JP3589853B2 - 電動機の端子台 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、端子台本体内に導体が埋設された電動機の端子台に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
図9は上記端子台の従来構成を示すものである。ここで、電動機の軸方向端部には合成樹脂製の端子台本体1が装着されており、端子台本体1内には導体板2,2が埋設されている。これら各導体板2にはハウジング3内に突出する接続部2aが設けられており、ハウジング3の電線挿入孔内に電源線を挿入すると、各電源線が接続部2aに接続され、電動機のコイルが導体板2を介して電源線に接続される。
【0003】
上記端子台の場合、接続部2a間の離間距離が短い上、ハウジング3内に樹脂ガスや水等が溜まる虞れがある。このため、耐トラッキング性等が高いとは言い難く、絶縁性能の点で改善の余地が残されている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、絶縁性能の向上を図り得る電動機の端子台を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の電動機の端子台は、電動機に装着される端子台本体と、前記端子台本体に埋設され前記電動機のコイルに接続される複数の導体と、前記各導体に設けられ前記端子台本体から突出する接続部と、前記端子台本体に設けられ前記複数の接続部を囲うハウジングと、前記ハウジングに設けられ前記各接続部に電源線を接続するための電線挿入部とを備え、前記ハウジングの前記端子台本体側の側板に前記接続部間に位置して両端部が開口するスリットが設けられているところに特徴を有している。
上記手段によれば、両端部が開口するスリットが導体の接続部間に設けられているので、接続部間の沿面距離が長くなる。しかも、ハウジング内の樹脂ガスや水分等がスリットを通して排出されるので、導体間の耐トラッキング性が高くなり、総じて、絶縁性能が向上する。
【0005】
請求項2記載の電動機の端子台は、コイルに接続されたピン端子が挿入される端子挿入孔が導体に設けられ、電源線を導体に接触した状態に保持する板ばねと、板ばねによる電源線の保持を解除するための操作部材とがハウジング内に収納されているところに特徴を有している。
上記手段によれば、導体の端子挿入孔内にピン端子を挿入し、導体およびピン端子間を半田付けすると、導体がピン端子を介してコイルに接続されるので、導体のコイルに対する接続作業性が向上する。しかも、ハウジングの電線挿入部内に電源線を挿入すると、電源線が板ばねにより導体に接触した状態に保持されるので、電源線に不用意な引張力が作用し、電源線と導体との接続状態が悪化することが防止される。さらに、操作部材を操作すると、板ばねによる電源線の保持が解除される。このため、電源線を引張れば、電源線がハウジングから引抜かれるので、電動機のメンテナンスを電源線に邪魔されることなく容易に行うことができる。
【0006】
請求項3記載の電動機の端子台は、スリットの電動機側の一端部が電動機のロータに面しているところに特徴を有している。
上記手段によれば、ハウジング内の水分がスリットの一端部を通してロータ側へ垂れ落ちるので、ハウジング内の水分がステータコイル上に垂れ落ちてステータコイルが劣化することが防止される。
【0007】
請求項4記載の電動機の端子台は、ハウジングの底板にスリットが設けられているところに特徴を有している。
上記手段によれば、ハウジング内の水分が底板のスリットから垂れ落ちる。このため、ハウジング内に水分が一層溜まり難くなるので、絶縁性能が一層向上する。
【0008】
請求項5記載の電動機の端子台は、ハウジングの底板のスリットが電動機のロータに面しているところに特徴を有している。
上記手段によれば、ハウジング内の水分がスリットを通してロータ側へ垂れ落ちるので、ハウジング内の水分がステータコイル上に垂れ落ちてステータコイルが劣化することが防止される。
【0009】
請求項6記載の電動機の端子台は、スリットの幅寸法が1mm以上に設定されているところに特徴を有している。
上記手段によれば、ハウジング内の水分が表面張力等に影響されず、スリットから円滑に垂れ落ちる。このため、ハウジング内に水分が一層溜まり難くなるので、絶縁性能が一層向上する。
【0010】
請求項7記載の電動機の端子台は、ハウジングの側板のスリットの幅寸法が一方側から他方側へ向かって大きくなっているところに特徴を有している。
