状態が生じている。
【0080】
この場合、路面からの衝撃や振動により、ユニバーサルジョイントJにおける屈曲角αが常に変動する。それに伴って、ピン部7,7の球状突起7a,7a間の距離寸法も、狭くなったり広くなったりする結果、弾性ゴムブッシュ50も圧縮されたり伸ばされたりする動作が繰り返される。
【0081】
これに関連して、心出しディスク4の大径のガイドプレート25が、フランジ部8,8の環状案内溝15内で摺動案内されるとともに、小径の位置決め円筒部26が、フランジ部8,8の円筒内径部8c,8cに係脱可能に係合するように構成されている。したがって、上記心出しディスク4の揺動時の作用半径は、つまり上記ソケット部27の揺動中心から心出しディスク4と上記円筒内径部8c,8cとの干渉部分までの距離は小さく、この結果、心出しディスク4の揺動時に生じる作用モーメントが小さく抑えられて、上記干渉時に生ずる衝突音も、また上記すべり摩擦による回転抵抗力(回転トルク)も比較的小さい。
【0082】
さらに、上記両ピンヨーク1A,1Bのピン部7,7の球状突起7a,7aを受支する弾性部材として、大きな弾性変形量を有する円筒圧縮コイルばね50が使用されているから(コイルばね50は図8に示すように、線形特性を有して適正荷重に対しても広く対応でき、ジョイント取付角の適用範囲も広い)、ピンヨーク1A,1Bに厳しい適正荷重が要求される場合でも、その設定は容易かつ確実である。また異なる適正荷重に対しても一種類の圧縮コイルばね50で十分に対応可能である。
【0083】
また、圧縮コイルばね50自体は、周囲環境温度に影響を受け難いため、高温雰囲気で使用される自動車のステアリング装置においても、上記適正荷重を安定して維持できるとともに、寿命も長い。
【0084】
さらに、圧縮コイルばね50はオープンエンド構造とされているため、その弾発付勢力Fが、前述したように、両球状突起7a,7aに対してソケット部27の円筒穴37の軸方向および径方向へ働き(図7(a) の付勢分力f, f参照)、この結果、この圧縮コイルばね50を介して、ソケット部27と球状突起7a,7aが離間することなく常時一体的に動くことになり、この部位における打音の発生が有効に防止される。
【0085】
実施形態2
本実施形態は図11に示されており、実施形態1における圧縮コイルばね50の構成が若干改変されている。
【0086】
すなわち、本実施形態の圧縮コイルばね150は、図11(b) に示すように、そのコイル径が全長にわたって同一とされたオープンエンド構造の円筒圧縮コイルばねの形態とされるとともに、両端部の座巻き部分150a,150bが、有効巻数部150cにおけるピッチ角γよりも大きなピッチ角γ,γを有している。
【0087】
しかして、このような構造においては、座巻き部分150a,150bのピッチ角γ,γを適宜調整することにより、図11(a) において、ピンヨーク1A,1Bに対して上記適正荷重の範囲内でより強い弾発付勢力Fを作用させることができるとともに、両球状突起7a,7aをソケット部27の円筒穴37に対してより強い力をもって付勢することができる。
【0088】
なお、上記座巻き部分150a,150bのピッチ角γ,γは、同じ大きさに設定されても、あるいは異なる大きさに設定されてもよく、また、いずれか一方のみが上記ピッチ角γよりも大き設定されてもよく、使用対象となる自動車のステアリング装置やユニバーサルジョイントJの他の構成要素との関係で適宜設定される。
その他の構成および作用は実施形態1と同様である。
【0089】
実施形態3
本実施形態は図12に示されており、圧縮コイルばねとしてクローズドエンド構造の円筒圧縮コイルばねが使用されている。
【0090】
すなわち、本実施形態の圧縮コイルばね250は、図12(b) に示すように、そのコイル径が全長にわたって同一とされるとともに、両端部の座巻き部分250a,250bが、コイルの軸線に対して垂直なフラット形状とされたクローズドエンド構造とされている。また、上記両座巻き部分250a,250bが、図12(c) に示すように、コイル径方向内側へ巻き込むように折曲形成されてなる。