上記手段によれば、スリットの幅狭な一端部が高所に位置し、幅広な他端部が低所に位置するように端子台を設置すれば、スリットの内面を伝わる水分がスリットの開口部に溜まることなく、円滑に垂れ落ちる。このため、ハウジング内に水分が一層溜まり難くなるので、絶縁性能が一層向上する。
【0011】
請求項8記載の電動機の端子台は、電動機の回転軸が挿入される軸孔と、ハウジングの側板のスリットを軸孔に連通させるスリットとが端子台本体に設けられているところに特徴を有している。
上記手段によれば、ハウジングの側板のスリットが端子台のスリットを通して軸孔に通じている。このため、導体の接続部間の沿面距離が一層長くなるので、絶縁性能が一層向上する。
【0012】
請求項9記載の電動機の端子台は、コンデンサが収納されるコンデンサ収納部が端子台に設けられ、このコンデンサ収納部の底面に突部が設けられているところに特徴を有している。
上記手段によれば、コンデンサ収納部内に樹脂を注入すると、コンデンサとコンデンサ収納部の底面との隙間に樹脂が侵入し、コンデンサの底面が樹脂で覆われる。このため、コンデンサ収納部の内面を伝わって底面に水分が侵入した場合でも、コンデンサの水濡れが防止されるので、コンデンサの防湿性が向上する。
【0013】
請求項10記載の電動機の端子台は、コンデンサ収納部の底面に複数の突部が離間して設けられているところに特徴を有している。
上記手段によれば、複数の突部間に樹脂流通用の隙間が形成される。このため、コンデンサとコンデンサ収納部の底面との隙間に樹脂が侵入し易くなるので、コンデンサの底面が確実に樹脂で覆われる上、樹脂の注入作業性が容易になる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施例を図1ないし図5に基づいて説明する。尚、本実施例はコンデンサ誘導モータに本発明を適用したものである。まず、図5において、ステータコア11は、4本のティースを内周部で連結した形態のティース鉄心12と、ティース鉄心12の外周部に圧入された枠状のヨーク鉄心13とから構成されたものであり、ティース鉄心12の内周部にはロータ14が収納されている。また、ティース鉄心12の各ティースには合成樹脂製のボビン15が嵌合されており、所定のボビン15には、図4に示すように、外周面に位置して一対の係合突部15aが一体形成されている。
【0015】
所定の2つのボビン15には、図5に示すように、主コイル16が巻装され、残り2つのボビン15には補助コイル17が巻装されている。そして、所定の2つのボビン15には、内周部に位置してピン端子18が取付けられており、各主コイル16の一方の端末部は一方のピン端子18に巻付けられ、両主コイル16は一方のピン端子18を介して直列接続されている。また、各補助コイル17の一方の端末部は残りのピン端子18に巻付けられ、両補助コイル17は残りのピン端子18を介して直列接続されている。
【0016】
所定の3つのボビン15には、外周部に位置してピン端子19が取付けられており、直列接続された両主コイル16の一方の端末部および直列接続された両補助コイル17の一方の端末部は別個のピン端子19に各々巻付けられている。また、直列接続された両主コイル16の他方の端末部および直列接続された両補助コイル17の他方の端末部は残りのピン端子19に共通に巻付けられている。
【0017】
ステータコア11の軸方向端部には、図4に示すように、端子台20が装着されている。以下、端子台20について詳述する。図1の端子台本体21は、PBT(ポリブチレンテレフタレート)等の合成樹脂を射出成形してなるものであり、端子台21の下面には、図4に示すように、係合脚部21aが一体形成されており、係合脚部21aはボビン15の係合突部15a間に係合されている。
【0018】
端子台本体21内には、図1の(a)に示すように、複数の導体板22が埋設されている。そして、所定の導体板22には端子挿入孔22aが形成されており、各端子挿入孔22aの周縁部は端子台本体21の表裏両面から露出している。これら各端子挿入孔22a内には、図4に示すように、ピン端子19が挿入されており、各ピン端子19は導体板22に半田付けされている。
【0019】
端子台本体21の表面には、図1の(a)に示すように、軸方向へ凹むコンデンサ収納部21bが形成されており、コンデンサ収納部21bの底面には4個の突部21cが一体形成されている。これら各突部21cは略径方向へ延びる板状をなすものであり、周方向および径方向へ離間して配置されている。また、コンデンサ収納部21b内には、図3に示すように、コンデンサ23が収納されている。このコンデンサ23の本体部23aは4個の突部21c上に載置され、各端子23bは所定の導体板22に半田付けされている。
【0020】