【0091】
しかして、圧縮コイルばね250がソケット部27の円筒穴37内に装着された状態において、両座巻き部分250a,250bは、前記実施形態と同様、上記両球状突起7a,7aに片当たりして、圧縮コイルばね250の弾発付勢力Fは、球状突起7a,7aに対して矢符のごとく作用することになる。この結果、球状突起7a,7aは、上記円筒穴37の軸方向(軸線X27方向)の付勢分力fとともに、この軸方向に垂直な径方向の付勢分力fも受けることとなり、これにより、ソケット部27の円筒穴37とピンヨーク1A,1Bの球状突起7a,7aは、圧縮コイルばね50を介して摺接係合状態が常時弾発的に確保される。
【0092】
なお、上記座巻き部分250a,250bの折曲形状は、同じ大きさに設定されても、あるいは異なる大きさに設定されてもよく、また、いずれか一方のみがコイル径方向内側へ折曲形成されてもよく、使用対象となる自動車のステアリング装置やユニバーサルジョイントJの他の構成要素との関係で適宜設定される。
その他の構成および作用は実施形態1と同様である。
【0093】
実施形態4
本実施形態は図13に示されており、圧縮コイルばねとして異形の円筒圧縮コイルばねが使用されている。
【0094】
すなわち、本実施形態の圧縮コイルばね350は、図13(b) に示すように、そのコイル径が全長にわたって同一とされるとともに、上記ソケット部27の円筒穴37内に装着された状態において、その軸線X350 が上記円筒穴の軸線X27に対して交差するように構成されている。換言すれば、この圧縮コイルばね350は、図13(b) において、クローズドエンド構造の円筒圧縮ばねの頂部350dと底部350eが相互に左右方向へずれた形状とされている。
【0095】
しかして、この圧縮コイルばね350がソケット部27の円筒穴37内に装着された状態において、両座巻き部分350a,350bは、前記実施形態と同様、上記両球状突起7a,7aに片当たりして、圧縮コイルばね350の弾発付勢力Fは、球状突起7a,7aに対して矢符のごとく作用することになる。この結果、球状突起7a,7aは、上記円筒穴37の軸方向(軸線X27方向)の付勢分力fとともに、この軸方向に垂直な径方向の付勢分力fも受けることとなり、これにより、ソケット部27の円筒穴37とピンヨーク1A,1Bの球状突起7a,7aは、圧縮コイルばね350を介して摺接係合状態が常時弾発的に確保される。
その他の構成および作用は実施形態1と同様である。
【0096】
実施形態5
本実施形態は図14に示されており、実施形態4と同様、圧縮コイルばねとして異形の円筒圧縮コイルばねが使用されている。
【0097】
すなわち、本実施形態の圧縮コイルばね450は、図14(b) に示すように、そのコイル径が全長にわたって同一とされるとともに、その軸線X450 が円弧線状とされている。換言すれば、この圧縮コイルばね450は、円筒圧縮コイルばねの有効巻数部450cが円弧状に胴曲がりされた形状とされている。
【0098】
しかして、この圧縮コイルばね450がソケット部27の円筒穴37内に装着された状態において、両座巻き部分450a,450bは、前記実施形態と同様、上記両球状突起7a,7aに片当たりして、圧縮コイルばね450の弾発付勢力Fは、球状突起7a,7aに対して矢符のごとく作用することになる。この結果、球状突起7a,7aは、上記円筒穴37の軸方向(軸線X27方向)の付勢分力fとともに、この軸方向に垂直な径方向の付勢分力fも受けることとなり、これにより、ソケット部27の円筒穴37とピンヨーク1A,1Bの球状突起7a,7aは、圧縮コイルばね450を介して摺接係合状態が常時弾発的に確保される。
その他の構成および作用は実施形態1と同様である。
【0099】
実施形態6
本実施形態は図15に示されており、実施形態4,5と同様、圧縮コイルばねとして異形の円筒圧縮コイルばねが使用されている。
【0100】
すなわち、本実施形態の圧縮コイルばね550は、図15(b) に示すように、そのコイル径が全長にわたって連続的に変化するように、つまり図面において右から左へいくに従って徐々に小さくなるように構成されており、かつ、その長手方向の外径輪郭形状が図示のごとく非対称とされている。換言すれば、図面において、圧縮コイルばね550は、その頂部の長手方向の外径輪郭形状(直線形状)550dがその底部の外径輪郭形状(直線形状)550eに平行な直線Zに対して傾斜するように構成されている。
【0101】
しかして、この圧縮コイルばね550がソケット部27の円筒穴37内に装着された状態において、両座巻き部分550a,550bは、前記実施形態と同様、上記両球状突起7a,7aに片当たりして、圧縮コイルばね550の弾発付勢力Fは、球状突起7a,7aに対して矢符のごとく作用することになる。この結果、球状突起7a,7aは、上記円筒穴37の軸方向(軸線X27方向)の付勢分力fとともに、この軸方向に垂直な径方向の付勢分力fも受けることとなり、これにより、ソケット部27の円筒穴37とピンヨーク1A,1Bの球状突起7a,7aは、圧縮コイルばね550を介して摺接係合状態が常時弾発的に確保される。
その他の構成および作用は実施形態1と同様である。
【0102】
上述した実施形態1〜6はあくまでも本発明の好適な実施態様を示すものであって、本発明はこれに限定されることなく、その範囲内において種々設計変更可能であり、例えば、各構成部材や要素の具体的構成は図示の形態と同様な機能を有する限り、他の構成を採用することができる。
【0103】
特に、圧縮コイルばねの具体的構成は、図示のものと同様な機能、つまりその弾発付勢力がピンヨーク1A,1Bの球状突起7a,7aに対して上記円筒穴37の軸方向と径方向の両方向へ働く構造である限り、他の構造を採用することができる。
【0104】
また、圧縮コイルばねによる上記球状突起7a,7aと円筒穴37の係合位置も特に限定されず、よって、圧縮コイルばねの座巻き部分の端部位置も限定されない。要するに、圧縮コイルばねによって、球状突起7a,7aを円筒穴37の内径面のいずれかの位置に押しつける方向の力が生ずればよく、この分力を働かせるような形状であればどのようなものも採用し得る。
【0105】
さらに、本発明は図示のような自動車のステアリング装置の他、その他の同様な構造を備える箇所にも適用可能であり、また、図18に示される構造のほか、図17に示される構造の等速ユニバーサルジョイントにも適用可能である。
【0106】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば以下に列挙するような特有の効果が得られ、ピンヨークのピン部と心出しディスクとの打音が生じず、汎用性に富むとともに、周囲環境温度の影響を受けることなくピンヨークに対する適正荷重が安定して維持でき、かつ寿命も長いソケット構造を備える等速ユニバーサルジョイントを提供することができる。
【0107】
(1) ピンヨークのピン部を受支する弾性部材として、大きな弾性変形量を有する圧縮コイルばねが使用されているから、ピンヨークに厳しい適正荷重が要求される場合でも、その設定が容易かつ確実であり、また異なる適正荷重やジョイント取付角に対しても一種類の圧縮コイルばねで対応可能であり、ジョイント取付角の自由度も増すなど汎用性に富む。
【0108】
(2) また、圧縮コイルばね自体は、その材料特性から周囲環境温度にあまり影響を受けないため、自動車のステアリング装置のように高温雰囲気で使用される装置においても、上記適正荷重を安定して維持できるとともに、寿命も長い。
【0109】
(3)さらに、圧縮コイルばねがソケット部の円筒穴内に装着された状態において、圧縮コイルばねの両座巻き部分が両ピンヨークのピン部の球状突起に片当たりし、これにより圧縮コイルばねの弾発付勢力が両ピンヨークの球状突起に対してソケット部の円筒穴の軸方向および径方向へ働く構造とされているから、この圧縮コイルばねを介して、ソケット部とピンヨークの球状突起と圧縮コイルばねの三者が相互に離間することなく常時一体的に動くことになり、この部位における打音の発生が有効に防止される。
【0110】