コンデンサ収納部21b内には樹脂24が充填されている。この樹脂24はコンデンサ収納部21b内にウレタン樹脂を注入して硬化させたものであり、コンデンサ23の本体部23aは全面が樹脂24によりモールドされている。
【0021】
端子台本体21には、図1の(a)に示すように、コネクタ部21dが一体形成されており、コネクタ部21d内の底部には2つの導体板22の一端部が突出している。このコネクタ部21dは外周側の一面が開口する矩形箱状をなすものであり、コネクタ部21dの内周側の側板には、図1の(b)に示すように、スリット21eが形成されている。このスリット21eはコネクタ部21dの側板を軸方向に貫通するものであり、スリット21eの軸方向両端部は開口し、ロータ14の軸方向端面に対向している。尚、図1の(a)の符号22bは、コネクタ部21d内に突出する導体板22の接続部を示すものである。
【0022】
端子台本体21には、図1の(a)に示すように、軸孔21fが形成されている。この軸孔21fはロータ14の回転軸(いずれも図示せず)が挿入されるものであり、軸孔21fの周縁部にはスリット21gが形成されている。このスリット21gはロータ14の軸方向端面に対向するものであり、コネクタ部21dのスリット21eはスリット21gを通して軸孔21fに通じている。尚、スリット21eおよび21gは短手方向の幅寸法が一定な直状をなすものであり、短手方向の幅寸法は1mm以上の所定値に設定されている。
【0023】
コネクタ部21d内には、図2の(a)に示すように、合成樹脂製のケース25が嵌合されている。このケース25は、コネクタ部21dと共に略密閉状態のハウジング26を構成するものであり、コネクタ部21dと反対側の一面が開口する矩形箱状をなしている。また、ケース25内には2枚の板ばね27が配設されている。これら各板ばね27は導体板22の上方に対向配置されたものであり、各板ばね27には略S字状の電線接続部27aが折曲形成されている。
【0024】
ケース25には、図2の(b)に示すように、各板ばね27の前方に位置して電線挿入孔25aが形成されている。これら各電線挿入孔25aは電線接続部に相当するものであり、図2の(a)に二点鎖線で示すように、各電線挿入孔25a内に電源線28を押込むと、各板ばね27の電線接続部27aと導体板22の接続部部22bとの間で電源線28が挟持され、各電線挿入孔25aが電源線28により密閉される。そして、各電源線28が導体板22に電気的に接続され、電源線28が導体板22を通して主コイル16,補助コイル17に接続される。尚、符号28aは電源線28の芯線、符号28bは絶縁被膜を示している。
【0025】
各板ばね27には、電線接続部27aの後方に位置して抜止部27bが折曲形成されている。これら各抜止部27bは湾曲板状をなすものであり、各電線挿入孔25a内に電源線28を挿入すると、抜止部27bと導体板22の接続部22bとの間に電源線28の芯線28aが押込まれる。すると、各抜止部27bの端部が芯線28aに係合し、電源線28を抜止めする。
【0026】
ケース25内には、図2の(b)に示すように、合成樹脂製のリリースボタン29がスライド可能に収納されている。このリリースボタン29は操作部材に相当するものであり、リリースボタン29には2つのリリース突部29aが一体形成されている。これら各リリース突部29aは、図2の(a)に示すように、板ばね27の電線接続部27aと抜止部27bとの間に挿入されており、リリースボタン29の矢印A方向および反矢印A方向へのスライドは、各リリース突部29aが電線接続部27aと抜止部27bとに係止されることに伴い、拘束されている。
【0027】
リリースボタン29には、図2の(b)に示すように、操作突部29bが一体形成されている。また、ケース25には、電線挿入孔25a間に位置して操作孔25bが形成されており、リリースボタン29の操作突部29bは操作孔25b内に挿入されている。従って、操作孔25b内にドライバー等の工具(図示せず)を挿入し、操作突部29bを奥方へ押込むと、リリースボタン29が矢印A方向へスライドする。
【0028】
リリースボタン29が矢印A方向へスライドすると、図2の(a)に二点鎖線で示すように、リリースボタン29の各リリース突部29aが板ばね27の抜止部27bを押圧し、各抜止部27bが弾性変形する。すると、各抜止部27bが電源線28から離間し、各抜止部27bによる電源線28の係止が解除されるので、各電源線28を反矢印A方向へ引張ると、各電源線28が板ばね27の電線接続部27aと導体板22との間から抜取られ、ケース25の電線挿入孔25aを通して取出される。
【0029】