(4) 特に、ピンヨークの球状突起を枢支するソケット部が、心出しディスクの中心より偏心した位置に設けられていれば、コンパクトな構造でフランジヨークのフランジ部に対する心出しディスクの偏心量を大きくすることが可能で、連結すべき二つの回転軸の屈曲角を大きくとることが可能である。この結果、上記効果と相まって、例えば自動車のステアンリング装置等の操舵系に最適な等速ユニバーサルジョイントを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施形態1である等速ユニバーサルジョイントを、その最小の屈曲角にある状態で示す正面断面図である。
【図2】同等速ユニバーサルジョイントの要部を図1のII−II 線に沿って示す一部断面側面図である。
【図3】同等速ユニバーサルジョイントを、その最大の屈曲角にある状態で示す正面断面図である。
【図4】同等速ユニバーサルジョイントの要部を図3のIV−IV 線に沿って示す一部断面側面図である。
【図5】同等速ユニバーサルジョイントの心出しディスク部分を示す拡大正面断面図である。
【図6】同じく同心出しディスク部分の内部を示す拡大正面断面図である。
【図7】同等速ユニバーサルジョイントの心出しディスクの要部を拡大して示し、図7(a) はソケット部の側面断面図、図7(b) は圧縮コイルばねの正面図である。
【図8】同圧縮コイルばねの特性を、弾性ゴムブッシュの特性と比較して示す荷重−変位線図である。
【図9】同等速ユニバーサルジョイントの心出しディスクを示し、図9(a) はその正面側を示す正面図、図9(b) はその裏面側を示す裏面図である。
【図10】同等速ユニバーサルジョイントの心出しディスクにおけるソケット部の改変例を示す側面断面図である。
【図11】本発明に係る実施形態2である等速ユニバーサルジョイントの心出しディスクの要部を拡大して示し、図11(a) はソケット部の側面断面図、図11(b) は圧縮コイルばねの正面図である。
【図12】本発明に係る実施形態3である等速ユニバーサルジョイントの心出しディスクの要部を拡大して示し、図12(a) はソケット部の側面断面図、図12(b) は圧縮コイルばねの正面図、図12(c) は圧縮コイルばねの側面図である。
【図13】本発明に係る実施形態4である等速ユニバーサルジョイントの心出しディスクの要部を拡大して示し、図13(a) はソケット部の側面断面図、図13(b) は同ソケット部の円筒穴部をさらに拡大した正面断面図である。
【図14】本発明に係る実施形態5である等速ユニバーサルジョイントの心出しディスクの要部を拡大して示し、図14(a) はソケット部の側面断面図、図14(b) は圧縮コイルばねの正面図である。
【図15】本発明に係る実施形態6である等速ユニバーサルジョイントの心出しディスクの要部を拡大して示し、図15(a) はソケット部の側面断面図、図15(b) は圧縮コイルばねの正面図である。
【図16】本発明に係る等速ユニバーサルジョイントが組み込まれる自動車のステアリング装置を示す概略構成図である。
【図17】従来の等速ユニバーサルジョイントを示す正面断面図である。
【図18】従来の他の等速ユニバーサルジョイントを示す正面断面図である。
【符号の説明】
J 等速ユニバーサルジョイント
1A,1B ピンヨーク
2A,2B フランジヨーク
3A,3B クロスピース
4 心出しディスク
6 ピンヨークのヨーク部
7 ピンヨークのピン部
7a ピン部の球状突起
8 フランジヨークのフランジ部
8c フランジ部の円筒内径部
9 フランジヨークのヨーク部
15 フランジ部の環状案内溝
25 心出しディスクのガイドプレート
26 心出しディスクの位置決め円筒部
27 心出しディスクのソケット部
36 金属製円筒部材
37 ソケット部の円筒穴
50 圧縮コイルばね
50a,50b 圧縮コイルばねの座巻き部分
103A アッパシャフト(回転軸)
103B ロアシャフト(回転軸)
150 圧縮コイルばね
150a,150b 圧縮コイルばねの座巻き部分
250 圧縮コイルばね
250a,250b 圧縮コイルばねの座巻き部分
350 圧縮コイルばね
450 圧縮コイルばね
450a,450b 圧縮コイルばねの座巻き部分
450c 圧縮コイルばねの有効巻数部
550 圧縮コイルばね
550a,550b 圧縮コイルばねの座巻き部分
A, 回転軸の軸線
α 回転軸の屈曲角
θ 回転軸の交差角
γ コイルばねのピッチ角
γ1,γ コイルばねのピッチ角

Claims (9)

  1. 所定範囲内の大きな交差角をもって屈曲する二つの回転軸を駆動連結する等速ユニバーサルジョイントであって、
    ヨーク部およびピン部を有し、前記両回転軸にそれぞれ一体的かつ同軸状に連結される一対のピンヨークと、ヨーク部およびフランジ部を有し、このフランジ部を介して相互に一体的に連結された一対のフランジヨークと、これらピンヨークおよびフランジヨークのヨーク部を相互にそれぞれ枢動連結する一対のクロスピースと、前記フランジヨークのフランジ部間に形成された環状案内溝に摺動可能に設けられるとともに、前記両ピンヨークのピン部を受支して、前記両回転軸の交点を前記交差角の2等分線上に案内する心出しディスクとから構成され、
    この心出しディスクに、前記両ピンヨークのピン部の球状突起を枢支する円筒穴を有するソケット部が設けられるとともに、このソケット部の円筒穴内に前記両球状突起を弾発的に受支する圧縮コイルばねが設けられてなり、
    この圧縮コイルばねが前記ソケット部の円筒穴内に装着された状態において、前記圧縮コイルばねの両座巻き部分が前記両ピンヨークのピン部の球状突起に片当たりし、これにより前記圧縮コイルばねの弾発付勢力が前記両ピンヨークの球状突起に対して前記円筒穴の軸方向および径方向へ働く構造とされている
    ことを特徴とする等速ユニバーサルジョイント。
  2. 前記圧縮コイルばねは、コイル径が全長にわたって同一とされるとともに、オープンエンド構造を有する円筒圧縮コイルばねであることを特徴とする請求項1に記載の等速ユニバーサルジョイント。
  3. 前記円筒圧縮コイルばねにおいて、少なくともその端部における座巻き部分の一方が、有効巻数部分におけるピッチ角よりも大きなピッチ角を有していることを特徴とする請求項2に記載の等速ユニバーサルジョイント。
  4. 前記圧縮コイルばねは、コイル径が全長にわたって同一とされるとともに、クローズドエンド構造を有する円筒圧縮コイルばねであって、少なくともその端部における座巻き部分の一方が、コイル径方向内側へ折曲形成されていることを特徴とする請求項1に記載の等速ユニバーサルジョイント。
  5. 前記圧縮コイルばねは、コイル径が全長にわたって同一とされるとともに、前記ソケット部の円筒穴内に装着された状態において、その軸線が前記円筒穴の軸線に対して交差するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の等速ユニバーサルジョイント。
  6. 前記圧縮コイルばねは、コイル径が全長にわたって同一とされるとともに、その軸線が円弧線状とされている円筒圧縮コイルばねであることを特徴とする請求項1に記載の等速ユニバーサルジョイント。
  7. 前記圧縮コイルばねは、コイル径が全長にわたって連続的に変化するように構成されるとともに、その外径輪郭形状が非対称とされていることを特徴とする請求項1に記載の等速ユニバーサルジョイント。
  8. 前記心出しディスクは、前記環状案内溝内で摺動案内される大径のガイドプレートと、このガイドプレートの両側に同心状に設けられ、前記フランジヨークのフランジ部の内径部に係脱可能に係合する小径の位置決め円筒部と、この円筒部に偏心して設けられ、前記両ピンヨークのピン部の球状突起を枢支する前記ソケット部とを備えてなることを特徴とする請求項1から7のいずれか一つに記載の等速ユニバーサルジョイント。
  9. 前記心出しディスクは、前記ガイドプレート、位置決め円筒部およびソケット部が一体成形されてなる合成樹脂製とされるとともに、前記ソケット部の円筒穴がソケット部に一体的に嵌合された金属製円筒部材により形成されていることを特徴とする請求項8に記載の等速ユニバーサルジョイント。
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