上記実施例によれば、ハウジング26の側板に導体板22の接続部22b間に位置してスリット21eを形成した。このため、接続部22b間の沿面距離が長くなる上、ハウジング26内の樹脂ガスや水分等がスリット21eを通して排出されるので、導体板22間の耐トラッキング性が高くなり、総じて、絶縁性能が向上する。
【0030】
また、各導体板22に端子挿入孔22aを形成した。このため、端子挿入孔22a内にピン端子19を挿入した後、導体板22およびピン端子19間を半田付けすれば、導体板22がピン端子19を通して主コイル16,補助コイル17に接続されるので、導体板22の主コイル16,補助コイル17に対する接続作業性が向上する。
【0031】
また、ハウジング26内に板ばね27を収納した。このため、ハウジング26の電線挿入孔25a内に電源線28を挿入すると、電源線28が板ばね27により導体板22に接触した状態に保持されるので、電源線28に不用意な引張力が作用し、電源線28と導体板22との接続状態が悪化することが防止される。
【0032】
また、ハウジング26内にリリースボタン29を収納した。このため、リリースボタン29を操作し、板ばね27による電源線28の保持を解除したまま電源線28を引張れば、電源線28がハウジング26から引抜かれるので、モータのメンテナンスを電源線28に邪魔されることなく容易に行うことができる。
【0033】
また、ハウジング26のスリット21eの下端部をロータ14の軸方向端面に対向させた。このため、ハウジング26内の水分がスリット21eの下端部を通してロータ14側へ垂れ落ちるので、ハウジング26内の水分が主コイル16,補助コイル17上に垂れ落ちて主コイル16,補助コイル17が劣化することが防止される。
【0034】
また、端子台本体21のスリット21gをロータ14の軸方向端面に対向させた。このため、ハウジング26内の水分がスリット21gを通してロータ14側へ垂れ落ちるので、この点からも、ハウジング26内の水分が主コイル16,補助コイル17上に垂れ落ちて主コイル16,補助コイル17が劣化することが防止される。
【0035】
また、ハウジング26のスリット21eおよび端子台本体21のスリット21gの短手方向の幅寸法を1mm以上に設定したので、ハウジング26内の水分が表面張力に影響されずスリット21eおよび21gを通して円滑に垂れ落るようになる。このため、ハウジング26内に水分が一層溜まり難くなるので、絶縁性能が一層向上する。
【0036】
また、端子台本体21にスリット21gを形成し、ハウジング26のスリット21eおよび軸孔21f間をスリット21gにより連通させた。このため、導体板22の接続部22b間の沿面距離が一層長くなるので、絶縁性能が一層向上する。
【0037】
また、コンデンサ収納部21bの底面に突部21cを設けた。このため、コンデンサ収納部21b内にウレタン樹脂を注入すると、コンデンサ23の本体部23aとコンデンサ収納部21bの底面との隙間にウレタン樹脂が侵入し、本体部23aの底面が樹脂で覆われる。このため、コンデンサ収納部21bの内面を伝わって底面に水分が侵入した場合でも、本体部23aの水濡れが防止されるので、コンデンサ23の防湿性が向上する。
【0038】
また、複数の突部21cを離間して配置したので、突部21c間に樹脂流通用の隙間が形成される。このため、コンデンサ23の本体部23aとコンデンサ収納部21bの底面との隙間にウレタン樹脂が侵入し易くなるので、本体部23aの底面が確実に樹脂で覆われる上、ウレンタン樹脂の注入作業が容易になる。
【0039】
次に本発明の第2実施例を図6および図7に基づいて説明する。尚、上記第1実施例と同一の部材については同一の符号を付して説明を省略し、以下、異なる部材についてのみ説明を行う。まず、図7において、端子台21のコネクタ部21dの底板には、内周部に位置してスリット21hが形成されている。このスリット21hは側板のスリット21eに対して直交し、スリット21eに通じるものであり、短手方向の幅寸法が1mm以上の所定値に設定され、図6に示すように、ロータ14の軸方向端面に対向している。
【0040】
上記実施例によれば、ハウジング26の底板にスリット21hを形成したので、ハウジング26内の水分がスリット21hから垂れ落るようになる。このため、ハウジング26内に水分が溜まり難くなるので、導体板22間の耐トラッキング性が高くなり、絶縁性能が向上する。
【0041】
また、スリット21hの短手方向の幅寸法を1mm以上に設定したので、ハウジング26内の水分が表面張力に影響されずスリット21hから円滑に垂れ落るようになる。このため、ハウジング26内に水分が一層溜まり難くなるので、絶縁性能が一層向上する。
【0042】
また、スリット21hをロータ14の軸方向端面に対向させた。このため、スリット21hから主コイル16および補助コイル17上に水が垂れ落ちることが防止されるので、主コイル16および補助コイル17の劣化が防止される。
【0043】
尚、上記第1および第2実施例においては、ハウジング26の側板のスリット21e,ハウジング26の底板のスリット21h,端子台本体21のスリット21gを直状に形成したが、これに限定されるものではなく、例えば円弧状,湾曲状,折曲状等に形成しても良い。
【0044】
次に本発明の第3実施例を図8に基づいて説明する。尚、上記第2実施例と同一の部材については同一の符号を付して説明を省略し、以下、異なる部材についてのみ説明を行う。ハウジング26の側板のスリット21eは上方から下方へ向かうに従って短手方向の幅寸法が大きくなっており、スリット21eの短手方向の幅寸法は、最も幅狭な上端部でも1mm以上の所定値に設定されている。
【0045】
上記実施例によれば、スリット21eの短手方向の幅寸法を上方から下方へ向かって大きくしたので、スリット21eの内面に付着した水分がスリット21eの下方の開口部に溜まることなく円滑に垂れ落ちる。このため、ハウジング26内に水分が一層溜まり難くなるので、絶縁性能が一層向上する。
【0046】
尚、上記第1〜第3実施例においては、ハウジング26の側板のスリット21e,ハウジング26の底板のスリット21h,端子台本体21のスリット21gの短手方向の幅寸法を1mm以上に設定したが、これに限定されるものではなく、例えば1mm未満に設定しても良い。
【0047】
また、上記第1〜第3実施例においては、コンデンサ収納部21bの底面に複数の突部21cを設け、複数の突部21c上にコンデンサ23を載置したが、これに限定されるものではなく、例えば、コンデンサ収納部21bの底面にコ字枠状をなす1つの突部を設け、この突部上にコンデンサ23を載置しても良い。
【0048】
また、上記第1〜第3実施例においては、コンデンサ収納部21bの底面に突部21cを設け、突部21c上にコンデンサ23を載置したが、これに限定されるものではなく、例えば、コンデンサ収納部21bの底面を平坦に設け、コンデンサ収納部21bの底面にコンデンサ23を直接載置しても良い。
【0049】
また、上記第1〜第3実施例においては、ハウジング26をコネクタ部21dとケース12とから構成したが、これに限定されるものではなく、例えば、コネクタ部21dのみから構成しても良い。この場合、電源線28が予め接続された対のコネクタをコネクタ部21dに嵌合することに伴い、導体板22の接続部22bに電源線28を接続したり、コネクタ部21dの開口部を通して接続部22bに電源線28を半田付けすると良い。
【0050】
また、上記第1〜第3実施例においては、端子台本体21内に導体板22を埋設したが、これらに限定されるものではなく、例えば導体線を埋設しても良い。
【0051】
また、上記1〜第3実施例においては、本発明をコンデンサ誘導モータの端子台20に適用したが、これに限定されるものではなく、例えばDCブラシレスモータの端子台に適用しても良い。
【0052】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の電動機の端子台によれば次の効果を奏する。
請求項1記載の手段によれば、ハウジングの側板にスリットを形成した。このため、導体間の沿面距離が長くなる上、ハウジング内の樹脂ガスや水分等がスリットを通して排出されるので、絶縁性能が向上する。
請求項2記載の手段によれば、導体に端子挿入孔を形成したので、導体をコイルに簡単に接続することができる。しかも、ハウジング内に板ばねを収納したので、電源線を導体に接続された状態に確実に保持できる。また、ハウジング内に操作部材を収納したので、電源線をハウジングから容易に引抜くことが可能になり、メンテナンス性が向上する。
【0053】
請求項3記載の手段によれば、スリットの一方の開口部をロータに対向させたので、ハウジング内の水分がコイル上に垂れ落ちてコイルが劣化することが防止される。
請求項4記載の手段によれば、ハウジングの底板にスリットを設けた。このため、ハウジング内に水分が溜まり難くなるので、絶縁性能が向上する。
【0054】
請求項5記載の手段によれば、ハウジングの底板のスリットをロータに対向させたので、ハウジング内の水分がコイル上に垂れ落ちてコイルが劣化することが防止される。
請求項6記載の手段によれば、スリットの幅寸法を1mm以上に設定したので、ハウジング内の水分が表面張力に影響されずスリットから垂れ落るようになる。このため、ハウジング内に水分が一層溜まり難くなるので、絶縁性能が一層向上する。
【0055】
請求項7記載の手段によれば、ハウジングの側板のスリットの幅寸法を一方側から他方側へ向かって大きくした。このため、スリットの内面に付着した水分がスリットの他方側の開口部に溜まることなく円滑に垂れ落ちるので、ハウジング内に水分が一層溜まり難くなり、絶縁性能が一層向上する。
請求項8記載の手段によれば、端子台本体の側板のスリットを別のスリットを通して軸孔に連通させた。このため、導体の接続部間の沿面距離が一層長くなるので、絶縁性能が一層向上する。
【0056】
請求項9記載の手段によれば、コンデンサ収納部の底面に突部を設けたので、コンデンサの底面を樹脂で覆うことができる。このため、コンデンサ収納部の内面を伝わって底面に水分が侵入した場合でも、コンデンサの水濡れが防止されるので、コンデンサの防湿性が向上する。
請求項10記載の手段によれば、コンデンサ収納部に複数の突部を離間して設けた。このため、コンデンサとコンデンサ収納部の底面との隙間に樹脂が侵入し易くなるので、コンデンサの底面が確実に樹脂で覆われる上、樹脂の注入作業が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す図(aは端子台を示す斜視図、bはX視図)
【図2】ハウジングを示す図(aはX1 −X1 線に沿う断面図、bはX2 −X2 線に沿う断面図、cはX3 −X3 線に沿う断面図)
【図3】コンデンサ収納部にコンデンサを収納した状態を示す図(aはX1 −X1 線に沿う断面図、bはX2 −X2 線に沿う断面図)
【図4】電動機および端子台の外観を示す図
【図5】ステータを示す図
【図6】本発明の第2実施例を示す図(全体構成を示す断面図)
【図7】(a)はハウジングを軸方向の一方側から示す斜視図、(b)はハウジングを軸方向の他方側から示す斜視図
【図8】本発明の第3実施例を示す図7の(b)相当図
【図9】従来例を示す図1の(a)相当図
【符号の説明】
14はロータ、16は主コイル(コイル)、17は補助コイル(コイル)、19はピン端子、20は端子台、21は端子台本体、21bはコンデンサ収納部、21cは突部、21eはスリット、21fは軸孔、21gはスリット、22は導体板(導体)、22aは端子挿入孔、22bは接続部、23はコンデンサ、25aは電線挿入孔(電線挿入部)、26はハウジング、27は板ばね、28は電源線、29はリリースボタン(操作部材)を示す。
Claims (10)
- 電動機に装着される端子台本体と、
前記端子台本体に埋設され、前記電動機のコイルに接続される複数の導体と、
前記各導体に設けられ、前記端子台本体から突出する接続部と、
前記端子台本体に設けられ、前記複数の接続部を囲うハウジングと、
前記ハウジングに設けられ、前記各接続部に電源線を接続するための電線挿入部とを備え、
前記ハウジングの前記端子台本体側の側板には、前記接続部間に位置して両端部が開口するスリットが設けられていることを特徴とする電動機の端子台。 - 導体には、コイルに接続されたピン端子が挿入される端子挿入孔が設けられ、
ハウジング内には、電源線を導体に接触した状態に保持する板ばねと、板ばねによる電源線の保持を解除するための操作部材とが収納されていることを特徴とする請求項1記載の電動機の端子台。 - スリットの電動機側の一端部は、電動機のロータに面していることを特徴とする請求項1記載の電動機の端子台。
- ハウジングの底板には、スリットが設けられていることを特徴とする請求項1記載の電動機の端子台。
- ハウジングの底板のスリットは、電動機のロータに面していることを特徴とする請求項4記載の電動機の端子台。
- スリットの幅寸法は、1mm以上に設定されていることを特徴とする請求項1または4記載の電動機の端子台。
- ハウジングの側板のスリットの幅寸法は、一方側から他方側へ向かって大きくなっていることを特徴とする請求項1記載の電動機の端子台。
- 端子台本体には、電動機の回転軸が挿入される軸孔と、ハウジングの側板のスリットを軸孔に連通させるスリットとが設けられていることを特徴とする請求項1記載の電動機の端子台。
- 端子台には、コンデンサが収納されるコンデンサ収納部が設けられ、
このコンデンサ収納部の底面には突部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の電動機の端子台。 - コンデンサ収納部の底面には複数の突部が離間して設けられていることを特徴とする請求項9記載の電動機の端子台。
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